昭和24(れ)1751 強盜、強姦致傷、住居侵入

裁判年月日・裁判所
昭和25年11月9日 最高裁判所第一小法廷 判決 その他 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      被告人Aの本件上告を棄却する。      被告人B、同Cの本件各附帯上告を棄却する。      被告人B、同Cに対する原判決を破棄し、両被告人を夫々懲役拾式年に 処する。   

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判決文本文2,747 文字)

主文 被告人Aの本件上告を棄却する。 被告人B、同Cの本件各附帯上告を棄却する。 被告人B、同Cに対する原判決を破棄し、両被告人を夫々懲役拾式年に処する。 第一審における訴訟費用は被告人B、同Cの両名において夫々相被告人並びに同被告人A及び原審相被告人Dと連帯して負担せよ。 理由 被告人Aの弁護人秋草愛一の上告趣意一点について。 しかし、原判決は、被告人が他の相被告人と強盗を共謀の上被害者宅に案内しその上判示見張りを担当したものであることを認定したのであるから、被告人が強盗の実行行為に参加していなくとも共同正犯としたのは正当であつて、論旨はその理由がない。 同二点について。 しかし、刑の執行を猶予すると否とは原審の裁量に属するところであるから、所論は適法な上告理由ではない。 同被告人の弁護人平野安兵衞の上告趣意一点について。 被告人の犯意、共謀その他原判示の事実認定は、挙示の証拠で肯認することができる。そして、所論は、原審の裁量に属する審理の限度を非難し、原判決が適法になした右事実認定を誤認であると主張するものであるから、当法律審に対する適法な上訴理由となし難い。 同二点について。 しかし、刑の執行を猶予するか否かは、原審の裁量に属するところであるから、原審が諸般の事情を考慮して執行猶予を与えなかつたからといつて、違法であると- 1 -いうことはできない。また、被告人は、原判決言渡当時少年であつたこと記録上明白であるから、これに対して少年法を適用したのは正当であり且つ少年法による不定期刑は刑法による定期刑よりも被告人に取り利益なものであるから、この点においても何等の違法が認められない。要するに所論は、原審の裁量に属する量刑の不当を主張するものであるから、 且つ少年法による不定期刑は刑法による定期刑よりも被告人に取り利益なものであるから、この点においても何等の違法が認められない。要するに所論は、原審の裁量に属する量刑の不当を主張するものであるから、適法な上告理由ではない。 被告人B、同Cの弁護人秋草愛一の附帯上告趣意一点について。 しかし、原判決挙示の証拠によれば原判示のごとく被告人B、同Cも判示被害者が判示状態にあるに乗じ相互に意思相通じて順次姦淫をした事実認定を肯認することができるから、所論法律適用の非難はその前提において採用し難い。 同二点について。 しかし、原判決は、被告人両名並びに原審相被告人D三名の共謀による姦淫行為によつて判示傷害を負わせたことを認定しているのであるから、右傷害が右三名中のいずれの被告人の所為により生じたかを知ることができないとしても、共謀者中の何人かゞした右行為の結果に対しては共謀者のすべてがその責を免れないこと多言を要しない。それ故本論旨もその理由がない。 同三点について。 所論は、原審の裁量に属する審理の限度を非難し、その事実認定の誤認を主張するものであるから、採用できないばかりでなく、仮りに判示傷害が被告人Bの行為に因つて生じたものとしても、他の共謀者たる被告人Cにおいてその責を免れないことは前論旨で説明したとおりであるから、本論旨も採用できない。 同四点について。 所論は、量刑不当の主張であるから、当法律審適法の上訴理由でないばかりでなく、本件については後記のごとく当法廷が破棄自判すべきところであるから、量刑についての所論に対しては判断を与えることはできない。 - 2 -被告人C、同Bに対する原審検事長の上告趣意について。 原判決が所論の犯罪事実を認定し、これに対し所論の刑法の法条の外少年法をも適用し結局新少年法五一条に従い被告人両名を はできない。 - 2 -被告人C、同Bに対する原審検事長の上告趣意について。 原判決が所論の犯罪事実を認定し、これに対し所論の刑法の法条の外少年法をも適用し結局新少年法五一条に従い被告人両名を各拾年以上拾五年以下の懲役に処したことは所論のとおりである。そして、新少年法五一条の法文と同五二条の法文とを対照し、同五八条五九条の法文をも参酌すれば、同五一条に「罪を犯すとき拾八歳に満たない者に対しては、無期刑をもつて処断すべきときは拾年以上拾五年以下において懲役又は禁錮を科する。」とあるのは、拾年以上拾五年以下の刑の範囲内で長期と短期とを定めていわゆる不定期刑を言渡すという趣旨ではなく、拾年以上拾五年以下の範囲内において懲役又は禁錮の定期刑を科するという法意であること明瞭である。蓋し少年法にいわゆる不定期刑とは、懲役又は禁錮の自由刑で短期五年、長期拾年を越えない実刑に限り、その執行の終了(釈放)を短期を越えたときは行刑官の裁量に一任する刑をいうものであつて、短期拾年を越えるがごとき不定期刑を認める趣旨ではないからである。されば、原判決が被告人両名に対しいずれも前示の不定期刑を科したのは、新少年法五一条の解釈適用を誤つたもので論旨はその理由があつて原判決は破棄を免れない。 以上の理由により、被告人Aの本件上告並びに被告人B、同Cの本件附帯上告は旧刑訴四四六条に従いこれを棄却すべきも、被告人B、同Cに対する検察官の上告はその理由があるから、同四四七条、四四八条により右両名に対する原判決を破棄し当裁判所において次のごとく更に判決をする。 原判決の確定した右被告人両名の所為中住居侵入の点は各刑法六〇条一三〇条に、同強盗強姦の点は各同法六〇条、二四一条前段に、同強姦致傷の点は各同法六〇条、一八一条(一七七条の罪を犯し因て人を死傷に致したる者)に夫 した右被告人両名の所為中住居侵入の点は各刑法六〇条一三〇条に、同強盗強姦の点は各同法六〇条、二四一条前段に、同強姦致傷の点は各同法六〇条、一八一条(一七七条の罪を犯し因て人を死傷に致したる者)に夫々該当するところ強盗強姦と強盗致傷とは一個の行為で二個の罪名に触れ、これと住居侵入とは互に手段結果の関係があるから、同法五四条一項前段及び後段一〇条により犯情の重い- 3 -強盜強姦罪の刑に従い処断すべきところ、被告人両名は原判決当時は少年であつたが今や成人であるから少年法を適用しないで、所定刑中有期懲役刑を選択しその刑期範囲内で被告人両名を各懲役拾式年に処すべきものとし、第一審における訴訟費用については旧刑訴二三七条一項、二三八条に従い主文のとおり判決する。 この判決は裁判官全員の一致した意見である。 検察官長部謹吾関与昭和二五年一一月九日最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官岩松三郎裁判官澤田竹治郎裁判官齋藤悠輔裁判官真野毅は出張中であるから署名押印ができない。 裁判長裁判官岩松三郎- 4 -

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