昭和42(オ)588 損害賠償請求

裁判年月日・裁判所
昭和45年3月26日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和39(ネ)602
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告代理人石川泰三、同荒井鐘司の上告理由第一点について。  商法二六六条ノ三第

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判決文本文2,212 文字)

主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人石川泰三、同荒井鐘司の上告理由第一点について。 商法二六六条ノ三第一項前段の規定は、株式会社の取締役が、悪意または重大な過失により会社に対する義務に違反し、これによつて第三者に損害を被らせたときは、取締役の任務懈怠の行為と第三者の損害との間に相当の因果関係があるかぎり、会社がこれによつて損害を被つた結果、ひいて第三者に損害を生じた場合であると、直接第三者が損害を被つた場合であるとを問うことなく、当該取締役が直接に第三者に対し損害賠償の責に任ずべきことを定めたものと解すべきであるし、株式会社の代表取締役が、他の取締役その他の者に会社業務の一切を任せきりとし、その業務執行に何等意を用いることなく、ついにはそれらの者の不正行為ないし任務懈怠を看過するに至るような場合には、自らもまた悪意または重大な過失により任務を怠つたものと解すべきことは、当裁判所の判例とするところである(最高裁判所昭和三九年(オ)第一一七五号、同四四年一一月二六日大法廷判決参照。)。上告人は商法二六六条の三により、第三者である被上告人に対し、本件麦類亡失事故によつて蒙らせた損害を賠償すべき義務を負うものである旨の原審の判断は、原判決の判示する事実関係の下においては、正当として支持することができる。原判決に所論の違法はなく、論旨は、採用することができない。 同第二点について。 原審は、昭和三三年四月一日の寄託契約締結後、昭和三三年の会計年度末である昭和三四年三月三一日までの間に亡失したものと認定している趣旨であることは原判決に徴し明らかであり、この点に関する原審の事実認定ならびに判断は、原判決- 1 -の挙示する証拠関係に照らして是認すること 三四年三月三一日までの間に亡失したものと認定している趣旨であることは原判決に徴し明らかであり、この点に関する原審の事実認定ならびに判断は、原判決- 1 -の挙示する証拠関係に照らして是認することができる。その他原判決に所論の違法はなく、論旨は、適法になされた原審の証拠の取捨判断、事実認定、それに基づく正当な判断を非難するに帰し、採用することができない。 よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官松田二郎、同岩田誠の反対意見があるほか、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 裁判官松田二郎の上告理由第一点についての反対意見は、次のとおりである。 私は、商法二六六条ノ三についての多数意見に対して反対するものである。その理由については、前記大法廷判決の中の私の反対意見をすべて引用する。 私は、同法二六六条の三第一項は、取締役が対外的の業務執行につき、第三者に対し悪意または重大な過失による不法行為に因つて直接に損害を与えた場合における規定と解するものであつて、会社の行為によつて第三者に損害の生じた場合、取締役の行為が対会社関係において任務懈怠となるにしても、それだけで同条を適用すべきではないと考える。このような場合には、損害を被つた第三者は、自己の会社に対する損害賠償請求権を確保するため、会社に代位して、会社の取締役に対する損害賠償請求権を行使し、直接自己に給付すべきことを請求し得、また、自己に転付(民訴法六〇一条)することが認められるのであつて、それにより救済を得ることができるのである。 今叙上の見地に立つて本件について見るに、原審認定の事実関係のみでは、未だ上告人自身が、被上告人に対する関係において商法二六六条ノ三の責任を負うものとは断じ難い。原審はすべからく、上告人の行為が被上告人に対し同条の定める不法行為上の悪意又 審認定の事実関係のみでは、未だ上告人自身が、被上告人に対する関係において商法二六六条ノ三の責任を負うものとは断じ難い。原審はすべからく、上告人の行為が被上告人に対し同条の定める不法行為上の悪意又は過失に該当したか否か、更に審理すべきであつたのである。原審はこの点において審理不尽の誹を免れ得ない。さらば、これらの点について更に審理せしめるため、原判決を破棄してこれを原審に差戻すのを相当と考える。 裁判官岩田誠の上告理由第一点に対する反対意見は、次のとおりである。 - 2 -私は、商法二六六条ノ三、一項の規定は、取締役の会社に対する任務違反の責任を定めたものではなく、取締役が第三者に対する悪意または重大な過失によつて直接損害を与えた不法行為責任を定めたものであると解するもので、その理由は、前示大法廷判決における私の反対意見で述べたとおりであるからこれをここに引用する。私の右意見によれば、上告人の訴外会社に対する任務違反を理由として、上告人の被上告人に対する損害賠償義務を肯認し、被上告人の本訴請求を容認した原判決は、商法二六六条ノ三の解釈適用を誤つた違法があるもので破棄を免れない。そして被上告人の本訴請求が理由あるか否かを決するには、なお上告人においてその故意または重大な過失によつて被上告人に対しその主張の損害を与えたか否かを審究することを要するので、本件は原裁判所に差し戻すべきものと思料する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岩田誠裁判官入江俊郎裁判官長部謹吾裁判官松田二郎裁判官大隅健一 郎裁判官長部謹吾裁判官松田二郎裁判官大隅健一郎- 3 -

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