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昭和39(オ)914 補償費等請求

裁判所

昭和41年7月14日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 札幌高等裁判所 昭和36(ネ)122

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2,322 文字

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告指定代理人武藤英一、同宇佐美初男、同中村盛雄の上告理由第一点一について。原判決が本件A地点を所論史蹟であると確定していないことは所論のとおりであるけれども、原判決判示によれば被上告人がその地点を史蹟であると確信し、その確信が単なる被上告人の独断的幻想ではなく、その旨の一応の推定を受ける程度の証拠があり、かつ、これをくつがえすに足る証拠がないというのであるから、このような場合には、被上告人の右心情が本件損害賠償請求による保護を受けるに足るものとした原審判断は相当である。原判決には所論の違法は認められず、論旨は採用できない。同二について。原判決(その引用する一審判決を含む、以下同じ。)の認定したところによれば、旭川開発建設部美深出張所所員数名が、昭和三二年六月一一日頃判示第三物件内で法線変更による築堤工事のため測量をしていたところ、被上告人これを発見憤慨しその非を責めたうえ判示(A)箇所は松浦判官の宿営の地であり、これに誇りと愛着を有しているので、たとえ本件築堤工事のためであつても売却することはできない趣旨のことを伝えたというのであり、右事実認定は挙示の証拠により首肯できる。原判決は、右事実認定に基づいて上告人側において、かかる特別の事情を予見していたといわなければならないと判示しているのであるから、その措辞やや簡に失するけれども、原判決判示の趣旨は、右被上告人の抗議が当然工事遂行の責任ある地位にある担当職員に報告されたと推認すべきである旨を判示したものと解せられ、- 1 -右認定判断は首肯するに足りる。論旨は、原判決を正読せずこれを非難するものであつて、採用できない。同三について。原判決は、本件 されたと推認すべきである旨を判示したものと解せられ、- 1 -右認定判断は首肯するに足りる。論旨は、原判決を正読せずこれを非難するものであつて、採用できない。 の抗議が当然工事遂行の責任ある地位にある担当職員に報告されたと推認すべきである旨を判示したものと解せられ、- 1 -右認定判断は首肯するに足りる。論旨は、原判決を正読せずこれを非難するものであつて、採用できない。同三について。原判決は、本件 されたと推認すべきである旨を判示したものと解せられ、- 1 -右認定判断は首肯するに足りる。論旨は、原判決を正読せずこれを非難するものであつて、採用できない。同三について。原判決は、本件(A)地点が史蹟であることの古老の言や学者の意見があつたとの事実を確定しているにすぎず、また、一般には所論標識の地点の方を史蹟と考えられているとの事実は、原判決の認定しないところであつて、右事実認定は、挙示の証拠に照らして首肯できないことはなく、原判決には所論違法はない。論旨は原審の認定しない事実に基づいて原判決を非難するものであつて、採用できない。同第二点について。所論慰藉料が一五万円を相当とするとした原判断は、原判示事情のもとにおいては相当と認められ、原判断に所論の違法は認められない。論旨は採用できない。同第三点について。原判決の確定したところによれば、本件第三物件は、被上告人の所有に属し、被上告人はこれを判示の史蹟であるとしてこれに愛着を感じ、これを所有することを誇りとしていたところ、国家公務員である旭川開発建設部職員が上告人国の営造物である天塩川の判示築堤工事に使用するため、被上告人の抗議を無視して右物件中(A)箇所の土砂を不法に採取して、一旦は原形を全く破壊し、よつて被上告人に対し精神的苦痛を与えたというのである。原判決は、右事実につき、上告人国は国家賠償法二条の類推適用により被上告人の受けた右損害を賠償する義務がある旨判示するが、国家賠償法二条は、公の営造物の設置または管理に瑕疵があることにより生じた損害につき国にその賠償責任を認めるものであるから、右の場合に同法条を類推適用すべきでないことは所論のとおりである。しかしながら、原判決の確定した事実によれば、判示の旭川開発建設部職員は、公権力の行使に当る国家公務員であり、 めるものであるから、右の場合に同法条を類推適用すべきでないことは所論のとおりである。しかしながら、原判決の確定した事実によれば、判示の旭川開発建設部職員は、公権力の行使に当る国家公務員であり、本件土砂採取の行為を河川工事の職務の執- 2 -行としてなしたものであり、また、その行為により被上告人に精神的損害を与えることを認識していたか、かりにその認識がなくても認識すべきであつたというべきであるから、同職員には被上告人に精神的損害を与えたことにつき、故意または少くとも過失があつたといわなければならない。 の確定した事実によれば、判示の旭川開発建設部職員は、公権力の行使に当る国家公務員であり、本件土砂採取の行為を河川工事の職務の執- 2 -行としてなしたものであり、また、その行為により被上告人に精神的損害を与えることを認識していたか、かりにその認識がなくても認識すべきであつたというべきであるから、同職員には被上告人に精神的損害を与えたことにつき、故意または少くとも過失があつたといわなければならない。しからば上告人は、国家賠償法一条により被上告人に対し判示損害を賠償する義務があるものというべく、原判決の判断は、結局、相当である。よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官長部謹吾裁判官入江俊郎裁判官松田二郎裁判官岩田誠- 3 -

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