主文 1 本件控訴に基づき原判決を次のとおり変更する。 (1) 控訴人らは,武蔵野市に対し,連帯して5万円及びこれに対する平成12年11月9日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 (2) 被控訴人のその余の請求を棄却する。 2 本件附帯控訴を棄却する。 3 訴訟費用は,第1,第2審を通じて,これを3分し,その2を控訴人らの,その余を被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨(控訴人ら) 1 原判決中,控訴人ら敗訴部分を取り消す。 2 上記取消しに係る被控訴人の請求を棄却する。 第2 附帯控訴の趣旨(被控訴人) 1 原判決を次のとおり変更する。 2 控訴人らは,武蔵野市に対し,連帯して7万5000円及びこれに対する訴状送達の日の翌日(平成12年11月9日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第3 事案の概要 1 本件は,東京都武蔵野市の住民である被控訴人が,同市秘書室長に資金前渡された市長・市役所交際費の中から祝金として支払われた次の各金員,①平成12年2月11日,ライブハウス「赤いからす」の新店主披露祝宴における祝金として,新店主に対する1万円(以下「本件支払①」という。),②平成11年11月10日,武蔵野市部課長会(以下「部課長会」という。)研修後の懇親会における祝金として,同会の会長に対する3万円(以下「本件支払②」という。),③平成11年11月29日,源正寺第十世住職継承披露における祝金として,源正寺住職に対する1万円(以下「本件支払③」という。),④平成11年12月8日,武蔵野市役所稲門会(以下「稲門会」という。)における祝金として,同会代表幹事に対する1万円(以下「本件支払④」という。),⑤平成11年12月21日,市民クラブ忘年会における祝金として,同クラブ会派代表aに対する 会(以下「稲門会」という。)における祝金として,同会代表幹事に対する1万円(以下「本件支払④」という。),⑤平成11年12月21日,市民クラブ忘年会における祝金として,同クラブ会派代表aに対する1万円(以下「本件支払⑤」という。),⑥平成12年1月30日,焼酎愛飲党定例会における祝金として,「焼酎王国・焼酎愛飲党」幹事長に対する5000円(以下「本件支払⑥」という。)の各支払について,それらがいずれも違法な支出に当たる旨主張して,同市の市長であった控訴人b及び秘書室長であった控訴人cの各個人に対し,同市に代位して,支出相当額である合計7万5000円及びこれに対する前記の遅延損害金を同市に賠償するよう求めた住民訴訟である。 2 原判決は,本件各支払のうち,本件支払①ないし④,及び⑥を違法であるとして,被控訴人の請求のうち,控訴人らに対し連帯して6万5000円及び遅延損害金の支払の限度で認容したため,これを不服とする控訴人らが控訴し,同様に被控訴人も附帯控訴したものである。 3 法令等の定め,前提となる事実,当事者の主張及び争点は,後記のとおり当審における当事者双方の主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄第2「事案の概要」の1ないし4(原判決2頁7行目から19頁9行目まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 第4 当裁判所の判断 1 当裁判所は,被控訴人の請求は,違法な支出と認められる本件支払①ないし③の合計額5万円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成12年11月9日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度において理由があるが,その余の請求については,いずれも理由がないと判断するものである。 その理由は,2において,本件各支払の違法性について,当裁判所の判断を示すほかは,原判決「事実及び理由」欄 度において理由があるが,その余の請求については,いずれも理由がないと判断するものである。 その理由は,2において,本件各支払の違法性について,当裁判所の判断を示すほかは,原判決「事実及び理由」欄第3「当裁判所の判断」1,2の(1),(2),及び3(原判決19頁11行目から22頁3行目までと,27頁1行目から末行まで)記載のとおりであるから,これを引用する。 ただし,原判決27頁7行目,同頁19行目,同頁23行目に各「本件支払①ないし④及び⑥」とあるのを,いずれも「本件支払①ないし③」と,27頁24行目に「6万5000円」とあるのを「5万円」とそれぞれ訂正する。 2 本件各支払の違法性に関する当裁判所の判断(1) 交際費の支出の違法性判断基準について交際費とは,一般的には,対外的に活動する地方公共団体の長又はその他の執行機関が,行政執行上,あるいは当該団体の利益の為に当該団体を代表し外部とその交渉をするために要する経費であり,その中には,特定の事務の円滑,適正な遂行を図ることを目的とするのではなく,交際それ自体,すなわち,一般的な友好,信頼関係の維持増進自体が目的であるものも含まれる。 そして,その外部には,市議会関係も含まれると考えられるが,自らの指揮監督下にある行政事務部門の職員との関係は,原則として外部には当たらず,交際費の性格上,内部職員の会合に出席するために交際費を支出することは,社会通念上相当な範囲にとどまるとはいえず,基本的に違法であると考えられる。 次に,一般的な友好,信頼関係の維持増進自体が目的である場合には,関係者に対する儀礼を尽くすために必要な最小限度の範囲内において許容されたものであるから,儀礼を尽くす契機となった行事や出来事自体に公務性や行政上の有益性があることが要求されるものではなく,儀礼的行為を行うこ する儀礼を尽くすために必要な最小限度の範囲内において許容されたものであるから,儀礼を尽くす契機となった行事や出来事自体に公務性や行政上の有益性があることが要求されるものではなく,儀礼的行為を行うことによって行政の円滑な運営を図ることができるという公益に資するものであれば足りるというべきである。 しかし,地方公共団体の長が,対外的に活動として行うものである以上,地方公共団体との関係において,地方公共団体の利益になる余地もなく,また,およそ公的性格もないため,客観的にみて地方公共団体が,儀礼的行為を行うことによって行政の円滑な運営を図ることができるという公益に資するものとみる余地もない場合には,社会通念上相当な範囲にとどまるとはいえず,違法であると解される。 (2) 本件支払①についてア乙第15号証,第16号証によれば,本件支払①は,市内のジャズのライブハウスである「赤いからす」が,新店主の下で,新たに経営を始めるに当たって,新店主披露祝賀会が平成12年2月11日開催され,市長として招待を受けた控訴人bがこれに出席するに際し,上記祝賀会が飲食を伴うものであったことから,祝金として支払われたものであること,控訴人bは,市長として,中小の商店等からの開店披露等の招待に対しては,商業振興の見地から日程の許す限り出席,激励すべきであると考えており,また,新店主は,昭和54年5月から平成11年4月まで20年間市議会議員を務め,市議会副議長や監査委員を歴任した市政功労者であるので,このような機会に祝意を表し激励するのは,商業振興の面からも,また儀礼上も当然のことであると考えたことを認めることができる。 イそこで,検討するに,上記ライブハウスの新店主は,元市会議員であり,市政功労者であるとは認められるものの,上記祝賀会自体は,全くの個人として新たにラ ことであると考えたことを認めることができる。 イそこで,検討するに,上記ライブハウスの新店主は,元市会議員であり,市政功労者であるとは認められるものの,上記祝賀会自体は,全くの個人として新たにライブハウスの営業の開始を祝賀する会合であって,地方公共団体との関係においておよそ公的性格が認められず,また,地域における商業振興の意味があるとも認められない個人的会合であって,客観的にみて地方公共団体が,儀礼的行為を行うことによって行政の円滑な運営を図ることができるという公益に資するものとみる余地もないから,本件祝金の金額等を考慮するまでもなく,上記祝賀会への祝金を交際費から支出することは,社会通念上相当な範囲を逸脱したものといわざるを得ない。 ウ控訴人らは,地域の産業振興は市にとって重要な施策であり,武蔵野市は商業が大きな産業であるところ,αは,ジャズライブハウス発祥の地であり,現在も9軒のライブハウスが営業しており,毎年5月の連休にα音楽祭を開催してジャズを公開演奏し,また,今年からNHK主催のジャズフェスティバルを後援する等でジャズを通じてαの活性化が図られているから,αの活性化のためにジャズのライブハウスを開店する際に,市長として開店を祝すとともに,αの発展を期するために出席し,市政功労者である新店主に対し,時機を得て謝意,祝意を表すことは当然であると主張する。 たしかに,地域の産業振興は市の重要な施策であり,そのような会合のために市長が出席することは,交際費の本来の目的にかなうと認められるが,本件支払①の対象となった祝賀会は,個人の店の開店の祝賀会であって,地域の産業振興を目的とする公的な性格を有する会合とは到底認めらず,また,市政功労者に謝意を表するための会合とみる余地もないのであるから,控訴人らの主張は採用することができない 店の祝賀会であって,地域の産業振興を目的とする公的な性格を有する会合とは到底認めらず,また,市政功労者に謝意を表するための会合とみる余地もないのであるから,控訴人らの主張は採用することができない。 オしたがって,本件支払①は,市長・市役所交際費として資金前渡された趣旨を逸脱するものとして,違法であるというべきである。 (2) 本件支払②についてア乙第15,第16号証によれば,部課長会は,武蔵野市のすべての部課長で構成された団体であり,同会が開催する研修会後の懇親会には,毎回,市長,両助役,収入役及び市議会議長が招待され,原則全員出席していること,本件支払②は,上記研修後の懇親会が平成11年11月10日にβホテルにおいて開催され,控訴人bは,市役所組織管理者である市長として,両助役,収入役とともに招待されて出席し,会場がホテルであり飲食を伴うものであったことから,理事者4人分の祝金として支払われたものであること,控訴人bとしては,市政の置かれている状況や職員に期待する旨のショートスピーチを行い,個々の部課長と直接意見交換をするのが通例で意義があり,この種の会合としては,ほかに係長事務連絡会,主任事務連絡会があり,それぞれ研修後の懇親会に出席していることが認められる。 イそこで,検討するに,本件支払②の対象となった部課長会は,武蔵野市のすべての部課長で構成された団体であるが,その構成員は,すべて市長の指揮監督下にある内部職員である上,部課長会の行う研修も,実質的には職務の一環と考えられる。そうすると,その研修後の懇親会に出席することは,客観的に見て地方公共団体の長としての対外的活動とはおよそいい難いものであるから,このような会への出席に交際費を支出することは,社会通念上相当な範囲を明らかに逸脱したものといわざるを得ない。 ウ控訴人 に見て地方公共団体の長としての対外的活動とはおよそいい難いものであるから,このような会への出席に交際費を支出することは,社会通念上相当な範囲を明らかに逸脱したものといわざるを得ない。 ウ控訴人らは,部課長会の懇親会において,部課長と懇親や懇談をはかることは市長としての職務である組織,職員を管理し事務執行する行為であり,当然のことであると主張する。 しかし,市長の職務として,組織,職員を管理し,事務を執行することは当然であり,そのために部課長と懇親や懇談をはかることは必要と考えられるが,前記のとおり交際費は,もともと地方公共団体の長として対外的活動を行うことに要する経費であるから,市長の指揮監督下にある行政事務部門の職員との懇談,懇親のためにこれを支出することが交際費の性格上許されないのは当然であって,控訴人らの主張は,それ自体失当である。 エしたがって,本件支払②は,市長・市役所交際費として資金前渡された趣旨を逸脱するものとして,違法であるというべきである。 (3) 本件支払③についてア乙第13,第15号証によれば,源正寺は,武蔵野市γに所在する,約340年の歴史を有する浄土真宗本願寺派の寺院であること,本件支払③は,源正寺の第十世住職継承披露の祝賀会が,平成11年11月29日にβホテルにおいて開催されるに当たり,控訴人bが市長として市を代表して祝辞を述べるため出席し,会場がホテルであり飲食を伴うものであることから,祝金として支払われたものであること,控訴人bは,源正寺は,市内仏教10か寺の一つで,歴代住職は熱心な市政の協力者で,第十世住職も市の民生・児童委員,人権擁護委員を歴任しているので,このような立場の人が寺院の責任者に就いたことを祝賀する会に出席し,市を代表して祝辞を述べることは市長として当然のことであると考えたこと, 世住職も市の民生・児童委員,人権擁護委員を歴任しているので,このような立場の人が寺院の責任者に就いたことを祝賀する会に出席し,市を代表して祝辞を述べることは市長として当然のことであると考えたこと,祝賀会には,地元であるδの関係者や民生委員,保護司,商工会議所や商店会連合会幹部などが出席していたことを認めることができる。 イそこで,検討するに,上記第十世住職は,市の民生・児童委員,人権擁護委員を歴任しているものであり,また,上記祝賀会には,地元であるδの関係者や民生委員,保護司,商工会議所や商店会連合会幹部などが出席していることが認められるとしても,上記祝賀会は,そのような資格の者が集まる公的な性格を有する会合ではなく,それ自体は,源正寺という宗教団体の主催した祝賀会にすぎず,また,客観的にみて地方公共団体が,儀礼的行為を行うことによって行政の円滑な運営を図ることができるという公益に資するものとみる余地もないから,本件祝金の金額等を考慮するまでもなく,上記祝賀会への祝金を交際費から支出することは,社会通念上相当な範囲を逸脱したものといわざるを得ない。 ウ控訴人は,源正寺住職は,武蔵野市の民生・児童委員,人権擁護委員等を歴任しているほか,源正寺は,市内で亡くなった身元引受人のない行旅死亡人の埋葬を行っていること,境内において幼稚園を運営し,市の幼児教育の一翼を担っていること,宗派を問わず,市民の葬儀を引き受けていることから,源正寺及びその住職は,市及び市民にとって社会的に重要な存在で,かつ市政に多大に貢献しているのであって,祝賀会という機会に市長が市を代表して挨拶し祝意を表するのは,日頃の活動に対する謝意であり市長の職務として当然の行為であると主張する。 しかし,源正寺や源正寺住職が,社会的に重要な存在で,市政に多大の貢献をしており, 長が市を代表して挨拶し祝意を表するのは,日頃の活動に対する謝意であり市長の職務として当然の行為であると主張する。 しかし,源正寺や源正寺住職が,社会的に重要な存在で,市政に多大の貢献をしており,市長として謝意を表する必要があるとしても,本件支払③の対象となった祝賀会は,そのような市政や,市や市民への貢献について謝意を表するために開催された公的性格をもつ会合ではなく,源正寺という宗教団体が,私的に開催した祝賀会であって,客観的に見て,上記祝賀会への祝金を交際費から支出することは,社会通念上相当な範囲を逸脱したものといわざるを得ないから,控訴人らの主張は採用することができない。 エしたがって,本件支払③は,市長・市役所交際費として資金前渡された趣旨を逸脱するものとして,違法であるというべきである。 (4) 本件支払④についてア乙第15号証によれば,稲門会は,武蔵野市職員と同市議会議員の中の早稲田大学出身者で構成する親睦団体であり,控訴人bも会員であること,本件支払④は,平成11年12月8日に,三鷹市内の飲食店富司屋で懇親会が開催され,これに市長として招待され出席するに際し,飲食を伴うことから,祝金として支払われたものであること,控訴人bは,上記懇親会に来賓と会員との二つの立場で出席しており,会員としての会費は別に個人として私費を1万円支出したこと,控訴人bは,来賓の立場としては,市長として市政の基本方針に関して述べ,意見交換を行うが,一般職員を含む会員との親睦会は,現場第一線職員の生の声を聞くには絶好の機会と考えて出席したこと,同種の会としては,武蔵野稲門会,武蔵野三田会,明治大学校友会武蔵野支部等があることが認められる。 イそこで,検討するに,本件支払④の対象となった稲門会は,武蔵野市職員と同市議会議員の中の早稲田大学出身者で構成 は,武蔵野稲門会,武蔵野三田会,明治大学校友会武蔵野支部等があることが認められる。 イそこで,検討するに,本件支払④の対象となった稲門会は,武蔵野市職員と同市議会議員の中の早稲田大学出身者で構成する親睦団体であるから,市長の指揮監督下にある内部職員だけの組織ではなく,むしろ社会活動の一つである同窓会活動を行うために設立されたものであって,武蔵野市からみれば,一応の外部性があり,客観的にみて地方公共団体が,儀礼的行為を行うことによって行政の円滑な運営を図ることができるという公益に資するものと認められ,その支払額も1万円と社会通念上常識の範囲内であり,それ自体には,公務性や行政上の有益性が乏しいとしても,社会通念上相当と認められる必要かつ最小限度の範囲内の儀礼を尽くすためにされたものというべきであるから,本件支払④が違法とまではいうことはできない。 ウ被控訴人は,稲門会の構成員である職員及び市議会議員は身内であって,業務と関係がなく違法であると主張する。 しかし,稲門会の構成員である市議会議員は,市長にとっては外部に当たる上,稲門会は,社会活動の一つである同窓会活動を行うために設立されたものであるから,この面からも一応の外部性が認められ,そのような会の会合に出席することは,社会通念上相当と認められる必要かつ最小限度の範囲内の儀礼を尽くすためにされたものと認められるから,同支出を違法とまではいうことができず,被控訴人の上記主張は採用することができない。 エしたがって,本件支払④が,市長・市役所交際費として資金前渡された趣旨を逸脱するものとして違法であるということはできない。 (5) 本件支払⑤についてア乙第15号証によれば,市民クラブは,市議会議員が議員として公的活動をするために結成した議会内の会派の一つであること,本件支払⑤は,そ 違法であるということはできない。 (5) 本件支払⑤についてア乙第15号証によれば,市民クラブは,市議会議員が議員として公的活動をするために結成した議会内の会派の一つであること,本件支払⑤は,その会派が平成11年12月21日に三鷹市内の飲食店富司屋で忘年会を開催することになり,市長として招待されたため,出席し,飲食を伴うものであったため,祝金として支払われたものであること,控訴人bとしては,市議会の会派の会合へ招待があれば,市議会議員との意見交換の場として,市政を運営する市長にとって極めて有効な会であるとして,市議会の会派から招待があれば出席し,内外の市政の情報を交換していることを認めることができる。 イそこで検討するに,市長は,市政の運営のため,市議会及びこれを構成する市議会の会派や市議会議員と交流することは,市の事務の円滑,適正な遂行を図る上で必要なことであるから,そのような会合に出席し,交際費を使用することは,前記の交際費の本来の目的にかなったものというべきであるし,その金額も1万円と社会通念上常識の範囲内である上,忘年会への出席も社会通念上相当と認められる必要かつ最小限度の範囲内の儀礼を尽くすためにされたと認められるから,本件支払⑤を違法ということはできない。 ウ被控訴人は,上記忘年会は明らかに酒宴を行うこと自体を目的にしたものである上,市民クラブは控訴人bが結成した会派であって,市民クラブの市会議員と控訴人bとは元々十分に親しい関係にあり,そのような両者が年末の忘年会で酒を酌み交わすことに,市政に関する意見の交換や意思の疎通を目的として出席したものと判断した原判決は誤っていると主張する。 しかし,前記のとおり,市長は,市政の運営のため,市議会及びこれを構成する市議会の会派や市議会議員と交流することは,市の事務の円滑,適 的として出席したものと判断した原判決は誤っていると主張する。 しかし,前記のとおり,市長は,市政の運営のため,市議会及びこれを構成する市議会の会派や市議会議員と交流することは,市の事務の円滑,適正な遂行を図る上で必要なことである上,忘年会への出席も社会通念上相当と認められる必要かつ最小限度の範囲内の儀礼を尽くすためにされたと認められるから,被控訴人の主張を採用することはできない。 エしたがって,本件支払⑤が,市長・市役所交際費として資金前渡された趣旨を逸脱するものとして違法であるということはできない。 (6) 本件支払⑥についてア乙第15,第16号証によれば,焼酎愛飲党は,宮崎県内の雲海酒造をはじめとする焼酎醸造会社全社が参加し,宮崎県の特産品である焼酎の消費拡大と産業振興をねらって,宮崎県東京事務所のバックアップで発足した団体であり,市長も会員であること,本件支払⑥は,焼酎愛飲党の定例会が,平成12年1月30日,東京都渋谷区内の飲食店「ビアレストランTOKIO」において開催される旨の案内があり,市長としてこれに出席し,ビアホールを会場とした簡単な飲食を伴うパーティであったため祝金として支払われたものであること,控訴人bは,このような各地方の物産展や地域振興に武蔵野市が積極的に関わって,その交流をはかり,応援することが,市政にとっても意義があると考え,姉妹都市である富山県ε,長野県ζ,友好都市である長野県η,岩手県遠野市,山形県酒田市,新潟県θ,千葉県ι,広島県κのほか,奈良県橿原市,秋田県の物産展,高知県のアンテナショップなどの市内外のイベントに出席し,激励していることを認めることができる。 イそこで,検討するに,焼酎愛飲党は,宮崎県の特産品の消費拡大,産業振興を目的とする団体であり,市長として,このような団体のイベントに参加 のイベントに出席し,激励していることを認めることができる。 イそこで,検討するに,焼酎愛飲党は,宮崎県の特産品の消費拡大,産業振興を目的とする団体であり,市長として,このような団体のイベントに参加するために,交際費から支出することは,市の事務の円滑,適正な遂行を図る上で必要なことであるから,そのような会合に出席し,交際費を使用することは,前記の交際費の本来の目的にかなったものというべきであるし,その金額も5000円と社会通念上常識の範囲内である上,定例会への出席も社会通念上相当と認められる必要かつ最小限度の範囲内の儀礼を尽くすためにされたと認められるから,本件支払⑥を違法ということはできない。 ウしたがって,本件支払⑥が,市長・市役所交際費として資金前渡された趣旨を逸脱するものとして違法であるということはできない。 第5 結論以上によれば,被控訴人の請求は,前記第4,1記載の限度で認容すべきものであるから,これを超える請求を一部認容した原判決は不当であって取消しを免れない。 よって,本件控訴に基づき,原判決を変更した上で,被控訴人の各請求を上記の限度で認容し,その余は失当であるからいずれも棄却し,また,被控訴人の本件附帯控訴は理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第21民事部裁判長裁判官石垣君雄裁判官大和陽一郎裁判官富田善範
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