昭和36(ラ)191 移送決定に対する即時抗告事件

裁判年月日・裁判所
昭和37年1月23日 名古屋高等裁判所
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【DRY-RUN】主    文      本件抗告を棄却する。      抗告費用は抗告人の負担とする。          理    由  本件抗告理由は別紙記載のとおりであり、これに対し当裁判所は次のように判断 する

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判決文本文1,147 文字)

主    文      本件抗告を棄却する。      抗告費用は抗告人の負担とする。          理    由  本件抗告理由は別紙記載のとおりであり、これに対し当裁判所は次のように判断 する。  抗告人の主張の要旨は、手形を一旦債務者に対して呈示した後又は法定の呈示期 間経過後においては、右手形上の債務は、普通の商事債務と同様持参債務となり、 債権者たる手形所持人の営業所又は住所が履行の場所となるというのである。  <要旨>しかしながら、一般に手形債権なるものは、支払のための呈示後又は法定 の呈示期間経過後といえども、証</要旨>券に化体された債権として有価証券たる性 質を失わず、その譲渡については手形の裏書の方法によることができ、そのために は手形の占有を移転することを要し、又その権利の行使に関しても、手形を債務者 に呈示しこれと引換えでなければその支払を求め得ないのである。  右のように、手形はその呈示後又は法定の呈示期間経過後においても、裏書によ る譲渡方法が認められ、且つその権利行使にかんし呈示証券及び受戻証券たる性質 を有する関係上、その履行の場所についても、一般の商事債務におけると異なり、 債務者が債権者方に赴き履行の提供をなすを要せず、債権者たる手形所持人におい て、債務者たる手形振出人(約束手形の場合)の営業所又は住所につき支払の請求 をなすべく、その債務はいわゆる取立債務に属するものと解すべきである。しかし て、この関係は、手形金債務自体のみならず、これに附随して発生する手形呈示後 の遅延損害金の支払についても同様であつて、その債務の履行場所は、債務者の営 業所又は住所であるというべきである。  したがつて、原審が、本件約束手形金債務および遅延損害金債務をいずれも取立 債務と解し、振出人たる相手方の営業所の存する名古屋市a区b町c丁目d番地を も 者の営 業所又は住所であるというべきである。  したがつて、原審が、本件約束手形金債務および遅延損害金債務をいずれも取立 債務と解し、振出人たる相手方の営業所の存する名古屋市a区b町c丁目d番地を もつて義務履行地と認めた上、右請求訴訟に関しては、名古屋地方裁判所が土地管 轄権を有し、岐阜地方裁判所はこれを有せざるものとなし(民訴法第二七条を適用 する余地がない)、右訴訟を名古屋地方裁判所に移送すべき旨決定したことは相当 と考えねばならぬ。  よつて、原決定は正当であり、これを不服とする本件抗告は理由がないから、こ れを棄却することとし、抗告費用の負担につき民事訴訟法第九五条第八九条を適用 して、主文のように決定する。  (裁判長裁判官 石谷三郎 裁判官 山口正夫 裁判官 吉田彰)

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