令和5年10月31日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和5年(ワ)第70061号発信者情報開示命令取消請求事件口頭弁論終結日令和5年8月22日判決 原告Twitter, Inc. 訴訟承継人XCorp. 同訴訟代理人弁護士中島徹 平津慎副 同訴訟復代理人弁護士栗原連太郎 被告A 同訴訟代理人弁護士町田力 柏原陽平 主文 1 訴訟承継前原告Twitter, Inc.と被告との間の東京地方裁判所令和4年(発チ)第10041号発信者情報開示命令申立事件について、同裁判所が令和5年1月6日にした決定を認可する。 2 訴訟費用は、原告の負担とする。 3 この判決に対する控訴のための付加期間を30日と定める。 事実及び理由 第1 請求 1 訴訟承継前原告Twitter, Inc.と被告との間の東京地方裁判所令和4年(発チ)第10041号発信者情報開示命令申立事件について、同裁判所が令和5年1月6日にした決定を取り消す。 2 前項記載の事件における被告の申立てを却下する。 第2 事案の概要 1 事案の要旨 被告は、原告(以下、訴訟承継の前後を問わず「原告」という。)の運営するX(インターネットを利用してメッセージ等を投稿することができる情報ネットワークに係るサービスであり、変更前の名称は「ツイッター」であった。以下、名称変更の前後を問わず「本件サービス」という。)に氏名不詳者ら(以下「本件各氏名不詳者」という。)が投稿した別紙投稿記事目録記載1及び4の各 り、変更前の名称は「ツイッター」であった。以下、名称変更の前後を問わず「本件サービス」という。)に氏名不詳者ら(以下「本件各氏名不詳者」という。)が投稿した別紙投稿記事目録記載1及び4の各 投稿(以下、番号に従って「本件投稿1」などという。)により、別紙著作物目録記載の画像(以下「本件原画像」という。)に係る被告の著作権(翻案権)が侵害されたことは明らかであり、本件各氏名不詳者に対する不法行為に基づく損害賠償請求権等を行使するため、原告が保有する別紙発信者情報目録記載の各情報(以下「本件発信者情報」という。)の開示を受けるべき正当な理由があ るとして、特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「プロバイダ責任制限法」という。)5条1項及び8条に基づき、発信者情報開示命令の申立てをした。 本件は、原告が、被告の上記申立てを認容した決定(以下「原決定」という。)に不服があるとして、プロバイダ責任制限法14条1項に基づき、原決定の取 消しを求める事案である。 なお、被告は、本件において、本件投稿1及び4による権利侵害のみを主張している。 2 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲各証拠(以下、書証番号は特記しない限り枝番を含む。)及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実) (1) 当事者等 原告は、本件サービスを運営する米国法人である。原告は、令和5年3月15日、それまで本件サービスを運営していた訴訟承継前原告Twitter,Inc.を吸収合併し、その権利義務を承継した。(弁論の全趣旨)被告は、本件原画像の著作権者である。 (2) 本件各氏名不詳者による投稿(乙4ないし8) ア別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント1を管理する氏名不詳 務を承継した。(弁論の全趣旨)被告は、本件原画像の著作権者である。 (2) 本件各氏名不詳者による投稿(乙4ないし8) ア別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント1を管理する氏名不詳者(以下「本件氏名不詳者1」という。)は、本件アカウント1を利用して、別紙投稿記事目録記載1ないし3の各投稿をした。 イ別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント2を管理する氏名不詳者(以下「本件氏名不詳者2」という。)は、本件アカウント2を利用して、 別紙投稿記事目録記載4及び5の各投稿をした。 (3) 本件投稿1及び4による被告の著作権侵害本件投稿1及び4は、本件原画像に係る被告の著作権(翻案権)を侵害するものである。 (4) 本件発信者情報の保有 原告は、本件発信者情報を保有している(弁論の全趣旨)。 なお、原告において、利用者が本件サービスにログインした際の情報の保管期間は、通常60日である。 (5) 本件訴訟に至る経緯被告は、令和4年11月29日、東京地方裁判所に対し、原告を相手方と して、発信者情報開示命令の申立てをし(同裁判所令和4年(発チ)第10041号。以下、同申立てに係る手続を「本件原手続」という。)、本件原手続係属中に、開示を求める範囲を別紙発信者情報目録記載の各情報へと訂正した。 同裁判所は、令和5年1月6日、被告の申立てを認容する決定をし、原決 定は、同月11日、原告に送達された。 原告は、同年2月13日、原決定を不服として、本件訴訟を提起した。 3 当事者の主張(被告の主張)(1) 本件投稿1及び4によって被告の権利が侵害されたことが明らかであること 本件投稿1及び4は、いずれも本件原画像に係る被告の著作権(翻案権)を侵害するものである。そし (被告の主張)(1) 本件投稿1及び4によって被告の権利が侵害されたことが明らかであること 本件投稿1及び4は、いずれも本件原画像に係る被告の著作権(翻案権)を侵害するものである。そして、本件投稿1及び4について、違法性阻却事由はない。 したがって、本件投稿1及び4によって本件原画像に係る被告の著作権(翻案権)が侵害されたことは明らかである(プロバイダ責任制限法5条1項 1号)。 (2) 本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があること被告は、本件各氏名不詳者に対し、不法行為に基づく損害賠償請求等をする予定であるが、そのためには、原告が保有する本件発信者情報の開示を受ける必要がある。 したがって、本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある(プロバイダ責任制限法5条1項2号)。 (3) 補充性の要件を満たすこと利用者が本件サービスのアカウントを作成する際、そのメールアドレス又は電話番号を登録することが求められるものの、氏名及び住所を登録するこ とは求められないから、原告は、利用者の氏名及び住所をいずれも保有していない。また、原告は、利用者が本件サービスに投稿した際のIPアドレスを保有していない。 そうすると、原告が保有する特定発信者情報以外の発信者情報は、プロバイダ責任制限法5条1項3号ロ柱書所定の情報のみである。 したがって、補充性の要件を満たす(プロバイダ責任制限法5条1項3号)。 (4) 侵害関連通信に当たること本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信は本件投稿1に係る送信と、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信は本件投稿4に係る送信と、それぞれ相当の関連性を有するものであるから、侵害関連通信(プロバイダ責任制 通信に係る送信は本件投稿1に係る送信と、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信は本件投稿4に係る送信と、それぞれ相当の関連性を有するものであるから、侵害関連通信(プロバイダ責任制限法5条3項、特定電気通信役務提供者の 損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律施行規則(以下、単に「施行規則」という。)5条2号)に当たる。 (5) 原告の主張についてア原決定には審理不尽の違法があるとの主張について本件原手続においては、専ら本件投稿1及び4による被告の権利侵害の 成否が議論されていたのであるから、原決定も、本件投稿1及び4による権利侵害を理由として、被告の申立てを認容したものというべきである。 したがって、その点に係る裁判所及び当事者間の議論は尽くされており、審理不尽の違法があるとはいえない。 イ原決定には理由齟齬の違法があるとの主張について (ア) 本件投稿1、2、4及び5の投稿日時(日本時間)は次のとおりである。 本件投稿1 令和4年7月22日午後1時11分本件投稿2 同月25日本件投稿4 令和3年10月頃 本件投稿5 令和4年6月15日午後8時3分原告において、利用者が本件サービスにログインした際の情報の保管期間は通常60日であるから、被告が、本件原手続を申し立てた令和4年11月29日の時点で、原告が保有している最も古いログイン通信に係る情報は同年9月30日頃のものと考えられる。そうすると、本件氏 名不詳者1に関し、原告が保有するログイン通信に係る情報のうち、本 件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報と、本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報は、いずれも原告が保有している最も古い情報ということな る情報のうち、本 件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報と、本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報は、いずれも原告が保有している最も古い情報ということなり、同一のものとなる。本件投稿4と本件投稿5についても同様である。 (イ) 前記ア及び(ア)のとおり、本件原手続において、専ら本件投稿1及び4 による被告の権利侵害の成否が議論されており、かつ、本件投稿1と本件投稿2、本件投稿4と本件投稿5について、それぞれいずれの投稿を問題としたとしても開示されるログイン通信に係る情報は同一のものとなる。そこで、被告は、これらの事情を踏まえて、本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報及び本件投稿5と最も時間的に 近接するログイン通信に係る情報をそれぞれ掲記する別紙発信者情報目録と同旨の目録を添付した令和4年12月26日付け訂正申立書により、開示を求める情報を訂正したところ、原決定は、当該目録に基づいて、被告の申立てを認容したものである。 (ウ) したがって、原告の主張は、同一の情報を特定する表記方法の違いを 問題視するものにすぎず、原決定において、決定内容とその理由との間に食い違いはない。 (6) 小括以上によれば、原決定は認可されるべきである。 (原告の主張) (1) 原決定には審理不尽の違法があること別紙発信者情報目録記載3及び4の各情報は、本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報であり、同目録記載5及び6の各情報は、本件投稿5と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報である。 本件原手続においては、専ら本件投稿1及び4による被告の権利侵害の成 否が争点となっていた。しかし、原決定が、別紙発信者情報目録記載3ない し するログイン通信に係る情報である。 本件原手続においては、専ら本件投稿1及び4による被告の権利侵害の成 否が争点となっていた。しかし、原決定が、別紙発信者情報目録記載3ない し6の各情報の開示を命じたということは、本件投稿2及び5による権利侵害を理由として、被告の申立てを認容したものといわざるを得ない。そうすると、本件投稿2及び5による権利侵害の成否は実質的に審理されていないのであるから、それを理由として決定がされたとすれば、審理が十分尽くされずに原決定がされたというべきである。 (2) 原決定には理由齟齬の違法があること「本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信」と「本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信」とは全く異なるものであって、「本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信」に係る情報の開示請求権と「本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信」に係る情報の開示請求権も別個 の請求権と考えられる。そうすると、仮に、原決定が、本件投稿1によって被告の権利が侵害されたと判断したにもかかわらず、これを理由として「本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信」に係る情報の開示を認めたのであれば、決定内容とその理由との間に食い違いがあることになる。 本件投稿4による権利侵害を理由として「本件投稿5と最も時間的に近接 するログイン通信」に係る情報の開示を認めた点についても同様のことがいえる。 (3) 小括以上によれば、原決定は違法なものであるから、これを取り消した上で、被告の申立てを却下すべきである。 第3 当裁判所の判断 1 本件投稿1及び4によって被告の権利が侵害されたことが明らかであるかについて本件投稿1及び4がいずれも本件原画像に係る被告の著作権(翻案権)を侵 べきである。 第3 当裁判所の判断 1 本件投稿1及び4によって被告の権利が侵害されたことが明らかであるかについて本件投稿1及び4がいずれも本件原画像に係る被告の著作権(翻案権)を侵害するものであることは、当事者間に争いがない。そして、本件全証拠によっ ても、本件投稿1及び4について違法性阻却事由が存在することは、全くうか がわれない。 したがって、本件投稿1及び4によって本件原画像に係る被告の著作権(翻案権)が侵害されたことは明らかである(プロバイダ責任制限法5条1項1号)。 2 本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由があるかについて弁論の全趣旨によれば、被告は、本件各氏名不詳者に対し、不法行為に基づ く損害賠償請求等をする意思を有しており、そのためには、原告が保有する本件発信者情報の開示を受ける必要があると認められる。 したがって、本件発信者情報の開示を受けるべき正当な理由がある(プロバイダ責任制限法5条1項2号)。 3 補充性の要件を満たすかについて 証拠(乙3)及び弁論の全趣旨によれば、利用者が本件サービスの個人アカウントを作成する際、そのメールアドレス又は電話番号を登録することが求められるものの、氏名及び住所を登録することは求められないこと、原告は、利用者が本件サービスに投稿した際のIPアドレスを保有していないことがそれぞれ認められる。 そうすると、原告が保有する特定発信者情報以外の発信者情報は、プロバイダ責任制限法5条1項3号ロ柱書及び施行規則所定の情報のみと認められる。 したがって、補充性の要件を満たす(プロバイダ責任制限法5条1項3号)。 4 侵害関連通信該当性について(1) 証拠(乙4、5)によれば、本件氏名不詳者1による本件投稿1及び2の る。 したがって、補充性の要件を満たす(プロバイダ責任制限法5条1項3号)。 4 侵害関連通信該当性について(1) 証拠(乙4、5)によれば、本件氏名不詳者1による本件投稿1及び2の 投稿日時(日本時間)は、次のとおりと認められる。 本件投稿1 令和4年7月22日午後1時11分本件投稿2 同月25日また、証拠(乙7、8)及び弁論の全趣旨によれば、本件氏名不詳者2による本件投稿4及び5の投稿日時(日本時間)は、次のとおりと認められる。 本件投稿4 令和3年10月頃 本件投稿5 令和4年6月15日午後8時3分さらに、前提事実(4)のとおり、原告において、利用者が本件サービスにログインした際の情報を保管している期間は、通常60日であることが認められる。 そして、被告が令和4年11月29日に本件原手続に係る申立てをしたこ とを考え合わせると、本件各氏名不詳者に関し、原告がその時点で保有している最も古いログイン通信に係る情報は、同年9月30日頃までにされたログイン通信に係るものと推認することができ、他方で、本件全証拠によっても、原告が、本件各氏名不詳者に関し、それよりも過去の時点のログイン通信に係る情報を保有しているとは認められない。 そうすると、原告が保有する情報のうち、同年7月22日午後1時11分にされた本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報及び令和3年10月頃にされた本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報は、いずれも令和4年9月30日頃までにされた際のものと推認できる。 (2) 前記(1)を前提として、本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信が本件投稿1に係る送信との間で相当の関連性を有するかを検 日頃までにされた際のものと推認できる。 (2) 前記(1)を前提として、本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信が本件投稿1に係る送信との間で相当の関連性を有するかを検討すると、まず、本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信は、本件投稿1の約2か月後までにされたものであることが認められるところ、このログイン通信は本件投稿1と時間的に近接しているとまではいい難いものの、本 件全証拠によっても、当該ログイン通信に係る送信から把握される情報のほかに、発信者を特定するためにより適切な手段があるとは認められない。これらの事情に鑑みれば、本件証拠上、本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に伴って行われた投稿の有無及びその内容が明らかではないことを考慮しても、本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信 について本件投稿1に係る送信と相当の関連性を有するものと認めるのが相 当である。 また、同様に、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信が本件投稿4に係る送信との間で相当の関連性を有するかを検討すると、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信は、本件投稿4の約11か月後までにされたものであることが認められるところ、このログイン通信は 本件投稿4と時間的に近接しているとまではいい難いものの、本件全証拠によっても、当該ログイン通信に係る送信から把握される情報のほかに、発信者を特定するためにより適切な手段があるとは認められない。これらの事情に鑑みれば、本件証拠上、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に伴って行われた投稿の有無及びその内容が明らかではないことを考慮して も、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信について本 証拠上、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に伴って行われた投稿の有無及びその内容が明らかではないことを考慮して も、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信について本件投稿4に係る送信と相当の関連性を有するものと認めるのが相当である。 したがって、本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信は本件投稿1に係る送信の、本件投稿4と最も時間的に近接するログイン通信に係る送信は本件投稿4に係る送信の、それぞれプロバイダ責任制限法5 条3項、施行規則5条2号所定の侵害関連通信に当たると認められる。 5 原告の主張について(1) 原決定には審理不尽の違法があるとの主張についてア原告は、原決定が、別紙発信者情報目録記載3ないし6の各情報の開示を命じたということは、本件投稿2及び5による権利侵害を理由として、 被告の申立てを認容したものといわざるを得ないなどと主張する。 イそこで検討すると、弁論の全趣旨によれば、本件原手続においては、専ら本件投稿1及び4による被告の権利侵害の成否が議論されていたことが認められるところ、そのような審理を経て被告の申立てを認容する場合には、本件投稿1及び4によって被告の権利侵害が認められることを前提と しているのが通常である。これに対し、本件全証拠によっても、原決定が、 本件投稿2及び5による権利侵害を理由として、被告の申立てを認容したと認めることはできない。 (2) 原決定には理由齟齬の違法があるとの主張についてア原告は、「本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信」と「本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信」とは全く異なるものであるか ら、本件投稿1により被告の権利が侵害されたと判断したにもかかわらず、これを理 と最も時間的に近接するログイン通信」と「本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信」とは全く異なるものであるか ら、本件投稿1により被告の権利が侵害されたと判断したにもかかわらず、これを理由として「本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信」に係る情報の開示を認めたのであれば、原決定の決定内容とその理由との間に食い違いがあることになるなどと主張する。 イそこで検討すると、前記4(1)のとおり、被告が東京地方裁判所に本件原 手続を申し立てた時点において、本件各氏名不詳者に関し、原告が保有している最も古いログイン通信に係る情報は、令和4年9月30日頃までにされたログイン通信に係るものであったと認められる。 この事実に照らせば、本件氏名不詳者1に関して原告が保有するログイン通信に係る情報のうち、本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通 信に係る情報と、本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信に係る情報は、いずれも原告が保有している最も古い情報、すなわち、上記の令和4年9月30日頃までにされたログイン通信に係る情報として特定されるから、それらは同一のものとなる。そうすると、本件における事実関係の下では、原告が保有している最も古いログイン通信に係る情報を特定す るために、「本件投稿1と最も時間的に近接するログイン通信」に係る情報と表現するか、「本件投稿2と最も時間的に近接するログイン通信」に係る情報と表現するかによって、その対象となる情報が異なることはないから、それらは単に表現上の違いにすぎないというべきである。 このことは、本件氏名不詳者2に関する本件投稿4と本件投稿5につい ても、同様にあてはまる。 (3) 以上によれば、原告の前記各主張を採用することはできない。 第4 る。 このことは、本件氏名不詳者2に関する本件投稿4と本件投稿5につい ても、同様にあてはまる。 (3) 以上によれば、原告の前記各主張を採用することはできない。 第4 結論よって、被告の本件原手続に係る申立ては理由があり、これを認容した原決定は相当であるから、これを認可することとして、主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第29部 裁判長裁判官 國分隆文 裁判官 間明宏充 裁判官 バヒスバラン薫 (別紙)発信者情報目録 1 別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント1に登録されている以下の情報⑴ 電話番号 2 別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント2に登録されている以下の各情報⑴ 電話番号⑵ 電子メールアドレス 3 別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント1にログインするために行った識別符号その他の符号の電気通信による送信であって、相手方が保有するもののうち別紙投稿記事目録2記載の投稿と最も時間的に近接するもの(以下「本件ログイン通信1」という。)に係るIPアドレス 4 前項のIPアドレスが割り当てられた電気通信設備から、相手方の用いる特定電気通信設備に本件ログイン通信1が行われた年月日及び時刻 5 別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント るIPアドレス 4 前項のIPアドレスが割り当てられた電気通信設備から、相手方の用いる特定電気通信設備に本件ログイン通信1が行われた年月日及び時刻 5 別紙対象アカウント目録記載の本件アカウント2にログインするために行った識別符号その他の符号の電気通信による送信であって、相手方が保有するもののうち別紙投稿記事目録5記載の投稿と最も時間的に近接するもの(以下「本件ログイン通信2」という。)に係るIPアドレス 6 前項のIPアドレスが割り当てられた電気通信設備から、相手方の用いる特定電気通信設備に本件ログイン通信2が行われた年月日及び時刻以上 (別紙)対象アカウント目録 以下省略 (別紙)著作物目録 以下省略 (別紙)投稿記事目録 閲覧用URL(省略)投稿日時2022年7月22日午後1時11分投稿内容(省略)投稿画像(省略) 閲覧用URL(省略)投稿日時2022年7月25日投稿内容(省略)投稿画像(省略) 閲覧用URL(省略)投稿日時2022年7月20日午前0時55分投稿内容(省略)投稿画像(省略) 閲覧用URL(省略)投稿日時2021年10月頃投稿画像(省略) 閲覧用URL(省略)投稿日時2022年6月15日午後8時3分投稿内容(省略)以上
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