平成31(ワ)2210 特許権侵害行為差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
令和2年8月11日 東京地方裁判所
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令和2年8月11日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成31年(ワ)第2210号特許権侵害行為差止等請求事件口頭弁論終結日令和2年3月10日判決 原告株式会社レイズ 同訴訟代理人弁護士永島孝明同安國忠彦同朝吹英太 同補佐人弁理士加藤卓士 被告株式会社ヴァイタス 同訴訟代理人弁護士飯田秀郷 同清水紘武 主文 1 被告は,別紙物件目録記載の製品を生産し,使用し,譲渡し,貸し渡し,輸出し若しくは輸入し,又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。)をしてはならない。 2 被告は,その占有にかかる別紙物件目録記載の製品及びその半製品を廃棄せよ。 3 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文第1項及び第2項と同旨 第2 事案の概要 1 本件は,発明の名称を「情報処理装置,情報処理方法,情報処理プログラム,端末装置およびその制御方法と制御プログラム」とする特許番号第6407464号の特許権(以下「本件特許権1」といい,この特許を「本件特許1」といい,本件特許1の願書に添付した明細書及び図面を併せて「本件明細書1」という。)及び発明の名称を「プログラム,情報処理装置及び情報処理方法」とする特許番 号第6309504号の特許権(以下「本件特許権2」といい,この特許を「本件特許2」といい,本 本件明細書1」という。)及び発明の名称を「プログラム,情報処理装置及び情報処理方法」とする特許番 号第6309504号の特許権(以下「本件特許権2」といい,この特許を「本件特許2」といい,本件特許2の願書に添付した明細書及び図面を併せて「本件明細書2」という。)を有する原告が,被告に対し,被告が日本国内の複数の医療機関向けに生産,譲渡,貸渡しを行っている別紙物件目録記載の「医療看護支援ピクトグラムシステム」やそれを構成する情報処理装置等(以下,同目録記載 のシステムやそれらを構成する装置やプログラムを総称して「被告製品」ということがある。)は,本件特許1の請求項1,2,7,8及び10の各発明並びに本件特許2の請求項1,2,4,5及び7の各発明の技術的範囲に属し,被告による被告製品の生産,譲渡,貸渡しは本件特許権1及び本件特許権2を侵害すると主張して,①特許法100条1項に基づき,被告製品の生産,使用,譲渡,貸 渡し,輸出若しくは輸入,又はその譲渡若しくは貸渡しの申出(譲渡又は貸渡しのための展示を含む。)の差止めを求めるとともに,②同条2項に基づき,被告の占有にかかる被告製品及びその半製品の廃棄を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) 当事者ア原告は,情報システム業,情報サービス業,情報提供サービス業のほか,医療機関向け情報端末システム等の情報システムの開発,設計,管理,運用及びその販売等を業とする株式会社である。 イ被告は,医療機関及び医療関連企業に対するコンサルティング業務,情報 処理に関するソフトウェア及びハードウェアの開発,販売,リース等を業と する株式会社である。 特許権 ,医療機関及び医療関連企業に対するコンサルティング業務,情報 処理に関するソフトウェア及びハードウェアの開発,販売,リース等を業と する株式会社である。 特許権原告は,次の各特許権の特許権者である。 ア本件特許権1(甲2)特許番号第6407464号 出願日平成30年3月14日原出願日平成27年12月26日登録日平成30年9月28日発明の名称情報処理装置,情報処理方法,情報処理プログラム,端末装置およびその制御方法と制御プログラム イ本件特許権2(甲4)特許番号第6309504号出願日平成27年12月26日登録日平成30年3月23日発明の名称プログラム,情報処理装置及び情報処理方法 特許請求の範囲の記載本件特許1の特許請求の範囲の請求項1,2,7,8及び10並びに本件特許2の特許請求の範囲の請求項1,2,4,5及び7の特許請求の範囲の記載は,次のとおりである。 ア本件特許1 【請求項1】 患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第1取得部と,前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部と,前記第1判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を,前記端末装置へ出力する第1出 力部と,前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医 師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と,前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらか 致すると判定された場合に,看護師または医 師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と,前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部と,前記第2判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前 記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力部と,を備える情報処理装置。 【請求項2】 前記第1出力部は,前記第1判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者に対する処置の予定情報を,前記端末装置へ出力する請求項1に記載の情報装置 【請求項7】 患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第1取得ステップと,前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定ステップと,前記第1判定ステップにおいて一致すると判定された場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を,前記 端末装置へ出力する第1出力ステップと,前記第1判定ステップにおいて一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得ステップと,前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致するか否か判定する第2判定ステ ップと,前記第2判定ステップにおいて一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力す ップと,前記第2判定ステップにおいて一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力ステップと,をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。 【請求項8】 患者を識別するための第1患者識別情報を取得する第1取得 部と,前記第1取得部で取得した前記第1患者識別情報を情報処理装置に 送信する第1送信部と,前記第1患者識別情報とあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置から受信し,表示する第1表示部と,前記患者の医療情報が前記第1表示部に表示された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を 取得する第2取得部と,前記第2取得部で取得した前記第1医師等識別情報を前記情報処理装置に送信する第2送信部と,前記第2取得部で取得した前記第1医師等識別情報とあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とす る医療情報を含む表示画面を前記情報処理装置から受信し,表示する第2表示部と,を備える端末装置。 【請求項10】患者を識別するための第1患者識別情報を取得する第1取得ステップと,前記第1取得ステップにおいて取得した前記第1患者識別情報を情報処理装置に送信する第1送信ステップと,前記第1患者識別情報 とあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理 する第1送信ステップと,前記第1患者識別情報 とあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置から受信し,表示部に表示する第1表示ステップと,前記医療情報が前記表示部に表示された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を取得する第2取得ステップと,前記第2取 得ステップにおいて取得した前記第1医師等識別情報を前記情報処理装置に送信する第2送信ステップと,前記第1医師等識別情報とあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を前記情報処 理装置から受信し,前記表示部に表示する第2表示ステップと,をコンピ ュータに実行させる端末装置の制御プログラム。 イ本件特許2【請求項1】 患者を識別するための第1識別情報を端末装置より取得する第1取得部と,前記第1識別情報と,患者を識別する情報として予め記憶部に記憶された第1識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定 部と,前記第1識別情報が一致すると判定した場合,前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記端末装置へ出力する第1出力部と,前記第1識別情報が一致すると判定した場合に,看護師または医師を識別するための第2識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と,前記第2識別情報と,前記記憶部に看護師または医師を識別する情報として予め記憶 された第2識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部と,前記第2識別情報が一致すると判定した場合に,前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるた は医師を識別する情報として予め記憶 された第2識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部と,前記第2識別情報が一致すると判定した場合に,前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を前記端末装置へ出力する第2出力部と,を備える情報処理装置。 【請求項2】 前記入力画面から入力された,取得した前記状態情報の履歴 に基づいて生成された前記患者の状態の変化を示すための変化情報を前記端末装置へ出力する第3出力部をさらに備えた請求項1に記載の情報処理装置。 【請求項4】 患者を識別するための第1識別情報を端末装置より取得する第1取得ステップと,前記第1識別情報と,患者を識別する情報として予 め記憶部に記憶された第1識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定ステップと,前記第1識別情報が一致すると判定した場合,前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記端末装置へ出力する第1出力ステップと,前記第1識別情報が一致すると判定した場合に,看護師または医師を識別するための第2識別情報を前記端末装置から取得する第2 取得ステップと,前記第2識別情報と,前記記憶部に看護師または医師を 識別する情報として予め記憶された第2識別情報とが一致するか否か判定する第2判定ステップと,前記第2識別情報が一致すると判定した場合に,前記端末装置において前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を出力する第2出力ステップと,をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。 【請求項5】 患者を識別するための第1識別情報を取得する第1取得部と,前記第1取得部で取得した前記第1識別情報を情報処理装置に送信する第1送信部と,前記第1取得部で取得した前記第1識別情 【請求項5】 患者を識別するための第1識別情報を取得する第1取得部と,前記第1取得部で取得した前記第1識別情報を情報処理装置に送信する第1送信部と,前記第1取得部で取得した前記第1識別情報と記憶部に予め記憶された第1識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置か ら受信し,表示する表示部と,前記患者の医療情報が前記表示部に表示された場合に,看護師または医師を識別するための第2識別情報を取得する第2取得部と,前記第2取得部で取得した前記第2識別情報を前記情報処理装置に送信する第2送信部と,を備え,前記表示部は,前記第2取得部で取得した前記第2識別情報と記憶部に予め記憶された第2識別情報と が一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を表示する端末装置。 【請求項7】 患者を識別するための第1識別情報を取得する第1取得ステップと,前記第1取得ステップで取得した前記第1識別情報を情報処理装置に送信する第1送信ステップと,前記第1取得ステップで取得した前記 第1識別情報と記憶部に予め記憶された第1識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置から受信し,端末装置に表示する第1表示ステップと,前記患者の医療情報が表示された場合に,看護師または医師を識別するための第2識別情報を取得する第2取得ステップと,前記第2取得ス テップで取得した前記第2識別情報を前記情報処理装置に送信する第2 送信ステップと,前記第2取得ステップで取得した前記第2識別情報と記憶部に予め記憶された第2識別情報とが一致する ス テップで取得した前記第2識別情報を前記情報処理装置に送信する第2 送信ステップと,前記第2取得ステップで取得した前記第2識別情報と記憶部に予め記憶された第2識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を表示する第2表示ステップと,をコンピュータに実行させる端末装置の制御プログラム。 本件特許1の特許請求の範囲の請求項1,2,7,8及び10,本件特許2の特許請求の範囲の請求項1,2,4,5及び7は,それぞれ,以下のように分説することができる(以下,本件特許1の特許請求の範囲の各発明をその請求項の番号に応じて「本件発明1-1」,「本件発明1-2」などといい,総称して「本件発明1」という。また,本件特許2の特許請求の範囲の係る各発 明をその請求項の番号に応じて「本件発明2-1」,「本件発明2-2」などといい,総称して「本件発明2」という。 ア本件発明1 本件発明1-1(以下,各構成要件を頭書の記号に基づき,「構成要件1-1A」などという。以下,同じ。)。 1-1A 患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第1取得部と,1-1B 前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部と, 1-1C 前記第1判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を,前記端末装置へ出力する第1出力部と,1-1D 前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置 から取得する第2取得部と, 1- する第1出力部と,1-1D 前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置 から取得する第2取得部と, 1-1E 前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部と,1-1F 前記第2判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前 記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力部と,を備える情報処理装置。 本件発明1-2本件発明1-1の各構成に加え,次の構成1-2G 前記第1出力部は,前記第1判定部が一致すると判定した場 合,前記第2患者識別情報に対応する患者に対する処置の予定情報を,前記端末装置へ出力する情報処理装置 本件発明1-71-7A 患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第1取得ステップと, 1-7B 前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定ステップと,1-7C 前記第1判定ステップにおいて一致すると判定された場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を,前記端末 装置へ出力する第1出力ステップと,1-7D 前記第1判定ステップにおいて一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得ステップと,1-7E 前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情 報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報と ための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得ステップと,1-7E 前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情 報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致 するか否か判定する第2判定ステップと,1-7F 前記第2判定ステップにおいて一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力ステップと,をコンピュータ に実行させる情報処理プログラム。 本件発明1-8 1-8A 患者を識別するための第1患者識別情報を取得する第1取得部と,前記第1取得部で取得した前記第1患者識別情報を情報処理装置に送信する第1送信部と, 1-8B 前記第1患者識別情報とあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,1-8C 前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置から受信し,表示する第1表示部と,1-8D 前記患者の医療情報が前記第1表示部に表示された場合 に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を取得する第2取得部と,前記第2取得部で取得した前記第1医師等識別情報を前記情報処理装置に送信する第2送信部と,1-8E 前記第2取得部で取得した前記第1医師等識別情報とあら かじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,1-8F 前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を前記情報処理装置から受信し,表示する第2表示部と,を 備える端末装置 -8F 前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を前記情報処理装置から受信し,表示する第2表示部と,を 備える端末装置。 本件発明1-101-10A 患者を識別するための第1患者識別情報を取得する第1取得ステップと,前記第1取得ステップにおいて取得した前記第1患者識別情報を情報処理装置に送信する第1送信ステップと, 1-10B 前記第1患者識別情報とあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,1-10C 前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置から受信し,表示部に表示する第1表示ステップと,1-10D 前記医療情報が前記表示部に表示された場合に,看護師また は医師を識別するための第1医師等識別情報を取得する第2取得ステップと,前記第2取得ステップにおいて取得した前記第1医師等識別情報を前記情報処理装置に送信する第2送信ステップと,1-10E 前記第1医師等識別情報とあらかじめ記憶された第2医師 等識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,1-10F 前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を前記情報処理装置から受信し,前記表示部に表示する第2表示ステップと,をコンピュータに実行させる端末装置の制御 プログラム。 イ本件発明2 本件発明2-12-1A 患者を識別するための第1識別情報を端末装置より取得する第1取得部と, 2-1B 前記第1識別情報と,患者を識別する情報として予め記憶部 本件発明2-12-1A 患者を識別するための第1識別情報を端末装置より取得する第1取得部と, 2-1B 前記第1識別情報と,患者を識別する情報として予め記憶部 に記憶された第1識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部と,2-1C 前記第1識別情報が一致すると判定した場合,前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記端末装置へ出力する第1出力部と, 2-1D 前記第1識別情報が一致すると判定した場合に,看護師または医師を識別するための第2識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と,2-1E 前記第2識別情報と,前記記憶部に看護師または医師を識別する情報として予め記憶された第2識別情報とが一致するか 否か判定する第2判定部と,2-1F 前記第2識別情報が一致すると判定した場合に,前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を前記端末装置へ出力する第2出力部と,を備える情報処理装置。 本件発明2-2 本件発明2-1の各構成に加え,次の構成2-2H 前記入力画面から入力された,取得した前記状態情報の履歴に基づいて生成された前記患者の状態の変化を示すための変化情報を前記端末装置へ出力する第3出力部をさらに備えた情報処理装置。 本件発明2-42-4A 患者を識別するための第1識別情報を端末装置より取得する第1取得ステップと,2-4B 前記第1識別情報と,患者を識別する情報として予め記憶部に記憶された第1識別情報とが一致するか否かを判定する第 1判定ステップと, 2-4C 前記第1識別情報が一致すると判定した場合,前記第1識別情報に対応する患者の て予め記憶部に記憶された第1識別情報とが一致するか否かを判定する第 1判定ステップと, 2-4C 前記第1識別情報が一致すると判定した場合,前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記端末装置へ出力する第1出力ステップと,2-4D 前記第1識別情報が一致すると判定した場合に,看護師または医師を識別するための第2識別情報を前記端末装置から取 得する第2取得ステップと,2-4E 前記第2識別情報と,前記記憶部に看護師または医師を識別する情報として予め記憶された第2識別情報とが一致するか否か判定する第2判定ステップと,2-4F 前記第2識別情報が一致すると判定した場合に,前記端末装 置において前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を出力する第2出力ステップと,をコンピュータに実行させる情報処理プログラム。 本件発明2-52-5A 患者を識別するための第1識別情報を取得する第1取得部 と,前記第1取得部で取得した前記第1識別情報を情報処理装置に送信する第1送信部と,2-5B 前記第1取得部で取得した前記第1識別情報と記憶部に予め記憶された第1識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合, 2-5C 前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置から受信し,表示する表示部と,2-5D 前記患者の医療情報が前記表示部に表示された場合に,看護師または医師を識別するための第2識別情報を取得する第2取得部と,前記第2取得部で取得した前記第2識別情報を前記 情報処理装置に送信する第2送信部と,を備え, 2-5E 前記表示部は,前記第2取得部で取得した前記第2識別情報と記憶部に予め ,前記第2取得部で取得した前記第2識別情報を前記 情報処理装置に送信する第2送信部と,を備え, 2-5E 前記表示部は,前記第2取得部で取得した前記第2識別情報と記憶部に予め記憶された第2識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,2-5F 前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を表示する端末装置。 本件発明2-72-7A 患者を識別するための第1識別情報を取得する第1取得ステップと,前記第1取得ステップで取得した前記第1識別情報を情報処理装置に送信する第1送信ステップと,2-7B 前記第1取得ステップで取得した前記第1識別情報と記憶 部に予め記憶された第1識別情報とが一致すると前記情報処理装置が判定した場合,2-7C 前記第1識別情報に対応する患者の医療情報を前記情報処理装置から受信し,端末装置に表示する第1表示ステップと,2-7D 前記患者の医療情報が表示された場合に,看護師または医師 を識別するための第2識別情報を取得する第2取得ステップと,前記第2取得ステップで取得した前記第2識別情報を前記情報処理装置に送信する第2送信ステップと,2-7E 前記第2取得ステップで取得した前記第2識別情報と記憶部に予め記憶された第2識別情報とが一致すると前記情報処 理装置が判定した場合,2-7F 前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を表示する第2表示ステップと,をコンピュータに実行させる端末装置の制御プログラム。 被告の行為 被告は,日本国内の複数の医療機関向けに,被告製品の生産,譲渡,貸渡し を行っている。 被告製品の構成( 端末装置の制御プログラム。 被告の行為 被告は,日本国内の複数の医療機関向けに,被告製品の生産,譲渡,貸渡し を行っている。 被告製品の構成(甲5ないし8)被告製品は,サーバや端末等からなる医療看護支援ピクトグラムシステムと呼ばれるシステムを構成するものである。被告製品のサーバであるピクトグラムサーバ(以下,「ピクトグラムサーバ」ということがある。)は,内蔵され たプログラムにより制御され,医療や看護を支援する各種情報サービスを提供するための情報処理を行い,端末であるピクトグラム端末(以下,「ピクトグラムサーバ」ということがある。)に情報を提示するものであり,システムの外部にある電子カルテシステムと連携して情報処理を行うことも可能である。 ピクトグラム端末は,内蔵されたプログラムにより制御される。 被告製品のピクトグラムサーバの構成は,概ね,次のとおりである。 アピクトグラムサーバは,ピクトグラム端末が患者のリストバンドのバーコードを読み取るなどして取得した患者IDを,同端末を通じて取得する。 イピクトグラムサーバは,上記アの患者IDとあらかじめ電子カルテサーバに登録された患者IDとが一致するか否かを判定する。 ウピクトグラムサーバは,上記イにおいて患者IDが一致すると判定した場合(以下,上記アからウの判定までのプロセスを「患者登録」ということがある。),ピクトグラム端末に対し,上記患者IDに対応する患者に関し,患者の氏名,主治医の氏名のほか,ペースメーカーの有無やアレルギーの有無等の情報を出力する。 エピクトグラムサーバは,患者登録により患者IDが一致すると判定されて上記ウの画面が表示されている状態において, のほか,ペースメーカーの有無やアレルギーの有無等の情報を出力する。 エピクトグラムサーバは,患者登録により患者IDが一致すると判定されて上記ウの画面が表示されている状態において,ピクトグラム端末が医師又は看護師等の医療従事者(以下,医師又は看護師等の医療従事者を区別することなく「医療スタッフ」ということがある。)のICカードやバーコードを読み取ることによって取得した医療スタッフIDを,同端末を通じて取得す る。 オピクトグラムサーバは,上記エの医療スタッフIDとあらかじめ電子カルテサーバに登録された医療スタッフIDとが一致するか否かを判定する。 カピクトグラムサーバは,上記オにおいて医療スタッフIDが一致すると判定した場合,患者の体温,血圧等のバイタル情報(その経時変化も含む)や検査結果に関する情報に係るデータをピクトグラム端末に出力する。 キ医療スタッフは,患者登録がされる前に,上記エ及びオと同様の方法により認証をする必要がある(以下,この認証について,「患者登録前医療スタッフ認証」という。)。 3 争点 被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明1-1の技術的範囲に属するか (争点1)ア被告製品の患者登録に係る構成は構成要件1-1A及び1-1Bを充足するか(争点1-1)イ被告製品のピクトグラムサーバは構成要件1-1Fを充足するか(争点1-2) 被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラムは,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10の技術的範囲に属するか(争点2) 被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の技術的範囲に属するか(争点3) 被告製 件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10の技術的範囲に属するか(争点2) 被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の技術的範囲に属するか(争点3) 被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラム,本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7の技術的範囲に属するか(争点4) 本件発明1は,いずれも公開特許公報である特開2005-275607号公報(乙1。以下「乙1公報」という。)に記載された発明に基づき容易に想到 することができたか(争点5) 本件発明2は,いずれも乙1公報に記載された発明に基づき容易に想到することができたか(争点6) 4 争点に関する当事者の主張 争点1-1(被告製品の患者登録に係る構成は構成要件1-1A及び1-1Bを充足するか) (原告の主張)アム端末は構成要件1-1Aの「端末装置」に,ピクトグラム端末から取得された患者IDは構成要件1-1Aの「第1患者識別情報」に,電子カルテサーバにあらかじめ登録されている患者IDは構成要件1-1Bの「第2患者 識別情報」に,被告製品のピクトグラムサーバは構成要件1-1Fの「情報処理装置」にそれぞれ相当する。そして,ピクトグラムサーバは,ピクトグラム端末から取得した「第1患者識別情報」と「第2患者識別情報」が一致するかどうかを判定し,両者が一致すると判定した場合には,ピクトグラム端末に対して当該患者の医療情報が送信するとともに,上記判定後に,「第 1医師等識別情報」に相当する医療スタッフIDがピクトグラム端末から取得された場合には,同IDが電子カルテサーバにあらかじめ登録されている医療スタッフID(第2医師等識別情報)と一 に,「第 1医師等識別情報」に相当する医療スタッフIDがピクトグラム端末から取得された場合には,同IDが電子カルテサーバにあらかじめ登録されている医療スタッフID(第2医師等識別情報)と一致するかを判定し,両者が一致すると判定した場合には,当該患者の医療情報のうち医療スタッフが必要とする情報をピクトグラム端末に出力する。 以上のとおり,被告製品のピクトグラムサーバの患者登録に係る構成は,構成要件1-1A及び構成要件1-Bに相当するであり,被告製品のピクトグラムサーバは構成要件1-1A及び構成要件1ー1Bを充足する。 イ被告は,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bで行われる判定は,端末装置に医療スタッフが必要とする医療情報を表示させるための構成要件1 -1Dないし構成要件1―1Fで行われる判定と情報処理として連続性を 有する判定であり,端末装置に医療情報を表示させる都度行われる判定に限られると解釈すべきであり,被告製品の患者登録に係る構成は,構成要件1-1A及び1-1Bを充足するものではないと主張する(以下,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bで行われる判定を「第1判定」ということがあり,端末により取得された患者を識別するための情報と,あらかじめ記憶さ れた患者を識別するための情報とが一致することを確認することを「患者認証」ということがある。また,構成要件1-1D及び構成要件1-1Eでされる判定を「第2判定」ということがあり,端末により取得された医療スタッフを識別するための情報と,あらかじめ記憶された医療スタッフを識別するための情報とが一致することを確認することを「医療スタッフ認証」とい うことがある。)。 しかし,特許請求の範囲や本件明細書1には,第1判定について被告が主張するよ た医療スタッフを識別するための情報とが一致することを確認することを「医療スタッフ認証」とい うことがある。)。 しかし,特許請求の範囲や本件明細書1には,第1判定について被告が主張するように限定解釈することについて開示も示唆もない。むしろ,本件明細書1には,第1判定で一致すると判断されて患者用画面が表示された後に患者又は医療スタッフによる「検査ボタン」又は「手術ボタン」の入力操作 が行われなければ患者用画面が表示されたままとなる構成が開示されている(【図11】【図12】)。このことからも,本件発明1-1は,第1判定と第2判定が情報処理として時間的連続性をもって行われる構成に限られず,第1判定がされた後に端末装置と情報処理装置との間の通信を切断するような構成も含まれる。また,患者識別情報の取得が端末装置によってされる ことは,端末装置とそれを利用する患者との関連付けの誤りに起因する患者の取違えを防止するという本件発明1-1の目的に照らして必要ではあるものの,端末装置に医療情報を表示させる都度患者認証を行うことまでは必要はないから,被告の主張は独自の解釈に基づくものであり失当である。 ウ被告は,第1判定について被告が主張する解釈をせず,第1判定が行われ た後に第2判定が行われれば足りると解釈すると,本件発明1-1が無効に なるか,被告製品について被告の先使用権を認めることになることを根拠に,第1判定と第2判定との関係について,被告主張のとおり解釈すべきである旨主張する。 しかし,以下のとおり,本件発明1-1と被告が指摘する従来技術とは,技術思想においても具体的な構成においても相違しているし,本件発明1- 1はこれら従来技術に基づいて当業者が容易に想到することができたものでもな り,本件発明1-1と被告が指摘する従来技術とは,技術思想においても具体的な構成においても相違しているし,本件発明1- 1はこれら従来技術に基づいて当業者が容易に想到することができたものでもない。また,その他の本件発明1についても同様である。 被告は,本件発明1-1は,公開特許公報である特開2012-118782号公報(乙6。以下「乙6公報」という。)に記載された発明と同一か,乙6公報に記載された発明から容易に想到することができたと主張す るが,理由がない。 乙6公報には,医療スタッフが,ベッドサイドに設置されている表示用端末に自身のID番号を認識させて「スタッフ認証」を行うと,管理端末が管理対象としている1又は複数の患者について,常時表示可能とされている項目の医療情報を適宜,追加,変更削除するための画面を表示用端末 に接続された表示装置に表示することが開示されている(段落【0048】ないし【0053】)。ここで,「スタッフ認証」の前に患者認証を行う必要があることは,乙6公報には一切記載されていない。かえって,画面に表示されるのは,管理端末が管理対象としている「1又は複数の患者」の医療情報(段落【0052】)であり,ベッドサイドに設置されている表示用 端末を使用している患者の情報に限られないのであるから,患者認証によって患者と表示用端末とを関連付けるということは何ら開示されていない。 また,本件発明1-1は,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスするための医療スタッフ認証に患者認証を先行させることに技術的意義が あり,第1判定で行う患者認証によって端末装置と同端末を使用する患者 との関連付けを確実に行うことにより,患者の取違えを防止することを目的するものであり,乙6公 ことに技術的意義が あり,第1判定で行う患者認証によって端末装置と同端末を使用する患者 との関連付けを確実に行うことにより,患者の取違えを防止することを目的するものであり,乙6公報に記載された発明とは技術的特徴が異なっている。 被告は,本件発明1-1は,公開特許公報である特開2014-97116号公報(乙2。以下「乙2公報」という。)に記載された発明と同一か, 乙2公報に記載された発明から容易に想到することができたと主張するが,理由がない。 乙2公報には,患者識別情報によって患者認証をする構成は開示されていない。すなわち,乙2公報に記載された発明においては,そのベッドサイド端末識別子によってバックグラウンドでログインするなど患者識別 情報による患者認証をすることなく患者操作モードにすることが可能である。また,乙2公報には,医療スタッフIDの入力によってベッドサイド端末に関連付けられた患者に関する医療スタッフ向けの医療情報が表示されることが記載されているとしても,入力された看護師IDがナースコールサーバによってあらかじめ記憶された看護師IDと一致するか否 かの判定が行われるかどうか,すなわち医療スタッフ認証が行われているかについても何ら開示がない。 したがって,本件発明1-1は乙2公報に記載された発明と同一とはいえないし,その発明から容易に想到することができたものでもない。 被告は,本件発明1-1は,公開特許公報である特開平10-3233 32号公報(乙3。以下「乙3公報」という。)に記載された発明と同一であるか,乙3公報に記載された発明から容易に想到することができたと主張するが,理由がない。 本件発明1-1は,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスする 乙3公報」という。)に記載された発明と同一であるか,乙3公報に記載された発明から容易に想到することができたと主張するが,理由がない。 本件発明1-1は,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスするための医療スタッフ認証に係る第2判定に先立って患者認証に係る第1判定 を行うことに技術的意義があり,第1判定によって端末装置と同端末を使 用する患者との関連付けを確実に行うことにより,患者の取違えを防止することを目的するものであり,乙3公報に記載された発明とは技術的特徴が異なっている。本件発明1-1は,乙3公報に記載された発明と同一の発明ではないし,乙3公報に記載された発明から容易に想到することができたものでもない。 被告は,本件発明1-1は,公開特許公報である特開2000-285181号公報(乙9。以下「乙9公報」という。)に記載された発明と同一であるか,乙9公報に記載された発明から容易に想到することができたと主張するが,理由がない。 本件発明1-1は,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスするため の医療スタッフ認証に係る第2判定に対して,患者認証に係る第1判定を先行させることに技術的意義があり,第1判定によって端末装置と同端末を使用する患者との関連付けを確実に行うことにより,患者の取違えを防止することを目的するものであり,乙9公報に記載された発明とは技術的特徴が異なっている。本件発明1-1は,乙9公報に記載された発明と同 一の発明ではいし,乙9公報に記載された発明から容易に想到することができたものでもない。 被告は,乙13に記載されている,被告が納入したピクトグラムシステム(以下「乙13システム」という。)が平成26年3月1日から佐久総合病院で稼働していて公然と実施されており,本 たものでもない。 被告は,乙13に記載されている,被告が納入したピクトグラムシステム(以下「乙13システム」という。)が平成26年3月1日から佐久総合病院で稼働していて公然と実施されており,本件発明1-1は,乙13シ ステムと同一である旨主張するが,理由がない。 乙13には,乙13システムの要件やイメージ図が記載されているだけであり,本件特許1の基準日前に乙13システムがどのような構成を具備していたのかは何ら明らかではない。また,上記のような乙13から,発明の内容を知り得るものではないし,乙13は佐久総合病院に提出したも のであり,不特定多数の者を対象とするものでもない。また,乙13の作 成日付は書き換え可能な電子データを出力したものであり,その作成日について証明力はない。 そして,乙13システムにおいて,医療スタッフ登録処理手続の後にベッドサイド端末に表示されるのは,患者ピクトグラム編集画面であり,乙13システムは,患者のバイタル情報や検査結果を表示する機能を具備し ていない。したがって,乙13システムは,医療スタッフ登録処理手続の後に「医療情報」(構成要件1-1F)を表示するものではなく,少なくとも構成要件1-1Fに相当する構成を有しない。 エ被告は,被告製品においては患者登録前医療スタッフ認証がされることを根拠に,被告製品の患者登録は第1判定には相当しないと主張する。 しかし,被告製品における患者登録前医療スタッフ認証は,医療スタッフが患者登録を行うことを許可するためのものである。これに対し,第2判定は患者の医療情報のうち医療スタッフが必要とする情報を端末装置に出力することを許可するためのものであり,患者登録前医療スタッフ認証は第2判定に相当するものではない。また,本件発明1の 対し,第2判定は患者の医療情報のうち医療スタッフが必要とする情報を端末装置に出力することを許可するためのものであり,患者登録前医療スタッフ認証は第2判定に相当するものではない。また,本件発明1の情報処理装置は,構成要 件1-1Aないし1-1Fに係る構成のみを備える情報処理装置とはされておらず,他の構成を含み得る。したがって,被告製品の情報処理装置が構成要件1-1Aないし1-1Fを充足する構成の他に患者登録を許可するための患者登録前医療スタッフ認証を患者登録に先行させる構成を具備しているとしても,被告製品が本件発明1の技術的範囲に属することに影響を 与えるものではない。 (被告の主張)ア構成要件1-1Dの「前記第1判定部で一致すると判定された場合」という文言にも現れているように,本件発明1-1は,医療スタッフが必要とする患者の医療情報に端末装置からアクセスするために,患者認証をした上で 医療スタッフ認証を行うという手順を実現する一連のプログラムによる情 報処理を行うものであるから,第1判定と第2判定は,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスするための情報処理制御として連続した処理であり,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスしようとするその都度,第1判定を行った上で医療スタッフ認証を行うことを必須とするものである。また,原告は,本件発明1-1の技術的意義について,患者の取違えを確実に防止 することによってセキュリティを向上させることにあると主張する。患者とベッドサイド端末との関連付けがされた後に患者が別のベッドに移動等する場合も想定できることになるのであるから,原告が主張する本件発明1-1の技術的意義を実現するためには,医療情報を表示させる都度患者認証を行わなければならない。 れた後に患者が別のベッドに移動等する場合も想定できることになるのであるから,原告が主張する本件発明1-1の技術的意義を実現するためには,医療情報を表示させる都度患者認証を行わなければならない。 したがって,第1判定は,端末装置に患者の医療情報を表示させるための第2判定と情報処理として連続性を有する判定,すなわち端末装置に患者の医療情報を表示させる都度行われる判定に限られると解釈すべきである。 イ本件発明1-1において,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスしようとするその都度患者認証を行った上で医療スタッフ認証を行うことを必 須とせず,患者認証が行われた後に医療スタッフ認証が行われれば足りると解釈すると,以下のとおり,そのような技術は,本件特許1の原出願日(平成27年12月26日。本件特許2の出願日であり,以下,同日を「基準日」という。)より前の従来技術と同一の技術であるか,それから容易に想到することができたものであり,本件発明1-1が無効となるか,被告の先使用 権を認めることになる。したがって,第1判定と第2判定との関係は,上記アのとおり解釈すべきである。 乙6公報には,少なくとも,本件発明1-1の構成に関連して,①表示用端末が患者の手首につけられたバーコードを読み取って患者ID番号を取得し,これを管理端末に送信し,②管理端末は,表示用端末から送信 された患者ID番号とあらかじめ記憶された患者ID番号とが一致する か否かを判定し,一致すると判定されて患者認証がされた場合には,患者の医療情報のうち,常時表示可とされた項目の医療情報を選択して表示用端末に送信し,同情報が表示用端末と接続されたベッドサイド表示装置に表示され(表示停止の命令が入力されるまで,常時表示している),③患 医療情報のうち,常時表示可とされた項目の医療情報を選択して表示用端末に送信し,同情報が表示用端末と接続されたベッドサイド表示装置に表示され(表示停止の命令が入力されるまで,常時表示している),③患者認証がされた状態で,医療スタッフが表示用端末に医療スタッフID番号 を認識させると,表示用端末が医療スタッフID番号を管理端末に送信し,④管理端末は,受信した医療スタッフのID番号とあらかじめ記憶された医療スタッフID番号とが一致するか否かを判定し,一致すると判定されて医療スタッフ認証がされた場合には,患者の医療情報のうち,医療情報の中から常時表示可とされている項目の医療情報を選択して,表示用 端末に送信することが開示されている。 そうすると,本件発明1-1は乙6公報に開示された情報処理装置の発明と同一である。また,同一でなくとも,乙6公報に開示された情報処理装置の発明に基づいて当業者が容易に想到することができた。 乙2公報には,少なくとも,本件発明1-1の構成に関連して,①患者 とベッドサイド端末とを関連付ける際,患者識別情報をベッドサイド端末に入力し,これとあらかじめ記憶された患者識別情報とが一致すると判定されて患者認証がされると,ベッドサイド端末と患者とが関連付けられ,ベッドサイド端末は,患者に対して医療情報等を表示する患者操作モードとなること,②看護師は,ベッドサイド端末を患者操作モードから看護師 操作モードに変更するためには,ベッドサイド端末に看護師IDを入力し,これとあらかじめ記憶された看護師IDとが一致すると判定されて医療スタッフ認証がされると,ベッドサイド端末に電子カルテの情報や診察結果,服薬情報などの履歴を含む電子カルテの情報が表示され,看護師がこれを閲覧することができることが開示されている。 と判定されて医療スタッフ認証がされると,ベッドサイド端末に電子カルテの情報や診察結果,服薬情報などの履歴を含む電子カルテの情報が表示され,看護師がこれを閲覧することができることが開示されている。 そうすると,本件発明1-1は乙2公報に開示された情報処理装置の発 明と同一である。また,同一でなくとも,乙2公報に開示された情報処理装置の発明に基づいて当業者が容易に想到することができた。 乙3公報には,少なくとも,本件発明1-1の構成に関連して,①患者と病床用情報端末とを関連付ける際,患者のID番号を病床用情報端末に入力し,これとあらかじめ記憶された患者のID番号とが一致すると判定 されて患者認証がされると,病床用情報端末と患者とが関連付けられ,ベッドサイド端末は,患者に対して,医療情報たる患者のスケジュール(検査スケジュールなど)を表示すること,②医療スタッフは,病床用情報端末と患者とが関連付けられた状態で,病床用情報端末に医療スタッフのID番号を入力し,これとあらかじめ記憶された医療スタッフのID番号と が一致すると判定されて医療スタッフ認証がされると,電子カルテのオーダリングの情報,生態情報などが病床用情報端末に表示され,医療スタッフがこれを閲覧することができること開示されている。 そうすると,本件発明1-1は乙3公報に開示された情報処理装置の発明と同一である。また,同一でなくとも,乙3公報に開示された情報処理 装置の発明に基づいて当業者が容易に想到することができた。 乙9公報には,少なくとも,本件発明1-1の構成に関連して,①患者とベッドサイド端末とを関連付ける際,患者IDをベッドサイド端末に入力し,これとあらかじめ記憶された患者IDとが一致すると判定されると,ベ 報には,少なくとも,本件発明1-1の構成に関連して,①患者とベッドサイド端末とを関連付ける際,患者IDをベッドサイド端末に入力し,これとあらかじめ記憶された患者IDとが一致すると判定されると,ベッドサイド端末と患者とが関連付けられていること,②上記①の後 に,患者は,患者識別情報(患者ID及びパスワード)をベッドサイド端末に入力し,ベッドサイド情報システムのサーバにおいて正当なアクセス権限があると認証されて患者認証がされると,当該患者についての患者向けの診療情報メニュー(診療予定,経過情報,各種予約等)がベッドサイド端末に表示され,患者がこれにアクセスできること,③上記①の後に, 医療スタッフは,医療スタッフ識別情報(医療スタッフID及びパスワー ド)をベッドサイド端末に入力し,ベッドサイド情報システムのサーバにおいて正当なアクセス権限があると認証されて医療スタッフ認証がされると,当該患者についての医療スタッフ向け診療情報メニュー(患者のバイタルサイン照会(バイタル情報の変化情報),クリティカルパス(診療計画などの予定)等)が表示され,医療スタッフがこれにアクセスできるこ とが開示されている。 そうすると,本件発明1-1は乙9公報に開示された情報処理装置の発明と同一である。また,同一でなくとも,乙9公報に開示された情報処理装置の発明に基づいて当業者が容易に想到することができた。 被告が納入し,平成26年3月1日から佐久総合病院で稼働していたシス テムである乙13システムの構成は,以下のとおりである。 ① ベッドサイド端末は,患者とベッドサイド端末とが関連付けられていない場合,カレンダー画面を表示している。 ② カレンダー画面の時刻表示部分をタップすると,ベッドサイド端末に 。 ① ベッドサイド端末は,患者とベッドサイド端末とが関連付けられていない場合,カレンダー画面を表示している。 ② カレンダー画面の時刻表示部分をタップすると,ベッドサイド端末には医療スタッフ認証画面が表示される。 ③ 上記②の医療スタッフ認証画面で医療スタッフカードのバーコードを読ませると医療スタッフベッドサイド用メニューが表示され,そこには「患者登録」,「患者登録解除」,「ピクトグラム編集」という3つのボタンがある。 ④ 上記③のボタンの中から「患者登録」をタップすると,患者端末登録画 面が表示されるので,患者のリストバンドのバーコードを読ませると,患者番号がベッドサイド端末に登録され,患者ピクトグラム画面が表示される。患者ピクトグラム画面のメイン画面には,患者の氏名,時刻,主治医,受持看護師,入院日のほか,看護支援のためのピクトグラムが表示され,サブ画面には,直近の手術実施日等が記載されている。 ⑤ 患者ピクトグラム画面のメイン画面の時刻表示部分をタップすると,医 療スタッフ認証画面が表示されるので,そこで医療スタッフカードのバーコードを読ませると,医療スタッフベッドサイド用メニューが表示され,そこには「患者登録」,「患者登録解除」,「ピクトグラム編集」という3つのボタンがある。 ⑥ 上記⑤のボタンの中から「ピクトグラム編集」というボタンをタップす ると,ピクトグラムの編集画面が表示され,医療スタッフはピクトグラムを編集することができる。 第1判定と第2判定との関係を原告主張のように解すると,乙13システムの上記④の患者の登録の処理手続は第1判定に相当し,乙13システムは,本件発明1-1と同一であり,被告製品の構成は,乙13シ 第1判定と第2判定との関係を原告主張のように解すると,乙13システムの上記④の患者の登録の処理手続は第1判定に相当し,乙13システムは,本件発明1-1と同一であり,被告製品の構成は,乙13システムの構 成と同様のものである。 ウ被告製品における患者登録は,ベッドサイド端末とそれを使用する患者とを関連付けるために行われるものであり,患者がベッドサイド端末の使用を開始する際に行えば足り,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスする都度必要となるものではない。また,被告製品は,患者登録が完了すると一度TCP接 続が切断され,その後に医療スタッフが患者の医療情報をベッドサイド端末に表示するために医療スタッフ認証をする際に再度TCP接続が開始されるという構成であることからも明らかなように,患者登録と患者登録後の医療スタッフ認証との間には情報処理としての連続性はない。さらに,被告製品においては,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスする都度患者登録と同様の操 作をすることを必須としていないため,患者が別のベッドに移動した場合などは,患者の取違えが生じる危険があり,原告が主張する効果を奏功しない。 したがって,被告製品の患者登録は,第1判定を行っているものではなく,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bを充足しない。 エ本件発明1-1では,一連の処理からなる各操作において,患者認証が医療 スタッフ認証に先行してされているのに対し,被告製品においては,患者登録 に先行して患者登録前医療スタッフ認証が行われている。この点からも,被告製品における患者登録は,第1判定を行っているものではなく,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bを充足しない。 争点1-2(被告製品のピクトグラムサーバは構成要 が行われている。この点からも,被告製品における患者登録は,第1判定を行っているものではなく,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bを充足しない。 争点1-2(被告製品のピクトグラムサーバは構成要件1-1Fを充足するか) (原告の主張)ア構成要件1-1Fの「表示画面を,前記端末装置へ出力する」について,二次元画面そのものを出力するなどとはされておらず,構成要件1-1Cとは異なる用語が用いられてはいるものの,そこで出力されるデータが異なることについて本件明細書1には一切記載がない。したがって,この出力には, 情報処理装置が生成した二次元画面そのものを端末装置へ出力するだけでなく,表示画面を表示するために必要なデータを端末装置へ送信することをも含む意味で用いられている。 イ被告製品は,表示画面に医療情報を表示するために必要なデータをHTMLデータとしてベッドサイド端末に対して送信する。HTMLはブラウザに おける表示を前提とした言語データであり,表示画面における文字,画像の内容,位置,大きさ,色などをテキスト形式で指定するものであり,HTMLデータを送信することは二次元画面を出力することと同義であるから,被告製品は,構成要件1-1Fを充足する。 (被告の主張) ア構成要件1-1Cが「医療情報を・・・出力する」と規定しているのに対し,構成要件1-1Fは「医療情報を含む表示画面を・・・出力する」と規定している。また,本件明細書1においても,構成要件1-1Fに係る構成の説明において「画面を生成する」,「画面出力する」,「画面を表示する」といった表現を用いて,「情報」と区別して「画面」という語が用いられている。 これらからすると,構成要件1-1Fの「表示画面を,前記端末装置へ出力 」,「画面出力する」,「画面を表示する」といった表現を用いて,「情報」と区別して「画面」という語が用いられている。 これらからすると,構成要件1-1Fの「表示画面を,前記端末装置へ出力 する」とは,情報処理装置が生成した二次元画面そのものを端末装置に送信することを意味する。 イ被告製品の情報端末システムはベッドサイド端末に対して医療情報を表示するために必要なHTMLデータを送信するにすぎない。したがって,被告製品は構成要件1-1Fを充足しない。 被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラムは,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10の技術的範囲に属するか(争点2)(原告の主張)被告製品のピクトグラムサーバで,患者のスケジュールを時系列で端末装置 に表示するものは,構成要件1-2Gを充足する。 本件発明1-7の構成要件と本件発明1-1の構成要件を対比すると,本件発明1-7の各構成要件は,本件発明1-1の各構成要件に対応し,被告製品のピクトグラムサーバを動作させるプログラムは本件発明1-7の「情報処理プログラム」である。 本件発明1-8と本件発明1-1の構成要件を対比すると,本件発明1-8の各構成要件は,本件発明1-1の各構成要件と実質的に同じであり,被告製品のピクトグラム端末は,本件発明1-8の「端末装置」である。 本件発明1-10の構成要件と本件発明1-8の構成要件を対比すると,本件発明1-10の各構成要件は,本件発明1-8の各構成要件に対応し,被告 製品のピクトグラム端末を動作させるプログラムは本件発明1-10の「端末装置の制御プログラム」である。 これらによれば,被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグ -8の各構成要件に対応し,被告 製品のピクトグラム端末を動作させるプログラムは本件発明1-10の「端末装置の制御プログラム」である。 これらによれば,被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラムは,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10の技術的範囲に属する。 (被告の主張) 争点1において被告が主張したのと同様の理由により,被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラム,情報処理の方法は,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10の技術的範囲に属しない。 被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の技術的範囲に属するか (争点3)(原告の主張) 本件発明2-1における「第1識別情報」と「予め記憶部に記憶された第1識別情報」は,それぞれ,本件発明1における「第1患者識別情報」と「あらかじめ記憶された第2患者識別情報」に相当する。したがって,争点1におい て主張したのと同様の理由により,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の技術的範囲に属する。 (被告の主張) 本件発明2-1における「第1識別情報」と「予め記憶部に記憶された第1識別情報」は,それぞれ,本件発明1における「第1患者識別情報」と「あら かじめ記憶された第2患者識別情報」に相当する。したがって,争点1-1において主張したのと同様の理由により,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の技術的範囲に属しない。 被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラムは,本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7の技術的 範 件発明2-1の技術的範囲に属しない。 被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラムは,本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7の技術的 範囲に属するか(争点4)(原告の主張)被告製品で,患者のバイタル情報の経時変化を示すグラフを端末装置に表示するものは,構成要件2-2Hを充足する。 本件発明2-4の構成要件と本件発明2-1の構成要件を対比すると,本件 発明2-4の各構成要件は,本件発明2-1の各構成要件に対応し,被告製品 のピクトグラムサーバを動作させるプログラムは本件発明2-4の「情報処理プログラム」である。 本件発明2-5と本件発明2-1の構成要件を対比すると,本件発明2-5の各構成要件は,本件発明2-1の各構成要件と実質的に同じであり,被告製品のピクトグラム端末は,本件発明2-5の「端末装置」である。 本件発明2-7の構成要件と本件発明2-5の構成要件を対比すると,本件発明2-7の各構成要件は,本件発明2-5の各構成要件に対応し,被告製品のピクトグラム端末を動作させるプログラムは本件発明2-7の「端末装置の制御プログラム」である。 これらによれば,ピクトグラムサーバ及びピクトグラム端末や,それらのプ ログラムは,本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7の技術的範囲に属する。 (被告の主張)争点3において被告が主張したのと同様の理由により,被告製品は,本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7の技術的範囲 に属しない。 本件発明1は,いずれも乙1公報に記載された発明に基づき容易に想到することができたか(争点5)(被告の主張)ア乙1公報に記載された発明の構 2-7の技術的範囲 に属しない。 本件発明1は,いずれも乙1公報に記載された発明に基づき容易に想到することができたか(争点5)(被告の主張)ア乙1公報に記載された発明の構成 乙1公報には,次のとおりの構成の医療情報システムが開示されている。 ① 医療スタッフがベッドサイド端末で電子カルテプリケーションを起動すると,ベッドサイド端末識別子及び医療スタッフ識別子がベッドサイド端末から電子カルテサーバに送出され,両識別子を受信した電子カルテサーバは,ベッドサイド端末識別部を起動する。 ② ベッドサイド端末識別部は,ベッドサイド端末情報記憶部を参照し,ベ ッドサイド端末から取得したベッドサイド端末識別子があらかじめ登録されているか否かを判定し,一致すると判定した場合には,ベッドサイド端末識別子に対応する患者名をベッドサイド端末情報記憶部から取得する。 ③ ベッドサイド端末識別部は,患者名を取得すると,カルテ情報取得部を 起動し,カルテ情報取得部は,電子カルテデータベースを参照して,取得した患者名に関する診療情報を取得する。カルテ情報送信部は,取得した診療情報をベッドサイド端末に送出する。 ④ ベッドサイド端末識別部は,患者名を取得すると,状態情報取得部を起動する。 ⑤ 状態情報取得部は,状態情報記憶部を参照して,「ベッドサイド端末から取得した医療スタッフ識別子が状態情報記憶部に存在するか否か」,及び,「ベッドサイド端末から取得した患者名に対応する状態情報が状態情報記憶部に存在するか否か」をそれぞれ判定し,いずれも存在していると判定した場合には,当該状態情報を状態情報記憶部から取得する。 ⑥ 状態情報送信部は,取得した状態情報をベッドサイド端末に送出する。 に存在するか否か」をそれぞれ判定し,いずれも存在していると判定した場合には,当該状態情報を状態情報記憶部から取得する。 ⑥ 状態情報送信部は,取得した状態情報をベッドサイド端末に送出する。 イ乙1公報に記載された発明においては,ベッドサイド端末識別子は患者に関連付けられており,ベッドサイド端末識別子によって患者名を識別することができるから,乙1公報に記載された発明のベッドサイド端末識別子は本件発明1の「患者識別情報」に相当する。したがって,ベッドサイド端末識 別子が一致するか否かの判定を行うベッドサイド端末識別部は構成要件1-1Bの「第1判定部」に相当し,構成要件1-1Cの「医療情報」に相当する診療情報を送出するカルテ情報送信部は構成要件1-1Cの「第1出力部」に相当する。 また,乙1公報に記載された電子カルテサーバ(以下「乙1電子カルテサ ーバ」という。)が備えるベッドサイド端末識別部は,前記ア①ないし③によ って患者名を取得すると,状態情報記憶部を参照しながら,a医療スタッフ識別子が一致するか否かの判定,及び,b患者名に対応する状態情報が存在するか否かの判定,という2つの判定を行うところ,aの判定を行う状態情報識別部は構成要件1-1Eの「第2判定部」に相当し,構成要件1-1Fの「医療情報」に相当する状態情報を送出する状態情報送信部は構成要件1 -1Fの「第2出力部」に相当する。 ウ本件発明1-1と乙1電子カルテサーバとの一致点,相違点前記ア及びイによれば,本件発明1-1と乙1電子カルテサーバとの一致点,相違点は以下のとおりとなる。 一致点 本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,①患者を識別するための第1患者識別情報であ 1-1と乙1電子カルテサーバとの一致点,相違点は以下のとおりとなる。 一致点 本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,①患者を識別するための第1患者識別情報であるベッドサイド端末識別子を端末装置より取得する第1取得部と,②前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報として予め記憶部に記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部と,③患者識別情報が一致すると判定した場合に,前記第2患 者識別情報に対応する患者の医療情報を前記端末装置へ出力する第1出力部と,④医療スタッフを識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と,⑤前記第1医師等識別情報と医療スタッフを識別する情報として予め記憶部に記憶された第2医師等識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部と,⑥医師等識別情報が一致すると 判定した場合に,前記患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための情報を前記端末装置へ出力する第2出力部とを備える情報処理装置という点で一致する。 相違点1 本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,第1医師等識別情報の取得 について,本件発明1-1では,第1判定部において患者識別情報が一致 すると判定された場合であるのに対し,乙1電子カルテサーバでは,第1判定部において患者識別情報が一致されたと判定される前である点において相違する。 相違点2 本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,第2出力部が出力する情報 について,本件発明1-1では,「医療情報を含む表示画面」であるのに対し,乙1電子カルテサーバでは,「表示画面用の状態情報」である点において相違する。 相違点に関する原告の主 る情報 について,本件発明1-1では,「医療情報を含む表示画面」であるのに対し,乙1電子カルテサーバでは,「表示画面用の状態情報」である点において相違する。 相違点に関する原告の主張について原告は,乙1公報のベッドサイド端末識別子は「患者識別情報」には該 当しないと主張するが,誤りである。乙1電子カルテサーバにおいては,ベッドサイド端末識別子と患者名が対応しており,「ベッドサイド端末識別子」が「第1患者識別情報」及び「第2患者識別情報」に相当する。 また,原告は,乙1電子カルテサーバが「前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2医師 等識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部」(構成要件1-1E)」に係る構成を具備しないと主張するが,誤りである。乙1公報には「状態情報」が患者ごとに記録されており,乙1電子カルテサーバは,「医療スタッフ識別子が存在するか否か」及び「患者名に対応する状態情報が存在するか否か」をそれぞれ判定しており,原告が主張する上記相違点は存在し ない。 エ相違点1の容易想到性相違点1に係る本件発明1-1の構成は,乙1電子カルテサーバに対し乙2公報に記載された発明を組み合わせることによって,当業者が容易に想到することができた。 すなわち,乙2公報には,患者操作モードにあるベッドサイド端末は,ナ ースコールサーバにおいて患者を認証しており,その状態が同サーバで保持されていて,患者操作モードにあるベッドサイド端末に看護師IDを入力し,ナースコールサーバがこれを取得すると,ナースコールサーバは,患者操作モードのもとに,入力された看護師IDが登録された看護師IDと一致するか否かを判定し,一致すると サイド端末に看護師IDを入力し,ナースコールサーバがこれを取得すると,ナースコールサーバは,患者操作モードのもとに,入力された看護師IDが登録された看護師IDと一致するか否かを判定し,一致すると判定された場合には,患者登録操作モードから 看護師操作モードに変更されることが記載されている。このように,乙2公報には,患者認証がされた後に看護師ID,すなわち医療スタッフ識別情報を取得するという構成が開示されている。 本件発明1-1,乙1公報及び乙2公報に記載された発明は,いずれも患者の医療情報の漏洩を防止し,医療情報システムのセキュリティを向上させ ることを目的とする点で共通している。そうすると,医療情報システムのセキュリティ向上を目的とする当業者には,乙1電子カルテサーバに対し乙2公報に記載された発明を組み合わせる動機付けが極めて強く存在しており,当業者は,そのような組み合わせを行い,相違点1に係る本件発明1-1の構成を容易に想到することができた。 オ相違点2乙1公報の「状態情報」は「医療情報」(構成要件1-1F)に相当する。 本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは患者の医療情報に係る表示画面をどこで生成するかという点において相違するものの,乙1電子カルテサーバのように情報処理装置から受信した医療情報のデータに基づいて端末装 置側で表示画面を生成する構成を,本件発明1-1のように情報処理装置側で表示画面を生成する構成に置換することは格別なことではないから,相違点2は実質的な相違点ではない。 カ原告の主張に対する反論原告は,乙2公報には,本件発明1-1のような医療スタッフ識別情報に よって医療スタッフ認証をする構成が開示されていない旨主張する。 しかし,医療 原告の主張に対する反論原告は,乙2公報には,本件発明1-1のような医療スタッフ識別情報に よって医療スタッフ認証をする構成が開示されていない旨主張する。 しかし,医療情報システムにより医療情報に対し医療従事者がアクセスするためにアクセス権限が必要なことは特開平10-49604号公報(乙7),特開平11-184956号公報(乙8),乙9公報,乙1公報,乙6公報等の記載からも技術常識であり,乙2公報に記載された技術において看護師がベッドサイト端末に対応する患者の医療情報にアクセスする正当な 権限を有していることを認証するために看護師IDを入力することを要することは明らかである。 キ結論以上のとおり,本件発明1-1は,基準日当時,乙1電子カルテサーバに対し乙2公報に記載された発明を組み合わせることにより当業者が容易に 発明することができた。そして,同様の理由により,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10も当業者が容易に発明することができた。 したがって,本件発明1(本件発明1-1,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10)は,いずれも進歩性を欠く。 (原告の主張) ア乙1公報に記載された発明の構成乙1公報に記載された発明の構成は概ね被告の主張のとおりである。 しかし,本件発明1-1の患者識別情報とは,患者そのものを識別するための情報であり,患者名や患者IDが含まれるのに対し,乙1公報のベッド サイド端末識別子とは,ベッドサイド端末を識別するためのものであり,両者は異なる概念であって,乙1公報のベッドサイド端末識別子は「患者識別情報」には該当しない。また,乙1公報に医療スタッフのIDと患 サイド端末識別子とは,ベッドサイド端末を識別するためのものであり,両者は異なる概念であって,乙1公報のベッドサイド端末識別子は「患者識別情報」には該当しない。また,乙1公報に医療スタッフのIDと患者名の組み合わせごとに状態情報が記録されていることが記載されていることから(段落【0103】),乙1公報における「医療スタッフ識別子,及び,患者 名に対応する状態情報が存在するか否か判定する」とは,「医療スタッフ識 別子と患者名の組合せに対応する状態情報が存在するか否かを判定する」という一つの判断処理を行うステップを意味するものであると解釈すべきである。 イ本件発明1-1と乙1電子カルテサーバとの一致点,相違点本件発明1-1と乙1電子カルテサーバとを対比すると,以下の一致点及 び相違点1ないし4が認められる。 一致点本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,「看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部」と,「前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師 または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力部」とを備える情報処理装置であるという点で一致する。 相違点1本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,乙1電子カルテサーバにおいて「患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第 1取得部」(構成要件1-1A),「前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部」(構成要件1-1B),及び,「前記第1 判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を,前記 じめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部」(構成要件1-1B),及び,「前記第1 判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を,前記端末装置へ出力する第1出力部」(構成要件1-1C)に係る 構成を具備しない点において相違する。 相違点2本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,乙1電子カルテサーバにおいて「前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2 取得部」(構成要件1-1D)における「前記第1判定部で一致すると判定 された場合」に係る構成を具備しない点において相違する。 相違点3本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,乙1電子カルテサーバにおいて「前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致するか否か判定す る第2判定部」(構成要件1-1E)に係る構成を具備しない点において相違する。 相違点4本件発明1-1と乙1電子カルテサーバは,乙1電子カルテサーバにおいて「前記第2判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報 に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力部と,を備える情報処理装置」(構成要件1-1F)における「前記第2判定部が一致すると判定した場合」に係る構成を具備しない点において相違する。 ウ相違点1ないし4の容易想到性 乙2公報には,本件発明1-1のように患者識別情報によって患者認証をするという構成は開示されていない。また,医療ス 具備しない点において相違する。 ウ相違点1ないし4の容易想到性 乙2公報には,本件発明1-1のように患者識別情報によって患者認証をするという構成は開示されていない。また,医療スタッフIDの入力によってベッドサイド端末に関連付けられた患者に関する医療スタッフ向けの医療情報が表示されるとしても,本件発明1-1のように医療スタッフ識別情報によって医療スタッフ認証をするということも開示されていない。したが って,乙2公報には相違点1ないし4に係る構成は開示されておらず,乙1電子カルテサーバに乙2公報に記載された発明を組み合わせても相違点1ないし4は解消されない。また,乙2公報に記載された発明は,ナースコールシステムに関する発明であって乙1電子カルテサーバとは技術分野が異なり,また,乙1電子カルテサーバが医療情報の漏洩を防止することを目的 とするのに対し,ベッドサイド端末に患者向け及び看護師向けの情報を表示 したりすることによって看護師の負担を軽減し,利便性を向上させることを技術思想とするものであるから,乙1電子カルテサーバと技術思想においても根本的な相違があり,乙1電子カルテサーバと組み合わせる動機付けは存在しない。 以上のとおり,乙1電子カルテサーバに対し乙2公報に記載された発明を 組み合わせることによって,相違点1ないし4に係る本件発明1-1の構成を想到することが当業者にとって容易であったとは認められない。 エ結論以上のとおり,乙1電子カルテサーバに対し乙2公報に記載された発明をはじめとする公知技術を組み合わせることにより,相違点1ないし4に係る 本件発明1-1の構成を当業者が容易に想到することができたということはできない。そして,同様の理由により,本件発明1-2,本件 めとする公知技術を組み合わせることにより,相違点1ないし4に係る 本件発明1-1の構成を当業者が容易に想到することができたということはできない。そして,同様の理由により,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10の構成を当業者が容易に想到することができたということはできない。 したがって,本件発明1(本件発明1-1,本件発明1-2,本件発明1 -7,本件発明1-8及び本件発明1-10)は,いずれも進歩性を欠くものではない。 本件発明2は,いずれも乙1公報に記載された発明に基づき容易に想到することができたか(争点6)(被告の主張) 本件発明2の進歩性欠如の有無については,争点5で主張したところが妥当するから,本件発明2(本件発明2-1,本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7)は,いずれも乙1公報に記載された発明に対し乙2公報に記載された発明を組み合わせることで当業者が容易に想到可能なものであり,進歩性を欠いている。 (原告の主張) 本件発明2の進歩性欠如の有無については,争点5で主張したところが妥当するから,本件発明2(本件発明2-1,本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7)は,いずれも,乙1公報に記載された発明に乙2公報に記載された発明を組み合わせることにより当業者が容易に想到可能なものではない。 第3 当裁判所の判断 1 本件発明1の技術的意義本件明細書1の発明の詳細な説明欄には,次の記載があり,また,別紙本件明細書1図面の図がある(甲2)。 ア技術分野 「本発明は,医療に関する医療情報の表示技術に関する」(段落【0001】)イ背景技術 は,次の記載があり,また,別紙本件明細書1図面の図がある(甲2)。 ア技術分野 「本発明は,医療に関する医療情報の表示技術に関する」(段落【0001】)イ背景技術「従来,入院中の患者が自身に対して行われる処置,検査または手術等の医療情報を知りたい場合,医療情報をピクトグラム等で表示した端末装置で 確認することがある。この種の端末装置はデータを更新することで容易に表示内容を変更することができるため,紙等に比べて利便性が高いことから近年利用されている。」(段落【0002】)「例えば,特許文献1には医療情報を医療用サーバから取得し,取得した医療情報に基づいてピクトグラムを表示する端末装置が記載されている。」 (段落【0003】)ウ発明が解決しようとする課題「しかし,特許文献1に開示された端末装置では,セキュリティを確保することが難しいという問題がある。」(段落【0005】)「一つの側面では,セキュリティを従来より向上させることができるプロ グラム等を提供することにある。」(段落【0006】) エ課題を解決するための手段「上記目的を達成するため,本発明に係る情報処理装置は,患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第1取得部と,前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部と,前記第1判定部が一 致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報を,前記端末装置へ出力する第1出力部と,前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部 に対応する患者の医療情報を,前記端末装置へ出力する第1出力部と,前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と,前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報 とが一致するか否か判定する第2判定部と,前記第2判定部が一致すると判定した場合,前記第2患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力部と,を備える。」(段落【0007】)オ発明の効果 「患者の医療情報におけるセキュリティを従来より向上させることができる。」(段落【0013】)カ発明を実施するための形態 実施の形態1「以下本実施の形態を,図面を参照して説明する。図1は情報処理シス テムの概要を示す模式図である。図1に示す情報処理システムは,情報処理装置1と,医療用サーバ2と,端末装置3および電子カルテサーバ4とを備える。情報処理装置1,医療用サーバ2および端末装置3はインターネット,LAN (LocalAreaNetwork)または携帯電話網等の通信網N1により相互に接続されている。医療用サーバ2および電 子カルテサーバ4はインターネット,LANまたは携帯電話網等の通信網 N2により相互に接続されている。情報処理装置1は通信網N1を介して,医療用サーバ2および端末装置3との間で情報の送受信を行っている。医療用サーバ2は通信網N2を介して,電子カルテサーバ4との間で情報の送受信を行っている。なお,電子カルテサーバ4はセキュリティの観点から情報 バ2および端末装置3との間で情報の送受信を行っている。医療用サーバ2は通信網N2を介して,電子カルテサーバ4との間で情報の送受信を行っている。なお,電子カルテサーバ4はセキュリティの観点から情報処理装置1および端末装置3と通信網N1で接続されていない。本 実施形態における電子カルテ421内の情報は例えばSS―MIX(StandardizedStructuredMedicalInformationeXchange)等のシステムを用いて送受信されている。」(段落【0015】)「以下では情報処理システムの概要を説明する。電子カルテサーバ4は 後述する電子カルテ421を記憶する装置であり,例えばサーバコンピュータ等である。電子カルテサーバ4は医療用サーバ2へ電子カルテ421内に記憶された医療情報等を出力する。」(段落【0016】)「医療用サーバ2は患者,看護師または医師(ユーザ)等を識別するためのID(識別情報)および医療に関する医療情報等を記憶する装置であ り,例えばサーバコンピュータ等である。医療用サーバ2は電子カルテサーバ4から医療情報等を取得する。医療用サーバ2は取得した医療情報等をIDと関連付けて記憶する。医療用サーバ2はIDと関連付けて記憶した医療情報等を情報処理装置1へ出力する。」(段落【0017】)「情報処理装置1は端末装置3に表示する画面等を生成する装置であり, 例えばパーソナルコンピュータ等である。情報処理装置1はIDおよび医療情報等を医療用サーバ2から取得する。情報処理装置1はIDおよび医療情報等に基づいて医療情報を表示するための医療画面を生成する。情報処理装置1は生成した医療画面を端末装置3へ出力する。」(段落【0018】) 得する。情報処理装置1はIDおよび医療情報等に基づいて医療情報を表示するための医療画面を生成する。情報処理装置1は生成した医療画面を端末装置3へ出力する。」(段落【0018】) 「端末装置3は医療画面等を表示する装置であり,例えば,タブレット 型コンピュータ,スマートフォン,PDA(PersonalDigitalAssistant),携帯電話またはパーソナルコンピュータ等である。本実施形態における端末装置3はタブレット型コンピュータであるとして説明する。端末装置3は患者の手に巻かれたリストバンドに記載されたバーコードから認証処理を行う(詳しい記述は後述する)。端末 装置3は認証処理を行った後,情報処理装置1から医療画面を取得する。 端末装置3は取得した医療画面を表示する。患者は医療画面を確認することで自身に行われる医療行為等を知ることができる。」(段落【0019】)「図7は患者の医療情報を表示するための患者用画面5を説明する説明図である。図7に示すように,患者用画面5は右部に設けられた医療 情報表示欄50と,医療情報表示欄50の下部に設けられた切り替えボタン54と,医療情報表示欄50の左上部に設けられた年月日欄55とを備える。医療情報表示欄50は左部に設けられた予定欄51と,右部に設けられた注意欄52と,予定欄51および注意欄52の下部に設けられたピクトグラム欄53とを備える。」(段落【0043】) 「本実施形態における情報処理システムを説明する。まず情報処理システムは認証処理を行う。具体的な認証処理は以下の通りである。本実施形態における患者は1次元または2次元のバーコードを記載したリストバンドを手に巻いている。バーコードには患者IDが含まれている。患者は端末装 証処理を行う。具体的な認証処理は以下の通りである。本実施形態における患者は1次元または2次元のバーコードを記載したリストバンドを手に巻いている。バーコードには患者IDが含まれている。患者は端末装置3の撮像部37でバーコードを撮像する。CPU31は撮像部3 7で撮像されたバーコードを取得する。CPU31は画像処理を用いて取得したバーコードを患者ID「001」に変換する。すなわちリストバンドとは,識別情報を含む識別媒体である。識別媒体とは,識別情報を介して自身を所持する患者,看護師または医師を識別するための器具または装置等の媒体である。なお,本実施形態ではリストバンドにバーコードを記 載したが,これに限られるものではない。リストバンドは画像を記載して もよい。またリストバンドは数字,文字もしくは記号の羅列またはそれらの組み合わせを記載してもよい。」(段落【0045】)「本実施形態では識別媒体としてリストバンドを用いたが,近距離通信を行う無線タグまたはIC(IntegratedCircuit) チップを搭載したICカード等を識別媒体として用いてもよい。無線タグの 使用方法は以下の通りである。患者が無線タグを端末装置3に近づける。 無線タグは患者IDを含む無線信号を端末装置3へ送信する。CPU31は無線タグから無線信号を通信部36で受信し,通信部36で受信した無線信号に含まれる患者IDを取得する。ICカードの使用方法は以下の通りである。患者が端末装置3に付属したカードリーダ(図示せず)にIC カードをタッチする。カードリーダはICチップに含まれる患者IDを読み取る。CPU31は読み取った患者IDをカードリーダから取得する。」(段落【0046】)「CPU31は患者ID「001」 をタッチする。カードリーダはICチップに含まれる患者IDを読み取る。CPU31は読み取った患者IDをカードリーダから取得する。」(段落【0046】)「CPU31は患者ID「001」を通信部36から医療用サーバ2へ出力する。CPU21は患者ID「001」を通信部26で端末装置3か ら取得する。CPU21は取得した患者ID「001」ならびに記憶部22に記憶された医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223および手術情報DB224を通信部26から情報処理装置1へ出力する。CPU11は患者ID「001」,医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223および手術情報DB224を通信部16 で医療用サーバ2から取得する。なお,CPU11はRAM13に患者IDを一時的に記憶している。また,CPU11は記憶部12に患者IDを記憶してもよい。あるいはCPU11は患者IDと同時に医療情報DB221を取得するだけでなく,あらかじめ医療情報DB221等を取得していてもよい。CPU11は医療情報DB221を参照し,患者ID「00 1」が記憶されているか否かを判定する。CPU11は医療情報DB22 1に患者ID「001」が記憶されていると判定する。CPU11は医療情報DB221に基づいて患者用画面5を生成する。」(段落【0047】)「以下,患者用画面5の生成方法を説明する。CPU11は計時部17から現在の年月日「2015年8月20日」を取得する。CPU11は現在の年月日「2015年8月20日」を年月日欄55に生成する。CPU 11は予定情報DB222を参照する。CPU11は年月日「2015年8月20日」の患者ID「001」に対応する医療時刻「10:20」および医療情報 8月20日」を年月日欄55に生成する。CPU 11は予定情報DB222を参照する。CPU11は年月日「2015年8月20日」の患者ID「001」に対応する医療時刻「10:20」および医療情報「CT検査」,医療時刻「14:00」および医療情報「リハビリ」ならびに医療時刻「18:00」および医療情報「栄養指導」を予定欄51に生成する。」(段落【0048】) 「CPU11は医療情報DB221を参照する。CPU11は患者ID「001」に対応する注意メッセージ「アルコール禁止」等を注意欄52に生成する。CPU11は患者ID「001」に対応するピクトグラムH等をピクトグラム欄53に生成する。」(段落【0049】)「CPU11は生成した患者用画面5を通信部16から端末装置3へ出 力する。CPU31は患者用画面5を通信部36で情報処理装置1から取得する。CPU31は患者用画面5を表示部35に表示する。」(段落【0050】)「次に患者用画面5の動作について説明する。患者が入力部34で切り替えボタン54の検査ボタンをタッチする。CPU31は検査ボタン の入力を受け付ける。CPU31は検査表示画面6の出力要求を通信部36から情報処理装置1へ出力する。CPU11は検査表示画面6の出力要求を通信部16で端末装置3から取得する。CPU11は検査情報DB223に基づいて検査表示画面6を生成する。CPU11は検査表示画面6を通信部16から端末装置3へ出力する。CPU31は検査表 示画面6を通信部36で情報処理装置1から取得する。CPU31は検 査表示画面6を表示部35に表示する。」(段落【0051】)「図11~12は本実施形態における情報処理システムの処理手順を示したフロー 36で情報処理装置1から取得する。CPU31は検 査表示画面6を表示部35に表示する。」(段落【0051】)「図11~12は本実施形態における情報処理システムの処理手順を示したフローチャートである。患者は端末装置3の撮像部37でバーコードを撮像する。CPU31は撮像部37で撮像されたバーコードを取得する(ステップS11)。CPU31は画像処理を用いて取得したバー コードを患者IDに変換する(ステップS12)。CPU31は患者IDを通信部36で医療用サーバ2へ出力する(ステップS13)。CPU21は患者IDを通信部26で端末装置3から取得する(ステップS14)。CPU21は取得した患者IDならびに記憶部22に記憶された医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223および手 術情報DB224を通信部26から情報処理装置1へ出力する(ステップS15)。CPU11は患者ID,医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223および手術情報DB224を通信部16で医療用サーバ2から取得する(ステップS16)。CPU11は医療情報DB221を参照し,患者ID「001」が記憶されているか否かを判 定する(ステップS17)。」(段落【0065】)「CPU11は取得した患者IDが医療情報DB221に記憶されていないと判定した場合(ステップS17:NO),処理を終了する。CPU21は取得した患者IDが医療情報DB221に記憶されていると判定した場合(ステップS17:YES),医療情報DB221および予定情報D B222に基づいて患者用画面5を生成する(ステップS18)。CPU11は患者用画面5を通信部16から端末装置3へ出力する(ステップS19)。CPU31は患者用画面5を通信 よび予定情報D B222に基づいて患者用画面5を生成する(ステップS18)。CPU11は患者用画面5を通信部16から端末装置3へ出力する(ステップS19)。CPU31は患者用画面5を通信部36で情報処理装置1から取得する(ステップS20)。CPU31は患者用画面5を表示部35に表示する(ステップS21)。」(段落【0066】) 「CPU31は検査ボタンの入力を受け付けたか否かを判定する(ステ ップS22)。CPU31は検査ボタンの入力を受け付けなかったと判定した場合(ステップS22:NO),処理をステップS24に移す。CPU31は検査ボタンの入力を受け付けたと判定した場合(ステップS22:YES),検査表示画面6の表示処理を行う(ステップS23)。」(段落【0067】) 「CPU31は手術ボタンの入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS24)。CPU31は手術ボタンの入力を受け付けなかったと判定した場合(ステップS24:NO),処理をステップS21に移し,処理を繰り返す。CPU31は手術ボタンの入力を受け付けたと判定した場合(ステップS24:YES),手術表示画面7の表示処理を行い(ステップ S25),処理をステップS21に移し,処理を繰り返す。」(段落【0068】) 実施の形態2「実施の形態2は看護師が患者の医療情報を確認するための看護師専用画面9を表示部35に表示する実施の形態に関する。以下,特に説明する 構成,作用以外の構成および作用は実施の形態1と同等であり,簡潔のため記載を省略する。図17は情報処理装置1,医療用サーバ2,端末装置3および電子カルテサーバ4のハードウェア群を示すブロック図である。 図17に示すように, び作用は実施の形態1と同等であり,簡潔のため記載を省略する。図17は情報処理装置1,医療用サーバ2,端末装置3および電子カルテサーバ4のハードウェア群を示すブロック図である。 図17に示すように,記憶部22はさらにID種類DB225およびバイタルDB226を備える。また記憶部32には端末装置3を識別するため の端末IDが記憶されている。」(段落【0088】)「図18はID種類DB225に格納されているデータの一例を示す図である。ID種類DB225はIDの種類等を記憶するデータベースである。ID種類DB225はID列およびID種類列を備える。ID列にはIDが記憶される。ID種類列にはIDにより識別されるユーザの種類が 記憶される。ID種類列には例えば,患者ID,看護師IDまたは医師I D等が記憶される。患者IDとは患者を識別するためのIDであることを示す。看護師IDとは看護師を識別するためのIDであることを示す。医師IDとは医師を識別するためのIDであることを示す。ID種類DB225は看護師または医師により入力部24であらかじめ記憶されている。」(段落【0089】) 「図19はバイタルDB226に格納されているデータの一例を示す図である。バイタルDB226はバイタル等を記憶するデータベースである。 バイタルとは患者の状態を表す情報であり,例えば,体温,呼吸数,最高血圧,最低血圧,脈拍数または動脈内の酸素濃度等である。すなわち,バイタルとは患者の生命に対する基本的な情報である。バイタルDB226 は患者ID列,医療年月日列,医療時刻列,体温列,呼吸数列,最高血圧列,最低血圧列,脈拍数列および酸素濃度列を備える。患者ID列には患者IDが記憶される。医療年月日列には医療年月日が は患者ID列,医療年月日列,医療時刻列,体温列,呼吸数列,最高血圧列,最低血圧列,脈拍数列および酸素濃度列を備える。患者ID列には患者IDが記憶される。医療年月日列には医療年月日が記憶される。医療時刻列にはバイタルを取得した時刻を示す医療時刻(取得時間)が記憶される。体温列には患者ID,医療年月日および医療時刻に対応づけられた体 温が記憶される。呼吸数列には患者ID,医療年月日および医療時刻に対応づけられた呼吸数が記憶される。最高血圧列には患者ID,医療年月日および医療時刻に対応づけられた最高血圧が記憶される。最低血圧列には患者ID,医療年月日および医療時刻に対応づけられた最低血圧が記憶される。脈拍数列には患者ID,医療年月日および医療時刻に対応づけられ た脈拍数が記憶される。酸素濃度列には患者ID,医療年月日および医療時刻に対応づけられた酸素濃度が記憶される。バイタルDB226の記憶方法は後述する。なお,バイタルDB226の各列は対応づけられている。」(段落【0090】)「本実施形態における情報処理システムを説明する。CPU31が患者 用画面5を表示部35に表示した後,看護師が自身のリストバンドに記載 されたバーコードを撮像部37で撮像する。CPU31は撮像部37で撮像されたバーコードを取得する。CPU31はバーコードを看護師ID「N0001」に変換する。CPU31は看護師ID「N0001」を通信部36から医療用サーバ2へ出力する。」(段落【0091】)「CPU21は看護師ID「N0001」を通信部26で端末装置3か ら取得する。CPU21は取得した看護師ID「N0001」ならびに記憶部22に記憶された医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報 1は看護師ID「N0001」を通信部26で端末装置3か ら取得する。CPU21は取得した看護師ID「N0001」ならびに記憶部22に記憶された医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223,手術情報DB224,ID種類DB225およびバイタルDB226を通信部26から情報処理装置1へ出力する。CPU11は看護師ID「N0001」,医療情報DB221,予定情報DB222,検査 情報DB223,手術情報DB224,ID種類DB225およびバイタルDB226を通信部16で医療用サーバ2から取得する。なお,CPU11はRAM13に看護師IDを一時的に記憶している。また,CPU11は記憶部12にあらかじめ看護師IDを記憶してもよい。」(段落【0092】) 「CPU11はID種類DB225を参照し,看護師ID「N0001」が記憶されているか否かを判定する。CPU11はID種類DB225に看護師ID「N0001」が記憶されていると判定する。CPU11はID種類DB225を参照し,看護師ID「N0001」のID種類が「看護師ID」であるか否かを判定する。CPU11はID「N0001」の ID種類が「看護師ID」であると判定する。」(段落【0093】)「CPU11は看護師専用画面9を生成する。CPU11は看護師専用画面9を通信部16から端末装置3へ出力する。CPU31は看護師専用画面9を通信部36で情報処理装置1から取得する。CPU31は看護師専用画面9を表示部35に表示する。」(段落【0094】) 「図20は看護師専用画面9を説明する説明図である。看護師専用画面 9は左部に設けられた看護支援記録ボタン91と,看護支援記録ボタン91の右上部に設けられたバイ 】) 「図20は看護師専用画面9を説明する説明図である。看護師専用画面 9は左部に設けられた看護支援記録ボタン91と,看護支援記録ボタン91の右上部に設けられたバイタルボタン92と,バイタルボタン92の右部に設けられた切り替えボタン93とを備える。」(段落【0095】)「看護支援記録ボタン91は患者のバイタルの変化を表示するための看護支援記録画面(変化画面)110を表示するためのボタンである。看護 支援記録画面110は電子カルテ421を表示する場合に,一般的に用いられる画面である。看護師は看護支援記録画面110を用いることで見慣れた画面で作業をすることができるため,作業効率を上げることができる。 バイタルボタン92は患者のバイタルを入力するためのバイタル画面(入力画面)10を表示するためのボタンである。切り替えボタン93はリハ ビリ,与薬,検査,手術および処置ボタンを備える。」(段落【0096】)「以下,看護師専用画面9の動作を説明する。看護師が入力部34でバイタルボタン92をタッチする。CPU31はバイタルボタン92の入力を受け付ける。CPU31はバイタル画面10の出力要求を通信部36から情報処理装置1へ出力する。CPU11はバイタル画面10の出力要求 を通信部16で端末装置3から取得する。CPU11はバイタル画面10を生成する。CPU11はバイタル画面10を通信部16から端末装置3へ出力する。CPU31はバイタル画面10を通信部36で情報処理装置1から取得する。CPU31はバイタル画面10を表示部35に表示する。」(段落【0097】) 「看護師が入力部34で看護支援記録ボタン91をタッチする。CPU31は看護支援記録ボタン91の入力 CPU31はバイタル画面10を表示部35に表示する。」(段落【0097】) 「看護師が入力部34で看護支援記録ボタン91をタッチする。CPU31は看護支援記録ボタン91の入力を受け付ける。CPU31は看護支援記録画面110の出力要求を通信部36から情報処理装置1へ出力する。CPU11は看護支援記録画面110の出力要求を通信部16で端末装置3から取得する。CPU11はバイタルDB226に基づいて看護支 援記録画面110を生成する。CPU11は看護支援記録画面110を通 信部16から端末装置3へ出力する。CPU31は看護支援記録画面110を通信部36で情報処理装置1から取得する。CPU31は看護支援記録画面110を表示部35に表示する。切り替えボタン93は切り替えボタン65と同様の動作であり,簡潔のため記載を省略する。」(段落【0098】) 「図21はバイタル画面10を説明する説明図である。バイタル画面10は上部に設けられた医療日時欄101と,医療日時欄101の左下部に設けられた体温欄102と,体温欄102の右部に設けられた呼吸数欄103と,体温欄102の下部に設けられた最高血圧欄104と,最高血圧欄104の右部に設けられた最低血圧欄105と,最高血圧欄104の下 部に設けられた脈拍欄106と,脈拍欄106の右部に設けられた酸素濃度欄107と,右下部に設けられた登録ボタン108とを備える。」(段落【0099】)「医療日時欄101は医療年月日および医療を行う医療時刻の入力を受け付けるための欄である。体温欄102は体温の入力を受け付けるための 欄である。呼吸数欄103は呼吸数の入力を受け付けるための欄である。 最高血圧欄104は最高血圧の入力を受け付けるた 入力を受け付けるための欄である。体温欄102は体温の入力を受け付けるための 欄である。呼吸数欄103は呼吸数の入力を受け付けるための欄である。 最高血圧欄104は最高血圧の入力を受け付けるための欄である。最低血圧欄105は最低血圧の入力を受け付けるための欄である。脈拍欄106は脈拍数の入力を受け付けるための欄である。酸素濃度欄107は酸素濃度の入力を受け付けるための欄である。登録ボタン108は入力されたバ イタルを電子カルテ421に登録するためのボタンである。なお,体温欄102,呼吸数欄103,最高血圧欄104,最低血圧欄105,脈拍欄106および酸素濃度欄107の夫々の単位は,セルシウス度,回数,MmHg(水銀柱ミリメートル),MmHg,1分あたりの回数およびパーセントである。」(段落【0100】) 「以下,バイタル画面10の動作を説明する。看護師が自身の時計を見 て,入力部34で医療日時欄101をタッチし,現在の医療年月日「2015年8月20日」および医療時刻「9時00分」を入力部34で入力する。CPU31は医療年月日「2015年8月20日」および医療時刻「9時00分」の入力を受け付ける。なお,端末装置3に内蔵された計時部(図示せず)から自動的に医療年月日および医療時刻を取得してもよい。」(段 落【0101】)「看護師が患者の体温「37.0」を医療器具で測る。看護師が入力部34で体温欄102をタッチし,体温「37.0」を入力部34で入力する。CPU31は体温「37.0」の入力を受け付ける。看護師が患者の呼吸数「60」を医療器具で測る。看護師が入力部34で呼吸数欄103 をタッチし,呼吸数「60」を入力部34で入力する。CPU31は呼吸数「60」の入力を受け付 力を受け付ける。看護師が患者の呼吸数「60」を医療器具で測る。看護師が入力部34で呼吸数欄103 をタッチし,呼吸数「60」を入力部34で入力する。CPU31は呼吸数「60」の入力を受け付ける。」(段落【0102】)「看護師が医療器具で患者の最高血圧「130」を測る。看護師が入力部34で最高血圧欄104をタッチし,最高血圧「130」を入力部34で入力する。CPU31は最高血圧「130」の入力を受け付ける。看護 師が患者の最低血圧「60」を測る。看護師が入力部34で最低血圧欄105をタッチし,最低血圧「60」を入力部34で入力する。CPU31は最低血圧「60」の入力を受け付ける。」(段落【0103】)「看護師が医療器具で患者の脈拍数「75」を測る。看護師が入力部34で脈拍欄106をタッチし,脈拍数「75」を入力部34で入力する。 CPU31は脈拍数「75」の入力を受け付ける。看護師が医療器具で患者の酸素濃度「96」を測る。看護師が入力部34で酸素濃度欄107をタッチし,酸素濃度「96」を入力部34で入力する。CPU31は酸素濃度「96」の入力を受け付ける。」(段落【0104】)「看護師が登録ボタン108を入力部34でタッチした場合,CPU3 1は医療年月日「2015年8月20日」,医療時刻「9時00分」,体温 「37.0」,呼吸数「60」,最高血圧「130」,最低血圧「60」,脈拍数「75」および酸素濃度「96」等のバイタルを通信部36から医療用サーバ2へ出力する。CPU21は医療年月日「2015年8月20日」,医療時刻「9時00分」,体温「37.0」,呼吸数「60」,最高血圧「130」,最低血圧「60」,脈拍数「75」および酸素濃度「96」等のバ イ CPU21は医療年月日「2015年8月20日」,医療時刻「9時00分」,体温「37.0」,呼吸数「60」,最高血圧「130」,最低血圧「60」,脈拍数「75」および酸素濃度「96」等のバ イタルを通信部26で端末装置3から取得する。CPU21はバイタルDB226に各バイタルを記憶する。CPU21はバイタルを通信部26から電子カルテサーバ4へ出力する。CPU41はバイタルを通信部46で医療用サーバ2から取得する。CPU41は電子カルテ421にバイタルを記憶する。CPU41は電子カルテ421内に記憶されたバイタルに基 づいて看護支援記録画面110を生成する。」(段落【0105】)「図22は看護支援記録画面110を説明する説明図である。看護支援記録画面110は上部に設けられたバイタルグラフ120と,バイタルグラフ120の下部に設けられた体温欄130と,体温欄130の下部に設けられた脈拍数欄140と,脈拍数欄140の下部に設けられた最高血圧 欄150と,最高血圧欄150の下部に設けられた最低血圧欄160と,右部に設けられた患者ID欄170と,患者ID欄170の上部に設けられた医療年月日欄180とを備える。体温欄130は体温表示するための欄である。脈拍数欄140は脈拍数を表示するための欄である。最高血圧欄150は最高血圧を表示するための欄である。最低血圧欄160は最低 血圧欄を表示するための欄である。患者ID欄170は患者のIDを表示するための欄である。医療年月日欄180は医療年月日を切り替えるための欄である。バイタルグラフ120は患者のバイタル変化を表示したグラフである。バイタルグラフ120の実線は体温のグラフである。バイタルグラフ120の破線は脈拍数のグラフである。バイタルグラフ120の一 点 イタルグラフ120は患者のバイタル変化を表示したグラフである。バイタルグラフ120の実線は体温のグラフである。バイタルグラフ120の破線は脈拍数のグラフである。バイタルグラフ120の一 点鎖線は最高血圧のグラフである。バイタルグラフ120の二点鎖線は最 低血圧のグラフである。看護支援記録画面110は電子カルテ上においてバイタルを表示する一般的な画面である。看護支援記録画面110を表示することで看護師は電子カルテと同じように患者のバイタルを確認することができる。」(段落【0106】)「看護支援記録画面110の動作は以下の通りである。看護師が患者I D欄170の患者ID「001」を入力部34でタッチした場合,CPU31はバイタルグラフ120,体温欄130,脈拍数欄140,最高血圧欄150,最低血圧欄160および患者ID欄170を患者ID「001」に対応する看護支援記録画面110に切り替える。看護師が医療年月日欄180の医療年月日を入力部34で「2015年8月20日」に切り替え た場合,CPU31は「2015年8月20日」に対応する看護支援記録画面110に切り替える。CPU41は本日,電子カルテ421内に記憶されたバイタルに基づいて看護支援記録画面110を生成する。また,看護師が医療年月日「2015年8月18日」に切り替えた場合,CPU31は「2015年8月18日」に対応する看護支援記録画面110に切り 替える。CPU41は過去に電子カルテ421内に記憶されたバイタルに基づいて看護支援記録画面110を生成する。このように,CPU31が医療年月日欄180の表示を切り替えることでCPU41は現在および過去に記録したバイタルの看護支援記録画面110を生成することができる。またCPU41はバイタ 0を生成する。このように,CPU31が医療年月日欄180の表示を切り替えることでCPU41は現在および過去に記録したバイタルの看護支援記録画面110を生成することができる。またCPU41はバイタル画面10で入力されたバイタルだけでな く,あらかじめ診察時等に電子カルテ421内に記録されたバイタルに基づいて看護支援記録画面110を生成してもよい。」(段落【0107】)「患者ID「001」に対応する看護支援記録画面110の生成方法は以下の通りである。CPU41はバイタルDB226を通信部46で医療用サーバ2から取得する。CPU41は取得したバイタルDB226に基 づいて電子カルテ421を更新する。CPU41は電子カルテ421に記 憶されたバイタルを参照し,体温欄130,脈拍数欄140,最高血圧欄150,最低血圧欄160および患者ID欄170に体温,脈拍数,最高血圧,最低血圧および患者IDを生成する。CPU11は体温,脈拍数,最高血圧および最低血圧の時系列のグラフをバイタルグラフ120 に生成する。」(段落【0108】) 「具体例として体温のグラフの生成方法を以下に述べる。CPU41は電子カルテ421内のバイタルを参照する。電子カルテ421内のバイタルのデータ構成はバイタルDB226と同様であり,簡潔のため,図19を参照する。図19に示すように,CPU41は患者ID「001」の医療時刻「9:00」に対応する体温「37.0」,医療時刻「10:00」 に対応する体温「37.0」,医療時刻「11:00」に対応する体温「37.0」,医療時刻「12:00」に対応する体温「36.7」,医療時刻「13:00」に対応する体温「36.5」をバイタルグラフ120上にプロットし,線で結ぶことでグラ 11:00」に対応する体温「37.0」,医療時刻「12:00」に対応する体温「36.7」,医療時刻「13:00」に対応する体温「36.5」をバイタルグラフ120上にプロットし,線で結ぶことでグラフを生成する。以下脈拍数,最高血圧および最低血圧ともに同様であり,簡潔のため記載を省略する。」(段落【0 109】)「CPU31は医療用サーバ2および情報処理装置1を介して看護支援記録画面110を取得し,表示部35に表示する。」(段落【0110】)「図23~26は本実施形態における情報処理システムの処理手順を示したフローチャートである。ステップS11~S70の処理は上述の実施 の形態1に係る情報処理システムと同様であるので,簡潔のため説明を省略する。CPU31がステップS21の処理を終了した後,看護師が自身の認証カードに記載されたバーコードを撮像部37で撮像する。CPU31は撮像部37で撮像されたバーコードを取得する(ステップS80)。 CPU31はバーコードをIDに変換する(ステップS81)。CPU3 1はIDを通信部36から医療用サーバ2へ出力する(ステップS82)。 CPU21はIDを通信部26で端末装置3から取得する(ステップS83)。」(段落【0111】)「CPU21は取得した看護師IDならびに記憶部22に記憶された医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223,手術情報DB224,ID種類DB225およびバイタルDB226を通信部2 6から情報処理装置1へ出力する(ステップS84)。CPU11は看護師ID,医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223,手術情報DB224,ID種類DB225およびバイタルDB226を通信部16 装置1へ出力する(ステップS84)。CPU11は看護師ID,医療情報DB221,予定情報DB222,検査情報DB223,手術情報DB224,ID種類DB225およびバイタルDB226を通信部16で取得する(ステップS85)。」(段落【0112】)「CPU11はIDがID種類DB225に記憶されているか否かを判 定する(ステップS86)。CPU11はIDがID種類DB225に記憶されていないと判定した場合(ステップS86:NO),処理を終了する。CPU11はIDがID種類DB225に記憶されていると判定した場合(ステップS86:YES),ID種類が看護師IDであるか否かを判定する(ステップS87)。」(段落【0113】) 「CPU11はIDの種類が看護師IDでないと判定した場合(ステップS87:NO),処理をステップS17に移す。CPU21はIDの種類が看護師IDであると判定した場合(ステップS87:YES),看護師専用画面9を生成する(ステップS88)。CPU11は看護師専用画面9を通信部16から端末装置3へ出力する(ステップS89)。CPU31 は看護師専用画面9を通信部36で情報処理装置1から取得する(ステップS90)。CPU31は看護師専用画面9を表示部35に表示する(ステップS91)。」(段落【0114】)「CPU31はバイタルボタン92の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS92)。CPU31はバイタルボタン92の入力を受け付 けなかったと判定した場合(ステップS92:NO),処理をステップS 108に移す。CPU31はバイタルボタン92の入力を受け付けたと判定した場合(ステップS92:YES),バイタル画面10の出力要求を通信部3 ステップS92:NO),処理をステップS 108に移す。CPU31はバイタルボタン92の入力を受け付けたと判定した場合(ステップS92:YES),バイタル画面10の出力要求を通信部36から情報処理装置1へ出力する(ステップS93)。」(段落【0115】)「CPU11はバイタル画面10の出力要求を通信部16で端末装置3 から取得する(ステップS94)。CPU11はバイタル画面10を生成する(ステップS95)。CPU11はバイタル画面10を通信部16から端末装置3へ出力する(ステップS96)。CPU31はバイタル画面10を通信部36で情報処理装置1から取得する(ステップS97)。CPU31はバイタル画面10を表示部35に表示する(ステップS98)。」 (段落【0116】)「CPU31はバイタルの入力を受け付ける(ステップS99)。CPU31は入力を受け付けたバイタルを通信部36から医療用サーバ2へ出力する(ステップS100)。CPU21はバイタルを通信部26で端末装置3から取得する(ステップS101)。CPU21はバイタルDB2 26を更新する(ステップS102)。」(段落【0117】)「CPU21はバイタルDB226を通信部26から電子カルテサーバ4へ出力する(ステップS103)。CPU41はバイタルDB226を通信部46で医療用サーバ2から取得する(ステップS104)。CPU41は取得したバイタルDB226に基づいて電子カルテ421を更新 する(ステップS105)。CPU41は電子カルテ421に基づいて看護支援記録画面110を生成する(ステップS106)。CPU41は電子カルテ421に看護支援記録画面110を記憶し(ステップS107),処理を終 S105)。CPU41は電子カルテ421に基づいて看護支援記録画面110を生成する(ステップS106)。CPU41は電子カルテ421に看護支援記録画面110を記憶し(ステップS107),処理を終了する。」(段落【0118】)「CPU31はステップS100の処理を終了した後,看護支援記録ボ タン91の入力を受け付けたか否かを判定する(ステップS108)。C PU31は看護支援記録ボタン91の入力を受け付けなかったと判定した場合(ステップS108:NO)ステップS92に処理を移す。CPU31は看護支援記録ボタン91の入力を受け付けたと判定した場合(ステップS108:YES),看護支援記録画面110の出力要求を通信部36から情報処理装置1へ出力する(ステップS109)。CPU11「は看 護支援記録画面110の出力要求を通信部16で端末装置3から取得する(ステップS110)。」(段落【0119】)「CPU11は看護支援記録画面110の出力要求を通信部16から医療用サーバ2を介して電子カルテサーバ4へ出力する(ステップS111)。CPU41は看護支援記録画面110の出力要求を通信部46で医 療用サーバ2を介して情報処理装置1から取得する(ステップS112)。 CPU41は電子カルテ421を参照する(ステップS113)。」(段落【0120】)「CPU41は電子カルテ421内の看護支援記録画面110を取得する(ステップS114)。CPU41は看護支援記録画面110を通信部 16から端末装置3へ出力する(ステップS115)。CPU31は看護支援記録画面110を通信部36で情報処理装置1から取得する(ステップS116)。」(段落【0121】)「CPU11 16から端末装置3へ出力する(ステップS115)。CPU31は看護支援記録画面110を通信部36で情報処理装置1から取得する(ステップS116)。」(段落【0121】)「CPU11は看護支援記録画面110を通信部16から端末装置3へ出力する(ステップS117)。CPU31は看護支援記録画面110 を通信部36で情報処理装置1から取得する(ステップS118)。CPU31は看護支援記録画面110を表示部35に表示する(ステップS119)。CPU31は入力部34で看護師専用画面9等の表示処理の終了処理を行い(ステップS120),ステップS23に処理を移す。」(段落【0122】) 「一側面によれば,CPU31はバイタル画面10でバイタルの入力を 受け付けることができる。このことにより,看護師または医師が端末装置3で容易にバイタルの入力を行うことができる。」(段落【0123】)「なお,本実施形態では看護師IDであると判定した場合,看護師専用画面9,バイタル画面10および看護支援記録画面110を表示したが,医師IDであると判定した場合に看護師専用画面9,バイタル画面10お よび看護支援記録画面110を表示してもよい。」(段落【0125】) 本件明細書1の記載によれば,本件発明1の意義は,次のとおりであると認められる。 本件発明1は,医療情報の表示技術に関するものである。 従来技術として,入院中の患者が自身に対して行われる処置,検査または手 術等の医療情報を知りたい場合,医療情報を医療用サーバから取得し,取得した医療情報に基づくピクトグラム等を表示する端末装置があった。なお,本件明細書1において従来技術が記載されたものとして掲げられている文献(特開 を知りたい場合,医療情報を医療用サーバから取得し,取得した医療情報に基づくピクトグラム等を表示する端末装置があった。なお,本件明細書1において従来技術が記載されたものとして掲げられている文献(特開2015-18461号公報。甲11)には,医療スタッフが,①病院内システム用ネットワークに接続する機器(設定端末)にアクセスして電子カルテシ ステムに記録されたカルテ情報を取得すること,②設定端末を用いてベッドサイド端末と無線通信し,個々の入院患者に対応する端末装置に表示する表示情報を取得したカルテ情報の中から選択し,端末装置ごとに設定するという構成などが開示されていた。 しかし,上記のような端末装置では,セキュリティを確保することが難しい という課題があった。本件発明1は,その課題を解決するために,本件発明1の構成を有するものである。 2 被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明1-1の技術的範囲に属するか(争点1)被告製品の患者登録に係る構成は構成要件1-1A及び1-1Bを充足す るか(争点1-1)について ア第1判定と第2判定の関係 本件発明1-1の特許請求の範囲の記載をみると,本件発明1-1は,「患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第1取得部と」(構成要件1-1A),「前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否 かを判定する第1判定部と」(構成要件1-1B)を有するものであり,第1判定部において第1判定をする。また,「前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と」(構成要件1-1D),「前記第1医師等識別情報と る。また,「前記第1判定部で一致すると判定された場合に,看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部と」(構成要件1-1D),「前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらか じめ記憶された第2医師等識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部と」(構成要件1-1E)を有するものであり,第2判定部において第2判定をする。 ここで,第1判定と第2判定の関係について,特許請求の範囲には,「前記第1判定部で一致すると判定された場合に」(構成要件1-1D),第1 医師等識別情報が取得されて第2判定がされることが記載されている。このことから,第1判定で一致すると判定されることが,第2判定がされることの前提であることが記載されているといえる。もっとも,第1判定と第2判定との時間的な接着性の有無等についての記載はない。 そこで,本件明細書1をみると,本件明細書1には,実施の形態1ない し4が記載されている。実施の形態1では,第1判定や,第1判定で一致するとの判定がされて患者の医療情報を出力することについての実施の形態(構成要件1-1Aないし1-1C)が記載されているが,第1判定で一致するとの判定がされた直後に第2判定がされるとか,第1判定は,第2判定がされる都度にされるものであるなど,第1判定と第2判定の時 間的関係やその機会についての記載はない。そして,実施の形態1では, 患者が,患者の手に巻いており識別情報を含むリストバンドのバーコードを端末装置の撮像部で撮像することによって第1判定がされる(段落【0045】)。そして,第1判定で一致するとの判定がされた場合には,「患者用画面」が生成,表示され(段落【0047】ないし【0050】),患者用画 像部で撮像することによって第1判定がされる(段落【0045】)。そして,第1判定で一致するとの判定がされた場合には,「患者用画面」が生成,表示され(段落【0047】ないし【0050】),患者用画面には検査の予定や患者への注意事項が表示されるなどし(【004 3】【図7】,患者はその画面を確認することで患者に対して行われる医療行為等を知ることができ(段落【0019】),その患者用画面に対し,患者が,例えば,検査ボタンをタッチすると検査名欄や検査説明欄が表示された検査表示画面が生成,表示されることが記載されている(段落【0051】等)。また,第1判定で一致するとの判定がされて患者用画面が表示 (ステップS21)されると検査ボタンや手術ボタンの入力を受け付けるようになり,その入力がされた場合には対応する画面の表示処理がされるが,入力がされなかったり,上記対応する画面の表示処理がされたりした後には,患者用画面の表示に戻ることが記載されている(段落【0065】ないし【0068】,【図12】)。 実施の形態2は,看護師が患者の医療情報を確認するための看護師専用画面を表示部に表示する実施の形態であり,主に構成要件1-1Dないし1-1Fに対応する実施の形態が記載され,特に説明する構成等以外は実施の形態1と同じであることが記載されている(段落【0088】)。そこでは,患者用画面が表示部に表示された後,看護師が,自身のリストバン ドに記載されたバーコードを撮像部で撮像し,第2判定がされることが記載されている(段落【0091】)。また,第2判定が一致した場合には医療スタッフ用画面が表示されるところ,医療スタッフ用画面である看護師専用画面,バイタル画面等の表示後に終了処理(ステップS120)がされると,患者用画面の処理(ステップ 第2判定が一致した場合には医療スタッフ用画面が表示されるところ,医療スタッフ用画面である看護師専用画面,バイタル画面等の表示後に終了処理(ステップS120)がされると,患者用画面の処理(ステップS23)に移ることが記載されてい る(段落【0122】【図26】【図12】)。そこには,上記の他に,第1 判定と第2判定との関係についての記載はない。 また,実施の形態3は主に第1判定に関係する記載であり(ただし,請求項2に関する形態),実施の形態4は,第2判定に関係する記載であるが,それらの記載も含めて,本件明細書1に,第1判定と第2判定との時間的接着性についての記載はない。 本件明細書1における背景技術や発明が解決しようとする課題の記載によれば,医療情報を医療用サーバから取得し,取得した医療情報に基づいてピクトグラムを表示する端末装置という従来技術ではセキュリティを確保することが難しかったところ,本件発明1-1は,セキュリティを従来技術より向上させることができるというものである(段落【0003】 ないし【0006】)。本件明細書1には,本件発明1-1について,上記のとおり,従来技術よりセキュリティを向上させることが記載されているが,その記載のほかには従来技術と比較した優れた効果についての記載はない。 以上の特許請求の範囲の記載や本件明細書1の記載に照らせば,第2判 定は,第1判定で一致すると判定された場合にされるものである。しかし,本件明細書1には,実施の形態として,患者がその手に巻いているリストバンドのバーコードを端末装置の撮像部で撮像することによって第1判定がされ,一致すると判定された場合に患者用画面が表示され,それに対して患者が一定の操作をする形態が記載されている。そして,患者用画 バンドのバーコードを端末装置の撮像部で撮像することによって第1判定がされ,一致すると判定された場合に患者用画面が表示され,それに対して患者が一定の操作をする形態が記載されている。そして,患者用画面 の表示後に,医療スタッフがそのリストバンドのバーコードを撮像部で撮像することで第2判定がされ,そこで一致すると判定されると医療スタッフ用画面が表示されるが,その終了処理後は,患者の医療情報を表示する患者用画面の表示に戻ることも記載されている。これらに照らすと,本件発明1-1において,第2判定がされるのは,第1判定で一致すると判定 された場合ではあるが,第1判定で一致するとされた後に患者による一定 の操作がされ,その後に第2判定がされることや,第1判定で一致すると判定されて第2判定がされて第2判定で一致するとされて看護師等が必要とする医療情報を含む表示画面が出力された後に,第1判定で一致すると判定された後と同じ,患者の医療情報を表示する患者用画面に戻り,その状態から再び第2判定がされることがあり得ることが記載されている といい得る。 以上によれば,本件発明1-1において,第2判定がされるのは第1判定で一致すると判定された場合であるが,第1判定がされるのは第2判定がされる直前に限られるとか,第2判定がされる前にその都度第1判定がされるとは限られないと解するのが相当である。このように解したとして も,第1判定がされてそこで一致すると判定されない限り第2判定はされず,第2判定において一致すると判定されない限り看護師等が必要とする医療情報を含む表示画面が表示されることはないから,本件明細書1に記載されたセキュリティの向上という効果を奏するといえる。 被告は,本件発明1-1は,医療スタッフが必要とする患者の医療 必要とする医療情報を含む表示画面が表示されることはないから,本件明細書1に記載されたセキュリティの向上という効果を奏するといえる。 被告は,本件発明1-1は,医療スタッフが必要とする患者の医療情報 にアクセスするための一連のプログラムに関する発明であり,プログラムで制御されることにより所望の効果を発揮するように構成されており,本件発明1-1の第1判定と第2判定とは患者の医療情報にアクセスするための情報処理制御とした連続した処理であるから,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスしようとする場合には,その都度第1判定を行った 上で医療スタッフ認証を行うことが必須であり,本件発明1-1にいう第1判定とはそのように理解されるべきであると主張する。 しかし,特許請求の範囲及び明細書の記載は,上記のとおりであって,そこには,第1判定と第2判定とが患者の医療情報にアクセスするための情報処理制御とした連続した処理であるとか,医療スタッフが患者の医療 情報にアクセスしようとする場合には,その都度第1判定を行った上で第 2判定を行うことが必須であることの記載はなく,逆に,被告主張とは異なる形態が記載されているともいえる。また,被告のように解さなくとも従来技術の課題を解決するものといえる。被告の主張は採用することができない。 被告は,第1判定である患者認証が行われた後に第2判定である医療ス タッフ認証を行うという構成は公知発明や従来技術に開示されているか,これらに基づいて当業者が容易に想到可能であることを理由として,第1判定と第2判定の関係について被告主張のように限定して解釈されるべきであると主張する(被告は,無効理由1及び2を主張するほか,これとは別に,上記のとおり主張し,この主張は第1判 とを理由として,第1判定と第2判定の関係について被告主張のように限定して解釈されるべきであると主張する(被告は,無効理由1及び2を主張するほか,これとは別に,上記のとおり主張し,この主張は第1判定と第2判定の関係につ いて原告が主張する解釈に対する理由付き否認であると主張する。)。 しかし,本件発明1-1における第1判定と第2判定との関係は,特許請求の範囲及び明細書の記載から,上記のとおり解釈される。このように解釈された本件発明1-1が従来技術と同一であったり,従来技術から想到することが容易であったりすれば,それは,基本的に特許法104条の 3に基づく主張の理由となるものといえる。なお,後記7のとおり,被告が指摘する文献等に本件発明1-1の構成が開示されていると認められるものではなく,被告が主張する事実が技術常識であり,技術常識等によって,第1判定と第2判定との関係について被告が主張するように解釈されるものともいえない。 イ甲5ないし8によれば,被告製品は,本件発明1-1との関係で,以下の構成を有する。 ① ピクトグラムサーバは,ピクトグラム端末が患者のリストバンドのバーコードを読み取るなどして取得した患者IDを,同端末を通じて取得する。 ② ピクトグラムサーバは,上記①の患者IDとあらかじめ電子カルテサ ーバに登録された患者IDとが一致するか否かを判定する。 ③ ピクトグラムサーバは,上記②において患者IDが一致すると判定して患者登録がされた場合,上記患者IDに対応する患者に関し,患者の氏名,主治医の氏名のほか,ペースメーカーの有無,アレルギーの有無等に関する情報をピクトグラム端末に出力する。 ④ ピクトグラムサーバは,患者登録により患者IDが一致すると判定され 患者の氏名,主治医の氏名のほか,ペースメーカーの有無,アレルギーの有無等に関する情報をピクトグラム端末に出力する。 ④ ピクトグラムサーバは,患者登録により患者IDが一致すると判定されて上記③の画面が表示されている状態において,ピクトグラム端末が医療スタッフのICカードやバーコードを読み取ることによって取得した医療スタッフIDを,同端末を通じて取得する。 ⑤ ピクトグラムサーバは,上記④の医療スタッフIDと予め電子カルテ サーバに登録された医療スタッフIDとが一致するか否かを判定する。 ⑥ ピクトグラムサーバは,上記⑤において医療スタッフIDが一致すると判定した場合,ピクトグラム端末に対し,患者の体温,血圧等のバイタル情報(その経時変化も含む)や検査結果に関する情報に係るデータを出力し,ピクトグラム端末の画面にそれらの情報が表示される。 上記アによれば,構成要件1-1Bでされる第1判定は,構成要件1-1D以下の第2判定との時間的な接着性が要求されず,第2判定の直前にされるものに限られず,また,第2判定がされる都度されるものに限られない。 被告製品のピクトグラムサーバは,情報処理装置であり,患者を識別す るための患者IDを取得する端末装置であるピクトグラム端末を有し(上構成要件1-1A),そこで取得された患者IDであってピクトグラムサーバに送信されたものと,あらかじめ記憶されている患者IDとが一致するか否かを判定する判定部を有し(同② 構成要件1-1B),被告製品のピクトグラムサーバは,上記で一致すると判定した場合,ベッ ドサイド端末に対し,患者の氏名,主治医の氏名のほか,ペースメーカー の有無,アレルギーの有無等に関する情報,すなわち患者の医療情報をベッドサ ,上記で一致すると判定した場合,ベッ ドサイド端末に対し,患者の氏名,主治医の氏名のほか,ペースメーカー の有無,アレルギーの有無等に関する情報,すなわち患者の医療情報をベッドサイド端末に出力する出力部を有する(同③ 構成要件1-1C)。 この判定は,同④以下の判定の直前にされるとは限られず,また,その判定の都度されるものとは限らないが,このことは,上記の構成要件の充足性判断を左右するものではない。 以上によれば,被告製品のピクトグラムサーバは,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bを充足する。また,その出力部は,構成要件1-1Cを充足する。 被告は,被告製品においては,入院時にベッドサイド端末と患者とを関連付ける患者登録をするものの,この患者登録は患者がベッドサイド端末 の使用を開始する際に行えば足り,医療スタッフが患者の医療情報にアクセスする都度必要となるものではなく,患者登録と患者登録後の医療スタッフ認証との間には情報処理としての連続性はないから被告製品における患者登録は,本件発明1-1にいう第1判定には相当せず,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bを充足しないと主張する。 しかし,被告の上記主張は,本件発明1-1の第1判定と第2判定との関係を前記に記載した被告の主張のとおり解することを前提とするといえるものであり,その主張を採用することができないので,理由がない。 また,被告は,被告製品においては患者登録に先行して患者登録前医療 スタッフ認証が行われているから,被告製品における患者登録について,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bを充足しないと主張する。 しかし,被告製品において患者登録前医療スタッフ認証が行われているとしても,本件発明1-1の内容 ら,被告製品における患者登録について,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bを充足しないと主張する。 しかし,被告製品において患者登録前医療スタッフ認証が行われているとしても,本件発明1-1の内容と患者登録前医療スタッフ認証の内容に照らせば,患者登録前医療スタッフ認証に係る構成は,本件発明1-1の 構成要件とは別の構成といえるものであって,そのような構成があること が構成要件1-1A及び構成要件1-1Bの充足性についての上記判断に影響を及ぼすものとは認められない。 被告製品のピクトグラムサーバは構成要件1-1Fを充足するか(争点1-2)についてア 「前記看護師または前記医師が必要とする医療情報を含む表示画面を・・・ 出力する」(構成要件1-1F)の意義「医療情報」(構成要件1-1F)は,「前記看護師または前記医師が必要とする」ものである。本件明細書1の発明の詳細な説明においては,医療情報DBに格納されているデータの一例を示す図において,医療情報データベースに格納されるデータである「医療情報」の例として,「患者ID」,「リハ ビリ情報」,「薬情報」,「検査情報」,「手術情報」,「処置情報」等が記載されている(段落【0014】【図3】)。また,実施の形態2では,第2判定で一致すると判定された後に表示させることができる看護支援記録画面において,看護師が電子カルテと同じように患者のバイタルを確認することができることが記載されている(段落【0106】等)。以上によれば,「前記第2 患者識別情報に対応する患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報」とは,当該患者に対して看護師又は医師が医療行為を行うために必要とする,当該患者に関する情報であり,例えば,当該患者に対して行われたリハビ 療情報のうち前記看護師または前記医師が必要とする医療情報」とは,当該患者に対して看護師又は医師が医療行為を行うために必要とする,当該患者に関する情報であり,例えば,当該患者に対して行われたリハビリ,投薬,検査,手術などの情報や当該患者のバイタルに関する情報が含まれると解される。 イ 「医療情報を含む表示画面を・・・出力する」(構成要件1-1F)の意義構成要件1-1Fにおいて,情報処理装置から「出力」されるのは,「医療情報を含む表示画面」であることが記載されている。 ここで,その出力について,本件明細書1の発明の詳細な説明をみると,情報処理装置のCPUが画面を生成するとの記載があるが(例えば,看護師 専用画面について段落【0094】等),情報処理装置が生成する対象につい て,端末装置に出力される二次元画面のそのものに限定されるべきであるとする記載はない。また,実施の形態では,端末装置と情報処理装置は,インターネット,LAN(LocalAreaNetwork),携帯電話網等の通信網により接続されていることが記載されている(段落【0015】,【図1】)。インターネット上で送信先に画面を表示させる場合,HTMLデータという情報を 送信することが一般的に行われており(甲12,13),出力先の端末において画面の表示をしようとする場合に,必ずしも出力元において当然に二次元画面そのものを作成してそれを出力しているものではないことは技術常識であるともいえるし,本件明細書1に,本件発明1-1について出力元において特に二次元画面そのものを作成する意義があることについての記載は ない。 これらによれば,「医療情報を含む表示画面を・・・出力する」(構成要件1-1F)とは,端末装置に表示される医療 に二次元画面そのものを作成する意義があることについての記載は ない。 これらによれば,「医療情報を含む表示画面を・・・出力する」(構成要件1-1F)とは,端末装置に表示される医療情報に係る二次元画面そのものを出力することだけでなく,端末装置において画面を表示するために必要なデータを出力することも含むものであると認めるのが相当である。 被告は,構成要件1-1Cにおいては「医療情報を・・・出力する」と規定しているのに対し,構成要件1-1Fが「医療情報を含む表示画面を・・・出力する」と規定し,本件明細書1においても「画面」と「情報」が区別して用いられていることから,構成要件1-1Fの「表示画面を,前記端末装置へ出力する」とは,情報処理装置が生成した二次元画面そのものを端末装 置に送信することを意味すると主張する。しかし,上記に照らし,採用することはできない。 ウのとおり,被告製品のピクトグラムサーバは,医療スタッフIDが一致すると判定した場合,ピクトグラム端末の画面に表示されるための患者のバイタル情報(その推移も含む)や検査結果に関する情報に係るデー タをピクトグラム端末に出力する(同⑥)。 したがって,被告製品のピクトグラムサーバは,構成要件1-1Fを充足する。 被告製品のピクトグラムサーバは,患者登録後に,ベッドサイド端末に直接入力された医療スタッフIDであってピクトグラムサーバに送信されたものと,あらかじめ記憶されている医療スタッフIDとが一 致するか否かを判定するものである(同④,⑤)から,第1医師等識別情報を端末装置から取得する第2取得部と,第1医師等識別情報とあらかじめ記憶されている第2医師等識別情報とが一致するか否かを判定する第2判定を有するといえ,構成 ある(同④,⑤)から,第1医師等識別情報を端末装置から取得する第2取得部と,第1医師等識別情報とあらかじめ記憶されている第2医師等識別情報とが一致するか否かを判定する第2判定を有するといえ,構成要件1-1D及び1-1Eを充足する。 以上によれば,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明1-1の各構 成要件を充足する。 3 被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラムは,本件発明1-2,本件発明1-7,本件発明1-8及び本件発明1-10の技術的範囲に属するか(争点2)甲5,6,7によれば,被告製品には,前記の構成を有することに 加えて,患者登録がされた後,ベッドサイド端末に当該患者が今後受ける予定の検査,処置等のスケジュールを表示する構成を具備するものがあることが認められる。 それらのスケジュールは,構成要件1-2Gの「前記第2患者識別情報に対応する患者に対する処置の予定情報」ということができる。そうすると,被告 製品のピクトグラムサーバのうち,上記構成を備えるものは,本件発明1-2の各構成要件を充足する。 本件発明1-1と本件発明1-7の内容に照らし,本件発明1-1の情報処理装置は,本件発明1-7の情報処理プログラムを有しているといえる。そして,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明1-1の各構成要件を充足し ていて,本件発明1-7の各構成要件を充足する情報処理プログラムを有して いるといえる。そうすると,被告製品のピクトグラムサーバの情報処理プログラムは,本件発明1-7の各構成要件を充足する。 本件発明1-1と本件発明1-8の内容に照らし,本件発明1-1の情報処理装置は,本件発明1-8の端末装置を有するといえる。そして,被告製品のピクトグラム は,本件発明1-7の各構成要件を充足する。 本件発明1-1と本件発明1-8の内容に照らし,本件発明1-1の情報処理装置は,本件発明1-8の端末装置を有するといえる。そして,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明1-1の各構成要件を充足していて,本件発 明1-8の各構成要件を充足する端末装置を有するといえる。そうすると,被告製品のピクトグラム端末は,本件発明1-8の各構成要件を充足する。 本件発明1-8と本件発明1-10の内容に照らし,本件発明1-8の端末装置は,本件発明1-10の情報処理プログラムを有しているといえる。そして,被告製品のピクトグラム端末は,本件発明1-8の各構成要件を充足して いて,本件発明1-10の各構成要件を充足する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,被告製品のピクトグラム端末の情報処理プログラムは,本件発明1-10の各構成要件を充足する。 4 被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の技術的範囲に属するか(争点3) 本件発明1-1と本件発明2-1は,第2判定部で識別情報が一致すると判定した場合,本件発明1-1では,患者の医療情報のうち看護師又は医師が必要とする医療情報を含む表示画面を端末装置へ出力する出力部を備えるのに対し,本件発明2-1では,患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を端末装置へ出力する出力部を備える点で異なり,また,識別 情報の名称が異なる。しかし,患者の識別に関する判定を行うこと,その判定で一致するとされた場合に看護師又は医師の識別に関する判定を行うこと,その判定で一致するとされた場合に端末装置に一定の画面を出力する出力部を備える点は共通する。 本件明細書2には,背景技術,発明が解決しようとする課題について,本件 医師の識別に関する判定を行うこと,その判定で一致するとされた場合に端末装置に一定の画面を出力する出力部を備える点は共通する。 本件明細書2には,背景技術,発明が解決しようとする課題について,本件 明細書1のと同じ記載があり(段落【0002】,【0003】, 【0005】,【0006】),発明の効果として,「一側面によれば,セキュリティを従来より向上させることができる。」(段落【0008】)との記載がある。 そして,本件明細書2には,実施の形態1及び2として,本件明細書1の前記 と同じ記載がある(段落【0010】ないし【0014】,【0041】ないし【0045】,【0060】ないし【0063】,【0083】な いし【0118】,【0120】)。(甲4) 本件発明2は,本件発明1の従来技術と同じ従来技術についてセキュリティを確保することが難しいという課題があったところ,その課題を解決するために本件発明2の構成を有するものである。 そして,本件明細書1及び本件明細書2の記載に照らせば,本件発明2-1 における「第1識別情報」と「予め記憶部に記憶された第1識別情報」は,それぞれ,本件発明1-1における「第1患者識別情報」と「あらかじめ記憶部に記憶された第2患者識別情報」に相当するものであると認められる。 そして,本件発明1で述べたのと同様の理由により,本件発明2-1においても,構成要件2-1Bでされる判定は,構成要件2-1D以下の判定との時 間的な接着性が要求されず,その判定の直前にされるものに限られないし,また,その判定がされる都度されるものに限られない。 被告製品のピクトグラムサーバは,医療スタッフ認証がされた後に,患者のバイタル情報等を画面に表示するのに必要なデータのほか,患者のバイタル情報 また,その判定がされる都度されるものに限られない。 被告製品のピクトグラムサーバは,医療スタッフ認証がされた後に,患者のバイタル情報等を画面に表示するのに必要なデータのほか,患者のバイタル情報の登録を受け付ける画面を表示するのに必要なデータを出力する(甲8)。 したがって,被告製品のピクトグラムサーバは,「患者の・・・状態情報の入力を受け付けるための入力画面を前記端末装置へ出力する第2出力部」(構成要件2-1F)も充足する。 これらと,争点1-1において述べたところ(前記3)を併せると,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の各構成要件を充足するといえる。 5 被告製品のピクトグラムサーバ,ピクトグラム端末や,それらのプログラムは, 本件発明2-2,本件発明2-4,本件発明2-5及び本件発明2-7の技術的範囲に属するか(争点4) のとおり,被告製品のピクトグラムサーバは,医療スタッフ認証がされると,患者の体温,血圧等のバイタル情報(その経時変化も含む)に係るデータをピクトグラム端末に出力する(同⑥)。本件明細書2の記載(段落 【0101】。本件明細書1の段落【0106】と同じ記載)に照らすと,上記情報は,「患者の状態の変化を示すための変化情報」(構成要件2-2H)に該当する。そうすると,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-2の各構成要件を充足する。 本件発明2-1と本件発明2-4の内容に照らし,本件発明2-1の情報処 理装置は,本件発明2-4の情報処理プログラムを有しているといえる。そして,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の各構成要件を充足していて,本件発明2-4の各構成要件を充足する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,被告製品のピクト いえる。そして,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の各構成要件を充足していて,本件発明2-4の各構成要件を充足する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,被告製品のピクトグラムサーバの情報処理プログラムは,本件発明2-4の各構成要件を充足する。 本件発明2-1と本件発明2-5の内容に照らし,本件発明2-1の情報処理装置は,本件発明2-5の端末装置を有するといえる。そして,被告製品のピクトグラムサーバは,本件発明2-1の各構成要件を充足していて,本件発明2-5の各構成要件を充足する端末装置を有するといえる。そうすると,被告製品のピクトグラム端末は,本件発明2-5の各構成要件を充足する。 本件発明2-5の端末装置は,本件発明2-5と本件発明2-7の内容に照らし,本件発明2-7の情報処理プログラムを有しているといえる。そして,被告製品のピクトグラム端末は,本件発明2-5の各構成要件を充足していて,本件発明2-7の各構成要件を充足する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,被告製品のピクトグラム端末の情報処理プログラムは, 本件発明2-7の各構成要件を充足する。 6 本件発明1は,いずれも乙1公報に記載された発明に基づき容易に想到することができたか(争点5)について被告は,本件発明1は,いずれも,基準日当時,乙1公報の実施例2に記載された発明に乙2公報に記載された技術をはじめとする公知技術を適用することによって,当業者が容易に想到し得たものであるから,進歩性を欠いており,無 効とされるべきであると主張する。 乙1公報の記載乙1公報は,発明の名称を「医療情報システム」とする公開特許公報であり,その特許請求の範囲及び明細書の発明の詳細な説 り,無 効とされるべきであると主張する。 乙1公報の記載乙1公報は,発明の名称を「医療情報システム」とする公開特許公報であり,その特許請求の範囲及び明細書の発明の詳細な説明には,以下の記載があり,また,別紙乙1公報図面の図がある(乙1)。 ア特許請求の範囲(請求項1ないし4)「患者の診療情報を記憶する電子カルテデータベースを備えた電子カルテサーバと,当該診療情報の参照又は更新をする電子カルテアプリケーションを備えたベッドサイド端末とをネットワークで接続した医療情報システムにおいて,前記ベッドサイド端末と前記患者とを対応付けて記憶したベッド サイド端末情報記憶部と,前記ベッドサイド端末情報記憶部を参照して,ベッドサイド端末に対応する患者を特定するベッドサイド端末識別手段と,前記患者に対応する診療情報を前記電子カルテデータベースから取得するカルテ情報取得手段と,当該診療情報に基づき前記電子カルテアプリケーションを起動するベッドサイド端末制御手段と,を備えた事を特徴とする医療情 報システム。」(【請求項1】)「患者の診療情報を記憶する電子カルテデータベースを備えた電子カルテサーバと,前記患者の診療情報の参照又は更新をする第一の電子カルテアプリケーションを備えたベッドサイド端末と,前記患者の診療情報の参照又は更新をする第二の電子カルテアプリケーションを備えた情報処理端末とを ネットワークで接続した医療情報システムにおいて,前記情報処理端末は, 前記第二の電子カルテアプリケーションで前記患者の診療情報を参照又は更新している際の状態情報を前記電子カルテサーバに送出する状態情報登録処理手段を備え,前記電子カルテサーバは,前記患者毎に前記状態情報を記憶する状 ルテアプリケーションで前記患者の診療情報を参照又は更新している際の状態情報を前記電子カルテサーバに送出する状態情報登録処理手段を備え,前記電子カルテサーバは,前記患者毎に前記状態情報を記憶する状態情報記憶部と,ベッドサイド端末と患者とを対応付けて記憶したベッドサイド端末情報記憶部と,前記状態情報を前記情報処理端末から受 信し,当該状態情報を前記状態情報記憶部に格納する状態情報受信処理手段と,前記ベッドサイド端末情報記憶部を参照して,前記ベッドサイド端末に対応する患者を特定するベッドサイド端末識別手段と,前記患者に対応する状態情報を前記状態情報記憶部から取得し,前記ベッドサイド端末に送出する状態情報取得手段とを備え,前記ベッドサイド端末は,前記状態情報を前 記電子カルテサーバから受信し,当該状態情報に基づき前記第一の電子カルテアプリケーションを起動するベッドサイド端末制御手段を備える事を特徴とする医療情報システム。」(【請求項2】)「患者の診療情報を記憶する電子カルテデータベースを備えた電子カルテサーバと,前記患者の診療情報の参照又は更新をする第一の電子カルテアプ リケーションを備えた情報処理端末とをネットワークで接続された医療情報システムにおける前記患者の診療情報の参照又は更新をする第二の電子カルテアプリケーションを備えたベッドサイド端末であって,前記第一の電子カルテアプリケーションで前記患者の診療情報を参照又は更新している際の状態情報を前記電子カルテサーバから受信し,当該状態情報に基づき前 記第二の電子カルテアプリケーションを起動するベッドサイド端末制御手段を備える事を特徴とする医療システムにおけるベッドサイド端末。」(【請求項3】)「前記患者の診療情報の参照又は更新をする第一の電子カルテアプリケ プリケーションを起動するベッドサイド端末制御手段を備える事を特徴とする医療システムにおけるベッドサイド端末。」(【請求項3】)「前記患者の診療情報の参照又は更新をする第一の電子カルテアプリケーションを備えたベッドサイド端末と,前記患者の診療情報の参照又は更新を する第二の電子カルテアプリケーションを備えた情報処理端末とをネット ワークで接続した医療情報システムにおける患者の診療情報を記憶する電子カルテデータベースを備えた電子カルテサーバであって,前記第二の電子カルテアプリケーションで前記患者の診療情報を参照又は更新している際の状態情報を前記患者毎に記憶する状態情報記憶部と,前記状態情報を前記情報処理端末から受信し,当該状態情報を前記状態情報記憶部に格納する状 態情報受信処理手段と,ベッドサイド端末と患者とを対応付けて記憶したベッドサイド端末情報記憶部と,前記ベッドサイド端末情報記憶部を参照して,前記ベッドサイド端末に対応する患者を特定するベッドサイド端末識別手段と,前記特定した患者に対応する状態情報を前記状態情報記憶部から取得し,前記ベッドサイド端末に送出する状態情報取得手段と,を備える事を特 徴とする医療システムにおける電子カルテサーバ。」(【請求項4】)イ発明の詳細な説明「・・・しかしながら,第一の患者のベッドサイドで,第二の患者に関する診療情報の参照や更新をする場合,ベッドサイド端末は,第一の患者に近接した場所に設置されており,第二の患者の診療情報を第一の患者に見られ てしまう虞がある。即ち,患者の診療情報を医療スタッフ以外の他人に見られてしまう。これは,情報漏洩,守秘義務違反につながり,患者のプライバシを守る事は出来ない。」(段落【0005】)「また まう虞がある。即ち,患者の診療情報を医療スタッフ以外の他人に見られてしまう。これは,情報漏洩,守秘義務違反につながり,患者のプライバシを守る事は出来ない。」(段落【0005】)「また,医療スタッフは,入院患者の病室を訪問して診察する,所謂,回診をする際,ナースステーション,診察室等に設置された医療情報システム と接続されたワークステーションの電子カルテアプリケーションを利用して,診察予定である患者に関する診療情報,治療計画に基づく経過情報を予め確認している。そして,診察対象となる患者の経過情報に基づき,注目すべき検査歴データや指示すべき事項を検討し,回診を行う。回診先では,患者のベッドサイドに備えたベッドサイド端末の電子カルテアプリケーショ ンを利用して,予め検討した事項に関する診療情報を参照し,指示すべき処 方や検査等を入力して診療情報の更新をする。」(段落【0006】)「しかしながら,医療スタッフが一度の回診で診察する患者は複数であり,予め検討した事項,即ち,診察対象となる患者の注目すべき検査歴データ等,を患者毎に記憶しておく必要がある。従って,医療スタッフは,患者のベッドサイド端末の電子カルテアプリケーションを利用して,患者に関する診療 情報を参照しながら,予め検討した事項を思い出し,指示すべき処方や検査の入力をして診療情報の更新をする。このように,患者に関する診療情報の参照,処方や検査の指示等,診療情報の更新といった医療スタッフが患者のベッドサイド端末でする作業は,長時間かかってしまう。これは,診察に時間がかかるだけでなく,長時間患者に関する診療情報をベッドサイド端末に 表示する為,他人に患者の診療情報を覗き見される虞がある。」(段落【0007】)「本発 う。これは,診察に時間がかかるだけでなく,長時間患者に関する診療情報をベッドサイド端末に 表示する為,他人に患者の診療情報を覗き見される虞がある。」(段落【0007】)「本発明は,このような課題に鑑みなされたものであり,医療スタッフが患者のベッドサイドに備えたベッドサイド端末で電子カルテアプリケーションを利用する際,当該患者に関する診療情報のみ参照や更新をする事の出 来る医療情報システムを提供する事を目的とする。また,医療スタッフがベッドサイドでの診察時に,回診予定の入院患者に関して事前に検討した事項を素早く想起する事の出来る医療情報システムを提供する事を目的とする。」(段落【0008】)【課題を解決するための手段】 「上記の課題を解決する為に,患者のベッドサイド端末において,当該患者に関する診療情報のみ参照出来れば,他人に診療情報を見られる事を防ぐ事が出来る点に着目した。」(段落【0009】)【実施例1】「本発明の実施例に係る医療情報システムの処理態様を,図1乃至図5を 用いて説明する。」(段落【0017】) 「図1は,本実施例に係る医療情報システムの概要を示す全体構成図である。」(段落【0018】)「図1に示すように,本実施例に係る医療情報システムは,ベッドサイド端末1,ネットワーク2,電子カルテサーバ3で構成されている。」(段落【0019】) 「ベッドサイド端末1は,一般的なベッドサイド端末の事であり,ベッドサイド端末専用ハードウェアだけでなく,パーソナルコンピュータ,ノートパソコン,PDA(PersonalDataAssistants)等,一般的な情報処理端末でも良い。また,図1に例示するように,ベッドサイド端末1は,ベッドサ ,パーソナルコンピュータ,ノートパソコン,PDA(PersonalDataAssistants)等,一般的な情報処理端末でも良い。また,図1に例示するように,ベッドサイド端末1は,ベッドサイド端末制御部4,電子カルテアプリケーション 5を備えている。」(段落【0020】)「ベッドサイド端末制御部4は,ベッドサイド端末1の識別子を取得し,電子カルテサーバ3に送信するものである。」(段落【0021】)「電子カルテアプリケーション5は,患者に関する電子カルテデータを含む診療情報の参照又は更新をする為のアプリケーションである。ここで,電 子カルテアプリケーション5は,ベッドサイド端末1専用のアプリケーションであっても良く,ナースステーション,診察室等で利用される医療情報システムのアプリケーションと同一のものを利用しても良く,患者に関する診療情報の参照又は更新が出来るものであれば,何でも良い。」(段落【0022】) 「ネットワーク2は,インターネット網,仮想閉域網,LAN(LocalAreaNetwork),WAN(WideAreaNetwork)等,専用回線,公衆回線,無線,有線を問わず,各装置や端末が通信可能であれば,如何なる通信ネットワークでも良い。ベッドサイド端末1と電子カルテサーバ3とは,ネットワーク2を介して互いに通信可能となっ ている。」(段落【0023】) 「電子カルテサーバ3は,ベッドサイド端末識別部6,ベッドサイド端末情報記憶部7,カルテ情報取得部8,電子カルテデータベース9,カルテ情報送信部10で構成されている。」(段落【0024】)「ベッドサイド端末情報記憶部7は,ベッドサイド端末識別子に患者識別子を対応付けて記憶するものである。」(段落【0025】) ース9,カルテ情報送信部10で構成されている。」(段落【0024】)「ベッドサイド端末情報記憶部7は,ベッドサイド端末識別子に患者識別子を対応付けて記憶するものである。」(段落【0025】) 「ベッドサイド端末識別部6は,ベッドサイド端末1からベッドサイド端末識別子を受信し,当該ベッドサイド識別子に対応する患者識別子をベッドサイド端末情報記憶部7から取得するものである。」(段落【0026】)「電子カルテデータベース9は,患者に関する電子カルテデータを含む診療情報を記憶するデータベースである。」(段落【0027】) 「カルテ情報取得部8は,ベッドサイド端末識別部6で取得した患者識別子に対応する診療情報を電子カルテデータベース9から取得するものである。」(段落【0028】)「カルテ情報送信部10は,カルテ情報取得部8で取得した診療情報をベッドサイド端末1に送信するものである。」(段落【0029】) 「次に,本実施例における医療情報システムの処理について説明をする。」(段落【0030】)「本実施例では,医師が入院患者である「病院太郎」のベッドサイドに備えられたベッドサイド端末1を用いて,電子カルテアプリケーション5 を利用する例を用いて説明をする。」(段落【0031】) 「医療スタッフ向け診療情報ボタンは,医療スタッフのID及びPASSWORDでログインされた場合,後述する図4に例示する医療スタッフ向け診療情報メニューをベッドサイド端末1の表示装置に表示する。」(段落【0036】)「ID入力フィールド,及び,PASSWORD入力フィールドには,ベ ッドサイド端末1の操作者,即ち,患者又は医療スタッフのID,及び,P ASSWORDが入力されるフィールドであり,本フ 入力フィールド,及び,PASSWORD入力フィールドには,ベ ッドサイド端末1の操作者,即ち,患者又は医療スタッフのID,及び,P ASSWORDが入力されるフィールドであり,本フィールドにID,及び,PASSWORDを入力すると,前述した患者向け診療情報ボタン,又は医療スタッフ向け診療情報ボタンの選択が可能となる。」(段落【0037】)【実施例2】「以下,本発明の医療情報システムの他の実施例について,図6乃至図1 2を用いて簡単に説明する。」(段落【0063】)「実施例1(判決注:「実施例2」の誤記)では,ベッドサイド端末に対応付けられた患者に関する診療情報のみをベッドサイド端末の電子カルテアプリケーションで参照又は更新可能とした。」(段落【0064】)「図10に例示したアプリケーションデータ記憶部13は,利用者IDフ ィールド,患者名フィールド,アプリケーション種別フィールド,及び,アプリケーションデータフィールドで構成されている。尚,図10に示した構成例は,本実施例を説明するのに最低限必要な例を示したものに過ぎず,これに限定するものではない。また,本実施例では,上記利用者ID,患者名,アプリケーション種別,及びアプリケーションデータを総称して,状態情報 と定義する。」(段落【0091】)「図9(a)及び図9(b)に例示したように病院太郎,病院次郎という患者の診療情報を医師Aが参照している場合,情報処理端末11のアプリケーションデータ記憶部13には,図10に例示するように状態情報が記憶される。」(段落【0096】) 「図10における利用者IDフィールドには,電子カルテアプリケーション5を利用している医療スタッフの識別子が記憶されており,ここでは,「医師A 情報が記憶される。」(段落【0096】) 「図10における利用者IDフィールドには,電子カルテアプリケーション5を利用している医療スタッフの識別子が記憶されており,ここでは,「医師A」が記憶されている。また,医師Aは,病院太郎及び病院次郎の診療情報を参照しており,「病院太郎」及び「病院次郎」が患者名フィールドに夫々記憶されている。・・・」(段落【0097】) 「状態情報受信処理部14は,受信した状態情報を状態情報記憶部15に 格納し,正常に格納した旨,情報処理端末11に通知する(S7-3)。・・・また,状態情報記憶部15は,各医師,各患者に対する状態情報を記憶している。ここで,受信した状態情報を状態情報記憶部15に格納する際,利用者ID及び患者名に対応する状態情報が既に存在する場合には,上書き更新をするようにしても構わない。」(段落【0103】) 「次に,医師Aが病院太郎のベッドサイド端末11の電子カルテアプリケーション5を用いて,病院太郎の診療情報を参照又は更新する際の処理について説明をする。」(段落【0106】「医師Aが病院太郎のベッドサイド端末11で,実施例1で説明した手順で,電子カルテアプリケーション5を起動すると,ベッドサイド端末識別子, 及び,医療スタッフ識別子を電子カルテサーバ3に送出する(S8-1,S8-2)。尚,医療スタッフ識別子は,図3に例示したメニュー画面のIDフィールドに入力されたIDを取得して,送出している。」(段落【0107】)「電子カルテサーバ3は,ベッドサイド端末識別子,及び,医療スタッフ識別子を受信すると,実施例1と同様に,ベッドサイド端末識別部6を起動 し,ベッドサイド端末識別子に対応する患者名をベッドサイド端末情報記憶部7から取得する(S 端末識別子,及び,医療スタッフ識別子を受信すると,実施例1と同様に,ベッドサイド端末識別部6を起動 し,ベッドサイド端末識別子に対応する患者名をベッドサイド端末情報記憶部7から取得する(S8-3)。」(段落【0108】)「ベッドサイド端末識別部6は,患者名を取得すると,状態情報取得部16を起動し,状態情報取得部16は,状態情報記憶部15を参照して,医療スタッフ識別子,及び,患者名に対応する状態情報が存在するか否か判定す る(S8-4)。即ち,「医師A」,及び「病院太郎」に対応する状態情報が状態情報記憶部15に記憶されているか否か判定する。」(段落【0109】)「図10に示す例では,「医師A」,及び「病院太郎」に対応する状態情報は存在しており,状態情報取得部16は,当該状態情報を状態情報記憶部15から取得する(S8-5)。」(段落【0110】) 「そして,状態情報送信部17は,取得した状態情報をベッドサイド端末 1に送出する(S8-6)。」(段落【0111】)「ベッドサイド端末1は,状態情報を受信すると,ベッドサイド端末制御部4を起動し,ベッドサイド端末制御部4は,当該状態情報をアプリケーションデータ記憶部18に格納する(S8-7)。」(段落【0112】)「本実施例では,図11に例示するように,ベッドサイド端末1のアプリ ケーションデータ記憶部18に格納される事になる。図11では,病院太郎に関わる状態情報のみ格納されている。」(段落【0113】)「ベッドサイド端末制御部4は,受信した状態情報をアプリケーションデータ記憶部18に格納すると,電子カルテアプリケーション5を起動する。」(段落【0114】) 「電子カルテアプリケーション5は,起動する際,アプリケーションデータ記憶部18 リケーションデータ記憶部18に格納すると,電子カルテアプリケーション5を起動する。」(段落【0114】) 「電子カルテアプリケーション5は,起動する際,アプリケーションデータ記憶部18を参照し,格納されている状態情報に基づいて,診療情報を表示する(S8-8)。」(段落【0115】)「本実施例では,電子カルテアプリケーション5が起動すると,図12に例示するようにベッドサイド端末1の表示装置に表示画面が表示される。図 12では,病院太郎の診療情報のみ表示されている。また,病院太郎に関して,医師Aが情報処理端末11で状態情報登録ボタンを選択した時と同じ表示がベッドサイド端末1でもなされる為,情報処理端末11で中断していた作業をベッドサイド端末1で再開するように,電子カルテアプリケーション5を利用する事が出来る。ここで,医師Aが病院次郎のベッドサイド端末1 で電子カルテアプリケーション5を起動した場合には,病院次郎に関して,医師Aが情報処理端末11で状態情報登録ボタンを選択した時と同じ表示が病院次郎のベッドサイド端末1でなされる事になる。」(段落【0117】)「また,S8-4で,対応する状態情報が存在しない場合には,実施例1と同様に,電子カルテデータベース9からベッドサイド端末1に対応する患 者の診療情報を取得して,電子カルテアプリケーション5で表示する事にな る(S8-9乃至S8-11)。従って,ベッドサイド端末1の電子カルテアプリケーション5では,ベッドサイド端末1に対応付けられた患者の診療情報のみ参照又は更新出来る事になる。」(段落【0118】)「このように,本実施例における医療情報システムでは,ナースステーション等で,医療スタッフが利用していた電子カルテアプリケーションの状態 を 参照又は更新出来る事になる。」(段落【0118】)「このように,本実施例における医療情報システムでは,ナースステーション等で,医療スタッフが利用していた電子カルテアプリケーションの状態 を記憶しておき,ベッドサイド端末で電子カルテアプリケーションを起動した際,ナースステーション等での状態を再現することが出来る。しかも,ベッドサイド端末に対応付けられた患者に関する状態情報のみ再現する事が出来る。従って,医療スタッフがベッドサイドで診察する際に,回診予定の入院患者に関して事前に検討した事項を素早く想起させる事や,当該入院患 者の診療情報への入力作業を素早くする事が出来る。更に,ベッドサイド端末では,当該ベッドサイド端末に対応付けられた患者以外の診療情報の参照や更新が出来ない為,患者にプライバシに関わる診療情報を他人に見られる事を防止する。」(段落【0119】) 乙2公報の記載 乙2公報は,発明の名称を「ナースコールシステム」とする公開特許公報であり,その明細書の発明の詳細な説明には,以下の記載がある(乙2)。 「以下,本発明を具体化した実施の形態を,図面を参照して詳細に説明する。 図1は本発明に係るナースコールシステムの一例を示す構成図であり,1はベッド毎に設置されて患者が看護師を呼び出して通話するためのナースコール 子機,2は各病室の出入口に設置されて患者名表示部2aと患者からの呼出発生を報知する表示灯2bとを備えた廊下灯,3はナースステーションに設置されて患者からの呼び出しを報知し,患者と通話するためのナースコール親機,4は機器間の通信を制御する制御機,5はベッド毎に設置されて患者に対して各種情報を提供するためのベッドサイド端末,6は看護師が携行して患者から の呼び出しに応答 話するためのナースコール親機,4は機器間の通信を制御する制御機,5はベッド毎に設置されて患者に対して各種情報を提供するためのベッドサイド端末,6は看護師が携行して患者から の呼び出しに応答するためのスマートフォン等の携帯端末,7は基地局8を介 して携帯端末6の通信を管理する交換機,9は患者情報や看護履歴を記憶するナースコールサーバ,10は医師が作成するカルテ(電子カルテ)や患者の処方等が作成されるオーダリングシステムである。」(段落【0013】)「廊下灯2,ナースコール親機3,制御機4,ベッドサイド端末5,ナースコールサーバ9,オーダリングシステム10等はそれぞれHUB11を介して LAN接続され,ナースコール子機1は病室毎に廊下灯2に伝送線L1を介して接続され,交換機7は伝送線L2を介して制御機4に接続されている。」(段落【0014】)「ナースコール子機1は,呼出ボタン1aと壁面に設置されたプレート子機1bを有し,プレート子機1bは呼出ボタン1aの接続部及び患者が看護師と 通話するための通話部を備えている。また,ナースコールサーバ9は,看護記録を蓄積する看護情報記憶部9aを備えている。」(段落【0015】)「図2は制御機4の回路ブロック図を示している。図2に示すように,制御機4は,携帯端末6に看護師を関連付けた携帯端末/看護師対応テーブル記憶部41,看護師に患者を関連付けた看護師/患者対応テーブル記憶部42,ベ ッドと患者との関連付けやベッドサイド端末5とベッド番号の関連付け等を記憶する情報記憶部43,ナースコール子機1とナースコール親機3との間の通信やナースコール子機1と携帯端末6との間の通信等機器間の通信を制御し,更に制御機4を制御する制御機CPU44,ナースコー を記憶する情報記憶部43,ナースコール子機1とナースコール親機3との間の通信やナースコール子機1と携帯端末6との間の通信等機器間の通信を制御し,更に制御機4を制御する制御機CPU44,ナースコール親機3や廊下灯2とLAN通信するための通信インターフェース(通信IF)45等を備えて いる。」(段落【0016】)「図3はベッドサイド端末5の回路ブロック図を示している。図3に示すように,ベッドサイド端末5は,各種情報を表示するモニタ51,モニタ51にテレビ等の映像や画像を表示するための映像処理部52,表示操作や処置情報の入力を行うためのタッチパネル53,表示画面や各種設定情報を記憶する表 示情報記憶部54,ベッドサイド端末5全体を制御するベッドサイド端末CP U55,制御機4やナースコール親機3とLAN通信するための通信インターフェース(通信IF)56等を備えている。」(段落【0017】)「上記の如く構成されたナースコールシステムの動作は,以下のようである。 但し,ナースコール子機1から呼出操作してナースコール親機3から,或いは携帯端末6から応答する動作は従来と同様であるため説明を省略し,ここでは ベッドサイド端末5の動作,特に処置記録の入力,及び新規事項の表示に関して説明する。 本発明では,ベッドサイド端末5を使用して看護師による処置記録の入力が実施できるし,携帯端末6から新規事項を入力してベッドサイド端末5に表示させることができる。」(段落【0018】) 「ベッドサイド端末5は,基本動作としてオーダリングシステム10において作成された電子カルテの情報や診察結果,服薬情報,更には食事のメニューや娯楽情報をタッチパネル53を操作することで閲覧可能となっている。但し, 末5は,基本動作としてオーダリングシステム10において作成された電子カルテの情報や診察結果,服薬情報,更には食事のメニューや娯楽情報をタッチパネル53を操作することで閲覧可能となっている。但し,ベッドサイド端末5はベッド番号に関連付けられており(患者に関連付けられており),ナースコールサーバ9に蓄積されている電子カルテや診察結果等を 閲覧する場合は,操作する患者に関する情報以外を閲覧することはできないようナースコールサーバ9が制御している。」(段落【0019】)「最初に,処置記録を入力して看護履歴を更新する流れを説明する。例えば,点滴が終了した場合を例にとると,看護師により処置記録として「点滴が終了しました」と入力されると,入力された情報が看護履歴としてナースコールサ ーバ9に蓄積される一方,関係付けられている携帯端末6に「点滴が終了しました」がメール送信される。」(段落【0020】)「以下,具体的に説明する。まずベッドサイド端末5は,患者が操作して患者に対して様々な情報を表示する患者操作モード状態にあるため,看護師が使用する際には処置等のデータを入力することができる看護師操作モードに状 態を変更する。この操作は,例えば看護師IDをタッチパネルから入力するこ とで変更される。その後は,タッチパネル53を操作して所定の入力操作を行い,「点滴が終了しました」を入力する。入力が完了すると,ベッドサイド端末CPU55の制御により,メッセージから成る処置記録が制御機4に送信される。尚,看護師操作モード状態は,所定の時間が経過したら患者操作モードへ移行する。」(段落【0021】) 「この処置記録を受信した制御機4は,制御機CPU44の制御により受信した情報が特定の患者に対する処置記 態は,所定の時間が経過したら患者操作モードへ移行する。」(段落【0021】) 「この処置記録を受信した制御機4は,制御機CPU44の制御により受信した情報が特定の患者に対する処置記録であることを認識して,合わせて送信されたベッドサイド端末5のID情報を基に,ベッドサイド端末5に関連付けられている患者情報を情報記憶部43から読み取り患者を特定する。そして,特定した患者情報と合わせて処置記録をナースコールサーバ9に送信する。 この処置記録を受信したナースコールサーバ9は,看護情報記憶部9aに記憶されている看護記録を受信した処置記録を追加して更新する。この結果,ベッドサイド端末5から入力された患者の処置記録は,ナースコールサーバ9に記録されている看護記録に追加記録され,看護記録が一元管理される。」(段落【0022】) を有する発明が記載されている。 ア医療スタッフが医療スタッフ識別子をベッドサイド端末に入力し,電子カルテアプリケーション起動ボタンが選択されると,ベッドサイド端末から,電子カルテサーバにベッドサイド端末識別子及び医療スタッフ識別子が送 出される。 イ電子カルテサーバは,予めベッドサイド端末識別子と患者名(患者識別子)とを関連付けて記憶している。 ウ電子カルテサーバは,上記アのベッドサイド端末識別子及び医療スタッフ識別子を受信すると,上記イを参照してベッドサイド端末識別子に対応する 患者名を取得する。 エ電子カルテサーバは,患者名を取得すると,受信した医療スタッフ識別子と患者名の組合せに対応し,医師が使用する診療情報の状態情報があらかじめ電子カルテサーバ内に記憶されているか否かを判定し,状態情報が記憶されている場合には,状態情報を取得して した医療スタッフ識別子と患者名の組合せに対応し,医師が使用する診療情報の状態情報があらかじめ電子カルテサーバ内に記憶されているか否かを判定し,状態情報が記憶されている場合には,状態情報を取得して,ベッドサイド端末に送信し,ベッドサイド端末は,これを表示装置に表示する。 本件発明1-1と乙1公報に記載された電子カルテサーバとの対比本件発明1-1と乙1公報の実施例2に記載された電子カルテサーバ(以下「乙1電子カルテサーバ」ということがある。)は,いずれも,①「看護師または医師を識別するための第1医師等識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部」,②「患者の医療情報のうち前記看護師または前記医師が必要と する医療情報を含む表示画面を,前記端末装置へ出力する第2出力部」を具備する情報処理装置である点においては一致しているが,少なくとも,以下の点において相違している。 ア相違点1本件発明1-1に係る情報処理装置は,ベッドサイド端末から送信された 患者識別情報とあらかじめ記憶部に記憶されている患者識別情報が一致するか否かを判定するのに対し,乙1電子カルテサーバは,ベッドサイド端末から受信したベッドサイド端末識別子に基づいて,これとあらかじめ関連付けて記憶されている患者名を取得するものであり,「患者を識別するための第1患者識別情報を端末装置より取得する第1取得部」(構成要件1-1A), 「前記第1患者識別情報と,患者を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2患者識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部」(構成要件1-1B)に係る構成を具備していない点イ相違点2乙1電子カルテサーバは,医療スタッフ識別子をベッドサイド端末から受 信するものの,上記アのとお する第1判定部」(構成要件1-1B)に係る構成を具備していない点イ相違点2乙1電子カルテサーバは,医療スタッフ識別子をベッドサイド端末から受 信するものの,上記アのとおり第1判定に係る構成を具備していないため, 「前記第1判定部で一致すると判定された場合」(構成要件1-1D)に係る構成を具備していない点ウ相違点3本件発明1-1に係る情報処理装置は,ベッドサイド端末から送信された医療スタッフ識別情報とあらかじめ記憶されている医療スタッフ識別情報 が一致するか否かを判定するのに対し,乙1電子カルテサーバは,受信した医療スタッフ識別子と患者識別子の組合せに対応する状態情報があらかじめ電子カルテサーバ内に記憶されているか否かを判定するものであり,「前記第1医師等識別情報と,看護師または医師を識別する情報としてあらかじめ記憶された第2医師等識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部」 (構成要件1-1E)に係る構成を具備していない点 各相違点の認定についてア相違点1及び2被告は,乙1電子カルテサーバにおいては,ベッドサイド端末識別子と患者名が対応しており,「ベッドサイド端末識別子」が「第1患者識別情報」 及び「第2患者識別情報」に相当するとして,相違点1及び2は存在しないと主張する。 しかし,本件発明1-1の患者識別情報は,患者を識別するための情報であり,患者名や患者IDなどの当該患者に固有の情報である。これに対し,乙1公報のベッドサイド端末識別子は,ベッドサイド端末を識別するための ものであり,当該ベッドサイド端末に固有の情報といる。したがって,両者は異なる概念であり,乙1公報のベッドサイド端末識別子は「患者識別情報」には該当するとはい ッドサイド端末を識別するための ものであり,当該ベッドサイド端末に固有の情報といる。したがって,両者は異なる概念であり,乙1公報のベッドサイド端末識別子は「患者識別情報」には該当するとはいえない。更に,乙1電子カルテサーバにおいては,あらかじめベッドサイド端末識別子と患者名(患者識別子)が関連付けられているところ,そのベッドサイド端末識別子と患者識別子の関連付けやその判定 に係る構成については何ら開示していない(相違点1)。 また,本件発明1-1が第1判定において一致すると判定された場合に医療スタッフ認証である第2判定をするのに対し,乙1電子カルテサーバでは,ベッドサイド端末識別子に基づいて,同識別子とあらかじめ関連付けて記憶されている患者名を取得するものであり,第1判定がされているとはいえず,本件発明1-1の第1判定部で一致すると判定された場合(構成要件1-1 D)に係る構成を有しない(相違点2)。 イ相違点3被告は,乙1公報には「状態情報」が患者ごとに記録されていることを根拠に,患者名に対応する状態情報の存在の有無と医療スタッフ識別子の存在の有無とは別であり,乙1電子カルテサーバは,「医療スタッフ識別子が存 在するか否か」及び「患者名に対応する状態情報が存在するか否か」をそれぞれ判定するとして,相違点3は存在しないと主張する。 しかし,乙1公報において,状態情報は,利用者ID,患者名等を総称するものとされて(段落【0091】),図9では,利用者(医師名等)と患者名の組合せが示され,また,「利用者ID及び患者名に対応する状態情報」 (段落【0103】)として,医師名等の利用者IDと患者名の組合せごとに情報が記録されていることが示されている。乙1公報における「医療スタッフ識別子 利用者ID及び患者名に対応する状態情報」 (段落【0103】)として,医師名等の利用者IDと患者名の組合せごとに情報が記録されていることが示されている。乙1公報における「医療スタッフ識別子,及び,患者名に対応する状態情報が存在するか否か判定する(S8-4)」(段落【0109】)とは,医療スタッフ識別子と患者名の組合せに対応する状態情報が存在するか否かを判定することを意味し,乙1電子カル テサーバは,この組合せに対応する状態情報が存在する場合に,その状態情報を取得してベッドサイド端末に表示しているものと解される。これに対し,本件発明1-1は,第1判定とは別に,端末装置が取得した第1医師等識別情報とあらかじめ記憶された第2医師等識別情報が一致するかを判定している。そうすると,これらの点で本件発明1-1と乙1電子サーバは異なっ ており,相違点3を認めることができる。 相違点1について乙1電子カルテサーバは,医療スタッフがベッドサイド端末で電子アプリケーションを利用する際に当該患者に関する診療情報のみ参照等することができ,またベッドサイドでの診察時に素早く操作することができるようにするものであり,ベッドサイド端末識別子と患者名があらかじめ関連付けて記憶され ている。 しかし,乙1電子カルテサーバでは,ベッドサイド端末識別子と患者名があらかじめ関連付けて記憶されているものの,その関連付けの方法についての記載はない。本件発明1-1は,構成要件1-1A及び構成要件1-1Bの構成により患者の識別に関する第1判定をするものであるところ,乙1公報には, それらの構成についての記載がなく,また,相違点1に係る本件発明1-1の構成をとることについての示唆もない。 乙2公報には前記の記載があり る第1判定をするものであるところ,乙1公報には, それらの構成についての記載がなく,また,相違点1に係る本件発明1-1の構成をとることについての示唆もない。 乙2公報には前記の記載があり,ベッドサイド端末はベッド番号(患者)に関連付けられていて,患者はベッドサイド端末を操作して様々な情報を閲覧することができるが,一定の情報以外を閲覧することはできないように制御さ れている。そして,看護師が,看護師IDをタッチパネルから入力することで看護師操作モードに変更され,ベッドサイド端末のID情報を基に,ベッドサイド端末に関連付けられている患者情報を情報記憶部から読み取ることにより患者を特定し,特定した患者情報とともに処置記録をナースコールサーバ9に送信してナースコールサーバが看護情報記憶部に記憶されている看護記録 を受信した処置記録を追加して更新する技術が記載されている。 乙2公報に記載された技術では,ベッドサイド端末とベッド番号との関連付けを通じてベッドサイド端末と患者とが関連付けられているが,それらの関連付けがどのようにされるのかについては,開示も示唆もない。したがって,乙2公報に相違点1に係る本件発明1-1の構成が記載されているとはいえな い。 以上によれば,乙1公報に記載された発明に対し,相違点1に係る本件発明1-1の構成を組み合わせることが当業者にとって容易に想到できたとは直ちにはいえず,また,乙1公報に記載された発明に対して乙2公報に記載された技術を組み合わせても,相違点1に係る本件発明1-1の構成をとることにはならない。 したがって,乙1公報に記載された発明と乙2公報に記載された技術によって,相違点1に係る本件発明1-1の構成をとることを容易に想到することができたとはいえない。 成をとることにはならない。 したがって,乙1公報に記載された発明と乙2公報に記載された技術によって,相違点1に係る本件発明1-1の構成をとることを容易に想到することができたとはいえない。 相違点3についてア乙1電子カルテサーバにおいては,「医療スタッフ識別子と患者名の組合 せに対応する状態情報が存在するか否かを判定する」ことが記載されているが,相違点3に係る本件発明1の構成は記載されていない。そして,乙1公報に記載された発明は,医療スタッフ識別子と患者名の組合せに対応する状態情報を利用する発明であるところ,その状態情報を本件発明1-1の看護師又は医師を識別するための識別情報とすることについての示唆はないし, その状態情報を本件発明1-1の識別情報とすることについての動機があることを認めるに足りる証拠はない。 他方,乙2公報には,患者操作モードから看護師操作モードに移行する際,看護師IDをタッチパネルからベッドサイド端末に入力するという構成が開示されているが,看護師操作モードに移行するまでにどのような情報処理 がされているかについての具体的な記載はない。 これらによれば,乙1公報の状態情報を相違点3に係る本件発明1-1の構成とすることが当業者にとり容易にできたとは直ちにはいえず,また,乙2公報には,本件発明1-1の第2判定に係る本件発明1の構成が記載されていないから,乙1公報に記載された発明に乙2公報に記載された技術を組 み合わせたとしても,相違点3に係る本件発明1の構成に容易に想到するこ とができたとはいえない。 イ被告は,医療情報システムにより医療情報に対し医療従事者がアクセスするには,アクセス権限を有することは技術常識であり,乙2公報に記載された技術において看 とができたとはいえない。 イ被告は,医療情報システムにより医療情報に対し医療従事者がアクセスするには,アクセス権限を有することは技術常識であり,乙2公報に記載された技術において看護師がベッドサイド端末に対応する患者の医療情報にアクセスする正当な権限を有していることを認証するために看護師IDを入 力することを要することは明らかである旨主張して,特開平10-49604号公報(乙7),特開平11-184956号公報(乙8),乙9公報,乙1公報,乙6公報等の記載を指摘する。 しかし,仮にそれらの公報に,医療情報システムにより医療情報に医療従事者がアクセスするにはアクセス権限が必要であることが記載されていた としても,乙1公報に記載された医療スタッフ識別子と患者名の組合せに対応する状態情報について,乙1公報には本件発明1-1の看護師又は医師を識別するための識別情報とすることについての示唆がなく,乙1公報に記載された発明に対して相違点3に係る本件発明1-1の構成を組み合わせることについての動機付けがないことは上記のとおりである。また,乙2公報 には,本件発明1-1の第2判定に係る構成が記載されていない。ここでは,乙1公報に記載された発明に対して乙2公報に記載された技術を容易に組み合わせられたか否かが問題となっている。仮に被告指摘の事実によって乙2公報に対して被告指摘の公報記載の技術を組み合わせることが容易に想到することができたとしても,乙2公報に,相違点3に係る本件発明1-1 の構成が記載されているとはいえないし,また,それが記載されているに等しいともいえない。したがって,乙1電子カルテサーバの発明に対して,乙2公報に記載の技術を組み合わせても,当業者が相違点3に係る本件発明1-1の構成に容易 いえないし,また,それが記載されているに等しいともいえない。したがって,乙1電子カルテサーバの発明に対して,乙2公報に記載の技術を組み合わせても,当業者が相違点3に係る本件発明1-1の構成に容易に想到することができたとはいえない。 以上によれば,乙1公報に記載された発明に対し乙2公報記載の技術等を組 み合わせれば本件発明1-1の構成に容易に想到することができたとする被 告の主張には理由がない。 本件発明1-2は,本件発明1-1の各構成及び構成要件1-2Gの構成を有する情報処理装置の発明であるところ,本件発明1-1について,乙1公報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明1-1の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がないから, 本件発明1-2についても,当業者がその構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がない。 本件発明1-1の情報処理装置は,本件発明1-7の情報処理プログラムを有しているといえるところ,乙1電子カルテサーバは,乙1電子カルテサーバの処理に対応する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,本 件発明1-7の情報処理プログラムと乙1電子カルテサーバの情報処理プログラムは,少なくとも,前記の相違点に対応する情報処理プログラムについての相違点があるといえる。そして,前記及びで述べたところと同様の理由により,乙1公報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明1-7の構成に容易に想到することができたとする被告の主張に は理由がない。 本件発明1-1の情報処理装置は,本件発明1-8の端末装置を有するといえるところ,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,乙1電子カルテサーバの処理に対応する端末 主張に は理由がない。 本件発明1-1の情報処理装置は,本件発明1-8の端末装置を有するといえるところ,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,乙1電子カルテサーバの処理に対応する端末であるといえる。そうすると,本件発明1-8の端末装置と乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,少なくとも,前記の 相違点に対応する相違点があるといえる。そして,前記及びで述べたところと同様の理由により,乙1公報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明1-8の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がない。 本件発明1-8の端末装置は,本件発明1-10の情報処理プログラムを有 しているといえるところ,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,乙1 電子カルテサーバのベッドサイド端末の処理に対応する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,本件発明1-10の情報処理プログラムと乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末の情報処理プログラムは,少なくとも,前記の相違点に対応する情報処理プログラムについての相違点があるといえる。そして,前記及び述べたところと同様の理由により,乙1公 報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明1-10の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がない。 7 本件発明2は,いずれも乙1公報に記載された発明に基づき容易に想到することができたか(争点6)について被告は,本件発明2は,いずれも,出願当時,乙1公報の実施例2に記載され た発明に乙2公報に記載された技術をはじめとする公知技術を適用することによって,当業者が容易に想到し得たものであるから,進歩性を欠いており,無効とされるべきで ,乙1公報の実施例2に記載され た発明に乙2公報に記載された技術をはじめとする公知技術を適用することによって,当業者が容易に想到し得たものであるから,進歩性を欠いており,無効とされるべきであると主張する。 乙1公報の記載事項乙1公報は,発明の名称を「医療情報システム」とする公開特許公報であり, その特許請求の範囲及び明細書の発明の詳細な説明には,前記の記載がある。これによると,乙1公報の実施例2には,以下の発明が記載されている。 ① 医療スタッフが医療スタッフ識別子をベッドサイド端末に入力し,電子カルテアプリケーション起動ボタンが選択されると,ベッドサイド端末から,電子カルテサーバにベッドサイド端末識別子及び医療スタッフ識別子 が送出される。 ② 電子カルテサーバは,予めベッドサイド端末識別子と患者名(患者識別子)とを関連付けて記憶している。 ③ 電子カルテサーバは,上記①のベッドサイド端末識別子及び医療スタッフ識別子を受信すると,上記②を参照してベッドサイド端末識別子に対応 する患者名を取得する。 ④ 電子カルテサーバは,患者名を取得すると,受信した医療スタッフ識別子と患者名の組合せに対応し,医師が使用する診療情報の状態情報があらかじめ電子カルテサーバ内に記憶されているか否かを判定し,状態情報が記憶されている場合には,状態情報を取得して,患者の診療情報を更新することができる情報をベッドサイド端末に送信し,ベッドサイド端末では, 患者の診療情報を更新することができる。 本件発明2-1と乙1公報の実施例2に記載された乙1電子カルテサーバは,いずれも,①「看護師または医師を識別するための第2識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部」,②「患者の状態に関する 本件発明2-1と乙1公報の実施例2に記載された乙1電子カルテサーバは,いずれも,①「看護師または医師を識別するための第2識別情報を前記端末装置から取得する第2取得部」,②「患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を前記端末装置へ出力する第2出力部」を 具備する情報処理装置である点においては一致しているが,少なくとも,以下の点において相違している。 ア相違点1本件発明2-1に係る情報処理装置は,ベッドサイド端末から送信された患者の識別情報とあらかじめ記憶部に記憶されている患者の識別情報 が一致するか否かを判定するのに対し,乙1電子カルテサーバは,ベッドサイド端末から受信したベッドサイド端末識別子に基づいて,これとあらかじめ関連付けて記憶されている患者名を取得するものであり,「患者を識別するための第1識別情報を端末装置より取得する第1取得部」(構成要件2-1A),「前記第1識別情報と,患者を識別する情報として予め記 憶部に記憶された第1識別情報とが一致するか否かを判定する第1判定部」(構成要件2-1B)に係る構成を具備していない点イ相違点2乙1電子カルテサーバは,医療スタッフ識別子をベッドサイド端末から受信するものの(一致点①),上記アのとおり第1判定に係る構成を具備 していないため,「前記第1識別情報が一致すると判定した場合」(構成要 件2-1D)に係る構成を具備していない点ウ相違点3本件発明2-1に係る情報処理装置は,ベッドサイド端末から送信された医療スタッフ識別情報とあらかじめ記憶されている医療スタッフ識別情報が一致するか否かを判定するのに対し,乙1電子カルテサーバは,受 信した医療スタッフ識別子と患者識別子の イド端末から送信された医療スタッフ識別情報とあらかじめ記憶されている医療スタッフ識別情報が一致するか否かを判定するのに対し,乙1電子カルテサーバは,受 信した医療スタッフ識別子と患者識別子の組合せに対応する状態情報があらかじめ電子カルテサーバ内に記憶されているか否かを判定するものであり,「前記第2識別情報と,前記記憶部に看護師または医師を識別する情報として予め記憶された第2識別情報とが一致するか否か判定する第2判定部」(構成要件2-1E)に係る構成を具備していない点 上記各相違点の認定について上記各相違点は,本件発明1-1と乙1電子カルテサーバの相違点と実質的に同じである。被告は,上記各相違点が認められない旨主張するが,前記に述べたところと同じ理由によりその主張には理由がなく,上記各相違点が認められる。 乙2公報の記載は,前記のとおりである。そして,前記6,と同様の理由により,乙1電子カルテサーバの発明に対して,乙2公報に記載の技術を組み合わせても,当業者は,少なくとも相違点1及び3に係る本件発明2-1の構成に容易に想到することができたとはいえない。 したがって,乙1公報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わ せれば本件発明2-1の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がない。 本件発明2-2は,本件発明2-1の各構成及び構成要件2-2Hの構成を有する情報処理装置の発明であるところ,本件発明2-1について,乙1公報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明2-1 の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がないから, 本件発明2-2についても,当業者がその構成に容易に想到することができたとす を組み合わせれば本件発明2-1 の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がないから, 本件発明2-2についても,当業者がその構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がない。 本件発明2-1の情報処理装置は,本件発明2-4の情報処理プログラムを有しているといえるところ,乙1電子カルテサーバは,乙1電子カルテサーバの処理に対応する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,本 件発明2-4情報処理プログラムと乙1電子カルテサーバの情報処理プログラムは,少なくとも,前記の相違点に対応する情報処理プログラムについての相違点があるといえる。そして,前記で述べたところと同様の理由により,乙1公報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明2-4の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由が ない。 本件発明2-1の情報処理装置は,本件発明2-5の端末装置を有するといえるところ,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,乙1電子カルテサーバの処理に対応する端末であるといえる。そうすると,本件発明2-5の端末装置と乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,少なくとも,前記の 相違点に対応する相違点があるといえる。そして,前記で述べたところと同様の理由により,乙1公報に記載された発明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明2-5の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がない。 本件発明2-5の端末装置は,本件発明2-7の情報処理プログラムを有し ているといえるところ,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末に対応する情報処理プログラムを有しているといえる。そうする の情報処理プログラムを有し ているといえるところ,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末は,乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末に対応する情報処理プログラムを有しているといえる。そうすると,本件発明2-7の情報処理プログラムと乙1電子カルテサーバのベッドサイド端末の情報処理プログラムは,少なくとも,前記の相違点に対応する情報処理プログラムについての相違点があるといえる。 そして,前記で述べたところと同様の理由により,乙1公報に記載された発 明に乙2公報記載の技術等を組み合わせれば本件発明2-7の構成に容易に想到することができたとする被告の主張には理由がない。 8 被告は,第1判定と第2判定の関係について被告が主張する解釈をせず,第1判定が行われた後に第2判定が行われれば足りると解釈すると,本件発明1-1が無効になるか,被告製品について被告の先使用権を認めることになることを根 拠に,第1判定と第2判定との関係について,被告主張のとおり解釈すべきであり,また,本件発明1及び本件発明2の各発明について同様であると主張して,その根拠として乙6公報の記載,乙2公報の記載,乙3公報の記載,乙9公報の記載を指摘し,また,被告が納入したシステムを指摘する(被告は,これを構成要件の解釈についての主張として主張する。)。 前記のとおり,本件発明1-1の第1判定と第2判定との関係は,特許請求の範囲及び明細書の記載によって解釈されるものであるが,念のため,被告が主張する文献に記載された発明や被告が納入したシステムを見ても,これらに本件発明1-1と同じ構成が記載等されているとはいえず,技術常識等によって,第1判定と第2判定について,被告主張のように解されるものではない。ま た,本件発明1-1以外の本件発明1及び れらに本件発明1-1と同じ構成が記載等されているとはいえず,技術常識等によって,第1判定と第2判定について,被告主張のように解されるものではない。ま た,本件発明1-1以外の本件発明1及び本件発明2についても同様である。 乙6公報は,発明の名称を「常時表示型医療情報表示システム」とする公開特許公報である。その特許請求の範囲及び明細書の発明の詳細な説明の記載によれば,乙6公報には,医療情報表示システムが記載されていて,その常時表示型医療情報表示システムは,①患者が必要とする医療情報を端末装置に表示 するには,端末装置が患者識別情報を取得してこれが情報処理装置に送信され,情報処理装置において,端末装置から受信した患者識別情報とあらかじめ記憶されている患者識別情報とが一致すると判定されることが必要であり,②医療スタッフが必要とする医療情報を端末装置に表示するには,端末装置が医療スタッフ識別情報を取得してこれが情報処理装置に送信され,情報処理装置にお いて,端末装置から受信した医療スタッフ識別情報と予め記憶されている医療 スタッフ識別情報とが一致すると判定されることが必要であるというものである。 ここで,本件発明1-1においては,医療スタッフが必要とする医療情報を表示用端末に表示するためには,医療スタッフ認証である第2判定に先行して,患者認証である第1判定で一致すると判定されることが必要であり,第1判定 で一致すると判定されて初めて第2判定がされ,第2判定で一致すると判断されて患者の医療情報のうち医師等が必要とされる医療情報が当該端末装置に表示される。これに対し,乙6公報に記載された医療情報表示システムは,患者認証といえる上記①の判定と,医療スタッフ認証といえる上記②の判定とについて,時間的な先後関係や れる医療情報が当該端末装置に表示される。これに対し,乙6公報に記載された医療情報表示システムは,患者認証といえる上記①の判定と,医療スタッフ認証といえる上記②の判定とについて,時間的な先後関係や条件について特段の限定はなく,表示用端末に電 源を入力することによって表示される初期画面から上記①の判定を経ずに上記②の判定がされて医療スタッフが医療情報を表示させることができる。乙6公報の,医療スタッフ認証後に「1又は複数」の患者の医療情報が表示される(段落【0052】)との記載によっても,乙6公報に記載された医療情報表示システムでは,医療スタッフが必要とする医療情報を端末装置に表示するた めにされる医療スタッフ認証前に,当該端末装置について患者認証がされている必要はない。 以上によれば,本件発明1-1と乙6公報に記載された医療情報表示システムとは,少なくとも上記の点において相違している。 乙2公報には,前記の記載があり,患者の医療情報を表示するベッドサ イド端末の発明が記載されている。 しかし,本件発明1-1は,患者認証に係る第1判定について,端末装置に患者の医療情報を表示するための操作として,端末装置が取得した患者識別情報が情報処理装置に送信され,情報処理装置が,同情報とあらかじめ記憶された患者識別情報とが一致するか否かを判定するという構成を有するものであ り,その端末もそれに応じた構成を有する。これに対し,乙2公報には,ベッ ドサイド端末とベッド番号との関連付けを通じてベッドサイド端末と患者とが関連付けられるとのみ記載されており,ベッドサイド端末が患者に対して医療情報等を表示する患者操作モードとなるために必要な操作が開示されておらず,ベッドサイド端末と患者との関連付けがどのようにされるについ 付けられるとのみ記載されており,ベッドサイド端末が患者に対して医療情報等を表示する患者操作モードとなるために必要な操作が開示されておらず,ベッドサイド端末と患者との関連付けがどのようにされるについての記載はない。 また,本件発明1-1は,ベッドサイド端末に当該ベッドを使用する患者の医療情報のうち医療スタッフ等が必要とする情報を表示するための操作として,患者認証である第1判定の後に,医療スタッフ認証である第2判定として,情報端末が取得した医療スタッフ識別情報が情報処理装置に送信され,情報処理装置が,同情報とあらかじめ記憶された医療スタッフ識別情報とが一致する か否かを判定するという構成を有するものであり,その端末もそれに応じた構成を有する。これに対し,乙2公報においては,看護師操作モードに状態を変更するための操作として,看護師IDをタッチパネルから入力するとされているにとどまり,看護師操作モードに変更される際に,どのような情報処理がされるのかが開示されていない。 これらによれば,本件発明1-1の端末と乙2公報に記載されたベッドサイド端末は,少なくとも上記の点において相違している。 乙3公報は,発明の名称を「病床用情報端末装置」とする公開特許公報である。その特許請求の範囲及び明細書の発明の詳細な説明によれば,乙3公報には,①病床用情報端末装置は,固有の病床ID番号を有しており,患者に対し て入院時に割り当てられるID番号と病床用情報端末装置のID番号とは医療データサーバ装置において関連付けられており,②看護婦が病床用情報端末装置を使用する場合,看護婦が,上記①の関連付けがなされて待機画面を表示している病床用情報端末装置に,当該看護婦のID番号を記憶して当該ID番号を電波出力するカードを,病床用情報端末に設 用情報端末装置を使用する場合,看護婦が,上記①の関連付けがなされて待機画面を表示している病床用情報端末装置に,当該看護婦のID番号を記憶して当該ID番号を電波出力するカードを,病床用情報端末に設けられた使用者識別手段に近 接させ,使用者識別手段が看護婦のID番号を獲得すると,病床用端末に設け られたデータ処理手段(プログラム実行選択部)において,使用者識別手段が取得したID番号に基づいて使用者の名前及び属性を判断し,看護婦という使用者の属性に応じた画面,例えば患者の生体情報データ等の医療情報を表示し,③患者が病床用情報端末装置を使用する場合,患者が,上記①の関連付けがなされて待機画面を表示している病床用情報端末装置に,当該患者のID番号を 記憶して当該ID番号を電波出力するカードを,病床用情報端末に設けられた使用者識別手段に近接させ,使用者識別手段が患者のID番号を獲得すると,病床用端末に設けられたデータ処理手段(プログラム実行選択部)において,使用者識別手段が取得したID番号に基づいて使用者の名前及び属性を判断し,患者の検査のスケジュール等の患者向けの医療情報を表示する発明が記載 されている。 ここで,本件発明1-1においては,医療スタッフが必要とする医療情報を情報端末に表示するには,情報端末が患者識別情報を取得し,情報処理装置において同情報とあらかじめ記憶されている患者識別情報とが一致するか否かを判定するという形で,第1判定において一致するとの判定がされて患者認証 がされている必要があり,その端末もそれに応じた構成を有する。これに対し,乙3公報に記載された病床用情報端末装置においては,病床用情報端末に医療スタッフが必要とする医療情報を表示するには,初期画面の状態(患者のIDと病床用情報端末装 れに応じた構成を有する。これに対し,乙3公報に記載された病床用情報端末装置においては,病床用情報端末に医療スタッフが必要とする医療情報を表示するには,初期画面の状態(患者のIDと病床用情報端末装置の病床IDとを医療データサーバ装置において関連付けることで表示される)にある病床用情報端末が医療スタッフ識別情報を取得 し,同情報に基づいて使用者の名前や属性を判断することで足り,上記のような形での患者認証を先行させる必要はない。 本件発明1―1の端末装置と乙3公報に記載された病床用情報端末装置は,少なくとも,上記の点において相違している。 乙9公報(乙9)は,発明の名称を「ベッドサイド情報システム」とする公 開特許公報である。その特許請求の範囲の記載及び発明の詳細な説明によれば, 乙9公報には,表示装置を含むベッドサイド端末は,同端末に入力された患者識別情報又は医療スタッフ識別情報を認識し,取得した患者識別情報又は医療スタッフ識別情報をサーバに向けて送出し,サーバは,ベッドサイド端末から送信された上記の識別情報が正当な識別情報であるか否かを認証し,識別情報が正当なものであると認証された場合には,識別情報に対応する診療情報をベ ッドサイド端末に送出し,患者識別情報の認証がされた場合には,ベッドサイド端末は診療予定(服薬,検査)や経過情報(検査結果,バイタルサイン)等の診療情報を表示装置に表示し,医療スタッフ識別情報の認証がされた場合には,バイタルサインや投薬・検査結果等の診療情報を表示装置に表示する発明が記載されている。このような乙9公報のベッドサイド情報システムにおいて は,①患者が必要とする医療情報を端末装置に表示するには,端末装置が患者識別情報を取得してこれが情報処理装置に送信され,情報処理装置に る。このような乙9公報のベッドサイド情報システムにおいて は,①患者が必要とする医療情報を端末装置に表示するには,端末装置が患者識別情報を取得してこれが情報処理装置に送信され,情報処理装置において正当な識別情報であると判定されることが必要であり,②医療スタッフが必要とする医療情報を端末装置に表示するには,端末装置が医療スタッフ識別情報を取得してこれが情報処理装置に送信され,情報処理装置において正当な識別情 報であると判定されることが必要であるといえる。 ここで,本件発明1-1においては,医療スタッフが必要とする医療情報を表示用端末に表示するためには,医療スタッフ認証に係る第2判定に先行して第1判定で一致すると判定されて患者認証がされていることが必要である。これに対し,乙9公報には,患者認証(上記①)と医療スタッフ認証(上記②) との時間的な先後関係や条件について特段の限定をする旨の記載はなく,乙9公報の実施例にはメインメニューから医療スタッフ認証をして医療スタッフ向けの情報を表示させる構成が記載されていて,乙9公報に記載されている発明は,本件発明1-1の第1判定に対応する患者認証をしなくとも,医療スタッフ認証をすることによって医療スタッフが必要する医療情報を表示させる ことができる発明であるといえる。また,メインメニューの表示の前に患者と ベッドサイド端末との関連付けがされているとしても,その関連付けに係る構成が本件発明1-1の第1判定に係る構成を有することの開示はないし,その関連付けは直接は患者向けの診療情報を端末装置に表示することに向けられたものではない。 本件発明1-1の端末装置と乙9公報のベッドサイド端末は,少なくとも上 記の点において相違していると認められる。 ア乙13は,被告 療情報を端末装置に表示することに向けられたものではない。 本件発明1-1の端末装置と乙9公報のベッドサイド端末は,少なくとも上 記の点において相違していると認められる。 ア乙13は,被告が佐久総合病院に宛てて作成したピクトグラムシステム要件確認書と題する書面であり,同システムの機能の一覧や同システムにおける画面の表示等が記載された17頁の書面である。この乙13によれば,被告が,平成26年3月に佐久総合病院に納入したピクトグラムシステムである乙1 3システムの構成の概要は,一応,以下のとおりのものと認められる。 ① 乙13システムのベッドサイド端末は,患者とベッドサイド端末とが関連付けられていない場合,カレンダー画面を表示している。 ② カレンダー画面の時刻表示部分をタップすると,ベッドサイド端末にはスタッフ認証画面が表示される。 ③ 上記②のスタッフ認証画面でスタッフカードのバーコードを読ませるとスタッフベッドサイド用メニューが表示され,そこには「患者登録」,「患者登録解除」,「ピクトグラム編集」という三つのボタンがある。 ④ 上記③のボタンの中から「患者登録」をタップすると,患者端末登録画面が表示されるので,患者のリストバンドのバーコードを読ませると,患者番 号をベッドサイド端末に登録し,患者ピクトグラム画面が表示され,メイン画面には患者の氏名,時刻,主治医,受持看護師,入院日のほか,看護支援のためのピクトグラムが表示され,サブ画面には,直近の手術実施日等が記載されている。 ⑤ 患者ピクトグラム画面のメイン画面の時刻部分をタップすると,スタッ フ認証画面が表示されるので,そこでスタッフカードのバーコードを読ま せると,スタッフベッドサイド用メニューが表示され,そこには「患者登録」 画面の時刻部分をタップすると,スタッ フ認証画面が表示されるので,そこでスタッフカードのバーコードを読ま せると,スタッフベッドサイド用メニューが表示され,そこには「患者登録」,「患者登録解除」,「ピクトグラム編集」という3つのボタンがある。 ⑥ 上記⑤のボタンの中から「ピクトグラム編集」というボタンをタップすると,ピクトグラムの編集画面が表示され,スタッフはピクトグラムを編集する。 イ上記アによれば,乙13には,①ベッドサイド端末に患者又は医療スタッフの識別情報を入力することにより患者認証又は医療スタッフ認証をすることや,その認証の主体に応じた情報をベッドサイド端末に表示すること,②医療スタッフ向けの情報をベッドサイド端末に表示させるためには,患者認証を先行させることが記載されているといえる。 ここで,本件発明1-1は,患者認証である第1判定で一致すると判定された後に医療スタッフ認証である第2判定がされ,第2判定で一致すると判定された場合に,前記看護師または医師が必要とする医療情報を含む表示画面を出力,表示することに係る構成を有するものであり,その表示画面に出力,表示される「医療情報」(構成要件1-1F)は,前記当該患者に 対して看護師又は医師が医療行為を行うために必要とする,当該患者に関する情報である。これに対し,本件証拠上,乙13システムにおいては,医療スタッフ認証後,「患者登録」,「患者登録解除」,「ピクトグラム編集」という3つのボタンがベッドサイド端末に表示され,医療スタッフは,「ピクトグラム編集」を選択して,患者用画面において表示されるピクトグラムを適宜追加・修正・ 削除することができる。しかし,乙13によれば,スタッフベッドサイド用メニューで表示されるのはピクトグラ トグラム編集」を選択して,患者用画面において表示されるピクトグラムを適宜追加・修正・ 削除することができる。しかし,乙13によれば,スタッフベッドサイド用メニューで表示されるのはピクトグラムの編集画面であって,その画面は,当該患者に対して看護師又は医師が医療行為を行うために必要とする,当該患者に関する情報である「医療情報」(構成要件1-1F)を表示しているものであるとは認められない。 以上によれば,乙13システムは,本件発明1-1と同じ構成を有していた とは認められない。本件発明1-1以外の本件発明1も,いずれも第2判定で一致すると判定された後に上記「医療情報」を表示することに係る構成を有するから,乙13システムが,本件発明1と同じ構成を有していたとは認められない。また,本件発明2は,いずれも,第2判定で一致すると判定された場合,患者の状態に関する状態情報の入力を受け付けるための入力画面を出力,表示 することに係る構成を有するものである。しかし,乙13システムにおいては,そのような状態情報の入力画面を出力,表示することに係る構成を有していたと認めるに足りない。そうすると,乙13システムが,本件発明2と同じ構成を有していたとは認められない。 なお,乙13には,上記アのような乙13システムの要件ないし概要が記載 されているが,乙13システムが具体的にどのような構成を有していたかの記載はなく,本件特許1及び本件特許2の基準日までに,乙13システムが,上記の処理に関して備えていた具体的な構成を直ちに認めることができるものとはいえない。 第4 結論 以上によれば,被告による被告製品の生産,譲渡等は原告の本件両特許権を侵害するから,原告は,被告に対し,特許法100条1項に基づき被告製品の生産等 できるものとはいえない。 第4 結論 以上によれば,被告による被告製品の生産,譲渡等は原告の本件両特許権を侵害するから,原告は,被告に対し,特許法100条1項に基づき被告製品の生産等の差止めを請求することができるとともに,同条2項に基づき,侵害行為を組成した被告製品及びその半製品の廃棄を請求することができる。よって,原告の請求は,理由があるからこれをいずれも認容することとし,主文第1項及び第2項に係る仮執行宣言の申立てはいずれも相当ではないのでこれを付さないこととして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第46部 裁判長裁判官柴田義明 裁判官安岡美香子及び裁判官古川善敬は,転勤のため署名押印できない。 裁判長裁判官柴田義明 別紙物件目録 「医療看護支援ピクトグラムシステム」(それを構成する情報処理装置,その情報処理プログラム,端末装置及びその制御プログラムを含む。) 別紙本件明細書1 図面【図1】 【図7】 【図20】 【図21】 別紙乙1公報図面 【図9】 別紙乙1公報図面 【図9】

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