平成18年(む)第8637号主文本件請求を棄却する。 理由 本件請求の趣旨及び理由は,主任弁護人作成の平成18年9月4日付け裁定請求書第1の2(なお,同記載で開示が求められている資料を以下「本件資料」という。) ,第2の2,第3,同月27日付け弁護人意見書(平成18年9月4日付け裁定請求に関するもの)第2,同年10月13日付け弁護人意見書2に記載のとおりであるから,これらを引用する。 当裁判所の判断検察官は,本件資料についての主任弁護人の類型証拠開示請求に対し,本件資料が手持ち証拠には存在しないと回答しているので(主任弁護人作成の平成18年4月17日付け類型証拠開示請求書第14,第19②に対応する検察官作成の同月26日付け証拠開示請求に対する回答書第11,第16及び同年10月11日付け意見書),類型証拠開示請求の対象となる証拠の範囲についてまず検討する。裁判所が証拠開示に関する裁定をするに当たり,証拠の提示を命ずることができる旨規定した刑事訴訟法316条の27第2項は,裁判所は,「検察官に対し,その保管する証拠であって,裁判所の指定する範囲に属するものの標目を記載した一覧表の提示を命ずることができる。」と規定していることからすると,同法316条の15の規定による証拠の開示が,検察官の下で保管されているいわゆる検察官手持ち証拠を対象としていることは明らかである。すなわち,同法316条の15第1項に基づいて開示の請求をすることができる証拠は,検察官の保管する証拠に限られると解される。 そして,本件資料のうち捜査官がAの剖検に立ち会った際に作成した何らかの手控えは,解剖の状況等を同捜査官において必要と認める範囲内で随時記録したいわゆる備忘録の類であるから,検察官に事件を送致又は送付する際に送致書又は送付書に添付すべき関係書類及 際に作成した何らかの手控えは,解剖の状況等を同捜査官において必要と認める範囲内で随時記録したいわゆる備忘録の類であるから,検察官に事件を送致又は送付する際に送致書又は送付書に添付すべき関係書類及び証拠物とは認められない。よって,このような備忘録につき,検察官が手持ち証拠には存在しない旨回答したことに疑問を生じさせる事情はうかがえない。そして,その他弁護人の主張するところを検討しても,本件資料が検察官手持ち証拠には存在しないとした検察官の上記回答に疑問を生じさせる事情はうかがえない。そうすると,その余の点について検討するまでもなく主任弁護人の本件資料の開示請求に理由がないことは明らかである。 よって主文のとおり決定する。 (裁判長裁判官・天野登喜治,裁判官・池田信彦,裁判官・赤谷圭介)
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