平成16(ワ)1744 損害賠償請求事件,違約金等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成19年8月30日 千葉地方裁判所 その他
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判決文本文34,311 文字)

平成19年8月30日判決言渡平成16年(ワ)第1744号損害賠償請求事件(以下「甲事件」という)。 平成17年(ワ)第823号違約金等請求事件(以下「乙事件」という)。 判決主文 被告Cは,原告Aに対し,169万9185円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 被告E建設は,原告Aに対し,29万5000円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 原告Aのその余の請求を棄却する。 被告Cの請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は,原告Aに生じた費用の7分の6と被告Cに生じた費用との合計の10分の4を原告Aの,10分の6を被告Cの各負担とし,原告Aに生じた費用の7分の1と被告E建設に生じた費用との合計の6分の5を原告Aの,6分の1を被告E建設の各負担とし,乙事件被告Bに生じた費用は被告Cの負担とする。 この判決は,仮に執行することができる。 事実 及び理由第1請求 甲事件【主位的請求】(1) 被告Cは,原告Aに対し,566万3950円及びこれに対する平成16年8月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を,うち150万円及びこれに対する平成16年8月26日から支払済みまで年5分の割合による金員については被告E建設と連帯して支払え。 (2) 被告E建設は,原告Aに対し,179万5000円及びこれに対する平成 16年8月26日から支払済みまで年5分の割合による金員を,うち150万円及びこれに対する平成16年8月26日から支払済みまで年5分の割合による金員については被告Cと連帯して支払え。 【予備的請求】(1) 被告Cは,原告Aに対し,465万円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分 26日から支払済みまで年5分の割合による金員については被告Cと連帯して支払え。 【予備的請求】(1) 被告Cは,原告Aに対し,465万円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を,うち150万円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分の割合による金員については被告E建設と連帯して支払え。 (2) 【主位的請求】(2)に同じ 乙事件原告A及び乙事件被告Bは,被告Cに対し,連帯して,542万円及びこれに対する平成17年5月15日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要 甲事件甲事件は,被告C(フランチャイザー)との間でたこ焼き店のフランチャイズ契約を締結した原告A(フランチャイジー)が,(ア)被告Cの勧誘方法,営業指導及び店舗改装業者の指定にそれぞれ違法があった,(イ)被告E建設の店舗改装工事に瑕疵があった,(ウ)被告C及び被告E建設(以下,両名を併せて「被告ら」という)が共謀して店舗改装費用につき過大請求した,な。 どと主張して,被告らに対し,以下の金員の支払いを求めた事案である。 (1) 被告Cに対しては,ア主位的に,不法行為に基づく損害賠償請求権又は契約締結上の保護義務違反に基づく損害賠償請求権に基づき,原告Aが店舗の開店にあたり被告らに支払った金員合計566万3950円及びこれに対する甲事件訴状送達の日である平成16年8月26日から支払済みまで民法所定の年5分の 割合による遅延損害金(うち150万円及びこれに対する平成16年8月26日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金については,被告E建設との共同不法行為を理由に,被告E建設との連帯支払を求めている)。 イ予備的に,フランチャイズ契約の錯誤無効又は詐欺取消による不当利得 払済みまで年5分の割合による遅延損害金については,被告E建設との共同不法行為を理由に,被告E建設との連帯支払を求めている)。 イ予備的に,フランチャイズ契約の錯誤無効又は詐欺取消による不当利得返還請求権に基づき,もしくは,フランチャイズ契約の債務不履行解除を理由とする原状回復請求権に基づき,原告Aが店舗の開店にあたり被告Cに支払った金員合計315万円及び被告E建設との共同不法行為による損害金150万円との合計金465万円並びにこれに対する甲事件訴状送達の翌日である平成16年8月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金(うち150万円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分の割合による遅延損害金については,被告E建設との共同不法行為を理由に,被告E建設との連帯支払を求めている)。 (2) 被告E建設に対しては,ア請負契約の瑕疵担保責任を理由とする瑕疵修補に代わる損害賠償請求権に基づき,修補費用相当損害金29万5000円及びこれに対する甲事件訴状送達日である平成16年8月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金イ共同不法行為による損害賠償請求権に基づき,損害金150万円及びこれに対する甲事件訴状送達日である平成16年8月26日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金(被告Cとの連帯支払を求めている)。 乙事件乙事件は,被告Cが,原告A及び乙事件被告B(以下,両名を併せて「原告ら」という)に対し,原告Aに対してはフランチャイズ契約に基づき,乙事。 件被告Bに対しては連帯保証契約に基づき,連帯して,ロイヤリティ料の未払金42万円及び違約金500万円並びにこれらに対する乙事件訴状送達の翌日である平成17年5月15日から支払済みまで商法所定の年6分 被告Bに対しては連帯保証契約に基づき,連帯して,ロイヤリティ料の未払金42万円及び違約金500万円並びにこれらに対する乙事件訴状送達の翌日である平成17年5月15日から支払済みまで商法所定の年6分の割合による遅延損害金の各支払を求めた事案である。 前提事実(当事者間に争いがないか,各項目末尾掲記の証拠により容易に認定できる事実)(1) 当事者ア被告Cは,飲食店の経営,食料品の小売業を加盟店とする連鎖組織の運営等を目的とする特例有限会社であり「C」の屋号でフランチャイズ方,式によるたこ焼き店を展開している。 被告E建設は,土木・建築工事の設計,施行,監理等を目的とする特例有限会社である。 イ原告Aは,被告Cとの間で,たこ焼き店のフランチャイズ方式による共栄店加盟基本契約(以下「本件基本契約」という)及び共栄店加入個別。 契約(以下「本件個別契約」といい,本件基本契約及び本件個別契約を併せて「本件フランチャイズ契約」という)を締結した者である。 。 乙事件被告Bは,原告Aの夫であり,被告Cに対し,原告Aが本件基本契約に基づき被告Cに対して負担する債務につき,原告Aに連帯して保証した者である。 (2) 本件フランチャイズ契約締結に至る経緯ア原告Aは,平成14年ころ,被告Cのフランチャイズ経営について問い合わせの電話をかけたところ,以後,被告Cの担当者から,フランチャイズに加入してたこ焼き店を開店するよう勧誘されるようになった。 そこで,原告Aは,平成15年2月9日,友人と共に大阪を訪れた折り,被告Cの取締役であるD社長(以下「D」という)及びF専務(以下。 「F」という)による面接(以下「本件面接」という)を受けた。 。 ,。 イ原告Aは,被告Cに対し,平成15年4月2日に加入準備金として52万5000円を支払い,その後 )及びF専務(以下。 「F」という)による面接(以下「本件面接」という)を受けた。 。 ,。 イ原告Aは,被告Cに対し,平成15年4月2日に加入準備金として52万5000円を支払い,その後,同年5月5日,概ね,以下の内容が記載された「共栄店加入申込書(以下「本件申込書」という)に署名押印」。 し,被告Cに送付した。 (ア)原告Aは,被告Cの共栄店に参加する意思を表示する(前文)。 (イ)原告Aは,店舗となる物件を探し,被告Cの承諾を得なければならない(2項)。 (ウ)原告Aは,共栄店加入申込みに際し,被告Cに加入準備金として52万5000円(税込)を支払う。加入準備金は,正式に契約締結に至った場合は加入金に充当する(4項,5項)。 (エ)加入準備金は,店舗となる物件を被告Cが承諾したにもかかわらず,原告Aの事情により契約締結に至らなかった場合は,一切返還しない。 (7項)ウ原告Aは,平成15年10月3日,被告Cに対し,268万円を支払い,その後,同月14日から,被告C本社で行われた研修(以下「本件研修」という)に参加した。本件研修は,同年11月17日まで続いた。 。 (3) 本件フランチャイズ契約の締結ア原告Aは,本件研修に入った翌日である平成15年10月15日,被告Cとの間で,概ね,以下の内容等が定められた本件基本契約を締結した。 (ア)被告Cは,原告Aに対し,本件個別契約に定める場所において「C,運営システム」及び被告Cの商標等を使用した店舗(以下,単に「店舗」という)を営業することを許諾する(1条,2条)。 。 (イ)原告Aは,被告Cに対し,本件個別契約で定める額の加入金,開業準備費,設備費,販売促進費等を支払うものとし,うち加入金及び開業準備費は,本件基本契約の終了事由の如何を問わず一切返還しない(4。 条 原告Aは,被告Cに対し,本件個別契約で定める額の加入金,開業準備費,設備費,販売促進費等を支払うものとし,うち加入金及び開業準備費は,本件基本契約の終了事由の如何を問わず一切返還しない(4。 条) (ウ)原告Aは,被告Cに対し,ロイヤリティ料月額3万円を,毎月20日限り翌月分として支払う(5条)。 (エ)店舗及び付属設備の設計・配置,店舗の建築・改築,改装及び備品等の取付けについては,原告Aは,被告C又は被告Cの指定する第三者をして行わせる。原告Aは,店舗に被告Cが指定する全ての備品及び造作を取り付け,また,被告Cが指定した以外の備品及び造作を取り付けてはならない(6条,8条,10条)。 (オ)店舗で用いられる食材,紙,樹脂製品,サービス用品,副資材,包装資材等については,原告Aは,被告C又は被告Cより斡旋を受けた業者から購入する(16条)。 (カ)被告Cは,店舗の営業に必要なマニュアルを作成している場合は,これを原告Aに提供して指導し,原告Aもこれに従わなければならない。 (17条)(キ)本件基本契約は平成15年12月6日から平成20年12月5日までの5年間,その効力を有し,2年ごとに自動更新される。当事者の一方が,他方の当事者に,有効期間もしくは更新期間満了の6か月前までに書面で契約更新拒絶の意思を表示した場合,本件基本契約は当該期間の満了により終了する(44条,45条)。 (ク)原告Aは,6か月以上の予告期間をおき,文書で解約の意思表示をすることにより,本件基本契約を解除することができる。この場合,原告Aは,違約金として,本件基本契約の残期間に対応するロイヤリティ料相当額を被告Cに支払う(46条)。 (ケ)以下の場合,被告Cは本件基本契約を解除することができる(47。 条,48条)a原告Aが支払を停止した場合 件基本契約の残期間に対応するロイヤリティ料相当額を被告Cに支払う(46条)。 (ケ)以下の場合,被告Cは本件基本契約を解除することができる(47。 条,48条)a原告Aが支払を停止した場合b原告Aが通算して1か年以内に3回以上本件基本契約及び関連する 契約に基づく債務不履行の催告を受けるなど,債務不履行を繰り返した場合c本件基本契約及び関連する契約に基づく債務につき,被告Cが原告Aに対して履行を催告し,原告Aが正当な理由なくして20日以上当該債務を履行しない場合(コ)原告Aは,被告Cの事前の承諾がない限り,店舗内外で,他の飲食事業に係る一切の宣伝広告を行ってはならない(52条)。 (サ)原告Aが上記(エ),(オ)及び(コ)の定めに違反した場合,原告Aは被告Cに対して違約金として500万円を支払う(59条)。 イア(ア)及び(イ)の規定に基づき,原告Aと被告Cは,平成15年10月15日,以下の内容等の約定で本件個別契約を締結した。 (ア)店舗の設置場所を千葉市a区bc-d-eとし,店名呼称を「Cbサティ店(以下「本件店舗」という)とする(1項,2項)」。 。 (イ)原告Aが被告Cに支払う加入金,開業準備費,設備費及び販売促進費の金額(消費税を含む)をそれぞれ以下のとおり定める(3項)。 。 a加入金105万円b開業準備費21万円c設備費157万5000円d販売促進費31万5000円(4) 本件店舗の開店などア被告E建設による本件店舗の改装工事被告Cは,本件店舗の改装を行わせる業者として,被告E建設を指定した。この指定を受け,被告E建設は,平成15年11月11日,被告Cを通じて,原告Aに対し,本件店舗の改装工事代金251万3950円の見積書を提示し,同月15日から,本件店舗の改装工 告E建設を指定した。この指定を受け,被告E建設は,平成15年11月11日,被告Cを通じて,原告Aに対し,本件店舗の改装工事代金251万3950円の見積書を提示し,同月15日から,本件店舗の改装工事(以下「本件改装工事」という)に着手した。 。 原告Aは,被告E建設に対し,本件改装工事の代金として,同月20日に120万円を,同年12月26日に165万円を,それぞれ支払った。 イ本件店舗の開店原告Aは,平成15年12月6日,本件店舗を開店した。 ウ乙事件被告Bの連帯保証乙事件被告Bは,被告Cとの間で,平成15年12月6日,本件基本契約に基づき原告Aが被告Cに対して負担する債務につき,乙事件Bが連帯して保証する旨の連帯保証契約を締結した。 (5) その後の経過ア平成16年3月18日付け通告及び同日付け嘆願書原告Aは,被告Cに対し,平成16年3月18日付けで,本件店舗の建築工事に関し,金銭の返還及び各種書類等の交付を要求する「通告」と題する書面,及び原告Aの「C共栄会」からの脱会及び除名を求める「嘆願書」と題する書面を送付した(以下「通告」及び「嘆願書」を併せて,「第1通知」という)。 イ平成16年3月30日付け回答書被告Cは,原告Aに対し,平成16年3月30日付けで,第1通知に対する回答として,本件店舗の営業継続を望むこと,本件店舗の営業が継続されないのであれば,本件基本契約に基づき違約金の支払いを求める内容の回答書を送付した。 ウ平成16年4月9日付け通知書原告Aは,被告Cに対し,平成16年4月9日付けで,要旨,被告Cが信義則上要求される説明義務に違反したこと,本件基本契約に定める指導研修義務に違反したこと,適切な業者を選択する義務に違反したことを理由として,本件フランチャイズ契約を解除するとの内容の通知書(以下 義則上要求される説明義務に違反したこと,本件基本契約に定める指導研修義務に違反したこと,適切な業者を選択する義務に違反したことを理由として,本件フランチャイズ契約を解除するとの内容の通知書(以下「第2通知」という)を送付し,第2通知は同月10日,被告Cに到達。 した。 エ本件店舗の閉鎖と新店舗の開店原告Aは,平成16年4月9日,本件店舗を閉鎖し,その後,本件店舗を改装して,同月28日「G」の屋号で,たこ焼き,お好み焼き,焼き,そば等を販売する新店舗(以下「本件新店舗」という)を開店した。 ,。 オ原告Aによる取消の意思表示原告Aは,平成18年6月2日の本件第8回弁論準備手続期日において,被告Cの詐欺を原因として,本件フランチャイズ契約を取り消すとの意思表示をした。 カ被告Cによる解除の意思表示被告Cは,乙事件訴状をもって,原告Aの債務不履行を原因として,本件フランチャイズ契約を解除するとの意思表示をし,乙事件訴状は,平成17年5月14日,原告Aに送達された。 キロイヤリティ料の未払い原告Aは,平成16年3月分から,ロイヤリティ料の支払をしていない。 争点 (1) 被告Cによる勧誘方法の違法の有無(本件フランチャイズ契約を締結するに際して被告Cが原告Aに対して行った勧誘方法につき,不法行為,契約締結上の保護義務違反(主位的請求)または民法上の詐欺(予備的請求)が成立するか否か,もしくは,原告Aにつき,錯誤無効(予備的請求)が成立するか否か)(2) 被告Cによる営業指導義務違反の有無(被告Cは,フランチャイザーとして,原告Aに対し,継続的に営業ノウハウを提供する義務に反したか否か(予備的請求))(3) 被告Cによる業者選定義務違反の有無(被告Cは,本件店舗の改装に関し,本件基本契約に定める指定業者として Aに対し,継続的に営業ノウハウを提供する義務に反したか否か(予備的請求))(3) 被告Cによる業者選定義務違反の有無(被告Cは,本件店舗の改装に関し,本件基本契約に定める指定業者として 適切な業者を選定する義務に反したか否か(予備的請求))(4) 本件改装工事の瑕疵の有無及び修補相当損害額(5) 被告E建設が本件改装工事代金を請求した行為につき,被告E建設及び被告Cの共同不法行為の成否(6) 原告Aの損害又は損失(7) ロイヤリティ料及び違約金請求の可否 争点に関する当事者の主張(1) 争点(1)(勧誘方法の違法)について【原告らの主張】ア被告Cの勧誘方法(ア)開業費用の誤導,断定的判断の提供被告Cは,本件面接時,店舗の開店には開業費用315万円の他に更に改装費が必要となること,しかも,その改装費は上記開業費用に匹敵する金額にのぼるものであることを敢えて秘匿した上,競合他社と比較すると自社の開業費用が低廉であることや「地方は絶対に儲かる」,。 との断定的判断を告げるなどにより,原告Aをして,あたかも安価な開業費用である315万円のみで採算の取れる店舗を経営できる旨誤信させた。これは,本件面接後に被告Cが開設したホームページにおいても改装費を全く記載せず,むしろ「300万円で開業できる」旨を強,。 調しさえしていることからも明らかである。 (イ)金員不返還条項の秘匿被告Cは,原告Aに加入準備金52万5000円を支払わせた後に加入準備金の不返還について記載した本件申込書を提示し,また,開業費用の残金268万円を全て支払わせた後に開業費用の不返還を記載した本件基本契約書を提示するなど,金員不返還の条項を秘匿し,原告Aをして上記のとおり合計320万5000円を順次先払いさせ,もはや事 実上返還を求められな 支払わせた後に開業費用の不返還を記載した本件基本契約書を提示するなど,金員不返還の条項を秘匿し,原告Aをして上記のとおり合計320万5000円を順次先払いさせ,もはや事 実上返還を求められない状態に追い込んだ上,本件フランチャイズ契約の締結に引き込んだものである。 なお,被告Cは,本件申込書に原告Aが自らの意思で署名押印していることをもって加入準備金52万5000円の支払も自らの意思によることが明かであると主張するが,原告Aが本件申込書を受領したのは既に52万5000円を支払った後であり,しかも本件申込書には加入準備金の不返還条項が記載されていたことからすれば,原告Aとしては,本件申込書を受領した時点では,もはや本件申込書に署名押印するほかなかったのであるから,被告Cの上記主張は失当というべきである。 イ法的評価(ア)不法行為,詐欺取消及び錯誤無効被告Cは,上記のとおり,店舗の開店に要する費用の総額を明示せず,かつ採算の見通しについても絶対に儲かるなど断定的判断を告げることにより原告Aを誤信させた上,金員不返還条項を秘匿したまま,順次,開業準備金や開業費用の名目で合計320万5000円を支払わせたものであるから,このような被告Cによる勧誘行為は詐欺による不法行為に該当し,本件フランチャイズ契約について,詐欺による取消しまたは錯誤による無効が認められるべきである。 (イ)契約締結上の保護義務違反また,一般にフランチャイズ契約においては,店舗経営経験・知識が乏しい者がフランチャイジーとなることが多いため,契約締結に向けた準備段階においても,専門家たるフランチャイザーは,信義則上の保護義務として,契約締結の判断材料たる情報を適時・適切に提供する義務を負うところ,被告Cによる勧誘行為は,上記のとおり,不法行為を構成するものである ても,専門家たるフランチャイザーは,信義則上の保護義務として,契約締結の判断材料たる情報を適時・適切に提供する義務を負うところ,被告Cによる勧誘行為は,上記のとおり,不法行為を構成するものであるから,フランチャイザーとして求められる上記保護義務にも反したものというべきである。 【被告Cの主張】,,ア被告Cは,本件面接時,原告Aに対し,D及びFをして「物件取得費内外装費は別費用」と明記した「開業資金のご案内」と題する書面を提示しながら200万円から400万円程度の店舗改装費が別途必要である旨を説明した上,遅くとも平成15年3月下旬までには,営業担当のI(以下「I」という)をして,開業費用315万円の他に改装費も別途必要。 となる旨を説明しているところであり,また,本件面接時に「地方は絶対に儲かる」などの断定的な判断を告げたりもしていない。 また,原告Aは,短大卒業後15年以上の勤務経験を有し,また,その夫であり本件基本契約の連帯保証人となった乙事件被告Bも,一流大学を卒業後一流企業に勤務する者であって,店舗の取得や改装に要する費用は経営者であるフランチャイジーが負担するべきものであることは十分に知悉していたというべきである。 以上より,そもそも,被告Cの勧誘行為について,不法行為を構成する違法な点は何ら存しない上,これにより,原告Aが欺罔されたり,錯誤に陥るなどということはあり得ないというべきである。 イ原告らは,原告Aによる開業費用の順次支払の後に,被告Cが本件申込書や本件基本契約書により金員不返還条項を告知したことをもって,原告Aに本件フランチャイズ契約の締結を事実上強制した旨を主張をするが,被告Cは金員不返還の条項にかかわらず,フランチャイズ契約の締結に至らなかった場合には実費を控除した残金について返還する運用をし 告Aに本件フランチャイズ契約の締結を事実上強制した旨を主張をするが,被告Cは金員不返還の条項にかかわらず,フランチャイズ契約の締結に至らなかった場合には実費を控除した残金について返還する運用をしており,被告Cにおいて金員不返還条項を殊更に秘匿する必要はなかったこと,本件フランチャイズ契約は,原告Aがその両親や夫の反対を振り切ってまで締結したものであり,契約の締結について強固な意思を有していたことが明白であったこと,原告Aは,本件訴訟に至るまで,被告Cに対し,本件フランチャイズ契約の締結について何らの異議も述べなかったことに鑑み れば,原告Aが本件フランチャイズ契約の締結を事実上強制されていたなどということはありえないというべきである。 (2) 争点(2)(営業指導義務違反の有無)について【原告らの主張】被告Cは,フランチャイザーとして,特定の営業ノウハウを契約の存続期間全体を通じて継続的に提供する義務を負っており,このことは本件基本契約の契約書においても規定されている(17条1項)ところ,被告Cは,以下のとおり,この義務を何ら尽くさなかったものである。なお,原告Aは,これを理由として,平成16年4月10日,第2通知によって,本件フランチャイズ契約を解除したものである。 ア本件店舗について,オープン前に漏電事故や漏水事故が発生した際や,争点(4)【原告Aの主張】において主張する瑕疵が判明した際に,原告Aは,被告Cに連絡して対処を求めたにもかかわらず,被告Cはこれを原告Aと被告E建設との間の問題であるとして放置し,何ら迅速・適切な対応をすることはなかった。 イ本件研修は,朝早くから深夜まで行われる非人道的かつ過酷なものであった上,その内容も,たこ焼きを焼く実技研修以外は単に不十分な原価表を丸暗記させるに過ぎないものであり,ま をすることはなかった。 イ本件研修は,朝早くから深夜まで行われる非人道的かつ過酷なものであった上,その内容も,たこ焼きを焼く実技研修以外は単に不十分な原価表を丸暗記させるに過ぎないものであり,また,営業や会計についてのマニュアルも交付しないなど,極めて不適切かつ不十分なものであった。 ウ原告Aに対し,利益率に与える影響を何ら考慮することなく,使用対象個数制限及び使用期間制限のない50円引券を大量に配布し又は配布指導し,もって,採算性を度外視した営業方針を取らせたことにより,本件店舗の収益に重大な悪影響を与えた。 エオープン日には本部から焼き手の応援が派遣されるとの話であったにもかかわらず,被告Cは,オープン当日,たこ焼きを焼くこともできない者を一名派遣したのみであり,極めて重要なオープン時にフランチャイザー として何ら適切なサポートをしなかった。 【被告Cの主張】被告Cは,以下のとおり十分な経営指導・ノウハウの提供を行っているのであり,本件店舗の売上げの低下等は,原告Aの経営努力の怠慢が主たる原因というほかないから,被告Cには,何ら債務不履行はない。それゆえ,原告Aによる本件フランチャイズ契約の解除も無効というべきである。 ア原告Aから本件店舗につきトラブルがあったとの連絡を受けた際には,速やかに施工業者である被告E建設に連絡して対処を求めたのであり,フランチャイザーとしてなすべきことを実行している。 イ本件研修は,研修カリキュラムに従い,資料・ビデオテープを交付の上,最も重要な実技指導のほか,原価表の理解力テスト,当時作成途中であったマニュアルの説明,各店舗の動向や経営者のあり方について指導するミーティングなどを行っている。現に,原告Aが雇用した本件店舗の店長であるL(以下「L」という)も,本件研修に満足したとのコメント ったマニュアルの説明,各店舗の動向や経営者のあり方について指導するミーティングなどを行っている。現に,原告Aが雇用した本件店舗の店長であるL(以下「L」という)も,本件研修に満足したとのコメントを残。 している。 ウ本件店舗のオープン当日には,原告Aからの手伝いの要請はなかったが,Fや社員のH(以下「H」という)を派遣し,人員配置のアドバイスや。 チラシ配布などのサポートをしている。その後も,折に触れてファックス等でシフトの見直しやポップ作成等のアドバイスを行っている。 (3) 争点(3)(業者選定義務違反)について【原告らの主張】仮に,争点(1)及び争点(2)に関して主張した不法行為,詐欺,錯誤,保護義務違反及び営業指導義務違反の事実がいずれも認められなかったとしても,被告Cは,本件フランチャイズ契約上,指定業者以外の業者による施工を認めず,指定業者との契約締結を強制しているため,指定業者として適切な業者を選任する義務を信義則上負っているにもかかわらず,以下のような極め て不適切な業者である被告E建設を指定業者として指定し,かつ,その後も指定を解除することなく維持し続けたのであるから,上記義務に違反したものというべきである。なお,したがって,平成16年4月10日に第2通知によりなされた原告Aの解除の意思表示をもって,本件フランチャイズ契約は有効に解除されたというべきである。 ア被告E建設は,本件改装工事の適正代金が135万円(消費税を除く)に過ぎないにもかかわらず,不必要な工事や架空の工事を盛り込ん。 だり,過大な単価を計上することにより,150万円も過大である合計285万円を原告Aに支払わせた。 。 イ本件改装工事には,争点(4)【原告Aの主張】のとおり,瑕疵があったウ本件店舗に先立ち開店したCf店の施工も被告E建 ことにより,150万円も過大である合計285万円を原告Aに支払わせた。 。 イ本件改装工事には,争点(4)【原告Aの主張】のとおり,瑕疵があったウ本件店舗に先立ち開店したCf店の施工も被告E建設が請け負ったが,この工事にも瑕疵があったところ,被告Cは,既にこれを認識していた。 【被告Cの主張】被告Cが被告E建設を指定業者として選定したことは認めるが,被告E建設との契約締結を強制しているわけではないから,原告の主張する適切な業者を選任する義務自体を観念することができない。仮にそのような義務があったとしても,原告らの主張する各事由は,以下のとおりいずれも理由がない上,被告E建設は,これまで本件店舗以外の加盟店からクレームを受けたことのない業者であり,Cの店舗イメージを実現するために適切な業者であったのだから,少なくとも原告Aのために指定業者として選定したことが上記義務に反するとはいえない。 ア原告らは本件改装工事費を過大請求というが,他のフランチャイズ契約における店舗改装費用の一般的な金額に照らせばむしろ安価であり,主張に理由がないことは明らかである。 イ原告らの主張する本件改装工事の瑕疵については,瑕疵の存在を否認するが,仮に瑕疵が存在したとしても,被告E建設は適切な対応をしている。 (4) 争点(4)(瑕疵の有無及び修補費用)について【原告Aの主張】ア本件改装工事には以下の瑕疵があり,被告E建設はその修補を怠った。 (ア)本件店舗のオープン直前である平成15年12月1日ころ,本件店舗の天井部分から漏水が生じた。原告Aは,直ちに被告E建設に連絡したが「そのようなことはあり得ない」と相手にしてもらえず,ようや,。 く同月6日の本件店舗オープン当日になって,被告E建設がシーリング剤とシーリングガンを持ってきた。しかし結局, 告E建設に連絡したが「そのようなことはあり得ない」と相手にしてもらえず,ようや,。 く同月6日の本件店舗オープン当日になって,被告E建設がシーリング剤とシーリングガンを持ってきた。しかし結局,被告E建設は漏水につき修補しなかった。 (イ)本件店舗の前面に設置されていた提灯の電球は,接触不良のため電球の中に水がたまり,すぐに切れるトラブルが相次いだ。また,提灯から発火するトラブルがあった。 イ原告Aは,以上の瑕疵の修補をM建材に依頼し,29万5000円を支出した。 【被告E建設の主張】ア原告Aの主張する瑕疵について(ア)漏水については,被告E建設は本件店舗の屋根・天井の施工を行っていないから責任はない。 本件店舗の床がタイルであることから,本件店舗の外部タイルにたまった雨水が流れ込んできたものと考えられる。本件店舗の賃貸人であるサティb店から,床のコーキングは行わないようにとの指示を受けたため,それに従ったものである。 また,被告E建設は,シーリング剤とシーリングガンを持参したが,雨が降っておりコーキング作業が不可能であったことや,原告Aが他の業者にコーキング工事を行ってもらうと述べたことから,シーリング剤とシーリングガンを預けて帰ってきたのであり,修補を放棄したもので はない。 (イ)提灯の電球に水がたまり切れるトラブル及び提灯の発火については,瑕疵現象・瑕疵原因共に不知。 イ原告Aの主張する修補費用は,本件改装工事代金の約12パーセントを占めるものであり,不当に高額である。本件改装工事と無関係の工事が含まれているし,過大に見積もられた工事もある。原告Aが実際に費用を支払ったか否かも明らかではなく,実費はより低額であるものと推察される。 したがって,仮に本件改装工事に瑕疵が認められたとしても,その修補金額については適正 積もられた工事もある。原告Aが実際に費用を支払ったか否かも明らかではなく,実費はより低額であるものと推察される。 したがって,仮に本件改装工事に瑕疵が認められたとしても,その修補金額については適正な価格に限られるべきである。 (5) 争点(5)(共同不法行為)について【原告らの主張】被告E建設による本件改装工事代金の請求は,争点(3)【原告らの主張】で主張したとおり,150万円も過大なものであるから,原告Aに対する不法行為を構成するものというべきところ,被告Cは,原告Aに対し,本件フランチャイズ契約により被告E建設との契約を強制したこと,被告E建設の見積額についてもFにおいて恫喝し承諾させたこと,被告Cは他のフランチャイジーに対しても指定業者として頻繁に被告E建設を選定していること,原告Aに先立ち本件改装工事の見積書を被告E建設から受領し,その内容及び額について承諾を与えていること,本件改装工事の代金支払についても被告E建設に代わって催促していること等の事情に照らせば,被告らは密接不可分の関係にあり,共謀の上,指定業者との契約締結を強制するという本件フランチャイズ契約を利用し,原告Aに過大な工事代金を支払わせて暴利を貪っていたことが明らかであるから,上記150万円の過大請求については,被告らの共同不法行為が成立するというべきである。 【被告らの主張】そもそも,被告E建設が施工した本件改装工事の代金は適切なものであっ て全く過大でもない上,被告Cは,本件改装工事については契約当事者ではないから,被告E建設と共同して責任を負うことなどなく,また,被告Cや被告E建設が,原告Aに対し,本件改装工事に関する請負契約を締結するよう強制したこともないから,被告らにおいて共同不法行為が成立することはありえない。 (6) 争点(6)(損害又は損 また,被告Cや被告E建設が,原告Aに対し,本件改装工事に関する請負契約を締結するよう強制したこともないから,被告らにおいて共同不法行為が成立することはありえない。 (6) 争点(6)(損害又は損失)について【原告Aの主張】ア被告Cとの関係(ア)主位的請求原告Aは以下の金員を出捐したが,これらは被告Cの違法な勧誘行為がなければ支出しなかったものであり,違法な勧誘行為と相当因果関係のある損害である。 a加入金105万円b開業準備費21万円c販売促進費31万5000円d設備費用157万5000円e店舗改装費用251万3950円合計566万3950円(イ)予備的請求本件フランチャイズ契約の無効又は解除により,原告Aが支払った上記aないしdの金員合計315万円は,法律上の理由なく被告Cが利得したものというべきである。 イ被告E建設との関係争点(4)【原告Aの主張】で主張したとおり,本件改装工事の瑕疵修補費用として,原告Aは29万5000円を支出した。 また,争点(3)【原告らの主張】で主張したとおり,本件改修工事の代 金のうち,150万円分は,被告E建設の過大請求により支出を強いられた費用であるから,原告Aに生じた損害である。 上記金額の合計179万5000円が原告Aに生じた損害である。 【被告らの主張】ア原告Aの主張する損害については争う。 イ損益相殺原告Aの主張する損害のうち,加入金105万円については商標使用料及び店舗運営指導料として,その余の開業準備金,販売促進費及び設備費用の合計210万円については本件店舗の開業及び維持費用として,それぞれ原告Aがその利益を受けたものであり,全額を損害とすると原告Aに不当に利得を与えるものであるから,これを損益相殺すべきである。 ウ過失相殺原 円については本件店舗の開業及び維持費用として,それぞれ原告Aがその利益を受けたものであり,全額を損害とすると原告Aに不当に利得を与えるものであるから,これを損益相殺すべきである。 ウ過失相殺原告Aは自ら本件店舗を選定するなど積極的に本件フランチャイズ契約の締結を主導しており,契約上も被告Cから独立した経営者である。しかし原告Aは経営改善の努力をすることなく,安易に本件店舗の経営を放棄し,被告らの責任を追及しようとしている。 原告らは共に長い社会人経験を有し,店舗経営や契約については十分理解できる能力を有しているし,本件フランチャイズ契約については熟慮する十分な時間的余裕もあった。両名とも納得の上で本件フランチャイズ契約を締結したものである。 以上の事情に鑑みれば,損害賠償額の算定に際し,大幅な過失相殺がなされるべきである。 (7) 争点(7)(ロイヤリティ料及び違約金請求)について【被告Cの主張】ア原告Aは,平成16年3月以降,ロイヤリティ料の支払をしていないため,被告Cは,平成17年5月14日,本件基本契約47条に基づき本件 フランチャイズ契約を解除した。これに先立ち原告Aがなした解除の意思表示は何らの解除原因がないため無効である。したがって原告Aには,平成16年3月分から平成17年4月分までの14か月分のロイヤリティ料合計42万円の支払義務がある。 イ原告Aは,本件フランチャイズ契約の有効期間内の平成16年2月16日ころ,M建材に依頼して本件店舗にやぐらを組み,また,同じく本件フランチャイズ契約の有効期間内の同年4月28日ころ,本件店舗を改装して「G」の屋号で本件新店舗において営業を行った。以上の事実は,事前の承諾無い店舗の改装及び非指定業者の使用を禁止する本件基本契約8条及び11条に違反する。 また,原告Aは,平成 ,本件店舗を改装して「G」の屋号で本件新店舗において営業を行った。以上の事実は,事前の承諾無い店舗の改装及び非指定業者の使用を禁止する本件基本契約8条及び11条に違反する。 また,原告Aは,平成16年3月29日以降,被告C以外の業者から食材等を仕入れており,本件基本契約16条に違反する。 したがって原告Aには,本件基本契約59条により違約金500万円の支払義務がある。 ウ原告らの主張に対する反論やぐらを組むことについて,被告Cは一切承諾していない。むしろ平成16年2月18日付けで,契約違反行為である旨を警告している。 違約金500万円は,本件フランチャイズ契約の規模からすれば,現代社会のフランチャイズ契約として一般的な金額である。被告Cが優越的地位を利用して締結させたものではなく,権利の濫用にも公序良俗違反にもあたらない。 【原告らの主張】アやぐらを組むことについては,風よけのために必要であり,事前に被告Cの承諾を得ている。被告Cからは,色などについて具体的な指示があった。 原告Aは,平成16年4月10日,第2通知により本件フランチャイズ 契約を解除しているから,本件店舗を全面改装して本件新店舗とした時点で契約違反の事実はない。本件フランチャイズ契約を解除する前に原告Aが被告C以外の業者から食材を仕入れたことはない。 イ権利濫用・公序良俗違反前述のとおり,被告Cは本件フランチャイズ契約の締結に際して詐欺的な勧誘を行い,契約締結後も適切な指導監督を行わなかった。このように違法な勧誘行為を行い,かつ契約上の義務を履行しない被告Cが,本件フランチャイズ契約に基づくロイヤリティ料及び違約金の請求をすることは,権利の濫用であって許されない。 違約金500万円という額は,ロイヤリティ料の167か月分にも上り,賠償額の予定としてはあま 件フランチャイズ契約に基づくロイヤリティ料及び違約金の請求をすることは,権利の濫用であって許されない。 違約金500万円という額は,ロイヤリティ料の167か月分にも上り,賠償額の予定としてはあまりに高額なものである。被告Cは,フランチャイザーとしての優越的な地位を利用し,原告Aに一方的に不利な違約金条項に合意させたものである。このような違約金条項は,公序良俗に反し無効である。 第3当裁判所の判断 認定事実(1) 前記前提事実,各項目末尾掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実を認めることができ,この認定に反する証拠はいずれも採用することができない。 ア被告Cは,DとFが,平成9年11月に屋台でのたこ焼き屋から始めた事業であり,その後,フランチャイズ化を少し試みた後,平成11年5月に法人化して本格的にフランチャイズ展開を始め,現在は30数店舗の加盟店を有しているが,本部の営業は2名程度の社員で担当している。 イ原告Aは,平成元年に短期大学を卒業後,会社員,派遣社員などとして,本件フランチャイズ契約を締結するまで約14年間稼働した経歴があった。 原告Aは,平成14年1月ころ,Cg店でたこ焼きを食べたことから被 告Cに興味を持ち,また,自身が中学生のころよりたこ焼き店を開業したいとの夢を抱いていたこともあって,自ら被告Cの本部に連絡を取った。 その後,被告Cからは,ビデオテープや資料が送られてきたほか,フランチャイズ加入を勧誘する電話がかかってくるようになった。 ウ原告Aは,被告Cから大阪へ面接に来るよう勧誘されていたため,友人と大阪に遊びに行った際に面接を受けることとし,平成15年2月9日,本件面接を受けた。 その際,原告Aは,自己資金は400万円から500万円であること,幕張での開店を希望していること,開店するのであ と大阪に遊びに行った際に面接を受けることとし,平成15年2月9日,本件面接を受けた。 その際,原告Aは,自己資金は400万円から500万円であること,幕張での開店を希望していること,開店するのであれば6月ころを望むこと,将来はシドニーにも出店したいことなどを述べた。 これに対し,D及びFは「開業資金のご案内」と題する書面を示した,上,被告Cの開業費用315万円は他のフランチャイズより安いこと,大阪の味を地方に持っていけば儲かることなどを告げた。この際,Dらは,原告Aに対し,開業費用の315万円には店舗となる物件の取得費やその内外装費が含まれないことは告げたものの,それが概ね250万円から500万円程度見込まれるのが一般であり,原告Aの自己資金だけでは店舗を開業することは困難であることについては説明しなかった。 なお,上記「開業資金のご案内」と題する書面には,大きい文字で「1店舗の開業費用合計¥3,150,000」と,その下にやや小さい文字で「※消費税込」と,その下にさらに小さい文字で「※物件取得費,内外装費は別費用」と記載されていたが,Dらは,この書面を原告Aに交付しなかった。 また,被告Cは,平成15年11月に開設したホームページにも「開,業資金のご案内」として「合計¥3,000,000(消費税別途」と)記載したものの,そこでも,物件取得費や店舗改装費用が別途必要であることは記載しなかった。 エ原告Aは,平成15年2月12日ころ,Ch店に赴き,店舗オープンの模様を見学し,同年2月23日ころ,Iに対し「やることに決めまし,た」と伝えた。 。 その後,原告Aは,同年3月下旬ころ,Iからスケルトンの店舗の話を聞き,スケルトンの店舗で開店するにはどうするのかと尋ねた際,Iから,開業費用315万円のほか,更に,店舗取得費用及 」と伝えた。 。 その後,原告Aは,同年3月下旬ころ,Iからスケルトンの店舗の話を聞き,スケルトンの店舗で開店するにはどうするのかと尋ねた際,Iから,開業費用315万円のほか,更に,店舗取得費用及び改装費用が別途必要となる旨を聞かされたが,これらは自身の努力で低額に抑えることが可能であろうと考えた。 また,そのころ,原告Aは,Iから「とにかくやりましょう。でも,,やるに当たっては,52万5000円を振り込んで貰わないとこっちも動。 ,けないんですよ。店舗を探すこともできないんですよ」などと聞かされ加入準備金を入金するよう促された。そこで,原告Aは,このIの求めに応じて,同年4月2日,被告Cに対し,加入準備金として52万5000円を入金した。 その後,原告Aに宛てて,被告Cから本件申込書が送付されてきたところ,これには,加入準備金に関して不返還条項(7項)が記載されてあったが,原告Aは,既に加入準備金を入金していたため,同年5月5日,本件申込書に署名押印して被告Cに返送した。 オ原告Aは,上記店舗取得費用及び改装費用を低額に抑えるべく,平成15年5月19日,被告Cに対し,店舗の改装を知り合いの業者に依頼したい旨を伝えたが,Iから,指定業者以外の業者であると結局は高額になってしまうなどと告げられ説得されたため,これを断念した。ただ,そのころ,原告Aは,フランチャイズのたこ焼き店である銀だこが出店し,初年度は月額600万円,その後は月額300万円という高い売上を出していたサティb店について空きがあるとの情報を入手した。 原告Aは,被告Cのフランチャイズに加盟してたこ焼き店を開店するこ とについて,両親や夫である乙事件被告Bから反対されていたが,上記のとおり,既に加入準備金を支払ってしまったことや,有力な店舗候補であるサティb店の ンチャイズに加盟してたこ焼き店を開店するこ とについて,両親や夫である乙事件被告Bから反対されていたが,上記のとおり,既に加入準備金を支払ってしまったことや,有力な店舗候補であるサティb店の物件情報も入手したことから,そのまま話を進めることとした。その後,両親らは,その制止にもかかわらず,原告Aが話を進めていったことから,強く反対することはしなくなっていった。 カ原告Aは,平成15年5月下旬ころ,Iから,サティb店をビデオに収録して送付すること,通行量の調査を指示された。 また,原告Aは,同年6月24日,新たに原告Aの担当となっていたHに対し,サティとの交渉のために,被告Cの会社案内,フランチャイズ契約書を送付してくれるよう依頼し,その後,同月26日にサティの担当者と面談した際,送付されたこれらのものを提出した。この際,原告Aは,サティの担当者から,保証金・敷金・礼金等が不要とのことで店舗取得費用が要らず,また,居抜き物件であるので店舗改装費用も100万円も要しないだろうと告げられた。 原告Aは,これらの情報をHに伝え,その後,Hから,サティの来客店数,売上,店舗候補の電気容量を調査するよう指示された。 原告Aは,平成15年9月15日,千葉に出張してきたH及び夫の乙事件被告Bとともに,株式会社マイカル東日本担当エリアチーフのJ氏と面談し,後日,サティb店と本件店舗の賃貸借契約を締結した。 キ原告Aは,本件店舗において出店することが決まったため,平成15年10月14日から開店のための研修を被告Cの本部で受けることとなったが,Hから,研修を受けるためには開業費用の残額を先に支払う必要があると告げられた。 そこで,原告Aは,同年10月3日,被告Cに対し,加入金等の残額2。 。 68万円(ただし,研修時の滞在費5万5000円を含む)を入 受けるためには開業費用の残額を先に支払う必要があると告げられた。 そこで,原告Aは,同年10月3日,被告Cに対し,加入金等の残額2。 。 68万円(ただし,研修時の滞在費5万5000円を含む)を入金したク原告Aは,平成15年10月14日から11月17日まで,被告C古川 橋本店で実施された本件研修に参加した。研修内容は,毎日午前9時ころから翌午前2時ころまでで,休日はなく,空き時間に原価表の暗記をしつつ店舗で実地研修を行い,毎日の終了後にDやFの面接を受けるというものであった。同年11月13日からは,乙事件被告Bが面接して採用したLも研修に参加した。 研修が始まった翌日である同年10月15日,原告Aは,本件基本契約書及び本件個別契約書を提示され,Hと読み合わせた後,これらに署名押印した。その際,原告Aは,保証人の署名押印も求められたため,乙事件被告Bに本件基本契約書を送付し,署名押印してくれるよう頼んだところ,乙事件被告Bに拒絶され,本件基本契約書も返送されてきたため,そのまま原告Aにおいて保管することとした。 ケ原告Aは,同年11月11日ころ,Fから,被告Cの指定業者である被告E建設が作成した本件改装工事費が251万3950円と記載された見積書を示された。この見積書は,事前に被告E建設から被告Cに送付され,金額について,あらかじめその承諾を得ていたものであった。 原告Aは,サティから,本件店舗は居抜き物件であり改装費用は多くても100万円にも満たないと告げられていたため,被告E建設の見積もりが過大であると考え,Fに抗議した。 これに対し,Fは,原告Aを被告C本社1階の和室に連れて行き,承諾しないのであれば店舗は出せないなどと,被告E建設の見積もりを承諾するよう要求したため,原告Aはやむなくこれに了承し,研修を終えた後である同 し,Fは,原告Aを被告C本社1階の和室に連れて行き,承諾しないのであれば店舗は出せないなどと,被告E建設の見積もりを承諾するよう要求したため,原告Aはやむなくこれに了承し,研修を終えた後である同年11月20日に120万円,同年12月26日に165万円を,それぞれ被告E建設に支払った。 コ被告E建設は,平成15年11月15日から本件改装工事に着手し,同月末に完成させたが,原告Aに工事が終了した旨を直接告げることをせず,原告Aの引渡点検を受けることもせずに現場から撤収した。 本件店舗では,同月下旬の大雨の際,被告E建設が増設した倉庫部分が水浸しになる漏水事故が発生したため,原告Aは,被告Cに連絡して対処を求めたが,被告E建設は,本件店舗のオープン日である同年12月6日になるまで本件店舗に来ず,同日も,雨が降っているためコーキング作業ができないとして,シーリング剤とシーリングガンを置いて帰った。 本件店舗では,その後も,提灯部分の電球に水が溜まったり,店舗外に設置された電気プラグが屋内用であったことが判明したり,複数の提灯が発火する等のトラブルがあり,その都度,原告Aは,被告Cに連絡して対処を求めたが,被告E建設は何ら修補を行わなかったため,原告Aは,知人であるK(以下「K」という)に依頼し,Kが勤務する建築会社であ。 る株式会社M建材に補修工事をしてもらい,Kから,修補費用額を29万5000円とする見積書を受領した。 サ原告Aは,平成15年12月6日,本件店舗をオープンした。 乙事件被告Bは,本件店舗がオープンに至った以上,本件基本契約の連帯保証人となることはやむを得ないと考え,同日,本件基本契約の連帯保証人欄に署名押印した。 オープン当日は,被告C側からFとHが来て,50円引券を配るなどしたが,被告Cはそれ以上の関与はしなかった 帯保証人となることはやむを得ないと考え,同日,本件基本契約の連帯保証人欄に署名押印した。 オープン当日は,被告C側からFとHが来て,50円引券を配るなどしたが,被告Cはそれ以上の関与はしなかった。 なお,50円引券は,使用対象も個数も使用期間も制限のないもので,1万枚が用意されたが,配付枚数,割引内容などは全て被告Cにおいて決めたものであり,これによる売上げへの影響が事前に予測・検討された形跡はなく,しかも,これが原告Aに説明されることもなかった。 本件店舗の業績は,平成15年12月度は276万2570円を売り上げたものの,その後の売上げは,平成16年1月度が193万8790円,同年2月度が138万6320円と低迷した。被告Cは,原告Aから提出を受けた売上日報をもとにグラフを作成し,原告Aと売上低迷の原因を話 し合うなどした。 原告Aは,本件店舗の売上低迷の原因の一つとして,客が強風を嫌がり,屋外にある店舗を避けることにあると考え,その解決策として,本件店舗にやぐらを組むこととし,平成16年2月ころ,Kに依頼してやぐらを施工してもらったが,やぐらはCのイメージを確保するよう色彩に配慮しながら,本件店舗の看板や提灯を覆い隠すことのないように施工されたものであった。原告Aは,この工事について,事前に被告Cに連絡し,その工事の模様の写真も送信したが,被告Cからは,同月18日,やぐらの施工が本件基本契約11条2項に違反するので本件基本契約を再度確認して欲しい旨の指摘を受けたが,その後,この点について被告Cが指導することはなかった。 原告Aは,更に,新メニューや出前注文も企画するなどしたが,売上の上昇には至らず,同年2月中旬ころからは,本件店舗の開店作業をアルバイトに任せるようになり,また被告Cへの売上日報の送信や食材費の支払いを怠るよ に,新メニューや出前注文も企画するなどしたが,売上の上昇には至らず,同年2月中旬ころからは,本件店舗の開店作業をアルバイトに任せるようになり,また被告Cへの売上日報の送信や食材費の支払いを怠るようになっていった。 シ原告Aは,経営が軌道に乗らず負債が増大したことから本件店舗の営業を続けることはもはや困難であると考え,Kの助言に従い,平成15年3月18日,被告Cに対し,本件改装工事費用の根拠の説明,本件改装工事の瑕疵修補費用の支払及び本件フランチャイズ契約からの解消を求める「通告」及び「嘆願書(第1通知)を送付した。 」これに対し,被告Cは,同月30日付け「回答書」をもって,営業の継続を求め,営業が継続されないのであれば違約金を請求する旨の回答したため,原告Aは,原告代理人に相談し,同年4月9日付けで,本件フランチャイズ契約を解除する旨をの「通知(第2通知)を送付し,第2通知」は翌10日,被告Cに到達した。そして,原告Aは,第2通知の送付と同時に,本件店舗を閉店した。 原告Aのもとには,被告Cから,材料費及びロイヤリティ料の請求が続いたが,原告Aは本件フランチャイズ契約が解除されたことを理由に,食材費等の実費分以外の支払を拒絶し続けた。 ス原告Aは,Kに依頼して,閉店した本件店舗を改装し,平成15年4月28日,たこ焼き,焼きそば,焼きうどん等を販売する本件新店舗「G」をオープンした。本件新店舗の建物の外装は,C当時の本件店舗とは異なった印象を与えたものとしており,また,食材・商材も被告Cのものは使用していなかった。 被告Cは,原告Aが本件新店舗をオープンしたことを聞知し,同年4月29日と同年5月20日の二回にわたり,Hが本件新店舗に赴き,被告Cの商号・食材・商材が使用されていないことを確認した。その後,被告Cは,本件乙事 Aが本件新店舗をオープンしたことを聞知し,同年4月29日と同年5月20日の二回にわたり,Hが本件新店舗に赴き,被告Cの商号・食材・商材が使用されていないことを確認した。その後,被告Cは,本件乙事件提起に至るまで,本件新店舗の営業の中止や,違約金の支払いを求めていない。 なお,原告Aは,トラブル修補及びやぐらの施工については合算して30万円を支払ってはいるが,本件新店舗の改装費用をKに支払っていない。 (2) なお,上記認定事実に関して事実認定の理由を以下に付言する。 まず,原告Aは,本件面接において,D及びFから,開業費用315万円に加えて店舗取得費及び改装費が必要であるとの説明を聞いていない旨を主張し,一応それに副う供述もするが,一方の証人Fは店舗取得費及び改装費が必要である旨を説明したと証言していること,現にFが本件面接の際に原告Aに提示した「開業資金のご案内」と題する書面には「1店舗の開業費用合計3,150,000」との記載の直下に「※物件取得費,内外装費は別費用」との記載がなされており、Fらが殊更にこの部分だけを秘匿して説明しなかったとまではにわかには考えがたいこと,本件面接の翌月である平成15年3月下旬に原告Aから問い合わせを受けたIも,原告Aからの問合わせに対し、何ら隠す素振りも見せずに物件取得費及び店舗改装費が別途必 要である旨を告げていることに照らせば,原告Aの上記主張及び供述は採用することはできない。 また,被告Cは,本件面接時に,店舗改装費用が200万円から400万円程度掛かる旨を説明したと主張し,証人Fもそれに副う証言をするが,本件面接で提示した「開業資金のご案内」と題する書面には「※物件取得費,内外装費は別費用」と記載されているに過ぎず,金額の目安すら記載されていないこと,本件面接後に被告Cが開設したホーム をするが,本件面接で提示した「開業資金のご案内」と題する書面には「※物件取得費,内外装費は別費用」と記載されているに過ぎず,金額の目安すら記載されていないこと,本件面接後に被告Cが開設したホームページにおいても改装費用が別途必要であることすら記載されていないこと,仮にそのような説明がなされているのであれば,自己資金が多くても500万円しかない旨を述べていた原告Aに対し,不足分の手当をどうするかなどに話が展開していくのが通常であると考えられるところ,本件面接時にそのような話合いがなされた形跡は何ら窺えないこと等の事情に照らせば,被告Cの上記主張及びFの上記証言も直ちに採用することはできない。 さらに,被告E建設は,原告Aに対し,直接,本件改装工事の内容及びその見積額について説明をした旨主張し,被告E建設代表者も,結論としてその旨の供述をするけれども,原告Aはこれを否定していること,被告E建設代表者の作成にかかる陳述書にも原告Aに対して説明しその承諾を得た旨の記載もないこと,被告E建設は被告Cの指定業者であり,上記見積書も先ず被告Cに提出しその了解を得ているのであって,被告Cの承諾さえ得ておけば足りるものと認識していたものと推認することも全く不合理ではないことに鑑みると,被告E建設の上記主張も採用できない。 争点(1)(勧誘方法の違法の有無)について(1) 原告らは,まず,本件フランチャイズ契約の締結に至る過程において,原告Aが被告Cから受けた勧誘方法が詐欺による不法行為にあたるとし,本件フランチャイズ契約について,詐欺による取消しまたは錯誤無効が認められるべき旨を主張するので,この点について判断する。 確かに,前記前提事実及び認定事実によれば,D及びFは,本件面接の際,開業費用が315万円であることは説明したものの,店舗取得 誤無効が認められるべき旨を主張するので,この点について判断する。 確かに,前記前提事実及び認定事実によれば,D及びFは,本件面接の際,開業費用が315万円であることは説明したものの,店舗取得費及び改装費を含めた開店に要する総額の見込みを告げなかったこと,Iは,原告Aに対し,加入準備金の不返還条項を定めた本件申込書を提示し,その内容を読み聞かせて説明するなどすることなく,加入準備金52万5000円の入金を促し,現実に入金がなされてから本件申込書を送付した上,その内容についてはやはり何ら説明をしなかったこと,Hも,原告Aに対し,本件フランチャイズ契約の締結に先立ち,加入金及び開業準備費について不返還条項を定めた本件基本契約書を送付したりすることなく,加入金の残額等268万円を入金させ,その後,原告Aに本件研修を受けさせてから本件基本契約書を提示していることの各事実が認められるが,これらの行為に際し,被告Cにおいて,ことさら,本件申込書及び本件基本契約書に定める上記の金員不返還条項を秘匿した上,原告Aに金銭を入金させ,もって原告Aから315万円にのぼる開業費用を詐取しようとしたなどの形跡を窺うことはできない。 また,これらの勧誘方法のみをもっては,被告Cによる勧誘が詐欺的なものであったと評価するにも至らないというべきである。 よって,この点に関する原告らの主張はいずれも理由がない。 (2) そこで,次に,原告らの,被告Cによる勧誘方法は契約締結上の保護義務に違反するとの主張について検討する。 ア前記認定事実によれば,被告Cは,全国にCの店名のたこ焼き店を展開していくことを目的として平成11年5月に設立された企業であり,現在は全国に30数店舗を擁していること,一方,原告Aは,被告Cのブランド名及びその指導・援助を頼りにたこ焼き店を開店し こ焼き店を展開していくことを目的として平成11年5月に設立された企業であり,現在は全国に30数店舗を擁していること,一方,原告Aは,被告Cのブランド名及びその指導・援助を頼りにたこ焼き店を開店しようとしていたもので,稼働経験は相応にあるものの,当時は主婦であり,たこ焼き店の営業はおろか,自営業の経験など全くなく,自己資金にも限度があったこと,本件基本契約及び本件個別契約の内容は,概ね,原告Aにおいて被告Cの 商標を使用して営業することを許諾する,被告Cにおいて営業に必要なマニュアルを作成した場合にはそれを提供して指導する,原告Aは,被告Cが指定する仕様に本件店舗を改装し,食材及び商材も被告Cから仕入れ,さらに,毎月ロイヤリティ料を支払うというものであったところ,以上のような事情によれば,本件基本契約及び本件個別契約は,あわせて,いわゆるフランチャイズ契約を構成するものと解される。 一般に,フランチャイズ契約は,店舗経営の知識や経験に乏しく資金力も十分ではない個人が,フランチャイザーのブランド名及びその指導や援助を期待して契約を締結するものであり,フランチャイザーは,契約締結後,フランチャイジーに対し,ロイヤリティ料を支払ってその営業ノウハウの指導・援助を受けるとともに,フランチャイザーから継続的に仕材や商材の供給を受けていくなど,多大にフランチャイザーに依存していくことが予定された契約形態であることに鑑みれば,フランチャイザーとしては,契約締結に向けた段階においても,既に,フランチャイジー候補者に対し,契約を締結してフランチャイジーになるか否かを判断するに足りる必要かつ十分な情報を適時かつ正確に提供・開示し,同候補者に不測の損害を与えないように配慮すべき義務を信義則上負っているものというべきであり,さらに,上記の義務は,フラ なるか否かを判断するに足りる必要かつ十分な情報を適時かつ正確に提供・開示し,同候補者に不測の損害を与えないように配慮すべき義務を信義則上負っているものというべきであり,さらに,上記の義務は,フランチャイジー候補者の判断過程に何ら不当または不適切な影響を与えるなどしていない状況のもとで履行されることが求められるものと解するのが相当である。 イ以上にたって本件をみると,前記認定事実によれば,被告Cは,本件面接において,開業費用の他に店舗取得費及び改装費用が別途必要であることは説明したものの,その店舗改装費用としては200万円以上を要することが通常であり,原告Aの自己資金だけでは開業することが困難となるであろうことについては何ら告げず,かつ,初期投資総額の見込額などを記載した文書を交付することも一切せず,その後も,担当者において,店 舗取得費及び改装費用が別途必要であることを口頭で告げるにとどまっていたところ,そのような状況のもとで,自営業を営んだこともない一介の主婦であり,自己資金も500万円程度と申告していた原告Aに対し,決して低額とはいえない加入準備金52万5000円を支払うよう誘引し,現にその全額を入金させた後に,上記金員について不返還の条項を定めた本件申込書を送付し,その内容については何ら説明することもなく,さらに,その後,268万円にものぼる加入金の残額等を入金させた後に,上記金員についても不返還条項を定めた本件基本契約書を提示し署名押印させるに至ったものであったところ,以上のような本件フランチャイズ契約の締結に至る経緯を概観するならば,原告Aは,上記のとおり52万5000円を入金した時点において,もしくは,遅くとも,268万円を入金した時点においては,上記被告Cの勧誘方法により,本件フランチャイズ契約の締結を断念す するならば,原告Aは,上記のとおり52万5000円を入金した時点において,もしくは,遅くとも,268万円を入金した時点においては,上記被告Cの勧誘方法により,本件フランチャイズ契約の締結を断念する意思を自由に形成することが必ずしも容易にはできない状態になっていたものと認めるのが相当である。 そうすると,被告Cは,本件フランチャイズ契約の締結の際には,原告Aに対して,本件基本契約書及び本件個別契約書を読み聞かせ,その内容を理解させることに一応努めてはいるものの,既に,それ以前の時点において,自らの勧誘方法により,原告Aに対して不適切な影響を与えていたものと解さざるを得ないから,前記のとおり,契約締結の以前において信義則上フランチャイザーとして求められていた適時かつ正確に情報を開示・提供すべき義務を尽くしたものと評価することはできない。 争点(2)(営業指導義務違反の有無)について原告Aは,被告Cについて,本件店舗に漏水等の事故が発生し,また,瑕疵が判明した際に適切な対応を取らなかった,極めて不適切かつ不十分な本件研修しか実施しなかった,採算を何ら考慮しない営業方針を取らせた,オープン時に人員を派遣しなかったなど,フランチャイザーとしての営業指導義務違反 があった旨を主張するので,この点について検討する。 前記認定事実によれば,原告Aが受けた本件研修は,連日午前9時ころから翌午前2時ころまで,店舗でたこ焼きを焼く実地研修を受けながら,空き時間に仕材等の原価表を暗記し,そのテストを受けるほか,毎日の終了後にDやFの面接を受けるというものであり,1か月を超えるものであったにもかかわらず,休日も与えられないというものであったところ,これらには泊まり込みながら初めてたこ焼きの業務を学ぼうとする原告Aの精神的かつ肉体的な緊張や負担に被告C り,1か月を超えるものであったにもかかわらず,休日も与えられないというものであったところ,これらには泊まり込みながら初めてたこ焼きの業務を学ぼうとする原告Aの精神的かつ肉体的な緊張や負担に被告Cが細やかに配慮していた事情は十分には窺えず,客観的にみるならば,研修の処遇や条件そのものについて,既に適切さを欠いていたとの指摘は免れないというべきである上,その内容についてみても,実技に重点が置かれていたことについてはある程度首肯できるものの,自営業の経験など全くなかった原告Aにとって,それと同程度に重視されるべき経営や営業に関する事項については,単に仕材等の原価表を暗記させ,その正答率を高めさせることに終始していたこと,原価率以外に営業に際して不可避的に発生するロス(たこ焼きの廃棄等)について,それをどのように収益に考慮し以後の経営に反映させていくのかなどについて指導した形跡も全く窺えないことなどに鑑みると,被告Cがオープンを間近に控えた原告Aに対して実施した本件研修は,フランチャイザーが行うものとしては不十分なものであったといわざるを得ない。 また,前記認定事実によれば,本件店舗については,被告E建設が増設した倉庫部分が水浸しになる漏水事故や,提灯部分の電球に水が溜まったり,店舗外の電気プラグが屋内用であったことが判明したり,複数の提灯が発火する等,開店前後からトラブルが頻発し,その都度,原告Aは,被告Cに連絡して対処を求めたにもかかわらず,被告E建設が対応したのは上記漏水事故にとどまり,かつその内容も補修資材等を原告Aに手交するにとどまったところ,被告Cとしては,上記のトラブルが被告E建設が施工した工事に関するものである上,開店前後という経営がいまだ軌道に乗らない時期に頻発したものであることに 鑑みるならば,原告Aからこれらのトラ ろ,被告Cとしては,上記のトラブルが被告E建設が施工した工事に関するものである上,開店前後という経営がいまだ軌道に乗らない時期に頻発したものであることに 鑑みるならば,原告Aからこれらのトラブルについて連絡を受けた際には,被告E建設に調査及び修補を指示するのみにとどまらず,自ら,その後の状況について追跡して調査し対処すべきであったと解されるが,被告Cについて,このような責務を果たしたと認めるに足りる事情は何ら窺えない。 さらに,前記認定事実によれば,被告Cは,50円引券を1万枚用意し,これを原告Aに配布するよう指導したというのであるところ,結果として,上記50円引券の配布が収益に重大な影響を与えたとまで認めることは直ちには困難であるものの,使用対象も個数も制限がないため,割引内容が大きいことや,使用期間制限がないのに配布枚数も大量であったことに照らすと,相応に収益を圧迫していたことは容易に推認できるものであるにもかかわらず,被告Cは,何ら事前に客観的な調査・予測などをすることなく,かつ,原告Aに事前に説明しその了承を得ることもなく,原告Aに50円引券の配布を指導しているのであって,このような姿勢は原告Aの収益について極めて無責任であるといわざるを得ないから,フランチャイザーとして適切に原告Aの経営を指導したものとは到底評価することはできない。 以上の各事実に鑑みれば,被告Cは,本件フランチャイズ契約により課せられた営業指導義務を適切に果たしたものとはいえない。 なお,原告Aは,開店当日に被告Cが人員を派遣してくれなかった点もフランチャイザーとして不適切である旨を主張するが,これについて,被告Cは,オーナーの自助努力を基本にしたフランチャイズ方式を採用しているので,原則として必ずしも人員派遣をするものではない旨反論しているところであ ーとして不適切である旨を主張するが,これについて,被告Cは,オーナーの自助努力を基本にしたフランチャイズ方式を採用しているので,原則として必ずしも人員派遣をするものではない旨反論しているところであり,また,いまだ店舗経営に不慣れな開店当初に応援の人材を派遣することは,その後の集客確保などのために有益であるとは考えられるものの,本件に現れた一切の事情を考慮しても,フランチャイザーである被告Cにおいて,そのような対応を取ることが本件フランチャイズ契約上必須であったとまで認めることはできないことに鑑みれば,原告Aの上記主張は直ちには採用できない。 争点(3)(業者選定義務違反の有無)について原告Aは,被告Cは本件フランチャイズ契約により適切な指定業者を選定すべき信義則上の義務を負っているにもかかわらず,極めて不適切な業者である被告E建設を指定業者として指定し,かつ,その後も指定を解除することなく維持し続けたのであるから上記義務に違反した旨を主張するので,この点について検討する。 前記前提事実及び認定事実によれば,本件基本契約では,本件店舗及び付属設備の設計,配置,建築,改築,改装及び備品等の取付けについては,原告Aは,被告C又は被告Cの指定する第三者をして行わせる旨を定めており(6条,8条,10条,現に,原告Aが自身で改装業者を決めたい旨を申し出た際に)も,Iは,どれほど金額的に損であるかなどを具体的に提示することなく,原告Aを説得して上記申し出を諦めさせていることに鑑みると,被告Cは,本件フランチャイズ契約上,本件店舗の改装業者として適切な業者を指定する義務を負っていたものと解するのが相当である。 そこで,被告Cにおいて,上記義務を尽くしたか否かについて検討するに,前記認定事実によれば,まず,被告E建設は,本件改装工事が原告A 適切な業者を指定する義務を負っていたものと解するのが相当である。 そこで,被告Cにおいて,上記義務を尽くしたか否かについて検討するに,前記認定事実によれば,まず,被告E建設は,本件改装工事が原告Aとの間の請負契約に基づくものであるにもかかわらず,工事内容・請負代金額について,被告Cの了承を得たにとどまり,事前に原告Aに対して説明を尽くしその了承を得ることも,本件改装工事が済んだ際にもその旨を原告Aに告げてその了解を得ることもせず,また,実費(宿泊費等)の請求に際して領収証を添付してその内容を開示することもなく,さらには,本件店舗で漏水事故や発火等のトラブルが頻発したにもかかわらず,対処のために来店したのは一度きりであり,それも補修資材等を原告Aに手交するにとどまったというのであるところ,このような被告E建設の対応は,本件改装工事を請け負った請負業者として果たすべき責務を適切に果たしたものとは到底いえないといわなければならない。 そして,前記認定事実によれば,被告Cは,被告E建設が,本件改装工事の 内容及び金額について,原告Aに直接説明をしたか否かなどについて何ら関知せず,また,原告Aから,上記トラブルが発生した都度,その旨の連絡を受けているものの,その後に被告E建設がどのような対処を取り事態を収束させたかなどについて調査し,被告E建設が指定業者として適切な業者であるか否かについて検証しようとした形跡も全く窺えないところであるから,このような被告Cの対応は,本件店舗の改装業者として適切な業者を指定する義務を誠実に果たしたものとはいえない。 争点(4)(瑕疵の有無及び修補相当損害額)について前記認定事実によれば,本件店舗については,倉庫部分が水浸しになる,電球に水がたまる,電気プラグが屋内用である,提灯が発火する等のトラブルが生 争点(4)(瑕疵の有無及び修補相当損害額)について前記認定事実によれば,本件店舗については,倉庫部分が水浸しになる,電球に水がたまる,電気プラグが屋内用である,提灯が発火する等のトラブルが生じたものであったところ,これらは,いずれも被告E建設の施工した本件改装工事にかかるものと認めるのが相当である上,店舗として通常有すべき効用を欠く改装工事であったと認められるから,いずれも瑕疵に該当するというべきである。 そこで,瑕疵の修補費用額について検討するに,前記認定事実によれば,原告Aは,上記の瑕疵の修補をKに依頼し,その費用として29万5000円の見積書を受領したほか,やぐらを組み立ててもらっており,これらにつき合算して30万円を出捐しているものであるところ,修補代金額としては,上記見積書の他にこれを認めるに足りる証拠は見当たらないから,修補費用額は29万5000円と認めるのが相当である。 争点(5)(共同不法行為)について原告らは,被告E建設による150万円も過大な本件改装工事代金の請求が不法行為を構成する上,被告Cと被告E建設との密接不可分な関係に照らせば,上記不法行為について,被告Cとの間に共同不法行為が成立する旨主張するので,この点について検討する。 前記認定事実によれば,原告Aは,Kより,株式会社M建材が本件改装工事 に相当する工事を施工する場合の見積書を受領しており,これによれば,請負金額は被告E建設による本件改装工事代金額より150万円低額であるというのであるが,本件改装工事が大阪の指定業者である被告E建設によって施工されたものであること,改装工事については,一般的に予備費を予定することもあり得ること等を考慮すると,被告E建設による本件改装工事代金の請求が不法行為を構成するものと認めることはできない。 争点( れたものであること,改装工事については,一般的に予備費を予定することもあり得ること等を考慮すると,被告E建設による本件改装工事代金の請求が不法行為を構成するものと認めることはできない。 争点(6)(損害又は損失)について(1) 先に説示したとおり,被告Cは,本件フランチャイズ契約の締結に至る過程において,既に信義則上求められる情報提供義務に反していたものである上,本件フランチャイズ契約の締結後においても,同契約により求められる営業指導義務及び業者選定義務をも適切に尽くさなかったのであるから,本件フランチャイズの締結により原告Aが被った損害を賠償する責を負わなければならない。 そこで,原告Aの損害について検討するに,前記認定事実によれば,原告Aは,本件フランチャイズ契約の締結にあたり,(ア)加入金105万円,(イ)開業準備金21万円,(ウ)販売促進費31万5000円,(エ)設備費用157万5000円,(オ)店舗改装費用251万3950円の合計566万3950円を支払っているところ,これらは,いずれも被告Cによる上記各義務の違反と相当因果関係にあるというべきであるから,その全額が原告Aの損害であると認めるのが相当である。 (2) 損益相殺について被告Cは,原告Aが支払った金員は,現に,本件店舗の開業及び維持費用として原告Aのために使われているから,これらを損益相殺すべきである旨主張するが,既に説示したとおり,原告Aは,被告Cから不適切な影響を受けていた状況のもとに本件フランチャイズ契約を締結したものと認めるのが相当であることに鑑みると,そもそも本件フランチャイズ契約を前提とする 原告Aの利益を損益相殺の対象とすること自体が相当ではない。 それゆえ,被告Cの上記主張は,採用できない。 (3) 過失相殺について先に認定説示した本件フ そも本件フランチャイズ契約を前提とする 原告Aの利益を損益相殺の対象とすること自体が相当ではない。 それゆえ,被告Cの上記主張は,採用できない。 (3) 過失相殺について先に認定説示した本件フランチャイズ契約の内容からすれば,フランチャイジー自身も独立の経営者として自らの責任において経営を行うことが求められるのが当然というべきであるから,原告Aにおいても,自己の努力によりフランチャイズ契約を締結すべきか否かを判断する情報を収集し分析することが求められていたこと,原告Aは短大を卒業して10年以上社会人として稼働し,本件フランチャイズ契約を締結するか否かを判断する能力を有していたこと,本件フランチャイズ契約の内容についても原告Aにおいて熟慮する期間が与えられていたこと,本件フランチャイズ契約の締結に際しては,もともと原告A自身が積極的であったものであり,夫や両親の度重なる反対を押し切って契約締結に至っていること,原告Aは,開業費用として店舗取得費用及び店舗改装費用が別途必要になることは比較的早い段階で聞かされており,その総額については,自ら被告Cに照会することにより容易に知ることが可能であったことなど,本件に現れた一切の事情を総合考慮すると,原告Aについて,7割の過失相殺を認めるのが相当である。 (4) 被告E建設との関係被告E建設との関係においては,既に争点(4)について判断したとおり,本件改装工事の瑕疵修補代金相当損害額として29万5000円が認められるから,原告Aはこれを被告E建設に請求することができる。 争点(7)(ロイヤリティ料及び違約金請求)について(1) ロイヤリティ料の請求について被告Cは,原告らに対し,本件基本契約に基づき,平成16年3月から被告Cが上記契約を解除した平成17年5月14日までに発生した未払ロイヤ 及び違約金請求)について(1) ロイヤリティ料の請求について被告Cは,原告らに対し,本件基本契約に基づき,平成16年3月から被告Cが上記契約を解除した平成17年5月14日までに発生した未払ロイヤリティ料42万円の支払を請求するので,この点について検討するに,既に 説示したとおり,本件フランチャイズ契約に関しては,被告Cについて,信義則上求められる情報提供義務違反のほか,本件フランチャイズ契約により求められる営業指導義務違反及び業者選定義務違反も認められるというべきであるから,原告Aによる,平成17年4月10日到達の第2通知による本件フランチャイズ契約の解除は有効であると解するのが相当であり,それゆえ,解除後において,原告Aがロイヤリティ料の支払義務を負うことはない。 そして,さらに検討すると,そもそも被告Cは,上記のとおり,本件フランチャイズ契約に基づくフランチャイザーとしての義務,殊に営業指導義務を誠実に果たしておらず,原告Aは本件フランチャイズ契約から本来享受し得た利益を十分に享受できていないといわざるを得ないから,信義則上,被告Cが本件フランチャイズ契約に基づくロイヤリティ料を受けとることも認められないというべきであり,それゆえ,上記解除前であっても,原告Aに対し,ロイヤリティ料の請求をすることは認められないと解するのが相当である。 (2) 違約金の請求について被告Cは,原告Aについて,本件基本契約8条1項,11条1・2項,16条1項違反の事実が認められるとして,59条により違約金の支払を求めるので検討する。 まず,原告Aが本件店舗前にやぐらを組んだ行為についてみるに,前記認定事実によれば,上記工事について,原告Aが事前に被告Cの承諾を取ろうとし,その工事の模様も写真で送信したのに対して,被告Cは,本件基本契約に反する 店舗前にやぐらを組んだ行為についてみるに,前記認定事実によれば,上記工事について,原告Aが事前に被告Cの承諾を取ろうとし,その工事の模様も写真で送信したのに対して,被告Cは,本件基本契約に反する旨を指摘したというのであるが,それ以上に被告Cが上記やぐらを問題とした事実は本件訴訟に至るまで何ら認められないこと,また,前記認定事実によれば,上記やぐらは,集客のため強風を防ぐことを目的としてなされたものに過ぎず,被告Cの店舗イメージを確保するよう色彩等に配慮がなされており,また,本件店舗の特徴である看板や提灯を覆ってもいない というのであり,このような事情及び形状のものであることに鑑みれば,原告Aによる上記行為が,本件基本契約8条及び11条に抵触し,違約金を徴求するに足りるものということはできない。 また,原告Aが,本件店舗を本件新店舗に改装したこと,及び被告C以外の業者から食材を仕入れたことについてみるに,先に説示したとおり,本件フランチャイズ契約は,既に第2通知により平成15年4月10日をもって解除されたものと解すべきところ,原告Aによる上記各行為は,いずれも上記解除後のものであるから,そもそも違約金を請求をすることはできない。 したがって,被告Cの違約金請求は理由がない。 第4 結論 以上によれば,原告Aの請求は,被告Cに対して169万9185円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分の割合による金員,並びに,被告E建設に対して29万5000円及びこれに対する平成16年8月27日から支払済みまで年5分の割合による金員の各支払いを求める限度で理由があるから,その限りにおいてこれを認容することとし,その余の請求については理由がないからこれを棄却することとし,他方,被告Cの請求は,いずれも理由がないから棄却することとし 払いを求める限度で理由があるから,その限りにおいてこれを認容することとし,その余の請求については理由がないからこれを棄却することとし,他方,被告Cの請求は,いずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法64条本文,65条1項本文,61条を,仮執行の宣言について同法259条1項をそれぞれ適用して,主文のとおり判決する。 千葉地方裁判所民事第5部裁判長裁判官仲戸川隆人裁判官三村義幸 裁判官天野研司

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