主文 本件抗告を棄却する。抗告費用は抗告人の負担とする。理由 本件抗告の趣旨及び理由は別紙のとおりである。本件記録によると、本件不動産の最低競売価額は合計金四、一三四、五三一円であるところ、抗告人の差押え債権にさきだつ不動産の負担は、抗告人の相手方債務者に対する根抵当権設定による貸金債権元本金五、〇〇〇、〇〇〇円及びこれに対する昭和三〇年四月一日から昭和三二年二月一〇日まで日歩五銭の割合による損害金一、七〇五、〇〇〇円、租税その他の公課の負担は合計金三八九、七一五円であつて、不動産上の総ての負担及び手続費用を弁済して剰余ある見込がないこと、原裁判所が昭和三一年五月三日抗告人にその旨を通知したのに、抗告人は右通知から七日の期間内に何らの申立をしないことが明らかであるから、本件競売手続は民訴法第六五六条により取消さなければならない。<要旨>抗告人は、不動産上の総ての負担及び手続費用を弁済する見込がなくとも、本件差押え債権にさきだつ不動</要旨>産上の負担である債権は前示のとおり抗告人の債権であつて、競売手続を進行することにより、抗告人は抵当権を実行しないでも、債権の弁済を受けることができる利益があるから、かような場合民訴法第六五六条の適用がない旨主張するけれども、同条は、優先債権者が差押債権者(強制競売申立人)である場合を特に除外したものとは解されないから、所論は理由がない。 それゆえ、本件競売手続を取消し、競売申立を却下した原決定は相当であつて、本件抗告は理由がないから、民訴法第四一四条、三八四条、九五条、八九条を適用して主文のとおり決定する。(裁判長判事斉藤規矩三判事沼尻芳孝判事羽染徳次) 主文 四条、三八四条、九五条、八九条を適用して主文のとおり決定する。(裁判長判事斉藤規矩 判事沼尻芳孝 判事羽染徳次)
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