【DRY-RUN】主 文 原判決を破毀する。 被告人を懲役一〇月に処する。 但本判決確定の日から四年間右刑の執行を猶予する。 理 由 名古屋高等検察庁金沢支
主文 原判決を破毀する。 被告人を懲役一〇月に処する。 但本判決確定の日から四年間右刑の執行を猶予する。 理由 名古屋高等検察庁金沢支部、支部長検事名越亮一の上告趣意について。 本件について、第一審富山地方裁判所出町支部においては、昭和二三年四月二七日被告人に対して窃盗の事実を認定して、懲役十月に処する旨の判決を言渡し、同判決に対して被告人より控訴を申立て、(検事より控訴附帯控訴の申立なく)第二審名古屋高等裁判所金沢支部においては、昭和二四年七月二〇日同一事実を認定して被告人を懲役一年に処す、但し裁判確定の日より四年間右刑の執行を猶予する旨の判決を言渡したことは所論のとおりである。 かくのごとき場合、第一審の刑と第二審の刑といずれが、被告人にとつて利益であるかを較量することは、必ずしも容易なことではないのであるけれども、旧刑訴第四〇三条は「被告人控訴ヲ為シタル事件及被告人ノ為ニ控訴ヲ為シタル事件ニ付テハ原判決ノ刑ヨリ重キ刑ヲ言渡スコトヲ得ズ」と規定しているのであつて、本件のごとき第二審において第一審の懲役刑よりも長い懲役刑に処したときは、たとえ右刑の執行を猶予する旨の言渡をした場合でも、同条にいわゆる「原判決ノ刑ヨリ重キ刑」を言渡したことに該当するものと解しなければならない。 従つて、原判決には、右刑訴法の規定に違背した違法あり、検事の上告は理由あるものといわなければならない。 よつて、刑訴施行法第二条旧刑訴第四四七条、第四四八条に従い原判決を破毀して、原判決確定の事実に法律を適用すれば、被告人の窃盗の所為は刑法第二三五条に該当するから、その刑期範囲内において被告人を懲役一〇月に処し、尚、刑法第- 1 -二五条を適用し情状により四年間右刑の執行を猶予するを相当と認め、主 用すれば、被告人の窃盗の所為は刑法第二三五条に該当するから、その刑期範囲内において被告人を懲役一〇月に処し、尚、刑法第- 1 -二五条を適用し情状により四年間右刑の執行を猶予するを相当と認め、主文のとおり判決する。 右は全裁判官一致の意見である。 検察官田中己代治関与昭和二五年三月三日最高裁判所第二小法廷裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判長裁判官霜山精一は差し支えにつき、署名捺印することができない。 裁判官小谷勝重- 2 -
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