平成7(行ウ)9 懲戒処分取消請求

裁判年月日・裁判所
平成14年10月8日 岡山地方裁判所
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判決文本文25,313 文字)

主文 原告の請求を棄却する。 訴訟費用は,原告の負担とする。 事実及び理由 第一請求の趣旨被告が原告に対し昭和45年4月22日付けでした停職5か月とする懲戒処分を取り消す。 第二事案の概要一前提事実(争いのない事実及び〔〕内に挙示した証拠あるいは弁論の全趣旨から明らかな事実) 当事者原告は,昭和43年4月1日付けで文部教官教育職(一)4等級として採用され岡山大学教養部の講師(英語科)として赴任し,爾来その職にあった者であり,被告は国立岡山大学の長であり,同大学講師の任命権限を有するものである。 本件の懲戒処分及び審査請求前置要件の充足について(一)岡山大学における本件の懲戒処分被告は昭和45年4月22日,原告に対し,国家公務員法(平成11年。 ),法律第83号による改正前のもの以下同じ82条1号及び2号により懲戒処分として5月間停職することを大学管理機関である岡山大学評議会の審査・決議に基づき決定し,上記決定を記載した懲戒処分書及び処分理(「」)。 由を記載した処分説明書を同日原告に送達した以下本件処分という上記処分説明書において,本件処分の理由とされた事実は,原告が,①昭和44年4月19日,岡山大学教養部(以下「教養部」という)教官会。 議(以下「教官会議」という)に出席せず,かつ,その決定に拘束され。 ない旨の文書を教養部長等に提出し,同年5月7日の教官会議の開催通知を受けながら,教養部長宛に抗議声明文を提出して,同会議に出席せず,以後,教官会議に出席しなかったこと,②同月26日,授業及び期末試験を拒否する旨声明を発表し,全学授業再開後の同年9月21日に期末試験拒否の文書を,同月28日には授業拒否の文書を教養部長宛に提出して授業及び試験の業務に従事しなかったこと,③同年5月30日から数日間, 拒否する旨声明を発表し,全学授業再開後の同年9月21日に期末試験拒否の文書を,同月28日には授業拒否の文書を教養部長宛に提出して授業及び試験の業務に従事しなかったこと,③同年5月30日から数日間,警察機動隊導入と授業再開に反対して,理学部前で座り込みを行い,同年6月18日には,構内南北道路に一部学生によって築かれたバリケードの撤去を大学が決定していたにもかかわらず,バリケード前に座り込み,撤去作業を妨害し,同月19日から約1か月間にわたり南北道路歩道にテントを張り,随時座り込みを行い,全学的に授業が再開された同年9月16日から,授業再開に反対して学生会館前で3日間のハンストを行ったことであり,上記各行為はいずれも国家公務員法82条1号及び2号に該当するというものである〔乙第17号証の2。 〕(二)審査請求前置要件について原告は,昭和45年5月19日付けで,人事院に本件処分に対する審査請求をし,人事院公平委員会は同年8月24日から同月28日にかけて5回に亘り口頭審理を行ったが,上記手続きは中断した。原告はその後,審理再開の督促を人事院に対して行ったが審理再開に至らず,本件口頭弁論終結時までに上記不服申立てに対する人事院の結論は出ていない。 本件処分については,異議申立て又は審査請求に対する人事院の決定又は裁決を経た後でなければ,取消しの訴えを提起できないのが原則となっ(,),ている国家公務員法92条の2行政事件訴訟法8条1項ただし書が本件処分に対しては,審査請求があった日から3ヶ月を経過しても裁決がないから,行政事件訴訟法8条2項1号により,本件処分取消しの訴えの提起は適法となる。 本件請求原告は,本件処分が,正当な処分理由を欠いたものであって実体的に違法であり,あるいは,原告に防御の機会を十分に与えないままな 条2項1号により,本件処分取消しの訴えの提起は適法となる。 本件請求原告は,本件処分が,正当な処分理由を欠いたものであって実体的に違法であり,あるいは,原告に防御の機会を十分に与えないままなされた瑕疵があり手続的に違法であると主張して,本件処分の取消しを求めた。 二 争点 本件の争点は,本件処分についての正当な処分理由の存否と本件処分手続きの適法性の2点であり,各争点に対する当事者の主張は以下のとおりである。 本件処分の正当性(一)被告の主張被告が原告に対し本件処分を行ったことには次のとおり,正当な理由が。 ,,,あるなお被告は本件訴訟では争点を簡潔にして審理促進を図るため前記処分説明書において摘示した事由のうち,次の事実に絞って,正当理由として主張する。 (1)原告の非違行為①昭和44年教官会議を欠席した行為学校教育法59条は,大学に重要事項を審議するための教授会の設置をしなければならず,その構成員に助教授その他の職員を加えることができるとの大枠を規定し,同法を受けた岡山大学教授会規程2条さらに教養部教授会議事規程2条は,教養部教授会の構成員につき教養部長,教養部専任の教授とすることを原則とし,人事関係事項以外の審議の場合で必要がある場合に専任助教授又は講師を加えることができる旨定めるが,教授会とはいっても審議する案件により上記のとおりその構成員を異にすることから,後者の構成による教授会を前者「」。 構成の構成による教授会と区別する意味で教官会議と称していたまた,教養部長は,他の教官に対し研究及び教育に関して指揮命令権を有する上司たる地位にはないが,研究及び教育に付随して生じる各種の職務に関しては教授会ないしは教官会議の決定等の執行機関として,また,部局の事項を掌理する立場から指揮命令権を有する して指揮命令権を有する上司たる地位にはないが,研究及び教育に付随して生じる各種の職務に関しては教授会ないしは教官会議の決定等の執行機関として,また,部局の事項を掌理する立場から指揮命令権を有する上司の地位にあり,その結果として,上記権限の範囲内において上司として職務上の命令や警告・注意を発し,あるいは,督促・問い合わせ等を行うことができるのであるから,教官会議への出席命令も上記指揮命令権に含まれる。なぜならば,岡山大学教養部の設置根拠は国立学校設置法3条2項,同法施行規則5条1項(平成6年9月文部省令第40号による改正前のもの。以下同じ)であり,教養部局長たる教養部長の存在根拠は同条2項,教育公務員特例法(平成11年法律第55号改正前のもの。以下同じ)2条3項,同法施行令1条1号である,,,,ところ教養部長は部局長とされ同法25条1項によりその採用,,,転任降任免職及び懲戒等は一般教官と異なる手続きによる旨定め教養部長に,他の教官とは区別された地位を与えられていること,岡山大学学則14条2項は「教養部長は,教養部に関する事項を掌理する」と規定していること,学校教育法59条1項,岡山大学学則2。 7条により,岡山大学においては教養部に教授会が置かれ,教養部における基本的事項に関しては,岡山大学学則29条により,教養部連絡運営委員会において決定するほか,教養部内の事項に関しては教授会又は教官会議において決定するものとされ,教養部長がその各決定を執行する機関とされていること,教育公務員特例法11条1項,23条2項によると,国立大学の教官について国家公務員法98条1項(),法令及び上司の命令に従う義務の適用があることを併せ考えると教養部長に研究及び教育に付随して生じる各種の職務に関しては,教授会ないし教官会 ,国立大学の教官について国家公務員法98条1項(),法令及び上司の命令に従う義務の適用があることを併せ考えると教養部長に研究及び教育に付随して生じる各種の職務に関しては,教授会ないし教官会議の決定の執行機関として,また部局の事項を掌理する立場から上司たる地位に立つものと解されるからである。 しかるに原告は,教養部長から,昭和44年5月7日及び同月12日の教官会議に出席するよう業務命令を受けながら,いずれの教官会議にも出席しなかった。 ②の1昭和43年度後期試験及び単位認定を実施しなかった行為教養部における昭和43年度後期試験は学生運動の影響でその実施が遅れていたため,教養部長が昭和44年5月22日付けの文書をもって,各担当教官に対し,後期試験の実施を要請したところ,原告は昭和43年度において英語の授業を担当していたのであるから,当該授業を履修した学生に対し,後期試験を実施の上,単位修得の認定をすべき職務を負っていたにもかかわらず,同月26日ころに岡山大学学生会館前に張り出された文書をもって,後期試験,昭和44年度の授業の実施を拒否する旨意思表明し,別の教養部英語科教官の問い合わせに対しても後期試験の実施を拒否する旨回答した。教養部長は同年7月2日付け及び同年9月12日付け文書をもって,原告に対し,後期試験の実施を求めたが,原告はいずれの要請も拒否したために後期試験は代理教官によって同年10月に実施された。 原告は,この点,単位修得の判定結果を報告するに必要な担当授業の履修者の成績表用紙を教養部教務課が原告に対して届けなかったから単位認定ができなかった旨主張するが,仮にそうだとしても単位認定の重要性及び教務課に連絡することで成績表用紙を手にすることは容易であったから,原告の前記行為を正当化する根拠とはならない。 ②の2昭和 位認定ができなかった旨主張するが,仮にそうだとしても単位認定の重要性及び教務課に連絡することで成績表用紙を手にすることは容易であったから,原告の前記行為を正当化する根拠とはならない。 ②の2昭和44年度前期担当授業を実施しなかった行為教養部長は,岡山大学の学生ストライキが収束に向かったことを受,,,け昭和44年5月22日付け文書をもって各授業担当教官に対し同年度工学部新入生に対する授業を開始するように要請したが,同学部の英語の授業を担当することになっていた原告は,同月26日ころに学生会館前に張り出された文書をもって,授業の実施を拒否し,他の教養部英語科教官の授業実施の問い合わせに対しても授業実施を拒否する旨回答した。その後,教養部長が同年7月2日付け及び同年9月24日付け書面をもって,授業の実施を原告に要請したが,原告はいずれも拒否する旨回答した。 ところで,原告は「自主講座」の名目で同年5月ころから授業を,行っていたから職務放棄していない旨主張するが,授業は大学設置基準18条ないし30条,岡山大学学則30条ないし40条,岡山大学教養部規程に定める内容を岡山大学教養部規程11条に定める履修承認を経た者に対し,教官会議で定めた授業時間表に従って実施すべきものであって,仮に原告が「自主講座」を開催していたとしても上記行為をもって授業を実施したことにはならない。また,原告は同年12月に教養部長に対し授業を担当させるよう申し入れたが拒否された旨主張するが,原告が担当する予定であった英語の授業は前期の途中で代理教官が授業をしており,教官を変更することは学生に無用の混乱を生じさせる危険があったこと,原告は上記申し入れに際し授業内容について明らかにせず教養部の業務に非協力的な態度をとっていたことから申入れを拒否したもので,原告が授業 変更することは学生に無用の混乱を生じさせる危険があったこと,原告は上記申し入れに際し授業内容について明らかにせず教養部の業務に非協力的な態度をとっていたことから申入れを拒否したもので,原告が授業の実施を拒否したことによる結果である。 ③バリケード撤去を妨害した行為岡山大学では,昭和44年1月25日の全学共闘会議の総決起集会におけるストライキ宣言を受け,同大学各学部の建物封鎖,同大学構内南北道路のバリケード封鎖が実施され,教職員と学生間で衝突が繰り返されたが,同年5月になると,正常化への動きがあり(同月14日に工学部,19日に農学部がストライキ解除,岡山大学は,同。)年6月18日に全学共闘会議の学生らが築いた岡山大学構内南北道路のバリケード封鎖を撤去しようとしたところ,上記バリケード撤去に反対した原告は,学生らとともにバリケード前での座り込みを行い,同大学の再三にわたる退去命令にも応じず,撤去作業を妨害した。 (2)原告の非違行為に対する法令の適用①処分理由①について教養部教官会議は学校教育法59条2項,岡山大学教授会規程2条2項,岡山大学教養部教授会議事規程2条ただし書の規定に基づき設置された教養部の重要事項を審議する機関であり,岡山大学教養部講師であった原告は教官会議に出席すべき職務上の義務を負うのであるから,同会議へ出席しないことのみをもっても国家公務員法82条2号に定める「職務上の義務に違反した場合,同条3号に定める「国」民の全体の奉仕者たるにふさわしくない非行のあった場合」及び信用失墜行為として同法99条に該当し,教養部長の職務命令にも違反したものであるから同法98条1項違反に該当する結果,同法82条1号に定める「この法律に違反した場合」に該当する。 ②の1処分理由②の1について授業担当教官が当該授業を 教養部長の職務命令にも違反したものであるから同法98条1項違反に該当する結果,同法82条1号に定める「この法律に違反した場合」に該当する。 ②の1処分理由②の1について授業担当教官が当該授業を履修した学生に対して試験を実施した上で単位修得の判定を行うべきことは教官としての職務上の義務であり(大学設置基準〔昭和31年文部省令第28号〕31条,岡山大学学則38条,岡山大学教養部規程12条,原告が上記職務に従事し。)なかったことは国家公務員法82条2号に定める「職務上の義務に違反した場合,同法同条3号に定める「国民の全体の奉仕者たるにふ」さわしくない非行のあった場合」及び信用失墜行為として同法99条に違反し,同法82条1号に定める「この法律に違反した場合」に該当する。 ②の2処分理由②の2について学校教育法58条8項,5項,6項の規定によると,学生を教授することは,教養部講師であった原告にとって職務上の義務であるところ,原告が,前期授業を担当するよう決められていたのに職務に従事しなかったことは,国家公務員法82条2号に定める「職務上の義務に違反した場合,同条3号に定める「国民の全体の奉仕者たるにふ」さわしくない非行のあった場合」並びに信用失墜行為として同法99条及び職務専念義務違反として同法101条1項前段にそれぞれ該当する結果,同法82条1号に定める「この法律に違反した場合」に該当する。 ③処分理由③について原告は,公衆の面前でバリケード前に座り込みその撤去を妨害したものであるから,国家公務員法82条2号に定める「職務上の義務に違反した場合,同条3号に定める「国民の全体の奉仕者たるにふさ」わしくない非行のあった場合」並びに信用失墜行為として同法99条及び職務専念義務違反による同法101条1項前段に違反する結果, 務に違反した場合,同条3号に定める「国民の全体の奉仕者たるにふさ」わしくない非行のあった場合」並びに信用失墜行為として同法99条及び職務専念義務違反による同法101条1項前段に違反する結果,同法82条1号に定める「この法律に違反した場合」に該当する。 (二)原告の反論被告が本件処分事由とした四つの事実は以下で主張するとおりいずれも原告を処分するために被告及び岡山大学当局が自らでっち挙げた虚偽の事実であり,これらの事実の存在を前提とした被告の原告に対する本件処分は違法である。 ①被告処分理由①についてⅰ教官会議は,以下の理由から学校教育法に定める教授会ではない。 まず,教官会議が教授会であることを示す教官会議自体の規程が存在しない。 次に,教官会議は人事に関する事項について審議することができないところ,学校教育法に定める教授会は大学にとって重要な事項を審議するためのものであって,人事に関する事項が大学の自治を全うする上で生命線となるものであることからすると,人事事項を審議項目としない教官会議が教授会に該当すると解することはできない。 更には,教養部長が原告に対し出席を請求した教官会議は被告が定める規程上の教官会議にさえ合致しない存在である。なぜならば,教官会議には助教授又は講師を加えることができる旨の岡山大学教養部教授会議事規程が存するが,助手の参加を認める規程はないところ,被告が原告に出席を求めた教官会議には従前から助手が参加していたこと,岡山大学教授会議事規程6条は教官会議の定足数を過半数である旨定めるが,被告が原告に出席を求めた教官会議の定足数は原告在職中を通じて3分の2以上である点でも,規程上の教官会議と現実に「教官会議」と言われていた会議は異なるからである。 ⅱ出席する対象である教官会議そのものが学校教育法に定め た教官会議の定足数は原告在職中を通じて3分の2以上である点でも,規程上の教官会議と現実に「教官会議」と言われていた会議は異なるからである。 ⅱ出席する対象である教官会議そのものが学校教育法に定める教授会ではない以上,教養部長が原告に対し出席を命ずる職務命令を発することはできない。仮にしからずとしても,原告に対して教授会への出席を求めることを決するのは教授会であるから,教授会が原告の出席を命ずる旨の議決等を一切行っていない以上,教養部長の原告に対する命令はその根拠を欠く。また,仮に教養部長に原告に対する出席命令権限がありかつ教官会議が法に定める教授会であったとしても,教授会へ参加者の出欠の自由を侵害してまで教授会構成員全員に出席を求めるのであればそれに応じた重要性の高い案件が審議される予定であることが必要であると解されるところ,原告が出席を求められた両日における審議事項に重要性があった事実はないから,上記発令は発令権限の濫用に当たり違法である。 ⅲ処分の均衡被告は原告の教官会議への欠席をもって本件処分事由としているが,原告が教養部長から出席命令を受けつつも出席しなかった日には,原告と同様の理由で懲戒処分を受けたA教官を除いて6,7名の欠席者がいるのに,上記欠席者らに何らかの処分がなされた事実はない上,昭和44年度に限っても,開催された教官会議47回の欠席者は延べ418名以上であり,原告が参加した23回に限っては出席率は50パーセント程度であるのに,上記欠席者で処分された者は全くいないことを考え併せると,本件処分は他の欠席者との関係で著しく均衡を失する処分であり違法である。 ②の1被告処分理由②の1について教養部の授業担当教官は,担当授業を履修する学生に対して単位修得の判定をするに当たっては「試験又は報告書及び平常の成績等を 著しく均衡を失する処分であり違法である。 ②の1被告処分理由②の1について教養部の授業担当教官は,担当授業を履修する学生に対して単位修得の判定をするに当たっては「試験又は報告書及び平常の成績等を考慮して」行うと定められている(教養部規程12条)のであるから,単位認定につき試験を実施してその成果により判断するか,試験ではなくレポート等の提出により判断するかは単位認定に関し権限を与えられた各授業担当教官の裁量事項であり,後期試験を実施しないことをもって授業担当教官としての職務を原告が放棄したとはいえない。原告が昭和46年度に実施した前期,後期試験とも試験を行わず履修者全員を一律評価としたが,このことにつき大学から非違を問われたこともないし,他にも,試験を実施しないで単位を認定する教官がおり,教養部長による昭和43年度後期授業の試験実施報告の要請書面においてもその選択肢において「レポート,試験なし」がある。また,試験の実施が単位認定の必須の行為ではなく,しかも,原告自身,試験をもって単位認定の材料にする考えはなかったのであるから,教養部が代理教官を立ててまで実施した後期試験の実施に従う義務はない。 なお,原告は昭和43年度後期の各授業に関しては,昭和44年1月中旬の段階で講義時間の大部分を実施しており,受講学生の単位修得の判定をすることは十分に可能であったが,教養部教務係が,授業担当教官の単位修得の判定結果の報告をするための3枚綴りの成績表用紙を原告に届けなかったために,原告が単位認定をする機会を剥奪されたのであり,教養部側に責任がある。 ②の2被告処分理由②の2について昭和44年度前期における担当授業の決定は,被告主張のように昭和44年2月下旬になされた事実はない。ただ,原告は,同年3月末までに英語科内部の話合いで紛争が解決し授 の2被告処分理由②の2について昭和44年度前期における担当授業の決定は,被告主張のように昭和44年2月下旬になされた事実はない。ただ,原告は,同年3月末までに英語科内部の話合いで紛争が解決し授業が可能になった段階での次年度の授業について,5コマ(1コマは週1回100分)を担当する旨了承した事実はある。 原告が表明した事項は,大学の自治の対外的・内部的確立を目指した5項目要求をいったんはほぼ同意しておきながら,これを覆し,機動隊導入と学生の告発に明け暮れ,自らの手による紛争解決を放棄し,学校教育の荒廃と衰滅を招く岡山大学の非教育的「正常化」方針に対する拒否であって,職務放棄をしたものではない。原告は,実際には昭和44年4月中旬以降,同大学の時計台に通じる道路沿いの芝生の上で(雨の日には,学生会館に移動するなどして,全学誰もが参加しうる公開の)自主講座を連日,朝から日暮れまで実施し,同年5月下旬からは,原告が授業担当教官とされていたことが分かった工学部1年次生に対し,同講座への参加を伝達した結果,上記担当授業の履修者の大半が同講座に参加し,同講座は同年11月下旬まで続いた。 また,被告は,上記期間中原告が授業をしているにも拘わらず最初は勝手に休講扱いにし,その後原告の名前を講義の時間表から抹消し,更には同年9月16日の授業強行再開に際して発表した授業時間表において,追加的に法文学部1年次生及び教育学部2年次生各2コマの担当教官名の欄の原告名を抹消することで,一方的に,原告の授業担当権限を剥奪したものであるから,原告が職務放棄をしたものではない。 また,原告は,昭和44年12月に前記主張した合計5コマの授業について担当させるよう教養部長等に対し申し入れたが全く聞き入れられず,被告による原告の授業担当権限の剥奪が続行したのであるから, ない。 また,原告は,昭和44年12月に前記主張した合計5コマの授業について担当させるよう教養部長等に対し申し入れたが全く聞き入れられず,被告による原告の授業担当権限の剥奪が続行したのであるから,原告には放棄する職務としての授業そのものが存在しない。 ③被告処分理由③について被告主張にかかるバリケード撤去に当たっては,各学部の教授会や教官会議に上記行為を行う旨諮られた事実はなく,全学の意思決定の下に上記撤去が行われていないことは明らかであり,あくまで大学当局者の一部の独走による撤去に過ぎない。 また,原告は,バリケードが築かれた昭和44年6月15日からバリケードの是非に対する学生,教職員らによる討論に参加していたに過ぎず,学生らとバリケード付近に座り込みを行った事実あるいはバリケード撤去を妨害した事実はない。 本件処分手続きの適法性(一)被告の主張被告は,以下の手続きを履行の上,原告に対して本件処分を行ったものであるから,本件処分はその手続上も適法なものである。 (1)被告は,昭和45年1月28日,教養部長からの報告を受けて,教,,育公務員特例法9条1項に基づき大学管理機関である評議会に対し原告に対する懲戒処分の審査を求めた。 (2)評議会は,原告の非違行為についての事実確認,法令の適用,処分案の決定を行った上,昭和45年3月12日,教育公務員特例法9条1項による審査をすることを決定し,同条2項に基づき審査事由を記載した説明書に,同法5条2項,3項により陳述の請求をすることができ,原告が審査説明書を受領した後14日以内に陳述の請求をした場合には,口頭又は書面で陳述の機会を与える旨付記して,同月14日,原告に陳述申出書用紙とともに交付した。 原告は,審査説明書交付前に評議会が原告の非違行為に関する審査を終了している 述の請求をした場合には,口頭又は書面で陳述の機会を与える旨付記して,同月14日,原告に陳述申出書用紙とともに交付した。 原告は,審査説明書交付前に評議会が原告の非違行為に関する審査を終了しているので手続きが違法である旨主張するが,懲戒処分にかかる評議会の審査方法につき具体的にいかなる方法を採用するかは評,,議会の裁量に任されているところ評議会は非違行為につき事実確認法令の適用,懲戒処分の種類,程度を決定し,その結果を審査説明書に記載して交付し,これに対する原告の弁明を聞き,必要に応じて処分案を修正した上,決議するという方法をとったものであって,上記審査方法は合理的方法であり,評議会の裁量の範囲を逸脱するものではない。 また,原告は,教育公務員特例法5条2項に「審査を行うに当たっては」とあるのは,審査手続の冒頭ないしごく初期の段階を指すことは明らかであって,本件における審査説明書の交付はその交付時期を遵守しておらず違法である旨主張するが,そもそも同法9条2項,5条2項が,審査を行うに当たり,審査説明書の交付を要するとした趣旨は,審査の過程で被審査者に審査についての防御と陳述の機会を保障するにあると解されるから,審査説明書の交付が必ずしも審査冒頭で行われる必要はなく,審査の過程で交付するのであれば,審査上のいかなる段階で交付するかは評議会の裁量事項であって,本件における審査説明書の交付時期が裁量の範囲を逸脱するものではないことは明らかである。 (3)原告は昭和45年3月25日に評議会に対し陳述の請求及び釈明書を郵送したが,陳述請求の内容は,陳述方式を書面及び口頭の双方で行うこと,陳述に先立ち原告求釈明事項に回答すること,陳述を公開し陳述補助者,事実の証言者の同席及び発言を求めるというものであ,,,,り上記請求を検 内容は,陳述方式を書面及び口頭の双方で行うこと,陳述に先立ち原告求釈明事項に回答すること,陳述を公開し陳述補助者,事実の証言者の同席及び発言を求めるというものであ,,,,り上記請求を検討した評議会は同月30日陳述を文書陳述とし提出期限を4月7日とすること,釈明要求には回答しないことを決定し,同決定の結果を3月31日付け文書をもって原告に通知した。 原告は同年4月1日に評議会に対し,前記通知の受領と再度原告の前記要求をする旨記載した内容証明郵便を送付し,同月3日に評議会に対しさらに同内容の文書を提出したため,評議会は同月6日に原告の上記請求を再度審査した上,陳述を文書によること,上記提出期限を同月7日午後5時とすることを決定し,同日付け文書をもって原告に上記決定の内容を通知した。 ,,原告は同月7日に評議会に対し原告の求釈明事項に回答すること陳述方法につき口頭又は書面の一方に限定する趣旨であれば口頭による公開の陳述を請求することを内容とする文書を提出し,同月9日にさらに同内容の文書を評議会に提出したため,評議会は同月10日に原告の上記請求を再度審議し,求釈明要求には回答しないという事項以外の従前の方針を変更し,非公開による口頭陳述を認めること,陳述の期日は同月11日午後1時30分からとし,陳述時間は45分以内とすること,同日午後1時15分ころ原告を原告宅に迎えに行くことを決定し,上記決定内容を同日原告に通知した。 (4)評議会は,同月11日に原告の陳述を聴取するため係員を派遣したが,補助者の同行要求を巡って2時間余りにわたって折衝が続けられたため,原告の会議場への到着は午後4時45分ころとなった。評議会は原告に対し同日午後5時30分ころから同8時30分ころまでの間に数回の中断を挟みながら口頭陳述の機会を与えたが たって折衝が続けられたため,原告の会議場への到着は午後4時45分ころとなった。評議会は原告に対し同日午後5時30分ころから同8時30分ころまでの間に数回の中断を挟みながら口頭陳述の機会を与えたが,原告は審理,公開と求釈明要求に答えることが陳述の前提である旨主張するだけで審査説明書記載事項についての口頭陳述をしなかった。 (5)評議会は同月19日に審議を行い,原告に対する陳述機会は十分に,,与えており手続上問題はないと判断し陳述を打ち切ることを決定し同決定結果を同月20日に原告に通知し,同月21日には懲戒処分として停職5月間が相当であるとの決議をなし,被告にその結果を答申した。 被告は,上記答申を受け,同月22日原告に対し国家公務員法82条1号,2号に基づき懲戒処分として停職5月間とする旨の決定を行い,上記内容を記載した本件の懲戒処分書及び懲戒事由を記載した説明書を原告に送達した。 (6)原告は,上記審査手続きにつき,審査事項が多岐にわたりかつ曖昧であったので評議会に再三にわたり釈明を求めたにも拘わらず評議会が応じない状況下では陳述をすることが不可能であるから法に定める陳述の機会が与えられていない旨主張するけれども,審査説明書の内容には非違行為として問責されている事実及び該当条項は十分に特定されており,原告が自己の権利を防御し陳述をするに当たって何ら支障はないのであるから,上記主張は理由がない。 (二)原告の反論本件処分決定手続には以下の点において違法性があるから,本件処分は取り消されるべきである。 (1)審査前の処分決定・審査説明書の違法性評議会は,昭和45年1月28日から合計4回に亘る審査を経た上,原告に対し,教官会議への出席拒否,授業実施・試験実施拒否,大学が正式に決定した事項に反対し妨害する等の行為が国家公 審査説明書の違法性評議会は,昭和45年1月28日から合計4回に亘る審査を経た上,原告に対し,教官会議への出席拒否,授業実施・試験実施拒否,大学が正式に決定した事項に反対し妨害する等の行為が国家公務員法82条1号、2号に該当することを理由に,停職5月間の懲戒処分をする旨,審査前に既に実質的審査を済ませているのであるから,本件処分は手続上違法である。 教育公務員特例法9条2項,5条2項は,懲戒処分の「審査を行うに当たっては」被処分予定者に対し審査事由を記載した説明書を交付しなければならないと定めており,上記規定は審査の冒頭ないし初期の段階で被審査者に対しその防御すべき対象を明示し伝達することを評議会に義務づけるものであるところ,同年3月12日の処分案決定に至るまで原告は手続きに全く関与させられず,審査説明書らしき書面の交付も受けていないのであるから,上記規定に違反して違法である。 (2)書面交付後の陳述機会の剥奪教育公務員特例法は懲戒処分の審査にあたり被処分予定者が請求した場合は書面又は口頭による陳述の機会が付与される旨定めるが,教員に対する処分審査過程はその結果が被審査者の仕事及び生活両面に及ぼす影響の重大性に鑑み,刑事裁判制度に準じて考えられるべきところ,評議会における懲戒処分審査手続きにおいては,被処分予定者には刑事裁判における弁護人にあたる存在がない一方で,審査提案と判断者が同一に帰しているから,審査説明書に対し唯一その認否反論弁明等のすべてを尽くすべき陳述の機会は極めて重要である。上記趣旨からすれば,審査説明書は被処分者の防御権を保障すべく審査対象を明確に記載し,被処分者からの釈明にも積極的に応じる必要があり,しかも本件処分については審査説明書交付前に処分対象事実及びその法的意義につき処分案まで具体的に検討できていたの を保障すべく審査対象を明確に記載し,被処分者からの釈明にも積極的に応じる必要があり,しかも本件処分については審査説明書交付前に処分対象事実及びその法的意義につき処分案まで具体的に検討できていたのであるから,釈明に回答することは容易なことであったこと,被告が設定した陳述の機会は書面であれば400字詰原稿用紙25枚分,口頭陳述であれば45分という短いものであったことを併せ考えると,被告が審査対象を不明確にし,陳述を制限することで原告の陳述する権利は著しく妨害されたものであるから,本件処分手続きは違法である。 第三争点についての判断一懲戒事由の存否について 教官会議への出席拒否について(一)乙第3号証の2,第28ないし第31号証,第38,第39,第45,,,号証証人Bの証言原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば次のとおり,認定することができる。 ,,(1)原告は昭和44年4月21日実施までの教官会議には出席したが同月23日以降の同年中の教官会議を欠席し,教官会議に対し,同年4月19日付け書面をもって「教官会議が自己批判を自らのものと,しない限りは」教官会議に出席しない旨,また教官会議及び大学当局の決定には拘束されない旨の意見を表明し,教養部長において,同年5月2日付けで原告に対し,議題は当日提出するとした上で,同月7日の教養部臨時教官会議に出席するよう業務命令を出したのに対し,同日付け書面をもって「大学当局が5項目要求への対応の欺瞞性について「大衆的に自己批判するよう「むしろ貴方に業務命令を出した」」い」と述べ,前記意見のとおり,上記業務命令には従わない旨の回答をしてこれに出席しなかった。 (2)さらに,教養部長は同月9日付け書面で同月12日開催の教養部臨時教官会議についても,原告に対し,前回と同 述べ,前記意見のとおり,上記業務命令には従わない旨の回答をしてこれに出席しなかった。 (2)さらに,教養部長は同月9日付け書面で同月12日開催の教養部臨時教官会議についても,原告に対し,前回と同様に,出席するよう業務命令を出したが,原告は出席しなかった。 (3)学校教育法59条1項は重要事項を決定する教授会設置を大学に義務づけ,2項で上記教授会には助教授,その他の職員を加えることができる旨定めるにとどまり,大学の自治に配慮し,教授会に関する細則の決定を個々の大学に委ねたと解されるところ,岡山大学教養部教授会議事規程2条は,教授会の構成員につき,教養部長及び教養部専任の教授をもって構成することを原則としつつ,教官の人事に関しない議題については,必要があるときは専任の助教授又は講師を加えることができる旨定め,岡山大学においては,後者の教授会を前者の教授会と区別する意味で「教官会議」と称していたものであり,教官会議も教授会であると認められる。 教授会で決定すべき「重要事項」とは,人事に限らず,大学の維持管理,学問の研究,教育指導体制など学問の担い手たる大学として必要な事項を含むものと解され,人事決定権を有しないが故に教授会ではないとすべき根拠は見出せない。 また,同法は教授会構成員につき「その他の職員」の参加も可能である旨規定しているのであるから,事実上助手が参加している事実をもって法に定める教官会議に該当しないとはいえないし,仮に定足数が相違するものであっても,かえって教養部教授会議事規程よりも厳格に運用(3分の2)されていたことからすると,教官会議が教授会と異なるとは解し得ない。 (4)教養部長は,教養部を置く国立大学に置かれ,その大学の教授をもって充てられ(国立学校設置法3条2項,同法施行規則5条2項,教育)公務員特例法2 ,教官会議が教授会と異なるとは解し得ない。 (4)教養部長は,教養部を置く国立大学に置かれ,その大学の教授をもって充てられ(国立学校設置法3条2項,同法施行規則5条2項,教育)公務員特例法2条3項,同法施行令1条1号により,部局長とされ,同法25条1項でその採用・転任・降任・免職及び懲戒に関し一般の教員とは異なる手続によるものとされており,法が教養部長に他の教員とは区別された地位を与えていることは明らかであるところ,これを受けて岡山大学学則14条2項は教養部長に教養部に関する事項を掌理する権限を与えている。国立大学の教員には研究及び教育の自由が認められているが,教育公務員特例法は同法11条1項,23条2項で国家公務員法98条1項の適用を予定しており,部局長たる教養部長は,他の職員に対し,研究及び教育に関して上司たる地位に立つことはないものの,研究及び教育に付随して生じる各種の職務に関しては,教授会ないしは教官会議の決定等の執行を含め,教養部に関する事項を掌理する立場から上司の地位に立つものと解される。 そして,教養部長は,教官会議の構成員である原告に対して教官会議への出席を求めうる地位にあり,その限りで国家公務員法上の上司として職務上の命令を発し得ると解すべきである。 また,教官会議への出席命令は教官会議開催に先立つものであって,論理的に教官会議において出席命令を発すべき決議をすることは想定されないことからすると,教官会議の決議なくして,教養部長において,出席命令を発出し得るものと解される。 (5)教官会議の欠席者は,原告だけではなく,通常,数名ないし10数名あったが,原告のほかA教官のみが,原告と同様の対応をし,出席,,命令を受けて教官会議に出席しなかったことを処分の一理由として原告と同様に,懲戒処分を受けた。 (二 ,通常,数名ないし10数名あったが,原告のほかA教官のみが,原告と同様の対応をし,出席,,命令を受けて教官会議に出席しなかったことを処分の一理由として原告と同様に,懲戒処分を受けた。 (二)以上認定したところによると,原告が,教養部長から,昭和44年5月7日及び同月12日の教授会の性質を有する教官会議に出席するよう業務命令を受けながら,いずれの教官会議にも出席しなかったという被告主張の処分理由にかかる事実を認めることはできる一方,当該教官会議の議題も提示されておらず,上記出席命令が会議の召集通知の性質を超えて業務命令としての性質を重視しなければならない程の原告の出席の必要性を窺いうる資料もないことに鑑みると,原告が教官会議の決議に拘束されること(上記拘束力があることは性質上明らかである)を。 覚悟しつつ,自らの思想に従い,2回欠席した事実をもって,非違行為として処分事由とすることは,他の欠席者との均衡に照らしても,相当とはいえない。 後期試験及び単位認定について(一)乙第18ないし第21号証,第23,第25,第45,第47,第49ないし第51号証(枝番の表示を省略する。以下同じ,証人Bの。)証言及び弁論の全趣旨によれば,次のとおり認定できる。 (1)教養部長は,昭和44年5月22日付けの「昭和43年度後期試験について」と題する書面をもって,昭和43年度に教養科目を履修した工学部及び農学部の学生全員に対し成績報告を目的とした試験を実施すること,同年6月17日までに上記成績を報告することを要請したが,英語担当の原告は,同月26日に学生会館前に掲示した「自己『』」をのり越えて゛衆己゛への自立を!ー現段階の正常化を拒否すると題する書面中で「これに加担する事(具体的には現段階で試験,,授業を行うこと)を拒否 26日に学生会館前に掲示した「自己『』」をのり越えて゛衆己゛への自立を!ー現段階の正常化を拒否すると題する書面中で「これに加担する事(具体的には現段階で試験,,授業を行うこと)を拒否する」と記載した。そこで,教養部英語科。 主任教官千葉等が原告に対し上記真意を確認したところ,原告は「後,期試験は行わない。また代理者で行うことは望ましくないが自由だ。 また昭和44年度の授業も行わない」旨回答したため,上記試験を。 代理教官で実施することとし(なお,上記試験は学生の反対に遭い6月に実施できなかった,教養部長は同年7月2日付けの「岡山大学。)教養部原議書」と題する書面をもって,原告に対し,教養部長の業務命令に従い,授業,試験等の業務を行うことに同意することを求めたが,原告は,業務の内容を明示するよう釈明要求するなどしてこれに応じなかったことから,教養部長は更に,同年7月17日付けの「岡山大学教養部原議書」と題する書面をもって前記の同意を求めた。しかし,原告は前回の釈明要求に対する回答がないなどとしてこれに応じなかった。 (2)教養部長は,昭和44年9月12日付けの「昭和43年度後期試験について」と題する書面をもって,昭和43年度に教養科目を履修した者に対する試験の実施方法について,授業担当教官に対し同月19日までに回答することを要請したが,上記書面に記載されていた試験方法には方法としてレポートによる方法(レポート実施方法として教養部で題目まとめて印刷し学生に送付する方法と学生を集合させて題目を与える方法がある,試験を実施する方法及びレポート・試験と。)も行わない方法という大きく三つの方法が定められていた。上記書面は後期試験に係る授業担当の原告のもとにも届けられたが,原告は9月21日付け書面をもって教養部長に対し る方法及びレポート・試験と。)も行わない方法という大きく三つの方法が定められていた。上記書面は後期試験に係る授業担当の原告のもとにも届けられたが,原告は9月21日付け書面をもって教養部長に対し「そのような授業再開の,一端としての昭和43年度後期試験に関する一切を拒否します」と。 回答したため,原告担当授業についての後期試験は,同年10月に代理の複数の教官によって実施された。 前記教養部長の要請は,試験を必須とはせず,単位認定について述べているものであるから,試験そのものの実施ではなく,学生の履修科目の単位認定をするための成績を決定する旨促す趣旨であることは明らかであるところ,原告は教養部長の要請に対して,試験以外の方法により単位認定が可能である旨回答したことはない。 原告本人尋問の結果中で原告は「自己をのり越え゛衆己゛への自,立を!ー現段階の『正常化』を拒否する」と題する書面は原告作成の書面ではない旨供述するが,前記認定の事実に照らし,上記供述部分はにわかに措信できない。また,原告本人尋問の結果中で原告は,昭和44年5月22日付で教養部長から後期試験を要請されたことはない旨述べているが,教養部長作成の同日付け「昭和43年度後期試験について」と題する書面の名宛人は各授業担当教官であること,同年5月26日付けの原告作成にかかる「自己をのり越え゛衆己゛への自立を!ー現段階の『正常化』を拒否する」と題する書面には「これ,に加担する事(具体的には現段階で試験,授業を行うこと)を拒否する」との記載があることなどの前記認定事実に照らすと,上記供述。 部分はにわかに措信できない。さらに,原告本人尋問の結果中で原告は,昭和44年9月12日付け「昭和43年度後期試験について」と題する書面は受け取っておらず,数度に亘って大学から後期試験の実 述。 部分はにわかに措信できない。さらに,原告本人尋問の結果中で原告は,昭和44年9月12日付け「昭和43年度後期試験について」と題する書面は受け取っておらず,数度に亘って大学から後期試験の実施について要請を受けたことはない旨供述していることが認められるが,同書面の名宛人が各授業担当教官であること,原告が昭和43年度後期試験についての問い合わせを受けこれを拒否する趣旨の同月9月21日付けの回答書の内容や前記認定事実に照らすと,上記供述部分もまた,にわかに措信することができない。 また,原告は,教養部が成績表用紙を交付しなかったため,原告の単位認定行為が妨害された旨主張するが,上記主張事実を認めるに足る証拠はない上,原告に成績表用紙が交付されなかったとしても,原告の方から教養部に問い合わせる等の措置は容易になしうるにもかかわらず,一切行っていないことが明らかである。 (二)授業担当教官が当該授業を履修した学生に対して単位修得の判定を行うべきことは教官としての職務上の義務であり(大学設置基準〔昭和31年文部省令第28号〕31条,岡山大学学則38条,岡山大学教養部規程12条,これは,大学紛争があるべき姿で解決されていないと。)しても,大学が存続し,原告がその教官である以上,不可欠で重要な職務上の義務であって,大学当局の紛争解決責任の存在や,原告の教育方針,思想の自由等によって左右される性質のものではない。 而して,前記認定したところによると,原告は,昭和43年度後期試験実施の拒否のみならず,学生の単位認定行為そのものを拒絶したものというほかないから,かかる原告の行為は教官業務を放棄したものといわざるを得ず,非違行為に該当する。 (三)そして,上記非違行為は,国家公務員法82条2号の職務上の義務に違反し,又は職務を怠った場合として かないから,かかる原告の行為は教官業務を放棄したものといわざるを得ず,非違行為に該当する。 (三)そして,上記非違行為は,国家公務員法82条2号の職務上の義務に違反し,又は職務を怠った場合として,懲戒事由に該当する。 前期授業拒否について(一)前示2に認定した事実と,乙第18,第19,第21,第22号証,第24ないし第27号証,第45,第49ないし第53号証,証人Bの証言,原告本人尋問の結果並びに弁論の全趣旨によれば,次のとおり認定することができる。 (1)教養部長は昭和44年4月10日付けの「昭和44年度の授業計画について」と題する書面をもって,前期授業担当教官に対し,同月25日までに時間割,授業計画(講義概要,指定参考書等)の回答を求め,同年5月22日付け「工学部新入生の授業開始について」と題する書面をもって,同年5月28日から昭和44年度工学部入学生に対する英語等の授業を実施する旨担当教官に対し通知した。これに対して原告は同年5月26日に学生会館前に掲示した「自己をのり越え゛衆己゛への自立を!ー現段階の「正常化」を拒否する」と題する書面中で「これに加担する事(具体的には現段階で試験・授業を行うこ,と)を拒否する」と意思表明したことから,教養部英語科主任教官。 等が,原告に対し,上記掲示書面の真意を確認したところ,昭和44年度の授業をしない旨回答したため,教養部長は同年7月2日付けの「岡山大学教養部原議書」と題する書面をもって,原告に対し,教養部長の職務命令に従い,授業,試験等の業務を行うことに同意することを求めたが,原告はこれに対して業務の内容を明示するよう釈明要求するなどしてこれに応じず,教養部長は更に同年7月17日付けの「岡山大学教養部原議書」と題する書面をもって前記の同意を求めたが,原告は前回の釈明要求に はこれに対して業務の内容を明示するよう釈明要求するなどしてこれに応じず,教養部長は更に同年7月17日付けの「岡山大学教養部原議書」と題する書面をもって前記の同意を求めたが,原告は前回の釈明要求に対する回答がないなどとしてこれに応じなかった。 (2)教養部長は,同年9月24日に原告に対し,授業実施について更に照会したところ,原告は前回同様に「現在の情況下での」授業実施,を重ねて拒否したため,代理教官により授業を実施した。 (3)その後原告は,同年12月19日付け書面をもって教養部英語科主任教官等に対し,前期授業の実施の申し出をしたが,授業を開始する旨の同文書には,授業内容,授業計画について何ら明らかにされておらず,同封された「問題は一切解決されていないー〈私〉の授業開始について」と題するビラを併せて読むと大学教養過程としての英語の授業が実施されるか不明であった。これに対し,教養部長は,上記申し入れには確たる授業計画の記載がないこと及び代理教官と変更することは学生に無用な混乱を来すことを理由に,申し入れを拒否した。 (4)教養部の授業時間表は,教官会議の了承を得て作成されるところ,昭和44年5月中には作成されていた昭和44年度の当初の授業時間表には,原告が英語を担当する旨記載されており,原告はこれを知悉していた。 原告本人尋問の結果中で原告は,昭和44年4月10日付け「昭和44年度の授業計画について」と題する書面(乙24)をもって前期授業の授業計画の提出を求められたことはない旨供述するが,同書面は各授業担当教官に宛てられたものであること,教養部長が担当の教官に照会して担当教官の授業計画に基づいて授業時間表を作成するのが通常の手順であること(証人Bの証言,乙第27号証によれば,遅くとも同年5月22日に)は(原告の供述によっても ,教養部長が担当の教官に照会して担当教官の授業計画に基づいて授業時間表を作成するのが通常の手順であること(証人Bの証言,乙第27号証によれば,遅くとも同年5月22日に)は(原告の供述によっても5月末頃には)昭和44年度の授業時間表が作成されていることに照らし,にわかに措信することができない。 (二)原告は自主講座を実施しており,授業を放棄したものでない旨主張するが,自主講座の内容を窺いうる資料はない。原告の自主講座は,岡山大学教養部規程11条に定める履修方法を経た者に対し,教官会議で定めた授業時間表に従って実施する授業でないことは明らかである。 原告は,被告が,講義の時間表から原告の名前を抹消し,同年9月16日の授業強行再開に際して発表した授業時間表において追加的に法文学部1年次生及び教育学部2年次生各2コマの担当教官名の欄の原告名を抹消することで一方的に原告の授業担当権限を剥奪したものであるか,,ら原告にはそもそも放棄すべき権限そのものを有しない旨主張するが原告が被告の度重なる要請にもかかわらず授業を行うことを拒否していたことは前記認定のとおりであるから,被告が,原告の意思に反して,その授業権限を剥奪したものとは認められない。 (三)教官がその授業の履修の承認を受けた学生に対して,授業を行うべきことは,学校教育法58条8項,5項,6項の規定によるまでもなく,教官として当然になすべき職務上の義務であり,これは,大学紛争があるべき姿で解決されていないとしても,大学が存続し,原告がその教官である以上,不可欠で重要な職務上の義務であって,大学当局の紛争解決責任の存在や,原告の思想の自由等によって左右される性質のものではない。 而して,前記認定したところによると,原告は,教官会議で自己の担当授業が決せられたことを知りながら,昭和4 大学当局の紛争解決責任の存在や,原告の思想の自由等によって左右される性質のものではない。 而して,前記認定したところによると,原告は,教官会議で自己の担当授業が決せられたことを知りながら,昭和44年度前期担当授業の実施を拒否したものであり,その内容も明らかでない自主講座の実施によって,授業の実施をなしたものと評価できる事情は認められないものというほかないから,かかる原告の行為は教官業務を放棄したものといわざるを得ず,非違行為に該当する。 (四)そして,上記非違行為は,国家公務員法82条2号の職務上の義務に違反し,又は職務を怠った場合として,懲戒事由に該当する。 バリケード撤去妨害について(一)乙第32,第33,第40,第45,第48号証,証人Bの証言及び弁論の全趣旨によると,次のとおり認定できる。 (1)昭和44年6月15日午後8時ころ,岡山大学の全共闘系の一部学生が他大学生らとともに,法文大講堂から連結机約200個を持ち出し,同大学を南北に貫く通称南北道路の南北出入口に基部をコンクリートで固めた強固なバリケードを構築した。 (2)大学当局は,上記学生らに対し,再三の退去命令を出したが,学生らにおいてこれに応じなかったため,バリケードを撤去すべく,昭和44年6月18日午後,教職員多数が出動してバリケードの排除にかかったが,学生らはゲバ棒を振ってこれを妨害し,なお投石の準備を開始したため,大学当局は機動隊出動を要請し,学生らを排除してバリケードの撤去を完了した。 (3)原告は,上記バリケードの撤去に際し,学生らとともにバリケード前に座り込んでその撤去を妨害した。 原告作成名義の「六・一八の〈私の坐り込み斗争〉総括とすべての〈あなた〉へのアピール」と題する書面には「私は6月18日,南,北道路バリケードの一方的問答無用撤去 前に座り込んでその撤去を妨害した。 原告作成名義の「六・一八の〈私の坐り込み斗争〉総括とすべての〈あなた〉へのアピール」と題する書面には「私は6月18日,南,北道路バリケードの一方的問答無用撤去に反対して座りこみを行った」と記載されている。 。 原告は話し合いのため,その場にいただけでバリケード撤去を妨害したことはない旨,原告本人尋問において供述するが,上記認定事実に比照して,にわかに措信できない。 (二)而して,前記学生らの大学内でのバリケード構築による教育,研究の妨害行為を正当化すべき法的根拠は認められず,バリケード撤去による原状回復行為は大学職員の正当な業務であるというほかないから,少なくとも教官たる原告においては,上記業務を妨害してはならない職務上の義務を有するところである。したがって,原告が,上記業務を妨害するのは非違行為というべきである。 (三)原告の上記非違行為は,国家公務員法82条2号の職務上の義務に違反した場合として,懲戒事由に該当する。 二本件懲戒処分の正当性前記認定した懲戒事由につき本件処分内容が相当であるものとして,正当理,,由を有するかどうかを検討するに前記認定の経緯や原告の本件各行為の性質態様等に鑑みると,原告に対し5ヶ月の停職をなした本件処分が,その懲戒の程度に照らし,懲戒権者に委ねられた裁量の範囲を超えているものとは未だ認め難いところであり,本件処分には正当な理由があるものと認められ,実体的違法事由は認められない。 三処分手続の違法性の存否について(一)乙第3ないし第17号証及び弁論の全趣旨によれば,次のとおり認定できる。 (1)原告及び訴外A教官の一連の行動の状況から,被告(当時の被告職にあったのはE)は,昭和44年8月28日付け書面をもって,教養部長に対し,同年4月以降の原告らの れば,次のとおり認定できる。 (1)原告及び訴外A教官の一連の行動の状況から,被告(当時の被告職にあったのはE)は,昭和44年8月28日付け書面をもって,教養部長に対し,同年4月以降の原告らの行動の概要,上記行動に対し教養部のとった措置及び上記行動に対しての見解の回答を求めた。教養部長(当時,当該職にあったのはC)は,調査の上,同年12月10日付け書面をもって,被告に対し,原告の同年4月19日から9月28日までの行為,上記行為に対する同大学教養部の措置及び見解を記載した報告書(A教官に関する報告も含む)を提出した。被告は,。 ,,上記報告書記載内容を考慮した上大学管理機関である評議会に対し原告に対する懲戒処分について審査を求めた。 (2)評議会は,昭和45年1月28日に第1回審査評議会を開催し,審査,,事案の発議及び事実確認を同年2月5日に第2回審査評議会を開催し事実確認及び法的見解の検討を,同年3月7日に第3回審査評議会を開催し,処分案の検討を,同月12日に第4回審査評議会を開催し,処分案,審査説明書案及び陳述方法を各決定し,同月14日に原告に対し,審査事由を記載した審査説明書及び「審査説明書を受領した後14日以内に陳述の請求をした場合には口頭又は書面で陳述の機会を与える」旨付記した事務連絡書を陳述申出書用紙とともに交付した。 (3)原告は,昭和45年3月25日,評議会に対し陳述の請求及び釈明書を郵送し,上記書面で陳述方式を書面及び口頭の双方とすること,陳述,,,に先立ち原告の求釈明事項を釈明すること陳述を公開し陳述補助者,,事実の証言者の同席及び発言することを求めたが評議会は検討の結果同月30日,陳述を文書陳述とすること,提出期限を4月7日とすること,釈明要求には回答しないことを決定し,3月3 陳述補助者,,事実の証言者の同席及び発言することを求めたが評議会は検討の結果同月30日,陳述を文書陳述とすること,提出期限を4月7日とすること,釈明要求には回答しないことを決定し,3月31日付け文書をもって原告に同決定内容を通知した。原告は,同年4月1日,評議会に対し上記通知の受領事実及び従来の要求を再び繰り返す内容の内容証明郵便を送付し,同月3日に更に同内容の文書を提出したことから,評議会は同月6日に原告の上記請求を再度審査し,陳述を文書によること,上記提出期限を同月7日午後5時とすることを決定し,同日付け文書で原告にその旨通知した。原告は同月7日,評議会に対し,原告の求釈明に回答すること,陳述方法につき口頭又は書面の一方とするのであれば口頭による公開の陳述を請求する旨の文書を提出し,同月9日に更に同内容の文書を提出したことから,評議会は同月10日に原告の上記請求を審議し,釈明要求に回答しないという事項以外の従前の方針を変更し,非公開による口頭陳述を認めること,陳述の期日は同月11日午後1時30分からとし,陳述時間は45分以内とすること,同日午後1時15分ころ原告を原告宅に迎えに行くことを決定し,同日原告にその旨通知した。 (4)評議会は,同月11日,原告の陳述を聴取するため,係員を上記時刻に派遣したが,原告方周辺には原告との同行を求める学生及び岡山大学D教官らが同行を要求したため,この対応を巡って2時間余り折衝が続けられ,原告が会議場へ到着したのは午後4時45分ころとなった。評議会は原告に対し,同日午後5時30分ころから同日午後8時30分ころまで,途中数回の中断を挟みながら口頭陳述の機会を与え,陳述するように何度も原告に促したが,原告は審理公開と釈明要求に答えることが陳述の前提であると主張するのみで,審査事由に関 日午後8時30分ころまで,途中数回の中断を挟みながら口頭陳述の機会を与え,陳述するように何度も原告に促したが,原告は審理公開と釈明要求に答えることが陳述の前提であると主張するのみで,審査事由に関することを何ら述,。 べず結果的には審査説明書記載事項についての口頭陳述をしなかった(5)評議会は同月19日に審議を行い,原告に対する陳述機会は十分に与えており手続上問題はないとして,陳述を打ち切ることを決定し,同決定結果を同月20日に原告に通知し,同月21日には懲戒処分として停職5月が相当であるとの決議をなし,被告にその結果を答申し,被告はこれを受けて本件処分をなした。 (二)以上認定したところによると,本件処分にかかる評議会の一連の審査手続においては,原告に防御する機会は与えられており,原告の防御権の保障ははかられているものと認められる。 (三)原告は,審査説明書の交付時期について,教育公務員特例法が「審査を行うに当たっては」審査説明書を交付しなければならないと規定しているところ「審査を行うに当たって」とは,審査の冒頭ないし極めて早い時,期に審査説明書の交付を義務づける趣旨である旨主張するが,同法9条2項,5条2項が審査を行うに当たり審査説明書の交付を要するとした趣旨は,審査の過程で被審査者に審査についての防御と陳述の機会を保障するためであり,審査説明書の交付が必ずしも審査の冒頭に行われなければならないものと解すべき根拠は見出せず,審査のいかなる段階において行われるかは,審査を行う評議会の裁量に委ねられているものと解するほかない。 また,原告は,原告の陳述の前に既に評議会の審査がなされている点が違法である旨主張するが,懲戒処分の審査に当たってどのような方法で審査するかは,教育公務員特例法5条2項から4項に規定されている以外は また,原告は,原告の陳述の前に既に評議会の審査がなされている点が違法である旨主張するが,懲戒処分の審査に当たってどのような方法で審査するかは,教育公務員特例法5条2項から4項に規定されている以外は評議会の裁量に任されており,本件では,評議会は,原告の非違行為について事実の確認,法令の適用,懲戒処分の種類及び程度の決定を行い,その結果を審査説明書に記載して原告に交付し,これについて原告の弁明を聞いて必要に応じ処分案の修正を行った上,懲戒処分を決議する方法を採ったものと認められるから,審査方法として合理性がないものとはいえず,違法な点は認められない。 さらに原告は,審査説明書記載事項が不明確であり,その内容について評議会に求釈明を行ったにもかかわらず,評議会は一切答えなかったものであり,これでは陳述することは不可能であったとも主張しているが,審査説明書の内容からは,非違行為として取り上げられている事実及びその該当法条は明らかとなっており,原告の陳述の前に釈明をすべき必要性は認め難いところである。 (四)そうすると,本件処分には手続上の瑕疵は認められず,本件処分は手続上適法であるというほかない。 第四 結論 よって,原告の請求は理由がないのでこれを棄却すべく,訴訟費用の負担に,。 つき行政事件訴訟法7条民事訴訟法61条を適用して主文のとおり判決する岡山地方裁判所第1民事部裁判長裁判官金馬健二裁判官金光秀明裁判官潮海二郎

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