【DRY-RUN】主 文 本件各控訴を棄却する。 理 由 被告人Aの弁護人斎藤実、被告人Bの弁護人加藤広国の各論旨は同弁護人ら提出 の各控訴趣意書にそれぞれ記載する通りであるか
主文 本件各控訴を棄却する。 理由 被告人Aの弁護人斎藤実、被告人Bの弁護人加藤広国の各論旨は同弁護人ら提出の各控訴趣意書にそれぞれ記載する通りであるからこれを引用する。 一、 斎藤弁護人の論旨について<要旨第一>請負人が請負工事の遂行に必要な土木人夫の飯米補給に充てる為め正規の手続によらないで生産者から米の</要旨第一>買い入れを為すととは、たとい右の食糧補給が工事の完遂に必要な条件であつたからと言つて、他に右用米の買入れを自己又は他人の生命、身体、自由若くは財産に対する現在の危難を避ける為め已むととを得たいで為した行為と見なしうる特別の情況がない限り直ちにこれを緊急避難行為として食糧管理法違反の罪を免責せられるものではない。然るに本件に於て原審証人Cの証言によれば弁護人所論の請負工事は被告人が福井県から請負い冬期の渇水期中に竣工を要する足羽川の護岸工事であつて融雪期前に完成しない場合には田地、人家などの財産に対し増水による危難を及ぼすおそれがたいでもたかつたこと、並に同工事の人夫に対し若干の飯米を手当する必要がおつたことけ認められるけれども、それが為め直ちに社会の通念において本件生産者からの米の不法買入れによる外他に工事完遂の義務を尽くす方途がなかつたものと認めるに足る事情はこれを肯定し得ないととろである。従つて原審が弁護人の所論主張を排斥したのは正当であり論旨は理由がない。又諸般の犯情と違反の数量に照らし被告人に対し罰金四万円を科した原審量刑も妥当であるから量刑不当を論ずる主張も採用し難い。 二、 加藤弁護人の論旨について<要旨第二>しかし原審拳示の証拠によると、被告人は米の生産者として本件収穫米の売渡を為すに当り、その相手方の</要旨第二>認識について、所論の如き錯誤を抱い 。 二、 加藤弁護人の論旨について<要旨第二>しかし原審拳示の証拠によると、被告人は米の生産者として本件収穫米の売渡を為すに当り、その相手方の</要旨第二>認識について、所論の如き錯誤を抱いた事情を認め得られないでもないが、行為の有する違法性について十分にとれを認識しながら本件不法の売買契約を締結して即時その米の引渡と代金の授受を行い履行を完了したところを見れば、契約の相手方の如何は本件契約の要素となるものではたく従つて、その点に関する所論被告人の錯誤は何ら契約の成立並に犯罪の責任に消長を及ぼすものではない。又本件違反の数量並に諸般の情状に照らし原審罰金参万円の量刑はさして過重とも認められない。所論は採用出来ない。 そこで各被告人の控訴は理由がないので刑事訴訟法第三百九十六条により主文の通り判決する。 (裁判長判事吉村国作判事小山市次判事沢田哲夫)
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