令和5合(わ)151 住居侵入、強盗致死、建造物侵入、窃盗、強盗、窃盗未遂、強盗傷人

裁判年月日・裁判所
令和6年10月22日 東京地方裁判所
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判決文本文11,069 文字)

令和6年10月22日東京地方裁判所刑事第15部宣告令和5年合(わ)第151号(被告人Aに対する住居侵入、強盗致死、建造物侵入、窃盗、強盗、窃盗未遂被告事件、被告人Bに対する住居侵入、強盗致死、建造物侵入、窃盗、強盗被告事件、被告人Cに対する住居侵入、強盗致死、建造物侵入、窃盗、強盗傷人被告事件)判決 主文 被告人3名をそれぞれ無期懲役に処する。 被告人らに対し、未決勾留日数中各680日を、それぞれその刑に算入する。 理由 (罪となるべき事実)第1 1 部分判決の(罪となるべき事実)第1の1の記載を引用する。 2 部分判決の(罪となるべき事実)第1の2の記載を引用する。 第2(訴因変更後の令和2年8月7日付起訴状の公訴事実)被告人Cは、D(当時47歳)から金品を強奪しようと考え、E、F、G、H及びIと共謀の上、平成30年11月23日午前5時15分頃、大阪市中央区(住所省略)1階敷地内及び同所西側道路上において、Dに対し、十手様のもので、その後頭部を多数回殴打するなどの暴行を加えてその反抗を抑圧し、同人所有又は管理の現金約2000円及び財布等12点在中の手提げバッグ1個(時価合計約15万円相当)を奪い、その際、前記暴行により、同人に加療約10日間を要する後頭部打撲、後頭部挫裂創の傷害を負わせた。 第3 部分判決の(罪となるべき事実)第2の記載を引用する。 第4 部分判決の(罪となるべき事実)第3の記載を引用する。 第5(訴因変更後の令和元年6月12日付追起訴状記載の公訴事実)被告人A及び被告人Bは、金品を強奪する目的で、J及びKと共謀の上、平成31年2月1日午前8時46分頃、東京都渋谷区(住所省略)L方に、警察官を装って玄関ドアから侵入し 追起訴状記載の公訴事実)被告人A及び被告人Bは、金品を強奪する目的で、J及びKと共謀の上、平成31年2月1日午前8時46分頃、東京都渋谷区(住所省略)L方に、警察官を装って玄関ドアから侵入し、その頃から同日午前9時2分頃までの間、同所において、M(当時76歳)に対し、その手足を緊縛し、その口を粘着テープで塞ぐなどの暴行を加え、さらに、L(当時80歳)に対し、その手足を緊縛し、その口を粘着テープで塞ぐなどの暴行を加え、同人らの反抗を抑圧した上、同人ほか1名所有の現金約400万円及び定期預金証書2通等33点(時価合計約123万1100円相当)を奪った。 第6 部分判決の(罪となるべき事実)第4の記載を引用する。 第7(訴因変更後の平成31年4月4日付起訴状記載の公訴事実)被告人3名は、金品を強奪する目的で、共謀の上、平成31年2月28日午前10時51分頃から同日午前11時17分頃までの間に、東京都江東区(住所省略)N方に玄関ドアから侵入し、その頃、同所において、同人(当時80歳)に対し、その手足を緊縛し、その口を粘着テープで塞ぎ、その頸部を圧迫するなどの暴行を加えて、その反抗を抑圧して金品を強奪しようとしたが、金品の発見に至らなかったためその目的を遂げず、前記一連の暴行により、その頃、同所において、同人を不詳の死因により死亡させた。 (量刑の理由) 1 被告人3名の量刑の中心となるのは、判示第7の江東区強盗致死事件である。 この事件は、被告人3名が、一人暮らしの高齢者の自宅マンションに強盗目的で押し入り、激しく抵抗する被害者を強い力で押さえ付け、粘着テープ等で緊縛して自由を奪い、なおも動こうとする被害者に対する危険を顧みることなく乱暴に扱って、その間、被害者は、首を圧迫する暴行を受けたり、一定の時間頭に血が溜まる状態 押さえ付け、粘着テープ等で緊縛して自由を奪い、なおも動こうとする被害者に対する危険を顧みることなく乱暴に扱って、その間、被害者は、首を圧迫する暴行を受けたり、一定の時間頭に血が溜まる状態 にあったりしたというのであり、その結果、被害者は不詳の原因で亡くなったという痛ましい事件である。 2 その犯行態様は、自宅内で平穏に生活していた何ら落ち度のない当時80歳の被害者をいきなり襲って、強い肉体的・精神的ストレスを与える粗暴で悪質なものである。 すなわち、被告人らの供述から認定できる事件の経過は、まず被告人Bが玄関ドアを開けた被害者を仰向けに倒して馬乗りになって押さえ付け、被告人Aが被害者の足を粘着テープで緊縛し、被告人Bと被告人Aが被害者の口と手を粘着テープ等で緊縛したなどというものである。被告人らの供述によっても、被害者は、なりふり構わずもの凄い力で抵抗していたというのであるから、被告人Bと被告人Aは、被害者の抵抗を排するために、相当に強い力で被害者を押さえ付けていたと考えられる。 その後、被害者の唸り声が玄関の外に漏れ聞こえるとまずいと考え、被告人Aが被害者の頭側を、被告人Cが被害者の足を持って、被害者を玄関から被害者方の奥の方まで運んだというのであるが、被告人Cは、途中で被害者を落としてしまい、その後は引きずるように運んでいた旨供述しており、その後も横たわった状態で唸り声をあげる被害者に対して「うるせぇババア。」などと言ったり、口の方に持ってこようとした被害者の手を払いのけたりしたなどというのであり、総じて高齢の被害者に対する必要な配慮に欠け、乱暴に扱っていたことがうかがえる。 そして、被害者を司法解剖したO医師の証言に照らすと、被害者の首を圧迫する外力が加わったことや、一定時間、首の静脈が閉塞されて頭に血が溜まる状態 必要な配慮に欠け、乱暴に扱っていたことがうかがえる。 そして、被害者を司法解剖したO医師の証言に照らすと、被害者の首を圧迫する外力が加わったことや、一定時間、首の静脈が閉塞されて頭に血が溜まる状態となったことは間違いないところ、これらの状況は、一連の被告人らの犯行のどこかで生じたことは間違いない。 このような行為の結果として、被害者の生命が奪われたことは誠に残念であり、本件犯行の結果は取り返しがつかない重大なものである。遺族が被告人3名に対し、 厳しい処罰感情を有していることも十分理解できる。 そして、O医師の証言等によると、被害者に急死の三徴候が認められること、明らかに致死的となる損傷や疾病が認められないことからすると、被害者が、被告人らによる本件犯行を直接の原因として死亡したことは間違いなく、被告人らは、被害者の死という取り返しのつかない結果について、共同正犯としてそれぞれ責任を負うべきである。 3 ここまでの点について、被告人3名の弁護人らは、それぞれ、⑴頸部圧迫の暴行は意図的ではない疑いが残る、⑵被害者の心機能の低下が被害者の死亡に大きく寄与した疑いが残る、などと主張しているので、ここで補足して説明することとする。 この点、確かに、被害者の頸部に何らかの圧迫という暴行が加えられた事実そのものについては、O医師の証言内容などもあって当事者間に争いはないが、既に述べた、被告人らの供述から認められる本件の経過をみても、被告人らが具体的に被害者の首をいつ、どのような態様で圧迫したのか認定できるものはない。検察官は、O医師の証言内容のほかに、被告人らが被害者の首の脈を確認してから逃走したこと、被告人Bが事件直後に携帯電話機で「強盗殺人刑期」などと検索していること、被告人Aと被告人Cが知人との間で意図的な暴行を仄めかすよう 容のほかに、被告人らが被害者の首の脈を確認してから逃走したこと、被告人Bが事件直後に携帯電話機で「強盗殺人刑期」などと検索していること、被告人Aと被告人Cが知人との間で意図的な暴行を仄めかすような会話をしていることなどの事情を挙げて、意図的な頸部圧迫の暴行があった旨主張するが、いずれも犯行の最中で被害者の容態がおかしいことに気づき焦って逃走したことを前提としても説明可能であり、具体的な頸部圧迫の暴行に結び付く程の事情とはいえない。そして、被告人らは被害者の抵抗を排除することに必死であったと考えられるから、その最中で意図せずして被害者の首に暴行を加えてしまったという可能性は十分に考えられる。 そうすると、弁護人の主張するとおり、被告人らが被害者の頸部を意図的に圧迫する暴行は加えていない疑いは残っているというべきである。もっとも、この点が 被告人らの量刑にどのように影響するか、あるいはしないのか、については後ほどさらに検討することとする。 次に、被害者の心機能の低下の影響の点についても検討する。O医師の証言内容からすると、心不全による死亡の可能性は明確に否定されるというのであり、加えて、被害者の知人や主治医であるP医師の証言内容からすると、被害者は一人暮らしで日常生活を送ることができる程に自立して生活していたもので、本件犯行の2か月程前に実施した心臓検査の結果も問題があるものではなかったというのである。 そして、被害者が、事件直前に病院で診察を受けた際にも、入院が必要となる状態にはなかったことからすると、被害者に心不全に結びつく疾患や徴候があったという弁護人らの指摘を踏まえて検討しても、被害者が、他の高齢者と比較して顕著に心機能が低下していたとまで言えるかどうかについては、かなり疑問がある。仮に被害者の心機能が多少低下していた 候があったという弁護人らの指摘を踏まえて検討しても、被害者が、他の高齢者と比較して顕著に心機能が低下していたとまで言えるかどうかについては、かなり疑問がある。仮に被害者の心機能が多少低下していたとしても、P医師の証言によれば、健康な高齢女性であっても本件犯行があれば死亡する可能性はある旨証言しており、前記のとおり被告人らの本件犯行は被害者の安全に対する著しく配慮を欠いた粗暴なものであったことからすると、P医師のかかる証言には説得力がある。そうすると、被害者の心機能の低下も相まって被害者が死亡したとは評価できず、専ら被告人らの暴行を原因として死亡したと評価すべきである。 4 さらに進んで、被告人らの刑事責任を考える上で、本件犯行に至った経緯についてもみておく。被告人らは、判示第1から第6のとおり、組み合わせを変えながら窃盗や強盗を複数件行っていたものであるが、裁判員裁判で審理した2件について特に言及しておく。被告人Cは、大阪強盗傷人事件(判示第2)に関与しているところ、これは、上位共犯者の指示を受け、顔見知りの知人である飲食店の店長を十手様のもので襲って所持品を奪うというもので、現場指示役として犯行を推進する重要な役割を担ったと評価できる。被告人Aと被告人Bは、本件に先立ち、指示役から、詐欺事件に失敗して大金を所持しているとの情報を得たことをきっかけに、 実行犯グループの一員として、高齢者の自宅に押し入って家人2名を緊縛して金品を強奪したという笹塚強盗事件(判示第5)を起こし、約500万円を超える財産的被害を生じさせている。笹塚強盗事件の被害者に生じた財産的、精神的被害も重く、これ自体として非常に重大な犯罪である。 そして江東区強盗致死事件に至るわけであるが、もともと江東区強盗致死事件は、笹塚強盗事件と同じ指示役から、被害者 件の被害者に生じた財産的、精神的被害も重く、これ自体として非常に重大な犯罪である。 そして江東区強盗致死事件に至るわけであるが、もともと江東区強盗致死事件は、笹塚強盗事件と同じ指示役から、被害者に関する情報を提供され、実行に移そうとしたがうまくいかなかったことから、指示役から本件は実行しないよう言われていたものである。それにもかかわらず、被告人Aがその後指示役とのつながりを断っていたことから、犯行を強行しようと考えたものと評価できる。このとき被告人3名は既に長野窃盗事件(判示第6)を成功させていたが、それに飽き足らず、被告人Aが江東区の案件と言って実行を提案し、被告人Cと被告人Bもこれを安易に承諾したもので、結局は、自分たちだけで多額の利得を分け合おうと私利私欲のために重大犯罪を実行に移したものである。そうすると、もはや被告人らは、犯罪組織の中の従属的な立場で犯行に加わったわけではなく、各々が本件犯行に自らの判断で主体的に関与したといえ、本件犯行に至った被告人らの意思決定に酌量の余地はないというべきである。 5 以上を前提に、本件犯行の犯情について評価する。 確かに、本件では、弁護人も指摘しているとおり、被告人らは、被害者に対して殴る蹴るなどの積極的な暴行は加えていないし、誰のどのような行為が死の決定的な要因となったのかも分からないことなど、全体として明らかでない点が残っており、犯情の評価は慎重に行う必要がある。しかし、他方で、被害者は当時80歳と高齢で、年相応の衰えはあり持病を抱えていたものの、一人暮らしで日常生活を送ることができる程に自立して生活していたもので、被害者は被告人らによる本件犯行がなければこの時点で命を落とすことはなく、本件犯行は、高齢の被害者を死亡させる程に危険なものであったことは間違いない。そして、証拠上、頸部 自立して生活していたもので、被害者は被告人らによる本件犯行がなければこの時点で命を落とすことはなく、本件犯行は、高齢の被害者を死亡させる程に危険なものであったことは間違いない。そして、証拠上、頸部への圧迫 の暴行は間違いなく認められ、それが、意図的ではないにしても、被告人らの犯行現場での種々の行為の中から生じたもので、3名のうちの誰かの行った行為であり、その圧迫の時間の長短まではわからないものの、頸部に出血を伴うほどのものであったというのである。そうすると、殴る蹴るなどの分かりやすい積極的な暴行がなくとも、被告人らの犯行現場で行われた暴行の悪質性が低いことにはならない。また、被告人らが、わずか4か月の間に複数の窃盗事件や強盗事件等を繰り返していたという点も重要である。これらの犯罪を行って失敗もあったが、いくつかの成功体験を積み重ね、安易に金を手に入れたいという欲求から犯罪性をエスカレートさせていったものと評価でき、その挙句に本件に至ったという経緯には悪質さが際立っている。 以上にみた本件犯行の犯情からすると、被告人らの刑事責任はいずれも相当に重いのであって、強盗致死の事案についてより暴力性の高い態様があり得るとしても、本件はそれ自体被害者を死亡させかねない危険性を備えた悪質な犯行である。また、犯罪性をエスカレートさせた末に人を死亡させる強盗致死事件を起こすまでに至ったという経緯の悪質さなども考慮すると、強盗致死事件の量刑傾向を踏まえて検討しても、他に無期懲役に処せられた事案と比較して遜色ない事案であると評価することができる。被告人3名は前記のとおり、各々が本件犯行に自らの判断で主体的に関与したものであり、実際に犯行現場でも被害者の見張りと室内の物色を入れ替わりながらそれぞれが行っていて、量刑に差を生じさせるほどに犯情に差はな 名は前記のとおり、各々が本件犯行に自らの判断で主体的に関与したものであり、実際に犯行現場でも被害者の見張りと室内の物色を入れ替わりながらそれぞれが行っていて、量刑に差を生じさせるほどに犯情に差はない。 以上のことからすると、被告人3名に対しては、無期懲役刑を選択するのが相当である。 6 最後に、以上にみた江東区強盗致死事件を含めた本件全体の犯情を前提として、被告人らの個別の一般情状についても検討しておく。 被告人Aは、当公判廷で自己の行った各犯行を後悔し反省の言葉を述べている。 裁判が差し戻されるなどの経緯を経て、事件から5年がたっているが、被告人Aの 反省も徐々に深まりつつあるように見受けられる。また、江東区強盗致死事件の被害者遺族に対して被害弁償の申し出をしていることも挙げておく。 被告人Bも、当公判廷で自己の行った各犯行を後悔し反省の言葉を述べている。 犯罪の被害に遭うことの意味を実感する出来事を経験したようであり、罪を犯したこと、その罪を償うことの意味について少しずつ理解が深まってきたように見受けられる。また、親族により更生環境が整えられている。江東区強盗致死事件の被害者遺族に対して被害弁償の申し出をしていることも被告人Aと同様である。 被告人Cも、当公判廷で自己の行った各犯行を後悔し反省の言葉を述べている。 言葉は少な目ではあるが、被告人Cなりに反省を深めている様子がうかがわれる。 大阪強盗傷人事件の被害者に対して30万円の被害弁償をしたこと、江東区強盗致死事件の被害者遺族に対して被害弁償の申し出をしていることは、ここで挙げておく。 以上のとおり、被告人3名のためにそれぞれ酌むことができる一般情状が認められる。しかしながら、それらを検討しても、被告人3名とも、酌量減軽を相当とする理由はないと言わざるを得ないし、被告人3 く。 以上のとおり、被告人3名のためにそれぞれ酌むことができる一般情状が認められる。しかしながら、それらを検討しても、被告人3名とも、酌量減軽を相当とする理由はないと言わざるを得ないし、被告人3名の間に無期懲役刑を選択することに差をつけるべき一般情状の差があるともいえない。結局、有期懲役刑を選択することが相当な事案とは認められない。 7 よって、主文のとおり判決する。 (求刑-被告人3名につき、それぞれ無期懲役、各弁護人科刑意見:懲役25年(被告人A)、懲役22年(被告人B)、懲役26年(被告人C))令和6年11月5日東京地方裁判所刑事第15部 裁判長裁判官香川徹也 裁判官四宮知彦 裁判官橋詰沙羅 令和6年8月19日東京地方裁判所刑事第15部宣告令和5年合(わ)第151号−1(区分事件被告人Aに対する建造物侵入、窃盗、窃盗未遂、被告人Bに対する建造物侵入、窃盗、被告人Cに対する建造物侵入、窃盗被告事件)部分判決 主文 本件区分事件の各公訴事実につき、被告人らはいずれも有罪。 理由 (罪となるべき事実)第1 被告人Cは、氏名不詳者らと共謀の上、1(令和元年11月8日付起訴状の公訴事実第1)警察官等になりすましてキャッシュカードを窃取しようと考え、平成30年10月23日、警察官及び金融庁職員になりすました氏名不詳者らが、横浜市旭区(住所省略)Q方に電話をかけ、同人(当時57歳)に対し、同人ら名義の口座から現金が不正に引き出されており被害補償の手続を行うため金融庁職員がQ方を訪れる旨申し向けるとともに、同日、金融庁職員になりすました被告人Cが、Q方 け、同人(当時57歳)に対し、同人ら名義の口座から現金が不正に引き出されており被害補償の手続を行うため金融庁職員がQ方を訪れる旨申し向けるとともに、同日、金融庁職員になりすました被告人Cが、Q方を訪れ、同所において、同人に、同人ほか1名名義のキャッシュカード4枚を被告人Cが持っていた封筒に入れさせた上、Qが目を離した隙に、同封筒をあらかじめ被告人Cが用意していた紙片等を入れた別の封筒とすり替え、Q管理の前記キャッシュカード4枚を窃取し、2(令和元年11月8日付起訴状の公訴事実第2)前記第1の1記載の犯行により窃取したQほか1名名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、別表記載のとおり(別 表の掲載省略)、平成30年10月23日午後5時53分頃から同日午後6時6分頃までの間、7回にわたり、横浜市(住所省略)株式会社R1銀行R2支店ほか1か所において、被告人Cが、各所に設置された現金自動預払機に、Qほか1名名義のキャッシュカード4枚をそれぞれ挿入して同機を作動させ、同機から同支店副支店長R3ほか1名管理の現金合計136万9000円を引き出して窃取した。 第2(令和元年7月17日付追起訴状記載の公訴事実)被告人A及び被告人Bは、J及びKと共謀の上、窃盗の目的で、平成31年1月12日午前2時22分頃から同日午前2時38分頃までの間に、S1株式会社代表取締役S2が看守する東京都中央区(住所省略)同会社事務所に、被告人Bがベランダ掃き出し窓の施錠を外した上、同人及び被告人Aが侵入し、その頃、同所において、同人管理の金庫1個等2点(時価合計3万円相当)を窃取した。 第3(令和元年10月3日付追起訴状記載の公訴事実)被告人Aは、J及びKと共謀の上、不正に入手した株式会社T銀行発行のU名義のキャッシュカー 金庫1個等2点(時価合計3万円相当)を窃取した。 第3(令和元年10月3日付追起訴状記載の公訴事実)被告人Aは、J及びKと共謀の上、不正に入手した株式会社T銀行発行のU名義のキャッシュカードを使用して現金を窃取しようと考え、平成31年1月17日午前0時10分頃、埼玉県越谷市(住所省略)において、Jが、同所に設置された現金自動預払機に前記キャッシュカードを挿入して同機を作動させ、株式会社V1銀行お客さまサービス部長V2管理の現金を引き出して窃取しようとしたが、前記キャッシュカードについて利用停止措置がとられていたため、その目的を遂げなかった。 第4(令和元年5月15日付追起訴状記載の公訴事実)被告人3名は、共謀の上、窃盗の目的で、平成31年2月28日午前2時29分頃、ブランドショップW1経営者W2が看守する長野県佐久市(住所省略)所在の同店に、出入口ドア横のガラス窓から侵入し、そ の頃、同所において、同人管理の財布3個等35点(販売価格合計229万6350円)を窃取した。 (罪となるべき事実に関連する情状に関する事実) 1 被告人Cによる横浜窃盗事件(判示第1の1及び第1の2)の量刑事情に関する事実被告人Cは、楽して大金を稼ぎたいという理由で、SNS上で闇バイトに応募し、受け子や出し子として犯行に加担した。被害者名義の口座から出金した被害金額は現金合計136万9000円であり、被害者は被告人Cの処遇について「卑劣な方法で私からキャッシュカードを盗み、そのカードを使って大切な財産を奪った犯人を許すことはできない。厳しく罰してください。」と述べている。被告人Cはこれを氏名不詳の共犯者には渡さず、より高額の報酬を得る目的で、SNSで別途連絡を取り合っていたE(以下Eの下で犯罪行為を行なっていたグループを「Eグ しく罰してください。」と述べている。被告人Cはこれを氏名不詳の共犯者には渡さず、より高額の報酬を得る目的で、SNSで別途連絡を取り合っていたE(以下Eの下で犯罪行為を行なっていたグループを「Eグループ」という。)に渡すという「横取り」をしており、本件に関してEから15万円程度の報酬を受け取った。 2 被告人A及び被告人Bによる日本橋窃盗事件(判示第2)の量刑事情に関する事実被告人Aは、地元で捕まり、釈放された後、被告人Cから、仕事があるから関西に来ないかと誘われたことをきっかけにEや被告人Cとともに関西で生活をするようになった。そうした中で、別件で逮捕されたEから示談などに使う金を用意するよう要求されたことから、関東で闇バイトを探そうと考え、Eグループに入っていたJとともに上京した。その後、被告人Aは、SNSで知り合ったKから紹介された、被害者が長期間不在にしている間に大金が保管されている金庫を窃取するという日本橋窃盗事件の案件を報酬欲しさに引き受けた。そして、Jとともに、 下見を行ってマンションへの侵入方法を検討するなどの準備をした上、Jが、Eグループの闇バイトの案件に応募したことがある関係で知っていた被告人Bを犯行に誘ったところ、同人も報酬目当てにこれに応じたことから、被告人A、被告人B及びJの3人で犯行に及ぶこととなった。 その犯行態様は、被告人Bが隣接するマンションの配管をよじ登って4階にある被害現場のベランダに飛び移り、ベランダの窓ガラスをバール様の工具で割って窓の施錠を外した上で室内に侵入し、玄関の外で待機していた被告人Aを室内に招き入れて一緒に金庫を持ち出し、Jの運転する車で逃走するというものであった。 窃取された金庫の中に現金は入っていなかったものの、不動産関係の事業を営む被害者が保管する不動産 いた被告人Aを室内に招き入れて一緒に金庫を持ち出し、Jの運転する車で逃走するというものであった。 窃取された金庫の中に現金は入っていなかったものの、不動産関係の事業を営む被害者が保管する不動産の権利証等の書類が入っていた。 被害者は、被告人Aと被告人Bの処遇について、一日でも長く刑務所に入ってもらうよう厳しく罰して欲しい旨述べている。 また、被告人A、被告人B及びJは、Kから、本件に関する経費名目で合計30万円を受け取った。 3 被告人Aによる越谷窃盗未遂事件(判示第3)の量刑事情に関する事実日本橋窃盗事件後、闇バイトで金を稼ぐために再度上京していた被告人Aは、Kから、日付が変わったタイミングを狙って、前日に現金を1日の上限額まで引き出したキャッシュカードを使用して再度現金を引き出すという案件を紹介され、報酬欲しさにこれを受けることとした。被告人Aは、Jを誘い、Kから受け取ったキャッシュカードを使用して現金を引き出させようとした。 本件では不正に入手したキャッシュカードを使用した現金出金ができず、被告人Aらは報酬は得ていない。 4 被告人3名による長野窃盗事件(判示第4)の量刑事情に関する事実被告人Aは、平成31年2月1日東京都渋谷区における強盗(「笹塚強盗事件」と呼ぶことになっている。)に成功した後も、逮捕されたEから示談金やEの家族の生活費を要求されていたところ、これらの金銭を用意するとともに、自分が使う金を稼ぐ必要があると考えた。そこで被告人Aは、自らの地元で自身も利用したことがあるブランド品買取店に狙いを定め、深夜に同店への侵入窃盗を行うことを計画した上、前記2のような経緯で知り合った被告人B及び以前から知り合いで前記1及び2記載のとおりの関係にあった被告人Cを誘い入れ、金欲しさに誘いに応じた を定め、深夜に同店への侵入窃盗を行うことを計画した上、前記2のような経緯で知り合った被告人B及び以前から知り合いで前記1及び2記載のとおりの関係にあった被告人Cを誘い入れ、金欲しさに誘いに応じた両名とともに、被告人3名で換金目的での店舗内への侵入窃盗の犯行に臨むこととなった。 その犯行態様は、店内に侵入するためのハンマーなどの道具を被告人Aが用意し、深夜、被害店舗のガラス窓をハンマーで叩き割って店内に侵入し、ショーウィンドウなどを破壊しつつ財布や腕時計等の商品合計35点を窃取したというものであった。 被害金額は合計229万円余りであり、被告人3名は被害品のうちの27点を売却して合計約63万円を取得した。 令和6年8月20日東京地方裁判所刑事第15部 裁判長裁判官香川徹也 裁判官四宮知彦 裁判官橋詰沙羅

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