【DRY-RUN】主 文 原判決中被告人A、同B、同C及び同Dに関する部分を破棄する。 被告人A及びDを各懲役三年に、被告人B及び同Cを各懲役二年に処す る。 押収してある偽造一般用
主文 原判決中被告人A、同B、同C及び同Dに関する部分を破棄する。 被告人A及びDを各懲役三年に、被告人B及び同Cを各懲役二年に処する。 押収してある偽造一般用旅行者外食券十食分綴九千四百五十一枚(昭和二十六年押第一四三七号の一、三及び七のうち)、同五十食分綴一枚(同押号の二)、同一食分千百五十六枚(同押号の一六乃至二六)、「月日マデ新潟県E配給所」なるゴム印一個(同押号の四)、「自月日至月日F」なるゴム印一個(同押号の五)、右各印の原稿二枚(同押号の一五)、「自年月日至年月日千葉県G支所配給所」なる活字印一個(同押号の六)、印刷用紙二束(同押号の八)、ゼラチン板一枚(同押号の九)、セルロイド板一枚(同押号の一〇)、銅版三枚(同押号の一一)及び亜鉛原版三枚(同押号の一二)は、これを没収する。 原審における訴訟費用中証人Hに支給した分は被告人Aの負担、証人Iに支給した分は被告人等の連帯負担、証人Jに支給した分は、被告人D及び原審相被告人Kの連帯負担とする。 理由 本件各控訴の趣意は、それぞれ末尾に添付した被告人Aの弁護人若新政光、被告人北條四郎の弁護人板倉正、被告人Cの弁護人田野井子之吉、被告人Dの弁護人丸三郎及び被告人D本人各名義の控訴趣意書と題する書面に記載してあるとおりであるから、これに対し、左のとおり判断する。 被告人Aの弁護人若新政光の論旨第一について原判示第一及び第四の各事実は、それぞれ原判決のこれに関する援用証拠を総合して、これを認め得るところであるから、被告人等が右原判示のように他の数名の者と共同して、行使の目的で、農林大臣又は都道府県知事の発給すべき一般用旅行者外食券の偽造を遂げたことは明らかである。しかしながら、原判示第二及び第五の各事実につ 告人等が右原判示のように他の数名の者と共同して、行使の目的で、農林大臣又は都道府県知事の発給すべき一般用旅行者外食券の偽造を遂げたことは明らかである。しかしながら、原判示第二及び第五の各事実については、各原判決のこれに関する援用証拠により、被告人等が右原判示のように、Lその他と共同して、行使の目的で、偽造した食糧配給公団支所又は同配給所の印章を使用して、該公団支所又は同配給所の作るべき一般用旅行者外食券をあらたに偽造したものとは認め難いのであつて、該証拠により、被告人等がそれぞれLその他と共同して、行使の目的で、前記偽造一般用旅行者外食券の裏面に右食糧配給公団支所又は同配給所の印影を顕出させて、その印章を偽造したものと認めるを相当とする。原判決には、この点において事実の誤認があるものであつて、しかも、これは、判決に影響を及ぼすものと言わなければならない。従つて、以上の判断は、所論とは解釈を同じくするものではないが、この点に関する事実の誤認を主張する論旨は、結局理由がある。 しかし、原判示第三及び第六の各事実は、それぞれ原判決のこれに関する援用証拠を総合してこれを認め得るところであるから、被告人等の右各所為が物価統制令に触れることは、言うまでもない。公文書偽造罪が行使の目的を要件としており、被告人等の本件外食券の偽造についてもかかる目的の存したことは前敍のとおりであるが、その偽造後右原判示のように該偽造外食券を営利の目的で販売のため所持するにおいては、公文書偽造罪とは別に物価統制令違反の罪が成立することは当然である。原判決には、この点に関する事実の誤認は存しない。この点に関する論旨は、独自の見解によるものであつて、理由がない。 同第二について<要旨>原判示第二及び第五の各事実については、前叙のような事実の誤認があるから、この点に 事実の誤認は存しない。この点に関する論旨は、独自の見解によるものであつて、理由がない。 同第二について<要旨>原判示第二及び第五の各事実については、前叙のような事実の誤認があるから、この点に関する原判決の法令</要旨>の適用に差異を来たすことは、当然であるが、原判示第一及び第四の各事実が認められる以上、これに対し、刑法第百五十五条第三項を適用すべきことは当然であつて、原判決には、この点に関する所論のような法令適用の違反は存しない。 原判示第三及び第六の各事実については、物価統制令が物価の安定を確保し、もつて、社会経済秩序を維持し、国民生活の安定を図ることを目的とするものであることは、同令第一条の規定に徴して明らかであるから本件におけるような取引禁止物件であるからとて、所論のように同令の対象から除外さるべき理はなく、むしろ、取引許容物件以上にその取引が同令の目的とする右物価政策を阻害することが考えられるのである。元来外食券は、真正なものであつても、取引の対象とすべきものではなく、これを用いて外食する場合においても、食事の対価は別にこれを支払うべきものであつて、何ら外食し得る財産権を表象するものでないから、これに価格のあり得ないのは当然であつて、これを有償で取引する行為については、物価統制令の適用を見るべきことは言うまでもないが、まして、本件のような偽造外食券に至つては、無価格たるべきことは、もとより当然であるから、これを営利の目的で販売のため所持することは、物価統制令第十三条の二第九条の二に該当することは明らかである。従つて、原判決には、この点についても、所論のような法令適用の違反は存しない。論旨は、独自の見解による推論であつて、理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事三宅富士郎判事荒川省三判事堀義 この点についても、所論のような法令適用の違反は存しない。論旨は、独自の見解による推論であつて、理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事三宅富士郎判事荒川省三判事堀義次)
▼ クリックして全文を表示