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主文 原告の請求を棄却する。訴訟費用は原告の負担とする。事実 第一、当事者双方の求めた裁判(原告)一、被告が、昭和三九年三月二八日、原告に対してなした六ケ月間俸給月額の一〇分の一を減ずる旨の懲戒処分を取り消す。二、訴訟費用は被告の負担とする。との判決。(被告)主文第一、二項と同旨の判決。第二、当事者双方の事実上、法律上の陳述(原告の請求原因)一、原告は、昭和二九年七月郵政省職員となり、昭和三三年三月から昭和三四年五月まで東京空港郵便局(以下「空港局」ともいう。)の運行課で、その後は同局の通常郵便課で勤務している郵政事務官であつて、昭和三五年五月から一年間同局職員で構成する全逓信労働組合東京空港郵便局支部(以下「組合支部」ともいう。)の執行委員、昭和三七年六月から昭和三八年一一月まで同支部職場委員兼職場委員会議長の地位にあつたものである。二、被告は、昭和三九年三月二八日原告に対し、左記(1)ないし(4)の処分理由にもとづき請求の趣旨記載の懲戒処分(以下「本件処分」ともいう。)を行つた。「(1) 昭和三八年八月一日関係イ同日午後四時五五分頃、空港局職員Aなど空港支部役員および原告ならびに同局通常郵便課職員計一七名が、同局通常郵便課計画主事席わきにきて、執務中の同課主事Bに対し、上記Aなど支部役員が口々に「なぜメモをとつたのか。」と抗議し、Aは膝でB主事の膝を押し、また肘で同主事の肩を小突いた。ロ同日午後五時頃、Aは、同局通常郵便課長席のわきに行き、通常郵便課長Cに対しメモをとることについて同主事へ命令を行なつたかどうかを確かめ、同課長がこれを肯定したところ、数名の職員は口々に大声をあげて抗議し、また数名の職員は「メモをよこせ。」などとの趣旨の発言をしたのに続いて、一名の職員が「読みあげろ。令を行なつたかどうかを確かめ、同課長がこれを肯定したところ、数名の職員は口々に大声をあげて抗議し、また数名の職員は「メモをよこせ。 郵便課長席のわきに行き、通常郵便課長Cに対しメモをとることについて同主事へ命令を行なつたかどうかを確かめ、同課長がこれを肯定したところ、数名の職員は口々に大声をあげて抗議し、また数名の職員は「メモをよこせ。」などとの趣旨の発言をしたのに続いて、一名の職員が「読みあげろ。令を行なつたかどうかを確かめ、同課長がこれを肯定したところ、数名の職員は口々に大声をあげて抗議し、また数名の職員は「メモをよこせ。」などとの趣旨の発言をしたのに続いて、一名の職員が「読みあげろ。」と発言したところ、原告は、同主事席の机上に置いてあつた同主事のメモを手にとつて読みあげ、午後五時四五分ごろ、同主事が席をたつたところ、原告は「今日に限つてなぜ早く帰るのか。」といいながら同主事の胸ぐらをつかんで押えつけていすに腰かけさせ、さらにAは同主事に対し「官側の犬だ。」といつて同主事の顔面に二回唾をかけ、午後五時五五分ごろ解散した。ハこの間、原告を含む上記の職員は午後四時五五分ごろから同五時一五分ごろまでの約二〇分間勤務を欠いた。(2) 同年一一月一五日関係原告は許可なくして左記勤務時間を欠いた。イ同日午前一〇時五分頃より同時二〇分頃まで約一五分ロ同時四五分頃から午後〇時三〇分までの間所定の一五分間の休息時間を除いた約一時間三〇分(3) 同年一二月三日関係原告は、同日午後四時四七分頃から五時一五分までの間許可なくして勤務を欠いた。(4) 昭和三七年一一月一二日関係原告および前記Aほか空港局職員三名は、同日午前九時五〇分頃から五五分頃までの間、同局通常郵便課事務室において、B主事を殴打するなどして全治約一ケ月の傷害を与えた。」三、しかしながら、右処分理由該当の事実はなく、本件処分は違法であるから取消しを求めるものである。(被告の答弁および主張)一、請求原因第一項の事実は認める。同第二項の事実中処分理由(4)を除きその余を認める。処分理由(4)は、本件処分の理由としたものではなく、処分の量定上斟酌したものに過ぎない。同第三項の主張は争う。二、被告は、次のとおり処分理由(1)ないし(3)の原告の所為が国家公務 余を認める。処分理由(4)は、本件処分の理由としたものではなく、処分の量定上斟酌したものに過ぎない。同第三項の主張は争う。二、被告は、次のとおり処分理由(1)ないし(3)の原告の所為が国家公務員法に違反するため本件処分を行つたものであつて、本件処分は適法、妥当なものである。 の量定上斟酌したものに過ぎない。同第三項の主張は争う。二、被告は、次のとおり処分理由(1)ないし(3)の原告の所為が国家公務 余を認める。処分理由(4)は、本件処分の理由としたものではなく、処分の量定上斟酌したものに過ぎない。同第三項の主張は争う。二、被告は、次のとおり処分理由(1)ないし(3)の原告の所為が国家公務員法に違反するため本件処分を行つたものであつて、本件処分は適法、妥当なものである。(一) 処分の対象となつた原告の所為処分理由(1)イ、ロ昭和三八年八月一日午後四時五五分頃、原告および空港局職員A(同局通常郵便課勤務、組合支部副支部長)、同D(同局運行課勤務、同支部支部長)、同E(同局通常郵便課勤務、同支部書記長)、同F(同局運行課勤務、同支部執行委員)、同G(同局通常郵便課勤務、同支部執行委員)、同H(同局小包郵便課勤務、同支部執行委員)ならびに同局通常郵便課職員等合計約一七名が、同局通常郵便課計画主事席の脇に来て、勤務中の通常郵便課主事B(以下「B主事」という。)に対し、AおよびEが口々に「なぜメモをとつたのか。」と抗議し、Aは、膝で同主事の右膝を押し、また肘で肩を小突いた。午後五時頃、Aは、同局通常郵便課長席に行き、通常郵便課長C(以下「C課長」という。)に対して「課長が命令してメモをとらせたのか、それともB個人が行なつたのか。」と言つたので、C課長が「命じたのは私の責任であり、B君は、その命令に従つただけだ。」と答えたところ、前記約一七名の職員のうち数名の職員は口々に「このようなメモを主事がとつてよいというのか、勤務評定をするのは重大なことだ。」「口に人の和を唱え、背後から人を監視する。それで和が得られるか。」などと大声をあげ、また、数名の職員が口々に「メモをよこせ。」と発言したのに続いて、一名の職員が「読みあげろ。」といつたところ、原告は、前記計画主事席の机上に置いてあつたB主事のメモを手にとつて読みあげた。午後五時四 、数名の職員が口々に「メモをよこせ。」と発言したのに続いて、一名の職員が「読みあげろ。」といつたところ、原告は、前記計画主事席の机上に置いてあつたB主事のメモを手にとつて読みあげた。午後五時四五分頃B主事が「用事があるから帰る。」と言つて席を立つたところ、原告が「いつもは時間すぎまでいるのに、今日に限つてなぜ早く帰るのか。」と言いながらB主事の胸倉をつかんで押さえつけて椅子に腰かけさせ、さらに、AはB主事に対し「官側の犬だ。 よこせ。」と発言したのに続いて、一名の職員が「読みあげろ。」といつたところ、原告は、前記計画主事席の机上に置いてあつたB主事のメモを手にとつて読みあげた。午後五時四五分頃B主事が「用事があるから帰る。」と言つて席を立つたところ、原告が「いつもは時間すぎまでいるのに、今日に限つてなぜ早く帰るのか。」と言いながらB主事の胸倉をつかんで押さえつけて椅子に腰かけさせ、さらに、AはB主事に対し「官側の犬だ。」といつて、同主事の顔面に二回唾をかけ、午後五時五五分頃解散した。これらの集団による暴言および暴力行為は、原告ら組合支部の幹部間においてあらかじめ相互に意思を通じて行われたものであり、仮令事前に具体的な謀議がなかつたとしても、他の抗議者が暴力行為に及んでいることを認識しながら、再度右行為が反覆実行される可能性の大きい状況のもとで集団抗議を継続したのであるから、原告は右集団抗議中の組合員の行為全体について責任を負うべきものであつて、右集団による抗議および暴行の各所為は、国公法九九条に違反し、同法八二条に該当する。処分理由(1)ハ右集団抗議の間、原告は午後四時五五分頃から五時一五分までの約二〇分間勤務を欠いた。右所為は、国公法九八条一項、一〇一条一項に違反し、同法八二条に該当する。処分理由(2)イ同年一一月一五日午前一〇時五分頃、原告は空港局玄関の掲示板に掲出されてあつた全逓信労働組合からの脱退者の声明書の内容を書きとつていたので、同局庶務会計課長Iが、勤務時間中であるから仕事に就くよう口頭で命令したところ、原告は、課長に断つてある旨虚偽の申立をし、更に午前一〇時一五分頃、同局局長Jが「勤務時間中だろう。」と質問したのに対し、原告は「課長に休暇を話してあります。」と虚偽の申立をし、声明書の内容を書き続 告は、課長に断つてある旨虚偽の申立をし、更に午前一〇時一五分頃、同局局長Jが「勤務時間中だろう。」と質問したのに対し、原告は「課長に休暇を話してあります。」と虚偽の申立をし、声明書の内容を書き続け、午前一〇時二〇分頃同所を立ち去るまで約一五分間勤務を欠いた。右就業命令違反行為および欠務行為は、国公法九八条一項、一〇一条一項に違反し、同法八二条に該当する。処分理由(2)ロ同日午前一〇時二五分頃、同局通常郵便課事務室において、前記GがC課長に対して、原告および右同人、A、Eの四名分の組合休暇付与願書を一括して提出したので、C課長が承認できない旨申し渡したところ、Gは付与願書をその場に置いて立ち去つた。 〇時二〇分頃同所を立ち去るまで約一五分間勤務を欠いた。右就業命令違反行為および欠務行為は、国公法九八条一項、一〇一条一項に違反し、同法八二条に該当する。処分理由(2)ロ同日午前一〇時二五分頃、同局通常郵便課事務室において、前記GがC課長に対して、原告および右同人、A、Eの四名分の組合休暇付与願書を一括して提出したので、C課長が承認できない旨申し渡したところ、Gは付与願書をその場に置いて立ち去つた。そこで、C課長は、同日午前一〇時四五分頃、組合支部事務室において、原告およびA、E、Gに対して組合休暇は認められない旨申し渡して、さきにGから提出された組合休暇付与願書を手交したところ、Aは、これをとりまとめて返戻しようとしたが、同課長は受けとらなかつた。かくの如くして、原告は午前一一時から午後〇時三〇分までの一時間三〇分勤務を欠いた。右欠務行為および就業命令違反行為は、国公法九八条一項、一〇一条一項に違反し、同法八二条に該当する。処分理由(3)原告は、同年一二月三日午後四時四七分頃から五時一五分までの間、上司に無断で離席し、約二八分間勤務を欠いた。右所為は、国公法九八条一項、一〇一条一項に違反し、同法八二条に該当する。(二) 処分量定の事由国家公務員は国民全体の奉仕者として公共の利益のために勤務し、職務の遂行にあたつては、全力を挙げてこれに専念しなければならないものである。しかるところ、原告は、昭和三七年一一月一二日午前九時四〇分頃、通常郵便課事務室特殊係作業室付近において、B主事に対し、「区分作業室ができないのは何事 を挙げてこれに専念しなければならないものである。しかるところ、原告は、昭和三七年一一月一二日午前九時四〇分頃、通常郵便課事務室特殊係作業室付近において、B主事に対し、「区分作業室ができないのは何事か。そんなことでは仕事なんかできるか。すぐ事務室を拡げろ。」などと侮辱的言辞を弄し、これに立腹したB主事が原告の胸を手で突いたところ、原告は郵便用竹籠につまづいて尻餅をつき、立ち上るなりB主事のネクタイを掴んだので、同課のK課長代理ら特殊係職員数名が止めたのであるが、原告はB主事の両足内腿を蹴る行為にでた。その後B主事が前記Eの要求により午前九時五〇分頃特殊係作業室に赴いたところ、原告および前記D、E、FおよびL(運行課勤務)らが口々に「先に手を出したのだから謝まれ。 言辞を弄し、これに立腹したB主事が原告の胸を手で突いたところ、原告は郵便用竹籠につまづいて尻餅をつき、立ち上るなりB主事のネクタイを掴んだので、同課のK課長代理ら特殊係職員数名が止めたのであるが、原告はB主事の両足内腿を蹴る行為にでた。その後B主事が前記Eの要求により午前九時五〇分頃特殊係作業室に赴いたところ、原告および前記D、E、FおよびL(運行課勤務)らが口々に「先に手を出したのだから謝まれ。」といい、九時五五分頃までの間こもごもB主事の顔面等を殴打あるいは蹴るなどし、同主事が謝つたところ、誰れかが「土下座して謝れ。」といつたので同主事は床に坐つて「自分から先に手を出したことは悪かつたので謝る。」といつたが、前記の者らは再び口々に「謝つて済むことか。」といいながら、同主事の顔面あるいは体を殴打し、Aの如きは、同主事の左眼のふちを殴打し、治療約一ケ月を要する傷害を与えた。被告は、処分理由(1)ないし(3)の原告の違法行為、原告が組合支部職場委員兼職場委員会議長の地位にあることなど諸般の事由を勘案考慮し、なお前記B主事に対する暴行事件をも斟酌して原告を本件処分に付したものである。(被告の主張に対する原告の答弁および主張)一、(一)(1) 処分理由(1)イ、ロの主張中、被告主張の職員ら約一七名が、昭和三八年八月一日午後四時五五分頃、空港局通常郵便課計画主事席の脇に来てB主事に対し、また同日午後五時頃同局通常郵便課長席に行きC課長に対し、それぞれB主事のメモ行動に関して の職員ら約一七名が、昭和三八年八月一日午後四時五五分頃、空港局通常郵便課計画主事席の脇に来てB主事に対し、また同日午後五時頃同局通常郵便課長席に行きC課長に対し、それぞれB主事のメモ行動に関して抗議したことは認めるが、その余の事実はすべて争う。(2) B主事が、職員の背後から勤務状況を監視、査定し、しかもメモの内容が上司のC課長から命ぜられた以外のことに亘る越権的なものであつたことに対し組合員がその権利を擁護するため抗議するのは当然のことであり、現にC課長は、右抗議の結果組合員に対し、翌日行過ぎの点を謝罪する旨約束して非を認めているのである。原告は、B主事がC課長の目くばせによつて差し出したメモを読み上げ、同主事が抗議の最中に何の理由もなく帰りかけたので、交渉終結まで同席するよう説得するためこれを押しとどめようとしたに過ぎない。 られた以外のことに亘る越権的なものであつたことに対し組合員がその権利を擁護するため抗議するのは当然のことであり、現にC課長は、右抗議の結果組合員に対し、翌日行過ぎの点を謝罪する旨約束して非を認めているのである。原告は、B主事がC課長の目くばせによつて差し出したメモを読み上げ、同主事が抗議の最中に何の理由もなく帰りかけたので、交渉終結まで同席するよう説得するためこれを押しとどめようとしたに過ぎない。また、仮に右抗議中AがB主事に暴行を加えたとしても、右は例外的、突発的な出来事であつて、原告に対する懲戒事由にはなり得ないものである。(二)(1) 処分理由(1)ハの主張中、原告が被告主張の時間交渉に加つていた事実は認めるが、その余は争う。(2) 昭和三八年当時、空港局の日勤者は、許された慣行として午後四時三〇分業務終了、午後四時五〇分退局となつていたものであり、したがつて、日勤者について午後四時三〇分以後の欠務を問題とする余地はないのである。処分理由(1)ハの午後四時五五分には日勤者の業務はすべて終了し、バス利用者はバスに乗車し、それ以外の者は既に退局していたのであるから、当局側の不当について交渉のため残留した原告のみが欠務扱いをされる理由はない。(三)(1) 処分理由(2)イ、ロの主張中、原告が昭和三八年一一月一五日に被告主張の時間勤務をしなかつた事実は認めるが、その余は争う。(2) 原告は、同日早 原告のみが欠務扱いをされる理由はない。(三)(1) 処分理由(2)イ、ロの主張中、原告が昭和三八年一一月一五日に被告主張の時間勤務をしなかつた事実は認めるが、その余は争う。(2) 原告は、同日早朝組合支部から大量の脱退者が出たので、この非常事態に対処する必要上、上司である空港局通常郵便課課長代理M(以下「M課長代理」という。)に対し、組合休暇を請求すると同時に予備的に年次有給休暇をも請求した。当時の通常郵便課においては、M課長代理が職員の休暇請求を処理しており、請求の方法は口頭で当日行つても差支えないものとされていた。そして、M課長代理は右組合休暇ないし年次有給休暇の請求を承認したものである。(3) 仮にM課長代理が右請求に対し拒否もしくは不承認の意思を表示したとしても、その不承認は次の理由により無効である。郵政省では、勤務時間中の組合活動については、①団体交渉手続および②苦情処理手続ならびに組合休暇により③組合の大会、会議等へ出席し、④その他組合の業務を行う場合に認められており、(就業規則二七条、二八条)、空港局における組合休暇の許可基準によれば、支部機関招集の会議も右③、④に該当するものとされている。 理が右請求に対し拒否もしくは不承認の意思を表示したとしても、その不承認は次の理由により無効である。郵政省では、勤務時間中の組合活動については、①団体交渉手続および②苦情処理手続ならびに組合休暇により③組合の大会、会議等へ出席し、④その他組合の業務を行う場合に認められており、(就業規則二七条、二八条)、空港局における組合休暇の許可基準によれば、支部機関招集の会議も右③、④に該当するものとされている。したがつて、職場委員会議長の地位にある原告が、大量脱退という非常事態に対処するための拡大執行委員会に組合休暇をとつて参加できることは当然であり、組合休暇請求の拒否は右許可基準に違反するものである。また、M課長代理は、原告の年次有給休暇請求に対し時季変更権を行使することなく、請求の理由が組合脱退対策という組合活動であることの故に承認しなかつたもので違法である。(四)(1) 処分理由(3)の主張中、原告が昭和三八年一二月三日午後四時五〇分過ぎに退局した事実は認めるが、その余は争う。(2) 昭和三八年当時の空港局における終業および つたもので違法である。(四)(1) 処分理由(3)の主張中、原告が昭和三八年一二月三日午後四時五〇分過ぎに退局した事実は認めるが、その余は争う。(2) 昭和三八年当時の空港局における終業および退局時刻についての慣行は上記のとおりであり、原告は、同年一二月三日も午後四時三〇分に仕事がすべて終了し、午後四時五〇分になつたので終業と信じて退局したのであるが、その際原告は局舎玄関でJ局長と顔を合わせたにもかかわらず、同局長は原告に対して何の注意も与えなかつたのである。(五) 処分量定の事由に関する被告の主張はすべて争う。B主事は、原告からその職場である通常郵便課特殊係作業室の拡張問題について詰問されたところ、忽ち些細なことに激昂して原告を強烈に突き飛ばしたため、原告としてはやむなく防衛行為に訴えざるを得なかつたのである。また、その直後B主事の暴行事件を知つた若干の支部組合員がこれに憤慨してB主事に乱暴したことはあつたが、原告は、この後の暴行事件については全く無関係であつて、傍観していたものに過ぎない。したがつて、原告は、むしろB主事による暴行事件の被害者にほかならず、これを本件処分についての不利益な情状として斟酌することは不当である。二、不当労働行為原告は、上記のとおり組合支部の役員として組合活動を活発に行つてきたものであるが、被告はかねて原告の正当な組合活動を嫌悪し、組合支部の組織破壊を意図していた。 あつたが、原告は、この後の暴行事件については全く無関係であつて、傍観していたものに過ぎない。したがつて、原告は、むしろB主事による暴行事件の被害者にほかならず、これを本件処分についての不利益な情状として斟酌することは不当である。二、不当労働行為原告は、上記のとおり組合支部の役員として組合活動を活発に行つてきたものであるが、被告はかねて原告の正当な組合活動を嫌悪し、組合支部の組織破壊を意図していた。被告は、そのため昭和三八年七月二二日労働組合役員の経歴をもち、その組織および活動に明るいJを空港局長に任命し、利益誘導や恫喝など露骨、悪質な手段により組合支部の運営に対する介入と分裂工作に当らせた結果、同年一一月一五日組合支部から多数の脱退者を生じた。そして、昭和三九年二月二一日には同局長の政策に協力した脱退後の新組合役員に対して な手段により組合支部の運営に対する介入と分裂工作に当らせた結果、同年一一月一五日組合支部から多数の脱退者を生じた。そして、昭和三九年二月二一日には同局長の政策に協力した脱退後の新組合役員に対して昇進の発令をし、同年三月二八日原告を含む旧役員に対して懲戒処分を発令したものである。しかも、上記のとおり、原告の処分理由とされた事実および情状はいずれも懲戒事由としては関係がなく、単なる口実に過ぎないものであつて、本件処分の決定的動機は、原告が正当な組合活動をしたことにあるのであり、本件処分は公労法三条、労組法七条一号、三号の不当労働行為に該当する。三、懲戒権の濫用本件処分は、上記のとおり懲戒事由の事実上の前提を欠くのみならず、懲戒権の行使に藉口して組合支部の組織攻撃のための個人的制裁をとげようとしたものであり、組合分裂に加担した者には本件各事実が不問とされたばかりか栄進の途がひらかれ、逆に団結強化をはかる者には不利益取扱の口実とされるという社会観念上著しく不公正な処遇を敢行した事案であつて、空港局の業務運行に実害を及ぼしたわけでもないなど諸般の情況に鑑みれば、本件処分は懲戒権の濫用である。(原告の主張に対する被告の答弁および反論)一、(一) 組合支部としては、B主事の勤務状況監視行為が不当であると考えるならば、被告に対して正式な話合を申入れ、その機会に釈明を求める秩序立つた方法があるのであつて、本件のような態容の集団抗議が許容されるものではない。また、C課長はメモに関する被告側の非を認めたわけではなく、行過ぎの点についてはB主事とともに釈明する旨を述べたに過ぎない。 権の濫用である。(原告の主張に対する被告の答弁および反論)一、(一) 組合支部としては、B主事の勤務状況監視行為が不当であると考えるならば、被告に対して正式な話合を申入れ、その機会に釈明を求める秩序立つた方法があるのであつて、本件のような態容の集団抗議が許容されるものではない。また、C課長はメモに関する被告側の非を認めたわけではなく、行過ぎの点についてはB主事とともに釈明する旨を述べたに過ぎない。(二) 原告の勤務時間に関する慣行の主張はすべて争う。原告の勤務時間は、日勤の場合は午前八時三〇分から午後五時一五分(午後〇時一五分から四五分間は休憩時間)まで、半日勤の る旨を述べたに過ぎない。(二) 原告の勤務時間に関する慣行の主張はすべて争う。原告の勤務時間は、日勤の場合は午前八時三〇分から午後五時一五分(午後〇時一五分から四五分間は休憩時間)まで、半日勤の場合は午前八時三〇分から午後〇時三〇分(休憩時間なし)までであつて、右の勤務時間中には常に処理すべき仕事がある。処分理由(1)ハおよび(3)の場合は、いずれも未だ処理すべき業務が残存するにも拘らず、これを放棄したものである。(三)(1) 原告がM課長代理に組合休暇を請求すると同時に予備的に年次有給休暇の請求をし、同課長代理が右請求を承認したとの原告主張はすべて争う。原告は、当日同課長代理に対し、単に休暇をもらいたい旨の話をし、同課長代理が休暇は許可にならないだろうと答えたところ、「組合の方から交渉してまとめて組休か年休にしてもらう。」と述べたに過ぎず、休暇請求書を提出してその意思を明示したものではない。(2) 組合休暇に関する就業規則の定めが原告主張のとおりであることは認めるが、空港局における組合休暇の許可基準に関する主張は争う。支部執行委員会等は右許可基準に該当せず、原則として組合上部組織の議決機関の構成員として出席する場合に限定されている。(四) 原告が昭和三八年一二月三日退局する際にJ局長と顔を合わせた事実はない。同局長は、局舎の階段北側の踊り場から原告が退局する現場を見たものである。二、(一) 現業の国家公務員に対して懲戒処分その他の不利益処分が行われた場合に、その不服申立事由が当該処分自体の違法を理由とする場合と不当労働行為を理由とする場合とでは救済手続が截然と区別されている。すなわち、前者の場合は、まず人事院に対し不利益処分の審査請求をし、人事院の判定に不服があるときは不利益処分の取消しを求める抗告訴訟を提起することができ、 踊り場から原告が退局する現場を見たものである。二、(一) 現業の国家公務員に対して懲戒処分その他の不利益処分が行われた場合に、その不服申立事由が当該処分自体の違法を理由とする場合と不当労働行為を理由とする場合とでは救済手続が截然と区別されている。すなわち、前者の場合は、まず人事院に対し不利益処分の審査請求をし、人事院の判定に不服があるときは不利益処分の取消しを求める抗告訴訟を提起することができ、 る場合とでは救済手続が截然と区別されている。すなわち、前者の場合は、まず人事院に対し不利益処分の審査請求をし、人事院の判定に不服があるときは不利益処分の取消しを求める抗告訴訟を提起することができ、後者の場合は、公労委に対して救済の申立をし、公労委の命令に不服があるときは、公労委を被告としてその命令の取消しを求める抗告訴訟を提起することができることになつている。右の二つの救済制度は全く別個の自己完結的なものであり、不当労働行為については、法はその救済手続として原処分を対象とする取消訴訟を予定していないのであるから、懲戒処分の取消しを求める本件訴訟において不当労働行為を処分の違法事由として主張することは許されない。(二) 原告の不当労働行為に関する主張中、原告が組合支部の役員として組合活動を活発に行つてきたことは認めるが、その余はすべて否認する。三、本件処分が懲戒権の濫用であるとの原告の主張はすべて争う。第三、証拠関係(省略) 理由 一、原告が昭和二九年七月郵政省職員となり、昭和三三年三月から昭和三四年五月まで東京空港郵便局の運行課で、その後は同局の通常郵便課で勤務している郵政事務官であつて、昭和三五年五月から一年間同局職員で構成する全逓信労働組合東京空港郵便局支部の執行委員、昭和三七年六月から昭和三八年一一月まで同支部職場委員兼職場委員会議長の地位にあつたことは当事者間に争いがない。二、被告が昭和三九年三月二八日原告に対し、次の(1)ないし(3)の処分理由にもとづき、六ケ月間俸給月額の一〇分の一を減ずる旨の懲戒処分を行つたことは当事者間に争いがない。(1) 昭和三八年八月一日関係イ同日午後四時五五分頃、空港局職員Aなど空港支部役員および原告ならびに同局通常郵便課職員計一七名が、同局通常郵便課計画主事席わきにきて とは当事者間に争いがない。(1) 昭和三八年八月一日関係イ同日午後四時五五分頃、空港局職員Aなど空港支部役員および原告ならびに同局通常郵便課職員計一七名が、同局通常郵便課計画主事席わきにきて、執務中の同課主事Bに対し、上記Aなど支部役員が口々に「なぜメモをとつたのか。 日午後四時五五分頃、空港局職員Aなど空港支部役員および原告ならびに同局通常郵便課職員計一七名が、同局通常郵便課計画主事席わきにきて とは当事者間に争いがない。(1) 昭和三八年八月一日関係イ同日午後四時五五分頃、空港局職員Aなど空港支部役員および原告ならびに同局通常郵便課職員計一七名が、同局通常郵便課計画主事席わきにきて、執務中の同課主事Bに対し、上記Aなど支部役員が口々に「なぜメモをとつたのか。」と抗議し、Aは膝でB主事の膝を押し、また肘で同主事の肩を小突いた。ロ同日午後五時頃、Aは、同局通常郵便課長席のわきに行き、通常郵便課長Cに対しメモをとることについて同主事へ命令を行なつたかどうかを確かめ、同課長がこれを肯定したところ、数名の職員は口々に大声をあげて抗議し、また数名の職員は「メモをよこせ。」などとの趣旨の発言をしたのに続いて、一名の職員が「読みあげろ。」と発言したところ、原告は、同主事席の机上に置いてあつた同主事のメモを手にとつて読みあげ、午後五時四五分ごろ、同主事が席をたつたところ、原告は「今日に限つてなぜ早く帰るのか。」といいながら同主事の胸ぐらをつかんで押えつけていすに腰かけさせ、さらにAは同主事に対し「官側の犬だ。」といつて同主事の顔面に二回唾をかけ、午後五時五五分ごろ解散した。ハこの間、原告を含む上記の職員は午後四時五五分ごろから同五時一五分ごろまでの約二〇分間勤務を欠いた。(2) 同年一一月一五日関係原告は許可なくして左記勤務時間を欠いた。イ同日午前一〇時五分頃より同時二〇分頃まで約一五分ロ同時四五分頃から午後〇時三〇分までの間所定の一五分間の休息時間を除いた約一時間三〇分(3) 同年一二月三日関係原告は、同日午後四時四七分頃から五時一五分までの間許可なくして勤務を欠いた。原告は、本件処分の理由としては、右(1)ないし(3)のほか「(4)原告およびAほか空港局職員三名が昭和三七年一一月一二日午前九時五〇分頃から五五 から五時一五分までの間許可なくして勤務を欠いた。原告は、本件処分の理由としては、右(1)ないし(3)のほか「(4)原告およびAほか空港局職員三名が昭和三七年一一月一二日午前九時五〇分頃から五五分頃までの間、同局通常郵便課事務室において、B主事を殴打するなどして全治約一ケ月の傷害を与えた。」との事実も含まれていると主張するけれども、成立に争いのない乙第一号証および本件口頭弁論の全趣旨を総合すると、右(4)の事実は、本件処分の量定上斟酌された事情に過ぎないことが認められ、右認定を覆すべき証拠は存在しない。 「(4)原告およびAほか空港局職員三名が昭和三七年一一月一二日午前九時五〇分頃から五五分頃までの間、同局通常郵便課事務室において、B主事を殴打するなどして全治約一ケ月の傷害を与えた。」との事実も含まれていると主張するけれども、成立に争いのない乙第一号証および本件口頭弁論の全趣旨を総合すると、右(4)の事実は、本件処分の量定上斟酌された事情に過ぎないことが認められ、右認定を覆すべき証拠は存在しない。三、そこで、まず本件処分の対象となつた原告の所為について順次判断する。(一) 処分理由(1)イ、ロについて昭和三八年八月一日午後四時五五分頃原告および空港局職員A(同局通常郵便課勤務、組合支部副支部長)、同D(同局運行課勤務、同支部支部長)、同E(同局通常郵便課勤務、同支部書記長)、同F(同局運行課勤務、同支部執行委員)、同G(同局通常郵便課勤務、同支部執行委員)、同H(同局小包郵便課勤務、同支部執行委員)ならびに同局通常郵便課職員ら合計約一七名が、同局通常郵便課計画主事席の脇に来てB主事に対し、また同日午後五時頃同局通常郵便課長席に行きC課長に対し、それぞれB主事のメモ行動に関して抗議したことは当事者間に争いがなく、右事実に、成立に争いのない甲第二号証の二、同第五号証、同第七号証、同第一〇号証(ただし後記信用しない記載部分を除く)、乙第二号証、証人Eの証言により成立を認める甲第二号証の一、証人J、同C、同Bの各証言を総合すると次の事実が認められる。(1) 空港局長Jは、昭和三八年七月二七日に着任直後、同局の業務の実態について調査した結果、職員の勤務状態(勤務時間、勤務態度など)が乱れており、そのため業務運行が停滞しているもの が認められる。(1) 空港局長Jは、昭和三八年七月二七日に着任直後、同局の業務の実態について調査した結果、職員の勤務状態(勤務時間、勤務態度など)が乱れており、そのため業務運行が停滞しているものと判断し、組合支部執行部に対し、同月二九日には職員のレクリエーシヨンなど行事の場合における応援服務の協力方を要請し、八月一日には勤務時間の厳守、勤務時間内組合活動の禁止などを申し入れるとともに、他方七月三一日に主任以上の職制を集めて業務の正常化に努めるよう注意し、更に全課長に対し、八月一日の職員の勤務状況について各課長が実態を把握して報告するよう命じた。(2) C課長は、右命令にもとづき同年八月一日午前八時三〇分頃部下のB主事に対し、午後四時三〇分までに勤務をやめた者および勤務時間中無断で離席した者がいるかどうかについてメモをとることを指示した。 内組合活動の禁止などを申し入れるとともに、他方七月三一日に主任以上の職制を集めて業務の正常化に努めるよう注意し、更に全課長に対し、八月一日の職員の勤務状況について各課長が実態を把握して報告するよう命じた。(2) C課長は、右命令にもとづき同年八月一日午前八時三〇分頃部下のB主事に対し、午後四時三〇分までに勤務をやめた者および勤務時間中無断で離席した者がいるかどうかについてメモをとることを指示した。そこでB主事は、午前九時一〇分頃から空港局一階の通常郵便課普通係作業室において同係職員の就業状況の調査を開始し、午後一時から四時三〇分までの間は作業室内の真中にある記帳台で調査結果を記録し、メモを作成した。(3) 同係職員であるD、Nの両名は、B主事がメモをとつていることに気付き、通常郵便課選出の職場委員である原告および組合支部役員らにこれを通報したところ、原告および上記組合支部役員ならびに通常郵便課の職員合計約一七名は、事実を糾明するため同日午後四時五五分頃同局舎二階のB主事の席へ押しかけてその周囲を取り囲み、A、Eが口々に「何故メモを取つたのか。」と抗議を繰り返し、同主事が明確な回答をしないでいると、Aは同主事の椅子のすぐ傍に立つて膝で同主事の膝を押したり、肘で肩を小突いたりした。(4) そのうち、午後五時頃、C課長が課長席に戻つて来ると、Aは同課長に対し、「課長が命令してメモをとらせたのか、 は同主事の椅子のすぐ傍に立つて膝で同主事の膝を押したり、肘で肩を小突いたりした。(4) そのうち、午後五時頃、C課長が課長席に戻つて来ると、Aは同課長に対し、「課長が命令してメモをとらせたのか、それともB個人が行つたのか。」と追及し、同課長が「命じたのは私で、B君は私の命令に従つただけだ。」と返答したところ、その場にいた職員らは、口々に同課長に対して「このようなメモを主事に取らせてよいのか。勤務評定ということになれば重大なことだ。」「課長は口で人の和を唱えながら裏で人を監視する。そんなことをして人の和が得られるか。」などと、B主事に対しては、「課長から命令されたからといつて組合員が組合員を売るようなことをして平気でいられるのか。」「お前は日頃民主主義とか何とかいつているが、実際は官の片棒をかついでいるのではないか。」「お前は悪いことをしているのだ。」などと大声で罵声を浴びせた。このような喧噪な状態が四〇分近く続き、午後五時四〇分頃B主事の机上に置いてあつたメモ用紙を周囲の者が発見し、「それはメモだろう。 か。」などと、B主事に対しては、「課長から命令されたからといつて組合員が組合員を売るようなことをして平気でいられるのか。」「お前は日頃民主主義とか何とかいつているが、実際は官の片棒をかついでいるのではないか。」「お前は悪いことをしているのだ。」などと大声で罵声を浴びせた。このような喧噪な状態が四〇分近く続き、午後五時四〇分頃B主事の机上に置いてあつたメモ用紙を周囲の者が発見し、「それはメモだろう。出せ。」といい出した。B主事はC課長から見せるよう目で合図を受けたので、メモ用紙を差し出し、Aがそれを取り上げたところ、職員の中から「読みあげろ。」という声があり、原告がメモの全文を読みあげた。そのメモの内容は、一、午後四時三〇分前に勤務をやめ退席したもの、二、勤務時間中話し込みが多く手を休めたもの、三、午後四時より四時三〇分までの間空席のもの、四、午後一時より引続き組合活動のため勤務に着かなかつたもの、五、特に真面目に作業を行つたもの、の五項目に分けて該当する職員の氏名を記載したものであつた。(5) その後職員らは、また同主事に対し同様の抗議を繰り返したが、午後五時四五分頃、同主事が「用事があるから帰る。」といつて席を立ち二、三歩 項目に分けて該当する職員の氏名を記載したものであつた。(5) その後職員らは、また同主事に対し同様の抗議を繰り返したが、午後五時四五分頃、同主事が「用事があるから帰る。」といつて席を立ち二、三歩歩きかけたところ、原告が「いつもは時間過ぎまでいるのに、今日に限つて早く帰るのはおかしいじやないか。」といいながら、矢庭に同主事のワイシヤツの衿元を掴んで押さえつけ、再び椅子に坐わらせた。そして、同主事が腰かけた直後、Aは「お前は官側の犬だ。」といいながら同主事の顔面に唾を二回吐きかけた。そのうち周囲の職員の中から「明日謝罪させろ。」という者があり、C課長は、原告の読み上げたメモの内容を聞いてB主事が指示以外の事項(前記第五項)についてもメモしたことを知つたので、その場の混乱を収拾するため、右の点について遺憾の意を表するつもりで「行過ぎの点は、明日B主事とともに釈明する。」と発言した。ところが、その段階では、もつぱらB主事がメモをとつたこと自体が抗議の対象とされ、メモの内容にC課長の指示以外の事項が含まれていることは明確になつていなかつたので、抗議に集つた職員らは、C課長の右発言を勤務状況をメモしたことについて全面的に謝罪したものと理解し、間もなく午後五時五五分頃抗議をやめて解散した。 の点について遺憾の意を表するつもりで「行過ぎの点は、明日B主事とともに釈明する。」と発言した。ところが、その段階では、もつぱらB主事がメモをとつたこと自体が抗議の対象とされ、メモの内容にC課長の指示以外の事項が含まれていることは明確になつていなかつたので、抗議に集つた職員らは、C課長の右発言を勤務状況をメモしたことについて全面的に謝罪したものと理解し、間もなく午後五時五五分頃抗議をやめて解散した。そして、翌八月二日午前九時三〇分頃、通常郵便課普通係作業室において同係職員に対し、C課長からは「昨日命令した人間が勤務時間以外のことについて介入したことは遺憾であるので、今後そうしたことのないよう注意する。」旨を、B主事からは、「命令以外のことをやつた点については注意する。」旨をそれぞれ釈明した。(6) 当時の空港局主事主任職務内規によると、各課の主事に共通の職務内容としては、職員の出勤、退庁、休憩、休息時刻ならびに執務状況を監査し、職場規律の確立をはかるこ る。」旨をそれぞれ釈明した。(6) 当時の空港局主事主任職務内規によると、各課の主事に共通の職務内容としては、職員の出勤、退庁、休憩、休息時刻ならびに執務状況を監査し、職場規律の確立をはかることが規定されており、B主事がその所属する通常郵便課普通係の一般職員の勤務状況を調査、記載することは、右職務権限の範囲に属する事項である。以上の事実が認められ、前掲甲第一〇号証の記載、証人E、同Aの各証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は、前掲の各証拠に照らして信用し難く、他に右認定を覆し得る証拠はない。右認定の事実によると、B主事が職員の目につくような態度でその勤務状況をメモしたことは、職員に無用の刺戟を与えるものであつて、労務管理の方法としてはいささか拙劣の謗りを免れないけれども、同主事が、その所属する通常郵便課普通係の職員の勤務状況を調査、記録すること自体は、本来同主事の職務権限の範囲に属する事項であつてなんら非難の対象となるべき行動ではないにもかかわらず、原告が、同課の職場委員として他の組合支部役員および同課の一般職員多数とともに、B主事およびC課長に対し、一時間以上に亘つて罵詈雑言を交えていわゆるつるし上げの状態でメモをとつたことに対する抗議を執拗に繰り返し、その間、帰りかけたB主事の衿元を掴み、実力を用いてこれを阻止した所為は、到底組合員の権利を擁護するための正当な行動とはいい難いものであり、Aの暴行が突発的なものであつてこれについての共同責任を追及し得ないとしても、この点を問責するまでもなく、原告の右所為は国公法九九条に違反し、八二条一号、三号に該当することが明らかであるといわなければならない。 の状態でメモをとつたことに対する抗議を執拗に繰り返し、その間、帰りかけたB主事の衿元を掴み、実力を用いてこれを阻止した所為は、到底組合員の権利を擁護するための正当な行動とはいい難いものであり、Aの暴行が突発的なものであつてこれについての共同責任を追及し得ないとしても、この点を問責するまでもなく、原告の右所為は国公法九九条に違反し、八二条一号、三号に該当することが明らかであるといわなければならない。(二) 処分理由(1)ハについて原告が、昭和三八年八月一日午後四時五五分頃から五時一五分までの間上記C課長およびB主事 し、八二条一号、三号に該当することが明らかであるといわなければならない。(二) 処分理由(1)ハについて原告が、昭和三八年八月一日午後四時五五分頃から五時一五分までの間上記C課長およびB主事に対する集団抗議に参加していたことは当事者間に争いがない。原告は、当時の空港局における許された慣行として、日勤者の勤務時間は午後四時三〇分業務終了、午後四時五〇分退局とされていたから、午後四時三〇分以後の欠務を問題とする余地はない、と主張するので判断する。成立に争いのない甲第八、第九号証、乙第七号証の一、同第八、第九号証、証人J、同C、同A(ただし後記信用しない部分を除く)の各証言および本件口頭弁論の全趣旨を総合すると、次の諸事実を認めることができる。(1) 昭和三八年当時施行されていた郵政省就業規則、郵政事業職員勤務時間、休憩、休日および休暇規程にもとづいて定められた空港局通常郵便課服務表によると、一週間のうち一日は半日勤(午前八時三〇分から午後〇時三〇分まで)の勤務をする日勤者の勤務時間は、午前八時三〇分始業、午後五時一五分終業で、休憩時間は午後〇時一五分から午後一時まで四五分間、そのほか午前、午後にそれぞれ一五分間の休息時間を設けるものと定められていた。(2) ところで、勤務時間が右のように定められたのは、昭和二八年の就業規則改正によるものであつて、それ以前は休憩時間が三〇分であつたものを労働基準法三四条に適合するよう四五分に改めた結果、それに伴い従来五時までの拘束時間が五時一五分に延長されることになつた。しかしながら、郵政省当局は、従来の実情や拘束時間を一五分延長することは暫定協定違反であるという組合の主張を考慮して、午後の勤務時間中にとるべき、一五分間の休息時間を最後にとつたこととし、実際上は従来どおり午後五時に終業、退局する であつて、それ以前は休憩時間が三〇分であつたものを労働基準法三四条に適合するよう四五分に改めた結果、それに伴い従来五時までの拘束時間が五時一五分に延長されることになつた。しかしながら、郵政省当局は、従来の実情や拘束時間を一五分延長することは暫定協定違反であるという組合の主張を考慮して、午後の勤務時間中にとるべき、一五分間の休息時間を最後にとつたこととし、実際上は従来どおり午後五時に終業、退局する 実情や拘束時間を一五分延長することは暫定協定違反であるという組合の主張を考慮して、午後の勤務時間中にとるべき、一五分間の休息時間を最後にとつたこととし、実際上は従来どおり午後五時に終業、退局することを包括的に黙認する取扱をしていた。(3) 原告の所属する空港局通常郵便課特殊係は、外国向けの書留郵便物の国別区分、目録の作成、郵袋納入、発送(いわゆる差立処理)と外国から到着する書留郵便物および国内の書留郵便物の区分、目録作成、郵袋納入、発送(いわゆる到着処理)を主たる業務内容としていたが、差立、到着ともに郵便物の受入れは継続的に行なわれるものであつたので、日勤者は、例えば差立の場合、当日午後八時頃までに出発する航空機に塔載すべき郵便物の差立準備をするとともに、翌朝までに発送すべき郵便物の差立の下ごしらえをして夜勤者に引き継ぐという形態で業務を処理しており、引受郵便物の量によつては、日勤者の仕事が午後四時三〇分以前になくなることもないではなかつたが、そのようなことが業務の常態というわけではなかつた。(4) ところが、J局長の着任以前は、空港局の職場規律はかなり弛緩しており、午後四時三〇分頃までに、まだ処理すべき仕事が残つているにもかかわらず、これを仕舞つて退局する職員が相当数存在したが、同局の管理者が右の事実を明示的または黙示的のいずれにせよ承認したことはなく、同局の職員通勤用バスは午後五時頃局舎前に到着しており、J局長は同年七月二七日着任後直ちに上記のとおり組合支部執行部に対して勤務時間の厳守を申し入れている。以上の事実が認められ、証人E、同Aの各証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は前掲の各証拠に照らしてたやすく信用し難く、他に右認定に反する証拠はない。右認定の事実によると、空港局において日勤者の勤務時間は、就業規則 、同Aの各証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は前掲の各証拠に照らしてたやすく信用し難く、他に右認定に反する証拠はない。 支部執行部に対して勤務時間の厳守を申し入れている。以上の事実が認められ、証人E、同Aの各証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は前掲の各証拠に照らしてたやすく信用し難く、他に右認定に反する証拠はない。右認定の事実によると、空港局において日勤者の勤務時間は、就業規則 、同Aの各証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は前掲の各証拠に照らしてたやすく信用し難く、他に右認定に反する証拠はない。右認定の事実によると、空港局において日勤者の勤務時間は、就業規則上午前八時三〇分から午後五時一五分までであつて、午後の勤務時間中に設けるべき一五分の休息時間を勤務時間の最後に与えたことにするという空港局管理者側の取扱は、休息時間を設けた制度の趣旨に反するものといわざるを得ない。しかしながら、現業の国家公務員の勤務関係においても、一般の私企業の労使関係におけると同様、使用者(管理者)と労働者(一般職員)の双方に承認された慣行的事実は、職場の労使関係を規律するうえで尊重されるべきものであり、前記認定の事実によると、原告主張のように午後四時三〇分終業、午後四時五〇分退局が許された慣行であつたとは、到底認められないけれども、昭和三八年当時空港局においては、日勤者が午後五時に終業、退局することを包括的に黙認する取扱をしていたのであるから、午後五時以降勤務を離れたことをもつて職務に専念する義務を怠つたものとして懲戒処分の対象とすることは許されないと解するのが相当である。そうすると、原告が上記C課長およびB主事に対する集団抗議に参加して勤務を離れた所為のうち午後四時五五分から五時までの五分間の欠務のみが、国公法九八条一項、一〇一条一項に違反し、同法八二条各号に該当するものといわなければならない。(三) 処分理由(2)イ、ロについて原告が昭和三八年一一月一五日午前一〇時五分から二〇分までの一五分間および午前一一時から午後〇時三〇分までの一時間三〇分勤務を欠いたことは当事者間に争いがない。原告は、当日朝M課長代理に組合休暇または年次有給休暇を請求し、同課長代理からその承認を受けたと主張するので判断する。前掲 〇時三〇分までの一時間三〇分勤務を欠いたことは当事者間に争いがない。原告は、当日朝M課長代理に組合休暇または年次有給休暇を請求し、同課長代理からその承認を受けたと主張するので判断する。前掲甲第八号証(ただし、後記採用しない記載部分を除く)、第九号証、証人Mの証言によつて成立を認める甲第一号証、前掲乙第七号証の一、本件口頭弁論の全趣旨により原本の存在およびその成立を認める乙第七号証の二、証人I、同M(ただし後記採用しない部分を除く)の各証言、原告本人尋問の結果(ただし後記採用しない部分を除く)を総合すると、次の諸事実が認められる。 長代理からその承認を受けたと主張するので判断する。前掲甲第八号証(ただし、後記採用しない記載部分を除く)、第九号証、証人Mの証言によつて成立を認める甲第一号証、前掲乙第七号証の一、本件口頭弁論の全趣旨により原本の存在およびその成立を認める乙第七号証の二、証人I、同M(ただし後記採用しない部分を除く)の各証言、原告本人尋問の結果(ただし後記採用しない部分を除く)を総合すると、次の諸事実が認められる。(1) 原告は、昭和三八年一一月一五日早朝組合支部から六〇名余の大量の脱退者が出たことを知り、職場委員会議長として支部組合執行部とともに右非常事態に対処する方策をたてる必要に迫られたので、午前一〇時過頃通常郵便課特殊係の作業室入口附近にいたM課長代理に対し、脱退者が出たため組合休暇がほしい旨申し出た。(2) 組合休暇とは、郵政省就業規則二八条に規定するものであつて、組合の大会、会議に出席する場合およびその他組合の業務を行う場合にあらかじめ組合休暇付与願を提出して所属長の許可を受けたときは勤務時間中でも組合活動を行える制度であるが(この点は当事者間に争いがない)、右組合休暇付与の運用に関する郵政省官房人事部長の通達によれば、許可の具体的基準としては、「労働組合の生成のため不可欠と思料される活動、たとえば中央本部、地方本部、地区本部、支部等の組合規約で定められている組合の議決機関(大会、中央委員会、委員会等で定期、臨時を問わない。)の構成員として出席する場合および地区本部における支部長会議、あるいは中支部における分会長会議等で上記議決機関に準じて取り扱うことが適当と認められる機関の構成員として出席する場合 、臨時を問わない。)の構成員として出席する場合および地区本部における支部長会議、あるいは中支部における分会長会議等で上記議決機関に準じて取り扱うことが適当と認められる機関の構成員として出席する場合、地方本部、地区本部および中支部における執行委員会の構成員として出席する場合、会計監査として監査を行う場合」が挙げられ、また組合休暇の許可権限を有する者は空港局においては局長であつて、実際上局長以外の管理職員に許可権限を委ねるということはなされていなかつたし、従来その請求が課長代理を経由して提出されたこともなかつた。(3) そこでM課長代理が原告に対し、「組合休暇については課長代理では難しい。 場合、地方本部、地区本部および中支部における執行委員会の構成員として出席する場合、会計監査として監査を行う場合」が挙げられ、また組合休暇の許可権限を有する者は空港局においては局長であつて、実際上局長以外の管理職員に許可権限を委ねるということはなされていなかつたし、従来その請求が課長代理を経由して提出されたこともなかつた。(3) そこでM課長代理が原告に対し、「組合休暇については課長代理では難しい。」と返答すると、原告は「それでは組合休暇が難しいならば年休をほしい。」と申し出た。(4) 就業規則の規定によると、年次有給休暇には計画付与および自由付与の二種があり、いずれも職員の請求に対する所属長の意思表示によつて付与され(八一条)、自由付与の場合、職員は所属長に対して希望する日の前日の正午までに請求書を提出しなければならないが、病気、災害その他やむを得ない理由によりあらかじめ請求することが困難であつたことを所属長が認めたときは、職員は勤務しなかつた日から三日以内にその理由を付して請求書を提出でき(八六条)、また自由付与にかかる休暇は職員の請求する時季に与えるが、所属長が業務の正常な運営に支障を生ずると認めた場合には他の時季に与えることがある(八五条)、と定められていた。しかしながら、当時空港局では、職務規程により局長が右就業規則八一条所定の意思表示をなす権限を各課長に委任しており、通常郵便課における実際上の慣行としては、課長代理がその課に所属する職員からの年次有給休暇請求を受け付けて、当該休暇により業務の運営に支障を来たすか否かを検討し、時季の変更 限を各課長に委任しており、通常郵便課における実際上の慣行としては、課長代理がその課に所属する職員からの年次有給休暇請求を受け付けて、当該休暇により業務の運営に支障を来たすか否かを検討し、時季の変更を必要とするような特別の事情がある場合は、課長代理が課長に相談のうえにその旨を申し入れるが、それ以外の場合は課長代理の判断で処理し、事務手続上事後に課長の決裁を得るという取扱が一般であり、請求の方法についても、原則的には請求書が事前に提出されていたが、急用ができた場合などには口頭による請求も受け付け、出勤簿整理の段階で請求書を追完させていた。(5) M課長代理は、原告からの年休請求に対し、「組合活動という理由では許可にならないのではないか。 長代理が課長に相談のうえにその旨を申し入れるが、それ以外の場合は課長代理の判断で処理し、事務手続上事後に課長の決裁を得るという取扱が一般であり、請求の方法についても、原則的には請求書が事前に提出されていたが、急用ができた場合などには口頭による請求も受け付け、出勤簿整理の段階で請求書を追完させていた。(5) M課長代理は、原告からの年休請求に対し、「組合活動という理由では許可にならないのではないか。」との趣旨のことを述べたにとどまり、それ以上に業務運営上の支障を理由に年休請求を拒否するとか、時季の変更を申し出るなどのことはなかつたので、原告はそのまま職場を離れ、上記のとおり勤務に就かなかつた。しかして、原告の当日の勤務は、午前八時三〇分から午後〇時三〇分まで(そのうち午前一〇時四五分から一一時まで休息時間)のいわゆる半日勤であつて、原告が休暇をとることによつて通常郵便課特殊係の業務の正常な運営を妨げる事情が存在したわけではなかつた。以上の事実が認められ、前掲甲第八号証の記載、証人Mの証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は、前掲の各証拠に照らして採用し難く、他に右認定を覆し得る証拠はない。右認定の事実によると、原告が組合休暇の許可を受けたことはこれを認めることができない。しかしながら、上記年次有給休暇に関する就業規則八五条の規定は、労働基準法三九条三項と同趣旨を定めたものというべきであつて、自由付与にかかる年次有給休暇の請求が、右請求の意思表示を受理し、また時季変更権を行使する権限 次有給休暇に関する就業規則八五条の規定は、労働基準法三九条三項と同趣旨を定めたものというべきであつて、自由付与にかかる年次有給休暇の請求が、右請求の意思表示を受理し、また時季変更権を行使する権限を有する者に対してなされたときは、右の意味での使用者側の代表者において、業務の正常な運営に支障を生ずるという客観的事由の存在にもとづき時季変更権行使の意思表示をしない限り、請求者は有効に年次有給休暇をとることができるものと解するを相当とするところ、前記認定の事実によると、原告は、昭和三八年一一月一五日午前一〇時過頃原告の所属する通常郵便課において慣行上有給休暇請求を受け付けるとともに時季変更の意思表示をなす権限を有するM課長代理に対し、適式な方法で当日の年次有給休暇の請求をしたものであり、同課長代理から時季変更の申入れを受けたことはなく、客観的にも同課の業務の正常な運営を妨げる事由が存在しなかつた以上、原告は、請求どおり適法、有効に年次有給休暇をとつたことになり、上記原告の不就労は右有給休暇によるものというべきである。 る通常郵便課において慣行上有給休暇請求を受け付けるとともに時季変更の意思表示をなす権限を有するM課長代理に対し、適式な方法で当日の年次有給休暇の請求をしたものであり、同課長代理から時季変更の申入れを受けたことはなく、客観的にも同課の業務の正常な運営を妨げる事由が存在しなかつた以上、原告は、請求どおり適法、有効に年次有給休暇をとつたことになり、上記原告の不就労は右有給休暇によるものというべきである。そうだとすると、上記原告の不就労は、国公法一〇一条一項所定の職務に専念する義務に違反するものではなく、したがつて就労義務を前提とする就業命令違反の成立する余地もないのであるから、右原告の所為を懲戒処分の対象とすることは許されないものといわなければならない。(四) 処分理由(3)について証人Jの証言により成立を認める乙第四号証、証人Mの証言により成立を認める乙第六号証、証人J、同Mの各証言を総合すると、次の諸事実が認められる。J局長は、着任後上記のとおり業務の正常化のため種々の対策を講じたが、容易に改善されなかつたので、昭和三八年九月二六日以降更に強い規制措置をとることとし、勤務時間の厳守について局長訓示の形式で警告を含め 長は、着任後上記のとおり業務の正常化のため種々の対策を講じたが、容易に改善されなかつたので、昭和三八年九月二六日以降更に強い規制措置をとることとし、勤務時間の厳守について局長訓示の形式で警告を含めた要望書を局舎前に掲示するほか、各課長を通じて職員に訓示し、また組合支部に対しても正式に警告し、協力を要請するなどの方法をとり、J局長自身も出退勤時間前後に随時局舎内を巡回して職員の作業状況を視察、把握するよう努めていたが、同年一二月三日午後四時四七分頃J局長が通常郵便課普通係(局舎一階)の作業状況の視察を終えて階段を上りかけたとき、踊り場から原告が局舎前の道路を横切つて帰つて行くのを発見した。そこで、同局長は直ちにM課長代理に原告の当日の勤務について質問した結果、原告は日勤の勤務で他の特殊係職員はまだ作業中であるにもかかわらず、上司である同課長代理に無断で退局したものであることが判明した。以上の事実が認められ、前掲甲第一〇号証の記載および原告本人の供述中右認定に反する部分は、前掲の各証拠に照らして信用し難く、他に右認定を覆し得る証拠はない。右認定の事実によると、日勤者が午後五時に終業、退局することを空港局管理者において包括的に黙認していたことは上記のとおりであるから、原告は、午後四時四七分から午後五時までの一三分間上司に無断で離席して勤務を欠いたことについて職務専念義務を尽くさなかつたものといわなければならず、右の原告の所為が国公法一〇一条一項に違反し、同法八二条一号、二号に該当することは明らかである。 に右認定を覆し得る証拠はない。右認定の事実によると、日勤者が午後五時に終業、退局することを空港局管理者において包括的に黙認していたことは上記のとおりであるから、原告は、午後四時四七分から午後五時までの一三分間上司に無断で離席して勤務を欠いたことについて職務専念義務を尽くさなかつたものといわなければならず、右の原告の所為が国公法一〇一条一項に違反し、同法八二条一号、二号に該当することは明らかである。四、次に被告主張の処分量定の事由および本件処分の相当性について判断する。前掲甲第九号証、本件口頭弁論の全趣旨により成立を認める乙第五号証の二、五、証人Bの証言および原告本人尋問の結果(ただしいずれも後記採用しない部分を除く)を総合 本件処分の相当性について判断する。前掲甲第九号証、本件口頭弁論の全趣旨により成立を認める乙第五号証の二、五、証人Bの証言および原告本人尋問の結果(ただしいずれも後記採用しない部分を除く)を総合すると、次の諸事実が認められる。昭和三七年一一月一二日午前九時三〇分頃、空港局通常郵便課特殊係作業室において、原告がK課長代理に対し、作業室の拡張問題について課長代理の努力が足りないと難詰している最中に、その場へ来たB主事が傍から補足的な説明をしようとしたところ、原告は同主事に「Kさんと話をしているのでお前には関係がないから出て行け。」といつた。すると、同主事は激昂して「なんだ、この野郎」といいながら原告の方に歩み寄り、矢庭に原告の胸を強く突いたので原告は後方に置いてあつた郵便物用の竹籠の中に顛倒し、起き上つた原告の胸のあたりをB主事がなおも掴んで両者取つ組合の喧嘩をはじめたので、周囲の職員が仲に入つて制止した。その後、B主事が原告に暴力を振つたことを聞きつけた組合支部役員および職員らは、同日午前九時五〇分頃特殊係作業室前廊下において、B主事を取り囲んで報復的に暴行を加えたが、原告は右集団暴行を使嗾したり、現実にこれに加わつたことはなく、もつぱら傍観していたに過ぎない。そして、同日午前一一時頃、当時の原告の上司O通常郵便課長が原告の席へ来て原告に対し、「監督不行届きであんなことになつて申訳けない。このことはなかつたことにして貰いたい。」との趣旨の詑びを申し入れた。以上の事実が認められ、証人Bの証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は、前掲の各証拠に照らして採用し難く、他に右認定を左右し得る証拠はない。 れに加わつたことはなく、もつぱら傍観していたに過ぎない。そして、同日午前一一時頃、当時の原告の上司O通常郵便課長が原告の席へ来て原告に対し、「監督不行届きであんなことになつて申訳けない。このことはなかつたことにして貰いたい。」との趣旨の詑びを申し入れた。以上の事実が認められ、証人Bの証言および原告本人の供述中右認定に反する部分は、前掲の各証拠に照らして採用し難く、他に右認定を左右し得る証拠はない。右認定の事実によると、昭和三七年一一月一二日の事件は、原告のB主事に対する言辞に穏当を欠く点があつたにせよ、一般職員の指導的立場に の各証拠に照らして採用し難く、他に右認定を左右し得る証拠はない。右認定の事実によると、昭和三七年一一月一二日の事件は、原告のB主事に対する言辞に穏当を欠く点があつたにせよ、一般職員の指導的立場にある同主事が軽率にも原告に暴力を振つたことに主たる原因があるのであつて、両名の喧嘩について原告を非難することは相当でなく、また、その後の同主事に対する集団暴行行為については、原告はこれに何ら関与していないのであるから、原告を懲戒処分に付するに当つて右事件を原告に不利な情状として斟酌することは許されないものといわなければならない。しかしながら、右事件を斟酌することが許されないとしても、上記処分理由(1)イ、ロのC課長およびB主事に対する集団抗議ならびにB主事の身体に手をかけて実力を行使した所為、処分理由(1)ハの右集団抗議中午後四時五五分から五時まで五分間勤務を欠いた所為、処分理由(3)の管理者側の勤務時間厳守の警告が再三繰り返された後になおも午後四時四七分から五時まで一三分間勤務を欠いた所為を総合して考えると、被告が、職場秩序維持の見地から、原告に対し六ケ月間俸給月額の一〇分の一を減ずる減給処分をもつて臨んだことは、客観的妥当性を欠く措置とはいい難く、裁量の範囲内における相当な懲戒処分ということができる。五、次に不当労働行為および懲戒権濫用の主張について判断する。被告は、懲戒処分の取消しを求める訴訟において、不当労働行為を処分の違法事由として主張することは許されない、と主張するので検討する。懲戒処分を受けた現業の国家公務員が、右処分をもつて不当労働行為に該当するとする場合には、行政不服審査法による不服申立(人事院に対する審査請求または異議申立)をすることはできず(公労法四〇条三項)、公労委に救済の申立をし(公労法三条、二五条の五) の主張について判断する。被告は、懲戒処分の取消しを求める訴訟において、不当労働行為を処分の違法事由として主張することは許されない、と主張するので検討する。懲戒処分を受けた現業の国家公務員が、右処分をもつて不当労働行為に該当するとする場合には、行政不服審査法による不服申立(人事院に対する審査請求または異議申立)をすることはできず(公労法四〇条三項)、公労委に救済の申立をし(公労法三条、二五条の五) 不当労働行為に該当するとする場合には、行政不服審査法による不服申立(人事院に対する審査請求または異議申立)をすることはできず(公労法四〇条三項)、公労委に救済の申立をし(公労法三条、二五条の五)公労委の命令に不服があるときは直接公労委を被告として当該命令の取消しを求める抗告訴訟を提起できることは被告主張のとおりであるけれども、行政処分の取消しの訴えは、当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する限りこれを提起できるのが原則であり、行政委員会としての公労委における原状回復命令による救済の方法が与えられているからといつて、不当労働行為を処分の違法事由として当該懲戒処分の取消しを求める抗告訴訟を提起することが許されないとする法律上の根拠はなく、このことは、一般私企業の労使間における不当労働行為について労働委員会に対する救済申立とならんで民事訴訟を提起し得ることと理を異にするものではない。したがつて、被告の右主張は到底採用に値しない。そこで進んで不当労働行為ないし懲戒権濫用の成否についてみるに、原告が上記のとおり組合支部役員の地位にあつて組合活動を活発に行つたことは、当事者間に争いがないけれども、本件処分が、原告の国公法八二条各号該当の所為にもとづき、処分の量定についても客観的妥当性を有する懲戒処分であることは上記のとおりであつて、それにもかかわらず、本件処分が原告の組合活動を決定的な動機として行なわれたこと、もしくは組合支部の運営に対する介入にあたることを肯認させるに足りる的確な証拠は存在しないから、原告の本主張はいずれも理由がない。六、以上の次第で、本件処分の取消しを求める原告の本訴請求は失当であるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官西山要島田礼介瀬戸 、以上の次第で、本件処分の取消しを求める原告の本訴請求は失当であるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。 しないから、原告の本主張はいずれも理由がない。六、以上の次第で、本件処分の取消しを求める原告の本訴請求は失当であるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官西山要島田礼介瀬戸 、以上の次第で、本件処分の取消しを求める原告の本訴請求は失当であるからこれを棄却することとし、訴訟費用の負担につき民事訴訟法八九条を適用して主文のとおり判決する。(裁判官西山要島田礼介瀬戸正義)
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