平成22(行ウ)754 設立認可処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成24年7月10日 東京地方裁判所 公用負担・公用収用など
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判決文本文109,490 文字)

主文 1 本件各訴えをいずれも却下する。 2 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求東京都知事が平成22年6月30日付けでしたα5東第二地区市街地再開発組合(以下「第二地区組合」という。)の設立認可(以下「本件設立認可」という。)を取り消す。 第2 事案の概要本件は,東京都知事(処分行政庁)が,都市再開発法第3章の規定により行われる第一種市街地再開発事業であるα5東地区第一種市街地再開発事業(以下「本件市街地再開発事業」という。)の施行者である第二地区組合の設立発起人がした同組合の設立認可の申請に対し,平成22年6月30日,都市再開発法11条1項の規定に基づき,本件設立認可をしたため,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺住民などである原告らが,本件設立認可は都市再開発法16条3項,17条2号の規定に違反する違法な処分であり,また,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は違法であり,それを前提とする本件設立認可は違法であると主張し,処分行政庁の所属する東京都を被告として,本件設立認可の取消しを求める事案である。 1 法令の定め本件に関係する法令の定めは別紙2(関係法令の定め)のとおりである。なお,同別紙中で定めた言葉の意味は,以下の本文及び別紙の中においても同一の意味であるものとする。 2 前提事実(顕著な事実,争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。なお,号証番号の枝番は,特に必要がない限り省略する。以下同じ。)(1)当事者 2 前提事実(顕著な事実,争いのない事実並びに掲記の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。なお,号証番号の枝番は,特に必要がない限り省略する。以下同じ。)(1)当事者等ア第二地区組合は,本件市街地再開発事業の施行者である。 イ原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する住民などである。 (2)α1川風致地区の指定本件市街地再開発事業の施行区域及びその周辺を含む世田谷区及び大田区の各一部は,昭和8年1月24日,α1川風致地区として指定された。(乙6)α1川風致地区は,約1182.6ha(第一種風致地区9.5ha,第二種風致地区1173.1ha)の面積があり,α1川沿いの台地及び平坦地一帯の住宅地で,α2,α3公園,α4,α1川等を含むものとされている。 (3)α5公園に関する都市計画決定建設大臣は,昭和32年12月21日,東京都市計画公園緑地に関する都市計画決定をし,その告示をした。この都市計画公園の種別「大公園」として「第19号 α5公園」があり,位置「α6町地内」,地積「約6.28ha」と定められている。(乙7)本件市街地再開発事業の施行区域の大部分は,α5公園の区域に含まれており,その所有権を有するA株式会社(以下「A」という。)及びB株式会社(以下「B」という。)が経営する遊園地である「C」の敷地として使用され,同遊園地が昭和60年に閉鎖された後は「D」等の娯楽施設の敷地として使用されていた。この区域は,南西にα1川,北東にα7川が流れる標高十数mの平坦地であり,α7川の更に北東には,α8台地がα1川により浸食されたことによって形成されたα9崖線が存在し,崖線の上と下との標 高差は20mに及ぶ。 (4) にα7川が流れる標高十数mの平坦地であり,α7川の更に北東には,α8台地がα1川により浸食されたことによって形成されたα9崖線が存在し,崖線の上と下との標 高差は20mに及ぶ。 (4)世田谷区等による基本計画等の策定ア世田谷区は,昭和53年6月に「世田谷区基本構想」(乙8)を,昭和54年4月には「世田谷区基本計画」(甲34)を策定して,α5地区を「楽しく歩けるまちづくり拠点(買物環境をはじめとして日常生活上の交通環境を整えてゆくべき代表的拠点)」と位置付けた。 イ世田谷区は,昭和58年3月に「α5地区市街地再開発基本構想」(甲35)を策定して,α10線α11駅周辺に商業,業務地区を設け,地域拠点としてのα5地区の顔になる部分とすること,商業,業務地区を取り巻く地域に住宅地区を設け,住宅の形態としては中高層住宅ではなく低層住宅とし,できるだけ景観を損ねないようにすること,さらにその外側に水と緑のゾーンを設け,水と緑の環境を保全する地区とすることなどを示した。 ウ世田谷区は,昭和60年5月に「世田谷区都市整備方針」(乙9)を策定して,α11駅周辺を広域生活拠点と位置付け,再開発等の事業を誘導しながら,積極的に商業,業務,文化施設等の配置を推進するものとした。 エ被告は,昭和61年11月に「東京都都市再開発方針」を策定して,α5東地区を再開発促進地区に指定し,α11駅周辺の商業の活性化を図るとともに,大規模用地を活用し,都市計画公園と共に地区中心として整備すること,駅周辺は商業,業務機能により高度利用を図ること,組合施行の市街地再開発事業により公共施設,施設建築物の整備を図ることなどを定めた。 オ世田谷区は,昭和62年3月に「α1川沿い地域整備計画」(乙10)及び「α5東地区再開 用を図ること,組合施行の市街地再開発事業により公共施設,施設建築物の整備を図ることなどを定めた。 オ世田谷区は,昭和62年3月に「α1川沿い地域整備計画」(乙10)及び「α5東地区再開発基本計画」(甲36)を策定して,α5公園については,広域拠点にふさわしいα1川沿いの地域の拠点的公園として整備し,水とふれあう公園とするため位置を東へ移動するとともに,商業施設 との関わりを持たせるため形状を変更すること,α11駅周辺の再開発計画については,公園と一体化して,変化のある景観,緑豊かな空間を創出することを示した。 カ世田谷区は,昭和62年3月に「世田谷区新基本計画」(乙11)を策定して,α5地区については,広域生活拠点として位置付け,コンベンション機能や緑と水のレクリエーション機能を複合的に備えた街とすることを目指して,α11駅周辺の市街地再開発事業を誘導するとともに,道路,公園等の都市基盤の整備を促進するものとした。 (5)再開発準備組合の結成本件市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権を有するA,Bほかは,昭和62年7月7日,α5東地区再開発準備組合を結成し,東京都知事に届け出た。(乙12)(6)α5公園に関する都市計画の変更決定東京都知事は,平成元年6月16日,都市計画法21条1項(平成2年法律第61号による改正前のもの)の規定に基づき,α5公園に関する都市計画の変更決定をし,その告示をした。(甲18,乙13)この変更決定は,世田谷区が昭和62年3月に策定した世田谷区新基本計画等に基づき都市計画公園の整備と市街地再開発事業による広域生活拠点の形成とを図る上で,α5公園の位置を変更する必要が生じたという理由により行われたものであり,α5公園は,この変更決定 区新基本計画等に基づき都市計画公園の整備と市街地再開発事業による広域生活拠点の形成とを図る上で,α5公園の位置を変更する必要が生じたという理由により行われたものであり,α5公園は,この変更決定により種別「地区公園」,名称「第4.4.6 α5公園」,位置「世田谷区α6×及びα12×各地内」,面積「約6.5ha」と変更され,その区域から本件市街地再開発事業の施行区域が除外された。 (7)東京都環境基本計画東京都知事は,平成9年3月,東京都環境基本条例(平成6年東京都条例第92号)の規定に基づき,東京都環境基本計画(以下「本件環境基本計 画」という。)を策定した。(甲31)本件環境基本計画には,次のとおりの定めがある。 ア大気環境の保全都内においては,窒素酸化物・浮遊粒子状物質等の大気汚染物質は,工場等からも排出されているが,その多くが自動車から排出されている。自動車対策の基本である排出ガス規制,低公害車の普及促進などの発生源対策を推進するとともに,物流・人流対策,交通流対策も含め,様々な施策を活用して,自動車交通量の抑制を含む総合的な交通需要の管理に取り組んでいく。 イ日照阻害,風害,電波障害,光害の対策日照阻害,風害,電波障害等について,環境影響評価制度等の活用により,地域特性に応じた環境保全措置を講じ,都市の生活環境の改善に努めていく。風害については,建物を適切に配置するとともに,周辺の植栽,緑地やオープンスペースの確保等の指導を行う。 ウ水循環の保全・回復自然界における水循環の保全・回復と都市における水循環の改善・創出を図るため,水循環の現状を明らかにし,望ましい水循環を達成する施策を示す「水循環マスタープラン」の策定などを通じて 回復自然界における水循環の保全・回復と都市における水循環の改善・創出を図るため,水循環の現状を明らかにし,望ましい水循環を達成する施策を示す「水循環マスタープラン」の策定などを通じて,水循環の保全・回復の方向を明確にし,水循環の再生を図っていく。 エ良好な景観の保全・創造及び歴史的・文化的遺産の保全ゆとりやうるおい,やすらぎなどを感じることができる豊かな都市空間を整備するため,美しい自然や残された歴史的・文化的遺産の保全に努め,良好な景観の創造を図っていく。 (8)東京地域公害防止計画東京都知事は,昭和47年,公害対策基本法(平成5年法律第92号により廃止)の規定に基づき,東京地域公害防止計画(以下「本件公害防止計 画」という。)を策定し,その後,おおむね4年ごとに改定してきた(なお,公害対策基本法は,環境基本法の施行に伴い,平成5年11月19日に廃止されたが,公害防止計画の策定については,環境基本法17条が定めている。)。(甲30)平成10年2月に改定された本件公害防止計画には,次のとおりの定めがある。 ア大気汚染対策窒素酸化物の移動発生源対策として,排出ガス規制の強化,最新規制適合車等への代替促進,低公害車の普及促進,自動車交通量対策(指導要綱に基づく事業者指導,自動車交通量の抑制を含む総合的な交通需要管理,年間を通じたアイドリングストップ運動等),局地汚染改善対策を実施することとし,また,浮遊粒子状物質の移動発生源対策として,低公害車の積極的導入,共同配送の促進等物流・人流・交通流対策の推進,道路緑化の促進及び環境施設帯の設置を実施することとする。 イ良好な景観の保全・創造及び歴史的・文化的遺産の保全ゆとりやうるおい ,共同配送の促進等物流・人流・交通流対策の推進,道路緑化の促進及び環境施設帯の設置を実施することとする。 イ良好な景観の保全・創造及び歴史的・文化的遺産の保全ゆとりやうるおい,やすらぎなどを感じることができる豊かな都市空間を整備するため,美しい自然や残された歴史的・文化的遺産の保全に努め,良好な景観の創造を図っていく。 (9)説明会の開催世田谷区は,平成9年から平成10年にかけて,本件市街地再開発事業に伴って整備される都市計画道路等に関する都市計画の変更素案の説明会を開催した。また,世田谷区は,α5東地区再開発地区計画の原案の説明会も開催した。 (10)環境影響評価の手続ア α5東地区再開発準備組合及び世田谷区は,平成10年7月,東京都知事に対し,東京都環境影響評価条例22条の規定に基づき,本件市街地再 開発事業及び東京都市計画道路幹線街路補助線街路第○号線建設事業についての環境影響評価書案(甲53,91,96)及びその概要を提出した。 イ東京都知事は,平成11年4月8日,東京都環境影響評価条例28条1項の規定に基づき,上記評価書案の内容について都民の意見を聴くため,公聴会を開催したところ,この公聴会においては,合計10名の公述人が発言した。(甲37)ウ α5東地区再開発準備組合及び世田谷区は,平成12年5月,東京都知事に対し,東京都環境影響評価条例31条の規定に基づき,上記各事業についての環境影響評価書(甲90,95)及びその概要(甲44)を提出し(以下,この環境影響評価書及びその概要によってされた環境影響評価を「本件環境影響評価」という。),東京都知事は,その告示をした。 (乙14)本件環境影響評価は,大気汚染,騒音,振動,地盤沈下,地形・地質, 評価書及びその概要によってされた環境影響評価を「本件環境影響評価」という。),東京都知事は,その告示をした。 (乙14)本件環境影響評価は,大気汚染,騒音,振動,地盤沈下,地形・地質,水文環境,植物・動物,日照阻害,電波障害,風害,景観について評価をしたものであるところ,そのうち,大気汚染,水文環境,風害,景観についての評価の結論は,次のとおりである。 (ア)大気汚染 (市街地再開発事業)工事の施行中の工事用車両走行時における再開発計画地周辺道路の各地点の一酸化炭素濃度及び二酸化窒素濃度は環境基準値を下回る。また,現況の大気質濃度に対する工事用車両の走行に伴う付加率は,一酸化炭素濃度が0.2%以下,二酸化窒素濃度が0.3%以下である。 建設機械の稼働時における敷地境界上の一酸化炭素濃度の最大値及び二酸化窒素濃度の最大値は環境基準値を下回る。また,現況の大気質濃度に対する建設機械の稼働に伴う付加率は,一酸化炭素濃度が4.8%以下,二酸 化窒素濃度が6.9%以下である。 工事完了後の開発交通走行時における再開発計画地周辺道路の各地点の一酸化炭素濃度及び二酸化窒素濃度は環境基準値を下回る。 地下駐車場等からの排気ガスを含めた敷地境界上の一酸化炭素濃度及び二酸化窒素濃度は環境基準値を下回る。 冷暖房施設の稼働時における二酸化窒素濃度の最大着地濃度は環境基準値を下回る。 地下駐車場等と冷暖房施設の二酸化窒素濃度を合算した濃度は環境基準値を下回る。 (補助第○号線建設事業)工事の完了後の計画路線供用時における各地点の一 下駐車場等と冷暖房施設の二酸化窒素濃度を合算した濃度は環境基準値を下回る。 (補助第○号線建設事業)工事の完了後の計画路線供用時における各地点の一酸化炭素濃度,二酸化窒素濃度及び二酸化硫黄濃度は環境基準値を下回る。 トンネル換気設備稼働時の一酸化炭素,二酸化窒素及び二酸化硫黄の最大着地濃度は環境基準値を下回る。 (イ)水文環境 (市街地再開発事業)帯水層に構造物(地下階,山留壁)を構築するが,地下水はα1川と台地部から十分な供給がされていること及び平面的に広く分布していることから,地下構造物による流動阻害は少ないと考える。 (ウ)風害 (市街地再開発事業)計画建物の建設による周辺地域の風環境の変化の程度は,南西側のα25通り沿いの一部において風環境評価ランクが1から2に変化し,強い風が吹く頻度が現況よりもやや多くなるが,風環境は住宅地,公園で許容される程 度であり,その他の地域においては,現況の風環境とほとんど変化はない。 (エ)景観 (市街地再開発事業,補助第○号線建設事業)工事の完了後は,高層棟を含む近代的な建物と緑地を備えた連続するオープンスペースが出現することにより,シンボル性のある景観が創出されると考える。計画建物により計画地近傍の一部に圧迫感が生ずると考えられる地点があるが,建物を塔状として高層棟を分散配置することにより,その足元にオープンスペースを確保するとともに,植栽を施すことから圧迫感は軽減されると考える。 計画路線は,主として平面構造であることから地域景観特性の変化は少ないと考える。また,再開 プンスペースを確保するとともに,植栽を施すことから圧迫感は軽減されると考える。 計画路線は,主として平面構造であることから地域景観特性の変化は少ないと考える。また,再開発計画により生み出される空間と一体となった歩道を整備するとともに,街路樹を配することによって周辺の自然と調和した,全体として調和のとれた沿道景観となると考える。 さらに,トンネル部は上部に植栽を施すことで,α1川河川敷及び隣接して整備が予定されている都市計画公園と一体となって周辺と調和のとれた景観になると考える。 エ環境影響評価書案及びその概要の提出を受けた東京都知事が東京都環境影響評価条例23条1項の規定に基づいて定めた関係地域は,「世田谷区α6×,α6××,α6×××,α6××××,α12××,α12×,α12×××,α12××××,α13×,α14×,α15×,α15××,α15×××,α15××××,α15×××××,α16×,α16××,α17×,α18×,α19×,α20×,α21公園,α21×,α22×」である。 (11)都市計画の案の縦覧等被告は,都市計画法17条1項(平成11年法律第87号による改正前のもの)の規定に基づき,α5東地区再開発地区計画に関する都市計画の案及び本件市街地再開発事業に関する都市計画の案並びに東京都市計画道路幹線街路補助線街路第○号線等の他の関連する都市計画の変更に係る都市計画の案を,平成11年2月1日から2週間公衆の縦覧に供したところ,これらの都市計画の案に対しては,合計4270通の意見書の提出があった。(甲38)(12)風景づくり計画の策定ア世田谷区は,平成11年3月に世田谷区風景づくり条例を制定した。世田谷区長は,平 市計画の案に対しては,合計4270通の意見書の提出があった。(甲38)(12)風景づくり計画の策定ア世田谷区は,平成11年3月に世田谷区風景づくり条例を制定した。世田谷区長は,平成17年4月に,同条例27条1項(平成19年世田谷区条例第66号による改正前のもの)の規定に基づき,α1川及びα9崖線並びにその周辺地域(その中には本件市街地再開発事業の施行区域も含まれる。)を「水と緑の風景軸」として指定するとともに,同条例28条1項及び29条1項(いずれも上記改正前のもの)の各規定に基づき,上記風景軸の特色を生かした風景づくりの方針である「風景軸の方針」及びこれに基づき上記風景軸における建設行為等に係る風景づくりの基準となる「風景軸の基準」を策定したところ,上記方針及び基準並びに上記条例には,それぞれ次のとおりの定めがある。(甲16,17)(ア)風景軸の方針及び基準a 考え方1 地形の特色を大切にした風景づくりを進める(a)方針1 崖上の見晴らしの良い場所を創り出すⅰ 基準1 眺望する先や途中に位置する建物や工作物等の配置,規模,形態,色彩等を工夫するⅱ 基準2 崖上に位置する公共的な場所や施設には眺望テラスや眺望広場などの整備を行う (b)方針2 坂道からの見晴らしを確保するⅰ 基準3 坂道沿いの樹林等を保全し緑化を進めるⅱ 基準4 開かれた見通しを確保するために坂道沿いの建物の配置,壁面位置を工夫するb 考え方2 崖線の緑を大切にした風景づくりを進める(a)方針3 斜面のまとまった連続する緑の風景を保全するⅰ 基準5 まとまった樹林地を保全,創出する b 考え方2 崖線の緑を大切にした風景づくりを進める(a)方針3 斜面のまとまった連続する緑の風景を保全するⅰ 基準5 まとまった樹林地を保全,創出するⅱ 基準6 建物を建てる際は斜面下部の樹林の保全,育成を行うⅲ 基準7 建物の形態,意匠,色彩は緑と調和するよう工夫するⅳ 基準8 大規模な道路や高架橋,工作物の整備に際しては緑化,修景に努める(b)方針4 崖線頂部のスカイラインを形成する緑の風景を保全するⅰ 基準9 斜面頂部の高木を保全,育成し,緑のスカイラインの連続性を工夫するⅱ 基準10 屋根のデザインは崖線のスカイラインを壊さないように工夫する(c)方針5 台地の先端の緑の風景を保全するⅰ 基準11 台地の先端のまとまった緑を保全するⅱ 基準12 台地の先端に位置する建物は自然と調和したランドマーク性を意識したデザインにするc 考え方3 崖線の湧水・河川を活かした風景づくりを進める(a)方針6 崖の緑と一体の川辺の風景を保全,育成するⅰ 基準13 川沿いの緑地を保全,創出するⅱ 基準14 川沿いの道に面する敷地の境界の緑化を行うⅲ 基準15 川沿いの道の整備に当たっては,形態,素材など周辺との調和に配慮する ⅳ 基準16 質の高い橋のデザインとする(b)方針7 崖線の緑を見渡す川辺の風景を創るⅰ 基準17 崖線の緑との視覚的連続性に配慮し,川沿いを緑化するⅱ 基準18 川沿いに眺望空間を確保する b)方針7 崖線の緑を見渡す川辺の風景を創るⅰ 基準17 崖線の緑との視覚的連続性に配慮し,川沿いを緑化するⅱ 基準18 川沿いに眺望空間を確保するⅲ 基準19 川沿いに建てる建物や工作物等の配置,規模,形態,色彩等を工夫する(c)方針8 渓谷の水と緑や眺望を保全するⅰ 基準20 散策路や施設整備において自然素材を活用するⅱ 基準21 渓谷の風景に調和した橋のデザインと眺望広場の整備を行う(d)方針9 湧水のある空間を大切にし活用するⅰ 基準22 生態系に配慮した自然とのふれあいの場を形成するⅱ 基準23 湧水の元となる雨水を大切にするd 考え方4 地域の歴史的・文化的資源を活かした風景づくりを進める(a)方針10 歴史的資産を保全し,風景づくりに活かすⅰ 基準24 歴史的資産を保全,活用するⅱ 基準25 周辺敷地においては境界の緑化や建物の配置,形態,素材,色彩を工夫する(b)方針11 古道等の特徴を風景づくりに活かすⅰ 基準26 生垣,並木などにより道の両側の緑のつながりを生み出すⅱ 基準27 古道等の歴史を語る道標等を活用するe 考え方5 地域の生活風景を活かした風景づくりを進める(a)方針12 住宅地の特徴ある風景を創る ⅰ 基準28 地域の特徴に配慮した生垣を保全,育成するⅱ 基準29 高い塀などにより閉鎖的な印象の通りとならないよう配慮するⅲ 基準30 ランドマークとなる大樹を保全,育成する 特徴に配慮した生垣を保全,育成するⅱ 基準29 高い塀などにより閉鎖的な印象の通りとならないよう配慮するⅲ 基準30 ランドマークとなる大樹を保全,育成するⅳ 基準31 屋根の形状や壁面位置,意匠など地域の特性として読み取れるものに配慮するⅴ 基準32 擁壁はできるだけ自然素材を使用し,緑化と併用するなど,周辺環境と調和するよう工夫する(b)方針13 商業地として魅力的な風景を創るⅰ 基準33 賑わいを道に開くように工夫するⅱ 基準34 水と緑を取り込んだ空間デザインを進めるⅲ 基準35 小広場的な空間を設け,人々が憩いやすい場所を創り出すⅳ 基準36 看板やデザイン等を落ち着きのあるデザインとする(c)方針14 農地の風景を大切にし,風景づくりに活かすⅰ 基準37 屋敷林の保全や農の風景を見せる工夫をするⅱ 基準38 水路,小河川跡を緑道等に活用する(d)方針15 地域風景資産や界わい宣言を活かす基準39 近隣にある地域風景資産や界わい宣言を設計等に取り込むf 考え方6 まちと暮らしを結ぶ道の風景づくりを進める(a)方針16 地域の骨格となる道を心地よい空間に整備するⅰ 基準40 緑の帯となる道の風景を創り,周辺の緑とつなげていくⅱ 基準41 歩いても心地よい空間を創る(b)方針17 散歩に適した道を整備する ⅰ 基準42 周辺ルートの目印となる場所等を案内するⅱ 基準43 路面の素材を工夫するなど環 間を創る(b)方針17 散歩に適した道を整備する ⅰ 基準42 周辺ルートの目印となる場所等を案内するⅱ 基準43 路面の素材を工夫するなど環境を考慮した設計,計画にする(c)方針18 暮らしの道を親しみやすい空間に整備するⅰ 基準44 歩行者が安心して歩ける空間を創出するⅱ 基準45 小広場的な空間を確保する工夫をするⅲ 基準46 道路付属物等を魅力的なデザインにする(イ)世田谷区風景づくり条例(平成19年世田谷区条例第66号による改正前のもの)a 風景づくりの基準への適合建設行為等を行う者は,当該建設行為等が風景軸の基準に適合するよう努めなければならない(31条)。 b 特定の建設行為等の届出等(a)建設行為等のうち,その実施が風景づくりに大きな影響を与えるものとして,規則で定めるもの(特定の建設行為等。敷地面積500㎡以上又は高さ10m以上の建築物の新築や大規模な増改築,区域面積500㎡以上の開発行為,樹林地面積1000㎡以上の大規模な樹木等の伐採,全ての土地区画整理事業及び市街地再開発事業等がこれに当たる。)を行おうとする者は,規則で定めるところにより,あらかじめその旨を区長に届け出なければならない(32条本文)。 (b)特定の建設行為等を行おうとする者は,規則で定めるところにより,あらかじめ地域住民に対し,当該特定の建設行為等についての風景づくりに関する情報を掲示,説明会その他の方法により提供しなければならない(33条)。 c 指導又は助言,勧告及び公表 (a)区長は,特定の建設行為等について風景軸の基 くりに関する情報を掲示,説明会その他の方法により提供しなければならない(33条)。 c 指導又は助言,勧告及び公表 (a)区長は,特定の建設行為等について風景軸の基準への適合が不十分であると認めるときは,当該特定の建設行為等を行う者に対し,必要な措置を講ずるよう指導又は助言をすることができる(34条)。 (b)区長は,特定の建設行為等を行う者が正当な理由なく指導に従わず,かつ,当該特定の建設行為等について風景軸の基準への適合が著しく不十分であると認めるときは,当該特定の建設行為等を行う者に対し,必要な措置を講ずるよう勧告することができ(35条1項),勧告を受けた者が正当な理由なく当該勧告に従わず,かつ,当該勧告に係る特定の建設行為等が風景づくりの推進に著しく支障があると認めるときは,世田谷区風景づくり委員会の意見を聴いた上で,その旨を公表することができる(同条3項)。 イ世田谷区は,平成19年12月に,景観法7条1項の景観行政団体となり,平成20年4月に,同法8条1項の景観計画である「風景づくり計画」を策定した。この景観計画は,対象区域である世田谷区全域のうち,前記アの「水と緑の風景軸」を「風景づくり重点区域」として指定し,その余の地域を「一般地域」として,対象区域を二つに分けるとともに,同条2項2号(平成21年法律第47号による改正前のもの)及び3項2号の各規定に基づき,上記区域及び地域についてそれぞれ「風景づくりの方針」及び「風景づくりの基準」を定めているところ,上記方針及び基準並びに景観法及び世田谷区風景づくり条例には,それぞれ次のとおりの定めがある。なお,上記計画は,その次の段階として,「風景づくり重点区域」の中で建設行為等の規制を確実に行う場所を都市計画に「景観地区」 びに景観法及び世田谷区風景づくり条例には,それぞれ次のとおりの定めがある。なお,上記計画は,その次の段階として,「風景づくり重点区域」の中で建設行為等の規制を確実に行う場所を都市計画に「景観地区」として定めるとしているが,世田谷区は,同法61条1項の景観地区に関する都市計画を定めていない。(甲98)(ア)風景づくりの方針及び基準 a 考え方1ないし6 前記アと同旨方針1ないし18 前記アと同旨基準1ないし46 前記アと同旨b 考え方7 崖線の風景と調和した彩りの風景づくりを進める方針19 崖線の持つ緑や街並みと調和した色彩を選ぶ基準47 街並みや四季の緑と色彩を調和させる(イ)景観法及び世田谷区風景づくり条例a 届出景観計画区域内において,建築物の新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更,工作物の新設,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更等をしようとする者は,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,行為の種類,場所,設計又は施行方法,着手予定日その他国土交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届け出なければならない(景観法16条1項)。 b 勧告等(a)上記aの規定による届出を行おうとする者は,規則で定めるところにより,あらかじめ地域住民に対し,当該建設行為等についての風景づくりに関する情報を掲示,説明会その他の方法により提供しなければならない(世田谷区風景づくり条例31条)。 (b)区長は,「風景づくり計画」において良好な景観の形成のための行為の制 風景づくりに関する情報を掲示,説明会その他の方法により提供しなければならない(世田谷区風景づくり条例31条)。 (b)区長は,「風景づくり計画」において良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項を定めたときは,当該行為の制限に適合しない行為をしようとする者又はした者に対し,当該行為の制限に適合させるため,必要な措置をとるよう指導することができる(世田谷区風景づくり条例32条)。 (c)景観行政団体の長は,上記aの規定による届出があった場合にお いて,その届出に係る行為が景観計画(「風景づくり計画」)に定められた当該行為についての制限(「風景づくりの基準」)に適合しないと認めるときは,届出のあった日から30日以内に,その届出をした者に対し,その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる(景観法16条3項,4項)。 (d)区長は,上記(c)の規定による勧告をしようとするときは,あらかじめ,世田谷区風景づくり委員会の意見を聴かなければならず,勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わないときは,その旨を公表することができる(世田谷区風景づくり条例33条1項,2項)。 c 変更命令等(a)景観行政団体の長は,良好な景観の形成のために必要があると認めるときは,届出のあった日から30日以内に,特定届出対象行為(前条1項の建築等及び建設等のうち,当該景観行政団体の条例で定めるものをいう。)について,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合しないものをしようとする者又はした者に対し,当該制限に適合させるため必要な限度において,当該行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを命ずることができる(景観法17条1項前 匠の制限に適合しないものをしようとする者又はした者に対し,当該制限に適合させるため必要な限度において,当該行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを命ずることができる(景観法17条1項前段,2項)。 (b)景観行政団体の長は,上記(a)の処分に違反した者又はその者から当該建築物又は工作物についての権利を承継した者に対して,相当の期限を定めて,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合させるため必要な限度において,その原状回復を命じ,又は原状回復が著しく困難である場合に,これに代わるべき必要な措置をとることを命ずることができる(景観法17条5項)。 d 行為の着手の制限上記aの規定による届出をした者は,景観行政団体がその届出を受理した日から30日を経過した後でなければ,当該届出に係る行為に着手してはならない(景観法18条1項本文)。 (13)α5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定被告は,平成12年6月26日,α5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定をし,その告示をした。(甲6,7,乙14)この都市計画決定は,都市計画道路等の都市基盤整備を行うとともに,世田谷区の広域生活拠点にふさわしい土地の合理的な高度利用と都市機能の更新を図るという理由により行われたものであり,次のとおり定めている。 ア位置世田谷区α6×,α6××及びα6×××各地内イ面積約12.1haウ区域の整備及び開発に関する方針(ア)再開発地区計画の目標本地区は,世田谷区の広域生活拠点として位置付けられており,都市基盤等の整備と併せてα11駅周辺の商業及び業務の活性化を図るとともに,大規模未利用地を活用して土 )再開発地区計画の目標本地区は,世田谷区の広域生活拠点として位置付けられており,都市基盤等の整備と併せてα11駅周辺の商業及び業務の活性化を図るとともに,大規模未利用地を活用して土地の合理的な高度利用と都市機能の更新を行い,水と緑の豊かな自然環境と調和した安全で快適な居住機能を含む複合市街地の創出を図ることを目標とする。 (イ)土地利用に関する基本方針アメニティ豊かな都市空間の創出に向けて,隣接する都市計画公園と連携した商業・業務・住宅等各種機能を備えた広域生活拠点にふさわしい魅力ある複合市街地の創出を図るため,本地区を六つの街区(Ⅰ-a街区,Ⅰ-b街区及び鉄道街区,Ⅱ-a街区,Ⅱ-b街区,Ⅲ街区)に分けて各々の特性に応じた土地利用の方針を以下のように定める。 a 地区全体にわたり土地の高度利用を図ることにより,人工地盤上も 含んだ大規模なオープンスペースを生み出し,歩車分離された安全で快適な歩行者空間を創出する。 b Ⅰ-a街区,Ⅰ-b街区及び鉄道街区は,α11駅と共に,交通広場と連続した大規模なガレリア空間を整備することによって交通結節点の形成を図り,商業・業務機能主体で文化・余暇機能及び駅機能等が複合した街区として整備する。 c Ⅱ-a街区は,水と緑あふれる人工地盤上のオープンスペースと共に,低層部に商業機能を配置し,業務・宿泊機能及び文化・余暇機能等が集積した複合街区として整備する。 d Ⅱ-b街区は,商業機能等を持つ駐車場棟として整備する。 e Ⅲ街区は,α5公園へ続く人工地盤上の大規模なオープンスペースを緑豊かで快適な空間として整備することにより,商業機能等を併せ持つ,良好な環境を有する居住街区として整備する。 ( e Ⅲ街区は,α5公園へ続く人工地盤上の大規模なオープンスペースを緑豊かで快適な空間として整備することにより,商業機能等を併せ持つ,良好な環境を有する居住街区として整備する。 (ウ)公共施設等の整備の方針安全で快適な市街地形成を図るため,地区内における公共施設等の整備の方針を以下のように定める。 a α11駅の交通結節機能の強化を図るため,交通広場と連続性を持つ広場及び隣接するα5西地区への地下連絡通路に対応した広場を整備する。 b α5公園と交通広場を結ぶ充実した歩行者ネットワーク形成のため,建物周辺の空地と一体となった歩行者通路等を整備する。 c 歩行者主動線を補完するものとして歩行者連絡通路を設置し,歩行者動線の強化を図る。 d 交通処理の円滑化を図るため,都市計画道路,交通広場と併せて,区画道路を整備する。 e 快適な居住環境を創出するため,街区公園を整備する。 (エ)建築物等の整備の方針健全な都市空間の形成に向けて,建築物等の整備の方針を以下のように定める。 a 道路空間と一体となった安全で快適な歩行者空間や緑化スペース等を創出するため,壁面の位置の制限を定める。 b 健全な複合市街地形成を図るため,建築物等の用途の制限を定める。 c 地域の防災性を向上するため,建築物等の不燃化を図る。 d α1川,α9崖線周辺の自然環境と調和のとれた魅力ある都市景観を創造するため,オープンスペースを確保し,緑化の推進を図るとともに,建築物等の形態又は意匠の制限を定める。 エ主要な公共施設の配置及び規模(その他の公共空地)(ア)広場1号面積約700㎡(新設) ンスペースを確保し,緑化の推進を図るとともに,建築物等の形態又は意匠の制限を定める。 エ主要な公共施設の配置及び規模(その他の公共空地)(ア)広場1号面積約700㎡(新設)広場2号面積約3000㎡(新設)広場3号面積約700㎡(新設,人工地盤上)(イ)歩行者通路1号幅員12m,延長約220m(新設,人工地盤上)歩行者通路2号幅員12m,延長約160m(新設,人工地盤上)(ウ)歩行者ブリッジ1号幅員20m,延長約16m(新設)歩行者ブリッジ2号幅員12m,延長約16m(新設)オ再開発地区整備計画(ア)地区施設の配置及び規模a 道路区画道路1号幅員6m,延長約50m(拡幅)区画道路2号幅員8mないし13m,延長約120m(一部新設)区画道路3号幅員8m,延長約30m(既設,再整備)区画道路4号幅員7m,延長約60m(拡幅) b 公園街区公園面積約2000㎡(新設)c その他の公共空地歩行者連絡通路1号 4m,約90m(新設)歩行者連絡通路2号 4m,約90m(新設)(イ)建築物等に関する事項a 地区の区分Ⅰ-a街区(約0.8ha),Ⅰ-b街区(約2.5ha),Ⅱ-a街区(約3.4ha),Ⅱ-b街区(約0.7ha),Ⅲ街区(約3.7ha),鉄道街区(約1.0ha)b 建築物等の用途の制限,建築物の敷地面積の最低限度,建築物の建築面積の最低限度,建築物の建築面積の敷地 ,Ⅱ-b街区(約0.7ha),Ⅲ街区(約3.7ha),鉄道街区(約1.0ha)b 建築物等の用途の制限,建築物の敷地面積の最低限度,建築物の建築面積の最低限度,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)の最低限度,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)の最高限度及び最低限度,壁面の位置の制限,建築物等の形態又は意匠の制限いずれも省略(建築物等の用途の制限については本件市街地再開発事業に関する都市計画決定と同旨)(14)本件市街地再開発事業に関する都市計画決定被告は,平成12年6月26日,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定をし,その告示をした。(甲4,5,乙14)この都市計画決定は,世田谷区の広域生活拠点として土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることにより地域の活性化と建物の不燃化を行い,併せて住環境等の改善をするという理由により行われたものであり,その施行区域の面積約11.2haの中に,幹線街路(放射○号線,補助○号線,補助○号線,補助○号線),区画街路,地区公園(第4.4.6 α5公園),街区公園を配置し,戸数約800戸(面積約9万3100㎡)の 住宅建設をすることを目標とするほか,次のとおりの街区を設けて建築物及び建築敷地の整備をすることとしている。 ア Ⅰ-a街区主要用途店舗・事務所(建築物の用途制限店舗,事務所,フィットネスクラブ,劇場,映画スタジオ,学習塾,診療所,保育所,遊戯場,自動車車庫等以外の建築物は建築してはならない。)建築敷地の面積約3000㎡,建築物の建築面積約2200㎡,建築物の延べ面積約1万7900㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)約8/1 してはならない。)建築敷地の面積約3000㎡,建築物の建築面積約2200㎡,建築物の延べ面積約1万7900㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)約8/10,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)約60/10,建築物の高さの限度中層部50mイ Ⅰ-b街区主要用途店舗・事務所・駐車場(建築物の用途制限店舗,事務所,フィットネスクラブ,劇場,映画スタジオ,学習塾,診療所,保育所,遊戯場,自動車車庫等以外の建築物は建築してはならない。)建築敷地の面積約1万3500㎡,建築物の建築面積約9800㎡,建築物の延べ面積約9万9200㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)約8/10,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)約66/10,建築物の高さの限度中層部35m,60m,高層部85mウ Ⅱ-a街区主要用途店舗・ホテル・事務所・駐車場(建築物の用途制限店舗,事務所,ホテル,フィットネスクラブ,映画スタジオ,学習塾,診療所,寺社,遊戯場,自動車車庫等以外の建築物は建築してはならない。)建築敷地の面積約2万7900㎡,建築物の建築面積約 2万1700㎡,建築物の延べ面積約16万8700㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)約8/10,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)約52/10,建築物の高さの限度低層部20m,30m,高層部140mエ Ⅱ-b街区主要用途店舗・事務所・駐車場(建築物の用途制限店舗,事務所,集会所,自動車車庫等以外の建築物は建築してはならない。)建築敷地の面積約3500㎡ エ Ⅱ-b街区主要用途店舗・事務所・駐車場(建築物の用途制限店舗,事務所,集会所,自動車車庫等以外の建築物は建築してはならない。)建築敷地の面積約3500㎡,建築物の建築面積約2500㎡,建築物の延べ面積約1万㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)約8/10,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)約24/10,建築物の高さの限度低層部20mオ Ⅲ街区主要用途店舗・住宅・駐車場(建築物の用途制限住宅,店舗,事務所,集会所,診療所,保育所,自動車車庫等以外の建築物は建築してはならない。)建築敷地の面積約2万5400㎡,建築物の建築面積約1万8400㎡,建築物の延べ面積約12万1300㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)約8/10,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)約37/10,建築物の高さの限度低層部25m,高層部105m,155m(15)他の関連する都市計画決定被告は,平成12年6月26日,上記(13)及び(14)の都市計画決定のほかに,本件市街地再開発事業に関連して,東京都市計画用途地域,東京都市計画道路幹線街路補助線街路第○号線及び東京都市計画道路幹線街路補助線街 路第○号線の各変更決定をし,その告示をした。また,世田谷区は,同日,本件市街地再開発事業に関連して,東京都市計画高度地区,東京都市計画防火地域及び準防火地域,東京都市計画道路幹線街路補助線街路第○号線,東京都市計画道路世田谷区画街路第○号線,東京都市計画道路世田谷区画街路第○号線,東京都市計画公園第4.4.6号α5公園並びに東京都市計画公園第2.2.43号α12×公園の各変更決定をし,その告示を 京都市計画道路世田谷区画街路第○号線,東京都市計画道路世田谷区画街路第○号線,東京都市計画公園第4.4.6号α5公園並びに東京都市計画公園第2.2.43号α12×公園の各変更決定をし,その告示をした。(甲3)(16)α5東地区市街地再開発組合の設立認可A,Bほかのα5東地区市街地再開発組合(以下「第一地区組合」という。)の設立発起人は,平成16年6月11日,東京都知事に対し,市街地再開発組合の設立認可の申請をし(α5東地区再開発準備組合は,平成15年8月29日に開催された臨時総会において,バブル経済の崩壊後の経済情勢に鑑み,早期に事業に着手し実現するという観点から,本件市街地再開発事業を,Ⅱ-a街区以外の街区を施行地区とする第一期事業(以下「本件第一期事業」という。)と,Ⅱ-a街区を施行地区とする第二期事業(以下「本件第二期事業」という。)とに分割することとしており,上記申請は本件第一期事業に関するものとしてされた。),東京都知事は,平成17年3月4日,第一地区組合の設立発起人に対し,都市再開発法11条1項の規定に基づき,市街地再開発組合の設立認可をし,その告示をした。(甲8,10,乙15)第一地区組合の事業計画に定める事業施行期間は「平成17年3月4日から平成21年3月31日まで」,施行地区は「世田谷区α6×,α6××及びα6×××各地内」(本件市街地再開発事業の施行区域からⅡ-a街区を除いた8.1ha)であり,その設計の概要は次のとおりである。 ア施設建築物の設計の概要(ア)Ⅰ-a街区地下2階から8階まで店舗地下1階並びに5階及び6階において鉄道街区と接続 する。周辺商業,施行地区内外の商業施設との連携を図り,賑わい及び回遊性の高い商業施設 地下2階から8階まで店舗地下1階並びに5階及び6階において鉄道街区と接続 する。周辺商業,施行地区内外の商業施設との連携を図り,賑わい及び回遊性の高い商業施設として計画することで,α23線α5駅前の商業の活性化を図る。 建築敷地の面積2891㎡,建築物の建築面積2415㎡,建築物の延べ面積1万7330㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)84%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)600%建築物の高さ約48.4m(地下3階,地上8階,塔屋1階建)(イ)Ⅰ-b街区地下3階から地下1階まで駐車場,地下1階から9階まで店舗,3階から16階まで事務所商業棟・業務棟に挟まれ,幅20m,高さ30mを擁するガレリアは,人・物・情報が交流するコミュニケーション空間であり,当事業のシンボル空間と位置付けられ,α5駅前における商業・業務の活性化を促進するための重要な役割を担う。商業ゾーン低層部には,外向き店舗を計画的に配置し,街歩きの楽しめる界隈性の高い商業空間として計画する。商業施設の北側は,建物をひな壇状にセットバックすることにより周辺に対する圧迫感を和らげるとともに,屋上緑地化を行い周辺環境との調和に努める。また,業務棟・商業棟共に,高い有効率を確保しながらも,α1川や崖線などα5東地区ならではの眺望を確保した平面計画を行う。 建築敷地の面積1万3417㎡,建築物の建築面積1万0500㎡,建築物の延べ面積10万4900㎡, 建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)79%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)650% 建築物の建築面積1万0500㎡,建築物の延べ面積10万4900㎡, 建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)79%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)650%建築物の高さ業務棟約77.0m(地下3階,地上16階,塔屋1階建),商業棟約53.0m(地下3階,地上9階,塔屋1階建)(ウ)Ⅱ-b街区地下1階及び1階駐輪場,1階及び2階店舗,3階事務所,1階から3階まで駐車場店舗は,地権者の出店も想定されることから,各店舗が独立し,外部からそれぞれアクセスすることができる路面店型商業施設とする。駐車場は,不特定多数の利用を考慮し,利便性,回転率の高い駐車場として成立するように動線計画を行う。また,北側の住宅街への圧迫感及び日照に配慮し,Ⅰ街区同様,建物の外壁をセットバックさせ,屋上緑化を図ることにより周辺環境に配慮した断面計画を行う。 建築敷地の面積3472㎡,建築物の建築面積2685㎡,建築物の延べ面積9085㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)78%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)210%建築物の高さ約16.55m(地下1階,地上3階,塔屋1階建)(エ)Ⅲ街区地下1階から43階まで住宅,1階及び2階店舗,1階駐車場・駐輪場都心型の利便性,郊外型の環境の良さ,リゾート型の 自然との親和性などα5らしさを兼ね備えた良好な住環境を整備する。α1川,富士山,都心への眺望を十分に活かした住戸や共用部分の計画を行う。また,権利者の住宅も配置されることを考慮し,様々な生活様式や使い手の変化 どα5らしさを兼ね備えた良好な住環境を整備する。α1川,富士山,都心への眺望を十分に活かした住戸や共用部分の計画を行う。また,権利者の住宅も配置されることを考慮し,様々な生活様式や使い手の変化に対応可能な柔軟性の高い建築計画とする。1階に駐車場を集約し,2階の人工地盤レベルを「水と緑の公開空地」として歩行者動線と車動線との分離を図り,安全かつ安心な歩行者空間及び住環境を整備する。 建築敷地の面積2万5181㎡,建築物の建築面積1万8500㎡,建築物の延べ面積13万3134㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)74%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)357%建築物の高さA棟約102.0m(地下1階,地上28階,塔屋1階建。253戸),B棟約151.1m(地下1階,地上43階,塔屋1階建。371戸),C棟約102.0m(地下1階,地上28階,塔屋1階建。242戸),D棟約19.7m(地上5階。23戸),E棟約19.7m(地上5階。16戸),F棟約23.7m(地上6階。18戸),G棟約23.7m(地上6階。24戸),H棟約11.5m(地上2階)イ施設建築敷地の設計の概要(ア)設計方針施設建築敷地の放射○号線側,補助○号線(交通広場を含む。)側,補助○号線側は,再開発事業の都市計 画決定に合わせて,施設建築物の壁面をそれぞれ2mないし5m後退させ,それぞれの幹線街路を補完する歩行者空間として整備し,壁面後退部分の地盤面には,植栽を行い,緑化スペースを創出する。施行区域東側の都市計画公園と交通広場との間を有機的に結び付けるため,人工地盤上のオープンスペースを水と緑で囲まれたアメニティ豊かな公開空地として 地盤面には,植栽を行い,緑化スペースを創出する。施行区域東側の都市計画公園と交通広場との間を有機的に結び付けるため,人工地盤上のオープンスペースを水と緑で囲まれたアメニティ豊かな公開空地として整備し,α5駅からの歩行者の流れを円滑に処理するため,敷地内に歩行者動線としての公開空地を設ける。 (イ)有効空地率施行面積に対する有効空地率は約72%である。 ウ公共施設の設計の概要(ア)設計方針再開発事業施行区域内における現況の公共施設としては,放射○号線,補助○号線は拡幅し,新たに区道として補助○号線(交通広場を含む。)及び補助○号線(α24通り)の一部並びに区画道路1号ないし4号の整備を行う。 (イ)設計の概要a 道路(a)幹線街路放射○号線幅員15.0m,延長約160m(拡幅)補助○号線幅員16.0m,延長約30m(新設)補助○号線幅員11.0mないし17.0m,延長約610m(新設)補助○号線幅員16.0m,延長約850m(新設)面積約5800㎡の交通広場を設ける。 (b)区画街路 区画道路1号幅員6.0m,延長約50m(拡幅)区画道路2号幅員8.0mないし13.0m,延長約120m(一部新設)区画道路3号幅員8.0m,延長約30m(再整備)区画道路4号幅員7.0m,延長約60m(拡幅)b 公園及び緑地(a)地区公園 α5公園,面積約520㎡(兼用工作物) 区画道路4号幅員7.0m,延長約60m(拡幅)b 公園及び緑地(a)地区公園 α5公園,面積約520㎡(兼用工作物)(b)街区公園面積約2000㎡(新設)エ住宅施設の概要1LDK 戸当たり床面積約53㎡,約183戸,区分所有2LDK 戸当たり床面積約65㎡ないし82㎡,約327戸,区分所有3LDK 戸当たり床面積約75㎡ないし106㎡,約437戸,区分所有(17)第一地区組合の事業計画の変更第一地区組合は,平成18年12月26日に開催された臨時総会において,権利変換計画を決定するとともに,その事業計画を変更し,東京都知事の認可を受けた。(甲92)この事業計画の変更により,第一地区組合の事業計画に定める事業施行期間は「平成23年3月31日まで」と変更され,設計の概要は次のとおり変更された。なお,第一地区組合の事業計画に定める事業施行期間は,平成19年9月18日に開催された総会において,「平成23年9月30日まで」と更に変更された。(甲9)ア施設建築物の設計の概要(ア)Ⅰ-a街区地下2階から8階まで店舗 地下1階において鉄道街区と接続する。周辺商業,施行地区内外の商業施設との連携を図り,賑わい及び回遊性の高い商業施設として計画することで,α5駅前の商業の活性化を図る。 建築敷地の面積2950㎡,建築物の建築面積2493㎡,建築物の延べ面積1万6951㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)85%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)575% の面積2950㎡,建築物の建築面積2493㎡,建築物の延べ面積1万6951㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)85%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)575%建築物の高さ約45.7m(地下1階,地上8階,塔屋1階建)(イ)Ⅰ-b街区地下3階から地下1階まで駐車場,地下1階から9階まで店舗,3階から16階まで事務所商業棟と低層部に商業を有する業務棟に挟まれ,幅20m,高さ30mを擁するガレリアは,人・物・情報が交流するコミュニケーション空間であり,当事業のシンボル空間と位置付けられ,α5駅前における商業・業務の活性化を促進するための重要な役割を担う。 商業ゾーン低層部には,外向き店舗を計画的に配置し,街歩きの楽しめる界隈性の高い商業空間として計画する。商業施設の北側は,建物を円形状にセットバックすることにより周辺に対する圧迫感を和らげるとともに,屋上緑地化を行い周辺環境との調和に努める。また,業務棟・商業棟共に,高い有効率を確保しながらも,α1川や崖線などα5東地区ならではの眺望を確保した平面計画を行う。 建築敷地の面積1万3417㎡,建築物の建築面積1万1059㎡,建築物の延べ面積10万6879㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)82%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)650%建築物の高さ業務棟約82.2m(地下2階,地上16階,塔屋2階建),商業棟約46.0m(地下2階,地上9階,塔屋1階建)(ウ)Ⅱ-b街区地下1階ないし3階店舗・駐車場,2階駐輪場,3階住宅店舗は,地権 階,塔屋2階建),商業棟約46.0m(地下2階,地上9階,塔屋1階建)(ウ)Ⅱ-b街区地下1階ないし3階店舗・駐車場,2階駐輪場,3階住宅店舗は,地権者の出店も想定されることから,各店舗が独立し,外部からそれぞれアクセスすることができる路面店型商業施設とする。駐車場は,不特定多数の利用を考慮し,利便性,回転率の高い駐車場として成立するように動線計画を行う。また,3階に商業権利者住宅を配置し,北側の住宅街への圧迫感及び日照に配慮するため,Ⅰ街区同様,建物の外壁をセットバックさせ,屋上緑化を図ることにより周辺環境に配慮した断面計画を行う。 建築敷地の面積3472㎡,建築物の建築面積2472㎡,建築物の延べ面積9107㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)71%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)202%建築物の高さ約13.81m(地下1階,地上3階)(エ)Ⅲ街区地下1階から42階まで住宅,1階及び2階店舗,1 階駐車場・駐輪場都心型の利便性,郊外型の環境の良さ,リゾート型の自然との親和性などα5らしさを兼ね備えた良好な住環境を整備する。α1川,富士山,都心への眺望を十分に活かした住戸や共用部分の計画を行う。また,権利者の住宅も配置されることを考慮し,様々な生活様式や使い手の変化に対応可能な柔軟性の高い建築計画とする。1階に駐車場を集約し,2階の人工地盤レベルを「水と緑の公開空地」として歩行者動線と車動線との分離を図り,安全かつ安心な歩行者空間及び住環境を整備する。 建築敷地の面積2万5180㎡,建築物の建築面積1万 ベルを「水と緑の公開空地」として歩行者動線と車動線との分離を図り,安全かつ安心な歩行者空間及び住環境を整備する。 建築敷地の面積2万5180㎡,建築物の建築面積1万8626㎡,建築物の延べ面積13万3353㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)74%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)369%建築物の高さA棟約102.0m(地下1階,地上28階,塔屋2階建。283戸),B棟約150.0m(地下1階,地上42階,塔屋2階建。395戸),C棟約102.9m(地下1階,地上28階,塔屋2階建。292戸),D棟約24.5m(地上6階。29戸),E棟約24.5m(地上6階。34戸),F棟約11.1m(地上2階)イ施設建築敷地の設計の概要(ア)設計方針 (変更なし)(イ)有効空地率 (変更なし) ウ公共施設の設計の概要(ア)設計方針 (変更なし)(イ)設計の概要 (変更なし)エ住宅施設の概要1LDK 戸当たり床面積約55㎡,約153戸,区分所有2LDK 戸当たり床面積約55㎡ないし78㎡,約416戸,区分所有3LDK 戸当たり床面積約78㎡,約472戸,区分所有(18)権利変換計画の認可第一地区組合は,平成18年12月27日,東京都知事に対し,権利変換計画の認可の申請をし,東京都知事は,平成19年3月14日,第一地区組合に対し,都市再開発法72条1項の規定に基づき,権利変換計画の認可をした。(乙16)(19)第二地区組合の再開発準備組合の結成本件市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権を 合に対し,都市再開発法72条1項の規定に基づき,権利変換計画の認可をした。(乙16)(19)第二地区組合の再開発準備組合の結成本件市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権を有するA,Bほかは,平成21年4月23日,α5東第二地区再開発準備組合を結成し,東京都知事に届け出た。(乙17)(20)本件設立認可ア本件設立認可の申請A,Bほかの第二地区組合の設立発起人は,平成21年11月18日,東京都知事に対し,市街地再開発組合の設立認可の申請をした(前記(16)の事情により,上記申請は第二期事業に関するものとしてされた。)。 (乙19)イ東京都知事は,平成21年12月1日,世田谷区長に対し,都市再開発法16条1項の規定に基づき,第二地区組合の事業計画を2週間公衆の縦覧に供するよう求めるとともに,同法11条4項,7条の9第3項の規定 に基づき,世田谷区の意見を聴取した。(乙20,21)ウ世田谷区長は,平成22年1月7日から同月21日までの間,都市再開発法16条1項の規定に基づき,第二地区組合の事業計画を公衆の縦覧に供した。(甲1)エ世田谷区長は,平成22年1月7日から同年2月4日までの間,都市再開発法16条2項の規定に基づき,第二地区組合の事業計画についての東京都知事に対する意見書の受付けをしたところ,この事業計画に対しては,合計199通の意見書の提出があった。(甲1)オ上記エの意見書を提出した者(以下「本件意見書提出者」という。その中には原告らも含まれる。)は,平成22年4月9日,東京都知事に対し,都市再開発法16条4項,行政不服審査法27条の規定に基づく参考人の陳述及び鑑定の要求並びに同法29条1項の規定に基づく現地検証の申立てをした 含まれる。)は,平成22年4月9日,東京都知事に対し,都市再開発法16条4項,行政不服審査法27条の規定に基づく参考人の陳述及び鑑定の要求並びに同法29条1項の規定に基づく現地検証の申立てをしたが,東京都都市整備局市街地整備部民間開発課長は,同月16日,これらの申立てをいずれも採用しない旨の回答をした。(甲26,乙22,23)カ本件意見書提出者は,平成22年5月6日,東京都知事に対し,都市再開発法16条4項,行政不服審査法25条2項の規定に基づく補佐人の許可の申請をしたところ,東京都知事は,同月12日,補佐人の許可をした。 (甲25,乙24)キ東京都知事は,平成22年4月及び同年5月,都市再開発法16条4項,行政不服審査法25条1項ただし書の規定に基づき,合計9回にわたり口頭意見陳述の手続を実施したところ,この手続においては,142名の者が口頭意見陳述を行った。(甲24)ク本件意見書提出者は,平成22年6月11日,東京都知事に対し,都市再開発法16条4項,行政不服審査法31条の規定に基づく審尋の申立てをしたが,東京都都市整備局市街地整備部民間開発課長は,同月15日, この申立てを採用しない旨の回答をした。(乙25)ケ東京都知事は,平成22年6月16日,本件意見書提出者に対し,都市再開発法16条3項の規定に基づき,事業計画についての意見書を採択すべきでないと認めた旨の通知をした。(甲24)コ本件設立認可東京都知事は,平成22年6月30日,第二地区組合の設立発起人に対し,都市再開発法11条1項の規定に基づき,本件設立認可をし,その告示をした。(甲2,乙18)第二地区組合の事業計画に定める事業施行期間は「平成22年6月30日から平成26年9月30日」 ,都市再開発法11条1項の規定に基づき,本件設立認可をし,その告示をした。(甲2,乙18)第二地区組合の事業計画に定める事業施行期間は「平成22年6月30日から平成26年9月30日」まで,施行地区は「世田谷区α6×地内」(本件市街地再開発事業の施行区域のうちのⅡ-a街区3.1ha)であり,その設計の概要は次のとおりである。 (ア)施設建築物の設計の概要Ⅱ-a街区地下1階事務所・駐車場,1階事務所・ホテル・フィットネスクラブ・店舗・駐車場,2階駐車場,3階から29階まで事務所,3階及び29階から31階までホテル,3階から5階まで映画館(シネマコンプレックス),3階フィットネスクラブ・店舗低層部は,本地区のシンボル的な歩行者動線である歩行者連絡通路の両側に,目的性をもった機能である映画館(シネマコンプレックス),物販・飲食店舗,フィットネスクラブなどを導入することにより,本件市街地再開発事業(第一期事業)と一体となった広域生活拠点としてふさわしい賑わい空間の創出を図るとともに,十分な緑化などにより,水と緑あふれる人工地盤上のオープンスペースとして,憩いの空間形成を図 る。高層棟は,上層部にホテル機能を配置するとともに,α1川への眺望を生かした展望レストランやバンケット機能を配置する。事務所部分は,α5東地区ならではのα1川やα9崖線など豊かな自然環境や眺望を意識した施設計画を行う。 建築敷地の面積2万8083㎡,建築物の建築面積2万2466㎡,建築物の延べ面積15万4810㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)80%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)447%建築 2466㎡,建築物の延べ面積15万4810㎡,建築物の建築面積の敷地面積に対する割合(建ぺい率)80%,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)447%建築物の高さ約137.0m(地下2階,地上31階,塔屋1階建)(イ)施設建築敷地の設計の概要a 設計方針施設建築敷地の補助○号線側,補助○号線側,補助○号線側及び交通広場側は,本件市街地再開発事業の都市計画決定に合わせて,施設建築物の壁面をそれぞれ2mないし3m後退させ,それぞれの幹線街路を補完する歩行者空間として整備し,壁面後退部分の地盤面には,適宜植栽を行い,緑化スペースを創出する。施行区域西側の交通広場と第一期事業のⅢ街区との間を有機的に結び付け,α5駅から都市計画公園であるα5公園に至るまでの安全で快適な歩行者動線を完成するため,人工地盤上のオープンスペースを水と緑で囲まれたアメニティ豊かな公開空地として整備する。低層棟の屋上部分も,積極的に緑化するとともに,人工地盤上と同様に,市民が 利用することができるアメニティ豊かな公開空地として整備する。 b 有効空地率施行面積に対する有効空地率は約42%である。 (ウ)公共施設の設計の概要a 設計方針再開発事業施行区域内における現況の公共施設としては,地区内区道及び水路がある。このような状況の下,本事業により,新たに区道として,補助○号線(α24通り)の一部整備を行う。 b 設計の概要幹線街路補助○号線幅員16.0m,延長約160m(新設)(21)第一地区組合の工事完了の公告第一地区組合は,本件市街地再開発事業のⅠ-a街区,Ⅰ-b街区,Ⅱ-b街区及びⅢ街区の各施 線街路補助○号線幅員16.0m,延長約160m(新設)(21)第一地区組合の工事完了の公告第一地区組合は,本件市街地再開発事業のⅠ-a街区,Ⅰ-b街区,Ⅱ-b街区及びⅢ街区の各施設建築物の建築工事を順次完了し,都市再開発法100条の規定に基づき,平成22年4月1日から11月30日までの間に,順次工事完了の公告をした。(乙1)(22)本件各訴えの提起原告らは,平成22年12月28日,本件設立認可の取消しを求める本件各訴えを提起した。(顕著な事実) 3 争点本件の争点は,① 本件各訴えの適否,具体的には,原告らはそれぞれ本件設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益(原告適格)を有する者であるか否か(争点1),② 本件設立認可の適否(争点2)である。 4 当事者の主張の要旨(1)本件各訴えの適否(争点1)について(原告ら)原告らは,本件設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者 であり,本件各訴えはいずれも適法である。 ア行政事件訴訟法9条は原告適格について定めているところ,平成16年法律第84号による改正により,2項が新設され,処分又は裁決の相手方以外の者について「法律上の利益」の有無を判断するに当たっては,「当該処分又は裁決の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮するものとする。この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利 を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌するものとし,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分又は裁決がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案するものとする」とされた。 イ市街地再開発事業の認可と原告適格(ア)市街地再開発組合の設立認可は,市街地再開発事業の認可を含んでおり,本件設立認可のうちの本件第二期事業の認可部分は,被告が平成12年6月26日にした本件市街地再開発事業に関する都市計画決定を具体化したものである。 (イ)都市再開発法による市街地再開発事業は,都市計画に定められ,都市計画事業として施行されるところ,都市計画は,当該都市の将来の姿を決定するものであり,土地の利用方法の変化や生活環境の悪化,公害の発生など,当該都市に居住する住民の生活に大きな影響を及ぼすおそれがある。そのため,都市計画法は,都市計画の決定に当たり,公聴会の開催(16条)や都市計画の案の縦覧等(17条)という民主的な手続を履践して,当該都市に居住する住民の意見を十分に反映すべきものとしているのであって,当該市街地再開発事業に関する都市計画決定をする都道府県に居住する全ての住民に,市街地再開発組合の設立認可の取 消しを求める原告適格が認められるべきである。 (ウ)原告らは,いずれも本件市街地再開発事業の施行により健康又は生活環境上の被害が生ずることを訴えるものであり,本件第一期事業の施行により現実的な被害を受けている。原告らは,このことを踏まえ,本件設立認可が都市再開発法及び都市計画法に違反し違法であることを主張するのであるから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 ウ事業 。原告らは,このことを踏まえ,本件設立認可が都市再開発法及び都市計画法に違反し違法であることを主張するのであるから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 ウ事業計画の縦覧及び意見書の処理と原告適格(ア)都市再開発法16条は,事業計画の縦覧及び意見書の処理について定めているところ,その趣旨は,市街地再開発事業が周辺地域の住民に多大な影響を及ぼすことから,その権利を保全するため,あらかじめその意見を聴取して事業計画に必要な修正を加えようというものである。すなわち,都市再開発法は,市街地開発事業によりその権利を侵害される周辺住民に対し,自らの権利を保全するため事業計画に異議を述べる権利を保障しているのである。 (イ)そして,この事業計画に異議を述べる権利が個々の周辺住民に認められるか否か,換言すれば,市街地再開発組合の設立認可の取消しを求める原告適格が認められるか否かを判断するに当たっては,当該市街地再開発事業の規模も勘案しなければならない。市街地再開発事業の規模が大きければ,それが影響を及ぼす範囲も広くなるからである。この点,本件第二期事業は,被告が平成12年6月26日にした都市計画決定に基づき本件第一期事業と一体のものとして計画された事業が社会情勢の変化等により後回しにされたにすぎないのであるから,本件において,市街地再開発事業が周辺地域に及ぼす影響につき判断するに当たっては,本件第二期事業を本件第一期事業と切り離して判断するのではなく,本件第一期事業と本件第二期事業とを併せて判断すべきである。そして, そうであるすると,本件市街地再開発事業は,約11.2haの施行区域に約1510億円もの計画資金をもって10棟を超える高層建築物群を建設するという国内最大規模の事業であるから る。そして, そうであるすると,本件市街地再開発事業は,約11.2haの施行区域に約1510億円もの計画資金をもって10棟を超える高層建築物群を建設するという国内最大規模の事業であるから,本件市街地再開発事業の影響を受ける者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 エ市街地再開発事業の施行により生ずる被害と原告適格(ア)本件においてその趣旨及び目的をも参酌すべき関係法令本件設立認可は都市再開発法11条1の規定に基づく処分であるところ,都市再開発法は広義の都市計画法体系の一部を構成し,市街地再開発事業には都市計画法が適用される。また,都市計画法13条1項柱書きが,都市計画区域について定められる都市計画は,当該都市について公害防止計画が定められているときは,当該公害防止計画に適合しなければならないとしていることからすると,公害対策基本法,環境基本法も関係法令となり,また,東京都環境影響評価条例が都市再開発法による市街地再開発事業を対象事業としていることからすると,東京都環境影響評価条例及び環境影響評価法も関係法令となる。そして,都市計画法13条1項柱書きにいう「公害防止計画」には,本件環境基本計画及び東京都環境影響評価条例に基づいてされた本件環境影響評価も含まれるものと解すべきである。 (イ)法律上保護されるべき利益の有無の判断基準都市計画法1条は,「この法律は,都市計画の内容及びその決定手続,都市計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と定め,都市再開発法1条は,「この法律は,市街地の計画的な再開発に関し ることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。」と定め,都市再開発法1条は,「この法律は,市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定めることにより,都市における土地の合理的かつ健全な高 度利用と都市機能の更新とを図り,もって公共の福祉に寄与することを目的とする。」と定めている。 都市計画法は,都市計画に住民の意見を反映させるために,都道府県又は市町村は公聴会の開催等必要な措置を講ずる(16条1項)とし,都市計画の案を2週間公衆の縦覧に供しなければならず(17条1項),関係市町村の住民は縦覧に供された都市計画の案について意見書を提出することができる(同条2項)としている。また,都市再開発法は,都道府県知事は,市街地再開発組合の設立認可の申請があったときは,施行地区となるべき区域を管轄する市町村長に,当該事業計画を2週間公衆の縦覧に供させなければならず(16条1項),住民は,縦覧に供された事業計画について意見があるときは,都道府県知事に意見書を提出することができる(同条2項)とし,都道府県知事は,意見書の提出があったときは,その内容を審査し,その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じなければならない(同条3項)としている。さらに,東京都環境影響評価条例でも,公示及び縦覧,説明会の開催等,意見書の提出により意見表明の機会を付与することが義務付けられている。 市街地再開発事業の施行の過程で,このように複数の関係法令が幾重にも住民参加の手続を定めているのは,市街地再開発事業が住民や都市利用者の健康又は生活環境に著しい被害をもたらす可能性があるからにほかならない。よって,住民及び 程で,このように複数の関係法令が幾重にも住民参加の手続を定めているのは,市街地再開発事業が住民や都市利用者の健康又は生活環境に著しい被害をもたらす可能性があるからにほかならない。よって,住民及び都市利用者にとっての健康及び生活環境における人格権は,都市計画法及び都市再開発法の目的たる公共の福祉の実現のために決して侵害されてはならない法律上保護された権利ということができる。 (ウ)具体的な法的保護の内容本件環境影響評価では,大気汚染,騒音,振動,地盤沈下,地形・地 質,水文環境,植物・動物,日照阻害,電波障害,風害,景観(圧迫感,眺望)という項目が選定されているところ,これらの法的利益の侵害のいずれもが,原告らにとっては本件設立認可の取消しを求める原告適格である。これらの法的利益のうち,本件設立認可によりその権利侵害が深刻になることが明らかなものは,次のとおりである。 a 圧迫感(a)圧迫感は,形態率を測定することにより数値化,客観化することが可能であって,環境影響評価が科学的かつ適正に行われるために必要な技術的事項及び留意事項として,東京都環境影響評価技術指針(平成14年12月6日東京都告示第1357号。なお,この技術指針は,東京都環境影響評価条例の規定に基づき,環境影響評価が科学的かつ適正に行われるために必要な技術的事項について定めることを目的として定められたものである。)の評価対象となり,本件環境影響評価においても評価項目とされている。形態率が8%以上となる建物は許容限界値を超えるものであり,このような建物を建築することは許されない。圧迫感を受けずに生活する権利も,日照権などと共に住環境に関する人格権の一つとして法的保護に値する権利である。 (b)本件環境影 るものであり,このような建物を建築することは許されない。圧迫感を受けずに生活する権利も,日照権などと共に住環境に関する人格権の一つとして法的保護に値する権利である。 (b)本件環境影響評価には,圧迫感の変化の予測が形態率による方法ではなく仰角による方法により行われているという東京都環境影響評価技術指針解説の理解の誤りがある上,景観に及ぼす影響を評価する場合にはその影響が最も大きい場所で評価するのが当然であるのに,上記事業の施行区域の外周に接する道路の反対側境界線ではなく,上記事業の施行区域から150mないし500mも離れた場所の圧迫感で評価するという測定地点の選択の誤りがある。これは,形態率で測定すれば30%以上という明らかに許容限界値を超える 数値が出ることから,当時既に圧迫感を測定する方法としては使用されなくなっていた仰角による方法を選択し,環境影響評価で問題にならない結果を導き出したものである。 (c)原告らから依頼を受けたE一級建築士が世田谷区α6×及びα6××において形態率による方法により圧迫感の測定を行ったところ,本件第一期事業により建築された高層建築物のうちの1棟を対象として測定を行っただけでも五つの地点で形態率は8%を超えていたのであって,上記高層建築物の全棟を対象として測定を行えば七つの地点で形態率が8%を超える。このことからすると,圧迫感については,調査対象となった世田谷区α6×又はα6××に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 そして,本件第二期事業により新たな超高層建築物が建築されれば,現地を訪れる者全員が空全体が覆い被さってくるような圧迫感に苦しめられることとなるのであって,このような圧迫感は,居住者のみならず, そして,本件第二期事業により新たな超高層建築物が建築されれば,現地を訪れる者全員が空全体が覆い被さってくるような圧迫感に苦しめられることとなるのであって,このような圧迫感は,居住者のみならず,駅その他の施設を利用し又は周囲を通行する全ての者の人格的利益を侵害するから,現地を来訪する者全員に,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 b 洪水被害(a)近年,限られた地域に毎時50㎜以上の降水量をもたらす局所的集中豪雨が全国で甚大な被害を生じさせており,被告は,平成18年5月,学識経験者などから成る東京都豪雨対策検討委員会を設置し,「東京都豪雨対策基本指針」を策定するなどしてその対策を強化した。本件環境影響評価も,水文環境の項目で水循環を評価しており,洪水により被害を受けるおそれがある者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 (b)本件市街地再開発事業の施行区域は,α9崖線の下にあり,同崖線とほぼ並行に流れるα1川とα7川とに挟まれた細長い帯状低地である。α1川の堤防に沿って改修前の自然堤防が残り,この一帯は古くは後背湿地であった土地であって,排水性が悪く,洪水の際には被害を受けやすい。α7川の河床は高い位置にあり,一旦氾濫すれば一帯が洪水となる。現に,この一帯は歴史的にみて水害常襲地である。このように洪水の危険が高い地域に人工地盤及び巨大な地下構造物を建築するというのが本件市街地再開発事業であり,遊水池の機能を果たしていた施行区域内の土地の貯水容量を失わせ,地下水の流動を阻害するために,周辺地域の洪水被害を拡大し,周辺住民の生命,身体及び財産に対する損害を生じさせるおそれが極めて高い。本件市街地再開発事業においては,洪水対策として,雨 量を失わせ,地下水の流動を阻害するために,周辺地域の洪水被害を拡大し,周辺住民の生命,身体及び財産に対する損害を生じさせるおそれが極めて高い。本件市街地再開発事業においては,洪水対策として,雨水排水設備を設置することとされているが,そこで予定されている設備では洪水被害を防止するには不十分である。本件においては,洪水被害についても水文環境として環境影響評価の対象とされるべきであったが,水文環境の評価としては地下水の状況に重点が置かれ,洪水被害については何ら評価が行われなかった。 (c)本件第一期事業だけでなく本件第二期事業までもが施行されれば,原告らを含めた周辺住民は,これまで以上に甚大な洪水被害に襲われ,その生命,身体及び財産が危険にさらされるおそれがある。特に,原告Fほかの自宅は,α1川とα7川とに挟まれた帯状低地の中の本件市街地再開発事業の施行区域の外周から300m以内の場所に存在しており,同原告らは,洪水が起きればその生命,身体及び財産に甚大な被害を受けるおそれがある。このように,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者は,洪水被害によりその生命,身体及び財産が危険にさらされるおそれがあるのであ るから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 c 大気汚染(a)今日,大気汚染により呼吸器症状や肺機能の変化,死亡リスクの増加,呼吸器系・循環器系疾患の悪化等広範な健康被害を生ずるおそれがあることが明らかになっている。そのため,我が国では,大気汚染等に係る環境上の条件について,人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準が環境基準として定められており,大気汚染は,本件公害防止計画及び本件環境基本計画において施策の対象とされ,本 境上の条件について,人の健康を保護し生活環境を保全する上で維持されることが望ましい基準が環境基準として定められており,大気汚染は,本件公害防止計画及び本件環境基本計画において施策の対象とされ,本件環境影響評価においても評価項目とされているのであって,大気汚染によって健康被害が生ずるおそれが懸念される者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 (b)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,補助第○号線(α25通り),国道○号線(α6通り),国道○号線(環状○号線)及びα26道路という都内有数の幹線道路に囲まれ,常に交通渋滞が生じており,地形国道○号線的にもα7川沿いの地域は窪地になっているため,自動車の排気ガスを原因とする大気汚染による健康被害が懸念される地域である。そして,本件市街地再開発事業は大規模な商業施設や1000戸を超える住宅の建築を中心とした事業であって,開発交通量の予測においても1日当たり2万5400台という膨大な交通量を算定しており,自動車の排気ガスを原因とする大気汚染の深刻化が容易に想定されるところであるから,その環境影響評価においては,自動車の排気ガスに含まれ人体に対する影響が懸念される大気汚染物質である二酸化窒素と浮遊粒子状物質についても予測及び評価をする必要があった。東京都環境影響評 価技術指針解説も,「対象事業の種類及び規模並びに地域の概況を勘案し,対象事業の実施が大気質に及ぼす影響を適切に把握し得るように十分配慮して,予測及び評価を行うために必要なものを選択する。」としている。しかし,本件環境影響評価においては,二酸化窒素の予測及び評価はされたものの,浮遊粒子状物質の予測及び評価はされなかった。さらに,本件環境影響評価においては,地形的に窪地になって る。」としている。しかし,本件環境影響評価においては,二酸化窒素の予測及び評価はされたものの,浮遊粒子状物質の予測及び評価はされなかった。さらに,本件環境影響評価においては,地形的に窪地になっており空気よりも比重が重い大気汚染物質が滞留する可能性が高いα7川沿いの地域については測定がされておらず,調査地域及び調査地点の選定の誤りがある上,調査の前提となる自動車交通量等の資料として最新のものが用いられていないという誤りもある。このように,本件環境影響評価は,東京都環境影響評価技術指針解説を大きく逸脱してされたものであって,適正に実施されたとは到底いうことができない。 (c)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,自動車の交通量が極めて多い幹線道路に囲まれているところ,本件市街地再開発事業の施行により,そのような地域に1日当たり2万5400台もの交通量の増加がもたらされるのであるから,自動車の排気ガスを原因とする大気汚染が住民に健康上の被害を及ぼすほどに悪化することは明白であり,とりわけ,地形的に窪地になっており大気汚染物質が滞留する可能性が高いα7川沿いの地域に居住する原告や,自動車の交通量の増加が予測されるα24通り,α25通り沿いの地域に居住する原告には,深刻な被害が及ぶおそれがある。本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 d 景観利益の侵害(a)都市計画法は,都市計画事業による環境利益の侵害により健康又 は生活環境に係る著しい被害を受けるおそれのある住民の権利を保護することをもその趣旨及び目的とするところ,景観利益に係る被害は,環境基本法2条3項の公害には含まれていないが,本件公害防止計画及び本件 生活環境に係る著しい被害を受けるおそれのある住民の権利を保護することをもその趣旨及び目的とするところ,景観利益に係る被害は,環境基本法2条3項の公害には含まれていないが,本件公害防止計画及び本件環境基本計画において施策の対象とされ,本件環境影響評価において評価項目とされていることからすれば,本件市街地再開発事業の施行により景観利益を著しく侵害されるおそれのある者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 (b)本件市街地再開発事業の施行区域は世田谷区α6×及びα6××のα1川沿いの標高約10mの平地であり,わずかに離れた場所で標高35mを超えるα9崖線が立ち上がっている。α9崖線の斜面には,貴重な自然の緑地が広がり,湧水も豊富であり,周辺には多くの動植物が生息している。α9崖線からα1川を望むと大きな空が広がり,α27の山並みや富士山の眺望が得られる。α5は,江戸時代に,α28詣出の宿場町として発展し,現在も歴史的文化財が集中している。この地は風光明媚で知られ,観光の地となった。 明治時代には多くの文人に愛され,大正時代には高台に多くの別荘が建築された。世田谷区は昭和59年にこの地域の5か所を世田谷百景に選定し,α29線に架けられたα30橋は世田谷区風景づくり条例に基づく地域風景資産や国土交通省関東地方整備局の関東の富士見100景に選定された。α5のすぐれた景観は国民的な財産である。 本件市街地再開発事業の施行区域やその周辺地域は,昭和8年に風致地区に指定された。風致地区内における建築物の建築,宅地の造成その他の行為については,政令で定める基準に従い,都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる(都市計画法58 条1項)ところ,被告は,東京都風致地区条例(昭和 物の建築,宅地の造成その他の行為については,政令で定める基準に従い,都市の風致を維持するため必要な規制をすることができる(都市計画法58 条1項)ところ,被告は,東京都風致地区条例(昭和45年東京都条例第36号)を制定し,建ぺい率,壁面後退距離,建築物の高さ,形態,意匠,色彩等について規制を行った。国においては,平成15年7月に国土交通省が「美しい国づくり政策大綱」を発表し,平成16年6月に景観法が制定されたところ,世田谷区は,これに先んじて,昭和54年4月に策定された世田谷区基本計画において,α1川からα9崖線にかけての豊かな自然を「水と緑の軸」と位置付け,上記の世田谷百景の選定,世田谷区風景づくり条例に基づく地域風景資産の制定等を行っていたほか,平成17年には,同条例に基づき,α9崖線の周辺を「水と緑の風景軸」に指定し,平成20年3月には,「世田谷区風景づくり計画」を策定した。 地域のすぐれた景観は人の生活の豊かさと密接に関わり,人間の尊厳を実現する上で欠かせないものであって,都市景観は,良好な風景として,人々の歴史的又は文化的環境を形作り,豊かな生活環境を構成する場合には客観的価値を有するのであって,良好な景観に近接する地域内に居住し,その恵沢を日常的に享受している者は,その景観が有する客観的価値の侵害に対して密接な利害関係を有し,これらの者が有する良好な景観の恵沢を享受する利益は法律上の保護に値する(最高裁平成17年(受)第364号同18年3月30日第一小法廷判決・民集60巻3号948頁参照)。良好な景観を享受する権利は,人格権の外延として憲法13条(幸福追求権),25条(生存権)により保障されていると解すべきである。 本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,長年にわたり風 観を享受する権利は,人格権の外延として憲法13条(幸福追求権),25条(生存権)により保障されていると解すべきである。 本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,長年にわたり風致地区として高層建築物の建築が規制され,すぐれた都市景観が守り育てられてきた地域であり,上記事業により建設される超高層建築物群がα1川,α9崖線周辺の自然環境と調和のとれた魅力ある 都市景観となる余地はなく,α5に居住する住民らの景観利益を始めとして,通勤,通学,行楽等のためにα5を訪れ良好な景観の恵沢を享受していた者の景観利益までもが侵害されることは明らかである。 (c)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住して日常生活の中で豊かな景観利益を享受してきた者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められることは明らかである。また,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住していない者も,α5の地を訪れてそのすぐれた景観を享受してきたのであって,本件市街地再開発事業の施行により景観利益を著しく侵害されるおそれがあるから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 e 風害(a)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,中低層建築物が多く,南側はα1川の河川敷であり,風害を生ずるような高層建築物は存在しなかった。また,α1川からの川風が岸に向かって吹き付けるという特徴があり,このような地域性のため,本件市街地再開発事業の施行により建築される超高層建築物群の周辺の風環境への影響が予測されたことから,本件環境基本計画においても風害は施策の対象とされている。したがって,風害すなわち風環境の状態の悪化を被らずに生活する利益は法律上保護されるべき利益であり,風害を被 への影響が予測されたことから,本件環境基本計画においても風害は施策の対象とされている。したがって,風害すなわち風環境の状態の悪化を被らずに生活する利益は法律上保護されるべき利益であり,風害を被る者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 (b)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域には,本件第一期事業により建築された超高層建築物群に上層を吹く風が当たり,乱気流となることにより,強烈なビル風が渦巻き,建物の屋根や付属物 が壊れる,庭先の植木鉢や衝立が頻繁に倒れる,通行人が転倒して怪我をする,子どもが一人では危なくて通行することができないという著しい風害が発生しているところ,本件第二期事業により高さ137mもの超高層建築物が新たに建築されると,その被害はますます深刻なものとなる。 本件環境影響評価は,事業の施行による周辺地域の風環境の変化について,南西側のα25通り沿いの一部では,風環境評価ランクが1から2に変化し,強い風が吹く頻度が現況よりもやや多くなるものの,住宅地,公園で許容される程度であり,その他の部分では,現況の風環境とほとんど変化はないとしているが,これは,施設建築物の高さが151mにも及ぶのに,基準風となる上空風のデータとして,風速計の高さが高いもの(高さ74.6mのもの)の数値を採用せず,風速計の高さが低いもの(高さ25.0m)の数値を採用するという誤りを犯し,さらに,「風洞実験の縮尺が小さすぎるため,推定誤差が大きくなる。類似の事例について現地での風観測が必要である。」という環境影響評価の手続中の公聴会における公述人の合理的な意見を採用しなかったためである。 (c)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住している者に限らず,公共交 必要である。」という環境影響評価の手続中の公聴会における公述人の合理的な意見を採用しなかったためである。 (c)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住している者に限らず,公共交通機関を利用する全ての者に,風害の危険のない安全なまちに住み利用し暮らす権利があるのであるから,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者だけではなく,来訪者であっても,風害を被る者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 オ小田急線大法廷判決と原告適格(ア)いわゆる小田急線大法廷判決(最高裁平成16年(行ヒ)第114号同17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁)と本件と では,公共の福祉の実現を目的とする都市計画事業に関する事案である点や,原告らの請求が健康又は生活環境の破壊という公害防止的な観点によるものである点など共通点が多いところ,上記大法廷判決は,東京都環境影響評価条例により定められた関係地域内に居住する原告については原告適格を認めており,これと同じ基準で考えれば,本件環境影響評価の際に定められた関係地域内に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 (イ)小田急線大法廷判決は,東京都環境影響評価条例により定められた関係地域外に居住する原告については原告適格を認めなかった。同判決は,その理由について,鉄道事業が実施されることにより騒音,振動等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあるということはできないなどと判示している。しかし,小田急線大法廷判決で問題とされた事業は鉄道事業の高架化であり,渋滞解消等の公共的な目的を有する事業である一方,権利被害は騒音,振動被害という単一的なものであり,直 ないなどと判示している。しかし,小田急線大法廷判決で問題とされた事業は鉄道事業の高架化であり,渋滞解消等の公共的な目的を有する事業である一方,権利被害は騒音,振動被害という単一的なものであり,直線的な事業地からの距離によって被害の大小に影響があることも分かりやすく,その権利侵害の特質から居住者により深刻な被害が生ずるものである。これに対して,本件で問題となる事業は広大な面積を有する都内最大の民間再開発事業であり,権利侵害の内容も複合的なものであり,権利侵害は甚大である。その健康,生活環境被害の深刻さは単純に事業地からの距離に左右されるものではなく,また,事業の施行により実現される利益は専らA及びBという私企業の利益であり,公共性のある事業とは到底いうことができない。 そもそも,都市というのは,そこに居住する者ばかりではなく,在勤者,在学者,医療,福祉,商業等の各種施設利用者,通行者,来訪者等の様々な関係者により総合的に構成され機能しているのであるから,関係地域外に居住する者であっても,関係地域内に在勤,在学し,各種施 設を利用し,通行し,又は来訪するなど,その地域の都市環境を享受しているものには,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 カ都市利用者の原告適格都市計画法3条2項にいう「住民」とは,周辺住民に限られず,当該都市の住民を広く意味し,住民に対しては都市計画の手続への参加の保障が及ぼされる。すなわち,同法16条1項の規定は,都市計画の案の作成の段階における当該都市の住民に対する手続参加の保障として,公聴会の開催等を定めており,また,同法17条1項及び2項の規定は,都市計画の決定の段階における当該都市の住民ほかの公衆に対する手続参加の保障として,都市計画の案の 民に対する手続参加の保障として,公聴会の開催等を定めており,また,同法17条1項及び2項の規定は,都市計画の決定の段階における当該都市の住民ほかの公衆に対する手続参加の保障として,都市計画の案の縦覧及び意見書の提出を定めている。また,都市再開発法16条1項ないし4項は,事業計画の縦覧及び意見書の処理について定めている。この手続は,「公衆」が対象とされており,周辺住民という限定はない。 このように,都市計画の手続については,周辺住民に限定することなく,当該都市の住民ないし当該都市の利用者に対し手続参加の保障が行われているのであって,これらの者にも,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである。 (被告)原告らは,本件設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者ではなく,本件各訴えはいずれも不適法である。 ア市街地再開発の認可と原告適格について原告らは,当該市街地再開発事業に関する都市計画決定をする都道府県に居住する全ての住民に,市街地再開発組合の設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張する。しかし,この主張は,都市計画法が,都市計画の決定に当たり,公聴会の開催(16条)や都市計画 の案の縦覧等(17条)といった住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとしていることから,直ちに都市計画を決定する都道府県に居住する全ての住民に原告適格が認められるべきであるとするものであり,明らかに論理の飛躍がある。 イ事業計画の縦覧及び意見書の処理と原告適格について原告らは,市街地再開発組合の設立認可の取消しを求める原告適格が認められるか否かを判断するに当たっては,当該市街地再開発事業の規模も勘案しなければならないところ, 処理と原告適格について原告らは,市街地再開発組合の設立認可の取消しを求める原告適格が認められるか否かを判断するに当たっては,当該市街地再開発事業の規模も勘案しなければならないところ,本件において,市街地再開発事業が周辺地域に及ぼす影響につき判断するに当たっては,本件第二期事業を本件第一期事業と切り離して判断するのではなく,本件第一期事業と本件第二期事業とを併せて判断すべきであり,本件市街地再開発事業の影響を受ける者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張する。しかし,原告適格の有無は,当該訴えにおいて取消しを求める処分との関係で判断されるべきものであり,既に終了した別個の処分により影響を受けた者が後の処分の取消しを求める原告適格を有するということはできないから,本件設立認可の取消しを求める訴えの原告適格を基礎付ける被害のおそれは本件設立認可に係る本件第二期事業により生ずるものに限られるというべきであって,本件第一期事業と本件第二期事業とを併せて被害のおそれを判断するのは誤りである。 ウ市街地再開発事業の施行により生ずる被害と原告適格について(ア)圧迫感についてa 原告らは,世田谷区α6×又はα6××に居住している原告のみならず,駅その他の施設を利用し又は周囲を通行する全ての者に,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,単なる施設利用者等にも原告適格が認められるべきであるというのは,原告ら独自の主張といわざるを得ない。 b また,本件設立認可の取消しを求める訴えの原告適格が認められるためには本件第二期事業により生ずるおそれのある被害が著しいものであることが求められるところ,原告らがいう圧迫感には既に完了して b また,本件設立認可の取消しを求める訴えの原告適格が認められるためには本件第二期事業により生ずるおそれのある被害が著しいものであることが求められるところ,原告らがいう圧迫感には既に完了している本件第一期事業により生じたものが含まれているのであって,このような主張が誤りであることは明らかである。 c 原告らは,圧迫感の変化の予測を形態率による方法ではなく仰角による方法により行ったことには東京都環境影響評価技術指針解説の理解の誤りがあると主張するが,同解説は,「予測は,対象事業の種類及び規模並びに地域景観の特性等を考慮して,次に掲げる予測手法のうちから適切なものを選択し,又は組み合わせる。」として,完成予想図の作成,可視領域図の作成,最大仰角図の作成,形態率図の作成,天空図の作成,その他適切な手法を掲げているのであって,仰角による方法を選択したことが誤りということはできない。 (イ)洪水被害について原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者は,洪水被害によりその生命,身体及び財産が危険にさらされるおそれがあるのであるから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,本件設立認可の取消しを求める訴えの原告適格が認められるためには本件第二期事業により生ずるおそれのある被害が著しいものであることが求められるところ,原告らがいう洪水被害には既に完了している本件第一期事業により生じたものが含まれているのであって,このような主張が誤りであることは明らかである。 (ウ)大気汚染についてa 原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,本件設立認可の取 (ウ)大気汚染についてa 原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,本件設立認可の取消しを求める訴えの原告適格が 認められるためには本件第二期事業により生ずるおそれのある被害が著しいものであることが求められるところ,原告らがいう大気汚染には既に完了している本件第一期事業により生じたものが含まれているのであって,このような主張が誤りであることは明らかである。 b 原告らは,本件環境影響評価は,東京都環境影響評価技術指針解説を大きく逸脱してされたものであると主張するが,本件環境影響評価は上記解説に違反するものではない。 (エ)景観利益の侵害についてa 原告らは,最高裁平成18年3月30日第一小法廷判決を引用して,良好な景観を享受する権利は人格権の外延として憲法13条,25条により保障されていると解すべきであると主張するが,この判例は,環境利益の権利性を否定したものである。 b 原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住して日常生活の中で豊かな景観利益を享受してきた者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められることは明らかであると主張するが,原告らが主張する景観利益をもって本件設立認可の取消しを求める原告適格を基礎付けることはできない。 c 原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住していない者も,本件市街地再開発事業の施行により景観利益を著しく侵害されるおそれがあるから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,景観利益の保護という観点から本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住していない者に 著しく侵害されるおそれがあるから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,景観利益の保護という観点から本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住していない者にも本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるとすることは,処分の取消しの訴えを提起し得る者を法律上の利益を有する者に限定した行政事件訴訟法9条の趣旨を無視するものである。 d また,本件設立認可の取消しを求める訴えの原告適格が認められる ためには本件第二期事業により生ずるおそれのある被害が著しいものであることが求められるところ,原告らがいう景観利益の侵害には既に完了している本件第一期事業により生じたものが含まれているのであって,このような主張が誤りであることは明らかである。 (オ)風害についてa 原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者だけではなく,来訪者であっても,風害を被る者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,風害からの保護という観点から本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住していない者にも原告適格が認められるとすることは,処分の取消しの訴えを提起し得る者を法律上の利益を有する者に限定した行政事件訴訟法9条の趣旨を無視するものである。 b また,本件設立認可の取消しを求める訴えの原告適格が認められるためには本件第二期事業により生ずるおそれのある被害が著しいものであることが求められるところ,原告らがいう風害には既に完了している本件第一期事業により生じたものが含まれているのであって,このような主張が誤りであることは明らかである。 エ小田急線大法廷判決と原告適格について原告らは,関係地域外に居 ている本件第一期事業により生じたものが含まれているのであって,このような主張が誤りであることは明らかである。 エ小田急線大法廷判決と原告適格について原告らは,関係地域外に居住する者であっても,関係地域内に在勤,在学し,各種施設を利用し,通行し,又は来訪するなど,その地域の都市環境を享受しているものには,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張するが,この主張は,取消しの訴えを,法規の適用の客観的適正を保障し一般的公益を保護することを目的とする客観訴訟ではなく,個人的な権利の保護を目的とする主観訴訟として構成している行政事件訴訟法の趣旨に反するものである。 (2)本件設立認可の適否(争点2)について 争点2に関する当事者の主張は別紙3(本件設立認可の適否に関する当事者の主張)のとおりである。なお,同別紙中で定めた言葉の意味は,以下の本文の中においても同一の意味であるものとする。 第3 当裁判所の判断 1 本件各訴えの適否(争点1)について(1)行政事件訴訟法9条1項は,取消訴訟の原告適格について,「処分の取消しの訴え及び裁決の取消しの訴えは,当該処分又は裁決の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り,提起することができる。」と規定するところ,ここに当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうと解すべきであり,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数の者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにい 不特定多数の者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにいう「法律上保護された利益」に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を有するというべきである。 そして,処分の相手方以外の者について上記の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠となる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合において,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが害される態様及び程度をも勘案すべきものである(同条2項参照)。 (以上につき,最高裁平成16年(行ヒ)第114号同17年12月7日大法廷判決・民集59巻10号2645頁参照)(2)上記の見地に立って,原告らが本件設立認可の取消しを求める原告適格を有するか否かについて検討する。 ア本件設立認可の効力の観点から,原告らがその取消しを求める原告適格を有するか否かについて都市再開発法11条1項は,「第一種市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者は,5人以上共同して,定款及び事業計画を定め,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事の認可を受けて市街地再開発組合を設立することができる。」と規定すると 地について所有権又は借地権を有する者は,5人以上共同して,定款及び事業計画を定め,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事の認可を受けて市街地再開発組合を設立することができる。」と規定するところ,市街地再開発組合の設立認可は当該組合の設立行為を補充してその法律上の効力を完成させる行為であって,組合は,その設立認可により成立し(同法18条),その事業計画に定める施行地区について第一種市街地再開発事業を施行する権限を付与される(同法2条の2第2項)。そして,市街地再開発組合の設立認可には,このような効力があることに対応して,設立認可により組合が成立すると,当該組合が施行する第一種市街地再開発事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は,全てその組合の組合員とされ(同法20条1項),組合員の権利義務を有することとなり,更に設立認可について都道府県知事の公告(同法19条1項)があると,当該組合は,その成立並びに定款及び事業計画をもって,組合員その他の第三者に対抗することができるようになり(同条3項),施行地区内において第一種市街地再開発事業の施行の障害となるおそれがある土地の形質の変更又は建築物その他の工作物の新築,改築若しくは増築等を行おうとする者は,都道府県知事の許可を受けなければならない(平成23年法律第105号による改正前の同法66条1項)こととなる。 しかし,原告らは,本件第二期事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者でも,同施行地区内において土地の形質の変更又は建築物その他の工作物の新築,改築若しくは増築等を行おうとする者でもないのであって,本件設立認可に係る上記の効力を受けるものではなく,上記の効力の観点から,本件設立認可により自己の権利若しくは法律上保護さ の他の工作物の新築,改築若しくは増築等を行おうとする者でもないのであって,本件設立認可に係る上記の効力を受けるものではなく,上記の効力の観点から,本件設立認可により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者に該当するということはできない。 イ本件設立認可の処分要件の観点から,原告らがその取消しを求める原告適格を有するか否かについて(ア)もっとも,前記(1)によれば,本件設立認可の根拠となる法令である都市再開発法の規定が,本件設立認可において考慮されるべき利益について,不特定多数の者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解されるのであれば,このような利益も「法律上保護された利益」に当たるのであって,本件設立認可によりこれを侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者は,本件設立認可の取消訴訟における原告適格を有することになる。 (イ)都市再開発法の規定(本件設立認可の根拠となる法令その1)a 市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法は,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り,もって公共の福祉に寄与することをその目的とするものである(1条)。そして,第一種市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者が都道府県知事の認可を受けて市街地再開発組合を設立しようとする場合には,定款及び事業計画を定め,認可申請書とともに提出しなければならない(11条1項,都市再開発法施行規則(昭和44年建設省令第54号)2条1項)とこ ろ,上記事業計画においては,国土交通省令で定めるところにより,施 ,認可申請書とともに提出しなければならない(11条1項,都市再開発法施行規則(昭和44年建設省令第54号)2条1項)とこ ろ,上記事業計画においては,国土交通省令で定めるところにより,施行地区,設計の概要,事業施行期間及び資金計画を定めなければならない(都市再開発法12条1項,7条の11第1項)と規定されており,また,市街地再開発組合の設立認可の基準の一つとして,その事業計画の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合すること(17条3号)が規定されている。 b 都市再開発法12条1項,7条の11第1項にいう国土交通省令である都市再開発法施行規則は,上記aの事業計画において定めなければならない事項のうちの施行地区及び設計の概要について,① 施行地区は,施行地区位置図(縮尺2万5000分の1以上とし,施行地区の位置を表示した地形図)及び施行地区区域図(縮尺2500分の1以上とし,施行地区の区域並びにその区域を明らかに表示するに必要な範囲内において都道府県界,市町村界,市町村の区域内の町又は字の境界並びに土地の地番及び形状を表示したもの)を作成して定めなければならない(4条),② 設計の概要は,設計説明書及び設計図を作成して定めなければならない(5条1項),③ 設計説明書には,施設建築物の設計の概要,施設建築敷地の設計の概要,公共施設の設計の概要のほか,住宅建設の目標が定められた場合においては市街地再開発事業により建設する住宅の概要を記載しなければならない(同条2項),④ 設計図は,施設建築物の各階平面図(縮尺500分の1以上とし,方位並びに柱,外壁,廊下,階段及び昇降機の位置を明示したもの)及び2面以上の断面図(縮尺500分の1以上とし,施設建築物,床及び各階の天井の高さを明示したもの),施設建築敷 分の1以上とし,方位並びに柱,外壁,廊下,階段及び昇降機の位置を明示したもの)及び2面以上の断面図(縮尺500分の1以上とし,施設建築物,床及び各階の天井の高さを明示したもの),施設建築敷地の平面図(縮尺500分の1以上とし,方位,施設建築物,主要な給水施設,排水施設,電気施設及びガス施設の位置並びに広場,駐車施設,遊び場その他の共同施設,通路及び消防用水利施設の位置を明 示したもの),公共施設の平面図(縮尺500分の1以上とし,方位並びに公共施設の位置及び形状を明示したもの)及び2面以上の断面図(縮尺500分の1以上とし,公共施設の構造及び現在の地盤面を明示したもの)とする(同条3項)と規定している。 c 都市再開発法12条1項,7条の11第3項の委任を受けた都市再開発法施行規則は,上記aの事業計画において定めなければならない事項のうちの設計の概要の設定に関する技術的基準として,① 設計の概要は,施行地区内の水道施設等の機能の維持と災害時における避難路等災害防止上必要な施設の確保を考慮して定めなければならないこと(7条1号),② 設計の概要は,施行地区又はその周辺の地域における義務教育施設,水道施設等の公益的施設の整備の状況を勘案して,当該施行地区及びその周辺の地域における利便の保全が図られるように定めなければならないこと(同条2号),③ 設計の概要は,施設建築物に関し権利を与えられることとなる者の居住条件等を考慮して,できる限り,当該施設建築物の低廉化を図るよう定めなければならないこと(同条3号),④ 施設建築物の構造は,用途が同一であり,又は類似する施設建築物の各戸を集約的に配置することができること,各戸の利用の独立性を確保すること等その合理的利用を確保することができるものとしなければならないこ 建築物の構造は,用途が同一であり,又は類似する施設建築物の各戸を集約的に配置することができること,各戸の利用の独立性を確保すること等その合理的利用を確保することができるものとしなければならないこと(同条4号),⑤施設建築物の構造は,施設建築物の規模及び各階の用途に応じた施設建築物の安全性並びに各階の用途に応じた機能が確保されたものとしなければならないこと(同条5号),⑥ 施設建築物の廊下,階段その他の共用部分は,施設建築物の規模及び用途構成に応じた適正な規模及び配置のものとし,管理保全の利便が確保されたものとしなければならないこと(同条6号),⑦ 施設建築敷地内の広場,駐車施設,遊び場その他の共同施設は,施設建築物の規模及び建築形態並びに用 途構成に応じて,良好な都市環境が形成されるよう適切に配置しなければならないこと(同条7号),⑧ 施設建築敷地内の通路は,施設建築物の各棟から公共施設及び当該地区内の広場,駐車施設,遊び場その他の共同施設に適切に連絡するように配置しなければならないこと(同条8号),⑨ 設計の概要は,消防に必要な水利を設けるように定めなければならないこと(同条9号),⑩ 施設建築敷地内の主要な給水施設,排水施設,電気施設及びガス施設は,施設建築物の規模及び用途構成に応じ,当該区域について想定される需要を確保することができるよう適切に配置しなければならないこと(同条10号)を掲げている。 (ウ)都市計画法の規定(本件設立認可の根拠となる法令その2)a 上記(イ)aのとおり,市街地再開発組合の設立認可は,その事業計画の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合することを基準の一つとしてされるものであることによれば,都市計画法の規定のうち第一種市街地再開発事業に関する都市 の設立認可は,その事業計画の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合することを基準の一つとしてされるものであることによれば,都市計画法の規定のうち第一種市街地再開発事業に関する都市計画(都市再開発法による市街地再開発事業は,市街地開発事業の一つとして都市計画に定めることができる。都市計画法12条1項4号)についてのものは市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令の一部を構成するものであるということができる。 b 都市計画法は,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することをその目的とし(1条),健康で文化的な都市生活を確保すべきことを都市計画の基本理念の一つとするものである(2条)ところ,都市計画の基準として,都市計画区域について定められる都市計画は,当該都市について公害防止計画が定められているときは当該公害防止計画に適合するとともに,当該都市の特質を考慮して,土地利用,都市施設の整備及び 市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならず(13条1項柱書き),当該都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受することができるように,住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を定めなければならない(13条2項)と規定している。また,同法は,都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認められるときは,公聴会の開催等,住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとし(16条1項),都市計画を決定しようとする旨の公告があったときは,関係市町村の住民及び利害関係人は,縦覧に供された都市計画の案について意見書を提出することができるものとしている(17条1項,2項)。 ,都市計画を決定しようとする旨の公告があったときは,関係市町村の住民及び利害関係人は,縦覧に供された都市計画の案について意見書を提出することができるものとしている(17条1項,2項)。 (エ)環境基本法等の規定の趣旨及び目的(本件設立認可の根拠となる法令と目的を共通にする関係法令の趣旨及び目的)a 上記(ウ)aのとおり,都市計画法の規定のうち第一種市街地再開発事業に関する都市計画についてのものは市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令の一部を構成するものであるということができ,上記(ウ)bのとおり,都市計画法は,都市計画の基準として,都市計画区域について定められる都市計画は当該都市について公害防止計画が定められているときは当該公害防止計画に適合するものを定めなければならないと規定しているところ,公害防止計画の根拠となる法令である環境基本法は,現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与することをその目的とするものであって(1条),上記(ウ)bのとおり,健康で文化的な都市生活の確保を基本理念とする都市計画法と目的を共通にするものといえるから,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令と目的を共通にする関係法令であると解される。 環境基本法は,環境の保全上の支障のうち,事業活動その他の人の 活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭によって,人の健康又は生活環境に係る被害が生ずることを「公害」と定義した(2条3項)上で,国及び地方公共団体は,環境の保全に関する施策を策定し,及び実施する責務を有する(6条,7条)と規定し,環境大臣は,現に公害が著しく,かつ,公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著し 団体は,環境の保全に関する施策を策定し,及び実施する責務を有する(6条,7条)と規定し,環境大臣は,現に公害が著しく,かつ,公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難であると認められる地域等について,関係都道府県知事に対し,その地域において実施されるべき公害の防止に関する施策に係る基本方針を示して,公害防止計画の策定を指示し,これを受けた関係都道府県知事は,公害防止計画を作成した上,環境大臣に協議し,その同意を得なければならない(17条1項,3項)と規定している。 公害防止計画に関するこれらの規定は,相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭により人の健康又は生活環境に係る著しい被害が生ずるおそれのある地域について,その発生を防止するために総合的な施策を講ずることをその趣旨及び目的とするものであると解される。そして,上記(ウ)bのとおり,都市計画法が,都市計画の基準として,都市計画区域について定められる都市計画は当該都市について公害防止計画が定められているときは当該公害防止計画に適合するものを定めなければならないと規定していることからすれば,都市計画の決定は,上記のような公害防止計画に関する環境基本法の規定の趣旨及び目的を踏まえて行われることが求められるというべきである。 b ただし,都市再開発法による市街地再開発事業は,道路の新設の事業や鉄道の建設の事業とは異なり,環境影響評価法の対象事業(2条4項)とはされていない(同条2項及び3項)。同法の対象事業とし ては,規模が大きく環境に著しい影響を及ぼすおそれがあり,かつ,国が実施し,又は免許等により関与する事業が選定されていることからすると,都市再開発法による市街地再開発 。同法の対象事業とし ては,規模が大きく環境に著しい影響を及ぼすおそれがあり,かつ,国が実施し,又は免許等により関与する事業が選定されていることからすると,都市再開発法による市街地再開発事業は,一般的にみて,その施行区域の周辺の環境に著しい影響を及ぼすものではないということができる。 もっとも,被告においては,環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業の実施が環境に及ぼす影響について事前に調査,予測及び評価を行い,これらの結果について公表すること等の手続に関し必要な事項を定めることにより,事業の実施に際し,公害の防止,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等について適正な配慮がされることを期し,もって都民の健康で快適な生活の確保に資することを目的として(1条,2条1号),東京都環境影響評価条例が制定されている。 東京都環境影響評価条例は,東京都知事は,良好な環境を保全し,もって都民の健康で快適な生活を確保するため,同条例に定める手続が適正かつ円滑に行われるよう努めなければならない基本的責務を負い(3条),また,事業者すなわち対象事業(同条例の別表に掲げる事業(都市再開発法2条1号に規定する市街地再開発事業もこれに含まれる。)でその実施が環境に著しい影響を及ぼすものとして東京都規則で定める要件に該当するものをいう。2条3号)を実施しようとする者等は,対象事業の実施に際し,公害の防止,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等について適正な配慮をするため,その責任と手続において,同条例に定める手続を誠実に履行しなければならない責務を負う(7条)とした上で,① 事業者は,対象事業を実施しようとするときは,対象事業に係る環境影響評価の項目(この項目については,公害の防止,生活環境,自然環境,歴史的環境,人と自然 ならない責務を負う(7条)とした上で,① 事業者は,対象事業を実施しようとするときは,対象事業に係る環境影響評価の項目(この項目については,公害の防止,生活環境,自然環境,歴史的環境,人と自然との豊かな触れ合い,環境への負荷等について,規則で定めるものの うちから選択するものとする(10条)とされ,ここにいう「規則」である東京都環境影響評価条例施行規則(昭和56年東京都規則第134号。平成14年東京都規則第280号による改正前のもの。以下同じ。)5条の規定は,上記項目として,大気汚染,悪臭,騒音,振動,水質汚濁,土壌汚染,地盤沈下,地形・地質,水文環境,植物・動物,日照阻害,電波障害,風害,景観,史跡・文化財等を定めている。)及び調査等の手法,対象事業を実施しようとする地域及びその周辺地域で当該対象事業の実施が環境に影響を及ぼすおそれがある地域等を記載した環境影響評価調査計画書を作成し,東京都知事に提出しなければならず(9条1項3号,4号),東京都知事は,調査計画書の提出があったときは,調査計画書に関する周知及び意見並びに調査計画書に係る審査意見書の作成の手続を執らなければならない(15条,19条),② 事業者は,調査計画書に係る審査意見書の送付を受けたときは,調査計画書に検討を加え,環境影響評価の項目及び調査等の手法を選定した(20条)上,調査計画書に基づき,対象事業の実施が環境に及ぼす影響について調査等を行い,環境影響評価書案及びその概要を作成し,東京都知事に提出しなければならず(22条),東京都知事は,評価書案及びその概要の提出があったときは,事業者が対象事業を実施しようとする地域及びその周辺地域で当該対象事業の実施が環境に影響を及ぼすおそれがある地域を関係地域として定め,評価書案に関する周知及び意見並びに評価 要の提出があったときは,事業者が対象事業を実施しようとする地域及びその周辺地域で当該対象事業の実施が環境に影響を及ぼすおそれがある地域を関係地域として定め,評価書案に関する周知及び意見並びに評価書案に係る審査意見書の作成の手続を執らなければならない(23条,25条,30条),③ 事業者は,評価書案に係る審査意見書の送付を受けたときは,評価書案に検討を加え,環境影響評価書及びその概要を作成し,東京都知事に提出しなければならず(31条),東京都知事は,環境影響評価書及びその概要の提出があったときは,その写しを当該対象 事業に係る許認可権者(都市計画法の規定による都市計画の決定の権限を有する者もその一人である。2条7号,8号)に送付し,当該許認可権者に対し,当該対象事業の実施についての許認可等を行うに際して当該評価書の内容について十分配慮するよう要請しなければならない(32条2項,33条),④ 対象事業が都市計画法の規定により都市計画に定められる場合においては,上記環境影響評価の手続のうち事業者に係る手続については,同法の規定により都市計画を定める者が事業者に代わるものとして,当該都市計画の決定をする手続と併わせて行うものとする(65条1項本文)と規定している。 これらの規定は,東京都に関する都市計画の決定に際し,環境影響評価の手続を通じて,公害の防止,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等について適正な配慮がされるようにすることも,その趣旨及び目的とするものであるということができる。 c 景観法は,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図ることをその目的とし(1条),良好な景観は,美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造 く風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図ることをその目的とし(1条),良好な景観は,美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることに鑑み,国民共通の資産として,現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう,その整備及び保全が図られなければならないことを基本理念の一つとするものであって(2条),上記(ウ)のとおり,健康で文化的な都市生活の確保を基本理念とする都市計画法を介して,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令と目的を共通にする関係法令であると解される。 景観法は,国及び地方公共団体は,良好な景観の形成に関する施策を策定し,及び実施する責務を有し(3条,4条),また,事業者は,基本理念にのっとり,土地の利用等の事業活動に関し,良好な景観の 形成に自ら努めるとともに,国又は地方公共団体が実施する良好な景観の形成に関する施策に協力しなければならない(5条)と規定した上で,景観行政団体は,都市,農山漁村その他市街地又は集落を形成している地域及びこれと一体となって景観を形成している地域における,現にある良好な景観を保全する必要があると認められる土地の区域等について,景観計画を定めることができる(8条1項)ところ,景観計画においては,景観計画区域のほか,景観計画区域における良好な景観の形成に関する方針,良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項等を定める(同条2項)ものと規定し,上記行為の制限に関する事項には,政令で定める基準に従い,建築物又は工作物の形態又は色彩その他の意匠(形態意匠)の制限,建築物又は工作物の高さの最高限度又は最低限度,壁面の位置の制限又は建築物の敷地面積の最低限度,その他良好な景観の形成のための に従い,建築物又は工作物の形態又は色彩その他の意匠(形態意匠)の制限,建築物又は工作物の高さの最高限度又は最低限度,壁面の位置の制限又は建築物の敷地面積の最低限度,その他良好な景観の形成のための制限であって,16条3項又は17条1項の規定による規制又は措置の基準として必要なものを定めなければならない(8条3項)と規定し,さらに,景観計画は,環境基本計画(当該景観計画区域について公害防止計画が定められているときは,当該公害防止計画を含む。)との調和が保たれるものでなければならず(同条5項),都市計画区域について定める景観計画は,都市計画法6条の2第1項の都市計画区域の整備,開発及び保全の方針に適合するものでなければならない(景観法8条6項)と規定している。そして,景観法は,景観区域内において,建築物の新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更,工作物の新設,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更等をしようとする者は,あらかじめ,行為の種類,場所,設計又は施行方法,着手予定日その他国土交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届 け出なければならず(16条1項),景観行政団体の長は,上記届出があった場合において,その届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認めるときは,30日以内に,その届出をした者に対し,その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができ(同条3項及び4項),良好な景観の形成のために必要があると認めるときは,原則として30日以内に,特定届出対象行為(上記建築物の建築等又は工作物の建設等のうち,当該景観行政団体の条例で定めるものをいう。)について,景観計画に定 観の形成のために必要があると認めるときは,原則として30日以内に,特定届出対象行為(上記建築物の建築等又は工作物の建設等のうち,当該景観行政団体の条例で定めるものをいう。)について,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合しないものをしようとする者又はした者に対し,当該制限に適合させるため必要な限度において,当該行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを命ずることができる(17条1項前段及び2項)と規定している。 景観計画に関するこれらの規定は,良好な景観の形成を促進するための施策を総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図ることをその趣旨及び目的とするものである。そして,これらの規定は,景観計画が公害防止計画との調和を保ち,都市計画法6条の2第1項の都市計画区域の整備,開発及び保全の方針(いわゆる都市計画区域のマスタープラン)に適合するものでなければならないとするものであるが,市町村は,都市計画区域又は準都市計画区域内の土地の区域については,市街地の良好な景観の形成を図るため,都市計画に,景観地区を定めることができ(景観法61条1項),景観地区に関する都市計画には,建築物の形態意匠の制限を定めるとともに,建築物の高さの最高限度又は最低限度等の事項のうち必要なものを定めるものとされている(同条2項前段)ところ,この場合に,これら に相当する事項が定められた景観計画に係る景観計画区域内においては,当該都市計画は当該景観計画による良好な景観の形成に支障がないように定めるものとするとされている(同条2項後段)ことからすれば,都市計画の決定は,上記のような景観計画に関する景観法の規定の趣旨及び目的を踏まえて 当該景観計画による良好な景観の形成に支障がないように定めるものとするとされている(同条2項後段)ことからすれば,都市計画の決定は,上記のような景観計画に関する景観法の規定の趣旨及び目的を踏まえて,景観計画による良好な景観の形成に支障がないように行われることが求められるということができる。 d 世田谷区風景づくり条例は,景観法の規定に基づく景観計画の策定,行為の規制その他の風景づくりに関して必要な事項を定めることにより,風景づくりを総合的かつ計画的に進めることをその目的とするものであって(1条),上記cのとおり,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令と目的を共通にする関係法令であると解される景観法の規定を受け,良好な景観の形成を促進するための施策を地域の実情に即して総合的に講じようとするものであるから,景観法と同様に,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令と目的を共通にする関係法令であると解される。 世田谷区風景づくり条例は,区が同条例の目的を達成するための基本的かつ総合的な施策を策定し,これを実施しなければならない責務を有すると規定し(5条1項),区長は,風景づくりを推進するため,風景づくり計画を策定するものとするとした上(6条1項),風景づくり計画には,景観法8条1項に規定する景観計画として,同条2項の規定に基づく事項を定めるものとするとし(同条2項),区長は,景観法8条3項2号に規定する規制又は措置の基準として,風景づくりの基準を風景づくり計画に定めるものとするとしている(25条1項)。また,同条例は,区長は,景観計画区域内において,風景づくりを重点的に推進する必要があると認める区域を,風景づくり重点区域として風景づくり計画に定めることができるとしている(26条1 項)。その上で, は,区長は,景観計画区域内において,風景づくりを重点的に推進する必要があると認める区域を,風景づくり重点区域として風景づくり計画に定めることができるとしている(26条1 項)。その上で,世田谷区風景づくり条例31条ないし33条の各規定は,景観法16条ないし18条の規定と共に,前提事実(12)イ(イ)のとおり,① 景観計画区域内において,建築物の建築等,工作物の建設等をしようとする者は,あらかじめ所定の事項を区長に届け出なければならない,② 区長は,「風景づくり計画」において良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項を定めたときは,当該行為の制限に適合しない行為をしようとする者又はした者に対し,当該行為の制限に適合させるため,必要な措置をとるよう指導することができ,上記届出があった場合において,その届出に係る行為が「風景づくりの基準」に適合しないと認めるときは,あらかじめ世田谷区風景づくり委員会の意見を聴いた上で,その届出をした者に対し,その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができ,勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わないときは,その旨を公表することができる,③ 区長は,良好な景観の形成のために必要があると認めるときは,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合しないものをしようとする者又はした者に対し,当該制限に適合させるため必要な限度において,当該行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを命ずることができ,この処分に違反した者又はその者から当該建築物又は工作物についての権利を承継した者に対して,相当の期限を定めて,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合させるため必要な限度において,その原状回復を命じ,又は原状回復が著しく困 工作物についての権利を承継した者に対して,相当の期限を定めて,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合させるため必要な限度において,その原状回復を命じ,又は原状回復が著しく困難である場合に,これに代わるべき必要な措置をとることを命ずることができるものとしている。そして,世田谷区は,景観法8条1項の景観計画である「風景づくり計画」を策定するとともに,同条2項2号及び3項2号の各規定に基づき,「風景づくりの方針」及び「風 景づくりの基準」を定め,前提事実(12)のとおり,風景軸の考え方,風景づくりの方針及び風景づくりの基準を定めている。 世田谷区の景観計画に関するこれらの規定は,景観法の規定を受け,良好な景観の形成を促進するための施策を地域の実情に即して総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図ることをその趣旨及び目的とするものであると解される。そして,これらの規定が,景観法の規定を受け,その定めを地域の実情に即してより具体的なものとするものであることによれば,世田谷区に関する都市計画の決定は,前記cのとおりの景観計画に関する景観法の規定の趣旨及び目的を踏まえて,世田谷区の景観計画である「風景づくり計画」による良好な景観の形成に支障がないように行われることが求められるということができる(なお,前提事実(14)のとおり,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は平成12年6月26日にされたものであって,その時点においては,上記「風景づくり計画」はいまだ策定されていなかったのであるが,上記のとおり,世田谷区に関する都市計画の決定は,景観計画に関する景観法の規定の趣旨及び目的を踏まえて,世田谷区の景観計画である「風景 上記「風景づくり計画」はいまだ策定されていなかったのであるが,上記のとおり,世田谷区に関する都市計画の決定は,景観計画に関する景観法の規定の趣旨及び目的を踏まえて,世田谷区の景観計画である「風景づくり計画」による良好な景観の形成に支障がないように行われることが求められることからすると,本件設立認可がされた平成22年6月30日の時点において,本件市街地再開発事業に関する都市計画は世田谷区の景観計画である「風景づくり計画」による良好な景観の形成に支障を生じさせるものであることが明らかではなかったものと推認される。)。 (オ)本件設立認可の根拠となる法令の趣旨及び目的前記(イ)aのとおり,都市再開発法は,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り,もって公共の福祉に寄与 することをその目的とするものであり,また,前記(ウ)bのとおり,都市計画法は,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することをその目的とするものである。そして,前記(イ)aのとおり,市街地再開発組合の設立認可は,その事業計画の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合することを基準の一つとしてされるものであるところ,前記(イ)b及びcの都市再開発法の規定並びに前記(ウ)bの都市計画法の規定のうち第一種市街地再開発事業に関する都市計画についてのものに加えて,前記(エ)の環境基本法等の規定の趣旨及び目的をも参酌すれば,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法及び都市計画法の規定は,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新ないし都市の健全な発展と秩序ある整備を図るだけではなく,公害(すなわち相当範囲にわたる大気の汚染,水質の 再開発法及び都市計画法の規定は,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新ないし都市の健全な発展と秩序ある整備を図るだけではなく,公害(すなわち相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭)により施行区域の周辺に居住する住民に健康又は生活環境に係る被害が生ずることを防止し,もって健康で文化的な都市生活を確保し,良好な生活環境を保全することも,その趣旨及び目的とするものであると解される。また,前記(エ)bによれば,原告らが本件設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者であるか否かを検討するに当たっては,東京都環境影響評価条例の規定が,東京都に関する都市計画の決定に際し,環境影響評価の手続を通じて,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等について適正な配慮がされるようにすることもその趣旨及び目的としていることをも参酌すべきである。 (カ)本件設立認可において考慮されるべき利益の内容及び性質(その1)都市再開発法若しくは都市計画法又はそれらの関係法令に違反して市街地再開発組合の設立認可がされることにより,そのような市街地再開 発組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭が生ずるものと仮にした場合,それによる被害を直接的に受けるのは,施行区域の周辺の一定範囲の地域に居住する住民に限られ,その場合,その被害の程度は,居住地が施行区域に接近するにつれて増大するものと考えられる。また,このような事業の施行に係る施行区域の周辺に居住する住民が,当該地域に居住し続けることにより上記の被害を反復,継続して受けたものと仮にした場合,その被害は,これらの住民の健康や生活環境に係る著しい被害に うな事業の施行に係る施行区域の周辺に居住する住民が,当該地域に居住し続けることにより上記の被害を反復,継続して受けたものと仮にした場合,その被害は,これらの住民の健康や生活環境に係る著しい被害にも至りかねないものである。 市街地再開発組合の設立認可に関する都市再開発法及び都市計画法の規定は,その趣旨及び目的に鑑みれば,施行区域の周辺に居住する住民に対し,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染等が仮に生ずるのであればそれによって健康又は生活環境に係る著しい被害を受けないという具体的利益を保護しようとするものであると解されるところ,前記のような被害の内容,性質,程度等に照らせば,この具体的利益は,一般的公益の中に吸収解消させることが困難なものであるということができる。 (キ)前記(オ)及び(カ)のような,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法及び都市計画法の規定の趣旨及び目的,これらの規定が市街地再開発組合の設立認可の制度を通して保護しようとしている利益の内容及び性質等を考慮すれば,都市再開発法及び都市計画法は,これらの規定を通じて,都市の健全な発展と秩序ある整備を図るなどの公益的見地から市街地再開発組合の施行する市街地再開発事業を規制するとともに,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染等が仮に生ずるのであればそれにより健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある個々の住民 に対して,そのような被害を受けないという利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。したがって,市街地再開発組合の事業の施行区域の周辺に居住する住民のうち,当該組合の事業の 利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。したがって,市街地再開発組合の事業の施行区域の周辺に居住する住民のうち,当該組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染等が仮に生じた場合にそれによる健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該市街地再開発組合の設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有するものというべきである。 もっとも,都市再開発法による市街地再開発事業は,道路や都市高速鉄道のような都市施設の整備に関する事業とは異なり,その事業が施行されることにより整備される建築物又は建築敷地それ自体から相当範囲にわたる大気の汚染等が生ずることは通常考え難い。また,都市計画事業が施行されることにより整備される施設それ自体から相当範囲にわたる大気の汚染等が生ずるか否かは,同種の都市計画事業であってもその具体的内容により異なるものである(同種の都市計画事業であっても,それにより整備される施設の具体的内容によって,周辺の環境に及ぼす影響は異なるものと考えられる。)ところ,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法及び都市計画法の規定は,市街地再開発事業の具体的内容については,市街地再開発組合の事業計画の内容である施行地区,設計の概要等を規制するにとどまり,市街地再開発事業により建築される施設建築物の敷地,構造及び建築設備等の詳細までは規制しておらず,この点についての規制は,主として建築基準法が定める建築基準関係規定及びその関係法令等により行われることが予定されているということができる。そして,そうであるとすると,周辺住民に市街地再開発組合の設立認可の取消訴訟にお ,主として建築基準法が定める建築基準関係規定及びその関係法令等により行われることが予定されているということができる。そして,そうであるとすると,周辺住民に市街地再開発組合の設立認可の取消訴訟における原告適格を肯定するためには,当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画の内容や 市街地再開発組合の事業計画の内容(施行地区,設計の概要等)に照らして,それらの内容が都市再開発法及び都市計画法の規定に違反することにより当該組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると認められることを要するというべきである。 (ク)本件設立認可において考慮されるべき利益の内容及び性質(その2)a これに対して,都市再開発法若しくは都市計画法又はそれらの関係法令に違反して市街地再開発組合の設立認可がされた場合に,そのような市街地再開発組合の事業の施行に起因する自然環境若しくは歴史的環境又は景観の破壊による被害を,このような事業の施行に係る施行区域の周辺に居住する住民が受けたとしても,その被害がこれらの住民の健康や生活環境に係る著しい被害に直ちに至るということはできない。 b また,なるほど,都市の景観は,それが,良好な風景として,人々の歴史的又は文化的環境を形作り,豊かな生活環境を構成する場合には,客観的価値を有するというべきであり,このような良好な景観に近接する地域内に居住し,その恵沢を日常的に享受している者は,良好な景観が有する客観的価値の侵害に対して密接な利害関係を有するというべきであって,これらの者が有する良好な景観の恵沢を享受する利益(景観利益)は,「景観権」という権利性を有する 受している者は,良好な景観が有する客観的価値の侵害に対して密接な利害関係を有するというべきであって,これらの者が有する良好な景観の恵沢を享受する利益(景観利益)は,「景観権」という権利性を有するとまでは認めることができないものの,法律上保護に値すると解するのが相当である(最高裁平成17年(受)第364号同18年3月30日第一小法廷判決・民集60巻3号948頁参照)ところ,前提事実(12)ア及びイのとおり,α1川及びα9崖線並びにその周辺地域は,平成17年4月に世田谷区風景づくり条例が定める「水と緑の風景軸」として指 定され,平成20年4月には世田谷区が策定した「風景づくり計画」において「風景づくり重点区域」として指定されている(なお,前提事実(2)のとおり,上記地域は,昭和8年1月24日に,α1川風致地区として指定されてもいる。)のであり,上記地域の景観は,良好な風景として世田谷区の住民等から一般的に評価され,近接する地域内に居住する人々の歴史的又は文化的環境を形作り,豊かな生活環境を構成するものとして,一定の客観的価値を有するに至っているということができる。そして,前記(オ)のとおり,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法及び都市計画法の規定は,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新ないし都市の健全な発展と秩序ある整備を図るだけではなく,公害により施行区域の周辺に居住する住民に健康又は生活環境に係る被害が生ずることを防止するとともに,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持についても環境影響評価等の手続を通じて適正な配慮がされるようにし,もって健康で文化的な都市生活を確保し,良好な生活環境を保全することも,その趣旨及び目的とするものであると解されるところ,これを景観の保持に 環境影響評価等の手続を通じて適正な配慮がされるようにし,もって健康で文化的な都市生活を確保し,良好な生活環境を保全することも,その趣旨及び目的とするものであると解されるところ,これを景観の保持について更にみると,前提事実(12)イのとおり,上記「風景づくり計画」は景観法8条1項の景観計画であって,同計画において,同条2項2号の景観計画区域における良好な景観の形成に関する方針である「風景づくりの方針」及び同条3項2号の規制又は措置の基準である「風景づくりの基準」が詳細に定められており(「風景づくりの方針」においては7項目の考え方と19項目の方針に,「風景づくりの基準」においては47項目の基準にそれぞれ及ぶ。),前記(エ)dのとおり,景観法の規定と世田谷区風景づくり条例の規定とが相俟って,景観計画に基づく行為の規制等が行われ,当該区域における良好な景観の整備及び保全が図られていることによれ ば,前記地域を施行区域とする第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定は,前記地域に近接する地域内に居住しその良好な景観の恵沢を日常的に享受している不特定多数の者が有する景観利益についても適正な配慮をして行われることが求められるということができる。 したがって,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法及び都市計画法の規定は,前記地域に近接する地域内に居住しその良好な景観の恵沢を日常的に享受している不特定多数の者が有する景観利益についても環境影響評価等の手続を通じて適正な配慮がされるようにすることも,その趣旨及び目的とするものであると解されるというべきである。 しかしながら,本来,景観といっても,その対象となる内容及び範囲を一義的に画することが直ちにできるものではなく,そもそもその価値はそれを見る者の主 あると解されるというべきである。 しかしながら,本来,景観といっても,その対象となる内容及び範囲を一義的に画することが直ちにできるものではなく,そもそもその価値はそれを見る者の主観的な評価による部分が極めて大きい。前記のように,その景観に客観的価値があるものとして景観利益が肯定され得る場合であっても,その景観利益の内容は,景観の性質,態様等によって異なり得るものであるし,社会の変化に伴って変化する可能性のあるものでもあるのであって(前掲最高裁平成18年3月30日第一小法廷判決参照),仮にこれが侵害されたとしても,被侵害者の健康被害や生活妨害を直ちに生じさせるという性質のものではなく,景観利益の侵害の有無や程度も,健康被害や日照・通風阻害等とは異なり主観的な価値判断に依拠する部分が大きい。また,景観利益は,連続的かつ無限定な広がりを有し得る周辺地域の居住者や来訪者等の不特定多数の者からの眺め,風景をその対象とするものであり,客体の面からも,主体の面からも,処分の結果が直接影響を及ぼすことになる範囲が性質上当然に特定されるというものではなく,法律上保護すべき範囲は必ずしも明白ではない。このような景観利益の内容,性 質等に照らせば,当該処分を定めた行政法規が良好な景観の保護をもその趣旨及び目的とするものであることが明らかであるだけではなく,保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等が上記行政法規及びその関係法令から具体的にうかがわれるのでなければ,上記行政法規が,不特定多数の者の景観利益を専ら一般的公益として保護しようとするにとどまらず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解するのは困難であるというべきである。 そこで,これを本件に 公益として保護しようとするにとどまらず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解するのは困難であるというべきである。 そこで,これを本件についてみると,上記(オ)のとおり,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法及び都市計画法の規定は,公害により施行区域の周辺に居住する住民に健康又は生活環境に係る被害が生ずることを防止するとともに,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持についても環境影響評価等の手続を通じて適正な配慮がされるようにし,もって健康で文化的な都市生活を確保し,良好な生活環境を保全することも,その趣旨及び目的とするものである。そして,第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等をうかがわせる都市再開発法及び都市計画法並びにその関係法令の規定としては,景観法が,景観行政団体は,都市,農山漁村その他市街地又は集落を形成している地域及びこれと一体となって景観を形成している地域における,現にある良好な景観を保全する必要があると認められる土地の区域等について,景観計画を定めることができる(8条1項)とした上,景観計画においては,景観計画区域のほか,景観計画区域における良好な景観の形成に関する方針,良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項等を定める(同条2項)ものとし,上記行為の制限に関する事項には,政令で定める基 準に従い,建築物又は工作物の形態又は色彩その他の意匠(形態意匠)の制限,建築物又は工作物の高さの最高限度又は最低限度,壁面の位置の制限又は建築物の敷地面積の最低限度,その他良好な景観の形成のための制限であって,16条3項又は17条1項の規定による規 態意匠)の制限,建築物又は工作物の高さの最高限度又は最低限度,壁面の位置の制限又は建築物の敷地面積の最低限度,その他良好な景観の形成のための制限であって,16条3項又は17条1項の規定による規制又は措置の基準として必要なものを定めなければならない(8条3項)と規定していることを指摘することができ,これらの規定に基づいて景観行政団体が策定した景観計画において,良好な景観の形成に関する方針及び良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項のうちの規制又は措置の基準が詳細かつ具体的に定められているのであれば,その定めから,第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等が具体的にうかがわれ,都市再開発法及び都市計画法並びにその関係法令の規定が,不特定多数の者の景観利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することができることとなる。 しかし,前提事実(12)イのとおり,世田谷区が平成20年4月に策定した景観計画である「風景づくり計画」においては,本件市街地再開発事業の施行区域を含む「水と緑の風景軸」に適用される良好な景観の形成に関する方針として「風景づくりの方針」が,良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項のうちの規制又は措置の基準として「風景づくりの基準」が,それぞれ定められ,風景軸の考え方として7項目が,風景づくりの方針として19項目が,風景づくりの基準として47項目が,それぞれ示されているものの,これらの項目は,いずれも第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法 として47項目が,それぞれ示されているものの,これらの項目は,いずれも第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定をするに当たって保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法 態様等が具体的にうかがわれるほどには詳細かつ具体的なものではなく,他に上記保護すべき景観の内容,場所的又は空間的な範囲,保護の方法態様等を具体的にうかがわせる規定は,市街地再開発組合の設立認可の根拠となる法令である都市再開発法及び都市計画法並びにその関係法令を精査するも見当たらない。 また,前記(イ)a及び(ウ)bのとおり,都市再開発法及び都市計画法の目的も,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新ないし都市の健全な発展と秩序ある整備を図ることにあり,前記のような性質を有する景観利益を一般的公益としての保護を超えてそれが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと見ることはできない。前記(エ)b及びcのとおり,東京都環境影響評価条例が,公害の防止だけではなく,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等についても,適正な配慮がされることを期することをその目的としていること,及び,景観法が,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図ることをその目的とし,良好な景観は,美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることに鑑み,国民共通の資産として,現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう,その整備及び保全が図られなければならないことを基本理念の一つとするものであることから直ちに,第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定の判断において,良好な景観を一般的公益の一つとして考慮することが求められ 全が図られなければならないことを基本理念の一つとするものであることから直ちに,第一種市街地再開発事業に関する都市計画の決定の判断において,良好な景観を一般的公益の一つとして考慮することが求められる以上に,景観利益をそれが帰属する個々人の個別的利益として保護することが求められているとまで解すべき根拠もない。 以上によれば,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因する景観の破壊による被害を受けないという利益については,都市再開発法 及び都市計画法の規定が,施行区域の周辺に居住する個々の住民に対して,そのような被害を受けないという利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することはできないのであって,市街地再開発組合の事業の施行区域の周辺に居住する住民の中に当該組合の事業が施行されることにより景観の破壊による被害を受けるとする者があったとしても,その者は,そのことのみを理由としては,当該市街地再開発組合の設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有するものではないというべきである。 c 次に,自然環境及び歴史的環境についてみると,前記(エ)bのとおり,東京都環境影響評価条例10条の規定は,環境影響評価の項目に関し,公害の防止,生活環境,自然環境,歴史的環境,人と自然との豊かな触れ合い,環境への負荷等について,規則で定めるもののうちから選択するものとすると定め,ここにいう「規則」である東京都環境影響評価条例施行規則5条の規定は,上記項目として,大気汚染,悪臭,騒音,振動,水質汚濁,土壌汚染,地盤沈下,地形・地質,水文環境,植物・動物,日照阻害,電波障害,風害,景観, 則」である東京都環境影響評価条例施行規則5条の規定は,上記項目として,大気汚染,悪臭,騒音,振動,水質汚濁,土壌汚染,地盤沈下,地形・地質,水文環境,植物・動物,日照阻害,電波障害,風害,景観,史跡・文化財等を定めているところ,自然環境及び歴史的環境の破壊による被害の中には,その内容及び性質において,相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭という公害に準ずるもの(日照阻害,風害等のように,都市再開発法若しくは都市計画法又はそれらの関係法令に違反して市街地再開発組合の設立認可がされることにより,そのような市街地再開発組合の事業の施行に起因してその破壊が生ずるものと仮にした場合,それによる被害を直接的に受けるのは,施行区域の周辺の一定範囲の地域に居住する住 民に限られ,その場合,その被害の程度は,居住地が施行区域に接近するにつれて増大するものと考えられるもので,このような事業の施行に係る施行区域の周辺に居住する住民が,当該地域に居住し続けることにより上記の被害を反復,継続して受けたものと仮にした場合,その被害は,これらの住民の健康や生活環境に係る著しい被害にも至りかねないもの)と,公害に準ずるということはできないもの(史跡・文化財等のように,その対象となる内容及び範囲を一義的に画することが直ちにできるものではなく,そもそもその価値はそれを見る者の主観的な評価による部分が極めて大きいものなど)とがあるということができる。 そして,市街地再開発組合の設立認可に関する都市再開発法及び都市計画法の規定は,その趣旨及び目的に鑑みれば,施行区域の周辺に居住する住民に対し,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因して日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊が仮に生ずるのであればそ び都市計画法の規定は,その趣旨及び目的に鑑みれば,施行区域の周辺に居住する住民に対し,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因して日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊が仮に生ずるのであればそれによって健康又は生活環境に係る著しい被害を受けないという具体的利益を保護しようとするものであると解されるところ,上記のような被害の内容,性質,程度等に照らせば,この具体的利益は,一般的公益の中に吸収解消させることが困難なものであるということができるから,東京都環境影響評価条例10条及び東京都環境影響評価条例施行規則5条の規定が掲げる環境影響評価の項目のうち,公害に準ずるもの(日照阻害,風害等)については,前記(キ)で検討したところと同様に,市街地再開発組合の事業の施行区域の周辺に居住する住民のうち,当該組合の事業の施行に起因して日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊が仮に生じた場合にそれによる健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者は,当該市街地再開発組合の設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者と して,その取消訴訟における原告適格を有するものというべきであるが,周辺住民に市街地再開発組合の設立認可の取消訴訟における原告適格を肯定するためには,当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画の内容や市街地再開発組合の事業計画の内容(施行地区,設計の概要等)に照らして,それらの内容が都市再開発法及び都市計画法の規定に違反することにより当該組合の事業の施行に起因して日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると認められることを要するというべきであることは,前記(キ)で検討したところと同様である。 (ケ)そこで,原告らの中に本件市街地再開 康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると認められることを要するというべきであることは,前記(キ)で検討したところと同様である。 (ケ)そこで,原告らの中に本件市街地再開発事業が施行されることにより相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭並びに日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれのある者があるか否かについてみるに,原告らは,本件市街地再開発事業が施行されることにより圧迫感,洪水被害,大気汚染,風害による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると主張するが,本件市街地再開発事業に関する都市計画の内容及び第二地区組合の事業計画の内容に照らして,原告らがこのような健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実は,本件全証拠によってもこれを認めるに足りない。 (コ)原告らの主張についてa 周辺住民以外の者の原告適格について原告らは,① 都市計画法が都市計画の決定に当たり公聴会の開催や都市計画の案の縦覧等という民主的な手続を履践して当該都市に居住する住民の意見を十分に反映すべきものとしていることからすれば,当該市街地再開発事業に関する都市計画を決定する都道府県に居住す る全ての住民に,市街地再開発組合の設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである,② 都市再開発法16条が事業計画の縦覧及び意見書の処理について定めている趣旨は,市街地再開発事業が周辺地域の住民に多大な影響を及ぼすことから,その権利を保全するため,あらかじめその意見を聴取して事業計画に必要な修正を加えようというものであり,都市再開発法は,市街地開発事業により 地再開発事業が周辺地域の住民に多大な影響を及ぼすことから,その権利を保全するため,あらかじめその意見を聴取して事業計画に必要な修正を加えようというものであり,都市再開発法は,市街地開発事業によりその権利を侵害される周辺住民に対し,自らの権利を保全するため事業計画に異議を述べる権利を保障しているのである,③ そもそも,都市というのは,そこに居住する者ばかりではなく,在勤者,在学者,医療,福祉,商業等の各種施設利用者,通行者,来訪者等の様々な関係者により総合的に構成され機能しているのであるから,関係地域外に居住する者であっても,関係地域内に在勤,在学し,各種施設を利用し,通行し,又は来訪するなど,その地域の都市環境を享受しているものには,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきである,④ 都市計画の手続については,周辺住民に限定することなく,当該都市の住民ないし当該都市の利用者に対し手続参加の保障が行われているのであって,これらの者にも,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであるなどと主張して,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する住民以外の者にも,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであるとする。 しかし,都市計画法が,都市計画の決定に住民の意思を反映させるため,公聴会の開催(16条),都市計画の案の縦覧等(17条)の手続を設け,都市再開発法が,市街地再開発組合の事業計画に住民の意思を反映させるため,事業計画の縦覧及び意見書の処理(16条)の手続を設けているのは,そのとおりであるが,そのことから,これらの法律が個々人の個別的具体的利益を離れて原告らの主張するよう な広範囲の住民の意見(立場)そのものを個別に保護する趣旨で行政権の行使に制約を課している とおりであるが,そのことから,これらの法律が個々人の個別的具体的利益を離れて原告らの主張するよう な広範囲の住民の意見(立場)そのものを個別に保護する趣旨で行政権の行使に制約を課しているとみることはできない。そして,都市再開発法若しくは都市計画法又はそれらの関係法令に違反して市街地再開発組合の設立認可がされることにより,そのような市街地再開発組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭並びに日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊が生ずるものと仮にした場合,それによる被害を直接的に受けるのは,施行区域の周辺の一定範囲の地域に居住する住民に限られ,その場合,その被害の程度は,居住地が施行区域に接近するにつれて増大するものと考えられることは,前記(カ)及び(ク)cのとおりであり,また,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因する景観の破壊による被害を受けないという利益については,都市再開発法及び都市計画法の規定が,そのような被害を受けないという利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することができないことは,前記(ク)bのとおりであって,原告らの上記主張は採用することができない。 b 圧迫感について原告らは,圧迫感を受けずに生活する権利も日照権などと共に住環境に関する人格権の一つとして法的保護に値する権利であり,原告らから依頼を受けた一級建築士がした形態率による方法による圧迫感の測定の結果によれば形態率が8%を超えている世田谷区α6×又はα6××に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張する。 率による方法による圧迫感の測定の結果によれば形態率が8%を超えている世田谷区α6×又はα6××に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張する。 しかし,圧迫感は,相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下及び悪臭という公害には含まれな いものであるし,その被害を反復,継続して受けた場合にその被害が人の健康や生活環境に係る著しい被害にも至りかねないものであるとはにわかに認めることができず,前記(ク)cの日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊に当たるものとも解されない。また,仮に圧迫感が日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊に当たるものとしても,前記(ク)cのとおり,周辺住民に市街地再開発組合の設立認可の取消訴訟における原告適格を肯定するためには,当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画の内容や市街地再開発組合の事業計画の内容(施行地区,設計の概要等)に照らして,それらの内容が都市再開発法及び都市計画法の規定に違反することにより当該組合の事業の施行に起因して日照阻害,風害等の公害に準ずる環境破壊による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると認められることを要するところ,本件市街地再開発事業に関する都市計画の内容及び第二地区組合の事業計画の内容に照らして,本件市街地再開発事業が施行されることにより,原告らが圧迫感による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実を直ちに認めることはできないというべきであるし,仮にその点はおくとしても,甲第2号証(事業計画書案)並びに甲第111号証の1及び2(世田谷区の地図で原告らの住所地に印を付したもの)により認められる本件市街地再開発事業の施行区域と原告らの居 し,仮にその点はおくとしても,甲第2号証(事業計画書案)並びに甲第111号証の1及び2(世田谷区の地図で原告らの住所地に印を付したもの)により認められる本件市街地再開発事業の施行区域と原告らの居住地との距離関係からすると,原告らが本件市街地再開発事業の施行により建築される建築物から受ける圧迫感により健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあるとは認めることができないのであって,原告らの上記主張は採用することができない。 c 洪水被害について原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する 者は,洪水被害によりその生命,身体及び財産が危険にさらされるおそれがあるのであるから,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張する。 しかし,仮に洪水被害が公害に準ずる環境破壊に当たるとしても,本件市街地再開発事業に関する都市計画の内容及び第二地区組合の事業計画の内容に照らして,本件市街地再開発事業が施行されることにより,原告らが洪水被害による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実を直ちに認めることはできないというべきである。また,仮に原告らが指摘する人工地盤及び巨大な地下構造物を建築する点を考慮するとしても,甲第44号証(平成12年5月付け環境影響評価書の概要)及び甲第90号証(同月付け環境影響評価書)によれば,本件市街地再開発事業の施行により帯水層に地下構造物が構築された後も,地下水はその周囲を回り込んで流れると推測され,地下水の遮断ないし流動阻害が生ずるおそれは少ないと認められるのであって,本件市街地再開発事業の施行によりその施行区域の周辺に居住する者に洪水被害が生ずるおそれがあると認めることはできないという ,地下水の遮断ないし流動阻害が生ずるおそれは少ないと認められるのであって,本件市街地再開発事業の施行によりその施行区域の周辺に居住する者に洪水被害が生ずるおそれがあると認めることはできないというべきである。原告らの上記主張は採用することができない。 d 大気汚染について原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,自動車の交通量が極めて多い幹線道路に囲まれているところ,本件市街地再開発事業の施行により,そのような地域に1日当たり2万5400台もの交通量の増加がもたらされるのであるから,自動車の排気ガスを原因とする大気汚染が住民に健康上の被害を及ぼすほどに悪化することは明白であり,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべ きであると主張する。 しかし,前記(キ)のとおり,周辺住民に市街地再開発組合の設立認可の取消訴訟における原告適格を肯定するためには,当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画の内容や市街地再開発組合の事業計画の内容(施行地区,設計の概要等)に照らして,それらの内容が都市再開発法及び都市計画法の規定に違反することにより当該組合の事業の施行に起因して相当範囲にわたる大気の汚染等による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあると認められることを要するところ,本件市街地再開発事業に関する都市計画の内容及び第二地区組合の事業計画の内容に照らして,本件市街地再開発事業が施行されることにより,原告らが大気汚染による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実を直ちに認めることはできないというべきであるし,仮に原告らが指摘する開発交通量の発生が予測される点を考慮す ,原告らが大気汚染による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実を直ちに認めることはできないというべきであるし,仮に原告らが指摘する開発交通量の発生が予測される点を考慮するとしても,前記甲第44号証及び前記甲第90号証によれば,本件環境影響評価は,本件市街地再開発事業の施行による開発交通が大気質に与える影響について,① 開発交通による一酸化炭素濃度は0.0033ppmないし0.00395ppm,将来交通による濃度にバックグラウンド濃度を加えた将来の環境濃度は0.8781ppmないし1.0078ppmであり,付加率は0.4%ないし4.1%である,② 開発交通による二酸化窒素濃度は0.0001ppmないし0.0009ppm,将来交通による濃度にバックグラウンド濃度を加えた将来の環境濃度は0.0261ppmないし0.0300ppmであり,付加率は0.4%ないし3.2%であるとした上,③ 工事完了後の開発交通走行時における一酸化炭素濃度は2.00ppmないし2.17ppm,二酸化窒素濃度は0.048ppmないし0.053ppmとなり,環境基準値(一酸化炭素濃度につき10ppm,二酸化窒素濃度 につき0.06ppm)を下回ると評価していることが認められる。そして,このことに,前記甲第44号証及び前記甲第90号証によれば,本件環境影響評価は,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺の現況調査における大気質現地調査地点及び自動車交通量現地調査地点としても,工事完了後の開発交通による影響の予測地点としても,補助第○号線(α25通り)沿い,放射第4号線沿い等のほかに,本件市街地再開発事業の施行区域の北東のα7川との間の地点をも選定していると認めることができることをも考慮すると,本件環境影響評価に対する原告らの指摘(す 5通り)沿い,放射第4号線沿い等のほかに,本件市街地再開発事業の施行区域の北東のα7川との間の地点をも選定していると認めることができることをも考慮すると,本件環境影響評価に対する原告らの指摘(すなわち,浮遊粒子状物質の予測及び評価がされていない,空気よりも比重が重い大気汚染物質が滞留する可能性が高いα7川沿いの地域について測定が行われていない,調査の前提となる自動車交通量等の資料として最新のものが用いられていないという指摘)を斟酌してもなお,原告らが本件市街地再開発事業の施行により増加した自動車の交通量により健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあるという事実は,本件全証拠によってもこれを認めるに足りないというべきであって,原告らの上記主張は採用することができない。 e 景観利益の侵害について原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住して日常生活の中で豊かな景観利益を享受してきた者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められることは明らかであると主張するが,違法な市街地再開発組合の事業の施行に起因する自然環境若しくは歴史的環境又は景観の破壊による被害を受けないという利益については,都市再開発法及び都市計画法の規定が,施行区域の周辺地域に居住する個々の住民に対して,そのような被害を受けないという利益を専ら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属す る個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解することができないことは,前記(ク)bのとおりであり,原告らの上記主張は採用することができない。 なお,原告らは,前掲最高裁平成18年3月30日第一小法廷判決を引用するが,この判例は,不法行為の成否の場面において,景観 のとおりであり,原告らの上記主張は採用することができない。 なお,原告らは,前掲最高裁平成18年3月30日第一小法廷判決を引用するが,この判例は,不法行為の成否の場面において,景観利益が民法709条に規定される「法律上保護される利益」に当たると判示したものであり,景観利益をもって直ちに市街地再開発組合の設立認可に係る抗告訴訟の原告適格を認める根拠とすることができるとしたものではない。 f 風害について原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域には,本件第一期事業により建築された超高層建築物群に上層を吹く風が当たり乱気流となることにより,強烈なビル風が渦巻くという著しい風害が発生しているところ,本件第二期事業により超高層建築物が新たに建築されると,その被害はますます深刻なものとなるのであり,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域に居住する者には,本件設立認可の取消しを求める原告適格が認められるべきであると主張する。 しかし,風害が公害に準ずる環境破壊に当たるとしても,本件市街地再開発事業に関する都市計画の内容及び第二地区組合の事業計画の内容に照らして,本件市街地再開発事業が施行されることにより,原告らが風害による健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがある事実を直ちに認めることはできないというべきであるし,仮に原告らが指摘する基準風となる上空風を考慮するとしても,前記甲第44号証及び前記甲第90号証によれば,本件環境影響評価は,本件市街地再開発事業の施行による施行区域の周辺(予測地点93地点)における風環境の変化について,① 風速比の状況は,大部 分の予測地点で,現況の風速比が0.02ないし0.50であるのに対して,工事完了後の風速比は0 よる施行区域の周辺(予測地点93地点)における風環境の変化について,① 風速比の状況は,大部 分の予測地点で,現況の風速比が0.02ないし0.50であるのに対して,工事完了後の風速比は0.04ないし0.50であり,大きな変化はない,② 風環境評価の状況は,工事完了後の風環境評価ランクを現況と比較すると,施行区域の南西にあるα25通り沿いで評価ランク1(住宅地の商店街や野外レストランで許容される程度)が評価ランク2(住宅地や公園で許容される程度)に上昇している地点があるが,多くの地点では現況の評価ランク1と変化はない,③ 上記風環境評価は,α21測定局(風向・風速計の高さ25m)のデータを基準風として使用したものであるが,仮に東京管区気象台(風向・風速計の高さ74.6m)のデータを基準風として使用したとしても,2地点で風環境に変化があるだけであって,他の地点では風環境に変化がないから,α21局のデータを基準風として使用することに問題はないと考えるとした上,④ 本件市街地再開発事業の施行による施行区域の周辺の風環境の変化の程度について,南西側のα25通り沿いの一部においては,風環境評価ランクが1から2に変化し,強い風が吹く頻度が現況よりもやや多くなるが,住宅地,公園で許容される程度であり,その他の地域においては,現況の風環境とほとんど変化はないと評価していることが認められる。そして,このことに,前記甲第2号証並びに甲第111号証の1及び2により認められる本件市街地再開発事業の施行区域と原告らの居住地との距離関係をも考慮すると,本件第一期事業により高層建築物が建築された結果,強い風が吹き,歩行に支障を来すなどの指摘がされ,世田谷区から第二地区組合に対して風対策の指導がされていること(甲109)などを斟酌してもなお,原告らが 第一期事業により高層建築物が建築された結果,強い風が吹き,歩行に支障を来すなどの指摘がされ,世田谷区から第二地区組合に対して風対策の指導がされていること(甲109)などを斟酌してもなお,原告らが本件市街地再開発事業の施行により建築された建築物によって生じたビル風により健康又は生活環境に係る著しい被害を直接的に受けるおそれがあるという事実は,本件全証拠によっても これを認めるに足りないというべきであって,原告らの上記主張は採用することができない。 2 以上のとおり,原告らは,いずれも,本件設立認可により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者に該当するということができず,本件設立認可の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者ではないから,本件各訴えはいずれも不適法なものというべきである。 第4 結論よって,本件各訴えをいずれも却下することとし,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官川神裕 裁判官内野俊夫 裁判官日暮直子 (別紙2)関係法令の定め 1 都市再開発法(1)1条(目的)この法律は,市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定め 別紙2)関係法令の定め 1 都市再開発法(1)1条(目的)この法律は,市街地の計画的な再開発に関し必要な事項を定めることにより,都市における土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図り,もって公共の福祉に寄与することを目的とする。 (2)2条の2(市街地再開発事業の施行)市街地再開発組合は,第一種市街地再開発事業の施行区域内の土地について第一種市街地再開発事業を施行することができる。(2項)(3)7条の11(事業計画)事業計画においては,国土交通省令で定めるところにより,施行地区(施行地区を工区に分けるときは,施行地区及び工区),設計の概要,事業施行期間及び資金計画を定めなければならない。(1項)(4)11条(認可)第一種市街地再開発事業の施行区域内の宅地について所有権又は借地権を有する者は,5人以上共同して,定款及び事業計画を定め,国土交通省令で定めるところにより,都道府県知事の認可を受けて組合を設立することができる。(1項)(5)12条(事業計画及び事業基本方針)7条の11及び7条の12の規定は,前条1項又は3項の事業計画について準用する。(1項)(6)16条(事業計画の縦覧及び意見書の処理)ア都道府県知事は,11条1項又は3項の規定による認可の申請があったときは,施行地区となるべき区域(中略)を管轄する市町村長に,当該事 業計画を2週間公衆の縦覧に供させなければならない。ただし,当該申請に関し明らかに次条各号の一に該当する事実があり,認可すべきでないと認めるときは,この限りでない。(1項)イ当該第一種市街地再開発事業に関係のある土地若しくはそ ならない。ただし,当該申請に関し明らかに次条各号の一に該当する事実があり,認可すべきでないと認めるときは,この限りでない。(1項)イ当該第一種市街地再開発事業に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件について権利を有する者又は参加組合員は,前項の規定により縦覧に供された事業計画について意見があるときは,縦覧期間満了の日の翌日から起算して2週間を経過する日までに,都道府県知事に意見書を提出することができる。ただし,都市計画において定められた事項については,この限りでない。(2項)ウ都道府県知事は,前項の規定により意見書の提出があったときは,その内容を審査し,その意見書に係る意見を採択すべきであると認めるときは事業計画に必要な修正を加えるべきことを命じ,その意見書に係る意見を採択すべきでないと認めるときはその旨を意見書を提出した者に通知しなければならない。(3項)エ前項の規定による意見書の内容の審査については,行政不服審査法中処分についての異議申立ての審理に関する規定を準用する。(4項)(7)17条(認可の基準)都道府県知事は,11条1項から3項までの規定による認可の申請があった場合において,次の各号のいずれにも該当しないと認めるときは,その認可をしなければならない。 ア申請手続が法令に違反していること。(1号)イ定款又は事業計画若しくは事業基本方針の決定手続又は内容が法令(事業計画の内容にあっては,前条3項に規定する都道府県知事の命令を含む。)に違反していること。(2号)ウ事業計画又は事業基本方針の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合せず,又は事業施行期間が適切でないこと。(3号) エ当該第一種市街地再開発事業を遂 )ウ事業計画又は事業基本方針の内容が当該第一種市街地再開発事業に関する都市計画に適合せず,又は事業施行期間が適切でないこと。(3号) エ当該第一種市街地再開発事業を遂行するために必要な経済的基礎及びこれを的確に遂行するために必要なその他の能力が十分でないこと。(4号)(8)18条(組合の成立)組合は,11条1項又は2項の規定による認可により成立する。 (9)19条(認可の公告等)ア都道府県知事は,11条1項又は3項の規定による認可をしたときは,遅滞なく,国土交通省令で定めるところにより,組合の名称,事業施行期間,施行地区(施行地区を工区に分けるときは,施行地区及び工区。以下この条において同じ。)その他国土交通省令で定める事項を公告し,かつ,国土交通大臣及び関係市町村長に施行地区及び設計の概要を表示する図書を送付しなければならない。(1項)イ組合は,11条1項の認可に係る1項の公告があるまでは組合の成立又は定款若しくは事業計画をもって,前項の公告があるまでは組合の成立又は定款若しくは事業基本方針をもって(中略)組合員その他の第三者に対抗することができない。(3項)(10)20条(組合員)組合が施行する第一種市街地再開発事業に係る施行地区内の宅地について所有権又は借地権を有する者は,すべてその組合の組合員とする。(1項) 2 都市計画法(1)1条(目的)この法律は,都市計画の内容及びその決定手続,都市計画制限,都市計画事業その他都市計画に関し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。 (2)2条(都市計画の基本理念) し必要な事項を定めることにより,都市の健全な発展と秩序ある整備を図り,もって国土の均衡ある発展と公共の福祉の増進に寄与することを目的とする。 (2)2条(都市計画の基本理念) 都市計画は,農林漁業との健全な調和を図りつつ,健康で文化的な都市生活及び機能的な都市活動を確保すべきこと並びにこのためには適正な制限のもとに土地の合理的な利用が図られるべきことを基本理念として定めるものとする。 (3)13条(都市計画基準)ア都市計画区域について定められる都市計画(中略)は,国土形成計画,首都圏整備計画(中略)その他の国土計画又は地方計画に関する法律に基づく計画(当該都市について公害防止計画が定められているときは,当該公害防止計画を含む。)及び道路,河川,鉄道,港湾,空港等の施設に関する国の計画に適合するとともに,当該都市の特質を考慮して,次に掲げるところに従って,土地利用,都市施設の整備及び市街地開発事業に関する事項で当該都市の健全な発展と秩序ある整備を図るため必要なものを,一体的かつ総合的に定めなければならない。この場合においては,当該都市における自然的環境の整備又は保全に配慮しなければならない。(1項)(ア)(1号ないし11号は省略)(イ)市街地開発事業は,市街化区域又は区域区分が定められていない都市計画区域内において,一体的に開発し,又は整備する必要がある土地の区域について定めること。(12号)(ウ)(13号ないし19号は省略)イ都市計画区域について定められる都市計画は,当該都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受することができるように,住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を定めなければならない。(2項)(4)16条(公聴会の開催等)都道府 ,当該都市の住民が健康で文化的な都市生活を享受することができるように,住宅の建設及び居住環境の整備に関する計画を定めなければならない。(2項)(4)16条(公聴会の開催等)都道府県又は市町村は,(中略)都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等住民の意見を反映させる ために必要な措置を講ずるものとする。(1項)(5)17条(都市計画の案の縦覧等)ア都道府県又は市町村は,都市計画を決定しようとするときは,あらかじめ,国土交通省令で定めるところにより,その旨を公告し,当該都市計画の案を,当該都市計画を決定しようとする理由を記載した書面を添えて,当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならない。(1項)イ前項の規定による公告があったときは,関係市町村の住民及び利害関係人は,同項の縦覧期間満了の日までに,縦覧に供された都市計画の案について,都道府県の作成に係るものにあっては都道府県に,市町村の作成に係るものにあっては市町村に,意見書を提出することができる。(2項) 3 環境基本法(1)1条(目的)この法律は,環境の保全について,基本理念を定め,並びに国,地方公共団体,事業者及び国民の責務を明らかにするとともに,環境の保全に関する施策の基本となる事項を定めることにより,環境の保全に関する施策を総合的かつ計画的に推進し,もって現在及び将来の国民の健康で文化的な生活の確保に寄与するとともに人類の福祉に貢献することを目的とする。 (2)2条(定義)この法律において「公害」とは,環境の保全上の支障のうち,事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下(中略) (定義)この法律において「公害」とは,環境の保全上の支障のうち,事業活動その他の人の活動に伴って生ずる相当範囲にわたる大気の汚染,水質の汚濁,土壌の汚染,騒音,振動,地盤の沈下(中略)及び悪臭によって,人の健康又は生活環境(中略)に係る被害が生ずることをいう。(3項)(3)17条(公害防止計画の作成)ア環境大臣は,次のいずれかに該当する地域について,関係都道府県知事に対し,その地域において実施されるべき公害の防止に関する施策に係る基本方針を示して,その施策に係る計画(以下「公害防止計画」とい う。)の策定を指示するものとする。(1項。平成23年法律第105号による改正前のもの)(ア)現に公害が著しく,かつ,公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難であると認められる地域(1号)(イ)人口及び産業の急速な集中その他の事情により公害が著しくなるおそれがあり,かつ,公害の防止に関する施策を総合的に講じなければ公害の防止を図ることが著しく困難になると認められる地域(2号)イ関係都道府県知事は,1項の規定による指示を受けたときは,同項の基本方針に基づき公害防止計画を作成し,環境大臣に協議し,その同意を得なければならない。(3項。平成23年法律第105号による改正前のもの) 4 東京都環境影響評価条例(昭和55年東京都条例第96号。平成14年東京都条例第127号による改正前のもの。以下同じ。)(1)1条(目的)この条例は,環境影響評価及び事後調査の手続に関し必要な事項を定めることにより,事業の実施に際し,公害の防止,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等について適正な配慮がなされることを期し,もって都民の健康で快適な生活の び事後調査の手続に関し必要な事項を定めることにより,事業の実施に際し,公害の防止,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等について適正な配慮がなされることを期し,もって都民の健康で快適な生活の確保に資することを目的とする。 (2)2条(定義)この条例において次の各号に掲げる用語の意義は,それぞれ当該各号に定めるところによる。 ア環境影響評価環境に著しい影響を及ぼすおそれのある事業の実施が環境に及ぼす影響について事前に調査,予測及び評価(以下,この条例において「調査等」という。)を行い,これらの結果について公表することをいう。(1号) イ (2号ないし8号は省略)(3)9条(調査計画書の作成)事業者は,対象事業を実施しようとするときは,知事があらかじめ定める環境影響評価に係る技術上の指針(以下,この条例において「技術指針」という。)に基づき,規則で定めるところにより,次に掲げる事項を記載した環境影響評価調査計画書(以下,この条例において「調査計画書」という。)を作成し,知事に提出しなければならない。(1項)ア (1号,2号は省略)イ象事業に係る環境影響評価の項目及び調査等の手法(当該手法が決定されていない場合にあっては,対象事業に係る環境影響評価の項目)(3号)ウ対象事業を実施しようとする地域及びその周辺地域で当該対象事業の実施が環境に影響を及ぼすおそれがある地域並びにその地域の概況(4号)エ (5号は省略)(4)10条(環境影響評価の項目)環境影響評価の項目は,公害の防止,生活環境,自然環境,歴史的環境,人と自然との豊かな触れ合い,環境への負荷等について,規則で定めるもののうちから選択するものとする。 (5)1 項目)環境影響評価の項目は,公害の防止,生活環境,自然環境,歴史的環境,人と自然との豊かな触れ合い,環境への負荷等について,規則で定めるもののうちから選択するものとする。 (5)15条(調査計画書についての公示及び縦覧)知事は,調査計画書の提出があったときは,遅滞なく,当該調査計画書の提出があった旨その他規則で定める事項を公示し,当該調査計画書を,公示の日から起算して30日間,規則で定めるところにより縦覧に供しなければならない。 (6)16条(都民の意見書の提出)都民は,前条の規定により縦覧に供された調査計画書の内容について,同条の公示の日から起算して45日以内に,環境の保全の見地からの意見書を 知事に提出することができる。(1項)(7)19条(調査計画書に係る審査意見書の作成)ア知事は,13条の規定による諮問について審議会の答申を受けたときは,9条1項の規定により提出された調査計画書について,次に掲げる事項を勘案して,環境の保全の見地から審査し,その結果に基づく意見を記載した審査意見書を作成しなければならない。(1項)(ア)16条1項の意見書(1号)(イ)17条1項の求めに応じて提出された周知区市町村長の意見(2号)(ウ)前条1項の調査計画書に係る見解書(3号)イ知事は,前項の審査意見書を作成したときは,当該審査意見書を事業者に,その写しを周知地域区市町村長に送付するとともに,その内容を公表するものとする。(2項)(8)20条(環境影響評価の項目等の選定)事業者は,前条1項の審査意見書の送付を受けたときは,調査計画書について,当該審査意見書並びに16条1項の意見書及び17条1項の求めに応じて提出された周知地域区市町 響評価の項目等の選定)事業者は,前条1項の審査意見書の送付を受けたときは,調査計画書について,当該審査意見書並びに16条1項の意見書及び17条1項の求めに応じて提出された周知地域区市町村長の意見を勘案して検討を加え,環境影響評価の項目及び調査等の手法を選定しなければならない。 (9)22条(評価書案の作成)事業者は,調査計画書(中略)に基づき,対象事業の実施が環境に及ぼす影響について調査等を行い,規則で定めるところにより,次に掲げる事項を記載した環境影響評価書案(以下,この条例において「評価書案」という。)及びその概要(以下,この条例において「評価書案等」という。)を作成し,規則で定める時期までに知事に提出しなければならない。 ア (1号ないし4号は省略)イ調査の結果(5号)ウ評価項目ごとに環境に及ぼす影響の内容及び程度(6号) エ環境の保全のための措置(当該措置を講ずることとするに至った検討の状況を含む。)(7号)オ環境に及ぼす影響の評価(8号)カ対象事業を実施しようとする地域及びその周辺地域で当該対象事業の実施が環境に影響を及ぼすおそれのある地域(9号)キ (10号は省略)(10)23条(関係地域の決定及び評価書案等の送付)知事は,前条の規定による評価書案等の提出があったときは,遅滞なく,関係地域(中略)を定めるとともに,当該評価書案の写しを関係区市町村長(中略)に送付しなければならない。(1項)(11)25条(関係地域及び評価書案についての公示及び縦覧)知事は,23条1項の規定により関係地域を定めたときは,遅滞なく,当該関係地域の範囲及び評価書案等の提出があった旨その他規則で定める事項を公示し 係地域及び評価書案についての公示及び縦覧)知事は,23条1項の規定により関係地域を定めたときは,遅滞なく,当該関係地域の範囲及び評価書案等の提出があった旨その他規則で定める事項を公示し,当該評価書案を,公示の日から起算して30日間,規則で定めるところにより縦覧に供しなければならない。 (12)26条(説明会の開催等)事業者は,前条の縦覧期間内に,評価書案の内容を関係地域の住民に周知するため,関係地域内において説明会を開催するほか,当該評価書案の要旨を記載した書類の配布その他の必要な措置を講じなければならない。この場合において,関係地域内に説明会を開催する適当な場所がないときは,関係地域の周辺の地域において説明会を開催することができる。(1項)(13)27条(都民等の意見)16条(中略)の規定は,22条の規定により提出された評価書案について準用する。(前段)(14)28条(公聴会の開催等)知事は,25条の縦覧期間を経過した後,22条の規定により提出された 評価書案の内容について都民の意見を聴くため,公聴会を開催しなければならない。(1項)(15)30条(評価書案に係る審査意見書の作成等)ア知事は,24条の規定による諮問について審議会の答申を受けたときは,22条の規定により提出された評価書案について,次に掲げる事項を勘案して,環境の保全の見地から審査し,その結果に基づく意見を記載した審査意見書を作成しなければならない。(1項)(ア)16条1項の規定により提出された意見書(1号)(イ)17条1項の求めに応じて提出された関係区市町村長の意見(2号)(ウ)28条3項の規定により作成した公聴会の記録に記載された意見(3号)(エ) 出された意見書(1号)(イ)17条1項の求めに応じて提出された関係区市町村長の意見(2号)(ウ)28条3項の規定により作成した公聴会の記録に記載された意見(3号)(エ)前条1項の規定により提出された見解書(4号)イ知事は,前項の規定により審査意見書を作成したときは,当該審査意見書を事業者に,その写しを関係区市町村長に送付するとともに,その内容を公表するものとする。(2項)(16)31条(評価書の作成)事業者は,(中略)22条の規定により作成した評価書案について,(中略)規則で定めるところにより,次に掲げる事項を記載した環境影響評価書(以下,この条例において「評価書」という。)及びその概要(以下,この条例において「評価書等」という。)を作成し,知事に提出しなければならない。 ア 22条各号に掲げる事項(1号)イ前号に掲げる事項のうち,当該評価書案を修正したものについては,その経過(2号)ウ (3号ないし6号は省略)(17)32条(評価書についての公示,縦覧等) ア知事は,前条の規定による評価書等の提出があったときは,遅滞なく,当該評価書等の提出があった旨その他規則で定める事項を公示し,当該評価書を,公示の日から起算して15日間,規則で定めるところにより縦覧に供しなければならない。(1項)イ知事は,前項の規定による公示をしたときは,前条の規定により提出された評価書等の写しを,関係区市町村長,当該対象事業に係る許認可権者(中略)に送付しなければならない。(2項)(18)33条(許認可権者への要請)知事は,前条2項の規定により評価書等の写しを許認可権者に送付するときは,当該許認可権者に対し,当該対象事業の実施 送付しなければならない。(2項)(18)33条(許認可権者への要請)知事は,前条2項の規定により評価書等の写しを許認可権者に送付するときは,当該許認可権者に対し,当該対象事業の実施についての許認可等を行うに際して当該評価書の内容について十分配慮するよう要請しなければならない。 (19)65条(都市計画に定められる対象事業に関する特例)対象事業が都市計画法の規定により都市計画に定められる場合においては,9条から31条までに規定する手続のうち事業者に係る手続(中略)については,同法の規定により当該都市計画を定める者(中略)が事業者に代わるものとして,当該都市計画の決定をする手続(中略)と併せて行うものとする。(1項本文) 5 景観法(1)1条(目的)この法律は,我が国の都市,農山漁村等における良好な景観の形成を促進するため,景観計画の策定その他の施策を総合的に講ずることにより,美しく風格のある国土の形成,潤いのある豊かな生活環境の創造及び個性的で活力ある地域社会の実現を図り,もって国民生活の向上並びに国民経済及び地域社会の健全な発展に寄与することを目的とする。 (2)2条(基本理念) 良好な景観は,美しく風格のある国土の形成と潤いのある豊かな生活環境の創造に不可欠なものであることにかんがみ,国民共通の資産として,現在及び将来の国民がその恵沢を享受できるよう,その整備及び保全が図られなければならない。(1項)(3)7条(定義等)この法律において「景観行政団体」とは,地方自治法252条の19第1項の指定都市(以下,この項において「指定都市」という。)の区域にあっては指定都市,同法252条の22第1項の中核市(以下,この項において「中核市」という。)の 」とは,地方自治法252条の19第1項の指定都市(以下,この項において「指定都市」という。)の区域にあっては指定都市,同法252条の22第1項の中核市(以下,この項において「中核市」という。)の区域にあっては中核市,その他の区域にあっては都道府県をいう。ただし,指定都市及び中核市以外の市町村であって,都道府県に代わって第2章第1節から第4節まで,第4章及び第5章の規定に基づく事務を処理することにつきあらかじめその長が都道府県知事と協議し,その同意を得た市町村の区域にあっては,当該市町村をいう。(1項。平成23年法律第105号による改正前のもの)(4)8条(景観計画)ア景観行政団体は,都市,農山漁村その他市街地又は集落を形成している地域及びこれと一体となって景観を形成している地域における次の各号のいずれかに該当する土地(中略)の区域について,良好な景観の形成に関する計画(以下「景観計画」という。)を定めることができる。(1項)(ア)現にある良好な景観を保全する必要があると認められる土地の区域(1号)(イ)地域の自然,歴史,文化等からみて,地域の特性にふさわしい良好な景観を形成する必要があると認められる土地の区域(2号)(ウ)(3号ないし5号は省略)イ景観計画においては,次に掲げる事項を定めるものとする。(2項。平成23年法律第124号による改正前のもの) (ア)景観計画の区域(以下「景観計画区域」という。)(1号)(イ)景観計画区域における良好な景観の形成に関する方針(2号)(ウ)良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項(3号)(エ)(4号ないし6号は省略)ウ前項3号の行為の制限に関する事項には,政令で定める基準に従い,次 方針(2号)(ウ)良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項(3号)(エ)(4号ないし6号は省略)ウ前項3号の行為の制限に関する事項には,政令で定める基準に従い,次に掲げるものを定めなければならない。(3項。平成23年法律第105号による改正前のもの)(ア)16条1項4号の条例で同項の届出を要する行為を定める必要があるときは,当該条例で定めるべき行為(1号)(イ)次に掲げる制限であって,16条3項若しくは6項又は17条1項の規定による規制又は措置の基準として必要なもの(2号)a 建築物又は工作物(建築物を除く。以下同じ。)の形態又は色彩その他の意匠(以下「形態意匠」という。)の制限(イ)b 建築物又は工作物の高さの最高限度又は最低限度(ロ)c 壁面の位置の制限又は建築物の敷地面積の最低限度(ハ)d その他第十六条第一項の届出を要する行為ごとの良好な景観の形成のための制限(ニ)エ景観計画は,環境基本法15条1項に規定する環境基本計画(当該景観計画区域について公害防止計画が定められているときは,当該公害防止計画を含む。)との調和が保たれるものでなければならない。(5項。平成23年法律第105号による改正前のもの)オ都市計画区域について定める景観計画は,都市計画法6条の2第1項の都市計画区域の整備,開発及び保全の方針に適合するものでなければならない。(6項。平成23年法律第105号による改正前のもの)(5)16条(届出及び勧告等)ア景観計画区域内において,次に掲げる行為をしようとする者は,あらか じめ,国土交通省令(4号に掲げる行為にあっては,景観行政団体の条例。 以下この条において同じ。)で定 勧告等)ア景観計画区域内において,次に掲げる行為をしようとする者は,あらか じめ,国土交通省令(4号に掲げる行為にあっては,景観行政団体の条例。 以下この条において同じ。)で定めるところにより,行為の種類,場所,設計又は施行方法,着手予定日その他国土交通省令で定める事項を景観行政団体の長に届け出なければならない。(1項)(ア)建築物の新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(以下「建築等」という。)(1号)(イ)工作物の新設,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(以下「建設等」という。)(2号)(ウ)(3号は省略)(エ)前3号に掲げるもののほか,良好な景観の形成に支障を及ぼすおそれのある行為として景観計画に従い景観行政団体の条例で定める行為(4号)イ景観行政団体の長は,前2項の規定による届出があった場合において,その届出に係る行為が景観計画に定められた当該行為についての制限に適合しないと認めるときは,その届出をした者に対し,その届出に係る行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを勧告することができる。 (3項)ウ前項の勧告は,1項又は2項の規定による届出のあった日から30日以内にしなければならない。(4項)(6)17条(変更命令等)ア景観行政団体の長は,良好な景観の形成のために必要があると認めるときは,特定届出対象行為(前条1項1号又は2号の届出を要する行為のうち,当該景観行政団体の条例で定めるものをいう。7項及び次条1項において同じ。)について,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意 匠の制限に適合しないものをしようとする者 る行為のうち,当該景観行政団体の条例で定めるものをいう。7項及び次条1項において同じ。)について,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意 匠の制限に適合しないものをしようとする者又はした者に対し,当該制限に適合させるため必要な限度において,当該行為に関し設計の変更その他の必要な措置をとることを命ずることができる。この場合においては,前条3項の規定は,適用しない。(1項)イ前項の処分は,前条1項又は2項の届出をした者に対しては,当該届出があった日から30日以内に限り,することができる。(2項)ウ景観行政団体の長は,1項の処分に違反した者又はその者から当該建築物又は工作物についての権利を承継した者に対して,相当の期限を定めて,景観計画に定められた建築物又は工作物の形態意匠の制限に適合させるため必要な限度において,その原状回復を命じ,又は原状回復が著しく困難である場合に,これに代わるべき必要な措置をとることを命ずることができる。(5項)(7)18条(行為の着手の制限)16条1項又は2項の規定による届出をした者は,景観行政団体がその届出を受理した日から30日(中略)を経過した後でなければ,当該届出に係る行為(中略)に着手してはならない。ただし,特定届出対象行為について前条1項の命令を受け,かつ,これに基づき行う行為については,この限りでない。(1項。平成23年法律第105号による改正前のもの)(8)61条(景観地区に関する都市計画)ア市町村は,都市計画区域又は準都市計画区域内の土地の区域については,市街地の良好な景観の形成を図るため,都市計画に,景観地区を定めることができる。(1項)イ景観地区に関する都市計画には,都市計画法8条3項1号及び3号に掲げる事項の 地の区域については,市街地の良好な景観の形成を図るため,都市計画に,景観地区を定めることができる。(1項)イ景観地区に関する都市計画には,都市計画法8条3項1号及び3号に掲げる事項のほか,1号に掲げる事項を定めるとともに,2号から4号までに掲げる事項のうち必要なものを定めるものとする。この場合において,これらに相当する事項が定められた景観計画に係る景観計画区域内におい ては,当該都市計画は,当該景観計画による良好な景観の形成に支障がないように定めるものとする。(2項)(ア)建築物の形態意匠の制限(1号)(イ)建築物の高さの最高限度又は最低限度(2号)(ウ)壁面の位置の制限(3号)(エ)建築物の敷地面積の最低限度(4号) 6 世田谷区風景づくり条例(平成11年世田谷区条例第3号。平成24年世田谷区条例第22号による改正前のもの。以下,特に付記しない限り同じ。)(1)1条(目的)この条例は,景観法(以下,この条例において「法」という。)の規定に基づく景観計画の策定,行為の規制その他の風景づくりに関して必要な事項を定めることにより,風景づくりを総合的かつ計画的に進め,もって区民一人一人が愛着と誇りを持てるような魅力あるまちの形成を図ることを目的とする。 (2)6条(風景づくり計画の策定)ア区長は,風景づくりを推進するため,風景づくり計画を策定するものとする。(1項)イ風景づくり計画には,法8条1項に規定する景観計画として,同条2項の規定に基づく事項を定めるものとする。(2項)(3)25条(風景づくりの基準の策定)区長は,法8条3項2号に規定する規制又は措置の基準として,風景づくりの基準を風景づくり計画に定めるものとする。( 項を定めるものとする。(2項)(3)25条(風景づくりの基準の策定)区長は,法8条3項2号に規定する規制又は措置の基準として,風景づくりの基準を風景づくり計画に定めるものとする。(1項)(4)26条(風景づくり重点区域)ア区長は,法8条2項1号に規定する景観計画区域内において,風景づくりを重点的に推進する必要があると認める区域を,風景づくり重点区域として風景づくり計画に定めることができる。(1項) イ風景づくり重点区域は,次条に規定する水と緑の風景軸(中略)とする。 (2項)(5)27条(風景軸)区長は,α1川及びα9崖線並びにそれらの周辺の区域のうち,風景づくりを重点的に推進する必要があると認めるものを,水と緑の風景軸(以下,この条例において「風景軸」という。)として定めることができる。 (6)29条(届出事項等)ア建設行為等をしようとする者は,規則で定めるところにより区長に届け出なければならない。(1項)イ法16条1項4号に規定する条例で定める行為は,次に掲げる行為とする。(2項)(ア)土地の開墾,土石の採取,鉱物の掘採その他の土地の形質の変更(1号)(イ)木竹の伐採(2号)(ウ)屋外における土石,廃棄物,再生資源その他の物件の堆積(3号)(7)30条(特定届出対象行為)法17条1項に規定する条例で定める特定届出対象行為は,次に掲げる行為とする。 ア建築物の新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(1号)イ工作物の新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(2号)(8)31条(建設行 することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(1号)イ工作物の新築,増築,改築若しくは移転,外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更(2号)(8)31条(建設行為等に関する情報提供)29条の規定による届出を行おうとする者は,規則で定めるところにより,あらかじめ地域住民に対し,当該建設行為等についての風景づくりに関する情報を掲示,説明会その他の方法により提供しなければならない。 (9)32条(指導)区長は,風景づくり計画において法8条2項3号の良好な景観の形成のための行為の制限に関する事項を定めたときは,当該行為の制限に適合しない行為をしようとする者又はした者に対し,当該行為の制限に適合させるため,必要な措置をとるよう指導することができる。 (10)33条(勧告の手続等)ア区長は,法16条3項の規定による勧告をしようとするときは,あらかじめ,35条に規定する世田谷区風景づくり委員会の意見を聴かなければならない。(1項)イ区長は,法16条3項の規定による勧告を受けた者が正当な理由なくその勧告に従わないときは,その旨を公表することができる。(2項)(11)34条(変更命令等の手続)区長は,法17条1項又は5項の規定により必要な措置を命じようとするときは,あらかじめ次条に規定する世田谷区風景づくり委員会の意見を聴かなければならない。 (別紙3)本件設立認可の適否に関する当事者の主張 (原告ら)ア本件第一期事業と本件第二期事業との関係 (別紙3)本件設立認可の適否に関する当事者の主張 (原告ら)ア本件第一期事業と本件第二期事業との関係本件市街地再開発事業は,当初は一体の事業として計画されていたが,平成15年の段階で,バブル経済の崩壊後の社会状況の変化を考慮して,Ⅱ-a街区の事業化は当面見送り,そのほかの街区の事業化を先行させることとされた。しかし,現時点においても,我が国の経済情勢にみるべき進展はなく,このような大規模な開発事業が極めてリスキーなものであることに変わりはない。本件市街地再開発事業の施行区域には,既に,本件第一期事業により,100mを超える超高層建築物が3棟,50m内外の高層建築物が2棟,それぞれ建築されているのであって,本件第二期事業により130mを超える超高層建築物が更に1棟加わることとなるのであるから,周辺住民の生活環境への影響を評価する上で,本件第二期事業による超高層建築物の建築によって生ずる影響のみを単独で評価してはならず,本件第一期事業による超高層建築物の建築によって生ずる影響と併せて評価しなければならない。 イ本件市街地再開発事業と周辺地域の自然的,歴史的,文化的環境(ア)本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,α1川とα9崖線とに囲まれた平地の一部であり,極めて豊かな自然環境に恵まれた地域である。そのため,その周辺は,昭和8年に風致地区に指定され,開発が規制されていた。同地域には広い空が確保され,α1川越しに富士山やα27の山並みを望め,その遠景を遮るものはほとんどない。α9崖線の斜面には貴重な自然の緑地が広がり,湧水も豊富であって,そこから流れ出た水は崖の麓を流れるα7川に入り,周辺には多くの動植物が生 27の山並みを望め,その遠景を遮るものはほとんどない。α9崖線の斜面には貴重な自然の緑地が広がり,湧水も豊富であって,そこから流れ出た水は崖の麓を流れるα7川に入り,周辺には多くの動植物が生 息している。このように豊かな自然と美しい風景に恵まれていることから,同地域には政財界人の別荘が多数建築され,文化的,歴史的景観として確立していた。戦後,住宅開発が進められたが,豊かな自然と風景が地域を特徴付けることに変わりはなく,そのことは,住宅の付加価値として宣伝材料ともされている。世田谷区は,世田谷区風景づくり条例の中で,α9崖線に連なる自然豊かな緑の樹木帯を「水と緑の風景軸」,「みどりの生命線」として魅力的な風景を創出していく重点的な地域と位置付けている。この地域の住民にとって,その街並みや自然は憩いの場所であり,その落ち着いた静かな環境に憩いを求め,散策やハイキングなどのためにこの地域を訪れる人々もいる。この地域は,住民のみならず,広くこの自然豊かな環境や土地柄を愛する人々にとっての憩いの場所として大切に守られてきた。このような自然的,歴史的,文化的環境は,心のふるさととして今後も守り育まれていくべき貴重な資産である。 (イ)本件市街地再開発事業の施行区域の大部分は,都市計画公園であるα5公園の区域に含まれていたのであり,これは,周辺の風致地区としての美しい景観,眺望に合致し,土地利用の歴史や規制の公平性にも沿う合理的な都市計画であった。ところが,昭和62年7月,公園用地の所有者であるA及びBらによりα5東地区再開発準備組合が結成されると,東京都知事は,平成元年6月,α5公園に関する都市計画の変更決定をし,本件市街地再開発事業の施行区域となる部分を同公園の区域から除外したのであって,このようにして,風致地区内の公園 が結成されると,東京都知事は,平成元年6月,α5公園に関する都市計画の変更決定をし,本件市街地再開発事業の施行区域となる部分を同公園の区域から除外したのであって,このようにして,風致地区内の公園予定地は,その思想において対極にある超高層建築物及び高層建築物が6棟も林立する異常に巨大な規模の再開発事業の事業用地に変貌することとなったのである。本件市街地再開発事業は,事業用地の85%以上を所有するA及びBが,α5駅周辺の商店街の有力者を巻き込み,公園に関する都市計 画決定がされていた事業用地への規制を免れ,自社で活用することができるようにした上,さらに,バブル経済期の容積率神話に踊らされるように爆発的な建ぺい率及び容積率の緩和を実現させた重大な乱開発であり,都市計画法の理念,目的に反する違法なものである。 ウ本件設立認可の違法性(ア)都市再開発法16条3項,17条2号違反a 都市再開発法は,市街地再開発が関係権利者の権利利益に大きな影響を与えることから,市街地再開発組合の設立認可の前にその意見を聴く機会を設けるために,16条の規定を置いているのであって,同規定は,関係権利者の権利保全をその趣旨とするものであるところ,本件意見書提出者(その中には原告らも含まれている。)は,本件市街地再開発事業に関係のある土地について権利を有する者として,本件第一期事業により被害が現実化していることを具体的に示した上,本件第二期事業が施行されれば自らの権利が更に侵害されることを訴え,修正命令を発することや,修正協議をする機会を設けることなどを要望し,また,参考人の陳述及び鑑定の要求並びに現地検証の申立てもしたが,東京都知事は,不当にもこれらを拒否した。東京都知事は,本件意見書提出者が訴える被害の実情について慎重 機会を設けることなどを要望し,また,参考人の陳述及び鑑定の要求並びに現地検証の申立てもしたが,東京都知事は,不当にもこれらを拒否した。東京都知事は,本件意見書提出者が訴える被害の実情について慎重に審査し必要な修正を検討するという姿勢を欠いていたのであって,その都市再開発法16条の規定の運用は,都市再開発法により付与された裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものというべきである。本件意見書提出者は,参考人の陳述の申立てをやむなく補佐人の許可の申請に切り替え,上記参考人を補佐人としてその意見陳述を実現させたが,東京都知事は,本件意見書提出者の意見を採択することなく,本件設立認可をした。 b 都市再開発法17条2号は,「定款又は事業計画若しくは事業基本 方針の決定手続又は内容が法令(事業計画の内容にあっては,前条3項に規定する都道府県知事の命令を含む。)に違反していること」を市街地再開発組合の設立を認可しない事由として規定しているところ,同法16条3項の規定による都道府県知事の修正命令は関係権利者の権利保全を目的とするものであるから,都道府県知事は,本件のように第一種市街地再開発事業の権利侵害性を明らかにした意見が提出されている場合には,これを十分に検討した上,必要な修正命令をする義務があるというべきである。ところが,東京都知事は,修正命令を発しないまま,本件意見書提出者の意見を不採択とし,本件設立認可をしたのであり,本件設立認可は都市再開発法16条3項,17条2号の規定に違反する違法な処分である。 (イ)都市計画決定の違法性a 被告は,次のbないしhのとおり,都市計画決定の手続の根幹を成す住民参加を軽視し,形式的な意見聴取をするだけで,住民の意見を実質的に反映させることを一切せず,都市計 計画決定の違法性a 被告は,次のbないしhのとおり,都市計画決定の手続の根幹を成す住民参加を軽視し,形式的な意見聴取をするだけで,住民の意見を実質的に反映させることを一切せず,都市計画決定の手続を大企業の濫開発を許容するためのものとしてのみ運用しているのであって,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は都市計画法及び都市再開発法の規定に違反し違法であり,それを前提とする本件設立認可は違法な処分である。 b 都市計画法21条1項違反平成2年法律第61号による改正前の都市計画法21条1項の規定は,「都道府県知事又は市町村は,都市計画区域が変更されたとき,6条1項の規定による都市計画に関する基礎調査又は13条1項11号に規定する政府が行う調査の結果都市計画を変更する必要が明らかとなったとき,その他都市計画を変更する必要が生じたときは,遅滞なく,当該都市計画を変更しなければならない。」と定めて,変更の 必要性を都市計画の変更決定の要件としているところ,東京都知事が,平成元年6月16日,α5公園に関する都市計画の変更決定をする以前は,同公園は,駅から近く,周辺住民だけではなく公共交通機関の利用者にとっても利用しやすい位置にあった。また,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,風致地区として指定されており,高層建築物の建築が規制され,水と緑の景観が保護されてきた地域である。これらのことからすると,都市計画公園として整備されることは同地域の地域性に適しており,α5公園に関する都市計画の変更決定をする必要はなかったというべきである。さらに,平成元年6月16日の段階では,施設計画に関しては再開発準備組合内での原案さえも作成されておらず,抽象的な市街地再開発事業の予定しかなかったところ,本 をする必要はなかったというべきである。さらに,平成元年6月16日の段階では,施設計画に関しては再開発準備組合内での原案さえも作成されておらず,抽象的な市街地再開発事業の予定しかなかったところ,本件市街地再開発事業はα5公園と一体として整備するとされていたのであるから,直ちにα5公園に関する都市計画の変更決定をする必要があったということはできない。α5公園に関する都市計画の変更決定は,変更の必要性の要件を欠く違法なものというべきである。 c 都市計画法13条1項柱書き違反平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項柱書き後段の規定は,「当該都市について公害防止計画が定められているときは,都市計画は,当該公害防止計画に適合したものでなければならない。」と定めており,被告は,昭和49年に本件公害防止計画を策定し,おおむね4年ごとに改定するとともに,本件公害防止計画を実現するために,昭和55年に東京都環境影響評価条例を,平成9年には本件環境基本計画を定めたところ,上記規定にいう「公害防止計画」には,本件環境基本計画及び上記条例に基づいてされた本件環境影響評価も含まれると解すべきである。 そして,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,① 有効な交通渋滞解消策や交通量対策が施されていない(本件公害防止計画及び本件環境基本計画違反),② 大気汚染について必要な調査が行われていない(東京都環境影響評価技術指針解説違反),③ 自動車交通量の状況について,最新の資料を使用することなく,平成3年度や平成6年度の古い資料を使用している(東京都環境影響評価技術指針解説違反),④ 大気汚染について,実際には達成することができなかった自動車の排出に係 いて,最新の資料を使用することなく,平成3年度や平成6年度の古い資料を使用している(東京都環境影響評価技術指針解説違反),④ 大気汚染について,実際には達成することができなかった自動車の排出に係る窒素酸化物の総量削減計画を達成することができたことを前提にバックグラウンド濃度を算定している(東京都環境影響評価技術指針解説違反),⑤ 圧迫感の測定について,形態率を用いず,仰角による方法を用いている(東京都環境影響評価技術指針解説違反),⑥ 地域配慮の指針の定めに反して,α1川の川縁に高層建築物群を建築しようとするものである(本件環境基本計画違反)など,本件公害防止計画,東京都環境影響評価条例や本件環境基本計画に違反しているのであって,α5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項柱書き後段の規定に違反する違法なものというべきである。 d 都市計画法13条1項7号違反平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項7号の規定は,「市街地開発事業は,市街化区域内において,一体的に開発し,又は整備する必要がある土地の区域について定めること。」と定めていたところ,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は,風致地区に指定されており,昭和53年6月に策定された世田谷区基本構想では区民本位のまちづくりの実現が目標として掲げられ,昭和54年4月に策定された世田谷区基本計画では「緑と水の軸,楽しく 歩けるまちづくり拠点」とされ,豊かな自然と身近に接しながら生活することができるまちづくりを目指すものとされていた。本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域については,昭和58年3月に策定されたα5地区市街地再開発基本構想でも,未整備及び交通集中によ ら生活することができるまちづくりを目指すものとされていた。本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域については,昭和58年3月に策定されたα5地区市街地再開発基本構想でも,未整備及び交通集中による部分的渋滞とそれを解消するためのα31橋の拡幅の必要性,α7川の氾濫の防止のための河川改修の必要性,区民利用施設の不足等が指摘され,住居の形態としては中高層住宅ではなく低層住宅とし,できる限り景観を損なわないようにする必要があるとされており,昭和62年3月に策定されたα5東地区再開発基本計画でも,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)は50/10を上限とするとされていた。しかし,被告が平成12年6月26日にした本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,これらの上位計画に反し,α31橋の拡幅には手を付けず,一層の発生集中交通を創出し,α7川の河川改修をせず,施行区域全体を人工地盤で覆い尽くすことにより,周辺地域の洪水被害のおそれを増大させ,超高層建築物を乱立させ,保護されるべきとされた景観を著しく損なうものである。このように,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,地域的適合性に著しく反し,住民の権利を侵害するものであり,再開発の必要性がないことは明らかであるから,「一体的に開発し,又は整備する必要がある」ということはできないのであって,平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項7号の規定に違反する違法なものというべきである。 e 都市再開発法7条の8の2違反平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法7条の8の2第1項柱書きの規定は,「次に掲げる条件に該当する土地の区域で,その合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため,一体 的かつ総合的な市街地の再開発 正前の都市再開発法7条の8の2第1項柱書きの規定は,「次に掲げる条件に該当する土地の区域で,その合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新とを図るため,一体 的かつ総合的な市街地の再開発を実施することが適切であると認められるものについては,都市計画に再開発地区計画を定めることができる。」と定めていたところ,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,建築物の延べ面積の敷地面積に対する割合(容積率)を緩和して高度制限を撤廃したため,第一種住居専用地区に接した場所に超高層建築物や圧迫感の強い商業施設を建築することが可能となった。再開発地区計画の目的は,合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新であるが,再開発地区計画が地域環境の改善に資するものであり,文言上も「合理的かつ健全な」という制限が付されていることを考えれば,土地の「高度利用」とは,単に土地の収益を高めるような利用のことを意味するのではなく,環境効用を高める利用のことを意味するのであり,また,「都市機能の更新」とは,土地利用の転換による従前の都市機能の改善又は新たな都市機能の創出を意味するのであって,本件市街地再開発事業はこのような要件を満たさない。さらに,通達によれば,再開発地区計画を活用することができるのは,工場,倉庫,鉄道操車場,港湾施設の跡地等相当規模の低利用地,未利用地における一体的土地利用転換のほか,老朽化した住宅団地の建替え,木造建築物の密集地の再開発の場合とされているのであって,再開発地区計画は風致地区や公園緑地に適用することが予定されていないものである。α5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法7条の8の2第1項柱書きの規定に違反する違法なものというべきであ ことが予定されていないものである。α5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法7条の8の2第1項柱書きの規定に違反する違法なものというべきである。 f 都市再開発法4条2項2号違反都市再開発法4条2項2号の規定は,「第一種市街地再開発事業に関する都市計画は,当該区域が,適正な配置及び規模の道路,公園そ の他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるように定めなければならない。」と定めているが,本件市街地再開発事業に関する都市計画の中で公共施設と呼ぶことができるものは道路と交通広場しかない上,交通広場については駅の改札口から約150mも離れた位置に設けられている。この配置は,本件市街地再開発事業の施行区域に設けられる商業施設を通過させることで交通広場の利用者の購買意欲を刺激しようとするものであり,高齢者,乳幼児連れ,病人,障害者,通勤通学のために日常的に利用する住民にとっては不便になるし,道路についても,超高層建築物の建築に必要な幅員を満たすために拡幅されるにすぎず,α31橋が拡幅されない限り,交通渋滞による被害の拡大が予想される。本件市街地再開発事業の施行区域については,昭和58年3月に策定されたα5地区市街地再開発基本構想において,小公園,図書館等住民の利用する施設が不足していると指摘されている上,本件市街地再開発事業の施行により大幅な人口増加が見込まれるのであるから,学校,児童館,図書館,集会所などの公共施設や,地震,洪水などの災害の際の避難場所の完備が不可欠であるが,被告が平成12年6月26日にした本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,このような住民の利用を想定する公共施設について何ら定めていないのであって,当該区域が「公共 場所の完備が不可欠であるが,被告が平成12年6月26日にした本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,このような住民の利用を想定する公共施設について何ら定めていないのであって,当該区域が「公共施設を備えた良好な都市環境のもの」となるように定められていない。本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,都市再開発法4条2項2号の規定に違反する違法なものというべきである。 g 都市再開発法3条3号違反平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法3条3号の規定は,「都市計画法12条2項の規定により第一種市街地再開発事業について都市計画に定めるべき施行区域は,当該区域内に十分な公共 施設がないこと,当該区域内の土地の利用が細分されていること等により,当該区域内の土地の利用状況が著しく不健全である土地の区域でなければならない。」と定めているところ,本件市街地再開発事業の施行区域は,その85%をA及びBが所有していた(Ⅱ街区及びⅢ街区については,そのほとんど全てを上記2社が所有していた。)のであり,「土地の利用が細分されていること」により「土地の利用状況が著しく不健全である」という要件を満たしていないことは明らかである。第一種市街地再開発事業は,権利変換という特別な手法を用いることにより権利関係が複雑で再開発が困難な地域について一定の要件の下にこれを可能にすることを目的とするものであり,本件市街地再開発事業の施行区域のように事実上単独所有されている地域については,所有者が自ら再開発を進めていくことに何ら障害はないのであるから,上記施行区域は第一種市街地再開発事業が本来予定しているものではない。本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法3条3号の規定 はないのであるから,上記施行区域は第一種市街地再開発事業が本来予定しているものではない。本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法3条3号の規定に違反する違法なものというべきである。 h 都市計画法16条,17条違反平成11年法律第87号による改正前の都市計画法16条1項の規定は,「都道府県知事又は市町村は,都市計画の案を作成しようとする場合において必要があると認めるときは,公聴会の開催等住民の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとする。」と定めており,また,同改正前の17条の規定は,1項において「都道府県知事又は市町村は,都市計画を決定しようとするときは,あらかじめ,建設省令で定めるところにより,その旨を公告し,当該都市計画の案を,当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供しなければならない。」と,2項において「前項の規定による公告があったときは,関係市町村の 住民及び利害関係人は,同項の縦覧期間満了の日までに,縦覧に供された都市計画の案について,都道府県知事の作成に係るものにあっては都道府県知事に,市町村の作成に係るものにあっては市町村に,意見書を提出することができる。」とそれぞれ定めているところ,これらの規定は,いずれも都市計画決定の手続の根幹を成す住民の意見の反映のためのものである。しかし,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定の手続においては,住民の意思を全く反映することなく都市計画決定に至っており,住民の権利や意見は当初から全く無視されていた。すなわち,平成11年4月8日に開催された公聴会においては,専門家を含む10名の公述人の全員が本件環境影響評価について反対意見を述べ,その内容は合理的なものであったが,その意見は何ら採 れていた。すなわち,平成11年4月8日に開催された公聴会においては,専門家を含む10名の公述人の全員が本件環境影響評価について反対意見を述べ,その内容は合理的なものであったが,その意見は何ら採用されることがなかった。また,平成12年の東京都都市計画審議会に報告された都市計画法17条2項の意見書においては,賛成意見が2508通,反対意見が1762通とされているが,賛成意見は内容に乏しく,しかも,その内容を実質的にみれば反対意見に分類されるべきものも含まれているのに対して,反対意見は多項目にわたり詳細かつ具体的なものが多く,公聴会で述べられた意見とも符合するものであった。都市計画法16条及び17条に規定する公聴会,縦覧及び意見書提出の手続は,都市計画の案に住民の意見を取り入れることによって,より住民の希望に沿う計画内容に変更するためのものであるにもかかわらず,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定の手続においてはその趣旨が全く活かされていない。それは,その事業が住民のためのまちづくりからA及びBのためのものに変質してしまったからである。そのため,たとえ形式的には公聴会や縦覧の手続が執られていたとしても,これはもはや適法な手続ということはできないのであって,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,平成 11年法律第87号による改正前の都市計画法16条1項及び17条1項,2項の規定に違反する違法なものというべきである。 (被告)ア都市再開発法16条3項,17条2号違反について(ア)都市再開発法16条の趣旨については,次のように解されている。すなわち,都市計画を決定しようとするときは,あらかじめ,その旨を公告し,当該都市計画の案を,当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供し,関係市町村の住民及び利害 旨については,次のように解されている。すなわち,都市計画を決定しようとするときは,あらかじめ,その旨を公告し,当該都市計画の案を,当該公告の日から2週間公衆の縦覧に供し,関係市町村の住民及び利害関係人に意見書を提出する機会を与えることとされている(都市計画法17条1項,2項)が,第一種市街地再開発事業に関する都市計画については,市街地再開発組合の設立認可の申請があったときに,施行地区となるべき地区を管轄する市町村長に,当該事業を2週間公衆の縦覧に供させ,当該第一種市街地再開発事業に関係のある土地若しくはその土地に定着する物件について権利を有する者又は参加組合員に,認可権者である都道府県知事に対する意見書を提出する機会を付与する(都市再開発法16条1項,2項)ことにより,関係権利者及び参加組合員に対しては特に,第一種市街地再開発事業に関する都市計画だけでなく,より詳細な市街地再開発組合の事業計画についても,意見を述べることができるようにしたものである。 東京都知事は,都市再開発法16条1項の規定に基づき,世田谷区長に,第二地区組合の事業計画を2週間公衆の縦覧に供させ,同条2項の規定に基づいて提出された意見書について,同条3項及び4項の規定に基づき,その意見書に係る意見の審査をし,それを採択すべきでないと認めた旨の通知をしている。また,第二地区組合の定款及び事業計画の決定手続及びその内容は,いずれも法令に適合しているものである。本件設立認可は,都市再開発法16条3項,17条2号の規定に違反するものではないというべきである。 (イ)原告らの主張についてa 原告らは,東京都知事が本件意見提出者が申し立てた参考人の陳述を拒否したことの違法をいうが,都市再開発法16条4項により準用される行政不服 (イ)原告らの主張についてa 原告らは,東京都知事が本件意見提出者が申し立てた参考人の陳述を拒否したことの違法をいうが,都市再開発法16条4項により準用される行政不服審査法27条にいう「参考人としてその知っている事実」とは,参考人自らが直接見分した事実であり,参考人が持つ意見ではないところ,東京都知事が,本件意見提出者が申し立てた参考人の陳述が都市計画や本件環境影響評価に対する意見にすぎず,自らが直接見分した事実ではないことから,参考人として採用しなかったことは,何ら違法ではないというべきである。 b 原告らは,東京都知事が本件意見提出者が申し立てた現地検証を拒否したことの違法をいうが,東京都知事は,既に第一地区組合の工事の状況,周辺の環境等を確認しており,東京都環境影響評価条例に基づき環境影響評価が適切に実施されていることから,重ねて現地検証を行う必要はないと判断したものであり,都市再開発法16条4項により準用される行政不服審査法29条1項の規定に基づく現地検証をしなかったことは何ら違法ではないというべきである。 c 原告らは,東京都知事が本件意見書提出者の意見を採択することなく本件設立認可をしたことは,都市再開発法により付与された裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用するものであるというが,東京都知事は,提出された意見が,いずれも都市計画や環境影響評価に関するものであり,事業計画に関する意見ではなかったことから,これを不採択としたものなのであって,このことは何ら違法ではないというべきである。 イ都市計画決定の違法性について(ア)東京都知事が平成元年6月16日にしたα5公園に関する都市計画の変更決定,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計 る。 イ都市計画決定の違法性について(ア)東京都知事が平成元年6月16日にしたα5公園に関する都市計画の変更決定,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計 画に関する都市計画決定,同日にした本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,次のとおりいずれも適法であり,本件設立認可が違法となることはない。 (イ)都市計画法21条1項違反についてa 東京都知事が平成元年6月16日にしたα5公園に関する都市計画の変更決定は,世田谷区が昭和62年3月に策定した「世田谷区新基本計画」等に基づいて,都市計画公園の整備と市街地再開発事業による広域生活拠点の形成を図る上で,既定の公園の位置の変更が必要となったことから,平成2年法律第61号による改正前の都市計画法21条1項の規定に基づいて行われたものであり,同項にいう「都市計画を変更する必要が生じたとき」の要件を満たしているというべきである。 b 原告らの主張について(a)原告らは,α5公園は駅から近く,周辺住民だけではなく公共交通機関の利用者にとっても利用しやすい位置にあり,また,本件市街地再開発事業の施行区域の周辺地域は風致地区として指定されるなどしているものであることからすると,都市計画公園として整備されることは同地域の地域性に適しており,α5公園に関する都市計画の変更決定をする必要はなかったというべきであると主張する。 しかし,都市施設の規模,配置等に関する事項を定めるに当たっては,当該都市施設に関する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠であり,このような判断は,これを決定する行政庁の広範な裁量に委ねられているものというべきであるから,裁判所が都市 する諸般の事情を総合的に考慮した上で,政策的,技術的な見地から判断することが不可欠であり,このような判断は,これを決定する行政庁の広範な裁量に委ねられているものというべきであるから,裁判所が都市施設に関する都市計画の決定又は変更の内容の適否を審査するに当たっては,当該決定又は変更が裁量権の行使としてされたことを前提に,その基礎とされた重 要な事実の誤認があること等により重要な事実の基礎を欠くこととなる場合,または,事実に対する評価が明らかに合理性を欠くこと,判断の過程において考慮すべき事情を考慮しないこと等によりその内容が社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められる場合に限り,裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用したものとして違法となるものと解するのが相当である(最高裁平成16年(行ヒ)第114号同18年11月2日第一小法廷判決・民集60巻9号3249頁参照)。 そこで,これを本件についてみると,本件市街地再開発事業の施行区域は,東京都知事が平成元年6月16日にしたα5公園に関する都市計画の変更決定により同公園の区域から除外されたものであり,駅から近く,長らく娯楽施設であるCの敷地として使用されていたこと,α11駅及びその周辺は鉄道及び道路交通の結節点にあり,広範囲の住民の往来に便利な地域であることから,昭和57年頃から,α11駅周辺商店街を中心とした再開発の動きがあった。 また,その周辺地域は昭和8年に風致地区に指定されており,α1川の河川敷に面して開けたスペースやα9崖線の小高い丘陵があるものの,本件市街地再開発事業の施行区域自体は,樹林地や水辺地など自然環境が維持されていた土地ではない。世田谷区は,昭和62年3月に策定したα1川沿い地域整備計画において,α5公園の形状を変更しその区域を東に 市街地再開発事業の施行区域自体は,樹林地や水辺地など自然環境が維持されていた土地ではない。世田谷区は,昭和62年3月に策定したα1川沿い地域整備計画において,α5公園の形状を変更しその区域を東に移動することを計画し,同月に策定したα5東地区再開発基本計画においては,駅周辺の再開発計画と一体化することなどを計画した。世田谷区は,同月に策定した世田谷区新基本計画において,駅周辺を広域生活拠点に位置付けた。東京都知事は,これらの事情を踏まえて,本件市街地再開発事業の施行区域は機能的な都市活動を確保するという観点から商業,業務施設, 中高密度の住宅などを充実させる地域とすることが適切であると判断して,α5公園に関する都市計画の変更決定をしたものであり,同変更決定は必要性,合理性を欠くものではないというべきである。 (b)原告らは,平成元年6月16日の段階では,施設計画に関しては再開発準備組合内での原案さえも作成されておらず,抽象的な市街地再開発事業の予定しかなかったと主張する。 しかし,世田谷区が昭和62年3月に策定したα5東地区再開発基本計画には,相応の具体性を有する施設建築計画が記載されており,α5公園の部分を含む全体の整備イメージが図面によって明らかにされていることからすると,平成元年6月16日の段階では抽象的な市街地再開発事業の予定しかなかったという原告らの主張は誤っている。 (ウ)都市計画法13条1項柱書き違反についてa 本件市街地再開発事業は,開発に伴う大気汚染,騒音,振動などに十分に配慮して施行されるものであり,本件公害防止計画に適合し,平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項柱書き後段にいう「当該公害防止計画に適合したもの」の要件を満たしていると に十分に配慮して施行されるものであり,本件公害防止計画に適合し,平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項柱書き後段にいう「当該公害防止計画に適合したもの」の要件を満たしているというべきである。 b 原告らの主張について(a)原告らは,平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項柱書き後段にいう「公害防止計画」には,本件環境基本計画及び東京都環境影響評価条例に基づいてされた本件環境影響評価も含まれると解すべきであると主張する。 しかし,東京都環境影響評価条例は,公害の防止,自然環境及び歴史的環境の保全,景観の保持等について適正な配慮がされることを期し,もって都民の健康で快適な生活の確保に資することを目的 とするものであり(1条),また,本件環境基本計画は,計画の策定及び事業の実施に際し,環境の保全に関する施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的とするものであって(東京都環境基本条例9条1項),いずれも本件公害防止計画を実現するためだけのものではなく,上記「公害防止計画」とは異なるものと解すべきである。 (b)原告らは,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,有効な交通渋滞解消策や交通量対策が施されておらず,本件公害防止計画や本件環境基本計画に違反すると主張するが,再開発事業で整備する道路は,都市計画道路や区画道路で周辺の道路とのネットワークを考慮した道路であるから,本件公害防止計画違反や本件環境基本計画違反は問題とならないというべきである。 (c)原告らは,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,大気汚染について必要な調査が行われておらず,東京 反は問題とならないというべきである。 (c)原告らは,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,大気汚染について必要な調査が行われておらず,東京都環境影響評価技術指針解説に違反すると主張するが,大気汚染調査については,東京都環境影響評価技術指針解説に従って,既存資料の整理,解析及び現地調査が実施されており,東京都環境影響評価技術指針解説に対する違反はないというべきである。 (d)原告らは,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,自動車交通量の状況について,最新の資料を使用することなく,平成3年度や平成6年度の古い資料を使用しており,東京都環境影響評価技術指針解説に違反すると主張するが,自動車交通量の状況等は,評価書案の作成時においては,平成3年度や平成6年度の資料が公表されている最新のデータ であったのであり,東京都環境影響評価技術指針解説に対する違反はないというべきである。 (e)原告らは,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,大気汚染について,実際には達成することができなかった自動車の排出に係る窒素酸化物の総量削減計画を達成することができたことを前提にバックグラウンド濃度を算定しており,東京都環境影響評価技術指針解説に違反すると主張するが,東京都環境影響評価技術指針解説は,大気汚染の状況の推移等を考慮し,バックグラウンド濃度を推定するとしているのであって,平成6年度当時,「東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画(平成5年11月)」を達成することができたことを前提に排出量の推移を検討しバックグラウンド濃度を算定したことは妥当であり,東京都環境影響評価技術指針解説 ,「東京都自動車排出窒素酸化物総量削減計画(平成5年11月)」を達成することができたことを前提に排出量の推移を検討しバックグラウンド濃度を算定したことは妥当であり,東京都環境影響評価技術指針解説に対する違反はないというべきである。 (f)原告らは,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,圧迫感の測定について,形態率を用いず,仰角による方法を用いており,東京都環境影響評価技術指針解説に違反すると主張するが,上記東京都環境影響評価技術指針解説は,「予測は,対象事業の種類及び規模並びに地域景観の特性等を考慮して,次に掲げる予測手法のうちから適切なものを選択し,又は組み合わせる。完成予想図の作成,可視領域図の作成,最大仰角図の作成,形態率図の作成,天空図の作成,その他適切な手法」としているのであって,仰角による方法を用いたことは,東京都環境影響評価技術指針解説に違反するものではないというべきである。 (g)原告らは,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発 地区計画に関する都市計画決定は,地域配慮の指針の定めに反して,α1川の川縁に高層建築物群を建築しようとするものであり,本件環境基本計画に違反すると主張するが,本件環境基本計画は,α1川の川縁に高層建築物群を建築することを禁じていないというべきである。 (エ)都市計画法13条1項7号違反についてa 本件市街地再開発事業は,世田谷区が昭和62年3月に策定した世田谷区新基本計画等に基づいて,広域生活拠点として,土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることにより,地域の活性化と建物の不燃化を行い,併せて住環境等の改善を行うために実施するものであり,駅前の老朽化した木造家屋が集積 活拠点として,土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることにより,地域の活性化と建物の不燃化を行い,併せて住環境等の改善を行うために実施するものであり,駅前の老朽化した木造家屋が集積する区域と大規模な空閑地とを一体的に再開発する必要があるということができるのであって,平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項7号の規定にいう「一体的に開発し,又は整備する必要がある土地の区域」の要件を満たしているというべきである。 b 原告らの主張について原告らは,被告が平成12年6月26日にした本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,昭和54年4月に策定された世田谷区基本計画及び昭和58年3月に策定されたα5地区市街地再開発基本構想といった上位計画に反し,地域的適合性に著しく反し,平成12年法律第73号による改正前の都市計画法13条1項7号の「一体的に開発し,又は整備する必要がある」ということはできないと主張する。 しかし,昭和54年4月に策定された世田谷区基本計画は,昭和62年3月に改定され,世田谷区新基本計画が策定されたのであるから,世田谷区基本計画は本件市街地再開発事業の上位計画ということができないというべきである。また,昭和58年3月に策定されたα5地 区市街地再開発基本構想は,昭和62年3月に改定され,α5東地区再開発基本計画が策定されたのであるから,α5地区市街地再開発基本構想も本件市街地再開発事業の上位計画ということができないというべきである。そして,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定は,昭和62年3月に策定された世田谷区新基本計画及びα5東地区再開発基本計画に適合し,広域生活拠点として,土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図るこ 街地再開発事業に関する都市計画決定は,昭和62年3月に策定された世田谷区新基本計画及びα5東地区再開発基本計画に適合し,広域生活拠点として,土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることにより,地域の活性化と建物の不燃化を行い,併せて住環境等の改善を行うためのものであるから,再開発の必要性を認めることができるというべきである。 (オ)都市再開発法7条の8の2違反についてa 世田谷区が昭和62年3月に策定したα5東地区再開発基本計画及び世田谷区新基本計画では,商業,業務などの機能の集積や都市型高層住宅等を整備することとなっているところ,被告が平成12年6月26日にしたα5東地区再開発地区計画に関する都市計画決定は,これら基本計画の定める方針を踏まえ,土地の合理的かつ健全な高度利用と都市機能の更新を図ることとして決定されたものであり,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法7条の8の2第1項柱書きの規定にいう「合理的かつ健全な高度利用」や「都市機能の更新」の要件を満たしているというべきである。 b 原告らの主張について原告らは,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法7条の8の2第1項柱書きにいう土地の「高度利用」とは単に土地の収益を高めるような利用のことを意味するのではなく,環境効用を高める利用のことを意味するのであり,また,通達によれば,再開発地区計画を活用することができるのは,相当規模の低利用地,未利用地における一体的土地利用転換のほか,老朽化した住宅団地の建替え,木 造建築物の密集地の再開発の場合とされており,再開発地区計画は風致地区や公園緑地に適用することは予定されていないものであると主張する。 しかし,再開発地区計画制度は ,木 造建築物の密集地の再開発の場合とされており,再開発地区計画は風致地区や公園緑地に適用することは予定されていないものであると主張する。 しかし,再開発地区計画制度は,大都市圏における宅地及び住宅,業務床の促進を図ることをその趣旨の一つとするものであることに照らすと,環境効用を高める土地の利用でなければ「土地の高度利用」に当たらないということはできない。また,同制度を利用した再開発は,主として,工場跡地,鉄道操車場等の跡地を対象とすることを予定するものであるが,必ずしもそれに限られず,まとまった規模を有し,公共施設の整備は不十分であるが,鉄道駅等に近く,都市の枢要な位置を占めているという特徴を有する土地をも対象とするということができるから,対象となる土地の一部が風致地区に指定されていることは,土地の利用の規制の緩和に当たり考慮すべき事項ではあるものの,その指定がある土地について再開発地区計画を定めることが直ちにその制度の趣旨に反するとまでいうことはできないというべきである。 (カ)都市再開発法4条2項2号違反についてa 本件市街地再開発事業は,適正な配置及び規模の都市計画道路や区画街路,駅前広場,地区公園,街区公園などの公共施設を整備するとともに,歩行者通路や歩道と一体となった歩行者空間の確保による歩行者ネットワークの形成や,業務,商業機能の集積,良好な居住環境の確保,敷地内やデッキ上のオープンスペースの確保及び緑化により,良好な都市環境の形成に資するものであり,都市再開発法4条2項2号の「当該区域が,適正な配置及び規模の道路,公園その他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるように定めること。」の要件を満たしているというべきである。 b 原告らの主張 の「当該区域が,適正な配置及び規模の道路,公園その他の公共施設を備えた良好な都市環境のものとなるように定めること。」の要件を満たしているというべきである。 b 原告らの主張について原告らは,本件市街地再開発事業に関する都市計画の中で公共施設と呼ぶことができるものは道路と交通広場しかない上,学校,児童館,図書館,集会所などの公共施設や,地震,洪水などの災害の際の避難場所のような住民の利用を想定する公共施設について何ら定めていないと主張するが,本件市街地再開発事業により整備される公共施設は,幹線街路,区画街路だけではなく,地区公園や街区公園,広場,歩行者通路などもあり,保育所の設置も予定している。 (キ)都市再開発法3条3号違反についてa 本件市街地再開発事業は,道路や駅前広場等の都市基盤の整備と併せて,駅前の老朽化した木造家屋が集積する区域と大規模な空閑地とを一体的に再開発するものであり,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法3条3号の「当該区域内に十分な公共施設がないこと,当該区域内の土地の利用が細分化されていること等により,当該区域内の土地の利用状況が著しく不健全であること。」の要件を満たしているというべきである。 b 原告らの主張について原告らは,本件市街地再開発事業の施行区域は,その85%をA及びBが所有していたのであり,「土地の利用が細分されていること」により「土地の利用状況が著しく不健全である」という要件を満たしていないことは明らかであると主張するが,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法3条3号は,当該区域内の「土地の利用状況が著しく不健全である」ことの例として,当該区域内の「土地の利用が細分されていること」を であると主張するが,平成14年法律第11号による改正前の都市再開発法3条3号は,当該区域内の「土地の利用状況が著しく不健全である」ことの例として,当該区域内の「土地の利用が細分されていること」を挙げているにすぎないというべきである。 (ク)都市計画法16条,17条違反について a 平成11年法律第87号による改正前の都市計画法16条の規定は,都市計画の案を作成しようとする場合における公聴会の開催等の措置について,同改正前の同法17条の規定は,都市計画を決定しようとする場合における都市計画の案の縦覧と関係市町村の住民等の意見書の提出について,それぞれ定めているところ,本件において,被告は,これらの規定に基づく手続を履践した上で,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定をしたのであり,同都市計画決定の手続は違法ではないというべきである。 b 原告らの主張について原告らは,本件市街地再開発事業に関する都市計画決定の手続においては,住民の意思を全く反映することなく都市計画決定に至っており,住民の権利や意見は当初から全く無視されていたと主張するが,平成11年法律第87号による改正前の都市計画法16条,17条の規定は,都市計画決定に先立ち,利害関係のある周辺住民等の意見を反映させる機会等を設けることを定めたものにすぎないのであって,その手続が履践されている以上は,意見が採用されることがなかったとしても,これらの規定に違反することとなるものではないというべきである。

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