令和6(う)15 窃盗、詐欺、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反

裁判年月日・裁判所
令和6年11月26日 福岡高等裁判所 那覇支部 那覇地方裁判所 令和5(わ)312等
ファイル
hanrei-pdf-95268.txt

判決文本文8,570 文字)

令和6年(う)第15号窃盗、詐欺、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律違反被告事件令和6年11月26日福岡高等裁判所那覇支部判決【原審】 令和5年(わ)第312号等令和6年2月20日那覇地方裁判所判決 主文 原判決を破棄する。 被告人を懲役1年6月に処する。 この裁判確定の日から3年間その刑の執行を猶予する。 理由 第1 本件控訴の趣意 本件控訴の趣意は、検察官小玉大輔作成の控訴趣意書記載のとおりであり、これに対する答弁は弁護人釜井景介作成の答弁書記載のとおりである。 検察官の論旨は、原判決が、【罪となるべき事実】第2として、公訴事実記載のとおりの外形的事実を認定しながら、組処法10条1項前段の罪(以下「犯罪収益等取得事実仮装罪」という。)が成立しないと判断した点についての法令適 用の誤り又は事実誤認の各主張である。 第2 原判決の内容等 1 所論に係る公訴事実(令和5年12月13日付け起訴状記載公訴事実第2(訂正及び訴因変更後のもの)は次のとおりであり、これが詐欺罪及び犯罪収益等取得事実仮装罪に当たるとして起訴されたものである。 被告人は、窃取したA名義のクレジットカードを使用して商品をだまし取るとともに、その商品の取得につき事実を仮装しようと考え、令和5年10月4日午後4時57分頃から同日午後5時1分頃までの間、那覇市(以下省略)B店において、同店従業員Cに対し、Aになりすまし、真実は、A名義のクレジットカードの正当な使用権限もクレジットカードシステム所定の方法により 代金を支払う意思もないのに、これらがあるように装い、同クレジットカード を提示した上、クレジットカード売上票に「A」と署名するなどしてた 権限もクレジットカードシステム所定の方法により 代金を支払う意思もないのに、これらがあるように装い、同クレジットカード を提示した上、クレジットカード売上票に「A」と署名するなどしてたばこ2点(販売価格合計1380円)の購入を申し込み、前記Cをその旨誤信させ、よって、その頃、同所において、同人からたばこ2点の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させるとともに犯罪収益等の取得につき事実を仮装したものである。 2 これに対し、原判決は、【罪となるべき事実】第2において次のとおり認定した。 被告人は、前記第1(窃盗)のとおり不正に入手したA名義のクレジットカードを使用して商品をだまし取ろうと考え、令和5年10月4日午後4時57分ころから同日午後5時1分ころまでの間、那覇市(以下省略)B店において、 同店従業員Cに対し、前記Aになりすまし、真実は、同クレジットカードの正当な使用権限も同クレジットカードシステム所定の方法により代金を支払う意思もないのに、これらがあるように装い、同クレジットカードを提示した上、クレジットカード売上票に「A」と署名してたばこ2点(販売価格合計1380円)の購入を申し込み、前記Cをその旨誤信させ、よって、そのころ、同所 において、同人からたばこ2点の交付を受け、もって人を欺いて財物を交付させた。 3 原審においては、弁護人は、本件犯罪収益等取得事実仮装罪につき、検察官が主張する、基礎となる事実関係については争わないものの、当該事実関係を前提としても、「犯罪収益等の取得につき事実を仮装した」との構成要件に該 当しない旨主張し、本件犯罪収益等取得事実仮装罪の成否が争点とされた。 原判決は、【一部無罪について・法令の適用に関する補足説明】として、要旨次のとおり説示し、犯罪収 した」との構成要件に該 当しない旨主張し、本件犯罪収益等取得事実仮装罪の成否が争点とされた。 原判決は、【一部無罪について・法令の適用に関する補足説明】として、要旨次のとおり説示し、犯罪収益等取得事実仮装罪につき罪とならないものと判断した(なお、原判決は、前記詐欺罪及びその余の窃盗罪2件につきいずれも有罪と認め、被告人に対し、懲役1年2月、執行猶予3年間の刑を言い渡した。)。 (1) 犯罪収益等の仮装行為を、犯罪収益等を生み出す当初の犯罪行為と別途に 処罰すべき実質的な理由と必要性は、この仮装行為が、被害者や捜査機関による犯罪収益等の追及・回復を困難にさせて、犯罪収益等の保持、運用を容易にし、犯罪収益等が将来の犯罪活動に再投資されたり、事業活動に投資されて合法的な経済活動に悪影響を及ぼすなどのおそれを新たに生じさせ、あるいは、既に存在しているおそれを高めるところにあるものと解される。 そうすると、犯罪収益等に関連して虚偽の外観を作出する行為であっても、一般的に、このような性質をおよそ有しないものは、仮装行為に該当しないというべきである。 (2) ここで、検察官の主張する①売上票への署名も含めた被告人の一連の言動という虚偽の外観は、財物であるたばこ2点が交付され、犯罪収益が発生す るのとほぼ同時に失われているのであって、この外観を作出する行為に前記のような犯罪収益等の追及・回復を困難にするなどの性質を見出すことはできない(このような言動による欺罔行為が直ちに犯罪収益等の仮装行為にも該当するというのであれば、組処法の制定により、詐欺罪の法定刑に罰金刑や、懲役刑と罰金刑の併科刑を追加したのと実質的に同義となる起訴裁量の 行使も可能であったことになろうが、立法や改正の経緯等をみてもそのような れば、組処法の制定により、詐欺罪の法定刑に罰金刑や、懲役刑と罰金刑の併科刑を追加したのと実質的に同義となる起訴裁量の 行使も可能であったことになろうが、立法や改正の経緯等をみてもそのような趣旨はうかがわれない。)。 (3) 続いて、犯罪収益が発生した時点以降も存続する、②売上票の存在及び内容という虚偽の外観を作出する行為について検討する。検察官は、この行為が、犯罪収益等の帰属を仮装するものである、正当な商品取引を装う形で犯 罪収益等の取得原因について仮装するものであると主張する。 しかし、クレジットカードの不正利用による詐欺事件で、犯罪収益等がクレジットカードの名義人に帰属するというのは背理であるから、帰属の仮装をいう主張は採用できない。この点を措いて検討すると、関係証拠によれば、売上票の内容は、電子的に作成された帳票のうち、カード会社用の売上票に 被告人がクレジットカード名義人の姓である「A」と記載したものであるこ とが認められる。一般的に、店舗においてクレジットカードシステムで決済するには、近時は他の方法も存在するが、売上票に署名する方法が基本的かつ伝統的といえるところ、本件のような、クレジットカード名義人の姓が冒用された売上票の存在及び内容という外観は、他人名義のクレジットカードで商品をだまし取るという詐欺の事案において不可避的に発生・存在する必 要最小限の外観というべきであって、それ以上に手の込んだものとは認められない。 したがって、この外観を作出する行為は、被告人がクレジットカードの名義人であり、クレジットカードシステム所定の方法により支払いがあると被害者等を誤認させる詐欺罪の欺罔行為の本質部分であって、それを超えるも のは一切含まれておらず、詐欺罪の中で評価され尽くさ 義人であり、クレジットカードシステム所定の方法により支払いがあると被害者等を誤認させる詐欺罪の欺罔行為の本質部分であって、それを超えるも のは一切含まれておらず、詐欺罪の中で評価され尽くされたはずであるというべきである。 すなわち、このごく単純な売上票の存在及び内容という外観は、欺罔行為によって錯誤に陥って財物を交付した被害者等に対し、その後、その錯誤を補強・強化させるような性質はおよそ存しないと認められるのであって、犯 罪収益を生み出した詐欺罪とは別に犯罪収益等の追及・回復を困難にすることはないし、既に存在している前記のおそれ(欺罔行為によって論理必然的に発生するもの)を高めることもない。また、この外観に起因して種々の是正措置が必要とも考えられ、合法的な経済活動にある種の悪影響があり得ることや、文書に対する信頼への悪影響もあり得ることは否定できないが、こ れらはいずれも本罪が保護法益として想定している犯罪収益等の追及などとは異なる性質のものといわざるを得ない。 さらに、本件も含めたこの種事案では、被害者等が自発的に被害に気付くことは極めてまれで、クレジットカード名義人等から不正利用の申告があって初めて被害者側が被害を疑い、犯人や被害品の追及が始まるというのが通 常の経過であって、筆跡等を残す売上票の存在及び内容は、むしろ、他の証 拠と相まって、犯人の検挙・犯罪収益等の追及の手掛かりにすらなり得る。 以上の検討によれば、売上票の存在及び内容という虚偽の外観を作出する行為は、一般的に、前記のような犯罪収益等の追及・回復を困難にするという性質をおよそ有しないと認められる。 第3 当裁判所の判断 1 検察官は、以上のような原判決の組処法10条1項前段の解釈適用につき、これまで同種事案において犯 追及・回復を困難にするという性質をおよそ有しないと認められる。 第3 当裁判所の判断 1 検察官は、以上のような原判決の組処法10条1項前段の解釈適用につき、これまで同種事案において犯罪が成立するとしてきた裁判例に反することはもとより、組処法の立法時又は改正時の議論、法の趣旨を全く理解しないものであって著しく不当であると主張する。 そこで記録に基づき調査すると、本件詐欺罪及び本件犯罪収益等取得事実仮 装罪の基礎となる事実関係については、当事者間に争いはなく、原判決の事実認定に特段の問題はないものと認められる。 しかしながら、かかる事実関係を前提としつつ、本件犯罪収益等取得事実仮装罪の成立を否定した原判決は、組処法10条1項前段の解釈適用を誤ったものといわざるを得ず、是認できない。 2 すなわち、組処法10条1項前段にいう事実を仮装する行為は、取引等において、当該取引が正当になされたものと装い、又は行為者以外の第三者に犯罪収益が帰属したものと装う行為をいうものと解されるところ、同項前段の「事実の仮装」に当たるか否かは、当該行為を客観的・外形的にみて取得の原因又は犯罪収益等の帰属につき事実を仮装したと評価できるかという観点から判 断すれば足りるものと解される。 これを本件についてみると、被告人は、本件たばこを購入するに際し、他人名義のクレジットカードを提示し、本人確認を求められ、売上票に署名したものと認められる。そして、被告人のかかる行為により、クレジットカード名義人が、その正当な利用権限に基づいて、事後の精算を前提とするクレジットカ ードシステム所定の方法によりクレジットカードを利用した上で、当該取引に より本件たばこを取得したとの外観が作出されたといえる。しかし、実際は、被 、事後の精算を前提とするクレジットカ ードシステム所定の方法によりクレジットカードを利用した上で、当該取引に より本件たばこを取得したとの外観が作出されたといえる。しかし、実際は、被告人が、正当な利用権限も所定の方法により代金を支払う意思もなく他人名義のクレジットカードを利用して、不正に本件たばこを取得しているのであるから、このような被告人の行為を客観的・外形的にみれば、取得の原因及び犯罪収益等の帰属につき事実を仮装したものと評価できることは明らかである。 そして、被告人は、本件たばこについて、他人名義のクレジットカードを用いた犯罪行為により取得したものであることを認識していたことが明らかであるから、故意に欠けるところもないと認められる。 なお、記録によれば、被告人は、自己消費目的で本件たばこを詐取したものであることがうかがわれるものの、前提犯罪が組織的な犯罪に限定されていな いこと等に照らせば、かかる事情は、犯罪収益等取得事実仮装罪の成否を左右しないというべきである(本件の犯罪収益であるたばこの額が比較的少額であることについても同様である。)。 以上より、被告人には、犯罪収益等取得事実仮装罪が成立する。 3 原判決は、組処法10条1項前段について、犯罪収益等に関連して虚偽の外 観を作出する行為であっても、一般的に、合法的な経済活動に悪影響を及ぼすなどのおそれを新たに生じさせ、あるいは、既に存在しているおそれを高める性質をおよそ有しないものは、同項に規定する仮装行為に該当しないとした上で、本件において作出された外観は、他人名義のクレジットカードを用いた詐欺事案において不可避的に発生する必要最小限のものであり、欺罔行為によっ て錯誤に陥った被害者等に対し、その錯誤を強化させるよ 本件において作出された外観は、他人名義のクレジットカードを用いた詐欺事案において不可避的に発生する必要最小限のものであり、欺罔行為によっ て錯誤に陥った被害者等に対し、その錯誤を強化させるような性質はおよそ存しないと説示している。 しかし、組処法は、「組織的な犯罪が平穏かつ健全な社会生活を著しく害し、及び犯罪による収益がこの種の犯罪を助長するとともに、これを用いた事業活動への干渉が健全な経済活動に重大な悪影響を与えることに鑑み、並びに国際 的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約を実施するため、・・・犯罪による 収益の隠匿及び収受・・・を処罰する」ことなどを目的として制定された(組処法1条)ものであるから、犯罪収益等取得事実仮装罪の保護法益は、詐欺罪のそれとは異なることが明らかであり、また、組処法10条1項は、前提犯罪ごとに構成要件を異にするものではない。そうすると、前提犯罪が詐欺罪である場合において、詐欺罪を構成する欺罔行為により形成された虚偽の外観を超 える程度の事実の仮装がなければ犯罪収益等取得事実仮装罪が成立しないと解することはできず、「事実の仮装」該当性を、財物を交付した被害者等の錯誤を補強・強化させるものといえるか否かという観点から検討すべきとはいえない。 このように解すると、他人名義の決済手段を用いて、決済手段の正当性(取 得の原因)や財物交付の相手方(犯罪収益等の帰属)の点を含む錯誤を被害者に生じさせて財物を交付させる行為については、多くの場合に、詐欺罪に加えて犯罪収益等取得事実仮装罪にも問擬し得ることとなるが、上記のとおり両罪の保護法益は全く異なるものであり、かかる事態を不当と評価すべきとはいい難い。 なお、原判決は、本件において想定される虚偽の外観を①なりすまし及 にも問擬し得ることとなるが、上記のとおり両罪の保護法益は全く異なるものであり、かかる事態を不当と評価すべきとはいい難い。 なお、原判決は、本件において想定される虚偽の外観を①なりすまし及び売上票への署名も含めた被告人の言動並びに②被告人の署名により作り出された売上票であると捉え、これらが別個の虚偽の外観であるとして検討を加えているものの、本件においては、公訴事実にも記載されているとおり、クレジットカードシステムを通じた決済が行われるという取引全体を考察し、虚偽の外 観が作出されたと認められるか否かを検討すべきものであった。 このような原判決の説示は、原審第2回公判期日において、検察官が、本件たばこが犯罪収益に該当し、また、正当な商品取引を装って入手したものであることから、取得の原因を仮装した行為であるとともに、他人に帰属するかのような外観、記録が作出されていることから、取得した犯罪収益等の帰属を仮 装したものである旨主張し、また、①なりすまし及び売上票への署名も含めた 被告人の言動と、②被告人の署名により作り出された売上票が本件における虚偽の外観である旨釈明したことを踏まえたものと理解できる。もっとも、検察官の釈明内容の当否を措いて、検察官の主張を全体として理解すれば、上記①及び②の外観を別個のものとして評価すべきものとまで主張するものでないことは明らかである(原審弁護人も、原審弁論において、上記①②を個別に評 価すべきものとは主張していない。)。 4 以上のとおり、原判決には、犯罪収益等取得事実仮装罪の成立を否定した点において組処法10条1項前段の解釈適用を誤った違法があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかである。 以上と同旨をいう論旨には理由があり、原判決は破棄を免れない。 第4 を否定した点において組処法10条1項前段の解釈適用を誤った違法があり、これが判決に影響を及ぼすことは明らかである。 以上と同旨をいう論旨には理由があり、原判決は破棄を免れない。 第4 結論本件においては、犯罪収益等取得事実仮装罪成立の前提となる事実は、原審以来当事者間に争いはなく、原審において取調べ済みの各証拠により認定できることが明らかであって、原判決もかかる事実関係を前提として判決に至ったものと解され、当審において新たに事実の取調べをするまでもない。 そこで、刑訴法397条1項、380条により原判決を破棄し、同法400条ただし書を適用して、被告事件について更に判決をする。 (罪となるべき事実)第1 原判決【罪となるべき事実】第1記載のとおり。 第2 被告人は、令和5年10月4日午後4時57分頃から午後5時1分頃までの 間、那覇市(以下省略)B店において、同店従業員Cに対し、Aになりすまし、真実は、A名義のクレジットカードの正当な使用権限もクレジットカードシステム所定の方法により代金を支払う意思もないのに、これらがあるように装い、同クレジットカードを提示した上、クレジットカード売上票に「A」と署名するなどしてたばこ2点(販売価格合計1380円)の購入を申し込み、前記C をその旨誤信させ、よって、その頃、同所において、同人からたばこ2点の交 付を受け、もって人を欺いて財物を交付させるとともに犯罪収益等の取得につき事実を仮装した。 第3 原判決【罪となるべき事実】第3記載のとおり。 (証拠の標目)原判決【証拠の標目】記載のとおり。 (法令の適用) 1 構成要件及び法定刑を示す規定〇 判示第1及び第3の各行為いずれも刑法235条〇 判示第2の行為 目)原判決【証拠の標目】記載のとおり。 (法令の適用) 1 構成要件及び法定刑を示す規定〇 判示第1及び第3の各行為いずれも刑法235条〇 判示第2の行為 ・詐欺の点刑法246条1項・犯罪収益等の取得につき事実を仮装した点組処法10条1項前段 2 科刑上一罪の処理(判示第2の各罪) 刑法54条1項前段、10条(1罪として情状の重い犯罪収益等取得事実仮装罪の刑で処断) 3 刑種の選択いずれも懲役刑を選択 4 併合罪の処理 刑法45条前段、47条本文、10条(犯情の最も重い判示第3の罪の刑に法定の加重) 5 刑の全部の執行猶予刑法25条1項 6 訴訟費用の不負担(原審におけるものにつき) 刑訴法181条1項ただし書 (量刑の理由)被告人は、わずか1か月余りという短期間に、いわゆる車上荒らし2件を敢行した上、その盗品であるクレジットカードを使用して、たばこ2点を詐取し、また犯罪収益であるたばこにつき取得原因及び帰属に係る事実を仮装したものである。いずれも被害額が比較的高額でないとはいえ、車上荒らしという悪質な態様で窃盗を 繰り返した点は非難に値する。また、事実を仮装した点についても、現にクレジットカード名義人においてその不正使用の事実に気付くまで時間を要した上、それが被告人の犯行であることが判明するにはさらに時間を要したものであって(沖縄県豊見城警察署の警察官によれば、被告人が余罪として自白しなければ、犯人を割り出すのは困難であったという。)、被告人が取得した犯罪収益を捕捉することが現 に困難となった点において、悪質な犯行と評価すべきである。 もっとも、被告人には前科がないこと、 ければ、犯人を割り出すのは困難であったという。)、被告人が取得した犯罪収益を捕捉することが現 に困難となった点において、悪質な犯行と評価すべきである。 もっとも、被告人には前科がないこと、被告人は自身が行った犯罪行為そのものについてはいずれも認めて反省の弁を述べていること、各窃盗の被害については、被害品の還付及び被害金額の弁償がなされていることなど被告人に有利に酌むべき事情もあることから、被告人を主文掲記の懲役刑に処した上、その刑の全部の執行 を猶予することとした。 (求刑懲役1年6月)令和6年11月26日福岡高等裁判所那覇支部刑事部 裁判長裁判官三浦隆志裁判官小西圭一裁判官北原直樹

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る