平成12(ワ)3437 清算金請求

裁判年月日・裁判所
平成14年5月10日 名古屋地方裁判所
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判決文本文33,436 文字)

主文 1 被告らは,原告に対し,連帯して2038万3247円及びこれに対する平成11年10月6日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 2 訴訟費用は被告らの負担とする。 3 この判決は,仮に執行することができる。 事実及び理由 第1 請求主文同旨第2 事案の概要本件は,コンビニエンスストアのフランチャイズ加盟契約のフランチャイザーである原告が,同契約のフランチャイジーである被告A株式会社(以下「被告A」という。)が同契約を解約したとして,被告Aに対し同契約解約に伴う精算金として,被告Aの債務を連帯保証した被告B及び被告Cに対しては連帯保証債務の履行として,連帯して2038万3247円及びこれに対するフランチャイズ加盟契約解約の日の翌日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金を支払うことを求めた事案である。 1 争いのない事実等・原告は,酒類,食料品,日用雑貨,雑誌の販売,経営コンサルタント業務の受託などを営業目的とする株式会社であり,中部圏においてDという名称のコンビニエンスストアのフランチャイズ契約をフランチャイズ加盟者との間で締結している。 ・被告Aは,宅地建物取引業,不動産の売買及び賃貸借及び管理等を目的とする株式会社であり,東海地方を中心に映画館,パチンコ店,ゲームセンター,飲食店,カラオケ店等からなる「E」という名称の複合型娯楽施設を経営する「F」のグループ企業の1つである(弁論の全趣旨)。 ・原告は,被告Aと平成9年5月20日にD加盟基本契約(以下「本件加盟基本契約」という。)を締結し(甲1),被告Aは,平成9年6月20日,愛知県安城市に「G安城店」を開業した。 ・被告B及び被告Cは,原告と被告Aとの間に交わされた本件加盟店基本契約について被告A 基本契約」という。)を締結し(甲1),被告Aは,平成9年6月20日,愛知県安城市に「G安城店」を開業した。 ・被告B及び被告Cは,原告と被告Aとの間に交わされた本件加盟店基本契約について被告Aが負う債務について連帯保証する旨の連帯保証契約(以下「本件各連帯保証契約」という。)を,原告との間でそれぞれ締結した。 ・被告Aは,平成11年9月28日,原告に対し,G安城店を閉店したい旨を申し入れた。 ・本件加盟基本契約第51条1項において,開業後5か年以内に被告Aが同契約を解約したときは被告Aは原告に金300万円を支払わなければならない旨や,同条2項において,原告が設置した設備・什器の取り外し費用,運搬費用及び契約期間満了までに支払われるべき設備・什器レンタル料の残存合計額は,解約を申し出た者が負担しなければならない旨が定められている。 ・原告は,被告Aに対し,同年10月5日送達による書面により,本件加盟基本契約解約に伴う清算金額2185万6262円の支払を催告した。 ・被告Aは,原告に対し,平成11年10月21日付けの書面により,安城店の閉鎖に伴い原告が被告Aに貸し渡している設備・什器を引き取るよう通知した。原告は被告Aに対し,上記什器備品の引き取りについて連絡をし,被告Aは原告に対し,レンタル物件を含む上記什器備品類を返却した。 2 争点・被告Aは原告に対し,本件加盟基本契約の解約を申し入れたか。 (原告の主張)原告は,平成11年9月28日,被告Aから,安城店を閉店したいとの申入れと共に本件加盟基本契約の解約の通知を受けた。 (被告らの主張)否認する。 ・被告Aの本件加盟基本契約解約に伴う清算金(原告の主張)被告による本件加盟基本契約の途中解約に伴う残存レンタル期間は57か月であり,1か月のレンタル料金は29万 らの主張)否認する。 ・被告Aの本件加盟基本契約解約に伴う清算金(原告の主張)被告による本件加盟基本契約の途中解約に伴う残存レンタル期間は57か月であり,1か月のレンタル料金は29万4000円(消費税を含む。)である。また,本件加盟基本契約第51条に基づく途中解約金は300万円,同契約第58条に基づく閉店手数料は10万円である。さらに,平成11年9月30日時点の原告と被告A間における本件加盟基本契約第59条に基づく現金決済勘定を締めると,被告Aは原告に対し,金52万5247円を支払うべきこととなる。よって,被告Aは原告に対し,本件加盟基本契約解約に伴う清算金として,2038万3247円を支払う義務がある。 (被告らの主張)否認し,争う。 ・本件加盟基本契約及び本件各連帯保証契約(以下「本件各契約」という。)の締結について,被告らに法律行為の要素の錯誤があるか。 (被告らの主張)ア本件各契約締結について,被告A,被告B,被告Cは,いずれも以下の点について意思表示に要素の錯誤があった。 (ア)a 被告らは,被告Aが原告と本件加盟基本契約を結びタイムズマートのフランチャイズに加盟すれば酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得でき,上記の酒類販売業免許を取得すれば,G安城店は,原告の親会社であるH株式会社(以下「H」という。)から,Fが経営するパチンコ店,飲食店等の各店舗(以下「Fの各店舗」という。)が従前仕入れていた酒類の仕入先からの仕入価格よりも安い価格で酒類を仕入れることができると共に,その酒類をFの各店舗に販売(外販)することができ,それによりG安城店及びFに大きな利益が上がると信じていた。 b しかし,酒類販売業免許に関しては,原告の当初の説明とは異なり,G安城店では酒類の外販が可能な酒類販売業免 売(外販)することができ,それによりG安城店及びFに大きな利益が上がると信じていた。 b しかし,酒類販売業免許に関しては,原告の当初の説明とは異なり,G安城店では酒類の外販が可能な酒類販売業免許を取得することができず,取得できたのは店頭販売に限って酒類の販売が可能な免許であった。 また,Hからの酒類の仕入価格も,原告の当初の説明とは異なり,Fの各店舗が従来の仕入先から仕入れていた酒類の仕入価格よりも高かった。 この結果,G安城店においては,Hから酒類を安く仕入れてこれをFの各店舗に販売(外販)することにより大きな利益を上げるという当初の目的を達成することが全くできなかった。 (イ)a 被告らは,G安城店は,酒類の外販による利益を別にしても,コンビニエンスストアとして確実に利益が出る店舗であると信じていた。 b しかし,G安城店は,原告の当初の説明とは異なって,開店以後ずっと赤字であり,平成9年6月20日の開店から営業を休止した同11年5月までの間の累積赤字は,1702万3323円にも上がった。 イ被告らは,上記ア・a及び・aの内容が真実であると信じたからこそ,本件各契約を締結したのであり,本件各契約締結に関する被告らのこれら動機については,以下のとおり原告に表示されている。 (ア) 原告の従業員であったIは,平成8年秋ごろ,2度にわたってFの本社である株式会社Jを訪れて原告のフランチャイズへの加盟を勧誘した際,株式会社Jの代表取締役でありFの代表である被告B及び株式会社Jの取締役Kに対し,次のような説明をした。 すなわち,Iは,Dのフランチャイズに加盟すれば酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取れること,原告の親会社であるHは酒類の卸売りを業とする会社であり,上記酒類販売業免許を取れば,当該フランチャイズ店(後のG安城店)は, フランチャイズに加盟すれば酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取れること,原告の親会社であるHは酒類の卸売りを業とする会社であり,上記酒類販売業免許を取れば,当該フランチャイズ店(後のG安城店)は,Hから酒類を安く仕入れてFの各店舗に販売(外販)することができ,それにより大きな利益が上がること,さらに,Dは他のコンビニとは違って酒類の販売が出来るコンビニエンスストアであることなどから,当該フランチャイズ店は,酒類の外販による利益を別としても,コンビニエンスストアとして十分な利益が出る店舗であることを説明した。 このため,被告Bは,Iの上記説明を信用し,「それならやろうか」とIに伝え,原告のフランチャイズに加盟する方向で話を進めていったのである。 (イ)その後,原告及びFは,原告のフランチャイズへは,Fのグループ企業の1つである被告Aが加盟してフランチャイズ店の経営を行うこと,フランチャイズ店は安城のE内に設置することなどの方針を固め,本件加盟基本契約の締結及びG安城店の開店に向けて準備を進めていった。 同準備には,原告側担当者として原告従業員Lが,F側担当者としては主として被告Aの取締役であり株式会社Jの常務取締役である被告C及び前記Kが当たった。 なお,被告Cは,上記・のIが被告Bらに説明した内容を被告B及びKから聞いており,それが真実であると信じて本件加盟基本契約の締結に向けて準備に当たっていた。 この準備の中で,Lは,被告Cに対し,原告はHの100パーセント子会社なので親会社を使って酒を安く仕入れさせるという説明や,Dは酒を扱うコンビニエンスストアなので通常のコンビニエンスストアと違って利益が出るという説明をした。 これらの説明は,上記・のIの勧誘当初の説明と合致するものであり,被告らは,「被告Aが原告と本件加盟基本 コンビニエンスストアなので通常のコンビニエンスストアと違って利益が出るという説明をした。 これらの説明は,上記・のIの勧誘当初の説明と合致するものであり,被告らは,「被告Aが原告と本件加盟基本契約を結びDのフランチャイズに加盟すれば酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得でき,上記の酒類販売業免許を取得すれば,G安城店は,原告の親会社であるHから酒類を安く仕入れてFの各店舗に酒類を販売(外販)することができ,それによりFに大きな利益が上がること」「G安城店は,酒類の外販による利益を別にしても,コンビニエンスストアとして確実に利益が出る店舗であること」を間違いないものと思った。 また,平成9年3月には,被告らは,原告から店舗利益試算表(乙3,以下「利益試算表」という。)等を渡された。この利益試算表によれば,G安城店においては,初年度に846万円,2年度に1299万円,3年度に1576万円の利益が出るということであり,これもG安城店はコンビニエンスストアとして十分利益が出るという原告の説明に合致するものであった。 (ウ) 上記のような経緯を経て,平成9年5月20日,原告及び被告らは本件各契約を締結することとなったが,この契約締結の際,被告Cは,Lに対し,酒類の外販の点についても契約書に記載が入れられないかということを話した。これに対してLは,契約書は形式上同じものでやっているので変えられないが,酒のことに関しては分かっている,Fの要望は必ず実行する旨答え,酒類の外販の点については口約束ということになった。 (エ) 上記のような経緯により,被告Aは原告との間で本件加盟基本契約を締結し,被告B及び被告Cは原告との間で本件各連帯保証契約をそれぞれ締結したものであって,被告らがなぜ本件各契約を締結することになったか,その より,被告Aは原告との間で本件加盟基本契約を締結し,被告B及び被告Cは原告との間で本件各連帯保証契約をそれぞれ締結したものであって,被告らがなぜ本件各契約を締結することになったか,その動機は十分原告に表示されており,原告もそのことは熟知していたものである。 (原告の主張)ア被告らが,G安城店が,酒類の外販による利益を別にしても,コンビニエンスストアとして確実に利益が出る店舗であると信じて本件各契約を締結したという点については,不知。 被告らがこのことを原告に対して表示したという点は否認する。被告らは原告に対し,これらの動機の表示をしていない。 また,契約締結の採算性について,被告らは原告から提供された資料やコンビニエンスストア経営の経験,G安城店の立地条件,G安城店を開設するについての経費などを検討して,契約するか否かを独自に決断したものであり,G安城店が現実には赤字となったとしても,それは被告らの努力不足による単なる見込み違いに過ぎないものであり,被告らの主張する上記事情は,法律行為の要素の錯誤と言えるものでもない。 イ被告らが,被告Aが原告と本件加盟基本契約を結びDのフランチャイズに加盟すれば酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得でき,上記の酒類販売業免許を取得すれば,G安城店は,原告の親会社であるHから酒類を安く仕入れてFの各店舗に酒類を販売(外販)することができ,それによりG安城店及びFに大きな利益が上がると信じて本件各契約を締結したという点については,否認する。被告らにはそのような錯誤は存在しない。被告Aにおける酒類免許の申請は,本件加盟基本契約締結以前に管轄の税務署へなされており,被告Aの取締役会においても酒類販売業免許申請の件が取り上げられ承認されているのであって,G安城店が取得する酒類販売 における酒類免許の申請は,本件加盟基本契約締結以前に管轄の税務署へなされており,被告Aの取締役会においても酒類販売業免許申請の件が取り上げられ承認されているのであって,G安城店が取得する酒類販売業の免許が店頭販売に限定されたものであることは,本件加盟基本契約等を締結する以前から,被告らは承知していた。 被告らFの目論見は,G安城店において酒類の店頭販売免許を取得し,そこで地域に密着したコンビニエンスストア事業を行い,Dのコンビニエンスストアを安城E以外のEにおいても開店すること,酒類の外販免許についてはG安城店以外の他の地域の店舗で取得することであったのであり,この目論見は,Fが経営する半田市内の店舗が酒類の外販免許を取得することで実現されている。上記の被告らの目論見に沿って本件加盟基本契約は締結されたのであるから,被告らにとって,G安城店における酒類販売業免許は店頭販売に限定された免許でよかったのであり,取得できる酒類販売業免許が店頭販売に限定された免許であるか外販のできる免許であるかは,本件加盟基本契約等の締結において主要な契約の要素ではなかった。 被告らが,原告従業員のI,Lらに対し,酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得できること等を信じて本件各契約を締結する旨の動機の表示をしていたという点は,否認する。被告Bが,Iに対して,「それならやろうか」と言ったことや,被告Cが,平成9年5月20日に,Lに対し,酒類の外販の点についても契約書に記載が入れられないかということを話したことはない。 ・被告らには,本件各契約の締結に関して錯誤に陥ったことに重大な過失があるか。 (原告の主張)ア被告らは,G安城店の採算性について独自に何らの調査及び検討をしていない。すなわち,被告らは,G安城店の立地条件,競合するコンビニエンススト ったことに重大な過失があるか。 (原告の主張)ア被告らは,G安城店の採算性について独自に何らの調査及び検討をしていない。すなわち,被告らは,G安城店の立地条件,競合するコンビニエンスストアがあるか否か,酒類を販売することのメリット等を全く調査しておらず,原告が作成した被告らに示した利益試算表に,同試算表に記載されていない被告A独自の経費(被告らにおいて承知している家賃や店長の給与等)を加えて試算をした上で利益が出るか否かを検討することもしていない。また,G安城店のようなアミューズメント施設内の24時間営業のコンビニエンスストアは,原告としても初めて出店する形態の店舗であったことから,既存の原告のフランチャイズ加盟店を前提とした原告の利益や売上げの試算が,G安城店にも当てはまるか否かについては,被告らにおいて,原告に加盟店の実情について質問をしたり,Eが各地にあることを生かして自ら調査するなどして検討すべきであった。しかるに,被告らは,これらの調査,検討を全くせず,安易に利益が出ると思っていたものである。 よって,仮に,被告らが,G安城店が,酒類の外販による利益を別にしてもコンビニエンスストアとして確実に利益が出る店舗であると信じたとしても,そのことについて被告らには重大な過失がある。 イ被告らは,酒類の外販について,Fの各店舗は従来いくらで酒類を仕入れているのか,Hから仕入れればいくらで仕入れられるのか,酒類の仕入れ,配送の際の運送方法はどうするのか等を,全く調査していない。また,被告Aにおいて申請し取得する酒類販売業免許が,どのような内容の免許であるのかは,被告らにおいて申請を依頼した税理士に確認をしたり,税務署に対し確認をしたり,免許の申請用紙に被告Aが記名捺印をする際にその申請内容を見れば,被告らにおいて容易 が,どのような内容の免許であるのかは,被告らにおいて申請を依頼した税理士に確認をしたり,税務署に対し確認をしたり,免許の申請用紙に被告Aが記名捺印をする際にその申請内容を見れば,被告らにおいて容易に分かることであった。さらに,被告Aは,酒類販売業免許を申請するに当たって,取締役会を開き,これを承認する決定もしている。 よって,仮に,被告らが,被告Aが原告と本件加盟基本契約を結び原告のフランチャイズに加盟すれば酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得でき,上記の酒類販売業免許を取得すれば,G安城店は,酒類を原告の親会社であるHから安く仕入れてFの各店舗に外販することができ,それによりG安城店及びFに大きな利益が上がると信じていたとしても,そのように信じたことについて被告らには重大な過失がある。 (被告らの主張)ア家賃,店長の給与,Nに対する顧問料等,被告A独自の経費を経費に含めて試算しても,原告が提示した利益試算表に準拠すれば,G安城店においては,開店の初年度は利益が出るか否かは微妙なところであるが,少なくとも開店2年目以降は十分な利益が出るはずであった。 被告らは,以前にMのフランチャイズに加盟してコンビニエンスストアを経営したことはあるが,あくまでフランチャイジーとしての営業経験であり,コンビニエンスストアのフランチャイザーである原告が有している蓄積されたノウハウや情報,立地調査能力などはなく,G安城店がどの程度の売上げや利益を上げることができるかについては,原告の試算する予測に頼る他なかった。 しかるに,G安城店が開店から閉店まで大幅な赤字が続いたのは,原告が被告らに提示したG安城店の売上予測が,現実とかけ離れて低かったことに起因している。 よって,被告らには,G安城店がコンビニエンスストアとして確実に利益 ら閉店まで大幅な赤字が続いたのは,原告が被告らに提示したG安城店の売上予測が,現実とかけ離れて低かったことに起因している。 よって,被告らには,G安城店がコンビニエンスストアとして確実に利益が出る店舗であると信じたことについて,重大な過失はない。 イ G安城店からFの各店舗に酒類が外販できることについては,平成8年の秋ごろ,原告従業員のI及びLが被告らに出店を勧誘した際,それが可能となる免許が取れるかどうかを被告らは原告従業員に対し何度も確認しており,Hからの仕入価格についても,Hが酒類の卸売業者であることからF各店舗の従来の仕入先からよりも安い卸売価格で仕入れることができるという点は,原告及び被告らにおいて当然の前提としていた。 FにおいてはG安城店の開店以前に酒類の販売業を行ったことがなく,被告らは,酒類販売業免許にどのような種類があるのか,どのような内容の申請をすればどのような免許が取れるのかを全く知らなかったのに対し,原告は,酒類の卸売を業とするHを親会社とし,酒類販売のできるコンビニエンスストアのフランチャイザーとして業務を展開していたのであり,酒類販売業免許に関しては精通した立場にあった。 また,被告Aは,I及びLの説明を信じ,Lの指導に従って申請書を書いて酒類販売業免許の申請を行ったものに過ぎないところ,その結果取得できた免許が,外販のできない店頭販売に限定された酒類販売業免許であったのである。 上記のとおり酒類販売業免許に関して精通した原告の従業員であるI及びLから,外販のできる酒類販売業免許が取れるという説明を受けていた被告らが,原告の指導に従って免許の申請をすれば外販のできる酒類販売業免許が取れると信じることは当然であり,被告らがこのように信じたことに重大な過失はない。 ・被告らは,本 るという説明を受けていた被告らが,原告の指導に従って免許の申請をすれば外販のできる酒類販売業免許が取れると信じることは当然であり,被告らがこのように信じたことに重大な過失はない。 ・被告らは,本件各契約を詐欺を理由に取り消すことができるか。 (被告らの主張)ア仮に本件各契約の締結について錯誤無効が認められないとしても,原告の下記の欺罔行為により,被告らは,原告のフランチャイズに加盟して店舗を開店させれば,酒類が外販できる免許が取れ,従来よりも安い価格で酒類を仕入れることができると信じた結果,本件各契約を締結するに至ったものであるから,被告らは,同各契約を,詐欺を理由に取り消す。 (ア) 欺罔行為・原告は,被告らに対し,真実は,原告のフランチャイズに加盟しても,酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得できるわけではないのに,あたかも,原告のフランチャイズに加盟すれば,その出店するフランチャイズ店舗(後のG安城店)において酒類の外販免許が取れるものであるかのように欺罔して,原告のフランチャイズへの加盟を勧誘し,被告らをしてその旨信じ込ませ,本件各契約を締結させた。 (イ) 欺罔行為・原告は,被告らに対し,真実は,Hから仕入れることができる酒類の仕入価格が安くないにもかかわらず,酒類の外販免許を取れば,その出店するフランチャイズ店舗(後のG安城店)は,原告の親会社で酒類の卸売業者であるHから,F各店舗の従来の仕入先からよりも,安い価格で酒類を仕入れてこれをF各店舗に販売(外販)することができ,それにより大きな利益が上がると説明し,被告らをしてその旨信じ込ませ,本件フランチャイズ契約等を締結させた。 (原告の主張)否認する。いずれの欺罔行為も存在しない。 ・本件各契約の締結に当たって,原告に信 がると説明し,被告らをしてその旨信じ込ませ,本件フランチャイズ契約等を締結させた。 (原告の主張)否認する。いずれの欺罔行為も存在しない。 ・本件各契約の締結に当たって,原告に信義則上の説明義務違反,情報提供義務違反が存し,原告の被告らに対する本訴請求は権利の濫用に当たるか。 (被告らの主張)ア本件各契約の締結に当たっては,原告には,下記・ないし・の信義則上の説明義務違反,情報提供義務違反が存する。 よって,原告が,上記の信義則上の義務に違反して被告らを本件加盟基本契約に引き込んでおきながら,同契約の解約に当たって,被告らに対し同契約に基づく解約清算金の請求をすることは,信義誠実の原則に反するとともに,権利の濫用に当たる。 (ア) フランチャイズ契約を締結する前段階において,フランチャイザーは,フランチャイジーになろうとする者に対し,フランチャイズ契約によって生じる権利義務,開店に当たって取得できる免許の内容,商品の仕入・販売条件,加盟後どの程度の売上げ,収益を得ることができるか(立地条件やそれに基づく売上予測等)といった点について,虚偽の説明をしないことはもちろん,できる限り客観的かつ正確な情報を提供すべき信義則上の義務を負っている。 しかるに,原告は,被告らと本件加盟基本契約等を締結するに際して,次の点で,上記義務に違反した。 (イ) 酒の販売免許について原告は,被告らに対し,本当は,原告のフランチャイズに加盟しても,酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得できるわけではないのに,フランチャイズ契約の勧誘の時点において,原告のフランチャイズに加盟すれば,その出店するフランチャイズ店舗(後のG安城店)において酒の外販免許が取れると虚偽の説明をした。 (ウ) 酒の仕入価格について ャイズ契約の勧誘の時点において,原告のフランチャイズに加盟すれば,その出店するフランチャイズ店舗(後のG安城店)において酒の外販免許が取れると虚偽の説明をした。 (ウ) 酒の仕入価格について原告は,被告らに対し,本当は,Hからの酒類の仕入価格は安くないにもかかわらず,上記外販免許を取れば,その出店するフランチャイズ店舗(後のG安城店)は,原告の親会社で酒の卸売業者であるHから,F各店舗の従来の仕入先の小売店からよりも酒類を安い価格で仕入れることができ,こうして仕入れた酒類をF各店舗に販売(外販)することで大きな利益が上がると,虚偽の説明をした。 (エ) 売上げ,収益の予測について原告が,本件各契約の締結前に,被告らに示したG安城店の売上げ及び収益の予測は,以下のとおり,極めて安易かつずさんなものであった。 ・ G安城店の1年目の売上げを予測するに際し,原告は,既存の郊外型店舗,すなわち既に何年か営業を継続している店舗の一定時点(平成9年2月度)の平均売上げを基礎としているが,開店1年目の店舗の売上げを予測するに際して既存店舗の売上高を算出の基礎とするのであれば,その既存店舗の開店1年目の売上高の平均をもって算出の基礎とすべきであった。原告がG安城店の1年目の売上げ予測の根拠として使用した数値は,全く不適当なものであった。 ・原告が被告らに示したG安城店の2年目,3年目の売上予測は,根拠が全くないに等しい。 ・ G安城店の売上予測においては,他店舗との相違点,すなわちG安城店の特殊性を,十分に検討していない。 すなわち,G安城店は,Dのフランチャイズ加盟店において初めての24時間営業店舗であり,かつ,Eという複合型娯楽施設の内部に設置された店舗でもあって,他の郊外の既存店舗のような住宅地等にある路面店とは全く立地条件を 店は,Dのフランチャイズ加盟店において初めての24時間営業店舗であり,かつ,Eという複合型娯楽施設の内部に設置された店舗でもあって,他の郊外の既存店舗のような住宅地等にある路面店とは全く立地条件を異にするもので,既存の郊外型店舗の平均売上げをG安城店の売上予測の根拠としてそのまま使用するのが適切でないことは明らかである。また,原告は,安城Eの来場者数について,おおよその数を被告らから聞いていたとしても,それは,あくまでもアミューズメント施設の利用者としての来場者数であり,そのうち,どれぐらいの人数がG安城店を利用するかについては,もっと子細に検討すべきであった。原告が被告らに示した売上予測は,これらのG安城店の特殊性,他店舗との相違点を十分に検討せずに行ったずさんな内容のものであった。 (原告の主張)否認し,争う。 ・被告らは本件各契約を追認しているか。 (原告の主張)仮に,本件加盟基本契約及び本件各連帯保証契約の締結について被告らに錯誤があり,錯誤に陥ったことについて被告らに重大な過失がなかったとしても,被告らは錯誤に陥っていたことを知った後も本件加盟基本契約を継続していることから,被告らは無効な本件各契約締結について黙示の追認をしているものである。 (被告らの主張)否認する。被告らが,G安城店の営業を一定期間継続したのは,本件事業の撤退による多額の損害の発生を回避するためのやむを得ざる措置であり,被告らには,無効な本件各契約を追認する意思もなければ,追認した事実もない。 3 争点に対する判断・争点・について証拠(甲1ないし4,11ないし14,21,22,乙16,証人O,被告C等)及び弁論の全趣旨並びに争いのない事実によれば,原告と被告A間の本件加盟基本契約に基づくDのフランチャイズ加盟店はG安城店 証拠(甲1ないし4,11ないし14,21,22,乙16,証人O,被告C等)及び弁論の全趣旨並びに争いのない事実によれば,原告と被告A間の本件加盟基本契約に基づくDのフランチャイズ加盟店はG安城店以外にはないこと,被告Aは,平成11年5月6日以降G安城店を閉店休業し,同年9月28日,被告Aの取締役である被告Cを通じて,原告に対し,G安城店を閉店したい旨を申し入れたこと,同年10月4日,被告Aは,Kを通じて,原告取締役のOに対し,本件加盟基本契約に伴って被告Aが原告に支払うべきレンタル料の合計額はいくらになるかを示して欲しい旨を書面で申し入れたこと,原告は,これを受けて,本件加盟基本契約解約に伴う精算金を算出して被告Aにファックス送付したこと,被告Aは,同年10月21日付けで原告に送付した書面において,今後G安城店の営業を再開,継続する意思はないこと,原告から示された精算金の内容及び金額については同意できない部分があるので後日協議したいこと,G安城店店舗内に置かれている原告所有の設備,什器等を早急に撤去して欲しいこと等を申し入れたことが認められ,これらの事実を総合考慮すれば,被告Aの同年9月28日の原告に対するG安城店を閉店する旨の申し入れは,とりもなおさず本件加盟基本契約を解約するという趣旨を含むものと認められる。 よって,被告Aは,同年9月28日,本件加盟基本契約の解約申し入れの意思表示をしたと認められる。 ・争点・について証拠(甲1,2の1,甲15ないし20,22,乙2,3,5,証人O等)によれば,本件加盟基本契約が平成11年9月28日に解約されたとすれば,同解約に伴うG安城店の設備,什器のレンタルについての残存レンタル期間は57か月となること,上記設備,什器の1か月当たりのレンタル料金は29万4000円(消費税を含 9月28日に解約されたとすれば,同解約に伴うG安城店の設備,什器のレンタルについての残存レンタル期間は57か月となること,上記設備,什器の1か月当たりのレンタル料金は29万4000円(消費税を含む。)であること,本件加盟基本契約第51条に基づく途中解約金は300万円,同契約第58条に基づく閉店手数料は10万円であること,同契約第59条に基づいて原告と被告A間における現金決済勘定を平成11年9月30日時点で締めると,被告Aは原告に対し金52万5247円を支払うべきこととなることが認められ,以上の事実によれば,本件加盟基本契約が平成11年9月28日に被告Aによって解約されたとすると,被告Aが原告に対して支払うべき本件加盟基本契約解約に伴う清算金の金額は,合計2038万3247円であると認められる。 ・争点・について被告らは,上記のとおり,「被告らが,被告Aが原告と本件加盟基本契約を結び原告のフランチャイズに加盟すれば酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得でき,上記の酒類販売業免許を取得すれば,G安城店は,原告の親会社であるHから,Fの各店舗が従前仕入れていた仕入先からの酒類の仕入価格よりも安い価格で酒類を仕入れることができると共に,その酒類をFの各店舗に販売(外販)することができ,それによりG安城店及びFに大きな利益が上がると信じていたこと」及び「被告らが,G安城店は,酒類の外販による利益を別にしても,コンビニエンスストアとして確実に利益が出る店舗であると信じていたこと」(以下,前者を「酒類の外販についての錯誤」,後者を「コンビニエンスストアとしての利益についての錯誤」という。)について,被告らに錯誤があったと主張しているところ,被告らが主張する事由はいずれも,本件各契約締結の意思表示をなすについての動機に関する錯誤に過ぎず,こ アとしての利益についての錯誤」という。)について,被告らに錯誤があったと主張しているところ,被告らが主張する事由はいずれも,本件各契約締結の意思表示をなすについての動機に関する錯誤に過ぎず,このような動機に関する錯誤については,その動機を表意者が当該意思表示の内容として相手方に表示しており,かつ,もしその錯誤がなかったならば表意者はその意思表示をしなかったであろうと認められる場合でなければ,法律行為の要素の錯誤に当たるとは認められない。 そこで,以下,酒類の外販についての錯誤,コンビニエンスストアとしての利益についての錯誤のそれぞれについて,法律行為の要素の錯誤があると言えるかを検討する。 ア酒類の外販についての錯誤被告らの主張する酒類の外販についての錯誤は,さらに,「被告らは,被告Aが原告と本件加盟基本契約を結び原告のフランチャイズに加盟すれば,G安城店において酒類の外販が可能な酒類販売業免許を取得できると信じていたが,実際には,G安城店は,店頭販売に限定された酒類販売業免許しか取得できなかったこと」と,「被告らは,被告Aが原告と本件加盟基本契約を結び原告のフランチャイズに加盟すれば,G安城店は,Hから,Fの各店舗の従来の仕入先からよりも安い価格で酒類を仕入れることができ,G安城店がこうして仕入れた酒類をFの各店舗に販売することによって,G安城店及びFに大きな利益が上がると信じていたが,実際には,G安城店のHからの酒類の仕入価格は,F各店舗の従来の仕入先からの酒類の仕入価格よりも高かったため,G安城店及びFは酒類の販売によって大きな利益を上げることができなかったこと」という,2つの錯誤に分析できる(以下,前者を「免許の内容についての錯誤」,後者を「仕入価格についての錯誤」という。)。 そこで,免許の内容についての錯誤と仕 な利益を上げることができなかったこと」という,2つの錯誤に分析できる(以下,前者を「免許の内容についての錯誤」,後者を「仕入価格についての錯誤」という。)。 そこで,免許の内容についての錯誤と仕入価格についての錯誤について,それぞれ検討することとする。 (ア) 免許の内容についての錯誤a 証拠(甲5ないし7,22,乙14ないし16,証人I,証人K,証人O,被告C等)及び弁論の全趣旨によれば,・Iは,平成8年秋ごろ株式会社J本社を訪れて,被告B及びKに対し,原告のフランチャイズに加盟することを持ちかけ,その際,原告のフランチャイズに加盟すれば,当該フランチャイズ加盟店からFの各店舗に酒類を販売することができ,そのために必要な免許も取れる旨を述べたこと,・Iの前記説明に対し,被告Bが,本当にそのような免許が取れるのかと疑問を呈したところ,Iは,一旦原告会社に戻って,原告の社長と開発運営部長にFにおいて酒類の販売ができる免許を取ることは可能かどうかを質問し,原告の社長,開発運営部長から可能である旨の回答を得たこと,・Iは,原告の開発運営部長の1人であるLと共に,再び株式会社J本社に赴き,被告B及びKに対し,原告会社に持ち帰って確認したところ酒類を販売できる免許は取れるということだったと説明したこと,・G安城店の開店準備のため,Lら原告担当者とKや被告CらF担当者の間で打ち合わせがなされた際,G安城店が取得する免許については「酒類免許」「酒類販売業免許」という表現が用いられ,外販のできる免許であるか否か明確でない表現で免許についての話し合いがなされていたこと,・被告Aは,平成9年2月24日,酒類販売業免許を取得する旨を取締役会で決議し,同年3月21日,酒類販売業免許の取得要件を満たす目的で,原告から紹介された元Hの従業員であるNを被告A されていたこと,・被告Aは,平成9年2月24日,酒類販売業免許を取得する旨を取締役会で決議し,同年3月21日,酒類販売業免許の取得要件を満たす目的で,原告から紹介された元Hの従業員であるNを被告Aの取締役に就任させたこと,・被告Aが申請した酒類販売業免許は一般酒類小売業免許であり,申請書には,同免許申請書の一般的な記載方法に従って「通信販売を除く小売販売に限る」旨の条件の記載はなされていたが,「店頭販売に限る」旨の条件の記載はなされていなかったこと,・被告Aから免許申請を受けた税務署長は,酒税法11条1項に基づき「店頭販売に限る」旨の条件を付して酒類販売業免許を同社に与えたこと,・本件各契約締結後の同年6月ころ,G安城店の建物本体が完成し,そのころ同建物の竣工検査がなされたが,その時点では,被告Aはすでに酒類販売業免許を取得しており,Lは同免許が店頭販売に限定されたものであったことを知っていたが,被告Cは,竣工検査の日にLから聞いて初めて同免許が店頭販売に限定されたものであることを知ったこと,・原告の取締役兼開発運営部長であって,Lの上司であり,被告Aの酒類販売業免許取得に関わった原告担当者の1人でもあるOにおいても,外販を含む小売販売一般の酒類販売業免許の免許申請をしても酒税法11条により店頭販売に限る旨の条件を付して免許が与えられる場合があることを知らなかったこと,以上の事実が認定できる。 以上の認定事実に照らせば,被告らは,原告から,G安城店が取得する酒類販売業免許に店頭販売に限る旨の条件が付される可能性があることを知らされておらず,被告らは,本件各契約締結時には,G安城店が取得する酒類販売業免許は,店頭販売に限定されたものではなく外販もできる酒類販売業免許であると考えていたと推認できる。 よって,G安城店が取得した酒類 ず,被告らは,本件各契約締結時には,G安城店が取得する酒類販売業免許は,店頭販売に限定されたものではなく外販もできる酒類販売業免許であると考えていたと推認できる。 よって,G安城店が取得した酒類販売業免許に店頭販売の限る旨の条件が付されていたことは,被告らにとっては予想外の事実であり,その意味で被告らに免許の内容についての錯誤はあったと認められる。 b しかしながら一方,証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の各事実も認められる。 ・被告Cは,G安城店建物の竣工検査の日,Lに,「どういう形でF内で酒類の外販をしていけばいいか。」と尋ねたところ,Lに「G安城店で取る酒類販売業免許では外販はできません。」と言われ,さらに「それでは利益が出ないじゃないですか,外販ができる免許を取って下さい。」と言ってもLに「それはできません。」と答えられ,「じゃあ,どうすればよいんですか。」と被告Cの方から尋ねて,Lから,「免許としては店頭外販売はできないが,安城E内の店舗への販売から始めて徐々に酒類の取扱量を増やす形でFの各店舗への酒類の販売をすればよい」旨の助言を受けたこと(乙16,被告C)・被告Aは,平成9年9月始めころから,G安城店の売上げを増加させるため,G安城店で酒類の外販を始めること,安城E内のとんかつ店に納入することから酒類の外販を始めること等を,Hのスタッフも交えて原告と協議するようになり,これと並行して,小牧市,春日井市,江南市,半田市,豊田市のいずれかの地域のF経営の店舗において,酒類の外販ができる酒類販売業免許を取得することも原告と協議するようになったこと(甲9の2ないし13)・被告Cは,同年9月ころから,株式会社Jの取締役兼経理部長のP,安城Eの支配人Qらに,Hと,外販用の酒類の仕入価格について交渉をさせるようになった 議するようになったこと(甲9の2ないし13)・被告Cは,同年9月ころから,株式会社Jの取締役兼経理部長のP,安城Eの支配人Qらに,Hと,外販用の酒類の仕入価格について交渉をさせるようになったが,Hが示した酒類の納品価格が,安城地区のF各店舗の従来の仕入先である株式会社R(以下「R」という。)等からの仕入価格よりも高かったことから,被告Cらは,さらにHに酒類の納品価格を下げるよう交渉をし,その結果,Hが,E各店舗のR等からの仕入価格に近い価格にまで納品価格を下げたことから,G安城店において酒類の外販を行うことに踏み切ったこと(乙16,被告C)・被告Aは,安城Eの支配人Qらを通じて,同年9月ころから,G安城店の店長Sに対し,G安城店で酒類の外販をやってはどうかと持ちかけるようになり,店舗の仕事で手一杯で他の仕事をする余裕がないなどと述べて酒類の外販を行うことを嫌がるSに対し,次第に強く酒類の外販を行うことを求めるようになり,平成9年12月か平成10年1月ころには,Sに対し,G安城店で酒類の外販をやるよう具体的な指示を出したこと(証人S)・ Sは,Kや被告Cから,G安城店で酒類の外販を行うよう話をされたとき,「G安城店が取得しているのは店頭販売の免許であって,そのようなことをしたら法に触れる」という旨のことを言うこともあったが,Kらは,「Eの各パチンコ店の店長がG安城店に買いに来たことにすればいいのだ」等と述べて,G安城店から安城市内のE各店舗への酒類の販売を始めさせると共に,E各店舗への酒類の配送をSに行わせたこと(証人S)・ G安城店は,平成10年2月ころから,安城E内のパチンコ店等への販売を手始めに,酒類の外販を行うようになり,その後,安城E内の各店舗,豊田E内の各店舗等へと酒類の外販の範囲を広げていったこと(乙16, 安城店は,平成10年2月ころから,安城E内のパチンコ店等への販売を手始めに,酒類の外販を行うようになり,その後,安城E内の各店舗,豊田E内の各店舗等へと酒類の外販の範囲を広げていったこと(乙16,22ないし27,証人S,被告C)・平成10年ころ,Fは,半田市内の店舗(以下「T半田店」という。)において酒類の外販が可能な酒類販売業免許を取得し,以降,T半田店においてもFの各店舗に対する酒類の外販を行うようになったこと(甲9,22,証人S,証人O,被告C,弁論の全趣旨)・ G安城店が行っていた酒類の外販については,Hからの仕入価格はF各店舗の従来の仕入先であるR等からの仕入価格と比べて商品によっては安いものもあったが,わずかに安いというに過ぎず,また,Hにおいては酒類の配送を行わないことから,G安城店の店長であるSが昼間のほとんどの時間,専ら酒類の配送等の外販業務に当たることとなり,F全体から見れば,G安城店で酒類の外販をすることは,利益が出ない一方で人件費の掛かる,経済的観点から見ればメリットのないものであったこと(乙7ないし10,15,16,19,証人S,証人O,被告C等)・しかし,被告らは,G安城店が開店以来赤字続きであったことから,同店の採算上の赤字を填補するため,安城Eや豊田Eの各店舗等に他の仕入先からよりも高い価格であってもG安城店から酒類を仕入れるよう指示して,G安城店から上記各店舗に酒類の販売をさせたこと(乙5,16,17,22ないし27,被告C等)・ G安城店で酒類の外販を始めるようになってから,同店店長のSは,昼間は仕入れや配送等の酒類の外販の仕事をし,パート従業員がいない深夜と早朝にG安城店店舗内の仕事を行い,仕事の合間のわずかな時間に同店店舗内で仮眠を取るという生活を続け,平成10年12月15 は,昼間は仕入れや配送等の酒類の外販の仕事をし,パート従業員がいない深夜と早朝にG安城店店舗内の仕事を行い,仕事の合間のわずかな時間に同店店舗内で仮眠を取るという生活を続け,平成10年12月15日,急性心筋こうそくで倒れ入院したこと(甲10の3,甲22,証人S,証人O)・その後,G安城店の店長はFの従業員であるUに交代したが長続きせず,次に,同店店長はFの従業員であるVに交代したが,Vも長続きせず同店店長を辞めてしまったこと(甲22,証人S,証人O)・安城Eの支配人Qにおいても,G安城店からの酒類の外販を止めたいと被告Cに申し入れたこと(乙16)・しかし,被告Cは,G安城店の採算上の赤字を縮小させるために,不合理と思いながらも,なおもG安城店に酒類の外販を続けさせたこと(乙16,被告C)・ UがG安城店の店長を辞めた後,後任の店長が決まらなかったことから,被告Cらは,平成11年5月6日,G安城店を一時閉店することとし,その後も,Fの社員の中に給与20万円以下でG安城店の店長を行える人間がいないかを探したが,そのような者は見つからず,結局,被告らにおいて,G安城店を閉店することを決断したこと(甲11ないし13,乙16,証人O,被告C)・被告らは,平成10年2月ころにG安城店に酒類の外販を始めさせて以来,平成11年5月6日の閉店の直前まで,同店店長に酒類の配送をさせる形で安城や豊田のE内のパチンコ店や飲食店等にG安城店から酒類を外販し続けていたこと(乙10,17,証人S,証人O)以上で認定した被告らの行動,すなわち,G安城店に酒類の外販を行わせてもFにおいては経済的メリットがないことが明らかになって以降,かつ,T半田店で店頭販売に限定されていない酒類販売業免許によって酒類の外販ができるようになって以降も,G安城 城店に酒類の外販を行わせてもFにおいては経済的メリットがないことが明らかになって以降,かつ,T半田店で店頭販売に限定されていない酒類販売業免許によって酒類の外販ができるようになって以降も,G安城店の採算上の赤字を填補するためだけに,G安城店に酒類の外販を行わせていること,しかも,被告らは,G安城店店長にコンビニエンスストアの店長としての業務と酒類の外販の業務を兼ねさせるという相当な無理をさせてまでG安城店に酒類の外販をさせている上,同店店長が体調を崩して入院をしたり,Qらから酒類の外販に反対する意見が出ても,なおも酒類の外販を続行していること,これら被告らの行動を見れば,被告らが,G安城店が取得した免許が店頭販売に限定された免許であることを重く見て,できるだけ酒類の外販をしたくないと考えていたとは到底認めがたい。むしろ,上記認定の事実からは,G安城店からFの各店舗に酒類を販売していた期間,その免許内容のために被告らが実際に具体的な支障を被ったことはなく,被告らは,実際上G安城店からFの各店舗に酒類の販売ができればそれでよいと考えていたものと推認できる。さらに,上記認定事実,及び,安城E内の店舗においても仕入れる酒類のうちG安城店から仕入れるものは一部であったという事実(被告C,証人S等)に照らせば,G安城店から酒類を販売する範囲をFの各店舗全体に広げられなかったのは,Hからの仕入価格が被告らが当初予想していたほど安くなく,大規模な外販を行うための人員の確保や経費等を考慮すると,G安城店から外販する酒類の量を増やすことにFにとって経済的メリットがなかったためというのが主な理由であって,免許内容のためではないと推認できる。 c この点,被告Cは,本人尋問において,もし仮にG安城店における酒類の仕入価格がもっと下がっていたとしても,G安 ットがなかったためというのが主な理由であって,免許内容のためではないと推認できる。 c この点,被告Cは,本人尋問において,もし仮にG安城店における酒類の仕入価格がもっと下がっていたとしても,G安城の取得した免許は店頭販売限定の免許であったので,Fとしては法に違反した形は取りたくないので,G安城店から大量の酒類をFの各店舗に販売させることはしていなかっただろうと供述している。しかし,被告Cは,上記供述の前に,被告代理人の「もし,仮に,Hからの仕入れ金額が,もっと,下がっていたら,大洋不動産としては,もっと大量に,Jの各店舗に酒を販売していましたか。」という質問に対し,「ええ,してたと思います。」と答え,これに対し,同代理人から「もう一度,質問をよく聞いてくださいね。」「仮に仕入れ金額が下がったとしても,なんか免許上の問題があると思うんですけども,本当に,もし,仮に仕入れ金額がずっと下がっていたら,大洋不動産として,もっと大量にJの各店舗に酒を売る,ということはやっていたと思いますか。」等と誘導をされてようやく上記の供述をしている。被告Cのこのような供述の変遷経過を鑑みれば,被告Cの上記供述を信用することはできず,むしろ,被告Cの供述全体を見れば,被告らは,G安城店が取得した免許が店頭販売に限定された免許であったことを重くは見ておらず,Hからの酒類の仕入価格が当初期待していたとおり安かったならば,店頭販売に限定された免許のままでもG安城店からFの各店舗に大量の酒類を販売していたであろうと推認せざるを得ない。 d また,証拠(乙14,15,証人I,証人K)によれば、平成8年秋ごろ,Iが被告Bらに対し,原告のフランチャイズに加盟することを勧誘した際,被告Bは,当該フランチャイズ店からFの各店舗に酒類を販売できるような免許が本当に取れるのか ,証人K)によれば、平成8年秋ごろ,Iが被告Bらに対し,原告のフランチャイズに加盟することを勧誘した際,被告Bは,当該フランチャイズ店からFの各店舗に酒類を販売できるような免許が本当に取れるのかとIに対し念を押し,Iに原告会社に戻らせてこのことを確認させた後に,ようやくKや被告Cらに本件各契約締結に向けて原告と交渉に入るよう指示をしたという経緯が認められる。 しかしながら,証拠(乙14ないし16,証人I,証人K,被告C)及び弁論の全趣旨によれば,Iの最初の勧誘の際にその場に居合わせた被告B,K,Iの3名はいずれも,酒類販売業免許について詳しくはなく,店頭販売に限定する条件が付された免許というものがあること自体知らなかったことから,上記3名はそのような酒類販売業免許の種類や内容を念頭においては免許の話をしていなかったと推認できる。また,証拠(乙14ないし16,証人I,証人K,被告C)及び弁論の全趣旨によれば,被告B,K,Iは,平成8年秋のやり取りの際,原告のフランチャイズに加盟した店舗(後のG安城店)からFの各店舗に酒類を販売するとして,その酒類の配送は誰が行うのかについては明確に話題にしておらず(この点,Iは,当該フランチャイズ加盟店から各店舗に酒を配送するという説明をしたかのような証言をしているが,Kは,Hが直接Fの各店舗に酒類を配送することができるのではないかと考えていたと証言しており,かかるKの証言からすれば,被告B,K,Iは,E各店舗への酒類の配送を誰が行うのかについて具体的な話し合いはしていなかったと推認できる。),原告のフランチャイズに加盟した店舗からE各店舗に酒類の販売をする場合,その配送を,G安城店の店員に行わせるのか(すなわち外販の形を取るのか),F各店舗の従業員に行わせるのか(すなわち店頭販売の形を取るのか), チャイズに加盟した店舗からE各店舗に酒類の販売をする場合,その配送を,G安城店の店員に行わせるのか(すなわち外販の形を取るのか),F各店舗の従業員に行わせるのか(すなわち店頭販売の形を取るのか),あるいは,伝票上当該フランチャイズ加盟店から販売したことにして実際はHから直接配送をさせるのか等について,被告B及びKは,この時点ではいまだ考えを固めていなかったと推認できる。以上の認定事実及び前記・ないし・で認定した被告らF関係者のその後の行動を見れば,被告Bが,免許が取得できるかどうかを気にしていた事実があったとしても,それは,原告のフランチャイズに加盟した店舗からFの各店舗に酒類が販売できる免許が取れるかどうかを気にしていたものであって,厳密な意味で,外販ができる酒類販売業免許,すなわち,店頭販売に限る旨の条件が付されていない酒類販売業免許が取れるかどうかを気にしたり,そのことをIに確認したものではないと認められる。 e 以上からすれば,被告らは,G安城店からFの各店舗に酒類を販売することができ,そのことによって,G安城店やFに大きな利益が上がるというのであれば,本件各契約締結前に,G安城店が取得できる酒類販売業免許に店頭販売に限る旨の条件が付される可能性があることを知っていたとしても,本件各契約を締結していた可能性が高いと思われる。 すなわち,被告らにおいて,G安城店が取得する酒類販売業免許の内容について錯誤がなかったならば,本件各契約を締結しなかったであろうという関係は到底これを認めることができず,被告らの免許の内容についての錯誤は,本件各契約締結の意思表示についての要素の錯誤であるとは認められない。 (イ) 仕入価格についての錯誤証拠(甲9の5,乙7ないし10,14ないし16,証人I,証人K,被告C等)及び弁論の全趣旨によれ 各契約締結の意思表示についての要素の錯誤であるとは認められない。 (イ) 仕入価格についての錯誤証拠(甲9の5,乙7ないし10,14ないし16,証人I,証人K,被告C等)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ・原告の商品開発部長であったIは,平成8年秋ごろ被告B及びKに対し,原告のフランチャイズに加盟することを持ちかけた際,「原告の親会社のHは,酒類の卸売りを行っている会社であり,Fが原告のフランチャイズに加盟し,コンビニエンスストアを経由してFの各店舗の酒類を仕入れれば,大きな儲けになる。」,「今,Fの各店舗は小さな酒屋,小売店から酒類を仕入れていると思うが,これらの酒類について,全てHから原告のフランチャイズに加盟した店で仕入れFの各店舗に販売する形にすれば,Hが卸売業者であることから,それまで仕入れていた酒類小売店の小売価格よりも安い卸売価格で酒類を仕入れることができ,それまでの仕入先が取っていた中間マージン分を,そのフランチャイズ加盟店において取得して利益とすることができる。」等の説明をし,以前にMのフランチャイズに加盟してコンビニエンスストアの経営を行って失敗をしたことがあるのでコンビニエンスストア経営はもうやりたくない旨を述べていた被告B及びKに対し,上記の利点を述べて,原告のフランチャイズへの加盟を勧誘したこと・ Fは,愛知県内の小牧市,春日井市,江南市,半田市,豊川市,名古屋市中川区,安城市,岐阜県内の多治見市等の東海地区の各地でEという名称の複合型娯楽施設を経営し,酒類を扱う飲食店,パチンコ店,カラオケ店等の店舗も多数経営して,平成8年当時年間約6億円の酒類を仕入れていたことから,これらの酒類の仕入れについて,Iの上記説明のとおり小売店の中間マージン分の利益をFにおいて得られるとすれば,それは相 等の店舗も多数経営して,平成8年当時年間約6億円の酒類を仕入れていたことから,これらの酒類の仕入れについて,Iの上記説明のとおり小売店の中間マージン分の利益をFにおいて得られるとすれば,それは相当大きな利益であると被告Bらにおいても予想できたこと・被告Bは,Iから上記の勧誘を受けた際,原告のフランチャイズ加盟店からFの各店舗に酒類が販売できる免許が本当に取れるかどうかを気にかけており,Iが,原告の開発運営部長の1人であるLと共に,再度株式会社J本社に行き,Fにおいて酒類販売業免許を取得することは可能である旨を告げた際,被告Bは「免許が取れるならフランチャイズへの加盟を考えましょう」という旨の発言をしていること・被告Cは,被告Bから,原告のフランチャイズ加盟店の開店準備に参加するよう指示を受けて原告との交渉に当たっていたが,G安城店が取得した免許が店頭販売に限定された酒類販売業免許であることをLから聞いて知った後も,「それでは利益が出ないじゃないですか,外販ができる免許を取って下さい。」「じゃあ,どうすればよいんですか。」等とLに申し入れて,G安城店から酒類をEの各店舗に販売することを実現することにこだわり,被告らは,取得できた免許が店頭販売に限定された酒類販売業免許であることを知っているにもかかわらず,G安城店からE内の店舗への酒類の外販を開始しようとしたこと・被告Cは,株式会社Jの取締役P,安城Eの支配人Qを通じて,平成9年9月ころから,Hに対し,RなどのFの各店舗の従来の仕入先よりも安い価格で酒類を納品するよう申し入れ,数か月にわたってねばり強く交渉をして,Hに,G安城店への酒類の納品価格を,F各店舗の従来の仕入先であるR等の納品価格に近い価格にまで下げさせたこと・ HのG安城店への酒類の納品価格(例えば,「アサヒス にわたってねばり強く交渉をして,Hに,G安城店への酒類の納品価格を,F各店舗の従来の仕入先であるR等の納品価格に近い価格にまで下げさせたこと・ HのG安城店への酒類の納品価格(例えば,「アサヒスーパードライ350ミリリットル缶」については1ケース当たり3850円)は,E内の店舗のRからの仕入価格(「アサヒスーパードライ350ミリリットル缶」については1ケース当たり3860円)と比較して大幅に安いとは言えず,G安城店は,Fの各店舗の従来の仕入先からの仕入価格と比べて,これら仕入先の中間マージン分程度安い価格で,Hから酒類を仕入れることはできていないこと以上の認定事実に照らせば,被告らは,原告のフランチャイズに加盟すれば,Fの各店舗が仕入れている酒類について,卸売業者であるHから当該フランチャイズ加盟店で仕入れて,同店からFの各店舗へ販売することでき,それによって,それまで仕入れていた酒類小売店の小売価格よりも安い卸売価格で酒類を仕入れることができ,それまでの仕入先である小売店が取っていた中間マージン分を,当該フランチャイズ加盟店において取得して利益とすることで,当該フランチャイズ加盟店及びFにおいて大きな利益を得ることができると考え,そのことに大きな魅力を感じたからこそ,本件各契約を締結したと推認することができる。 また,原告の従業員であるIは,当該フランチャイズ加盟店がHから安い価格で酒類を仕入れてFの各店舗に販売することができるという点を,原告のフランチャイズの加盟することによって得られる大きな利点として被告Bらに説明して原告フランチャイズへの加盟を勧誘したのであるから,被告らが上記の点が実現されることを前提とし,上記の点に魅力を感じて本件各契約を締結することを当然分かっていたと認められる。また,Iに同行してIと被告Bらのやり ャイズへの加盟を勧誘したのであるから,被告らが上記の点が実現されることを前提とし,上記の点に魅力を感じて本件各契約を締結することを当然分かっていたと認められる。また,Iに同行してIと被告Bらのやり取りを聞いていたLにおいても,Iと同様にこれらのことを了解していたと推認できる。 上記認定事実に照らせば,被告らには,仕入価格についての錯誤がある,すなわち,被告Aが原告と本件加盟基本契約を結び原告のフランチャイズに加盟すれば,G安城店は,Hから,Fの各店舗の従来の仕入先からよりも安い価格で酒類を仕入れることができ,G安城店がこうして仕入れた酒類をFの各店舗に販売することによって,G安城店及びFに大きな利益が上がると信じていたが,実際には,G安城店のHからの酒類の仕入価格は,F各店舗の従来の仕入先からの酒類の仕入価格と比べてさほど安くはなかったため,G安城店及びFは,酒類の販売によって大きな利益を上げることができなかった,という点について錯誤があり,かつ,その錯誤は,本件各契約締結の意思表示における要素の錯誤であり,その動機について原告に対し黙示ないし明示の表示もあったと認めることができる。 イコンビニエンスストアとしての利益についての錯誤被告らは,G安城店は,酒類の外販による利益を別にしても,コンビニエンスストアとして確実に利益が出る店舗であると信じていたと主張し,G安城店はコンビニエンスストアとして赤字続きで利益が出なかったことについて被告らには錯誤があると主張する。 そこで検討するに,証拠(甲4の1,甲9の5,甲22,乙2ないし6,11,14ないし16,証人K,証人I,証人O,被告C等)及び弁論の全趣旨並びに争いのない事実によれば,以下の事実が認定できる。 ・被告Bは,Fの中心企業である株式会社Jの代表取締役であり,Fにおいては 14ないし16,証人K,証人I,証人O,被告C等)及び弁論の全趣旨並びに争いのない事実によれば,以下の事実が認定できる。 ・被告Bは,Fの中心企業である株式会社Jの代表取締役であり,Fにおいては社長と呼ばれ,オーナー的立場にある者であり,被告Cは,本件各契約締結当時,株式会社Jの常務取締役,被告Aの取締役であった者であり,Kは,本件各契約締結当時,株式会社Jの取締役兼総務部長であった者であり,被告Aは,Fのグループ企業の1つであること・ Fは,愛知県内の小牧市,春日井市,江南市,半田市,豊川市,名古屋市中川区,安城市,岐阜県内の多治見市等で飲食店,映画館,パチンコ店,ゲームセンター,カラオケ店,ボーリング場等から成る複合型娯楽施設Eを経営していること・ Fは,以前半田市内のE近くにおいて,Mのフランチャイズに加盟してコンビニエンスストア(以下「半田のM」という。)を経営したことがあったが,Fにおいては,月商1200万円ないし1300万円の売上げが上がれば採算が合うと考えていたところ,同店開店後,同店の裏側に産業道路ができるなど予想外の事情が生じたことなどもあって,結局,同店の売上げは月商1000万円以下で推移して赤字が続き,フランチャイズ契約期間である7年が経過した時点で,Mとのフランチャイズ契約を終了して同店を閉店したこと・被告C及びKがLとG安城店開店準備のための話し合いをしていた平成9年3月ころ,原告から被告らに交付された書類の中に,利益試算表(乙3)が含まれていたが,被告CやKは,この利益試算表について,原告担当者に説明を求めることはしなかったこと・上記の利益試算表(乙3)は,「店利益試算表G安城店」という表題が記載され,「売上高」,「荒利高」「本部チャージ」「FC収入」「営業費合計」「店利益」等の項目や,「初年度 ことはしなかったこと・上記の利益試算表(乙3)は,「店利益試算表G安城店」という表題が記載され,「売上高」,「荒利高」「本部チャージ」「FC収入」「営業費合計」「店利益」等の項目や,「初年度」「2年度」「3年度」等の項目から成る表であること・ F及び被告Aにおいては,G安城店を経営するに当たって,被告Aから株式会社Jに対して家賃として毎月約40万円を,原告の紹介で被告Aの取締役に就任したNに対し顧問料として毎月約5万円を,Fの従業員をG安城店の店長に就かせ,同店長には毎月約45万円の給料及び半年ごとに約65万円の賞与を支払い,かつ,これらの費用は,G安城店から上がった利益でまかなう予定でいたこと・利益試算表(乙3)においては,上記・記載のNに対する顧問料,株式会社Jに支払う家賃,店長の給与及び賞与は,考慮に入れずに店利益等の試算がなされており,このことは,同利益試算表の「営業費合計」の細目等の記載内容を見れば一見して明らかであること・被告C及びKは,利益試算表(乙3)を受け取り,G安城店の初年度の売上高が「12000」であるという記載を見て,半田のMを経営した際の経験に照らせば,月商1200万円の売上げであれば採算が合うであろうと思い,Kにおいて,安城Eの集客数が約1万人で,G安城店にも約1万人の来店者数が見込めることからすれば,これぐらいの売上げは上げられるであろうと思ったが,それ以上は,利益試算表の記載内容について考察,分析を行わなかったこと以上の認定事実に照らせば,そもそも,原告は被告らに対し,利益試算表を交付するに当たって,最低限でもそこに記載された数字程度の売上げが上がるとか,確実にこの程度の利益が出るなどの説明をしてはいない上,同試算表は,「店利益試算表」という表題が記載された書面であって,通常一般人がこれを て,最低限でもそこに記載された数字程度の売上げが上がるとか,確実にこの程度の利益が出るなどの説明をしてはいない上,同試算表は,「店利益試算表」という表題が記載された書面であって,通常一般人がこれを見たとしても,そこに記載されているのはあくまで試算としての数字であり,試算である以上確実にこの数字どおりの売上げや利益が出るとは限らないと考えるであろう記載内容の書面である。 しかも,被告B,被告C,Kは,Fの代表及び取締役であり,多数の店舗を経営してきた経験を有する者であって,店舗の売上げや利益は,将来に生じる事情も含めて様々な要因の影響を受けるものであって,店舗の開店前に将来の売上げや利益を確実に予測することが難しいことを熟知していると考えられる者である。また,被告らは,以前に実際コンビニエンスストアを経営したことがあり,開店当初期待していた月商1200万円以上の売上げが出せず,月商1000万円の売上げを出すことも難しくて,やむなくコンビニエンスストア経営から撤退したという経験も有していたのである。さらには,利益試算表の記載内容に照らせば,G安城店が、初年度に同試算表の記載どおり月商1200万円の売上げをあげたとしても,Nに対する顧問料,家賃,店長への給与及び賞与の支払を経費に入れれば,開店初年度は毎月赤字になることは被告らにおいても試算できたのである。 以上からすれば,仮に,被告らが原告から利益試算表を渡された他,Lらから,G安城店が,Mなどとは違って酒類の販売できるコンビニエンスストアであることなどからコンビニエンスストアとしても十分利益があがる店である等の説明を受けたことがあったとしても,被告らにおいて,G安城店の売上げや利益の試算の根拠を原告に聞くことさえせずに,G安城店において,確実に月商1200万円を上回る売上げが出せ, があがる店である等の説明を受けたことがあったとしても,被告らにおいて,G安城店の売上げや利益の試算の根拠を原告に聞くことさえせずに,G安城店において,確実に月商1200万円を上回る売上げが出せ,酒類の外販による利益を除いてもコンビニエンスストアとして利益が出せるのは確実であると考えたとは到底信じ難い。G安城店においてコンビニエンスストアとして確実に利益が出ると考えていたという被告Cの供述及びKの証言はいずれも信用できず,他に,被告らがG安城店がコンビニエンスストアとして利益が出ることを確実であると信じたと認めるに足りる証拠もない。 よって,被告らに,コンビニエンスストアとしての利益についての錯誤があったとは認められない。 ・争点・について上記・で検討したとおり,被告らには,仕入価格について錯誤があったと認められることから,この錯誤に陥ったことに被告らに重過失があるかを検討する。 証拠(乙14ないし16,証人K,証人I,被告C)及び弁論の全趣旨によれば,平成8年秋ごろ,Iが,被告BやKに対し,原告フランチャイズへの加盟を勧誘した際,被告B,K,Iの3名は,Fの各店舗は地元の酒類小売店から酒類を仕入れているという認識でおり,Iが「今,Fの各店舗は小さな酒屋,小売店から酒類を仕入れていると思うが」という旨を述べた際も,被告B及びKはそのことを否定せず,むしろ,同人らにおいても,従来の酒類の仕入先が各地区の小売りの酒屋であることを前提としてIと酒類の仕入れに関する話をしていたこと,Iも,Fの各店舗の従来の酒類の仕入先が酒類の小売業者であることを前提として,Hは酒類の卸売業者であるから,Fの各店舗が当該コンビニエンスストア(後のG安城店)を経由してHから酒類を仕入れれば,それまで仕入れをしていた小売業者の小売価格よりも安い卸売価格で を前提として,Hは酒類の卸売業者であるから,Fの各店舗が当該コンビニエンスストア(後のG安城店)を経由してHから酒類を仕入れれば,それまで仕入れをしていた小売業者の小売価格よりも安い卸売価格で酒類を仕入れることができ,それまでの仕入先が取っていた中間マージン分を,当該コンビニエンスストアで取得して利益とすることができる旨を被告B及びKに説明したこと,被告B及びKは,Iが説明するこれらの理由を聞いて納得し,Hから当該コンビニエンスストアを経由してFの各店舗が酒類を仕入れられれば相当大きな利益が得られるだろうと考えたことが認められ,被告Cにおいては,被告BらとIの上記やり取りの後,被告Bから説明を受けて,被告Bと同様に,Hから酒類を仕入れることによってFが大きな利益が得られると考えるに至ったことが認められる。 しかしながら,安城EなどF各店舗の従前からの酒類の仕入先の1つであるRは,その得意先元帳(乙8)の「酒類・食品・業務用卸」という記載及びその納品価格等に照らしても,名古屋市に本拠を置く酒類の卸売業者であることは明らかである(なお,酒類販売業者ではないFの各店舗に酒類を販売していたことから,Rは,酒類小売業免許も有しており,その意味で酒類の小売業者でもあると推認できるが,そのことが同社が酒類の卸売業者でもあるという上記認定に影響を与えるものでない。)。 すなわち,Fの各店舗は,従来,各地区の酒類小売業者のみから酒類を仕入れていたのではなく,Rなどの酒類卸売業者からも酒類を仕入れていたのである。 しかも,被告C本人の供述によれば,Fにおいては,従前より,R等複数の業者に納品価格を競争させてできるだけ安く商品を仕入れるようにしていたというのである。 Hが,R等の納品価格と比べて,被告らが期待するように,酒類小売店の中間マージン分 ては,従前より,R等複数の業者に納品価格を競争させてできるだけ安く商品を仕入れるようにしていたというのである。 Hが,R等の納品価格と比べて,被告らが期待するように,酒類小売店の中間マージン分を差し引いた程度の安い価格で,G安城店に酒類を販売することができなかったのは当然と言わざるを得ない。 しかるに,被告B及びKは,自らが経営するFの各店舗が酒類を,どのような業者から,どのような価格で仕入れているかを把握すらしていなかった上,Fの各店舗の従来の酒類の仕入先がそもそも小売店であるのかというIの説明の重要な前提となっている事実を調査,確認してみようともせずに,Hが酒類の卸売業者であるからF各店舗の従来の仕入先からよりも安い価格で酒類が仕入れることができるのは当然であると考えていたというのであるから,このことだけをもってしても,同人らが仕入価格について錯誤に陥ったことに重大な過失があると認められる。 また,被告Cの本人尋問の結果によれば,被告Cは,被告BやKとは異なり,Fの各店舗の仕入先のRが酒類卸売業者であることを知っていたことが窺われるが,被告Cにおいては,被告Bから,原告のフランチャイズに加盟した店舗でF全体の酒類を取り扱えば大きな利益が上げられる旨の説明を受けた際,何故大きな利益を上げることが可能なのか,何故Hから今までより安く酒類を仕入れることができるのか,被告BらとIの間で具体的にどのようなやり取りがあったのか等を被告Bに具体的に聞くこともなく,Fの各店舗の酒類の仕入先が小売店であることを前提としてHから安く酒類が仕入れられると考えている被告Bの説明を,そのままうのみにしていたというのであるから,被告Cについても,仕入価格の錯誤について重過失があると認められる。 さらに,被告らが,Fの各店舗がどのような業者から,どのよ えている被告Bの説明を,そのままうのみにしていたというのであるから,被告Cについても,仕入価格の錯誤について重過失があると認められる。 さらに,被告らが,Fの各店舗がどのような業者から,どのような価格で酒類を仕入れているかを原告に示すか,あるいは,Hからどのような価格で酒類を仕入れることができるのかを原告に聞くかすれば,HがRなどと比べて大幅に安い価格で酒類を納品することはできないことはすぐに判明したと考えられる。また,このようなことを原告に示したり原告から聞いたりすることは,被告らにとって極めて容易であったと考えられる。しかるに,Iから上記の説明を受けた平成8年秋ごろから,本件各契約を締結した平成9年5月20日まで,約半年もの期間がありながら,被告らは,上記のことを原告に示したり原告から聞くことを1度もしていなかったというのであるから,このことをもっても,被告らには,仕入価格について錯誤に陥ったことに重大な過失があると言わざるを得ない。 なお,被告Cは,本人尋問において,Lから,「Hは一次問屋であるから,今現在の仕入先からよりも安く酒類の仕入れができる。」と説明されたと述べ,また,Hは一次問屋でありながら,二次問屋であるR等よりも見積書上の酒類の納品価格が高いのを見て,当初の話と違うと思ったとも述べて,Lから,Fの各店舗の酒類の仕入先が問屋すなわち酒類卸売業者であることを前提としても,Hから仕入れた方が安い価格で酒類を仕入れられる旨の説明を受けていたかのような供述をしている。 しかしながら,被告Cの陳述書(乙16)及び本人尋問によっても,Lが,被告Cに,Fの各店舗の従来の仕入先が二次問屋である旨を述べたことがあったとは認められず,むしろ,証人K,同Iの各証言等によれば,被告CがLと交渉に入る以前,被告B,K,Iにおいては, ても,Lが,被告Cに,Fの各店舗の従来の仕入先が二次問屋である旨を述べたことがあったとは認められず,むしろ,証人K,同Iの各証言等によれば,被告CがLと交渉に入る以前,被告B,K,Iにおいては,Fの各店舗の従来の仕入先は酒類の小売店であることを前提として話をしていたこと,Iは,Fの各店舗の仕入先にRがあることを知らなかったこと,Lは,Iから仕事を引き継ぎ,被告BらとIが話しをするのに同席したこともあったこと,Lは,被告らから,本件各契約締結前に,Fの各店舗の酒類の仕入先がどこであるかを具体的に聞かされていなかったことが認められ,これらの事実からは,Lも,Iや被告B,K同様,Fの各店舗の従来の仕入先は酒類の小売業者であると考えていたと推認できる。よって,仮に,Lが被告Cに対し「Hは一次問屋であるから,今現在の仕入先からよりも安く酒類の仕入れができる」旨述べたことがあったとしても,Lは,「今現在の仕入先」が酒類の小売業者であることを前提とした上で,「Hは一次問屋であるから,今現在の仕入先からよりも安く仕入れができる」旨を述べたものであると推認できる。よって,被告Cの,上記供述によっても,上記の重過失の認定が覆るものではない。 以上のとおり,被告らには,仕入価格について錯誤に陥ったことについて重大な過失が認められる。 ・争点・についてア被告らの,詐欺取消しに関する主張は,いずれも,人証調べ及びその後の和解勧試の後,弁論終結が予定されていた口頭弁論期日において始めて主張されたものであって,時機に後れて提出した攻撃防御方法であり,訴訟の完結を遅延させるものであるから,これを却下する。 イなお付言すれば,被告らの詐欺取消しの主張のうち,欺罔行為・に関しては,上記・ア・で認定したとおり,被告らは,酒類販売業免許の内容について錯誤に陥った 延させるものであるから,これを却下する。 イなお付言すれば,被告らの詐欺取消しの主張のうち,欺罔行為・に関しては,上記・ア・で認定したとおり,被告らは,酒類販売業免許の内容について錯誤に陥ったために本件各契約締結の意思表示をしたとは認められないから,欺罔行為・によって錯誤に陥ったために被告らが本件各契約締結の意思表示をしたという関係も認められない。また,本件全証拠に照らしても,Iら原告従業員が,被告Aにおいて酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得できるとは限らないことを知りながら,故意に被告らを欺罔して錯誤に陥れようとして虚偽の事実を述べたとは認めることができない。よって,被告らの欺罔行為・に関する主張は理由がない。 被告らの詐欺取消しの主張のうち,欺罔行為・に関する主張については,上記・で認定したとおり,Iら原告の従業員は,被告BやKらの話や態度から,Fの各店舗は酒類小売業者から酒類を仕入れているものと考え,そのことを前提として,Hは卸売業者であるから小売業者である従来の仕入先からよりも安く酒類をG安城店に販売することができる旨を述べたものであるから,Iらの説明内容自体には虚偽はなく,同人らに被告らを錯誤に陥れようとする故意も認められないから,欺罔行為があったとは認められない。よって,被告らの欺罔行為・に関する主張も理由がない。 ・争点・についてア被告らの信義則違反及び権利濫用に関する主張は,いずれも,人証調べ及びその後の和解勧試の後,弁論終結が予定されていた口頭弁論期日において始めて主張されたものであって,時機に後れて提出した攻撃防御方法であり,訴訟の完結を遅延させるものであるから,これを却下する。 イなお付言すれば,被告らの信義則違反及び権利濫用の主張のうち,原告には被告らに対し酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得 撃防御方法であり,訴訟の完結を遅延させるものであるから,これを却下する。 イなお付言すれば,被告らの信義則違反及び権利濫用の主張のうち,原告には被告らに対し酒類の外販が可能な酒類販売業免許が取得できる旨の説明をしたという点で説明義務違反,情報提供義務違反があるという主張については,そもそも,上記・ア・で認定したとおり,被告らは,取得した酒類販売業免許が店頭販売に限定された免許であることを意に介さずに酒類の外販を行い続け,かつ,1年5か月にわたってG安城店を営業し,原告との間で本件加盟基本契約に基づく権利義務関係を継続してきたのであるから,原告が被告らに対し,本件各契約締結前に,取得できる酒類販売業免許に店頭販売に限る旨の条件が付される可能性があることを説明していなかったとしても,そのことゆえに,原告が被告らに対し本件加盟基本契約に基づいて解約精算金を請求することが,信義誠実の原則に反する,あるいは,権利濫用に当たると言うことはできない。よって,被告らの主張には理由がない。 被告らの,原告には酒の仕入価格について虚偽の説明をしたという点で説明義務違反,情報提供義務違反があるという主張については,上記・で認定したとおり,HがR等と比べて大幅に安い価格でG安城店に酒類を納品できなかったのは,R等が酒類の卸売業者でもあったためであり,被告らが,Hから安い価格でG安城店が酒類を仕入れることができるという錯誤に陥ったのは,被告BやKがFの各店舗の仕入先が,Rを含めて全て酒類の小売業者であると考え,かつ,R等具体的な仕入先の名をIら原告従業員に明かしていなかったためであるから,原告にはこの点について説明義務違反,情報提供義務違反はなく,被告らの主張には理由がない。 被告らの,原告が被告らに示したG安城店の売上げ及び収益の予測がずさんなも ていなかったためであるから,原告にはこの点について説明義務違反,情報提供義務違反はなく,被告らの主張には理由がない。 被告らの,原告が被告らに示したG安城店の売上げ及び収益の予測がずさんなものであったという主張については,証拠(甲23,24,証人O)及び弁論の全趣旨によれば,原告が被告らに交付した利益試算表の内容は,一応合理的な根拠に基づくものであると認められる上,被告らが,原告がG安城店の売上げ等を試算するに当たって考慮すべきであったと主張する事由は,いずれも,本件各契約締結前の交渉当時において,被告らが原告に対し指摘することが可能であった事由であり,被告らにおいて,原告から試算の根拠を聞いた上,被告らが試算上考慮すべきと主張するそれら諸点を加味して独自に検討するか,あるいは,被告らにおいて,安城EやG安城店に関する情報を原告に提供するなどした上,原告に対し,被告らが主張する諸点も考慮して売上げ等の試算をしてくれるよう依頼するなどしていればよかったものであり,その程度のことは被告らにおいては容易にできたと考えられる。しかるに,被告らは,上記・イで認定したとおり,利益試算表を原告から受け取った際,同試算表の試算の根拠は何かを原告に尋ねることもなく,半田のMを経営した経験から同試算表の数字ならば採算が合うだろうと思うなどしただけで,売上げや利益の試算についてそれ以上の検討を加えることをしていなかったというのである。そもそもG安城店のコンビニエンスストアとしての売上げや利益等の予測についてこの程度の関心しか有していなかった被告らのために,原告において,被告らが主張するような諸点についてまで検討し,売上げや利益の試算を行うべき信義則上の義務など存しない。よって,この点についても被告らの主張は理由がない。 ・したがって,争点・につ 告において,被告らが主張するような諸点についてまで検討し,売上げや利益の試算を行うべき信義則上の義務など存しない。よって,この点についても被告らの主張は理由がない。 ・したがって,争点・について判断するまでもなく,原告の請求には理由がある。 ・以上の次第で,原告の請求には理由があるからこれを認容し,主文のとおり判決する。 名古屋地方裁判所民事第10部裁判官山下美和子

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