昭和26(れ)67 傷害致死

裁判年月日・裁判所
昭和26年6月15日 最高裁判所第二小法廷 判決 棄却
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。          理    由  弁護人福場吉夫の上告趣意は末尾添附のとおりである。  右上告趣意第一点について。  「互に暴行し合ういわゆる喧嘩は闘争者

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判決文本文1,382 文字)

主文 本件上告を棄却する。 理由 弁護人福場吉夫の上告趣意は末尾添附のとおりである。 右上告趣意第一点について。 「互に暴行し合ういわゆる喧嘩は闘争者双方が攻撃及び防禦をくり返えす一団の連続的闘争行為であるから、闘争のある瞬間においては闘争者の一方がもつぱら防禦に終始し正当防衛を行う観を呈することがあつても闘争の全般から見ては刑法第三六条の正当防衛の観念を容れる余地がない場合がある」ことは当裁判所の判例の示すところである(昭和二三年(れ)第七三号同年七月七日大法廷判決)。そして本件で原判決の確定した事実は、被告人は劇場Bで映画を観覧中Aから判示の如き事情のもとに呼出を受け、右Aの態度より同人が被告人に喧嘩を挑んで来るものであることを察知したにも拘らず、逃げるのも卑怯だと思い敢てこれを拒否することなく、同人に従つて判示a区裁判所裏手にあたる路上に到つたが果して同人が被告人に対し因縁をつけて喧嘩を挑み、突如二回程被告人の顔面を殴打したが、Aの言語態度から同人が相当喧嘩に強い相手であることを気付き、匕首等を以つて立ち向わなければ迚も同人に及ばぬものと思つて居た被告人は右Aから殴られると矢庭に所携の匕首を同人の腹部目がけて突きさし、仍つて同人に対し肝臓を貫通し膵臓部に達する刺創を負わせ因つて同人をして出血の為死亡するに至らしめたというのであるから、被告人は喧嘩闘争となることを予想していたものであつて、被告人の行為は全般の情況から見て右判例にいう正当防衛の観念を容れる余地のない場合にあたるものといわなければならない。してみれば、被告人の行為は正当防衛又は過剰防衛ということはできないと判示した原判決は正当てあつて論旨は理由がない。 同第二点について。 - 1 -原判決がその摘示事実を所論龍ケ崎警察 ならない。してみれば、被告人の行為は正当防衛又は過剰防衛ということはできないと判示した原判決は正当てあつて論旨は理由がない。 同第二点について。 - 1 -原判決がその摘示事実を所論龍ケ崎警察署勤務司法警察吏巡査部長C作成の昭和二二年四月三〇日附殺人被疑事件捜査報告書中の記載を他の証拠と綜合して認定していること、然るに原審公判調書によれば右捜査報告書については原審において証拠調の手続がなされた事実の認められないことは所論のとおりである。しかし、原判決が右報告書の記載を証拠としたのは、専ら被害者Aの死亡した日時及び場所が判示のとおりである事実のみを認定するためであつて、その他の判示事実には関連のないものであることは原判決自体に徴し明らかである。そして、傷害致死の罪において殺害者の死亡した日時場所は罪となるべき事実ではなく、従つて適法に証拠調を経た証拠によつてこれを認定しなければならないものではないのであるから、所論捜査報告書については証拠調の手続がなされていないからといつて原判決破棄の理由とならない。所論引用の当裁判所判例は本件に適切ではない。論旨は理由がない。 よつて、刑訴施行法第二条旧刑訴第四四六条に従つて主文のとおり判決する。 右は裁判官全員一致の意見によるものである。 検察官竹内壽平関与昭和二六年六月一五日最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官谷村唯一郎- 2 - 重裁判官谷村唯一郎

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