主文 1 原判決を取り消す。 2 被控訴人の本訴請求を棄却する。 3 控訴人の反訴に基づき,控訴人と被控訴人とを離婚する。 4 控訴人と被控訴人間の長女A(平成7年生)の親権者を控訴人と定める。 5 訴訟費用は,第1,2審を通じ,本訴反訴ともに,被控訴人の負担とする。 事実及び理由 第1 当事者の求めた裁判 1 控訴人(一) 本訴事件(控訴の趣旨) (1) 原判決を取り消す。 (2) 被控訴人の本訴請求を棄却する。 (3) 本訴事件の訴訟費用は,第1,2審とも被控訴人の負担とする。 (二) 反訴事件(請求の趣旨) (1) 控訴人と被控訴人とを離婚する。 (2) 控訴人と被控訴人間の長女A(平成7年生)の親権者を控訴人と定める。 (3) 反訴事件の訴訟費用は,被控訴人の負担とする。 2 被控訴人(一) 本訴事件(控訴の趣旨に対する答弁) (1)(本案前の答弁)本件控訴を却下する。 (本案の答弁)本件控訴を棄却する。 (2) 控訴費用は,控訴人の負担とする。 (二) 反訴事件(請求の趣旨に対する答弁) (1)(本案前の答弁)本件反訴を却下する。 (本案の答弁)控訴人の反訴請求を棄却する。 (2) 反訴事件の訴訟費用は,控訴人の負担とする。 第2 事案の概要 1 本件の本訴事件は,被控訴人(夫・原審原告)が控訴人(妻・原審被告)に対し,民法770条1項5号に基いて,離婚を求めている事案である。原審において,訴状は公示送達により控訴人に送達され,原判決(平成11年11月4日言渡し)は,被控訴人の離婚請求を認容 審被告)に対し,民法770条1項5号に基いて,離婚を求めている事案である。 原審において,訴状は公示送達により控訴人に送達され,原判決(平成11年11月4日言渡し)は,被控訴人の離婚請求を認容するとともに,控訴人と被控訴人間の長女Aの親権者を被控訴人と定めた。 原判決は公示送達により控訴人に送達され,その送達の効力発生日は平成11年11月6日であったが,控訴期間経過後の平成12年9月20日に,控訴人は,原判決を不服として,本件控訴を提起した。 そして,控訴人は,当審において,反訴事件を提起して,被控訴人に対し,民法770条1項5号に基いて,離婚を求めた。 2 本件の前提となる事実(一) 被控訴人(昭和42年生の男性)と控訴人(昭和50年生の女性)は,平成6年12月15日に婚姻の届出をした夫婦である(甲1)。 (二) 被控訴人と控訴人との間には,未成年の子である長女A(平成7年生)がいる(甲1)。 第3 争点及び当事者双方の主張 1 本訴事件について(一) 控訴の適法性(本案前の争点)(1) 被控訴人被控訴人は,平成11年暮れに,控訴人と被控訴人の共通の友人から,「もう離婚されており,このままではAを手放さねばならなくなる。」という電話が控訴人からあったということを伝えられた。このことからすると,控訴人は,控訴人と被控訴人が離婚したことになっていることを平成11年暮れには,既に知っていたものである。 したがって,民事訴訟法97条1項の「その責めに帰することができない事由」は存在しないから,控訴期間経過後になされた本件控訴は不適法である。 (2) 控訴人平成11年11月4日に言い渡された原判決は,公示送達により控訴人に送達されたものであるが,控訴人は,被控訴人の肉体的,精神的暴力に耐えかね れた本件控訴は不適法である。 (2) 控訴人平成11年11月4日に言い渡された原判決は,公示送達により控訴人に送達されたものであるが,控訴人は,被控訴人の肉体的,精神的暴力に耐えかねてやむなく福祉施設に避難して,被控訴人に対し所在不明にしていたに過ぎない。 控訴人が原判決の内容を初めて了知したのは,控訴人代理人が原審の記録を取り寄せた平成12年9月19日である。そして,控訴人は,その翌日である20日に本件控訴を提起したものであって,控訴人が控訴期間を遵守することができなかったことにつき何ら過失はなく,民事訴訟法97条1項により訴訟行為の追完が許されるというべきであるから,本件控訴は適法である。 (二) 被控訴人主張の離婚事由の存否(1) 被控訴人(請求原因)被控訴人と控訴人との間には,次のような婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)がある。 ① 控訴人は,すこぶる自己中心的な性格であり,被控訴人に対して嘘を言うことが常であった。 ② 控訴人は,平成10年7月10日ころ,長女Aを連れて,突然行方不明になった。 ③ その後,被控訴人は,控訴人の知人から控訴人が東京にいることを聞き及んで,ようやく控訴人及び長女Aを金沢に連れ帰ったが,その際,長女Aを連れていった理由を控訴人に尋ねたところ,控訴人は,「長女がいてはじめて生活保護が受給できる。」と平然と言いのけた。 ④ その後しばらく,控訴人と被控訴人は同居を続けていたが,平成11年7月,控訴人は,再び,長女Aを連れて行方不明になった。 (2) 控訴人(請求原因に対する認否)控訴人が,平成10年7月に,長女Aを連れて,被控訴人のもとを去ったこと,その後,被控訴人とともに,金沢に戻ったこと,平成11年7月,控訴人が, 。 (2) 控訴人(請求原因に対する認否)控訴人が,平成10年7月に,長女Aを連れて,被控訴人のもとを去ったこと,その後,被控訴人とともに,金沢に戻ったこと,平成11年7月,控訴人が,再び,長女Aを連れて被控訴人のもとを去ったことは認めるが,その余の主張は争う。 (三) 被控訴人の離婚請求は,信義則上許されるか。 (1) 控訴人(抗弁)控訴人と被控訴人との婚姻関係は,反訴事件において詳述するとおり,被控訴人の控訴人及び長女Aに対する度重なる暴力,控訴人に対する精神的虐待を原因として,被控訴人及びその両親の責めに帰すべき事由により破綻したものである。 したがって,被控訴人は,有責配偶者であるから,被控訴人の離婚請求は,信義則上許されない。 (2) 被控訴人(抗弁に対する認否)控訴人の(1)の主張は争う。 2 反訴事件について(一) 反訴の適法性(本案前の争点)(1) 被控訴人前記のとおり本件控訴は控訴期間を徒過してなされたものであり,不適法であるから,控訴提起後になされた本件反訴も不適法である。 (2) 控訴人本件控訴は前記のとおり適法であるから,本件反訴も当然適法である。 (二) 控訴人主張の離婚事由の存否(1) 控訴人(請求原因)控訴人と被控訴人との間には,次のような婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)がある。 ① 被控訴人は,粗暴でかつ自己中心的な性格であり,食事の時間,内容をはじめ,その他控訴人,長女Aの日常的な細かな行為にまで口うるさく支配的に指示し,思うようにならないと,控訴人や長女Aに対し,殴ったり蹴ったりする等の暴力を振るった。 ② 控訴人は,平成10年7月,東京に里帰りした際,被控訴人と別居したい旨を電話で伝え く支配的に指示し,思うようにならないと,控訴人や長女Aに対し,殴ったり蹴ったりする等の暴力を振るった。 ② 控訴人は,平成10年7月,東京に里帰りした際,被控訴人と別居したい旨を電話で伝えたが,被控訴人は,控訴人の懇願を無視し,上京して,控訴人及び長女Aを金沢に連れ戻そうとしたため,控訴人は,長女Aを連れてシェルター(福祉施設)に逃れた。 平成10年9月初旬,控訴人は東京都立川市内に居住していたが,被控訴人及びその母親に居場所を突き止められた。そして,控訴人と被控訴人が話をしている間に,被控訴人の母親が長女Aを連れ出し,金沢に連れて帰ってしまった。そのためやむなく,控訴人は,長女Aを追って,金沢に戻り,被控訴人の実家で,被控訴人及びその両親と話し合った。その結果,しばらく別居することが合意され,控訴人は,長女Aを連れて再び上京した。 ところが,平成10年9月末,被控訴人は,突然上京して,控訴人を突き飛ばして,長女Aを金沢に連れ帰った。そこで,控訴人は,長女Aの身を案じて,平成10年11月初旬,金沢の被控訴人宅に戻った。 ③ しかし,被控訴人及びその両親は,長女Aを被控訴人の実家に住まわせて,面会することも禁じた。 そして,被控訴人は,控訴人が長女Aに会いたがるのを利用し,<ア>控訴人の意思を無視して性的行為を強要する,<イ>控訴人が病院通いすることを禁じる,<ウ>必要な生活費を渡さない,<エ>控訴人が長女Aの保育園を訪ねることを禁じるなど,ことごとく控訴人の自由を抑圧し,控訴人と長女A双方に多大の精神的肉体的苦痛を強いた。「Aに会いたければ,いうことを聞け。」というのが被控訴人の決まり文句となり,控訴人に様々なことを強要し,控訴人に対する暴言,侮辱的言辞を繰り返し,殴る,物を投げつけるなど暴力 肉体的苦痛を強いた。「Aに会いたければ,いうことを聞け。」というのが被控訴人の決まり文句となり,控訴人に様々なことを強要し,控訴人に対する暴言,侮辱的言辞を繰り返し,殴る,物を投げつけるなど暴力行為も続いた。 ④ 控訴人は,このような生活を半年以上続けたが,被控訴人及びその両親が長女Aを被控訴人のもとに一向に返してくれないため,平成11年7月,隙をみて,長女Aを連れて,被控訴人のもとを去った。 以降,控訴人及び長女Aは,被控訴人と別居を続けている。 (2) 被控訴人(請求原因に対する認否)①の事実は否認する。 ②については,被控訴人と控訴人とが形式的に別居したこと,控訴人が平成10年11月初め,金沢の被控訴人宅に戻ったことは認めるが,その余の事実は否認する。 ③の事実は否認する。 ④については,被控訴人と控訴人とが別居していることは認めるが,その余の事実は否認する。 第4 当裁判所の判断 1 本件控訴の適法性について(1) 証拠(甲4号証,乙6号証,7号証,9号証,10号証,当審における控訴人本人尋問)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ① 控訴人は,平成11年7月4日,長女Aを連れて,被控訴人のもとを去り上京した。そして,控訴人は,被控訴人との連絡を絶ち,被控訴人から身を隠した。 ② 被控訴人は,平成11年9月17日,控訴人を相手方として,金沢地方裁判所に離婚請求訴訟(平成11年(タ)第37号)を提起した。その訴状は,公示送達により控訴人に送達された。そして,原審(金沢地方裁判所)は,平成11年11月4日,控訴人欠席のまま,被控訴人本人尋問を行った上で,同日,離婚を認容し,長女Aの親権者を被控訴人と定める旨の判決を言い渡した。この離婚判決(原判決)は,公示送達 地方裁判所)は,平成11年11月4日,控訴人欠席のまま,被控訴人本人尋問を行った上で,同日,離婚を認容し,長女Aの親権者を被控訴人と定める旨の判決を言い渡した。この離婚判決(原判決)は,公示送達により控訴人に送達されたが,その送達の効力発生日は平成11年11月6日であった。 ③ 控訴人は,上記離婚訴訟や原判決の存在を知る由もなかったが,平成12年8月末ころ,控訴人代理人の弁護士事務所に赴き,被控訴人との離婚問題を相談し,平成12年9月初旬,金沢市役所に被控訴人の戸籍謄本を取り寄せてみたところ,戸籍謄本に裁判離婚の記載があったことから,そこで初めて離婚判決の事実を知った。そして,控訴人代理人が原審訴訟記録について謄写の申請をし,原判決の写しを平成12年9月19日に入手したことにより,控訴人は,同日,原判決の内容を知ることができた。 ④ 控訴人は,控訴人代理人に委任して,平成12年9月20日に,原判決を不服として,本件控訴を提起した。 (2) 以上の事実によれば,控訴人が原判決の内容を知ったのは,控訴人代理人が原審記録の謄写を申請して,原判決の写しを入手した平成12年9月19日のことであると認められるから,平成12年9月20日になされた本件控訴は,民事訴訟法97条1項により適法であると認めるのが相当である。 (3) これに対して,被控訴人は,平成11年暮れに,控訴人と被控訴人の共通の友人から,「もう離婚されており,このままではAを手放さねばならなくなる。」という電話が控訴人からあったということを伝えられており,このことからすると,控訴人は,離婚の事実を平成11年暮れには既に知っていた旨主張し,当審における被控訴人本人尋問においても,これに沿う供述をしている。 しかし,控訴人は,当審における本人尋問において,被控訴人が主張する は,離婚の事実を平成11年暮れには既に知っていた旨主張し,当審における被控訴人本人尋問においても,これに沿う供述をしている。 しかし,控訴人は,当審における本人尋問において,被控訴人が主張するような電話をしたことを否定する供述をしているところであり,他に客観的な証拠がない本件においては,被控訴人の上記主張は採用できない。 2 本件反訴の適法性について本件控訴は前記1のとおり適法と認められるから,本件反訴も,人事訴訟手続法7条1項,8条により適法であることは明らかである。 3 本訴事件及び反訴事件の本案の判断について(1) 証拠(甲1号証,4号証,乙1ないし5号証,7号証,10号証,当審における控訴人本人尋問)及び弁論の全趣旨によれば,控訴人と被控訴人との婚姻関係について,以下の事実が認められる。 ① 被控訴人と控訴人とは,恋愛の末,平成6年12月15日に婚姻の届出をして,夫婦となった。被控訴人は,交際中から,控訴人に対し暴力を振るうことがあったが,結婚してからも,些細なことで控訴人に対し暴力を振るうようになった。そして,被控訴人は,長女Aに対して,口うるさく指示し(例えば,長女Aが水を飲むと,夜中にトイレに起きてうるさいからといって,水分の摂取を禁じた。),思うようにならないと,控訴人や長女Aに対し,殴ったり蹴ったりする等の暴力を振るった。控訴人は,このことを被控訴人の両親にも相談したが,被控訴人の両親は,「控訴人に対し暴力を振るうのはそれだけ気を許している証拠だし,Aに対し手を挙げるようになったのは,しつけだから仕方がない。」などといって,まともに対応しようとしなかった。このため,被控訴人の暴力は一向に改善されなかった。 ② 平成10年7月,控訴人は,東京にいる母親のもとに里帰りした際,被控訴人と別居したい旨を電話 などといって,まともに対応しようとしなかった。このため,被控訴人の暴力は一向に改善されなかった。 ② 平成10年7月,控訴人は,東京にいる母親のもとに里帰りした際,被控訴人と別居したい旨を電話で伝えた。しかし,被控訴人は,上京して,控訴人及び長女Aを金沢に連れ戻そうとしたため,控訴人は,長女Aを連れてシェルター(夫の暴力から逃れた女性を保護する施設)に保護してもらった。 ③ その後,控訴人は東京都立川市内のアパートに居住するようになったが,平成10年9月初旬,居場所を突きとめた被控訴人がその母親とともに,控訴人宅を訪れた。そして,控訴人と被控訴人が話をしている間に,被控訴人の母親が長女Aを連れ出し,そのまま金沢に連れ帰ってしまったため,やむなく,控訴人は,長女Aを追って,金沢に戻り,被控訴人の実家で,被控訴人及びその両親と話し合った。その結果,しばらく別居することが合意され,控訴人は,長女Aを連れて再び上京した。 ④ ところが,平成10年9月末,被控訴人は,突然上京して,控訴人を突き飛ばして,長女Aを金沢に連れ帰った。そこで,控訴人は,長女Aの身を案じて,平成10年11月初旬,金沢の被控訴人宅に戻った。 ⑤ しかし,被控訴人及びその両親は,長女Aを被控訴人の実家に住まわせて,長女Aを控訴人のもとには戻さず,また,長女Aとの面会も禁じた。そして,被控訴人は,控訴人が長女Aに会いたがるのを利用し,「Aに会いたければ,いうことを聞け。」などといって,控訴人の意思を無視し,性的行為を強要したり,控訴人が病院通いすることを禁じたりしたほか,必要な生活費を渡さず,控訴人が長女Aの保育園を訪ねることを禁止するなどした。これにより,控訴人は,忍びがたい精神的苦痛を受けた。そして,被控訴人は,控訴人に対する暴言,侮辱的言辞を繰り返し,殴る 必要な生活費を渡さず,控訴人が長女Aの保育園を訪ねることを禁止するなどした。これにより,控訴人は,忍びがたい精神的苦痛を受けた。そして,被控訴人は,控訴人に対する暴言,侮辱的言辞を繰り返し,殴る,物を投げつけるなど暴力行為も続けた。 ⑥ 控訴人は,このような生活を半年以上続けたが,被控訴人及びその両親が長女Aを控訴人のもとに一向に返してくれないため,平成11年7月,隙をみて,長女Aを連れて,被控訴人のもとを去り,再び上京した。 ⑦ 以降,控訴人は,被控訴人と別居を続けているが,その別居期間は,本件控訴審口頭弁論終結時点で,約2年6か月となる。 (2) 以上の事実が認められ,このことに,控訴人,被控訴人ともに離婚訴訟を提起していることを併せ考えると,控訴人と被控訴人との婚姻関係は,完全に破綻していると認められ,その主要な原因は,被控訴人の控訴人に対する暴力及び精神的虐待にあると認められる。 これに対して,被控訴人は,控訴人に対する暴力を振るったことはない旨主張して,当審における本人尋問においても,これに沿う供述をし,さらに,控訴人が被控訴人と別居している理由につき,「生活保護を受けたいがために,長女Aを連れて,被控訴人のもとを去った。」と供述する。しかしながら,妻が幼子を連れて夫のもとを去り,夫に居場所を隠して生活を送るというのは余程特別の事情があることが推認されるというべきであり,生活保護を受けることだけを目的として幼子を連れて夫のもとを去るというのは,通常考えられないことである。また,証拠(乙2号証)によれば,控訴人は被控訴人から暴力を受けることについて控訴人の母親に対して相談していた形跡が窺われ,さらには,長女Aの心神の状況につきテストを行った臨床心理士Bの報告書(乙5号証)によれば,長女Aは父親である被控訴人に対 から暴力を受けることについて控訴人の母親に対して相談していた形跡が窺われ,さらには,長女Aの心神の状況につきテストを行った臨床心理士Bの報告書(乙5号証)によれば,長女Aは父親である被控訴人に対して怖い存在であるというイメージを抱いていることが認められるから,以上の事実を総合すると,被控訴人の上記供述は,到底信用することができないというべきであり,前記認定のとおり,控訴人に対する暴力及び精神的虐待はあったものと認めるのが相当である。 (3) 以上のとおり,控訴人と被控訴人との婚姻関係は,被控訴人の控訴人に対する暴力及び精神的虐待を原因として完全に破綻しており,両者間には婚姻を継続し難い重大な事由(民法770条1項5号)があると認められるから,控訴人の離婚請求(反訴請求)は理由がある。しかし,被控訴人の本訴請求は,有責配偶者からの離婚請求であるから許されないというべきである。 4 親権者の指定証拠(甲1号証,2号証,4号証,乙3ないし5号証,10号証,当審における控訴人本人尋問)によれば,① 長女Aは,平成7年生であって,本件控訴審口頭弁論終結時で満6歳と未だ幼少であること,② 控訴人が被控訴人と別居した平成11年7月4日ころ以降,現在に至るまで,長女Aは,控訴人のもとにおいて監護養育されていること,③ 長女Aは,金沢にいた際には気管支ぜんそくを患っていたが,現在では,ぜんそくの症状も改善され,一応健康に成育していること,が認められ,これによれば,長女Aの監護状況や生活状況を現状のままに維持するのが相当であるから,長女Aの親権者を母親である控訴人と定めることとする。 5 結論以上によれば,被控訴人の本訴請求は,理由がないものとしてこれを棄却すべきであるから,これと異なる原判決を取り消して,被控訴人の本訴請求を棄却することとし る控訴人と定めることとする。 5 結論以上によれば,被控訴人の本訴請求は,理由がないものとしてこれを棄却すべきであるから,これと異なる原判決を取り消して,被控訴人の本訴請求を棄却することとし,また,被控訴人の反訴請求は,理由があるから,これを認容し,長女Aの親権者を控訴人と定めることとして,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所金沢支部第1部裁判長裁判官川崎和夫裁判官源孝治裁判官榊原信次
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