- 1 -平成19年(た)第1号決定Aに対する住居侵入,強姦,強姦未遂被告事件について平成14年11月27日富山地方裁判所高岡支部が言い渡した有罪の確定判決に対し,富山地方検察庁高岡支部検察官から再審の請求があったので,当裁判所は,検察官及びAの各意見を聴いた上,次のとおり決定する。 主文 本件について再審を開始する。 理由 第1再審請求の趣意Aは「第1平成14年1月14日午前8時30分ころ,盗みの目的で,富山県内所在の被害者B方の無施錠の玄関から屋内に土足のまま侵入し,同所1階廊下においてBを認めるや,Bを強姦しようと思い,Bに対し,「後ろを向け。」などと言って後ろ向きに立たせ,所携のナイフ(刃体の長さ約9.5センチメートル)をBの右頬に突きつけ,所携のビニール紐でその両手を後ろ手に縛り,タオルでその顔を覆った上,Bを2階のB居室まで連れて行き,さらに,同所において「警察には絶対言うな。言ったら殺すぞ。」などと言い,Bをベッドの上に押し倒し,その着衣を剥ぎ取るなどの暴行,脅迫を加えて,その反抗を抑圧した上,強いてBを姦淫し第2同年3月13日午後2時40分ころ,富山県内所在の被害者C方1階8畳間において,Cを強姦しようと思い,Cに対し,その両手をビニール紐で後ろ手に縛り,「声を出すな。」と言って,その口に布を押し込んでその場に押し倒し,さらに,所携の前記ナイフをその首に押し当て,「騒いだらこれで刺してもいいんだぞ。」などと語気鋭く言い,着衣を剥ぎ取って,その陰部を指で弄ぶなどの暴行,脅迫を加えて,その反抗を抑- 2 -圧した上,強いてCを姦淫しようとしたが,Cに抵抗されて時間が経過したことから家人の帰宅を恐れるとともに,泣いているCをかわいそうに思って姦淫を断念したため,強姦の目的を遂げなかったものである。」 圧した上,強いてCを姦淫しようとしたが,Cに抵抗されて時間が経過したことから家人の帰宅を恐れるとともに,泣いているCをかわいそうに思って姦淫を断念したため,強姦の目的を遂げなかったものである。」との事実につき有罪判決を受け確定したものであるが,その後,上記各犯行に対して無罪を言い渡すべき明らかな証拠が発の真犯人はDであって,上記A見されたので,再審を請求するものである。 第2当裁判所の判断 有罪の確定判決の存在Aに対する富山地方裁判所高岡支部平成14年(わ)第67号,第84号住居侵入,強姦,強姦未遂被告事件の判決書謄本及び同事件の記録によれば,富山地方裁判所高岡支部は,平成14年11月27日,前記第1再審請求の趣意中に記載された第1,第2の各事実を認定して,Aに対し,懲役3年に処する旨の判決を言い渡し,同判決は,同年12月12日確定したことを認めることができる。 真犯人の出現被告人Dに対する富山地方裁判所高岡支部平成18年(わ)第156号等住居侵入,強姦未遂,強姦致傷,強制わいせつ,強姦被告事件の記録によれば,Dは,「Dは,強姦の目的で,平成14年1月14日午前8時30分ころ,富山県内所在の被害者B方に無施錠の玄関から侵入し,B方において,Bに対し,所携のナイフ様のものをその右頬付近に突き付け,針金様のものでその両手首を後ろ手に縛り,タオルで目隠しをし,『警察に言うなら,殺してもいいぞ。 脱げ。』等と申し向けるなどの暴行・脅迫を加えて,その反抗を抑圧し,強いてBを姦淫した。」との公訴事実及び「Dは,強姦の目的で,同年3月13日午後2時40分ころ,同県内所在の被害者C方に無施錠の玄関から侵入し,C方において,Cに対し,ビニール紐でその両手首を後ろ手に縛り,所携のナイフ様のものを突き付け,『声出すな。』等と申し向け,その口の 後2時40分ころ,同県内所在の被害者C方に無施錠の玄関から侵入し,C方において,Cに対し,ビニール紐でその両手首を後ろ手に縛り,所携のナイフ様のものを突き付け,『声出すな。』等と申し向け,その口の中に布を押し- 3 -込み,前記ナイフ様のものをCの喉に押し付け,『声を出すな。騒いだらこれで刺してもいいんだぞ。お前脱げ。下脱げ。』等と申し向けるなどの暴行・脅迫を加えて,その反抗を抑圧し,強いてCを姦淫しようとしたが,Cが叫んで抵抗したため,その目的を遂げなかった。」との公訴事実で平成19年2月9日に公訴を提起されたこと,Dは,同年3月2日の同事件の第5回公判期日において,前記各公訴事実について「各公訴事実はいずれも私のやったことに間違いありません。」と陳述していること,同期日に取り調べられた証拠(以下の括弧内の甲乙の番号は同事件の検察官請求証拠の番号を示す。)中には,前記各公訴事実に係る犯行を認めて犯行態様等を具体的に供述する内容のDの警察官調書及び検察官調書,Dが前記各公訴事実に係る犯行現場に警察官を案内した引当て捜査報告書並びに別件の石川県内の強姦事件(この事件における被害者の膣内容物中のヒト精液のDNA型はDの口腔内細胞のDNA型と合致している。)の犯行現場に遺留された足跡と前記Cに係る犯行現場に遺留された足跡は同種足跡であり,同一の運動靴により印象されたものであると推定されることを裏付ける鑑定嘱託書(謄本),「鑑定書の送付について」と題する書面(鑑定書添付)(謄本),Dの任意提出書(謄本),領置調書(謄本)及び「鑑定結果について(合致推定回答)」と題する書面(鑑定書添付)が存在していること,これらの証拠はいずれも前記1の判決確定後に作成されたものであることを認めることができる。 以上の事実によれば,前記1の判決確定後,同判決 致推定回答)」と題する書面(鑑定書添付)が存在していること,これらの証拠はいずれも前記1の判決確定後に作成されたものであることを認めることができる。 以上の事実によれば,前記1の判決確定後,同判決の有罪認定に係る各犯行の真犯人はDであることを示す証拠が発見されたといえるから,前記1の確定判決については,刑事訴訟法435条6号に定める事由が認められる。 結論 そうすると,本件再審の請求は理由があるから,刑事訴訟法448条1項により,本件について再審を開始することとし,主文のとおり決定する。 平成19年4月12日- 4 -富山地方裁判所高岡支部藤田敏裁判長裁判官源孝治裁判官大野正男裁判官
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