平成20(行ウ)738 法人税更正処分取消等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成26年1月24日 東京地方裁判所 租税
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判決文本文75,372 文字)

平成26年1月24日判決言渡平成20年(行ウ)第738号法人税更正処分取消等請求事件 主文 1 水口税務署長が原告に対して平成18年5月29日付けでした原告の平成14年4月1日から平成15年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち所得金額6618万2791円及び納付すべき税額1921万4400円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分を取り消す。 2 水口税務署長が原告に対して平成18年5月29日付けでした原告の平成15年4月1日から平成16年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち所得金額7377万0035円及び納付すべき税額2149万0900円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分及び重加算税賦課決定処分(ただし,平成20年6月30日付け裁決により変更された後のもの)をいずれも取り消す。 3 水口税務署長が原告に対して平成18年5月29日付けでした原告の平成16年4月1日から平成17年3月31日までの事業年度の法人税の更正処分のうち所得金額1億2525万1132円及び納付すべき税額3693万5200円を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分及び重加算税賦課決定処分(ただし,平成20年6月30日付け裁決により変更された後のもの)をいずれも取り消す。 4 訴訟費用は被告の負担とする。 事実及び理由 第1 請求主文と同旨 第2 事案の概要本件は,原告が平成15年3月期ないし平成17年3月期の各事業年度(以下「本件各事業年度」という。)においてa株式会社(以下「a社」という。)に対して行った製品(外壁)の売上値引き及び単価変更による売上げの減額が法人税法37条に規定する寄附金に該当するとして,水口税務署長が本件各事業年度の法人税の各更正処分 会社(以下「a社」という。)に対して行った製品(外壁)の売上値引き及び単価変更による売上げの減額が法人税法37条に規定する寄附金に該当するとして,水口税務署長が本件各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税又は重加算税の各賦課決定処分を行ったのに対し,原告が,期初に設定された取引価格は暫定的な価格であり,原告のa社に対する販売価格は期末に決定されるものであるなどと主張して,上記各更正処分等(過少申告加算税及び重加算税の各賦課決定処分については,いずれも裁決による一部取消し後のもの)の取消しを求めている事案である。 1 関係法令の定め(1) 法人税法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)22条1項内国法人の各事業年度の所得の金額は,当該事業年度の益金の額から当該事業年度の損金の額を控除した金額とする。 (2) 法人税法22条3項内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上当該事業年度の損金の額に算入すべき金額は,別段の定めがあるものを除き,次に掲げる額とする。 ア 1号当該事業年度の収益に係る売上原価,完成工事原価その他これらに準ずる原価の額イ 2号前号に掲げるもののほか,当該事業年度の販売費,一般管理費その他の費用(償却費以外の費用で当該事業年度終了の日までに債務の確定しないものを除く。)の額ウ 3号 当該事業年度の損失の額で資本等取引以外の取引に係るもの(3) 法人税法37条3項内国法人が各事業年度において支出した寄附金の額(前二項の規定の適用を受けた寄附金の額を除く。)の合計額のうち,その内国法人の資本等の金額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(次項第三号において「損金算入限度額」という。)を超える部分の金額は, く。)の合計額のうち,その内国法人の資本等の金額又は当該事業年度の所得の金額を基礎として政令で定めるところにより計算した金額(次項第三号において「損金算入限度額」という。)を超える部分の金額は,その内国法人の各事業年度の所得の金額の計算上,損金の額に算入しない。 (4) 法人税法37条7項前各項に規定する寄附金の額は,寄附金,拠出金,見舞金その他いずれの名義をもつてするかを問わず,内国法人が金銭その他の資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与(広告宣伝及び見本品の費用その他これらに類する費用並びに交際費,接待費及び福利厚生費とされるべきものを除く。次項において同じ。)をした場合における当該金銭の額若しくは金銭以外の資産のその贈与の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額によるものとする。 (5) 法人税法37条8項内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において,その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは,当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は,前項の寄附金の額に含まれるものとする。 2 前提事実(争いがない事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨により容易に認定できる事実)(1) 原告の概要原告は,a社がその住宅用外壁部材等(以下「外壁」という。)の製造部 門を分社化して設立した同社の100%出資の子会社であり,b事業所及びc事業所の2工場で外壁を製造している。 (2) 原告とa社及び関係会社との取引関係(住宅ユニットの生産事業)a社は,原告のほか,ユニット住宅のユニットを生産するd株式会社ほか7社(以下「ユニット生産8社」といい,原告とユニット生 (2) 原告とa社及び関係会社との取引関係(住宅ユニットの生産事業)a社は,原告のほか,ユニット住宅のユニットを生産するd株式会社ほか7社(以下「ユニット生産8社」といい,原告とユニット生産8社を併せて「本件各子会社」という。また,本件各子会社とa社を併せて「eグループ各社」という。)とともに,住宅ユニット(商品名はf)の生産事業(以下「ユニット住宅事業」ともいう。)を営んでいる。 原告は,製造した外壁をa社に販売し,a社はそれをユニット生産8社に販売している。そして,ユニット生産8社は,この外壁等を使用して生産した住宅ユニットをa社に販売している(別紙2「eグループ住宅事業の商流」参照)。 (3) 原告とa社との間の契約等原告とa社は,平成12年4月1日頃,下記のとおりの内容の同日付け「取引基本契約書」(甲4。以下「本件契約書」という。)及び「購入価格及び支払方法に関する覚書」(甲5。以下「本件覚書」といい,本件契約書と併せて「本件契約書等」という。)を取り交わし,外壁の製造・売買に関する合意をした。その後,本件契約書等は,平成17年3月31日まで本件契約書11条に基づいて自動的に更新され,契約内容は変更されておらず,本件覚書も同様に変更されていない。 ア本件契約書(抜粋。ただし,「甲」を「a社」,「乙」を「原告」と読み替えて記載した。)「第1条 a社は本契約の定めるところに従い,原告より原告の製造する「外壁部材」を継続的に購入し,原告はa社に売り渡すものとする。 第2条原告はa社の定めた製品規格に合致する「外壁部材」を製造す るものとする。 第3条 「外壁部材」の購入価格及び支払方法については,別途覚書で定める。 第4条原告はa社よりの注文書に基づき,「外壁部材」を製造し,指定期日に指定場 部材」を製造す るものとする。 第3条 「外壁部材」の購入価格及び支払方法については,別途覚書で定める。 第4条原告はa社よりの注文書に基づき,「外壁部材」を製造し,指定期日に指定場所に納品する。 第8条原告はa社に売り渡す「外壁部材」と同一又は類似のものをa社以外の第三者のために製造加工又は販売してはならない。 第11条本契約の有効期間は契約締結の月より2年間とし,a社・原告いづれか一方より期間満了3ヶ月前までに解約の申出のない限り,以降1ヶ年づつ自動的に更新するものとする。」イ本件覚書(抜粋。同上)「第1条 1 a社が原告より購入する「外壁部材」の価格は,原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,a社・原告協議の上決定する。 2 a社の発注量の大幅な増減,経済事情の著しい変動が生じた場合は,a社・原告協議の上,購入価格を決定出来るものとする。 第2条 a社が原告に支払う「外壁部材」代金の支払条件は,毎月末日締切,翌月末日払いとする。 第4条本覚書の有効期間は,原契約の有効期間と同一とする。」(4) eグループ各社におけるユニット住宅事業に関する会合等ア eグループ各社は,4月1日から翌年3月31日までを事業年度とし,本件各事業年度においては,各事業年度を半期(以下「各半期」という。)に分け,4月から9月までを上期,10月から翌年3月までを下期として,事業計画の取りまとめ等の処理を行っていた。(なお,eグループ各社では,各事業年度を期初の年月日を基に表記しており,例えば,平成15年 3月期の上期は「2002年上期」「02/上」などと表記していることから,以下においても,上記の方法に従って各事業年度を表記する場合がある。)イ eグループ各社では,各半期の決算月である9月と3月に,「生産 は「2002年上期」「02/上」などと表記していることから,以下においても,上記の方法に従って各事業年度を表記する場合がある。)イ eグループ各社では,各半期の決算月である9月と3月に,「生産会社方針検討会」を開催し,a社の関係役員と本件各子会社の代表者が参加して,主に,本件各子会社の当半期の実績見込み,次半期の生産見込棟数及びその見込棟数を基にした生産原価の改善施策等について協議していた。 また,eグループ各社では,10月と4月に開催される「コスト検討会」において,本件各子会社の業務部長等が参加して,原価の削減等に関して協議していた(甲16,17)。 (5) a社と原告との間における外壁の購入価格の設定方法ア有償支給価格の設定(甲3・5頁)a社は,原告が製造する外壁の品番を設定する場合,同社からユニット生産8社に対して当該外壁を販売する際の単価(以下「有償支給価格」という。)を設定していた。有償支給価格は以下の方法で設定され,各半期を通じて一定しており,生産量の変動等により変更されることはなかった。 (ア) a社は,原告に原価計算を依頼する。その際,外壁の図面を交付する。 (イ) 原告は,この図面から外壁面積や必要な部品の種類・数量・形状(加工内容)等の情報を読み出した上で,a社が定める部品単価を基に当該外壁1枚当たりの外壁の部品代を算出する。 (ウ) 原告は,部品以外の材料費,外注費,消耗品費,固定費等その他のコストについても,a社が定める外壁1㎥当たりの単価に当該外壁の面積を乗じて費目ごとの外壁1枚当たりの金額を算出する。 (エ) 原告は,前記(イ)及び(ウ)を合計して外壁1枚当たりの原価を算出し,a社に報告する。 (オ) a社は,当該原価の相当性を検討した上,有償支給価格を決定する。 イ各半期にお 。 (エ) 原告は,前記(イ)及び(ウ)を合計して外壁1枚当たりの原価を算出し,a社に報告する。 (オ) a社は,当該原価の相当性を検討した上,有償支給価格を決定する。 イ各半期における当初取引価格の設定各半期における「生産会社方針検討会」の開催後,a社は,原告に対し,「購入価格暫定通知の件」などと題する書面により,各半期の期初の前日までに,原告から購入する外壁について,期初における取引価格(以下「当初取引価格」という。)を設定して通知していた。この通知は,有償支給価格に乗じる一定の係数(以下「売上係数」という。)として行われていた(当初取引価格に係る売上係数を,以下「暫定売上係数」という。)。 暫定売上係数は,本件各事業年度を通じて概ね一定しており,タイル(タイルを貼り付けた外壁)が1.000,タイル以外(それ以外のもの)が1.000,MS(g外壁)が2.100,とされていた(平成15年3月期上期のみ,タイル以外が1.015とされていた。)(甲81,乙1の1,乙1の3,乙1の6,乙1の9)。 ウコスト検討会後の通知その後,各半期における「コスト検討会」において,原告を含む本件各子会社における追加のコスト低減(以下「CR」ともいう。)の要否が検討され,a社は,本件各子会社に対し,「ユニット購入単価(暫定)設定について」などと題する書面により,本件各子会社が各半期において低減すべき原価の金額等を通知していた(乙1の2,乙1の5,乙1の8,乙1の11,乙1の15及び乙1の17)。 エ調整額及び期末決定価格(ア) a社は,本件各子会社に対し,各半期の期末において,期末における値増・値引調整を決定して,「期末値増・値引調整決定の件」,「ユニット購入単価決定通知の件」などと題する書面により,その調整額(以下「期 社は,本件各子会社に対し,各半期の期末において,期末における値増・値引調整を決定して,「期末値増・値引調整決定の件」,「ユニット購入単価決定通知の件」などと題する書面により,その調整額(以下「期末調整額」という。)を通知し,これに基づくユニット購入単価の変更を依頼していた(乙1の4,乙1の7,乙1の10,乙1の14, 乙1の16,乙1の19)。また,a社は,原告に対し,平成16年3月期下期から平成17年3月期下期までの間,半期の中間において,「購入単価変更依頼について」などと題する書面により,単価の変更依頼を行い,その調整額(以下「期中調整額」という。)を通知していた(乙1の12,乙1の18)。 (イ) a社は,原告に対し,平成15年3月期上期から平成16年3月期上期までの間,「外壁購入価格改訂通知の件」などと題する書面により,期末における取引価格(以下「期末決定価格」という。)を通知しており,この通知は,有償支給価格に乗じる売上係数の改訂として行われていた(以下,改訂後の売上係数を「改訂後売上係数」という。)。(乙1の3,乙1の6,乙1の9)。 (6) a社と原告との間の決済状況,経理処理等a社と原告は,下記のとおり,①各半期の期首以降,外壁の代金として,当初取引価格による金額を支払い,原告はこれを売上として処理した上,②平成15年3月期上期から平成16年3月期上期までは,各半期の期末において,期末調整額につき,売上値引きにより処理を行い,平成16年3月期下期から平成17年3月期下期までは,各半期の中間以降において,期中調整額につき,単価変更又は売上値引きにより処理をした。上記売上値引き及び単価変更(以下「本件売上値引き」及び「本件単価変更」という。)に伴う売上計上額の減算額の工場別の計上年月日及び金額は,別紙3「本 額につき,単価変更又は売上値引きにより処理をした。上記売上値引き及び単価変更(以下「本件売上値引き」及び「本件単価変更」という。)に伴う売上計上額の減算額の工場別の計上年月日及び金額は,別紙3「本件売上値引き及び本件単価変更」のとおりである。(甲3・5頁及び6頁)ア平成15年3月期上期ないし平成16年3月期上期各半期を通じて,本件覚書2条の支払条件(毎月末日締切,翌月末日払い)に従い,当初取引価格を基に算定した代金を請求し,決済された後,各半期の期末において,売上値引きを行った。 イ平成16年3月期下期ないし平成17年3月期下期 各半期を通じて,上記支払条件に従い,当初取引価格を基に算定した代金を請求し,決済された後,各半期の期末前2か月から3か月の間において,売上値引き及び単価変更を行った。 (7) 原告に対する更正処分等ア水口税務署長は,原告が本件各事業年度にa社に対して行った本件売上値引き及び本件単価変更による外壁の売上げの減額が法人税法37条に規定する寄附金に該当するとして,本件各事業年度の法人税の各更正処分及び過少申告加算税又は重加算税の各賦課決定処分を行った(甲1の1ないし3)。 イ国税不服審判所は,平成20年6月30日,上記の各更正処分に関する審査請求を棄却し,上記の各賦課決定処分に関する審査請求を一部認容した(甲3)。なお,原告に対する課税の経緯は,別紙4のとおりである。 ウ原告は,平成20年12月19日,本件訴えを提起した(顕著な事実)。 (8) a社に対する更正処分等ア大阪国税局長は,a社とユニット生産8社間で行われたユニット取引において,a社がユニット生産8社からの仕入れの額を一括値増し又は単価の増額変更により増額したことが,a社のユニット生産8社に対する寄附金に該当す は,a社とユニット生産8社間で行われたユニット取引において,a社がユニット生産8社からの仕入れの額を一括値増し又は単価の増額変更により増額したことが,a社のユニット生産8社に対する寄附金に該当するなどとして,a社に対して,平成16年3月期ないし平成19年3月期の法人税の更正処分等を行った(甲12)。 イ国税不服審判所は,平成21年8月21日,上記の仕入値増し等は寄附金には該当しないと判断して,上記更正処分等の全部又は一部を取り消した(甲12)。 3 被告の主張する各処分の根拠及び適法性別紙5「被告の主張する各処分の根拠及び適法性」のとおり 4 争点本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額が,法人税法37条に規定する 寄附金に該当するか。具体的には,①本件各事業年度における原告とa社間の外壁販売取引(以下「本件外壁取引」という。)に係る契約(以下「本件販売契約」という。)において合意されたとみるべき外壁の契約価格は,当初取引価格か,期末決定価格か,②本件売上値引き及び本件単価変更は,単に原告の利益をa社に付け替えるだけのものであって,通常の経済取引として是認できる経済的な合理性を有しないものか否かという点である。 5 争点についての当事者の主張(1) 被告の主張の要旨ア本件販売契約における外壁の取引価格は,生産会社方針検討会で決定された当初取引価格であること(ア) 本件販売契約においては,一般的な商取引と同様に,本件契約書及びこれと一体となった本件覚書によって基本契約が成立しており,本件販売契約における外壁の取引価格は,本件契約書等の解釈によって決せられる。 本件覚書によると,外壁の取引価格は,「原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,甲乙協議の上決定する。」(本件覚書1条1項)とされ 外壁の取引価格は,本件契約書等の解釈によって決せられる。 本件覚書によると,外壁の取引価格は,「原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,甲乙協議の上決定する。」(本件覚書1条1項)とされている。 当初取引価格は,有償支給価格にa社が通知した売上係数を乗じて算定される。有償支給価格は,外壁の図面に基づいて必要となる部品の数量及びその価額を算定し,これに部品以外のコストを加えるなどの原価計算により算出された外壁1枚当たりの金額を基に決定されたものであり,必要に応じて改訂されていることなどから,合理的な原価計算に基づくものであると認められる。そして,売上係数も,前期の実績や当期の実績の見込み等が検討される生産会社方針検討会で決定及び合意されるものであるから,有償支給価格に売上係数を乗じて算定される当初取引価格も,また合理的な原価計算に基づくものということができる。 したがって,当初取引価格は,合理的な原価計算を行い決定されたものといえるから,これを外壁の取引価格とすることは,「外壁部材の価格は,原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,甲乙協議の上決定する。」と定める本件覚書1条本文と符合する。 (イ) 本件覚書2条において,a社が原告に支払う「外壁部材」代金支払条件は,「毎月末日締切,翌月末日払い」とされており,この代金の支払条件からすると,外壁の取引価格は,毎月末日には確定するものとされていることが明らかである。 本件売上値引き及び本件単価変更の行われた月以外については,実際に当初取引価格に基づいて決済がされており,この時点で既に原告とa社間において納入された外壁に係る契約は全て履行済みであって,債権債務は全て精算されている。 したがって,本件覚書の支払条件に係る条項からみると,本件販 済がされており,この時点で既に原告とa社間において納入された外壁に係る契約は全て履行済みであって,債権債務は全て精算されている。 したがって,本件覚書の支払条件に係る条項からみると,本件販売契約において合意された取引価格は,当初取引価格であることが明らかである。 (ウ) 原告は,当初取引価格の決定について,従前,「単価は,h社が任意に設定できるものではなく,a・h社も含めたグループ会社の代表者が集まった『生産会社方針検討会』において原価を算定してこれを確認の上決定された価格である」(乙7),「aとhは,生産会社方針検討会において,原価+適正利潤を達成するように価格を決定していた」(乙8),「具体的には,生産会社方針検討会資料にあるとおり,経営方針,重点実施項目,事業利益目標等がその内容であるが,詳細部分は事前のすり合わせにより詰められていることが前提であり,同検討会では集約されたものを提示することで,詳細の合意まで含めて得ることになる」(乙9)と主張し,生産会社方針検討会において外壁の当初取引価格が決定されることを認めていた。 (エ) 以上のとおりであるから,「合理的な原価計算の基礎に立ち」,原告及びa社「協議の上決定」された,原告とa社との間の外壁の取引価格は,生産会社方針検討会で決定された当初取引価格であると認められる。 (オ) 原告は,本件販売契約における外壁の取引価格について期末決定価格によるものと合意されていた旨主張する。しかし,原告の上記主張は,本件覚書の定めと整合しないし,当初取引価格に係る各通知書(乙1の1,乙1の3,乙1の6,乙1の9)及び支払通知書(甲55の4)の各記載に照らせば,原告とa社は,各決済時において,現に支払われている金額が確定している取引代金であると認識していたと認め 書(乙1の1,乙1の3,乙1の6,乙1の9)及び支払通知書(甲55の4)の各記載に照らせば,原告とa社は,各決済時において,現に支払われている金額が確定している取引代金であると認識していたと認められる。 また,原告は,期初に外壁の販売価格を決めることは不可能であると主張する。しかし,原告の主張は,実質的には期初に実際原価計算ができないという主張にすぎず,期初において価格決定の参考に標準原価計算を用いることが適切ではないという根拠とはならない。原告は,期初には,生産対象品目も数量も未定であることから適切な標準原価が設定できない旨を主張するが,製品の細部の仕様のみならず,環境の変化及び経済事情等について販売予測ができないことはどの企業においてもいえることであり,原告だけが特殊な事情を抱えているとは認められないから,原告の主張には理由がない。 イ本件売上値引き及び本件単価変更は,単に原告の利益をa社に付け替えるだけのものであって,通常の経済取引として是認できる合理的理由はないこと(ア) 本件売上値引きと本件単価変更は,いずれもa社からの通知に基づく調整額を,売上額を調整することで実現するものであるところ,その手法は,原告の利益のみに着目して売上値引き及び単価変更を算定するものであり,単にa社と原告の利益調整のために行われたものであることを示し ている。 また,原告とa社が期末に合理的な原価計算を行い,これに基づいて価格決定をしていたとは認められない。原告の主張する差異分析手法は,以下のとおり,会計学的におよそ是認できない独自の理論であって,その差異分析手法を前提としても,本件売上値引き及び本件単価変更の金額の算定手法を合理的に説明することはできない。 すなわち,予算と実績の差異分析とは,一般的には期首に ない独自の理論であって,その差異分析手法を前提としても,本件売上値引き及び本件単価変更の金額の算定手法を合理的に説明することはできない。 すなわち,予算と実績の差異分析とは,一般的には期首に立てたその期の予算による営業利益と,実際の営業利益とを比較し,その差額(予算差異)を算出し,その差異の要因を分析することをいい,その目的は予算統制にあるところ,原告は差異分析を過去の販売価格の調整のために用いたとしており,そのような目的の差異分析なるものは,およそ会計学的に正当な差異分析として是認できるものではない。 また,原告は,「B 製品群別出荷量の変動による影響額」や「C 製品群内構成の変動による影響額」がいずれもa社に帰因する影響額であると分析するが,これらの利益(損失)はいずれも外壁を製造・出荷する原告に帰属すべきものであり,同影響額が販売先であるa社に帰属するものとする原告の主張は誤りである。 さらに,原告は,CR活動による影響額を差異分析の対象として検討していたとするが,CR活動の結果を,期末になって既に決済を了した取引に遡って,取引価格の変更という形で反映させることに何ら合理的な理由はない。また,一般的に,CR活動は,既に製品開発プロセスの設計段階あるいは開発段階・商品企画段階において行われており,原価企画活動において設計段階で設定した目標原価が製造段階の標準原価に引き継がれ,期初に取引価格を決定することができるから,期末にしかCR活動の結果が判明しないという原告の主張は,その点からも理由がない。また,仮に,原告及びa社が,CR活動の影響額を差異分析の対象 として検討していたのであれば,原告のCR活動も無視できないほど大きなものであるから,a社のCR活動と同様に原告のCR活動による影響額も検討しているはずである 活動の影響額を差異分析の対象 として検討していたのであれば,原告のCR活動も無視できないほど大きなものであるから,a社のCR活動と同様に原告のCR活動による影響額も検討しているはずであるところ,原告の差異分析をみても,そのような検討をした形跡はない。 以上によると,原告が主張する差異分析(甲29の1ないし甲34の1)の内容は,結局のところ,当期予算計画上の仮払額に係る利益のみが原告の利益であり,それを超える出荷量や構成の差による利益はa社に帰属すると結論付けるものであり,合理的な原価計算に基づく差異分析ではなく,具体的な根拠等のない単なるつじつま合わせの計算過程にすぎないものである。 (イ) 以上のとおり,本件売上値引き及び本件単価変更の手法や期末に合理的な原価計算を行っていたとは認め難いことからすれば,本件売上値引き及び本件単価変更は,単に原告の利益をa社に付け替えるだけのものであって,その実質は単なる贈与ないし債権放棄であり,通常の経済取引として是認できる合理的理由は何ら存しないことは明らかである。 ウ小括以上のとおり,本件販売契約における外壁の契約価格は,当初取引価格であり,本件売上値引き及び本件単価変更は,第三者間の通常の経済取引として是認できる合理的理由がないのに,既に本件販売契約に基づいて発生していた債権を放棄し,又は本件販売契約によって定まっていた取引価格を変更したものであって,経済的に見て贈与と同視し得る利益の供与である。したがって,本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額は,法人税法37条7項所定の寄附金に該当する。 (2) 原告の主張の要旨ア当初取引価格は本件販売契約における契約価格ではないこと(ア) 当初取引価格が不合理な価格であり,契約価格とはならないこと 金に該当する。 (2) 原告の主張の要旨ア当初取引価格は本件販売契約における契約価格ではないこと(ア) 当初取引価格が不合理な価格であり,契約価格とはならないこと 当初取引価格を前提とすると,原告の営業利益率は,ユニット住宅事業全体の営業利益率の数倍となってしまうが,同事業において原告が負う機能及びリスクがa社や住宅販売会社に比べて小さいことに鑑みると,その異常性は際だっている。また,本件各事業年度における当初取引価格は,有償支給価格に売上係数1ないし1.015を乗じて算出されており,当初取引価格が契約価格であるとすると,a社の転売利益がゼロとなってしまう。このように,当初取引価格は,外壁との対価的均衡を欠いた不合理な価格であって,合理的経済人であるa社と原告との間の契約価格となる余地がないものである。 (イ) 本件覚書を交わした経緯からみて,当初取引価格は契約価格ではないことaa社とユニット生産8社との取引オペレーションa社とユニット生産8社との取引では,期初ないし期中においてユニット部材を暫定価格で取引した上,期末において実際原価に一定の上乗せ利益を加算するという方法で正式な取引価格が決定されていた。 具体的には,①期末に,取引したユニット部材について,その実際原価を算出する,②その上で,計画損益と見込損益との間の差異分析を行い,その結果を反映して,一定の上乗せ利益を算出する,③そして,この実際原価と上乗せ利益を合計して,取引したユニット部材についての決定価格とするという方法で,ユニット部材の取引価格を決定していた。そして,期末の決定価格と,期中に取引された暫定価格との間に差額が生じた場合には,期末にその差額分を仕入値増し又は仕入値引きという方法で調整していた。 方法で,ユニット部材の取引価格を決定していた。そして,期末の決定価格と,期中に取引された暫定価格との間に差額が生じた場合には,期末にその差額分を仕入値増し又は仕入値引きという方法で調整していた。 ユニット部材の取引が上記のようなオペレーションとなったのは,ユニット部材が見込生産ではなく,顧客からの注文に基づく完全受注生産であり,期初に合理的な予測を立てることが不可能であること, ユニット生産8社がa社以外と取引することが禁じられていたことなどから,ユニット生産8社に受注変動リスクを一切負わせないためであった。 ユニット部材取引の取引契約書(甲51)は,「第2条乙は甲の定めた製品規格に合致する『f部材』を製造するものとする。」,「第6条乙は第5条2項並びに甲よりの生産依頼書及び附属図面に基づき,邸毎の『f部材』を製造し,指定期日に指定場所に納品する。」,「第11条乙は甲に売り渡す『f部材』と同一又は類似のものを甲以外の第三者のために製造加工又は販売してはならない。」と規定し,住宅ユニットが完全受注生産される特注品であること及びユニット生産8社がa社以外との取引を禁止されることを定めている。また,上記の取引内容の下で受注変動リスクをユニット生産8社に負わせることを避けるため,ユニット部材取引の覚書(甲52)では,ユニット部材の購入価格及び支払方法について,「第1条甲が乙より購入する『f部材』の価格は,原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,甲乙協議の上決定する。」,「第2条甲が乙に支払う『f部材』代金の支払条件は,毎月末日締切,翌月末日払いとし,次の通り支払う。」と定めている。すなわち,ユニット部材の価格を,実際原価に一定の上乗せ利益を加算するという方法で決めることを示すために「合理 材』代金の支払条件は,毎月末日締切,翌月末日払いとし,次の通り支払う。」と定めている。すなわち,ユニット部材の価格を,実際原価に一定の上乗せ利益を加算するという方法で決めることを示すために「合理的な原価計算の基礎に立ち,甲乙協議の上決定する」(1条)と規定し,また,期中はひとまず暫定価格で取引されるという上記取引オペレーションを念頭に,代金の支払について,価格が決定する期末での1回払いではなく,毎月末締め翌月末払いという形で規定したものである(2条)。 住宅ユニットについては,永年にわたって,この取引契約書(甲51)及び覚書(甲52)に従って,期中は暫定価格で取引を行い,期 末に実際原価を基礎に取引価格を決定するという取引オペレーションが実行されてきた。そして,同オペレーションに合わせて,期初に暫定通知が(甲53の1,2),また,期末に決定通知が,その都度,出されてきた。新たに分社化したユニット生産会社においても,上記の取引オペレーションを行うことを意図して同様の取引文書が作成されて(甲86の1及び2,甲87の1及び2),上記の取引オペレーションに従った取引が実行され,それに併せて,期初に全ユニット生産会社共通の暫定通知が(乙1の2等),また,期末に同じく全ユニット生産会社共通の決定通知が(乙1の4等),それぞれ発行されている。 以上のとおり,上記の取引基本契約書,覚書,通知文書は,全体として不可分一体の取引文書というべきものであり,かかる不可分一体の取引文書に従って行う取引は,上記の取引オペレーションに則って行われる取引を意味する。そして,同取引オペレーションの下で契約価格となるのは,期末に,実際原価に一定の上乗せ利益を加算するとの方法で決定される価格であり,飽くまで,当初取引価格は, ションに則って行われる取引を意味する。そして,同取引オペレーションの下で契約価格となるのは,期末に,実際原価に一定の上乗せ利益を加算するとの方法で決定される価格であり,飽くまで,当初取引価格は,契約価格とは異なる暫定的な価格としての意義しか持たないものである。 b 外壁取引において本件契約書及び本件覚書を交わした意義原告も,他のユニット生産8社と同じく,住宅生産機能を担う自社直轄工場の地域生産子会社化の一環として,平成11年にa社から分社する形で設立された。原告と他のユニット生産8社は,生産対象に違いはあるものの,いずれも住宅生産機能という,ユニット住宅事業の下において,同一の機能を担っている。加えて,外壁部材も,ユニット部材と同じく,見込生産ではなく,顧客からの注文に基づく完全受注生産によってしか生産されず,期初に合理的な予測を立てることが不可能であること,また,他のユニット生産8社と同じく,原告は a社以外と取引することが禁じられていたことなどから,原告にも,他のユニット生産8社と同じく,受注変動リスクを一切負わせないこととする必要性が存在した。そこで,外壁の取引についてもユニット部材と同一の取引オペレーションを導入することを目的として,a社と原告間において,ユニット部材に係る取引基本契約書及び覚書と同一ないし同旨の文言を定めた本件契約書及び本件覚書が交わされた。 実際の取引をみても,期初において他のユニット生産8社と共通の書面での暫定通知が出され(乙1の2等),期末にも他のユニット生産8社と共通の書面で決定通知が出されている(乙1の4等)ほか,生産会社方針検討会及びコスト検討会も他のユニット生産8社と合同で開催されているなど,原告とa社間における外壁部材取引は,現実にユニット部材 と共通の書面で決定通知が出されている(乙1の4等)ほか,生産会社方針検討会及びコスト検討会も他のユニット生産8社と合同で開催されているなど,原告とa社間における外壁部材取引は,現実にユニット部材取引と同一のオペレーションの下で取引が行われていた。 c 小括以上のような,本件契約書及び本件覚書が交わされた経緯からすれば,外壁部材の契約価格は,期末に,実際原価に一定の上乗せ利益を加算するとの方法で決定される価格となるものであり,当初取引価格は飽くまで暫定的な価格にすぎない。 この点,被告は,原告が毎月,当初取引価格に基づく外壁部材代金の支払を受けていることを捉えて,本件覚書2条の支払条件に従った支払であり,当初取引価格が契約価格であるなどと主張する。しかし,本件覚書2条が定めているのは,「期中は暫定的な価格で取引し,期末に価格が決定する」という一連の取引の支払を,毎月末日締め翌月末日払いで行うということであり,同条は,暫定的な価格についての支払方法も規定した条文であるから,同条に従って代金が支払われたからといって,それが契約価格になるわけではない。 (ウ) 事業特性として,期初に「合理的な原価計算」はできないことa 受注変動リスクを原告に負わせられない事業特性原告は,a社以外との取引を禁止され,また,在庫調整による操業度の平準化もできないため,受注変動リスクをヘッジするための術を一切持たない。このような原告に,受注変動リスクを負担させることは極めて不合理であり,本件覚書1条1項の「合理的な原価計算の基礎」とは,かかる受注変動リスクを負担させることのない原価計算との意義で解釈されなければならない。そして,以下に述べるように,本件外壁取引において,期初に,受注変動リスクを負担させるこ 原価計算の基礎」とは,かかる受注変動リスクを負担させることのない原価計算との意義で解釈されなければならない。そして,以下に述べるように,本件外壁取引において,期初に,受注変動リスクを負担させることのない原価計算を行うことは,およそ不可能である。 b 期初段階では,当期分の合理的な受注予測が不可能な事業特性原告は,a社からの注文を受けて初めて製造する,完全受注生産を行っており,汎用品の生産のような見込生産を行っていない。そして,原告が受注するのは,顧客の要望に添ったオーダーメイドの外壁であり,多量にある品番の中から,どの外壁が必要となるかは,顧客によって千差万別であるため,その受注内容は,期毎(ごと),月毎(ごと)に,全く予想不能な変動を遂げるものであり,そのような特殊性ゆえに,期初段階で,当該期中における実際の受注内容を合理的に予測することはおよそ不可能である。 c 固定費の占める割合が極めて高いという事業特性原告の外壁製造においては,全体の原価に占める固定費の割合が約30%と極めて高い上,原告には,特別事情として,生産能力維持のために,生産量に関係なく一定の人数の派遣労働者を最低限確保しなければならないとの要請が存する。そのため,一般には変動費に当たるはずの「外注費(=派遣労働者に支払っている費用)」が準固定費的な性格を持つものとなっており,かかる外注費のことまで考慮に入 れると,原告の外壁製造においては,実に総原価の50%以上が固定費的性格を帯びた費用となる。 各外壁の固定費は,受注量によって大きく変化するが,期初段階で,当該期中の受注内容を合理的に予測することはおよそ不可能であり,各外壁の固定費も,期初段階で合理的に予測することが困難である。 ま 各外壁の固定費は,受注量によって大きく変化するが,期初段階で,当該期中の受注内容を合理的に予測することはおよそ不可能であり,各外壁の固定費も,期初段階で合理的に予測することが困難である。 また,固定費の中には,特定の製品種類別外壁にのみ発生する固定費もあるが,かかる製品種類別の動向も合理的な予測が不能であり,当該固定費部分についても,やはり合理的予測は困難である。 このように,期初段階では,期中に製造する外壁品番ごとの固定費が各々幾らになるのか,全く想定できない上,上記のとおり,原告製造の外壁は,概ねその総原価の半分(純粋な固定費としては約30%)が固定費的性格を帯びることからすると,原告製造の外壁は,期初の段階では,その全体の原価の約半分を合理的に確定できないということになる。 d 以上のとおり,原告の製造する外壁については,その事業特性ゆえに,期初段階で本件覚書1条1項にいう「合理的な原価計算」を行うことは不可能である。 (エ) 小括以上のことから,当初取引価格が本件販売契約における契約価格であるとする被告の主張は失当である。 なお,被告は,生産会社方針検討会において当初取引価格が決定されていた旨主張するが,生産会社方針検討会で行うのは,①SQCD(Safety 安全,Quality 品質,Cost コスト,Delivery 納期)についての翌期の行動方針を確認することと,②当期の予算計画と当該検討会時点での実績見込みとの間の変動状況の大筋を確認することにすぎず,価格の決定は一切行われないから,被告の上記主張は事実に反する。 イ期末決定価格が本件販売契約における契約価格であること(ア) 本件外壁取引についても,ユニット部材と ,価格の決定は一切行われないから,被告の上記主張は事実に反する。 イ期末決定価格が本件販売契約における契約価格であること(ア) 本件外壁取引についても,ユニット部材と同一の取引オペレーションが導入されており,本件覚書1条1項の「合理的な原価計算の基礎に立ち,甲乙協議の上決定する」とは,実際原価に一定の上乗せ利益を加算するという方法で価格決定することを意味する。 原告は,毎月,製造工程別の原価を把握した後,工程ごとに製品種類別配賦計算を行い,その結果を合計して製品種類別の原価を算出してきた。また,原告は,期末月において,工程別に把握された期末日時点での実績見込値を基に,同様の計算を行い,半期ごとの実際原価を把握してきた。そして,本件各事業年度において,毎半期の期末に(2003年下期からは毎半期の中間時点に),上記のとおり,実際原価を算出してきた。 本件外壁の価格決定に際して実際原価に上乗せする利益は,計画損益と見込損益との差異分析を行った結果認められる,当期に原告が生み出した付加価値分ないし損失分を原則とすることで決定されてきた。すなわち,原告の行った差異分析は,計画損益と見込損益の差が,①「A 単価を仮単価から変更しなかったことによる影響額」,②「B 製品群別出荷量の変動による影響額」,③「C 製品群内構成の変動による影響額」,④「a社CR」又は⑤「原告CR」のいずれかに展開できるものであること,上記①ないし③については,簡単な計算式を使うことで,定量的な把握が容易であること,上記④もa社が価格交渉を担当する原料・材料の値下げ分による影響額に限定されるため,やはり定量的な把握が容易であることから,①ないし④の合計額を算出し,計画損益と見込損益の差から,この合計額を差し引くこ もa社が価格交渉を担当する原料・材料の値下げ分による影響額に限定されるため,やはり定量的な把握が容易であることから,①ないし④の合計額を算出し,計画損益と見込損益の差から,この合計額を差し引くことで,⑤「原告CR」(原告として生み出した付加価値分ないし損失分)を算出してきたものである。 以上のようにして,原告は,定量的に把握可能な価格交渉担当部材につ いてのCR分以外に,製造効率の良化分,悪化分による影響額,品質の悪化による影響額といった定量的に把握しにくいCR分を含めた,原告CR分を把握してきた。そして,このように把握した原告CR分の合計額のうち,価格交渉担当部材についてのCR分を除いたものについて,原告は,当期の製造成績の状況と照らし合わせ,その金額の適切性についての検証を毎期行っていた。 原告が行った差異分析の詳細は,別紙6「本件各事業年度における価格決定の推移」のとおりである。 (イ) 被告は,原告の原価管理や差異分析等が会計学的に是認できないと主張する。しかし,原価管理や予算実績差異分析は,経営内部者に対する会計情報提供を目的とする「管理会計」の領域に属するものであり,同領域において,各企業は,事業特性及び企業特性に合わせて当該事業に最も合目的と思われる手法を採用することができる。原告の事業は,環境変化が大きく,固定費割合が極めて高く,多品種少量生産であるという特徴があり,適切な標準原価の把握が困難な事業であるから,本件覚書にいう「合理的な原価計算」は標準原価計算ではなく,実際原価計算を意味する。そして,原告の原価管理及び差異分析の手法は,期初の仮定と期末時点の実績見込みとの差異の発生原因を分析したもので,ユニット住宅事業の特性及び同事業における原告の機能・役割に適した合目的的なものである して,原告の原価管理及び差異分析の手法は,期初の仮定と期末時点の実績見込みとの差異の発生原因を分析したもので,ユニット住宅事業の特性及び同事業における原告の機能・役割に適した合目的的なものである。 被告は,原告の原価管理及び差異分析の手法が原告独自の理論であると論難するが,住宅建築の分野で創意工夫に富んだ新たなビジネス分野を開発してきた原告が,独自の原価管理及び差異分析の手法を採用しているのは,むしろ当然である。したがって,被告の主張は理由がない。 また,被告は,製造会社の出荷量の増加に伴う利益は製造会社に,それを買い受けた販売会社の販売量の増加に伴う利益は販売会社にそれぞ れ帰属するはずであるとして,量変動による影響額,構成差の変動による影響額をa社による影響額として分析している原告の差異分析を非難する。しかし,「製造会社の出荷量の増加に伴う利益は製造会社に」との命題が成り立つのは,その製造会社が,受注量変動のリスクを幾らかは負っているとの前提が成り立つ場合だけであるところ,本件外壁の取引において原告は受注量変動のリスクを一切負わない以上,量変動の影響額は全てa社に帰属するものである。 さらに,被告は,CR活動について,既に製品開発プロセスの設計段階あるいは開発段階・商品企画段階において行われている旨主張する。 しかし,a社が行うCR活動は,原材料の仕入先と価格交渉をして仕入値を引き下げるというものであり,被告がいうような「製品開発プロセスの設計段階等で既に行われている」というような類のものではない。 また,原告が行うCR活動は,材料の価格交渉もあれば,製造効率の良化といったものも含まれるところ,このいずれについても,被告がいうような「製品開発プロセスの設計段階等で既に行われている」と はない。 また,原告が行うCR活動は,材料の価格交渉もあれば,製造効率の良化といったものも含まれるところ,このいずれについても,被告がいうような「製品開発プロセスの設計段階等で既に行われている」というような類のものではない。したがって,被告のこの点に関する主張は,原告ないしa社のCR活動の中身を正しく認識しないものであり,失当である。 (ウ) 期末決定価格の決定方法(総コストカバー方式)の合理性外壁は特注品であり,その生産原価は期末にならないと確定しない。また,生産原価は受注量が増加すればするほど低くなる。原告は,専属下請子会社であるから,赤字を回避し,安定的に事業を継続できるようにするため,外壁の取引価格は,原告による生産・加工の総コストをカバーする価格でなければならない。もっとも,ユニット住宅事業における原告の役割,機能,貢献度,リスク負担以上に原告に利益を残すことは不公正であり,また,期初に決定された仮価格や暫定価格が変更されず,原告の貢献 に起因しない利益が原告に残された状態が放置されると,住宅価格が高くなり,ユニット住宅事業の市場における価格競争力が失われてしまう。期末の実績原価に基づき総コストカバー方式で外壁の取引価格を決定することは,原告とa社が共同してコストを削減し,専属下請子会社である原告の安定を実現し,市場における価格競争力を高めることを目的とするものであって,a社と原告がユニット住宅事業において果たす役割,機能,貢献,リスク負担等を基礎とした極めて合理的なものである。上記のような本件販売契約における外壁の価格決定方式に利益調整の要素は一切なく,期末決定価格は公正価格である。 外壁取引における重要機能のほとんどがa社に集中し,原告の実態は人出し工場ないし人材派遣会社であることなどに鑑みれば,1年 の価格決定方式に利益調整の要素は一切なく,期末決定価格は公正価格である。 外壁取引における重要機能のほとんどがa社に集中し,原告の実態は人出し工場ないし人材派遣会社であることなどに鑑みれば,1年間の取引で5000万円程度の利益が原告の実績利益として残れば,取引としては極めて妥当であるといえる。本件各事業年度における原告の実績利益は,平成15年3月期が5300万円,平成16年3月期が4300万円,平成17年3月期が9700万円となっており,以上の実績利益からも,上記の外壁取引価格の決定方法が極めて合理的であったことが明らかである。 被告は,原告とa社間で行われている期末の価格決定行為が,税負担逃れのための利益調整である旨主張するが,例えば2000年上期にa社からわざわざ値増しを行って原告が納税をしたことに照らしても,理由がない。 (エ) 以上によれば,本件販売契約における契約価格,すなわち本件覚書1条1項の「合理的な原価計算の基礎に立ち,甲乙協議の上決定」された外壁の価格は,期末決定価格である。 ウ本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額が寄附金に当たらないこと原告とa社は,本件契約書等に基づき,期末に実績原価に従って仮価格と確定価格の差額を清算していたものであり,本件売上値引き及び本件単価変 更は,合理的な原価計算による公正価格への変更であって,実質的贈与性を欠いている。したがって,本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額は,寄附金には当たらない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前提事実,後掲各証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) ユニット住宅事業の概要ア a社は,昭和46年にユニット住宅事業を開始した。同事業は,住宅の構成部分のほとんどを工場で製作するものであり,顧客 の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1) ユニット住宅事業の概要ア a社は,昭和46年にユニット住宅事業を開始した。同事業は,住宅の構成部分のほとんどを工場で製作するものであり,顧客の注文仕様に基づき,ユニット生産8社の工場でユニットを生産し(各ユニットの中には,工場において外壁や開口部のサッシ類,建て付けの家具,バス,トイレ,流し台等の設備が先に取り付けられている。),このユニットを現場で組み合わせることによって,顧客の注文どおりの住宅を建設するという内容のものである。同事業においては,注文住宅を効率的に工場生産するため,輸送に当たって積載効率の悪いユニット本体の組立てに関しては,北海道から九州までの8地域に組み立て工場(ユニット生産8社)を配置して輸送コストを削減し,加工しても平面であり比較的積載効率の良い外壁については,全国で2か所(滋賀県と群馬県)に生産体制を集約して集中生産をしている。(甲6,甲49・1頁及び2頁,甲50・2頁及び3頁)イ本件各事業年度当時,eグループ各社は,ユニット住宅事業に関して,次のような役割を分担していた(甲46,甲48・1頁,甲49・2頁,甲50・2頁及び3頁,証人i(以下「証人i」又は「i管理部長」という。)2頁)。 (ア) a社の住宅部門(住宅カンパニー)a社の住宅部門(住宅カンパニー)は,事業企画,販売促進とブランド維持,商品開発,製品品質(設計上の問題とその保証責任)等,メー カーとして事業全体を統率している。 (イ) 地域販売会社(住宅販売会社)地域販売会社(住宅販売会社)は,各販売エリアでの販売責任と施工品質(施工上の問題)の責任を負い,各地域における事業を分担する。 (ウ) 生産会社(原告及びユニット 販売会社)地域販売会社(住宅販売会社)は,各販売エリアでの販売責任と施工品質(施工上の問題)の責任を負い,各地域における事業を分担する。 (ウ) 生産会社(原告及びユニット生産8社)ユニット生産8社と原告は,a社の指示に基づいて決められた仕様や品質で,同社からの注文品を製造する。 a社の行うユニット住宅事業においては,従来,同社直轄の工場においてユニット等を生産していたが,同社は,原価低減等を目的として,これを独立させることとし,ユニット等の生産に関してはユニット生産8社を,外壁の生産に関しては原告を設立して,各製造を行わせることとした。 ウ本件各事業年度当時,eグループ各社間におけるユニット住宅事業の取引の流れは以下のとおりであった(前提事実(2),甲12・3頁及び4頁)。 (ア) 顧客から注文を受けて,各住宅販売会社は,a社に対し,ユニット住宅のユニットを発注する。 (イ) a社は,ユニット生産8社に対し,ユニットの生産を発注し,原告に対し,ユニットの部材の一部である外壁の製造を発注する。 (ウ) 原告は,外壁を製造してこれをa社に販売し,同社はこれをユニット生産8社に有償で支給する。なお,製造された外壁は,原告からユニット生産会社8社に直接引き渡される。 (エ) ユニット生産8社は,ユニットを生産してこれをa社に販売し,a社はこれを住宅販売会社に販売する。なお,製造されたユニットは,ユニット生産8社から住宅販売会社に直接引き渡される。 (オ) 住宅販売会社は,ユニットを組み立ててユニット住宅を完成させ,これを顧客に引き渡す。 エ a社のユニット住宅事業の業績は,1996年度の販売棟数が約3万棟であったのに,5年後の2001年度には販売棟数が約1.4万棟に減少し,事業 住宅を完成させ,これを顧客に引き渡す。 エ a社のユニット住宅事業の業績は,1996年度の販売棟数が約3万棟であったのに,5年後の2001年度には販売棟数が約1.4万棟に減少し,事業全体で赤字が生じていた。しかし,a社では,2002年度以降,他社との差別化を図ることに重点をおいた販売施策を展開し,また,コスト削減を行ったところ,黒字を計上するようになった(甲41,49,50)。 オ原告について(ア) 原告は,平成11年に設立された会社であり,a社から土地・建物,設備を借り受け,同社の企画・開発した商品(外壁)を,指示された品質規格に基づいて,指示された数量を生産・納品している(甲50・2頁)。 原告は,平成15年4月1日時点で,本社・c事業所とb事業所で合計165名の社員を擁していたが,うち75名はa社からの出向者であった(甲20・2枚目)。 (イ) 原告の製造する外壁の企画・開発は,全てa社が行っており,a社が,外壁生産に必要な原材料・部材や配合規格,品質規格を決定して原告に指示している。そして,a社は,原告が製造のために使用する原材料・部材の一部の購入につき価格交渉を行っている。(甲50・2頁)(ウ) 原告は,a社からの注文を受けてから外壁を生産する態勢をとっており,見込生産をせず,外壁の在庫を有していない。これは,在庫を抱えると,ロットの違う材料が同一住宅に使用され,色合い等の点で品質の維持ができなくなるおそれがあること,住宅に固定しない状態で外壁を保管すると比較的短期に変形を起こしてしまうことのほか,原告が受注して製造するのは,顧客の要望に添ったオーダーメイドの外壁であり,多量ある品番の中から,どの外壁が必要となるかは顧客によって千差万別であるため,期ごと,月ごとに製品種類別の構成割合が大きく 告が受注して製造するのは,顧客の要望に添ったオーダーメイドの外壁であり,多量ある品番の中から,どの外壁が必要となるかは顧客によって千差万別であるため,期ごと,月ごとに製品種類別の構成割合が大きく変動し, 出荷量の予測が困難であることなどの理由によるものである。(甲81・14頁及び15頁)(エ) 原告の外壁製造全体の原価に占める固定費の割合は約30%であった(甲29ないし甲34の各1)。また,原告は,生産能力維持のために,生産量に関係なく一定の人数の派遣労働者を確保しており,これも含めると,原告の外壁製造に係る総原価の50%以上が,固定費的性格を帯びた費用となっていた(甲75の3等参照)(甲81・13頁及び14頁)。 (2) a社とユニット生産8社との間の基本契約等(甲12・4頁及び5頁)ア a社とユニット生産8社は,平成4年4月1日から平成9年4月1日までの間に,ユニットの製造及び売買に関して,「取引基本契約書」(甲15,以下「ユニット契約書」という。)及び「購入価格及び支払方法に関する覚書」(甲13,以下「ユニット覚書」といい,ユニット契約書と併せて「ユニット契約書等」という。)を取り交わした。その後,ユニット契約書は,平成19年3月31日まで同契約書11条に基づいて自動的に更新され,その間契約内容は変更されておらず,また,ユニット覚書は,平成12年4月1日に代金支払条件の一部改正があるものの,基本的な内容は変更されていない。 イユニット契約書の要旨第1条 a社は,本契約の定めるところに従い,ユニット生産8社より,ユニット生産8社の製造する「ユニット部材」を継続的に購入し,ユニット生産8社はa社に売り渡すものとする。 第2条ユニット生産8社はa社の定めた製品規格に合致する「ユニット部材」を製造するもの ユニット生産8社の製造する「ユニット部材」を継続的に購入し,ユニット生産8社はa社に売り渡すものとする。 第2条ユニット生産8社はa社の定めた製品規格に合致する「ユニット部材」を製造するものとする。 第3条 「ユニット部材」の購入価格及び支払方法については,別途覚書で定める。 第4条ユニット生産8社は,a社よりの生産依頼書及び付属図面に基づき,邸ごとの「ユニット部材」を製造し,指定期日に指定場所に納品する。 第8条ユニット生産8社は,a社に売り渡す「ユニット部材」と同一又は類似のものをa社以外の第三者のために製造加工又は販売してはならない。 第11条本契約の有効期間は契約締結の月より2年間とし,a社・ユニット生産8社のいずれか一方より期間満了3か月前までに解約の申出のない限り,以降1か年ずつ自動的に更新するものとする。 ウユニット覚書の要旨第1条 1 a社がユニット生産8社より購入する「ユニット部材」の価格は,原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,a社・ユニット生産8社協議の上決定する。 2 購入価格の構成は,部材費,加工費及び出荷運賃とし,その細目については別にa社よりユニット生産8社に書面により通知する。 3 a社の発注量の大幅な増減,経済事情の著しい変動が生じた場合は,a社・ユニット生産8社協議の上,購入価格を決定できるものとする。 第2条 a社がユニット生産8社に支払う「ユニット部材」代金の支払条件は,毎月末日締切,翌月末日払いとし,次のとおり支払う。 (1) 加工費,出荷運賃相当分については現金払い。 (2) その他部材費相当分については,a社の有償部材費を相殺後,支払日起算92日サイト期日現金割引方式にて決済する。 (3) a社と原告との間の基本契約等(前提事実(3)) ては現金払い。 (2) その他部材費相当分については,a社の有償部材費を相殺後,支払日起算92日サイト期日現金割引方式にて決済する。 (3) a社と原告との間の基本契約等(前提事実(3)) ア a社と原告は,平成12年4月1日付けで,本件契約書(甲4)及び本件覚書(甲5)を取り交わし,外壁の製造・売買に関する合意をした。その後,本件契約書等は,平成17年3月31日まで本件契約書11条に基づいて自動的に更新され,契約内容は変更されておらず,本件覚書も同様に変更されていない。 イ本件契約書の要旨第1条 a社は本契約の定めるところに従い,原告より原告の製造する「外壁部材」を継続的に購入し,原告はa社に売り渡すものとする。 第2条原告はa社の定めた製品規格に合致する「外壁部材」を製造するものとする。 第3条 「外壁部材」の購入価格及び支払方法については,別途覚書で定める。 第4条原告はa社よりの注文書に基づき,「外壁部材」を製造し,指定期日に指定場所に納品する。 第8条原告はa社に売り渡す「外壁部材」と同一又は類似のものをa社以外の第三者のために製造加工又は販売してはならない。 第11条本契約の有効期間は契約締結の月より2年間とし,a社・原告いずれか一方より期間満了3ヶ月前までに解約の申出のない限り,以降1ヶ年ずつ自動的に更新するものとする。 ウ本件覚書の要旨第1条 1 a社が原告より購入する「外壁部材」の価格は,原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,a社・原告協議の上決定する。 2 a社の発注量の大幅な増減,経済事情の著しい変動が生じた場合は,a社・原告協議の上,購入価格を決定出来るもの とする。 第2条 a社が原告に支払う「外壁部材」代金の支払条件は,毎月末日締切,翌月末日払いと な増減,経済事情の著しい変動が生じた場合は,a社・原告協議の上,購入価格を決定出来るもの とする。 第2条 a社が原告に支払う「外壁部材」代金の支払条件は,毎月末日締切,翌月末日払いとする。 第4条本覚書の有効期間は,原契約の有効期間と同一とする。 (4) a社とユニット生産8社との間におけるユニットの購入価格の設定方法本件各事業年度に概ね符合する平成16年3月期ないし平成18年3月期における,a社とユニット生産8社との間におけるユニットの購入価格の設定方法は,以下のとおりであった(甲12・17頁ないし26頁)。 ア期初の計画の立案a社は,各住宅販売会社から半期のユニット住宅の受注見込棟数等を聴取した結果を踏まえ,9月と3月に開催される「生産会社方針検討会」の約1か月前に,ユニット生産8社に対し,生産量変動及び生産量変動に伴う追加的な利益を示す限界利益の予想と,コストダウン目標及び部材費変動予想などが記載されたガイドラインを作成し配布する。ユニット生産8社は,上記ガイドラインを基に半期の各商品の種類別の生産計画を立案し,a社の担当者による事前ヒアリングを経て,生産会社方針検討会において報告する。 イ暫定単価の設定生産会社方針検討会において協議した後,標準設定コストと予測原価の差額を基にユニット生産8社の製造コストの改善状況を考慮して,半期の暫定単価が設定され,10月と4月に開催される「コスト検討会」において,ユニットの暫定単価が決定される。この暫定単価は,期末において実際原価等を基に変更して確定することが予定されている。 ユニットの購入価格は,部材費,加工費及び出荷運賃で構成され(ユニット覚書1条2項),期初からの購入価格は,上記の暫定価格により算定される。 ウ取引価格の ことが予定されている。 ユニットの購入価格は,部材費,加工費及び出荷運賃で構成され(ユニット覚書1条2項),期初からの購入価格は,上記の暫定価格により算定される。 ウ取引価格の算定等a社は,各半期末において実績生産棟数(最終月は見込み)による生産原価を基に,ユニットの取引価格を算定し,ユニット生産8社との間で仕入値増し及び単価変更(以下「a社仕入値増し等」という。)を合意し,a社からユニット生産8社に対して仕入値増し及び単価変更に関する通知書等を送付する。 ユニット生産8社は,上記の通知書等を基にユニットの種類別の単価を算定し,同単価によりそれぞれ算定したユニットの販売代金をa社に請求し,a社は,ユニット覚書2条のとおり,代金を支払っていた。 エ a社仕入れ値増し等に係る金額の算定方法上記ウにおけるa社仕入れ値増し等に係る金額の算定方法の概要は以下のとおりである。 すなわち,a社は,ユニット生産8社の計画損益と実績損益に差異が生じているかどうかを確認し,差異があれば,ユニットの生産・出荷棟数の増減,商品タイプの構成比の変動,外壁部門及びj部材加工部門を持つユニット生産8社の生産・出荷量の増減,コスト削減活動の達成状況,ユニット生産8社の固定費の増加,木材価格の高騰,全館空調システム(p)の搭載率上昇などを分析・検討し,その差異の発生原因がa社にあるとa社の生産・資材部長が判断した場合には,a社の帰責相当金額をa社仕入れ値増し等として購入価格に反映していた。 なお,a社とユニット生産8社間のユニット購入価格は,昭和60年10月以降,長年にわたり,上記のとおり暫定価格から実際原価等を基に変更して確定する方法により行われていた(甲53の1ないし3参照)。 (5) a社と原告との間における ニット購入価格は,昭和60年10月以降,長年にわたり,上記のとおり暫定価格から実際原価等を基に変更して確定する方法により行われていた(甲53の1ないし3参照)。 (5) a社と原告との間における外壁の購入価格の設定方法の概要(甲29ないし34の各1,甲50,81,証人i)ア期初仮計画 a社は,本件各子会社に対し,各半期の期初前に,予算ガイドラインを提示し,半期分の住宅出荷計画の棟数指示を行っていたところ,原告は,この棟数指示を外壁面積に換算することで,期初における自社の出荷量計画(以下「期初仮計画」という。)を策定していた。期初仮計画における価格は,a社から通知される当初取引価格(暫定売上係数によるもの)とされていた。 イ予算計画の策定その後,期初仮計画は,ヒアリング,生産会社方針検討会,予算会議などで煮詰められ,原告は,最終的に,期初におけるコスト検討会における検討を経て,予算計画を策定していた。予算計画は,コスト検討会におけるコスト低減の内容(乙1の2,乙1の5,乙1の8,乙1の11,乙1の15及び乙1の17)に沿ったものとなっていた。予算計画に定められる取引価格(単価)(以下「暫定単価」という。)は,当初取引価格から変更されることがあったが,その場合でも,原告とa社との間では,外壁の取引価格は変更されず,決済の金額は当初取引価格のままであった。 ウ各半期末又は期中における実績見込の算定(甲74ないし80(枝番を含む。))(ア) 原告は,平成15年3月期上期から平成16年3月期上期までの間は,各半期の期末の直前において,各半期に関する原価計算を行っていた。この原価計算は,期初からの5ヶ月間と期末月の月初めから24日ないし25日分の実績と,それ以降の見込み分とを総合して,工程別の原価を把握し の期末の直前において,各半期に関する原価計算を行っていた。この原価計算は,期初からの5ヶ月間と期末月の月初めから24日ないし25日分の実績と,それ以降の見込み分とを総合して,工程別の原価を把握し,これを製品種類別に配賦するというものであった(原価計算の具体的な内容については後記エ参照)。原告は,この原価計算により,当該半期の外壁の実際原価(実績見込原価)を算出した。 さらに,原告は,予算計画における損益(以下「計画損益」という。)と実績見込における損益(以下「見込損益」という。)との差額に関し て,それがa社及び原告のいずれの影響によるものかについての分析(以下「差異分析」という。その具体的な内容については後記オ参照)を行った。そして,原告は,この差異分析の結果と,当該半期において考慮すべきその他の事情とを総合して,当該半期の売上高において調整すべき金額(期末調整額)と最終的な取引価格を算定した。原告は,これをa社に提示し,双方が合意して,期末調整額及び期末決定価格が決定されていた。 (イ) 原告は,平成16年3月期下期から平成17年3月期下期までの間は,連結決算の四半期決算公表に備えて,上記の原価計算と価格の決定を各半期の中間月(6月と12月)で行うことにした。この原価計算は,期初からの2か月と中間月の一部についての実績と,それ以降の約3か月の予測数値とを基礎とするものであり,原価を計算し,損益を算定した。そして,原告は,計画損益と見込損益とを比較して,その差異分析を行い,損益の増減に関してa社及び原告が果たした役割を把握して,a社と原告のそれぞれに帰属すべき損益を決定し,それに基づいて,当該半期の今後の売上高において調整すべき金額(期中調整額)と当該半期における取引価格(以下「期中決定価格」という。)を算定した して,a社と原告のそれぞれに帰属すべき損益を決定し,それに基づいて,当該半期の今後の売上高において調整すべき金額(期中調整額)と当該半期における取引価格(以下「期中決定価格」という。)を算定した。原告は,これをa社に提示し,双方が合意して,期中調整額及び以後の取引価格が決定されていた。 エ原価計算上記ウにおいて原告が行った原価計算の概要は以下のとおりである(甲81,甲74の1の1ないし甲74の3,甲75の1ないし3,甲77の1ないし3,証人i)(ア) 工程別発生原価の把握原告は,c事業所及びb事業所における各外壁の製造工程(素板製造工程,切断工程,フレーム貼合工程,塗装工程,タイル貼工程,出荷工 程)ごとに,主要材料・部品費,変動加工費(外注加工費,電力費,燃料費,用水費,変動消耗費等),直接固定費(労務費,賃借料等)等に分けて製造原価を把握した。 (イ) 工程別発生原価の製品種類別原価への集約その上で,原告は,上記(ア)のとおり工程別に集計した原価を,費用ごとに,①素板使用量,②素板生産面積,③製品面積,④鉄フレーム付属品面積,⑤出荷係数に係る配賦基準に従って,(1)塗装外壁(k外壁M系),(2)タイル外壁(k外壁タイル系),(3)j外壁(k外壁TU系),(4)床材(k外壁床材系)の4つの製品種類に配賦した。なお,外壁の種類としては,g外壁(MS外壁)もあるが,同外壁は専用の別ラインで製造しているため,特に配賦を行うことなく,同ラインで掛かった原価を集約して原価を算出していた(甲75の1の後ろから3枚目,甲75の2の最終頁)。 (ウ) 各半期末等における集約原告は,各月において,上記(ア)及び(イ)の原価計算を行い,各工場における各月の製品種類別の実際原価を把握していた。また,原 3枚目,甲75の2の最終頁)。 (ウ) 各半期末等における集約原告は,各月において,上記(ア)及び(イ)の原価計算を行い,各工場における各月の製品種類別の実際原価を把握していた。また,原告は,期末(9月末,3月末)において,上期であれば9月の24日ないし25日分の原価の実績値と最後の5日分ほどの原価の見込値を合計した9月分の実績見込値について,下期であれば3月の24日ないし25日分の原価の実績値と最後の5日分ほどの原価の見込値を合計した3月分の実績見込値について,上記(ア)及び(イ)の原価計算を行っていた。 その上で,上期については,4月から8月までの製品種類別の実際原価と9月分の製品種類別の実績見込原価を合計し,また,下期については,10月から2月までの製品種類別の実際原価と3月分の製品種類別の実績見込原価を合計し,当該上期ないし下期の製品種類別実際原価(正確には,実際原価に極めて近い実績見込原価)を把握してきた。 また,平成16年3月期下期以降は,各半期の中間期に同様の原価計算を行っていた。 オ差異分析上記ウにおいて原告が行った差異分析において,原告が採用した主要な考え方の概要は以下のとおりである(甲29ないし34の各1,甲81,甲83,証人i)。 (ア) 単価を予算計画における暫定単価に変更しなかったことによる影響額(A)予算計画における暫定単価が,当初取引価格から減額されている場合,a社が当初取引価格に従って支払ったときには過払いが生じているところ,原告の売上高のうち当該過払部分は,a社に帰属すべき利益であるとの考え方に従い計算される金額。 (イ) 製品群別出荷量の変動による影響額(B)「原告が,一切の販促活動を行わず,a社からの受注を待って初めて生産するものであるから, 帰属すべき利益であるとの考え方に従い計算される金額。 (イ) 製品群別出荷量の変動による影響額(B)「原告が,一切の販促活動を行わず,a社からの受注を待って初めて生産するものであるから,予算計画を越える外壁出荷量の増加があったときは,それは専ら同社の販促活動によるものであり,それによる原告の売上高増加のうち変動費に相当する金額以外の部分は,a社に帰属すべき利益である」という考え方に従い計算される金額。 (ウ) 製品群内構成の変動による影響額(C)「原告が,一切の販促活動を行わず,a社からの受注を待って生産するだけであるから,予算計画に比較して利益率の良い商品の販促がされ,製品群としての単価の上昇があったときは,それは専ら同社の販促活動によるものであり,それによる原告の売上高増加のうち変動費に相当する金額以外の部分は,a社に帰属すべき利益である」という考え方に従い計算される金額。 (エ) a社CRによる影響額 a社が価格交渉を担当する原料・材料について,予算計画時よりも値下げができたときは,同社に起因するものであるから,同社に帰属すべき利益であるという考え方によって計算される金額。 (オ) 原告のCRによる影響額計画損益と見込損益との差異金額のうち,a社に帰因する影響額(上記(ア)ないし(エ))以外のものは,原告のCRによる影響額であるとの考え方に従い計算される金額。 (上記の事実認定についての補足説明)被告は,差異分析と取引価格決定の経緯を示すものとして原告が提出した書証(甲29ないし34の各1)には,計算の誤りがあること(甲31の1),「差異分析結果」と「取引価格決定の決定」との間の不整合があること(甲32の1,甲34の1)などからして,後付けの資料であり,期末調整額又は期中調整額が原 には,計算の誤りがあること(甲31の1),「差異分析結果」と「取引価格決定の決定」との間の不整合があること(甲32の1,甲34の1)などからして,後付けの資料であり,期末調整額又は期中調整額が原価計算と差異分析に基づいて算定されていたことを立証するものではない旨主張する。 この点,確かに,上記書証は,税務調査の段階では課税庁に示されておらず(乙21),その後に作成されたものであるし(証人i),また,原告のi管理部長は,税務調査当時において,価格決定の経緯に関し,「生産会社方針検討会において,あらかじめ原告の利益を決め,それ以上の利益はa社に帰属させるというような話し合いが行われている」旨の説明や(乙21),平成17年3月期下期について「有償支給単価で運営した場合にa社と原告とでいくら利益が出るかを算出し,両社の取り分を決めた後,a社から依頼を受けて行うこととしたコストダウンを上乗せし,上期下期の全体の取り分を勘案した上,半期の損益を決め,さらに,半期の中間で中間調整額を決めて,単価を調整することを合意した」旨の説明(乙3)をするにとどまっており,期末調整額又は期中調整額の算出根拠を具体的に述べてはいない。 しかしながら,①認定事実(4)エのとおり,a社とユニット生産8社との間においては,計画損益と実績損益との差異があるときは,ユニットの生産・出荷量の増減,商品タイプの構成比の変動,コスト削減活動の達成状況などを分析検討し,その差異の発生原因がa社にあるとされた場合には,同社の帰責相当金額を仕入れ値増し等として購入価格に反映するという処理をしていたことが認められること,②原告が,半期ごとに開催される生産会社方針検討会に提出していた工場実行計画書には,「原価差額・収支計画」と題する書面が含まれ,当該書面では,当該半期 するという処理をしていたことが認められること,②原告が,半期ごとに開催される生産会社方針検討会に提出していた工場実行計画書には,「原価差額・収支計画」と題する書面が含まれ,当該書面では,当該半期の計画における原価計算,当該半期の実績見込としての原価計算などを行った上,差異分析として,計画と実績の限界利益の増減の内訳(量の増減・構成差・CR)が示されており(甲20・3頁),原告においては,生産会社方針検討会に臨むに当たり,工事実行計画書に示されていたような原価計算と差異分析を行っていたことが明らかである。これらの点を勘案すると,ユニット生産8社と同様にa社のユニット住宅事業の一端を担う原告においても,ユニット生産8社と類似した方法で差異分析を実施しており,期末調整額又は期中調整額の決定に際しても,当該時点の原価計算を基礎とする差異分析が行われた上で,これに基づいて,期末調整額又は期中調整額を算定していたと推認することができる。 もっとも,原告が提出した書証(甲29ないし34の各1)は,本件各事業年度において存在していたわけではなく,また,被告が主張するような計算の誤り等があることに照らすと,実際に,上記書証に記載された内容(別紙6参照)どおりの「差異分析結果」と「取引価格の決定」が行われたかどうかについては疑義がないわけではない。しかしながら,この点は,原告において,ユニット生産8社と類似した方法で差異分析を実施していたとの上記認定を覆すに足りる事情とまではいえない。(なお,被告は,上記(ア)ないし(オ)の要素を勘案した差異分析が不合理である旨主張 するが,この点は後記2(3)において検討する。)(6) a社と原告との間の購入価格の設定,決済状況等の詳細ア平成15年3月期上期(ア) 当初取引価格の通知(平成1 である旨主張 するが,この点は後記2(3)において検討する。)(6) a社と原告との間の購入価格の設定,決済状況等の詳細ア平成15年3月期上期(ア) 当初取引価格の通知(平成14年3月30日)a社は,原告に対し,平成14年3月30日付け「2001年下期k外壁購入価格改訂及び2002年上期k外壁購入価格暫定通知の件」と題する書面(乙1の1)により,当初取引価格を通知した。平成15年3月期上期の暫定売上係数は,タイル以外が1.015,タイルが1. 000,MSが2.100とされた。暫定売上係数は,最終的な取引価格を決定する際の計算の便宜上,原則として1と定めたものであり,後に変更が予定された暫定的なものであった(以下の各半期について同じ。 甲48ないし50,81,証人i18頁及び19頁)。 (イ) 当初取引価格の変更通知(平成14年4月20日)a社は,本件各子会社に対し,平成14年4月20日付け「02年度上期ユニット購入単価(暫定)設定について」と題する書面(乙1の2)により,当初取引価格を変更する旨通知したが,実際には,同通知に基づく取引価格による決済はされなかった。 (ウ) 期末決定価格の通知(平成14年9月30日)a社は,原告に対し,平成14年9月30日付け「2002年上期外壁購入価格改訂通知の件および2002年下期購入価格暫定通知の件」と題する書面(乙1の3)により期末決定価格に係る改訂後売上係数を通知した。改訂後売上係数は,c事業所分のタイル以外が0.933,タイルが0.920,MSが1.931とされ,b事業所分のタイル以外が0.926,タイルが0.926とされた。期末決定価格は,原告が,各半期の期末(平成16年3月期下期以降は各半期の中間時点。以下同じ。)に上記(5)の差異分析等を行っ され,b事業所分のタイル以外が0.926,タイルが0.926とされた。期末決定価格は,原告が,各半期の期末(平成16年3月期下期以降は各半期の中間時点。以下同じ。)に上記(5)の差異分析等を行った上で算出した価格をa社に 提示し,両社間で合意された価格であった。なお,上記通知に記載された改訂後売上係数は,後記(エ)の通知の調整金額と一致するように,当該金額から割り戻して計算されたものであった。 (エ) 売上減少調整額の通知(平成14年10月2日)a社は,本件各子会社に対し,平成14年10月2日付け「02/上期末値増・値引調整決定の件」と題する書面(乙1の4)により,各社の売上減少調整額を通知した。 同通知書には,「1.調整方法」として,「①仕切原価差55億円を確保とする。②債務超過生産会社3社の損益を確保とする。(l2億円,m7億円,d5億円)(注:それぞれl株式会社,m株式会社及びd株式会社を指す。)③他生産会社は,損益ゼロとする。但し,微調整の場合は,調整ゼロとする。」として,a社が,本件各子会社に対し,a社及び関係会社である債務超過会社の利益を確保し,原告の損益をゼロとするために,ユニット購入単価の変更を行うことを指示する記載がされていた(乙1の4「調整後」の各「損益」欄参照)。 (オ) 売上値引きによる売上げの減額原告は,前記(ウ)及び(エ)に基づき,平成14年9月に納入された外壁について,1億6905万8613円(c事業所)と1億9526万6355円(b事業所)の合計額である3億6432万4968円を売上値引きにより,売上げから減額した。 原告の利益は,調整前では「364百万円」であったが,損益が0円となるように調整され,原告は,b事業所「約195百万円」,c事業所「約169百万 68円を売上値引きにより,売上げから減額した。 原告の利益は,調整前では「364百万円」であったが,損益が0円となるように調整され,原告は,b事業所「約195百万円」,c事業所「約169百万円」の計「約364百万円」を売上値引きとして,売上げから減額した。 (カ) 決済状況原告とa社は,平成14年4月から同年8月までは,当初取引価格の 取引金額で決済を行い,同年9月は,前記(オ)に基づき,売上値引き後の取引金額で決済を行った(乙21別添1の1枚目ないし3枚目及び別添2の1枚目)。 イ平成15年3月期下期(ア) 当初取引価格の通知(平成14年9月30日)a社は,原告に対し,平成14年9月30日付け「2002年上期外壁購入価格改訂通知の件および2002年下期購入価格暫定通知の件」と題する書面(乙1の3)により,当初取引価格を通知した。平成15年3月期下期の暫定売上係数は,タイル以外が1.000,タイルが1. 000,MSが2.100とされた。 (イ) 当初取引価格の変更通知(平成14年10月22日)a社は,本件各子会社に対し,平成14年10月22日付け「02/下ユニット購入単価(暫定)について」と題する書面(乙1の5)により,当初取引価格を変更する旨通知したが,実際には,同通知に基づく取引価格による決済はされなかった。 (ウ) 期末決定価格の通知(平成15年3月31日)a社は,原告に対し,平成15年3月31日付け「2002年下期外壁購入価格改訂通知の件および2003年上期購入価格暫定通知の件」と題する書面(乙1の6)により,期末決定価格に係る改訂後売上係数を通知した。改訂後売上係数は,c事業所分について,タイル以外が0. 926,タイルが0.926,MSが1.945とされ,b事業所分について る書面(乙1の6)により,期末決定価格に係る改訂後売上係数を通知した。改訂後売上係数は,c事業所分について,タイル以外が0. 926,タイルが0.926,MSが1.945とされ,b事業所分について,タイル以外が0.926,タイルが0.926とされた。なお,上記通知に記載された改訂後売上係数は,後記(エ)の通知の調整金額と一致するように,当該金額から割り戻して計算されたものであった。 (エ) 売上減少調整額の通知(平成15年4月2日)a社は,本件各子会社に対し,平成15年4月2日付け「02/下期 末値増・値引調整決定の件」と題する書面(乙1の7)により,各社の売上減少調整額を通知した。 同通知書には,「1.調整方法」として,「①(仕切)原価差51. 8億円を確保とする。②債務超過生産会社3社の損益を確保とする。(l2.0億円,m0.5億円,d1.74億円)③他生産会社は,損益ゼロとする。(但し,hは,-0.3億円)」として,a社が本件各子会社に対し,a社及び関係会社である債務超過会社の利益を確保し,原告の損失を「30百万円」とするために,ユニット購入単価の変更を行うことを指示する記載がされていた(乙1の7「調整後」の各「損益」欄参照)。 (オ) 売上値引きによる売上げの減額原告は,前記(ウ)及び(エ)に基づき,平成15年3月に納入された外壁について,1億4999万9987円(c事業所)と1億5999万2374円(b事業所)の合計額である3億0999万2361円を売上値引きにより,売上げから減額した。 原告の利益は,調整前では「280百万円」であったが,損失が「30百万円」となるように調整され,原告は,c事業所「約150百万円」,b事業所「約160百万円」の計「約310百万円」を売上値引きとして,売上げ は,調整前では「280百万円」であったが,損失が「30百万円」となるように調整され,原告は,c事業所「約150百万円」,b事業所「約160百万円」の計「約310百万円」を売上値引きとして,売上げから減額した。 (カ) 決済状況原告とa社は,平成14年10月から平成15年2月までは,当初取引価格の取引金額で決済を行い,同年3月は,前記(オ)に基づき,売上値引き後の取引金額で決済を行った(乙21別添1の4枚目ないし6枚目及び別添2の2枚目)。 ウ平成16年3月期上期(ア) 当初取引価格の通知(平成15年3月31日) a社は,原告に対し,平成15年3月31日付け「2002年下期外壁購入価格改訂通知の件および2003年上期購入価格暫定通知の件」(乙1の6)と題する書面により,当初取引価格を通知した。平成16年3月期上期の暫定売上係数は,タイル以外が1.000,タイルが1. 000,MSが2.100とされた。 (イ) 当初取引価格の変更通知(平成15年4月25日)a社は,本件各子会社に対し,平成15年4月25日付け「03/上原価差額計画見直しの件」と題する書面(乙1の8)により,当初取引価格を変更する旨通知したが,実際には,同通知に基づく取引価格による決済はされなかった。 (ウ) 期末決定価格の通知(平成15年9月30日)a社は,原告に対し,平成15年9月30日付け「2003年上期外壁購入価格改訂通知の件および2003年下期購入価格暫定通知の件」と題する書面(乙1の9)により,期末決定価格に係る改訂後売上係数を通知した。改訂後売上係数は,c事業所分について,タイル以外が0. 944,タイルが0.944,MSが1.982とされ,b事業所分について,タイル以外が0.944,タイルが0.944とされた。なお, を通知した。改訂後売上係数は,c事業所分について,タイル以外が0. 944,タイルが0.944,MSが1.982とされ,b事業所分について,タイル以外が0.944,タイルが0.944とされた。なお,上記通知に記載された改訂後売上係数は,後記(エ)の通知の調整金額と一致するように,当該金額から割り戻して計算されたものである。 (エ) 売上減少調整額の通知(平成15年9月30日)a社は,本件各子会社に対し,平成15年9月30日付け「03/上期ユニット購入単価決定通知の件」と題する書面(乙1の10)により,各社の売上減少調整額を通知した。 同通知書には,a社が原告に対し,原告の調整前損益「366百万円」から「251百万円」を減額し,調整後損益を「115百万円」とするよう指示する旨の記載がされていた(乙1の10「調整後」の「損益」 欄参照)。 (オ) 売上値引きによる売上げの減額原告は,前記(ウ)及び(エ)に基づき,平成15年9月に納入された外壁について,1億2239万9130円(c事業所)と1億2860万1295円(b事業所)の合計額である2億5100万0425円を売上値引きにより,売上げから減額した。 原告の利益は,調整前では「366百万円」であったが,利益が「115百万円」となるように調整され,原告は,c事業所「約122百万円」,b事業所「約129百万円」の計「約251百万円」を売上げから減額した。 (カ) 決済状況原告とa社は,平成15年4月から同年8月までは,当初取引価格の取引金額で決済を行い,同年9月は,前記(オ)に基づき,売上値引き後の取引金額で決済を行った(乙21別添1の7枚目ないし9枚目及び別添2の3枚目)。 エ平成16年3月期下期(ア) 当初取引価格の通知(平成15年9月30日 は,前記(オ)に基づき,売上値引き後の取引金額で決済を行った(乙21別添1の7枚目ないし9枚目及び別添2の3枚目)。 エ平成16年3月期下期(ア) 当初取引価格の通知(平成15年9月30日)a社は,原告に対し,平成15年9月30日付け「2003年上期外壁購入価格改訂通知の件および2003年下期購入価格暫定通知の件」と題する書面(乙1の9)により,当初取引価格を通知した。平成16年3月期下期の暫定売上係数は,タイル以外が1.000,タイルが1. 000,MSが2.100とされた。 (イ) 当初取引価格の変更通知(平成15年10月24日)a社は,本件各子会社に対し,平成15年10月24日付け「03/下ユニット購入単価(暫定)について」と題する書面(乙1の11)により,当初取引価格を変更する旨通知したが,実際には,同通知に基づ く取引価格による決済はされなかった。 (ウ) 売上減少調整額及び調整時期の通知(平成16年1月20日)a社は,原告に対し,平成16年1月20日付け「ユニット購入単価変更依頼について」と題する書面(乙1の12)により,売上減少調整額及び調整時期を通知した。 同通知書には,a社が,本件各子会社に対し,原価差額73億円(本部(注:a社)53億円,各社(注:ユニット生産8社)20億円)の計画に対し80億円となる見込みがあったことから,期初計画の各社利益20億円を確保するため,差額相当額(7億円)について単価変更を行い,n社(注:n株式会社)は「200百万円」,o社(注:o株式会社)は「150百万円」,そして原告は「350百万円」の利益を2004年1月から3月の期間で調整することを指示する記載がされていた(乙1の12「調整金額」欄参照)。 (エ) 売上減少調整額受諾及び調整時期の通知 百万円」,そして原告は「350百万円」の利益を2004年1月から3月の期間で調整することを指示する記載がされていた(乙1の12「調整金額」欄参照)。 (エ) 売上減少調整額受諾及び調整時期の通知(平成16年1月26日)原告は,a社からの上記(ウ)の通知(乙1の12)を受けて,a社に対し,平成16年1月26日付け「納入単価の変更について」と題する書面(乙1の13)により,平成16年2月以降納入分のほぼ全製品の単価を23.4%引き下げる旨の通知をした。この23.4%の算出について,i管理部長は,「調整金額350百万円を2004年2月から3月の中間見通しを見て仕切価格の合計で割って23.4%を算出し」たと述べている(乙3・3頁)。 また,原告とa社は,平成16年3月期下期の改訂後売上係数を,タイルが0.919,タイル以外が0.919と設定した(なお,MSの売上係数は2.100のまま改訂されなかった。)(弁論の全趣旨)。 (オ) 単価変更による売上げの減額原告は,前記(ウ)及び(エ)に基づき,平成16年2月に納入された外 壁については,8783万4064円(c事業所)と8417万4239円(b事業所)の合計額である1億7200万8303円を,同年3月に納入された外壁については,8493万0959円(c事業所)と8585万8130円の合計額である1億7078万9089円(合計額3億4279万7392円)を単価変更処理により,売上げから減額した。 (カ) 売上減少調整額の通知(平成16年3月31日)a社は,本件各子会社に対し,平成16年3月31日付け「03/下ユニット購入単価(決定)について」と題する書面(乙1の14)により,各社の売上減少調整額を通知した。 同通知書には,a社の原告に対する損益の調整の指示は に対し,平成16年3月31日付け「03/下ユニット購入単価(決定)について」と題する書面(乙1の14)により,各社の売上減少調整額を通知した。 同通知書には,a社の原告に対する損益の調整の指示は記載されていなかった。 (キ) 決済状況原告とa社は,平成15年10月から平成16年1月までは,当初取引価格の取引金額で決済を行い,同年2月及び同年3月は,前記(オ)に基づき,単価変更後の取引金額で決済を行った(乙21別添1の10ないし13枚目,別添3の1,2,8及び9枚目)。 オ平成17年3月期上期(ア) 当初取引価格の設定原告とa社は,平成16年3月30日頃,暫定売上係数をタイル以外が1.000,タイルが1.000,MSが2.100と定めて,当初取引価格を設定した(甲33の1。なお,平成17年3月期上期の当初取引価格の通知書は発行されていない(甲81・23頁)。)。 (イ) 当初取引価格の変更通知(平成16年4月1日)a社は,本件各子会社に対し,平成16年4月1日付け「04/上ユニット購入単価(暫定)について」と題する書面(乙1の15)により, 当初取引価格を変更する旨通知した。しかし,実際には,同通知に基づく取引価格による決済はされなかった。 (ウ) 期末決定価格及び売上減少調整額の通知平成17年3月期上期については,通知書は残存していないが,i管理部長は,「04年4月1日の0ベースの指示に基づいて値引・調整を行った。中間見通しを見て0ベースにするため当社原価差を7~9月の予測仕切数量の合計で割り,当社の損益が0になるよう当社価格を設定したが,実際は35百万ぐらいの余裕を見て化学(注:a社)へ提示しています。」(乙3・2頁)と述べている。 また,原告とa社は,平成17年3月期上 当社の損益が0になるよう当社価格を設定したが,実際は35百万ぐらいの余裕を見て化学(注:a社)へ提示しています。」(乙3・2頁)と述べている。 また,原告とa社は,平成17年3月期上期の改訂後売上係数を,タイルが0.927,タイル以外が0.927,MSが1.946と設定した(弁論の全趣旨)。 (エ) 売上値引きによる売上げの減額原告は,前記(ウ)に基づき,平成16年7月に納入された外壁について,6090万6069円(c事業所)を売上値引きにより,売上げから減額した(乙21別添1の14枚目)。 (オ) 単価変更による売上げの減額原告は,前記(ウ)に基づき,平成16年7月に納入された外壁について,6444万3148円(b事業所)を,同年8月に納入された外壁について,5582万9701円(c事業所)と5421万6663円(b事業所)の合計額である1億1004万6364円を,平成16年9月に納入された外壁について,5923万4919円(c事業所)と6342万5491円(b事業所)の合計額である1億2266万0410円を単価変更処理により売上げから減額した(乙21別添1の14枚目,別添3の5枚目,6枚目,15枚目,16枚目)。 (カ) 決済状況 原告とa社は,平成16年4月から同年6月までは,当初取引価格の取引金額で決済を行い,同年7月は,前記(エ)及び(オ)に基づき,売上値引き後の取引金額及び単価変更後の取引金額で決済を行い,同年8月及び同年9月は,前記(オ)に基づき,単価変更後の取引金額で決済を行った(乙21別添1の14枚目ないし19枚目,別添3の3枚目及び10枚目)。 カ平成17年3月期下期(ア) 当初取引価格の設定原告とa社は,平成16年9月 の取引金額で決済を行った(乙21別添1の14枚目ないし19枚目,別添3の3枚目及び10枚目)。 カ平成17年3月期下期(ア) 当初取引価格の設定原告とa社は,平成16年9月30日頃,暫定売上係数をタイル以外が1.000,タイルが1.000,MSが2.100と定めて,当初取引価格を設定した(甲34の1。なお,平成17年3月期下期の当初取引価格の通知書は発行されていない(甲81・23頁)。)(イ) 当初取引価格の変更通知(平成16年10月28日)a社は,本件各子会社に対し,平成16年10月28日付け「04/下ユニット購入単価(暫定)について」(乙1の17)により,当初取引価格が変更された旨通知した。しかしながら,実際には,同通知に基づく取引価格による決済はされなかった。 (ウ) 売上減少調整額及び調整時期の通知(平成17年1月25日)a社は,原告に対し,平成17年1月25日付け「外壁購入単価変更依頼について」(乙1の18)と題する書面により,売上減少調整額及び調整時期を通知した。 同通知書において,a社は,原告に対し,原告の平成17年3月期下期の損益が「256百万円」となる見込みであるため,損益が「▲60百万」(損失60百万円)となるように「316百万円」を平成17年2月から3月の期間で減額するように指示をした。 また,原告とa社は,平成17年3月期下期の改訂後売上係数を,タ イルが0.937,タイル以外が0.937と設定した(なお,MSの売上係数は2.100のまま改訂されなかった。)(弁論の全趣旨)。 (エ) 売上値引きによる売上げの減額原告は,前記(ウ)に基づき,平成17年1月に納入された外壁について,4833万7849円(c事業所)を売上値引きにより,売上げから減額した(乙21別添1 (エ) 売上値引きによる売上げの減額原告は,前記(ウ)に基づき,平成17年1月に納入された外壁について,4833万7849円(c事業所)を売上値引きにより,売上げから減額した(乙21別添1の20枚目)。 (オ) 単価変更による売上げの減額原告は,前記(ウ)に基づき,平成17年1月に納入された外壁について,5645万5681円(b事業所)を,同年2月に納入された外壁について,4661万0201円(c事業所)と4469万8222円(b事業所)の合計額である9130万8423円を,同年3月に納入された外壁について,4904万5758円(c事業所)と5114万4857円(b事業所)の合計額である1億0019万0615円を単価変更処理により,売上げから減額した(乙21別添3の7枚目,17枚目,18枚目,19枚目)。 (カ) 決済状況原告とa社は,平成16年10月から同年12月までは,当初取引価格の取引金額で決済を行い,平成17年1月は,前記(エ)及び(オ)に基づいて,売上値引き後の取引金額及び単価変更後の取引金額で決済を行い,平成17年2月及び同年3月は,前記(オ)に基づき,単価変更後の取引金額で決済を行った(乙21別添1の20枚目ないし25枚目,別添3の3,10及び11枚目)。 2 検討(1) 寄附金の意義法人税法37条7項は,寄附金の意義について,「寄附金,拠出金,見舞金その他いずれの名義をもってするかを問わず,内国法人が(した)金銭その 他資産又は経済的な利益の贈与又は無償の供与」と規定するところ,同条8項が「実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額」を寄附金の額に含む旨規定していることからすると,同条7項にいう「贈与又は無償の供与」とは,民法上の贈与に限られず,経済的にみて贈与と同 条8項が「実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額」を寄附金の額に含む旨規定していることからすると,同条7項にいう「贈与又は無償の供与」とは,民法上の贈与に限られず,経済的にみて贈与と同視し得る資産の譲渡又は利益の供与も含まれると解される。そして,ここでいう「経済的にみて贈与と同視し得る資産の譲渡又は利益の供与」とは,資産又は経済的利益を対価なく他に移転する場合であって,その行為について通常の経済取引として是認できる合理的理由が存在しないものを指すと解することが相当である。 (2) 被告の主張の骨子被告の主張の骨子は,①本件各事業年度における原告とa社間の外壁販売取引に係る契約(本件販売契約)における外壁の契約価格は,当初取引価格である,②本件売上値引き及び本件単価変更は,合理的な原価計算に基づくものではなく,単に原告の利益をa社に付け替えるだけのものであり,独立企業間の通常の経済取引として是認できる合理的理由がないのに,既に本件販売契約に基づいて発生していた債権を放棄し,又は本件販売契約によって定まっていた取引価格を変更したものである,③したがって,本件売上値引き及び本件単価変更は,経済的に見て贈与と同視し得る利益の供与であるから,本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額は,法人税法37条7項所定の寄附金に該当する,というものである。 そこで,以下,被告の主張の当否について検討する。 (3) 本件販売契約において合意されたとみるべき外壁の契約価格(上記①の点)についてア被告は,上記のとおり,本件販売契約において合意されたとみるべき外壁の契約価格(以下,単に「契約価格」という。)は,当初取引価格であり,それが生産会社方針検討会において決定された旨主張する。 しかしながら,前提事実(5)並びに て合意されたとみるべき外壁の契約価格(以下,単に「契約価格」という。)は,当初取引価格であり,それが生産会社方針検討会において決定された旨主張する。 しかしながら,前提事実(5)並びに認定事実(5)及び(6)によれば,①a社が,当初取引価格に関して,生産会社方針検討会を経た後に発出している通知書面の題名は,「購入価格暫定通知」などというものであり,当初取引価格を算定するのに使用される売上係数も「暫定」ないし「改訂前(暫定)」と表示されていること,②生産会社方針検討会を経た後に,コスト検討会が開催され,同会において,各半期における原価低減目標が協議され,これに基づき,a社は,原告を含む本件各子会社に対し,「購入単価(暫定)設定について」などという題名の書面を発出し,それに従い,当初取引価格とは異なる購入単価の設定を促していること,③原告においては,これを受けて,予算計画を設定し,当初取引価格とは異なった暫定価格を設定していること,④期末又は期中において,a社は,原告に対し,一定の調整額に基づく購入単価の変更を指示していることが認められるところ,以上のような,原告とa社との間で各半期において行われている複数の価格の設定やそれに関する通知書面等の存在からみる限りにおいても,当初取引価格は,後に改訂が予定された暫定的なものとして扱われているとみるのが自然である。 また,前提事実(4)によれば,生産会社方針検討会においては,a社の関係役員と本件各子会社の代表者が出席して,本件各子会社の当半期の実績見込み,次半期の生産見込棟数及びその見込棟数を基にした生産原価の改善施策等について協議していたことが認められるものの,生産会社方針検討会において,当初取引価格を契約価格とする旨の決定がされていたことを認めるに足りる的確な証拠はない。こ 棟数を基にした生産原価の改善施策等について協議していたことが認められるものの,生産会社方針検討会において,当初取引価格を契約価格とする旨の決定がされていたことを認めるに足りる的確な証拠はない。この点,被告は,原告が本件更正処分等に関して作成して提出した異議申立書,意見書等(乙7ないし9)には「生産会社方針検討会において原価を算定してこれを確認の上決定された価格である」などの記載があることを指摘する。しかし,同会の議事録をみても,同会において本件各子会社との間の契約内容を具体的に決定し ている部分は見当たらないし(甲16),仮に同会において原告が作成した工場実行計画書(甲20)に基づく議論がされたことがあったとしても,各半期における計画以上に契約価格を決定したものとまでは推認することはできない。そうすると,結局,上記の異議申立書等の各記載の表現は,正確性を欠くものというべきであって(証人i12頁及び13頁),その内容について信用性を認めることはできない。 さらに,前提事実(5)アのとおり,有償支給価格は,外壁の品番が設定される際にいったん決定されれば基本的に一定とされ,生産量や原材料費の変動により変わるものではなく,また,当初取引価格を算定するために適用される売上係数も一部を除いて基本的に1.000と設定されているものであるところ,認定事実(5)及び(6)のとおり,原告は,各半期の期末ないし期中において実際原価計算を行い,各半期の実際原価(実績見込原価)が当初取引価格に係る原価とは異なることを把握し,a社もこれを認識して,売上係数を改訂しているにもかかわらず,両社が,次の半期の期首において,前の半期の実績を踏まえずに,予定される生産量ないし発注量の多寡を問わず,一律に各半期を通じて当初取引価格を契約価格として定めているの を改訂しているにもかかわらず,両社が,次の半期の期首において,前の半期の実績を踏まえずに,予定される生産量ないし発注量の多寡を問わず,一律に各半期を通じて当初取引価格を契約価格として定めているのであるとすれば,企業活動として相当に不自然なものであるといわざるを得ない。 また,本件覚書2条は,「a社が原告に支払う「外壁部材」代金の支払条件は,毎月末日締切,翌月末日払いとする。」と規定しているところ,上記のとおり,a社と原告との間では,複数の価格の設定が行われ,それに関する通知書面等が存在することからすると,上記の規定が存在し,かつ,実際に毎月末日に支払われた金額が当初取引価格によるものであったとしても,そのことから,当初取引価格が契約価格として合意されていたと推認することまではできない。むしろ,a社と原告との間の上記のような取引内容に照らせば,本件覚書2条は,期中は暫定的に当初取引価格で 取引を行い,期末に価格を決定することを前提に,そのような一連の取引における代金の支払を毎月末日締め翌月末日払いで行うことを合意したにすぎないと解するのが相当である。したがって,この点に関する被告の主張は採用することができない。 以上の諸点を勘案すると,当初取引価格は,予算計画を策定するための基準となるものとして利用されることが予定されている数値にすぎず,a社と原告との間で,本件販売契約上の契約価格として合意されていたとするには相当疑義があるといわざるを得ない。 イ被告は,本件覚書1条1項が,外壁の取引価格につき,「原則として合理的な原価計算の基礎に立ち,a社・原告協議の上決定する。」としているところ,当初取引価格が合理的な原価計算に基づくものである旨主張する。 この点,前提事実(5)アのとおり,有償支給価格は,原告が,a社 原価計算の基礎に立ち,a社・原告協議の上決定する。」としているところ,当初取引価格が合理的な原価計算に基づくものである旨主張する。 この点,前提事実(5)アのとおり,有償支給価格は,原告が,a社が定める部品単価を基に部品代を算出し,それ以外のコスト(材料費,外注費,消耗品,固定費等)についても同社が定める外壁1㎡当たりの単価に外壁の面積を乗じて算出したものであるから,原価計算として相応の合理性を有し,少なくとも,これを予算計画を策定するための基準として用いることには合理性があるということができる。しかしながら,有償支給価格は,予定される生産量ないし発注量の多寡を問わず,一定なものとして定められているのに対し,a社のユニット住宅事業を取り巻く事業環境は本件各事業年度に先立つ数年の間に相当変化し販売棟数もそれに伴って変化していること(認定事実(1)エ)や,本件各事業年度の各半期においても当初取引価格と期末ないし期中に算出された外壁の実際原価(実績見込原価)が乖離しているために売上係数が改訂されていることに照らすと,有償支給価格及びこれに1.000を乗じて定められた当初取引価格が,本件各事業年度の各半期における合理的な原価計算の基礎に立つものとして決定さ れたものであると認定することは,当事者の客観的な意思解釈としても,相当困難があるといわざるを得ない。 ウ原告は,期末決定価格が本件販売契約における契約価格であり,本件覚書1条1項の「合理的な原価計算の基礎に立ち,a社・原告協議の上決定する」との定めは,実際原価に一定の上乗せ利益を加算するという方法で価格決定をすることを意味し,いわゆる「総コストカバー方式」であって,本件販売契約におけるこのような価格決定の方法には合理性があり,税負担を逃れるための利益調整ではない旨主張する 算するという方法で価格決定をすることを意味し,いわゆる「総コストカバー方式」であって,本件販売契約におけるこのような価格決定の方法には合理性があり,税負担を逃れるための利益調整ではない旨主張する。 そこで検討するに,認定事実(1)及び(3)のとおり,①a社のユニット住宅事業は,顧客の注文仕様に基づいて工場内でユニットを生産し,顧客の注文どおりの住宅を建設することを特徴としており,原告の外壁製造は,同事業における生産活動の最も上流に置かれ,原告とa社間の外壁の販売取引は,同事業における取引の一環として行われること,②原告は,全ての外壁をa社からの注文を受けてから製造する完全受注生産を行っており,見込み生産を行っておらず,製造量を自ら決定できる立場にはなく,a社が注文した量の外壁の生産を強く求められること,③他方,原告が製造した外壁は全てa社によって買い上げられ,原告がこれを販売できないことはないこと,④原告は,契約上,a社から受注した外壁以外の生産・販売活動を許されておらず,専ら,a社から借り受けた土地・建物,設備において,同社の企画・開発した商品(外壁)を,指示された品質規格に基づいて,指示された数量を生産・納品している専属下請生産会社であること,⑤原告の外壁製造については,その原価に占める固定費の割合が約30%(外注費を加えると50%以上)と相当高く,受注量の変動による損益への影響が大きかったことが認められる。以上のようなユニット生産事業の事業内容,a社及び原告の関係並びに原告の事業特性に鑑みると,原告とa社との間において,原告がa社に対して販売する外壁につき,各半期の 期末又は期中においてそれまでの実績に基づいて行われる原価計算によって算定される実際原価(実績見込原価)を基礎として,それに一定の損益算定方法(本件で に対して販売する外壁につき,各半期の 期末又は期中においてそれまでの実績に基づいて行われる原価計算によって算定される実際原価(実績見込原価)を基礎として,それに一定の損益算定方法(本件では「差異分析」等)により導かれる損益を加算するという手法により,取引価格を決定するという内容の契約を締結することは,企業の事業活動の在り方として一概に不合理であるとまでは断ずることはできず,その原価計算及び損益算定方法の内容において不合理な点がなく,税負担を逃れるための恣意的な利益調整ではないと評価されるものであれば,本件覚書1条1項の「合理的な原価計算の基礎に立ち,a社・原告協議の上決定する」との定めに合致するものと解することが相当である。 エ上記の点に関連して,被告は,原告が行った差異分析の手法(認定事実(5)ウ及びオ)について,会計学的に是認できない独自の理論であり,その内容にも不合理な点がある旨主張する。 (ア) 確かに,「予算と実績の差異分析」は,一般に,企業内部の予算統制において実施されるものであり(乙13),期首に立てたその期の予算による営業利益と,実際の営業利益とを比較し,その差額を算出し,その差異の要因を分析するための手法であることがうかがわれ,取引価格を決定するために行われるものではないから,本件販売契約における取引価格の決定において差異分析の手法を援用することは,本来の用途ではなく,その転用であるといわざるを得ない。 しかしながら,a社グループのユニット住宅事業におけるa社及び原告の位置付けをみると,上記ウで指摘した諸点に加えて,認定事実(1)及び(3)のとおり,①a社は,事業企画,販売促進とブランド維持,商品開発,製品品質(設計上の問題とその保証責任)等,メーカーとして事業全体を統率し,販売促進費,開発費, 点に加えて,認定事実(1)及び(3)のとおり,①a社は,事業企画,販売促進とブランド維持,商品開発,製品品質(設計上の問題とその保証責任)等,メーカーとして事業全体を統率し,販売促進費,開発費,アフターメンテナンス費などを負担するほか(甲46),原告が製造のために使用する原材料・部材の一部についての価格交渉も行うなど,ユニット住宅の販売促進活動,原 材料のコスト削減交渉,商品・技術開発,製品保証等のコストやリスクを負担するという立場にあること,②他方,原告は,a社が使用する外壁しか製造しておらず,原告が製造した外壁はすべてa社に販売するという極めて単純な売上構造を有しており,原告における業績は,a社が統率する事業の影響を強く受ける立場にあることをも勘案すると,両社の損益の帰属を差異分析の手法により判定すること,すなわち,予算計画における損益と実績見込みにおける損益の差額につき,a社と原告が損益の増減に関して果たした役割ないし貢献度に応じて損益の帰属を判定することは不合理であるとはいえない。そして,上記のようなa社と原告との役割等に照らせば,上記の損益の差額について,出荷量や製品構成の変動等による利益の増加分はいずれもa社に起因するものと分類し,原告のCR分,すなわち原告が価格交渉を担当した部材等の減額及び外壁製造過程でのコスト削減分による利益の増加分は原告に起因するものと分類して,損益の帰属を判定するという考え方も成り立ちうるものというべきである。そして,上記のような取引価格の決定方法は,ユニット住宅事業の一環として,長年にわたって行われてきたa社とユニット生産8社間におけるユニット購入価格の設定方法(認定事実(4))と軌を一にするものであると認められ,この点からも合理性があるということができる。 (イ) 被告は,原 って行われてきたa社とユニット生産8社間におけるユニット購入価格の設定方法(認定事実(4))と軌を一にするものであると認められ,この点からも合理性があるということができる。 (イ) 被告は,原告が行った差異分析の内容(認定事実(5)オ)について,製品群別出荷量の変動による影響額(B)は,単に外壁の出荷量が増大したことにより発生した利益であり,また,製品群内構成の変動による影響額(C)も,製造量の変動によりもたらされた利益であるから,これらの利益は原告に帰属すべきものであって,a社に帰属すべき理由はないから不合理である旨主張する。 この点,確かに,上記のような利益の帰属の判定は,一般の製造会社 と販売会社との間の取引を念頭におく限り,合理性を有しないものといわざるを得ない。しかしながら,前記のようなユニット住宅事業におけるa社及び原告の位置付け及びその事業特性等,取り分け,原告がa社からの発注に基づいて外壁の生産をするだけの会社であり,製造した外壁はa社によって全て買い取られる反面,同社以外の第三者のための製造・販売活動が許されていないこと,ユニット住宅の販売促進活動は専らa社によって行われ,原告は製造・出荷量の増減に結び付く活動をしていないことを勘案すれば,出荷量の増減に係る損益が専らa社に帰因するものであると分析して損益の帰属を判定することは,必ずしも不合理とまではいえないと解されるところである。 また,被告は,a社のCR活動による影響額について,一般的に,CR活動は,既に製品開発プロセスの設計段階あるいは開発段階・商品企画段階において行われており,期末にしかCR活動の結果が判明しないという原告の主張は理由がないなどと主張する。 しかし,原告が行った差異分析において,a社が行うCR活動として想定されて 商品企画段階において行われており,期末にしかCR活動の結果が判明しないという原告の主張は理由がないなどと主張する。 しかし,原告が行った差異分析において,a社が行うCR活動として想定されているのは,外壁の原材料の仕入先と交渉して仕入価格を引き下げることであり(甲58の1及び2),また,原告が行うCR活動として想定されているのも,原材料の価格交渉のほか,製造過程の効率化を内容とするものであって(甲58の1及び2,甲66の1及び2),いずれも設計,開発又は企画段階で既に行われているものではない。したがって,この点の被告の主張は前提を欠くものといわざるを得ない。 なお,被告は,原告の行った差異分析において,原告のCR活動の影響額を検討した形跡がない旨主張する。しかし,外壁取引の損益に影響するCR活動は,原告又はa社が行うCR活動のいずれかに分類できるところ,上記の差異分析においては,原告のCR活動が,製造効率や品質といった,原材料の仕入価格交渉の結果に比べて数値化が難しい要素を 含むものであることを考慮して,a社によるCR活動の影響その他の影響額を全て差し引いた残りが原告のCR活動の影響であると結論付けているものであり,このような分析が著しく不合理であるとは認められない。 (ウ) ところで,原告が行った差異分析における主要な考え方は,認定事実(5)オのとおりのものであるが,差異分析の結果から取引価格の決定に至る際には,例えば,①平成15年3月期下期において,0円と予定していた平成15年3月期上期の原告の実績利益が5000万円となっていたため,かかる事情を取引価格に反映したとする部分(甲30の1「取引価格の決定」③参照),②平成16年3月期下期から中間決定方式を採用するのに伴い,中間時点以降である3か月間の出荷量減少のリス ていたため,かかる事情を取引価格に反映したとする部分(甲30の1「取引価格の決定」③参照),②平成16年3月期下期から中間決定方式を採用するのに伴い,中間時点以降である3か月間の出荷量減少のリスクを原告に負わせないために,平成16年3月期上期において,一旦8000万円を取引価格に織り込んでいる部分(甲31の1「取引価格の決定」②),③平成16年3月期下期において,上記②をa社に返還するために7000万円を調整している部分(甲32の1「取引価格の決定」②)など,各半期における実際原価及び貢献度に応じた損益の帰属の判定にとどまらないと解される内容が含まれている。 しかし,①は,平成15年3月期上期に判明していれば,同期における調整金額に含めて計算されたものと解され,単に調整の時期にずれが生じたにすぎないと評価できるし,上記②及び③は仮払金的な性格のものとして計上された上で同一事業年度内に清算がされているものであって,a社と原告の役割ないし貢献度に応じて損益を分配するという枠組みを大きく逸脱する性格のものとはいえないし,恣意的な損益操作に当たるとみるべきものでもない。 (エ) 以上の諸点からすると,原告が差異分析の手法を転用し,その上で取引価格を決定したことは,不合理なものではなく,税負担を逃れるた めの恣意的な利益調整であるとは認められないから,原告とa社が,本件覚書1条1項の「合理的な原価計算の基礎に立ち,a社・原告協議の上決定」したものと認めることは妨げられないというべきである。 オ以上の検討によれば,本件販売契約における契約価格,すなわち「合理的な原価計算の基礎に立ち,原告とa社間で協議の上決定した価格」は,各半期における期末決定価格又は期中決定価格であると認められる。以上と異なり,本件販売契約において合意さ る契約価格,すなわち「合理的な原価計算の基礎に立ち,原告とa社間で協議の上決定した価格」は,各半期における期末決定価格又は期中決定価格であると認められる。以上と異なり,本件販売契約において合意された契約価格を当初取引価格と認めた上,その後に債権放棄又は取引価格変更合意があったと認めるべきとする被告の主張は,真実の法律関係から離れて法律関係を構成するものであり,採用することができない。 (4) 小括以上のとおり,本件販売契約において合意されたとみるべき外壁の契約価格は,各半期における期末決定価格又は期中決定価格であるから,その余の点について判断するまでもなく,本件売上値引き及び本件単価変更により,原告からa社に対し,経済的にみて贈与と同視し得る資産の譲渡又は利益の供与がされたとは認められないから,本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額は法人税法37条7項の寄附金に該当しない。 なお,法人税法37条8項は,内国法人が資産の譲渡又は経済的な利益の供与をした場合において,その譲渡又は供与の対価の額が当該資産のその譲渡の時における価額又は当該経済的な利益のその供与の時における価額に比して低いときは,当該対価の額と当該価額との差額のうち実質的に贈与又は無償の供与をしたと認められる金額は,前項の寄附金の額に含まれるものとすると定めている。しかし,本件において,被告は,同項に基づく主張はしておらず,また,原告とa社間の外壁の取引価格と,外壁の市場価格との差額の存在及び額を認めるべき証拠はないから,本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額は37条8項の寄附金に当たるとはいえない。 3 まとめ以上によれば,本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額が法人税法37条に規定する寄附金に該当するとして,水口税務署長が原告に対 37条8項の寄附金に当たるとはいえない。 3 まとめ以上によれば,本件売上値引き及び本件単価変更に係る金額が法人税法37条に規定する寄附金に該当するとして,水口税務署長が原告に対し平成18年5月29日付けでした本件各事業年度の法人税の更正処分のうち原告の確定申告に係る所得金額及び納付すべき税額を超える部分並びに過少申告加算税賦課決定処分及び重加算税賦課決定処分(ただし,平成20年6月30日付け裁決により変更された後のもの)は,いずれも違法であるから,取り消されるべきである。 第4 結論よって,原告の請求はいずれも理由があるから認容し,訴訟費用の負担につき,行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第38部 裁判長裁判官谷口豊 裁判官中丸隆 裁判官坂田大吾 (別紙5)被告の主張する各処分の根拠及び適法性 1 本件各更正処分の根拠(1) 平成15年3月期ア所得金額(ア) 申告所得金額 6618万2791円上記金額は,原告が平成15年3月期の法人税の確定申告書の「所得金額」欄に記載した金額6618万2791円である(別紙4「課税の経緯」の「平成15年3月期」の「確定申告」欄の①「所得金額」欄)。 (イ) 未払寄附金の損金不算入額 3億0999万2361円上記金額は,原告が親会社であるa社に対する売上値引きとして損金の額に算入した金額のうち平成15年3月期中に支払がなされていない金額である。 売上値引きとして損金の額に算入された金額は,寄附金に該 記金額は,原告が親会社であるa社に対する売上値引きとして損金の額に算入した金額のうち平成15年3月期中に支払がなされていない金額である。 売上値引きとして損金の額に算入された金額は,寄附金に該当するが,同売上値引きのうち,平成15年3月期中に決済がなされていない値引相当額は,支払がされるまでの間はなかったものとされる寄附金(いわゆる未払寄附金)に該当するから(法人税法施行令78条1項),その全額が損金の額に算入されない。 (ウ) 寄附金の損金不算入額 3億5494万3719円上記金額は,原告がa社に対する売上値引きとして損金の額に算入した金額(寄附金に当たる)のうち,平成15年3月期中に決済(支出)された3億6432万4968円を含めて算出した寄附金の損金不算入額(法人税法37条1項)である。 (エ) 所得金額 7億3111万8871円上記金額は,申告所得金額6618万2791円(上記(ア))に,未払寄附金の損金不算入額3億0999万2361円(上記(イ))及び寄附金 の損金不算入額3億5494万3719円(上記(ウ))を加算した合計金額である。 イ納付すべき法人税額(ア) 所得金額に対する法人税額 2億1869万5400円上記金額は,上記ア(エ)の所得金額7億3111万8000円(ただし,国税通則法(以下「通則法」という。)118条1項の規定に基づき1000円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下同じ。)に法人税法66条(ただし,平成18年法律第10号による廃止前の経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律16条1項1号に規定を適用した後のもの。以下同じ。)に規定する税率を乗じて ,平成18年法律第10号による廃止前の経済社会の変化等に対応して早急に講ずべき所得税及び法人税の負担軽減措置に関する法律16条1項1号に規定を適用した後のもの。以下同じ。)に規定する税率を乗じて算出した金額である。 (イ) 所得税額の控除額 130円上記金額は,原告が平成15年3月期の法人税の確定申告書の「控除税額」欄に記載した金額130円である(別紙4「課税の経緯」の「平成15年3月期」の「確定申告」欄の⑨「控除所得税額等」欄)。 (ウ) 納付すべき法人税額 2億1869万5200円上記金額は,所得金額に対する法人税額2億1869万5400円(上記(ア))から所得税額の控除額130円(上記(イ))を控除した金額(通則法119条1項の規定より100円未満の端数を切り捨てたもの。以下同じ。)である。 (エ) 既に納付の確定した法人税額 1921万4400円上記金額は,原告が平成15年3月期の法人税の確定申告書の「差引所得に対する法人税額」欄に記載した金額1921万4400円である(別紙4「課税の経緯」の「平成15年3月期」の「確定申告」欄の⑫「差引納付すべき法人税額」欄)。 (オ) 差引納付すべき法人税額 1億9948万0800円 上記金額は,納付すべき法人税額2億1869万5200円(上記(ウ))から,既に納付の確定した法人税額1921万4400円(上記(エ))を控除した金額である。 (2) 平成16年3月期ア所得金額(ア) 申告所得金額 7377万0035円上記金額は,原告が平成16年3月期の法人税の確定申告書「所得金額」欄に記載した金額7 6年3月期ア所得金額(ア) 申告所得金額 7377万0035円上記金額は,原告が平成16年3月期の法人税の確定申告書「所得金額」欄に記載した金額7377万0035円である(別紙4「課税の経緯」の「平成16年3月期」の「確定申告」欄の①「所得金額」欄)。 (イ) 未払寄附金の損金不算入額 1億7078万9089円上記金額は,原告が親会社であるa社に対する売上値引きとして損金の額に算入した金額のうち,平成16年3月期中に決済がなされていない値引相当額であるところ,同金額は,法人税法施行令78条1項所定の未払寄附金に該当するから,損金の額に算入されない。 (ウ) 支出寄附金の損金算入額 3億0999万2361円上記金額は,上記(1)ア(イ)記載のとおり,未払寄附金として平成15年3月期の損金に算入されなかったが,平成16年3月期中に決済されたことにより平成16年3月期において支出寄附金として損金算入されることになった金額である。 (エ) 寄附金の損金不算入額 7億2537万8789円上記金額は,原告が,a社に対する売上値引きとして損金の額に算入した金額のうち,平成16年3月期中に,決済(支出)された金額4億2300万8728円と上記(ウ)記載の支出寄付金の損金算入額3億999万2361円の合計額7億3300万1089円を含めて算出した寄附金の損金不算入額(法人税法37条1項)である。 (オ) 事業税の損金算入額 6383万3800円 上記金額は,平成15年3月期の更正処分による所得金額の増加に伴い,増加した未納事業税の額である。 (カ) 所得金額 額 6383万3800円 上記金額は,平成15年3月期の更正処分による所得金額の増加に伴い,増加した未納事業税の額である。 (カ) 所得金額 5億9611万1752円原告の平成16年3月期の法人税の所得金額は,申告所得金額7377万0035円(上記(ア))に,未払寄附金の損金不算入額1億7078万9089円(上記(イ))及び寄附金の損金不算入額7億2537万8789円(上記(エ))を加算し,事業税の損金算入額6383万3800円(上記(オ))及び支払寄附金の損金算入額3億0999万2361円(上記(ウ))を減算した5億9611万1752円となる。 イ納付すべき法人税額(ア) 所得金額に対する法人税額 1億7819万3300円上記金額は,上記ア(カ)の所得金額5億9611万1000円に法人税法66条に規定する税率を乗じて算出した金額である。 (イ) 所得税額の控除額 31円上記金額は,原告が平成16年3月期の法人税の確定申告書の「控除税額」欄に記載した金額31円である(別紙4「課税の経緯」の「平成16年3月期」の「確定申告」欄の⑨「控除所得税額等」欄)。 (ウ) 納付すべき法人税額 1億7819万3200円上記金額は,所得金額に対する法人税額1億7819万3300円(上記(ア))から所得税額の控除額31円(上記(イ))を控除した金額である。 (エ) 既に納付の確定した法人税額 2149万0900円上記金額は,原告が平成16年3月期の法人税の確定申告書の「差引所得に対する法人税額」欄に記載した金額2149万0900円であ に納付の確定した法人税額 2149万0900円上記金額は,原告が平成16年3月期の法人税の確定申告書の「差引所得に対する法人税額」欄に記載した金額2149万0900円である(別紙4「課税の経緯」の「平成16年3月期」の「確定申告」欄の⑫「差引納付すべき法人税額」欄)。 (オ) 差引納付すべき法人税額 1億5670万2300円 上記金額は,納付すべき法人税額1億7819万3200円(上記(ウ))から,既に納付の確定した法人税額2149万0900円(上記(エ))を控除した金額である。 (3) 平成17年3月期ア所得金額(ア) 申告所得金額 1億2525万1132円原告が平成17年3月期の法人税の確定申告書の「所得金額」欄に記載した金額1億2525万1132円である(別紙4「課税の経緯」の「平成17年3月期」の「確定申告」欄の①「所得金額」欄)。 (イ) 未払寄附金の損金不算入額 1億0019万0615円上記金額は,原告が親会社であるa社に対する売上値引きとして損金の額に算入した金額のうち平成17年3月期中に決済がなされていない値引相当額であるところ,同金額は,法人税法施行令78条1項所定の未払寄附金に該当するから,損金の額に算入されない。 (ウ) 支出寄附金の損金算入額 1億7078万9089円上記金額は,上記(2)ア(イ)記載のとおり,未払寄附金として平成16年3月期の損金に算入されなかったが,平成17年3月期中に決済されたことにより平成17年3月期において支出寄附金として損金算入されることになった金額である。 (エ) 寄附金の損金不算入額 7億1575 されなかったが,平成17年3月期中に決済されたことにより平成17年3月期において支出寄附金として損金算入されることになった金額である。 (エ) 寄附金の損金不算入額 7億1575万3221円上記金額は,原告が,a社に対する売上値引きとして損金の額に算入した金額のうち,平成17年3月期中に,決済(支出)された金額5億5415万7944円と上記(ウ)記載の支出寄付金の損金算入額1億7087万9089円の合計額7億2494万7033円を含めて算出した寄附金の損金不算入額(法人税法37条1項)である。 (オ) 事業税の損金算入額 5014万4700円 上記金額は,平成16年3月期の更正処分による所得金額の増加に伴い,増加した未納事業税の額である。 (カ) 所得金額 7億2026万1179円原告の平成17年3月期の法人税の所得金額は,申告所得金額1億2525万1132円(上記(ア))に,未払寄附金の損金不算入額1億0019万0615円(上記(イ))及び寄附金の損金不算入額7億1575万3221円(上記(エ))を加算し,事業税の損金算入額5014万4700円(上記(オ))及び支払寄附金の損金算入額1億7078万9089円(上記(ウ))を減算した7億2026万1179円となる。 イ納付すべき法人税額(ア) 所得金額に対する法人税額 2億1543万8300円上記金額は,上記ア(カ)の所得金額7億2026万1000円に法人税法66条に規定する税率を乗じて算出した金額である。 (イ) 所得税額の控除額 26円上記金額は,原告が平成17年3月期の法人税の確定申告書 法人税法66条に規定する税率を乗じて算出した金額である。 (イ) 所得税額の控除額 26円上記金額は,原告が平成17年3月期の法人税の確定申告書の「控除税額」欄に記載した金額26円である(別紙4「課税の経緯」の「確定申告」欄の⑨「控除所得税額等」欄)。 (ウ) 納付すべき法人税額 2億1543万8200円上記金額は,所得金額に対する法人税額2億1543万8300円(上記(ア))から所得税額の控除額26円(上記(イ))を控除した金額である。 (エ) 既に納付の確定した法人税額 3693万5200円上記金額は,原告が平成17年3月期の法人税の確定申告書の「差引納付すべき法人税額」欄に記載した金額3693万5200円である(別紙4「課税の経緯」の「平成17年3月期」の「確定申告」欄の⑫「差引納付すべき法人税額」欄)。 (オ) 差引納付すべき法人税額 1億7850万3000円 上記金額は,納付すべき法人税額2億1543万8200円(上記(ウ))から,既に納付の確定した法人税額3693万5200円(上記(エ))を控除した金額である。 2 本件各更正処分の適法性被告が本件訴訟において主張する本件各事業年度の納付すべき法人税額は,それぞれ,平成15年3月期 2億1869万5200円(上記1(1)イ(ウ))平成16年3月期 1億7819万3200円(上記1(2)イ(ウ))平成17年3月期 2億1543万8200円(上記1(3)イ(ウ))であるところ,これらの金額は,本件各更正処分における納付すべき法人税額と同額であるから,本件各更正処分はいずれも適法である。 3 本件各賦課決定処分の根拠 3万8200円(上記1(3)イ(ウ))であるところ,これらの金額は,本件各更正処分における納付すべき法人税額と同額であるから,本件各更正処分はいずれも適法である。 3 本件各賦課決定処分の根拠(1) 平成15年3月期 2896万1000円期限内申告書の提出があった場合において,修正申告ないし更正(以下「更正等」という。)がされ,当初の申告税額が結果的に過少となったときには,その更正等により納付すべき税額に100分の10の割合を乗じて計算した金額に相当する過少申告加算税を課することとされており(通則法(平成18年法律第10号による改正前のもの。以下同じ。)65条1項),さらに,更正等により納付すべき税額(当該更正等前に当該更正等に係る国税について更正等があったときは,その国税に係る累積増差税額(当該更正等前にされたその国税についての更正等に基づき通則法35条2項の規定により納付すべき税額の合計額)を加算した金額)が期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超えるときは,当該超える部分に相当する税額(更正等により納付すべき税額が当該超える部分に相当する税額に満たないときは,当該納付すべき税額)に100分の5の割合を乗じて計算した金額を加算するとされている(通則法65条2項)。 よって,平成15年3月期の過少申告加算税の額は,平成15年3月期更正処分により増加した納付すべき法人税額1億9948万円(上記1(1)イ(オ)(ただし,通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下同じ。)に100分の10の割合を乗じて計算した金額1994万8000円に,平成15年3月期更正処分により増加した納付すべき法人税額1億9948万0800円のうち,期限内申告税額1921 のもの。以下同じ。)に100分の10の割合を乗じて計算した金額1994万8000円に,平成15年3月期更正処分により増加した納付すべき法人税額1億9948万0800円のうち,期限内申告税額1921万4530円を超える法人税額1億8026万円(ただし,通則法118条3項の規定により1万円未満の端数を切り捨てた後のもの。以下同じ。)に100分の5の割合を乗じて計算した金額901万3000円を加算した金額2896万1000円である。 (2) 平成16年3月期 2243万0500円平成16年3月期の過少申告加算税の額は,上記(1)のとおりの方法で計算されるところ,平成16年3月期更正処分により増加した納付すべき法人税額1億5670万円(上記1(2)イ(オ))に100分の10の割合を乗じて計算した金額1567万円に,平成16年3月期更正処分により増加した納付すべき法人税額1億5670万2300円のうち,期限内申告税額2149万0931円を超える1億3521万円に100分の5の割合を乗じて計算した金額676万0500円を加算した金額2243万0500円である。 (3) 平成17年3月期 2492万8000円平成17年3月期の過少申告加算税の額は,上記(1)のとおりの方法で計算されるところ,平成17年3月期更正処分により増加した納付すべき法人税額1億7850万円(上記1(3)イ(オ))に100分の10の割合を乗じて計算した金額1785万円に,平成17年3月期更正処分により増加した納付すべき法人税額1億7850万3000円のうち,期限内申告税額3693万5226円を超える1億4156万円に100分の5の割合を乗じて計算した金額707万8000円を加算した金額2492万8000円 べき法人税額1億7850万3000円のうち,期限内申告税額3693万5226円を超える1億4156万円に100分の5の割合を乗じて計算した金額707万8000円を加算した金額2492万8000円である。 4 本件各賦課決定処分の適法性被告が本件訴訟において主張する原告の本件各事業年度の過少申告加算税の額は,それぞれ,平成15年3月期 2896万1000円(上記3(1))平成16年3月期 2243万0500円(上記3(2))平成17年3月期 2492万8000円(上記3(3))であるところ,これらの金額は,本件各賦課決定処分における過少申告加算税相当額と同額であるから,本件各賦課決定処分はいずれも適法である。 以上 (別紙6)本件各事業年度における価格決定の推移第1 平成15年3月期(平成14年4月1日~平成15年3月31日) 1 平成15年3月期上期(平成14年4月1日~平成14年9月30日)(1) 仮単価の設定平成14年3月30日時点の期初仮計画では,出荷量=918.4千㎡,変動費合計=2306.7百万円,固定費合計=1632.5百万円とされており,取引価格の合計額(仮払高)は3944.4百万円と想定されていた(甲29の1「Ⅰ」列)。 そして,この取引価格に従った仮係数は,タイル系以外外壁(=タイル系とMS外壁以外の外壁)が「1.015」,タイル系外壁が「1.000」,MS外壁が「2.100」となっており(乙1の1),そのため,平成14年4月1日から始まる当期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.015」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の有償支給価格×2.10 期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.015」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の有償支給価格×2.100」となった(甲29の1紫枠内の「1」)。 (2) 当期予算計画の策定平成15年3月期上期の予算計画が,平成14年4月20日に開催されたコスト検討会の後で策定された。同予算計画では,計画出荷量=918.4千㎡,変動費合計の計画値=2273.6百万円,固定費合計の計画値=1632.5百万円,在庫増減の計画値=0.0百万円,暫定取引価格の合計=3906.2百万円,計画上の予想利益=0円とされた(甲29号証の1の「Ⅱ」列。なお,表上は0.1百万円となっているが,1円単位で計算した数値を百万円単位の表に天気すると生じる端数誤差である。)。 ただし,原告では,事務処理の煩雑さを避けるため,仮単価から暫定単価への変更は行わず,(1)の仮単価として設定した金額で平成15年3月期上 期の仮払いを行った(甲29の1紫枠内の「2」)。 (3) 取引価格の決定ア実績見込値の算出当期の期末である平成14年9月30日に,平成14年4月1日から同年9月25日までの実績値及び残り5日間の見込み値を基に,実績見込出荷量=1028.5千㎡,実績見込変動費合計=2589.8百万円,実績見込固定費合計=1532.7百万円,実績見込在庫増減=-15.3百万円,実績見込仮払価格合計=4471.6百万円,期末の予想利益=364.4百万円と算出した(甲29の1「Ⅲ」列)。 イ差異分析(甲29の1赤枠内「差異分析結果」)(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「0円」であったのに対し,期末の予想利益 万円と算出した(甲29の1「Ⅲ」列)。 イ差異分析(甲29の1赤枠内「差異分析結果」)(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「0円」であったのに対し,期末の予想利益は「364.4百万円」となったことから(甲29の1),このように差異が生じた原因を分析するために,a社に帰因する予想利益への影響額を算出した。 (イ) a社に帰因する影響額① 製品群別の出荷量変動製品群別の出荷量変動により,予想利益が267.5百万円増加した。そして,原告が,一切の販促活動を行わず,a社からの受注を待って初めて生産するものであることから,外壁出荷量の増減は専らa社の販促活動によるものであるとして,上記267.5百万円の予想利益の増加は,a社に帰因する影響額であると分析された(甲29の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動予算計画確定時に想定していた製品構成よりも,利益率の悪い外壁が出荷されたことにより,予想利益が11.3百万円減少する影響が 出ることになった。原告が,一切の販促活動を行わず,a社からの受注を待って生産するだけであることから,利益率の良い商品の販促・開発を行うのは専らa社であるとして,上記11.3百万円の予想利益の減少は,a社に帰因する影響額であると分析された(甲29の1赤枠内「差異分析結果」の「2」)。 ③ a社によるCR活動a社が予算計画以下のCR活動しか達成できない見込みとなったため,予想利益が8.4百万円減少することになり,これについては,a社に帰因する影響額であると分析された(甲29の2,甲29の1赤枠内「差異分析結果」の「3」)。 ④ 仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかった影響計画上の予 は,a社に帰因する影響額であると分析された(甲29の2,甲29の1赤枠内「差異分析結果」の「3」)。 ④ 仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかった影響計画上の予想利益は,暫定単価によって仮払いが行われることを前提に算出されているため,仮単価のままで仮払いが行われてしまうと,仮単価と暫定単価の差額分だけ,予想利益に対する増減の影響が出ることになり,平成15年3月期上期は,これにより予想利益が44. 8百万円増加することになった。この影響額は,a社が,専ら原告の事務作業の便宜のために,暫定単価より高い仮単価での仮払いを行ったことによって生じたものであるとして,上記44.8百万円の予想利益の増加は,a社に帰因する影響額であると分析された。(甲29の1赤枠内「差異分析結果」の「4」)。 ⑤ a社が会計処理方針を変更したことよる影響a社が平成15年3月期上期に会計処理方針を変更したことにより,原告のc事業所の機械設備賃借料が44.8百万円の減少,原告のb事業所の機械設備賃借料が24.0百万円の減少と,合計68.8百万円だけ固定費が減少することとなった(甲29の3)。その結果,予想利益が68.8百万円増加する影響が出ることとなったが,これ についてはa社に帰因する影響額であると分析された(甲29の1赤枠内「差異分析結果」の「5」)。 (ウ) 小括以上①~⑤というa社に帰因する影響額を合計すると,a社に帰因する影響額=267.5百万円+(-11.3百万円)+(-8.4百万円)+44.8百万円+66.8百万円=361.4百万円となる。したがって,「計画上の予想利益」と「期末における予想利益」との間に,「0円」から「364.4百万円」と,364.4百万円の 8.4百万円)+44.8百万円+66.8百万円=361.4百万円となる。したがって,「計画上の予想利益」と「期末における予想利益」との間に,「0円」から「364.4百万円」と,364.4百万円の差異が生じたのは,専らa社に帰因すると分析された。 なお,a社帰因の影響額361.4百万円と,差異金額364.4百万円との間に3百万円の差が生じているが,1円単位で集計・計算した数値を,百万円単位の表に転記する際,±5百万円程度の誤差がでてしまうことに鑑み,かかる差は,この転記作業による誤差と判断された(甲29の1赤枠内「差異分析結果」の「6」)。 ウ取引価格の決定前記イのとおり,計画上の予想利益と期末の予想利益との間に差異が生じた原因は,全てa社に帰因すると分析されたことから,当期は,「総コストカバーとなる価格」という外壁価格設定の基本方針に従い,取引価格の決定価格の合計額は,決定価格合計=総コスト+0円=実績見込変動費合計+実績見込固定費合計+実績見込在庫増減+0円=2598.8百万円+1532.7百万円+(-15.3百万円)+0円=4107.2百万円とされた。 そして決定価格が決まったことから,「実績見込仮払価格合計=4471.6百万円」と「決定価格合計=4107.2百万円」との差額364百万円が調整金額とされた(乙1の4,甲29の1青枠内「取引価格の決定」)。 2 平成15年3月期下期(平成14年10月1日~平成15年3月31日)(1) 仮単価の設定平成14年9月30日時点の期初仮計画では,出荷量=888.7千㎡,変動費合計=2328.7百万円,固定費合計=1559.5百万円,在庫増減=-44.3百万円,仮払い予定額=3987.9百万円となっていた(甲30の1の「Ⅰ」列)。 ,出荷量=888.7千㎡,変動費合計=2328.7百万円,固定費合計=1559.5百万円,在庫増減=-44.3百万円,仮払い予定額=3987.9百万円となっていた(甲30の1の「Ⅰ」列)。 そして,この取引価格に従った仮係数は,タイル系以外外壁(=タイル系とMS外壁以外の外壁)が「1.000」,タイル系外壁が「1.000」,MS外壁が「2.100」となっており(乙1の3),そのため,平成14年10月1日から始まる当期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の有償支給価格×2.100」となった(甲30の1紫枠内の「1」)。 (2) 当期予算計画の策定ア当期予算計画の策定当期の予算計画は,平成14年10月22日のコスト検討会の後で策定され,計画出荷量=888.7千㎡,変動費合計の計画値=2291.7百万円,固定費合計の計画値=1559.5百万円,在庫増減の計画値=-44.3百万円,暫定取引価格の合計額=3987.9百万円,計画上の予想利益=181.0百万円とされた(甲30の1の「Ⅱ」列)。 イ計画上の予想利益が181.0百万円となった理由当期のみ計画上の予想利益が181.0百万円とされたのは,次のような理由によるものであった。すなわち,当期の予算計画策定時期である平成14年10月20日時点では,技術的問題から生産中止となっていたMS外壁の量産再開ができるかどうか不明な状態であった反面,万一,当期中に量産再開ということになると,MS外壁生産設備の賃借料予定額である 161百万円と(甲30の3),MS外壁生産のための体制再編成諸経費として想定した か不明な状態であった反面,万一,当期中に量産再開ということになると,MS外壁生産設備の賃借料予定額である 161百万円と(甲30の3),MS外壁生産のための体制再編成諸経費として想定した20百万円とを合わせた合計181百万円の費用が,原告で負担するべき費用として発生することになることから,期中に量産再開となった場合に備えて上記181百万円の費用を計画上の予想利益の中で見ておくこととし,最終的に,当期中での量産再開とならなかったときには,この181百万円の利益はないものとして期末の価格を決定することとされた。 (3) 取引価格の決定ア実績見込値の算出平成15年3月期上期と同様,平成15年3月31日に,平成15年3月期下期における実績見込値を算出したところ,実績見込出荷量=959. 1千㎡,実績見込変動費合計=2312.4百万円,実績見込固定費合計=1567.1百万円,実績見込在庫増減=-0.3百万円,実績見込仮払価格の合計=4159.3百万円,期末における予想利益=280.1百万円となった(甲30の1「Ⅲ」列)。 イ差異分析(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「181.0百万円」であったのに対し,期末の予想利益は「280.1百万円」となっていた(甲30の1)。そこで,このように差異が生じた原因を分析するために,a社に帰因する予想利益への影響額を算出することとした。 (イ) a社に帰因する影響額① 製品群別の出荷量変動製品群別出荷量の変動によって予想利益が99.0百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲30の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動製品群内構成の って予想利益が99.0百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲30の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動製品群内構成の変動によって予想利益が18.1百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲30の1赤枠内「差異分析結果」の「2」)。 ③ a社によるCR活動a社のCR活動によって予想利益が4.7百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲30の4,甲30の1赤枠内「差異分析結果」の「3」)④ 仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかった影響当期においては,暫定単価と仮単価が同一金額であったため,仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかったことによる影響額は発生しなかった。 (ウ) 小括以上,①~③というa社に帰因する影響額を合計すると,a社に帰因する影響額=99.0百万円+18.1百万円+4.7百万円=121. 8百万円となった。したがって,「計画上の予想利益」と「期末における予想利益」との間に,「181.0百万円」から「280.1百万円」と,99.1百万円の差異が生じたのは,a社に帰因して121.8百万円の増加影響が出るとともに,原告に帰因して22.7百万円の減少影響が生じたためであると分析された。 ウ取引価格の決定前記イのとおり,当期の計画上の予想利益と,当期の期末の予想利益との間の差異を分析したところ,a社に帰因して121.8百万円の増加影響が出たこと及び原告に帰因して22.7百万円の減少影響が出たことが判明した。それゆえ,当期の取引価格の決定に当たっては,この原告により-22.7百万円という影響が出たという事実を考 百万円の増加影響が出たこと及び原告に帰因して22.7百万円の減少影響が出たことが判明した。それゆえ,当期の取引価格の決定に当たっては,この原告により-22.7百万円という影響が出たという事実を考慮する必要が生じた。 一方,予算計画策定時に原告利益として想定されていた,量産再開費用181百万円相当額については,当期中でのMS外壁量産再開が実行されなかったため,結局,当期の原告利益として見る必要がなくなった。 また,当期に判明した最終的な平成15年3月期上期の実績値を見たところ,「取引価格合計=総コスト+50百万円」となっており,平成15年3月期上期の期末に「取引価格合計=総コスト+0円」と決定したにもかかわらず,50百万円の利益増額影響が出ていることが判明した。そのため,かかる事実も当期の取引価格の決定に当たって考慮する必要が生じた。 こうして,以上の三つの事実を考慮して,当期の取引価格は,決定取引価格合計=総コスト+(-30百万円)=実績見込変動費+実績見込固定費+実績見込在庫増減+(-30百万円)=2312.4百万円+1567.1百万円+(-0.3百万円)+(-30百万円)=3849.2百万円と決定された。 そして決定価格が決まったことから,「実績見込仮払価格合計=4159.3百万円」と「決定価格合計=3849.2百万円」との差額310百万円が調整金額となった(乙1の7,甲30の1青枠内「取引価格の決定」)。 第2 平成16年3月期(平成15年4月1日~平成16年3月31日) 1 平成16年3月期上期(平成15年4月1日~平成15年9月30日)(1) 仮単価の設定平成15年3月31日時点の期初仮計画では,出荷量=919.5千㎡,変動費合計=2143.7百万円,固定費合 年3月期上期(平成15年4月1日~平成15年9月30日)(1) 仮単価の設定平成15年3月31日時点の期初仮計画では,出荷量=919.5千㎡,変動費合計=2143.7百万円,固定費合計=1544.0百万円,在庫増減=-14.4百万円,仮払い予定額=3658.2百万円となっていた(甲31の1の「Ⅰ」列)。 そして,この取引価格に従った仮係数は,タイル系以外外壁(=タイル系 とMS外壁以外の外壁)が「1.000」,タイル系外壁が「1.000」,MS外壁が「2.100」となっており(乙1の6),そのため,平成15年4月1日から始まる当期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の有償支給価格×2.100」となった(甲31の1紫枠内の「1」)。 (2) 当期予算計画の策定平成16年3月期上期の予算計画は,平成15年4月25日のコスト検討会の後で策定され,計画出荷量=919.5千㎡,変動費合計の計画値=2143.5百万円,固定費合計の計画値=1544.0百万円,在庫増減の計画値=-14.4百万円,暫定取引価格の合計額=3658.2百万円,計画上の予想利益=-15.1百万円とされた(甲31の1の「Ⅱ」列)。 (3) 取引価格の決定ア実績見込値の算出平成15年9月30日に,平成16年3月期上期における実績見込値を算出したところ,実績見込出荷量=1104.7千㎡,実績見込変動費合計=2595.7百万円,実績見込固定費合計=1577.5百万円,実績見込在庫増減= -69.0百万円,実績見込仮払価格の合計=4470.1百万円,期末における予想利益=365.9百万円となった(甲3 595.7百万円,実績見込固定費合計=1577.5百万円,実績見込在庫増減= -69.0百万円,実績見込仮払価格の合計=4470.1百万円,期末における予想利益=365.9百万円となった(甲31の1「Ⅲ」列)。 イ差異分析(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「-15.1百万円」であったのに対し,期末の予想利益は「365.9百万円」となっていた(甲31の1)。そこで,このように差異が生じた原因を分析するために,a社に帰因する予想利益への影響額を算出することとした。 (イ) a社に帰因する影響額① 製品群別の出荷量変動製品群別出荷量の変動によって,予想利益が333.3百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲31の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動予算計画確定時に想定していた製品構成よりも,利益率の悪い外壁が出荷されることになったため,予想利益が8.3百万円減少する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲83・13頁で訂正後の甲31の1赤枠内「差異分析結果」の「2」)。 ③ a社によるCR活動a社のCR活動によって,予想利益が13.2百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲31の2,甲31の1赤枠内「差異分析結果」の「3」)。 ④ 仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかった影響当期においては,暫定単価も仮単価も同一金額であったため,かかる影響額は発生しなかった。 (ウ) 小括以上,①~③というa社に帰因する影響額を合計すると,a社に帰因する影響額=333.3百万円+(-8.3百万円)+13.2百万円=338. 額は発生しなかった。 (ウ) 小括以上,①~③というa社に帰因する影響額を合計すると,a社に帰因する影響額=333.3百万円+(-8.3百万円)+13.2百万円=338.2百万円となる。したがって,「計画上の予想利益」と「期末における予想利益」との間に,「-15.1百万円」から「365. 9百万円」と,381.0百万円の差異が生じたのは,a社に帰因して338.2百万円の増加影響が出るとともに,原告に帰因して42.8百万円の増加影響が生じたためであると分析された。(甲83の13頁で訂正後の甲31の1赤枠内「差異分析結果」の「5」) ウ取引価格の決定前記イのとおり,当期の計画上の予想利益と当期の期末の予想利益との間の差異を分析したところ,a社に帰因して338.2百万円の増加影響が出たこと及び原告に帰因して42.8百万円の増加影響が出たことが判明したため,当期の取引価格の決定に当たっては,この原告により42. 8百万円の増加影響が出たという事実を考慮する必要が生じた。 また,当期終盤の平成15年8月に,四半期会計制度対応への移行措置として,平成16年3月期下期以降の価格決定方式を中間決定方式に変更することが決定されたため,当期の取引価格決定に当たっては,別途80百万円程度を織り込むことが必要かつ合理的と判断された。 この80百万円程度を別途織り込むのが必要かつ合理的と判断されたのは,次のような理由によるものであった。すなわち,それまで中間決定方式を採用したことがなかったa社グループにおいては,導入を決めた平成15年8月当時,中間時点以降の出荷量に関するa社グループの見込精度が,果たして高いのか低いのか,不明な状態であった。そのため,中間時点で価格を固定する中間決定方式は,中間時点以降におけ 決めた平成15年8月当時,中間時点以降の出荷量に関するa社グループの見込精度が,果たして高いのか低いのか,不明な状態であった。そのため,中間時点で価格を固定する中間決定方式は,中間時点以降における出荷量減少のリスクを,原告に負わせる恐れを有していた。しかし,出荷量の増減は,専らa社の販促活動によっているものであることからすれば,本来,出荷量の減少リスクは,a社が負わなければならない。それゆえ,中間決定方式を導入するに当たっては,極力,原告がかかる出荷量減少リスクを負う危険を除去する必要があった。このような事情から,いったん,出荷量減少リスクを回避するために必要かつ十分な金額を当期の取引価格に織り込み,平成16年3月期下期の価格決定時に「出荷量減少リスクはない」と判断した場合に,その織り込んだ金額をa社に返還するという方法を採るのが,必要かつ合理的と判断した。そして,この出荷量減少リスクを回避するために必要かつ十分な金額は,過去のデータに鑑み80百万円程度 と判断した(過去のデータ上,6ヶ月間で最大落ち込んだ出荷量は-110千㎡であることから,中間時点以降の出荷量減少リスクとしては,最大で-50千㎡程度を見ておけば十分であった。そして,平成15年9月30日時点での1㎡あたりの平均限界利益が1672円で,どの期も概ね1㎡あたりの平均限界利益は1500円から1700円程度であったため,1600円/㎡×50千㎡=80百万円程度を見ておけば必要かつ十分と判断した。)。 以上のとおり,当期の取引価格を決定するに当たっては,原告帰因の影響額である42.8百万円の増加影響を考慮する必要があったこと,また,中間決定方式導入のために別途80百万円程度を当期の取引価格に織り込むことが必要かつ合理的であったことから,原告の利益は42.8百万 である42.8百万円の増加影響を考慮する必要があったこと,また,中間決定方式導入のために別途80百万円程度を当期の取引価格に織り込むことが必要かつ合理的であったことから,原告の利益は42.8百万円+80百万円=122.8百万円となるが,ここから若干の調整を行い,最終的な原告の利益は115百万円とすることにした。以上の事情に鑑み,当期の取引価格は,決定取引価格合計=総コスト+115百万円=実績見込変動費+実績見込固定費+実績見込在庫増減+115百万円=2595.7百万円+1577.5百万円+(-69.0百万円)+115百万円=4219.2百万円となった。 そして決定価格が決まったことから,「実績見込仮払価格合計=4470.1百万円」と「決定価格合計=4219.2百万円」との差額251百万円が調整金額となった(乙1の10,甲83の13頁及び14頁による訂正後の甲31の1青枠内「取引価格の決定」)。 2 平成16年3月期下期(平成15年10月1日~平成16年3月31日)(1) 仮単価の設定平成15年9月30日時点の期初仮計画では,出荷量=987.0千㎡,変動費合計=2423.7百万円,固定費合計=1555.1百万円,在庫増減=0円,仮払い予定額=4074.5百万円となっていた(甲32の1 の「Ⅰ」列)。 そして,この取引価格に従った仮係数は,タイル系以外外壁(=タイル系とMS外壁以外の外壁)が「1.000」,タイル系外壁が「1.000」,MS外壁が「2.100」となっており(乙1の9),そのため,平成15年10月1日から始まる当期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の 年10月1日から始まる当期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の有償支給価格×2.100」となった(甲32の1紫枠内の「1」)。 (2) 当期予算計画の策定平成15年10月24日のコスト検討会の後で,平成16年3月期下期の予算計画が策定され,計画出荷量=987.0千㎡,変動費合計の計画値=2423.7百万円,固定費合計の計画値=1555.1百万円,在庫増減の計画値=0円,暫定取引価格の合計額=3978.5百万円,計画上の予想利益=0百万円となった(乙1の11,甲32の1の「Ⅱ」列。なお,表上は-0.3百万円となっているが,1円単位で計算した数値を百万円単位の表に転記すると生じる端数誤差である。)。 なお,原告では,事務処理の煩雑さを避けるため,「仮単価」から「暫定単価」という変更を行わず,(1)の仮単価として設定した金額で,平成16年3月期下期の仮払いを行った(甲32の1紫枠内の「2」)。 (3) 取引価格の決定ア中間見込値の算出当期から,価格決定方式が中間確定方式に変更されたため,実績見込値の算出は,中間時点で行われることとなった。 そして,平成16年1月20日に当期の中間見込値を算出したところ,中間見込出荷量=1040.4千㎡,中間見込変動費合計=2553.5百万円,中間見込固定費合計=1536.2百万円,中間見込在庫増減= -17.7百万円,中間見込仮払価格合計=4352.7百万円,中間時点の予想利益=280.6百万円となった。 イ差異分析(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「0円」であったのに対し,中間の 仮払価格合計=4352.7百万円,中間時点の予想利益=280.6百万円となった。 イ差異分析(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「0円」であったのに対し,中間の予想利益は「280.6百万円」となっていた(甲32の1)。そこで,このように差異が生じた原因を分析するために,a社に帰因する予想利益への影響額を算出することとした。 (イ) a社に帰因する影響額① 製品群別の出荷量変動製品群別出荷量の変動によって予想利益が117.0百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲32の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動予算計画確定時に想定していた製品構成よりも利益率の良い外壁が出荷されたため,予想利益が6.3百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲32の1赤枠内「差異分析結果」の「2」)。 ③ a社によるCR活動a社のCR活動によって,予想利益が10.0百万円増加する見込みとなり,a社に帰因する影響額であると分析された(甲32の1赤枠内「差異分析結果」の「3」)④ 仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかった影響暫定単価に変更しなかったことによって予想利益が102.6百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲32の1赤枠内「差異分析結果」の「4」)。 (ウ) 小括以上,①~④というa社に帰因する影響額を合計すると,a社に帰因する影響額=117.0百万円+6.3百万円+10.0百万円+102.6百万円=235.9百万円となる。したがって,「計画上の予想利益」と「中間時点における予想利益」との間に,「0円」から「2 帰因する影響額=117.0百万円+6.3百万円+10.0百万円+102.6百万円=235.9百万円となる。したがって,「計画上の予想利益」と「中間時点における予想利益」との間に,「0円」から「280.6百万円」と,280.6百万円の差異が生じたのは,a社に帰因して235.9百万円の増加影響が生じるとともに,原告に帰因して44.7百万円の増加影響が生じたためであると分析された。 ウ取引価格の決定前記イのとおり,当期の計画上の予想利益と当期の中間の予想利益との間の差異を分析したところ,a社に帰因して235.9百万円の増加影響が出たこと及び原告に帰因して44.7百万円の増加影響が出たことが判明したため,当期の取引価格の決定に当たっては,原告に帰因して44. 7百万円の増加影響が出たという事実を考慮する必要が生じた。 また,当期前半の出荷量実績を見たところ,期初予測より多くなっており,その上,1月の受注状況も,期初予測より多くなっていた。そのため,当期の中間時点以降における出荷量減少リスクは,ほぼないに等しいとの判断に至り,このことを取引価格に反映する必要が生じた。すなわち,平成16年3月期上期の取引価格に織り込んだ,当期の出荷量減少リスク回避分80百万円を,本来この80百万円が帰属するべきa社に返還することが合理的となったため,このことを取引価格に反映する必要が生じた。 さらに,当期の中間時点で見込んだ出荷量は,通常予想される量よりも少なめに見込んだ数値であり,現実には最終的な出荷量がもう少し多くなることが予想されたことも考慮して,取引価格を決定する必要があった。 以上の事情を考慮して,当期の取引価格は,決定取引価格合計=総コスト+〔10百万円+(-80百万円)〕=中間見込変動費+中間見込固定 費+中間見 考慮して,取引価格を決定する必要があった。 以上の事情を考慮して,当期の取引価格は,決定取引価格合計=総コスト+〔10百万円+(-80百万円)〕=中間見込変動費+中間見込固定 費+中間見込在庫増減+(-70百万円)=2553.5百万円+1536.2百万円+(-17.7百万円)+(-70百万円)=4002百万円と決定された。 そして決定価格が決まったことから,「中間見込仮払価格合計=4352.7百万円」と「決定価格合計=4002百万円」との差額350百万円が調整金額となった(乙1の12,甲32の1青枠内「取引価格の決定」)。 第3 平成17年3月期(平成16年4月1日~平成17年3月31日) 1 平成17年3月期上期(平成16年4月1日~平成16年9月30日)(1) 仮単価の設定平成16年3月30日時点の期初仮計画では,出荷量=1042.6千㎡,変動費合計=2664.4百万円,固定費合計=1484.7百万円,在庫増減=0円,仮払い予定額=4363.2百万円となっていた(甲33の1の「Ⅰ」列)。 そして,この取引価格に従った仮係数は,タイル系以外外壁(=タイル系とMS外壁以外の外壁)が「1.000」,タイル系外壁が「1.000」,MS外壁が「2.100」となっており,そのため,平成16年4月1日から始まる当期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の有償支給価格×2.100」となった(甲33の1紫枠内の「1」)。 (2) 当期予算計画の策定当期の予算計画は,平成16年4月1日に,計画出荷量=1042.6千㎡,変動費合計の計画値=2664.4百万円,固定費合計の計画値=14 33の1紫枠内の「1」)。 (2) 当期予算計画の策定当期の予算計画は,平成16年4月1日に,計画出荷量=1042.6千㎡,変動費合計の計画値=2664.4百万円,固定費合計の計画値=1484.7百万円,在庫増減の計画値=0円,暫定取引価格の合計額=4149.2百万円,計画上の予想利益=0百万円との内容で策定された(乙1の15,甲33の1の「Ⅱ」列)。 なお,原告では,事務処理の煩雑さを避けるため,「仮単価」から「暫定単価」への変更を行わず,(1)の仮単価として設定した金額で,平成17年3月期上期の仮払いを行った(甲33の1紫枠内の「2」)。 (3) 取引価格の決定ア中間見込値の算出平成16年6月末に当期の中間見込値を算出したところ,中間見込出荷量=1144.5千㎡,中間見込変動費合計=3060.5百万円,中間見込固定費合計=1486.6百万円,中間見込在庫増減=-59.2百万円,中間見込仮払価格合計=4863.2百万円,中間時点の予想利益=375.3百万円となった。 イ差異分析(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「0円」であったのに対し,中間の予想利益は「375.3百万円」となったことから(甲33の1),このように差異が生じた原因を分析するために,a社に帰因する予想利益への影響額を算出した。 (イ) a社に帰因する影響額① 製品群別の出荷量変動製品群別出荷量の変動によって,予想利益が153.6百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲33の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動予算計画確定時に想定していた製品構成よりも利益率の良い外壁が出荷されることになったため,予想利益が 甲33の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動予算計画確定時に想定していた製品構成よりも利益率の良い外壁が出荷されることになったため,予想利益が11.0百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲33の1赤枠内「差異分析結果」の「2」)。 ③ a社によるCR活動a社のCR活動は,予算計画通りの達成見込となったため,予想利益を増加させる影響は生じなかった(甲33の1赤枠内「差異分析結果」の「3」,甲33の2)。 ④ 仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかった影響仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかったことによって,予想利益が236.1百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲33の1赤枠内「差異分析結果」の「4」)。 (ウ) 小括以上,①②④というa社に帰因する影響額を合計すると,a社に帰因する影響額=153.6百万円+11.0百万円+236.1百万円=400.7百万円となる。したがって,「計画上の予想利益」と「中間時点における予想利益」との間に,「0円」から「375.3百万円」と,375.3百万円の差異が生じたのは,a社に帰因して400.7百万円の増加影響が出るとともに,原告に帰因して25.4百万円の減少影響が生じたためであると分析された。(甲33の1赤枠内「差異分析結果」の「5」)ウ取引価格の決定前記イのとおり,当期の計画上の予想利益と,当期の中間の予想利益との間の差異を分析したところ,a社に帰因して400.7百万円の増加影響が出たこと及び原告に帰因して25.4百万円の減少影響が出たことが判明したため,当期の取引価格の決 利益と,当期の中間の予想利益との間の差異を分析したところ,a社に帰因して400.7百万円の増加影響が出たこと及び原告に帰因して25.4百万円の減少影響が出たことが判明したため,当期の取引価格の決定にあたっては,原告に帰因して25. 4百万円の減少影響が出たという事実を考慮する必要が生じた。 また,当期前半における出荷量実績値の動向からすると,当期後半の出荷量も期初予測より大幅に多くなることが予想されたものの,中間決定方式を採用してまだ2期目と日が浅く,果たして期初に予測された下期前後 の時期(=9月辺り)から出荷量が落ち込み始めるという予測を完全に排除して良いか不明であったため,当期の取引価格を決定するに当たっては,下振れリスクを考慮しておくのが合理的である,という事情も存在した。 そこで,以上のような事情を考慮して,当期の取引価格は,決定取引価格合計=総コスト+25百万円〔=(-25.4百万円)+50百万円(下振れリスクヘッジ分)〕=中間見込変動費+中間見込固定費+中間見込在庫増減+25百万円=3060.5百万円+1486.6百万円+(-59.2百万円)+25百万円=4512.9百万円となった。 そして決定価格が決まったことから,「中間見込仮払価格合計=4863.2百万円」と「決定価格合計=4512.9百万円」との差額350百万円が調整金額となった(甲33の1青枠内「取引価格の決定」)。 2 平成17年3月期下期(平成16年10月1日~平成17年3月31日)(1) 仮単価の設定平成16年9月30日時点の期初仮計画では,出荷量=1148.0千㎡,変動費合計=3260.0百万円,固定費合計=1565.4百万円,在庫増減=-19.8百万円,仮払い予定額=5017.8百万円となっていた(甲34の1の「Ⅰ」列) 画では,出荷量=1148.0千㎡,変動費合計=3260.0百万円,固定費合計=1565.4百万円,在庫増減=-19.8百万円,仮払い予定額=5017.8百万円となっていた(甲34の1の「Ⅰ」列)。 そして,この取引価格に従った仮係数は,タイル系以外外壁(=タイル系とMS外壁以外の外壁)が「1.000」,タイル系外壁が「1.000」,MS外壁が「2.100」となっており,そのため,平成16年10月1日から始まる当期の仮払い価格は,タイル系以外外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,タイル系外壁については「各品番の有償支給価格×1.000」,MS系外壁については「各品番の有償支給価格×2.100」となった(甲34の1紫枠内の「1」)。 (2) 当期予算計画の策定ア当期予算計画の策定 当期の予算計画は,平成16年10月28日に,計画出荷量=1148. 0千㎡,変動費合計の計画値=3254.0百万円,固定費合計の計画値=1565.4百万円,在庫増減の計画値=-19.8百万円,暫定取引価格の合計額=4738.3百万円,計画上の予想利益=-60百万円との内容で策定された(乙1の17,甲34号証の1の「Ⅱ」列)。 なお,原告では,事務処理の煩雑さを避けるため,「仮単価」から「暫定単価」への変更を行わず,(1)の仮単価として設定した金額で,平成17年3月期下期の仮払いを行った(甲34の1紫枠内の「2」)。 イ計画上の予想利益が-60百万円となっている理由平成17年3月期上期の中間時点で見込んだ出荷量より,平成17年3月期上期の実績出荷量は「55.0千㎡」も増加した量となった(甲33の1)。そして,この想定外の大幅出荷増により,本来原告に帰属するはずのない約60百万円の想定外の利 込んだ出荷量より,平成17年3月期上期の実績出荷量は「55.0千㎡」も増加した量となった(甲33の1)。そして,この想定外の大幅出荷増により,本来原告に帰属するはずのない約60百万円の想定外の利益が不当に原告に留保されることとなった。 そこで,かかる不当留保状況を解消するために,当期の計画上の予想利益を「-60百万円」とした(甲34の2紫枠内「2」)。 (3) 取引価格の決定ア中間見込値の算出平成17年1月25日に,当期の中間見込値を算出したところ,中間見込出荷量=1155.9千㎡,中間見込変動費合計=3288.9百万円,中間見込固定費合計=1558.2百万円,中間見込在庫増減=-30. 6百万円,中間見込仮払価格合計=5072.4百万円,中間時の予想利益=255.8百万円となった。 イ差異分析(ア) 差異の発生計画上の予想利益は「-60.0百万円」であったのに対し,中間の予想利益は「255.8百万円」となっていたことから(甲34の1), このように差異が生じた原因を分析するために,a社に帰因する予想利益への影響額を算出した。 (イ) a社に帰因する影響額① 製品群別の出荷量変動製品群別出荷量の変動によって,予想利益が9.4百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲34の1赤枠内「差異分析結果」の「1」)。 ② 製品群内構成の変動予算計画確定時に想定していた製品構成よりも利益率の良い外壁が出荷されることになったため,予想利益が7.7百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲34の1赤枠内「差異分析結果」の「2」)。 ③ a社によるCR活動a社のCR活動によ なったため,予想利益が7.7百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲34の1赤枠内「差異分析結果」の「2」)。 ③ a社によるCR活動a社のCR活動によって,予想利益を10百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲34の1赤枠内「差異分析結果」の「3」)。 ④ 仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかった影響仮払い価格を仮単価から暫定単価に変更しなかったことによって,予想利益を285.6百万円増加する影響が生じ,a社に帰因する影響額であると分析された(甲34の1赤枠内「差異分析結果」の「4」)。 (ウ) 小括以上,①~④というa社に帰因する影響額を合計すると,a社に帰因する影響額=9.4百万円+7.7百万円+10百万円+285.6百万円=312.7百万円となる。したがって,「計画上の予想利益」と「中間時点における予想利益」との間に,「-60.0百万円」から「255.8百万円」という315.8百万円の差異が生じたのは,専らa 社に帰因すると分析された。なお,a社帰因の影響額315.8百万円と,差異金額312.7百万円との間に3.1百万円の差が生じているが,1円単位で集計・計算した数値を,百万円単位の表に転記する際,±5百万円程度の誤差が出てしまうことに鑑み,かかる差は,この転記作業による誤差と判断された(甲34の1赤枠内「差異分析結果」の「5」)。 ウ取引価格の決定前記イのとおり,計画上の予想利益と期末の予想利益との間に差異が生じた原因は,全てa社に帰因するものであった。また,当期においては,平成17年3月期上期において,結果的に合理的理由なく原告に留保されることとなった60百万円を,a社に返還しなくては の間に差異が生じた原因は,全てa社に帰因するものであった。また,当期においては,平成17年3月期上期において,結果的に合理的理由なく原告に留保されることとなった60百万円を,a社に返還しなくてはならないという事情も存在した。 それゆえ,当期の取引価格は,決定価格合計=総コスト+(-60百万円)=中間見込変動費+中間見込固定費+中間見込在庫増減+(-60百万円)=3288.9百万円+1588.2百万円+(-30.6百万円)+(-60百万円)=4756.5百万円と決定された。 そして決定価格が決まったことから,「中間見込仮払価格合計=5072.4百万円」と「決定価格合計=4756.5百万円」との差額316百万円が調整金額となった(乙1の18,甲34の1青枠内「取引価格の決定」)。 以上

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