昭和29(う)1454 道路交通取締法違反業務上過失致死被告事件

裁判年月日・裁判所
昭和30年2月22日 東京高等裁判所 破棄自判
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【DRY-RUN】主    文      (一) 原判決を破棄する。      (二) 被告人を禁錮四月に処する。      (三) 原審における訴訟費用は被告人の負担とする。          理    由  本件控

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判決文本文1,275 文字)

主文(一) 原判決を破棄する。 (二) 被告人を禁錮四月に処する。 (三) 原審における訴訟費用は被告人の負担とする。 理由本件控訴の趣意は弁護人宮沢邦夫提出の控訴趣意書記載のとおりであるからここにこれを引用する。これに対する当裁判所の判断は左のとおりである。 一論旨第一点について原判決が判示第一において、自動車無謀操縦の事実を認定し、また判示第二において業務上過失致死の事実を認定しながら、証拠の標目としては右第一、第二事実を一括して共通の証拠を挙げていることはまことに所論のとおりである。而して事実認定に用いた証拠を判示するには、いかなる証拠によつていかなる事実を認定したものであるかということが判文上明かにされなければならないから、仮令証拠の標目を列挙する場合でも、原則的には、少くとも各犯罪事実毎に証拠を分類して判示することが望ましい。けれども、例えば贈賄とこれに対応する収賄というように二つの事実が密接に関連していて、これを各別に分けて証拠説明するよりは、一括して共通の証拠を引用判示する方が、かえつて簡明である場合もなしとしないから、証拠の一括引用<要旨>が常に不適法であると即断するのは早計である。これを本件の場合にみるに、原判決が証拠に基いて認定した</要旨>ところによれば、被告人は(一)原判示日時場所において、酔つていて正常の運転ができないおそれがあつたにもかかわらず、貨物自動車を運転して無謀な操縦をなし、(二)その運転中、酒に酔つていたため前方注視の義務を怠り、原判示場所においてAの後方から自動車の車体を追突させ、右頭部打撲による脳内出血のため死亡させたというのであるから、右の内(一)の無謀操縦の点は道路交通取締法に違反し、(二)の業務上の過失により人を死に 場所においてAの後方から自動車の車体を追突させ、右頭部打撲による脳内出血のため死亡させたというのであるから、右の内(一)の無謀操縦の点は道路交通取締法に違反し、(二)の業務上の過失により人を死に致した点は刑法第二百十一条前段に該当し、二個の犯罪の成立することは勿論であるが、右のような事実関係のもとにおいては、二つの犯罪事実は密接に関連し、両者は時間的にも、場所的にもほとんど重複しているのであるから、その認定証拠もいきおい共通にならざるを得ないのは当然である。かような場合には、各判示事実毎に区別して証拠を挙示するとすれば同一の証拠を二重に引用する結果となり、徒らに煩雑になるばかりでなく、二つの事実を一括してその認定証拠を列挙しても、いかなる証拠によつて、いかなる事実を認定したものであるかということは自ら分明であるから、原判決が前記のように原判示事実認定について、第一第二事実共通の証拠を列挙したのは、むしろ相当な措置であつて刑事訴訟法第三百三十五条に違反しないのは勿論、「判決に理由を附せず又は理由にくいちがいがある」というような違法の廉は存しないから論旨は理由がない。 (その他の判決理由は省略する。)(裁判長判事近藤隆蔵判事山岸薫一判事下関忠義)

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