主文 1 原告らの請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は、原告らの負担とする。 事実及び理由 第1 請求 (主位的請求) 1 被告は、Aに対し、4089万6840円及びこれに対する令和4年10月21日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員の支払を請求せよ。 (予備的請求) 2 被告は、Aに対し、773万1840円及びこれに対する令和4年10月2 1日から支払済みまで年3パーセントの割合による金員の支払を請求せよ。 第2 事案の概要等 1 事案の要旨益城町は、B株式会社(以下「B」という。)との間でC中学校運動場整備工事(以下「第一次工事」という。)に係る請負契約(以下「第一次契約」と いう。)を締結し、その後、有限会社D(以下「D」という。)との間でC中学校運動場高質化整備工事(以下「第二次工事」といい、第一次工事と併せて「本件各工事」という。)に係る請負契約(以下「第二次契約」という。)を締結した。 本件は、益城町の住民である原告らが、地方自治法242条の2第1項4号 に基づき、益城町の執行機関(町長)である被告に対し、主位的に上記各契約の締結以降、現在まで益城町長の地位にある訴外Aが第一次契約に基づく請負代金を支払う旨の支出命令(以下「本件支出命令」という。)をしたことが違法であるとして、本件支出命令により生じた損害4089万6840円及びこれに対する遅延損害金の支払請求をするよう求めるとともに、予備的に訴外A が第二次契約を締結したことが違法であるとして、第二次契約の締結により生 じた損害773万1840円及びこれに対する遅延損害金の支払請求をするよう求める事案である。 2 関係法令の定め⑴ 地方自治法234条1項は、売買、賃借 、第二次契約の締結により生 じた損害773万1840円及びこれに対する遅延損害金の支払請求をするよう求める事案である。 2 関係法令の定め⑴ 地方自治法234条1項は、売買、賃借、請負その他の契約は、一般競争入札、指名競争入札、随意契約又はせり売りの方法により締結するものとす る旨を定め、同条2項は、指名競争入札、随意契約又はせり売りは、政令で定める場合に該当するときに限り、これによることができる旨を定める。 ⑵ 地方自治法施行令167条の2第1項は、随意契約によることができる場合は、同項各号に掲げる場合とする旨を定め、2号において、不動産の買入れ又は借入れ、普通地方公共団体が必要とする物品の製造、修理、加工又は 納入に使用させるため必要な物品の売払いその他の契約でその性質又は目的が競争入札に適しないものをするとき、6号において、競争入札に付することが不利と認められるときを掲げる。 3 前提事実(争いのない事実及び後掲各証拠等により容易に認定できる事実。 書証は、特記しない限り枝番を含む。以下同じ。) ⑴ 当事者等ア原告らは、益城町の町民である。 イ被告は、益城町の執行機関(町長)である。 ウ E株式会社(以下「E」という。)は、大阪府内に本社を置く特定建設業者であり、スポーツ施設の専門工事会社である。(甲12) 同社は、従前手作業で除去していたグラウンド上の石を、同社が開発した機械(ロックシェイカーマシン。以下「ロックシェイカー」という。)を用いて除去する施工(ロックシェイカー工法)を行っている(乙16の1、31)⑵ 益城町立C中学校について ア益城町立C中学校(以下「C中学校」という。)は、益城町が設置して おり、昭和23年に開設された。(弁論の を行っている(乙16の1、31)⑵ 益城町立C中学校について ア益城町立C中学校(以下「C中学校」という。)は、益城町が設置して おり、昭和23年に開設された。(弁論の全趣旨)イ平成28年4月に発生した熊本地震により、C中学校の運動場(以下「本件運動場」という。)も被災した。本件運動場は、地下水位が浅い砂質土系地盤であったため、流動化的な緩みが生じて不安定な状態となったほか、仮設校舎の用地造成や仮設校舎の建設が行われるなど、地震発生前 と比べて大きく変化していた。(甲12、弁論の全趣旨)⑶ 第一次工事及び第一次契約ア益城町は、令和3年9月6日付けで、Bとの間で、概要、以下の内容の第一次工事に係る請負契約(第一次契約)の仮契約を締結し、同月の益城町議会において第一次契約に係る議案が可決されて本契約となった。(甲 4、5、乙1、8の1)工事名 C中学校運動場整備工事(第一次工事)契約金額 6622万8800円(税込)契約工期令和3年9月17日から令和4年3月22日まで(なお、契約締結当初の契約工期は同年2月28日までであったが、上記 のとおり変更された。)目的熊本地震により被災したC中学校の災害復旧事業に伴う運動場整備工事を行うこと。 工事内容 ① 建築その他工事② グラウンド整備工事(不陸整正、クレイ舗装、暗渠排水 等)③ 周辺道路舗装補修工事工事場所熊本県上益城郡益城町大字Fイ益城町は、令和4年2月28日付けで、Bとの間で、第一次契約につき、契約金額を8599万6767円に増額する旨の変更契約の仮契約を 締結し、同年3月の益城町議会において同変更契約に係る議案が可決され て本契約となった。(甲5、乙8の2 約につき、契約金額を8599万6767円に増額する旨の変更契約の仮契約を 締結し、同年3月の益城町議会において同変更契約に係る議案が可決され て本契約となった。(甲5、乙8の2)ウ Bは、益城町の指示の下、本件運動場の整備に先立ち、本件運動場において、二箇所にわたり、地表に存在する礎石等を除去した上、そこから深度200~310ミリメートルまでの土を取り除き、その下部にある山砂(以下「現場発生土」という。)をサンプリングして材料試験(以下「本 件材料試験」という。)を行った。(甲12、乙4、5、弁論の全趣旨)エ Bは、本件材料試験を踏まえ、第一次工事において本件運動場の表層土として用いる山砂(以下「本件山砂」という。)を選定した。(甲12、乙6、7、弁論の全趣旨)オ益城町の担当課長は、令和4年3月24日、第一次契約に基づき、Bに 対して8599万6767円を支払う旨の支出命令をした(本件支出命令。なお、益城町長の支出命令に係る権限は、益城町の担当課長に委任されている。)。(弁論の全趣旨)⑷ Eによる見積りア益城町は、令和4年3月11日、Eに対し、本件運動場について、ロッ クシェイカーによる小石撤去等に係る見積りを依頼した。(乙3)イ Eは、アの依頼を受け、令和4年3月16日、工事価格を3015万円(税抜)とする見積書を作成した(以下「本件見積り」という。)。(甲7)⑸ 第二次工事及び第二次契約 ア益城町は、令和4年7月、C中学校運動場高質化整備工事(第二次工事)に係る請負契約について、益城町内の業者による指名競争入札(以下「本件競争入札」という。)を行ったところ、11社が入札し、Dが落札した。(甲8、弁論の全趣旨)イ益城町は、令和4年7月26日、Dとの間で、 契約について、益城町内の業者による指名競争入札(以下「本件競争入札」という。)を行ったところ、11社が入札し、Dが落札した。(甲8、弁論の全趣旨)イ益城町は、令和4年7月26日、Dとの間で、概要、以下の内容の第二 次工事に係る請負契約(第二次契約)を締結した。(甲8、9、乙2、1 3の1)工事名 C中学校運動場高質化整備工事(第二次工事)契約金額 3960万0000円(税込)契約工期令和4年7月27日から同年8月31日まで目的本件運動場のグラウンド・テニスコートの品質を高めるための 工事を行い、より安全で快適な運動場に整備すること。 工事概要 ① 不陸整正(粗礫等の除去)② 廃土運搬処分③ 真砂土舗装工④ 表面処理工 工事場所熊本県上益城郡益城町大字Fウ Dは、令和4年7月28日、Eとの間で、契約金額を2898万5000円(税込)として、第二次工事について下請契約を締結した。(乙15)エ益城町は、Dとの間で、第二次契約につき、令和4年8月29日に契約 工期を同年10月21日までとする変更契約を、同年10月3日に契約金額を4089万6840円(税込)に増額する旨の変更契約をそれぞれ締結した。(乙13の2、13の3)⑹ 住民監査請求等原告らは、令和5年1月19日付けで、益城町監査委員に対し、本件各工 事及びこれらに基づく支出について住民監査請求をしたが、益城町監査委員は、同年3月17日付けで上記監査請求を棄却した。(甲12、弁論の全趣旨)⑺ 本件訴えの提起等原告らは、令和5年4月14日、本件訴えを提起した。(当裁判所に顕著 な事実) 4 主要な争点⑴ 本件支出命令に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否 本件訴えの提起等原告らは、令和5年4月14日、本件訴えを提起した。(当裁判所に顕著 な事実) 4 主要な争点⑴ 本件支出命令に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否⑵ 本件第二次契約締結に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否 5 争点に関する当事者の主張⑴ 争点⑴(本件支出命令に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否)につい て(原告らの主張)ア以下のとおり、第一次契約の締結は違法であり、これに基づく本件支出命令についても違法である。 (ア) 第一次契約締結の違法性 第一次工事は、本件運動場が熊本地震前に有していた機能・効用を復旧するためのものであるところ、熊本地震前の本件運動場には、当然ながら運動場使用に支障を来すような砂礫はなく、本件運動場の整備に当たっては、小石や礫が生じることのない適切な表層土を使用する必要があった。熊本県内の学校等の運動場では通常フルイ工済みの真砂土が使 用されているところ、第一次工事では使用されなかったのであるから、このような第一次工事の実施を内容とする第一次契約は違法である。 本件山砂を選定する際に行った本件材料試験の対象は、本件運動場の地表から深度200~310ミリメートルまでの土を取り除き、その下部にある山砂(現場発生土)を採取したものであるところ、クレイ系舗 装のグラウンドでは上記深度にある土は下層土であって表層土ではないから、現場発生土は、熊本地震前における本件運動場の表層土(以下「旧表層土」という。)であるとはいえない。また、本件山砂が現場発生土と比較して礫分の割合が高いものであったことをも踏まえると、本件山砂は、適切な表層土であるとはいえない。 (イ) 本件支出命令の違法性(違法性の承継) a 件山砂が現場発生土と比較して礫分の割合が高いものであったことをも踏まえると、本件山砂は、適切な表層土であるとはいえない。 (イ) 本件支出命令の違法性(違法性の承継) a 工事請負契約においては、その施工中に業者との間で工事内容及び工事代金の変更が可能であり、第一次契約においても、本件支出命令がされるまでの間、益城町から本件運動場に使用する表層土の変更をBに対して申し入れることで前記(ア)の違法の是正を図ることができた。 これは、益城町が第一次契約に係る取消権又は解除権を有し、これを行使することで第一次契約に係る代金支払債務を解消することができる場合と変わらない。 b 前記(ア)のとおり、第一次契約は違法であり、著しく合理性を欠くものである。また、訴外Aは、第一次工事において、適切な表層土を 選択しなかったという誤りを是正することなく、漫然と第二次工事に係る工事費用を支出しようとしたのであるから、予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存していることは明らかである。 そして、前記aのとおり、工事請負契約においては、その施工中に業者との間で工事内容及び工事代金の変更が可能であるから、益城町 がBに対し本件運動場に使用する表層土の変更を申し入れていれば、Bがこれに応じる蓋然性は大きかった。 c 以上を踏まえれば、第一次契約について、客観的にみて益城町が第一次契約を解消することができる特殊な事情がある場合と同視できるから、これに基づいてされた本件支出命令は違法である。 イ訴外Aが第一次工事において適切な表層土を指示していれば、第二次工事を実施する必要は生じなかったから、訴外Aは、益城町に対して、第二次契約に係る請負代金4089万6840円の損害を生じさせている。したが が第一次工事において適切な表層土を指示していれば、第二次工事を実施する必要は生じなかったから、訴外Aは、益城町に対して、第二次契約に係る請負代金4089万6840円の損害を生じさせている。したがって、益城町は、訴外Aに対して、本件支出命令に係る損害賠償請求権を有する。 (被告の主張) ア第一次工事は、災害復旧工事の一環としての原型復旧を行うための工事であるところ、本件山砂は、粒径2ミリメートル以上の礫分の含有量及び最大粒径が旧表層土と同等であったから、これを用いた第一次工事に違法性はない。 原告らは、現場発生土は表層土ではなく本件山砂が適切な表層土とはい えない旨主張するが、その根拠となる屋外体育施設の建設指針(以下「本件建設指針」という。)が刊行されたのはC中学校開設後の昭和59年であり、本件運動場には妥当しない。また、訴外Aは、第一次工事の材料選定に当たって、生徒の安全性を最優先に考え、材料試験結果における最大粒径を第一の基準として評価を行ったのであるから、本件山砂が現場発生 土と比較して礫分の割合が高かったとしても本件山砂の選択が不適切であったとはいえない。 イ仮に第一次契約の締結が違法であったとしても、Bは、第一次契約に基づいて適切に工事を行っているのであるから、益城町が第一次契約の取消権又は解除権を有しているとはいえないし、第一次契約が著しく合理性を 欠きBが第一次契約の解消に応ずる蓋然性が大きかったともいえない。そうすると、第一次契約の違法性が本件支出命令に承継されることはなく、本件支出命令は適法というべきである。 ⑵ 争点⑵(本件第二次契約締結に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否)について (原告らの主張)ア(ア) 第二次工事は、ロックシェイカー工法又 本件支出命令は適法というべきである。 ⑵ 争点⑵(本件第二次契約締結に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否)について (原告らの主張)ア(ア) 第二次工事は、ロックシェイカー工法又は同等の効果のある工法(以下「本件工法」という。)を施工条件とするものであるが、これは、一般の建築業者が対応できるものではなく、第二次工事に係る本件競争入札においては一定の機器や技術等を有した業者を選定することが適切で あった。それにもかかわらず、訴外Aは、本件競争入札の条件として再 委託を禁止せず、本件競争入札に参加できる業者を益城町内の業者に限定した。また、訴外Aは、本件工法を利用した本件運動場の高質化工事について、Eから工事価格を3015万円(税抜)とする見積り(本件見積り)を受けたにもかかわらず、本件競争入札において、第二次工事の予定価格を3630万7000円(税抜)、最低制限価格を3301 万7476円(税抜)と、本件見積りよりも高額に設定している。 以上のとおり、訴外Aは、本件競争入札について不合理な条件を付しており、これによって、第二次工事に要する代金が必要かつ最小の支出を上回ったのであるから、裁量権の逸脱・濫用に当たり、違法というべきである。 (イ) 前記(ア)のとおり、第二次工事は、一般の建築業者が対応できるものではなかったから、第二次契約は、「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自治法施行令167条の2第1項2号)に該当する。また、第二次工事について一般の建設業者を競争入札に参加させると、当該業者が第二次工事に対応できる業者に対して下請けすることが 明らかであり、第二次工事に対応できる業者との間で第二次契約を締結する場合よりも工事金額が高額になるといえるから、第二次 せると、当該業者が第二次工事に対応できる業者に対して下請けすることが 明らかであり、第二次工事に対応できる業者との間で第二次契約を締結する場合よりも工事金額が高額になるといえるから、第二次契約は、「競争入札に付することが不利と認められるとき」(同項6号)に該当する。 第二次契約についてEとの間で随意契約を締結していれば、第二次工 事に係る工事代金の支出を削減することができたにもかかわらず、訴外Aが本件競争入札を行ったことは、裁量権の逸脱濫用に当たり、違法である。 イ訴外Aは、Eから工事価格を3316万5000円(税込)を内容とする見積りを取得しており、Eに対して第二次工事を依頼していれば、第二 次契約に係る請負代金4089万6840円もの支払を要さなかったか ら、益城町に対して773万1840円の損害を生じさせている。したがって、益城町は、訴外Aに対して、第二次契約締結に係る損害賠償請求権を有する。 (被告の主張)ア被告は、本件競争入札において、ロックシェイカー工法を標準的な工法 としたにすぎず、最大粒径5ミリメートルを超える粗礫の除去が可能であれば施工方法を限定していない。そして、被告は、Eの見積書における施工単価を参考にして、益城町の工事積算基準に基づき、第二次工事の予定価格を算出したのであるから、本件競争入札の条件が不合理であるとはいえない。 イ前記アのとおり、訴外Aは、本件競争入札において、第二次工事に係る工法をロックシェイカー工法に限定しておらず(そもそも、同工法は、トラクターを改造したロックシェイカーを使用して粗礫を取り除くというものにすぎず、特殊な技術を要するものではない。)、一般の建設業者が対応できないわけではなかったから、第二次契約は、契約の性質又は トラクターを改造したロックシェイカーを使用して粗礫を取り除くというものにすぎず、特殊な技術を要するものではない。)、一般の建設業者が対応できないわけではなかったから、第二次契約は、契約の性質又は目的が競 争入札に適しないものであるとはいえない。また、Eによる見積書は、第二次工事全体の見積りではなく、諸経費の計上が限定的なものであったから、本件見積書による見積額と本件競争入札の予定価格を比較するのは失当であって、第二次契約が競争入札に付することが不利なものであったともいえない。 第3 当裁判所の判断 1 認定事実前記前提事実に加え、各項掲記の証拠及び弁論の全趣旨によれば、以下の事実が認められる。 ⑴ 本件建設指針について ア本件建設指針は、昭和59年に刊行され、以後、改訂を繰り返してい る。(甲3)イ本件建設指針には、グラウンド舗装につき、表層材として砂質土系単一土の一つである真砂土を使用した舗装の標準構造は、上から表面処理、表層(グラウンド表面から深度100ミリメートルまでの部分)、下層(表層から深度100ミリメートルまでの部分)及び基盤に分けられるとの記 載がある。(甲3、弁論の全趣旨)⑵ 第一次工事の経過等ア Bは、益城町の指示の下、第一次工事における本件運動場の整備に先立ち、本件材料試験を行った。その結果は、概要、以下のとおりである。 (甲12、乙4、5、弁論の全趣旨) (ア) 現場発生土1(乙4)最大粒径 26.5ミリメートル礫分(2~75ミリメートル) 27.4%砂分(0.075~2ミリメートル) 41.0%細粒分(0.075ミリメートル未満) 31.6% (イ) 現場発生土2(乙5)最大粒径 26.5ミリメートル礫分(2 27.4%砂分(0.075~2ミリメートル) 41.0%細粒分(0.075ミリメートル未満) 31.6% (イ) 現場発生土2(乙5)最大粒径 26.5ミリメートル礫分(2~75ミリメートル) 19.6%砂分(0.075~2ミリメートル) 31.7%細粒分(0.075ミリメートル未満) 48.7% イ Bは、本件材料試験を踏まえ、本件山砂を選定した。本件山砂に係る粒度試験の結果は、概要、以下のとおりである。(甲12、乙6、7、弁論の全趣旨)(ア) 本件山砂1(乙6。試料名欄には、「山砂(グランド用山砂・中目)」と記載されている。) 最大粒径 9.5ミリメートル 礫分(2~75ミリメートル) 19.8%砂分(0.075~2ミリメートル) 65.6%細粒分(0.075ミリメートル未満) 14.6%(イ) 本件山砂2(乙7)最大粒径 26.5ミリメートル 礫分(2~75ミリメートル) 40.2%砂分(0.075~2ミリメートル) 45.9%細粒分(0.075ミリメートル未満) 13.9%ウ Bは、令和4年3月18日、訴外Aに対し、第一次工事が完成したことを通知し、益城町都市計画課課長は、同月22日、第一次工事に係る竣工 検査を行い、訴外Aに対し、第一次工事が設計書、仕様書及び図面のとおり竣工したことなどを通知した。(甲6、乙26)エ訴外Aは、令和4年3月22日、第一次工事が竣工検査に合格したことを認定した。(乙27、29)⑶ 本件見積りの経緯等 ア本件運動場には、第一次工事の竣工前に粗礫が露出し、益城町の職員が手作業で除去していた。(甲10、弁論の全趣旨)イ訴外Aは、令和4年3月11日、Eに対し、第二次工事に向けて、① 等 ア本件運動場には、第一次工事の竣工前に粗礫が露出し、益城町の職員が手作業で除去していた。(甲10、弁論の全趣旨)イ訴外Aは、令和4年3月11日、Eに対し、第二次工事に向けて、①ロックシェイカーによる小石撤去、②ロックシェイカー小石撤去後の敷均し、③良質山砂敷均し・転圧仕上げに係る見積りを依頼した。(乙3) ウ本件見積りにおける工事価格は、3015万円(税抜)であり、その内訳は、概要、以下のとおりである。(甲7)ロックシェイカー工法 640万5000円ロックシェイカー小石撤去後の不陸整正 183万円良質山砂敷均し、転圧 1427万4000円 表面処理工(0.003㎥/㎡) 100万6500円 表面処理工(ソイルプロテクト) 201万3000円重機回送費 80万円法定福利費 76万5000円諸経費 305万6500円⑷ 第二次契約締結の経緯等 ア益城町は、本件競争入札について、本件見積りにおける施工単価を参考にした上で、熊本県土木工事積算基準に基づき、予定価格を3630万7000円(税抜)、最低制限価格を3301万7476円(税抜)と定め、益城町を熟知している業者の機動力の活用、地元業者の育成という観点から、益城町内の業者を本件競争入札に参加できる業者とした。(甲 8、9、乙16の1、弁論の全趣旨)イ本件競争入札における予定価格は、3630万7000円(税込3993万7700円)であり、その内訳は、概要、以下のとおりである。(甲9、乙16、弁論の全趣旨)(ア) 直接工事費 1958万0360円(税抜) a 不陸整正工 871万4560円(税抜)(内訳)粗礫等除去工 640万5000円積込(ルーズ) 6 16、弁論の全趣旨)(ア) 直接工事費 1958万0360円(税抜) a 不陸整正工 871万4560円(税抜)(内訳)粗礫等除去工 640万5000円積込(ルーズ) 6万0531円土砂等運搬 39万0744円 整地 2万8285円不陸整正 183万円b グラウンド・コート舗装工 995万0800円(税抜)(内訳)真砂土舗装工 554万4900円 表面処理工(化粧砂) 100万6500円 表面処理工(ソイルプロテクト) 201万3000円テニスコートラインテープ 138万6400円c 仮設工 91万5000円(税抜)(イ) 共通仮設費 207万6000円(税抜)(ウ) 現場管理費 867万1000円(税抜) (エ) 一般管理費等 597万9640円(税抜)(オ) 消費税等相当額 363万0700円ウ益城町は、本件競争入札の結果、令和4年7月26日、Dとの間で、第二次契約を締結した。第二次契約の施工条件は、概要、以下のとおりである。(甲8、9、乙2、13の1、16) (ア) 不陸整正・粗礫等の除去不陸整正(粗礫等の除去)はロックシェイカー工法又は同等以上の性能のある工法(本件工法)で行い、最大粒径5ミリメートルを超える粗礫の除去を行うこと。 (イ) 真砂土舗装工 本件運動場の舗装において使用する材料は、本件運動場の使用に際して危険がなく、適度な粘りと弾性を有し、水はけが良いことが必要であるため、熊本県玉名産の良質真砂土(最大粒径概ね5ミリメートル以下・細粒分5%以内)又は同等以上のものとすること。 エ Dは、同月28日、Eとの間で、第二次工事について、概要、以下の内 容で下請契約を締結した。(甲 質真砂土(最大粒径概ね5ミリメートル以下・細粒分5%以内)又は同等以上のものとすること。 エ Dは、同月28日、Eとの間で、第二次工事について、概要、以下の内 容で下請契約を締結した。(甲8、乙13の1、15)(ア) 契約金額 2898万5000円(税込)(イ) Dの工事概要不陸整正廃土運搬処分 真砂土舗装工 表面処理工(ウ) Eの工事概要a ロックシェイカー工法不陸整正真砂土舗装工 表面処理工b テニスコートラインテープ撤去、再設置(エ) Eが担当する工事についても、Dが施工管理を行い、材料を支給する。 2 争点⑴(本件支出命令に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否)について ⑴ア原告らは、第一次工事において小石や礫が生じることのない適切な表層土を使用する必要があったところ、本件山砂は適切な表層土とはいえないから、このような第一次工事の実施を内容とする第一次契約は違法であり、これに基づく本件支出命令は違法であると主張する。 イそこで検討すると、第一次工事は、熊本地震により被災したC中学校の 災害復旧工事に伴う運動場整備工事であり、その目的は、本件運動場を熊本地震の前の状態に戻すことである(前提事実⑶ア)。そして、前提事実⑶ウ、エ、認定事実⑵ア、イのほか、証拠(甲12、乙4~7)及び弁論の全趣旨によれば、Bは、本件運動場の地表に存在する礎石等を除去した上、そこから深度200~310ミリメートルまでの土を取り除き、その 下部にある現場発生土をサンプリングして本件材料試験を行い、現場発生土の最大粒径、礫分、砂分及び細粒分等(以下「最大粒径等」という。)を踏まえて、本件運動場の整備に用いた本件山砂を選定したことが認められると 現場発生土をサンプリングして本件材料試験を行い、現場発生土の最大粒径、礫分、砂分及び細粒分等(以下「最大粒径等」という。)を踏まえて、本件運動場の整備に用いた本件山砂を選定したことが認められるところ、本件全証拠を検討しても、熊本地震前における本件運動場の表層土(旧表層土)の最大粒径等は明らかではない上、C中学校が開設さ れた昭和23年(前提事実⑵ア)当時はグラウンド整備に係る指針が存在 しておらず(認定事実⑴ア。なお、開設後に本件運動場を整備した記録は残存していない(弁論の全趣旨)。)、確保した用地をそのままグラウンドとして使用していた可能性があり、C中学校と同じ秋津川左岸側にある、C中学校から約250メートルの距離に位置する土地のボーリング調査の結果、地表から1メートルないし2メートル程度の同土質の層が存在して いたこと(乙22)も踏まえれば、本件運動場の地表から1メートル以上にわたり同じ土質の層が続いていたとも考えられ、現場発生土が本件運動場の表層土と同じ土質である蓋然性は否定できない。また、認定事実⑴イ、⑵ア及び証拠(甲3、12)によれば、現場発生土は建設指針が示すクレイ系舗装・表層材の真砂土の規格に合致しているとも認められる。 そうすると、訴外Aが、現場発生土の最大粒径等を踏まえて本件山砂を選定したことは、第一次工事の前記目的に照らして不合理とはいえず、本件山砂を使用した第一次工事に係る第一次契約が違法であるとは認められない。 なお、認定事実⑶ア、⑷のとおり、本件運動場には第一次工事の竣工前 に粗礫が露出しており、最終的に第二次工事を実施するに至っているが、本件全証拠を検討しても、本件運動場に粗礫が生じた原因、その程度は判然とせず、熊本地震により被災したC中学校の災害復旧工事とい に粗礫が露出しており、最終的に第二次工事を実施するに至っているが、本件全証拠を検討しても、本件運動場に粗礫が生じた原因、その程度は判然とせず、熊本地震により被災したC中学校の災害復旧工事という前記目的に照らして本件山砂の選定が不適当であったとはいえないから、前記認定判断を左右しないというべきである。 ウ(ア) これに対し、原告らは、①本件建設指針におけるグラウンドの表層は、グラウンド表面から100ミリメートルまでの深度を指すから、現場発生土は下層土であって表層土とはいえないこと、②本件山砂は現場発生土と比較して礫分の割合が高いこと、③熊本県内の学校等の運動場では通常フルイ工済みの真砂土が使用されていることを理由として、本 件山砂は適切な表層土とはいえないと主張する。 (イ) しかしながら、上記①について、C中学校が開設された昭和23年当時は本件建設指針を含むグラウンド整備に係る指針が存在しておらず、現場発生土が本件運動場の表層土と同じ土質である蓋然性が否定できないことは前記イのとおりである。 また、上記②については、本件山砂2の礫分(40.2%)は、現場 発生土の礫分(現場発生土1につき27.4%、現場発生土2につき19.6%)よりも高いことが認められるが、認定事実⑵ア及び証拠(甲3、12)によれば、本件山砂2は、現場発生土と同様、粗粒分(0. 075~75ミリメートル)が50パーセントを超え、砂分が礫分より多く、真砂土をその例とする砂質土に分類できることが認められるか ら、現場発生土は砂質土として表層土たり得るといえる。そして、その他本件全証拠を検討しても、本件山砂の礫分が不適当であると認めることはできない。 上記③については、前記イのとおり、第一次工事は、熊本地震により被災 土として表層土たり得るといえる。そして、その他本件全証拠を検討しても、本件山砂の礫分が不適当であると認めることはできない。 上記③については、前記イのとおり、第一次工事は、熊本地震により被災したC中学校の災害復旧工事に伴う運動場整備工事を行うことを目 的とするところ、本件全証拠を検討しても、旧表層土としてフルイ工済みの真砂土が使用されていたと認めることはできず、本件山砂が適切な表層土ではないということはできない。 したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 ⑵ 前記⑴のとおり、本件山砂を用いた第一次工事の実施を内容とする第一次 契約が違法なものであるとはいえないが、仮に第一次契約が違法であると評価された場合においても、次に説示するところによれば、第一次契約に基づく本件支出命令が違法であるということはできない。 ア地方自治法242条の2第1項4号に定める普通地方公共団体の職員に対する損害賠償の請求は、財務会計上の行為を行う権限を有する当該職員 に対して職務上の義務に違反する財務会計上の行為による当該職員の個人 としての損害賠償義務の履行を求めるものにほかならないから、当該職員の財務会計上の行為を捉えて上記損害賠償の請求をすることができるのは、たとえこれに先行する原因行為に違法事由が存する場合であっても、その原因行為を前提としてされた当該職員の行為自体が財務会計法規上の義務に違反する違法なものであるときに限られると解するのが相当である (最高裁昭和61年(行ツ)第133号平成4年12月15日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。しかるところ、普通地方公共団体が締結した債務を負担する契約が違法に締結されたものであるとしても、それが私法上無効ではない場合には、当該普通地方 5日第三小法廷判決・民集46巻9号2753頁参照)。しかるところ、普通地方公共団体が締結した債務を負担する契約が違法に締結されたものであるとしても、それが私法上無効ではない場合には、当該普通地方公共団体はその相手方に対しそれに基づく債務を履行すべき義務を負うのであるから、その 債務の履行としてされる財務会計上の行為を行う権限を有する職員は、当該普通地方公共団体において当該相手方に対する当該債務を解消することができるときでなければ、当該行為を行ってはならないという財務会計法規上の義務を負うものではないと解される。そして、当該行為が支出負担行為たる契約に基づく債務の履行としてされる支出命令である場合におい ても、支出負担行為と支出命令は公金を支出するために行われる一連の行為ではあるが互いに独立した財務会計上の行為というべきものであるから(最高裁平成11年(行ヒ)第131号同14年7月16日第三小法廷判決・民集56巻6号1339頁参照)、以上の理は、同様に当てはまるものと解するのが相当である。そうすると、普通地方公共団体が締結した支 出負担行為たる契約が違法に締結されたものであるとしても、それが私法上無効ではない場合には、当該普通地方公共団体が当該契約の取消権又は解除権を有しているときや、当該契約が著しく合理性を欠きそのためその締結に予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵が存し、かつ、当該普通地方公共団体が当該契約の相手方に事実上の働きかけを真しに行え ば相手方において当該契約の解消に応ずる蓋然性が大きかったというよう な、客観的にみて当該普通地方公共団体が当該契約を解消することができる特殊な事情があるときでない限り、当該契約に基づく債務の履行として支出命令を行う権限を有する職員は、当該契約 よう な、客観的にみて当該普通地方公共団体が当該契約を解消することができる特殊な事情があるときでない限り、当該契約に基づく債務の履行として支出命令を行う権限を有する職員は、当該契約の是正を行う職務上の権限を有していても、違法な契約に基づいて支出命令を行ってはならないという財務会計法規上の義務を負うものとはいえず、当該職員が上記債務の履 行として行う支出命令がこのような財務会計法規上の義務に違反する違法なものとなることはないと解するのが相当である(最高裁平成23年(行ツ)第406号同25年3月21日第一小法廷判決・民集67巻3号375頁参照)。 イ(ア) これを本件についてみると、前記事実関係等の下においては、第一次 契約は、仮に違法に締結されたものであるとしても、公序良俗に反し私法上無効であるとはいえず、他にこれを私法上無効とみるべき事情もうかがわれないところ、益城町がその取消権又は解除権を有していたとはいえず、また、益城町がBに事実上の働きかけを真しに行えばBにおいてその解消に応ずる蓋然性が大きかったというような、客観的にみて益 城町がこれを解消することができる特殊な事情があったともいえないから、益城町長の支出命令に係る権限が益城町の担当課長に委任されていることを措くとしても(前提事実⑶オ)、訴外Aが第一次契約に基づいて本件支出命令を行ってはならないという財務会計法規上の義務を負っていたとはいえず、本件支出命令がこのような財務会計法規上の義務に 違反する違法なものであったということはできない。 したがって、仮に第一次契約が違法であるとしても、訴外Aが本件支出命令をしてはならない財務会計法規上の義務を負うということはできない。 (イ) これに対し、原告らは、支出負担行為たる第一次契約の したがって、仮に第一次契約が違法であるとしても、訴外Aが本件支出命令をしてはならない財務会計法規上の義務を負うということはできない。 (イ) これに対し、原告らは、支出負担行為たる第一次契約の違法性を是正 するためには、第一次契約の解消までは必要ではなく第一次契約に基づ くBの債務の内容を修正すれば足りるとして、第一次工事の内容を変更することができるのであれば、客観的にみて益城町が第一次契約を解消することができる特殊な事情と同視できると主張する。 しかしながら、仮に第一次工事の内容に係るBの債務の内容を変更することが可能であったとしても、それが当然に益城町が請負代金債務を 免れることを意味するわけではなく(これは、変更の時期や経緯、内容等の諸事情によって左右されると考えられる。)、益城町は、請負代金債務の内容についても変更されない限り、Bに対し同債務を履行すべき義務を負うのであるから、上記特殊事情と同視することはできない。 したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 ⑶ 以上によれば、本件山砂を使用した第一次工事に係る第一次契約が違法に締結されたものであるとは認められず、本件支出命令は適法なものというべきであって、被告の訴外Aに対する損害賠償請求を求める原告らの請求は理由がない。 3 争点⑵(本件第二次契約締結に係る訴外Aに対する損害賠償請求の可否)に ついて⑴ア原告らは、訴外Aが、①本件工法が一般の建築業者が対応できるものではなく、第二次工事に係る本件競争入札においては一定の機器や技術等を有した業者を選定することが適切であったにもかかわらず、本件競争入札の条件として再委託を禁止せずに本件競争入札に参加できる業者を益城町 内の業者に限定したこと、②Eから工事価 の機器や技術等を有した業者を選定することが適切であったにもかかわらず、本件競争入札の条件として再委託を禁止せずに本件競争入札に参加できる業者を益城町 内の業者に限定したこと、②Eから工事価格を3015万円(税抜)とする本件見積りを受けたにもかかわらず、本件競争入札において、第二次工事の予定価格を3630万7000円(税抜)、最低制限価格を3301万7476円(税抜)と定めたことは、裁量権の逸脱・濫用に当たるとして違法であると主張する。 イまず、上記①について検討すると、ロックシェイカー工法は、Eが開発 した工法であるが(前提事実⑴ウ)、本件工法は、ロックシェイカー工法に限定するものではなく、同工法と同等以上の性能のある工法を含むものであり(認定事実⑷ウ(ア))、本件全証拠を検討しても、益城町内の業者が本件工法を実施することができなかったとは認められない(この判断は、結果としてDがEとの間で下請契約を締結したこと(認定事実⑷エ) を踏まえても左右されない。)。また、仮に益城町内の業者が本件工法を実施することができなかったとしても、認定事実⑷イのほか、証拠(甲9、乙16)によれば、第二次工事は、本件工法を用いる粗礫等除去工以外にもグラウンド・コート舗装工など複数の工程から構成されるものであると認められることを踏まえれば、訴外Aが、本件競争入札について、地 元の状況を熟知している益城町内の業者の機動力の活用、地元業者の育成という観点から、再委託を禁止することなく、本件競争入札に参加できる業者を益城町内の業者としたことが不合理であったということはできない。 次に、上記②についてみると、認定事実⑶ウ、⑷イのほか、証拠(甲 7、9、乙16)によれば、第二次工事に係る工事費目の一部(粗礫等除 の業者としたことが不合理であったということはできない。 次に、上記②についてみると、認定事実⑶ウ、⑷イのほか、証拠(甲 7、9、乙16)によれば、第二次工事に係る工事費目の一部(粗礫等除去工、不陸整正など)については、本件見積りにおける工事価格を利用していることが認められるものの、第二次工事に係る工事費目の中には、不陸整正工のうち積込(ルーズ)土砂等運搬及び整地に係る費用や、グラウンド・コート舗装工のうちテニスコートラインテープに係る費用など本件 見積りの対象とされていなかったものや、本件見積りによる単価を採用していないものも存在しており、単純に本件見積りにおける工事価格と比較するのは相当ではない。その他本件全証拠を検討しても、工事費目の決定に不合理な点は認められないから、本件競争入札において、第二次工事の予定価格(3630万7000円(税抜))及び最低制限価格(3301 万7476円(税抜))を本件見積りにおける工事価格(3015万円 (税抜))よりも高額にしたことが違法であるとはいえない。 したがって、原告らの上記主張は採用することができない。 ⑵アまた、原告らは、①第二次工事は一般の建築業者が対応できるものではなかったから、第二次契約は「その性質又は目的が競争入札に適しないもの」(地方自治法施行令167条の2第1項2号)に該当する、②本件競 争入札を行うことによって第二次工事に対応できる業者との間で第二次契約を締結する場合よりも工事金額が高額となるから、「競争入札に付することが不利と認められるとき」(同項6号)に該当するとして、訴外Aが、第二次契約についてEとの間で随意契約を締結せずに本件競争入札を行ったことは、裁量権の逸脱・濫用に当たり、違法であると主張する。 イ(ア) れるとき」(同項6号)に該当するとして、訴外Aが、第二次契約についてEとの間で随意契約を締結せずに本件競争入札を行ったことは、裁量権の逸脱・濫用に当たり、違法であると主張する。 イ(ア) しかしながら、上記①については、前記⑴イのとおり、益城町内の業者が本件工法を実施することができなかったとは認められない。また、この点を措くとしても、同前記のとおり、第二次工事は、本件工法を用いる粗礫等除去工以外にもグラウンド・コート舗装工など複数の工程から構成されるものであるし、第二次工事に係る工事費目の中には、本件 見積りの対象とされていなかったものが存在している上、認定事実⑶ウ、⑷イのほか、証拠(甲7、9、12、乙16)によれば、本件見積りにおける直接工事費に比べて第二次契約における直接工事費の方が低額であると認められるのであるから、結果としてDがEとの間で下請契約を締結したことを踏まえても、訴外Aが、第二次契約について、「そ の性質又は目的が競争入札に適しないもの」に該当すると判断しなかったことが不合理であるということはできない。 (イ) そして、上記②についても、前記(ア)のとおり、第二次契約について、随意契約によることが本件競争入札を選択する場合よりも支出を抑えることができるとはいえず、訴外Aが「競争入札に付することが不利 と認められるとき」(同項6号)に該当すると判断しなかったことが不 合理であるということはできない。 ウそうすると、訴外Aが、第二次契約について、本件競争入札を選択したことには相応の合理性があったというべきであり、随意契約によるという判断をしなかったことが裁量権の逸脱・濫用に当たるとはいえない。 ⑶ したがって、訴外Aが、第二次契約を締結したことが違法であるとはいえ の合理性があったというべきであり、随意契約によるという判断をしなかったことが裁量権の逸脱・濫用に当たるとはいえない。したがって、訴外Aが、第二次契約を締結したことが違法であるとはいえず、被告の訴外Aに対する損害賠償請求を求める原告らの請求は理由がない。 第4 結論 以上によれば、原告らの請求はいずれも理由がないからこれを棄却することとして、主文のとおり判決する。 熊本地方裁判所民事第3部 裁判官佐田崇雄 裁判官上阪凌太郎 裁判長裁判官川崎聡子は、転補のため署名押印することができない。 裁判官佐田崇雄
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