【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人弁護士広瀬通の上告理由は別紙記載のとおりである。 上告理由第一点に
主文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由 上告代理人弁護士広瀬通の上告理由は別紙記載のとおりである。 上告理由第一点について。 論旨は、原判決は自作農創設特別措置法一五条一項二号の適用を誤つているというのである。 右自作農創設特別措置法一五条一項二号が、同法によつて自作農となるベき者について、その賃借権等を有する宅地建物の、いわゆる附帯買収の申請をすることができる旨を規定しているのは、同法一条に定める耕作者の地位の安定等の目的達成のためにほかならない。従つて同号による宅地建物は、所論のように場所的にも機能的にも売渡農地に附随していなければならないものではない。(昭和二五年七月一三日第一小法廷判決、判例集四巻七号三二五頁参照)しかしながら一方また、農地の売渡を全然受けない者の同条による附帯買収申請のゆるされないことは、同条の文理上からも明白であり同条による買収が農地売渡に附帯して行われるものである以上、売渡農地の経営に必要でない宅地建物まで買収を申請できる趣旨とは解せられない。(昭和二六年一二月二八日第二小法廷判決、判例集五巻一三号八四九頁参照)また、極めて僅少な農地の売渡を受けた場合に、その売渡を受けた者の農業経営全般に、当該宅地建物が必要であるからと言つて、直ちに、その宅地建物が売渡農地の経営に必要であるとして買収することはゆるされないものと解すべきである。(昭和二七年八月二三日第三小法廷判決、判例集六巻八号七二三頁参照)いまこれを本件宅地建物について見るに、右宅地建物が訴外Dの農業経営に必要であることは原判決の確定するところであり、同人の売渡を受けた農地は同人の耕作する- 1 -全農地の半ばに近い二反九畝二〇歩であつて、このような場合、本件宅地建物は 宅地建物が訴外Dの農業経営に必要であることは原判決の確定するところであり、同人の売渡を受けた農地は同人の耕作する- 1 -全農地の半ばに近い二反九畝二〇歩であつて、このような場合、本件宅地建物は売渡農地の経営にも必要であると解することができ、従つてこれを買収したからと言つてそれだけでは附帯買収の性質に反するものということはできない。なお論旨は、本件宅地建物と右売渡農地との距離が約十町あり、その間附随性がないと主張するのであるが、附随性を要しないことは前段説明のとおりであるから、論旨はその前提において理由がないと言わなけれならない。 同第二点について。 論旨は要するに、裁判所が買収計画の当否を判断するについては、計画の当時の事実関係によるべきではなく、弁論終結に至るまでの各般の事情の変動も参酌しなければならないというに帰するが、行政処分の取消又は変更を求める訴において、裁判所が行政処分を取り消すのは、行政処分が違法であることを確認してその効力を失わせるものであつて、弁論終結時において、裁判所が行政庁の立場に立つて、いかなる処分が正当であるかを判断するのではない。所論のように弁論終結時までの事実を参酌して当初の行政処分の当否を判断すべきものではない。(昭和二七年一月二五日第二小法廷判決、判例集六巻一号二三頁参照)なお論旨は原判決が自作農創設特別措置法一五条二項一号の解釈を誤つているというのであるが、右条項は昭和二四年六月法律二一五号八条による自作農創設特別措置法の改正によつて加えられたものであり、原判決もそれ以前に定められた本件買収計画にこれを適用しているのではない。論旨は理由がない。 以上説明のとおり論旨はすべて理由がないから、本件上告はこれを棄却することとし、民訴四〇一条、九五条、八九条を適用し裁判官全員一致の意見で主文のとお を適用しているのではない。論旨は理由がない。 以上説明のとおり論旨はすべて理由がないから、本件上告はこれを棄却することとし、民訴四〇一条、九五条、八九条を適用し裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官霜山精一- 2 -裁判官栗山茂裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官谷村唯一郎- 3 -
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