昭和53(さ)2 労働安全衛生法違反被告事件についてした略式命令に対する非常上告

裁判年月日・裁判所
昭和53年11月30日 最高裁判所第一小法廷 判決 破棄自判 新居浜簡易裁判所
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【DRY-RUN】主    文      原略式命令を破棄する。      被告人を罰金五万円に処する。      右罰金を完納することができないときは、金二、〇〇〇円を一日に換算 した期間、被告人を労役場に留置する。

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判決文本文1,656 文字)

主    文      原略式命令を破棄する。      被告人を罰金五万円に処する。      右罰金を完納することができないときは、金二、〇〇〇円を一日に換算 した期間、被告人を労役場に留置する。          理    由  本件記録によると、新居浜簡易裁判所は、昭和五三年五月九日被告人に対する労 働安全衛生法違反被告事件(同庁昭和五三年(い)第〇二四二号)について、「被 告人は、労働者を使用して鳶職を行う事業者であるが、昭和五二年七月一日午前九 時二〇分ころ、西条市a町b番地A増改築工事現場建物西側B鮮魚店屋根上におい て、自己が株式会社C工務店から下請けした丸太足場を労働者D外二名を使用して 組み立てるに当り、同所は地上から軒までの高さが約四・八二メートル、勾配約二 三度であるため、労働者が墜落するおそれがあつたのに、囲い、手すり等を設けず、 もつて墜落による危険を防止するために必要な措置を講じなかつたものである。」 との事実を認定したうえ、労働安全衛生法二一条二項、二七条一項、一一九条一号、 労働安全衛生規則五一九条一項、罰金等臨時措置法二条、刑法一八条、刑訴法三四 八条一項を適用して、「被告人を罰金拾万円に処する。右罰金を完納することがで きないときは金二、〇〇〇円を一日に換算した期間被告人を労役場に留置する。こ の罰金に相当する金額を仮に納付することを命ずる。」旨の略式命令を発し、この 略式命令は、昭和五三年五月三一日確定したことが認められる。  しかしながら、労働安全衛生法一一九条一号の法定刑のうち罰金の額は、昭和五 二年法律第七六号により改められ、右法律は昭和五三年一月一日施行されたもので あるところ、被告人の本件所為は、右改正前の行為であるから、これに適用すべき 罰則は、右法律の附則三条により、改正前の労働安全衛生法一一九条一号である。 - 1 - は昭和五三年一月一日施行されたもので あるところ、被告人の本件所為は、右改正前の行為であるから、これに適用すべき 罰則は、右法律の附則三条により、改正前の労働安全衛生法一一九条一号である。 - 1 - そして、右法条によれば、労働安全衛生法二一条二項違反の罪の罰金の法定刑は五 万円以下であり、加重事由のない本件において、これを超過して被告人を罰金一〇 万円に処した右略式命令は、法令に違反していることが明らかであるうえ、被告人 のために不利益であるといわなければならない。  よつて、刑訴法四五八条一号但書により、原略式命令を破棄し、被告事件につい てさらに判決することとする。  原略式命令の確定した労働安全衛生法違反の事実に法令を適用すると、被告人の 所為は、労働安全衛生法二一条二項、二七条一項、労働安全衛生規則五一九条一項、 労働安全衛生法一一九条一号(昭和五二年法律第七六号による改正前のもの。同法 律附則三条による。)に該当するので、所定刑中罰金刑を選択し、その金額の範囲 内で被告人を罰金五万円に処し、右罰金を完納することができないときは、刑法一 八条により金二、〇〇〇円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置すること とし、主文のとおり判決する。  この判決は、裁判官全員一致の意見によるものである。  検察官根岸重治 公判出席   昭和五三年一一月三〇日      最高裁判所第一小法廷          裁判長裁判官    戸   田       弘             裁判官    団   藤   重   光             裁判官    藤   崎   萬   里             裁判官    本   山       亨             裁判官    中   村   治   朗 - 2 -    里             裁判官    本   山       亨             裁判官    中   村   治   朗 - 2 -

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