【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人弁護士河本喜与之の上告理由第一点について。 原判決の認定した事実の
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人弁護士河本喜与之の上告理由第一点について。 原判決の認定した事実の要旨は「(1)上告人の母Dは夫E(上告人及び被上告人等の父)が昭和三年十二月三十一日死亡した前後に亘り、Dの継子で相続人たる被上告人がEの死亡によつて相続し所有権を取得した本件物件を恣に持出し其後引続いて占有して居たこと、(2)DはEの生存中は実子である上告人等と共にa町にあるE方に居住して居たが、その死亡後は同じa町に別に居宅を構へ上告人もDとその居を一にしていたこと、(3)Dは被上告人より昭和四年中本件物件の返還を請求された事実があるが、昭和十六年八月五日これを上告人(当時二十五歳)及び妹Fに贈与したこと、(4)Dと被上告人との間にはE死亡後引続き、右贈与のあつたと称する昭和十六年八月五日当時は勿論、相続財産をめぐつて争が絶えず、訴訟の繋属も一二にとどまらなかつたので、Dは自己の死後本件物件が被上告人に渡ることを恐れ、むしろ実子である上告人等に贈与して老後を養つて貰うことを希望し、その趣旨を贈与当時上告人にも打明け、上告人も亦之を了解して贈与を受けたものである」といふのであつて以上の認定事実よりすれば本件贈与当時上告人が贈与者たるDの無権利者であることにつき善意であつたと仮定するも、相当の注意を加えさへすれば果してDに権利ありや否やを知り得べきであつたこと明であるから、之を怠つた本件において過失があるとした原判決は相当であつて、右は論旨のいうように何等実験則・人倫・条理に反する判断であるとは認められない。よつて論旨は理由がない。 論旨第二点について。 - 1 -上告人が上告人の姉Gを被告として本件物件につき所謂第三者異議の訴を提起し、 に何等実験則・人倫・条理に反する判断であるとは認められない。よつて論旨は理由がない。 論旨第二点について。 - 1 -上告人が上告人の姉Gを被告として本件物件につき所謂第三者異議の訴を提起し、上告人勝訴の判決が確定したとするも、その既判力は当事者を異にする本件には及ばないことは当然であり、従つて右の確定判決と異る裁判をなし得ることは勿論である。論旨はそれ故に理由がないこと明である。 論旨第三、第四点について。 論旨第三点は、単に原審の証拠の取捨判断を攻撃し原判決のなした事実認定を非合理且非常識であるといふのであるが、原判決には何等右の如き違法はなく、又論旨第四点は原判決の法令違背を主張するものでなく、和解等による事案の解決を希望するに過ぎないので、何れも上告適法の理由とは認められない。 よつて、本件上告を理由ないものと認め、民訴第四〇一条、第九五条、第八九条に従ひ裁判官全員一致の意見により主文の通り判決する。 最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岩松三郎裁判官真野毅裁判官斎藤悠輔- 2 -
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