主文 被告人Aを懲役1年に,被告人Bを懲役4年6月にそれぞれ処する。 未決勾留日数中,被告人Aに対しては330日を,被告人Bに対しては300日を,それぞれその刑に算入する。 被告人Aに対し,この裁判が確定した日から3年間その刑の執行を猶予する。 訴訟費用(証人Wに支給した分)は全部被告人Aの負担とする。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人Bは,Cと共謀の上,通行人から金員を強取しようと企て,平成13年4月16日午前1時ころ,神戸市a区b町c丁目d番先路上において,同所を通りかかったD(当時35歳)に対し,こもごも,同人の顔面を手拳で殴打し,その腹部等を多数回足蹴にする暴行を加えて同人の反抗を抑圧した上,同人所有にかかる現金約1万8000円及び米ドル65ドルほか14点在中のショルダーバッグ1個(時価合計約8万3000円相当)を強取し,その際,上記暴行により,同人に全治まで約56日間を要する右眼窩骨折,両肋骨骨折等の傷害を負わせた第2 被告人Bは,Cと共謀の上,通行人から金員を強取しようと企て,同月28日午前1時20分ころ,同区ef丁目g番g号付近路上において,帰宅途中のE(当時38歳)に対し,こもごも同人の胸部,顔面等を多数回足蹴にするなどの暴行を加えて同人の反抗を抑圧した上,同人から金員を強取しようとしたが,同人に大声で騒がれたため,金員強取の目的を遂げなかったものの,その際,上記暴行により,同人に加療約4週間を要する右肋軟骨骨折,左肩打撲,上顎左側中切歯亜脱臼等の傷害を負わせた第3 被告人両名は,Cとともに,同年5月3日午前5時25分ころ,同区hi丁目j番k号F店前路上において,立ち話をしていたところ,Cが,金員を強取しようと企て,同店 中切歯亜脱臼等の傷害を負わせた第3 被告人両名は,Cとともに,同年5月3日午前5時25分ころ,同区hi丁目j番k号F店前路上において,立ち話をしていたところ,Cが,金員を強取しようと企て,同店から出てきたG(当時19歳)(以下「G」という。)に対し,その顔面を手拳で殴打するなどの暴行を加え始めたことから, 1 被告人A(以下「被告人A」という。)は,CがGに喧嘩をしかけたものと思ってCに加勢しようと考え,Gに暴行を加える限度でCと暗黙のうちに意思を相通じて,こもごも,Gの顔面等を手拳で多数回殴打し,腰部等を多数回足蹴にするなどの暴行を加え,その際,上記暴行により,同人に加療約6か月間を要する右眼窩底骨折,右結膜下出血,右眼球打撲等の傷害を負わせたが,上記傷害は被告人AがCと意思を相通じる前後いずれの暴行により生じたかを知ることができない 2 被告人Bは,被告人Aらが上記1の犯行に及ぶに際し,被告人Aの依頼を受けて,被告人AらがGに暴行を加えることを知りながら,犯人特定の手がかりとなるのを避けるなどのため,上記F店前路上に駐車中の被告人A使用の普通乗用自動車を同所から移動させ,もって,被告人Aらの上記1の犯行を容易ならしめてこれを幇助したものである。 (証拠の標目)-括弧内は証拠等関係カードの検察官請求証拠番号(事実認定の補足説明)第1 判示第3の各事実に係る平成14年2月22日付け起訴状の公訴事実(以下,この事件を「本件」という。)被告人両名は,Cと共謀の上,通行人から金員を強取しようと企て,平成13年5月3日午前5時25分ころ,神戸市a区hi丁目j番k号先路上において,同所を通りかかったG(当時19年)に対し,こもごも,顔面等を手拳で多数回殴打し,腰部等を多数回足蹴にするなどの暴行を加えて同人の反抗を抑圧した上,同人 ろ,神戸市a区hi丁目j番k号先路上において,同所を通りかかったG(当時19年)に対し,こもごも,顔面等を手拳で多数回殴打し,腰部等を多数回足蹴にするなどの暴行を加えて同人の反抗を抑圧した上,同人所有に係る現金約2万8000円在中の財布1個(時価500円相当)を強取し,その際,上記暴行により,同人に加療約6か月間を要する右眼窩底骨折,右結膜下出血,右眼球打撲等の傷害を負わせたものである(以下,Cを「C」といい,Gを「被害者」という。)。 第2 弁護人らの主張の要旨本件について,被告人Aの弁護人は,被告人AがCとともに被害者に暴行を加えて傷害を負わせたことは事実であるが,Cらと共謀して被害者から金品を強取したことはないので,被告人Aには傷害罪が成立するにすぎない旨主張し,また,被告人Bの弁護人は,被告人Bが被害者からの金品強取の実行行為に及んだことも被害者から金品を強取することをCらと共謀したこともないので,被告人Bは無罪である旨主張し,被告人両名もそれぞれ各弁護人の主張に沿う供述をする。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所は,関係各証拠に照らすと,本件については,被告人両名がCと共謀して被害者から金品を強取したと認定することはできず,判示第3の1,2のとおり,被告人Aには傷害罪が成立するに止まるし,被告人Bには傷害の幇助犯が成立するに止まると判断したので,以下その理由を補足して説明する。 2 上記証拠によれば,以下の事実が間違いのないものとして認定することができる。 (1) 被告人両名とCとの関係被告人両名とCは,小・中学校の同級生であり,特に中学校では同じバスケット部に所属していたことから,別々の高校に進学し,またそれぞれが大学進学や就職した後も本件当時まで一緒に遊ぶ関係が続いていた。 特に,被告人Bは,本 の同級生であり,特に中学校では同じバスケット部に所属していたことから,別々の高校に進学し,またそれぞれが大学進学や就職した後も本件当時まで一緒に遊ぶ関係が続いていた。 特に,被告人Bは,本件犯行に先立ち,判示第1及び第2のとおり,平成13年4月16日及び同月28日,それぞれ,Cと共謀の上,通行人に暴行を加えて金員を強取しあるいは強取しようとして未遂に終わったものの,いずれも傷害を負わせるという強盗致傷事件を敢行していた。 (2) 判示第1及び第2の強盗致傷事件の各犯行態様被告人BとCは,平成13年4月16日及び同月28日,夜道を1人で歩いている,被告人らと同年かそれよりも少し年上の男性を襲うべき相手と決め,ドライブをしながら襲うべき相手を探し回った上,犯行に及ぶ前にじゃんけんをして役割分担をし,午前1時ころあるいは午前1時20分ころの深夜,ほかに人通りのない路上において,相手男性の不意を襲い,一方的に殴る蹴るの暴行を加えて,その所持している金員を強取し又は強取しようとしたものである。 (3) 本件犯行直前から直後にかけての被告人らの行動等ア被告人両名とCは,平成13年5月3日午前5時ころ,一緒にH駅南側付近に至り,神戸市a区h3丁目6番24号I店に入って,Cが缶ビール1本を購入し,同店店長に対して同店でアルバイトをしている友人の悪口を言ったりした後,同店を出て,同区hi丁目m番n号F店(以下「本件F」という。)の北側にある駐輪場に行き,そこで世間話などをしていたが,その間,被告人Bが駐車中の原動機付自転車や自転車を蹴って大きな音を立てたことから,本件Fの近隣にある喫茶店「J」の経営者Kに,「あんたら何してるんや。あんたらのと違うやろ。」などと大きな声で注意をされた。 イ被告人両名とCは,同日 を蹴って大きな音を立てたことから,本件Fの近隣にある喫茶店「J」の経営者Kに,「あんたら何してるんや。あんたらのと違うやろ。」などと大きな声で注意をされた。 イ被告人両名とCは,同日午前5時14分ころ,本件Fに入り,被告人Aは立ち読みをし,被告人Bはジュースを買うなどしていたが,Cは,店員の胸ぐらを掴み,「今俺を見とったやろ,ちょっと表へ出てこい。」などと因縁を付けたり,「この店にL,Mという男が働いてるやろ,俺はBいうんや。」と言ったりなどしてから,同時20分ころに同店を出た。 なお,その当時,被告人Bの普通乗用自動車(以下「チェイサー」という。)は本件F近くの南北道路沿いに,被告人Aの普通乗用自動車(以下「セルシオ」という。)は本件F前路上にそれぞれ駐車されていた。 ウ被告人両名とCは,その後,再度,本件F北側にある駐輪場のところで立ち話をしていたが,同日午前5時25分ころ,Cは,被害者が本件Fでの買い物を終え同店前路上に駐輪中の原動機付自転車の側でリュックサックの中に購入した弁当などを入れているのを認めて,「なんや。」などと怒鳴りながら1人で近づき,被害者に対し,その顔面を手拳で殴るなどの暴行を加え始めた。 エ被告人Aは,Cが被害者に対して暴行を加え始めたことを認めるや,自分のセルシオの鍵を被告人Bに預けて移動するように依頼する一方,Cと被害者のところに行き,Cとともに,こもごも,被害者の顔面等を手拳で多数回殴打し,腰部等を多数回足蹴にするなどの暴行を加え,その際,上記暴行により,被害者に加療約6か月間を要する右眼窩底骨折,右結膜下出血,右眼球打撲等の傷害を負わせたが,Cは,その間,被害者が路上に落とした財布を拾ってこれを奪った。 オ被告人Bは,被告人Aの上記依 害者に加療約6か月間を要する右眼窩底骨折,右結膜下出血,右眼球打撲等の傷害を負わせたが,Cは,その間,被害者が路上に落とした財布を拾ってこれを奪った。 オ被告人Bは,被告人Aの上記依頼を受けて,本件F前に駐車中のセルシオを運転してその場を離れ,同所から西に向けて進み最初の通りを左折後少し進んだところの路上にまで移動させて駐車した後,上記南北道路沿いに駐車中の自分のチェイサーのところに戻り,それを運転して同所から離れた。 カ被告人AとCは,エの直後,その暴行を目撃した新聞配達員から知らされた上記Kが「あんたら何しよんや。」と大声で叫ぶのを聞いたことから,同女らがいる東の方向に走り,同女らの前を通り過ぎ,チェイサーが駐車してあった上記南北道路を南に右折して逃走したが,Cは,その逃走中,被害者の財布の中から手探りで紙幣を抜き取った上その財布を投棄した。 キ被告人AとCは,携帯電話で被告人Bと連絡を取ってレンタルビデオ店「N」O店前で待ち合わせて会い,3人してチェイサーに乗ってセルシオの移動先にまで行き,被告人Aがチェイサーを運転し,被告人Bがセルシオを運転して同所を離れたが,被告人両名は,この間,Cから,被害者から奪った現金として3000円を見せられ,1000円ずつ渡されて受け取った。 以上の事実が間違いのないものとして認めることができる。 3 Cの本件犯行の罪責についてそこで,まず,Cの本件における行為について強盗致傷罪が成立するか否かについて検討するに,以下のところからすれば,Cには本件について強盗致傷罪が成立することは明らかというべきである。 すなわち,アCは,本件当日まで被害者と何の関係もなかったものであって,本件当日にも被害者との間で特にトラブルがあったわけではな について強盗致傷罪が成立することは明らかというべきである。 すなわち,アCは,本件当日まで被害者と何の関係もなかったものであって,本件当日にも被害者との間で特にトラブルがあったわけではないこと,イCは,被害者に対してその顔面を殴打するなどの暴行を率先して加えており,Cが被害者に加えた暴行の程度は,その反抗を抑圧するのに十分なものであること,ウCは,被害者がその所有の財布を路上に落としているのを認めるや,躊躇なくこれを拾って奪い取り,財布に入っていた紙幣を抜き取った上その財布を投棄し,奪った現金のうち少なくとも1000円を取得していること,エCは,捜査段階においては逮捕直後を除いて一貫して強盗の犯意を認め,第3及び第4回公判期日における供述(以下「第1次C証言」という。)の中でも,「殴って,あわよくばお金を取ろうかなという考えはあった。」と述べるなど,被害者に対する強盗の犯意を明確に供述し,その供述は反対尋問でもやや曖昧になっているものの崩れてはいないこと,オCは,第12回公判期日における供述(以下「第2次C証言」という。)では,それまでの供述を変遷させ,被害者を殴ったのは,Cの威嚇にもかかわらず,被害者がずっとCらを睨みつけていて,腹が立ったからであり,被害者の財布を取ったのは,それが落ちているのを見たからである旨供述して,強盗の犯意を否定しているが,被害者がCをずっと睨みつけていたような事実があったとは認められないし,それまで自認していた強盗の犯意を否定するに至った変遷の理由にも合理性が乏しいことなどからすれば,Cが強盗の犯意をもって被害者にその反抗を抑圧するのに十分な暴行を加えたことは間違いがないと認められ,Cには本件について強盗致傷罪が成立することは明らかというべきである。 4 Cの供述の信用性について って被害者にその反抗を抑圧するのに十分な暴行を加えたことは間違いがないと認められ,Cには本件について強盗致傷罪が成立することは明らかというべきである。 4 Cの供述の信用性について被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯した旨いう直接証拠は,第1次C証言及びCの検察官調書謄本(甲25,26-いずれも同意部分及び検察官主張の相反部分あるいは検察官主張の相反部分に限る。以下,この点の記載は省略)のみであるから,Cのこれら供述の信用性について,次に検討する。 (1) まず,第1次C証言及びCの検察官調書謄本(甲25,26)の供述内容についてみるに,第1次C証言が本件について被告人両名と強盗の共謀があったとしていう部分は,概略,以下のとおりである。 すなわち,ア Cは,判示第1及び第2の強盗致傷事件を起こしてから本件までの間に被告人Aと会って,Cか被告人Bが被告人Aに対し,「この間,ちょっと人しばいてお金取ってん。」という話をしたところ,被告人Aは「ああそうなんや。」と答えた。 イ Cは,平成13年5月3日午前零時すぎころから,被告人Bの運転するチェイサーに同乗してドライブしているうち,また強盗をやってみようともちかけたところ,被告人Bが「おう,ええで。」とこれに応じたことから,北はH駅辺り,南はP駅辺り,東はJRO駅辺り,西はa警察署辺りを走行して襲うべき相手を探したが,なかなか見つからなかった。 ウ Cと被告人Bは,被告人Aと電話で話をして,同日午前3時から4時くらいの間に本件F前で合流し,被告人Aが,運転してきたセルシオを本件F前に駐車し,Bの運転するチェイサーの後部座席に乗り込んできて,「何しとったん。」と聞いてきたので,Cか被告人Bが「ドライブしなが らいの間に本件F前で合流し,被告人Aが,運転してきたセルシオを本件F前に駐車し,Bの運転するチェイサーの後部座席に乗り込んできて,「何しとったん。」と聞いてきたので,Cか被告人Bが「ドライブしながらターゲットになる人間探しとってん。」というようなことを言ったところ,被告人Aは「ああそうなん。」と答え,その後,3人でa周辺をドライブしながら,Cと被告人Bが,襲うべき相手を探して,「あの人どうやろう。」などという会話をしていたのに対し,被告人Aは加わってこなかったが,その内容は聞こえているようだった。 エ Cは,本件犯行直前に被害者に近づいていく際,被告人両名に対し,「あれ,行こか。」などと声を掛けていないが,被告人両名に対し,おそらく目配せをしたと思う。 以上のとおりである。 また,Cの検察官調書謄本(甲25,26)は,上記の点に関して,上記アの「この間,ちょっと人しばいてお金取ってん。」という話をしたのはCであり,上記ウの「ドライブしながらターゲットになる人間探しとってん。」というようなことを言ったのもCであるといい,また,上記エのCが,本件犯行直前に被害者に近づいていく際に,被告人両名に対し,「あれ,行こか。」と声を掛けたともいうのである。 (2) 第1次C証言及びCの検察官調書謄本(甲25,26)(以下併せて「第1次C証言等」という。)は,以下のところからすれば,信用できるようにも思われる。 すなわち,第1次C証言等は,そのいうところが概ね合致している上,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したのだとすれば,Cが被害者に対し一方的に暴行を加え始め,被害者が何ら有効な反撃をしていないのにかかわらず,被告人Aがそれに加勢してCとともに被害者に暴行を加えたり,被告人Bが被告人 致傷の罪を犯したのだとすれば,Cが被害者に対し一方的に暴行を加え始め,被害者が何ら有効な反撃をしていないのにかかわらず,被告人Aがそれに加勢してCとともに被害者に暴行を加えたり,被告人Bが被告人Aの依頼を受けてセルシオを本件F前から近くの道路まで移動させた後,Cらの連絡を受けて,逃走中の被告人AとCと待ち合わせてその逃走を助けたり,被告人両名がCから本件強取に係る現金のうちから1000円ずつ受け取ったりしていることなどを合理的に説明することができるから,被告人Bについては,本件犯行前にCとともに判示第1及び第2の強盗致傷事件を起こしていることや,Cが被告人両名と友人関係にあったことをも考え併せると,第1次C証言等のいうところが信用できるようにも思われるのである。 (3) しかしながら,第1次C証言等は,以下のところを考え併せれば,そのままには信用することができない。 すなわち,ア後述するように,被告人両名の当公判廷における各供述やその捜査段階における各供述は,いずれも被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したことを明確に否定しているところ,第1次C証言等が本件共謀についていうところを裏付ける証拠は何ら存在しないこと,イ第1次C証言等は,判示第1及び第2の強盗致傷事件を起こしてから本件犯行までの間に,被告人Aに会ってそのことを話したというのであるが,その時期やその際の状況について曖昧な供述しかしておらず,その内容に具体性,迫真性が認められない上,反対尋問においては,判示第1の犯行後本件までの間に被告人Aと会ったことはないと矛盾する供述もしていること,ウ第1次C証言等は,本件犯行当日,被告人Aに対して襲うべき相手を探していたことを伝えた際の反応について,主尋問においては,被告人Aが「ああそうなん。」と言った後,「ど 矛盾する供述もしていること,ウ第1次C証言等は,本件犯行当日,被告人Aに対して襲うべき相手を探していたことを伝えた際の反応について,主尋問においては,被告人Aが「ああそうなん。」と言った後,「どういう人を狙っとったん。」みたいなことを言ってきたと思う旨供述しながら,反対尋問においては,被告人Aが「ああそうなん。」と言っただけだったと供述するなど,その供述が一貫していない上,その内容に具体性,迫真性が乏しいこと,エ第1次C証言等によれば,被告人BとCは,阪急電車,阪神電車及びJRの最終電車が通過した後も,H駅,P駅,JRO駅周辺及びその周辺の住宅地において,襲うべき相手を探して走行し,被告人Aが午前3時から4時くらいの間に合流した後も,なお同様に襲うべき相手を探して走行していたというのであるが,上記駅周辺及び住宅地においてはその時間帯には通行人が途絶えてしまい,襲うべき相手を探すに適しているとは思われないのであるから,そのいうところに合理性は乏しいこと,オCが本件犯行直前に被害者に近づいていく際,Cの検察官調書謄本(甲25)では,被告人両名に特に声を掛けずに離れたと述べていたのが,Cの検察官調書謄本(甲26)では,被告人両名に対し,「あれ,行こか。」と声を掛けた旨供述を変え,さらに,第1次C証言では,被告人両名に対し,「あれ,行こか。」などと声を掛けていないが,おそらく目配せをしたと思う旨供述を変えるなど,強盗の共謀の成立に関する重要な事実について,第1次C証言等は供述を安易に変遷させていて,その変遷には合理的な理由が認められないこと,カ判示第1及び第2の強盗致傷事件では,被告人BとCが,いずれも深夜人気のない場所を選び,予めじゃんけんをして最初にどちらが襲いかかるかを決めた上で犯行に及んでいるが,本件犯行は,早朝,人気のあるコンビ 第1及び第2の強盗致傷事件では,被告人BとCが,いずれも深夜人気のない場所を選び,予めじゃんけんをして最初にどちらが襲いかかるかを決めた上で犯行に及んでいるが,本件犯行は,早朝,人気のあるコンビニエンスストアの前において,しかもその直前にその店内においてそこで働いている店員の名前や被告人Bの名前を出した直後に敢行されたものであり,また,その際,予めじゃんけんをして最初に誰が襲いかかるかを決めていないのであって,これらの点で判示第1及び第2の強盗致傷事件と本件犯行との間には大きな違いがあること,キCは,逮捕直後は本件犯行について財布を奪っていないと述べ,共犯者の名前も秘匿して,友人である被告人両名を庇っていたが,被告人両名の名前を出すと同時に財布を奪ったのは被告人両名のどちらかであると供述したり,自分が被害者を殴りつけた後,被告人両名がすぐに加勢して3人がかりで暴行を加えたと供述したり,被告人Bが,判示第1の強盗致傷事件を起こす前に,最初に通行人を襲って金品を奪い取ることを持ちかけた旨供述したりするなど,Cには,被告人両名が犯行の発案や実行においてより重要な役割を果たした旨虚偽の供述をして責任を転嫁し,自己の責任を分散軽減しようとする傾向が認められることなどを考え併せると,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯した旨いう第1次C証言等をそのまま信用するわけにはいかないのである。 5 被告人両名の各供述の信用性について被告人両名の各供述は,いずれもCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したことを否定するものであるので,被告人両名の当公判廷における各供述を中心に,ここでその信用性について検討することとする。 (1) 被告人両名の当公判廷における各供述(以下「被告人両名の各公判供述」という。)が本件犯行に至るまでの当日の行動に 判廷における各供述を中心に,ここでその信用性について検討することとする。 (1) 被告人両名の当公判廷における各供述(以下「被告人両名の各公判供述」という。)が本件犯行に至るまでの当日の行動についていう部分は,細かい点で食い違いや経験・認識の違いはあるものの,概ね合致しており,その内容をまとめると,概略,以下のとおりである。 すなわち,ア被告人Bは,平成13年5月3日午前零時ころ,自己の運転するチェイサーでCを迎えに行って,2人で三宮へ遊びに行き,被告人Aもセルシオを運転して三宮へ行き,同日午前1時くらいに三宮のサンキタ通りでこれに合流し,3人でカラオケ店「Q」に行って,カラオケをしたり,酒を飲んだりして2時間程度過ごした。 イ被告人両名とCは,同日午前3時前後ころ,同店の外に出たが,Cがその店の出入り口付近に溜まっていた男女のグループに絡んだものの,相手がすぐに謝った様子で喧嘩になることはなく,Cはすぐに被告人両名の後についてきた。 ウ Cが,その後,2人組のスーツを着た男性と喧嘩をし始めたので,被告人Aは,相手が2人であり,Cが酒に酔っていたことから,Cを助けようと思い,Cの側に行き,倒れて起き上がろうとしていた相手男性の1人を蹴って加勢したが,被告人両名とCはすぐにその場を離れて自動車を駐車していたところに戻り,被告人両名はそれぞれの自動車に乗り,Cは被告人Bのチェイサーに同乗して,R店に向かった。 エ被告人両名とCは,R店に入り,3人とも牛丼のセットを注文したが,その際,Cが財布を被告人両名に見せ,さっき取ってきた財布である旨言い,その金を分けようと言ってきたが,被告人両名は要らないとしてこれを断った。 オ被告人両名とCが,その後,同店で食事をし の際,Cが財布を被告人両名に見せ,さっき取ってきた財布である旨言い,その金を分けようと言ってきたが,被告人両名は要らないとしてこれを断った。 オ被告人両名とCが,その後,同店で食事をしていたところ,Cが作業着を着た数人の男性に聞こえるくらいの声で,「あいつら見とうぞ。しばいたろか。」などと言ったので,被告人両名は「やめとけ。」などと言ってこれを止め,またCがもめると困るので,長居をすることなくR店を出た。 カ被告人両名は,Cがさっき取った財布を捨てたいからSに行ってくれと言うので,それぞれ自動車を運転してCとともにSへ行き,Sではバスケットコート側の階段を下りて行き,Cが海に財布を捨てた。 キ被告人両名は,その後,Cが,酒を飲みたい,H駅側のTに行こうと言ったことから,それぞれの自動車に乗ってCとともにUTV店に向かい,被告人Bは本件F近くの南北道路沿いにチェイサーを停め,被告人Aは本件F前にセルシオを停め,3人でUTV店に向かった。 というのであり,そして,前記2(3)アイで認定したようなI店,本件F,その前の駐輪場における事実の後のこととして,ク Cが被害者のところに行って本件犯行に及ぶ直前に,被告人両名に対し,「あれ,行こか。」などと声を掛けたり,目で合図をしたりしたようなことはない。 以上のとおりである。 (2) 被告人両名の各公判供述は,以下のところからすれば,信用できるように思われる。 すなわち,被告人両名の各公判供述は,前述のように,そのいうところが概ね合致している上,被告人両名とCが,カラオケ店「Q」,R店,S等を経て,本件F前に至るまでの経緯や状況を具体的かつ詳細に述べるものであり,その中には,カラオケ店「Q」を出た後,2人組 うところが概ね合致している上,被告人両名とCが,カラオケ店「Q」,R店,S等を経て,本件F前に至るまでの経緯や状況を具体的かつ詳細に述べるものであり,その中には,カラオケ店「Q」を出た後,2人組のスーツを着た男性に対して,Cが暴行を加え始め,それに被告人Aが加勢し,その際,Cが相手から財布を取ってきたなど,本件強盗致傷事件と同様なでき事があったという,被告人両名にとって不利益にもなり得ることが含まれているのであるから,第2次C証言が上記のような被告人両名の各公判供述にほぼ沿うようなものとなっていることや,被告人両名の各公判供述のいうような経緯や状況を前提にすれば,Cが前記2(3)アイで認定したようなI店,本件Fにおける言動に及んだことについても,また,判示第1及び第2の強盗致傷事件と大きく異なる状況の下であるにもかかわらず,Cが本件強盗致傷事件を敢行したことについても,納得のいく説明が可能であること,そして,本件に際しての被告人両名の行動,すなわち,被告人AがCに加勢して被害者に暴行を加えたり,被告人Bが被告人Aのセルシオを移動させた後,被告人AとCの逃走を助けたり,被告人両名がCから本件強取に係る現金のうちから1000円ずつ受け取ったりしていることについても,Cとの強盗の共謀の存在を前提にすることなく,それなりの説明がなされていることなどを考え併せると,被告人両名の各公判供述のいうところは信用できるように思われるのである。 (3) しかしながら,被告人両名の各公判供述も,以下のところからすれば,それを全面的に信用するわけにはいかない。 すなわち,被告人両名は,捜査段階においてはその各公判供述のような具体的な供述をしていなかったものであって,本件の約9か月後に逮捕されたため記憶の減退があったであろうことを考慮に入れ すなわち,被告人両名は,捜査段階においてはその各公判供述のような具体的な供述をしていなかったものであって,本件の約9か月後に逮捕されたため記憶の減退があったであろうことを考慮に入れても,その各供述が一貫しているとはいい難いこと,被告人両名の各公判供述の内容を客観的に裏付ける証拠はなく,むしろ,R店の売上げジャーナルによれば,被告人両名の各公判供述のいうところにそのまま該当するような客や売上げは見当たらないのであるから,被告人両名が単に時間的に不正確な供述をしているに止まらず,別の日のことを本件当日のこととして述べている可能性も完全には否定できないことなどを考え併せると,上記のような被告人両名の各公判供述をそのまま全て信用するわけにはいかないのである。 6 被告人両名の本件強盗致傷罪の成否について(1) 以上みてきたとおり,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯した旨いう第1次C証言等には,その信用性を肯定すべき事情も否定すべき事情もあるし,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したことを否定する被告人両名の各公判供述にも,その信用性を肯定すべき事情も否定すべき事情もあるところ,第1次C証言等の信用性を肯定すべき事情は必ずしも強固なものとはいい難く,これを否定すべき事情も有力であるのに対し,被告人両名の各公判供述の信用性を否定すべき事情には無視できないものがあるものの,これを肯定すべき事情にもかなりのものがあることからすると,第1次C証言等が被告人両名の各公判供述よりも信用できるとはいい難いのであるから,第1次C証言等によって,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したものと認定することはできない。 (2) しかしながら,前述のように,Cが被害者に対し一方的に暴行を加え始め,被害者が何 1次C証言等によって,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したものと認定することはできない。 (2) しかしながら,前述のように,Cが被害者に対し一方的に暴行を加え始め,被害者が何ら有効な反撃をしていないのにかかわらず,被告人Aがそれに加勢してCとともに被害者に暴行を加えたり,被告人Bが被告人Aの依頼を受けてセルシオを本件F前から近くの道路まで移動させた後,Cらの連絡を受けて,逃走中の被告人AとCと待ち合わせてその逃走を助けたり,被告人両名がCから本件強取に係る現金のうちから1000円ずつ受け取ったりしていることは間違いのないところであるし,特に,被告人Bについては,本件犯行前にCとともに判示第1及び第2の強盗致傷事件を起こしていることは間違いのないところであるから,これらの事実から,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したと推認できる可能性があるかどうかを更にみてみることとする。 被告人Aの公判供述及びその検察官調書(乙8)は,Cに加勢して被害者に暴行を加えた理由について,Cが被害者と喧嘩になっていると思い,Cが怪我をしたら嫌だと思ったからである旨いうのであるが,なるほど,検察官のいうように,被害者はCに一方的にやられていたのであり,客観的には,被告人AがCに加勢をすべき必要性があったとはいい難いけれども,Cが本件犯行当時相当程度酔っていたことや,被告人Aにとっては仲の良い友人であったことに加え,被害者は初対面の相手であって,どのような反撃がなされるのか不明であることなどからすれば,被害者が有効な反撃を開始する前に,被告人AがCに加勢して被害者を徹底的にやっつけてしまおうととっさに思ったとしても,決して不合理であるとはいえない。 被告人Bの公判供述及びその検察官調書(乙20)は,被告 始する前に,被告人AがCに加勢して被害者を徹底的にやっつけてしまおうととっさに思ったとしても,決して不合理であるとはいえない。 被告人Bの公判供述及びその検察官調書(乙20)は,被告人Aの依頼を受けてセルシオを本件F前から近くの道路まで移動させた理由について,セルシオに傷がつくのを恐れたとか,誰かにナンバーを見られて後で捕まるのを恐れたからである旨いうのであるが,この点についても,また更にはCらの連絡を受けて,逃走中の被告人AとCと待ち合わせてその逃走を助けた点についても,被告人Bと被告人AやCとの関係からすれば,被告人らの間に強盗の共謀がなかったとしても,決して不自然な行為ではないことが明らかである。 また,被告人両名が本件犯行後強取した現金のうちそれぞれ1000円をCから受け取ったことについて,被告人Aの公判供述及びその検察官調書(乙8)は,いい加減な気持ちで頭が回らないまますんなりと受け取ってしまったといい,被告人Bの公判供述及びその検察官調書(乙20)は,いったん断ったけれども,Cから「迷惑料や。」と言われて受け取ったというのであるが,金額が少額である上,被告人AにおいてはCとともに被害者に暴行を加え,被告人Bにおいては被告人AやCの逃走を助けていて,いずれも本件犯行に関与している面があることは否定できないし,仲の良い友人であるCとの関係を悪くしたくないという気持ちが働いたことも考えられるから,被告人両名にCとの強盗の共謀がなかったとしても,そのような金を受け取ってしまうこともあり得ないとはいい難い。 そして,被告人Bが本件犯行前にCとともに判示第1及び第2の強盗致傷事件を起こしていることについても,前述のように,本件犯行との間には,犯行時刻,犯行場所,犯行態様等の点で大きな違いが認めら そして,被告人Bが本件犯行前にCとともに判示第1及び第2の強盗致傷事件を起こしていることについても,前述のように,本件犯行との間には,犯行時刻,犯行場所,犯行態様等の点で大きな違いが認められるのであるから,そのことをもって,被告人BにCとの間に強盗の共謀があったとみるわけにはいかない。 してみると,被告人AがCに加勢して被害者に暴行を加えたことや,被告人Bが被告人Aのセルシオを移動させた後,被告人AとCの逃走を助けたり,被告人両名がCから本件強取に係る現金のうちから1000円ずつ受け取ったりしていること,更には,被告人Bが本件犯行前にCとともに判示第1及び第2の強盗致傷事件を起こしていることから,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したと推認することはできない。 (3) 以上のとおりであるから,被告人両名がCと共謀して本件強盗致傷の罪を犯したと認定することはできない。 7 被告人Aの本件の罪責について被告人Aは,Cが被害者に暴行を加えるのを見て,強盗の故意ではなく,Cとともに暴行を加える故意で本件犯行に及んだものであるところ,被害者の負った判示の傷害が本件犯行によって生じたことは間違いないものの,被告人AがCと意思を相通じる前後いずれの暴行により生じたかは証拠上必ずしも明らかではない。 しかしながら,刑法207条は,共犯関係にない2人以上の者が暴行を加えて傷害を負わせた場合において,「その傷害を生じさせた者を知ることができないとき」は共犯の例による旨定めているところ,本件においては,共犯関係の成立の前後いずれの暴行によって傷害が生じたのかが不明であるのであって,刑法207条の場合よりも一層傷害の結果につき責任を負うべき場合に当たることは明らかであるから,このような場合もやはり刑 関係の成立の前後いずれの暴行によって傷害が生じたのかが不明であるのであって,刑法207条の場合よりも一層傷害の結果につき責任を負うべき場合に当たることは明らかであるから,このような場合もやはり刑法207条を適用して,生じさせた者を知ることができないその傷害の全部について傷害罪の成立を認めるのが相当である。 (なお,共同正犯による強盗致傷の訴因について,同時傷害を認定するために訴因変更手続が必要か否かは問題ではあるが,本件については,訴因の範囲内の縮小認定である上,被告人Aの弁護人は,被告人Aが被害者に暴行を加えて判示第3の1のとおりの傷害を負わせたとして,被告人Aに傷害罪が成立することは認めているのであるから,訴因逸脱認定又は不意打ち認定の問題は生じず,訴因変更手続は必要ではないと解する。)以上のとおりであるから,被告人Aには,判示第3の1のとおり,傷害罪の成立を認めることができる。 8 被告人Bの本件の罪責について検察官は,被告人Bに強盗致傷の共同正犯が成立しないとしても,その幇助犯が成立する旨主張するが,Cが被害者から金員を強取しようとしていることを被告人Bが認識していたと認めるべき証拠は存しないから,被告人Bに強盗致傷の幇助犯の成立を認める余地はない。 しかしながら,被告人Bは,被告人Aらが被害者に対して暴行を加えることを認識しながら,被告人Aの依頼を受けて,犯人特定の手がかりとなるのを避けるなどのため,本件F前路上に駐車中の被告人Aのセルシオを同所から移動させているのであって,その行為は,被告人Aらによる判示第3の1の犯行を容易にさせるものであるから,被告人Bには,判示第3の2のとおり,傷害の幇助犯の成立を認めることができる。 (なお,強盗致傷の共同正犯の訴因に対し,判示第3の2の 人Aらによる判示第3の1の犯行を容易にさせるものであるから,被告人Bには,判示第3の2のとおり,傷害の幇助犯の成立を認めることができる。 (なお,強盗致傷の共同正犯の訴因に対し,判示第3の2のとおり,傷害の幇助犯を認定するについて,訴因変更手続が必要か否かであるが,判示第3の2で認定した被告人Bの幇助行為は,被告人Bの強盗致傷の共同正犯の訴因の共謀に関わる事実として,検察官がその冒頭陳述の段階から主張し立証してきたものであって,その事実自体は,被告人Bやその弁護人においても認めて争っていないのであるから,このような本件審理の経過に鑑みると,強盗致傷の共同正犯の訴因から傷害の幇助犯の訴因への変更手続をしなくても,被告人Bの防御に実質的な不利益を生ずるおそれがないものと認められるから,被告人Bについては,訴因変更手続を経ることなく,本件強盗致傷の訴因に対し,判示第3の2のとおり,傷害の幇助犯を認定することができると解せられる。)(量刑の理由)本件は,被告人Bが,Cと共謀の上,被害者らに暴行を加えて,その金員を強取し又は強取しようとし,その際,被害者らに傷害を負わせたという強盗致傷2件(判示第1及び第2),Cが強盗の犯意で被害者に暴行を加え始め,被告人Aが,暴行の限度でCと意思を相通じた上,その被害者に暴行を加えて傷害を負わせたという傷害1件(判示第3の1),その際,被告人Bが被告人Aの依頼を受けて自動車を移動させて幇助したという傷害幇助1件(判示第3の2)の事案である。 判示第1及び第2の各犯行については,被告人BとCは,深夜1人で歩いている通行人を襲って金員を強取することを共謀し,襲うべき相手を探し回るなどして,被害者らに対して判示のとおりの犯行に及んだものであって,その犯行は偶発的な犯行ではないこと,被告人Bは,共犯者のC ている通行人を襲って金員を強取することを共謀し,襲うべき相手を探し回るなどして,被害者らに対して判示のとおりの犯行に及んだものであって,その犯行は偶発的な犯行ではないこと,被告人Bは,共犯者のCに誘われて,金欲しさから安易にこれに同調し,判示第1及び第2の各犯行を重ねたものであって,その犯行動機には酌量の余地はないこと,被告人BとCは,被害者らの不意を襲った上,被害者らが全く抵抗しないにもかかわらず,顔面,腹部等の区別なく,2人がかりで手加減せずに多数回に亘り殴打や足蹴りを加えたものであって,犯行態様は悪質で危険性の高いものであること,上記暴行により被害者らは判示のとおりの重い傷害を負わされたものであり,また判示第1の犯行により強取された金品の額も10万円余りと少額とはいえず,各犯行の結果は相当に重大であること,被害者らは何の落ち度もないのに突然襲撃され重傷を負わされたものであって,その受けた精神的肉体的苦痛は大きいことなどからすると,判示第1及び第2の各犯行の犯情は悪く,被告人Bのこの点に関する刑事責任は重いといわざるを得ない。 判示第3の1,2の各犯行については,被告人Aは,Cが被害者に対して一方的に暴行を加えているのを認識しながら,友人であるCに加勢して暴行を加えているのであって,その犯行動機に酌量の余地がないこと,被告人Aは,Cとともに,無抵抗の被害者に対して,2人がかりで手加減せずに多数回に亘り殴る蹴るの暴行を加えたものであって,その犯行態様は悪質でかつ危険性の高いものであること,被害者は何の落ち度もないにもかかわらず,突然襲撃され判示のとおりの重篤な傷害を負わされたものであって,その受けた肉体的精神的苦痛は大きいこと,被告人Bは,被告人Aの自動車を現場から移動させて,被告人Aらの犯行を容易にして幇助したものであって,被 れ判示のとおりの重篤な傷害を負わされたものであって,その受けた肉体的精神的苦痛は大きいこと,被告人Bは,被告人Aの自動車を現場から移動させて,被告人Aらの犯行を容易にして幇助したものであって,被告人Aらの理不尽な犯行の発覚を妨げるなどしようとした犯行の動機に酌むべき点は乏しいこと,また,被告人Bは,その後,被告人Aらを自動車で迎えに行き,その逃亡を助けていることなどからすると,判示第3の1の犯行の犯情はよくなく,被告人Aの刑事責任は軽くはないといわざるを得ないし,判示第3の2の犯行についての被告人Bの刑事責任も軽視するわけにはいかない。 しかしながら,被告人Bについては,判示第2の犯行における金員強取は未遂に終わっていること,判示第1及び第2の各犯行においてはCよりもやや従属的な立場にあったといい得るし,判示第3の2の犯行については幇助犯しか成立しないこと,判示の各犯行について事実を認め,判示第1及び第2の各被害者に対して謝罪文を作成するなどして,反省の態度を示していること,被害弁償金として,判示第1の被害者に対して30万円,判示第2の被害者に対して20万円をそれぞれ支払っているほか,Cにおいても,判示第1の被害者に対して合計80万円,判示第2の被害者に対して合計60万円をそれぞれ支払っていて,ある程度の被害回復がなされていること,被告人Bの父親が今後の生活の監督を誓っていること,被告人Bは未だ22歳と若年であり,これまで前科前歴がないこと,本件により1年以上の期間身柄拘束を受けていること,本件を契機として母親を亡くしていること,痔瘻に罹患しており健康状態が芳しくないことなどの,被告人Bのために酌むべき事情もまた認められるので,被告人Bについては,酌量減軽をした上で主文の刑に処することとする。 また,被告人Aについては,判示第3の しており健康状態が芳しくないことなどの,被告人Bのために酌むべき事情もまた認められるので,被告人Bについては,酌量減軽をした上で主文の刑に処することとする。 また,被告人Aについては,判示第3の1の暴行の態様を一部否認しているものの,その他の事実を認めて反省の態度を示していること,判示第3の1の被害者に対して被害弁償金内金として50万円を支払っているほか,Cにおいてもその被害者に対して合計130万円を支払っていて,ある程度の被害回復がなされていること,被害者が被告人Aに対し寛大な処分を求める旨の上申書を提出していること,被告人Aの母親が今後の監督を誓っており,その元勤務先の上司も社会復帰後の雇用斡旋を約束し,就職後の被告人Aの監督をも誓っていること,被告人Aは未だ22歳と若年であり,これまで前科前歴もないこと,本件により1年以上の期間身柄拘束を受けていることなどの,被告人Aのために酌むべき事情もまた認められるので,被告人Aについては,主文の刑に処した上,今回に限り,その刑の執行を猶予するのが相当である。 (検察官の科刑意見被告人Aにつき懲役7年,被告人Bにつき懲役10年)よって,主文のとおり判決する。 平成15年3月20日神戸地方裁判所第2刑事部 裁判長裁判官森岡安廣 裁判官前田昌宏 裁判官伏見尚子 裁判官 伏見尚子
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