平成25(行ウ)113 特別障害給付金受給資格消滅処分取消請求事件

裁判年月日・裁判所
平成27年12月8日 東京地方裁判所 その他
ファイル
hanrei-pdf-85857.txt

判決文本文25,313 文字)

平成27年12月8日判決言渡平成25年(行ウ)第113号特別障害給付金受給資格消滅処分取消請求事件主文 1 処分行政庁が原告に対し平成23年9月15日付けでした原告の特別障害給付金の受給資格が消滅したとする処分を取り消す。 2 訴訟費用は被告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求主文同旨第2 事案の概要本件は,クローン病の傷病を有し,特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律(以下「特障法」という。)の規定する特別障害給付金の支給を受けていた原告が,処分行政庁から平成23年9月15日付けで,障害の状態が改善し,国民年金法(以下「国年法」という。)30条2項,国民年金法施行令(以下「国年令」という。)4条の6,別表の規定する障害等級(以下,単に「障害等級」という。)に該当しなくなったことを理由として,同年7月に特別障害給付金の受給資格が消滅したとする処分(以下「本件処分」という。)を受けたことから,原告は同月の時点で障害等級2級相当の障害の状態にあり,特別障害給付金の支給を受けることができる者(以下「特定障害者」という。)であったとして,本件処分の取消しを求める事案である。 1 関係法令等の定め本件の関係法令等の定めは,別紙「関係法令等の定め」に記載のとおりである(別紙中で定義した略称等は,以下の本文においても同様に用いるものとする。)。 2 前提事実(証拠等の掲記のないものは当事者間に争いがない。)(1) 原告 ア原告は,昭和28年▲月▲日生まれの男性であり,昭和51年にクローン病と診断され,昭和55年に全大腸切除術及び回腸ストーマ(人工肛門)造設術を,昭和58年に小腸切除術(残存小腸2m)を,平成9年と平成11年に小腸部分切除術及び回腸ストーマ再造設術を,そ にクローン病と診断され,昭和55年に全大腸切除術及び回腸ストーマ(人工肛門)造設術を,昭和58年に小腸切除術(残存小腸2m)を,平成9年と平成11年に小腸部分切除術及び回腸ストーマ再造設術を,それぞれ受けている。また,原告は,平成8年に中心静脈栄養用の皮下留置型リザーバー(ポート)の造設手術を受け,その頃から,在宅で高カロリー輸液を行う中心静脈栄養を行っている。 イクローン病は,確立した医学的知見によれば,その原因は不明で,主として小腸若しくは大腸又はその両方を好発部位として,消化管壁全層にわたる炎症性変化と非連続性の深い潰瘍を生じ,その寛解と再燃を繰り返す慢性炎症性疾患である。 クローン病の活動度及び重傷度の指標として,下痢,腹痛,痔瘻又は肛門周囲膿瘍,瘻孔,発熱,貧血,合併症(関節炎,虹彩炎)等の評価項目が挙げられ,腸切除による影響などによって症状が増悪するとされている。 クローン病の治療は,病状の活動期には入院安静,絶食とし,経腸管栄養(経管栄養)又は経静脈栄養及び副腎皮質ステロイドなどの薬物療法により改善に導くことができるが,再発,再燃することが多い。瘢痕性治癒による腸狭窄を来たしたり,瘻孔からの感染を来たしたりする例では,病変部の切除手術が行われる。重症度が増すと,通常の経口栄養では栄養維持に困難を来すため,チューブによる経腸栄養,中心静脈栄養等により,栄養を維持することが必要となる。 クローン病は,厚生労働省により,いわゆる難治性疾患(難病)に認定されている。 (以上につき,甲25,弁論の全趣旨)ウ原告は,平成11年6月29日,直腸機能障害(4級),小腸機能障害 (1級)により,身体障害者等級表による等級1級の身体障害者手帳の交付を受けている。 (2) 特別障害給付金の受給資格の取得ア原告は 11年6月29日,直腸機能障害(4級),小腸機能障害 (1級)により,身体障害者等級表による等級1級の身体障害者手帳の交付を受けている。 (2) 特別障害給付金の受給資格の取得ア原告は,住所地のα町長を経由して,平成17年7月27日,大阪社会保険事務局長に対し,特障法による受給資格及び特別障害給付金の額について認定を求める旨の請求書を提出し,その頃,同年5月6日時点における原告の障害の現状に関するA医師(以下,「A」又は「A医師」という。)作成の診断書(以下「平成17年診断書」という。甲1,乙2)を提出した。(甲2の1及び2,乙1)イ大阪社会保険事務局長は,平成17年8月31日付けで,原告に対し,受給資格を取得した年月を同年5月とする特別障害給付金の受給資格者であることを証する書類(以下「受給資格者証」という。)を交付した。 (3) 従前の現況の届出等ア原告は,平成18年7月21日,大阪社会保険事務局長に対し,改正前特障法施行規則7条1項の規定する届書(以下,特障法施行規則7条1項の規定する届書と特に区別せず「現況届」という。)を提出した。 イ原告は,平成19年7月23日,大阪社会保険事務局長に対し,同月13日時点における原告の障害の現状に関するA医師作成の診断書(以下「平成19年診断書」という。甲7,乙3)を添え,現況届を提出した。(甲5,甲6)大阪社会保険事務局長は,同年9月28日付けで,原告に対し,引き続き特別障害給付金の支給を行う旨の通知をした。なお,同通知に係る通知書には,次回の診断書の提出は平成22年7月となる旨付記されていた。 (甲8)ウ原告は,平成20年7月及び平成21年7月,大阪社会保険事務局長に対し,現況届を提出した。(甲9ないし12) エ原告は,平成22年7月7日,機構 7月となる旨付記されていた。 (甲8)ウ原告は,平成20年7月及び平成21年7月,大阪社会保険事務局長に対し,現況届を提出した。(甲9ないし12) エ原告は,平成22年7月7日,機構の大阪事務センターに対し,同月2日時点における原告の障害の現状に関するA医師作成の診断書(以下「平成22年診断書」という。甲15,乙4)を添え,現況届を提出した。(甲13,甲14)機構の大阪事務センターは,同年9月30日付けで,原告に対し,引き続き特別障害給付金の支給を行う旨の通知をした。なお,同通知に係る通知書には,次回の診断書の提出は平成23年7月となる旨付記されていた。(甲16)(4) 本件処分ア原告は,平成23年7月27日,機構の大阪事務センターに対し,同月14日時点における原告の障害の現状に関するA医師作成の診断書(以下「平成23年診断書」という。甲18,乙5)を添え,現況届を提出した。 (甲17)イ処分行政庁は,平成23年9月15日付けで,原告に対し,原告について「障害の状態が改善し,国年法に規定する障害等級に該当しなくなった」ことを理由として,受給資格消滅事由が発生した日の属する月(同年7月)の翌月である同年8月からは特別障害給付金が支払われなくなる旨の特別障害給付金受給資格消滅通知書を送付した(本件処分)。(甲19)(5) 審査請求原告は,本件処分を不服として,平成23年11月11日,近畿厚生局社会保険審査官に対し,審査請求をした。 これに対し,上記社会保険審査官は,平成24年1月11日付けで,審査請求を棄却する旨の決定をした。 (6) 再審査請求原告は,上記(5)の決定を不服として,平成24年3月13日,社会保険審査会に対し,再審査請求をした。(甲22,乙7) これに対し,社会保険審査会 する旨の決定をした。 (6) 再審査請求原告は,上記(5)の決定を不服として,平成24年3月13日,社会保険審査会に対し,再審査請求をした。(甲22,乙7) これに対し,社会保険審査会は,同年9月28日付けで,再審査請求を棄却する旨の裁決をした。 (7) 本件訴えの提起原告は,平成25年3月1日,本件処分の取消しを求めて,本件訴えを提起した。(顕著な事実)(8) その後の経過原告は,平成26年7月30日,改めて特障法による受給資格及び特別障害給付金の額について認定を求める旨の処分行政庁宛ての請求書をα町役場に提出し,処分行政庁から,同年11月21日付けで,受給資格を取得した年月を同年8月とする受給資格者証の交付を受けた。(甲47ないし50) 3 争点及び争点に関する当事者の主張の要旨本件の争点は,本件処分において原告の特別障害給付金の受給資格が消滅したとされる平成23年7月時点において原告が障害等級2級相当の障害の状態にあったか否かである。これに関する当事者の主張の要旨は,次のとおりである。 (1) 原告ア原告は,クローン病のため,3回にわたって小腸切除術を受けたことにより,通常人であれば6ないし7mある小腸が1.5mほどしか残っておらず,残った小腸もクローン病による炎症のためにほとんど機能を失っている。そのため,原告は,中心静脈カテーテルが接続された皮下留置型リザーバー(ポート)を通じて,毎日最低12時間の高カロリー輸液を要する状態にあり,食物の経口摂取についても厳しい制限を受けている。 また,高カロリー輸液を行っている間は,本来は自宅での安静又は座位しか許されないことから,原告は,1日の半分以上を輸液のために拘束されているということになる。しかも,原告は,平成23年7月当時,稼働状況から ロリー輸液を行っている間は,本来は自宅での安静又は座位しか許されないことから,原告は,1日の半分以上を輸液のために拘束されているということになる。しかも,原告は,平成23年7月当時,稼働状況から,平日は医師の処方どおりの量の輸液を行うことが困難であった ため,休日にその分を取り戻すために長時間の輸液を行う必要があるという状態にあったほか,ポートへの点滴針の穿刺のため,2週間に1度,訪問看護師による訪問看護を受ける必要があった。 さらに,原告は,高カロリー輸液をしても慢性的な低栄養状態となっていたほか,毎日の高カロリー輸液により糖尿病を疑わせる高血糖状態となり,肝臓への負担から肝機能の低下もみられた。 加えて,細心の注意を払ったとしても,ポートに刺す点滴針からの逆行性の感染を完全に回避することができないため,原告は,平成19年7月,平成21年7月及び平成23年10月に感染症を起こして,それぞれポートの再造設術を受けている。 その他,原告は,頻繁に脱水を起こすほか,高カロリー輸液に起因する低ナトリウム血症,除脈を起こすことがあり,平成23年12月の初めには,低ナトリウム血症により救急搬送され,同月31日までの入院を余儀なくされた。 イ原告は,クローン病のため,回腸ストーマ(人工肛門)造設術を受けているところ,小腸の機能が失われていて便が水のような状態となるため,ストーマの交換や洗浄を頻繁に行わなければならない状況にある。 ウ原告は,平成13年4月から株式会社B(以下「B」という。)に勤務して稼働していたが,これは,原告の父親の縁故により特別に在籍させてもらっていたのであり,労働時間や労働内容についても,原告の障害を踏まえた特別な配慮がされており,長くても1日数時間しか勤務をすることができず,行っていた作業内容もごく単純な により特別に在籍させてもらっていたのであり,労働時間や労働内容についても,原告の障害を踏まえた特別な配慮がされており,長くても1日数時間しか勤務をすることができず,行っていた作業内容もごく単純な軽作業のみであったことからすると,Bにおける稼働の事実をもって,原告に労働能力があったということはできない。 エ以上によれば,本件処分において原告の特別障害給付金の受給資格が消滅したとされた平成23年7月の時点において,原告が障害等級2級相当 の障害の状態にあったことは明らかである。 (2) 被告ア平成23年7月の時点において,原告の全身状態ないし栄養状態は安定しており,血液,生化学検査の検査結果もおおむね正常値の範囲内に収まっていて,疲労感と易感染性の自覚症状しかみられなかった。 イ原告の具体的な日常生活状況をみても,原告の行っていた中心静脈栄養は1日のうち一定時間のみ輸液を行う間欠的注入法によるものであり,原告は,これを平日の就労を終えて帰宅してから翌朝までの間に行っていたところ,中心静脈栄養の機材は家屋内の限られた場所に固定されていたわけではなく,中心静脈栄養を行いながら家屋内を移動して家事等を行うことが可能であった。回腸ストーマ(人工肛門)の管理についても,認定要領によれば,人工肛門を造設したものは原則として障害等級3級に認定されるものにすぎない。原告の通院ないし訪問看護についても,頻度の高いものではなかった。 ウ原告は,平成13年4月からBで稼働していたところ,平成23年7月当時も厚生年金保険の被保険者となっており,実際にBにおいて,パソコンのヘルプデスクの補助作業や事務補助作業の職務に従事し,標準報酬月額(厚生年金保険法20条)が30万円以上であったほか,賞与の支給も受けていたことからすると,原告の日常生活 際にBにおいて,パソコンのヘルプデスクの補助作業や事務補助作業の職務に従事し,標準報酬月額(厚生年金保険法20条)が30万円以上であったほか,賞与の支給も受けていたことからすると,原告の日常生活の制限は,労働により収入を得ることができない程度のものであったとはいえない。 エ A医師も,原告の日常生活や労働能力の制限について,平成23年診断書の「⑫一般状態区分表」欄の「イ軽度の症状があり,肉体労働は制限を受けるが歩行,軽労働や座業はできるもの例えば,軽い家事,事務など」に丸を付した上,「⑯現症時の日常生活活動能力及び労働能力」欄に「軽労作のみ可能」と記入している。A医師は,これとは異なる内容の意見書を作成したり,証言をしたりしているが,これらはいずれも信用性が 乏しい。 オ原告の傷病の予後については,積極的な改善は見込まれないものの,局端に悪化するといった状態にはなかった。 カ以上のような原告の全身状態,栄養状態,術後の経過,予後,具体的な日常生活状況等を総合的に判断すると,本件処分において原告の特別障害給付金の受給資格が消滅したとされた平成23年7月の時点において,原告が障害等級2級相当の障害の状態にあったとはいえない。 第3 当裁判所の判断 1 前提処分行政庁は,受給資格者の受給資格が消滅したときは,その者に対し,文書でその旨を通知しなければならないとされているから(特障法施行規則16条),原告の特別障害給付金の受給資格が平成23年7月に消滅したとする本件処分については,同月の時点で,受給資格者であると認定されていた原告が,障害等級1級又は2級相当の障害の状態にあったか,具体的には,障害等級2級相当の障害の状態にあったかどうかが問題となる。 2 認定事実前提事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各 原告が,障害等級1級又は2級相当の障害の状態にあったか,具体的には,障害等級2級相当の障害の状態にあったかどうかが問題となる。 2 認定事実前提事実並びに証拠及び弁論の全趣旨によれば,次の各事実を認めることができる(各末尾括弧内記載の証拠等は,認定に主として用いたものであり,証拠等を掲げていない事実は当事者間に争いがない。)。 (1) 原告のクローン病の治療状況ア原告は,昭和51年10月,C病院(当時)でクローン病と診断され,昭和55年12月4日,同病院で全大腸切除術及び回腸ストーマ(人工肛門)造設術を受けた。 イ原告は,昭和58年10月24日,D病院で小腸切除術を受け,残存小腸が2mとなった。 ウ原告は,平成4年2月27日,回腸ストーマ造設術後の発熱,下痢のた めにE病院を受診し,以後,A医師の診察を受けるようになった。(甲1,甲7,甲15,甲18,甲23,乙2ないし5)エ原告は,小腸の部分切除による栄養吸収障害のため,平成8年6月,E病院において,中心静脈栄養用の皮下留置型リザーバー(ポート)の造設手術を受け,在宅で高カロリー輸液を行う中心静脈栄養を開始した。(甲23,乙12)オ原告は,平成9年6月30日,E病院において,小腸部分切除術及び回腸ストーマ再造設術を受けた。 カ原告は,平成11年2月9日,E病院において,小腸部分切除術及び回腸ストーマ再造設術を受けた。 キ原告は,ポートの造設から約11年間は感染を起こさなかったが,平成19年7月5日,感染のため,ポート抜去手術を受け,同月12日,ポート造設手術を受けた。(甲23,原告本人12頁)ク原告は,その後,① 平成20年1月29日から同年2月5日まで(高カロリー輸液開始直後の除脈及び失神のため),② 平成21年7月21日から同月28 造設手術を受けた。(甲23,原告本人12頁)ク原告は,その後,① 平成20年1月29日から同年2月5日まで(高カロリー輸液開始直後の除脈及び失神のため),② 平成21年7月21日から同月28日まで(感染によるポート抜去手術のため),③ 同年8月5日から同月8日まで(ポート造設手術のため),④ 平成22年4月15日から同月20日まで(感染によるポート抜去手術のため),⑤ 同月26日から同月27日まで(ポート造設手術のため),それぞれE病院に入院しており,上記の各入院の直前の時期には発熱等の体調不良を訴えていたほか,平成20年1月21日に高カロリー輸液開始直後の除脈及び失神による救急搬送を,同年10月に発熱による3回の通院と抗生剤の投与を,平成21年6月から同年7月までの間に発熱による7回の通院と抗生剤の投与等を,それぞれ受けている。(甲23)ケ原告は,平成23年7月14日にA医師の診察を受けているところ,その際,A医師に対し,特に問題はないと述べており,同日に行われた検査 によれば,肝機能検査の値(AST,ALT)が若干上昇していたほか,総コレステロール値が基準値を若干下回っていたものの,その他の値は血清アルブミンの値を含めて基準値の範囲内に収まっていた。(甲18,甲32,甲38,乙5,乙8,原告本人18頁)コ原告は,ポート感染により,本件処分後の平成23年10月26日から,起き上がることにも難渋するような自宅安静状態が1週間以上継続し,同月28日にはポート抜去手術を受け,同年12月6日から同月7日まで,ポート造設手術のためにE病院に入院したほか,同月27日には,低ナトリウム血症により救急搬送され,同日から同月31日まで同病院に入院した。(甲23,甲24,甲38,甲39)(2) 原告の生活状況ア(ア) 原 ためにE病院に入院したほか,同月27日には,低ナトリウム血症により救急搬送され,同日から同月31日まで同病院に入院した。(甲23,甲24,甲38,甲39)(2) 原告の生活状況ア(ア) 原告が平成8年6月頃から行っていた在宅での中心静脈栄養は,平成23年7月当時,1日当たり,高カロリー輸液用の総合ビタミン,糖,アミノ酸,電解質液である○1103ml(総熱量1160kcal)及び複合糖加電解質液である○500ml(熱量210kcal)の合計1603ml(カロリー換算で1370kcal)の輸液を行うというものであり,この輸液には最低でも12時間を要していた。(甲32ないし38,甲41,甲42の1ないし5,証人A8頁以下,12頁)原告が行っている中心静脈栄養に使用する中心静脈カテーテルは,完全皮下埋め込み式カテーテルであり,中心静脈カテーテルが皮下留置型リザーバー(ポート)に接続されている。この形式によるカテーテルは,皮膚からの感染を起こさずに入浴,水泳,スポーツなどをほぼ健常人と同等に行うことができるため,患者の活動性や生活の質の改善に有用とされている一方,輸液を行う際にポート部の皮膚に点滴針を刺さなければならないため,疼痛,皮膚の壊死,穿刺に伴う感染 の危険があるとされている。(甲25,甲32,乙12,証人A11頁)原告の行っている中心静脈栄養における輸液投与方法は,輸液投与を常に行う24時間持続注入法ではなく,1日のうち一定時間(具体的には12時間)のみ輸液投与を行う間欠的(周期的)注入法である。 (甲24,乙12,証人A8頁以下,11頁,原告本人12頁)(イ) 原告は,平成23年7月当時,中心静脈栄養に係る輸液を,平日においては,就労を終えて帰宅した後の午後7時過ぎ頃から翌日の午前7時ないし午前8時頃にか 人A8頁以下,11頁,原告本人12頁)(イ) 原告は,平成23年7月当時,中心静脈栄養に係る輸液を,平日においては,就労を終えて帰宅した後の午後7時過ぎ頃から翌日の午前7時ないし午前8時頃にかけて行っていた。原告は,この輸液の際,本来であれば自宅での安静又は座位までしか許容されないところ,単身者であることから,機材を病院にある点滴台と同様の器具に掛けて輸液を行いながら,食事の準備,片付け,洗濯,衣類や寝具の管理等の家事を行っていたが,入浴をすることはできなかった。(甲24,甲32,乙12,原告本人12頁以下)一方,原告は,週末には,平日の輸液では不足する栄養を補うため,買い物に出る以外はほぼ終日にわたって輸液を行っていたが,隔週の土曜日には,日中の6ないし8時間程度,輸液を中止し,その間にポートから点滴針を抜去し,抜去の数時間後に回腸ストーマを装着した状態で入浴し,感染の危険に配慮して訪問看護師の介助の下で新たな点滴針をポートに穿刺していた。(甲24,甲25,甲40,原告本人14頁,弁論の全趣旨)なお,原告は,中心静脈栄養に使用していた機材を取り外せば,輸液をしながら外出をしたり,外泊をしたりすることも可能であった。 (甲24,原告本人12頁)イ原告は,動物性蛋白質や脂質は基本的に摂取することができず,繊維質の多いものは避け,揚げ物や炒め物などの脂質の多い調理法は少なくするなど,栄養の経口摂取についても制限を受けている。(甲24,原告本人 13頁,弁論の全趣旨)ウ(ア) 原告は,大腸の全部及び小腸の大部分が切除されており(局端な短小腸症候群),回腸ストーマに排出される便が水のような状態となるため,注意して取り扱わなければならず,頻繁にトイレに通ってストーマの洗浄や交換をする必要がある。(甲24,甲32, れており(局端な短小腸症候群),回腸ストーマに排出される便が水のような状態となるため,注意して取り扱わなければならず,頻繁にトイレに通ってストーマの洗浄や交換をする必要がある。(甲24,甲32,弁論の全趣旨)(イ) 原告は,毎週日曜日の朝に約1時間かけて回腸ストーマを交換しているが,ストーマから水様便が漏れて交換に難渋しないようにするため,前日の土曜日の夜から経口での飲食を控えている。(弁論の全趣旨)エ(ア) 原告は,平成23年7月当時,2週間に1回の頻度で訪問看護を受け,主として中心静脈栄養用のポートへの点滴針の穿刺についての介助を受けていたが,この訪問看護に係る平成23年4月30日付けの訪問看護報告書(甲40の6枚目)には,原告の「病状の経過」として,「全身状態安定され,日常生活は問題なく送れている様子。ポートへの針刺しは,自己で可能も不安があり,本人の希望で訪問を2週間毎に行っている。針刺しの見守りと日常の会話などを通し,独居であるため不安の軽減と精神的支援を行っている。」と記載されていた。 (甲23,甲40,弁論の全趣旨)。 (イ) 原告は,状況観察と輸液薬剤や内服薬の処方を受けるため,勤務先のBで休暇を取得して,約2箇月に1回のペースでE病院に通院し,A医師の診察を受けていた。(甲24,甲38)(3) 原告の稼働状況ア原告は,平成11年2月に回腸ストーマ再造設手術及び小腸切除術を受けた後,通院の頻度と輸液時間の増加,人工肛門からの水溶性排泄物の量や性状のため,勤務していた ○ の製造販売会社を同年4月に退職せざるを得なくなった。(甲24,原告本人3頁,弁論の全趣旨)イ原告は,平成13年4月,Bにパートタイムの従業員として採用され, 平成14年11月,正社員となり,平成24年4月21日, 退職せざるを得なくなった。(甲24,原告本人3頁,弁論の全趣旨)イ原告は,平成13年4月,Bにパートタイムの従業員として採用され, 平成14年11月,正社員となり,平成24年4月21日,Bを分社化した関連会社である株式会社F(以下「F」という。)に転籍した。(甲24,甲43,甲44,甲46,原告本人15頁,弁論の全趣旨)ウ原告は,平成23年7月当時,Bにおいて,パソコンのヘルプデスク作業や事務所補等の職務に従事しおり,具体的には,コンピューターの新しいソフトウェアを導入する際のインストール作業,ソフトウェアに不具合が生じた場合の援助,ソフトウェアに関する社員からの質問への対応等を行っていた。(甲24,甲44,原告本人5頁以下)エ原告は,Bにおいて,午前10時頃から午後6時頃まで勤務することを目標としていたところ,2年に1回程度の頻度で体調が悪くなるような場合には,約1箇月ないし1箇月半の間に相当の頻度で遅刻や早退があったものの,それ以外の場合には,おおむね上記の勤務を継続しており,残業をしたことがあったほか,宿泊を伴う出張に行ったこともあった。(甲24,原告本人7頁,16頁以下)オ原告は,Bにおいて,厚生年金保険の被保険者として取り扱われており,平成17年以降についてみると,その標準報酬月額(厚生年金保険法20条)が30万円を上回っていたほか,賞与の支給も受けていた。(乙10,乙11)カ原告は,平成26年6月30日付けで,Fを退職した。(甲46)(4) 診断書の記載ア原告が平成23年7月27日に機構の大阪事務センターに提出した現況届に添えられていた同月14日時点における原告の障害の現状に関するA医師作成の平成23年診断書(甲18,乙5)には,次のような記載がされていた。 (ア) 「⑫一般状態 阪事務センターに提出した現況届に添えられていた同月14日時点における原告の障害の現状に関するA医師作成の平成23年診断書(甲18,乙5)には,次のような記載がされていた。 (ア) 「⑫一般状態区分表」欄の「イ軽度の症状があり,肉体労働は制限を受けるが歩行,軽労働や座業はできるもの例えば,軽い家事,事 務など」に丸が付されていた。 (イ) 「⑬血液・造血器」の「1 臨床所見」欄には,自覚症状のうちの「疲労感」及び「易感染性」には「有」に丸が付されていたが,その他の自覚症状や他覚所見については,いずれも「無」に丸が付されていた。 (ウ) 「⑮その他の障害」の「1.症状」欄には,自覚症状として「在宅高カロリーが短小腸症候群による栄養吸収障害のため,必須」という記載がされていたものの,それ以外自覚症状の記載や他覚所見の記載はされていなかった。 (エ) 「⑮その他の障害」の「2.検査成績」欄には,平成23年7月14日に行われた「血液・生化学検査」の結果が記載されていた(弁論の全趣旨によれば,赤血球数,ヘモグロビン濃度,ヘマトクリット,血清総タンパク,血清アルブミンの値は,いずれも基準値の範囲に収まっていた。)。 (オ) 「⑯現症時の日常生活活動能力及び労働能力」欄には,「軽労作のみ可能」と記載されていた。 (カ) 「⑰予後」欄には,「改善困難」と記載されていた。 イ平成17年診断書(甲1,乙2),平成19年診断書(甲7,乙3)及び平成22年診断書(甲15,乙4)でも,「⑫一般状態区分表」欄,「⑮現症時の日常生活活動能力及び労働能力」欄の記載内容は平成23年診断書とおおむね同様であったが,一方で,「⑭その他の障害」の「1.症状」欄には,平成23年診断書とは異なり,自覚症状として,「ストーマケアに難渋」という記載が,他覚所 力」欄の記載内容は平成23年診断書とおおむね同様であったが,一方で,「⑭その他の障害」の「1.症状」欄には,平成23年診断書とは異なり,自覚症状として,「ストーマケアに難渋」という記載が,他覚所見として,「回腸ストーマ」「栄養吸収障害」という記載と在宅で高カロリー輸液を行っている旨の記載が,それぞれされていた。 3 本件処分において原告の特別障害給付金の受給資格が消滅したとされた平成23年7月の時点における原告の障害の状態 (1) 障害等級の認定ア国年法30条2項は,障害等級は,障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし,各級の障害の状態は政令で定める旨規定し,国年令4条の6は,国年法30条2項の規定する障害等級の各級の障害の状態は別表に定めるとおりとする旨規定している。 そして,国年令別表は,身体を部位に分け,それぞれの部位の機能の面に重点を置いた障害の類型や,各障害による日常生活の喪失又は制限の程度に応じて配列し,その給付の内容を規定する障害等級を定めているものの,身体の障害については,「著しい」,「相当な程度」などの抽象的な概念を用いているものもあるし,障害が残る身体の部位によっては専門的知見や日常生活能力あるいは労働能力に及ぼす影響も異なるものである。 そのため,証拠(乙8)及び弁論の全趣旨によれば,処分行政庁は,国年令別表並びに厚生年金保険法施行令別表第1及び別表第2に規定する障害の程度の認定について認定基準に従って障害等級の認定を行っているものと認められるところ,認定基準は,障害認定審査事務を統一的に行い,裁定における客観性及び裁定申請者間における障害年金給付の公平を確保するために設けられたものであり,専門家による医学的知見に基づいて策定されたものであって,その内容は合理的なものであるということ い,裁定における客観性及び裁定申請者間における障害年金給付の公平を確保するために設けられたものであり,専門家による医学的知見に基づいて策定されたものであって,その内容は合理的なものであるということができる。 そこで,本件処分において原告の特別障害給付金の受給資格が消滅したとされた平成23年7月の時点で原告が障害等級2級相当の障害の状態にあったかどうかについては,認定基準の定める障害等級2級の要件を満たしていたか否かを検討することとする。 イ原告の傷病はクローン病であるところ,クローン病は,主として小腸若しくは大腸又はその両方を好発部位として,寛解と再燃を繰り返す慢性炎症性疾患であって,難病に認定されており(前提事実(1)イ),また,原告 は,クローン病により回腸ストーマ(人工肛門)の造設等を行っていることなどからすると(認定事実(1)),原告のクローン病による障害は,認定基準における「その他の疾患による障害」(認定基準第3の第1章第18節)に当たるものとして,その障害の程度は「その他の疾患による障害」に関する認定基準により判断するのが相当ということになる。 ウ認定基準によれば,その他の疾患による障害の程度は,全身状態,栄養状態,年令,術後の経過,予後,原疾患の性質,進行状況等,具体的な日常生活状況等を考慮し,総合的に認定するものとされており,身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状があり,日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものが障害等級2級に該当するものと認定するとされている。そして,認定基準によれば,上記の「日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」とは,必ずしも他人の助けを借りる必要は無いが,日常生活は極め とされている。そして,認定基準によれば,上記の「日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」とは,必ずしも他人の助けを借りる必要は無いが,日常生活は極めて困難で,労働により収入を得ることができない程度のものであり,例えば,家庭内の極めて穏和な活動(軽食作り,下着程度の洗濯等)はできるが,それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの,すなわち,病院内の生活でいえば,活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり,家庭内の生活でいえば,活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものとされている。 また,認定基準の認定要領では,人工肛門を造設したものは3級と認定するが,全身状態,術後の経過及び予後,原疾患の性質,進行状況等により総合的に判断し,更に上位等級に認定すること,いわゆる難病については,その発病の時期が不定,不詳であり,かつ,発病は緩徐であり,ほとんどの疾患は,臨床症状が複雑多岐にわたっているため,その認定に当たっては,客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定すること,障害の程度は,一般状態が一般状態区分表のオに該当 するものは1級に,エ又はウに該当するものは2級に,ウ又はイに該当するものは3級におおむね相当するので,認定に当たって参考とすることなどが定められている。 (2) 平成23年7月の時点における原告の障害の状態ア前記認定のとおり,原告の疾病であるクローン病は難病に当たるものであり(前提事実(1)イ),原告は,クローン病に罹患したことにより,全大腸切除術,小腸部分切除術,回腸ストーマ造設術を受け(前提事実(1)ア,認定事実(1)),平成23年7月当時,完全皮下埋込式カテーテルによる在宅での中心静脈栄養を行っており(認定事実(2)ア),隔 腸切除術,小腸部分切除術,回腸ストーマ造設術を受け(前提事実(1)ア,認定事実(1)),平成23年7月当時,完全皮下埋込式カテーテルによる在宅での中心静脈栄養を行っており(認定事実(2)ア),隔週で訪問看護師による医療的処置を受けるという生活を送っていたが(認定事実(2)エ),その一方で,Bに正社員として雇用されて稼働し,収入を得ていた(認定事実(3))。 イまず,原告は,クローン病のため,昭和58年,平成9年及び平成11年の3回にわたって小腸部分切除術を受けており,通常人の小腸は6ないし7mであるところ,原告の残存小腸は2m未満となっており,栄養吸収障害のため,平成8年に中心静脈栄養用の皮下留置型リザーバー(ポート)の造設手術を受け,在宅で高カロリー輸液を行う中心静脈栄養を行うようになっていた(認定事実(1))。 そして,原告の中心静脈栄養に係る輸液の時間は,1日12時間を要するというものであり(認定事実(2)ア(ア)),それ自体,重大な生活上の制約と認めることができる。この点,原告は,自宅において中心静脈栄養を行いながら家事等も行っているものの,これは原告が単身者であるために生活上やむなく行っているものであり,本来であれば中心静脈栄養は自宅において安静又は座位において行うべきものである(認定事実(2)ア(イ))。 また,ポートへの点滴針の穿刺は,点滴針からのポート感染の危険があ るため,原告のみで行うことはできず,訪問看護師による介助が必要となっている(認定事実(2)ア(ア),(イ))。 さらに,原告は,平成8年6月にポート造設手術を受けて在宅での中心静脈栄養を開始してから約11年間は,ポート感染を起こしていなかったものの,平成19年7月にポート感染を起こしてポート抜去手術を受けて再度ポート造設手術を受けること ート造設手術を受けて在宅での中心静脈栄養を開始してから約11年間は,ポート感染を起こしていなかったものの,平成19年7月にポート感染を起こしてポート抜去手術を受けて再度ポート造設手術を受けることとなり(認定事実(1)キ),それ以降は,平成23年7月までの間をみても,平成21年7月から同年8月にかけての期間と平成22年4月にポート感染を起こして入院し,ポートの抜去手術及び造設手術を受けているほか,平成20年10月と平成21年6月から7月までの間にも,複数回にわたって発熱のために通院をして抗生剤の投与を受けているなど(認定事実(1)ク),1年に1回程度はポート感染を起こし,1ないし2年に1回程度の割合で,ポートの抜去手術と造設手術を余儀なくされており,これが原告の「易感染性」という自覚症状(認定事実(4)ア(イ))にも繋がっているものと認めることができる。この点,平成23年7月の時点では,原告の状態は比較的安定していたようであり(認定事実(1)ケ,(2)エ(ア)),A医師及び原告もこれに沿う証言等をしているものの(証人A14頁以下,原告本人15頁),本件処分がされた月やその前の数箇月の状態が安定していたからといって,原告の上記のようなポート感染の危険やそれが起きた場合の生活等の制約を捨象して原告の障害の状態を判断するのは相当ではない。 加えて,原告は,食物の経口摂取にも厳しい制限を受けており(認定事実(2)イ),中心静脈栄養により栄養を補っているものの,平成23年診断書の前提となった同年7月14日の「血液・生化学検査」では,総コレステロール値が基準値の下限を下回っていたことに加え(認定事実(1)ケ),証拠(甲32,原告本人15頁)及び弁論の全趣旨によれば,平成18年以降に行われたほとんどの血液検査においても,総コレステロール値は基 値が基準値の下限を下回っていたことに加え(認定事実(1)ケ),証拠(甲32,原告本人15頁)及び弁論の全趣旨によれば,平成18年以降に行われたほとんどの血液検査においても,総コレステロール値は基 準値を下回っており,原告には,疲労感を感じるという自覚症状もあったものと認められることからすると,原告は全般的に栄養が不足気味の状態にあったと推認することができる。 その他,A医師作成の平成23年診断書には,原告の他覚所見が特に記載がされていないものの,以前の平成17年診断書,平成19年診断書,平成22年診断書に記載されていたとおり(認定事実(4)イ),原告には,他覚所見として,回腸ストーマの造設,栄養吸収障害(中心静脈栄養)があったほか(認定事実(1),(2)),複数回にわたるポート感染があったものと認められる(認定事実(1)キ,ク)。 ウその他の疾患による障害に係る認定要領は,人工肛門を造設したものは3級と認定するとした上で,全身状態,術後の経過及び予後,原疾患の性質,進行状況等により総合的に判断し,更に上位等級に認定するとしている。 この点,原告は,大腸の全部及び小腸の大部分の切除により,便が水のような状態となるため,ストーマを注意して取り扱わなければならず,頻繁にトイレに通ってストーマの洗浄や交換をする必要があること(認定事実(2)ウ),原告は,1日12時間にわたって静脈中心栄養の輸液のために拘束されており,平日には入浴をすることができないことからすると(認定事実(2)ア),A医師作成の平成23年診断書には,「血液・造血器」の部分に,自覚症状として「疲労感」と「易感染性」にしか「有」に丸が付されていなかったものの(認定事実(4)ア(イ)),以前の平成17年診断書,平成19年診断書,平成22年診断書に記載があり,また,A 部分に,自覚症状として「疲労感」と「易感染性」にしか「有」に丸が付されていなかったものの(認定事実(4)ア(イ)),以前の平成17年診断書,平成19年診断書,平成22年診断書に記載があり,また,A医師が証言するように(証人A7頁以下),回腸ストーマの管理に特に難渋していたものと認めるのが相当であり,これら事情も,回腸ストーマ(人工肛門)の造設に係る原告の障害の状態について,3級よりも上位等級に認定する方向で考慮することが可能な事情ということができる。 エ原告が,平成23年7月当時,  ○  会社であるBに雇用されて稼働し,収入を得ていたことは確かである(認定事実(3))。 しかしながら,一方で,原告が,3回目の小腸切除術を受けた直後の平成11年4月,それまで勤務していた会社からの退職を余儀なくされていることに加え(認定事実(3)ア),原告が,Bに採用された時点で,既に3回の小腸切除術を受けて中心静脈栄養を要するようになっていたこと(認定事実(1)),原告が以前に勤務していた会社を退職してからBに採用されるまでの間に,2年以上の期間が空いていることなどからすると(認定事実(3)ア,イ),原告が採用された当時のBの代表者は,原告の父と友人関係にあったため,同人から,原告が難病に罹患しており,それが原因で失業してしまったため,職を探しているが,病気による障害のために仕事の内容や勤務時間に制約を受けるために就業先が見つからないという相談を受けたことから,原告を採用することとしたが,原告の当時の上司に対しては,勤務時間や仕事の内容,病気のための遅刻,早退,休業等について特別の配慮をするように指示したという内容の上記代表者作成の陳述書(甲43)や,これに沿う内容のほか,上記代表者の意向がなければ,特別な配慮をしてまで原告の雇用を続 ための遅刻,早退,休業等について特別の配慮をするように指示したという内容の上記代表者作成の陳述書(甲43)や,これに沿う内容のほか,上記代表者の意向がなければ,特別な配慮をしてまで原告の雇用を続けるということはなかったという内容の当時のBにおける原告の上司作成の陳述書(甲44)の記載は,十分に信用することができるというべきである。そして,上記各陳述書の記載に加え,原告の供述等(甲24,原告本人)からすると,原告は,本来であればBにおいて雇用されることは困難であったところ,原告の父親の縁故により特別に雇用されていたものであり,また,原告がBで従事していたというパソコンのヘルプデスク作業や事務補助等,具体的には,会社が新しいコンピューター・ソフトを導入する際のインストール作業,ソフトに不具合が生じた場合の援助,ソフトに関する社員からの質問への対応は,基本的にデスクワークに限られたものであり,日常の決まっ た業務もなく,欠勤,遅刻,早退をしても直ちに業務に支障を来さないという程度のもの,言い換えれば,必ずしも必要ではないというものであったと認めるのが相当である。 また,A医師が作成した平成23年診断書等の全ての診断書には,原告の「日常生活活動能力及び労働能力」について,「軽労作のみ可能」と記載されているところ(認定事実(4)ア(オ)),この記載についても,A医師は,原告は1日12時間の中心静脈栄養を行っている状態にあり,無理をして(Bにおいて)事務労働を行っていることを認識していたため,実際には「労働」といえるほどのものではなかったものの,あえて「軽労作『のみ』可能」という記載をしたなどと証言等しており(甲23,証人A4頁),前記認定のような原告の稼働状況からすると,上記の各診断書の記載をもって,原告が軽労働をすることができる の,あえて「軽労作『のみ』可能」という記載をしたなどと証言等しており(甲23,証人A4頁),前記認定のような原告の稼働状況からすると,上記の各診断書の記載をもって,原告が軽労働をすることができる状態にあったということはできないというべきである。 オ A医師が作成した平成23年診断書等の全ての診断書には,「⑫ 一般状態区分表」欄の「イ軽度の症状があり,肉体労働は制限を受けるが歩行,軽労働や座業はできるもの例えば,軽い家事,事務など」に丸が付されているところ,認定基準の認定要領によれば,一般状態区分が上記のイのような場合,障害等級は3級におおむね相当するとされている。 しかしながら,一方で,A医師は,原告の平時の一般状態は,「ウ歩行や身のまわりのことはできるが,時に少し介助が必要なこともあり,軽労働はできないが,日中の50%以上は起居しているもの」であり,ポート感染起こした時の一般状態は,それ以上に重い一般状態区分に当たると証言等しているところ(甲23,甲32,証人A4頁以下),前記認定のとおり,原告が,3回にわたる小腸部分切除術により,1日12時間にも及ぶ中心静脈栄養を必要とする状態であり,その間は本来であれば自宅での安静又は座位が必要であること,このような長時間の中心静脈栄養を行 っていたにもかかわらず,栄養が不足気味の状態にあったこと,平成19年以降はポート感染による通院治療や入院,ポートの抜去手術及び造設手術を繰り返しており,ポート管理に細心の注意を必要とする状態にあったこと,回腸ストーマ(人工肛門)の管理にも特に難渋する状態にあったことなどからすると,原告の実際の一般状態区分はA医師が証言等するとおりのものであると考えることも十分可能というべきである(甲25)。 カ以上を総合すると,原告は,本件処分において る状態にあったことなどからすると,原告の実際の一般状態区分はA医師が証言等するとおりのものであると考えることも十分可能というべきである(甲25)。 カ以上を総合すると,原告は,本件処分において原告の特別障害給付金の受給資格が消滅したとされた平成23年7月の時点において,全身状態が安定していたこと,Bで稼働して収入を得ていたことは確かであるが,一方で,原告が57歳という若くはない年齢であったこと,原告の傷病であるクローン病が,難病に認定されたものであること,原告が必要とする在宅での中心静脈栄養における1日12時間の輸液が,原告の日常生活能力に対する大きな制約になっていたことは明らかであること,中心静脈栄養にもかかわらず,原告は栄養が不足気味の状態にあったこと,平成19年頃からポート感染を繰り返し,2度にわたってポートの抜去手術及び造設手術を余儀なくされていること,便が水のような状態であったため,回腸ストーマ(人工肛門)の管理も相当程度の負担となっていたこと,原告が勤務時間や給与等に見合うような実質的な労働を行っていたわけではないこと,原告の一般状態区分が,通常であればウ,状況によってはそれ以上のものに該当するものと考えることが可能であることなどからすると,原告の障害の状態は,必ずしも他人の助けを借りる必要はないが,日常生活は極めて困難で,実際には労働による収入を得ることができない程度のものであって,身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が,日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものであったと認めるのが相当であり,原告はクローン病により障害等級2級相当の障害にあったものと認めるのが相当であ る。 4 結論以上によれば,平成23年7月の時点で原告が障害等級2 のものであったと認めるのが相当であり,原告はクローン病により障害等級2級相当の障害にあったものと認めるのが相当であ る。 4 結論以上によれば,平成23年7月の時点で原告が障害等級2級相当の障害の状態にはないとしてされた本件処分は違法である。 よって,原告の請求は理由があるから,これを認容することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官増田稔 裁判官齊藤充洋 裁判官佐野義孝 (別紙)関係法令等の定め第1 特障法 1 特障法1条は,特障法は,国民年金制度の発展過程において生じた特別な事情に鑑み,障害基礎年金等の受給権を有していない障害者に特別障害給付金を支給することにより,その福祉の増進を図ることを目的とするものである旨規定している。 2 特障法2条は,特障法において「特定障害者」とは,次の(1)又は(2)のいずれかに該当する者であって,国年法の規定による障害基礎年金その他障害を支給事由とする政令で定める給付を受ける権利を有していないものをいう旨規定している。 (1) 疾病にかかり,又は負傷し,かつ,その疾病又は負傷及びこれらに起因する疾病(以下「傷病」という。)について,初めて医師又は歯科医師の診療を受けた日(以下「初診日」といい,昭和61年3月31日以前にあるものに限る。)において,国民年金任意加入対象であった厚生年金保険の被保険者の配偶者等であって,当時,任意加入していなかった期間内に初診日があり,その傷病により現に障害基礎年金の障害等級1級又は2級相当の障害の状態(国年法30条2項,国年令4条の6,別表)にあるもの(65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当した場合 内に初診日があり,その傷病により現に障害基礎年金の障害等級1級又は2級相当の障害の状態(国年法30条2項,国年令4条の6,別表)にあるもの(65歳に達する日の前日までに当該障害状態に該当した場合に限る。)(同条1号)。 (2) 疾病にかかり,又は負傷し,かつ,当該傷病にかかる初診日(昭和61年4月1日から平成3年3月31日までの間にあるものに限る。)において国民年金任意加入対象であった大学(大学院),短大,高等学校及び高等専門学校等の学生に該当し,かつ,任意加入被保険者でなかった者であって,その傷病により現に障害基礎年金の障害等級1級又は2級相当の障害の状態にあるもの(同条2号)。 3 特障法3条1項は,国は,特定障害者に対し,特別障害給付金を支給する旨 規定している。 4 特障法5条は,その1項において,特別障害給付金の額は,総務省において作成する年平均の全国消費者物価指数が平成16年(同項の規定による特別障害給付金の額の改定の措置が講じられたときは,直近の当該措置が講じられた年の前年)の物価指数を超え,又は下回るに至った場合においては,その上昇し,又は低下した比率を基準として,その翌年4月以降の額が改定される旨,その2項において,各年の特別障害給付金の額の改定の措置は,政令で定める旨,それぞれ規定している。 5 特障法6条1項は,特定障害者は,特別障害給付金の支給を受けようとするときは,65歳に達する日の前日までに,処分行政庁に対し,その受給資格及び特別障害給付金の額について,認定の請求をしなければならない旨規定している。ただし,特障法32条の2第1項1号は,特障法6条1項の規定による請求の受理は,日本年金機構(以下「機構」という。)に行わせるものとする旨,特障法32条の7第1項2号は,処分行政庁は,機構に,特障法6 だし,特障法32条の2第1項1号は,特障法6条1項の規定による請求の受理は,日本年金機構(以下「機構」という。)に行わせるものとする旨,特障法32条の7第1項2号は,処分行政庁は,機構に,特障法6条1項及び2項の規定による認定に係る事務を行わせるものとする旨,それぞれ規定している。 なお,特障法(平成19年法律第109号による改正前のもの)6条1項は,上記の認定の請求は,社会保険庁長官に対してしなければならない旨規定していた。 6 特障法7条は,その1項において,特別障害給付金の支給は,特定障害者が特障法6条1項の認定を請求した日の属する月の翌月から始め,特別障害給付金を支給すべき事由が消滅した日の属する月で終わる旨,その3項本文において,特別障害給付金は,年金給付と同様に,毎年2月,4月,6月,8月,10月及び12月の6期に,それぞれの前月までの分を支払う旨,それぞれ規定している。 第2 特定障害者に対する特別障害給付金の支給に関する法律施行規則(以下「特 障法施行規則」という。) 1 特障法施行規則1条1項は,特障法6条1項の規定による認定の請求は,氏名,生年月日及び住所,国年法14条に規定する基礎年金番号(以下「基礎年金番号」という。)等を記載した認定請求書を機構に提出することによって行わなければならない旨規定している。 なお,特障法施行規則(平成21年厚生労働省令第167号による改正前のもの。以下「改正前特障法施行規則」という。)1条1項は,上記の認定の請求は,認定請求書を地方社会保険事務局長に提出することによって行わなければならない旨規定していた。 2 特障法施行規則2条は,その1項において,処分行政庁は,特別障害給付金の受給資格及び額の認定の請求があった場合において,その受給資格及び額の認定をしたときは, ければならない旨規定していた。 2 特障法施行規則2条は,その1項において,処分行政庁は,特別障害給付金の受給資格及び額の認定の請求があった場合において,その受給資格及び額の認定をしたときは,請求者に,当該者が特別障害給付金の受給資格を有する者(以下「受給資格者」という。)であることを証する書類(受給資格者証)を交付しなければならない旨,その2項において,処分行政庁は,特別障害給付金の受給資格及び額の認定の請求があった場合において,その受給資格がないと認めたときは,請求者に,文書でその旨を通知しなければならない旨,その3項において,処分行政庁は,特別障害給付金の支給の制限に関する処分その他支給に関する処分を行ったときは,文書で,その内容を受給資格者に通知しなければならない旨,それぞれ規定している。 3 特障法施行規則7条は,その1項において,受給資格者は,毎年,7月31日までに,氏名,生年月日及び住所や受給資格者番号等を記載し,自ら署名した届書を機構に提出しなければならない旨,その2項において,同条1項の届書には,7月31日の前1箇月以内に作成された障害の現状に関する医師の診断書等を添えなければならない旨規定している。 なお,改正前特障法施行規則7条1項は,上記の届書を地方社会保険事務局長に提出しなければならない旨規定していた。 4 特障法施行規則16条は,処分行政庁は,受給資格者の受給資格が消滅したときは,その者に,文書でその旨を通知しなければならない旨規定している。 なお,改正前特障法施行規則16条は,上記の通知を,地方社会保険事務局長がしなければならない旨規定していた。 第3 国年法国年法30条2項は,障害等級は,障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし,各級の障害の状態は政令で定める旨規定してい 保険事務局長がしなければならない旨規定していた。 第3 国年法国年法30条2項は,障害等級は,障害の程度に応じて重度のものから1級及び2級とし,各級の障害の状態は政令で定める旨規定している。 第4 国年令 1 国年令4条の6は,国年法30条2項に規定する障害等級の各級の障害の状態は,別表に定めるとおりとする旨規定している。 2 国年令別表(第4条の6関係)は,次のとおり,規定している。 障害の程度障害の状態 1級 1 両眼の視力の和が0.04以下のもの 2 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの 3 両上肢の機能に著しい障害を有するもの 4 両上肢のすべての指を欠くもの 5 両上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの 6 両下肢の機能に著しい障害を有するもの 7 両下肢を足関節以上で欠くもの 体幹の機能に座っていることができない程度又は立ち上がることができない程度の障害を有するもの 前各号に掲げるもののほか,身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって,日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のもの 精神の障害であって,前各号と同程度以上と認められる程度のもの 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって,その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの 2級 1 両眼の視力 は精神の障害が重複する場合であって,その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの 2級 1 両眼の視力の和が0.05以上0.08以下のもの 2 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの 3 平衡機能に著しい障害を有するもの 4 そしゃくの機能を欠くもの 5 音声又は言語機能に著しい障害を有するもの 6 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指を欠くもの 両上肢のおや指及びひとさし指又は中指の機能に著しい障害を有するもの 8 1上肢の機能に著しい障害を有するもの 9 1上肢のすべての指を欠くもの 1上肢のすべての指の機能に著しい障害を有するもの 11 両下肢のすべての指を欠くもの 12 1下肢の機能に著しい障害を有するもの 13 1下肢を足関節以上で欠くもの 14 体幹の機能に歩くことができない程度の障害を有するもの 前各号に掲げるもののほか,身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が前各号と同程度以上と認められる状態であって,日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの 16 精神の障害であって,前各号と同程度以上と認められる程度のもの 身体の機能の障害若しくは病状又は精神の障害が重複する場合であって,その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの 第5 国民年金・厚生年金保険障害認定基準(以下「認定基準」という。)認定基準は, くは病状又は精神の障害が重複する場合であって,その状態が前各号と同程度以上と認められる程度のもの 第5 国民年金・厚生年金保険障害認定基準(以下「認定基準」という。)認定基準は,障害認定について,次のとおり規定している。 1 障害認定に当たっての基本的事項(認定基準第2)障害等級2級の障害の程度は,身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状が,日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものとする。この日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度とは,必ずしも他人の助けを借りる必要はないが,日常生活は極めて困難で,労働による収入を得ることができない程度のものである。例えば,家庭内の極めて温和な活動(軽食作り,下着程度の洗濯等)はできるが,それ以上の活動はできないもの又は行ってはいけないもの,すなわち,病院内の生活でいえば,活動の範囲がおおむね病棟内に限られるものであり,家庭内の生活でいえば,活動の範囲がおおむね家屋内に限られるものである。 2 その他の疾患による障害(腹部臓器,骨盤臓器の術後後遺症及びいわゆる難病並びに臓器移植)の認定基準(認定基準第3の第1章第18節)(1) 認定基準その他の疾患による障害の程度は,全身状態,栄養状態,年令,術後の経過,予後,原疾患の性質,進行状況等,具体的な日常生活状況等を考慮し,総合的に認定するものとし,身体の機能の障害又は長期にわたる安静を必要とする病状があり,日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度のものを1級に,日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に,また,労働が制限を受けるか 又は労働に制限を加えるこ を不能ならしめる程度のものを1級に,日常生活が著しい制限を受けるか,又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のものを2級に,また,労働が制限を受けるか 又は労働に制限を加えることを必要とする程度のものを3級に該当するものと認定する。 (2) 認定要領アその他の疾患による障害は,認定基準の「第3」「第1章」の「第1節眼の障害」から「第17節高血圧症による障害」において取り扱われていない疾患を指す。 イ人工肛門を造設したものは3級と認定する。① 人工肛門を造設し,かつ,新膀胱を造設したもの又は尿路変更術を施したもの,② 人工肛門を造設し,かつ,完全排尿障害(カテーテル留置又は自己導尿の常時施行を必要する)状態にあるものは,2級と認定する。なお,全身状態,術後の経過及び予後,原疾患の性質,進行状況等により総合的に判断し,更に上位等級に認定する。 ウいわゆる難病については,その発病の時期が不定,不詳であり,かつ,発病は緩徐であり,ほとんどの疾患は,臨床症状が複雑多岐にわたっているため,その認定に当たっては,客観的所見に基づいた日常生活能力等の程度を十分考慮して総合的に認定する。なお,厚生労働省研究班や関係学会で定めた診断基準,治療基準があり,それに該当するものは,病状の経過,治療効果等を参考とし,認定時の具体的な日常生活状況等を把握して,総合的に認定する。 エ障害の程度は,一般状態が次の一般状態区分表のオに該当するものは1級に,エ又はウに該当するものは2級に,ウ又はイに該当するものは3級におおむね相当するので,認定に当たって参考とする。 一般状態区分表 区分一般状態ア無症状で社会生活ができ,制限を受けることなく,発病前と同等にふるまえるものイ軽度の症状があり,肉 で,認定に当たって参考とする。 一般状態区分表 区分一般状態ア無症状で社会生活ができ,制限を受けることなく,発病前と同等にふるまえるものイ軽度の症状があり,肉体労働は制限を受けるが,歩行,軽労働や座業はできるもの例えば,軽い家事,事務などウ歩行や身のまわりのことはできるが,時に少し介助が必要なこともあり,軽労働はできないが,日中の50%以上は起居しているものエ身のまわりのある程度のことはできるが,しばしば介助が必要で,日中の50%以上は就床しており,自力では屋外への外出等がほぼ不可能となったものオ身のまわりのこともできず,常に介助を必要とし,終日就床を強いられ,活動の範囲がおおむねベッド周辺に限られるもの以上

▼ クリックして全文を表示

🔍 類似判例を検索𝕏 でシェア← 一覧に戻る