平成14(行ウ)8等 山梨労働局長義肢等支給承認取消決定取消

裁判年月日・裁判所
平成16年3月30日 甲府地方裁判所
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判決文本文8,561 文字)

平成16年3月30日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成14年(行ウ)第8号義肢等支給承認取消決定取消請求事件(甲事件)平成15年(行ウ)第2号療養補償給付等不支給処分取消請求事件(乙事件)口頭弁論終結日・平成16年1月13日判決当事者略 主文 1 甲事件被告山梨労働局長が平成14年3月29日付けで甲事件・乙事件原告に対してした義肢等支給承認取消決定を取り消す。 2 乙事件被告都留労働基準監督署長が平成13年12月19日付けで甲事件・乙事件原告に対してした療養補償給付,休業補償給付及び障害補償給付を支給しない旨の処分を取り消す。 3 訴訟費用は被告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 甲事件主文第1項同旨 2 乙事件主文第2項同旨第2 事案の概要本件は,A会社が山梨県から請け負った富士山の道路工事に,下請のBの従業員として稼働していた原告が,工事現場からの下山中にトラクター・ショベルのキャタピラと車輪に両足を巻き込まれて両足挫滅の傷害を負い,右足のくるぶし上から足先までと左足の2指,3指,4指を切断した事故について,被告都留労働基準監督署長が療養補償給付,休業補償給付及び障害補償給付を支給しない旨の処分をし,被告山梨労働局長が義肢等支給承認取消決定をしたことから,上記処分及び上記取消決定は「業務上」(労働者災害補償保険法1条,7条1項1号等)の認定を誤ったものであると主張して,上記処分及び上記取消決定の取消を求める事案である。 1 争いのない事実等■ 当事者甲事件・乙事件原告(以下「原告」という。)は,平成10年8月当時,A会社が山梨県から請け負った富士山における○○号道路工事に,下請のBの従業員として稼働していた。 ■ 原告は,平成10年8月4日午後4 乙事件原告(以下「原告」という。)は,平成10年8月当時,A会社が山梨県から請け負った富士山における○○号道路工事に,下請のBの従業員として稼働していた。 ■ 原告は,平成10年8月4日午後4時30分ころ,当日の工事現場における作業を終了した後,富士山7合目から一般道との中継場所である富士山5合目まで,通称ブル道を資材運搬用トラクター・ショベルで下山していたところ,同日午後5時ころ,富士山6合5勺付近において,両足をトラクター・ショベルのキャタピラと車輪の間に巻き込まれ,両足挫滅の傷害を負い,右足のくるぶし上から足先までと左足の2指,3指,4指を切断した(以下「本件事故」という。)。 ■ 乙事件被告(以下「被告労基署長」という。)は,本件事故を業務上の負傷等と認定し,療養補償給付,休業補償給付及び障害補償給付をそれぞれ支給するとの決定をした。 ところが,被告労基署長は,平成13年12月19日,本件事故は業務逸脱中の私的行為による負傷等であり,業務上の負傷等とは認められないとして,療養補償給付,休業補償給付及び障害補償給付を支給しない旨の決定をした(以下「本件処分」という。)。 原告は,本件処分について,審査請求をしたが,山梨労働者災害補償保険審査官は,平成14年6月13日,同審査請求を棄却するとの決定をした。 さらに,原告は,本件処分について,平成14年8月2日,労働保険審査会に対し再審査請求をした(同月5日受理)が,3か月を経過しても裁決がない。 ■ また,原告は,甲事件被告(以下「被告労働局長」という。)に対し,平成11年8月17日,義肢等支給申請書を提出し,被告労働局長はこれを承認して,同年10月7日,原告に対し,義肢等支給承認書を交付した(乙3)。さらに,原告は,同被告に対し,平成13年3月1日, ,平成11年8月17日,義肢等支給申請書を提出し,被告労働局長はこれを承認して,同年10月7日,原告に対し,義肢等支給承認書を交付した(乙3)。さらに,原告は,同被告に対し,平成13年3月1日,義肢等修理申請書を提出し,同被告はこれを承認して,同月30日,原告に対し,義肢等修理承認書を交付した(乙4)。 ところが,被告労働局長は,平成14年3月29日,上記■と同様の理由により,上記義肢等支給承認決定及び義肢等修理承認決定を取り消す旨の決定をした(以下「本件取消決定」という。)。 2 本件の争点■ 本件取消決定は抗告訴訟の対象たる「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」(行政事件訴訟法3条2項。以下「行政処分」という。)に当たるか否か。 ■ 本件事故は業務上の負傷等(労働者災害補償保険法(以下「労災保険法」という。)1条,7条1項1号等)といえるか否か。 第3 争点に対する当事者の申立て及び主張 1 争点1について■ 被告労働局長の申立て社会保障,社会保険等の本来的には権力性を有しない給付行政における行政庁の行為については,法令上特別の定めがあり,給付請求権を有すると認められる場合,行政庁の処分を待って初めて給付を行うこととされている場合以外は,契約方式によるものと解すべきところ,労災保険法及び同法施行規則(以下「施行規則」という。)は,義肢の支給について何ら具体的に定めておらず,給付の内容,金額,支給要件,支給手続等については厚生労働省の通達により運用されている。 そうすると,義肢の支給については,法的拘束力のある法律・省令に何ら具体的な規定が存在しないから,法令により給付請求権が付与されたものと解することはできず,また,労災保険法及び施行規則において,行政庁たる所轄局長に対し公定力を有 ,法的拘束力のある法律・省令に何ら具体的な規定が存在しないから,法令により給付請求権が付与されたものと解することはできず,また,労災保険法及び施行規則において,行政庁たる所轄局長に対し公定力を有する処分により支給に関する決定を行うことを委任したとも解し得ない。 したがって,義肢の支給は,昭和56年2月6日基発第69号「労働福祉事業実施要綱の全面改正について」別添労働福祉事業実施要綱(乙1。以下「要綱」という。)に基づいて支給を希望する者が申請を行い,所轄局長が承認を行うことによって申請者と国との間で債権債務関係が成立する贈与契約であり,義肢の修理は,支給した義肢について,要綱に定める場合に,申請により修理を行う義務を定めたものであって,本件取消決定はこれを取り消すものにすぎないから,行政処分には当たらない。 ■ 原告の反論義肢の支給は,要綱4項により,支給基準,支給範囲,支給手続が具体的に定められた上,「支給するものとする」「適格者であると認めたときは承認書を交付する」と規定されており,定められた支給基準に該当する限り,常に支給承認がなされるのであって,所轄局長には,基準該当性の事実確認の義務があるのみで,何らの裁量権も与えられていない。また,義肢の支給は,本来ならば労災保険法上の現物給付である療養補償給付の一環とされるべきものである。 したがって,本件取消決定が行政処分に当たることは明らかである。 2 争点2について■ 被告らの主張ア原告は,同僚と小石の投げ合いをしてふざけ合うために,1人で運転していた自動運転装置もないトラクター・ショベルを走行させたまま,運転席を離れてその操縦を放棄し,後部資材入用荷台(以下「荷台」という。)に移って同僚に小石を投げ,雨で滑りやすく,かつ,足の幅ほどもな ていた自動運転装置もないトラクター・ショベルを走行させたまま,運転席を離れてその操縦を放棄し,後部資材入用荷台(以下「荷台」という。)に移って同僚に小石を投げ,雨で滑りやすく,かつ,足の幅ほどもない不安定で危険な荷台の枠上に立ったためにバランスを崩して道路上に飛び降りることとなり,その後も小石を拾って投げ合いを続けていたものである。 その後,原告は,雨天の悪路を無人で走行中のトラクター・ショベルのキャタピラ付近に足を掛けるという危険な行為に及んだ結果,足を滑らせてキャタピラに両足を巻き込まれたものであるが,これは上記のとおり,原告が同僚とふざけ合うために停車等の安全措置をとることもなく,自発的に運転席を離れたことから招いた結果であって,本来の運転業務に従事していれば行う必要のなかった行為である。 したがって,原告のこれらの行為は,全体として本来の業務に含まれず,これに通常随伴若しくは関連する行為とも認めることはできず,本件事故は,原告が同僚と小石の投げ合いをしてふざけ合うという私的行為と評価すべき行動により生じたものであって,業務起因性はなく,業務上の負傷等と認めることはできない。 イ原告は,同僚との小石の投げ合いを,運転席,荷台及び道路上においても継続していた上,トラクター・ショベルに戻ろうとした際にも左手に石を持っていたと考えられることなど,一連の経過からすれば,本件事故の時点で同僚とのふざけ合いという私的行為をやめる意思があったとはいえず,原告が業務に復帰しようとしていたとは到底認められない。 ■ 原告の主張ア事業主の支配下で発生した負傷等は,たとえ労働者に過失や非難されるべき点があっても労働災害に当たるのであって,業務遂行中の危険,軽率行為が直ちに業務起因性を否定することにはならない。ま 張ア事業主の支配下で発生した負傷等は,たとえ労働者に過失や非難されるべき点があっても労働災害に当たるのであって,業務遂行中の危険,軽率行為が直ちに業務起因性を否定することにはならない。また,被災者の行為に業務遂行性・起因性を認めうるか否かは,当該事故の瞬間の被災者の行為のみを取り出して判断すべきものではなく,事故に至るまでの被災者の行為全体を評価すべきである。そして,その評価は法的評価であって,評価に当たっては労災保険法の趣旨,目的からして,当該事故あるいは被災者の行為が業務とは切断されこれと対立する別個の行為であると,客観的にも主観的にも積極的かつ明確に認められるような場合や明らかに不信義な場合に当たらない限り,広く業務遂行性・起因性を認めるべきものである。この点,労働者の行為に恣意的要素があることのみをもって事業主の支配を脱したものと単純に評価すべきではなく,私的目的によるものとみるべき特段の事情が積極的に見いだせない限り恣意的行為は業務に付随する行為とみるべきである。さらに,業務遂行性・起因性を判断するに当たっては,単に作業環境のみではなく,業務の遂行に関連して接触する人間の種類,性向及び心理状態といった人的環境をも業務に伴う危険の重要な要素として位置付ける必要があるのであって,労働者心理をも十二分に考慮しなければならない。 本件についてみれば,トラクター・ショベルは,特段の事情がなければ,特別な運行措置を要せずに直進するのであるから,カーブに差し掛かるまでの間,原告が運転席を離れてトラクター・ショベル上で投石行為を行っていたとしても業務は同時進行で遂行されていたものである。さらに,原告は他人に運転を任せるなど業務を放棄したものではなく,運行措置が必要になる前に運転席に戻るつもりでいたのであり,現に戻ろうとし っていたとしても業務は同時進行で遂行されていたものである。さらに,原告は他人に運転を任せるなど業務を放棄したものではなく,運行措置が必要になる前に運転席に戻るつもりでいたのであり,現に戻ろうとしていたものである。また,原告が小石の投げ合いをしていたのは極めて短時間のことであり,下山のための運行行為全体からみれば些細なことであり,原告は労働契約上の義務を果たしていたのであるから,業務からの離脱,逸脱行為はない。下山途中の小石の投げ合いという行為は,重労働から解放された若者にとって,目の前に小石が転がっているという状況において大いにあり得る行為であり,これをもって業務離脱ということはできない。 したがって,本件事故は業務上の負傷等である。 イ仮に,原告に私的行為があり,これが業務の中断と評価されるとしても,荷台から運転席に戻ろうとした時点又はトラクター・ショベルに乗ろうとして足をかけようとした時点で業務に復帰したものであり,この時点で業務遂行性が復活したといえる。 第4 当裁判所の判断 1 争点1について労災保険法29条1項1号は,政府は,労働福祉事業として,業務災害を被った労働者(以下「被災労働者」という。)の円滑な社会復帰を促進するために必要な事業を行うことができる旨規定し,同条2項は,労働福祉事業の実施に関して必要な基準は厚生労働省令で定めると規定している。さらに,施行規則1条2項は,労働者災害補償保険に関する事務は,厚生労働省労働基準局長の指揮監督を受けて,事業場の所在地を管轄する都道府県労働局長が行うと規定している。そして,要綱は,労災保険法の労働福祉事業として行う義肢等の支給等に関し必要な事項について定めることを目的とするものであることを明らかにした上,義肢等の支給について,支給種目,支給対象者,支給 る。そして,要綱は,労災保険法の労働福祉事業として行う義肢等の支給等に関し必要な事項について定めることを目的とするものであることを明らかにした上,義肢等の支給について,支給種目,支給対象者,支給の範囲等の支給基準,支給手続等を定め,さらに,義肢等の支給又は修理を受けようとする者は,申請書を所轄労働基準監督署長を経由して,所轄労働局長に提出し,所轄労働局長は上記申請者が義肢等の支給の適格者であると認めたときは,申請者に対し義肢等支給・修理承認書を交付するものとする旨定めている。 このような義肢等支給に関する制度の仕組みにかんがみれば,労災保険法は,労働者が業務災害等を被った場合に,政府が労災保険法第3章の規定に基づいて行う保険給付を補完するために,労働福祉事業として,保険給付と同様の手続により,被災労働者に対して義肢等を支給することができる旨規定しているものと解される。そして,被災労働者は,上記のとおり,所定の支給要件を具備するときは所定の義肢等の支給を受けることができるという抽象的な地位を与えられているが,具体的に支給を受けるためには,所轄労働基準監督署長を経由して,所轄労働局長に申請し,所定の支給要件を具備していることの確認を受けなければならず,所轄労働局長の支給承認決定によって初めて具体的な義肢等の支給請求権を取得することとなる。 そうすると,所轄労働局長の行う義肢等の支給承認又は不支給の決定は,労災保険法を根拠とする優越的地位に基づいて一方的に行う公権力の行使であり,被災労働者の権利に直接影響を及ぼす法的効果を有するものであるから,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものと解される。 本件取消決定は,原告に対して一度なした義肢等支給・修理承認決定を取り消し,費用の回収を決定したものであるところ,これを単なる契約 るから,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものと解される。 本件取消決定は,原告に対して一度なした義肢等支給・修理承認決定を取り消し,費用の回収を決定したものであるところ,これを単なる契約の取消と解することはできず,被告労働局長が労災保険法を根拠とする優越的地位に基づいて一方的に行った公権力の行使というべきであるから,抗告訴訟の対象となる行政処分に当たるものと解される。 2 争点2について■ 本件事故の状況上記争いのない事実に証拠(甲7,原告本人)を総合すれば,以下の事実が認められる。 ア原告は,本件事故当時,1人で資材運搬用トラクター・ショベルに乗車し,車輌前部にあるバケット部分に資材を乗せていたため後退しながら下山し,約5ないし10メートル先をCを含む他の従業員が送迎用不整地運搬車に乗って下山していた。 イ原告はCとの間で,トラクター・ショベルに乗った状態で,ふざけて小石の投げ合いをはじめた。原告は,運転席の周りに小石がなくなったことから,2回にわたり,運転席からトラクター・ショベルの荷台(なお,原告は後退しながら下山していたため,荷台は進行方向となる。)に移動し,荷台の中の小石を拾い,荷台又は運転席からCに向かって投げた。 原告は,小石を拾うためもう一度荷台に移動した後,運転席に戻ろうとして左手で荷台の柵をつかみ,右足を枠に乗せた際,右足を滑らせて体のバランスを崩したため,やむなくトラクター・ショベルから飛び降りた。 ウトラクター・ショベルから降りた原告は,小石を拾って1度Cに向かって投げた後,トラクター・ショベルの運転席に戻ろうと,右手で運転席の出入口付近にあるライトの付け根をつかみ,左足を軸にして右足をトラクター・ショベルのキャタピラの上下の真ん中付近にある固定された金 て投げた後,トラクター・ショベルの運転席に戻ろうと,右手で運転席の出入口付近にあるライトの付け根をつかみ,左足を軸にして右足をトラクター・ショベルのキャタピラの上下の真ん中付近にある固定された金属板に乗せたところ,右足がすべり,右足がキャタピラと車輪の間に巻き込まれた。さらに,原告は,右足を引き抜こうと,左足を上記金属板に乗せたが,結局左足もキャタピラと車輪の間に巻き込まれ,両足挫滅の傷害を負い,右足のくるぶし上から足先までと左足の2指,3指,4指を切断した。 ■アところで,労災保険法に基づく保険給付等(義肢等の支給を含む。以下同じ。)の対象となるのは業務上の負傷等である(労災保険法1条,7条1項1号,要綱4項参照。)ところ,業務上の負傷等というためには,業務遂行性と業務起因性,すなわち,労働者が労働契約に基づき使用者の支配下にあること(業務遂行性)に伴う危険が現実化したものと経験則上認められること(業務起因性)を必要とするものと解される。 イこれを本件事故についてみると,上記認定事実によれば,原告は,富士山7合目の工事現場から富士山5合目まで,資材を運搬しながらトラクター・ショベルを使って下山している際に本件事故に遭遇したものであって,労働契約に基づき使用者の支配下にあったと認めることができる。 また,トラクター・ショベルは,その当否はともかく特別な事情がなければ直進(後退を含む。)するためには特別な操作を要せず,現に本件においても原告が運転席にいなくとも後退を続けており,更に原告が足を滑らせたのは荷台から運転席に戻ろうとした際であること,原告は地面に降りた後再びトラクター・ショベルに戻ろうとしていることなどからすれば,原告がトラクター・ショベルの運行業務を放棄したとみることはできない。 ウそして,上 ろうとした際であること,原告は地面に降りた後再びトラクター・ショベルに戻ろうとしていることなどからすれば,原告がトラクター・ショベルの運行業務を放棄したとみることはできない。 ウそして,上記認定事実によれば,原告は,Cとふざけて小石の投げ合いをするため走行中のトラクター・ショベルの運転席から荷台に移り,更にそこから運転席に戻ろうとした際に足を滑らせて体のバランスを崩したので,やむなく飛び降りたこと,原告はトラクター・ショベルから降りた後,小石を拾って1度Cに投げたが,トラクター・ショベルに戻ろうとして,右手で運転席近くのライトの付け根をつかみ,右足をキャタピラの上下の真ん中付近にある金属板に乗せたところ滑ってしまい,キャタピラと車輪の間に巻き込まれ,更に左足も巻き込まれたことが認められるところ,運転手が過失ないし何らかの理由で車輌から降りて戻ろうとする際にキャタピラと車輪の間に足を巻き込まれることは,トラクター・ショベルの運転業務においてあり得ないことではない。 なお,現行法上,労働者の重大な過失による負傷に対しても,保険給付の一部制限がなされるにすぎない(労災保険法12条の2の2第2項)。 エ上記の原告が車輌から降りた経緯及び戻ろうとした状況等に照らすと,本件事故は,原告が遂行していたトラクター・ショベルの運転業務に内在する危険が現実化したものに含まれるといえ,業務と本件事故との間に相当因果関係があると解されるから,業務起因性があり,業務上の負傷等に当たるものと認められる。 オ本件処分及び本件取消決定は,本件事故を業務上の負傷等と認められないと判断し,原告の療養補償給付,休業補償給付及び障害補償給付請求並びに義肢等支給承認申請を認めなかったものであり取消を免れない。 3 よって,原告の請求はいずれも理由 を業務上の負傷等と認められないと判断し,原告の療養補償給付,休業補償給付及び障害補償給付請求並びに義肢等支給承認申請を認めなかったものであり取消を免れない。 3 よって,原告の請求はいずれも理由があるからこれを認容することとし,主文のとおり判決する。 甲府地方裁判所民事部裁判長裁判官新堀亮一裁判官倉地康弘裁判官知野明

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