平成13(行ウ)82 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
平成18年3月15日 大阪地方裁判所 棄却
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判決文本文139,590 文字)

主文 原告らの請求を棄却する。 訴訟費用は,原告らの負担とする。 事実 及び理由第1請求被告らは,大阪市に対し,連帯して3199万2000円及びこれに対する平成13年7月6日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,大阪市の住民である原告らが,大阪市が2008年(平成20年)に開催される第29回オリンピック競技大会(以下「2008年オリンピック」という。)の開催都市として立候補し,招致活動を行う中で,平成12年9月15日から同年10月1日にかけてシドニーで行われた第27回オリンピック競技大会(以下「シドニーオリンピック」という。)に合わせて,当時大阪市の市長であった被告B1を始め被告1ないし被告19の合計19人の大阪市の職員(以下,これらの被告を「被告出張職員ら」という。)をシドニーに出張させた(以下,この出張を「本件出張」という。)ことについて,公務の必要性がないにもかかわらず多人数を出張させた上,被告東急観光,被告近畿日本ツーリスト及び被告ジェイティービー(以下,これらの被告を「被告業者ら」という。)と談合して宿泊料が異常に高額なホテルに宿泊させるなどし,これらの旅費(宿泊料)及び事業経費として違法に公金を支出し,大阪市に合計3199万2000円相当の損害を与えたなどと主張して,地方自治法(平成14年法律第4号による改正前のもの。以下同じ。)242条の2第1項4号に基づき,大阪市に代位して,被告らに対し,上記損害の賠償として連帯して大阪市に3199万2000円及びこれに対する平成13年7月6日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 前提となる事実等(当事者間に争いのない事実を含む。)(1)当事者ア原告ら原告らは,い 3年7月6日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である。 前提となる事実等(当事者間に争いのない事実を含む。)(1)当事者ア原告ら原告らは,いずれも大阪市の住民である。 (弁論の全趣旨)イ被告1ないし被告26被告1ないし被告26は,本件出張当時,いずれも大阪市の職員であった者であり,その具体的な役職は,以下のとおりである。 (ア)被告B1(被告1)被告B1は,本件出張当時,大阪市長及び財団法人大阪オリンピック招致委員会(以下「招致委員会」という。)の会長として2008年オリンピックの立候補都市である大阪市を代表していた者であり,また,大阪市オリンピック招致推進本部(以下「招致推進本部」という。)の本部長として,招致活動全般を統括していた者である。 (弁論の全趣旨)(イ)被告B2(被告2)被告B2は,本件出張当時,大阪市助役として,また,招致委員会理事及び招致推進本部副本部長として,被告B1を補佐していた者である。 (弁論の全趣旨)(ウ)被告B3(被告3)被告B3は,本件出張当時,市長室秘書部国際交流課長代理として,海外出張や賓客接遇の際の通訳や翻訳業務等に従事していた者である。 (乙A20号証)(エ)被告B4(被告4)被告B4は,本件出張当時を含む平成10年4月から平成13年3月までの間,オリンピック招致局長として,大阪市内部においてはオリン ピック招致局(以下「招致局」という。)の業務を統括し,外部に対しては招致局を代表していた者である。 (乙A25号証)(オ)被告B5(被告5)被告B5は,平成10年4月から平成14年1月までの間,招致局理事の職にあり,本件出張当時,東京駐在担当理事として,国際スポーツ競技大会の開催を所管し,文部省(当時。以下同じ。),外 B5(被告5)被告B5は,平成10年4月から平成14年1月までの間,招致局理事の職にあり,本件出張当時,東京駐在担当理事として,国際スポーツ競技大会の開催を所管し,文部省(当時。以下同じ。),外務省,財団法人日本オリンピック委員会(以下「JOC」という。)等との間の折衝及び連絡調整,各種オリンピック招致関連の行事等の開催を通じた首都圏での招致気運の醸成等の職務に従事していた者である。 (乙A26号証)(カ)被告B6(被告6)被告B6は,本件出張当時を含む平成11年4月から平成13年3月までの間,招致局招致推進部長として,招致局長(被告B4)を補佐し,招致推進部の業務を統括する立場にあり,2008年オリンピックの正式立候補都市の大会開催計画書(いわゆる立候補ファイル。以下「立候補ファイル」という。)の策定を中心とする職務に従事していた者である。 (乙A27号証)(キ)被告B7(被告7)被告B7は,平成10年4月から平成13年9月までの間,招致局招致推進部計画課長の職にあり,本件出張当時,立候補ファイルを策定する事務の責任者であった者である。 (乙A18号証)(ク)被告B8(被告8)被告B8は,平成7年4月に市長室オリンピック招致推進部計画課主 査に任じられ,平成10年4月に招致局が設置されたことに伴い招致局招致推進部計画課長代理に任じられ,平成13年4月に同部企画主幹に任じられた者であり,本件出張当時,招致局招致推進部計画課長代理として,立候補ファイルのうち陸上,ボート,カヌー,自転車競技,馬術競技,サッカー,体操,ホッケー,水泳,近代五種,ソフトボール,テニス,射撃,アーチェリー,トライアスロン及びヨットの16競技に係る会場計画の策定を担当していた。 (乙A23号証)(ケ)被告B9(被告9)被告B9は,平成9 ,水泳,近代五種,ソフトボール,テニス,射撃,アーチェリー,トライアスロン及びヨットの16競技に係る会場計画の策定を担当していた。 (乙A23号証)(ケ)被告B9(被告9)被告B9は,平成9年12月に市長室オリンピック招致推進部企画主幹に任じられ,平成10年4月に招致局が設置されたことに伴い招致局招致推進部企画主幹に任じられ,平成13年4月に同部連絡調整課長に任じられた者であり,本件主張当時,招致局招致推進部企画主幹として,立候補ファイルのうちバトミントン,野球,バスケットボール,ボクシング,フェンシング,体操,ウエイトリフティング,ハンドボール,柔道,レスリング,テコンドー,卓球及びバレーボールの13競技の会場計画並びに輸送,宿泊,セキュリティ,医療及び情報通信に係る計画の策定を担当していた。 (乙A19号証)(コ)被告B10(被告10)被告B10は,平成11年4月から平成14年1月までの間,招致局招致推進部連絡調整課主査に任じられ,招致局の庶務担当主査として,文部省や外務省等の国の関係機関,招致委員会等の多くの関係団体等との連絡調整等を含めた庶務全般に携わっていた者であり,本件出張当時は,対外的には,文部省や外務省等の中央省庁やJOC,招致委員会その他の関係団体との連絡調整を担当し,庁内的には,オリンピック招致 関連に係る市長,助役の日程調整や各所属との連絡調整,招致局職員の人事管理,労務管理,福利厚生関係を担当していた。 (乙A28号証)(サ)被告B11(被告11)被告B11は,平成11年4月に招致局招致推進部計画課主査に任じられ,本件出張当時,立候補ファイルのうちスポンサーの権利保護,医療保健サービス,セキュリティ等に関する計画の策定を担当していた。 (乙A21号証)(シ)被告B12(被告12)被告B1 査に任じられ,本件出張当時,立候補ファイルのうちスポンサーの権利保護,医療保健サービス,セキュリティ等に関する計画の策定を担当していた。 (乙A21号証)(シ)被告B12(被告12)被告B12は,平成8年4月に市長室オリンピック招致推進部計画課主査に任じられ,平成10年4月に招致局が設置されたことに伴い招致局招致推進部計画課主査に任じられた者であり,本件主張当時,立候補ファイルのうちバレーボール,柔道,フェンシングといった室内系競技に関する計画,メディア,情報通信に関する計画の策定を担当していた。 (乙A29号証)(ス)被告B13(被告13)被告B13は,平成11年4月に招致局招致推進部計画課主査に任じられた者であり,本件主張当時,立候補ファイルのうち輸送・宿泊,環境影響評価に関する計画の策定を担当していた。 (乙A22号証)(セ)被告B14(被告14)被告B14は,平成11年4月に招致局招致推進部計画課主査に任じられた者であり,本件主張当時,立候補ファイルのうちアーチェリー,カヌー,ホッケー,近代五種,ボート,水泳,テニス,トライアスロンの8競技の会場計画並びに大会日程及び競技経験に関する計画の策定を担当していた。 (乙A30号証)(ソ)被告B15(被告15)被告B15は,ユニバーシアード神戸大会(昭和60年),福岡大会(平成7年)及び広島で開催されたアジア大会(平成6年)の招致に携わり,本件出張当時アジア陸上競技協会名誉会長,日本陸上競技連盟名誉副会長の各職に就いていた者であり,豊富な知識及び経験を生かして招致活動に大所高所から助言をし,また,国際スポーツ界における人脈を活用して2008年オリンピックの大阪招致を海外のスポーツ関係者にアピールする等のため,平成7年5月1日から平成13年7月31日までの間, に大所高所から助言をし,また,国際スポーツ界における人脈を活用して2008年オリンピックの大阪招致を海外のスポーツ関係者にアピールする等のため,平成7年5月1日から平成13年7月31日までの間,大阪市顧問の委嘱を受けていた者であって,主として東京で勤務し,JOCとの調整やスポーツ関係者との意見交換を通じて国内外の情報を収集し,これを分析して,大阪市の行う招致活動につき助言を行っていた。 (乙A1号証,35号証)(タ)被告B16(被告16)被告B16は,本件出張当時,建設局花と緑の推進本部施設整備部長として,スポーツ施設の建設に係る調査,企画及び連絡調整等及び公園施設の建設を所管するとともに,スタジアム・プール施設構想委員会の構成員として,オリンピックスタジアムやオリンピックプールなどの施設整備の具体的な検討事務を行っていた者である。 (乙A9号証の3)(チ)被告B17(被告17)被告B17は,本件出張当時を含む平成10年4月から平成13年3月までの間,建設局花と緑の推進本部施設整備部技術主幹(大規模スポーツ施設整備担当)に任じられ,招致推進本部競技施設整備部会の部員として,2008年オリンピックが大阪で開催された際の競技会場とな る新設のオリンピックスタジアム及びオリンピックプール並びに既存スポーツ施設の整備計画作成の任に当たっていた者である。 (乙A24号証)(ツ)被告B18(被告18)被告B18は,本件出張当時,大阪市教育委員会事務局(以下「教育委員会事務局」という。)におけるスポーツ振興担当理事として,大阪市におけるスポーツの振興並びに国際スポーツ競技大会の招致及び開催に関する事務を所管していた者である。 (乙A6号証の2,31号証)(テ)被告B19(被告19)被告B19は,平成12年4月1日に教育委員会事 ポーツの振興並びに国際スポーツ競技大会の招致及び開催に関する事務を所管していた者である。 (乙A6号証の2,31号証)(テ)被告B19(被告19)被告B19は,平成12年4月1日に教育委員会事務局スポーツ部国際競技課長に任じられ,平成13年4月1日に職制改正に伴いゆとりとみどり振興局スポーツ部国際競技課長に任じられた者であり,本件出張当時,教育委員会事務局スポーツ部国際競技課長として,平成13年4月23日から同年5月6日まで開催された第46回世界卓球選手権大会(以下「本件卓球大会」という。)や同月19日から同月27日まで開催された第3回東アジア競技大会大阪大会(以下「本件東アジア競技大会」という。)の開催準備作業を担当していた。 (乙A31号証)(ト)被告B20(被告20)被告B20は,平成11年4月から平成13年3月まで招致局招致推進部連絡調整課長の職にあり,本件出張当時,招致局の文書,人事,予算,決算及び物品に関する事務,オリンピック招致に係る関係団体及び機関との連絡調整,オリンピック招致に係る広報及び市民運動に関する事務等を所管していた者である。 (乙A32号証) (ナ)被告B21(被告21)被告B21は,平成11年4月に招致局招致推進部連絡調整課長代理に任じられ,招致委員会を始めとする関係団体や関係機関との連絡,調整及び招致局の庶務事項を担当した連絡調整課長を補佐し,局全体の庶務的業務のとりまとめ等を行っていた者である。 (乙A34号証)(ニ)被告B22(被告22)被告B22は,本件出張当時,招致局招致推進部連絡調整課主査として,招致局の予算,決算,経費の執行,管財,市会,公聴等に関する事務を所管していた者である。 (弁論の全趣旨)(ヌ)被告B23(被告23)被告B23は,本件出張当時,教育長として, 整課主査として,招致局の予算,決算,経費の執行,管財,市会,公聴等に関する事務を所管していた者である。 (弁論の全趣旨)(ヌ)被告B23(被告23)被告B23は,本件出張当時,教育長として,また,招致推進本部の本部員として,スポーツ振興担当局の局長級の見地から,オリンピック招致のための施策を総合的かつ円滑に推進する職務に従事していた者である。 (弁論の全趣旨)(ネ)被告B24(被告24)被告B24は,本件出張当時,教育委員会事務局総務部庶務課長として,また,招致推進本部の教育委員会事務局における幹事として,本部員である被告B23の補佐をしていた者である。 (弁論の全趣旨)(ノ)被告B25(被告25)被告B25は,本件出張当時,大阪市助役として,また,招致推進本部の副本部長として,被告B1を補佐していた者である。 (弁論の全趣旨) (ハ)被告B26(被告26)被告B26は,本件出張当時,建設局長として,また,招致推進本部の本部員及びアクセス・輸送部の部会員として,オリンピック開催時における観客・選手等の競技施設への円滑な交通アクセスについての整備計画の策定等をしていた者である。 (弁論の全趣旨)(ヒ)被告B27(被告27)被告B27は,本件出張当時,建設局管理部庶務課長として,また,招致推進本部の幹事として,被告B26を補佐していた者である。 (弁論の全趣旨)ウ被告28ないし被告30被告東急観光(被告28),被告近畿日本ツーリスト(被告29)及び被告ジェイティービー(被告30)は,いずれも旅行代理店であり,本件出張に関し,大阪市との間で契約を締結して,宿泊先の手配等の業務を行った者である。 (2)2008年オリンピックの大阪市への招致活動に係る経緯ア平成4年ころ,オリンピックを大阪市に招致しようとの動き に関し,大阪市との間で契約を締結して,宿泊先の手配等の業務を行った者である。 (2)2008年オリンピックの大阪市への招致活動に係る経緯ア平成4年ころ,オリンピックを大阪市に招致しようとの動きが起こり,同年6月には大阪市の関係7局からなる大阪市オリンピック開催問題研究会が設置された。同研究会は,平成6年1月に報告をとりまとめ,2008年オリンピックを招致することを目標とする旨の報告をした。 大阪市会も,平成6年3月30日に全会一致でオリンピックの招致・開催に関する決議を行い,平成7年3月15日には,招致を目指す大会を2008年オリンピックとした,第29回オリンピック競技大会の大阪招致宣言を全会一致で決議した。 また,大阪府議会は,平成8年5月31日,全会一致で第29回オリンピック競技大会の大阪招致に関する決議を行ったほか,大阪市の近隣自治 体等もオリンピックの大阪招致に関する決議を行った。 (乙A1号証)イ大阪市は,平成6年4月1日,市長室に専任スタッフ(部長級)を設置し,オリンピック招致への本格的な取り組みを始めた。平成7年4月1日には,市長室にオリンピック招致推進部を設置し,また,同月19日には,市の各部局を挙げて横断的にオリンピックの招致に取り組む体制として市長を本部長とする全庁組織である大阪市オリンピック招致推進本部(招致推進本部)を設置した。 なお,オリンピック招致推進部は平成10年4月に市長室から独立してオリンピック招致局(招致局)となった。 (乙A1号証)ウ平成7年10月20日,2008年オリンピックの招致活動を推進するため,主として大阪市内の市民団体,経済団体,スポーツ団体,労働団体等の代表が一体となって,大阪オリンピック招致推進会議(以下「招致推進会議」という。)が設立され,招致推進会議は,大阪市と協力 するため,主として大阪市内の市民団体,経済団体,スポーツ団体,労働団体等の代表が一体となって,大阪オリンピック招致推進会議(以下「招致推進会議」という。)が設立され,招致推進会議は,大阪市と協力して,招致気運盛上げのための広報活動を展開した。 (乙A1号証)エオリンピック競技大会の立候補都市として国際オリンピック委員会(以下「IOC」という。)に立候補することができるのは,各国の国内オリンピック委員会につき1都市に限られることから,複数の都市が立候補を希望した場合,当該国内のオリンピック委員会が選考を行い,1都市に絞られることになる。 2008年オリンピックの立候補都市として,大阪市は,平成7年12月に立候補の意思表明を行い,平成8年9月にはJOCに立候補申請書を提出して正式に立候補した。一方,横浜市も立候補したため,両都市による争いとなったが,JOCは,平成9年8月13日,国内候補都市として 大阪市を選定した。 (乙A1号証)オ平成10年12月11日,2008年オリンピックを大阪市が招請することを了解する旨の閣議了解が行われた。 (乙A1号証)カ平成11年2月8日,招致推進会議の臨時総会が開催され,招致推進会議の解散が決定された。そして,同日,大阪オリンピック招致委員会の設立総会が開催され,会長には大阪市長である被告B1が選出された。 その後,大阪オリンピック招致委員会を財団法人化することとなり,大阪市とJOCが各5000万円ずつ合計1億円を出,同年11月8日,捐し文部大臣の設立許可を得て,財団法人大阪オリンピック招致委員会(招致委員会)が設立された。 招致委員会寄附行為によれば,招致委員会は,IOCが主催する2008年オリンピックの我が国への招致に係る活動を行うとともに,当該招致活動を通じたオリンピックムーブメ 会(招致委員会)が設立された。 招致委員会寄附行為によれば,招致委員会は,IOCが主催する2008年オリンピックの我が国への招致に係る活動を行うとともに,当該招致活動を通じたオリンピックムーブメントの普及及び啓発を図り,もって我が国におけるスポーツの振興を図ることを目的として,①IOCが主催する2008年オリンピックの我が国への招致活動を行うこと,②オリンピックムーブメントの普及及び啓発を行うこと,③①及び②のほか招致委員会の目的を達成するために必要な事業を行うこと,とされている。 (乙A1号証)キ平成10年11月,2002年オリンピック冬季大会(ソルトレークシティ)招致をめぐるIOC委員の不正疑惑が浮上したことから,IOCは,立候補手続や招致活動に関するルールを見直すこととなり,平成11年12月に開催されたIOC臨時総会において,技術的要件を満たす都市だけを正式立候補都市として承認するという正式立候補都市承認手続の導入,IOC委員及び候補都市の相互訪問の禁止等を内容とする新しいルールが 決定された。 (乙A1号証)ク1999年(平成11年)9月6日付けでIOCC会長から各国内オリンピック委員会あてに2008年オリンピックの開催都市選定手続を開始し,立候補申請は2000年(平成12年)2月1日よりも前に提出すべきことを通知するファックスが送付された。 JOCD会長は,C会長あてに,大阪市を日本の立候補都市として申請する形で,大阪市長(被告B1)の親書を添えて,平成12年1月25日,2008年オリンピックへの立候補申請書を提出した。なお,同オリンピックへの立候補申請は大阪市のほか9都市に及んだ。 (乙A1号証)ケ平成12年2月24日,IOC本部のあるスイスのローザンヌにおいて,立候補申請都市に対する説明会が開催され した。なお,同オリンピックへの立候補申請は大阪市のほか9都市に及んだ。 (乙A1号証)ケ平成12年2月24日,IOC本部のあるスイスのローザンヌにおいて,立候補申請都市に対する説明会が開催され,正式立候補承認手続の内容,日程及び立候補申請都市に適用されるルールが明らかにされた。このうち,正式立候補承認手続の日程は,IOCからの質問事項に対する回答書の提出期限が同年6月20日,IOC委員及び専門家による審査が同月21日から同年8月27日,正式立候補都市承認のためのIOC理事会が同月28日から同月29日とされていた。また,立候補申請都市に適用されるルールとして,国際的な招致活動,広報の禁止(インターネットによる情報提供を除く。),オリンピックミーティング(IOC,国際競技連盟,国内オリンピック委員会関係会議,国際競技大会等)への参加の禁止(IOC理事会の招待がある場合を除く。),海外でのイベントの企画及び参加の禁止,IOC委員との相互訪問の禁止(第三者による場合を含む。),IOC委員が他の目的で立候補申請都市を訪問する場合の関与の禁止,贈り物の授受の禁止等が示された。 (乙A1号証) コ正式立候補都市承認のための選考資料となる回答書の作成は招致局が担当し,作成された回答書は,平成12年6月19日,IOCに提出された。 IOC理事会は,同年8月28日,大阪市のほか,北京市,パリ市,トロント市及びイスタンブール市の5都市を正式立候補都市として承認した。 (乙A1号証)サ平成12年9月15日から同年10月1日にかけてオーストラリアのシドニーにおいてシドニーオリンピックが行われ,正式立候補都市として承認された大阪市ほか4市はIOCからシドニーオリンピックに招待された。 そして,シドニーオリンピック期間中の同年9月25日,シドニーにおい ーにおいてシドニーオリンピックが行われ,正式立候補都市として承認された大阪市ほか4市はIOCからシドニーオリンピックに招待された。 そして,シドニーオリンピック期間中の同年9月25日,シドニーにおいて,正式立候補都市に対するIOCの説明会が開催され,その際に候補都市用マニュアルが配布された。同マニュアルによれば,IOCへの立候補ファイルの提出期限は2001年(平成13年)1月17日とされ,同年2月中旬から同年4月中旬にかけてIOC評価委員会による候補都市訪問がされた後,IOC評価委員会からIOC理事会に報告がされ,同年7月13日にモスクワで開かれるIOC総会において開催都市が選出される運びとなっていた。また,同マニュアルにおいても,①新聞,雑誌,テレビを通じた情報発信,②IOCの承認によって各候補都市に平等に機会を与える国際会議,国際競技大会でのピーアール,③インターネットのホームページでのピーアールを除く自国外での活動の禁止,海外でのイベントの禁止,IOC委員との相互訪問の禁止(第三者による場合を含む。),IOC委員が他の目的で候補都市を訪問する場合の関与の禁止等の招致活動のルールが定められていた。 (乙A1号証,3号証の2)シ立候補ファイルは,招致局がその作成を担当し,平成13年1月16日,IOCに提出された。 立候補ファイルは,立候補都市の開催計画の全体像を明らかにし,その 開催能力を詳細かつ客観的に分析することを目的としたものであり,候補都市用マニュアルに示された18テーマ149項目(延べ522問)の質問にそって作成された。18テーマの内容は,以下のとおりである。 テーマ1国,地域及び候補都市の特徴テーマ2法的側面テーマ3通関及び入国手続テーマ4環境保護及び気象テーマ5財政テーマ6マーケティング た。18テーマの内容は,以下のとおりである。 テーマ1国,地域及び候補都市の特徴テーマ2法的側面テーマ3通関及び入国手続テーマ4環境保護及び気象テーマ5財政テーマ6マーケティングテーマ7全般的な競技のコンセプトテーマ8競技テーマ9パラリンピック競技大会テーマ10オリンピック村テーマ11医療/保健サービステーマ12セキュリティテーマ13宿泊施設テーマ14輸送テーマ15技術テーマ16コミュニケーション及びメディアサービステーマ17オリンピズムと文化テーマ18保証(乙A1号証,36号証)ス大阪のオリンピック競技大会の開催能力等を調査するため,IOC評価委員会の委員が平成13年2月25日から同年3月2日にかけて来阪し,競技会場の視察等を行った。 (乙A1号証) セ2001年(平成13年)7月13日にモスクワで開催された第112次IOC総会において,2008年オリンピックの開催都市決定のための投票が行われ,北京が開催都市に選出され,大阪は落選した。 (乙A1号証)(3)本件出張の概要ア被告出張職員らに係る本件出張の日程,宿泊日数,資金前渡された宿泊料,宿泊先に係る契約の相手方及び宿泊先は,別紙本件出張一覧表記載のとおりである。 (乙A3号証ないし10号証(いずれも枝番を含む。),11号証の6,15号証の1ないし3(枝番を含む。),弁論の全趣旨)イ被告1ないし被告15に係る本件出張に関しては,「職員の海外出張及び旅費の調整並びに同経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,これによれば,被告1ないし被告15をオーストラリアに派遣し,被告2ないし被告14について海外出張を命じ,旅費の調整を行い,経費を支出するものとされている。同決裁文書は,平成12年8月28 れており,これによれば,被告1ないし被告15をオーストラリアに派遣し,被告2ないし被告14について海外出張を命じ,旅費の調整を行い,経費を支出するものとされている。同決裁文書は,平成12年8月28日に起案され,市長である被告B1の決裁を経て,同年9月8日に決裁が完了した。 被告16及び被告17に係る本件出張に関しては,「職員の海外出張並びに同経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,これによれば,被告16及び被告17についてオーストラリアに派遣し,海外出張を命じ,旅費の調整を行い,経費を支出するものとされている。同決裁文書は,同月1日に起案され,助役である被告B25の決裁を経て,同月19日に決裁が完了した。 被告18及び被告19に係る本件出張に関しては,「シドニー2000オリンピック競技大会への職員の派遣並びに同所要経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,これによれば,被告18及び被 告19についてオーストラリアに派遣し,海外出張を命じ,旅費の調整を行い,経費を支出するものとされている。同決裁文書は,同年8月に起案され,市長である被告B1の決裁を経て,決裁が完了した(なお,同起案文書には決裁(閲了)の日は記載されていない。)。 (乙A3号証,6号証,9号証(いずれも枝番を含む。))ウイ記載の各決裁文書には,本件出張の必要性について,大要以下のとおり記載されている。 (ア)被告1ないし被告15についてシドニーオリンピックには大阪市を含め正式立候補都市に承認された5都市がIOCから招待を受け,出席することになっているため,大阪市を代表して市長である被告B1(被告1)が出席し,シドニーで開催されるIOC総会やシドニーオリンピック期間中に与えられる記者会見,外務省主催のレセプション,JOC主催のレ とになっているため,大阪市を代表して市長である被告B1(被告1)が出席し,シドニーで開催されるIOC総会やシドニーオリンピック期間中に与えられる記者会見,外務省主催のレセプション,JOC主催のレセプション等に出席し,海外での最初の大阪アピールをする。また,IOC総会の最終日にはIOC主催の記者会見が開催され,そこでスピーチをする機会が与えられたため,大阪を代表して被告B1が国際集客都市大阪及び大阪オリンピック招致のためのピーアールスピーチを行う。さらに,被告B1は,大阪市代表として,IOC関係者及び国際スポーツ連盟(以下「IF」という。)委員に接見し,大阪をアピールする。 助役である被告B2(被告2)は,被告B1が帰阪した後大阪市の代表として滞在し,大阪市のオリンピック招致についての熱意を存分に伝えることができる数少ない機会でもあるので,シドニーオリンピック期間中IOC関係者及びIF関係者に接見し,また,滞在期間中に行われる正式立候補都市へのIOCからの説明会にも大阪市を代表して出席する。 このシドニーでの被告B1及び被告B2の出張期間中については,大 阪市のオリンピック招致活動にとって非常に重要な意義を持つものであり,また,海外での招致活動を効率よく行える数少ない絶好の機会であるため,その場の状況において臨機応変に対応することでき,現地において被告B1及び被告B2に常時随行し的確な対応ができる職員が必要であり,そのため,数々の海外でのレセプションに市長及び助役に随行し出席した経験があり,また,国際スポーツ連盟連合(以下「GAISF」という。)の会議等に市長及び助役が出席する際,随行業務に携わり,IOC委員及びIF委員など多くの関係者とも面識のある語学堪能な被告B3(被告3)を被告B1及び被告B2の出張期間に合わせ出張させ 」という。)の会議等に市長及び助役が出席する際,随行業務に携わり,IOC委員及びIF委員など多くの関係者とも面識のある語学堪能な被告B3(被告3)を被告B1及び被告B2の出張期間に合わせ出張させる。 シドニーオリンピックは立候補ファイルを提出するまでの間参考にすることができる最大の大会であり,この機会に直に大会や交通インフラ,選手村,警備状況などを視察するとともに,大会関係者からヒアリングを行い,立候補ファイルに最大限反映させ,最高の立候補ファイルを作成する必要がある。また,正式立候補都市に承認されるまでは海外での招致活動は禁止されていたのでIF関係者と接見する機会も取れない状況であったが,シドニーオリンピックはオリンピックに参加している競技団体が一同に会する唯一の機会でもあり,オリンピック期間という短い期間ではあるが,一度に接見することができ,様々な意見や助力を得るため,関係職員を派遣する必要がある。 特に,開会式の前後には各IFにおいて理事会が開催されるのでこの期間中にIF委員がオリンピック会場であるシドニー市に集まるため,委員との接見の機会が多くある。そのため,招致局を代表して局長の被告B4(被告4)を派遣し,各IF委員に競技会場計画を承認してもらうため,大阪市の競技会場の視察も含め助言等を得るとともに,オリンピック大会中,大阪のピーアールを行う。ただし,被告B4の出張期間 中に必ずしも全IF委員と接見する機会を持てない状況も考えられ,また,オリンピック期間中の大会運営等を視察する必要があるため,被告B4の帰阪後については理事の被告B5(被告5),その後引き続き招致推進部長の被告B6(被告6)を招致局の代表者として同業務を遂行させるために派遣する。 被告B7(被告7)については,IOCから各IF委員が宿泊するホテルと同 被告B5(被告5),その後引き続き招致推進部長の被告B6(被告6)を招致局の代表者として同業務を遂行させるために派遣する。 被告B7(被告7)については,IOCから各IF委員が宿泊するホテルと同じホテルに宿泊することができる機会を得たため,各IFと連絡を取り,被告B1,被告B2及び被告B4等が各IF委員と接見するための日程及び連絡調整,また,被告B7自身が立候補ファイルの策定について総括的に担当していることから直接に各IF委員への視察依頼,各競技会場についての助言を求める。また,大会後半にはIOCから正式立候補都市に対し説明会が開催され,今後のスケジュールや評価委員会の立候補都市視察に関する説明がされるので,語学が堪能であり大阪オリンピック計画について総括的に担当している被告B7を出席させる。 現在全力を尽くし取り組んでいる立候補ファイル策定の参考とするため,実際にオリンピック大会を視察し,その各競技等の運営委員会の担当者からヒアリングを行い,運営状況を見ることにより実際に大会を運営したときの問題点を分析することが必要である。また,交通インフラ,特に日常と比較して大会が運営されている期間中との差を把握し,どのような対策が講じられているのかを把握すること,さらに,テロ犯罪に対する警備については,実際に視察しなければ留意点が把握できづらいこと等から,職員を派遣する。 被告B8(被告8)については,立候補ファイルの競技準備を担当していることから,開会式までの準備状況を,及びシドニーオリンピックで初めて正式種目となったトライアスロン競技及びアーチェリー競技,柔道競技等の担当であることからその運営状況を視察させるため派遣す る。被告B12(被告12)については,被告B8とともに競技準備を担当し,体操競技,ウエイトリフティング,バドミント リー競技,柔道競技等の担当であることからその運営状況を視察させるため派遣す る。被告B12(被告12)については,被告B8とともに競技準備を担当し,体操競技,ウエイトリフティング,バドミントン競技等の担当であることから,その運営状況を視察させるため派遣する。被告B11(被告11)については,大会期間中のセキュリティ及び医療・保険サービスを担当していることから,オリンピック大会が開催されている期間中に出張させ,また,被告B13(被告13)については,輸送及び宿泊施設を担当していることから,被告B11と同時期に出張させる。 最終の閉会式までの日程については競技準備として特に閉会式の運営状況を把握させる必要がある。さらに,今回のオリンピックに初めて正式種目となったテコンドー競技がどのように運営されているのかを視察する必要があるため,その総括的担当である被告B9(被告9)を派遣する。また,被告B14(被告14)については,大会最終に開催される近代五種及びカヌー,ホッケー等の競技を担当し,被告B9とともに閉会式の運営状況を視察させるため,派遣する。 今回のシドニーオリンピックへの派遣については,大会の視察も大きな目的の一つであるが,IF委員との接見についても最大の目的であるといえる。大阪市顧問である被告B15(被告15)は,国内候補都市を決定する際においても各国内スポーツ連盟(以下「NF」という。)との面識があるため,連絡調整や協議をしていただき承認を得る際に多大な尽力をいただいたが,NF同様にIFについても面識があるため,被告B1,被告B2及び被告B4らがIF委員と接見する際の連絡調整に当たっていただくことになった。また,被告B15自身についても,直接IF委員と接見し,競技会場計画の承認がよりスムーズにいくよう協議,打ち合わせをして び被告B4らがIF委員と接見する際の連絡調整に当たっていただくことになった。また,被告B15自身についても,直接IF委員と接見し,競技会場計画の承認がよりスムーズにいくよう協議,打ち合わせをしていただくこととなった。そのため,IFの理事会が多数開催される予定である開会式の前後にシドニーに行っていただき,大阪市オリンピック招致実現のため尽力していただく。被告B15 から被告B1及び被告B4に対し,IF委員と接見するための日程及び連絡調整をスムーズに行うため,また,シドニーにおいて行われる様々なレセプション出席のために被告B15に連絡調整を行うため,職員を派遣する必要があり,その連絡調整担当として,招致局の庶務担当主査として招致局,東京事務所及び招致委員会との連絡調整業務を総合的に担当している被告B10(被告10)が適任であるので,被告B10を派遣する。 (乙A3号証の2)(イ)被告16及び被告17について建設局花と緑の推進本部では,市長を本部長とした招致推進本部の競技施設整備部会において,本部長が部会長,スポーツ施設企画課長及び技術主幹が部員となり,また,施設整備部長がスタジアム・プール施設構想委員会の構成員として,オリンピックスタジアムやオリンピックプールなどの関連施設の整備計画について,これまで培ってきたノウハウを生かし,招致局に対し技術的な支援を行っている。 2001年にオリンピック開催都市が決定する中で,これらの施設の整備について具体的な検討,設計,建設等を進めていく必要がある。また,施設の整備に当たっては,競技の運営方法,観客の動線などのソフト面を切り離して考えることはできないところであり,そのためにシドニーオリンピックの開催期間中に個々具体の競技の運営方法,競技における選手を含む関係者の動線,さらには数万人規模 観客の動線などのソフト面を切り離して考えることはできないところであり,そのためにシドニーオリンピックの開催期間中に個々具体の競技の運営方法,競技における選手を含む関係者の動線,さらには数万人規模の観客の動線の確保を現地でつぶさに観察することは,今後,大阪市において施設の整備を行う上で,必要かつ不可欠な事柄であると考えられる。 また,オリンピック期間中にJOC副会長であり日本ホッケー協会会長でもあるE並びにJOC理事であり日本テニス協会の役職を兼務しているFと実際に観客が入場した施設の状態を見ながら,施設整備に対す る意見や注意すべきことなどを聞き,ステイト・ホッケー・センター及びNSW・テニス・センターを視察することにより,大阪の候補地である長居球技場及び靱テニスセンターの改修工事に意見を反映させたいと考えている。 併せて,鶴見緑地乗馬苑を予定している馬術競技の役員や,他の国内スポーツ連盟の各委員に施設整備に対する意見を聞くとともに,オリンピックスタジアムやスーパードームの建設担当者と設計図を見ながら工事概要,構造上配慮すべきこと等をヒアリングすることは,今後,aに建設を予定しているオリンピックスタジアムや屋内プールの設計施工に大いに役立つものと考えている。 以上の理由から,シドニーオリンピックに対して,招致局とともに,スタジアム・プール施設構想委員会の構成員である被告B16(被告16)及び競技施設整備部会員である被告B17(被告17)を派遣する。 (乙A9号証の3)(ウ)被告18及び被告19について大阪市では,市民スポーツの振興を図る観点から,これまで地域スポーツ施設を始め国際競技大会が開催可能な大規模施設の整備を図るとともに,多くの市民に世界のトップレベルの選手の技を間近に見ていただくため,各種の国際競技大会を招致開催 図る観点から,これまで地域スポーツ施設を始め国際競技大会が開催可能な大規模施設の整備を図るとともに,多くの市民に世界のトップレベルの選手の技を間近に見ていただくため,各種の国際競技大会を招致開催してきた。とりわけ,2008年オリンピックの招致に向けて,「国際スポーツ都市・大阪」を世界に発信し,招致気運の醸成に努めてきた。 シドニーオリンピックは,28競技296種目と文字どおり各競技とも質・量ともに世界のトップレベルの総合競技大会であり,これを視察し,その雰囲気や競技施設を始め大会運営,競技運営,警備状況,集客状況,ボランティアの活用状況あるいはホスピタリティの状況等を調査するなど,今後の国際競技の招致,開催の参考とすることは重要である。 また,世界各国から各競技の多くのIF役員が集まるまたとない機会であり,競技会場やレセプション会場等において,これらの関係者と積極的に接触し,大阪での各種国際競技大会の開催実績や本件東アジア競技大会や本件卓球大会等のアピールをする絶好の機会でもある。 被告B18(被告18)は,これまで各種のオリンピック予選会を始め数多くの国際競技大会に携わっており,競技関係者との人的関係もあり,現地でこれらの任務を遂行することに適材である。また,被告B19(被告19)は,国際競技大会の招致開催事業の実務責任者であり,今後の国際競技大会の招致開催にかかわって,視察,調査を通じてノウハウの蓄積を行う必要があることから,以上の2名をシドニーに派遣する。 (乙A6号証の2)エ大阪市においては,職員の旅費に関する条例(昭和32年大阪市条例第46号。以下「旅費条例」という。)及び非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年大阪市条例第33号)により,公務のため出張する常勤及び非常勤の職員に対し旅費を支給するこ 年大阪市条例第46号。以下「旅費条例」という。)及び非常勤の職員の報酬及び費用弁償に関する条例(昭和31年大阪市条例第33号)により,公務のため出張する常勤及び非常勤の職員に対し旅費を支給することとなっているところ,本件出張に係る宿泊料については,宿泊料金の高騰により本来の旅費規程に基づく宿泊料では到底宿泊することができない状況にあることが判明したとして,本邦と外国との間における旅行及び外国における旅行の旅費については国家公務員の例に準じその都度市長が定める旨規定する旅費条例1条2項により,国家公務員等の旅費に関する法律(以下「旅費法」という。)46条2項の規定に準じて旅費の調整を行う必要があると判断され,別紙本件出張一覧表の資金前渡された宿泊料記載のとおりの宿泊料を含む旅費が資金前渡の方法により公金から支出された。すなわち,被告1ないし被告15の本件出張に係る旅費については,招致局招致推進部連絡調整課長の被告B20を資金前渡受領者として総額1835万8960 円が支出され,被告16及び被告17の本件出張に係る旅費については,建設局管理部職員課職員係長Gを資金前渡受領者として総額179万4060円が支出され(このほか,被告16及び被告17に係る本件出張については,別途,視察に伴うチケット代として,57万6000円が建設局花と緑の推進本部連絡調整係長Hを資金前渡受領者とする資金前渡の方法により支出されている。),被告18及び被告19の本件出張に係る旅費については,教育委員会事務局Iを資金前渡受領者として総額180万4072円が支出された。 このうち,宿泊料の支出関係は,次のとおりである。すなわち,被告B1(被告1)については,宿泊先をリージェントホテルとする1泊当たり3万3000円の宿泊料(宿泊日数8日)が,被告B2(被告2) た。 このうち,宿泊料の支出関係は,次のとおりである。すなわち,被告B1(被告1)については,宿泊先をリージェントホテルとする1泊当たり3万3000円の宿泊料(宿泊日数8日)が,被告B2(被告2)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり11万6000円の宿泊料(宿泊日数1日)及び宿泊先をリージェントホテルとする1泊当たり3万3000円の宿泊料(宿泊日数14日)が,被告B3(被告3)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり11万6000円の宿泊料(宿泊日数16日)が,被告B4(被告4)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり11万6000円の宿泊料(宿泊日数8日)が,被告B5(被告5)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり11万6000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B6(被告6)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり11万6000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B7(被告7)については,宿泊先をメンディスホテルとする1泊当たり2万7500円の宿泊料(宿泊日数16日)が,被告B8(被告8)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり11万6000円の宿泊料(宿泊日数8日)が,被告B9(被告9)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり5万800 0円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B10(被告10)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数7日)が,被告B11(被告11)については,宿泊先をキャピタルホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B12(被告12)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり5万8000 告11)については,宿泊先をキャピタルホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B12(被告12)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数7日)が,被告B13(被告13)については,宿泊先をキャピタルホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B14(被告14)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B15(被告15)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり11万6000円の宿泊料(宿泊日数7日)が,被告B16(被告16)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B17(被告17)については,宿泊先をラディソンプラザホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B18(被告18)については,宿泊先をヒルトンシドニーホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,被告B19(被告19)については,宿泊先をヒルトンシドニーホテルとする1泊当たり5万8000円の宿泊料(宿泊日数6日)が,それぞれ資金前渡の方法により支出された。 なお,被告出張職員らにつき,旅費規程による宿泊料と資金前渡された宿泊料の内容及び両者の差額は,別紙宿泊費対比表記載のとおりである。 (乙A3号証,6号証,9号証,11号証(いずれも枝番を含む。))オ本件出張に係る事業経費(ア)本件出張に係る事業経費として,「第27回シドニーオリンピック競技大会関係にかかる事業経費について」という標題の決裁文書が作成 されており,これによれば,下記の目的のため下記の内容の経費を支出するものとされ 事業経費として,「第27回シドニーオリンピック競技大会関係にかかる事業経費について」という標題の決裁文書が作成 されており,これによれば,下記の目的のため下記の内容の経費を支出するものとされている。同決裁文書は,平成12年9月に起案され,招致局長である被告B4の決裁を経て,決裁が完了した(なお,同起案文書には,決裁(閲了)の日は記載されていない。)。 記a本件出張の目的(a)シドニーオリンピックの大会運営調査(b)2008年立候補都市用公式ブース連絡調整等業務(c)競技施設,選手村等の調査,研究競技施設の集客規模,関係設備の整備状況環境への配慮内容と外部からの評価選手村の整備状況と選手等の評価開会式の文化イベントの実施状況と評価交通アクセスの整備状況と評価組織委員会のVIP対応などシドニー市民の盛り上がり状況と評価(d)メディア関係調査(e)文献の収集大会の公式,非公式パンフレットの収集プレス記事の収集オリンピック関係雑誌の収集レセプションや開会式,閉会式などのIOC委員のスピーチのチェックb支出予定金額及び支出内訳支出予定金額は970万円(ただし,入場券手配等については別途)であり,その内訳は以下のとおり。 (a)消耗品費30万円現地図書等購入費15万円(@5000円×30冊)現地図書等複写費15万円(@5000円×30冊)(b)通信運搬費40万円携帯電話40万円(@4万円×10台)(c)筆耕翻訳料300万円通訳(1日8時間)300万円(@15万円×20日)(d)船車賃借料600万円専用車(1日8時間)600万円(@30万円×20日)c支出方法業務実施に当たっては現地で最終指示を行い,代理店等を通じて大阪市に請求するものとし,業務内容を双方で確認を 車賃借料600万円専用車(1日8時間)600万円(@30万円×20日)c支出方法業務実施に当たっては現地で最終指示を行い,代理店等を通じて大阪市に請求するものとし,業務内容を双方で確認を行い,完了した日より1か月以内に支払を完了するものとする。 (乙A13号証の1及び2)(イ)本件出張に係る事業経費中,シドニーオリンピックの入場券に係るものとして,「シドニーオリンピック・パラリンピックにおける入場券の手配等の実施,同委託契約の締結及び同経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,これによれば,下記の目的のため被告東急観光と特名契約を行うことにより下記内容の業務を委託し,これに伴う経費を支出するものとされている。同決裁文書は,平成12年9月に起案され,招致局長である被告B4の決裁を経て,決裁が完了した(なお,同起案文書においては,決裁(閲了)の日は記載されていない。)。 記a目的シドニーオリンピックの大会運営調査 競技施設,選手村等の調査,研究競技施設の集客規模,関係設備の整備状況環境への配慮内容と外部からの評価選手村の整備状況と選手等の評価開会式の文化イベントの実施状況と評価交通アクセスの整備状況と評価組織委員会のVIP対応などシドニー市民の盛り上がり状況レセプションや開会式,閉会式などの調査b委託期間平成12年9月1日から同年10月2日までc業務内容入場券手配と競技会場への案内,日程連絡調整等d業務の指示入場券手配及び競技会場への案内,日程連絡調整等については,事前に十分計画を練り,現地で大阪市関係者の指示を仰ぎ,最善な方法により行うものとする。 e委託金額220万円(消費税を含む。)(乙A14号証の1及び2)(4)大阪オリンピック子ども親善大使の派遣に伴う経費の り,現地で大阪市関係者の指示を仰ぎ,最善な方法により行うものとする。 e委託金額220万円(消費税を含む。)(乙A14号証の1及び2)(4)大阪オリンピック子ども親善大使の派遣に伴う経費の支出ア大阪市では,IOCの基本理念の一つであるオリンピックムーブメントの啓発,普及を目的として,平成8年度から,2008年オリンピック開催時に選手あるいはボランティアとして大会の中心となって活躍することが期待される小学校5年生から中学校3年生を対象に,大阪オリンピックについての想いを表現した絵画や作文コンクールを実施し,毎年数名程度 を大阪オリンピック子ども親善大使として,オリンピックゆかりの地に派遣していた。 平成12年度は,シドニーオリンピック開催年であることから,派遣する子どもの人数を倍増し,同年9月28日から同年10月4日まで15名をシドニーに派遣した(平成12年度に係る大阪オリンピック子ども親善大使派遣を,以下「本件子ども親善大使派遣」という。)。 (乙A1号証,16号証)イ本件子ども親善大使派遣の実施及び経費の支出について,「平成12年度大阪オリンピック子ども親善大使派遣の実施並びに同経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,これによれば,平成12年度は読書感想文と絵画の各最優秀賞受賞者合計12名をシドニーに派遣し,シドニーオリンピックの観戦と現地の子どもたちやボランティア等との交流等を行うこととすること,同派遣のための交通手段や宿泊所の手配,現地での活動のアレンジ等を委託する業者をコンペを行った上で決定すること,及び経費として1915万3920円を支出すること等について,同年4月3日に決裁文書が起案され,最終的に招致局長である被告B4の決裁を経て,同月11日決裁が完了した。 上記業務を委託する業者とし と,及び経費として1915万3920円を支出すること等について,同年4月3日に決裁文書が起案され,最終的に招致局長である被告B4の決裁を経て,同月11日決裁が完了した。 上記業務を委託する業者としては,コンペの結果,被告東急観光が選ばれ,同日付けで,大阪市(契約担当者は招致局長である被告B4)と被告東急観光との間で,業務委託料を1069万円として,シドニーオリンピックへの大阪オリンピック子ども親善大使派遣関係業務の委託契約が締結された。 (乙A16号証,17号証)(5)本件出張等に係る被告1ないし被告27(以下,これらの被告を「被告職員ら」という。)の権限及び決裁の内容ア被告職員らの権限について 本件出張当時の大阪市の所属職員に対する海外出張を命じる権限,事業の実施決定を行う権限及び経費の支出決定を行う権限は,以下のとおりである。 (ア)被告B1(被告1)被告B1は,市長として,大阪市を統轄し,これを代表するものであり(地方自治法147条),予算を調整し,これを執行する権限を有している(同法149条2号)。 なお,被告B1は,自己の権限に属する事務を大阪市事務専決規程(昭和38年達第3号。以下「事務専決規程」という。),市役所課長等専決規程(昭和23年達第5号。以下「課長等専決規程」という。)等の規定により,助役以下の職員に専決させている。 (イ)被告B2(被告2)及び被告B25(被告25)被告B2及び被告B25は,いずれも助役として,事務専決規程2条の2第7号の規定により,部長級及び課長級の職員に対して外国出張を命じる権限を有している。 (ウ)被告B4(被告4),被告B23(被告23)及び被告B26(被告26)被告B4,被告B23及び被告B26は,いずれも局長として,事務専決規程3条17号の規定により,配当及び を有している。 (ウ)被告B4(被告4),被告B23(被告23)及び被告B26(被告26)被告B4,被告B23及び被告B26は,いずれも局長として,事務専決規程3条17号の規定により,配当及び配付予算の範囲内における経費の支出決定及び経費の支出を伴う事務事業の施行決定を行う権限を有している。 (エ)被告B6(被告6)及び被告B16(被告16)被告B6及び被告B16は,いずれも部長として,事務専決規程17条の2第5号の規定により,予算に定める事務事業の内容の変更を伴うものを除き配当及び配付予算の範囲内における1件500万円以下の経費の支出を伴う定例の事務事業の施行決定を行う権限を有している。 また,被告B6は,人事又は予算に関する事務を所管する部長として,事務専決規程17条の3第4号の規程により,配当及び配付予算の範囲内における1件500万円以下の定例の経費の支出決定を行う権限を有している。 (オ)被告B7(被告7),被告B19(被告19),被告B20(被告20),被告B24(被告24)及び被告B27(被告27)被告B7,被告B19,被告B20,被告B24及び被告B27は,いずれも課長として,課長等専決規程3条5号の規定により,予算に定める事務事業の内容の変更を伴うものを除き配当及び配付予算の範囲内における1件100万円以下の経費の支出を伴う定例の事務事業の施行決定を行う権限を有し,また,同条16号の規定により,既決の事務事業の軽易な変更を行う権限を有している。 また,被告B20,被告B24及び被告B27は,予算又は物品に関する事務を所管する課長として,被告B20及び被告B27にあっては,課長等専決規程5条1号の規定により,配当及び配付予算の範囲内における定例確定的経費又は1件100万円以下の定例の経費の支出決定を行う 事務を所管する課長として,被告B20及び被告B27にあっては,課長等専決規程5条1号の規定により,配当及び配付予算の範囲内における定例確定的経費又は1件100万円以下の定例の経費の支出決定を行う権限を有し,また,同条4号の規定により,支出命令書を発行する権限を有し,被告B24にあっては,大阪市教育委員会事務局等専決規程(昭和46年教育長達第2号)7条17号の規定により,1件100万円以下(ただし,工事の施行に伴う経費については200万円以下。 光熱水費については全部)の経費の支出決定を行う権限を有している。 イ本件出張及びシドニーにおける事業に係る決裁について(ア)本件出張中,被告1ないし被告15,被告18及び被告19に係るシドニーへの出張命令については,被告B1(被告1)が決裁を行い,被告1ないし被告15の出張に係る旅費の支出決定については事務専決規程により被告B4(被告4)が専決し,被告18及び被告19の出張 に係る旅費の支出決定については事務専決規程により被告B23(被告23)が専決した。 また,被告16及び被告17に係るシドニーへの出張命令については,事務専決規程により被告B25(被告25)が専決し,当該出張に係る旅費の支出決定については,事務専決規程により被告B26(被告26)が専決した。 (イ)本件出張に係る事業経費(図書等購入費,携帯電話代,通訳及び専用車の手配費等)の支出決定,シドニーオリンピック及びパラリンピックの入場券の手配等経費の支出決定並びに本件子ども親善大使派遣の実施決定及び同事業に係る経費の支出決定については,事務専決規程により被告B4(被告4)が専決した。 (6)本件出張及び本件子ども親善大使派遣に係る事業経費(これら事業経費を,以下「本件事業経費」という。)の支出及び清算の関係ア本件出張 ては,事務専決規程により被告B4(被告4)が専決した。 (6)本件出張及び本件子ども親善大使派遣に係る事業経費(これら事業経費を,以下「本件事業経費」という。)の支出及び清算の関係ア本件出張に係る事業経費について(ア)本件出張に係る事業経費として,「第27回シドニーオリンピック競技大会関係にかかる事業経費について」という標題の決裁文書により,合計970万円の経費の支出に係る決裁がされ,また,「シドニーオリンピック・パラリンピックにおける入場券の手配等の実施,同委託契約の締結及び同経費の支出について」という標題の決裁文書により,委託金額220万円の経費の支出に係る決裁がされたことは,前記(3)オ記載のとおりである。 (イ)大阪市は,本件出張に係る上記各業務を被告東急観光に委託した。 (ウ)被告東急観光は,本件出張に係る事業経費の出来高による精算として,平成12年10月17日付けで車代(専用車賃借料)を593万円とする旅行費明細書を,同年12月26日付けで本件出張に係る携帯電話・通話料(携帯電話代)(40万7552円)及びシドニーパラリン ピック携帯電話・通話料(5万1219円)合計45万8771円とする旅行費明細書(なお,同明細書においては,モンテカルロ携帯電話に係る7万8030円を含めて合計金額が53万6801円とされていた。)をそれぞれ招致局あてに提出した。当時招致局招致推進部連絡調整課長代理であった被告B21(被告21)は,前記(ア)記載の決裁額970万円で支出手続を進めたため,被告東急観光に対して331万1229円の過払が生じた。 また,被告東急観光は,本件主張に係る事業経費中シドニーオリンピックの入場券手配等に係る出来高による精算として,同年10月17日付けでオリンピックチケット代を166万3800円とする旅 払が生じた。 また,被告東急観光は,本件主張に係る事業経費中シドニーオリンピックの入場券手配等に係る出来高による精算として,同年10月17日付けでオリンピックチケット代を166万3800円とする旅行費明細書を招致局あてに提出するとともに,同月15日付けで被告B2及び被告B6あてにそれぞれ開会式1万7000円を含む「ご旅行費用明細書」を提出した。被告B21は,これらについて,前記(ア)記載の決済額220万円で支出手続を進めたため,被告東急観光に対して更に50万2200円の過払が生じた。 (乙A15号証の1,5の2,6の2,7の2ないし7の4,34号証,被告B21本人)(エ)大阪市においては,通訳,翻訳に係る業務を株式会社インターグループ(以下「インターグループ」という。)に委託していたところ,本件出張に関しても,通訳のシドニーへの派遣をインターグループに依頼した。インターグループは,アテンド通訳費(シドニー)として,最終的に48万4169円とする「ご請求書」を招致局あてに提出し,平成13年6月30日,同金額がインターグループに支払われた。 また,同通訳に係る航空券及びホテルの手配は被告ジェイティービーが行い,被告ジェイティービーは,平成12年9月10日付けで航空運賃及びホテル代(単価11万6000円)を117万9260円とする 「ご旅行代金見積明細書」を招致局あてに提出し,平成13年7月6日,同金額が被告ジェイティービーに支払われた。 (乙A15号証の1,12の2及び3,13の2及び3,34号証,被告B21本人)(オ)大阪市は,シドニーオリンピックの閉会式及びサッカー決勝を含む4名6種目分の入場券の手配を被告近畿日本ツーリストに依頼し,被告近畿日本ツーリストは,平成12年9月20日付けでチケット代金116万円にホテル代(1 ニーオリンピックの閉会式及びサッカー決勝を含む4名6種目分の入場券の手配を被告近畿日本ツーリストに依頼し,被告近畿日本ツーリストは,平成12年9月20日付けでチケット代金116万円にホテル代(156万円)及び航空券代を加えた合計359万0110円の「最終請求ご案内」を招致局の被告B21あてに提出するとともに同月22日付けで同額の請求書を招致局あてに提出し,同日,同金額が被告近畿日本ツーリストに支払われた。 (乙A15号証の1,11の2ないし11の4,34号証)(カ)大阪市は,本件出張に関し,シドニーにおいて急きょ必要になったとして,被告東急観光に平成12年9月16日の会場の手配を依頼した。 被告東急観光は,同年10月17日付け及び同月19日付でそれぞれ会場費を15万円及び5万円とする各旅行費明細書を招致局あてに提出した。 (乙A15号証の1,9の2及び9の3,被告B21本人,弁論の全趣旨)イ本件子ども親善大使派遣に係る追加事業経費について被告東急観光は,本件子ども親善大使派遣の追加経費の精算として,3名分の旅行費用(単価72万円)及び1名分の部屋利用追加代金(単価28万円)の合計165万円から同年9月26日入金に係る165万円を控除した79万円とする同年10月10日付け旅行費用明細書を大阪市あてに提出した。 (乙A15号証の1,8の2,被告B21本人) ウ被告東急観光に対する本件事業経費の清算(ア)本件出張当時,招致局においては,職員の海外出張が比較的多かったことから,各出張者が直接旅行代理店から航空券等の受領を行うのではなく,招致局招致推進部連絡調整課長から旅行代理店との窓口を任されていた同部連絡調整課長代理の被告B21において,全出張者のホテル代,航空券代,空港税等旅行代理店に手配を依頼した業務に係る必要経費を く,招致局招致推進部連絡調整課長から旅行代理店との窓口を任されていた同部連絡調整課長代理の被告B21において,全出張者のホテル代,航空券代,空港税等旅行代理店に手配を依頼した業務に係る必要経費を預かり,旅行代理店との間でそれらの受渡しを行っていた。本件出張の際も,それまでと同様の方法により,被告B21が各出張者から必要経費を預かり,旅行代理店への支払を一括して行った。 (乙A34号証,被告B21本人)(イ)招致局が平成12年度に被告東急観光に手配した海外出張は全部で12件あったが,被告B21において手配を行った航空券代等の支払業務が滞っていた。 被告B21による旅費の預り状況及び旅行代理店に対する支払の関係は,別紙預り金等の支払状況記載のとおりであり(なお,同別紙中,旅行代理店Aは被告東急観光,旅行代理店Bは被告近畿日本ツーリスト,旅行代理店Cは被告ジェイティービー,通訳派遣業者Dはインターグループをそれぞれ指す。),被告B21は,被告東急観光に対する支払として,平成12年9月11日から同年12月26日までの間,5回に分けて旅費として合計1900万円を支払ったが,平成13年3月末日現在における被告東急観光に対する旅費の未払金は662万4720円であり,被告B21は,未払分の現金については出張者からの旅費の預り金として招致局の金庫に保管していた。なお,被告B21は,平成12年9月22日に同預り金の中から前記ア(オ)記載の被告近畿日本ツーリストに対するシドニーオリンピックの入場券代金116万円を支払ったため,平成13年3月末日現在における預り金の額は546万4720 円であった。 (甲2号証,乙A34号証,被告B21本人)(ウ)被告B21は,平成13年6月ころ,当時招致局招致推進部連絡調整課長であった被告B9に対し,本件出張 り金の額は546万4720 円であった。 (甲2号証,乙A34号証,被告B21本人)(ウ)被告B21は,平成13年6月ころ,当時招致局招致推進部連絡調整課長であった被告B9に対し,本件出張等に係る支払業務が滞っており,多額の支払残額があり,預り金として保管していることや,旅行代理店との間で旅費や事業経費の過不足が存在することを報告した上,旅行業者との間で生じた過払金と未払金とを相殺し,相殺後の未払金については預り金の残額を充てることとして,以下のとおり清算した。 a被告東急観光に対し,前記ア(ウ)記載の381万3429円の事業経費の過払(専用車賃借料及び携帯電話代に係る過払分331万1229円と入場券手配等に係る過払分50万2200円の合計)が存在するとともに,他方で,被告東急観光に対する事業経費に係る未払分として,前記ア(カ)記載の会場料20万円及び前記イ記載の本件子ども親善大使派遣に係る追加経費精算分79万円の合計99万円の未払が存在したことから,両者を相殺して処理することとした結果,被告東急観光に対する事業経費の過払は,282万3429円となった。 ba記載の被告東急観光に対する事業経費の過払金282万3429円を前記(イ)記載の被告東急観光に対する旅費の未払金662万4720円の支払に充当することとした結果,被告東急観光に対する未払残額は380万1291円となった。 当時の旅行代理店等に対する未払残額は,上記被告東急観光に対する旅費の未払残額380万1291円,被告ジェイティービーに対する事業経費の未払残額117万9260円(前記ア(エ)記載のもの),インターグループに対する未払残額60万9000円の合計558万9551円であったところ,前記(イ)記載のとおり旅費に係る預り金の額は546万4720円であり,12万 円(前記ア(エ)記載のもの),インターグループに対する未払残額60万9000円の合計558万9551円であったところ,前記(イ)記載のとおり旅費に係る預り金の額は546万4720円であり,12万4831円不足することと なった。そのため,被告B21においてインターグループと値引き交渉を行い,インターグループは12万4831円の値引きに応じた。 そこで,被告B21は,平成13年6月30日,インターグループに対し上記値引き後の金額である48万4169円の支払をし(前記ア(エ)記載の支払),同年7月6日,被告東急観光に対し380万1291円,被告ジェイティービーに対し117万9260円をそれぞれ支払って,清算を終えた。 (乙A33号証,34号証,被告B21本人)(7)原告らによる住民監査請求と本訴の提起ア原告らは,平成13年7月5日,大阪市監査委員に対し,本件出張に係る公金の支出について住民監査請求(以下「本件監査請求」という。)をした。 本件監査請求の内容は,平成12年9月9日から同年10月2日までの間にシドニーオリンピック視察のためと称して被告B1,被告B2,被告B15及び被告B3のほか,招致局から被告B4を始め職員11人,建設局職員2人,教育委員会事務局職員2人の合計19人が出張しているが,そもそもそのような多数が出張する必要はなく,また,大阪市の担当者は,オリンピック開催期間中のホテル宿泊料が異常に高騰していたため調整を行い実際に必要な宿泊料金を支給したとしているが,その物証はなく,しかも,大阪市だけが突出した宿泊料であることが大阪府あるいは文部省のシドニーオリンピック視察出張費と比較して判明したなどとして,大阪市の出張費に関しては虚偽の文書が作成されたものと考えざるを得ず,虚偽の公文書により支出された旅費1079万4 大阪府あるいは文部省のシドニーオリンピック視察出張費と比較して判明したなどとして,大阪市の出張費に関しては虚偽の文書が作成されたものと考えざるを得ず,虚偽の公文書により支出された旅費1079万4000円(なお,監査請求書には107万9400円と記載されているが,これは1079万4000円の誤記と認められる。),通訳料300万円,専用車賃借料600万円,消耗品30万円,通信運搬費40万円の合計2049万4000円は違法 支出であるから,このような違法不当な公金の支出により大阪市が被った損害2049万4000円を関係者に賠償させるなど必要な措置を講ずるよう市長及び教育委員長に対し勧告されたいなどというものであった。 (甲1号証の1)イ大阪市監査委員は,本件監査請求について,監査の対象を本件出張に係る宿泊料19人分1079万4000円及び本件出張に係る現地での経費970万円(専用車賃借料600万円,通訳料300万円,通信運搬費40万円,消耗品費30万円)を監査の対象とするとともに,監査の実施に当たり,監査対象局である招致局から不適切な事務処理を行っていた旨の説明があったことから,招致局における被告東急観光への預り金の支払状況及びシドニーオリンピック視察のために現地で要した経費等についても事実関係の確認を行った。その結果,大阪市監査委員は,平成13年8月31日,本件監査請求の対象である現地での経費970万円を含む事業経費の支出については,招致局において,当初契約どおりの給付がされていないにもかかわらず,当初契約に基づく給付がされているものと認定し,契約金額どおりの支払を行った結果,出来高に比して支出金額が381万3429円過大となっているもの,支出決裁及び契約締結決裁を行わずに契約代金を上記381万3429円の一部と損益相殺してい 認定し,契約金額どおりの支払を行った結果,出来高に比して支出金額が381万3429円過大となっているもの,支出決裁及び契約締結決裁を行わずに契約代金を上記381万3429円の一部と損益相殺しているもの99万円,支出決裁及び契約締結決裁を行わずに預り金でもって現金払を行っているもの282万3429円が見受けられたところ,これらの支出及び損益相殺分について,それぞれの事業の必要性は事業の実施前に判断がされているものであるが,必要な手続を欠くものであり,関係法令及び大阪市の会計規則等に違反するものであって,その出来高と支出金額の差額381万3429円は,返還を求めるべき性質のものであるが,この381万3429円相当額については,外国出張における現地での経費として必要な役務の提供を受けており,この限りにおいて,大阪市は利益を受けてい ると認められるので,出来高と支出金額の差額381万3429円相当額については,大阪市が損害を被っているとはいえない,また,本件監査請求の対象である宿泊料については,違法,不当性は認められない,などとして,本件監査請求は理由がないとした。大阪市監査委員は,その上で,事業経費の支出において関係法令及び大阪市の会計規則等に違反する事務処理がされたことなどにかんがみ,①招致局において,預り金の処理及び事業経費の支出において不適切な事務処理がされたのは,管理監督にあたる者による十分なチェック体制の確保がされていなかったことも一因であると認められるから,局長等管理監督に当たる者は,その責任の重大さを自覚し,職員の指揮監督に一層努めるとともに,再びこのようなことを惹起することがないよう局内のチェック体制を再点検されたい,②旅費の精算に当たって,実費で支給されるものについては,出張者が実際に支払った金額を領収書等 に一層努めるとともに,再びこのようなことを惹起することがないよう局内のチェック体制を再点検されたい,②旅費の精算に当たって,実費で支給されるものについては,出張者が実際に支払った金額を領収書等証拠書類で確認することができる手続とされたい,との要望を行った(大阪市監査委員による上記監査結果を,以下「本件監査結果」という。)。 (甲2号証)ウ原告らは,平成13年9月27日,当裁判所に本件訴えを提起した。 (当裁判所に顕著な事実) 原告らが本訴において問題とする財務会計行為の内容及びこれに基づき被告らに対し求める損害賠償の内容原告らが本訴において問題とする財務会計行為の内容及びこれに基づき被告らに対し求める損害賠償の内容は,別紙原告ら主張一覧表記載のとおりである(ただし,同一覧表中,番号1-④記載の被告1ないし被告15の旅費を違法に預り金として保管していたことについての損害賠償請求を怠る事実を除く(原告らは,平成16年9月15日に行われた第17回弁論準備手続において,違法な預り金の保管に基づく損害金の主張を撤回した。)。)。 なお,同一覧表中,番号1が被告1ないし被告15の出張旅費(招致局関係出張旅費)に関するもの(本訴においては宿泊料(合計940万2000円)のみが対象とされている。),番号2が被告16及び被告17の出張旅費(建設局関係出張旅費)に関するもの(本訴においては宿泊料(合計69万6000円)のみが対象とされている。),番号3が被告18及び被告19の出張旅費(教育委員会関係出張旅費)に関するもの(本訴においては宿泊料(合計69万6000円)のみが対象とされている。),番号4が事業経費に関するもの(本訴においては別紙事業経費一覧表記載の事業経費のうち№2の大阪オリンピック子ども親善大使派遣を除くその余の事業に係る経 9万6000円)のみが対象とされている。),番号4が事業経費に関するもの(本訴においては別紙事業経費一覧表記載の事業経費のうち№2の大阪オリンピック子ども親善大使派遣を除くその余の事業に係る経費(出来高合計1190万円)が対象とされている。)である。 争点 (1)本件出張の必要性(2)本件出張に係る旅費中宿泊料の相当性及び被告らによる宿泊料に関する談合の有無(3)本件出張に係る事業経費の相当性 争点についての当事者の主張(1)争点(1)(本件出張の必要性)について(原告ら)ア市民の合意のないオリンピック招致活動大阪市は,2008年オリンピックを大阪市に招致するとして,多額の公金を支出して招致活動を展開し,その一環として2000年(平成12年)9月のシドニーオリンピック視察のためと称して多数の市職員らをシドニーに出張させるなどした。 しかしながら,大阪市がオリンピック招致活動をすることについては,市民の間に強い批判があった。批判の中心は,大阪市の厳しい財政状況を指摘し,オリンピック開催に向けたインフラ整備等のために巨額の出費を することは,市民に過大な負担を負わせるという点にあり,オリンピック招致という目的自体,大規模な公共事業を推進するための単なる口実にすぎず,大阪市はその口実のためだけに多額の費用を支出して招致活動を実施しているとの批判すらあった。 ところが,大阪市は,このような市民の声に耳を貸さず,大々的な招致活動を展開し,また,巨大な公共工事を前倒しして推進するなどの姿勢を取り続けた。 以上のとおり,そもそも大阪市がオリンピック招致活動を実施すること自体,必ずしも市民の合意がなかった。 イ本件出張の不必要性(ア)事前計画及び事後報告が存在しないことの不自然性被告出張職員らの視察に関し,事前計 そも大阪市がオリンピック招致活動を実施すること自体,必ずしも市民の合意がなかった。 イ本件出張の不必要性(ア)事前計画及び事後報告が存在しないことの不自然性被告出張職員らの視察に関し,事前計画及びそれを示す書類が全く存在しないし,また,本件出張後の報告書等の書類も全く存在しない。このような事実自体が,被告職員らが主張する本件出張の目的ないし必要性が本当に存在したのかについて疑いを生じさせるものであり,単に物見遊山の視察の理由を後付けしただけであることを推測させる。 (イ)IF役員らとの面談あるいは協議の不必要性被告職員らは,本件出張の主な目的として,可能な限りIOC委員やIF役員らと直接接触して積極的な招致活動を行い,特にIF役員から立候補ファイルの承認を得るよう交渉したり,同役員らに大阪を視察してもらうことを依頼したりすることを挙げている。 しかしながら,そもそも,立候補ファイルについてIFからの承認は必須条件ではなかった。また,被告出張職員らがIF役員と面談あるいは協議をしたとしても,被告出張職員らはスポーツの素人であったことから,IF役員から形式的な応対しかされなかった。さらに,被告出張職員らが,IF役員らとどれくらいの時間,どのような場所で,どのよ うな内容の話をしたのか(どのような資料をもって説明をしたのか等)は不明である。そもそも,アクレディテーションカード(通行資格証。 以下「ADカード」という。)を与えられていた被告出張職員らがどれだけいるか不明であり,ADカードを持たない被告出張職員らがIF役員ら要人と実質的な面談あるいは協議を行うことが可能であったか疑わしい。そして,面接したIF役員の名前すら不明であるものが多く,特に競技会場での面談等については,ただの挨拶程度のものを面談ないし協議と言い換えている部 談あるいは協議を行うことが可能であったか疑わしい。そして,面接したIF役員の名前すら不明であるものが多く,特に競技会場での面談等については,ただの挨拶程度のものを面談ないし協議と言い換えている部分も存在する。また,被告B1及び被告B2については通訳のできる職員が同行していたものの,他の被告出張職員らについて,IF役員らとの面談あるいは協議の際にすべて通訳が付けられていたか全く不明であり,どれだけ実質的な面談あるいは協議がされていたか不明である。加えて,このような面談ないし協議が具体的に立候補ファイルにどのように反映されたかも全く不明である。立候補ファイルが結果的にIF役員から承認を受けることができたとしても,この承認が本件出張の結果によるということもできない。 以上のとおり,IF役員らとの面談ないし協議がどれほどの意味を持っていたのか不明であり,このような面談ないし協議はそもそも不必要であったというべきである。 (ウ)競技視察の不必要性a被告出張職員らは,立候補ファイルの自らの担当部分とは関係のない競技の視察も数多く行っている。 また,被告B10は,被告出張職員ら間の連絡調整を確実に行う役割を担う職員が不可欠であるとして本件出張を行ったとのことであるが,そうであれば,被告B10の帰国後は被告B10に代わって連絡調整等の業務を行う職員が中期と後期にもいなければならなかったはずであるところ,被告B10の役割を引き継いだ職員はいない。した がって,そもそも連絡調整の業務を行うために被告B10が出張する必要性自体がなかったというべきである。さらに,被告B10の現地での役割の中心は文部政務次官及び文部総括政務次官の対応であったとのことであるが,そもそも日本政府の官僚を空港で出迎えることが大阪オリンピックの招致活動とどのような関係に 。さらに,被告B10の現地での役割の中心は文部政務次官及び文部総括政務次官の対応であったとのことであるが,そもそも日本政府の官僚を空港で出迎えることが大阪オリンピックの招致活動とどのような関係にあるのか不明であるし,この点をおいても,この2人に対応するためにわざわざ職員を1名派遣する必要性があったのか,すなわち,他の目的で出張している職員で対応することはできなかったのかも不明である。 b被告出張職員らは,同じ競技(バスケットボール,柔道,カヌー,水泳,女子マラソン及びサッカー)について,複数人で視察を行っている。 c上記a及びbからすれば,被告出張職員らの競技視察の目的はあくまで人気競技の観戦であって,立候補ファイル策定の参考のためではない。 また,会場での警備体制や運送確保の状況等については,わざわざシドニーオリンピックを視察しなくても,日本国内で大規模な各種スポーツの国際大会が開催されたことは数多くあるのであって,このような大会等の情報を収集することで足りるものばかりである。 これらからすれば,競技視察自体が不必要であったというべきである。 (エ)被告出張職員らの本件出張の不必要性a市長,助役及び招致局職員について(a)被告職員らの主張によれば,招致局は立候補ファイルの作成など大阪オリンピック開催に係る企画立案を行う役割を持ち,招致委員会は企画されたオリンピックの計画を国の内外にピーアールするという役割を持っており,また,招致委員会と招致局とは連絡を密 に取りつつ連携して活動していたというのである。そして,招致委員会の職員が多数シドニーオリンピックを視察していたのであるから,そもそも,招致委員会とは別に招致局の職員がIOCやIF関係者に対するピーアールをする必要性は全くない。また,市長である被告B1も,招致委 職員が多数シドニーオリンピックを視察していたのであるから,そもそも,招致委員会とは別に招致局の職員がIOCやIF関係者に対するピーアールをする必要性は全くない。また,市長である被告B1も,招致委員会の会長を務めていたのであるから,招致委員会の役割のために視察をすればよいのであって,大阪市の公費をもってピーアール活動に従事する必要性は全くなかった。 (b)立候補ファイル作成のためという必要性についても,実際にどれだけ必要であったか不明である。 すなわち,そもそも,どのような競技を視察するのかさえ,事前に何らの計画もされておらず,競技開催のための立候補ファイルの作成という必要性が実際に存在していたとはいい難い。 また,招致局職員らは,すべての競技を視察したわけでもなく,むしろ,人気競技の視察のみに終わっている。このことは,視察していなくても立候補ファイルの作成が可能であったことを示すとともに,事前の十分な計画があればもっと効率的な視察が可能であったことを示す。 (c)招致局においては,招致局の職員がシドニーオリンピックで競技を観戦することそれ自体で出張の必要性は認められるとの認識を有していたものであり,そのため,できれば全員に競技を見せたいとの理由で本件出張を行う職員を3班編成にしたものである。しかしながら,このような理由で3班編成にすることは,最少の人数で最大の効果を挙げることにならないことはいうまでもない(同一人が全期間を担当することに比して,少なくとも航空機代は3倍かかることになる。)。 b建設局職員について IF関係者との面談については,事前に十分なアポイント等を確保すればシドニーオリンピック開催前あるいは開催後でもできるはずであるし,また,施設の整備状況についても,開催前あるいは開催後においてシドニーにおける施設 談については,事前に十分なアポイント等を確保すればシドニーオリンピック開催前あるいは開催後でもできるはずであるし,また,施設の整備状況についても,開催前あるいは開催後においてシドニーにおける施設関係者から情報収集を行うことも含めて十分に可能なはずであって,シドニーオリンピック開催期間中に視察する必要性はなかったというべきである。 また,建設局職員(被告16及び被告17)による会場視察の場所も,出発後にチケットの関係で決まったという程度であり,出発前に視察可能なものとして確定したものはなかったのであって,建設局職員の本件出張が無計画なものであったことは明白である。 さらに,被告B17(被告17)は,オーストラリアスタジアム2000工事事務所所長と面談する際,何らの資料も用意せず,面談の記録も公文書として残さなかったというのであり,建設局職員の本件出張の目的であるスポーツ施設の整備に関して,その面談の仕方が無計画なものである上,直接アドバイスを得たことについて何らの客観的証拠が残っておらず,実質的なアドバイスを受けたかどうかも全く不明である。 加えて,建設局からの出張の人数や期間については正式立候補都市として承認された後に具体的な話となり,また,最低何人くらい行かなければならないのか,どの競技会場に行かなければならないのかといった具体的な話はしていなかったのであって,このことからも,建設局職員の本件出張が正式立候補都市の承認があった後に駆け込み的に決められた無計画なものであったことが明白である。 c教育委員会事務局職員について被告職員らが主張するように,本件卓球大会及び本件東アジア競技大会の円滑な招致,開催に当たっての具体的開催計画への反映,IF 関係者に対するピーアール等が本件出張の目的であったのであれば,大阪市が2008年 張するように,本件卓球大会及び本件東アジア競技大会の円滑な招致,開催に当たっての具体的開催計画への反映,IF 関係者に対するピーアール等が本件出張の目的であったのであれば,大阪市が2008年オリンピックの立候補開催都市に決定されるか否かにかかわらず,教育委員会において十分な事前計画が立てられていてしかるべきである。それにもかかわらず,それら事前計画が全く存在しない。 また,本件卓球大会や本件東アジア大会については,同種の国際大会についての情報,資料等の収集に努めれば足りるのであり,それ以上にどうしてもオリンピック視察の必要性があるのであれば,その必要性に見合う事前計画が立てられているはずであるが,そのような事前計画は立てられていない。 さらに,IF関係者との面談についても,ほとんどが表敬訪問にすぎず,面談は1回のみである一方で,女子マラソン競技視察,トライアスロン競技視察,アシックスレセプション出席等全く出張目的に沿わない視察を行っている。 以上のとおり,教育委員会事務局職員の本件出張は,その目的自体が不要なものであり,視察から得られたものも何もなく,必要性の全くない,競技視察を中心とする物見遊山的な出張であったことは明らかである。 (オ)仮に,本件出張について部分的に公務としての必要性があるとしても,被告職員らの主張する出張目的や実際の視察内容からしても,せいぜいIOCから提供された6室分の人数のみをもって足りたというべきである。 (被告職員ら)アシドニーオリンピックへの職員出張の必要性について(ア)ノー・ビジット・ルールと大阪の2008年オリンピック招致活動について 2002年冬季オリンピック招致活動におけるIOC委員と招致都市関係者との間での贈収賄疑惑(いわゆるIOCスキャンダル)を契機として,IOC委員 大阪の2008年オリンピック招致活動について 2002年冬季オリンピック招致活動におけるIOC委員と招致都市関係者との間での贈収賄疑惑(いわゆるIOCスキャンダル)を契機として,IOC委員と招致都市関係者との相互訪問の禁止(以下「ノー・ビジット・ルール」という。)が定められ,ノー・ビジット・ルールに基づく措置として正式立候補都市として承認されるまでの海外における招致活動を制限することがIOC理事会において決定されたが,このことは2008年オリンピックの招致を目指していた大阪市にとって大きなハンディキャップであった。 大阪市は,長居陸上競技場,大阪ドーム等国際水準に照らしても優れた機能を持つスポーツ施設を多く有しており,充実した宿泊施設や関西国際空港,高速道路網,地下鉄網といった優れた都市交通基盤を持つ世界最高級のオリンピック開催能力を有する大都市であったが,他の立候補都市,とりわけ一国の首都であり,また,国際的な観光都市であるパリや北京,イスタンブールなどと比べて知名度の点で不利であることは否めず,ノー・ビジット・ルールの制約の下でどのようにして大阪市のオリンピック開催能力をアピールするかが大きな課題となっていた。 また,オリンピック招致にあっては,IOCが開催都市を選定する際に大会開催能力を詳細かつ客観的に比較分析することを目的とした立候補都市の大会開催計画(立候補ファイル)の策定が非常に重要であるが,この立候補ファイルの策定に当たってもノー・ビジット・ルールの存在は大きな障害となっていた。すなわち,立候補ファイルの中核的な内容である開催競技の競技計画について,実際に競技を主催するIFの要望,意見を採り入れて具体的かつ詳細に策定する必要があったが,IF役員の多くはIOCの関係者でもあること,海外における招致活動は禁止され ある開催競技の競技計画について,実際に競技を主催するIFの要望,意見を採り入れて具体的かつ詳細に策定する必要があったが,IF役員の多くはIOCの関係者でもあること,海外における招致活動は禁止されていることから,正式立候補都市として承認されるまでは事実上IFとの接触はできない状況にあった。 大阪市においては,平成10年に招致局を設置し,立候補ファイルの策定に向けた情報収集活動を開始したが,オリンピックごとに立候補ファイルの内容についても詳細なものを求められたこと,競技計画に対するIFの要望が新たになっておりシドニーオリンピック前に収集した情報だけでは2008年オリンピックに係るIFの要望にこたえられないこと等の情報がJOCやNFから伝えられたことから,シドニーオリンピックの大会運営を基準にIFの新たな要望を盛り込んだ最新かつ詳細な競技計画の策定について協議を行うことが必要とされた。 また,2008年オリンピックに係る立候補ファイルの策定マニュアルはシドニーオリンピック開催期間中の平成12年9月25日にIOCから配布されることとなっていたが,シドニーオリンピック終了後から準備を始めていたのでは到底提出期限に間に合わないことが予想されており,シドニーオリンピック前から競技計画の内容について策定作業に入る必要があった。 このような状況の中で,平成12年8月28日に大阪市が正式立候補都市として承認され,一部制限が残るもののIOC委員との接触やIF役員との協議が可能となった。 シドニーオリンピックは,上記正式立候補都市承認後最初に行われる国際競技大会であるのみならず,大会開会直前にIOC総会が開催されるなどIOC会長を始めとして多数のIOC委員が集結し,また,大会期間中はオリンピック競技種目に係るすべてのIFが当該競技の運営のために役員 大会であるのみならず,大会開会直前にIOC総会が開催されるなどIOC会長を始めとして多数のIOC委員が集結し,また,大会期間中はオリンピック競技種目に係るすべてのIFが当該競技の運営のために役員を常駐させるなど,人脈づくり,情報収集や意見交換にまたとない機会であった。 以上のことから,シドニーオリンピックに職員を派遣し,招致活動を行うことが,オリンピック開催都市決定に関与するIOC委員等に直接大阪のオリンピック招致をアピールし,立候補ファイル策定についてI Fとの協議を具体的かつ詳細に行うことのできる最初で,かつ,絶好の機会であったことは明らかである。 (イ)市長,助役及び招致局職員らの出張の必要性についてa前記のとおり,シドニーオリンピックは,正式立候補都市承認後最初の国際競技大会であるのみならず,多数のIOC委員,IF役員が集結する場でもあり,ノー・ビジット・ルールの制約の中で国際的な知名度にハンディを負っていた大阪をピーアールする絶好の機会であった。また,オリンピック開催に先立ちIOC総会がシドニーにおいて開催されることも決まっていたことから,同総会において正式立候補都市の代表としてオリンピック招致のプレゼンテーションを行い,招致の強い意思を内外にアピールするため,大阪市長である被告B1(被告1)を出張させることが必要であった。さらに,被告B1の帰国の後を受けて,オリンピック期間中に競技会場を視察するとともに,当該競技を主催するIF役員及びIOC委員に対しオリンピックの大阪招致の支持を訴え,立候補ファイルへの承認を働きかけるために,担当助役であり,これまでの招致活動においてIOC委員等とも深い人脈を築いていた被告B2(被告2)を出張させることが必要であった。 このように,被告B1及び被告B2が交代でシドニーオリンピ ために,担当助役であり,これまでの招致活動においてIOC委員等とも深い人脈を築いていた被告B2(被告2)を出張させることが必要であった。 このように,被告B1及び被告B2が交代でシドニーオリンピックの開催期間をカバーすることで,正式立候補都市の代表者が常にシドニーにおいて招致活動をしていることを効果的にアピールすることが期待できた。 b被告B3(被告3)については,市長室秘書部国際交流課長代理として,被告B1及び被告B2のシドニーにおける招致活動等に随行して通訳を務めるため,出張させることが必要であった。 大阪市顧問を委嘱していた被告B15(被告15)については,過 去に日本における国際スポーツ競技大会招致の実績を有しており,IOC委員やIF役員とも豊富な人脈を有していたことから,シドニーに派遣し,直接IOC委員やIF役員らにオリンピックの大阪招致への支持を働きかけてもらうため,出張させることが必要であった。 c招致局長であった被告B4(被告4),招致局理事であった被告B5(被告5)及び招致局招致推進部長であった被告B6(被告6)は,招致局の幹部職員として,シドニーにおいて,市長及び助役のトップセールスを補佐し,現地における招致局のヘッドとして,招致局を代表してIF等との協議に臨み,かつ,出張職員を指揮,監督するため,交代で出張させる必要があった。 連絡調整課主査であった被告B10(被告10)については,開会式の前後にシドニーオリンピックの視察が予定されていた文部政務次官,文部総括政務次官等の関係政府機関の幹部職員に大阪の招致活動について国からも強力にバックアップしてもらうべく,現地においてこれら政府機関の幹部職員と被告B1ほか大阪市のトップとの会合のセッティングや連絡調整を行うため,出張させる必要があった。 dシドニー について国からも強力にバックアップしてもらうべく,現地においてこれら政府機関の幹部職員と被告B1ほか大阪市のトップとの会合のセッティングや連絡調整を行うため,出張させる必要があった。 dシドニーオリンピック開催当時の招致局においては,国やJOCといった関係機関との連絡調整,オリンピック招致に関する広報,市民運動等を所管する連絡調整課と,オリンピック招致計画の策定及び推進を所管する計画課が設けられており,立候補ファイルの策定は計画課が担当していた。 立候補ファイルはIOCの立候補マニュアルに示される質問項目に従って作成するものであり,これらの質問は18テーマ149項目延べ500問以上にわたる詳細なものであって,その内容は,28競技の競技開催計画から,セキュリティ,輸送,メディアサービスといった大会全体の運営に関する事項について広範囲に及ぶものであった。 とりわけ,立候補ファイルの中核的な内容であった競技開催計画については,競技施設の場所や収容人員,練習会場の所在地や選手村からの距離,施設の仕様として更衣室やドーピングルームの設置さらには観客等の動線,輸送対策,宿泊施設などといった多岐にわたる事項について詳細に定めなければならなかった。 これら競技開催計画について当該競技を主催するIFからの承認が得られていない立候補ファイルは,開催都市選定において著しく不利になることが明らかであったことから,上記開催計画の内容について,IFから最新の基準及び要望を受け入れ,かつ,承認の確約を取り付けるべく,IFとの協議を速やかに行う必要があった。また,IFとの協議においては,必ずシドニー大会の運営を基準に話が進められることから,IFからの承認を得るためには,シドニーオリンピックでその競技を実際に視察し,競技運営について必要な知識を獲得すること Fとの協議においては,必ずシドニー大会の運営を基準に話が進められることから,IFからの承認を得るためには,シドニーオリンピックでその競技を実際に視察し,競技運営について必要な知識を獲得することが必要であった。 このため,立候補ファイルの担当者をシドニーに派遣して,最新の施設の整備状況,大会の運営状況の視察,IFからの情報収集及び協議開催計画の説明を行うために,計画課長として実務的な責任者であった被告B7(被告7)を筆頭として立候補ファイル各項目の担当者であった被告B8(被告8),被告B9(被告9),被告B11(被告11),被告B12(被告12),被告B13(被告13)及び被告B14(被告14)を主張させる必要があった。 (ウ)建設局職員の出張の必要性についてシドニーオリンピック当時建設局花と緑の推進本部施設整備部長であった被告B16(被告16)及び同部技術主幹であった被告B17(被告17)は,公園施設としてのスポーツ施設の整備を担当していたことから,競技開催計画における施設整備の技術的な面について招致局をバ ックアップする立場にあった。2008年オリンピックの招致にあっては,新規のスポーツ施設の建設及び既存のスポーツ施設の改修を予定しており,被告B16及び被告B17はこれら施設の整備計画及び工事の実施を所管していた。 オリンピック施設の整備については,本設,仮設の使い分け,バリアフリー対策,環境対策等ハード面の整備のあり方とともに,観客や出場選手等の動線のコントロール,セキュリティチェック,メディアへの対応等ソフト面の運用のあり方等についても最新の情報を前提として計画を立案する必要があり,特にメイン競技会場となるオリンピックスタジアム,アクアティックセンター(メインプール)の整備計画を策定するために,シドニーオリンピック 等についても最新の情報を前提として計画を立案する必要があり,特にメイン競技会場となるオリンピックスタジアム,アクアティックセンター(メインプール)の整備計画を策定するために,シドニーオリンピックにおける施設整備及びその運営に係る各種新情報を入手することとしていた。 そこで,建設局花と緑の推進本部施設整備部長であり,オリンピックスタジアム・プール施設構想委員会の委員でもある被告B16については,競技施設の集中化(いわゆるオリンピックコンプレックス)についての具体的な構想づくりや既存スポーツ施設の改修に係る基本方針の策定のために最新の施設整備のコンセプトを視察する目的から,同部技術主幹として被告B16の下で実務を担当していた被告B17については,新設又は改修する個々の施設に係る整備計画を具体的に策定するためにシドニーオリンピック競技施設のハード面,ソフト面の細部にわたる整備状況を視察する目的から,それぞれシドニーへ出張させる必要があった。 (エ)教育委員会事務局職員の出張の必要性についてシドニーオリンピック当時教育委員会事務局理事であった被告B18(被告18)及び同局スポーツ部国際競技課長であった被告B19(被告19)は,シドニーオリンピックが開催された平成12年9月当時, 平成13年4月23日から同年5月6日までの日程で開催される第46回世界卓球選手権大会(本件卓球大会)及び同月19日から同月27日までの日程で開催される第3回東アジア競技大会大阪大会(本件東アジア競技大会)の開催準備を担当していた。 シドニーオリンピック開催当時,教育委員会事務局では,「スポーツパラダイス大阪」という生涯スポーツ施策の一環として,「するスポーツ」として地域スポーツ施設の整備等を図るとともに,「見るスポーツ」として多くの市民に世界のトップレベル 委員会事務局では,「スポーツパラダイス大阪」という生涯スポーツ施策の一環として,「するスポーツ」として地域スポーツ施設の整備等を図るとともに,「見るスポーツ」として多くの市民に世界のトップレベルの選手の技を間近に見てもらうため,各種の国際競技大会を招致開催していた。また,国際競技大会の開催に当たっては「支えるスポーツ」として市民ボランティアの活用といった課題に取り組んでいた。 オリンピックの招致については直接所管をしていなかったものの,本件卓球大会や本件東アジア競技大会の大阪開催を成功させ,「国際スポーツ都市・大阪」を世界に発信することが,2008年オリンピックの招致機運のアピールにも有益であると期待できた。シドニーオリンピックは,質,量ともに世界のトップレベルの総合競技大会であり,これまで国際総合競技大会の経験のなかった大阪市にとって,競技施設を始め大会運営,警備状況,集客状況,ボランティアの活動状況,ホスピタリティのあり方などの視察を行うことで国際総合競技大会を運営するノウハウを得,また,各競技のIF役員と積極的に接触し,大阪での各種国際競技大会の開催実績をアピールし,本件卓球大会や本件東アジア競技大会への協力を求める絶好の機会でもあった。さらに,シドニーオリンピックにおいて各競技のIF委員との接触を積極的に行うことで,将来的な大阪市への国際競技大会の招致に当たりIFとの広範な協力関係を築くことが期待できた。 このような状況の下に,教育委員会事務局においてスポーツ振興施策 を担当していた被告B18については,既にNFに対して培ってきた人脈を活かしてIF役員へ協力関係を築く目的から,また,被告B18の下で国際競技大会の開催準備を所管していた被告B19については,IFとの協力関係づくりを行う被告B18を補佐し,国際競技大会の きた人脈を活かしてIF役員へ協力関係を築く目的から,また,被告B18の下で国際競技大会の開催準備を所管していた被告B19については,IFとの協力関係づくりを行う被告B18を補佐し,国際競技大会の運営に係る最新の状況を視察する目的から,それぞれシドニーへ出張させる必要があった。 イシドニーにおける被告出張職員らの活動状況について(ア)招致局における本件出張の準備について大阪市長及び助役といった大阪市のトップ職員ら及び招致局職員に係る本件出張の日程については,招致局職員の海外出張に関する事務を所管していた被告B20(被告20)と立候補ファイルに係るIFとの協議を所管していた被告B7(被告7)との調整の上,招致局長であった被告B4(被告4)を中心とした局議を経て決定された。出張日程の決定にあっては,IOCの公式行事のスケジュールをまず優先し,次にIFとの協議を重視した体制が作られるよう配慮した。 本件出張の日程については,シドニーオリンピックの開催直前から開催期間中を前期,中期,後期に3分割し,それぞれの期に局長級及び部長級の職員,課長級の職員並びに係長級の職員をそれぞれ割り当てた。 局長級及び部長級の職員については,招致局の幹部職員として,国内における招致活動を統括する立場から特定の職員が長期間の海外出張をすることが困難な状況の中でシドニーにおける市長,助役の活動を補佐し,所属職員を指揮監督する必要があったことから,被告B4,被告B5(被告5)及び被告B6(被告6)をそれぞれ交代で前期,中期及び後期の責任者として派遣し,課長級及び係長級の職員については,立候補ファイルの策定を所管する計画課の職員を中心にIFとの協議を優先的に行うために被告B7,被告B8(被告8),被告B9(被告9), 被告B10(被告10),被告B11(被告 職員については,立候補ファイルの策定を所管する計画課の職員を中心にIFとの協議を優先的に行うために被告B7,被告B8(被告8),被告B9(被告9), 被告B10(被告10),被告B11(被告11),被告B12(被告12),被告B13(被告13)及び被告B14(被告14)を担当者として派遣することとなった。 このIFとの協議については,出張前にNFを介してIFと日程調整を行おうと努力したものの,IF側の協議開催準備の多忙等の事情でアポイントメントが取れないものがほとんどであった。そこで,IFの開催する競技日程や,開会式等の公式日程を参考にしながら,NFから各IF委員の滞在先等の情報を得る等現地でのアポイントメントが取れるよう準備することとなった。その結果,計画課の職員についても競技ごとに課長級及び係長級の担当者を異なる期間に出張させるシフトを組むなど現地での日程調整に臨機応変に対応することができるよう出張者の割当てを決定することとなったものである。 競技視察等については,IOC等の公式行事,IFとの協議日程を優先する中で担当競技を中心に視察を行うこととした。視察については複数の職員で行うことを想定していたが,これは,出張者には種目ごとの競技開催計画や,セキュリティ,交通アクセス等といった大会運営上のテーマが担当として割り当てられていたので,競技等の視察についても担当ごとの観点から視察することが必要であったこと,また,立候補ファイル策定の際には実際に視察をした者の複数の視点から内容を深めることが必要であったことから,協議日程の間を縫って出張者が精力的に視察することとしたものである。 (イ)招致局職員らの活動状況についてa招致局職員らに係る本件出張時の活動の概要について招致局職員ら(被告1ないし被告15)に係る本件出張の期間及 張者が精力的に視察することとしたものである。 (イ)招致局職員らの活動状況についてa招致局職員らに係る本件出張時の活動の概要について招致局職員ら(被告1ないし被告15)に係る本件出張の期間及び本件出張時の活動の概要は,以下の各記載及び別紙シドニー出張者活動記録総括表の各対応被告欄記載のとおりである。 (a)被告B1(被告1)被告B1は,大阪市長として,また,招致委員会会長として,正式立候補都市である大阪市を代表し,また,2008年オリンピック招致のための施策を総合的かつ円滑に推進するための内部組織として大阪市に設置された招致推進本部の本部長として,招致活動全般を統括していた。 シドニーへは平成12年9月9日から同月18日まで出張し,大阪市長として,また,招致委員会会長として,IOC役員,IF役員らと面談し,IOC主催のレセプション,JOC主催のイベント等へ出席し,また,シドニー市内においてIOCが正式立候補都市に設置することを認めた招致活動の窓口であるプレゼンテーションテーブルにおいて,スポーツ関係者への大阪市のピーアールや,報道機関の取材への対応のほか,メインプレスセンターにおいて記者会見を行うなど,大阪市の招致活動を積極的にアピールした。 (b)被告B2(被告2)被告B2は,大阪市助役,招致委員会理事及び招致推進本部副本部長として,被告B1を補佐する職にあった。また,1999年(平成11年)に開催されたGAISF大阪会議において築いたIOC委員及びIF関係者との幅広い人脈を駆使し,被告B1が出席することのできない会議等において大阪市を代表して出席した。 シドニーへは平成12年9月16日から同年10月2日まで出張し,シドニーオリンピック期間中に帰国する被告B1の後を受けて,大阪市の代表としてIOC主催の立候補都 等において大阪市を代表して出席した。 シドニーへは平成12年9月16日から同年10月2日まで出張し,シドニーオリンピック期間中に帰国する被告B1の後を受けて,大阪市の代表としてIOC主催の立候補都市説明会への出席やIOC役員,IF役員らとの面談,オフィシャルスポンサー主催のレセプション,JOC主催のイベント等への出席などを行い,大阪市の招致活動を積極的にアピールした。 (c)被告B3(被告3)被告B3は,市長室秘書部国際交流課長代理として,堪能な語学能力を活用し,オリンピック招致活動に限らず,市長,助役等が海外出張する際,又は国内において海外からの賓客を接遇する際の通訳を行うこと等を職務とし,また,英語及びフランス語を公用語とするIOCへの提出書類の作成又は交渉等を通じてオリンピック開催に関連する専門知識を豊富に有していた。 シドニーへは平成12年9月9日から同月26日まで出張し,出張期間中は被告B1又は被告B2に随行してIOC委員,IF役員らとの面談又は海外報道機関からの取材に際して通訳等の業務を行った。 (d)被告B4(被告4)被告B4は,招致局長として,2008年オリンピックの招致に係る事務事業の総合的な推進及びオリンピック関係団体等との連絡調整の業務を総括していた。また,招致委員会運営委員として,招致委員会の業務の執行に参画していた。 シドニーへは平成12年9月12日から同月21日まで出張し,招致局長としてIF委員との折衝,大阪のオリンピック招致のピーアール等の業務を行った。 (e)被告B5(被告5)被告B5は,招致局理事として,また,招致委員会東京事務所長として,国の機関や国会議員との連絡調整に当たるとともに,首都圏での招致気運の醸成等を行っていた。 シドニーへは平成12年9月19日から同月26日まで出張し 局理事として,また,招致委員会東京事務所長として,国の機関や国会議員との連絡調整に当たるとともに,首都圏での招致気運の醸成等を行っていた。 シドニーへは平成12年9月19日から同月26日まで出張し,被告B4の後を受けて引き続きIF委員との折衝,大阪のオリンピック招致のピーアール等の業務を行った。 (f)被告B6(被告6)被告B6は,招致局招致推進部長として,招致局の業務を総括し,かつ,局長を補佐する職にあった。 シドニーへは平成12年9月25日から同年10月2日まで出張し,被告B5の後を受けて引き続きIF委員との折衝,大阪のオリンピック招致のピーアール等の業務を行った。 (g)被告B7(被告7)被告B7は,招致局招致推進部計画課長として,オリンピック招致計画の策定及び推進並びに競技施設その他オリンピックの関連施設の整備計画の調査及び立案を担当していた。 シドニーへは平成12年9月9日から同月26日まで出張し,立候補ファイル作成の担当者として,IOC正式立候補都市説明会へ出席するとともに,被告B1又は被告B2とIF委員との間の連絡調整の業務を行った。 (h)被告B8(被告8)被告B8は,招致局招致推進部計画課長代理として,計画課の事務分掌のうち,競技施設計画の策定に関する事務その他特命に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月12日から同月21日まで出張し,開会式までの大会準備状況の視察や,立候補ファイル作成に当たり,競技計画を具体的かつ詳細に策定するため,担当していたトライアスロン競技,アーチェリー競技,柔道競技等の運営状況を視察する業務を行った。 (i)被告B9(被告9)被告B9は,招致局招致推進部企画主幹として,トレーニングセンター,交通アクセス,情報通信・メディア,競技等の計画策定に 関す 等の運営状況を視察する業務を行った。 (i)被告B9(被告9)被告B9は,招致局招致推進部企画主幹として,トレーニングセンター,交通アクセス,情報通信・メディア,競技等の計画策定に 関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月25日から同年10月2日まで出張し,開会式の運営状況の視察及び大阪オリンピックの開催計画である立候補ファイルの作成に当たり,競技計画を具体的かつ詳細に策定するため,担当していたテコンドー競技等の運営状況を視察する業務を行った。 (j)被告B10(被告10)被告B10は,招致局招致推進部連絡調整課主査として,招致局の庶務全般に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月13日から同月21日まで出張し,被告B4等の日程調整,文部省との連絡調整等の業務を行った。 (k)被告B11(被告11)被告B11は,招致局招致推進部計画課主査として,立候補ファイルの編集,開催計画の策定に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月19日から同月26日まで出張し,立候補ファイルの作成に当たり担当していた大会期間中のセキュリティ及び医療・保健サービス状況の視察の業務を行った。 (l)被告B12(被告12)被告B12は,招致局招致推進部計画課主査として,立候補ファイルにおける競技計画,技術・メディア,トレーニングセンターに係る事項に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月13日から同月21日まで出張し,立候補ファイル作成に当たり担当していた競技準備,体操競技,ウエイトリフティング競技,バドミントン競技等の運営状況の視察の業務を行った。 (m)被告B13(被告13) 被告B13は,招致局招致推進部計画課主査として,立候補ファイルにおける環境影響評価,輸送・宿泊計画に係る事 バドミントン競技等の運営状況の視察の業務を行った。 (m)被告B13(被告13) 被告B13は,招致局招致推進部計画課主査として,立候補ファイルにおける環境影響評価,輸送・宿泊計画に係る事項に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月19日から同月26日まで出張し,立候補ファイル作成に当たり担当していた輸送及び宿泊施設の状況の視察の業務を行った。 (n)被告B14(被告14)被告B14は,招致局招致推進部計画課主査として,立候補ファイルにおける競技計画,医療・保健サービスに係る事項に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月25日から同年10月2日まで出張し,立候補ファイルの作成に当たり担当していた近代五種,カヌー,ホッケー等の競技,閉会式の運営状況の視察の業務を行った。 (o)被告B15(被告15)被告B15は,これまで日本陸上競技連盟名誉副会長,アジア陸上競技教科名誉会長等を歴任し,東京オリンピックを始めとする日本における数々の国際競技大会の招致,運営に携わってきた経歴を有し,非常勤の大阪市顧問として,招致計画の策定,IOCからの情報収集,国際競技大会における招致活動,JOC理事等との連絡調整を担当していた。 シドニーへは平成12年9月13日から同月21日まで出張し,これまでの経歴を通じて得た国際競技大会の運営に係る高い識見及びIF委員等との豊富な人脈を活かして,各国のIOC委員と直接面談し,また,被告B1,被告B2又は被告B4とIF役員らとの折衝の機会を設けるなど,大阪のオリンピック招致を各国のスポーツ関係者に直接アピールした。 b各IFとの交渉の経過等及びその成果について(a)招致局職員らによる各IF役員らとの協議,交渉の日時場所,内容や競技会場等の視察の日時,そして,それら ポーツ関係者に直接アピールした。 b各IFとの交渉の経過等及びその成果について(a)招致局職員らによる各IF役員らとの協議,交渉の日時場所,内容や競技会場等の視察の日時,そして,それらの立候補ファイル作成への反映については,別紙競技別IFとの接触状況記載のとおりである。 (b)IFとの協議については,オリンピック開催28競技中17の競技について行われ,協議の内容は,IF側で競技会場内等に会議の場が設定され,大阪市側の出席者から図面等を示して協議開催計画を説明し,IF側から具体的な意見を得るというのが一般的であった。協議には,大阪市職員について,被告B1又は被告B2をトップとしてこれを補佐する招致局の局長級,部長級の幹部職員,実務上の説明を担当する課長級,係長級の職員によるチームで出席し,IF側について,当該IFの会長が協議に出席したもの,事務総長が協議に出席したもの,競技の実務責任者が出席したものと様々であったが,大部分のIF役員が当該競技の開催について実質的な責任を負っており,2008年オリンピックにおける競技開催計画についても決定権限を有していることから,招致局側の示した開催計画についても個別に要望等があった。これら競技におけるIFからの要望等に対しては招致局として最大限開催計画に反映させ,受け入れ難いものについてはその理由を含め説明することとし,その過程において,カヌー競技のようにオリンピック開催期間中に再度IFと協議を行い,具体的な課題について更に交渉を行ったものもあった。これらの協議の中で,当初の大阪市の協議開催計画について,次のとおり会場設定そのものを変更したものがあった。 ①サッカーについて,予選会場を京都,大阪,神戸の近郊で行う予定にしていたが,航空機で1時間の移動距離内で大規模な施設 を利 計画について,次のとおり会場設定そのものを変更したものがあった。 ①サッカーについて,予選会場を京都,大阪,神戸の近郊で行う予定にしていたが,航空機で1時間の移動距離内で大規模な施設 を利用する方がよいとのアドバイスに従い,横浜,埼玉,愛知及び広島の予選会場を追加した。 ②カヌーについて,河川における天然コースを会場として設定していたが,自然環境の変化による競技条件の不平等を避ける方がよいとのアドバイスに従い,人工コースによる会場設定に変更した。 ③ビーチバレーにおける会場を臨海部から大阪を代表するロケーションに設けた方がよいとのアドバイスに従い,大阪城公園内に会場設定を変更した。 また,会場設定そのものについて了解を得られた競技にあっても,観客席,選手控室,競技用具の保管場所等会場施設のレイアウト,会場の照明,最新の競技機器の導入等について具体的な要望に従い計画を変更したものもあった。 (c)競技会場の視察については,競技場,観客席,練習会場等諸施設の配置状況,選手,競技運営者,メディア関係者等の会場内での動線の設定,選手がメディアの直接の取材を受ける場としてのミックスゾーンの設置といった競技運営に即した会場設備の具体的状況について競技ごとに複数の担当者で視察した。 また,IFとの協議においては,IFの役員がシドニーでの実際の競技施設の状況,競技運営の状況を前提として,2008年の計画について要望等を行うことから,協議の前提として当該競技の視察をしておくことが必要であり,被告B2以下幹部職員は,協議日程外には競技視察を精力的に行ったが,このことはIF役員との競技やIOC委員との面談において共通の話題や情報をベースに円滑に交渉を進める上で非常に有益であった。 (d)競技会場以外においても,最新の報道技術を反映した取材 に行ったが,このことはIF役員との競技やIOC委員との面談において共通の話題や情報をベースに円滑に交渉を進める上で非常に有益であった。 (d)競技会場以外においても,最新の報道技術を反映した取材施設 (メイン・プレス・センター)及び放送施設(IBC)の施設配置,設備状況等のメディアに関する事項,公共交通機関と競技会場との共通パスの利用や,シドニー市内における自動車利用の抑制策といった円滑な観客輸送に関する事項,会場管制室における警察,消防等関係機関の連携した安全管理といったセキュリティ確保に関する事項等,オリンピック大会全般にわたり特有の運営状況を視察するなど広範囲に視察を行った。 (ウ)建設局職員の活動状況についてa建設局職員に係る本件出張時の活動の概要について建設局職員(被告16及び被告17)に係る本件出張の期間及び本件出張時の活動の概要は,以下の各記載及び別紙シドニー出張者活動記録総括表の各対応被告欄記載のとおりである。 (a)被告B16(被告16)被告B16は,建設局花と緑の推進本部施設整備部長として,スポーツ施設の建設に係る調査,企画及び連絡調整等及び公園施設の建設を所管するとともに,大阪オリンピックスタジアム・プール施設構想委員会の構成員として,オリンピックに係る施設整備の具体的な検討事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月25日から同年10月2日まで出張し,オリンピック関連施設の配置計画及び整備計画を検討するため,各種競技施設及び競技の運営方法,観客等の動線確保等を実地に視察する業務を行った。 (b)被告B17(被告17)被告B17は,建設局花と緑の推進本部施設整備部技術主幹として,大阪市における大規模スポーツ施設整備に係る事務を所管するとともに,大阪オリンピック競技施設整備部会部員として, 被告B17(被告17)被告B17は,建設局花と緑の推進本部施設整備部技術主幹として,大阪市における大規模スポーツ施設整備に係る事務を所管するとともに,大阪オリンピック競技施設整備部会部員として,施設整 備の具体的な検討事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月25日から同年10月2日まで出張し,招致推進本部のオリンピック競技施設整備部会部員としての立場から,各種競技施設に関して観客収容規模,付帯施設整備状況等について施設配置計画及び整備計画を検討するため,被告B16とともに,各種競技施設及び競技の運営方法,観客等の動線確保等を実地に視察する業務を行った。 b2008年オリンピックの開催に向けた施設整備としては,新規の建設施設としてオリンピックスタジアム,オリンピックプール等が,既存スポーツ施設の改修としてテニス,ホッケー等の競技場がそれぞれ想定されており,また,競技期間中に限って整備する施設として公園内に馬術,アーチェリー,ビーチバレー等の競技場が想定されていた。そこで,被告B16及び被告B17は,限られた日程の中で上記整備方針ごとに参考となる施設を重点的に視察することとした。 特にオリンピックにおける中心的な施設であるオリンピックスタジアムについては,最優先に視察することとしていたところ,平成12年9月26日にオーストラリアスタジアム2000工事事務所長と約2時間の面談をし,同月28日に会場視察を行い,施設の整備状況について資源のリサイクル活用,環境対策等の最新かつ詳細な情報を得た。 また,新規の施設建設及び既存の施設改修のいずれについても,仮設施設を有効活用する観点から各競技会場の整備状況を視察した。 視察の視点としては,どのような規模の施設が整備されているのかといったハード面だけでなく,その施設が実際の競技運営に いずれについても,仮設施設を有効活用する観点から各競技会場の整備状況を視察した。 視察の視点としては,どのような規模の施設が整備されているのかといったハード面だけでなく,その施設が実際の競技運営においてどのように運用されているのかといったソフト面をも重視していたことから,会場レイアウトや観客席数といった単なる箱ものの状況のみな らず,観客の動線のコントロールやセキュリティの体制,物販施設の配置等施設の運用状況も重点的に視察することとした。このため,基本的には観客が多数入場しており,施設の運用面をつぶさに視ることができる競技中に競技施設の視察を行った。 一方,通常のスポーツ施設と異なる特殊な仕様を有する射撃会場については,競技期間終了後であるものの警備担当者に依頼して特別に入場するなど,活動目的に照らして臨機応変に対応した。 このようにして,被告B16及び被告B17は,本件出張期間中オリンピックスタジアム及びアクアティックセンターを含む9の競技会場(野球,テニス,シンクロナイズドスイミング,バスケットボール,新体操,サッカー,馬術及び射撃)について視察を行った。 (エ)教育委員会事務局職員の活動状況についてa教育委員会事務局職員に係る本件出張時の活動の概要について教育委員会事務局職員(被告18及び被告19)に係る本件出張の期間及び本件出張時の活動の概要は,以下の各記載及び別紙シドニー出張者活動記録総括表の各対応被告欄記載のとおりである。 (a)被告B18(被告18)被告B18は,教育委員会事務局におけるスポーツ振興担当理事として,大阪市におけるスポーツの振興並びに国際スポーツ競技大会の招致及び開催に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月20日から同月27日まで出張し,大阪市のスポーツ行政を担当していた教育委員 阪市におけるスポーツの振興並びに国際スポーツ競技大会の招致及び開催に関する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月20日から同月27日まで出張し,大阪市のスポーツ行政を担当していた教育委員会を代表し,平成13年4月及び5月に大阪市での開催が決定していた本件卓球大会及び本件東アジア競技大会について,オリンピックに集まる世界のスポーツ関係者等にピーアールするとともに,各競技の運営状況を視察し,IF委員と面談するなどした。 (b)被告B19(被告19)被告B19は,教育委員会事務局スポーツ部国際競技課長として,国際スポーツ競技大会の招致及び開催を所管するとともに,招致推進本部の教育委員会事務局の幹事として本部員である教育長を補佐する事務を所管していた。 シドニーへは平成12年9月20日から同月27日まで出張し,被告B18とともに本件卓球大会及び本件東アジア競技大会のピーアール,各競技の視察,IF関係者との連絡調整を行った。 b教育委員会事務局においては,シドニーオリンピックの翌年度に第46回世界卓球選手権大会(本件卓球大会)及び第3回東アジア競技大会大阪大会(本件東アジア競技大会)の開催を準備しており,特に東アジア競技大会は大阪市にとって初めての総合競技大会でもあった。 そこで,被告B18及び被告B19は,オリンピックにおいて開催されている各競技を視察する中で,施設利用の状況,競技運営の実態を大阪市における過去の競技大会と比較して観察し,また,ボランティアの活用やセキュリティの確保といった大会運営の最新情報を得た。 IF役員との協議については,被告B18及び被告B19は,IFのトップが実質的に競技運営についての権限と責任を有しており,当該IFのトップとの人脈を築くことが大阪市における国際競技大会の円滑な開催に有益であると 議については,被告B18及び被告B19は,IFのトップが実質的に競技運営についての権限と責任を有しており,当該IFのトップとの人脈を築くことが大阪市における国際競技大会の円滑な開催に有益であると認識していたことから,本件出張期間中IOCから発行されたADカードを最大限有効に活用して直接IF役員との接触を図った。特に,本件卓球大会の開催日程を間近に控えていたことから,卓球IFの会長との協議を重視し,平成12年9月22日には卓球競技の視察の際にJIF会長代理を表敬訪問し,本件卓球大会の説明をするとともにIF会長との面談の日程を調整し,さらに,同月24日には,被告B2に随行して,KIF会長と面談し,オリン ピック招致に併せて本件卓球大会の説明と協力を依頼した。また,本件東アジア競技大会のアピールと協力依頼については,被告B18が有するNF役員との人脈と競技会場におけるVIPエリアにも入場することができるADカードの機能とをフルに活用して,競技視察を兼ねて競技団体の役員室を積極的に訪問し,被告B18の知己のNF役員を通じてIF役員等を紹介してもらった。このようにして,被告B18及び被告B19は,同月22日にテニスIFのL会長,同月23日にテコンドーIF会長でありGAISF会場でもあるM会長と面談し,本件東アジア競技大会のアピールと協力依頼をすることができた。 (オ)以上のとおり,シドニーオリンピックへは最小限度の人数で最大限の活動を行う出張体制が取られており,各出張職員は,限られた出張期間の中で主張目的に即して精力的に視察,協議等を行い,オリンピックにおける施設整備状況及び大会運営状況について具体的かつ最新の情報を得,IF役員等へオリンピック招致や本件東アジア競技大会への協力をアピールするなど十分に活動を展開してきたことは明らかで リンピックにおける施設整備状況及び大会運営状況について具体的かつ最新の情報を得,IF役員等へオリンピック招致や本件東アジア競技大会への協力をアピールするなど十分に活動を展開してきたことは明らかであり,シドニーオリンピックへは過大な人数の職員が出張し,物見遊山的な観戦に終始したとする原告らの主張は失当である。 ウ本件出張の成果について(ア)被告B1,被告B2及び招致局職員の本件出張の成果について被告B1,被告B2及び招致局職員が出張した結果,大阪市のオリンピック招致の熱意及び開催能力をIOC,IF及び海外のメディア等にアピールすることができた。 特に,被告B1及び被告B2は,大会期間中を通じてどちらかが常に現地において招致活動を展開し,被告B1については,IOCホテル(IOC委員が宿泊するホテルをいう。以下同じ。)内に設置したプレゼンテーションテーブルでIOC委員らに対し大阪のピーアールを行っ たこと,正式立候補都市の記者会見において自らプレゼンテーションを行い,質疑にも答えたこと等について海外メディアから高い評価を得た。 また,被告B2は,シドニーオリンピック以前から平成11年に大阪で開催されたGAISF等でIF役員との人脈を培ってきたことから,シドニーオリンピックにおいてIFとの協議を精力的に行い,IFとの人脈を更に広げ,シドニーオリンピック以後に行われたIOC評価委員会の来阪等オリンピック招致活動の円滑な遂行に非常に有益であった。 大会運営面に係る立候補ファイルの策定に関しては,計画課の職員を中心に交通アクセス,セキュリティ等の広範囲にわたり視察した結果,シドニーオリンピックにおける最新かつ詳細な現地の情報を基に大幅に内容を更新することとなった。立候補ファイルの中核を成す競技開催計画については,計画課においてシドニーオ 広範囲にわたり視察した結果,シドニーオリンピックにおける最新かつ詳細な現地の情報を基に大幅に内容を更新することとなった。立候補ファイルの中核を成す競技開催計画については,計画課においてシドニーオリンピック以前から過去のオリンピック計画を参考に各競技について計画立案作業を進めており,シドニーオリンピックには当該計画案を持参してIFとの協議に臨んだ。 その結果,当該計画案についてそのまま承認の内容を得たIFもあったが,最新の競技運営のあり方から当該計画へ変更又は修正の要望をするIFもあった。計画課としては,IFからの具体的な要望,アドバイス等についてはできる限り立候補ファイルに反映させた。競技計画の変更案については,シドニーオリンピック開催期間中に再度IFとの協議を設けて説明したものもあったが,シドニーオリンピック後NFを通じてIFへ送ったものもあった。その結果,立候補ファイルの提出期限である平成13年1月17日までにすべてのIFから承認を得ることができた。こうして提出された立候補ファイルの内容については,IOC評価委員会からも非常に高く評価された。 (イ)建設局職員の本件出張の成果について被告B16及び被告B17がシドニーオリンピックへ出張した結果, 本件出張後,立候補ファイルにおける施設の整備計画の中に視察で得た情報を具体的に盛り込むことで,整備計画を最新のものに更新することができた。例えば,シドニーオリンピックにおけるオリンピックスタジアムを中心としたスポーツコンプレックスの考え方は,立候補ファイルの主要競技の施設配置に反映させることとなった。 また,施設整備上の大きなテーマの1つであった仮設の有効活用については,オリンピックスタジアムといった施設の新規計画,長居競技場といった既存施設の改修計画において,競技場や観客席等を こととなった。 また,施設整備上の大きなテーマの1つであった仮設の有効活用については,オリンピックスタジアムといった施設の新規計画,長居競技場といった既存施設の改修計画において,競技場や観客席等を仮設にすることで競技後の施設の有効活用等を織り込むこととなった。 この結果,これらの施設整備の内容を盛り込んだ大阪市の立候補ファイルに対して,IOCから技術面での高い評価を得ることとなった。 (ウ)教育委員会事務局職員の本件出張の成果について被告B18及び被告B19がシドニーオリンピックへ出張した結果,平成13年5月に開催を予定している本件卓球大会や本件東アジア競技大会の準備に際し,IFの役員や実務担当者とのコネクションを築くことができた。このような世界大会を開催する上で必要となるIFの協力は,トップクラスの役員との人脈の有無によって左右されるところがあり,オリンピックというIFが集結する大会においてIFとの協力体制を確立することは,国際競技大会の開催を控えた大阪にとって非常に重要であった。 また,オリンピックという大規模な国際競技大会において,観客の動線,セキュリティの確保といった最新の運営方法をつぶさに視察することで,これまで総合的な国際競技大会を行った経験のなかった大阪市にあって最も参考となる情報が得られた。 この結果,平成13年の本件卓球大会及び本件東アジア競技大会は,IFの協力を全面的に得て成功裏に終了し,その後,大阪市においては 平成14年に世界柔道選手権大会を開催し,また,平成19年には世界陸上選手権大会の開催を予定するなど,シドニーオリンピックにおける本件出張が国際競技大会の招致及び実施について有益な成果となった。 (2)争点(2)(本件出張に係る旅費中宿泊料の相当性及び被告らによる宿泊料に関する談合の有無)について ニーオリンピックにおける本件出張が国際競技大会の招致及び実施について有益な成果となった。 (2)争点(2)(本件出張に係る旅費中宿泊料の相当性及び被告らによる宿泊料に関する談合の有無)について(原告ら)ア談合の存在(ア)シドニーオリンピック開催期間中の宿泊料被告出張職員らの大半が本件出張の際に宿泊したラディソンプラザホテルのセールスマネージャーであるNは,毎日放送の取材に対し,「ほとんどのホテルの宿泊料金は,当時高騰しましたね。」,「少なくとも1.5倍くらいには。」,「オリンピック期間中,このホテルの料金は2万4000円から3万3000円でした。」,「スイートルームで3万3000円でしたよ。」と答えている。 また,国内旅行業者の声として,「10万円なんて,スイートルームでもない限り,そういう額にはならないと思います。ましてスタンダードの部屋でしたら。」,「シドニーの中心部はIOCに押さえられていましたから。」,「直前になって売れなくなったので,部屋が出てきたとか。」,「そんなべらぼうな値段はあり得ないと思いますね。」と発言している場面が放映されている。 さらに,シドニーオリンピック開催直前である平成12年9月13日付けの北海道新聞朝刊において,「シドニー周辺のホテルも満杯になっていない。空き部屋を抱えた旅行業者の中には宿泊料を50パーセント近く値下げしたところもあるが,予約の伸びは鈍いという。」という事実が報道されている。 これらからも明らかなとおり,シドニー市内にあるホテルの宿泊価格 が被告らが主張する程度に高騰していたことはあり得ず,むしろ,オリンピック開催直前の時期においては,ホテルの宿泊価格が値下げされていた事実さえ存する。そして,ラディソンプラザホテルのようにランクの高い部類に属するホテルでさえ1泊の宿泊料 はあり得ず,むしろ,オリンピック開催直前の時期においては,ホテルの宿泊価格が値下げされていた事実さえ存する。そして,ラディソンプラザホテルのようにランクの高い部類に属するホテルでさえ1泊の宿泊料が2万4000円から3万3000円程度であることからすれば,旅行業者らの利益等を考慮したとしても,オリンピック開催期間中のシドニー市内のホテル宿泊料としては,1泊1室3万3000円程度が相当な価格というべきである。 (イ)見積価格の一致a被告ジェイティービーは,平成12年8月15日付け見積明細書(乙C4号証)において,招致局に対し,クレストホテルに限定の上,1泊1室5万8300円という宿泊価格の見積りを出している。 ところが,被告ジェイティービーは,同年9月10日付け見積明細書(甲4号証の1)において,招致局に対し,ホテルの限定をせず,1泊11万6000円という宿泊価格の見積りを出している。 他方で,被告ジェイティービーは,同年8月30日付け見積明細書(甲5号証の1)において,招致委員会に対し,ホテルや宿泊時期別に詳細な内容の見積書を提出しており,しかも,その見積金額は本件出張について大阪市に提出した見積金額よりも相当安価なものとなっている。 b被告東急観光は,平成12年8月25日付けの見積書(甲4号証の2)において,招致局に対し,ラディソンプラザホテルに限定の上,1泊1室11万6000円という宿泊価格の見積りを出している。 他方で,被告東急観光は,同月29日付け見積明細書(甲5号証の2)において,招致委員会に対し,ホテルや宿泊時期別に詳細な内容の見積書を提出しており,しかも,その見積金額は本件出張について大阪市に提出した見積金額よりも相当安価なものとなっている。 cそもそも,ホテルが異なる以上ホテルの宿泊価格が異なってくるのは の見積書を提出しており,しかも,その見積金額は本件出張について大阪市に提出した見積金額よりも相当安価なものとなっている。 cそもそも,ホテルが異なる以上ホテルの宿泊価格が異なってくるのは当然であり,また,時期によって宿泊価格が変動するのも理解し得る。したがって,招致委員会に提出した見積明細書のように,ホテルや宿泊時期毎に詳細な見積りを出すのが当然というべきである。ところが,被告東急観光は,招致局に対しては,宿泊時期を何ら区別せず,11万6000円という,招致委員会に対するものと比較して異常に高額な見積りを提示している。被告ジェイティービーも,当初は,ホテルや宿泊時期によって詳細な見積りを出していたが,平成12年9月10日に至って,招致局に対し,ホテルも宿泊時期も区別せず,被告東急観光が提示した金額と同額の11万6000円という見積りを提示している。 dまた,監査結果通知書(甲2号証)によれば,被告近畿日本ツーリストも11万6000円の見積りを出していたことは明らかである。 (ウ)以上からすれば,被告業者らが,平成12年8月中旬ころから同年9月10日ころまでの間に,被告出張職員らに対するホテル宿泊価格を1泊当たり11万6000円という金額で統一すべく不正に談合したことは明白である。 (エ)さらに,平成12年8月15日の時点では,既に被告東急観光からシドニーオリンピック全期間を通じたホテルの確保ができており,その金額が11万6000円であった。その後に被告ジェイティービー及び被告近畿日本ツーリストにホテルの手配を依頼したが,被告ジェイティービー及び被告近畿日本ツーリストから取得した見積書の金額も11万6000円であり,被告業者らに発注を分散させると決めた時点で被告業者ら3社の見積りがいずれも11万6000円であることが明 ェイティービー及び被告近畿日本ツーリストから取得した見積書の金額も11万6000円であり,被告業者らに発注を分散させると決めた時点で被告業者ら3社の見積りがいずれも11万6000円であることが明らかとなっていた。しかも,ホテルの手配の発注を被告業者ら3社に分散させる理由は全く不明確であり,事前にホテルの手配が難しいと聞いており, なおかつ,被告東急観光において全期間を通じたホテルの確保ができていたにもかかわらず,あえて直前の時期に別の業者に対し不明確な理由で確保を依頼すること自体が不自然である。 このような事実関係からすれば,被告業者ら間のみならず,大阪市の職員も加わって,1泊当たり11万6000円を宿泊料とすることを談合していたといわざるを得ない。 なお,被告東急観光の招致局に対する見積書(甲4号証の2)の書式が招致委員会向けのもの(甲5号証の2)と全く異なっていること,招致局に対する見積書の被告東急観光の支店名が「中島支店」となっているが,被告東急観光のミスとしては不自然であり,むしろ市内部の者が作成して被告東急観光に押印させたものと考えるのが自然であることからしても,官製談合の疑いが濃厚である。 (オ)以上によれば,本件出張職員らに係る宿泊料のうち1泊3万3000円を超える部分については,談合という不法行為によって生じた損害となる。 イ暴利行為仮に宿泊料についての談合が認められないとしても,シドニーオリンピック期間中のホテル宿泊価格としては1泊当たり3万3000円程度が相当な価格であるから,それを超える部分は被告業者らの暴利行為という不法行為によるものとして,損害となる。 すなわち,暴利行為とは,一般に,相手方の窮迫,無知などに乗じて,過大な利益を獲得する行為とされているところ,客観的にみて被告業者らが過大な利益を 行為という不法行為によるものとして,損害となる。 すなわち,暴利行為とは,一般に,相手方の窮迫,無知などに乗じて,過大な利益を獲得する行為とされているところ,客観的にみて被告業者らが過大な利益を獲得したと評価することができれば足りるのであって,同時期の一般旅客に対するホテル代金よりも著しく高額であることが要件となるものではない。宿泊料金1泊3万円程度のホテルについてその4倍近い1泊11万6000円もの宿泊料金を支払わせるのは,明らかに過大な 利益を獲得しているものであり,暴利行為にほかならない。 ウ不当に高額な宿泊料の支出(ア)争点(1)において主張したように,そもそも本件出張自体が公務として不必要であり,本件出張に要した費用全額が損害である。 仮に部分的に何らかの公務としての必要性があるとしても,せいぜいIOCから提供された6室分の人数のみをもって足りたというべきであり,それを超える分の宿泊料についてはすべて違法な支出として損害となる。 (イ)ア記載のとおり,そもそも本件出張に係る宿泊料については官製談合であることさえ疑われるが,そうでなくとも,招致委員会に対する宿泊料の価格等を十分に知り得た被告職員らが,被告業者らの違法不当な談合価格をそのまま承認している点において,被告職員らに注意義務違反があることは明らかである。 (ウ)また,被告職員らには,適切な時期,方法,価格によるホテル確保を怠った注意義務違反があることも明白である。 すなわち,被告出張職員らがシドニーにおいて宿泊したホテルの宿泊料として,1室当たり11万6000円が支出されているが,同金額は,同時期に出張していた大阪府や文部省関係者の宿泊料がせいぜい2,3万円程度であるのと比較しても異常に高額である。 この点,被告職員らは,正式立候補都市として決定されるまで 支出されているが,同金額は,同時期に出張していた大阪府や文部省関係者の宿泊料がせいぜい2,3万円程度であるのと比較しても異常に高額である。 この点,被告職員らは,正式立候補都市として決定されるまではホテルの確保等ができなかった旨主張する。 しかしながら,前提となる事実等(2)記載のように,大阪市は,早期からオリンピック招致に向けて積極的な活動を行っており,平成12年1月25日には立候補届をIOCに提出しているのであるから,本件出張の前に十分な準備期間を有していたものである。したがって,現地においてどれだけの活動を行うべきか,事前に詳細に検討していてしかるべ きであり,オリンピック視察に必要な最低限の人数,期間等は事前に容易に把握することができたはずであって,このような最低限の人数,期間分の宿泊確保を事前に行うことにより,大阪府や文部省なみの1室2,3万円のホテルを相当数確保することができていたはずであるから,不確定要素があり,キャンセル料支払のリスクを有していたとしても,より安価な宿泊料で済む可能性が十分にあったというべきである。 (エ)被告職員らは,大阪市がIOCから提供を受けた6室のうち,4室を招致委員会に提供しているところ,IOCから提供を受けた部屋の宿泊料は11万6000円よりも大幅に安い3万円ないし4万円程度であったのであり,このような部屋に泊まることができる契約上の地位を,何らの決裁手続なく,別人格である招致委員会に振り替えてしまったこと自体,明白な違法性を有する。 したがって,11万6000円と提供されたホテルの価格との差額分が違法な支出として損害となるというべきである。 (被告職員ら)ア招致局における宿泊料の決定経緯についてa招致局では,正式立候補都市として承認されればシドニーオリンピックへ職員を出張させ 額分が違法な支出として損害となるというべきである。 (被告職員ら)ア招致局における宿泊料の決定経緯についてa招致局では,正式立候補都市として承認されればシドニーオリンピックへ職員を出張させる必要があることを想定して,シドニーオリンピック開催の1年ほど前からシドニーオリンピックにおける公式旅行代理店である被告業者らに対し,情報収集をしていた。 しかしながら,被告業者らからの情報では,シドニー市内中心部のホテルはIOCが約80パーセント程度押さえており,シドニー市周辺部以外ではホテルの手配が困難であり,また,IOCは大会直前にならないと不要な部屋を放出しないとのことであり,新聞報道等からもシドニー市内のホテル代が高騰していることが判明した。 もっとも,被告業者らからは,シドニー周辺部のホテルの手配であれ ば可能であるとの情報を得ていたが,IOC委員やIF役員に対する協議等で競技会場や役員らの宿泊先に速やかに移動する必要があることから,招致局としては市内中心部のホテルの確保を前提に情報収集を行っていた。 b平成12年8月11日にIOCから正式立候補都市として承認されることを条件に立候補都市に対しIOCホテル内に6名分の部屋(リージェントホテル2室,メンディスホテル4室)を確保する旨の通知が届いた。招致局ではこの6名枠を招致委員会と分割することとなった。 招致局と招致委員会との関係は,招致局においては立候補ファイルの作成など大阪オリンピックの開催に係る企画立案を行う役割を持ち,招致委員会においては企画された大阪オリンピックの計画を国の内外にピーアールするという役割を持っていたといえるが,立候補ファイルの策定等2008年オリンピックの企画や,国等関係機関との連絡調整を担当する招致局と内外への招致活動や広報活動を担当する招致委員会と にピーアールするという役割を持っていたといえるが,立候補ファイルの策定等2008年オリンピックの企画や,国等関係機関との連絡調整を担当する招致局と内外への招致活動や広報活動を担当する招致委員会とはいわば車の両輪であり,特に被告B1らのIOC委員等へのトップセールスにおいては両者の連携が必要であった。そこで,招致局では,招致委員会と協議の上,IOCホテル内の部屋を対外的なピーアール活動とりわけIOC委員への招致の働きかけ等を担っている招致委員会のトップクラスの職員により多く配分することとし,次のとおり,招致委員会に4室,招致局に2室割り当てることとなった。 (a)リージェントホテル(2室)被告B1(同被告の帰国後は被告B2)及びO招致委員会事務総長(b)メンディスホテル(4室)被告B7,P招致委員会国際総括顧問,Q招致委員会参与及びR招致委員会事務局長c招致局では,IOCからの招待枠の通知があった時期には正式立候補 都市の承認を前提としてシドニーオリンピックへの出張体制について様々な想定を行うと同時に被告業者らに対してシドニー市内中心部におけるホテルの確保についてさらなる情報収集を依頼していた。そうした状況において,平成12年8月15日被告東急観光からシドニー市内中心部でIOCホテルに近接したラディソンプラザホテルについて必要部屋数を確保することができたとの連絡が入った。この時点で必要数の確保ができていたのは被告東急観光だけであった。このラディソンプラザホテルに係る宿泊料1泊1室11万6000円については,高額であったため,被告B21から被告東急観光へ値引きの交渉を行ったが,値引きには応じられないとのことであった。そこで,招致局において当該宿泊料によるホテルの確保について検討したところ,民間ツアー代金と比較しても相 被告B21から被告東急観光へ値引きの交渉を行ったが,値引きには応じられないとのことであった。そこで,招致局において当該宿泊料によるホテルの確保について検討したところ,民間ツアー代金と比較しても相当な金額であることが分かった。すなわち,旅行会社の設定したオリンピック観戦ツアーにおいては,ラディソンプラザホテルと同等のホテルに宿泊した場合において1人部屋の追加料金として4泊で20万8000円であった。これを1泊当たりに割り戻すと5万2000円となり,また,通常海外のホテルは2名1室利用を前提としていることから,民間のツアー代金から想定される宿泊料は1泊1室10万4000円となる。さらに,一般のツアー申し込みと異なり,招致局の提示した条件が日程と宿泊人数の融通が利かないこと,他に同条件のホテルが確保できる見込みがないことを考え合わせると,1泊1室11万6000円という宿泊料はやむを得ないものと判断された。そこで,正式立候補都市の承認の決定通知のあった同月28日に招致局から被告東急観光に対し上記内容でホテルの確保を依頼した。 dなお,IOCにおける従来の招致活動についての規制や開催都市決定の選定方法の変更,その新制度の下での正式立候補としての決定を待った上で海外招致活動を展開せざるを得ないということから,結果次第に よっては出張の内容に大幅な変更が予想されたことや,IOCからシドニーオリンピック期間中のホテル提供に関する文書が届いたのが平成12年8月11日であること,正式立候補都市としての決定を受けたのが同月28日であることから,同年9月16日から開催されるシドニーオリンピックまでの期間がわずかであり,出張者のホテルの確保,期間の決定がなかなか決められなかったこと,現地でのIOCスポンサー(日系企業)等の行事の決定が遅れたという事 6日から開催されるシドニーオリンピックまでの期間がわずかであり,出張者のホテルの確保,期間の決定がなかなか決められなかったこと,現地でのIOCスポンサー(日系企業)等の行事の決定が遅れたという事情があった。 このような状況下で早めにホテル確保を正式に行うことは,使用しないホテル客室の料金を支払うことにもなりかねず,必要な情報が得られるまで正式手続ができなかったものである。 e正式立候補都市の承認後に被告近畿日本ツーリスト及び被告ジェイティービーからホテルの確保を通知してきたので,ホテルの手配を出張期間ごとに分割して,前期は被告東急観光,中期は被告近畿日本ツーリスト,後期は被告ジェイティービーに依頼することとし,被告東急観光及び被告近畿日本ツーリストはラディソンプラザホテルを,被告ジェイティービーはキャピタルホテル(現クレストホテル)をそれぞれ確保した。 なお,このように被告業者ら3社に分けて手配させることとなったのは,特定の業者だけでなく複数の業者に手配をさせることによって,将来的に急な変更があった際の選択肢が増えること,行政として業者間の偏りをできるだけ避けるべきであるとの判断に基づくものである。 イ建設局における宿泊料の決定経緯について被告B16及び被告B17の出張について,建設局では,招致局の職員がシドニーに出張した際の費用と同等の航空運賃及び宿泊料の額で決裁を起案し,専決権者である被告B26及び財政局長との合議を経た後,被告近畿日本ツーリストから航空運賃及び宿泊料の見積りを口頭で確認したところ,当該見積りの内容が招致局の職員がシドニーに出張した際の費用に 比して高額であったため,見積りを再考するよう交渉したところ,被告近畿日本ツーリストから当該費用と同等の費用で見積書の提出を受けたので,被告近畿日本ツーリストに対して ニーに出張した際の費用に 比して高額であったため,見積りを再考するよう交渉したところ,被告近畿日本ツーリストから当該費用と同等の費用で見積書の提出を受けたので,被告近畿日本ツーリストに対して当該費用で航空券及び宿泊の手配を依頼した。 ウ教育委員会事務局における宿泊料の決定経緯について教育委員会事務局職員の出張に係るホテルの手配については,教育委員会事務局の出張目的が本件東アジア競技大会に関連するものであることから,JOCが競技関係者に確保していたホテルの斡旋を受けた。すなわち,当初は旅行会社に手配を依頼していたものであるが,シドニー市内のホテルの手配が困難であったことから,東アジア競技大会組織委員会を通じてJOCに相談したところ,JOCがオリンピック競技関係者の宿泊に対して有していたホテルをあっせんされた。 宿泊料については,出張後にJOCから請求され,1名1泊につき5万8000円,すなわち被告B18及び被告B19合わせて1泊につき11万6000円の宿泊料をJOCに支払った。 エ上記のとおり,被告出張職員らに係るホテルの宿泊料は高騰しており,本来の旅費規程に基づく宿泊料では到底宿泊することができない状況であったため,旅費条例1条2項等により,旅費法46条2項の規定に準じ旅費の調整を行う必要があると判断し,旅行代理店の見積書をもって調整根拠とすることとして,その時点で宿泊予約及び価格が決定していた被告東急観光の見積書を採用して宿泊料の調整を行った。 なお,被告出張職員らに係る宿泊料の調整の内容は,別紙宿泊費対比表記載のとおりである。 オ上記調整による宿泊料と,大阪府や文部省関係者の宿泊料との間に格差が存するが,大阪府や文部省のホテル確保に係る経緯は以下のとおりであり,上記格差をもって被告出張職員らに係る宿泊料の額が不当に高額 オ上記調整による宿泊料と,大阪府や文部省関係者の宿泊料との間に格差が存するが,大阪府や文部省のホテル確保に係る経緯は以下のとおりであり,上記格差をもって被告出張職員らに係る宿泊料の額が不当に高額であ るということはできない。 (ア)大阪府のホテル確保に係る経緯大阪府によれば,知事のシドニー出張が急きょ決定したため,旅行代理店と大阪府シドニー事務所に大阪市及び招致委員会と同一のホテルの確保を依頼したものの,早くから予約が一杯で確保することができないとの連絡があったため,大阪府シドニー事務所が手配し,中心部からかなり離れているが,スターシティーホテルを確保したとのことである。 なお,大阪府は現地で代理店を通さず直接ホテルと交渉を行い,マージンの入っていない値段で宿泊先を確保したものである。 (イ)文部省のホテル確保に係る経緯文部省については,出張職員が急きょシドニーへ出張することになったが,既に他の出張職員の宿舎確保を以前に外務省を通じて在シドニー総領事館に依頼していたことから,再度の依頼を外務省に行うことができないと判断したため,JOCが確保していた部屋をJOCから融通してもらったとのことである。 カ以上記載のとおり,本件出張に係る宿泊料については,通常のホテル代と比較して高額であることは否めないものの,上記経過においてはやむを得なかったものであることは明らかであり,1泊11万6000円の宿泊料をもって直ちに違法であるとする原告らの主張が失当であることは明らかである。 (被告東急観光)アホテル確保の困難性等によるホテル代金高騰の理由(ア)オリンピック開催時において,シドニー市内のホテルはIOCへの部屋の提供を義務付けられており,IOCが押さえたホテル客室の残りの部分を各国の旅行代理店が競って確保しようという状況にあっ 理由 (ア)オリンピック開催時において,シドニー市内のホテルはIOCへの部屋の提供を義務付けられており,IOCが押さえたホテル客室の残りの部分を各国の旅行代理店が競って確保しようという状況にあった。 このように極めて売り手に有利な状況であったため,旅行代理店が確 保しようとしたシドニー市内のホテルの値段は極めて高騰していた。また,オリンピック開催期間中は,ホテル側は旅行代理店に対しホテル客室のまとめ買いを要求し,オリンピック期間内は,まとめ買いでなければ客室を売らないという態度に出ていた。 通常,旅行代理店は,旅行客の数が確定してから旅客の数に応じてホテルの室数を確保するものであり,空室のリスクはホテル側が負担している。ところが,オリンピック期間中のように客室のまとめ買いを強要されると,旅行客を確保することができない場合は,ホテルは空室であるにもかかわらず,ホテル代金を支払わねばならないというリスク(空室リスク)を旅行代理店側が負わされることになる。空室リスクを負わされるという状況でホテル確保を行わざるを得ない以上,旅行会社としては,ホテル代金に空室リスクを上乗せして値段設定を行わざるを得ない。 (イ)(ア)記載のような理由により,被告東急観光が一般客に対して提供したラディソンプラザホテルと同等のAクラスのホテル代金は,シドニーオリンピック観戦ツアー募集用パンフレットの1人部屋追加料金から算出されるように,1泊ツインルームの部屋代(ルームチャージ)でおおよそ10万4000円程度となっていた(現地4泊のツアーにおけるAクラスのホテルの1人部屋追加料金は20万8000円であり,これを4で割ると1泊当たり5万2000円となり,ツインルーム1泊分のルームチャージはおおよそこの追加料金の2倍の10万4000円となる。乙B1号証)。 1人部屋追加料金は20万8000円であり,これを4で割ると1泊当たり5万2000円となり,ツインルーム1泊分のルームチャージはおおよそこの追加料金の2倍の10万4000円となる。乙B1号証)。 このようにオリンピック期間中の一般客に対し被告東急観光が提供したラディソンプラザホテルと同等のホテル1泊分の料金がおおよそ10万4000円であることとの比較からしても,被告東急観光が大阪市に提供したホテルの値段設定が決して不当に高いものではないことが分か る。 (ウ)さらに,大阪市の旅行依頼内容にもホテル代金を高騰させる次のような要素が存在していた。 まず,客室予約の正式な依頼がシドニーオリンピック開催の直前になってされた。被告東急観光としても,かねてより一般客に対してピーアール活動を行い,旅行予約を受け付け,ホテルの部屋割り等の準備を既に行っていた。ところが,大阪市より数名のシドニーオリンピック出張の予定があるという話は聞いていたが,何名が,どの期間に,何泊するかという出張の詳細については,開催直前まで全く分からなかったため,被告東急観光としては,自らのリスクで客室を確保しておかざるを得ず,ここで確保した客室に関する空室リスクはすべて被告東急観光のリスクとなっていた。 次に,大阪市へオリンピックを招致する目的からIOC委員とオリンピック招致活動に関して大阪市側が接触を図る必要があったため,IOC委員の宿泊するホテル(リージェントホテル,メンディスホテル等のIOCホテル)に近接したホテルを確保することが必要不可欠の条件であった。そこで,IOC委員への接触を第一に考えて,IOCホテルに近いラディソンプラザホテルが選定された。このように,大阪市の依頼は,同じクラス内のホテルであればどこに泊めても許される一般客と異なり,ホテルが事実上指定 委員への接触を第一に考えて,IOCホテルに近いラディソンプラザホテルが選定された。このように,大阪市の依頼は,同じクラス内のホテルであればどこに泊めても許される一般客と異なり,ホテルが事実上指定された状態にあり,極めて厳しい条件下のホテル確保となった。 そればかりか,ラディソンプラザホテルは被告東急観光の旅行パンフレットによればAクラスに分類されているホテルであるが,Aクラスホテルの中でも最もルームチャージの高い部類に属するホテルであった。 すなわち,Aクラスホテルといっても,その中で当然値段の差があり,被告東急観光としては,Aクラスホテル希望の一般客に関するホテル料 金については,Aクラスホテル全体の収支で採算が合うように値段を設定していた。ところが,同じAクラスホテルでも,特に値段の高い部類に属するラディソンプラザホテルを事実上指定されるとなると,どうしても販売価格を上げざるを得なくなる。 さらに,被告東急観光は,一般客に対しては,一部コースを除いて延泊不可とし,ホテルを3泊ないし4泊ずつをワンセットにして販売し,ホテルに空き部屋が出ないように配慮していた。ところが,大阪市のホテル確保の依頼は,被告東急観光が一般客用に予定していた4泊ずつのセットとは全く異なる形態であった。したがって,大阪市の依頼を受けた場合,その前後の一般客に対するホテル割当てが極めて困難となり,空室リスクを負う危険が極めて高くなるという特殊な状況が存在していた。 (エ)被告東急観光が大阪市に対して提供したラディソンプラザホテルの代金(1泊ツインルーム)は11万6000円となっており,一見高額にも思えるが,上記のとおり,もともとホテル代が高騰していた上に,大阪市の特殊な依頼状況が加わったために生じた値段設定であり,決して不当に高額というものではない。 6000円となっており,一見高額にも思えるが,上記のとおり,もともとホテル代が高騰していた上に,大阪市の特殊な依頼状況が加わったために生じた値段設定であり,決して不当に高額というものではない。 イ原告らの主張に対する反論(ア)原告らは,ラディソンプラザホテルのセールスマネージャーであるNの毎日放送のインタビューから,宿泊料金の高騰はあり得ない旨主張する。 しかしながら,Nは,シドニーオリンピック開催当時はラディソンプラザホテルに勤務していなかったものであり,この当時,いかなる地位にあり,いかなる事情を知悉していたのか,さらにインタビューが適切に行われたのか,インタビューの編集がいかなる態様で行われたのか全く不明である。そればかりか,為替レートを適正に換算しているのか, Nの言う「オリンピック期間中」とはいつの時点を指しているのか,ホテルが余った部屋を売る場合の値段なのか,ランドオペレーター(現地手配会社)に売却するときの値段なのか,すべて不明確である。これらからしても,Nのインタビューを根拠に被告東急観光が設定した宿泊料が不当であるということができないことは明らかである。 また,被告東急観光は,オリンピック期間中におけるシドニー市内のホテル予約については現地のランドオペレーターに依頼をして部屋を確保してもらい,それを購入する方法を採っていた。そのため,ホテル側がランドオペレーターに販売した金額と被告東急観光がランドオペレーターから購入した金額が一致するものではない。被告東急観光は,現地のランドオペレーターに対しては,オリンピック開催の1年前である平成11年9月に100パーセントのデポジットを支払う必要があり,空室リスクはすべて被告東急観光が負うことになっていた。 (イ)原告らは国内旅行業者の発言を引用するが,どの旅行会社 催の1年前である平成11年9月に100パーセントのデポジットを支払う必要があり,空室リスクはすべて被告東急観光が負うことになっていた。 (イ)原告らは国内旅行業者の発言を引用するが,どの旅行会社のどの担当部署に勤務するどのような人物か,本当に旅行関係者であるのかすら全く不明であるし,インタビューが適正に行われたのか,インタビューの編集がいかなる態様で行われたものかも全く不明であって,その発言は極めて信用性に欠けるものである。 (ウ)原告らは招致委員会に対する見積書と同じ条件で招致局はホテルを確保することができたはずであるといった趣旨の主張をする。 しかしながら,招致局は,オリンピック招致について招致計画の策定や国等の関係機関との連絡調整を目的に大阪市に設置された部局であり,招致委員会は,オリンピック招致についてIOCへの働きかけ等を目的として市の外郭団体として結成された民間団体(財団法人)であって,招致局と招致委員会とは団体としての性格が全く異なる。 招致委員会は,民間的発想が強く,シドニーオリンピック開催の1年 以上前からシドニーオリンピック視察を決定しており,必ず視察することを前提に予約を申し込む等の準備を行ってきていた。被告東急観光は,招致委員会の要請を受け,招致委員会の要望する宿泊施設確保のための活動を遅くとも平成11年9月1日から開始している。また,招致委員会は,宿泊料を抑えるために,大阪市のように必要な日数に限り購入するという態様ではなく,オリンピック開催全期間を通じて購入し,かつ,予約においても買取り(キャンセルしても旅行会社は宿泊料を返還しない態様)を前提に予約を申し込んできていた。したがって,旅行会社としては,招致委員会の手配依頼に関しては,事前に予定も立てられ,かつ,キャンセルのリスクもないため,かなり安 行会社は宿泊料を返還しない態様)を前提に予約を申し込んできていた。したがって,旅行会社としては,招致委員会の手配依頼に関しては,事前に予定も立てられ,かつ,キャンセルのリスクもないため,かなり安くホテルを確保,供給することが可能であった。そして,招致委員会に対する見積書の発行自体はオリンピック開催直前ではあるものの,被告東急観光の担当者は,招致委員会の担当者と何度も打ち合わせを行い,見積書を発行するはるか以前から既に見積書と同じ内容で契約する内諾を得ていた。 ところが,招致局は,オリンピック開催直前になるまで参加人数はおろか視察を行うか否かすら決まっていなかっただけではなく,IOC委員やIF役員に対して開催計画の説明を行い承諾を得る必要があったため,事実上IOCホテルないしその近辺のホテルが指定されたも同然の状況にあった。さらに,オリンピック開催全期間を通じて宿泊を申し込むわけでもなく,必要とする日に必要とする人数だけを申し込むという態様であり,極めてホテル確保に苦慮する内容での申し込みであった。 以上のように,ホテル確保に関する状況は,招致局と招致委員会とでは大きく異なっていたのであり,招致委員会に対する見積書と同じ条件で招致局はホテルを確保することができたはずであるとの原告らの主張は,ホテル確保に至る経緯を全く無視した主張である。 ウ談合の不存在 原告らが主張するような被告業者ら間の談合により宿泊代金が決定された事実は全く認められない。 この点,原告らは,談合の存在をしきりに主張するが,具体的な談合の日時,場所,態様等については一切主張立証がされていない。 また,原告らは,見積書の金額が被告業者ら3社で一致していることが談合の証拠であるかのような主張をするが,被告近畿日本ツーリストは,ラディソンプラザホテルの宿泊料金に関し 切主張立証がされていない。 また,原告らは,見積書の金額が被告業者ら3社で一致していることが談合の証拠であるかのような主張をするが,被告近畿日本ツーリストは,ラディソンプラザホテルの宿泊料金に関して他の2社と全く異なる金額(13万円)を提示しており,この事実だけからしても,原告らの主張は失当である。また,被告東急観光と被告ジェイティービーとの見積金額の一致についても,被告ジェイティービーが主張しているとおりであり,何ら不審な点はない。 エ暴利行為ではないこと原告らは,被告東急観光の値段設定を暴利行為であると主張するが,被告東急観光の設定した値段が一般客と比較してもほとんど変わらないこと,また,大阪市の依頼に係る宿泊料が若干高くなっているのにも相当な理由が存することは,上述のとおりである。 旅行会社としても,商売である以上,売上を増加させなくてはならない要請と,利益を出さなければならない要請という,相反する2側面を勘案して代金を決定するのであり,代金を不当に高額に設定すれば他社に顧客を奪われるし,不当に安く設定すれば赤字になるという状況の中で,ぎりぎりの数字を算出して旅行という商品を販売する立場にある。その旅行会社が算出したホテル指定もできないツアーの宿泊代金とさほど変わりない値段で,特殊事情(直前の手配,ホテルの指定)のある大阪市のホテルを提供するのであるから,むしろ旅行会社としては商売抜きといっても良いくらいであり,原告らの暴利行為の主張は失当である。 (被告近畿日本ツーリスト) ア提示金額の適正性被告近畿日本ツーリストは,被告出張職員ら中,招致局の被告B6,被告B9及び被告B14と,建設局の被告B16及び被告B17について手配を行った。被告近畿日本ツーリストは,招致局と建設局を区別せず,招致局を窓口として交渉を行い, 出張職員ら中,招致局の被告B6,被告B9及び被告B14と,建設局の被告B16及び被告B17について手配を行った。被告近畿日本ツーリストは,招致局と建設局を区別せず,招致局を窓口として交渉を行い,招致局あてに旅行代金の提示を行ったところ,大阪市側より,建設局分については招致局と区別して旅行代金の提示をしてほしい旨要請され,改めて建設局あてに金額の提示を行った。 被告近畿日本ツーリストは,ラディソンプラザホテルの手配をし,招致局及び建設局に対し,同ホテル1部屋1泊13万円として金額の提示を行ったものである。この被告近畿日本ツーリストが提示していた宿泊料1部屋1泊13万円という金額は,他社が実施していたツアーの料金に照らしても,決して不当とはいえず,適正なものであったことは明らかである。 イ原告らの主張に対する反論等原告らは,オリンピック期間中のホテルの宿泊価格としては3万3000円程度が相当である旨主張する。 しかしながら,原告らが相当と主張する金額には何らの根拠もないし,また,仮にホテルが設定していたオリンピック期間中の宿泊金額が原告ら主張金額の程度であったとしても,被告近畿日本ツーリストは,ホテルから直接仕入れを行っていたのではなく,現地のランドオペレーターを通じてホテルの確保を行っていたのであるから,原告らの主張は失当である。 さらに,オリンピック直前期になって宿泊料金が値下がりしていたとしても,被告近畿日本ツーリストは,オリンピック開催時より相当以前の予約ラッシュ時の段階でホテルの確保を行っていたのであるから,直前期になってホテルが設定する宿泊料金が値下がりしたとしても,影響を受ける余地はなかった。 被告近畿日本ツーリストは,単にランドオペレーターからの仕入価格の みをもって販売価格を設定しているわけではなく,シドニーオリン する宿泊料金が値下がりしたとしても,影響を受ける余地はなかった。 被告近畿日本ツーリストは,単にランドオペレーターからの仕入価格の みをもって販売価格を設定しているわけではなく,シドニーオリンピックという一大イベント全体を通じて旅行者が安全確実に宿泊機関等を利用することができるよう考慮し,営業政策的な判断も加味して販売価格を設定している。そして,そのような判断の結果,大阪市に対し,1部屋1泊13万円という販売価格を設定したものである。 ウ談合の不存在ア記載のように,被告近畿日本ツーリストが提示した宿泊料は1部屋1泊13万円であり,被告近畿日本ツーリストが被告東急観光や被告ジェイティービーと談合し,1部屋1泊11万6000円という同一金額の提示を行った事実は存在しない。 エ暴利行為ではないこと被告近畿日本ツーリストが取引をした相手方は大阪市であるが,大阪市は窮迫した状態におかれていたわけではなく,宿泊料について無知でも無経験でもないのであるから,被告近畿日本ツーリストが大阪市の窮迫,無知に乗じたなどということはあり得ない。 また,宿泊料の設定は,需要と供給の相関関係から決定されるところ,シドニーオリンピックという一大イベント開催のため,宿泊先の予約需要が供給を大きく上回った結果,予約宿泊料が高騰したことから,被告近畿日本ツーリストとしても宿泊料の引上げを行わざるを得なかったものであって,被告近畿日本ツーリストは過大な利益など全く得ていない。 (被告ジェイティービー)アホテル確保の困難性等によるホテル代金高騰の理由(ア)オリンピック開催期間中のシドニー市内のホテル代金が高騰していたことは,争点(2)に関する被告東急観光の主張ア(ア)記載のとおりである。 (イ)被告ジェイティービーが通常時において一般客を対象に行っている ク開催期間中のシドニー市内のホテル代金が高騰していたことは,争点(2)に関する被告東急観光の主張ア(ア)記載のとおりである。 (イ)被告ジェイティービーが通常時において一般客を対象に行っている シドニー観光ツアーと,シドニーオリンピック開催期間に合わせて一般客に募集したオリンピック観戦ツアーの旅行代金を比較しても,シドニーオリンピック時の宿泊料金の異常な高騰ぶりが推察できる。 例えば,平成14年度の被告ジェイティービーの通常のシドニーツアーの旅行代金(なお,同旅行代金は平成12年度からほぼ変化がない。)は,平成14年9月発パーソナルシドニー6日間シドニー市内泊,ホテルLグレート(現地4泊)で14万円である。 これに対し,同じ条件(シドニー市内泊,ホテルLグレード)で募集したオリンピック観戦ツアーは,①平成12年9月17日発シドニー6日間(体操)は,同じく現地4泊で旅行代金56万円,②同月21日発シドニー6日間(陸上と女子マラソン)は,同じく現地4泊で旅行代金57万円,③同月28日発シドニー6日間(サッカーと閉会式)は,同じく現地4泊で旅行代金70万円となっている。 通常のシドニーツアーと異なり,オリンピック観戦ツアーには朝食代(4回分)及び観戦チケット代が加わる上,航空運賃に若干の差が生じ得ることは否定することができないが,上記のように,ツアー料金だけ比較しても,通常時のツアーに比べオリンピック期間中は4倍ないし5倍の料金となっている。 また,1人部屋追加料金は,ルームチャージ(1部屋の客室料金)のほぼ半額といえるところ,上記①ないし③の各オリンピック観戦ツアーにおける1人部屋追加料金は,①のツアーで19万円,②のツアーで23万円,③のツアーで21万円であり,これらからおおよそのホテル1泊分のルームチャージを算出すると, いし③の各オリンピック観戦ツアーにおける1人部屋追加料金は,①のツアーで19万円,②のツアーで23万円,③のツアーで21万円であり,これらからおおよそのホテル1泊分のルームチャージを算出すると,①のツアーで9万5000円,②のツアーで11万5000円,③のツアーで10万5000円となる。 以上からも,オリンピック期間中のシドニー市内のホテルの宿泊料金が極めて高騰していたことが分かる。 (ウ)また,原告らは,大阪市の予約申し込み態様を全く無視して論を進めている。すなわち,ある程度一般客を受け入れた平成12年8月ないし9月の段階で,大阪市のように事実上ホテルを指定した上で,しかもオリンピック開催直前に,一般ツアー客と異なる態様で申し込まれると,一般客へのホテルの割当て,変更等が極めて厳しくなるなど,被告ジェイティービーの事務的な処理も極めて困難となる危険性が生じる。このように,本件の大阪市のように一般客と異なる態様で予約を申し込まれた場合,被告ジェイティービーとしては,大阪市を,被告ジェイティービーが設定したツアーに参加する一般客と異なる特別扱いにせざるを得ない。したがって,そのような特別の扱いをする以上,旅行業者としては,その手間,リスク分を上乗せして値段設定することは当然である。 イ被告ジェイティービーが提示したホテル料金(ア)招致局関係a被告ジェイティービーが招致局に属する職員である被告B11及び被告B13に手配したホテルはキャピタルホテル(現クレストホテル)である。この手配の経緯は,以下のとおりである。 すなわち,招致局から,被告ジェイティービーに対し,平成12年7月1日,同年9月21日から同月28日まで2名でホテル2室,航空券,オリンピック観戦券の手配依頼があった。当初の予定では招致局の男性職員1名と女性職員1 ら,被告ジェイティービーに対し,平成12年7月1日,同年9月21日から同月28日まで2名でホテル2室,航空券,オリンピック観戦券の手配依頼があった。当初の予定では招致局の男性職員1名と女性職員1名が宿泊するとのことであった。異性を同室に宿泊させることは不可能であったし,また,急な依頼でもあったため,被告ジェイティービーは,ルームチャージ(室料)5万8300円(販売価格)で確保していたキャピタルホテルのツインルーム2室をそれぞれシングルユースとして使用するという手配を行った。 ところが,同月13日ころ,突然出発日が同月19日に変更になったこと,出張予定者の女性職員が男性職員に変更になったことの連絡 があった。 男性2人であればツイン1室で宿泊してもらうことも可能であったが,あまりに直前の変更であったため,部屋をキャンセルすれば宿泊代金全額相当のキャンセル料金が必要となる状態であった(なお,直前にキャンセルすればキャンセル料金が宿泊代金全額相当になる場合もあることは,口頭で大阪市に説明済みであった。)。そのため,ホテルは当初の手配どおりに2室確保し,2室のツインルームをそれぞれシングルユースとして利用するという形で対応した。 bキャピタルホテルのルームチャージは,シングルユース,ツインユースを問わず5万8300円であったが,その代金算出根拠は以下のとおりである。 すなわち,被告ジェイティービーの現地法人であるJTBAUSTRALIAPTYLTD.が確保したキャピタルホテルについての宿泊料金は,平成12年9月13日から同年10月3日分については,仕入料金(税金込み)と残室リスク見合と為替リスク見合を含み,5万3000円であった。被告ジェイティービーは,この客室料金に被告ジェイティービーの利益10パーセントを上乗せして5万8 については,仕入料金(税金込み)と残室リスク見合と為替リスク見合を含み,5万3000円であった。被告ジェイティービーは,この客室料金に被告ジェイティービーの利益10パーセントを上乗せして5万8300円として顧客に販売していた。 このように被告ジェイティービーが販売したキャピタルホテルの料金は1室1泊5万8300円であり,1人で使用しても2人で使用してもこの1室1泊5万8300円の額は変わらず,ルームチャージが11万6600円の部屋など存在していない。 cなお,被告ジェイティービーが招致局あてで11万6000円のホテル代金を記載して見積書(甲4号証の1)を出しているのは,大阪市よりラディソンプラザホテルを指定の上でホテル確保を依頼されたためである。 すなわち,被告ジェイティービーは大阪市の依頼にこたえてラディソンプラザホテルを確保しようと最後まで努力したが自社でラディソンプラザホテルを確保することはついにできなかった。やむを得ず同業他社にもつてを頼って部屋を探したところ,被告東急観光がラディソンプラザホテルに部屋を確保していることがわかった。被告ジェイティービーとしては今後の営業の展開等も考慮に入れた場合,被告東急観光から部屋を買い入れてでも大阪市の要望にこたえるべきだと判断されたため,被告東急観光から部屋を買い入れる前提で見積書を提出したものである。なお,被告ジェイティービーが被告東急観光から買い入れたラディソンプラザホテルの部屋の実際の値段は11万6000円であり,ホテル代に利益を上乗せすることはしていない。 (イ)教育委員会事務局関係教育委員会事務局関係(被告B18及び被告B19関係)の手配については,以下のとおりである。 すなわち,平成12年8月中旬ころ,教育委員会事務局スポーツ部国際競技課の事務担当者よりオリン 事務局関係教育委員会事務局関係(被告B18及び被告B19関係)の手配については,以下のとおりである。 すなわち,平成12年8月中旬ころ,教育委員会事務局スポーツ部国際競技課の事務担当者よりオリンピック出張についての見積依頼があった。ところが,オリンピック開催直前の手配依頼であったため,スタンダードクラスのグレードの低いホテルでは部屋を確保することは困難と思われたため,過去のオリンピック観戦ツアーの例を出し,手配することができない場合もある旨を手配依頼時を含め複数回大阪市側に口頭で説明した。これに対し,大阪市側から確保可能性のあるホテルでの見積りを提出するよう指示があったため,被告ジェイティービーは,グレードの高いホテルの1つであるピアワンパークロイヤルホテルの消化率60パーセント換算80円での室料10万6187円に約1割の被告ジェイティービーの利益を載せて11万6000円の見積書を大阪市に提出した。 被告ジェイティービーは見積書記載の金額でホテル手配に尽力したが,平成12年8月下旬時点ではいまだ手配を完了させることができなかった。大阪市は,被告ジェイティービーの手配回答が出ないため,同月下旬ころ,JOCに対し,保有客室の有無を打診してみたところ,JOCが以前から確保していたヒルトンシドニーホテルを1人5万8000円で使用することができるとの連絡がJOCから入った。教育委員会事務局は,JOCの保有するヒルトンシドニーホテルを使用することに決定したが,航空券手配を被告ジェイティービーが行っていたこともあり,JOCからいったん請求書を被告ジェイティービーに回してもよいかと国際競技課事務担当者より問い合わせがあり,被告ジェイティービーは同申出を了承した。 以上のように,被告ジェイティービーは,結果としては,シドニーヒルトンホテル 告ジェイティービーに回してもよいかと国際競技課事務担当者より問い合わせがあり,被告ジェイティービーは同申出を了承した。 以上のように,被告ジェイティービーは,結果としては,シドニーヒルトンホテルの手配には全く関与していないのであって,何らの利益も得ていないばかりか,ホテル料金の決定にすら関与していない。 ウ原告らの主張に対する反論等(ア)原告らは,ラディソンプラザホテルのセールスマネージャーであるNの毎日放送のインタビューから,宿泊料金の高騰はあり得ない旨主張する。 しかしながら,Nは,2001年(平成13年)2月からラディソンプラザホテルに勤務した者であり,上記インタビューは同年4月ないし5月にされ,部屋の料金も取材を直接受けていないジェネラルマネージャー(S)に指示されたとおりに語っただけであって,その回答は極めて信ぴょう性に欠けるものである。 (イ)さらに,原告らは国内旅行業者の発言を引用するが,どの旅行会社のどの担当部署に勤務するどのような人物か,本当に旅行関係者であるのかすら全く不明であるし,インタビューが適正に行われたのか,イン タビューの編集がいかなる態様で行われたものかも全く不明であって,その発言は極めて信用性に欠けるものである。 (ウ)原告らは,招致委員会に対する見積書と同じ条件で招致局はホテルを確保することができたはずであるといった趣旨の主張をするが,ホテル確保に関する状況が招致局と招致委員会とでは大きく異なっていたものであり,原告らの上記主張がホテル確保に至る経緯を全く無視した主張であって採り得ないことは,争点(2)に関する被告東急観光の主張イ(ウ)記載のとおりである。 なお,被告ジェイティービーは,招致委員会の要請を受け,招致委員会の要望する宿泊施設確保のための活動を,遅くとも平成11年10月 争点(2)に関する被告東急観光の主張イ(ウ)記載のとおりである。 なお,被告ジェイティービーは,招致委員会の要請を受け,招致委員会の要望する宿泊施設確保のための活動を,遅くとも平成11年10月16日から開始している。 エ談合の不存在原告らが主張するような被告業者ら間の談合により宿泊料金が決定された事実は全く認められない。 この点,原告らは,談合の存在をしきりに主張するが,具体的な談合の日時,場所,態様等については一切主張立証がされていない。 また,原告らは,見積書の金額が被告業者ら3社で一致していることが談合の証拠であるかのような主張をするが,被告近畿日本ツーリストは,ラディソンプラザホテルの宿泊代金に関して他の2社と全く異なる金額(13万円)を提示しており,この事実だけからしても,原告らの主張は失当である。被告ジェイティービーが招致局や教育委員会事務局に対し11万6000円の宿泊料金の見積書を提出した経緯は,前記イ記載のとおりである。 オ暴利行為ではないこと原告らは,被告ジェイティービーの値段設定を暴利行為であると主張するが,被告ジェイティービーの設定した値段が一般客と比較してもほとん ど変わらないこと,また,大阪市の依頼に係る宿泊料が若干高くなっているのにも相当な理由が存することは,上述のとおりである。 旅行会社としても,商売である以上,売上を増加させなくてはならない要請と,利益を出さなければならない要請という相反する2側面を勘案して代金を決定するのであり,代金を不当に高額に設定すれば他社に顧客を奪われるし,不当に安く設定すれば赤字になるという状況の中で,ぎりぎりの数字を算出して旅行という商品を販売する立場にある。その旅行会社が算出したホテル指定もできないツアーの宿泊代金とさほど変わりない値段で,特殊事情(直前の手配, 赤字になるという状況の中で,ぎりぎりの数字を算出して旅行という商品を販売する立場にある。その旅行会社が算出したホテル指定もできないツアーの宿泊代金とさほど変わりない値段で,特殊事情(直前の手配,ホテルの指定)のある大阪市のホテルを提供するのであるから,むしろ旅行会社としては商売抜きといっても良いくらいであり,原告らの暴利行為の主張は失当である。 (3)争点(3)(本件出張に係る事業経費の相当性)について(原告ら)ア本件事業経費の支出手続は極めてずさんである。 (ア)大阪市は,別紙事業経費一覧表記載の№1ないし№3の事業について,被告東急観光との間で,同一覧表の契約金額欄記載の契約金の支払を約し,それぞれの支払をした。 しかし,№1と№3については,支出決裁及び契約締結決裁は行ったものの,契約書は作成せず,また,当初契約どおりの給付がされていないにもかかわらず,当初契約に基づく給付がされているものと認定し,契約金額どおり合計1190万円の支払を行い,その結果,出来高(808万6571円)に比して支出金額が381万3429円過大になったにもかかわらず,その戻入手続を取らなかったという。 被告B21は,上記出来高以上の支払を行ったことにつき,単純な誤りであるとするが,本当に単純なミスによって払いすぎたのかどうかについても疑問が残る。また,№1に係る現実の出来高であったとする6 38万8771円についても,どのような形で出来高確認を行った結果の数字であるのか具体的には明らかにされておらず,真にそれだけの出来高があったのかも不明である。 事業経費については,本来は出来高確認を行って検査調書を作成した上で支出命令書を作成し支払をしなければならない。本件では,出来高確認をせず検査調書を作成しないままで支払をしているのであるから,支出さ 業経費については,本来は出来高確認を行って検査調書を作成した上で支出命令書を作成し支払をしなければならない。本件では,出来高確認をせず検査調書を作成しないままで支払をしているのであるから,支出された全額が違法な支出であって,大阪市の損害というべきであり,事後的に出来高確認がされて,それだけの役務が提供されたことが立証された範囲内で損害が減額されるべきである。しかるに,本件では出来高について具体的な立証がされていないのであるから,全額が損害というべきである。 (イ)別紙事業経費一覧表の№7及び№8については,支出決裁及び契約締結決裁を行わず,見積書の徴取も行わず,契約代金合計99万円は,上記381万3429円の一部と相殺し,その残額282万3429円は,預り金から支払うべき宿泊料等の支払に充てたという。 また,別紙事業経費一覧表の№4ないし№6については,支出決裁及び契約締結決裁を行わず(№5及び№6については,見積書の徴取も行っていない。),その支払については,上記損益相殺後の残額282万3429円を預り金で支払うべき宿泊料等の支払に充てた結果,預り金に282万3429円の残余が生じ,その残余金で支払を行っていたという。 この点に関し,被告B21は,上記事業経費に関し,被告ジェイティービー分で117万9260円(同一覧表№4関係),被告近畿日本ツーリスト分で116万円(同一覧表№5関係),インターグループ分で60万9000円(同一覧表№6関係)の未払が生じた旨説明し,同金額を前提に上記のような支払残額の整理を行ったとしている。 しかしながら,これら事業経費については,事前に見積りを取ることもなく,内部的な支出決裁や契約締結決裁等も経ていない。いわば業者の言い値をそのまま事業経費として認定しているにすぎず,このような事業経費 しながら,これら事業経費については,事前に見積りを取ることもなく,内部的な支出決裁や契約締結決裁等も経ていない。いわば業者の言い値をそのまま事業経費として認定しているにすぎず,このような事業経費の未払分の認定には合理性がないというべきであって,これらの金額に対する支出や相殺処理によって損害額が減少することは認められるべきではない。 (ウ)このように,№1及び№3ないし№6の支出並びに№7及び№8の損益相殺分については,必要な手続を欠く違法なものであった。 以上の手続違反については,本件監査結果においても指摘されているものであるが,本件監査結果においては,№4ないし№8について,現地での経費として必要な役務の提供がされており,これらの出来高(合計381万3429円)は不当とはいえないので,大阪市には損害が発生していないと結論付けている。しかしながら,これだけずさんな手続が行われているのに,安易に損害がなかったと結論付けるのは極めて不当である。 イ本件事業経費価格設定の違法(ア)自動車賃借料について被告東急観光は,事業経費についても,招致局と招致委員会とで異なる価格設定を行っている。これを現地での自動車賃借料についてみると,以下のとおりである。 a招致委員会に対する自動車賃借料の設定(a)被告東急観光は,招致委員会に対し,平成12年8月29日,期間を同年9月6日から同年10月3日までの28日間,台数を乗用車4台(運転手付き),業務時間を各車毎日12時間(時間帯は各車調整),走行距離を1日1台100キロメートル以内とする代金650万円の見積を作成提出し,招致委員会との間で,同年9月 6日,同内容の業務委託契約を締結した。 (b)なお,被告東急観光は,(a)に先立つ平成12年8月18日,招致委員会に対し,乗用車4台,期間 円の見積を作成提出し,招致委員会との間で,同年9月 6日,同内容の業務委託契約を締結した。 (b)なお,被告東急観光は,(a)に先立つ平成12年8月18日,招致委員会に対し,乗用車4台,期間を同年9月12日から同月16日までの5日間,時間数を合計56時間とする代金112万円の見積を作成提出している。 (c)(a)記載の見積書から1時間当たりの単価(4台分)を計算すると,1時間当たり1万9345円(650万円÷28÷12)となる。 また,(b)記載の見積書から1時間当たりの単価を計算すると,1時間当たり2万円(112万円÷56)となる。 b招致局に対する自動車賃借料の設定「第27回シドニーオリンピック競技大会関係にかかる事業経費について」という標題の平成12年9月付け決裁文書(甲8号証の1ないし3)には,支出内訳として,「船車賃借料専用車(1日:8時間)@300,000×20日=6,000,000円」との記載があることからすれば,被告東急観光は,招致局に対しては,期間を20日間,時間を1日8時間とする条件で,自動車賃借料として,代金600万円とする見積りを作成していたものと思料される。そして,上記決裁文書には台数の明示がないが,招致局からの出張人員が一番多く重なっているときでも8名であり,複数の自動車の使用が必要とは考えられないこと等からすれば,「@300,000」とは,1台当たりの1日の単価と考えられる。そうすると,1時間当たりの単価は,3万7500円(30万円÷8)となる。 ca記載の見積書(平成12年8月29日付けないし同月18日付け)とb記載の決裁文書(同年9月付け)からすれば,被告東急観光が招致委員会及び招致局に対し見積をした時期は極めて近接している にもかかわらず,被告東急観光は2倍近い差を設けて価格 同月18日付け)とb記載の決裁文書(同年9月付け)からすれば,被告東急観光が招致委員会及び招致局に対し見積をした時期は極めて近接している にもかかわらず,被告東急観光は2倍近い差を設けて価格を設定している。 これらの事実からすれば,被告東急観光は,本件事業経費のうち自動車賃借料についても暴利行為を行っていたものというべきである。 (イ)(ア)記載の検討結果に照らせば,本件事業経費中,自動車賃借料以外のものについても,仮に出来高部分について損益相殺する余地があるとしても,大阪市がいう出来高(別紙事業経費一覧表の出来高欄記載の各出来高)の50パーセントに相当する限度で認めるべきであり,これを超える部分に相当する金額は妥当性を欠くものというべきである。 (被告職員ら)ア本件事業経費に係る各支出の必要性について(ア)本件事業経費の内容は,本件出張のための現地で要した専用車両賃借,通訳,オリンピック入場券の手配等の経費と本件子ども親善大使派遣に係る追加経費である。 aシドニーオリンピック競技大会関係視察等経費(別紙事業経費一覧表№1)として支出した支出項目本件出張の目的は,オリンピック大会運営状況の調査,立候補都市用プレゼンテーションテーブル等設置準備に係る連絡調整業務,競技施設,選手村等の調査,研究,メディア関係の調査,文献の収集であり,これらの業務を円滑に遂行するための経費として支出したものである。 実際には,同一覧表№1の経費により,ガイド及び運転手付き車両の借上げ並びに携帯電話の借上げを行った。 (a)車両の借上げについてシドニー市内において,市長,助役等の幹部職員がIOC関係者の移動先,各種会議及びレセプション会場等への移動用に,また, 幹部職員以外の職員がIF役員との実務的な会合をするため競技会場や当該IF ドニー市内において,市長,助役等の幹部職員がIOC関係者の移動先,各種会議及びレセプション会場等への移動用に,また, 幹部職員以外の職員がIF役員との実務的な会合をするため競技会場や当該IF役員の指定した場所に移動するため,車両が必要となることがあらかじめ予想された。また,乗用車のほか,IFへの説明に国内競技団体関係者にも同行を求めることがあり,多人数が一度に効率よく移動するためにバスを1台確保することとした。 車両の借上げについては,オリンピック期間中に設けられたCOACH2000という自動車業者の連盟を通じて一括に取り扱われており,旅行代理店にドライバー及びガイドをセットにして手配を依頼したものである。上記自動車業者の連盟を通じて手配した車両により,厳しい交通規制や駐車場確保の問題を比較的容易にクリアすることができたため,現地における招致活動に大いに役立った。 (b)携帯電話の借上げについて現地における招致活動の目的を達成するためIOC関係者からの情報や国内競技団体関係者を通じた緊急のアポイントメントにも対応することができる体制を組むために現地で携帯電話を通じて絶えず出張者間での連絡を取る必要があった。現地では,関係者のアポイントメントが取れている日の前日の夜になって,急に別件のアポイントメントが入ること等もあり,このような場合において面会者の日程を調整するなど緊急の連絡を取り合う必要があった。日本から携帯電話を持参すると,通話料金が他国を経由しての国際電話扱いとなり大変高額になることから,現地において携帯電話をレンタルすることとしたものである。 bその他事業経費として支出した支出項目(a)シドニーオリンピックにおける入場券の手配等(別紙事業経費一覧表№3)について本件出張の目的には,実際に競技会場内でゲームの運 ととしたものである。 bその他事業経費として支出した支出項目(a)シドニーオリンピックにおける入場券の手配等(別紙事業経費一覧表№3)について本件出張の目的には,実際に競技会場内でゲームの運営状況を視 察することのほか,IF関係者に大阪オリンピックの計画を説明すること(来阪の約束を取り付けること)などがあるが,IF関係者は競技場内にいることが多く,面会のためには入場券を入手しなければならなかったので,そのために経費として支出したものである。 (b)シドニーオリンピックにおける通訳旅費(別紙事業経費一覧表№4)について通訳経費については,IF等と本格的な交渉が必要な場合には,スポーツに詳しい特殊な通訳が必要となるため,当該通訳の航空運賃及び宿泊料を支出したものである。 (c)シドニーオリンピックにおける入場券の手配等(別紙事業経費一覧表NO.5)について本件出張の目的には,実際に競技会場内でゲームの運営状況を視察することのほか,IF関係者に大阪オリンピックの計画を説明することなどがあるが,IF関係者は競技場内にいることが多く,面会のためには入場券を入手しなければならなかったので,(a)(同一覧表№3)とは別に現地で必要になる経費として支出したものである。 (d)シドニーにおける通訳費(別紙事業経費一覧表№6)についてIF等と本格的な交渉が必要な場合には,スポーツに詳しい特殊な通訳が必要となったため通訳料として支出したものである。 (e)本件子ども親善大使派遣(追加分)(別紙事業経費一覧表№7)についてオリンピックムーブメント啓発の一環として,また,オリンピックゆかりの地や開催地を訪れることでオリンピックのすばらしさを知ってもらうことを目的として,大阪市では平成8年度から小学生(高学年),中学生をアトランタ,ロ メント啓発の一環として,また,オリンピックゆかりの地や開催地を訪れることでオリンピックのすばらしさを知ってもらうことを目的として,大阪市では平成8年度から小学生(高学年),中学生をアトランタ,ローザンヌ,アテネへ派遣して いたが,シドニーへも上記目的のため子ども達を派遣したものである(本件子ども親善大使の派遣)。この際,随行職員の閉会式を含む入場券について別紙事業経費一覧表№2に含まれていなかったので,追加的に支出したものである。 (f)シドニーオリンピック会議室使用料(別紙事業経費一覧表№8)について本件出張中に急きょ大阪市の招致関係者の会議とIFへの説明会を開催する必要が生じたので,ホテルの会議室を借りるため支出したものである。 (イ)現地で追加支出をした事業経費については,現地で担当者が局長級,部長級の出張者に諮り必要性を判断し,被告B20に報告の上,執行した。この追加分の事業経費については,当初の決議の枠内で費目の変更又は追加支出の決議を適宜行うことで支出することとしていた。 また,事業経費に係る履行確認については,事業を委託した旅行業者の請求に基づき被告B21が各出張者に確認した。 したがって,本件事業経費について,必要な事業に支出され,履行確認がされたことは明白であり,追加支出分についても内容及び手続が適正であったことは明らかである。 イ経理上の処理について本件事業経費の支出及び清算の関係は,前提となる事実等(6)記載のとおりであり,会計規則上の適正さを欠く手続が行われていたことは事実であるが,このような状況となった事情としては,シドニーオリンピック以降招致局における会計責任者の業務が繁忙となったことが挙げられる。 本来,招致局の庶務担当課長として,招致局の経理上の事務を掌理していたのは,連絡調整課長である た事情としては,シドニーオリンピック以降招致局における会計責任者の業務が繁忙となったことが挙げられる。 本来,招致局の庶務担当課長として,招致局の経理上の事務を掌理していたのは,連絡調整課長である被告B20であったが,同被告は,いわゆる庶務担当業務の他に事業全体の進行管理,国等関係機関との連絡調整, 市民運動との連携業務等,オリンピック招致に係る対外的な業務を所管しており,極めて繁忙であった。そこで,旅行代理店との交渉窓口,支出決議に伴う見積りの徴収,支出決議後の履行確認,資金前渡を受けた現金の処理等の実務については,被告B20から連絡調整課長代理である被告B21に任されていた。被告B21は,本件出張に係る旅行業者との交渉窓口等経理責任者としての業務を遂行していたが,シドニーオリンピック以降,正式立候補都市として海外での招致活動の増加,IOC評価委員会の来阪,平成13年度に向けての予算編成業務,年度末業務等繁忙を極めていた。まず,シドニーオリンピック以降の海外招致活動については,IOCの理事会,GAISFの総会等あわせて平成12年度中に12の会議等へ延べ20名の職員を出張させることとなった。旅行会社からはこれらの海外出張ごとに宿泊料及び事業経費について請求があったが,これら請求の中には複数の出張について一括で請求されるものもあり,また,事業経費分と宿泊料分と仕分けされずに請求された。大阪市の会計区分上宿泊料と事業経費とは別の費目で支出することを要するところ,被告B21において旅行会社からの請求の仕分けに手間取るうちに更に請求が重なるなど手続が滞り,その中でシドニーオリンピックに係る費用の支出が遅延してきた。また,被告B21は,連絡調整課長代理として,オリンピック招致業務にも携わっており,地元大阪における市民運動の活性化を所管 ど手続が滞り,その中でシドニーオリンピックに係る費用の支出が遅延してきた。また,被告B21は,連絡調整課長代理として,オリンピック招致業務にも携わっており,地元大阪における市民運動の活性化を所管していた。このため,平日の時間内は市内の地元商店街等へ連絡調整に赴き休日も招致イベント等の実施に関与するなどいわゆる事務を処理する時間的余裕がなかった。さらに,平成13年2月のIOC評価委員会の来阪に当たっては,28競技すべての競技予定会場について,視察ルートを検討し,すべてのルートについて下見を行い,視察先の歓迎行事の手配を行うなど,特に平成12年12月から当該業務に忙殺された。この間,支出手続が滞ってきたことについて,被告B20も対外業務が多忙であり庁内を離れる ことが多く,被告B21との間で経理処理の改善について相談等を行う時間的余裕もなかった。 もとより,支払手続の遅延が正当化されるものではないものの,シドニーオリンピック以降の担当者の繁忙については上記のとおりであり,やむを得ない状況であったことは明らかである。 旅行業者等に対する支払については,最終的に平成13年7月までに過払額との相殺等の手続を経てすべて提供を受けた役務に対して費用の支出が行われたものである。 (被告東急観光)ア自動車賃借料について(ア)招致委員会の車両確保招致委員会は,争点(2)についての被告東急観光の主張記載のとおり民間団体であり,独自の人脈等を有していた。車両確保に関しても,招致委員会構成メンバーの知人であり,オーストラリア在住のTの関与があった。Tは,当時グローバルエデュケーションアンドリクルートメントのチーフエグゼクティブオフィサーであったが,現地の車両会社をよく知っており,格安で車を確保することが可能であるため,Tを通して車両を確保し は,当時グローバルエデュケーションアンドリクルートメントのチーフエグゼクティブオフィサーであったが,現地の車両会社をよく知っており,格安で車を確保することが可能であるため,Tを通して車両を確保して欲しいと招致委員会から連絡があった。そこで,被告東急観光は,Tから紹介された車両会社と被告東急観光が利用しているランドオペレーターであるJTAとを契約させ,それを招致委員会に取り次いだ。なお,招致委員会に対する車両手配に関しては,ランドオペレーターに取り次いだだけであるので,特に被告東急観光としては手数料等は取っていない。ただし,招致委員会から,見積書,契約書等は必要なので発行するよう要請されて,発行したものである。 (イ)招致局の車両確保招致局の車両確保に関しては,招致委員会のような人脈があるわけで はなく,正規の発注となった。また,招致委員会はセダンを利用したようであるが,市長その他要人の使用を前提として招致局の公式な招致活動に用いることや直前の急な確保依頼のため等もあり,リムジンを含めて車両を確保することになった。オリンピック期間中の車両については,シドニーオリンピック組織委員会により認定を受けたCOACH2000と称する車両管理組織があり,オリンピック期間中の主な車両手配を一括管理していた。COACH2000に登録されていない車両は,空港,競技会場に入ることができない可能性もあったため,大阪市がオリンピック招致活動を確実に行うためには,COACH2000を通して車両を確保せざるを得ない状況にあった。しかも,車両のチャーターに関しては,極めて混雑していたため,直前の手配依頼では確保が困難であり,手配には多大の労力を費やさざるを得なかった。 被告東急観光は,当時のチャーター利用の場合の車両仕入料金に被告東急観光の経費,利益を ては,極めて混雑していたため,直前の手配依頼では確保が困難であり,手配には多大の労力を費やさざるを得なかった。 被告東急観光は,当時のチャーター利用の場合の車両仕入料金に被告東急観光の経費,利益を乗せて,別紙旅行費明細書記載のとおり車両費用を設定した。 イ以上のとおり,本件事業経費中車両費用(自動車賃借料)の価格設定は相当なものであるし,被告東急観光に関する他の事業経費についても,その価格設定は相当なものである。 (被告近畿日本ツーリスト)本件事業経費中,シドニーオリンピックにおける入場券の手配等(別紙事業経費一覧表№5)について,被告近畿日本ツーリストは,大阪市から手配を依頼された野球,バスケットボール,陸上,新体操,サッカー及び閉会式の入場券を,依頼されたとおりの内容で手配し,引き渡したものである。 被告近畿日本ツーリストは,これらの入場券をランドオペレーターから仕入れたものであるが,販売価格は,宿泊料の場合と同様に,仕入価格だけでなく,営業政策的な判断も加味して設定したものである。 (被告ジェイティービー)本件事業経費中,シドニーオリンピックにおける通訳旅費(別紙事業経費一覧表№4)に係る価格設定の違法をいう原告らの主張は,争う。 第3当裁判所の判断 争点(1)(本件出張の必要性)について(1)原告らは,大阪市がオリンピック招致活動を実施すること自体,必ずしも市民の合意はなかった旨主張し,このような市民の合意のないオリンピック招致の一環としてされた本件出張のための公金の支出は違法である旨主張する。 確かに,大阪市のオリンピック招致活動について市民の一部の間にオリンピック開催に向けて巨額の出費をすることは市民に過大な負担を負わせることになるなどといった批判が存したことは,被告職員らも認めるところである。 しかしな ピック招致活動について市民の一部の間にオリンピック開催に向けて巨額の出費をすることは市民に過大な負担を負わせることになるなどといった批判が存したことは,被告職員らも認めるところである。 しかしながら,地方公共団体は,住民の福祉の増進を図ることを基本として,地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うものであって(地方自治法1条の2第1項),地方公共団体が具体的にいかなる施策を実施するかについては,当該地方公共団体の広範な裁量にゆだねられている。しかるところ,世界最大のスポーツ大会であり,多種多様な競技について世界の一流選手が競技するオリンピック大会を大阪で行うことにより,大阪市民が世界最高レベルの競技に直に接することができ,市民のスポーツ振興に資するとともに,競技者やその関係者さらには観客が世界各国から大阪に集まることによる国際交流の発展や経済の活性化にも資するということができることに加えて,前提となる事実等(2)アのとおり,オリンピックの招致,開催について大阪市会の全会一致による決議を経ていることをも併せ考えると,大阪市が2008年オリンピックを大阪市に招致するための活動を展開したことが,地方公共団体の行政施策として裁量の範囲を逸脱したとい うことは到底できないから,オリンピック招致活動の一環として行われた本件出張のために公金を支出したことが直ちに違法になるということはできない(なお,大阪市が2008年オリンピックを招致することについては,大阪市会のみならず,大阪府議会の決議を経ているほか,我が国政府による閣議了解も行われていることは,前提となる事実等(2)ア,オ記載のとおりである。)。 (2)本件出張職員らによる本件出張の必要性についてアシドニーオリンピックに大阪市の職員を出張させる必要性(ア) 行われていることは,前提となる事実等(2)ア,オ記載のとおりである。)。 (2)本件出張職員らによる本件出張の必要性についてアシドニーオリンピックに大阪市の職員を出張させる必要性(ア)2008年オリンピックの大阪市への招致活動に係る経緯は,前提となる事実等(2)記載のとおりである。 すなわち,大阪市は,平成6年3月30日の大阪市会におけるオリンピックの招致・開催に関する決議を受けて,同年4月1日,市長室に選任スタッフ(部長級)を設置してオリンピック招致への本格的な取組みを始め,平成7年4月1日,市長室にオリンピック招致推進部を設置するとともに,同月19日,全庁組織である招致推進本部を設置し,同年12月,2008年オリンピックの立候補都市として立候補する旨の意思表明を行い,平成8年9月正式にJOCに立候補して平成9年8月13日国内候補都市として選定され,平成10年4月,オリンピック招致推進部を市長室から独立させてオリンピック招致局(招致局)とするなどしてきたのであって,大阪市は,早くから招致に向けた活動体制を整え,招致活動に取り組んできたものということができる。 一方,平成10年11月,2002年(平成14年)オリンピック冬季大会(ソルトレークシティ)招致をめぐるIOC委員の不正疑惑が浮上したことから,IOCは,立候補手続や招致活動に関するルールを見直すこととなり,平成11年12月に開催されたIOC臨時総会において,技術的要件を満たす都市だけを正式立候補都市として承認するとい う正式立候補都市承認手続の導入,IOC委員及び候補都市の相互訪問の禁止等を内容とする新しいルールが決定された。そのような中で,大阪市は,平成12年1月,JOCを通じて2008年オリンピックへの立候補申請を行ったが,同オリンピックへの立候補申請は大阪 の相互訪問の禁止等を内容とする新しいルールが決定された。そのような中で,大阪市は,平成12年1月,JOCを通じて2008年オリンピックへの立候補申請を行ったが,同オリンピックへの立候補申請は大阪市のほか9都市に及んだ。同年2月24日,IOC本部のあるスイスのローザンヌにおいて,立候補申請都市に対する説明会が開催され,正式立候補承認手続の内容,日程及び立候補申請都市に適用されるルールが明らかにされるとともに,立候補申請都市に適用されるルールとして,国際的な招致活動,広報の禁止(インターネットによる情報提供を除く。),オリンピックミーティング(IOC,国際競技連盟,国内オリンピック委員会関係会議,国際競技大会等)への参加の禁止(IOC理事会の招待がある場合を除く。),海外でのイベントの企画及び参加の禁止,IOC委員との相互訪問の禁止(第三者による場合を含む。),IOC委員が他の目的で立候補申請都市を訪問する場合の関与の禁止,贈り物の授受の禁止等が示された。同年8月28日,IOC理事会は,大阪市のほか北京市,パリ市,トロント市及びイスタンブール市の5都市を正式立候補都市として承認した。同年9月15日から同年10月1日にかけてオーストラリアのシドニーにおいてシドニーオリンピックが行われ,正式立候補都市として承認された上記5都市がIOCから同オリンピックに招待された。同オリンピック期間中の同年9月25日,シドニーにおいて,正式立候補都市に対するIOCの説明会が開催され,その際,候補都市用マニュアルが配布されたが,同マニュアルによれば,IOCへの立候補ファイルの提出期限は2001年(平成13年)1月17日とされ,同年2月中旬から4月中旬にかけてIOC評価委員会による候補都市訪問がされた後,IOC評価委員会からIOC理事会に報告がされ,同 立候補ファイルの提出期限は2001年(平成13年)1月17日とされ,同年2月中旬から4月中旬にかけてIOC評価委員会による候補都市訪問がされた後,IOC評価委員会からIOC理事会に報告がされ,同年7月13日にモスクワで開かれるIOC総会において開催都市が選 出される運びとなっていた。また,同マニュアルにおいても,①新聞,雑誌,テレビを通じた情報発信,②IOCの承認によって各候補都市に平等に機会を与える国際会議,国際競技大会でのピーアール,③インターネットのホームページでのピーアールを除く自国外での活動の禁止,海外でのイベントの禁止,IOC委員との相互訪問の禁止(第三者による場合を含む。),IOC委員が他の目的で候補都市を訪問する場合の関与の禁止,等の招致活動のルールが定められていた。 以上のとおり,IOCにおいて立候補手続や招致活動に関するルールが見直され,IOC委員と招致都市(立候補申請都市ないし正式立候補都市)関係者との相互訪問の禁止(ノー・ビジット・ルール)等を中心とする新たな招致活動のルールが定められた結果,立候補申請後シドニーオリンピック開催に至るまでの間,大阪市が海外において招致活動を行うことは大幅に制限されていた。 (イ)前記認定事実に加えて証拠(乙A18号証,19号証,21号証ないし32号証,被告B7本人,被告B17本人,被告B19本人,被告B20本人)によれば,次の事実が認められる。 a大阪市は,長居陸上競技場,大阪ドーム,中央体育館等,国際水準に照らしても優れた機能を持つスポーツ施設を多く有するのみならず,充実した宿泊施設や関西国際空港,高速道路網,地下鉄網といった優れた都市交通基盤を持つ大都市であるが,他の立候補都市,とりわけ一国の首都であり,また,国際的な観光都市であるパリや北京,イスタンブ 充実した宿泊施設や関西国際空港,高速道路網,地下鉄網といった優れた都市交通基盤を持つ大都市であるが,他の立候補都市,とりわけ一国の首都であり,また,国際的な観光都市であるパリや北京,イスタンブールなどと比べて知名度の点で不利であることは否めず,招致活動に当たってはノー・ビジット・ルールの制約の下でどのようにして大阪市のオリンピック開催能力を訴えかけるかが大きな課題となっていた。 b各正式立候補都市に提出が求められていた立候補ファイルの作成に 当たっても,その主要な部分を構成する各競技の開催計画は,オリンピックの都度,競技種目や競技規則,ルール等が変更されており,常に最新の情報を入手しておく必要がある上,実際に競技を主催するIFの要望や意見を採り入れて具体的かつ詳細に策定する必要があったところ,IF役員の多くはIOCの関係者でもあり,ノー・ビジット・ルールの下,正式立候補都市として承認されるまで事実上IFとの接触はできない状況であった。のみならず,立候補ファイルは,前提となる事実等(2)シのとおり,28競技の競技開催計画のほかセキュリティ,輸送,メディアサービスといった大会全体の運営に関する事項について,テーマ,項目別に延べ500問を超える質問に沿って具体的かつ詳細に策定することが求められるものであり,シドニーオリンピック開催中にその策定マニュアルが配布されることとなっていたが,その内容からして同オリンピック終了後から準備を始めていたのでは到底その提出期限に間に合わないことが予想されていた。 cオリンピック競技施設の整備についても,オリンピック競技施設は,各競技の国際基準及びオリンピック基準に適合しているとともに,各競技を実際に主催するIFが求める要求水準を満たす必要があり,大阪オリンピックの際に新設を予定しているaの も,オリンピック競技施設は,各競技の国際基準及びオリンピック基準に適合しているとともに,各競技を実際に主催するIFが求める要求水準を満たす必要があり,大阪オリンピックの際に新設を予定しているaのオリンピックスタジアム,アクアティクセンター(プール)はもとより,大阪市が有する既存の長居陸上競技場や大阪プール等国際水準の機能を持つスポーツ施設についても,最新の情報を採り入れて整備計画を策定していく必要があった。 dこのほか,大阪市では,シドニーオリンピック開催の翌年である平成13年に本件卓球大会や本件東アジア競技大会が開催されることが予定されていた。 eシドニーオリンピックは,大阪市が正式立候補都市として承認され, 海外における招致活動が認められた直後に開催される世界最大のスポーツ行事であり,また,オリンピック開催前にIOC総会が開催され,C会長をはじめ多数のIOC委員が集結すること,オリンピック競技種目を主催するIFについても開会式の前後に理事会が開催されることが多く,IF役員が集結すること等から,IOC委員やIF役員等の国際スポーツ関係者に対し2008年オリンピック正式立候補都市としての大阪市のオリンピック開催能力を直接訴えかける絶好の機会であった。 fまた,シドニーオリンピックは,立候補ファイルの策定に当たっても,IOC委員やIF関係者と実際に会って大阪市の会場計画を説明し,意見を求め,立候補ファイルの提出に必須であるIFの承認を得られるよう協議する絶好の機会であったのみならず,最も新しい情報が反映された同オリンピックの競技運営や競技会場を実際に見聞することにより,競技に関する最新の情報を入手することができる場でもあった。 gさらに,シドニーオリンピックは,オリンピック競技施設の整備の観点からも,関係者の意見を 技運営や競技会場を実際に見聞することにより,競技に関する最新の情報を入手することができる場でもあった。 gさらに,シドニーオリンピックは,オリンピック競技施設の整備の観点からも,関係者の意見を直接聞きながら現地でしか得られない最新の情報を得ることにより,IOC委員やIF関係者等から国際的に高い評価を受けるような整備計画を策定するための絶好の機会であり,また,実地に視察することにより,施設の配置状況,本設・仮設の使い分け,バリアフリー対策,環境対策等のハード面の整備の在り方とともに,オリンピック開催時でしか経験することのできない観客や出場選手等の動線(大量の人の流れ)のコントロール,セキュリティチェック,メディアへの対応等,ソフト面の運用の在り方をも含めて,施設整備面での課題を把握し,大阪オリンピックの各競技会場,特にメイン会場となるaオリンピックスタジアム,アクアティクセンターの 整備計画を策定するための各種情報を収集することができる場でもあった。 hこのほか,シドニーオリンピックは,28競技296種目と,各競技とも質,量ともに世界のトップレベルの総合競技大会であって,これまで国際総合競技大会の経験のなかった大阪市にとって,本件卓球大会や本件東アジア競技大会を始め今後の国際競技大会の招致,開催に当たっても,その雰囲気を体験し,競技施設を始め大会運営,警備状況,集客状況,ボランティアの活動状況,ホスピタリティのあり方などを視察することができる場であるのみならず,競技会場やレセプション会場などにおいて,世界各国から集まってくる各競技のIFの関係者らと積極的に接触し,大阪での各種国際競技大会の開催実績や本件卓球大会,本件東アジア競技大会をアピールする絶好の機会でもあった。 (ウ)以上認定したところによれば,大阪市は,早く 技のIFの関係者らと積極的に接触し,大阪での各種国際競技大会の開催実績や本件卓球大会,本件東アジア競技大会をアピールする絶好の機会でもあった。 (ウ)以上認定したところによれば,大阪市は,早くから招致に向けた活動体制を整え,招致活動に取り組んできたものの,IOCにおいて立候補手続や招致活動に関するルールが見直され,IOC委員と招致都市(立候補申請都市ないし正式立候補都市)関係者との相互訪問の禁止(ノー・ビジット・ルール)等を中心とする新たな招致活動のルールが定められた結果,立候補申請後シドニーオリンピック開催に至るまでの間,大阪市が海外において招致活動を行うことは大幅に制限されていたことから,シドニーオリンピックは,2008年オリンピックの招致を目指す大阪市にとって,開催都市の決定に関与するIOC委員その他の国際スポーツ関係者に対し正式立候補都市としての大阪市のオリンピック開催能力を直接訴えかけ,知名度の低さを克服する絶好の機会であるとともに,開催都市の決定に当たり重要な選考資料となる立候補ファイルの策定のために,競技に関する最新の情報を入手し,各競技について IFの承認を得られるよう協議を行うことができ,セキュリティ,輸送,メディアサービスといった大会全体の運営に関する事項について具体的なイメージを把握し,必要な情報を収集することができる絶好の機会でもあり,また,オリンピック競技施設の整備の観点からも,IOC委員やIF関係者等から国際的に高い評価を受けるような整備計画を策定するために,施設整備面での課題を把握し,現地でしか得られない各種情報を収集することができる場であり,さらに,翌年に控えた本件卓球大会及び本件東アジア競技大会の開催のための情報収集やIFの関係者らとの交流の機会でもあったと認められる。 これらによれば れない各種情報を収集することができる場であり,さらに,翌年に控えた本件卓球大会及び本件東アジア競技大会の開催のための情報収集やIFの関係者らとの交流の機会でもあったと認められる。 これらによれば,大阪市のオリンピック招致行政ないし本件卓球大会,本件東アジア競技大会の開催等に向けたスポーツ行政の遂行上,シドニーオリンピックに大阪市を代表する立場にある者(市長,助役等)を始めオリンピック招致行政の関係部局(招致局,建設局)の職員や本件卓球大会,本件東アジア競技大会の開催事務の関係部局(教育委員会事務局)の職員を派遣する必要性が存在したものというべきである。 (エ)原告らの主張についてa原告らは,招致委員会は大阪でのオリンピック開催をピーアールするという役割を持っており,実際に招致委員会の職員が多数シドニーオリンピックを視察していたのであるから,招致委員会とは別に招致局の職員がIOCやIF関係者に対するピーアールをする必要性は全くない旨主張する。 前提となる事実等(2)イ,ウ及びカ並びに証拠(乙A1号証,25号証,27号証)及び弁論の全趣旨によれば,招致委員会は,オリンピックの招致活動を推進するため,主として大阪市内の市民団体,経済団体,スポーツ団体,労働団体などの代表が一体となって設立された招致推進会議を前身とし,2008年オリンピックの我が国への招致 やオリンピックムーブメントの普及及び啓発を行うこと等を目的として,大阪市とJOCの出捐によって設立された財団法人であって,大阪市長である被告B1が招致委員会の会長を務め,2008年オリンピックの大阪招致を実現するため,広報活動,渉外活動その他必要な事業を行い,シドニーオリンピックにおいては,IOCホテルにおいて設置が認められていたプレゼンテーションルーム及びホスピタリティ リンピックの大阪招致を実現するため,広報活動,渉外活動その他必要な事業を行い,シドニーオリンピックにおいては,IOCホテルにおいて設置が認められていたプレゼンテーションルーム及びホスピタリティルームにおける大阪招致へのピーアール活動,メインプレスセンターにおける海外の報道機関に向けた記者会見の設定など,IOCの定めたルール内における積極的な招致活動を行っていたこと,他方,招致局は,シドニーオリンピックが開催された平成12年度には1部(招致推進部)2課(連絡調整課,計画課)が置かれ,連絡調整課では,招致局の庶務的業務を所管するとともに,関係団体及び機関との連絡調整,オリンピック招致に係る広報及び市民運動に関することを所管し,具体的には,国においてオリンピック招致を所管していた文部省及び海外情報収集等の窓口としての外務省並びにJOCと大阪市との連絡調整業務,オリンピックムーブメントの普及,啓発のための子ども親善大使の派遣事業,市内在学中の小学生,中学生を対象としたオリンピック副読本の作成などを行っており,計画課では,オリンピック招致計画の策定及び推進に関すること,競技施設その他オリンピック関連施設の整備計画の調査及び立案に関することを所管し,具体的には,平成12年6月にIOCに提出した正式立候補都市承認のための選考資料となる「22項目の質問事項に対する回答書」の作成及び平成13年1月にIOCに提出した立候補ファイルの作成などを行っていたこと,以上の事実が認められる。 以上の事実によれば,2008年オリンピックの大阪招致に向けたピーアール活動は主として招致委員会が担っていたものということが できるものの,そもそも2008年オリンピックの招致は大阪市がその行政施策として決定し遂行しているものであって,当該行政施策が地方公共団体 動は主として招致委員会が担っていたものということが できるものの,そもそも2008年オリンピックの招致は大阪市がその行政施策として決定し遂行しているものであって,当該行政施策が地方公共団体の施策として裁量の範囲を逸脱するものでないことは前記のとおりであるから,被告B1や被告B2が大阪市長ないし大阪市助役として大阪市を代表する立場からシドニーオリンピックにおいてIOC委員やIF役員らに対し2008年オリンピックの大阪招致を訴えかけることがその必要性を欠くということはできず,また,大阪市の一部局として2008年オリンピックの大阪招致に係る行政事務を所管していた招致局の職員が招致委員会とは別個にIOC委員やIF役員等に対し2008年オリンピックの大阪招致をピーアールすることがその必要性を欠くということもできない。 b原告らは,立候補ファイル作成のためにシドニーオリンピックに大阪市の職員を出張させる必要性が存したか不明であるとし,また,IF役員らとの面談あるいは協議も不必要であった旨主張する。 しかしながら,大阪市は,平成12年8月28日に2008年オリンピックの正式立候補都市として承認され,平成13年1月17日までにIOCに立候補ファイルを提出する必要があったことは,前記のとおりであるところ,この立候補ファイルの作成,とりわけその主要な部分を構成する各競技の開催計画は,オリンピックの都度,競技種目や競技規則,ルール等が変更されており,常に最新の情報を入手しておく必要がある上,実際に競技を主催するIFの要望や意見を採り入れて具体的かつ詳細に策定する必要があり,そのためには,IFの会長,事務局長等の幹部役員や技術スタッフ等の実務担当者が競技会場にいることが多いシドニーオリンピックにおいて,IF関係者らと実際に会って大阪市の会場計画 に策定する必要があり,そのためには,IFの会長,事務局長等の幹部役員や技術スタッフ等の実務担当者が競技会場にいることが多いシドニーオリンピックにおいて,IF関係者らと実際に会って大阪市の会場計画を説明し,意見を求め,立候補ファイル提出に必須であるIFの承認を得られるよう協議する必要があった ことは,(イ)記載のとおりである(原告らは,立候補ファイルの提出にIFの承認を得ることは必須ではなかった旨主張するが,証拠(乙A36号証,被告B7本人)によれば,立候補ファイルに記載する必要がある質問事項中,テーマ8「競技」に係る質問事項として,各競技ごとにIFとの交渉状況を記載するよう求められており,また,IFの承認を得られたものについてはIFの承認の書簡を保証として立候補ファイルに添付して提出するよう求められていたことが認められ,これらからすれば,各競技ごとにIFの承認を得ることは,立候補ファイルの作成,提出のための形式的な必要条件であるということはできないものの,オリンピック開催都市として選出されるためには必須の事項であったものと認められる。)。のみならず,前記のとおり,立候補ファイルは,28競技の競技開催計画のほかセキュリティ,輸送,メディアサービスといった大会全体の運営に関する事項について,テーマ,項目別に延べ500問を超える質問に沿って具体的かつ詳細に策定することが求められるものである上,その内容からしてシドニーオリンピック終了後から準備を始めていたのでは到底その提出期限に間に合わないことが予想されていたというのであるから,これらの事項について具体的なイメージを把握し,必要な情報を収集して,開催都市の決定に当たり重要な選考資料とされる立候補ファイルを充実した説得力のある内容のものとしつつ提出期限に間に合うように作成するた 事項について具体的なイメージを把握し,必要な情報を収集して,開催都市の決定に当たり重要な選考資料とされる立候補ファイルを充実した説得力のある内容のものとしつつ提出期限に間に合うように作成するためにも,招致局の職員をシドニーオリンピックに派遣する高度の必要性が存在したものというべきである。 c原告らは,施設の整備状況については,シドニーオリンピックの開催前あるいは開催後においてシドニーにおける施設関係者から情報収集を行うことも含めて十分に可能であったなどと主張する。 しかしながら,前記のとおり,オリンピック競技施設の整備におい ても,施設の配置,バリアフリー対策,環境対策等のハード面のみならず,観客や出場選手等の動線(大量の人の流れ)のコントロール,セキュリティチェック,メディアへの対応等のソフト面をも踏まえて,IOC委員やIF関係者等から国際的に高い評価を受けるような整備計画を策定する必要があるところ,上記のソフト面等はオリンピック開催時でしか経験することのできないものであることから,これらを実地に見分,調査し,施設整備面での課題を把握し,最新の情報を含めた各種情報を収集するため,施設整備を所管する大阪市建設局の職員をシドニーオリンピックに派遣する必要性が存在したものというべきである。 d原告らは,本件卓球大会や本件東アジア大会については同種の国際大会についての情報,資料等の収集に努めれば足りるから,教育委員会事務局職員の出張は必要性が全くなかったなどと主張する。 しかしながら,本件卓球大会や本件東アジア大会の開催準備に当たっても,オリンピックの場合と同様に,同種の国際競技大会の運営の実情を把握し,そのノウハウを獲得することが必要であり,大阪市がそれまで国際総合競技大会の経験を有していなかったことにもかんがみると,情報 も,オリンピックの場合と同様に,同種の国際競技大会の運営の実情を把握し,そのノウハウを獲得することが必要であり,大阪市がそれまで国際総合競技大会の経験を有していなかったことにもかんがみると,情報収集及びIFの関係者らとの交流等のため本件卓球大会及び本件東アジア大会の開催を翌年度に控えてこれを所管する教育委員会事務局の職員を最大規模の国際総合競技大会であるシドニーオリンピックに派遣する必要性が存在したものというべきである。 (オ)以上検討したところによれば,2008年オリンピックの招致活動の一環として,また,本件卓球大会及び本件東アジア競技大会に向けた情報収集,IFの関係者らとの交流等のために,シドニーオリンピックに大阪市の市長,助役その他の職員を出張させる必要性が存したものと認めるのが相当である。 イ本件出張職員らを出張させる必要性について(ア)市長,助役及び招致局職員らの出張の必要性についてa被告出張職員ら中,大阪市長であった被告B1(被告1),大阪市助役であった被告B2(被告2),市長室秘書部の職員であった被告B3(被告3),大阪市顧問であった被告B15(被告15)並びに招致局職員であった被告B4(被告4),被告B5(被告5),被告B6(被告6),被告B7(被告7),被告B8(被告8),被告B9(被告9),被告B10(被告10),被告B11(被告11),被告B12(被告12),被告B13(被告13)及び被告B14(被告14)の本件出張時における具体的な役職の内容は,前提となる事実等(1)イ(ア)ないし(ソ)記載のとおりである。 また,これらの被告出張職員らに係る本件出張の日程及び宿泊日数は,別紙本件出張一覧表記載のとおりである。 さらに,これらの被告出張職員らをオーストラリアに派遣し,海外出張を命じ(被告1を除 である。 また,これらの被告出張職員らに係る本件出張の日程及び宿泊日数は,別紙本件出張一覧表記載のとおりである。 さらに,これらの被告出張職員らをオーストラリアに派遣し,海外出張を命じ(被告1を除く。),旅費の調整を行い,経費を支出することについて,「職員の海外出張及び旅費の調整並びに同経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,同決裁文書には,これらの被告出張職員らに係る本件出張の必要性について,前提となる事実等(3)ウ(ア)のとおり記載されている。 bところで,2008年オリンピックの招致活動の一環として,また,本件卓球大会及び本件東アジア競技大会に向けた情報収集,IFの関係者らとの交流等のために,シドニーオリンピックに大阪市の職員を出張させる必要性が存したものと認められることは,前記のとおりであるから,a記載の被告出張職員ら(被告1ないし被告15)の当時の役職,出張の日程,上記決裁文書の記載内容等に照らして,これらの職員に係る本件出張の必要性の存否について,以下検討する。 (a)平成12年8月28日,大阪市が2008年オリンピックの正式立候補都市として承認され,正式立候補都市として承認された他の4都市とともにIOCからシドニーオリンピックに招待されたこと,シドニーオリンピック期間中の同年9月25日,シドニーにおいて,正式立候補都市に対するIOCの説明会が開催されたことは,前提となる事実等(2)コ及びサ記載のとおりである。そして,証拠(乙A1号証,18号証,20号証,25号証,28号証,32号証)によれば,シドニーオリンピックに先立ち,同月11日から14日まで,IOCホテルであるシドニーのリージェント・ホテルにおいて,IOC総会が開催されたこと,同月11日から同月13日までの間,各正式立候補都市には, ニーオリンピックに先立ち,同月11日から14日まで,IOCホテルであるシドニーのリージェント・ホテルにおいて,IOC総会が開催されたこと,同月11日から同月13日までの間,各正式立候補都市には,IOC総会会場入口付近(リージェント・ホテルのロビー)でのプレゼンテーションテーブルの設置が認められ,また,同月14日から同年10月1日までの間,IOCから各正式立候補都市に対し,ホスピタリティルームとして同ホテルの1室が提供されたこと,さらに,IOCが主催する正式立候補都市の記者会見が開かれるのではないかと想定されていたところ,同年9月15日にメインプレスセンターにおいて記者会見が実施されたことがそれぞれ認められる。 これらの事実に加えて,前記のとおり,シドニーオリンピックは,IOC委員やIF役員等の国際スポーツ関係者に対し2008年オリンピック正式立候補都市としての大阪市のオリンピック開催能力を直接訴えかけ,知名度の低さを克服する絶好の機会であったことを併せ考えると,被告B1が大阪市を代表する市長としてシドニーに出張し,記者会見に出席したり,プレゼンテーションルーム等においてIOC委員やIF役員等に対し2008年オリンピックの正式立候補都市としての大阪市のオリンピック開催能力を直接訴えか けたりしたことは,大阪市が市の行政施策としての2008年オリンピック招致活動を効果的に遂行する上で適切な措置であったということができ,また,大阪市を代表する市長である被告B1が長期間にわたってシドニーに留まることは困難であることにかんがみ,被告B1の後を継ぐ形で大阪市の助役である被告B2をシドニーに出張させ,被告B2においてIOC委員やIF役員等と面談して大阪市への支持を訴えたり,必要な働きかけを行ったり,正式立候補都市に対するIOCの説明 後を継ぐ形で大阪市の助役である被告B2をシドニーに出張させ,被告B2においてIOC委員やIF役員等と面談して大阪市への支持を訴えたり,必要な働きかけを行ったり,正式立候補都市に対するIOCの説明会に出席したりしたことも,同様に適切な措置であったということができる。さらに,市長である被告B1や助役である被告B2の出張に伴い,被告B1や被告B2に随行する職員として,市長室秘書部国際交流課長代理であり,海外出張や賓客接遇の際の通訳や翻訳業務等に従事していた被告B3(前提となる事実等(1)イ(ウ))をシドニーに出張させたことも,被告B1や被告B2の地位及び現地での役割等に照らすと,相当な措置であったということができる。 (b)証拠(乙A25号証,32号証,36号証,被告B7本人,被告B20本人)によれば,招致局の職員のシドニーへの出張については,招致局長であった被告B4を中心とし,招致局招致推進部計画課長であった被告B7,同部連絡調整課長であった被告B20らが相談して計画がされたこと,招致局の体制としては,シドニーオリンピック開催期間を前期(平成12年9月13日から同月21日まで),中期(同月20日から同月26日まで)及び後期(同日から同年10月2日まで)の3期に分け,各期に招致局長である被告B4(前期),招致局理事である被告B5(中期)及び招致局招致推進部長である被告B6(後期)の3名を長とする班を編成し,それぞれの班に立候補ファイルの策定を担当していた招致局招致推進 部計画課から課長級の職員及び係長級の職員を配して,市長である被告B1や助役である被告B2の渉外活動に随行し,また,競技会場等の視察を行うこととしたこと,前期には,被告B4のほか,課長級として計画課長であった被告B7及び計画課長代理であった被告B8を,係長級と B1や助役である被告B2の渉外活動に随行し,また,競技会場等の視察を行うこととしたこと,前期には,被告B4のほか,課長級として計画課長であった被告B7及び計画課長代理であった被告B8を,係長級として計画課主査であった被告B12をそれぞれ出張させることとし,中期には,被告B5のほか,課長級としては前期に引き続き被告B7を,係長級として計画課主査であった被告B11と被告B13をそれぞれ出張させることとし,後期には,被告B6のほか,課長級として招致推進部企画主幹であった被告B9を,係長級として計画課主査であった被告B14をそれぞれ出張させることとしたこと,このほか,シドニーオリンピック期間中に国において国際スポーツ競技大会を所管する文部省から政務次官が招致活動の視察に訪れるためその対応を行うことや,現地において招致委員会と招致局との日程調整等を行うことのため,招致局招致推進部連絡調整課主査として国の機関,招致委員会等との連絡調整を担当していた被告B10を前期の期間シドニーに出張させることとしたことが認められる。 しかるところ,前記のとおり,招致局は,大阪市の2008年オリンピックの招致に係る行政事務を執行するために設置された部局であり,中でも招致推進部計画課は正式立候補都市にその提出が求められ開催都市決定に当たり重要な選考資料となる立候補ファイルの作成を担当していた部署であるところ,立候補ファイルは,候補都市用マニュアルに示された18テーマ(その具体的内容は,前提となる事実等(2)シのとおりである。),149項目,延べ522問の質問にそって,開催計画を具体的かつ詳細に策定することが求められ,その範囲も28競技の競技開催計画のほかセキュリティ,輸 送,メディアサービスといった大会全体の運営に関する事項に及ぶものであり,とりわけ ,開催計画を具体的かつ詳細に策定することが求められ,その範囲も28競技の競技開催計画のほかセキュリティ,輸 送,メディアサービスといった大会全体の運営に関する事項に及ぶものであり,とりわけその主要な部分を構成する各競技の開催計画については,最新の競技種目や競技規則等に合わせ,実際に競技を主催するIFの要望や意見を採り入れて,具体的かつ詳細に策定する必要がある上,各競技ごとにIFとの交渉状況を記載するよう求められており,また,IFの承認を得られたものについてはIFの承認の書簡を保証として立候補ファイルに添付して提出するよう求められていたというのであり,しかも,立候補ファイルは,シドニーオリンピック開催期間中の正式立候補都市に対するIOCの説明会において候補都市用マニュアルが配布された上,そのわずか4か月弱後の2001年(平成13年)1月17日が提出期限とされていたものである。 以上の事実によれば,直近のオリンピックを実地に見聞等することにより,立候補ファイルにおいて策定が求められている事項について具体的なイメージを把握し,必要な情報を収集して,立候補ファイルの内容を充実した説得力のあるものとするとともに,提出期限に間に合うよう完成させ,また,その主要な部分を構成する各競技の開催計画の策定のために,競技種目や競技規則等についての最新の情報を入手するとともに,IFの関係者等と実際に会って大阪市の会場計画を説明し,意見を求め,IFの承認を得られるよう協議等をするため(IFの関係者らと協議を充実したものとするためには当該競技を実際に視察することが有益であることはいうまでもない。),招致局の職員をシドニーオリンピックに派遣する高度の必要性が存在したものというべきである。このことに加えて,招致局において被告B4,被告B5,被告B6, ることが有益であることはいうまでもない。),招致局の職員をシドニーオリンピックに派遣する高度の必要性が存在したものというべきである。このことに加えて,招致局において被告B4,被告B5,被告B6,被告B7,被告B8,被告B9,被告B11,被告B12,被告B13及び被告B14が 当時それぞれ担っていた前提となる事実等(1)イ記載の各職務の内容に照らすと,競技運営,競技会場の視察及びIOC委員,IF関係者らとの面談等のため,シドニーオリンピックの期間を3期に分けて3班体制を採り,これら招致局所属職員を,招致局長,理事ないし招致推進部長を長として,課長級,係長級と振り分けた上で,それぞれシドニーに出張させたことは,大阪市においてオリンピック招致行政を推進する上で適切かつ効果的な措置であったということができる。 また,被告B10についても,前提となる事実等(1)イ(コ)のとおり,招致局招致推進部連絡調整課主査として,対外的には,文部省や外務省等の中央省庁やJOC,招致委員会その他関係団体との連絡調整を担当し,庁内的には,オリンピック招致関連に係る市長,助役の日程調整や各所属との連絡調整,招致局職員の人事管理,労務管理,福利厚生関係を担当していたことに照らせば,シドニーオリンピック期間中に視察に訪れる文部省の政務次官との対応や,現地における招致局と招致委員会との日程調整等のため,被告B10を別紙本件出張一覧表記載の日程でシドニーに出張させたことは,相当な措置であったということができる。 (c)被告B15(被告15)についても,過去に日本における国際スポーツ競技大会招致の経験を有するとともに国際スポーツ界に豊富な人脈を有していたことから,本件出張当時大阪市顧問の委嘱を受けて招致活動への助言等を行っていた者であって,同被告の立場及び ける国際スポーツ競技大会招致の経験を有するとともに国際スポーツ界に豊富な人脈を有していたことから,本件出張当時大阪市顧問の委嘱を受けて招致活動への助言等を行っていた者であって,同被告の立場及び職務内容等に照らすと,IOC委員やIF役員等に対して2008年オリンピックの大阪招致への支持を働きかける等のため同被告を別紙本件出張一覧表記載の日程でシドニーに出張させたことは,相当な措置であったということができる。 c以上によれば,市長,助役及び招致局職員ら(被告1ないし被告15)を別紙本件出張一覧表記載の日程及び宿泊日数によりシドニーに出張させたことがその必要性を欠くということはできない。 (イ)建設局職員らの出張の必要性についてa被告出張職員ら中,建設局職員であった被告B16(被告16)及び被告B17(被告17)の本件出張時における具体的な役職の内容は,前提となる事実等(1)イ(タ)及び(チ)記載のとおりである。 また,これらの被告出張職員らに係る本件出張の日程及び宿泊日数は,別紙本件出張一覧表記載のとおりである。 さらに,これらの被告出張職員らをオーストラリアに派遣し,海外出張を命じ,旅費の調整を行い,経費を支出することについて,「職員の海外出張並びに同経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,同決裁文書中には,これらの被告出張職員らに係る本件出張の必要性について,前提となる事実等(3)ウ(イ)のとおり記載されている。 bところで,2008年オリンピックの招致活動の一環として,また,本件卓球大会及び本件東アジア競技大会に向けた情報収集,IFの関係者らとの交流等のために,シドニーオリンピックに大阪市の職員を出張させる必要性が存したものと認められることは,前記のとおりであるから,a記載の被告出張職員ら(被告 技大会に向けた情報収集,IFの関係者らとの交流等のために,シドニーオリンピックに大阪市の職員を出張させる必要性が存したものと認められることは,前記のとおりであるから,a記載の被告出張職員ら(被告16及び被告17)の当時の役職,出張の日程,上記決裁文書の記載内容等に照らして,これらの職員に係る本件出張の必要性の存否について,以下検討する。 オリンピック競技施設の整備においても,施設の配置,バリアフリー対策,環境対策等のハード面のみならず,観客や出場選手等の動線(大量の人の流れ)のコントロール,セキュリティチェック,メディアへの対応等のソフト面をも踏まえて,IOC委員やIF関係者等か ら国際的に高い評価を受けるような整備計画を策定する必要があるところ,上記のソフト面等はオリンピック開催時でしか経験することのできないものであることから,これらを実地に見分,調査し,施設整備面での課題を把握し,最新の情報を含めた各種情報を収集するため,施設整備を所管する大阪市建設局の職員をシドニーオリンピックに派遣する必要性が存在したことは,前記のとおりである。 しかるところ,被告B16は,本件出張当時,建設局花と緑の推進本部施設整備部長として,スポーツ施設の建設に係る調査,企画及び連絡調整等及び公園施設の建設を所管するとともに,スタジアム・プール施設構想委員会の構成員として,オリンピックスタジアムやオリンピックプールなどの施設整備の具体的な検討事務を行っていた者であり(前提となる事実等(1)イ(タ)),また,被告B17は,建設局花と緑の推進本部施設整備部技術主幹(大規模スポーツ施設整備担当)であって,招致推進本部競技施設整備部会の部員として,2008年オリンピックが大阪で開催された際の競技会場となる新設のオリンピックスタジアム及びオリンピックプー 術主幹(大規模スポーツ施設整備担当)であって,招致推進本部競技施設整備部会の部員として,2008年オリンピックが大阪で開催された際の競技会場となる新設のオリンピックスタジアム及びオリンピックプール並びに既存スポーツ施設の整備計画作成の任に当たっていた者である(前提となる事実等(1)イ(チ))。 そうであるとすれば,建設局の職員として被告B16及び被告B17をシドニーに出張させたことは,大阪市においてオリンピック招致行政を推進する上で適切かつ効果的な措置であったということができ,また,その出張期間もその目的に照らして相当なものであったということができる。 c以上によれば,被告B16及び被告B17を別紙本件出張一覧表記載の日程及び宿泊日数によりシドニーに出張させたことがその必要性を欠くということはできない。 (ウ)教育委員会事務局職員らの出張の必要性についてa被告出張職員ら中,教育委員会事務局職員であった被告B18(被告18)及び被告B19(被告19)の本件出張時における具体的な役職の内容は,前提となる事実等(1)イ(ツ)及び(テ)記載のとおりである。 また,これらの被告出張職員らに係る本件出張の日程及び宿泊日数は,別紙本件出張一覧表記載のとおりである。 さらに,これらの被告出張職員らをオーストラリアに派遣し,海外出張を命じ,旅費の調整を行い,経費を支出することについて,「シドニー2000オリンピック競技大会への職員の派遣並びに同所要経費の支出について」という標題の決裁文書が作成されており,同決裁文書中には,これらの被告出張職員らに係る本件出張の必要性について,前提となる事実等(3)ウ(ウ)のとおり記載されている。 bところで,2008年オリンピックの招致活動の一環として,また,本件卓球大会及び本件東アジア競技大会に向 らに係る本件出張の必要性について,前提となる事実等(3)ウ(ウ)のとおり記載されている。 bところで,2008年オリンピックの招致活動の一環として,また,本件卓球大会及び本件東アジア競技大会に向けた情報収集,IFの関係者らとの交流等のために,シドニーオリンピックに大阪市の職員を出張させる必要性が存したものと認められることは,前記のとおりであるから,a記載の被告出張職員ら(被告18及び被告19)の当時の役職,出張の日程,上記決裁文書の記載内容等に照らして,これらの職員に係る本件出張の必要性の存否について,以下検討する。 大阪市においては,シドニーオリンピック開催の翌年である平成13年に本件卓球大会や本件東アジア競技大会が開催されることが予定されていたが,大阪市はそれまで国際総合競技大会の経験を有していなかったところ,シドニーオリンピックは,28競技296種目と,各競技とも質,量ともに世界のトップレベルの総合競技大会であって,大阪市にとって,本件卓球大会や本件東アジア競技大会を始め今後の 国際競技大会の招致,開催に当たっても,その雰囲気を体験し,競技施設を始め大会運営,警備状況,集客状況,ボランティアの活動状況,ホスピタリティのあり方などを実地に視察することができる場であるのみならず,競技会場やレセプション会場等において,世界各国から集まってくる各競技のIFの関係者らと積極的に接触し,大阪での各種国際競技大会の開催実績や本件卓球大会,本件東アジア競技大会をアピールする絶好の機会でもあり,情報収集及びIFの関係者らとの交流等のため本件卓球大会及び本件東アジア大会を所管する教育委員会事務局の職員をシドニーオリンピックに派遣する必要性が存在したことは,前記のとおりである。 しかるところ,被告B18は,本件出張当時,教育委員会事務局に 球大会及び本件東アジア大会を所管する教育委員会事務局の職員をシドニーオリンピックに派遣する必要性が存在したことは,前記のとおりである。 しかるところ,被告B18は,本件出張当時,教育委員会事務局におけるスポーツ振興担当理事として,大阪市におけるスポーツの振興並びに国際スポーツ競技大会の招致及び開催に関する事務を所管していた者であり(前提となる事実等(1)イ(ツ)),また,被告B19は,教育委員会事務局スポーツ部国際競技課長として,本件卓球大会や本件東アジア競技大会の開催準備作業を担当していた者である(前提となる事実等(1)イ(テ))。 そうであるとすれば,教育委員会事務局の職員として被告B18及び被告B19をシドニーに出張させたことは,大阪市においてスポーツ行政を推進する上で適切かつ効果的な措置であったということができ,また,その出張期間もその目的に照らして相当なものであったということができる。 c以上によれば,被告B18及び被告B19を別紙本件出張一覧表記載の日程及び宿泊日数によりシドニーに出張させたことがその必要性を欠くということはできない。 (3)本件出張時における被告出張職員らの活動について ア証拠(乙A1号証,18号証ないし31号証,37号証,被告B7本人,被告B10本人,被告B17本人,被告B19本人)及び弁論の全趣旨によれば,本件出張時における被告出張職員らの活動について,以下のとおり認められる。 (ア)被告B1(被告1)被告B1は,平成12年9月9日に出発して同月10日シドニーに到着し,同月18日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B1は,IOC総会に出席したり,IOCホテルであるリージェントホテル内のIOC総会会場の入口付近に設けられたプレゼンテーションテーブルや同ホテル内に設けられたホス に滞在して活動した。この間,被告B1は,IOC総会に出席したり,IOCホテルであるリージェントホテル内のIOC総会会場の入口付近に設けられたプレゼンテーションテーブルや同ホテル内に設けられたホスピタリティルームに待機して,同所を訪れたIOC委員やIF役員らと面談して大阪のピーアールをしたりし,また,メインプレスセンターで行われた正式立候補都市の記者会見に出席し,スピーチを行うなどした。このほか,被告B1は,大阪市と姉妹都市であって大阪市の2008年オリンピックの招致を積極的に支援していたメルボルン市の市長と面談したり,招致委員会とJOCが共同で設けたジャパン・ハウス(同月13日から同年10月2日まで設置)の前夜祭や,松下電器や電通主催のレセプションに出席したり,シドニーオリンピック開会式の視察をするなどした。 (イ)被告B2(被告2)被告B2は,平成12年9月16日に出発して同月17日シドニーに到着し,同年10月2日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B2は,同年9月25日に行われたIOCによる立候補都市のための説明会に出席したほか,IF役員らとの面談(カヌー,セーリング,サッカー,アーチェリー,射撃,ウエイトリフティング,体操,バドミントン,フェンシング,卓球,馬術,柔道,バスケット,バレーボール,自転車)や競技等の視察(セーリング,体操,アーチェリー,射撃,ウ エイトリフティング,柔道,陸上,野球,マラソン,馬術,水泳,バスケットボール,テコンドー,カヌー,新体操,サッカー,自転車,閉会式),会場の視察等を行い,また,IOCホテル内に設けられたホスピタリティルームに待機して,同所を訪れたIOC委員やIF役員らと面談して大阪のピーアールをしたり,JOCやミズノ主催のレセプション等に出席するなどした。 (ウ) ,IOCホテル内に設けられたホスピタリティルームに待機して,同所を訪れたIOC委員やIF役員らと面談して大阪のピーアールをしたり,JOCやミズノ主催のレセプション等に出席するなどした。 (ウ)被告B3(被告3)被告B3は,平成12年9月9日に出発して同月10日シドニーに到着し,同月26日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B3は,市長である被告B1や助役である被告B2がプレゼンテーションテーブルやホスピタリティルームや各競技会場,各種レセプション会場等でIOC委員やIF役員らと面談した際に,被告B1や被告B2の通訳業務を行い,また,立候補都市記者会見の原稿作成,通訳等を行った。 このほか,被告B3は,IOCによる立候補都市のための説明会に出席し,また,被告B2に随行して,IF役員らとの面談(セーリング,アーチェリー,射撃,ウエイトリフティング,体操,フェンシング)や競技の視察(セーリング,アーチェリー,射撃,ウエイトリフティング,柔道,マラソン)を行うなどした。 (エ)被告B4(被告4)被告B4は,平成12年9月12日に出発して同月13日シドニーに到着し,同月21日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B4は,事務部局の長として被告B1や被告B2を補佐し,IOC主催の記者会見に向けて,被告B1が行うスピーチ等予定していたプレゼンテーションの原稿の最終チェックや想定問答の修正,追加等を取り仕切って行うとともに,各出張者の毎日の活動報告を通じて得られた情報を分析し,被告B1や被告B2に報告するなどし,また,IF役員らとの面 談(野球,カヌー,セーリング,射撃,ウエイトリフティング,サッカー)や競技の視察(開会式,セーリング,バスケットボール,射撃,ウエイトリフティング)を行ったり,シドニー視察に訪れた文部政務 談(野球,カヌー,セーリング,射撃,ウエイトリフティング,サッカー)や競技の視察(開会式,セーリング,バスケットボール,射撃,ウエイトリフティング)を行ったり,シドニー視察に訪れた文部政務次官への応対,電通やミズノ主催のレセプションへの出席,JOCとの情報交換を行うなどした。 (オ)被告B5(被告5)被告B5は,平成12年9月19日に出発して同月20日シドニーに到着し,同月26日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B5は,事務部局の長として被告B2を補佐し,各出張者の毎日の活動報告を通じて得られた情報を分析し,被告B2に報告するなどし,また,IOCによる立候補都市のための説明会に出席したり,IF役員らとの面談(体操,バドミントン,卓球,馬術)や競技の視察(柔道,陸上,野球,マラソン,馬術)を行ったり,JOC主催のレセプションに出席するなどした。 (カ)被告B6(被告6)被告B6は,平成12年9月25日に出発して同月26日シドニーに到着し,同年10月2日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B6は,事務部局の長として被告B2を補佐し,各出張者の毎日の活動報告を通じて得られた情報を整理し,被告B2に報告するなどし,また,IF役員らとの面談(水泳,柔道,バスケットボール,バレーボール,自転車)や競技の視察(水泳,バスケットボール,テコンドー,カヌー,新体操,サッカー,自転車,馬術,閉会式)を行うなどした。 (キ)被告B7(被告7)被告B7は,平成12年9月9日に出発して同月10日シドニーに到着し,同月26日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B7は,各競技のIF役員との面談の日程調整をしたり,被告B1や被告B 2に随行して競技計画を説明したりするなどし,また,プレゼンテーションテーブルでの大 ニーに滞在して活動した。この間,被告B7は,各競技のIF役員との面談の日程調整をしたり,被告B1や被告B 2に随行して競技計画を説明したりするなどし,また,プレゼンテーションテーブルでの大阪招致ピーアールや,IOCによる立候補都市のための説明会への出席,国際パラリンピック委員会プロトコール担当者との打ち合わせやIOC主催の記者会見の準備及び随行,2006年(平成18年)冬季オリンピック立候補都市のシオン招致委員会関係者との打ち合わせ,選手村やセキュリティ,輸送などの管理部門,スポンサーホスピタリティビレッジの視察を行うなどした。このような中で,被告B7は,IF役員らとの面談(野球,セーリング,サッカー,アーチェリー,射撃,ウエイトリフティング,体操,フェンシング)や競技の視察(開会式,トライアスロン,カヌー,体操,バスケットボール,射撃,ウエイトリフティング,柔道,フェンシング)を行った。 (ク)被告B8(被告8)被告B8は,平成12年9月12日に出発して同月13日シドニーに到着し,同月21日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B8は,IF役員らとの面談(セーリング,サッカー,アーチェリー,射撃)や競技の視察(開会式,カヌー,水泳,バスケットボール,アーチェリー,射撃)を行ったほか,トライアスロンのコースの視察を行い,また,IOC主催の記者会見に随行したり,IOC本部ホテルや国際放送センター(IBC),メインプレスセンター(MPC)等競技会場以外の施設や会場への交通アクセスや環境への取り組みについて視察をするなどした。 (ケ)被告B9(被告9)被告B9は,平成12年9月25日に出発して同月26日シドニーに到着し,同年10月2日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B9は,IF役員らとの面談(水泳,柔道, (ケ)被告B9(被告9)被告B9は,平成12年9月25日に出発して同月26日シドニーに到着し,同年10月2日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B9は,IF役員らとの面談(水泳,柔道,体操,バスケットボール,バレーボール,自転車)や競技の視察(水泳,バスケットボール,テコ ンドー,カヌー,新体操,サッカー,自転車,馬術,閉会式)を行ったほか,アシックス主催のレセプションに出席したり,観客の輸送状況を視察するなどした。 (コ)被告B10(被告10)被告B10は,平成12年9月13日に出発して同月14日シドニーに到着し,同月21日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B10は,被告B1や被告B2,被告B4らとIF役員らとの面談の日程調整を行ったり,シドニーを視察した大阪市会議長への状況報告,IOC主催の記者会見への随行,シドニーを視察したUやVの出迎えや報告会への出席,外務省の職員の出迎えや外務省職員との情報交換会への出席,IOCホテル内のホスピタリティルームでの大阪のピーアールなどを行ったほか,競技の視察(開会式,柔道,水泳,バスケットボール)を行うなどした。 (サ)被告B11(被告11)被告B11は,平成12年9月19日に出発して同月20日シドニーに到着し,同月26日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B11は,オリンピックのスポンサーの権利保護の状況を確認するため,シドニー空港の状況の確認や,シドニー市内の鉄道,路面電車,モノレール等における広告等の取扱いの視察,主要会場であるオリンピックパークやダーリングハーバー内における広告の状況,各競技施設内でのクリーンベニュー(デモンストレーションや広告活動そのものの排除)の現状の確認,オリンピックパーク内に設けられたスポンサーホスピタリティビレッ ーリングハーバー内における広告の状況,各競技施設内でのクリーンベニュー(デモンストレーションや広告活動そのものの排除)の現状の確認,オリンピックパーク内に設けられたスポンサーホスピタリティビレッジの見学等を行い,また,医療・保健サービスの整備状況を確認するため,競技会場や選手村を訪れた際に施設内の医療体制を視察したり,セキュリティの確保の確認をするため,企業施設や選手村を視察した際に入場時のセキュリティチェックの方法や警備関係者の配備状 況等の確認,オリンピックパーク内の会場管制室の見学,警備運営の視察,市内の交通規制や雑踏対策の状況の確認をしたりした。このような中で,被告B11は,IF役員らとの面談(卓球)や競技の視察(柔道,バドミントン,女子マラソン,水泳)を行うなどした。 (シ)被告B12(被告12)被告B12は,平成12年9月13日に出発して同月14日シドニーに到着し,同月21日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B12は,メインプレスセンター(MPC)や国際放送センター(IBC)などメディア関連施設の視察を行ったほか,IF役員らとの面談(射撃,ウエイトリフティング)や競技の視察(開会式,柔道(2回),バドミントン,卓球,水泳,フェンシング,ビーチバレー,体操,バスケットボール,ボクシング,射撃,ウエイトリフティング)を行うなどした。 (ス)被告B13(被告13)被告B13は,平成12年9月19日に出発して同月20日シドニーに到着し,同月26日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B13は,オリンピックスタジアム周辺の視察(ソーラーシステム,観客動線,鉄道の混み具合等)やセキュリティ,運送などの管理部門やスポンサーホスピタリティビレッジの視察,選手村やメインプレスセンター(MPC)の視察,シャト タジアム周辺の視察(ソーラーシステム,観客動線,鉄道の混み具合等)やセキュリティ,運送などの管理部門やスポンサーホスピタリティビレッジの視察,選手村やメインプレスセンター(MPC)の視察,シャトルバスの運行状況や駐車場の視察等を行ったほか,IF役員らとの面談(バドミントン,卓球,馬術)や競技の視察(柔道,陸上,バドミントン,女子マラソン,水泳)を行うなどした。 (セ)被告B14(被告14)被告B14は,平成12年9月25日に出発して同月26日シドニーに到着し,同年10月2日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B14は,IF役員らとの面談(水泳,柔道,体操,バスケットボ ール,バレーボール)や競技の視察(水泳,バスケットボール,テコンドー,カヌー,シンクロナイズドスイミング,新体操,サッカー,閉会式)を行ったほか,国際放送センター(IBC)を視察したり,アシックス主催のレセプションに出席するなどした。 (ソ)被告B15(被告15)被告B15は,平成12年9月13日に出発して同月14日シドニーに到着し,同月21日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B15は,IOC委員(スウェーデン,セネガル,ウクライナ,イスラエル,オーストラリア,フィジー,モナコ,アルジェリア,ポーランド,カナダ,韓国,マレーシア,クウェート,タイ)との面談やIF役員らとの面談(陸上)を行ったほか,IOCホテル内に設けられたホスピタリティルームやジャパンハウスでピーアール活動を行ったり,電通やミズノ主催のレセプションに出席するなどした。 (タ)被告B16(被告16),被告B17(被告17)被告B16及び被告B17は,平成12年9月25日に出発して同月26日シドニーに到着し,同年10月2日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B16 告B16(被告16),被告B17(被告17)被告B16及び被告B17は,平成12年9月25日に出発して同月26日シドニーに到着し,同年10月2日までシドニーに滞在して活動した。この間,被告B16及び被告B17は,オーストラリアスタジアム2000工事事務所長との面談,ダーリングハーバー(歩行者動線,水上イベント等)やオリンピックパーク(セキュリティ,動線規制,食事物販施設等),国際放送センター(IBC)等の視察,市内交通機関や市内動線規制等の視察,市内各所(イベント会場,大型映像装置,観客誘導,ボランティア配置,案内標識,夜間照明等)や海上交通,デコレーション等の調査を行ったほか,IF役員らとの面談(テニス)や競技の視察(テニス,バスケットボール,シンクロナイズドスイミング,新体操,サッカー,男子マラソン,閉会式),会場の視察(トライアスロン,馬術,射撃)を行うなどした。 (チ)被告B18(被告18),被告B19(被告19)被告B18及び被告B19は,平成12年9月20日に出発して同月21日シドニーに到着し,同月27日までシドニーに滞在して活動した。 この間,被告B18及び被告B19は,その翌年にIF役員らに本件卓球大会及び本件東アジア競技大会を開催する大阪をアピールし,また,競技会場の警備状況やボランティアの活動状況等を視察した。このような中で,被告B18及び被告B19は,IF役員らの表敬(卓球,テニス,テコンドー)や被告B2に随行してのIF役員らとの面談(卓球)を行い,また,競技の視察(テニス,柔道,バスケットボール,ハンドボール,バレーボール,野球,陸上,女子マラソン,バドミントン,フェンシング),会場の視察(トライアスロン)を行ったほか,JOCやアシックス主催のレセプションに出席したり,スポンサーパビリオン(コカ ール,バレーボール,野球,陸上,女子マラソン,バドミントン,フェンシング),会場の視察(トライアスロン)を行ったほか,JOCやアシックス主催のレセプションに出席したり,スポンサーパビリオン(コカコーラ,ミズノ)を視察するなどした。 イ証拠(乙A18号証ないし31号証,36号証,37号証,被告B7本人)によれば,被告出張職員ら中,被告B1,被告B2及び招致局職員らによる各IF役員らとの協議,交渉の日時場所,内容や競技会場等の視察の日時,そして,それらの立候補ファイル作成への反映の内容については,別紙「競技別IFとの接触状況」記載のとおりであると認められる。 これによれば,IFとの競技については,オリンピック開催28競技中17競技について行われ,IF側からは,当該IFの会長,事務総長を始め競技の実務責任者らが出席して,大阪市側の出席者からあらかじめ用意した計画書等を示して協議開催計画を説明し,IF側から具体的な意見,要望を得るなどしたが,その中には,カヌーのように,大阪市の示した開場計画には難しい面があり,是非シドニーのコースを視察するよう要請があったものや,サッカーのように観客席の必要数や,会場は宿泊ホテルから飛行機で1時間以内であればよいといった基本的考え方が示されたもの や,バレーボール(ビーチバレー)のように,競技会場を大阪を代表する場所にするようにとの助言がされたもの等もあり,大阪市においては,カヌーについて視察を踏まえて再度IFとの競技を行うなどしたほか,これらの協議結果を踏まえて,サッカー,カヌー及びビーチバレーについて会場設定そのものを変更し,また,会場設定について了解を得られた競技についても,IFの要望を入れて,施設の配置計画や,観客席,選手控室,照明等といった会場施設のレイアウト,設備等を変更するなどした事実 場設定そのものを変更し,また,会場設定について了解を得られた競技についても,IFの要望を入れて,施設の配置計画や,観客席,選手控室,照明等といった会場施設のレイアウト,設備等を変更するなどした事実が認められる。 以上のとおり,立候補ファイル中の競技計画については,IF役員らとの面談の結果,会場設定そのものを変更したものを含め,IF役員らとの面談の結果が立候補ファイルの作成に十分に活かされているものと認められる。また,証拠(乙A36号証,37号証)によれば,輸送関係,スポンサーの権利保護,セキュリティ等立候補ファイルの協議計画以外の項目についても,招致局職員(被告B13及び被告B11)による視察の結果が反映されているものと認められる。のみならず,大阪市が作成した立候補ファイル(乙A36号証)の記載内容を詳細に検討しても,とりわけ,競技,オリンピック村,セキュリティ,輸送,コミュニケーション及びメディアサービス等の項目は,直近の同種オリンピックを実地に見聞することなくその余の関係資料等のみに依拠して短期間のうちに限られた人員により具体的な計画を構想し記述することが困難なものであることは一見して明らかというべきであり,前記のとおり立候補ファイルが2008年オリンピック開催都市の決定に当たり重要な選考資料として位置付けられていたことにもかんがみると,招致局職員らによるシドニーオリンピック視察は立候補ファイルの作成に大いに寄与したものと認めるに十分である。 さらに,証拠(乙A31号証)及び弁論の全趣旨によれば,教育委員会事務局職員らによるシドニーオリンピック視察についても,IF関係者ら との関係を構築することができたことにより本件卓球大会及び本件東アジア競技大会の開催準備の際のIFとの交渉を円滑に進めることができ,両大会を成功裏に終わ ンピック視察についても,IF関係者ら との関係を構築することができたことにより本件卓球大会及び本件東アジア競技大会の開催準備の際のIFとの交渉を円滑に進めることができ,両大会を成功裏に終わらせることができたものと認められるから,同職員らによる視察が両大会の開催を含めたスポーツ行政の遂行に寄与したことは明らかというべきである。 ウ以上によれば,本件出張時における被告出張職員らの活動は,いずれも,大阪市のオリンピック招致行政ないし本件卓球大会及び本件東アジア大会の開催を含めたスポーツ行政の遂行のために必要かつ相当なものであったということができる。 エ原告らは,被告出張職員らによる競技視察の不必要性についてるる主張するが,ア及びイ記載の各出張職員らの本件出張中の具体的活動内容に照らしても,被告出張職員らによるシドニーオリンピックの視察等が,いずれも,立候補ファイルの作成や競技施設の整備を始めとしたオリンピック招致のための行政事務の遂行や,あるいは,本件卓球大会や本件東アジア競技大会の円滑な開催に向けた行政事務の遂行に関係のない不当な活動であったということはできない。 この点,原告らは,自己の担当競技以外の競技の視察が行われていることなどを指摘して,本件出張が人気競技の観戦等を目的とした物見遊山的な出張であったなどと主張するが,立候補ファイルの内容を充実した説得力あるものとし,オリンピック招致の実現に向けて適切かつ効果的な施策を推進していく上で,直近のオリンピックを実地に見聞し,そこに結実したハード面及びソフト面のノウハウ等を可能な限り体得することは,本件出張の目的そのものというべきであり,時間の許す限り自己の担当競技以外の競技をも広く視察することは,正に上記目的にかなうものということができるから,自己の担当競技以外の競技を視察 得することは,本件出張の目的そのものというべきであり,時間の許す限り自己の担当競技以外の競技をも広く視察することは,正に上記目的にかなうものということができるから,自己の担当競技以外の競技を視察したことをもって直ちに不当な視察であったということはできず,前記認定の各出張職員らの本件 出張中の具体的活動内容等に照らしても,自己の担当競技以外の競技を視察した出張職員の活動が職務の遂行と無関係なものであったとは認められない。また,原告らは,被告出張職員中,複数の職員が同一の競技の視察をしている点を指摘するが,以上説示したところからすれば,複数の職員が同一の競技を視察してその結果を共有することも,視察目的を達成する上で有益であるということができるのであるから,この点から本件出張が職務と無関係な必要を欠くものであったということもできない。さらに,原告らは,本件出張に関しては事前の計画を示す書類も事後の報告書等も存在しない旨主張するが,被告出張職員をシドニーに出張させる必要性(本件出張の必要性)について具体的に記述した「職員の海外出張及び旅費の調整並びに同経費の支出について」,「職員の海外出張並びに同経費の支出について」及び「シドニー2000オリンピック競技大会への職員の派遣並びに同所要経費の支出について」という標題の各決裁文書が作成されていることは,前提となる事実等(3)アのとおりであり,また,本件出張の成果が立候補ファイルの作成や本件卓球大会,本件東アジア競技大会の開催に結実,寄与していることは前記認定のとおりである。 (4)以上によれば,被告出張職員らによる本件出張がその必要性を欠き違法であるということはできない。 争点(2)(本件出張に係る旅費中宿泊料の相当性及び被告らによる宿泊料に関する談合の有無)について(1)被告 ,被告出張職員らによる本件出張がその必要性を欠き違法であるということはできない。 争点(2)(本件出張に係る旅費中宿泊料の相当性及び被告らによる宿泊料に関する談合の有無)について(1)被告出張職員らに係る本件出張の日程,宿泊日数,資金前渡された宿泊料,宿泊先に係る契約の相手方及び宿泊先が別紙本件出張一覧表記載のとおりであることは,前提となる事実等(3)ア記載のとおりであり,本件出張に係る宿泊料については,旅費条例1条2項等の規定に基づき,旅費法46条2項の規定に準じて旅費の調整を行う必要があると判断されて上記宿泊料が資金前渡されたものであり,旅費規程による宿泊料と資金前渡された宿泊料の内容 及び両者の差額が別紙宿泊費対比表記載のとおりであることは,前提となる事実等(3)エ記載のとおりである。 (2)原告らは,本件出張に係る旅費中宿泊料が不当に高額である旨主張する。 ア証拠(甲6号証,乙A11号証の5)によれば,シドニーオリンピック開催期間中のシドニーにおけるホテルの宿泊料に関し,次のような内容の新聞報道がされていたことが認められる。 (ア)シドニーオリンピック組織委員会がシドニー市内のホテル,モーテルの約80パーセントをオリンピック用(IOCや各国のオリンピック委員会,スポンサー,メディア等用)に予約しているため,シドニー市内のホテルの空室はなく,同時期の相場の3倍でも確保は難しい(オリンピック開催の約2年前の状況。平成10年9月13日付け朝日新聞)。 (イ)オリンピック開催中はホテルの宿泊料金は通常時の6倍以上となる(シドニー在住のジャーナリストのコメント。平成12年6月24日付け日刊ゲンダイ)。 (ウ)オリンピック期間中の宿泊料金は普段の数倍に跳ね上がっている(平成12年9月3日付け朝日新聞)。 (エ)シドニ ニー在住のジャーナリストのコメント。平成12年6月24日付け日刊ゲンダイ)。 (ウ)オリンピック期間中の宿泊料金は普段の数倍に跳ね上がっている(平成12年9月3日付け朝日新聞)。 (エ)シドニー周辺のホテルも満杯にはなっていない。空き部屋を抱えた旅行業者の中には宿泊料を50パーセント近く値下げしたところもあるが,予約の伸びは鈍い(平成13年9月13日付け北海道新聞)。 以上の各新聞報道に加え,証拠(乙A34号証,被告B21本人)及び弁論の全趣旨並びに後記イ(イ)において認定する事実によれば,シドニーオリンピック開催期間中のシドニー市内のホテルについては,シドニーオリンピック組織委員会がオリンピック開催の少なくとも2年以上前からその約80パーセントをオリンピック用に押さえており,その残りを各国の旅行業者等が取り合う状況にあったこと,そのため,シドニー市内のホテルの確保は困難であり,シドニーオリンピック開催期間中のホテルの宿泊 料金は同時期の相場の数倍に跳ね上がっていたこと,特に,大阪市においては,被告出張職員らがIOC委員やIF役員らとの面談を的確に行えるようIOCホテルないしその近辺のホテルを希望していたところ,そのようなホテルの確保は極めて困難であったことが認められる。 なお,上記(エ)の新聞記事は,ホテルに空き部屋が存したことや宿泊料の値下げを報じるものであるが,同記事がシドニーオリンピック開催直前の平成12年9月13日付けの記事であり,また,シドニー周辺のホテルとの報道内容であって,同報道から直ちにIOCホテルやその近辺のホテルについてシドニーオリンピック開催期間中に空室が存したとか,宿泊料が値下げされたものと認めることはできない。 また,証拠(甲3号証)によれば,平成13年に毎日放送により放映されたテレビの報道番組に ルについてシドニーオリンピック開催期間中に空室が存したとか,宿泊料が値下げされたものと認めることはできない。 また,証拠(甲3号証)によれば,平成13年に毎日放送により放映されたテレビの報道番組において,本件出張に係る宿泊料の問題が取り上げられ,被告出張職員らの大半が宿泊したラディソンプラザホテルのセールスマネージャーであるNが,毎日放送の取材に対し,「ほとんどのホテルの宿泊料金は,当時高騰しましたね。」,「少なくとも1.5倍くらいには。」,「オリンピック期間中,このホテルの料金は2万4000円から3万3000円でした。」,「スイートルームで3万3000円でしたよ。」と答えていること,また,国内旅行業者の話として,「10万円なんて,スイートルームでもない限り,そういう額にはならないと思います。 ましてスタンダードの部屋でしたら。」,「シドニーの中心部はIOCに押さえられていましたから。」,「直前になって売れなくなったので,部屋が出てきたとか。」,「そんなべらぼうな値段はあり得ないと思いますね。」とのコメントがされていることがそれぞれ認められる。 しかしながら,被告ジェイティービーの主張によれば,Nはシドニーオリンピック終了後の2001年(平成13年)2月からラディソンプラザホテルに勤務した者であり,同人が答えた部屋の料金も取材を直接受けて いないジェネラルマネージャー(S)に指示されたとおりに語っただけであるというのであり,Nの上記発言に係る価格がどのような性格の価格なのか,シドニーオリンピック期間中の同ホテルの室料として同ホテルが当初から販売していた価格なのか等が一切明らかではないから,それ以上の裏付け資料を欠く本件においては,Nの上記発言を直ちに採用して,シドニーオリンピック期間中の同ホテルを旅行業者を通じて事前に予約して確 から販売していた価格なのか等が一切明らかではないから,それ以上の裏付け資料を欠く本件においては,Nの上記発言を直ちに採用して,シドニーオリンピック期間中の同ホテルを旅行業者を通じて事前に予約して確保する場合にNの発言に係る宿泊料金で客室を確保することができたものと認めることはできない。 また,同報道番組中の旅行業者のコメントも,具体的な裏付けを欠く上,同コメント自体,シドニーオリンピック直前になって空室が出た場合を想定したもののようにも取れるから,同コメントを直ちに採用して,それ以前の段階で旅行業者を通じて事前に予約し確保する場合の価格が上記新聞報道にあるように数倍に高騰していたという状況になかったと認めることはできない。 イまた,証拠(乙B1号証,乙C1号証,2号証)によれば,シドニーオリンピック開催期間中の旅行業者のオリンピック観戦ツアーにおけるシドニー市内のホテルの宿泊料金について,以下の各事実が認められる。 (ア)被告東急観光主催のツアー被告東急観光が主催したシドニーオリンピック観戦ツアーにおいては,被告出張職員らの大半が宿泊したラディソンプラザホテルはAクラスのホテルとして位置付けられているところ,Aクラスのホテルの1人部屋追加料金は,1泊当たり5万2000円となっている(2泊のコースで10万4000円,3泊のコースで15万6000円,4泊のコースで20万8000円)。そうすると,これら観戦ツアーにおけるこの1人部屋追加料金から算出されるラディソンプラザホテルを含むAクラスのホテルの室料(ツインルーム)は,上記1人部屋追加料金の2倍の1泊 当たり10万4000円となる。 (イ)被告ジェイティービー主催のツアー被告ジェイティービーが主催したシドニーオリンピック観戦ツアーにおいては,被告出張職員らの大半が宿泊した の2倍の1泊 当たり10万4000円となる。 (イ)被告ジェイティービー主催のツアー被告ジェイティービーが主催したシドニーオリンピック観戦ツアーにおいては,被告出張職員らの大半が宿泊したラディソンプラザホテルはLグレードのホテルとして位置付けられているところ,Lグレードのホテルの1人部屋追加料金は,以下のとおりである。 a9月17日出発のシドニー6日間(体操)では,Lグレードのホテルの1人部屋追加料金は19万円であり,1泊当たりの1人部屋追加料金は4万7500円である。 b9月21日出発のシドニー6日間(陸上と女子マラソン)では,Lグレードのホテルの1人部屋追加料金は23万円であり,1泊当たりの1人部屋追加料金は5万7500円である。 c9月28日出発のシドニー6日間(サッカーと閉会式)では,Lグレードのホテルの1人部屋追加料金は21万円であり,1泊当たりの1人部屋追加料金は5万2500円である。 そうすると,これら観戦ツアーにおける1人部屋追加料金から算出されるラディソンプラザホテルを含むLグレードのホテルの室料(ツインルーム)は,上記1人部屋追加料金の2倍の1泊当たり9万5000円ないし11万5000円となる。 なお,シドニーオリンピックの2年後である平成14年の被告ジェイティービー主催のオーストラリアツアーでは,Lグレードのホテルの1人部屋追加料金は,1泊当たり8000円とされており,これから算出されるLグレードのホテルの室料(ツインルーム)は,上記1人部屋追加料金の2倍の1泊当たり1万6000円となる。 これら被告東急観光や被告ジェイティービーが主催したシドニーオリンピック開催期間中のオリンピック観戦ツアーの1人部屋追加料金から算出 されるラディソンプラザホテルないしそれと同等のホテルの1泊当たりの室料と 光や被告ジェイティービーが主催したシドニーオリンピック開催期間中のオリンピック観戦ツアーの1人部屋追加料金から算出 されるラディソンプラザホテルないしそれと同等のホテルの1泊当たりの室料と比較しても,ラディソンプラザホテルに宿泊した被告出張職員らに係る宿泊料(資金前渡に係るもの。ツインルーム1室1泊当たり11万6000円)が直ちに不当に高額であるということはできない。 また,以上によれば,キャピタルホテルに宿泊した被告出張職員らに係る宿泊料(資金前渡に係るもの。ツインルーム1室1泊当たり5万8000円)が直ちに不当に高額であるということもできない。 ウところで,前記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,前記イ(ア)及び(イ)のような被告東急観光や被告ジェイティービーが主催したシドニーオリンピック開催期間中のオリンピック観戦ツアーにおけるホテルの宿泊料金が著しく高騰したのは,シドニーオリンピック開催期間中のシドニー市内のホテルの約80パーセントがシドニーオリンピック組織委員会によりあらかじめオリンピック用に押さえられ,その残りを各国の旅行業者等が取り合う状況にあったことなどから,シドニーオリンピック開催期間中のホテルの宿泊料金が全般的に高騰していたことに加えて,これらホテルの客室を購入する旅行業者側がいわゆる空室リスクを負担することを余儀なくされたため,これらの旅行業者が営業政策上当該空室リスクを宿泊代金に転嫁する形でその分散を図ったことによるものと認められる。そして,本件出張については,大阪市から,シドニーオリンピック開催の直前になって発注がされた上,出張目的等との関係から宿泊対象ホテルが限定され,しかも,被告出張職員各自につきその出張目的,担当職務等に対応する形で出張日数が個々に設定されるなどしたことが,被告東急観光を始め被告 発注がされた上,出張目的等との関係から宿泊対象ホテルが限定され,しかも,被告出張職員各自につきその出張目的,担当職務等に対応する形で出張日数が個々に設定されるなどしたことが,被告東急観光を始め被告業者ら側の空室リスクを増大させ,本件出張に係る宿泊料の価格設定に影響を与えたものと認められる(もっとも,前記イのとおり,本件出張に係る宿泊料(資金前渡に係るもの。1泊当たり11万6000円)と被告東急観光や被告ジェイティービーが主催したシドニーオリンピック開催期間 中のオリンピック観戦ツアーの1人部屋追加料金から算出されるラディソンプラザホテルないしそれと同等のホテルの1泊当たりの室料(9万5000円ないし11万5000円)との差がわずかであるところからすれば,本件出張特有の事情による空室リスクの増大の宿泊料金への転嫁はごくわずかにとどまっているものと推認される。)。 エ以上認定したところによれば,シドニーオリンピック開催期間中のシドニー市内のホテルの確保が困難であり,宿泊料金が全般的に高騰していたことなどから,国内の旅行業者が主催するシドニーオリンピック開催期間中のオリンピック観戦ツアーにおけるホテルの宿泊料金が著しく高騰していた上,本件出張については,大阪市から,シドニーオリンピック開催の直前になって発注がされた上,出張目的等との関係から宿泊対象ホテルが限定され,しかも,被告出張職員各自につきその出張目的,担当職務等に対応する形で出張日数が個々に設定されるなどの事情が存在したため,本件出張に係る宿泊料(資金前渡に係るもの。ラディソンプラザホテルツインルームに係る宿泊料)が1泊11万6000円に設定されたが,当該価格自体は,これらの旅行業者が主催する一般のオリンピック観戦ツアーにおいて設定されていたと推測される宿泊料金と大差ない ザホテルツインルームに係る宿泊料)が1泊11万6000円に設定されたが,当該価格自体は,これらの旅行業者が主催する一般のオリンピック観戦ツアーにおいて設定されていたと推測される宿泊料金と大差ないものであったというのであるから,本件出張に係るラディソンプラザホテルの上記宿泊料(資金前渡に係るもの。ツインルーム1室1泊当たり11万6000円)がそれ自体不当に高額であったということはできない。また,以上認定した事実に加えて証拠(乙C3号証)及び弁論の全趣旨によれば,キャピタルホテルに宿泊した被告出張職員らに係る宿泊料(資金前渡に係るもの。 ツインルーム1室1泊当たり5万8000円)が不当に高額であるということもできない。さらに,ヒルトンシドニーホテルに宿泊した被告出張職員らに係る宿泊料金(資金前渡に係るもの。1泊当たり5万8000円)についても,以上認定説示したところからすれば,不当に高額であるとい うことはできない。なお,被告B1及び被告B2が宿泊したリージェントホテル(IOCから提供されたもの)に係る宿泊料(1泊当たり3万3000円)及び被告B7が宿泊したメンディスホテル(IOCから提供されたもの)に係る宿泊料(1泊当たり2万7500円)は,いずれも原告らが相当な価格として主張する1泊当たり3万3000円の範囲内である。 オもっとも,前記認定事実に加えて乙A34号証及び弁論の全趣旨によれば,ラディソンプラザホテルは,シドニー市内中心部に所在し,旅行業者のツアーにおいてAクラスないしLグレードにランクされているホテルである事実が認められる。 しかしながら,上記証拠関係によれば,大阪市においては,平成12年8月28日のIOC理事会において2008年オリンピックの正式立候補都市として承認されたのを受けて,本件出張に係る出張者の確定及 る。 しかしながら,上記証拠関係によれば,大阪市においては,平成12年8月28日のIOC理事会において2008年オリンピックの正式立候補都市として承認されたのを受けて,本件出張に係る出張者の確定及び旅行代理店への依頼を行ったこと,本件出張の目的は,開催都市の決定に関与するIOC委員その他の国際スポーツ関係者に対し正式立候補都市としての大阪市のオリンピック開催能力を直接訴えかけ,知名度の低さを克服するとともに,開催都市の決定に当たり重要な選考資料となる立候補ファイルの策定のために,競技に関する最新の情報を入手し,各競技についてIFの承認を得られるよう協議を行い,セキュリティ,輸送,メディアサービスといった大会全体の運営に関する事項について具体的なイメージを把握し,必要な情報を収集し,また,IOC委員やIF関係者等から国際的に高い評価を受けるような整備計画を策定するために,施設整備面での課題を把握し,現地でしか得られない各種情報を収集し,さらに,翌年に控えた本件卓球大会及び本件東アジア競技大会の開催に向けて必要な情報を収集し,IFの関係者らと交流することにあったこと,本件出張に係る出張者及び出張日程は,上記出張目的との関係で各自の役職及び担当職務に照らして具体的に決定されたこと,シドニーオリンピックにおいてはシド ニー市内に所在するリージェントホテル及びメンディスホテルがIOCの公式ホテル(IOCホテル)とされていた上,リージェントホテルには正式立候補都市のために同年9月11日から同月13日までの間プレゼンテーションテーブルの設置が認められ,また,同月14日から同年10月1日までの間,ホスピタリティルームとして1室が提供されたこと,大阪市は,上記出張目的との関係から,被告出張職員らがIOC委員やIF役員らとの面談を的確に行うこ られ,また,同月14日から同年10月1日までの間,ホスピタリティルームとして1室が提供されたこと,大阪市は,上記出張目的との関係から,被告出張職員らがIOC委員やIF役員らとの面談を的確に行うことができるよう,シドニー市内のIOCホテルないしその近辺のホテルを希望していたこと,以上の事実が認められる。 以上の事実に加えて,前記認定のとおり,そもそも,シドニーオリンピック開催期間中のシドニー市内のホテルの確保は開催の相当前から困難な状況にあったこと,その中で,大阪市は,本件出張の目的を達成するため,IOCホテルないしその近辺のホテルの客室を必要な数及び日数分確実に確保する必要が存したこと,被告ジェイティービー主催のオリンピック開催期間以外の通常のオーストラリアツアーにおいてラディソンプラザホテルを含むLグレードのホテルツインルームの宿泊代金は1人1泊当たり1万6000円程度に設定されていること,被告出張職員の地位,役職等にかんがみると,大阪市において被告職員らの宿泊先として被告東急観光,被告近畿日本ツーリスト及び被告ジェイティービーに依頼してラディソンプラザホテル及びキャピタルホテルを確保し,前記の宿泊料金(資金前渡に係るもの。ラディソンプラザホテルにつきツインルーム1室1泊当たり11万6000円,キャピタルホテルにつきツインルーム1室1泊当たり5万8000円)で宿泊させたことが,その必要性を欠き不相当であるということはできない(なお,別紙本件出張一覧表及び弁論の全趣旨によれば,被告出張職員らの中には,ツインルームを1人で利用した者が含まれており,また,キャピタルホテルについてもツインルームを1人で利用している事実が認められるが,それらの職員の地位,役職,弁論の全趣旨か らうかがわれる宿泊の経緯(前記第2の4(2)(被告ジェイ ており,また,キャピタルホテルについてもツインルームを1人で利用している事実が認められるが,それらの職員の地位,役職,弁論の全趣旨か らうかがわれる宿泊の経緯(前記第2の4(2)(被告ジェイティービーの主張)イ(ア)a参照)に照らすと,これらの職員をツインルームに1人で宿泊させたことが社会通念に照らして相当性を欠くということはできない。)。 この点,原告らは,大阪市は,早期からオリンピック招致に向けて積極的な活動を行っており,平成12年1月25日には立候補届をIOCに提出しているのであるから,本件出張の前に十分な準備期間があったのであり,現地においてどれだけの活動を行うべきか,事前に詳細に検討した上,オリンピック視察に必要な最低限の人数,期間等を把握することが容易にできたはずであって,このような最低限の人数,期間分の宿泊確保を事前に行うことにより,1室2,3万円のホテルを相当数確保することができていたはずであるから,不確定要素があり,キャンセル料支払のリスクを有していたとしても,より安価な宿泊料で済む可能性が十分にあったなどといった主張をする。 しかしながら,前記のとおり,本件出張の目的からすれば,大阪市においては,被告出張職員らがIOC委員やIF役員らとの面談を的確に行うことができるようIOCホテルないしその近辺のホテルを確保する具体的必要性が存在したということができる上,前記事実関係からすれば,IOCにより正式立候補都市として承認されるに先立ってこれらのホテルを確保するとした場合においても,その宿泊料金が本件出張に係る宿泊料に比して相当程度安価なものになったとはにわかに認め難いのみならず,仮に正式立候補都市として承認されなった場合においても,キャンセル料等として同程度の出捐を余儀なくされたものと容易に推認される。このこと して相当程度安価なものになったとはにわかに認め難いのみならず,仮に正式立候補都市として承認されなった場合においても,キャンセル料等として同程度の出捐を余儀なくされたものと容易に推認される。このことに加えて,前記認定のとおり,平成10年11月に2002年(平成14年)オリンピック冬季大会(ソルトレークシティ)招致をめぐるIOC委員の不正疑惑が浮上したことを契機に,平成11年12月のIOC総会に おいて正式立候補都市承認手続の導入,IOC委員及び候補都市の相互訪問の禁止等を内容とする新しいルールが決定されるなど,そのころから平成12年8月28日のIOC理事会における正式立候補都市の承認に至るまでの間,IOCにより立候補手続や海外における招致活動の制限を含む招致活動に関するルールの見直しが相次いで行われた結果,大阪市においては,シドニーオリンピックにおける招致活動等の具体的内容をあらかじめ詳細に計画した上,派遣が必要な職員の範囲及び期間等を事前に確定することが困難な状況にあったものと認められることをも併せ考えると,大阪市においてシドニーオリンピックの開会の直前に行われたIOC理事会において同市が正式立候補都市として承認されるのを待って本件出張に係る出張者の確定及び旅行代理店への依頼を行ったことが,地方財政法4条の趣旨等に照らして,裁量権の範囲を超え,違法であるということはできない。 また,原告らは,被告職員らは,大阪市がIOCから提供を受けた6室のうち,4室を招致委員会に提供しているところ,IOCから提供を受けた部屋の宿泊料金は11万6000円よりも大幅に安い3万円ないし4万円程度であったのであり,このような部屋に泊まることができる契約上の地位を,何らの決裁手続なく,別人格である招致委員会に振り替えてしまったこと自体,明白な違法 00円よりも大幅に安い3万円ないし4万円程度であったのであり,このような部屋に泊まることができる契約上の地位を,何らの決裁手続なく,別人格である招致委員会に振り替えてしまったこと自体,明白な違法性を有する旨主張する。 確かに,平成12年8月11日,IOCから正式立候補都市として承認されることを条件に立候補都市に対しシドニーオリンピックに6名を招待しIOCホテル内に6名分の客室(リージェントホテルに2室,メンディスホテルに4室)を確保する旨の通知が届いたことから,大阪市においては,大阪市(招致局)と招致委員会との間で,リージェントホテルの2室を被告B1大阪市長(同被告の帰国後は被告B2大阪市助役)とO招致委員会事務総長に割り当て,メンディスホテルの4室を被告B7大阪市招致 局招致推進部計画課長,P招致委員会国際総括顧問,Q招致委員会参与及びR招致委員会事務局長に割り当てる(すなわち,大阪市に2室,招致委員会に4室を割り当てる)ことにしたことは,後記(3)イにおいて認定するとおりである。 しかしながら,前記認定のとおり,招致委員会は,オリンピックの招致活動を推進するため,主として大阪市内の市民団体,経済団体,スポーツ団体,労働団体などの代表が一体となって設立された招致推進会議を前身とし,2008年オリンピックの我が国への招致やオリンピックムーブメントの普及及び啓発を行うこと等を目的として,大阪市とJOCの出捐によって設立された財団法人で,2008年オリンピックの大阪招致を実現するため,主として招致に向けたピーアール活動を展開する役割を担っていたものであって,大阪市と連携して大阪市のオリンピック招致行政の推進をいわば分担,補完する存在であったということができるのであり,シドニーオリンピックが大阪市が正式立候補都市に承認された後海外 ていたものであって,大阪市と連携して大阪市のオリンピック招致行政の推進をいわば分担,補完する存在であったということができるのであり,シドニーオリンピックが大阪市が正式立候補都市に承認された後海外における招致活動が認められる最初の場であり,しかも,IOC委員やIF役員らが多数参集することから,招致に向けたピーアール活動を展開する絶好の場であることにかんがみると,大阪市においてIOCから割り当てられたIOCホテルの客室の過半数を上記認定の内容で招致委員会に提供したことが,地方財政法4条の趣旨等に照らして,裁量権の範囲を超え,違法であるということはできない。 なお,仮に前記ア(エ)の新聞報道やNの発言ないし旅行業者のコメントからうかがわれるような状況が存在し,また,被告職員らが主張等するように,大阪府においては現地の大阪府シドニー事務所が旅行代理店を通さずに直接ホテルと交渉を行い,スターシティホテル(シドニー市内中心部からは離れた場所に所在)を宿泊料金1泊2万円ないし3万円程度で確保することができたなどといった事実が存し,旅行業者を通さずに個別に宿 泊契約を締結するなどすれば安価な宿泊料金でホテルの客室を確保することが不可能ではなかったとしても,前記のとおり,大阪市においては,本件出張の目的を達成するため,複数の職員を組織的に派遣することを前提に,IOCホテルないしその近辺のホテルの客室を必要な数及び日数分確実に確保する必要が存したというべきであるから,その手段として被告業者らのようないわゆる大手旅行代理店を通じてホテルの確保を図ったことが相当性を欠くということもできない。 (3)原告らは,被告業者らが平成12年8月中旬ころから同年9月10日ころまでの間に,被告出張職員らに対するホテル宿泊料を11万6000円という金額で統一す が相当性を欠くということもできない。 (3)原告らは,被告業者らが平成12年8月中旬ころから同年9月10日ころまでの間に,被告出張職員らに対するホテル宿泊料を11万6000円という金額で統一するべく不正に談合し,また,被告業者ら間のみならず,大阪市の職員も加わって,11万6000円を宿泊料とすることを談合していたなど主張する。 ア確かに,証拠(甲4号証の1,2,乙C4号証,乙D1号証,2号証)及び弁論の全趣旨によれば,被告業者らによる本件出張職員に係る宿泊料の見積りとして大阪市に提案した金額は,被告東急観光につき1泊11万6000円(ラディソンプラザホテル。平成12年8月25日付け「お見積書」),被告ジェイティービーにつき1人当たり単価34万9800円(5万8300円×6泊。クレストホテル。平成12年8月15日付け「ご旅行代金見積明細書」)及び単価11万6000円(平成12年9月10日付け「ご旅行代金見積明細書」),被告近畿日本ツーリストにつきラディソンプラザホテル単価13万円(平成12年9月8日付け招致局あて「シドニーのホテルの件(再最終案)」及び同月11日付け建設局スポーツ施設課あて「シドニーのホテルの件(再最終案)」)であって,その金額が合致又は近似している事実が認められる(なお,原告らは,被告近畿日本ツーリストの見積額も11万6000円であった旨主張し,甲2号証(平成13年8月31日付け住民監査請求に係る監査の結果について (通知))には同被告の見積金額も11万6000円であった趣旨の記載部分が存在し,証人B21の証言中にもその趣旨の供述部分が存在するが,乙D1号証,2号証及び弁論の全趣旨により,同被告の見積金額については上記のとおり認められる。)。 しかしながら,前記(1)において認定説示したとおり,被告業者ら にもその趣旨の供述部分が存在するが,乙D1号証,2号証及び弁論の全趣旨により,同被告の見積金額については上記のとおり認められる。)。 しかしながら,前記(1)において認定説示したとおり,被告業者らが大阪市に対して提案した見積金額(1泊11万6000円ないし13万円)は,被告業者らのような旅行代理店に依頼して確保する場合のラディソンプラザホテルツインルームの1泊当たりの宿泊料金としては,これらの旅行業者が主催する一般のオリンピック観戦ツアーにおいて設定されていたと推測される宿泊料金と大差ないものであって(しかも,前記のとおり,本件出張特有の事情による被告業者らの空室リスクの増大の宿泊料金への転嫁はごくわずかにとどまっているものと推認される。),それ自体不当に高額であるということはできないものであるから,そもそも,被告業者らないし被告出張職員らが宿泊料の見積価格につきあえて談合を行う契機が見当たらないというべきである。 イのみならず,証拠(甲4号証の1,2,乙A24号証,31号証,32号証,34号証,乙D1号証,2号証,被告B21本人,被告B20本人)及び弁論の全趣旨によれば,平成12年8月11日,IOCから正式立候補都市として承認されることを条件に立候補都市に対しシドニーオリンピックに6名を招待しIOCホテル内に6名分の客室(リージェントホテルに2室,メンディスホテルに4室)を確保する旨の通知が届いたことから,大阪市においては,大阪市(招致局)と招致委員会との間で,リージェントホテルの2室を被告B1大阪市長(同被告の帰国後は被告B2大阪市助役)とO招致委員会事務総長に割り当て,メンディスホテルの4室を被告B7大阪市招致局招致推進部計画課長,P招致委員会国際総括顧問,Q招致委員会参与及びR招致委員会事務局長に割り当てる(すなわち,大 助役)とO招致委員会事務総長に割り当て,メンディスホテルの4室を被告B7大阪市招致局招致推進部計画課長,P招致委員会国際総括顧問,Q招致委員会参与及びR招致委員会事務局長に割り当てる(すなわち,大 阪市に2室,招致委員会に4室を割り当てる)ことにしたこと,招致局では,IOC理事会における正式立候補都市の承認に先立って,被告業者らに対してシドニー市内中心部におけるホテルの確保について情報収集を依頼していたところ,平成12年8月15日,被告東急観光からラディソンプラザホテルの確保が可能である旨の連絡があったことから,同月28日,正式立候補都市の承認の通知を受けて,最初に大阪市の求める部屋数を確保することができた被告東急観光を主たる旅行代理店とすることが得策であると判断し,招致局から被告東急観光に対してホテルの確保を依頼するとともに,突然のキャンセル等の不測の事態に備える等のため,複数の旅行代理店に手配を依頼することとして,シドニーオリンピックの期間を前期,中期及び後期の3期に分け,職員を3班体制で分けて出張させることとしたことから,被告東急観光を主たる旅行代理店としつつ,前期については被告東急観光,中期については被告ジェイティービー,後期については被告近畿日本ツーリストにそれぞれホテルの客室の確保と航空券の手配を依頼したこと,その結果,被告ジェイティービーは,キャピタルホテルのツインルーム2室(資金前渡に係る宿泊料1泊5万8000円)を確保提供するともに,自らラディソンプラザホテルの客室を確保することができなかったことから,被告東急観光から同被告が確保していたラディソンプラザホテルの客室を1室11万6000円で買い入れた上これを同額で大阪市に提供し,また,被告ジェイティービーは,教育委員会事務局からも,同事務局に係る被告出張職 から同被告が確保していたラディソンプラザホテルの客室を1室11万6000円で買い入れた上これを同額で大阪市に提供し,また,被告ジェイティービーは,教育委員会事務局からも,同事務局に係る被告出張職員らのホテルの客室の確保を依頼されていたが,これを手配することができなかったことから,同事務局においてJOCに相談したところ,出張目的が本件東アジア競技大会に関連するものであったことなどから,JOCがあっせんするヒルトンシドニーホテルを利用することができることとなり,同ホテルの手配を被告ジェイティービーが行っていた関係上,同被告を通じてJOCに宿泊料(1泊1名につき 5万8000円)を支払ったこと,被告近畿日本ツーリストは,招致局及び建設局に係る被告出張職員らのホテルの客室として,ラディソンプラザホテルの客室を確保して提供したこと,以上の事実が認められる。 以上認定した事実経過に照らしても,被告出張職員らに対する宿泊料が被告業者ら及び大阪市職員らによる談合の結果であると認めるのは到底困難というべきである。 この点,原告らは,被告東急観光及び被告ジェイティービーが招致委員会に対しホテルや宿泊時期別に詳細な内容の見積書を提出しており,しかも,その見積金額は本件出張について大阪市に提出した見積金額よりも相当安価なものとなっている旨指摘するところ,確かに,証拠(甲5号証の1,2)及び弁論の全趣旨によれば,上記被告らは,招致委員会に対し,次の内容の見積書を提出している事実が認められる。 (ア)被告東急観光(平成12年8月29日付け「ご旅行代金見積明細書」)アビリオンホテル9月9日ないし9月12日単価3万0250円9月12日ないし9月14日単価4万5650円9月14日ないし10月2日単価6万4350円ロイヤルガーデンインターナショナル 」)アビリオンホテル9月9日ないし9月12日単価3万0250円9月12日ないし9月14日単価4万5650円9月14日ないし10月2日単価6万4350円ロイヤルガーデンインターナショナルホテル9月14日ないし9月18日単価6万4350円(イ)被告ジェイティービー(平成12年8月30日付け「ご旅行代金見積明細書」)オールシーズンズプレミアメンジスホテル9月6日ないし9月14日単価3万2100円9月14日ないし10月2日単価4万6500円グレイスホテル 9月7日ないし9月14日単価3万4870円9月14日ないし10月3日単価5万2360円パークロイヤルダーリンハーバーホテル9月10日ないし9月14日単価2万5350円9月14日ないし9月19日単価7万5900円しかしながら,これらの見積りに係るホテル及び宿泊時期と本件出張に係る被告業者らの見積りにおいて前提とされたホテル及び宿泊時期との相違に加えて,前記認定事実及び弁論の全趣旨によれば,招致委員会は,2008年オリンピックの我が国への招致やオリンピックムーブメントの普及及び啓発を行うこと等を目的として,大阪市とJOCの出捐によって設立された財団法人であって,民間団体としての立場から,シドニーオリンピック開催の相当以前からシドニーオリンピック視察を決定し,その準備を行い,宿泊に必要なホテルの客室についても,オリンピック開催の全期間を通じて予約し,キャンセル料も全額負担するといった態様で予約を申し込んでいたことから,旅行代理店としても,キャンセルのリスク等がなく,相当程度安価にホテルを確保,供給することが可能であった事情がうかがわれるのであって,このことにもかんがみると,原告らの上記指摘に係る事実から直ちに原告らの主張するような談合の存在を推認する なく,相当程度安価にホテルを確保,供給することが可能であった事情がうかがわれるのであって,このことにもかんがみると,原告らの上記指摘に係る事実から直ちに原告らの主張するような談合の存在を推認することはできない。 また,原告らは,被告東急観光が招致局に対して提出した見積書と招致委員会に対して提出した見積書の書式の相違等をも指摘するが,以上認定説示したところからすれば,上記指摘に係る事実から直ちに原告らの主張するような談合の存在を推認することもできない。 ウ以上のとおりであるから,被告業者ら及び大阪市職員らが被告出張職員らの宿泊料について不正に談合した旨の原告らの主張を採用することはできない。 (4)原告らは,シドニーオリンピック期間中のホテル宿泊料としては1泊3万3000円程度が相当な価格であるから,それを超える部分は被告業者らの暴利行為である旨主張するが,以上説示したところによれば,暴利行為に関する原告らの主張を採用することができないことは明らかである。 争点(3)(本件出張に係る事業経費の相当性)について(1)前提となる事実等(3)オ,(4),(6)及び証拠(乙A15号証の5の2,6の2,7の2ないし4,8の2,9の2,3,11の2ないし4,12の3,13の3,16号証,32号証,34号証,乙B3号証,4号証,被告B21本人,同B20本人)並びに弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 ア本件出張に係る事業経費は,別紙事業経費一覧表のとおり,シドニーオリンピック競技大会関係視察等経費(ガイド及び運転手付き車両借上費用及び携帯電話借上費用。同一覧表№1),シドニーオリンピックにおける入場券の手配等費用(同一覧表№3及び№5),シドニーオリンピックにおける通訳旅費(同一覧表№4),シドニーオリンピックにおける 用及び携帯電話借上費用。同一覧表№1),シドニーオリンピックにおける入場券の手配等費用(同一覧表№3及び№5),シドニーオリンピックにおける通訳旅費(同一覧表№4),シドニーオリンピックにおける通訳費(同一覧表№6),大阪オリンピック子ども親善大使派遣費(同一覧表№2及び№7),シドニーオリンピックにおける会議室使用費(同一覧表№8)である。 (ア)車両借上費用大阪市は,シドニー市内において,市長,助役等の幹部職員がIOC委員やIF役員らとの会合や各種会議等へ移動するために,また,幹部職員以外の職員が競技会場や当該IF役員の指定した場所においてIF役員との実務的な交渉をしたり競技会場その他の施設を視察したりするための移動用として,車両2台を借り上げるとともに,現地の道路事情や駐車場事情に通じたドライバーやガイドを手配することとしたほか,国内競技団体関係者その他の同行者をも含む多人数が一度に効率よく移 動するためにバスを1台確保することとして,これらを被告東急観光に依頼した。被告東急観光は,シドニーオリンピック組織委員会により認定を受けたCOACH2000という名称の団体がオリンピック期間中の主な車両手配を一括管理しており,同団体に登録されていない車両は空港や競技会場に入ることができない可能性があったことなどから,同団体を通じて,これらの車両(チャーターリムジン,チャーターセダン及びチャーターバス(7名ないし22名用))を手配した。 ところで,当時のチャーター利用の場合の車両仕入料金(GST(2000年7月に導入されたサービス税)込み)は,次のとおりであった(なお,時間を過ぎる場合,時間をまたぐ場合は両方の料金がかかることになる。)。 a小型バス1台(7名ないし22名用。英語ドライバー)1日貸切(5時から25時) 込み)は,次のとおりであった(なお,時間を過ぎる場合,時間をまたぐ場合は両方の料金がかかることになる。)。 a小型バス1台(7名ないし22名用。英語ドライバー)1日貸切(5時から25時)3250オーストラリアドル5時から9時1056オーストラリアドル10時から15時704オーストラリアドル16時から22時704オーストラリアドル21時から25時1056オーストラリアドルbチャーターセダン(1台3名まで利用可。英語ドライバー)8時間1386オーストラリアドル4時間858オーストラリアドル延長(1時間ごと)187オーストラリアドルcチャーターリムジン(1台6名まで利用可。英語ドライバー)8時間1562オーストラリアドル4時間1089オーストラリアドル延長(1時間ごと)209オーストラリアドル被告東急観光は,上記仕入料金に被告東急観光の経費,利益を乗せて, 別紙旅行費明細書記載のとおり車両費用を設定した。そして,本件出張に係る出来高による精算として,平成12年10月17日付けで,車代(専用車賃借料)を593万円とする旅行費明細書を招致局あてに提出した。 (イ)携帯電話借上費用大阪市は,現地においてもIOC関係者やIF役員らとのアポイントメントを取らなければならない状況があり,あらかじめ面談のスケジュールを組んでも相手方の都合で急に予定が変更になることもまれではないことが予想されたことから,出張者間で絶えず連絡を取り合う必要があり,日本から携帯電話を持参した場合,通話料金が国際電話扱いとなって著しく高額となることから,現地において携帯電話を借り上げることとし,被告東急観光にその手配を依頼した。 被告東急観光は,平成12年12月26日付けで,シドニーオリンピック携帯電話・通話料を40万7552 高額となることから,現地において携帯電話を借り上げることとし,被告東急観光にその手配を依頼した。 被告東急観光は,平成12年12月26日付けで,シドニーオリンピック携帯電話・通話料を40万7552円(及びシドニーパラリンピック携帯電話・通話料を5万1219円,モンテカルロ携帯電話・通話料を7万8030円,以上合計53万6801円)とする旅行費明細書招致局あてに提出した。 (ウ)シドニーオリンピックにおける入場券の手配等費用大阪市は,実際に競技会場内で競技の運営状況を視察することに加えて,IF関係者は競技場内にいることが多いことから,競技場内にいるIF関係者と協議を行うため,IOCからオリンピック施設に入場することが可能なADカードの支給を受けていない出張職員が競技会場に入場することができるよう,入場券を入手することとして,その手配を被告東急観光及び被告近畿日本ツーリストに依頼した。 被告東急観光は,上記入場券手配等に係る出来高による精算として,平成12年10月17日付けで,オリンピックチケット代(開会式7名, 同年9月16日柔道4名,同月17日水泳5名,同月18日柔道2名,閉会式1名,ボクシング1名,同月29日シンクロ3名,同月29日カヌー5名)を166万3800円とする旅行費明細書を招致局あてに提出した。 被告近畿日本ツーリストは,同年9月20日付けで,チケット代金(閉会式及びサッカー決勝を含む6種目分)を116万円とする「最終請求ご案内」を招致局の被告B21あてに提出した。 (エ)シドニーオリンピックにおける通訳旅費及び通訳費大阪市は,IF等との交渉においては国際スポーツに詳しい通訳が必要となるため,通訳,翻訳に係る業務を委託していたインターグループに通訳業務を依頼するとともに,当該通訳に係る航空券及びホテルの客室の 大阪市は,IF等との交渉においては国際スポーツに詳しい通訳が必要となるため,通訳,翻訳に係る業務を委託していたインターグループに通訳業務を依頼するとともに,当該通訳に係る航空券及びホテルの客室の確保を被告ジェイティービーに依頼した。 インターグループは,後に上記業務に係るアテンド通訳費(通訳及び資料作成費)を48万4169円とする「ご請求書」を招致局あてに提出した。 被告ジェイティービーは,平成12年9月10日付けで,上記通訳に係る航空運賃及びホテル代を117万9260円とする「ご旅行代金見積明細書」を提出した(なお,ホテル代の単価は11万6000円とされている。)。 (オ)大阪オリンピック子ども親善大使派遣費大阪市は,前提となる事実等(4)のとおり,オリンピックムーブメント啓発,普及を目的として,平成8年度から,2008年オリンピック開催時に選手あるいはボランティアとして大会の中心となって活躍することが期待される小学校5年生から中学校3年生を対象に,大阪オリンピックについての想いを表現した絵画や作文コンクールを実施し,毎年数名程度を大阪オリンピック子ども親善大使として,オリンピックゆかり の地に派遣しており,平成12年度は,シドニーオリンピック開催年であることから,派遣する子どもの人数を倍増し,同年9月28日から同年10月4日まで15名をシドニーに派遣した(本件子ども親善大使派遣)。そして,派遣のための交通手段や宿泊所の手配,現地での活動のアレンジ等を委託する業者をコンペを行った上で被告東急観光に決定し,同年4月11日付けで,大阪市(被告B4招致局長)と被告東急観光との間で,派遣期間を同年9月から同年10月上旬のうち7日間,派遣者を子ども親善大使12名及び大阪市職員3名,派遣先をシドニー,業務委託料を1069万円として 阪市(被告B4招致局長)と被告東急観光との間で,派遣期間を同年9月から同年10月上旬のうち7日間,派遣者を子ども親善大使12名及び大阪市職員3名,派遣先をシドニー,業務委託料を1069万円としてシドニーオリンピックへの大阪オリンピック子ども親善大使派遣関係業務の委託契約を締結した。被告東急観光は,同年10月10日付けで,上記委託業務に係る追加経費について,これを3名分の旅行費用(単価72万円)及び1名分の1人部屋利用追加代金(単価28万円)の合計244万円とし,これから同年9月26日入金に係る165万円を控除した79万円を精算金額とする旅行費明細書を大阪市あてに提出した。 (カ)シドニーオリンピック会議室使用費本件出張中に急きょ大阪市の招致関係者の会議とIFへの説明会を開催する必要が生じたので,被告東急観光に依頼してホテルの会議室を借りることとし,被告東急観光は,平成12年10月17日付けで同年9月16日会場費を15万円とする旅行費明細書を,同年10月19日付けで同年9月16日会場費を5万円とする旅行費明細書をそれぞれ招致局あてに提出した。 イ本件出張に係る事業経費については,前提となる事実等(3)オ及び(4)のとおり,平成12年9月,「第27回シドニーオリンピック競技大会関係にかかる事業経費について」という標題の決裁文書(支出予定金額970万円)及び「シドニーオリンピック・パラリンピックにおける入場券の手 配等の実施,同委託契約の締結及び同経費の支出について」という標題の決裁文書(委託金額220万円)が作成され,また,同年4月,「平成12年度大阪オリンピック子ども親善大使派遣の実施並びに同経費の支出について」という標題の決裁文書(支出金額1915万3920円)が作成された。 ウ本件出張に係る事業経費の被告業者らに対 ,「平成12年度大阪オリンピック子ども親善大使派遣の実施並びに同経費の支出について」という標題の決裁文書(支出金額1915万3920円)が作成された。 ウ本件出張に係る事業経費の被告業者らに対する支払は,次のとおり行われた。 (ア)本件出張当時,招致局においては,職員の海外出張が比較的多かったことから,各出張者が直接旅行代理店から航空券等の受領を行うのではなく,招致局招致推進部連絡調整課長から旅行代理店との窓口を任されていた同部連絡調整課長代理の被告B21において,全出張者の宿泊料,航空券代,空港税等旅行代理店に手配を依頼した業務に係る必要経費を預かり,旅行代理店との間でそれらの受渡しを行っていた。本件出張の際も,それまでと同様の方法により,被告B21が各出張者から必要経費を預かり,旅行代理店への支払を一括して行った。 被告B21による旅費の預り状況及び旅行代理店に対する支払の関係は,別紙預り金等の支払状況記載のとおりであった(なお,同別紙中,旅行代理店Aは被告東急観光,旅行代理店Bは被告近畿日本ツーリスト,旅行代理店Cは被告ジェイティービー,通訳派遣業者Dはインターグループをそれぞれ指す。)。 (イ)被告東急観光は,前記アのとおり,平成12年10月17日付けで車代(専用車賃借料)を593万円とする旅行費明細書を,同年12月26日付けで本件出張に係る携帯電話・通話料(40万7552円)及びシドニーパラリンピック携帯電話・通話料(5万1219円)を含む携帯電話・通話料合計53万6801円の旅行費明細書をそれぞれ招致局あてに提出した。被告B21は,上記車代(593万円)並びに本件 出張に係る携帯電話・通話料及びシドニーパラリンピック携帯電話・通話料(合計45万8771円)について前記イ記載の「第27回シドニーオリンピック 告B21は,上記車代(593万円)並びに本件 出張に係る携帯電話・通話料及びシドニーパラリンピック携帯電話・通話料(合計45万8771円)について前記イ記載の「第27回シドニーオリンピック競技大会関係にかかる事業経費について」という標題の決裁文書による決裁額970万円で支出手続を進めたため,被告東急観光に対して331万1229円の過払が生じた。 また,被告東急観光は,前記ア(ウ)のとおり,平成12年10月17日付けでオリンピックチケット代を166万3800円とする旅行費明細書を招致局あてに提出するとともに,同月15日付けで被告B2及び被告B6あてにそれぞれ宿泊代,国際航空券,タクシー,関空使用料に加えて開会式1万7000円を含む「ご旅行費用明細書」を提出した。 被告B21は,上記オリンピックチケット代(166万3800円)及び開会式1万7000円(2名分合計3万4000円)について前記イ記載の「シドニーオリンピック・パラリンピックにおける入場券の手配等の実施,同委託契約の締結及び同経費の支出について」という標題の決裁文書に係る決済額220万円で支出手続を進めたため,被告東急観光に対して更に50万2200円の過払が生じた。 他方,被告東急観光は,前記ア(オ)のとおり,同月10日付けで本件子ども親善大使派遣に係る委託業務の追加経費について同年9月26日入金に係る165万円を控除した79万円を精算金額とする旅行費明細書を大阪市あてに提出し,また,前記ア(カ)のとおり,同年10月17日付け及び同月19日付けでそれぞれ会場費を15万円及び5万円とする旅行費明細書を招致局あてに提出していたが,これらの旅行費明細書に係る請求額(合計99万円)が未払となっていた。 ところで,招致局が平成12年度に被告東急観光に手配した海外出張は全部で12件あ する旅行費明細書を招致局あてに提出していたが,これらの旅行費明細書に係る請求額(合計99万円)が未払となっていた。 ところで,招致局が平成12年度に被告東急観光に手配した海外出張は全部で12件あったが,被告B21において手配を行った航空券代等の支払業務が滞っており,平成13年3月31日の時点において招致局 関係の被告東急観光に対する旅費の未払額は662万4720円となっていた。そこで,被告B21は,平成13年6月ころ,当時招致局招致推進部連絡調整課長であった被告B9に状況を報告した上,被告東急観光に対する上記過払額(合計381万3429円)と上記事業経費に係る未払額(合計99万円)とを相殺処理した上,過払額の残額282万3429円を上記旅費の未払額662万4720円の支払に充当し,その残額380万1291円を同年7月6日に旅費に係る預り金(同年3月31日時点において546万4720円存在した。)から支払った。 (ウ)被告ジェイティービーは,前記ア(エ)のとおり,平成12年9月10日付けで通訳に係る航空運賃及びホテル代を117万9260円とする「ご旅行代金見積明細書」を提出していたが,これが未払となっていたため,被告B21は,平成13年7月6日に前記(イ)の預り金からこれを支払った。 (エ)被告近畿日本ツーリストは,前記ア(ウ)のとおり,同年9月20日付けでチケット代金(116万円)にホテル代(156万円)及び航空券代を加えた合計359万0110円の「最終請求ご案内」を招致局の被告B21あてに提出するとともに同月22日付けで同額の請求書を招致局あてに提出し,被告B21は,同日,被告近畿日本ツーリストに対しその全額を支払った。 (オ)被告インターグループは,本件出張に係るアテンド通訳費の出来高を60万9000円としていたが 求書を招致局あてに提出し,被告B21は,同日,被告近畿日本ツーリストに対しその全額を支払った。 (オ)被告インターグループは,本件出張に係るアテンド通訳費の出来高を60万9000円としていたが,これが未払となっていたところ,前記(イ)の預り金では12万4831円不足することとなったため,被告B21においてインターグループとの間で減額交渉を行ってこれを48万4169円に減額し,インターグループは上記アテンド通訳費を48万4169円とする「ご請求書」を招致局あてに提出し,被告B21は,平成13年6月30日,上記預り金からこれを支払った。 (2)前記(1)において認定した事実によれば,本件出張に係る事業経費(車両借上費用,携帯電話借上費用,シドニーオリンピックにおける入場券の手配等費用,シドニーオリンピックにおける通訳旅費及び通訳費,大阪オリンピック子ども親善大使派遣費(追加分を含む。),シドニーオリンピック会議室使用費)は,その支出手続について一部財務会計法規に適合しない部分が存するものの,それ自体はいずれも本件出張の目的を達成するために必要かつ相当なものであったと認められる。 (3)原告らは,車両借上費用について,招致委員会に対する車両借上費用の設定価格との比較から,被告東急観光において暴利行為を行った旨主張する。 確かに,証拠(甲7号証の1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば,被告東急観光は,招致委員会に対し,平成12年8月29日付けで,期間を同年9月6日から同年10月3日までの28日間,台数を乗用車4台(運転手付き),業務時間を各車毎日12時間(時間帯は各車調整),走行距離を1日1台100キロメートル以内とする代金650万円の「ご旅行代金見積明細書」を提出し,招致委員会との間で,同年9月6日,シドニーオリンピックにおけ 各車毎日12時間(時間帯は各車調整),走行距離を1日1台100キロメートル以内とする代金650万円の「ご旅行代金見積明細書」を提出し,招致委員会との間で,同年9月6日,シドニーオリンピックにおけるシドニーでの大阪オリンピック招致及び大阪ピーアールに係る事務作業等のための現地交通移動業務について契約金額を650万円とする業務委託契約を締結しており,また,被告東急観光は,これに先立つ同年8月18日付けで,招致委員会に対し,専用車(セダン)4台を同年9月12日から同月16日まで合計56時間手配する内容のシドニーでの専用車の手配に係る見積りとして代金112万円の「ご旅行代金見積明細書」を提出している事実が認められ,これによれば,招致委員会に対する車両借上費用の単価は本件出張に係る車両借上費用の単価に比して相当程度安価なものとなっている事実が認められる。 しかしながら,本件出張に係る車両借上費用がその仕入価格等に照らして適正妥当なものであることは,前記(1)ア(ア)において認定した事実からも容 易に推認される上,被告東急観光の主張からは,招致委員会に対する車両の手配については招致委員会構成員の特別な人脈を利用した様子がうかがわれることにもかんがみると,招致委員会に対する車両借上費用の設定価格との対比から直ちに被告東急観光が車両借上費用についても暴利行為を行っていたものと認めることはできない。のみならず,本件出張の目的に加えてオリンピック開催期間における交通事情,自動車の利用に対する規制状況等にかんがみると,シドニーオリンピック組織委員会により認定を受けた団体を通じて車両(チャーターリムジン,チャーターセダン及びチャーターバス)を手配するとともに現地の道路事情や駐車場事情に通じたドライバーやガイドを手配したことは,本件出張の目的を達成す 定を受けた団体を通じて車両(チャーターリムジン,チャーターセダン及びチャーターバス)を手配するとともに現地の道路事情や駐車場事情に通じたドライバーやガイドを手配したことは,本件出張の目的を達成する手段として適切かつ効果的な措置であったと認められる。また,被告出張職員らが手配を受けたこれらの車両を本件出張の目的と無関係な用途に使用したことを認めるに足りる証拠もない。 以上によれば,本件出張に係る車両借上費用について被告東急観光が暴利行為を行った旨の原告らの主張を採用することはできない。 また,原告らは,車両借上費用を除くその余の事業経費についても,その50パーセントに相当する額を超える部分は妥当性を欠く旨主張するが,これらの経費がそれ自体はいずれも本件出張の目的を達成するために必要かつ相当なものであったと認められることは前記のとおりであり,その単価等が不当に高価であることを認めるに足りる的確な証拠はなく,また,これらの経費が本件出張の目的と無関係な用途に費消されたことを認めるに足りる証拠もない。 (4)以上によれば,本件出張に係る事業経費(車両借上費用,携帯電話借上費用,シドニーオリンピックにおける入場券の手配等費用,シドニーオリンピックにおける通訳旅費及び通訳費,大阪オリンピック子ども親善大使派遣費,シドニーオリンピック会議室使用費)は,その支出手続について一部財務会 計法規に適合しない部分が存するものの,それ自体はいずれも本件出張の目的を達成するために必要かつ相当な経費であったと認められるのであって,その単価等が不当に高価であるとも認められず,また,これらの事業経費が本件出張の目的と無関係な用途に費消されたものとも認められないから,これら事業経費の支出により少なくとも大阪市には原告らが主張するような損害は生じていないもの も認められず,また,これらの事業経費が本件出張の目的と無関係な用途に費消されたものとも認められないから,これら事業経費の支出により少なくとも大阪市には原告らが主張するような損害は生じていないものというべきである。 以上認定説示したところによれば,原告らの本訴請求は,その余の点について判断するまでもなく,理由がないから,これを棄却すべきである。 よって,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第2民事部裁判長裁判官西川知一郎裁判官田中健治裁判官石田明彦

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