昭和26(オ)880 当選確認請求

裁判年月日・裁判所
昭和27年5月13日 最高裁判所第三小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件上告を棄却する。      上告費用は上告人の負担とする。          理    由  上告人A代理人奥山八郎同安田重雄同井上忠己の上告理由は後記のとおりである。  

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判決文本文2,917 文字)

主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告人A代理人奥山八郎同安田重雄同井上忠己の上告理由は後記のとおりである。 公職選挙法(以下単に法という)八九条は、同条但し書に当る場合及び同条二項の場合を除いては、国又は地方公共団体の公務員は、在職中、公職の候補者となることができないと定めている。この規定は、いやしくも国又は地方公共団体の公務員たる者は、公務員たる職を辞した上でなければ、公職の候補者となることができない趣旨であると解するのを相当とする。すなわち、公務員である者が、公職の候補者として届出をするときには、すでにその公務員たる地位を退いていなければならないのであつて、単に退職の申出をしただけでは足りないのである。この立法の根拠は、公務員が在職のまま公職の候補者たることは、現に就いている公務員としての職責をむなしくするとか、公務員たる地位が選挙に利用されるおそれがある等の理由に基くのであるが、具体的の場合について、かかる弊害を個個に判断することは困難であるから、これを一般的に見て、特別の例外の場合を除いては、公務員は在職のまま候補者となることを禁じたのである。所論の順序によつて判断するに一、論旨は、公職選挙法施行令(以下単に令という)八八条五項の反面解釈から、上告人が、予じめ公務員たることを辞しないでも立候補の届出ができると主張するが、令八八条五項が公務員が退職して立候補しようとする場合に、法九〇条により退職の申出をした旨の証明書を添えなければならないと定めているのは、公務員である者が、立候補の届出をした場合、選挙長の側からいえば、果して退職をした上の届出であるか否か不明であるから、選挙事務の便宜上このような証明書の添附を求め、少くともその日附により、法 のは、公務員である者が、立候補の届出をした場合、選挙長の側からいえば、果して退職をした上の届出であるか否か不明であるから、選挙事務の便宜上このような証明書の添附を求め、少くともその日附により、法九〇条の法定期間を経過し、退職の効果が発生- 1 -したことを確認できるようにしたのである。従つて、この専ら事務便宜上の規定を根拠として、逆に本法八九条の趣旨を、退職の申出をすれば退職の効果が発生しないでも、候補者となることができると解することはできない。それゆえ原判決は結論において正当である。論旨は(い)として、原判決が、右のように「原則として」といいながら、例外の説明がないことを非難しているが、八九条一項但し書と二項の場合が例外であることは、説明自体で明らかである。また論旨(ろ)は、法六八条一項二号後段をもつてしては、法八九条の制限が、絶対的であるか否かの解決にはならないと主張するのであるが、なるほど法六八条一項二号後段は、法八九条によつて有効な候補者であるか否かが決した後に通用される規定であつて、法六八条一項二号があるために、八九条が判示のような趣意をもつのではない。従つて、原判決のこの引用は、判示の理由づけにはならないけれども、このために原判決の結論の正しいことに変りはない。六八条一項二号のある理由は、公務員は本来八九条によつて、在職のまま候補者となることはできないのであるが、それにもかかわらず、公務員から立候補の届出があつた場合、選挙長は、その届出について実質的審査権をもつものでないから、届出は一応そのまま受理され候補者として取扱われるけれども、いよいよ選挙が行われて、その者(すなわち在職のまま候補者となつた者)に対する投票があつたときは、これを無効とするという趣旨である。また論旨(は)は、公務員が在職のまま候補者となつた場合、そ れども、いよいよ選挙が行われて、その者(すなわち在職のまま候補者となつた者)に対する投票があつたときは、これを無効とするという趣旨である。また論旨(は)は、公務員が在職のまま候補者となつた場合、その届出は有効で候補者たる資格を有するのであるから、かかる候補者が、退職の申出をしないときは、届出を収消したものとみなすとか、或は候補者の資格を失うとかの明文がなければ、届出後にその者が退職の申出をしなくても、候補者から除かれる理由はなく、また当選人ともなり得ると主張するのであるが、前記(ろ)に説明したとおり、公務員は本来在職のまま候補者となることはできないのであるから、所論はすでに誤れる前提に立つているのであり、理由はない。 - 2 -二、論旨は、法八六条四項、六項の場合において、公務員の退職が効果を発生する前に選挙の行われることがあるのであるから、公務員が在職のまま候補者となり当選人となることは少しも差支ないという趣旨の主張であるが、法八六条四項、六項の場合は、選挙の期日前三日までに立候補を許されているというに過ぎないのであつて、立候補届出の場合は、八九条によりすでに公務員を退職していなければならない趣旨である。従つて論旨は、この点についても、理由がない。 三、論旨は、八九条二項後段によれば、地方公共団体の議会の議員が、在職のまま議員の候補者に、またその長が在職のまま長の候補者となることができることを根拠として、本件の場合も議員が在職のまま長に立候補できるという趣旨であるが、原判決の説明のとおり、八九条二項は、議会の議員又は長の任期満了による選挙は、その任期の終了日の前三〇日以内に行うことと定めているから、この場合は、任期の満了する議員又は長は、在職のまま立候補できる例外を認めなければ、これらの者は立候補のため多数辞職し、地方公共団体の は、その任期の終了日の前三〇日以内に行うことと定めているから、この場合は、任期の満了する議員又は長は、在職のまま立候補できる例外を認めなければ、これらの者は立候補のため多数辞職し、地方公共団体の運営に不都合を生ずるおそれがあるからである。このやむを得ない例外規定から推して、所論のように、八九条一項の公務員が、在職のまま公職の選挙に候補者となることを禁じた原則に反する解釈に導くことはできない。 四、論旨は、上告人の当選は、地方自治法一四一条による兼職禁止の場合であつて、法一〇三条により、兼職となる議員の職を辞したのであるから、当選を失う理由はないという主張であるが、法一〇三条は、八九条第一項本文の適用のない公務員で、適法に公職の候補者となり、その公職に当選した当選人が、当該選挙にかかる議員、長又は委員と兼ねることのできない職にある場合の兼職制限の規定であつて、立候補制限に関する法八九条とはなんら関係のない規定である(法八九条一項二号、日本国有鉄道法一二条四項、日本専売公社法一六条二項等参照)。この点について原判決になんら法の解釈の誤りはなく、論旨は理由がない。 - 3 -よつて民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、全裁判官一致の意見により、主文のとおり判決する。 最高裁判所第三小法廷裁判長裁判官井上登裁判官島保裁判官河村又介裁判官小林俊三裁判官本村善太郎- 4 - 三裁判官本村善太郎

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