平成26(行ウ)568 公金支出差止及び返還請求事件

裁判年月日・裁判所
平成28年1月26日 東京地方裁判所 住民訴訟
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判決文本文71,144 文字)

平成28年1月26日判決言渡平成26年(行ウ)第568号公金支出差止及び返還請求事件 主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 1 被告は,関越自動車道高架下活用事業に関して,一切の公金を支出し,契約を締結し,又はその他の債務を負担してはならない。(なお,この請求は,口頭弁論終結の時点で未執行の行為の差止めを求めるものと解される。) 2 被告は,P1及びP2に対し,各自,2350万円及びこれに対する平成26年11月29日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を練馬区に支払うよう請求せよ。 3 被告は,P3に対し,5369万7000円及びこれに対する平成26年11月29日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を練馬区に支払うよう賠償の命令をせよ。 第2 事案の概要 1 本件は,練馬区の住民である原告らが,同区の関越自動車道高架下活用事業(以下「本件事業」という。)に関する公金の支出,契約の締結又はその他の義務の負担に関し,同区が本件事業の前提となる道路占用許可を得るためにした申請は道路法等の規定が定める基準に一見明白に違反するものであること,本件事業は周辺住民の人格権を侵害するものであることなどからして,上記の公金の支出等は財務会計上違法である旨主張し,同区の執行機関である被告に対し,地方自治法242条の2第1項1号の規定に基づき,本件事業に関する公金の支出の差止めを求める(以下「本件1号請求」という。)とともに,平成25年度及び同26年度に行われた公金の支出等に関し,区長であるP1及び副区長であるP2については,同項4号本文の規定に基づき,当該職員又は怠る事実の相手方に対する損害賠償の請求を,また,会計管理者 25年度及び同26年度に行われた公金の支出等に関し,区長であるP1及び副区長であるP2については,同項4号本文の規定に基づき,当該職員又は怠る事実の相手方に対する損害賠償の請求を,また,会計管理者であるP3に対しては,同号ただし書に基づき,当該職員に対する賠償命令をそれぞれ求める(以下「本件4号請求」という。)事案である。 2 関係法令等の定め関係法令及び通達は,別紙2「関係法令等の定め」のとおりである。以下,法令等の名称並びに用語の表記及び略称については,同別紙の定めに従う。 3 前提事実(当事者間に争いがないか,文中記載の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定することができる事実)(1) 当事者等ア原告らは,いずれも練馬区の住民である。(争いがない事実)イ被告及び本件4号請求の相手方について(ア) 被告は,練馬区の執行機関である練馬区長であり,P1は,平成26年4月20日に練馬区長に就任し,以後,現在まで練馬区長の職にある。(争いがない事実)(イ) P2は,平成26年6月20日に練馬区副区長に就任し,現在まで練馬区副区長の職にある。(争いがない事実)(ウ) P3は,本件4号請求の対象とされる支出(後記(4)ア参照)が行われた全ての期間を通じ,練馬区の会計管理者の職にある。(争いがない事実)(2) 本件事業の概要ア本件事業は,関越自動車道高架下の空間の有効活用を積極的に行うことにより,区民生活の向上と地域の活性化を図ることを目的とするものであり,関越自動車道の高架下のうち,αからβまでの延長1kmの区間(γ,δ,ε,ζないしηにかかる市街地の地域。以下「本件高架下区間」という。)において実施される。(争いがない事実,甲6ないし8,11の1,弁論の全趣旨)イ本件高架下区間は,練馬区の北西部に γ,δ,ε,ζないしηにかかる市街地の地域。以下「本件高架下区間」という。)において実施される。(争いがない事実,甲6ないし8,11の1,弁論の全趣旨)イ本件高架下区間は,練馬区の北西部にあり,θ駅から北東に約1.5㎞付近に位置し,同区間における関越自動車道は,南東から北西方向に向けて市街化区域を通過している。同区間の土地は,第1種中高層住居専用地域(ただし,西端のみ近隣商業地域)に指定されており,周辺の土地利用状況は,住宅,店舗,公園及び学校となっている。同区間に沿って,側道と歩道が整備されており,隣接する公共施設として緑地と小学校がある。 交通面では,高架下を南北方向に抜ける道路と,東西方向に走る側道(以下「関越道下側道」という。)が整備されており,南北方向,東西方向とも往来が可能である。また,都市計画道路補助第135号線(β)が同区間の西端で接している。(争いがない事実,甲6ないし8,11の1,弁論の全趣旨)なお,本件高架下区間は,昭和46年12月,一般有料道路「東京川越道路」として4車線にて供用開始され,昭和48年4月に高速自動車国道に編入され,平成8年に6車線化された(甲29の1,2・資料7)。 ウ本件事業で整備を予定している施設の概要練馬区は,本件事業において,区の長期計画に掲げる施設でι地区に整備することとしている施設,必要性の高い施設でι地区に整備することが望まれる施設及び地域の活性化に役立つ施設を設けることとした。練馬区が本件事業において整備を予定している施設は,次の(ア)ないし(オ)の各施設(以下「本件整備予定施設」という。)のほか,各施設の南側に設ける歩行空間であり,その配置は,別紙3施設配置図のとおりである。(甲6ないし8,11の1)(ア) 高齢者センターa 練馬区内在住の60歳以上 整備予定施設」という。)のほか,各施設の南側に設ける歩行空間であり,その配置は,別紙3施設配置図のとおりである。(甲6ないし8,11の1)(ア) 高齢者センターa 練馬区内在住の60歳以上を対象に,介護予防,健康の増進,教養の向上,レクリエーション等の事業や場所を提供する施設である。 b 別紙3施設配置図のA区画に設置され,鉄骨造り平屋建て(延べ床面積約1255㎡)であり,複数の棟が高架道路の橋脚付近において,取り外し可能な渡り廊下で連結される。 (イ) リサイクルセンター(道路公園管理事務所併設)a 地域のリサイクル活動の普及促進や環境学習活動の中心施設として,展示,家具販売,図書貸出し,学習会やイベントの実施等の事業を行う施設であり,水防時対策拠点として,水防用品等を格納し,対策時には職員活動拠点とする道路公園管理事務所を併設する。 b 別紙3施設配置図のB区画に設置され,鉄骨造り平屋建て(延べ床面積約1481㎡)であり,複数の棟が高架道路の橋脚付近において,取り外し可能な渡り廊下で連結される。 (ウ) スポーツ関連スペースa 地域住民及びスポーツ団体が気軽に利用できるフットサルコート,バスケットボールコート等のスポーツ施設である。 b 別紙3施設配置図のE区画及びF区画に設置される。 (エ) 地域交流スペースa 施設周辺の地域住民及び地域団体が,各種イベントや防災訓練等,多目的に活用できるスペースである。 b 別紙3施設配置図のG区画に設置される。 (オ) 倉庫a 練馬区内の町会,自治会等の地域団体が所有するイベント用の器機材や各種防災用資機材を収納する倉庫である。 b 別紙3施設配置図のC区画,D区画及びH区画に設置され,いずれも鉄骨造り平屋建て(延べ床面積約336㎡,77㎡,518㎡)である。 イベント用の器機材や各種防災用資機材を収納する倉庫である。 b 別紙3施設配置図のC区画,D区画及びH区画に設置され,いずれも鉄骨造り平屋建て(延べ床面積約336㎡,77㎡,518㎡)である。 (3) 本件事業に関する経緯等ア高架道路の路面下の占用許可についての国の方針従来,高架道路の路面下の占用許可については,道路法及び同法施行令の規定のほか,昭和40年8月25日建設庁道発第367号建設省道路局長通達(以下「昭和40年通達」という。甲1)により,相当の必要があって真にやむを得ないと認められる場合における占用についてのみ許可することとする「抑制の方針」が採られてきた。 その後,国土交通省道路局長は,街づくりの観点等から,高速道路の路面下も含めた賑わいの創出等が必要となる場合が生じたとして,新たな基準を策定し,平成17年9月9日国道利第5号国土交通省道路局長通達(5号通達),平成21年1月26日国道利第17号国土交通省道路局長通達(17号通達)及び同日国道利第19号国土交通省道路局路政課長通達(19号通達)がそれぞれ発出された(上記の5号通達,17号通達及び19号通達のうち,本件に関係する部分について,別紙2「関係法令等の定め」第6ないし第8を参照)。 イ練馬区の関越自動車道高架下活用計画(ア) 練馬区は,関越自動車道高架下の空間について,「区民が利用する可能性のある貴重な空間」と位置付け,当該空間の有効活用を積極的に行うことにより,区民生活の向上と地域の活性化を図ることを目的として(甲8),平成23年1月,関越自動車道高架下活用計画(以下「本件計画」という。甲6)を定めた。 (イ) 練馬区は,本件事業により本件高架下区間を活用するに当たり,「騒音・振動・大気汚染・通風・交通量」の現状を把握するとともに,施設 道高架下活用計画(以下「本件計画」という。甲6)を定めた。 (イ) 練馬区は,本件事業により本件高架下区間を活用するに当たり,「騒音・振動・大気汚染・通風・交通量」の現状を把握するとともに,施設整備後における環境影響を把握・分析することを目的として,平成23年2月に実施した環境影響調査(以下「冬季調査」という。)の結果については,同年3月の「関越自動車道高架下活用区間環境影響調査報告書」(甲32)にとりまとめ,また,同年8月に実施した環境影響調査(以下「夏季調査」といい,冬季調査を併せて「本件環境影響調査」という。)の結果については,同年9月の「関越自動車道高架下活用区間環境影響調査報告書」甲33)にとりまとめた。 なお,本件事業は,環境影響評価法12条1項又は東京都環境影響評価条例58条1項により行わなければならないとされている環境影響評価の対象事業ではない。(当事者間に争いがない。)ウ機構(独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構)の関越自動車道高架下利用計画機構は,平成25年1月,17号通達1(4),2の定めに基づき,上記イの本件計画を踏まえて,「関越自動車道新潟線高架下利用計画(練馬区区間)」(以下「本件機構計画」という。甲7)を策定した。 エ関越自動車道高架下施設整備基本方針の策定等(ア) 練馬区は,平成25年3月,上記ウの本件機構計画に基づき,関越自動車道高架下施設整備基本方針(以下「本件基本方針」という。甲8)を策定し,関越自動車道高架下の空間に整備を予定している施設の整備内容や運営についての基本的な考え方をまとめた(甲9)。本件基本方針によれば,平成28年度までに本件高架下区間全体の本件整備予定施設を整備することとされている。 (イ) 練馬区は,施設の基本設計等を実施するにあたり,住民・施 考え方をまとめた(甲9)。本件基本方針によれば,平成28年度までに本件高架下区間全体の本件整備予定施設を整備することとされている。 (イ) 練馬区は,施設の基本設計等を実施するにあたり,住民・施設利用者等の意見を聴くこととし,「関越自動車道高架下活用施設建設懇談会」(以下「本件懇談会」という。)を設置し,平成26年3月までの間,施設整備内容の検討を行った(甲9)。 オ道路占用許可申請練馬区は,平成26年7月17日,本件高架下区間につき道路占用許可申請を行うことを区長決定し,同日付けで,機構に対し,道路占用許可申請書5通(高齢者センター建設に係る申請1通,リサイクルセンター建設に係る申請1通,スポーツ関連スペース・地域交流スペース建設に係る申請1通,倉庫建設に係る申請2通。以下,これらを併せて「本件申請書」という。)をP4株式会社(以下「P4」という。)を経由して提出し(道路整備特措法8条5項),もって,機構に対し,道路整備特措法8条1項14号及び道路法32条に基づく道路許可占用許可申請(以下「本件申請」という。)をした。(甲11の1,2,甲12の1ないし5,弁論の全趣旨)カ道路占用許可機構は,本件申請を受けて,平成26年9月26日,練馬区に対し,一定の占用許可条件を付した上で,道路整備特措法8条1項14号及び道路法32条1項に基づき,道路管理者である国土交通大臣に代わって本件高架下区間につき道路占用許可処分をした(以下「本件機構処分」という。)。 (甲12の1ないし5)(4) 本件事業に関する練馬区の公金支出ア本件4号請求に係る財務会計行為(ア) 練馬区がした,本件懇談会の委員に対する謝礼の支払及び本件整備予定施設に係る設計等の業務の委託に係る支出負担行為,支出命令及び支出のうち,本件4号請求 ア本件4号請求に係る財務会計行為(ア) 練馬区がした,本件懇談会の委員に対する謝礼の支払及び本件整備予定施設に係る設計等の業務の委託に係る支出負担行為,支出命令及び支出のうち,本件4号請求に関するもの(以下,順に「本件各支出負担行為」,「本件各支出命令」及び「本件各支出」といい,これらを併せて「本件各財務会計行為」という。)について,その支出負担行為の決定日(決定権者),支出命令日及び支出執行日は,別紙4記載のとおりである。(乙2ないし27,弁論の全趣旨)(イ) ただし,別紙4の「本件4号請求に係る平成25年度の財務会計行為」に係る支出のうち,①につき,平成25年9月4日に1000円,②につき,同年10月22日に2000円,③につき,同年11月19日に1000円,④及び⑤につき,同月21日に2000円,⑦につき,平成26年1月31日に3000円,⑧につき,同年3月25日に6000円が,それぞれ戻入精算(①ないし⑧の合計1万5000円)された(乙28ないし33,弁論の全趣旨)。 イ上記アの財務会計行為を行う権限を有する者等(ア) 本件各支出負担行為本件各支出負担行為のうち,平成25年度の①ないし⑧につき,主管課長が,平成26年度の①につき,主管部長が,練馬区事案決定規程に基づきそれぞれ専決し,その余については,区長が決定した。(乙1,弁論の全趣旨)(イ) 本件各支出命令本件各支出命令を行う権限を有するのは,いずれも区長から委任を受けた主管課長である(地方自治法232条の4第1項,練馬区予算事務規則26条)。(乙1,弁論の全趣旨)(ウ) 本件各支出本件各支出を行う権限を有するのは,いずれも会計管理者である(地方自治法170条2項1号)。 ウ本件4号請求の内容原告らは,本件各財務会計行為の 1,弁論の全趣旨)(ウ) 本件各支出本件各支出を行う権限を有するのは,いずれも会計管理者である(地方自治法170条2項1号)。 ウ本件4号請求の内容原告らは,本件各財務会計行為のうち,次のものを対象として本件4号請求をしている。 (ア) 相手方をP1(区長)とする請求別紙4の「本件4号請求に係る平成26年度の財務会計行為」のうち,P1が区長に就任した平成26年4月20日(前提事実(1)(ア))以降に行った②及び③に係る本件各支出負担行為(支出額合計2350万円)(イ) 相手方をP2(副区長)とする請求別紙4の「本件4号請求に係る平成26年度の財務会計行為」のうち,P2が副区長に就任した平成26年6月20日(前提事実(1)(イ))以降に行った②及び③に係る本件各財務会計行為の是正を行わなかったこと(支出額合計2350万円)(ウ) 相手方をP3(会計管理者)とする請求P3が会計管理者の職にある期間中(前提事実(1)(ウ))に行った別紙4の全ての本件各支出(支出額合計から上記ア(イ)の戻入精算された1万5000円を控除した残りである5369万7000円)(5) 住民監査請求(甲10)ア原告らは,平成26年8月26日,本件事業が原告らを含む周辺住民の人格権を侵害し,道路占用許可基準を満たさないなど著しく妥当性を欠き,重大な違法性を有する旨主張して,本件事業に基づく公金の支出に関し,平成25年度の支出については支出相当額の損害の賠償を区長,副区長及び会計管理者に求めるなどの措置,平成26年度の支出のうち既履行分については支出相当額の損害の賠償を区長,副区長及び会計管理者に求め,未履行分については支出を差し止めるなどの措置を求める住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)をした。 イこれを受 履行分については支出相当額の損害の賠償を区長,副区長及び会計管理者に求め,未履行分については支出を差し止めるなどの措置を求める住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)をした。 イこれを受けて,練馬区監査委員は,平成26年10月,本件事業は,原告らを含む周辺住民の人格権を侵害するとはいえず,道路占用許可基準を満たしていないともいえないから,本件事業に関する公金の支出が違法又は不当とは認められないとして,本件監査請求を棄却する判断をし,同月21日,原告らに対し,その旨通知した。(甲10,弁論の全趣旨)(6) 本訴提起原告らは,平成26年11月17日,本件訴えを提起した。(当裁判所に顕著な事実) 4 主な争点(1) 本案前の争点副区長P2を相手方とする本件4号請求の訴えの適法性(争点1)(2) 本案の争点本件事業の前提となる本件機構処分を得るためにされた本件申請が道路占用許可に関する道路法33条1項等に違反すること,本件事業が周辺住民の人格権を侵害するものであること,本件事業が不適切な環境影響調査に依拠しているという瑕疵があることにより,本件各財務会計行為及び本件事業に係る将来の財務会計行為(以下「本件各財務会計行為等」という。)が違法であるといえるか否かであり,具体的には,以下の点が争われている。 ア道路法33条1項等の違反の有無(ア) 道路法32条1項7号不該当(争点2)(イ) 無余地性の基準違反(争点3)(ウ) 通達の定める道路占用許可基準違反(a) 19号通達許可基準(2)(ア)違反(争点4)(b) 19号通達許可基準(2)(イ)違反(争点5)(c) 19号通達許可基準(2)(カ)違反(争点6)(d) 19号通達許可基準(2)(キ)違反(争点7)(e) 17号通達留意事項 )(b) 19号通達許可基準(2)(イ)違反(争点5)(c) 19号通達許可基準(2)(カ)違反(争点6)(d) 19号通達許可基準(2)(キ)違反(争点7)(e) 17号通達留意事項(1)違反(争点8)(エ) 安全性の原則違反(争点9)イ周辺住民の人格権の侵害の有無(ア) 関越自動車道の経年劣化のリスク等(争点10)(イ) 首都直下地震の発生時における高度の危険性(争点11)ウ環境影響調査の瑕疵の有無(争点12)第3 争点に対する当事者の主張 1 争点1(副区長P2を相手方とする本件4号請求の訴えの適法性)について(原告らの主張)(1) 副区長P2は「怠る事実に係る相手方」に該当すること副区長であるP2の担任事項は,「1 企画部,区民部,産業経済部,地域文化部,福祉部,健康部及び練馬区保健所に関すること。2 災害対策およびまちづくりに関すること。」であるところ,本件事業で建設が予定されている高齢者センターは「福祉部」に関わり,本件事業自体が「まちづくり」に関わるものであるから,P2には,その副区長という職責に鑑みても,本件事業に関する本件各財務会計行為について,その権限の範囲内でアドバイスを行い,是正権限を行使する義務がある。そこで,本件支出負担行為について必要な是正措置を行わなかったP2の行為は,練馬区に対する不法行為に当たり,P2は,「怠る事実に係る相手方」に該当する。 (2) したがって,P2を相手方とする本件4号請求に係る訴えは,適法である。 (被告の主張)(1) 仮に本件各支出命令又は本件各支出に何らかの違法があったとしても,副区長であるP2はその本来的権限者でもなければ実際の権限を有しているわけでもなく,原則として,当該行為について是正措置を行わなかったことが練馬区に対 又は本件各支出に何らかの違法があったとしても,副区長であるP2はその本来的権限者でもなければ実際の権限を有しているわけでもなく,原則として,当該行為について是正措置を行わなかったことが練馬区に対する不法行為を構成することはないから,そもそも「怠る事実」は存在しない。 (2) そうすると,副区長であるP2は,怠る事実の相手方に該当することもないから,相手方を副区長であるP2とする本件4号請求に係る訴えは,「怠る事実に係る相手方」に対する損害賠償又は不当利得返還の請求をすることを執行機関に求める請求とはいえず,不適法である。 2 争点2(道路法32条1項7号不該当)について(原告らの主張)(1) 本件整備予定施設は道路占用許可の対象施設に当たらないことア高架下において道路占用許可を受けることができるのは,「…高架の道路の路面下に設ける事務所,店舗,倉庫,住宅,自動車駐車場,自転車駐車場,広場,公園,運動場その他これらに類する施設」とされている(道路法33条1項,同法32条1項7号及び道路法施行令7条9号)ところ,道路法32条1項各号は,道路占用許可の対象を限定列挙する趣旨であると解されるから,上記の「その他これらに類する施設」(道路法施行令7条9号)については,同号に掲げる他の物件に準じるものに限定して厳格に文言解釈されるべきである。 イこの点,本件整備予定施設のうち,特に高齢者センターについては,道路法施行令7条9号で掲げられている「事務所,店舗,倉庫,住宅,自動車駐車場,自転車駐車場,広場,公園,運動場」のいずれにも明らかに該当せず,また,高齢者センターのように類型的な社会的弱者が通う施設について「その他これらに類する施設」に該当すると解釈することは,法解釈の限界を超えており,許されないというべきである。 (2) 該当せず,また,高齢者センターのように類型的な社会的弱者が通う施設について「その他これらに類する施設」に該当すると解釈することは,法解釈の限界を超えており,許されないというべきである。 (2) したがって,本件申請又は本件機構処分(以下「本件申請等」という。)は,道路法33条1項,同法32条1項7号及び道路法施行令7条9号の占用許可基準を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 本件事業に係る道路占用許可について,その適法・違法を判断するのは一義的には許可権者である機構であり,機構により占用許可がなされている以上,同占用許可は道路占用許可基準に反するものではないと考えられる。なお,原告らが本件申請等につき違法と主張する点に関する被告としての見解は以下のとおりである(争点9までについて同じ。)。 (2) 本件整備予定施設は道路占用許可の対象施設に当たることア本件整備予定施設は,いずれも道路法施行令7条9号で掲げられている「事務所,店舗,倉庫,住宅,自動車駐車場,自転車駐車場,広場,公園,運動場」に該当する。すなわち,高齢者センター及びリサイクルセンターは「事務所・駐車場」,倉庫は「倉庫・駐車場」,スポーツ関連スペース及び地域交流スペースは「広場・運動場・事務所・駐車場」にそれぞれ該当し,高架下の道路占用許可を受けることのできる施設に当たる。 イ高齢者センターについては,老人福祉法20条の7の「老人福祉センター」に当たるところ,老人福祉センターは,「無料又は低額な料金で,老人に関する各種の相談に応ずるとともに,老人に対して,健康の増進,教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的と たるところ,老人福祉センターは,「無料又は低額な料金で,老人に関する各種の相談に応ずるとともに,老人に対して,健康の増進,教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設」とされており,このような老人福祉センターの機能からすれば,本件事業で整備が予定されている高齢者センターは,道路法施行令7条9号の「事務所」ないし「これらに類する施設」に該当する(駐車場部分は「自動車駐車場」に該当する。)というべきである。(先行事例として,中央自動車道の高架下に,高齢者の憩いと余暇活動の場とされている世田谷区立北烏山東敬老会館が昭和54年に設置された例がある。)(3) したがって,本件申請は,道路法施行令7条9号の基準に違反するものではない。 3 争点3(無余地性の基準違反)について(原告らの主張)(1) 無余地性の基準を満たさないことア道路占用許可は,「道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないもの」である場合(無余地性の基準)に限り,与えることができると定められている(道路法33条1項)。 イこの点,練馬区が,本件高架下区間の近隣地において本件事業と同一の目的を達成できる他の用地を探した形跡はないところ,本件高架下区間の近くには,練馬区の区有地(同区λ×-1,以下「本件区有地1」という。)が存在するほか,練馬区は,平成26年度に本件高架下区間の近くに民間経営のための土地(同区μ×-9,以下「本件区有地2」という。)を購入してもいるのであり,これらのことからすると,余地があるというべきである。 ウまた,練馬区は,本件申請書において,民有地の獲得に多額の経費を要し,厳しい練馬区の財政事情で新たな用地の取得が極めて困難である旨を理由として挙げているが,無余地性の基準は,客観的に判断されるべきで また,練馬区は,本件申請書において,民有地の獲得に多額の経費を要し,厳しい練馬区の財政事情で新たな用地の取得が極めて困難である旨を理由として挙げているが,無余地性の基準は,客観的に判断されるべきであって,一般に,申請者の経理内容等,申請者の個人的事情まで考慮する必要はないと解されていることからすれば,練馬区が挙げる上記の理由は,無余地性の基準の判断において考慮されるべきものとはいえない。 エ被告は,高齢者センターの延床面積を1200㎡とするとの結論ありきで余地がないと主張しているにすぎず,最少の経費で最大の効果を挙げるようにしなければならない義務(地方自治法2条14項)に反している。 オなお,道路法33条1項の無余地性の基準は,道路法等の一部を改正する法律(平成26年法律第53号)により,これを緩和する改正がされているが,本件機構処分時点で同改正後の規定は施行されていなかったため,同改正前の無余地性の基準を厳格に適用すべきである。 (2) したがって,本件申請等は,道路法33条1項の無余地性の基準を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 無余地性の基準を満たすことア原告らが指摘する本件区有地1(練馬区λ×-1)は,ν出張所,ν敬老館及びν地域集会所として活用中の敷地面積899.71㎡の土地であるところ,本件整備予定施設の敷地面積は,高齢者センターが4047. 85㎡,リサイクルセンターが4134.14㎡,スポーツ関連スペース及び地域交流スペースが6128.96㎡,倉庫が5035.04㎡をそれぞれ予定しており,原告らが適地として主張する本件区有地1では同等の敷地面積を確保することができない。また,本件区有地 連スペース及び地域交流スペースが6128.96㎡,倉庫が5035.04㎡をそれぞれ予定しており,原告らが適地として主張する本件区有地1では同等の敷地面積を確保することができない。また,本件区有地1に設置しているξ敬老館は,床延面積が264.30㎡であり,併設の出張所及び地域集会所を併せても861.73㎡であることから,既存建物の改築等を行ったとしても,必要な機能を備えた高齢者センターを設置することはできない。(なお,本件区有地1と練馬区の他の高齢者センターとを比較すると,π及びσは,床延面積がいずれも1200㎡以上となっており,τは,床延面積が1200㎡未満であるが,手狭で混雑しており,利用者から狭いという意見が寄せられている。)イまた,原告らが指摘する本件区有地2(練馬区μ×-9)は,練馬区が地域医療に関する施策のために当該場所を必要として購入した敷地面積988.1㎡の土地であり,これを有償で事業者に貸し付けることになっており,他の用途に使用することはできないものである。 ウそうすると,原告らが主張する本件区有地1及び本件区有地2が存在することをもって,余地があるということはできないところ,本件事業のためにこれらの区有地以外の民有地を新たな用地として取得することは,練馬区の厳しい財政状況を勘案すると,極めて困難といわざるを得ない。 (2) したがって,本件申請は,道路法33条1項の無余地性の基準に違反するものではない。 4 争点4(19号通達許可基準(2)(ア)違反)について(原告らの主張)(1) 19号通達許可基準が処分要件を形成すること道路法33条1項は,「…政令で定める基準に適合する場合に限り」,道路占用許可を与えることができると定めているところ,「政令で定める基準」には,19号通達許可基準(別紙2 分要件を形成すること道路法33条1項は,「…政令で定める基準に適合する場合に限り」,道路占用許可を与えることができると定めているところ,「政令で定める基準」には,19号通達許可基準(別紙2「関係法令等の定め」第8参照)が含まれ,これは道路占用許可の処分要件を形成するというべきである(以下,19号通達許可基準違反に関する争点5ないし7についても同じ。)。 (2) 19号通達許可基準(2)(ア)に違反することア 19号通達許可基準(2)(ア)は,「都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路とした場合の当該高架下の占用(公共の用に供する広場,公園,運動場であって都市の分断の防止又は空地確保に資するものを除く。)でないこと。」を道路占用許可基準とするところ,関越自動車道が盛土構造でなく高架式で建設された理由は,地域分断を避け,災害時の避難路を確保し,住宅地の通風を確保する必要があるためであった。 イすなわち,関越自動車道の前身である有料道路「東京川越道路」の新設に当たって東京都知事が日本道路公団総裁宛てに発出した「有料道路『東京川越道路』新設の協議について」(昭和41年1月8日付け40建建路収第654号の4)と題する文書(以下「昭和41年文書」という。甲15)には,「盛土構造による道路は,将来両側の沿道区域の土地利用及び発展を阻害する恐れがあるので,やむをえない場合のほか,高架構造道路とすること。」と記載されているところ,この記載を常識的に解釈すれば,本件事業が「都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路とした場合の当該高架下の占用」に当たることは明らかである。また,本件整備予定施設が,19号通達許可基準(2)(ア)が除外要件として定める「公共の用に供する広場,公園,運動場であって都市の分断の防止又は空地確保に資する の占用」に当たることは明らかである。また,本件整備予定施設が,19号通達許可基準(2)(ア)が除外要件として定める「公共の用に供する広場,公園,運動場であって都市の分断の防止又は空地確保に資するものを除く。」に該当しないことも明らかというべきである。 (3) したがって,本件申請等は,19号通達許可基準(2)(ア)を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 道路法33条1項の「政令で定める基準」に19号通達許可基準が含まれることは争う。なお,原告らが違法と主張する点に関する被告としての見解は以下のとおりである(19号通達許可基準違反に関する争点5ないし7についても同じ。)。 (2) 19号通達許可基準(2)(ア)に違反しないことア昭和41年文書は,東京都知事が日本道路公団総裁宛てに発出した文書であって,日本道路公団が関越自動車道の前身である東京川越道路を施工するに当たって高架式を選択した理由そのものが記載されたものではない。 したがって,昭和41年文書を根拠として本件事業が「都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路とした場合の当該高架下の占用」に当たるとする原告らの主張は,その前提を欠くものである。他に,関越自動車道について「都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路とした場合」に当たることを認めるに足りる証拠はない。 イ仮に関越自動車道が19号通達許可基準(2)(ア)の「都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路とした場合」に当たるとしても,本件高架下区間は,練馬区道により南北,東西ともに往来が可能であり,オープンスペースが十分確保されていることに加えて,本件事業は,現在ではフェンスにより閉 め高架の道路とした場合」に当たるとしても,本件高架下区間は,練馬区道により南北,東西ともに往来が可能であり,オープンスペースが十分確保されていることに加えて,本件事業は,現在ではフェンスにより閉鎖されている高架下空間に地域住民の交流の場を新たに創出することにより沿道地域の連続性を高め,地域の活性化に資するものといえるから,19号通達許可基準(2)(ア)の括弧書(「公共の用に供する広場,公園,運動場であって都市の分断の防止又は空地確保に資するものを除く。」)が適用されることになるというべきである。 (3) したがって,本件計画は上記の通達許可基準に抵触するものではない。 5 争点5(19号通達許可基準(2)(イ)違反)について(原告らの主張)(1) 19号通達許可基準(2)(イ)に違反することア 19号通達許可基準(2)(イ)は,「緊急の場合に備え,原則として,市街地にあっては最低約30mごと,その他の地域にあっては約50mごとに横断場所を確保しておくこと。」を道路占用許可基準とするところ,本件申請書によれば,市街地である本件高架下区間において,最低約30mごとの横断場所は確保されていない。 イすなわち,本件申請書(前提事実(3)カ)の添付資料22「横断可能場所図」(甲11の2)には,「オープンスペースを通行することにより横断可」の部分と「建物内等を通過することにより横断可能」とする部分とが図示されており,これは,建物内等を通過できることを前提として,約30mごとの横断場所を確保するとの趣旨であると考えられる。しかしながら,火事,地震等の緊急時において建物内を通過する横断方法が,避難路として機能するはずがない。 ウまた,本件事業では,プロムナード(前提事実(2)ウの歩行空間のこと)の整備が予定されているところ,本件申 ,地震等の緊急時において建物内を通過する横断方法が,避難路として機能するはずがない。 ウまた,本件事業では,プロムナード(前提事実(2)ウの歩行空間のこと)の整備が予定されているところ,本件申請書の添付資料17「警察との協議書」(甲11の2)によれば,警察から,「プロムナードから対面する既存歩道へ植栽帯をかき分けての横断が頻繁に起こり,事故が起こるようであれば,既存歩道側に柵などを設置するよう指導する。」との意見が示され,これに対し,練馬区は,「植栽帯は,1mの低木であり横断歩道のないところで横断を抑制する十分な効果があると考える。」と回答している。要するに,練馬区は,高さ1mにも及ぶ低木を設置して横断をむしろ抑制する措置をとることとしているのであり,このような「横断を抑制」するための低木をかきわけて横断するなどという方法が,緊急の場合における避難方法として現実的に機能するはずがない。 (2) したがって,本件申請等は,19号通達許可基準(2)(イ)を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 19号通達許可基準(2)(イ)に違反しないことア 19号通達許可基準(2)(イ)は,「緊急の場合に備え,原則として,市街地にあっては最低約30mごと,その他の地域にあっては約50mごとに横断場所を確保しておくこと。」とあるようにあくまで原則的な取扱いを定めたものにすぎず,状況に応じて個別具体的に判断されるべきである。 イそれを措くとしても,本件申請書においては,次のとおり緊急の場合に備え,最低約30mごとに横断場所を確保するよう設計されている。 なお,19号通達許可基準(2)(イ)は,その文言からみて平常時における 措くとしても,本件申請書においては,次のとおり緊急の場合に備え,最低約30mごとに横断場所を確保するよう設計されている。 なお,19号通達許可基準(2)(イ)は,その文言からみて平常時における横断場所の確保まで求めているとはいえない。 (ア) 地域交流スペース及び倉庫について敷地内のオープンスペース部分を通行することにより横断可能な場所が最低約30mごとに確保されている。 (イ) スポーツ関連スペースについて敷地内のオープンスペース部分については,横断可能な場所が最低約30mごとに確保されている。また,約47mにわたって防音パネルや防球ネットが連続する部分については,防音パネル等の中間部分付近に緊急時に横断が可能となる扉を設置するよう設計されている。 (ウ) 高齢者センター及びリサイクルセンターについて施設開館時には,建物内を通り抜けることにより最低約30mごとに横断することが可能である。また,施設閉館時においても,緊急時には横断が可能となる扉(ドアノブ部分にプラスチック製のカバーを付した扉であり,通行しようとする者は,カバーを破り,サムターンを回すことにより解錠することができる。)を各建物をつなぐ渡り廊下の両側面に約25mごとに設置するよう設計されている。 ウこれに対し,原告らは,練馬区が低木を設置して横断を抑制する措置をとっており,緊急時の横断方法として機能しない旨主張するが,新設する植栽帯は,高さ1mほどのつつじ等の低木を予定しており,緊急時にはかき分けることによって横断することが十分可能であるし,本件高架下区間は,現状においても高さ1.5m程度のフェンスで囲われているのであり,それとの比較において横断を著しく困難にするとは考えられない。 (2) また,練馬区は,19号通達許可基準(2)(イ)を満たすこ は,現状においても高さ1.5m程度のフェンスで囲われているのであり,それとの比較において横断を著しく困難にするとは考えられない。 (2) また,練馬区は,19号通達許可基準(2)(イ)を満たすことを前提として,機構から道路占用許可(本件機構処分)を受けているのであるから,この点に関して原告らの主張する違法が,一見して明白であったともいえない。 (3) したがって,本件事業は上記の通達許可基準に抵触するものではない。 6 争点6(19号通達許可基準(2)(カ)違反)について(原告らの主張)(1) 19号通達許可基準(2)(カ)に違反することア 19号通達許可基準(2)(カ)は,「天井は,原則として高架の道路の桁下から1.5m以上空けること。」を道路占用許可基準とするところ,その趣旨は,道路管理者が通常の目視点検等を行うことのできるスペースを確保することにある以上,安易にその例外を認めるべきでない。 仮に例外を認める余地があるとしても,高速道路の点検実施基準(以下「旧点検基準」という。)が平成27年4月1日に改正され(以下「新点検基準」という。甲30,31),それまでは検査路や足場を利用して構造物に接近又は双眼鏡にて目視にて点検する方法で近接目視するとされていたのが,肉眼により構造物の変状の状態を把握し,評価が行える距離まで接近して目視を行う方法により近接目視すると変更され,また,周辺住民への第三者被害者想定箇所に係る点検の頻度も,それまで5年に1回であったものが,5年に1回以上へと変更されたことなどに照らし,新点検基準の内容を踏まえて厳格に判断すべきである。 イ本件整備予定施設のうちリサイクルセンター及びスポーツ関連スペースにおいて,高架の道路の桁下から1.5m未満の箇所が複数存在しており,19号通達許可基準(2)( まえて厳格に判断すべきである。 イ本件整備予定施設のうちリサイクルセンター及びスポーツ関連スペースにおいて,高架の道路の桁下から1.5m未満の箇所が複数存在しており,19号通達許可基準(2)(カ)に違反しているところ,上記アに照らせば,これについて安易な例外は認められない。 ウ特にリサイクルセンターの桁下から1.5m未満の上記箇所については,設計上,渡り廊下を取り外し方式にしてメンテナンス時に桁下からの離間距離を1.5m確保することとしているが,その取り外し方法は,専門業者により土間スラブのみを残して屋根及び外壁材を取り外すというほとんど全解体に近いものであり,容易に取り外しができる設計にはなっていない上,取り外しに要する時間についても,専門業者の手配等を含めて概ね10日から2週間程度を要するものと想定されている。このような取り外し方式によって緊急時における点検,補修等をすることは不可能であるから,安全性を確保するための19号通達許可基準(2)(カ)の趣旨に反する。 (2) したがって,本件申請等は,19号通達許可基準(2)(カ)を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 19号通達許可基準(2)(カ)に違反しないことア 19号通達許可基準(2)(カ)は,「天井は,原則として高架の道路の桁下から1.5m以上空けること。」とあるようにあくまで原則的な取扱いを定めたものにすぎず,状況に応じて個別具体的に判断されるべきである。 イ 19号通達許可基準(2)(カ)の趣旨は,道路管理者が高架道路の目視点検等を行うことのできるスペースを確保することにあると解されるところ,本件整備予定施設のうち天井との離間距離が1.5m る。 イ 19号通達許可基準(2)(カ)の趣旨は,道路管理者が高架道路の目視点検等を行うことのできるスペースを確保することにあると解されるところ,本件整備予定施設のうち天井との離間距離が1.5m未満である箇所については,高架道路の点検や補修等を行うために離隔が必要となった場合,P4の指示に従って必要な離間距離を確保できるよう,取り外し式(リサイクルセンターの渡り廊下)又は可倒式(スポーツ関連スペースの防球ネット支柱)の構造とするよう設計されており,19号通達許可基準(2)(カ)に違反するとはいえない。 なお,原告らが指摘する新点検基準は,平成27年4月1日付けで旧点検基準を改正したものであり,本件申請時(平成26年7月17日)及び本件機構処分時(同年9月26日)には存在しなかったものである。 (2) したがって,本件申請は,上記の通達許可基準に抵触するとはいえない。 7 争点7(19号通達許可基準(2)(キ)違反)について(原告らの主張)(1) 19号通達許可基準(2)(キ)に違反することア 19号通達許可基準(2)(キ)は,「壁体は,原則として,高架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに,橋脚から1.5m以上空けること。」を道路占用許可基準とするところ,これについて安易に例外を認めるべきでないことは,上記6の原告らの主張(1)アのとおりである。 イ本件整備予定施設のうち,高齢者センター及びリサイクルセンターにおいて,橋脚から1.5m未満の箇所(渡り廊下)が複数存在しており,19号通達許可基準(2)(キ)に違反しているところ,上記アに照らせば,これについて安易な例外は認められない。 ウ上記の橋脚から1.5m未満の箇所については,設計上,渡り廊下を取り外し方式にしてメンテナンス時に橋脚からの離間距離を1.5 るところ,上記アに照らせば,これについて安易な例外は認められない。 ウ上記の橋脚から1.5m未満の箇所については,設計上,渡り廊下を取り外し方式にしてメンテナンス時に橋脚からの離間距離を1.5m確保することとしているが,その取り外し方法は,専門業者により土間スラブのみを残して屋根及び外壁材を取り外すというほとんど全解体に近いものであり,容易に取り外しができる設計にはなっていない上,取り外しに要する時間についても,専門業者の手配等を含めて概ね10日から2週間程度を要するものと想定されている。このような取り外し方式によっては,緊急時における点検,補修等が不可能であるから,安全性を確保するための19号通達許可基準(2)(キ)の趣旨に反する。 (2) したがって,本件申請等は,19号通達許可基準(2)(キ)を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 19号通達許可基準(2)(キ)に違反しないことア 19号通達許可基準(2)(キ)は,「壁体は,原則として,高架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに,橋脚から1.5m以上空けること。」とあるようにあくまで原則的な取扱いを定めたものにすぎず,状況に応じて個別具体的に判断されるべきである。 イ 19号通達許可基準(2)(キ)の趣旨は,道路管理者が高架道路の目視点検等を行うことのできるスペースを確保することにあると解されるところ,本件整備予定施設のうち橋脚との離間距離が1.5m未満である箇所(高齢者センター及びリサイクルセンターの渡り廊下)については,高架道路の点検や補修等により離隔が必要となった場合,P4の指示に従って必要な離間距離を確保できるよう,取り外し式の構造 未満である箇所(高齢者センター及びリサイクルセンターの渡り廊下)については,高架道路の点検や補修等により離隔が必要となった場合,P4の指示に従って必要な離間距離を確保できるよう,取り外し式の構造としており,練馬区は,これを前提として機構から道路占用許可(本件機構処分)を受けているから,19号通達許可基準(2)(キ)に違反するとはいえない。 (2) したがって,本件申請は,上記の通達許可基準に抵触するとはいえない。 8 争点8(17号通達留意事項(1)違反)について(原告らの主張)(1) 17号通達留意事項(1)に違反すること17号通達留意事項(1)は,「高架の道路は橋脚によって支えられる特殊な構造の道路であり,損壊等の事故が発生した場合に被害が甚大となることから,高架下の占用については,高架の道路の保全に支障がない場合に認められるものであること。」を道路占用許可基準とするところ,争点4ないし7における原告らの主張によれば,本件整備予定施設が「高架の道路の保全に支障がない場合」に当たらないことは明らかである。 (2) したがって,本件申請等は,17号通達留意事項(1)を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)争点2から7までの被告の主張のとおり,本件申請は上記の通達許可基準に違反するものではないから,原告らの主張はその前提を欠くもので理由がない。 9 争点9(安全性の原則違反)について(原告らの主張)(1) 安全性の原則道路法33条1項は,道路管理者は,道路占用に係る許可を与えることが「できる」と定めているところ,道路法33条1項の定める占用許可基準は,許可を与えることのできる最低基準にすぎず,許 全性の原則道路法33条1項は,道路管理者は,道路占用に係る許可を与えることが「できる」と定めているところ,道路法33条1項の定める占用許可基準は,許可を与えることのできる最低基準にすぎず,許可を与えるに当たっては,道路法施行令に規定されている基準はもちろんのこと,規定されていない事項についても,道路の構造保全及び安全かつ円滑な交通の確保の面から,慎重な審査を行うべきことが法令上求められると解すべきである。 (2) 高齢者センターについては特別の配慮が必要であること本件整備予定施設のうち,高齢者センターについては,類型的な社会的・肉体的弱者である高齢者が多数通うことが想定されており,通所する高齢者の生命,身体の安全に対する危険がとりわけ大きいことからすると,特別の安全性への配慮が必要であると解すべきである。 しかしながら,本件事業は,高架下という危険地帯において占用許可基準に違反するか,又は許可できる最低限度の安全性が形式的に確保されているにすぎない高齢者センターを整備することを内容とするものであって,「福祉のまちづくり」の観点を欠いており,安全性の原則に反する。 (3) したがって,本件申請等は,安全性の原則を満たさない違法なものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 安全性の原則について道路法上の安全性の原則は,あくまで道路の構造保全及び安全かつ円滑な交通の確保の面から,慎重な審査を行うべきという原則であって,高架下に設けられる占用物件自体の安全性の面から慎重な審査を行うべきとする原則ではないから,原告らの主張する要配慮義務の根拠となるものではない。 なお,本件整備予定施設それ自体の安全性については,当然のこと けられる占用物件自体の安全性の面から慎重な審査を行うべきとする原則ではないから,原告らの主張する要配慮義務の根拠となるものではない。 なお,本件整備予定施設それ自体の安全性については,当然のことながら,安全性の原則とは別の19号通達許可基準(2)(エ)及び(オ)の観点も踏まえ,建築基準法,消防法等,施設それ自体の安全性に係る基準を全て満たすように設計されているのであり,本件事業においてこの点が全く考慮されていないかのようにいう原告らの主張は失当である。 (2) 高齢者センターに対する特別の配慮について高齢者センターについては,本件事業の他の整備予定施設と同様に,道路占用許可基準を満たしているのであり,必要な配慮はされているというべきであるから,原告らの主張は理由がない。 10 争点10(関越自動車道の経年劣化のリスク等)について(原告らの主張)(1) 練馬区は周辺住民の人格権を侵害する本件事業をしてはならないこと本件事業が,原告らを含む周辺住民の有する生命を守り生活を維持するという人格権の根幹部分を具体的に侵害するおそれがあるときは,周辺住民は,人格権に基づいてその侵害行為の差止めを請求することができるのであり,このような場合,練馬区は,本件道路占用申請をしてはならない義務を負っている。本件事業が周辺住民の人格権を具体的に侵害するものであることは,原告らが争点2ないし9において主張したところからも明らかであるが,次のような事情によっても,周辺住民の人格権を具体的に侵害するというべきである(以下,争点11についても同じ。)。 (2) 経年劣化のリスク等があることア経年劣化によりコンクリート片が落下するなどの危険性(ア) 高速道路に経年劣化のリスクがあること高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技 (2) 経年劣化のリスク等があることア経年劣化によりコンクリート片が落下するなどの危険性(ア) 高速道路に経年劣化のリスクがあること高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会による平成26年1月22日付け「提言」(甲29の1,2・資料3)によれば,高速道路については,供用後30年以上を経過した供用延長の割合は全国で既に4割に達し,償還期間が満了する平成62年には,供用後50年以上の供用延長が約8割を占め,経年劣化のリスクの高まりが懸念されている。また,平成5年の車両制限令の規制緩和以降,車両の重量は増加傾向を辿っており,高速道路を走行する大型車の約2割が基準を上回る重量で走行している実態がみられるなど,橋梁に大きなダメージを与えており,また,冬季走行時に使用する凍結防止剤である塩化ナトリウムの使用量の増加によっても構造物の劣化を早めている。このようなことから,高速道路の鉄筋コンクリート床板や鉄筋コンクリート桁の健全度が著しく低下しており,早い段階で床板の取替えや桁の架替えが必要となるものがあると指摘されている。このような事情は,建設後約43年を経過した関越自動車道の本件高架下区間においても同様である。 (イ) 本件高架下区間について経年劣化の具体的危険があることaNPO法人P5研究員・元東京都建設局職員であるP6の意見書(以下「P6意見書」という。甲29の1,2)によれば,P4が自ら実施し作成した関越自動車道高架橋の老朽化点検結果報告書(以下「本件点検報告書」という。)を分析,評価した結果,次のbないしdのとおりの危険性が明らかになった。 b 本件高架下区間におけるコンクリート片剥落等の危険性平成19年12月以前の点検結果によれば,変状箇所は合計44か所(漏水9か所,遊離石灰20か所 いしdのとおりの危険性が明らかになった。 b 本件高架下区間におけるコンクリート片剥落等の危険性平成19年12月以前の点検結果によれば,変状箇所は合計44か所(漏水9か所,遊離石灰20か所,浮き1か所,剥離5か所,鉄筋露出2か所,剥落+鉄筋露出5か所等),判定は全てB(損傷・変状はあるが機能低下はみられず,損傷の進行状態を継続的に観察する必要がある場合),対策は全てc(経過観察)であったところ,その後の平成23年10月の点検結果によれば,変状箇所は合計305か所(この内訳は,漏水15か所,遊離石灰40か所,浮き109か所,剥離11か所,鉄筋露出70か所,剥落+鉄筋露出19か所等),判定はBが279か所,A2(速やかに補修を要しないが,機能低下がみられるとともに,概ね5年以内に補修が必要になると判断される。)が16か所であり,対策はcが279か所,b(何らかの措置)が15か所であったとされている。 そうすると,平成19年から平成23年の間に,変状箇所は44か所から305か所へ約7倍に増えているほか,判定A2の変状は0か所から16か所に増加しているのであり,このようなことからすると,平成28年までに根本的な補修をしなければ極めて危険である。 c 損傷対策及び維持修繕工事が実施されていないことP4が作成した「高速自動車国道関越自動車道新潟線における倉庫等の設置に係る道路占用許可(新規)について(報告)」と題する文書(甲29の1,2・資料7)には,「直近の詳細点検は,H23.10.18~10.26 に実施。…コンクリートの浮き・剥離,鉄筋露出が合計で30箇所確認されたが,第三者被害が想定される個所はなかった。経年劣化に伴う損傷であり,構造上の問題は発生していない。」と記載されているが,これは明らかに事実に反する。 す 離,鉄筋露出が合計で30箇所確認されたが,第三者被害が想定される個所はなかった。経年劣化に伴う損傷であり,構造上の問題は発生していない。」と記載されているが,これは明らかに事実に反する。 すなわち,平成23年10月の点検結果によれば,浮き109か所,剥離11か所,鉄筋露出70か所,剥落+鉄筋露出19か所の合計209か所であるから,上記文書に30か所と記載されているのは,明らかな事実誤認である。また,上記文書には,「コンクリートの浮きや剥離はたたき落としを,鉄筋露出は鉄筋の防錆処理を施している。」とも記載されているが,他方で,本件点検報告書の「応急対策実施年月日」及び「応急対策実施内容」欄がいずれも空白となっていることからすると,このような対策が真に行われたのかは疑わしい。仮に当該対策が行われていたとしても30か所であるはずであり,そうであるとすると,全体の7分の1についてしか対策が行われていないことになる。しかも,上記文書には,第三者被害防止を目的とする維持修繕工事について「高架下占用個所は現時点で未実施」であるとも記載されているのである。 そうすると,本件高架下区間の損傷対策は,未実施であるか仮に実施されたとしても極めて不十分なものであったといわざるを得ない。 d φトンネル天井板落下事故後の安全性基準を満たしていないこと平成24年12月2日,山梨県大月市φの中央自動車道上り線のφトンネルの東坑口から約1.7km付近でコンクリート製の天井板が約130mにわたり崩壊する事故(φトンネル天井板落下事故)が生じた。同事故後,P7各社は,「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」を立ち上げ,このような事故を二度と起こさないためにも,今一度原点にさかのぼってハード・ソフトの両面から維持管理を着実に進め 各社は,「高速道路資産の長期保全及び更新のあり方に関する技術検討委員会」を立ち上げ,このような事故を二度と起こさないためにも,今一度原点にさかのぼってハード・ソフトの両面から維持管理を着実に進めることが必要である旨の提言(甲29の1,2・資料3)及び報告書(同資料8)をとりまとめ,安全性確保を第一とする施策を行う旨宣言した。このような施策を真に実施するためには,現に床板や主桁のコンクリート片が落下し,今後もそれが現状以上に起こり得る本件高架下区間に,不特定多数人が出入りするような施設を建築するべきではない。 また,同報告書においては,高速道路の橋梁を含む構造物の大規模修繕の時期に関する報告がされているところ,これによれば,本件高架下区間は,今後そう遠くない時期にP4が大規模修繕工事を行う可能性が高い場所であると考えられ,そのような場所に不特定多数人が出入りする施設を建設することは極めて不適切である。 イ高速道路上の事故による危険性本件事業は,本件高架下区間において不特定多数の者が出入りする施設を整備するものであるところ,高架道路上で事故が発生した場合には,高架下の施設を利用する周辺住民等の生命,身体が危険に晒される高度の蓋然性があるというべきである。現に,平成26年12月6日午前零時42分頃,本件高架下区間の頭上の関越自動車道において車両事故による火災が発生し(以下「本件車両事故」という。),防音壁の破片が周辺に降り注ぐなどしており,上記の危険性は現実のものとなっている。 (3) したがって,本件申請等は,周辺住民の人格権を具体的に侵害するものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 経年劣化のリスク等ア本件高架下 体的に侵害するものであることが一見して明白であり,又は著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 経年劣化のリスク等ア本件高架下区間の経年劣化のリスクについて機構は,本件高架下区間の高架道路について,日常的な点検とともに,目視点検を年1回,叩き点検,指触点検等による詳細な全体点検を5年に1回の頻度で実施し,必要な補修を行っていること,当該高架道路に大規模な修繕工事の必要はないことをP4から確認した上で(乙35・2頁),本件機構計画(前提事実(3)ウ)を策定したものである。 また,練馬区は,P4の指示から,日常的な点検や年1回の目視点検のほか,平成27年国土交通省令4号による改正前の道路法施行規則4条の5の2(同改正後は4条の5の5)及び新点検基準により,5年に1回の頻度の詳細点検を実施している旨を確認している。 P4は,本件高架下区間における橋梁補修工事(高架橋のひび割れ等の補修やコンクリート片剥落防止対策工事等)を平成27年7月から実施しており(乙38),本件整備予定施設の開設前までに,周辺住民及び施設利用者等への第三者被害防止対策が図られる予定である。このことからすれば,原告らが指摘する変状箇所について,P4は必要な対応を行っているといえる。 イ高速道路上の事故について平成26年12月6日に発生した本件車両事故について,練馬区が,道路管理者であるP4に問い合わせたところ,本件高架下区間への落下物は確認できず,また,本件高架下区間が,関越自動車道の他の区間と比較して特に事故が多い場所ではないとのことであった(なお,このことは,「P8」において原告らから提出された№126及び128の意見に対する区の考え方として示している。甲28)。 (2) し 間と比較して特に事故が多い場所ではないとのことであった(なお,このことは,「P8」において原告らから提出された№126及び128の意見に対する区の考え方として示している。甲28)。 (2) したがって,本件申請が人格権侵害に当たるとはいえない。 11 争点11(首都直下地震の発生時における高度の危険性)について(原告らの主張)(1) 首都直下地震のリスクがあることア過去の事例について阪神淡路大震災の際,阪神高速道路において高架橋の倒壊1か所,落橋5か所など300か所以上の被害が発生した(甲19)。また,東日本大震災の際,東北新幹線について,耐震補強を完了した高架橋の一部におけるせん断破壊,高架橋柱の損傷が約90か所,橋桁のずれが2か所などの被害が多数発生したほか,茨城県の霞ヶ浦に40年以上前に架けられた鹿行橋の橋脚が崩れ落ち,大地震による直接的な死者を出した(甲18)。 イ首都直下地震による危険性について上記アの過去の事例に照らせば,首都直下地震が発生した場合,本件高架下区間における高架が崩れ落ちる危険性が高いというべきところ,首都直下地震が発生する蓋然性が高いことは,社会の共通了解となっている。 すなわち,内閣府・中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループによる「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」(甲20)によれば,首都直下地震について,「今後,次の関東地震の発生前までの期間にM(マグニチュード)7クラスの地震が複数回発生することが想定される。なお,文部科学省地震調査研究推進本部地震調査委員会(2004)によると,南関東地域でM7クラスの地震が発生する確率は30年間で70パーセントと推定されている」と指摘されており,その対策について,「首都高速道路,直轄国道及び緊急輸送ルートと 委員会(2004)によると,南関東地域でM7クラスの地震が発生する確率は30年間で70パーセントと推定されている」と指摘されており,その対策について,「首都高速道路,直轄国道及び緊急輸送ルートとして想定されている道路の橋梁は,落橋や倒壊防止等の耐震化対策を概ね完了しており,甚大な被害の発生は限定的であると想定されている」とする一方で,「鉄道や道路の被災は,…高架部の落下,…また,大きな地盤変位が生じると復旧に長期間を要することとなる」との被害想定もされている。 そうすると,M7クラスの首都直下地震が発生することにより,本件高架下区間の関越自動車道が破損,落下する危険が高く,本件高架下区間に本件整備予定施設が整備された場合には,これらを利用する周辺住民等の生命,身体等に対する高度の危険性があるというべきである。 (2) したがって,本件申請等は,周辺住民の人格権を具体的に侵害するものであり,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵がある。 (被告の主張)(1) 首都直下地震の具体的危険について機構は,本件高架下区間の高架道路について,国の技術基準である「橋,高架の道路等の技術基準」(道路橋示方書)に則って耐震補強工事が行われており,東日本大震災後の平成24年度に改訂された同基準(平成24年2月16日国土交通省都市局長通知)で想定されている地震動に対する耐震性能を有していることをP4から確認した上で(乙35・2頁),本件機構計画(前提事実(3)ウ)を策定し,その上で本件機構処分をしたものである。そうすると,機構は,首都直下地震に対する本件高架下区間の耐震性をも考慮して本件機構処分をしたものであり,このことに鑑みると,本件事業について原告らが主張するような高度の危険性があるとはいえない。 (2 ると,機構は,首都直下地震に対する本件高架下区間の耐震性をも考慮して本件機構処分をしたものであり,このことに鑑みると,本件事業について原告らが主張するような高度の危険性があるとはいえない。 (2) したがって,本件申請が人格権侵害に当たるとはいえない。 12 争点12(環境影響調査の瑕疵の有無)について(原告らの主張)(1) 本件の環境影響評価の位置付け練馬区は,平成23年の2月と8月に本件環境影響調査を実施し,その結果を環境影響報告書にとりまとめたところ,本件事業は,環境影響評価法12条1項又は東京都環境影響評価条例58条1項により義務付けられる環境影響評価の対象でないが(前提事実(3)ウ),任意の環境影響評価であっても,その方法,内容等が著しく不適切であって,そのような著しく不適切な環境影響評価に依拠して事業を進めた場合には,地方自治法138条の2が定める事務を誠実に管理し執行する義務に違反し,また,同法2条14項が定める「最大の効果」を確保するものとならないから,当該事業に基づく財務会計行為は違法というべきである。 (2) 本件環境影響調査の方法,内容等が著しく不適切であること株式会社P9代表取締役であるP10の「練馬区・関越道自動車道高架下活用事業に関する意見」と題する意見書(以下「P10意見書」という。甲35)によれば,練馬区が実施した本件環境影響調査は,次のとおり,調査地点,調査方法,予測方法等が不適切であるため現状を適切に把握できず,本件事業により将来周辺環境に与える影響を適切に予測できないものであり,その内容は著しく不適切というべきである。 ア騒音・振動の現況調査について(冬季調査関係)(ア) 調査実施時期道路交通は,一般に,土日よりも平日の交通量が多いにもかかわらず,冬季調査において, 容は著しく不適切というべきである。 ア騒音・振動の現況調査について(冬季調査関係)(ア) 調査実施時期道路交通は,一般に,土日よりも平日の交通量が多いにもかかわらず,冬季調査において,騒音,振動の現況調査が土日(平成23年2月26日(土)午前7時から翌27日(日)午前7時まで)に実施されているのは,著しく不適切である。 (イ) 調査地点a 騒音,振動の現況調査では,調査地点を正しく示すことが重要であるところ,冬季調査報告書において,上下車線の間に位置が示されており,正確な位置が示されていないのは,著しく不適切である。 b 高架道路上を走行する自動車騒音の影響は,高架構造により遮断され,高架の直下,直近より少し離れた場所の方が大きくなるから,周辺環境における騒音の影響を明らかにするためには,高架道路から少し離れた場所で測定する必要があるところ,冬季調査において,このような測定は実施されておらず,著しく不適切である。 c 騒音の環境基準(甲23)は,一般環境,道路に面する地域,幹線交通を担う道路に近接する空間(以下「幹線道路近接空間」という。)とで内容が異なるところ,冬季調査においては,幹線道路近接空間の特例基準が適用される位置(高架下)では調査が実施されているが,道路に面する地域の環境基準が適用される位置では調査が実施されておらず,著しく不適切である。 イ大気汚染の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)(ア) 調査実施時期大気汚染濃度は,季節による変化が大きいため,年間365日を連続した調査が必要であり,また,2月及び8月は,二酸化窒素濃度等が比較的低い月であるにもかかわらず,本件環境影響調査において,2月及び8月の各7日間でしか調査がされておらず,著しく不適切である。 (イ) 調査地点自動 た,2月及び8月は,二酸化窒素濃度等が比較的低い月であるにもかかわらず,本件環境影響調査において,2月及び8月の各7日間でしか調査がされておらず,著しく不適切である。 (イ) 調査地点自動車排ガスの沿道の周辺環境への影響を把握するためには,沿道で測定することが重要であるところ,本件環境影響調査においては,大気汚染物質が滞留しやすい高架の真下でしか調査が実施されておらず,著しく不適切である。 ウ通風の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)(ア) 調査実施時期風向,風速は季節による変化が大きく,年間365日を連続した調査が必要であるところ,本件環境影響調査においては,2月及び8月に各7日間でしか調査がされておらず,著しく不適切である。 (イ) 調査地点本件高架下区間の沿道の風環境は,高架道路の影響を受けるから,沿道の風向,風速は沿道で測定すべきところ,本件環境影響調査においては,高架の真下でしか調査が実施されておらず,著しく不適切である。 エ交通量の現況調査について(冬季調査関係)(ア) 調査実施時期交通量調査は,交通量が一般的な時期の平日及び休日に行い,又は平日に実施すべきところ,本件環境影響調査においては,週末でしか交通量調査が実施されておらず,著しく不適切である。 (イ) 対象道路と速度調査交通量調査には騒音,振動との関連を把握する目的もあり,その目的で交通量を把握する場合には,騒音,振動の調査と同日に自動車の走行速度の調査を行うべきところ,本件環境影響調査においては,騒音の環境基準の時間帯区分(昼は6~22時,夜は22~6時)に合わせた1時間当たりの交通量が把握されておらず,著しく不適切である。 オ風環境の影響予測について(冬季調査関係)冬季調査においては,ψ局と地上付近の 区分(昼は6~22時,夜は22~6時)に合わせた1時間当たりの交通量が把握されておらず,著しく不適切である。 オ風環境の影響予測について(冬季調査関係)冬季調査においては,ψ局と地上付近の各測定点との風速比が求められているのみであり,具体的に秒速何mの風の発生が予測されるかが示されていないのは,著しく不適切である。 カ大気汚染の影響予測について(冬季調査及び夏季調査関係)(ア) 予測モデル有風時にプルーム式,無風時にパフ式を用いる予測モデルは,環境アセスメントでは,一般的に用いられているが,地形,建物,構造物等が大気の流れに与える影響を捨象して簡易に計算するモデルであるため,現実の大気汚染の濃度を示すことができず,一般に過小評価となるが,本件環境影響調査において大気汚染の予測モデルとして有風時にプルーム式,無風時にパフ式が用いられているのは,著しく不適切である。 (イ) 時間交通量自動車排ガス予測においては,1時間毎の交通量×24時間分を用いて1時間毎,風向毎の予測計算を行い,年間の濃度を予測するところ,本件環境影響調査においては,昼間の12時間分しか交通量の現況が把握されていないのは,著しく不適切である。 (ウ) 走行速度大気汚染の予測では,実際の平均走行速度に対応する排出係数(自動車から排出される大気汚染の走行距離1km当たりの量)を用いる必要があるところ,排出係数は,走行速度が低くなるほど大きくなる。この点,平均速度は,一般に渋滞等により規制速度より低くなるから,規制速度を用いると,実際よりも小さい排出係数を用いることになって過小評価になる。本件環境影響調査において,大気汚染予測において規制速度である40km/hが用いられているのは,著しく不適切である。 (エ) 高架下の施設の影響高架下 係数を用いることになって過小評価になる。本件環境影響調査において,大気汚染予測において規制速度である40km/hが用いられているのは,著しく不適切である。 (エ) 高架下の施設の影響高架下に施設を建設すると,大気汚染濃度が高くなる可能性があるところ,本件環境影響調査においては,この点が考慮されておらず,著しく不適切である。 キ道路交通騒音予測について(冬季調査関係)(ア) 対象道路と対象音源本件整備予定施設が供用されれば,施設利用によって生じる騒音に加えて,関越自動車道本体からの騒音も周辺環境に影響を及ぼすことになるところ,冬季調査においては,一般道路の騒音しか調査されておらず,著しく不適切である。 (イ) 時間交通量道路交通騒音においては,1時間毎の交通量×昼間16時間分を用いて昼間の等価騒音レベルを,夜間8時間分を用いて夜間の等価騒音レベルを予測するところ,冬季調査においては,昼間12時間分しか交通量が把握されておらず,著しく不適切である。 (被告の主張)(1) 本件環境影響評価の位置付け本件事業は,環境影響評価法12条1項又は東京都環境影響評価条例58条1項により義務付けられる環境影響評価の対象ではないところ,練馬区が本件環境影響調査を実施した目的は,「騒音・振動・大気汚染・通風・交通量」の現状を把握するとともに,施設整備後における環境影響を把握・分析することにあり(前提事実(3)ウ),より具体的には,本件整備予定施設を設置し,屋外活動等を実施する当たり,騒音,振動等による支障があるか否かを検討するために行われたものである。すなわち,本件環境影響調査は,本件事業が環境基準に適合しているかを判断し,又は本件事業が周辺環境に与える影響を把握することを目的として行われたものではない。 そうする ために行われたものである。すなわち,本件環境影響調査は,本件事業が環境基準に適合しているかを判断し,又は本件事業が周辺環境に与える影響を把握することを目的として行われたものではない。 そうすると,本件環境影響調査が,環境影響評価法12条1項又は東京都環境影響評価条例58条1項により義務付けられる環境影響評価に類するものであることを前提として,本件環境影響調査の方法,内容等が著しく不適切であるなどとする原告らの主張は,そもそも前提が誤っていて失当である。 (2) 本件環境影響調査の方法,内容等が著しく不適切とはいえないこと本件環境影響調査の方法,内容等は,次のとおり,原告らの主張するように著しく不適切なものとはいえず,妥当である。 ア騒音・振動の現況調査について(冬季調査関係)(ア) 調査実施時期練馬区では,平成23年2月15日開催の練馬区議会企画総務委員会において,「関越自動車道の車両通行量は休日の方が多い。」,「区民施設の利用も土日の方が多い。」などの意見(乙42)を踏まえ,P4に対し,本件高架下区間上の通過車両数を確認したところ,平日より土曜日の車両数が多かったことから,冬季調査において,週末に調査を実施したものであり,妥当である。 (イ) 調査地点調査地点は,冬季調査報告書で示されている高架下の2地点であるところ,本件環境影響調査は,周辺環境に与える影響を調査したものではなく,整備後の本件整備予定施設の利用に際しての環境配慮の必要性を検討するために実施したものであるから,冬季調査において,上記のとおり調査地点を設定したことは,妥当である。 イ大気汚染の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)(ア) 調査実施時期7日間という調査期間は,全ての曜日を網羅することで曜日による傾向の差異を確認 を設定したことは,妥当である。 イ大気汚染の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)(ア) 調査実施時期7日間という調査期間は,全ての曜日を網羅することで曜日による傾向の差異を確認できるという意味で設定したものであるところ,本件環境影響調査においては,冬季及び夏季に各7日間の調査を行い,その結果と周辺の常時監視測定局4か所の結果とを比較し,測定値及び変動の傾向に大きな相違がないことが確認されており,妥当である。 (イ) 調査地点上記ア(イ)の被告の主張と同じである。 ウ通風の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)(ア) 調査実施時期7日間という調査期間は,全ての曜日を網羅することで曜日による傾向の差異を確認できるという意味で設定したものであるところ,本件環境影響調査においては,冬季及び夏季に各7日間の調査を行い,その結果と周辺の常時監視測定局であるψ局の結果とを比較し,測定値及び変動の傾向に大きな相違がないことが確認されており,妥当である。 (イ) 調査地点上記ア(イ)の被告の主張と同じである。 エ交通量の現況調査について(冬季調査関係)(ア) 調査実施時期冬季調査においては,交通量調査を平日である平成23年2月24日(木)午前7時から午後7時まで行っており,妥当である。 (イ) 対象道路と速度調査冬季調査は,周辺環境に与える影響を調査したものではなく,整備後の本件整備予定施設の利用に際しての環境配慮の必要性を検討するために実施したものであるところ,冬季調査においては,交通量調査は,騒音,振動との関連を把握するためではなく,施設利用に際して交通渋滞が生じるかどうかを把握する目的で行っているのであり,妥当である。 オ風環境の影響予測について(冬季調査関係)冬季調査に ,騒音,振動との関連を把握するためではなく,施設利用に際して交通渋滞が生じるかどうかを把握する目的で行っているのであり,妥当である。 オ風環境の影響予測について(冬季調査関係)冬季調査において評価指標として用いられた風環境評価尺度は,東京都環境影響評価技術指針(平成15年1月東京都環境局作成)にも示されている,環境影響評価における一般的な手法であるところ,これにより評価した結果,施設整備後には風環境がより穏やかになる(風の影響を受けることが少なくなる。)との評価が示されているのであり,妥当である。 カ大気汚染の影響予測について(冬季調査及び夏季調査関係)(ア) 予測モデル本件環境影響調査において用いられたプルーム式及びパフ式による評価の方法は,原告らも認めるとおり環境影響評価において一般的な評価手法の1つであり,それによることは,妥当である。 (イ) 時間交通量冬季調査においては,関越道下側道(前提事実(2)イ)の昼間の12時間の交通量を調査し,調査で得られた交通量に周辺道路における交通量の昼夜率を踏まえて時間交通量を設定しており,妥当である。 (ウ) 走行速度整備後の本件整備予定施設の利用に際し,関越道下側道における交通渋滞は発生しないと予測されているから,設定速度を規制速度とすることは妥当であり,関越自動車道本体からの汚染物質の排出は,バックグランド濃度として評価されているから,これも妥当である。 (エ) 高架下の施設の影響風向,風速の条件設定に際しては,施設整備後の風環境の予測結果を使用し,原告らが主張する点は考慮されており,妥当である。 キ道路交通騒音予測について(冬季調査関係)(ア) 対象道路と対象音源騒音の予測は,現況騒音に施設整備後の関越道下側道の交通量の増加に伴う騒音 が主張する点は考慮されており,妥当である。 キ道路交通騒音予測について(冬季調査関係)(ア) 対象道路と対象音源騒音の予測は,現況騒音に施設整備後の関越道下側道の交通量の増加に伴う騒音を付加する方法で行っており,関越自動車道本体からの騒音は,現況騒音に含まれているから,妥当である。また,整備後の本件整備予定施設からの騒音は対象としていないが,本件環境影響調査は,周辺環境に与える影響を調査したものではなく,整備後の本件整備予定施設の利用に際しての環境配慮の必要性を検討するために実施したものであり,妥当である。 (イ) 時間交通量上記カ(イ)の被告の主張と同じである。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(副区長P2を相手方とする本件4号請求の訴えの適法性)について(1) 地方自治法242条1項4号所定の「当該職員」とは,住民訴訟制度が同項所定の違法な財務会計上の行為又は怠る事実を予防又は是正しもって地方財務行政の適正な運営を確保することを目的とするものと解されることからすると,当該訴訟においてその適否が問題とされている財務会計上の行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされている者及びこれらの者から権限の委任を受けるなどして当該権限を有するに至った者を広く意味し,その反面およそそのような権限を有する地位ないし職にあると認められない者はこれに該当しないと解するのが相当である(最高裁昭和55年(行ツ)第157号同62年4月10日第二小法廷判決・民集41巻3号239頁参照)。 これを本件についてみるに,前提事実(4)イのとおり,副区長P2は,本件各財務会計行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされている者又はこれらの者から権限の委任を受けるなどして当該権限を有するに至った者に当たるとは認められないから,地方自治法 ,副区長P2は,本件各財務会計行為を行う権限を法令上本来的に有するものとされている者又はこれらの者から権限の委任を受けるなどして当該権限を有するに至った者に当たるとは認められないから,地方自治法242条1項4号所定の「当該職員」には当たらない。 (2) もっとも,原告らの主張は,副区長P2は「当該職員」には該当しないものの,本件各財務会計行為について是正権限を行使する義務を有しており,その義務に反して是正措置を行わなかったことに関して練馬区はP2に対し不法行為に基づく損害賠償請求権を有しているにもかかわらずこれを行使していないから,P2は「怠る事実に係る相手方」に該当するというものであると理解されるところ,練馬区がP2に対し原告らが主張する損害賠償請求権を行使しないという不作為自体は存在しており,P2が上記の是正権限を有しているか否か等は,上記請求権の有無に関する本案の問題というべきである。そうすると,P2は,「怠る事実に係る相手方」に該当するということができ,P2を相手方とする本件4号請求は適法というべきである。 以上と異なる被告の主張は採用できない。 2 財務会計上の行為に先行する原因行為の違法と当該財務会計上の行為の違法との関係について(争点2ないし12に共通)(1) 地方自治法242条の2第1項1号の規定に基づく差止請求は,執行機関又は職員が違法な財務会計上の行為を行うことを防止するため,事前の差止めを請求するものであるから,同号に基づいて差止めを行うことが認められるのは,差止めを求める行為に先行する原因行為に違法事由が存する場合であっても,当該原因行為を前提として当該執行機関又は職員によって行われようとしている行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である。 ま る場合であっても,当該原因行為を前提として当該執行機関又は職員によって行われようとしている行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である。 また,同項4号の規定に基づいて当該職員に損害賠償の請求をすることを求める訴訟は,財務会計上の行為を行う権限を有する当該職員に対し,職務上の義務に違反する財務会計上の行為による当該職員の個人としての損害賠償義務の履行を請求することを求めるものであるから,当該職員の財務会計上の行為をとらえて上記の規定に基づく損害賠償責任を問うことができるのは,たといこれに先行する原因行為に違法事由が存する場合であっても,当該原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である(最高裁昭和61年(行ツ)第133号平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。 (2) 本件においては,原告らは,本件財務会計行為等に先行する原因行為である本件申請等が道路法の関係規定に違反する旨の主張をしている。 しかるに,上記(1)を前提とし,かつ,本件申請についてはそれを受けて道路管理者の権限を代行する機構が既に本件機構処分をしており,同処分が現時点では取り消されずに存在していることを勘案すると,本件申請等は,仮にそれに道路法の関係規定に違反する部分があるとしても,直ちに本件財務会計行為等の違法をもたらすとはいえず,被告は,本件機構処分が無効であるか,又はそれが著しく合理性を欠き,そのためこれに予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存在する場合でない限り,同処分の有効な存在を前提とした財務会計上の措置を採ることができると解される。したがって,道路法の関係規定に係る違法事由 これに予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存在する場合でない限り,同処分の有効な存在を前提とした財務会計上の措置を採ることができると解される。したがって,道路法の関係規定に係る違法事由との関係では,上記のような場合に限り,本件財務会計行為等が財務会計法規上の義務に違反する違法なものとなるというべきである。 (3) 以下では,上記(1)及び(2)の見地から,本件財務会計行為等の違法に関する争点(争点2ないし12)について検討する。 3 争点2(道路法32条1項7号不該当)について(1) 道路法32条1項は,「道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物,物件又は施設を設け,継続して道路を使用しようとする場合においては,道路管理者の許可を受けなければならない。」と定め(柱書き),7号で「前各号に掲げるものを除く外,道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある工作物,物件又は施設で政令で定めるもの」を掲げているところ,道路法施行令7条は,「法第32条第1項第7号の政令で定める工作物,物件又は施設は,次に掲げるものとする。」と定め(柱書き),9号で「トンネルの上又は高架の道路の路面下に設ける事務所,店舗,倉庫,住宅,自動車駐車場,自転車駐車場,広場,公園,運動場その他これらに類する施設」を掲げている。そして,道路法33条1項は,「道路の占用が前条第1項各号のいずれかに該当するもの」であることを道路占用許可の処分要件の1つとして定めている。 (2) 検討道路法33条1項が,同法32条1項各号で掲げる工作物,物件又は施設に限定して道路占用許可を認めることとしたのは,道路の本来的な用法は一般交通の用に供されることにあるものの,道路の整備に伴い生活圏が形成されると,生活に関連する種々の施設を設ける場として道路を提供する必要が生ずること 可を認めることとしたのは,道路の本来的な用法は一般交通の用に供されることにあるものの,道路の整備に伴い生活圏が形成されると,生活に関連する種々の施設を設ける場として道路を提供する必要が生ずることから,それらの施設による占用を,道路の上記の本来的な用法を阻害しない範囲で認めるとの趣旨に基づくものと考えられる。また,同項7号において,同項1号から6号までに列挙された施設以外のもので,道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある工作物,物件又は施設のうち,道路占用許可の対象となる施設の指定を政令に委ねたのは,上記のような道路の提供の必要性が時代と共に変化することを考慮したものと解される。 そして,同項7号を受けて定められた道路法施行令7条9号が,「高架の道路の路面下に設ける事務所,店舗,倉庫,住宅(中略),広場,公園,運動場その他これらに類する施設」につき道路占用許可の対象とし得るとしたのは,上記の必要性を考慮する一方で,高架下の占用は,高架道路の維持管理等に支障を来すことがある点で道路の本来的な用法を阻害するおそれがあることから,占用する施設の態様や占用の用途を一定の範囲に限定して列挙したものということができるところ,上記の阻害のおそれの程度が同号に列挙された事務所等と同程度にとどまるものと認められる施設であれば,「その他これらに類する施設」に含まれると解することが相当である。 ア高齢者センター(ア) 高齢者センターは,鉄骨造り平屋建ての建築物として設けられ,「練馬区内在住の60歳以上を対象に,介護予防,健康の増進,教養の向上,レクリエーション等の事業や場所を提供する施設」であり(前提事実(2)エ(ア)),老人福祉法20条の7所定の老人福祉センター(無料又は低額な料金で,老人に関する各種の相談に応ずるとともに,老人に対して, エーション等の事業や場所を提供する施設」であり(前提事実(2)エ(ア)),老人福祉法20条の7所定の老人福祉センター(無料又は低額な料金で,老人に関する各種の相談に応ずるとともに,老人に対して,健康の増進,教養の向上及びレクリエーションのための便宜を総合的に供与することを目的とする施設)に当たる。上記のような高齢者センターの施設としての態様,用途に鑑みると,高架道路の本来的な用法を阻害するおそれの程度は,道路法施行令7条9号で列挙された事務所と同程度にとどまるものということができるから,同号の「事務所」又は「その他これらに類する施設」(駐車場部分は「自動車駐車場,自転車駐車場」)に該当すると解することは必ずしも不合理とまではいえない。 (イ) これに対し,原告らは,特に,高齢者センターのように類型的な社会的弱者が通う施設について,道路法施行令7条9号所定の「事務所」又は「その他これらに類する施設」に該当すると解釈することは,法解釈の限界を超えるものであって許されない旨主張する。 しかしながら,上記で判示した道路法施行令7条9号の趣旨に照らすと,同号は,必ずしも社会的弱者が通う施設を除外する内容のものとまではいい難い。よって,この点に関する原告らの主張は採用できない。 イリサイクルセンターリサイクルセンターは,鉄骨造り平屋建ての建築物として設けられ,「地域のリサイクル活動の普及促進や環境学習活動の中心施設として,展示,家具販売,図書貸出し,学習会やイベントの実施等の事業を行う施設であり,水防時対策拠点として,水防用品等を格納し,対策時には職員活動拠点とする道路公園管理事務所を併設する」施設である(前提事実(2)エ(イ))。 上記のようなリサイクルセンターの施設としての態様,用途に鑑みれば,高架道路の本来的な用法を阻害するお 策時には職員活動拠点とする道路公園管理事務所を併設する」施設である(前提事実(2)エ(イ))。 上記のようなリサイクルセンターの施設としての態様,用途に鑑みれば,高架道路の本来的な用法を阻害するおそれの程度が道路法施行令7条9号で列挙された事務所と同程度にとどまるものということができるから,同号の「事務所」又は「その他これらに類する施設」(駐車場部分は「自動車駐車場,自転車駐車場」)に該当すると解することは必ずしも不合理とまではいえない。 ウスポーツ関連スペース・地域交流スペーススポーツ関連スペースは,「地域住民及びスポーツ団体が気軽に利用できるフットサルコート,バスケットボールコート等のスポーツ施設」であり(前提事実(2)エ(ウ)),地域交流スペースは,「施設周辺の地域住民及び地域団体が,各種イベントや防災訓練等,多目的に活用できるスペース」である(同(2)エ(エ))ところ,これらのスペースは,上記のような施設としての態様,用途に鑑みれば,道路法施行令7条9号の「広場」,「運動場」(駐車場部分は「自動車駐車場,自転車駐車場」)に該当すると解することは必ずしも不合理とまではいえない。 エ倉庫倉庫は,「練馬区内の町会,自治会等の地域団体が所有するイベント用の機器材や各種防災用資機材を収納する」施設である(前提事実(2)エ(オ))ところ,この倉庫は,道路法施行令7条9号の「倉庫」(駐車場部分は「自動車駐車場,自転車駐車場」)に該当することが明らかである。 (3) 争点2のまとめしたがって,本件申請に基づく本件機構処分については,本件整備予定施設の道路法32条1項7号の該当性に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 4 争点3(無余地性の基準違反)について ては,本件整備予定施設の道路法32条1項7号の該当性に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 4 争点3(無余地性の基準違反)について(1) 道路法33条1項が,道路の占用が「道路の敷地外に余地がないためにやむを得ない」場合であることを道路占用許可の処分要件の1つとして定めたのは,道路の本来的な用法は道路管理者によって一般交通の用に供されることにあり(道路法2条1項参照),道路の整備に伴い生活圏が形成されると生活に関連する種々の施設を設ける場として道路を提供する必要が生ずるとはいえ,種々の施設による道路の占用は,道路本来の目的からは好ましくないことから,道路の敷地外に余地がある場合には占用を認める必要がないとの考慮に基づくものであると考えられる。同項のこのような趣旨に照らすと,上記の「道路の敷地外に余地がないためにやむを得ない」とは,諸般の事情を考慮して他に用地を獲得することが著しく困難な場合をいい,ここでいう諸般の事情には,他の用地の獲得に関する経済的な諸事情を含むと解することが相当である(以下,上記の意味において「無余地性の基準」という。)。 上記と異なる原告らの主張は採用することができない。 (2) 検討ア原告らは,本件高架下区間の近くに本件区有地1及び本件区有地2が存在するから,無余地性の基準を満たさない旨主張する。 そこで検討するに,本件整備予定施設の敷地面積は,高齢者センターが4047.85㎡,リサイクルセンターが4134.14㎡,スポーツ関連スペース及び地域交流スペースが6128.96㎡,倉庫が5035. 04㎡であるところ,本件区有地1は,敷地面積899.71㎡の土地であることが認められ(甲12の1ないし5,弁論の全趣旨),本件整備予定施設の敷 地域交流スペースが6128.96㎡,倉庫が5035. 04㎡であるところ,本件区有地1は,敷地面積899.71㎡の土地であることが認められ(甲12の1ないし5,弁論の全趣旨),本件整備予定施設の敷地面積のいずれにも大きく不足している。しかも,本件区有地1は,ν出張所,ν敬老館及びν地域集会所(延床面積合計861.73㎡,うちν敬老館は264.30㎡)として現に活用されている(弁論の全趣旨)。 また,本件区有地2は,敷地面積988.1㎡の土地であることが認められ(弁論の全趣旨),本件整備予定施設の敷地面積のいずれにも大きく足りない。しかも,本件区有地2は,練馬区が地域医療に関する施策のために当該場所を必要として購入した土地であり,これを有償で事業者に貸し付けることになっている(弁論の全趣旨)。 他方,練馬区が,本件高架下区間の近隣において,本件区有地1及び本件区有地2以外に本件高架下区間の余地となり得る土地を保有していることを認めるに足りる証拠はなく,また,練馬区が上記の余地に当たる土地を新たに取得するとした場合には,相当高額の支出を要することが推認される。 以上の点に照らすと,練馬区が,本件事業のために本件高架下区間に代わる余地を獲得することは著しく困難であり,無余地性の基準を満たすと解することは,必ずしも不合理とまではいえない。 イまた,原告らは,練馬区が高齢者センターの延床面積を1200㎡とするとの結論ありきで本件高架下区間に代わる余地がないとするのは,最少の経費で最大の効果を挙げるようにすべき義務(地方自治法2条14項)に違反する旨主張する。 この点,練馬区は,区の長期計画において区内の各地域に1か所以上の高齢者センターを設置することとしており,ι地域には未設置であること,また,既に設置している他の高齢 項)に違反する旨主張する。 この点,練馬区は,区の長期計画において区内の各地域に1か所以上の高齢者センターを設置することとしており,ι地域には未設置であること,また,既に設置している他の高齢者センターの延床面積は,2施設において1200㎡以上あり,1200㎡未満である1施設については手狭であるとの評価もあり,住民による高齢者センター利用の需要を十分に満たしていないことがうかがわれること(甲8,29の1,2・資料7,乙39,弁論の全趣旨)に照らすと,本件事業において高齢者センターを設置することとし,かつ,その延床面積を上記の1200㎡以上のものとするとの練馬区の判断は,必ずしも不合理なものではないと考えられる。 よって,この点に関する原告らの主張は,その前提において失当であり,採用することができない。 (3) 争点3のまとめしたがって,本件申請に基づく本件機構処分については,道路法33条1項の無余地性の基準に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 5 争点4(19号通達許可基準(2)(ア)違反)について(1) 19号通達許可基準及び17号通達留意事項について(争点4ないし8に共通)道路法33条1項は,「道路管理者は,道路の占用が前条第1項各号のいずれかに該当するものであって道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないものであり,かつ,同条第2項第2号から第7号までに掲げる事項について政令で定める基準に適合する場合に限り,同条第1項又は第3項の許可を与えることができる。」と定めているところ,このような文言や,上記3(2)で判示した道路法33条1項の趣旨に照らせば,上記の各要件は占用許可をすることができる最小限の要件を定めたものにすぎず,道路管理者は,これ できる。」と定めているところ,このような文言や,上記3(2)で判示した道路法33条1項の趣旨に照らせば,上記の各要件は占用許可をすることができる最小限の要件を定めたものにすぎず,道路管理者は,これらの要件を満たせば直ちに占用許可をすべきものではなく,さらに占用許可をするか否かについての裁量を有するものと解される。 しかるに,高架道路の路面下の占用については,高架道路の路面下の有効活用を推進する方針に沿って,平成17年9月9日付け5号通達,平成21年1月26日付け17号通達及び同日付け19号通達がそれぞれ発出されており(前提事実(3)ア),17号通達留意事項及び19号通達許可基準の内容は,別紙2「法令等の定め」第7及び第8のとおりであるところ,これらは,政令ではない以上,道路法33条1項にいう「政令で定める基準」とはいえないが,上記の裁量に関する裁量基準ということができ,その内容は,高架道路の路面下の占用を許可するか否かに当たり考慮すべき種々の要素を挙げるものとして,一応の合理性を有するといえる。 これに対し,原告らは,上記通達の内容が道路占用許可の処分要件を形成する旨主張するが,採用することはできない。 (2) 19号通達許可基準(2)(ア)は,「都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路とした場合の当該高架下の占用(公共の用に供する広場,公園,運動場であって都市の分断の防止又は空地確保に資するものを除く。)でないこと。」と定めている。これは,道路を高架とした目的が「都市分断の防止又は空地確保を図るため」にあるときは,当該高架下の占用を許可すると上記目的が阻害されるおそれがあることから,そのことを考慮すべきものとしたものと解される。 (3) 原告らは,昭和41年文書(甲15)を根拠として,関越自動車道の前身である東京 の占用を許可すると上記目的が阻害されるおそれがあることから,そのことを考慮すべきものとしたものと解される。 (3) 原告らは,昭和41年文書(甲15)を根拠として,関越自動車道の前身である東京川越道路が,都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路として建設されたものである旨主張する。 証拠(甲15)によれば,昭和41年文書は,東京都知事が日本道路公団総裁に宛てた昭和41年1月8日付け「有料道路『東京川越道路』新設の協議について」と題する書面であるところ,同文書には,「…沿道住民に及ぼす影響が極めて大きいので,工事の施行に際しては,下記の事項を遵守されたい。」として,「1 東京都市計画及びω都市計画を尊重するとともに,将来の市街地形成は勿論,都市計画街路等の公共施設の支障とならぬよう道路構造について,関係機関と協議すること。」,「2 都市計画ならびに市街地形成を考慮し,関係機関と協議のうえ,側道を設置すること。」,「3盛土構造による道路は,将来両側の沿道区域の土地利用及び発展を阻害する恐れがあるので,やむをえない場合のほか,高架構造道路とすること。」,「4 既存道路の整理統合等の付替をしようとするときは,関係機関と協議すること。」,「5 本有料道路の建設に平行して外郭環状線を早期に建設し,東京都内の交通混雑を緩和するよう努力すること。」,「6 以上のほか,沿道住民及び関係機関からの要望事項については,遺憾のないよう慎重に措置すること。」と記載されていることが認められる。 そうすると,昭和41年文書は,基本的には,東京都知事が日本道路公団総裁に伝えた要望事項にすぎないのであって,このことから直ちに,東京川越道路を新設した際に本件高架下区間を高架の道路としたことについての目的が「都市分断の防止又は空地確保を図るため」であ 本道路公団総裁に伝えた要望事項にすぎないのであって,このことから直ちに,東京川越道路を新設した際に本件高架下区間を高架の道路としたことについての目的が「都市分断の防止又は空地確保を図るため」であったことが明らかであるとまではいえない。 また,仮に,本件高架下区間を高架の道路とした目的が「都市分断の防止又は空地確保を図るため」であったと認められるとしても,本件高架下区間は,道路部分(南北方向に抜ける道路と東西方向に走る関越道下側道。前提事実(2)イ)を除く部分については,現状では,フェンスが設置されているため往来ができないのに対し(甲11,弁論の全趣旨),本件整備予定施設が供用された後は,各施設の敷地内のほか,オープンスペース(ひろば等)が設けられ,現状に比較して著しく往来を困難にするとはいえないことからすると,本件整備予定施設による占用は,上記の目的を実質的に阻害するものとまではいえないとの評価も可能であると考えられる(乙35・3頁)。そうすると,この点に関する本件機構処分における判断が,19号通達許可基準(2)(ア)の定める考慮要素を考慮せずにされたものとして,社会通念上著しく不合理なものとまではいえない。 (4) 争点4のまとめしたがって,本件申請に基づく本件機構処分については,19号通達許可基準(2)(ア)に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 6 争点5(19号通達許可基準(2)(イ)違反)について(1) 19号通達許可基準(2)(イ)は,「緊急の場合に備え,原則として,市街地にあっては最低約30mごと,その他の地域にあっては約50mごとに横断場所を確保しておくこと。」と定めているところ,これは,緊急時における通行の便宜を図る趣旨で設けられた規定で ,原則として,市街地にあっては最低約30mごと,その他の地域にあっては約50mごとに横断場所を確保しておくこと。」と定めているところ,これは,緊急時における通行の便宜を図る趣旨で設けられた規定であると解される。 (2) 原告らは,本件整備予定施設において最低約30mごとの横断場所が確保されていない旨主張する。 ア高齢者センター及びリサイクルセンターについて証拠(甲11の1,2,乙40)及び弁論の全趣旨によれば,高齢者センター及びリサイクルセンターは,それぞれ,側道に沿って30mを超える長さを有する建物であり,各建物の範囲内において,常に開放された状態での横断場所は設けられていないが,① 施設の開館時には,側道に向けて設けられた扉などの開放可能部分を利用して,建物内を通り抜けることにより,最低約30mごとに横断することが可能な設計とされていること,② 施設閉館時には,緊急時に横断が可能となる扉(ドアノブ部分にプラスチック製のカバーを付した扉であり,通行しようとする者は,カバーを破り,サムターンを回すことにより解錠することができる。乙40)を各建物をつなぐ渡り廊下の両側面に約25mごとに設置するよう設計されていること(以上につき,甲11の1の添付資料9(高齢者センター設計図)の平面図及び立面図,同添付資料10(リサイクルセンター設計図)の平面図及び立面図,甲11の2の添付資料22(横断可能場所図)を各参照)がそれぞれ認められる。 これに対し,原告らは,上記①及び②の設計につき,緊急時の避難路として機能するはずがない旨主張する。 この点,確かに,上記①及び②の設計による対処は,常に開放された横断場所を設ける場合と比較して,避難路としての効用が劣ることは否定し難い。しかしながら,19号通達許可基準(2)(イ)は,緊急時にお この点,確かに,上記①及び②の設計による対処は,常に開放された横断場所を設ける場合と比較して,避難路としての効用が劣ることは否定し難い。しかしながら,19号通達許可基準(2)(イ)は,緊急時における通行の便宜を図るという見地から,市街地においては原則として30mごとに横断場所を確保すべきことを定めたものであり,例外を許さない趣旨であるとは解されないところ,上記①及び②の設計による対処により,それなりに通行の便宜が図られていることに照らすと,この点に関する本件機構処分における判断が,19号通達許可基準(2)(イ)の定める考慮要素を考慮せずにされたものとして,社会通念上著しく不合理なものとまではいえない。 よって,この点に関する原告らの主張は採用できない。 イ地域交流スペース及び倉庫について証拠(甲11の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,地域交流スペース及び倉庫の敷地内には,オープンスペース部分があり,これを通行することにより横断可能な場所が最低約30mごとに確保されていること(甲11の1の添付資料11(スポーツ関連スペース・地域交流スペース設計図)の平面図(地域交流スペース),同添付資料12(倉庫-2設計図)の平面図,同添付資料13(倉庫-1設計図)の平面図,甲11の2の添付資料22(横断可能場所図)を各参照)が認められる。 ウスポーツ関連スペースについて証拠(甲11の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,① スポーツ関連スペースの敷地内には,オープンスペース部分があり,これを通行することにより横断可能な場所が最低約30mごとに確保されていること,②スポーツ関連スペースの敷地内には,約47mにわたって防音パネルや防球ネットが連続する部分があり,同部分には,防音パネル等の中間部分付近に緊急時に横断が可能となる扉が設 とに確保されていること,②スポーツ関連スペースの敷地内には,約47mにわたって防音パネルや防球ネットが連続する部分があり,同部分には,防音パネル等の中間部分付近に緊急時に横断が可能となる扉が設置されるように設計されていること(以上につき,甲11の1の添付資料11(スポーツ関連スペース・地域交流スペース設計図)の平面図(スポーツ関連スペース),甲11の2の添付資料22(横断可能場所図)を各参照)がそれぞれ認められる。 エ歩行空間(植栽帯)について原告らは,本件整備予定施設の沿道に設ける歩行空間に高さ1mの植栽帯が設置されることになっているが,そのような植栽帯をかき分けることを前提とする横断場所の確保が緊急時の避難路として機能するはずがない旨主張する。 この点,上記の植栽帯は,「高架下から車道等への飛び出し事故を防止するための安全策が十分に講じられている」ようにすべきこと(19号通達許可基準(2)(コ)参照)を考慮して設けられたことがうかがわれ,また,19号通達許可基準(2)(イ)においても,緊急時において敷地内を横断すべき場所を確保する原則を定めるものにすぎないことに照らすと,上記の植栽帯の設置に関する本件機構処分における判断が,19号通達許可基準(2)(イ)の定める考慮要素を考慮せずにされたものとして,社会通念上著しく不合理なものとまではいえない。 よって,この点に関する原告らの主張は採用できない。 (3) 争点5のまとめしたがって,本件申請に基づく本件機構処分については,19号通達許可基準(2)(イ)に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 7 争点6(19号通達許可基準(2)(カ)違反)について(1) 19号通達許可基準(2)(カ)は,「天 く合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 7 争点6(19号通達許可基準(2)(カ)違反)について(1) 19号通達許可基準(2)(カ)は,「天井は,原則として高架の道路の桁下から1.5m以上空けること。」と定めているところ,これは,道路管理者が,道路構造物の目視点検等を行えるような空間を確保し,点検,管理等に支障が生ずるおそれがないようにする趣旨で設けられた規定であると解される(乙34)。 (2) 原告らは,本件整備予定施設のうちリサイクルセンター,スポーツ関連スペース及び地域交流スペースにおいて,天井が高架の道路の桁下から1.5m未満の箇所が複数存在し,19号通達許可基準(2)(カ)に違反している旨主張する。 ア証拠(甲11の1)及び弁論の全趣旨によれば,① リサイクルセンターについては,建物間をつなぐ渡り廊下部分について,設計上,高架の道路の桁下から1.5m未満の箇所が複数あること(甲11の1の添付資料10(リサイクルセンター設計図)の断面図,渡り廊下イメージ図各参照),② スポーツ関連スペースについては,防球ネット用ポール並びにポール間のワイヤー及びネットについて,設計上,高架の道路の桁下から1.5m未満の箇所が複数あること(同添付資料11(スポーツ関連スペース・地域交流スペース設計図)の立面図(スポーツ関連スペース),断面図(同)参照)がそれぞれ認められる。 イもっとも,証拠(甲11の1)及び弁論の全趣旨によれば,① リサイクルセンターの上記箇所については,渡り廊下は取り外し可能な構造とし,P4の指示に従い取り外すことにより,桁下からの離隔距離1.5mを確保することとされていること(同添付資料10(リサイクルセンター設計図)の渡り廊下イメージ図参照),② スポー 外し可能な構造とし,P4の指示に従い取り外すことにより,桁下からの離隔距離1.5mを確保することとされていること(同添付資料10(リサイクルセンター設計図)の渡り廊下イメージ図参照),② スポーツ関連スペースの上記箇所については,防球ネット用ポールは,上部を折り畳むことのできる構造(可倒式)となっており,折り畳むことにより桁下からの離隔距離1.5mを確保できること(同添付資料11(スポーツ関連スペース・地域交流スペース設計図)のスポーツ関連スペース防球ネット支柱検討図参照)がそれぞれ認められる。 そして,19号通達許可基準(2)(カ)は,上記(1)のとおり,道路構造物の点検,管理等に支障が生ずるおそれがないようにするために設けられたものであり,その文言にも「原則として」とあって,高架の道路の桁下から1.5m未満の箇所が生じることをおよそ許さない趣旨とは解されないところ,高架の道路の桁下から1.5m未満となっている上記の箇所については,上記のとおり,いずれも道路管理者が必要に応じ目視点検等を行い得る措置が講じられていることを勘案すれば,この点に関する本件機構処分における判断が,19号通達許可基準(2)(カ)の定める考慮要素を考慮せずにされたものとして,社会通念上著しく不合理なものとまではいえない。 ウ原告らは,リサイクルセンターの上記箇所について,渡り廊下を取り外し可能な構造とするのみでは,緊急時における点検,補修等が不可能であり,19号通達許可基準(2)(カ)の趣旨に反する旨主張する。 この点,証拠(甲11の1)及び弁論の全趣旨によれば,設計上,原則として,渡り廊下の取り外しは,専門業者が行うものとされ,その取り外しに要する時間は,1か所当たり作業として3日,専門業者の手配・準備等を含め,概ね10日から2週間程度を要 旨によれば,設計上,原則として,渡り廊下の取り外しは,専門業者が行うものとされ,その取り外しに要する時間は,1か所当たり作業として3日,専門業者の手配・準備等を含め,概ね10日から2週間程度を要すると想定するとされていることが認められ(甲11の1の添付資料10(リサイクルセンター設計図)の渡り廊下イメージ図参照),このことからすると,当該渡り廊下がない場合と比較して,点検,補修等に着手するまでに一定の時間を要することは否めないところである。 しかしながら,上記の想定は,通常の点検を念頭においたものであって,緊急の点検等を要する場合には,その緊急性に応じた措置を行うことになるものと考えられるところ,上記箇所の渡り廊下の存在がそのような措置を不可能ならしめるものであることを認めるに足りる証拠もないから,渡り廊下を取り外し可能な構造としていることをもって,19号通達許可基準(2)(カ)の定める考慮要素を考慮せずにされた社会通念上著しく不合理なものとまではいえない。よって,この点に関する原告らの主張は採用できない。 また,原告らは,平成27年4月1日に改正された高速道路の点検実施基準(新点検基準)において,肉眼による目視点検が要求され,第三者被害想定箇所における点検の頻度も,5年に1回であったものが5年に1回以上へと変更されたとして,19号通達許可基準(2)(カ)の原則的取扱いに対する例外を厳格に判断すべきである旨主張する。 しかしながら,上記箇所につき,本件機構処分後に改正された新点検基準に従って,適時に渡り廊下を取り外す措置を講じた上で,点検を実施することが不可能であることを認めるに足りる証拠はない。そうすると,原告らの上記主張は,上記イの判断を左右するものではなく,採用の限りではない。 (3) 争点6のまとめした 上で,点検を実施することが不可能であることを認めるに足りる証拠はない。そうすると,原告らの上記主張は,上記イの判断を左右するものではなく,採用の限りではない。 (3) 争点6のまとめしたがって,本件申請に基づく本件機構処分については,19号通達許可基準(2)(カ)に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 8 争点7(19号通達許可基準(2)(キ)違反)について(1) 19号通達許可基準(2)(キ)は,「壁体は,原則として,高架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに,橋脚から1.5m以上空けること。」と定めているところ,これは,道路管理者が,道路構造物の目視点検等を行えるような空間を確保し,点検,管理等に支障が生ずるおそれがないようにする趣旨で設けられた規定であると解される。 (2) 原告らは,本件整備予定施設のうち高齢者センター及びリサイクルセンターにおいて,橋脚からの距離が1.5m未満の箇所が複数存在し,19号通達許可基準(2)(キ)に違反している旨主張する。 ア証拠(甲11の1)及び弁論の全趣旨によれば,① 高齢者センターについては,建物間をつなぐ渡り廊下部分について,設計上,橋脚から1. 5m未満の箇所が複数あること(甲11の1の添付資料9(高齢者センター設計図)の平面図,渡り廊下イメージ図各参照),② リサイクルセンターについては,建物間をつなぐ渡り廊下部分について,設計上,橋脚から1.5m未満の箇所が複数あること(同添付資料10(リサイクルセンター設計図)の平面図,渡り廊下イメージ図各参照)がそれぞれ認められる。 イもっとも,証拠(甲11の1)及び弁論の全趣旨によれば,① 高齢者センターの上記箇所については,渡り廊下は取り外し可能な構造と 計図)の平面図,渡り廊下イメージ図各参照)がそれぞれ認められる。 イもっとも,証拠(甲11の1)及び弁論の全趣旨によれば,① 高齢者センターの上記箇所については,渡り廊下は取り外し可能な構造とし,P4の指示に従い取り外すことにより,橋脚からの離隔距離1.5mを確保することとされていること(同添付資料9(高齢者センター設計図)の渡り廊下イメージ図参照),② リサイクルセンターの上記箇所については,渡り廊下は取り外し可能な構造とし,P4の指示に従い取り外すことにより,橋脚からの離隔距離1.5mを確保することとされていること(同添付資料10(リサイクルセンター設計図)の渡り廊下イメージ図参照)がそれぞれ認められる。そうすると,橋脚から1.5m未満となっている上記の箇所については,いずれも道路管理者が必要に応じ目視点検等を行い得る措置が講じられていると認められる。 そして,19号通達許可基準(2)(キ)は,上記(1)のとおり,道路構造物の点検,管理等に支障が生ずるおそれがないようにするために設けられたものであり,その文言にも「原則として」とあって,壁体が橋脚から1. 5m未満の箇所が生じることをおよそ許さない趣旨とは解されないところ,橋脚から1.5m未満となっている上記の箇所については,上記のとおり,いずれも道路管理者が必要に応じ目視点検等を行い得る措置が講じられていることを勘案すれば,この点に関する本件機構処分における判断が,19号通達許可基準(2)(キ)の定める考慮要素を考慮せずにされたものとして,社会通念上著しく不合理なものとまではいえない。 ウ原告らは,高齢者センター及びリサイクルセンターの上記箇所について,渡り廊下を取り外し可能な構造とするのみでは,緊急時における点検,補修等が不可能であり,19号通達許可基準(2)(カ えない。 ウ原告らは,高齢者センター及びリサイクルセンターの上記箇所について,渡り廊下を取り外し可能な構造とするのみでは,緊急時における点検,補修等が不可能であり,19号通達許可基準(2)(カ)(キ)の趣旨に反する旨主張するが,上記7(争点6)(2)ウのとおり採用できない。 また,原告らは,平成27年4月1日に改正された高速道路の点検実施基準(新点検基準)において,肉眼による目視点検が要求され,第三者被害想定箇所における点検の頻度も,5年に1回であったものが5年に1回以上へと変更されたとして,19号通達許可基準(2)(キ)の原則的取扱いに対する例外を厳格に判断すべきである旨主張するが,上記7(争点6)(2)ウのとおり採用できない。 (3) 争点7のまとめしたがって,本件申請に基づく本件機構処分については,19号通達許可基準(2)(キ)に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 9 争点8(17号通達留意事項(1)違反)について17号通達留意事項(1)は,「高架の道路は橋脚によって支えられる特殊な構造の道路であり,損壊等の事故が発生した場合に被害が甚大となることから,高架下の占用については,高架の道路の保全に支障がない場合に認められるものであること。」と定めているところ,原告らは,争点4ないし7に関して原告らが主張したところによれば,これには当たらない旨主張する。 しかしながら,争点4ないし7に関する原告らの主張がいずれも採用できないものであることは前示のとおりであり,他に,本件について17号通達留意事項(1)に違反することが明らかであると認めるに足りる証拠はない。 したがって,本件申請に基づく本件機構処分については,17号通達留意事項(1)に関し,著 あり,他に,本件について17号通達留意事項(1)に違反することが明らかであると認めるに足りる証拠はない。 したがって,本件申請に基づく本件機構処分については,17号通達留意事項(1)に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 10 争点9(安全性の原則違反)について(1) 上記5(1)で判示したとおり,道路法33条1項は,道路占用に係る許可を与えることが「できる」と定めており,道路管理者に対し,許可を与えるか否かについて一定の裁量を認めていると解されるところ,道路の占用は,道路の構造及び交通に多少なりとも支障を及ぼすものであり,その支障は最小限にとどめるべきであるとの観点からすれば,道路の構造保全や安全かつ円滑な交通を確保の面から,慎重な審査を行うことが適切であり,これらの点を阻害する占用については,道路管理者の裁量によりこれを許可しないことが許されると解される(以下,上記の意味において「安全性の原則」という。)。 (2) 原告らは,高齢者センターについて,通所する高齢者の生命,身体の安全に対する危険がとりわけ大きいことからすると,特別の安全性への配慮が必要であり,高架下という危険地帯にこれを整備することは安全性の原則に反すると主張する。 しかしながら,上記(1)で判示したとおり,道路法33条1項から導かれる安全性の原則は,道路の構造保全や安全かつ円滑な交通を確保するために,慎重な審査を行うことを求めることを内容とするものであって,占用する施設の利用者等の生命,身体の安全性についての配慮を求めるものとはいえず,それらの安全性は,別途検討されるべき問題であるといわざるを得ない。 (3) したがって,本件申請に基づく本件機構処分については,安全性の原則に関し,著しく合理 ついての配慮を求めるものとはいえず,それらの安全性は,別途検討されるべき問題であるといわざるを得ない。 (3) したがって,本件申請に基づく本件機構処分については,安全性の原則に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 (4) 争点9のまとめしたがって,本件申請に基づく本件機構処分については,道路法33条1項の安全性の原則に関し,著しく合理性を欠くために予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとは認められない。 11 争点10(関越自動車道の経年劣化のリスク等による周辺住民の人格権の侵害)について(1) 人格権侵害の主張について(争点10及び11に共通)本件申請に基づく本件機構処分を受けて実施される本件事業は,練馬区が行おうとしているものであるところ,本件事業が,本件高架下区間の周辺住民の人格的利益に対し,受忍限度を超える侵害をもたらす違法なものである場合には,これに関して練馬区が公金を支出することは,原則として,予算執行の適正確保の見地からしても看過し得ない瑕疵が存することになり,財務会計上の義務にも違反すると解される。 そうすると,本件事業の内容等に照らし,その実施により,本件高架下区間の周辺住民(施設利用者を含む。以下同じ。)の生命,身体等の重大な人格的利益に対し,社会通念上,受忍限度を超える危害がもたらされる具体的危険性が認められる場合には,本件事業を前提とする本件各財務会計行為等は,原則として,財務会計法規上の義務にも違反するものとなり,違法となると解すべきである。 (2) 原告らは,関越自動車道の経年劣化によりコンクリート片が落下したり,高架道路上で車両事故が発生することにより,周辺住民の生命,身体といった人格権の根幹部分が侵害され ると解すべきである。 (2) 原告らは,関越自動車道の経年劣化によりコンクリート片が落下したり,高架道路上で車両事故が発生することにより,周辺住民の生命,身体といった人格権の根幹部分が侵害される高度の危険性がある旨主張する。 (3) 検討ア関越自動車道の経年劣化について(ア) 証拠(甲29の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,本件高架下区間について,平成23年10月に点検を行った結果,① 変状箇所は合計305か所(その内訳は,漏水15か所,遊離石灰40か所,浮き109か所,剥離11か所,鉄筋露出70か所,剥落+鉄筋露出19か所,その他32か所等),② 判定はB(損傷・変状はあるが機能低下はみられず,損傷の進行状態を継続的に観察する必要がある場合)が279か所,A2(速やかに補修を要しないが,機能低下がみられるとともに,概ね5年以内に補修が必要になると判断される。)が16か所であり,③ 対策はc(経過観察)が279か所,b(何らかの措置)が15か所であったところ,P4は,本件高架下区間において,橋梁補修工事(コンクリート片剥落防止対策工及びコンクリートのひび割れ等の補修工を主体とする工事)を平成27年7月から本件高架下区間において実際に着工しており(工期は平成28年8月まで),以後,本件整備予定施設の開設までに周辺住民への第三者被害防止対策が図られる予定であることが認められる。 そうすると,本件高架下区間の上記変状箇所について,現在,道路管理者の責任において必要な補修工事が進められており,本件整備予定施設が開設予定時期である平成28年度中までに周辺住民への第三者被害防止対策が図られる予定であるといえるから,関越自動車道の経年劣化によりコンクリート片が落下して,周辺住民の生命,身体といった人格権の根幹部分が侵害される危 成28年度中までに周辺住民への第三者被害防止対策が図られる予定であるといえるから,関越自動車道の経年劣化によりコンクリート片が落下して,周辺住民の生命,身体といった人格権の根幹部分が侵害される危険性が高いとまでは認められない。 (イ) これに対し,原告らは,P6意見書に依拠し,平成23年10月の点検に係る本件点検報告書(甲29の1,2・資料1)において応急対策欄が空白となっていることや,P4が作成した「高速自動車国道関越自動車道新潟線における倉庫等の設置に係る道路占用許可(新規)について(報告)」と題する文書(同資料7)において,維持修繕工事に関し「高架下占用個所は現時点で未実施」と記載されていることからすれば,本件高架下区間の損傷対策は,未実施であるか,仮に実施されたとしても極めて不十分なものであった旨主張する。 しかしながら,「高架下占用個所は現時点で未実施」との記載等が,修繕工事を行う必要がないとの趣旨であるとは認められず,また,いずれにしても,現在,本件整備予定施設が供用されるまでの間に,周辺住民への第三者被害防止対策が図られるべく道路管理者において維持修繕工事を進めていることは前示のとおりであるから,この点に関する原告らの主張は,上記の判断を左右しない。 なお,原告らは,φトンネル天井板落下事故後の安全性基準を踏まえ,今後そう遠くない時期に本件高架下区間においても大規模修繕工事が行われる可能性が高いから,そのような場所に高齢者を含む不特定多数人が出入りする施設を建設することは極めて不適切である旨主張する。 しかしながら,前示のとおり,現在,本件整備予定施設が供用されるまでの間に周辺住民への第三者被害防止対策が図られるべく道路管理者において維持修繕工事を進めている一方,近い将来に本件高架下区間において大規模修繕 ,前示のとおり,現在,本件整備予定施設が供用されるまでの間に周辺住民への第三者被害防止対策が図られるべく道路管理者において維持修繕工事を進めている一方,近い将来に本件高架下区間において大規模修繕工事が行われる予定があることを認めるに足りる証拠はない(甲29の1,2の資料3及び8をみても,具体的な施工予定に関する記述は見当たらない)ことからすると,原告らの上記主張は,その前提において採用することができない。 イ高架道路上での車両事故について証拠(甲26,27)及び弁論の全趣旨によれば,平成26年12月6日午前零時42分頃,本件高架下区間の頭上の関越自動車道において車両事故による火災が発生し(本件車両事故),防音壁の一部が溶解し,側道に落ちたとの目撃談があることが認められる。そして,上記のような車両事故が,今後も発生するおそれがあることは否定できず,また,本件高架下区間に本件整備予定施設が設置され,人の往来が増えれば,周辺住民に危害が及ぶ可能性が増大するおそれがあることも否定できない。 しかしながら,上記のような車両事故が本件高架下区間において頻発していることや,車両事故に起因して周辺住民の生命身体に具体的な危害が及んだことがあることを認めるに足りる証拠はなく,また,本件高架下区間に本件整備予定施設が設置された場合に周辺住民に危害が及ぶ可能性が増大する程度を的確に認めるに足りる証拠もない。そうすると,上記のような車両事故が発生し,周辺住民に危害が及ぶおそれがあることをもって,直ちにその人格権が侵害される危険性が高いと評価することは困難であるといわざるを得ない。 よって,この点に関する原告らの主張は採用できない。 (4) 争点10のまとめしたがって,本件における証拠による限り,本件事業については,原告らが主張する関 難であるといわざるを得ない。 よって,この点に関する原告らの主張は採用できない。 (4) 争点10のまとめしたがって,本件における証拠による限り,本件事業については,原告らが主張する関越自動車道の経年劣化のリスク等による周辺住民の人格権の侵害を認めることはできない。 12 争点11(首都直下地震の発生時における高度の危険性)について(1) 原告らは,近い将来に発生する蓋然性が高い首都直下地震により,本件高架下区間における高架が崩れ落ちるなどして,周辺住民の生命,身体といった人格権の根幹部分が侵害される高度の危険性がある旨主張する。 (2) 検討ア内閣府・中央防災会議首都直下地震対策検討ワーキンググループが作成した「首都直下地震の被害想定と対策について(最終報告)」(甲20)によれば,今後,次の関東地震の発生前までの期間にM7クラスの地震が複数回発生することが想定されており,文部科学省地震調査研究推進本部地震調査委員会(2004)により,南関東地域でM7クラスの地震が発生する確率は30年間で70%と推定されていること,地震による被害想定として,道路については,首都高速道路,直轄国道及び緊急輸送ルートとして想定されている道路の橋梁は,落橋や倒壊防止等の耐震化対策を概ね完了しており,甚大な被害の発生は限定的であると想定されていることが認められる。 また,証拠(甲17,乙35)及び弁論の全趣旨によれば,P4は,本件高架下区間の高架道路について,国土交通省の技術基準に則って耐震補強工事を実施し,東日本大震災後の平成24年度に改訂された同基準で想定されている地震動に対する耐震性能を有しているとしていることが認められる。 以上によれば,今後,首都直下地震が発生した場合,高速道路を構成する高架道路に何らかの被害が発 改訂された同基準で想定されている地震動に対する耐震性能を有しているとしていることが認められる。 以上によれば,今後,首都直下地震が発生した場合,高速道路を構成する高架道路に何らかの被害が発生するおそれはあるとしても,全区間にわたって甚大な被害に至ることが確実であるとまではいうことができず,また,高架道路のいずれかの部分に損傷,落下の危険性があるとしても,本件高架下区間の高架道路につき,特に破損,落下する危険性が高いことが予想されることをうかがわせる証拠も見当たらない。 このように,首都直下地震の発生時における高架道路の損傷等のおそれは,特に本件高架下区間において顕著であるとまではいえず,それによる生命,身体等への危険性は,他の高架道路と同様の一般的な危険性があるにとどまるものであることを勘案すると,社会通念上,受忍限度を超え,本件整備予定施設の利用者等,周辺住民の人格権を侵害する違法なものとまではいえないと解することが相当である。 イこれに対し,原告らは,阪神淡路大震災の際に阪神高速道路において高架橋の倒壊や落橋などが生じたことや,東日本大震災の際に東北新幹線について高架橋の一部にせん断破壊などが生じたことなどを指摘する。 確かに,大地震が生じれば,関越自動車道の高架道路部分の高架部が落下する一般的な危険性が存在することを否定できないところであるが,本件高架下区間において特にその危険性が具体化することを認めるに足りる証拠はなく,その危険性は一般的なものにとどまることは上記で判示したとおりであって,原告らの上記の指摘は,上記の判断を左右するものとまではいえない。 (3) 争点11のまとめしたがって,本件における証拠による限り,本件事業については,原告らが主張する首都直下地震発生時の周辺住民の人格権の侵害を認めるこ 断を左右するものとまではいえない。 (3) 争点11のまとめしたがって,本件における証拠による限り,本件事業については,原告らが主張する首都直下地震発生時の周辺住民の人格権の侵害を認めることはできない。 13 争点12(環境影響調査の瑕疵の有無)について(1) 原告らは,練馬区が実施した本件環境影響調査は,方法,内容等が著しく不適切であり,このような環境影響調査の結果に基づいて本件事業を進めることは違法である旨主張する。 (2) 検討ア本件事業は,そもそも,環境影響評価法12条1項又は東京都環境影響評価条例58条1項により義務付けられている環境影響評価の対象でない(前提事実(3)ウ(ウ))から,仮に本件環境影響調査の方法や内容に不適切な点があるとしても,環境影響評価に関する法令に違反するとの理由で,本件事業が違法となることはないといわざるを得ない。 また,証拠(甲22,32,33,35)及び弁論の全趣旨によれば,本件環境影響調査の目的は,本件高架下区間における「騒音・振動・大気汚染・通風・交通量」の現状を把握するとともに,施設整備後における環境影響を把握することにあるとされ,本件環境影響調査においては,本件高架下区間における上記の点の現況を把握した上で,風環境,大気汚染,騒音・振動の点につき,施設整備後の環境影響を検討していることが認められるが,本件環境影響調査が任意に行われているものであることに照らすと,仮に上記の点に関する環境影響調査の方法や内容に不適切な点があるとしても,さらに進んで,本件事業による環境の悪化等が周辺住民の健康被害等をもたらす危険性があることが具体的に立証されない以上,直ちに,上記の点が地方自治法138条の2が定める事務を誠実に管理し執行する義務に違反し,又は同法2条14項所定の「最大 が周辺住民の健康被害等をもたらす危険性があることが具体的に立証されない以上,直ちに,上記の点が地方自治法138条の2が定める事務を誠実に管理し執行する義務に違反し,又は同法2条14項所定の「最大の効果」の確保に欠けることを理由として,本件各財務会計行為等が違法となるとの帰結をもたらすということは困難である。 イ以上のとおり,本件環境影響評価に関する原告らの主張は,それ自体,失当であるが,審理の経過に照らし,原告らが著しく不適切である旨主張する個別の調査項目についても検討する。 (ア) 騒音・振動の現況調査について(冬季調査関係)a 調査実施時期原告らは,冬季調査において,騒音,振動の現況調査が,平日より交通量の少ない土日(平成23年2月26日(土)午前7時から翌27日(日)午前7時まで)に実施されているのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32,乙42)及び弁論の全趣旨によれば,練馬区は,本件高架下区間に係る関越自動車道本体の車両通行量が平日より土日の方が多いとする意見を踏まえ,又はこのことをP4に確認した上で,土日に騒音,振動調査をしたものと認められるのであり,このことからすると,練馬区が土日に上記調査をしたことをもって,著しく不適切であるとはいえない。 また,上記証拠等によれば,練馬区は,区民施設の利用者が平日より土日の方が多いとの意見を踏まえて土日に上記調査をしたことが認められるところ,冬季調査の目的が上記アのとおりであることからすると,施設利用者の多い土日に調査することは適当であり,平日に調査をしていないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 b 調査地点(a) 原告らは,騒音,振動の現況調査に係る調査地点が,関越自動車道の上 多い土日に調査することは適当であり,平日に調査をしていないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 b 調査地点(a) 原告らは,騒音,振動の現況調査に係る調査地点が,関越自動車道の上下車線の間に位置が示されている(甲32の2頁の図1-1参照)ため,正確な測定地点が分からず,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32)及び弁論の全趣旨によれば,冬季調査報告書(甲32)において,騒音,振動の現況調査に係る調査地点として,関越自動車道の上下車線の間の2地点が示されているのは,その高架下の地点を意味するものと認められ,冬季調査の目的が,上記アのとおりであることからすると,上記の高架下の2地点を調査地点としたことが,著しく不適切であるとはいえない。 (b) 原告らは,高架道路上を走行する自動車の騒音の影響は,高架の直下,直近より少し離れた場所の方が大きくなるところ,冬季調査において,高架下で騒音の現況調査がされているのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,本件環境影響調査が,上記アのとおり複合的な目的を有するものであることからすると,冬季調査において,高架下の2地点において騒音の現況調査がされ(甲32),高架道路から少し離れた場所で調査がされていないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 (c) 原告らは,騒音調査が,幹線道路近接空間の特例基準が適用される位置でのみ実施されており,道路に面する地域の環境基準が適用される位置で実施されていないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,本件環境影響調査が,上記アのとおり複合的な目的を有するものであることからすると れる位置で実施されていないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,本件環境影響調査が,上記アのとおり複合的な目的を有するものであることからすると,騒音調査が,幹線道路近接空間の特例基準(甲23,32)が適用される位置(本件高架下区間に係る高架下は,これに当たる。)で実施され,道路に面する地域の環境基準(甲23,32)が適用される位置で実施されていないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 c 小括したがって,騒音,振動の現況調査が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (イ) 大気汚染の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)a 調査実施時期原告らは,本件環境影響調査において,2月(冬季)及び8月(夏季)の各7日間につき大気汚染濃度の調査をするのみで,年間365日を連続した調査を実施していないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32,33)及び弁論の全趣旨によれば,本件環境影響調査において,2月(冬季)及び8月(夏季)に各7日間の調査を行うことにより,全ての曜日を網羅することで曜日による傾向の差異を確認し,その結果と周辺の常時監視測定局4か所の結果とを比較した結果,測定値及び変動の傾向に大きな相違はないと確認されたことが認められるから,年間365日を連続した調査を実施していないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 なお,P10意見書によれば,上記の常時監視測定局4か所は,いずれも一般環境大気測定局であり,本件環境影 年間365日を連続した調査を実施していないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 なお,P10意見書によれば,上記の常時監視測定局4か所は,いずれも一般環境大気測定局であり,本件環境影響調査における高架下の調査地点は,幹線道路沿道であるため自動車排ガス測定局に相当するから,これらの幹線道路から受ける影響の程度が異なる測定地点の結果を比較することは相当でない旨の指摘がある。しかしながら,仮に本件環境影響調査における上記の測定結果の比較が,方法論として必ずしも最良ではないとしても,そのことと,本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性との間に,具体的な関連性があると認めるに足りる立証はないことからすると,この点に関するP10意見書の指摘は,上記判断を左右しない。 b 調査地点原告らは,大気汚染物質が滞留しやすい高架の真下を調査するのみで,住宅等のある沿道の周辺環境における調査を実施していないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,本件環境影響調査が,上記アのとおり複合的な目的を有するものであることからすると,本件環境影響調査において,高架下の2地点において騒音の現況調査がされ(甲32,33),住宅等のある沿道の周辺環境における調査が実施されていないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 c 小括したがって,大気汚染の現況調査が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (ウ) 通風の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)a 調査実施時期原告らは,本件環境影響 辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (ウ) 通風の現況調査について(冬季調査及び夏季調査関係)a 調査実施時期原告らは,本件環境影響調査において,2月(冬季)及び8月(夏季)の各7日間につき風向,風速の調査をするのみで,年間365日を連続した調査を実施していないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32,33)及び弁論の全趣旨によれば,本件環境影響調査において,2月(冬季)及び8月(夏季)に各7日間の調査を行うことにより,全ての曜日を網羅することで曜日による傾向の差異を確認し,その結果と周辺の常時監視測定局(ψ局)の結果とを比較した結果,測定値及び変動の傾向に大きな相違はないと確認されたことが認められるから,年間365日を連続した調査を実施していないからといって著しく不適切であるとはいえない。 b 調査地点原告らは,高架の真下を調査するのみで,高架道路の影響を受ける沿道の周辺環境を調査していないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,本件環境影響調査が,上記アのとおり複合的な目的を有するものであることからすると,本件環境影響調査において,高架下の2地点において通風の現況調査がされ(甲32,33),沿道の周辺環境における調査が実施されていないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 c 小括したがって,通風の現況調査が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (エ) 交通量の現 らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (エ) 交通量の現況調査について(冬季調査関係)a 調査実施時期原告らは,冬季調査において,交通量が一般的な時期の平日及び休日,又は平日に実施すべきであるのに,冬季調査において週末でしか交通量調査が実施されていないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32)及び弁論の全趣旨によれば,冬季調査においては,関越道下側道の交通量を平日である平成23年2月24日(木)に調査していることが認められるから,この点に関する原告らの主張は,前提を誤っており失当である。 b 対象道路と速度調査原告らは,交通量調査では,騒音,振動との関連を把握することも重要であり,その場合,走行速度の測定も影響するため,騒音調査と同日に調査を行い,騒音の環境基準の時間帯区分(昼は6~22時,夜は22~6時)に合わせた1時間当たりの交通量を把握すべきところ,冬季調査においてそれがされていないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,本件環境影響調査が上記アのとおり任意のものであることからすると,交通量調査を,施設利用に際して交通渋滞が生じるかどうかを把握する目的でのみ行ったとしても,著しく不適切であるとはいえない。 c 小括したがって,交通量の現況調査が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (オ) ある旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (オ) 風環境の影響予測について(冬季調査関係)a 原告らは,冬季調査において,ψ局と地上付近の各測定点との風速比を求めるのみで,具体的に秒速何mの風の発生が予測されるかを示していないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32)及び弁論の全趣旨によれば,冬季調査において,評価指標として用いた風環境評価尺度は,「東京都環境影響評価技術指針」(平成15年1月東京都環境局作成)にも示されている環境影響評価における一般的な手法であることが認められるから,これによることが著しく不適切であるとはいえない。 b 小括したがって,風環境の影響予測が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (カ) 大気汚染の影響予測について(冬季調査及び夏季調査関係)a 予測モデル原告らは,本件環境影響調査において大気汚染の予測モデルに用いられたプルーム式(有風時),パフ式(無風時)は,簡易な計算モデルであり一般に過小評価になるから,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32,33,35)及び弁論の全趣旨によれば,本件環境影響調査において用いられたプルーム式(有風時)及びパフ式(無風時)による評価の方法は,環境影響評価において一般的な評価手法の1つであることが認められるところ,こ 及び弁論の全趣旨によれば,本件環境影響調査において用いられたプルーム式(有風時)及びパフ式(無風時)による評価の方法は,環境影響評価において一般的な評価手法の1つであることが認められるところ,これらによることが著しく不適切であるとはいえない。 b 時間交通量原告らは,自動車排ガス予測においては,1時間毎の交通量×24時間分を用いて1時間毎,風向毎の予測計算を行い,年間の濃度を予測するところ,本件環境影響調査においては,昼間の12時間分しか交通量の現況が把握されていないのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32,33)及び弁論の全趣旨によれば,本件環境影響調査では,関越道下側道沿いの2地点(甲32の2頁の図1-1参照)において,昼間の12時間の交通量の現況を調査しており,この調査で得られた交通量に,周辺道路における交通量の昼夜率を踏まえて時間交通量を設定していることが認められるところ,この方法によることが著しく不適切であるとはいえない。 c 走行速度原告らは,本件環境影響調査の大気汚染の予測において,走行速度として規制速度(40km/h)が用いられているのは,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 この点,大気汚染の予測で用いられる排出係数(自動車から排出される大気汚染の走行距離1km当たりの量)は,走行速度が低くなるほど大きくなるところ,証拠(甲22,32,33)及び弁論の全趣旨によれば,関越道下側道について現状では混雑はみられず,また,本件整備予定施設が供用された場合においても,関越道下側道における交通渋滞は発生しないと予測されていることが認められるから,本件環境影響調査において,関越道下側道の規制速度である40km ず,また,本件整備予定施設が供用された場合においても,関越道下側道における交通渋滞は発生しないと予測されていることが認められるから,本件環境影響調査において,関越道下側道の規制速度である40km/hが用いることが著しく不適切であるとはいえない。また,関越自動車道本体からの汚染物質の排出は,バックグランド濃度として評価されていることが認められ(甲32,33),このことが著しく不適切であるとはいえない。 d 高架下の施設の影響原告らは,高架下に施設が建設されることにより,大気汚染濃度が高くなる可能性があるが,本件環境影響調査においては,この点が考慮されておらず,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32,33)及び弁論の全趣旨によれば,大気汚染の影響予測を行うに当たり,風向,風速の条件設定については,本件整備予定施設の設置後の風環境の予測結果(上記(オ))を使用していることが認められるから,原告らが主張する高架下に施設が建設されることによる影響については,実質的には考慮されており,著しく不適切であるとはいえない。 e 小括したがって,大気汚染の影響予測が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (キ) 道路交通騒音予測について(冬季調査関係)a 対象道路と対象音源原告らは,本件整備予定施設が供用されれば,施設利用によって生じる騒音に加えて,関越自動車道本体からの騒音も周辺環境に影響を及ぼすことになるところ,冬季調査においては,これらの騒音を調査せず,一般道路の騒音しか調査しておらず,著しく不適 ,施設利用によって生じる騒音に加えて,関越自動車道本体からの騒音も周辺環境に影響を及ぼすことになるところ,冬季調査においては,これらの騒音を調査せず,一般道路の騒音しか調査しておらず,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32)及び弁論の全趣旨によれば,冬季調査においては,騒音の予測は,現況騒音に本件整備予定施設が供用された後の関越道下側道の交通量の増加に伴う騒音を付加する方法で行っており,関越自動車道本体からの騒音は,上記の現況騒音に含まれていることが認められるから,考慮済みであるといえる。また,冬季調査の目的が上記アのとおりであることからすると,本件整備予定施設からの騒音が対象とされていないからといって,著しく不適切であるとはいえない。 b 時間交通量原告らは,道路交通騒音においては,1時間毎の交通量×昼間16時間分を用いて昼間の等価騒音レベルを,夜間8時間分を用いて夜間の等価騒音レベルを予測するところ,冬季調査においては,昼間12時間分しか交通量が把握されておらず,著しく不適切である旨主張し,P10意見書にもこれに沿う記載がある。 しかしながら,証拠(甲22,32)及び弁論の全趣旨によれば,冬季調査では,関越道下側道の昼間の12時間の交通量の現況を調査しており,この調査で得られた交通量に,周辺道路における交通量の昼夜率を踏まえて時間交通量を設定していることが認められるところ,この方法によることが著しく不適切であるとはいえない。 c 小括したがって,道路交通騒音予測が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的 通騒音予測が著しく不適切である旨の原告らの主張は,いずれも採用できず,他に,この点に関し,本件事業により本件高架下区間の周辺住民の健康被害や生活妨害が生じる具体的な危険性が高いと認めるに足りる的確な証拠はない。 (3) 争点12のまとめしたがって,本件環境影響評価の内容等が不適切であることを理由として本件事業が違法であると認めることはできない。 14 副区長P2を相手方とする本件4号請求の当否について以上で判示したとおり,本件各財務会計行為等について違法な点は見当たらないから,是正権限の不行使を理由とする上記の請求は,理由がない。 15 結論以上によれば,その余について判断するまでもなく,原告らの請求は理由がないからいずれも棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民訴法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官谷口豊 裁判官工藤哲郎 裁判官和久一彦 別紙2関係法令等の定め 第1 平成26年法律第53号(平成27年4月1日施行)による改正前の道路法(以下「道路法」という。)(道路の占用の許可)32条道路に次の各号のいずれかに掲げる工作物,物件又は施設を設け,継続して道路を使用しようとする場合においては,道路管理者の許可を受けなければならない。 一電柱,電線,変圧塔,郵便差出箱,公衆電話所,広告塔その他これらに類する工作物二水管,下水道管,ガス管その他これらに類する物件三鉄道,軌道その他これらに類する施設四歩廊,雪よけその他これらに類する施設五地下街,地下室,通路,浄化槽その他これらに類する施 物二水管,下水道管,ガス管その他これらに類する物件三鉄道,軌道その他これらに類する施設四歩廊,雪よけその他これらに類する施設五地下街,地下室,通路,浄化槽その他これらに類する施設六露店,商品置場その他これらに類する施設七前各号に掲げるものを除く外,道路の構造又は交通に支障を及ぼす虞のある工作物,物件又は施設で政令で定めるもの 2 前項の許可を受けようとする者は,左の各号に掲げる事項を記載した申請書を道路管理者に提出しなければならない。 一道路の占用(道路に前項各号の一に掲げる工作物,物件又は施設を設け,継続して道路を使用することをいう。以下同じ。)の目的二道路の占用の期間三道路の占用の場所四工作物,物件又は施設の構造五工事実施の方法六工事の時期七道路の復旧方法3ないし5 (略)(道路の占用の許可基準)33条道路管理者は,道路の占用が前条第1項各号のいずれかに該当するものであって道路の敷地外に余地がないためにやむを得ないものであり,かつ,同条第2項第2号から第7号までに掲げる事項について政令で定める基準に適合する場合に限り,同条第1項又は第3項の許可を与えることができる。 2 次に掲げる工作物又は施設で前項の規定に基づく政令で定める基準に適合するもののための道路の占用については,同項の規定にかかわらず,前条第1項又は第3項の許可を与えることができる。 一前条第1項第5号から第7号までに掲げる工作物,物件又は施設のうち,高速自動車国道又は第48条の4に規定する自動車専用道路の連結路附属地(これらの道路のうち,これらの道路と当該道路以外の交通の用に供する通路その他の施設とを連結する部分で国土交通省令で定める交通の用に供するものに附属する道路の区域内の土地をいう 用道路の連結路附属地(これらの道路のうち,これらの道路と当該道路以外の交通の用に供する通路その他の施設とを連結する部分で国土交通省令で定める交通の用に供するものに附属する道路の区域内の土地をいう。以下この号において同じ。)に設けられるこれらの道路の通行者の利便の増進に資する施設で,当該連結路附属地をその合理的な利用の観点から継続して使用するにふさわしいと認められるもの二前条第1項第1号,第4号又は第7号に掲げる工作物,物件又は施設のうち,並木,街灯その他道路(高速自動車国道及び第48条の4に規定する自動車専用道路を除く。以下この号において同じ。)の管理上当該道路の区域内に設けることが必要なものとして政令で定める工作物又は施設で,道路交通環境の向上を図る活動を行うことを目的とする特定非営利活動促進法(平成10年法律第7号)第2条第2項に規定する特定非営利活動法人その他の営利を目的としない法人又はこれに準ずるものとして国土交通省令で定める者が設けるもの(注)なお,道路法33条2項各号は,平成26年法律第53号(平成27年4月1日施行)により,次のとおり改正された。 「一前条第1項第5号から第7号までに掲げる工作物,物件又は施設のうち,高架の道路の路面下に設けられる工作物又は施設で,当該高架の道路の路面下の区域をその合理的な利用の観点から継続して使用するにふさわしいと認められるもの二・三 (略)」 第2 道路法施行令(道路の構造又は交通に支障を及ぼすおそれのある工作物等)7条法第32条第1項第7号の政令で定める工作物,物件又は施設は,次に掲げるものとする。 一ないし八 (略)九トンネルの上又は高架の道路の路面下に設ける事務所,店舗,倉庫,住宅,自動車駐車場,自転車駐車場,広場,公園,運動場その他これら ,物件又は施設は,次に掲げるものとする。 一ないし八 (略)九トンネルの上又は高架の道路の路面下に設ける事務所,店舗,倉庫,住宅,自動車駐車場,自転車駐車場,広場,公園,運動場その他これらに類する施設十ないし一三 (略)(一般工作物等の占用の場所に関する基準)10条法第32条第2項第3号に掲げる事項についての同条第1項各号に掲げる工作物,物件又は施設(電柱,電線,公衆電話所,水管,下水道管,ガス管,石油管,第7条第2号に掲げる工作物,同条第3号に掲げる施設,同条第6号に掲げる仮設建築物,同条第7号に掲げる施設,同条第8号に掲げる施設,同条第11号に掲げる応急仮設建築物及び同条第12号に掲げる器具を除く。以下この条において「一般工作物等」という。)に関する法第33条第1項の政令で定める基準は,次のとおりとする。 一ないし三 (略)四一般工作物等を高架の道路の路面下に設ける場合においては,高架の道路の構造の保全に支障のない場所であること。 五 (略) 第3 平成26年法律第53号(平成27年4月1日施行)による改正前の道路整備特別措置法(以下「道路整備特措法」という。)(定義)2条この法律において「道路」とは,道路法(昭和27年法律第180号)第2条第1項に規定する道路をいう。 2 この法律において「高速道路」とは,高速道路株式会社法(平成16年法律第99号)第2条第2項に規定する高速道路をいう。 3 この法律において「道路管理者」とは,高速自動車国道にあっては国土交通大臣,その他の道路にあっては道路法第18条第1項に規定する道路管理者をいう。 4 この法律において「会社」とは,P4株式会社,P11株式会社,P12株式会社,P13株式会社,P14株式会社又はP15株式会社をいう。 5・6 ( 第18条第1項に規定する道路管理者をいう。 4 この法律において「会社」とは,P4株式会社,P11株式会社,P12株式会社,P13株式会社,P14株式会社又はP15株式会社をいう。 5・6 (略) 7 この法律において「機構等」とは,独立行政法人日本高速道路保有・債務返済機構(以下「機構」という。)又は地方道路公社をいう。 (機構による道路管理者の権限の代行)8条機構は,会社が第3条第1項の許可を受けて高速道路を新設し,若しくは改築する場合又は第4条の規定により高速道路の維持,修繕及び災害復旧を行う場合においては,当該高速道路の道路管理者に代わって,その権限のうち次に掲げるものを行うものとする。 一ないし十三 (略)十四道路法第32条第1項又は第3項(中略)の規定により許可し,及び同法第32条第5項(中略)の規定により協議し,並びに同法第34条及び第87条第1項(中略)の規定により当該許可に必要な条件を付すること。 十五ないし三十三 (略) 2 機構は,前項の規定により高速自動車国道の道路管理者に代わつてその権限を行おうとする場合において,その権限が同項第1号,第3号,第14号,第15号,第23号又は第31号に掲げるもの(中略)であるときは,あらかじめ,当該道路管理者の承認を受け,かつ,これらの権限を行つたときは,遅滞なく,その旨を当該道路管理者に報告しなければならない。 3・4 (略) 16 第1項第3号,第4号,第13号,第14号,第22号,第27号,第28号及び第32号の規定により高速道路の道路管理者に代わって機構が行う許可又は承認については,機構に提出すべき申請書その他の書類は,会社を経由しなければならない。(以下略) 第4 環境影響評価法(環境影響評価の実施)12条事業者は,前条第1項の が行う許可又は承認については,機構に提出すべき申請書その他の書類は,会社を経由しなければならない。(以下略) 第4 環境影響評価法(環境影響評価の実施)12条事業者は,前条第1項の規定により選定した項目及び手法に基づいて,第2条第2項第1号イからワまでに掲げる事業の種類ごとに主務省令で定めるところにより,対象事業に係る環境影響評価を行わなければならない。 2 (略) 第5 東京都環境影響評価条例(評価書の作成)58条事業者は,前条第2項の規定による評価書案審査意見書の送付を受けたときは,第48条の規定により作成した評価書案について,当該評価書案審査意見書並びに第54条において準用する第18条第1項の意見書,第54条において準用する第19条第1項の求めに応じて提出された事業段階関係区市町村長の意見及び第56条第2項において準用する第20条第3項の規定により記録された都民の意見を聴く会の意見に基づき検討を加え,規則で定めるところにより,次に掲げる事項を記載した環境影響評価書(以下「評価書」という。)及びその概要(以下「評価書等」という。)を作成し,知事に提出しなければならない。 (以下略) 第6 平成17年9月9日国道利第5号国土交通省道路局長通達「高架道路の路面下の占用許可について」(以下「5号通達」という。甲2)高架道路の路面下の占用許可については,道路法及び道路法施行令の規定のほか,「高架道路の路面下の占用許可について」(昭和40年8月25日付け建設省道発第367号建設省道路局長通達)等により,相当の必要があって真にやむを得ないと認められる場合における占用についてのみ許可することとする「抑制の方針」として取り扱ってきたところである。 その結果,高架道路の路面下の利用形態としては,事実上, の必要があって真にやむを得ないと認められる場合における占用についてのみ許可することとする「抑制の方針」として取り扱ってきたところである。 その結果,高架道路の路面下の利用形態としては,事実上,広場,公園,駐車場等に限定されているのが実態であるが,街づくりの観点等から,高架道路の路面下も含めた賑わいの創出等が必要となるケースも生じている。 このため,高架道路の路面下の適正かつ合理的な利用を図るため,新たに別紙のとおり高架道路の路面下の占用許可の基準を策定することとしたので,下記1及び2の事項に留意の上,事務処理上遺憾のないようにされたい。 (以下略) 第7 平成21年1月26日国道利第17号国土交通省道路局長通達「高架の道路の路面下及び道路予定区域の有効活用の推進について」(以下「17号通達」という。甲3) 1 基本方針(1) 次に掲げる道路区域内の土地(以下「高架下等」という。)であって,その有効活用が可能と認められる場所に係る道路占用については,道路法及び道路法施行令の関係規定のほか,本通知によるものとする。 (ア) 高架の道路の路面下の道路のない区域の地上(以下「高架下」という。)(イ) 道路法第91条第2項に規定する道路予定区域(以下単に「道路予定区域」という。)(ウ) (ア)及び(イ)に掲げるもののほか,車両又は歩行者の通行の用に供していない道路区域内の土地(2) 高架下等の占用は,道路管理上及び土地利用計画上十分検討し,他に余地がないため必要やむを得ない場合に限って認められているものであるが,まちづくりや賑わい創出などの観点からその有効活用が必要と認められる場合には,道路管理上支障があると認められる場合を除き,当該高架下等の占用を認めて差し支えない。 (3) 高架下等の占用の許可に当たっては,公 賑わい創出などの観点からその有効活用が必要と認められる場合には,道路管理上支障があると認められる場合を除き,当該高架下等の占用を認めて差し支えない。 (3) 高架下等の占用の許可に当たっては,公共的ないし公益的な利用を優先すること。 (4) 都市計画,周辺の土地利用状況等との調和を保ちつつ,まちづくり等の観点から適正かつ合理的な土地の利用を図る必要があると認められる高架下等について,道路管理者は,必要に応じ,高架下等に係る将来的な利用計画(以下「高架下等利用計画」という。)を策定すること。高架下等利用計画を策定した場合には,これに沿って,占用許可を取り扱うこと。 (5) 高架下等利用計画の策定及び高架下等における占用許可に当たっては,道路構造や交通への支障のほか,まちづくり等の観点から,総合的に判断すること。 2 高架下等利用計画の策定(1) 道路管理者は,高架下等利用計画を策定するに当たっては,関係する他の道路管理者,地方公共団体,学識経験者等から構成される高架下等利用計画検討会を開催し,意見を聴取するものとする。 (2) 高架下等利用計画においては,高架下等の利用用途のほか,必要に応じ,占用の場所,構造,期間,占用主体等に関する事項を定めること。 (3) 高架下等利用計画は,占用の実態,道路交通の状況,周辺の土地利用状況等を踏まえ,必要に応じ,その変更又は見直しを行うものとする。 3 高架下の占用に関する留意事項(以下「17号通達留意事項」という。)(1) 高架の道路は橋脚によって支えられる特殊な構造の道路であり,損壊等の事故が発生した場合に被害が甚大となることから,高架下の占用については,高架の道路の保全に支障がない場合に認められるものであること。 (2) 高架下の占用により,道路管理者が当該占用区域内及びその近傍 故が発生した場合に被害が甚大となることから,高架下の占用については,高架の道路の保全に支障がない場合に認められるものであること。 (2) 高架下の占用により,道路管理者が当該占用区域内及びその近傍において,橋脚等の道路構造物の日常的な点検等を行いにくくなるため,道路管理者に代わりこれを適格に行うことができる者を占用主体とし,高架下の管理に支障が生ずることのないよう配慮すること。 (以下略) 第8 平成21年1月26日国道利第19号国土交通省道路局路政課長通達「高架の道路の路面下及び道路予定区域の道路占用の取扱いについて」(以下「19号通達」という。甲4)(高架下の占用許可基準等に関する部分を抜粋) 1 占用許可基準(以下「19号通達許可基準」という。)(1) 高架下等利用計画との適合高架下等利用計画を策定している場合には,占用の目的,占用の形態等が当該計画で定める利用用途等に適合したものであること。 (2) 占用の場所,占用物件の構造等占用の場所,占用物件の構造等の基準については,以下によるものとする。 (ア) 都市分断の防止又は空地確保を図るため高架の道路とした場合の当該高架下の占用(公共の用に供する広場,公園,運動場であって都市の分断の防止又は空地確保に資するものを除く。)でないこと。 (イ) 緊急の場合に備え,原則として,市街地にあっては最低約30mごと,その他の地域にあっては約50mごとに横断場所を確保しておくこと。 (ウ) 高架下の占用により,周囲の道路の交通に著しい支障が生ずるものでないこと。(以下略)(エ) 占用物件の構造は,耐火構造その他火災により道路の構造又は交通に支障を及ぼさないと認められる構造とすること。 (オ) 天井は,必要強度のものとし,必要な消火施設を設置すること。この場合におい エ) 占用物件の構造は,耐火構造その他火災により道路の構造又は交通に支障を及ぼさないと認められる構造とすること。 (オ) 天井は,必要強度のものとし,必要な消火施設を設置すること。この場合においては,あらかじめ消防当局と十分打ち合わせておくこと。 (カ) 天井は,原則として高架の道路の桁下から1.5m以上空けること。 (キ) 壁体は,原則として,高架の道路の構造を直接利用しないものであるとともに,橋脚から1.5m以上空けること。 (ク) 占用物件を利用する車両等の衝突により,高架の道路の橋脚等に損傷が発生するおそれがある場合には適切な場所に保護柵等を設置すること。 (ケ) 高架の道路からの物件の落下等高架下の占用に危険を生ずるおそれのある場合においては,占用主体において安全確保のため必要な措置を講ずること。 (コ) 高架下から車道等への飛び出し事故を防止するための安全策が十分に講じられていること。 (サ) 占用物件の意匠等は,都市美観に十分配慮すること。 (シ) 次に掲げる物件の占用は許可しないものとする。 ① 事務所,倉庫,店舗その他これらに類するもののうち易燃性若しくは爆発性物件,その他危険と認められるものを搬入し,若しくは貯蔵し,又は使用するためのもの。 ② 悪臭,騒音等を発する物件を保管又は設置するもの。 ③ 公序良俗に反し,社会通念上不適当であるもの。 (以下略) 以上

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