令和4年7月14日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和元年(行ウ)第12号不作為違法確認等請求事件(第1事件)令和2年(行ウ)第19号国家賠償等請求事件(第2事件)口頭弁論終結日令和4年3月22日判決当事者の表示別紙1当事者目録記載のとおり主文 1 本件各訴えのうち、別紙2主文関係目録記載の各請求に係る部分をいずれも却下する。 2 原告らのその余の請求をいずれも棄却する。 3 訴訟費用は原告らの負担とする。 事実 及び理由第1 請求【第1事件】1⑴ 主位的請求Xが平成21年5月11日付けで損害賠償請求をし、令和元年5月17日までに加害者米兵に対する損害賠償を命じる判決が確定し、かつ、アメリカ合衆国から支払われる補償金の額が上記確定判決で認容された金額に満たないことが確定したにもかかわらず、被告が、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることを確認する。 ⑵ 予備的請求1原告らが、平成30年7月27日付けで損害賠償請求及び公務外損害補償請求をし、令和元年5月17日までに加害者米兵に対する損害賠償を命じる判決が確定し、かつ、アメリカ合衆国から支払われる補償金の額が上記確定判決で認容された金額に満たないことが確定したにもかかわらず、被告が、合衆国軍隊等 の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることを確認する。 ⑶ 予備的請求2原告らが、令和元年5月17日付けでしたSACO見舞金支給申請に対して、被告が、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることを 原告らが、令和元年5月17日付けでしたSACO見舞金支給申請に対して、被告が、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることを確認する。 2⑴ 被告は、原告Aに対し、1248万2607円及びうち868万8333円に対する平成30年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支給する旨の決定をせよ。 ⑵ 被告は、原告Bに対し、1248万2607円及びうち868万8333円に対する平成30年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支給する旨の決定をせよ。 【第2事件】(第1事件に係る請求2に対する予備的請求) 1 被告は、原告Aに対し、875万3286円及びこれに対する令和元年5月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 被告は、原告Bに対し、875万3286円及びこれに対する令和元年5月23日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 事案の要旨亡X(以下「亡X」という。)は、平成20年に発生した沖縄に駐留するアメリカ合衆国の軍隊(合衆国海兵隊)に所属するアメリカ合衆国(以下、「合衆国」又は「米国」ということがある。)の国籍を有する兵2名(以下「加害者米兵ら」という。)による強盗傷害事件(以下「本件事件」という。)の被害者であり、平成▲年▲月▲日、死亡した。原告A(以下「原告A」という。)は、亡Xの妻、原告B(以下「原告B」という。)は、亡Xと原告Aの間の子であり、原告らは、いずれも、亡Xの加害者米兵らに対する損害賠償請求権を相続したものである。 亡Xは、平成21年5月11日、沖縄防衛局長に対し、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令(なお、同令は、複数回にわた る損害賠償請求権を相続したものである。 亡Xは、平成21年5月11日、沖縄防衛局長に対し、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令(なお、同令は、複数回にわたり、題名の改正がされているが、以下、題名の改正の前後を問わず、「本件省令」という。)4条1項前段の規定に基づき、損害賠償請求書を提出した。 その後、原告らは、平成30年7月5日、加害者米兵らに対し、亡Xの相続人である原告らに本件事件により亡Xに生じた損害を賠償することを命じる旨の判決(以下「本件確定判決」という。なお、本件確定判決が確定した日は、同月19日である。)を得た上で、同月27日、本件省令4条1項前段の規定に基づき、損害賠償請求書を、令和元年5月17日、SACO見舞金支給申請書を、それぞれ沖縄防衛局長に対して提出した。 ⑴ 第1事件第1事件は、原告らが、沖縄防衛局長の所属する被告(国)に対し、①主位的に、亡Xがした次のアの書面の提出が、予備的に、原告らがした次のイ又はウの各書面の提出が、それぞれ行政事件訴訟法3条5項及び同条6項2号にいう「申請」に当たることを前提として、同法37条の規定に基づき、沖縄防衛局長が、本件省令15条に基づく処分をしないことが違法であることの確認を求めるとともに、行政事件訴訟法37条の3第1項の規定に基づき、本件省令15条によって支給されるべき、本件確定判決において認容された額と米国が日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基く施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和35年条約第7号。以下「地位協定」という。)18条6項に基づき原告らに支払った慰謝料(以下、地位協定18条6項に基づく慰謝料を「米国見舞金」といい、原告らに支払われた米国見舞金を「本件米国見 昭和35年条約第7号。以下「地位協定」という。)18条6項に基づき原告らに支払った慰謝料(以下、地位協定18条6項に基づく慰謝料を「米国見舞金」といい、原告らに支払われた米国見舞金を「本件米国見舞金」という。)の額との差額につき、それを支給する旨の決定をすることの義務付け(以下、本件各訴えのうち同請求に係る部分を「本件義務付けを求める部分」という。)を求める事案である。 ア亡Xが、平成21年5月11日、沖縄防衛局長に対してした本件省令4条1 項前段の規定に基づく損害賠償請求書の提出イ原告らが、平成30年7月27日、沖縄防衛局長に対してした本件省令4条1項前段の規定に基づく損害賠償請求書の提出ウ原告らが、令和元年5月17日、沖縄防衛局長に対してしたSACO見舞金支給申請書の提出⑵ 第2事件第2事件は、原告らが、本件義務付けを求める部分に係る予備的請求として、沖縄防衛局長が、本件確定判決における認容額のうち、いわゆる元金に相当する部分の額と本件米国見舞金の額との差額について見舞金を支給する旨の手続をしなかったことが違法な公権力の行使であると主張し、国家賠償法1条1項に基づき、原告らの各自に対し、それぞれ875万3286円及びこれに対する令和元年5月23日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前のもの。以下同じ。)所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 関連法令等の定め別紙3関連法令等の定めのとおりである(なお、同別紙において定めた略称は、以下においても用いることとする。また、読みやすさの観点から、法令等の文言の一部につき、従前定義した略称を用いて簡略化して記載したり、通常のいわゆる公用文又は判決文の例に従って形式的な修正を施したりした部分がある。)。 する。また、読みやすさの観点から、法令等の文言の一部につき、従前定義した略称を用いて簡略化して記載したり、通常のいわゆる公用文又は判決文の例に従って形式的な修正を施したりした部分がある。)。 3 前提事実(当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実)⑴ 当事者等ア亡Xは、昭和●年●月●日生まれの男性であり、原告Aは、亡Xの妻である。 原告B、C(以下「C」という。)及びD(以下「D」という。)は、いずれも亡Xと原告Aとの間の子である。 イ亡Xは、平成▲年▲月▲日、死亡した。 亡Xの相続人は、原告ら、C及びDであり、それぞれその法定相続分は、原告Aが2分の1、原告B、C及びDが各6分の1である。 ⑵ 被告が見舞金を支給する制度(以下「本件見舞金支給制度」という。)を創設した経緯及び本件見舞金支給制度の推移等ア本件見舞金支給制度は、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為(以下、公務を執行している合衆国軍隊の構成員又は被用者の作為若しくは不作為又は合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故(以下「公務上の行為」ということがある。)以外の行為のことを「公務外の行為」ということがある。)により他人に損害を与えた場合で、かつ、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項により救済されない直接の被害について、被告がその救済の必要を認めた場合に見舞金を支給するものであり、昭和27年2月28日に締結された行政協定18条及び同年4月28日に成立した民事特別法を受けて、昭和27年閣議決定により創設された制度である。 イ行政協定18条は、合衆国軍隊の構成員又は被用者による不法行為について、公務上の行為による損害の賠償を求める請求については、日本国が 法を受けて、昭和27年閣議決定により創設された制度である。 イ行政協定18条は、合衆国軍隊の構成員又は被用者による不法行為について、公務上の行為による損害の賠償を求める請求については、日本国が被害者に対して賠償金を支払い、被害者に支払った額を日本国政府及び米国政府(以下「日米両政府」という。)が合意する条件で分担して負担する旨を定めるとともに(同条3項)、公務外の行為による損害の賠償を求める請求については、日本国政府が作成する報告書を踏まえ、米国において慰謝料の支払の申出をするか否かを決定し、一定の条件の下で、米国の当局が一定の額を自ら支払う旨を定めている(同条5項)。また、我が国においては、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為により第三者に生じた損害について、民事特別法が制定され、同法1条は、国がその損害を賠償する責任を負う旨を定めている。 上記のような法令等の定めを前提として、日米両政府間で公務上の行為か 否か等について協議が難航し、結果的に被害者に対して補償金が支払われず、犠牲を強いる蓋然性があることから、国は、昭和27年閣議決定をすることにより、行政協定18条3項に係る補償金(日本国が合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為による被害者に対して支払う金員)を支給する基準を定めるとともに、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為により他人に損害を与えた場合で、かつ、民事特別法及びその他の法令又は行政協定18条5項により救済されない直接の被害については、国がその救済の必要を認めた場合に見舞金を支給することとして、被害者に対する救済を実効的なものとすることとした。 昭和27年総理府令は、昭和27年閣議決定を受け、昭和27年閣議決定に定める上記の補償金及び見舞金に係る支給手続を定めている 支給することとして、被害者に対する救済を実効的なものとすることとした。 昭和27年総理府令は、昭和27年閣議決定を受け、昭和27年閣議決定に定める上記の補償金及び見舞金に係る支給手続を定めているところ、見舞金については、調達局長が支給する必要があると認めたときに、調達庁長官に対して報告し、調達庁長官において、審査及び調査を踏まえて、見舞金を支給する必要がある旨を決定した場合に、これを支給するものとする旨を定めている。また、昭和27年総理府令は、補償金については、補償金の額の決定についての不服申立ての手続を定めたが、見舞金についての不服申立ての手続を定めていない。 ウ日本と米国は、昭和35年、日米安全保障条約6条に基づき、行政協定に代わるものとして、地位協定を締結した。 地位協定18条は、行政協定18条の内容をおおむね踏襲し、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為によって第三者に生じた損害については、日本国が被害者に対して賠償金を支払い、被害者に支払った額を地位協定18条5項においてあらかじめ定められた割合に従って日米両政府が分担して負担する旨を定め(同条5項)、他方、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為による損害の補償を求める請求については、日本国が作成する報告書を踏まえ、米国において慰謝料の支払の申出をするか否かを決定 し、当該申出をする場合には、一定の条件の下で、米国政府が自ら一定の額の慰謝料を支払う旨を定めている(同条6項)。 そして、昭和35年閣議決定は、地位協定18条5項に係る補償金(同項にいう賠償金であり、日本国が合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為により損害を受けた被害者に対して支払う金員)を支給する基準について、昭和27年閣議決定に定める基準による旨を定めるとともに、合衆 賠償金であり、日本国が合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務上の行為により損害を受けた被害者に対して支払う金員)を支給する基準について、昭和27年閣議決定に定める基準による旨を定めるとともに、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為により他人に損害を与えた場合で、かつ、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項により救済されない直接の被害については、昭和27年閣議決定と同様、国がその救済の必要を認めた場合に見舞金を支給する旨を定めた。 これを受けて、本件省令(ただし、制定当時のもの)が定められ、本件省令は、上記の補償金及び見舞金を支給する手続を具体的に定めた。なお、本件省令が制定された際、昭和27年総理府令において定められていた補償金に係る不服申立ての手続が削除された。 その後、見舞金の支給について、見舞金は、合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為により他人に損害を与えた場合であって、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害につき国が救済を必要と認めたときに支給することができる旨等を定める昭和39年閣議決定がされ、昭和27年閣議決定及び昭和35年閣議決定は廃止された。 エ沖縄県民の負担を軽減し、それによりいわゆる日米同盟関係を強化する目的で、平成8年12月2日、SACO最終報告が取りまとめられ、その中で、地位協定の運用の改善の1つとして、地位協定18条6項の規定に基づく米国政府の支払の額が裁判所の確定判決の額に満たない場合に、日本国政府が、必要に応じてその差額を埋めるため、当該差額を支払う努力をする旨の内容が盛り込まれた。 これを受け、国は、昭和39年閣議決定にいう「民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項の規定により救済されない 額を埋めるため、当該差額を支払う努力をする旨の内容が盛り込まれた。 これを受け、国は、昭和39年閣議決定にいう「民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害」に上記の差額が該当し、これに対して昭和39年閣議決定が定める見舞金を支給することができる旨の取扱いをすることとし、防衛施設庁総務部長が、平成10年1月13日、部長通知を発出し、平成8年12月3日以降に地位協定18条6項の規定による補償金の支払を受けた事案で一定の基準を満たすものについて、見舞金(SACO見舞金)を支払うこととした。 その後、具体的な支給の手続等について、本件実施要領が発出されたほか、局長通知(なお、局長通知により、部長通知は廃止された。)も発出され、現在は、SACO見舞金の支給は、局長通知及び本件実施要領に基づいて運用されている。 ⑶ 本件事件の発生及び亡Xの被った被害の状況ア亡Xは、タクシー運転手として勤務していたところ、平成20年1月7日、Y及びZ(加害者米兵ら)による強盗傷害事件(本件事件)の被害に遭った。 (甲1)那覇地方裁判所は、同年6月5日、加害者米兵らに対し、本件事件について有罪を言い渡す旨の判決の宣告をし、同判決は、その頃、確定した。(甲1)イ亡Xは、本件事件により、頭部裂傷、頚椎捻挫並びに左肩及び左上腕打撲の各傷害を負うとともに、本件事件の際に受けた暴行により、うつ病、外傷後ストレス障害(PTSD)及び不眠症にり患し、入院及び通院による治療を受けていたが、平成▲年▲月▲日、がんにより死亡した。 ⑷ 加害者米兵らに対する民事訴訟の提起等ア原告Bは、平成29年にCから、平成30年にDから、それぞれ、C又はDが相続した亡Xの加害者米兵らに対する本件事件に係る共同不法行為に基づく した。 ⑷ 加害者米兵らに対する民事訴訟の提起等ア原告Bは、平成29年にCから、平成30年にDから、それぞれ、C又はDが相続した亡Xの加害者米兵らに対する本件事件に係る共同不法行為に基づく損害賠償請求権(亡Xが有していた同請求権の6分の1の金額に相当する請求権)を譲り受け、亡Xが有していた同請求権の2分の1の金額に相当する 請求権を有するに至った。 イ原告らは、平成29年12月27日、那覇地方裁判所沖縄支部に対し、加害者米兵らを被告として、本件事件に係る共同不法行為に基づく損害の賠償を求めて、訴えを提起した(同支部平成29年第399号。以下「本件民事訴訟」という。)。 同支部は、平成30年7月5日、亡Xが、本件事件により、頭部裂傷、頚椎捻挫並びに左肩及び左上腕打撲の各傷害を負うとともに、うつ病、外傷後ストレス障害(PTSD)及び不眠症にり患し、入院治療及び通院治療の結果、平成22年11月26日に症状固定したものの、うつ病、外傷後ストレス障害(PTSD)及び不眠症の後遺障害(自動車損害賠償保障法施行令別表第二における第9級に相当するもの)が残ったと認め、原告らの請求のうち、原告ら各人に対し、それぞれ連帯して、損害金元金868万8333円(以下「本件元金部分」という。)及び本件事件が生じた平成21年1月7日から本件民事訴訟に係る口頭弁論の終結の日である平成30年6月7日までに生じた確定遅延損害金452万5074円(以下「本件確定遅延損害金部分」という。)の合計1321万3407円並びに本件元金部分に対する同月8日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、その余の請求をいずれも棄却する旨の判決(本件確定判決)を言い渡した。 本件確定判決は、同年7月19日、確定した。 済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で認容し、その余の請求をいずれも棄却する旨の判決(本件確定判決)を言い渡した。 本件確定判決は、同年7月19日、確定した。 (以上につき、甲2、弁論の全趣旨)⑸ 亡X及び原告らがした米国に対する損害賠償請求等ア亡Xは、平成21年5月11日、E弁護士(以下「E弁護士」という。)を代理人として、沖縄防衛局長に対し、本件省令4条1項前段の規定に基づき、1710万8745円の損害の賠償を請求した。 E弁護士は、亡Xの代理人として、平成22年4月30日及び平成23年1 0月27日の2回にわたり、亡Xの相続人代表であった原告Bの代理人として、平成25年7月26日及び平成26年10月21日の2回にわたり、沖縄防衛局長に対し、本件省令4条1項前段の規定に基づき、それぞれ上記損害賠償請求の額を訂正する損害賠償請求書を提出して、損害の賠償を請求した。 (甲8~13)イ原告らは、平成29年9月頃、本件各訴えにおける原告ら訴訟代理人ら(以下「原告ら代理人」という。)に対し、本件省令に基づく損害賠償請求に関する法律事務を委任した。 原告ら代理人は、同月12日、沖縄防衛局に対し、亡Xがした合衆国軍隊に対する損害賠償請求の手続の回数、内容、支払の有無や手続の状況等について問い合わせる旨の質問状を送付した。(甲8)沖縄防衛局管理部業務課は、同月15日、原告ら代理人に対し、上記質問状について回答した。その中で、米国が支払に応じていない理由については、本件事件が公務外の行為によるものであり、損害額を算定するに当たり、症状の固定を確認する必要があり、症状の固定に係る医療機関の診断を待っていたことに加え、5回にわたる請求について必要な各種証明書について不足 が公務外の行為によるものであり、損害額を算定するに当たり、症状の固定を確認する必要があり、症状の固定に係る医療機関の診断を待っていたことに加え、5回にわたる請求について必要な各種証明書について不足があり、その提出を待っていたことから、米国に対し、損害賠償請求書の送付ができていない旨を回答した。(甲8)ウ米国政府は、平成29年11月9日、原告らに対し、本件事件に係る原告らの損害賠償請求につき、原告らが、当該損害賠償請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に、146万1600円の支払をすることとしたので、その旨を記載した示談書(以下「本件示談書①」という。)に署名等をし、送付するよう通知した。(甲14の1・2)エ原告ら代理人は、平成29年11月29日、沖縄防衛局を通じて、米国政府に対し、本件示談書①には、米国に対する請求権を放棄するのみならず、加害者米兵ら、米国政府及びその職員並びに代行者、被用者に対する請求権を放棄 する旨の記載があるが、加害者米兵らに対する民事訴訟(本件民事訴訟)の提起を予定していることから、加害者米兵らに対する請求権の放棄には応じられないとして、当該部分を削除した後の本件示談書①を提出した。(甲15)米国政府は、上記の部分が削除された本件示談書①によっては、米国見舞金を支払うことはできないとして、原告らに対し、米国見舞金を支払わなかった。 オ原告らは、米国による米国見舞金の支払がなく、さらに本件確定判決を得たことから、平成30年7月27日、沖縄防衛局に対し、本件省令4条1項前段の規定に基づき、原告らの請求額を合算した2642万6814円及びうち1737万6666円に対する同年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求額とする損害賠償請求書を提出するとともに、同額を地 に基づき、原告らの請求額を合算した2642万6814円及びうち1737万6666円に対する同年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を請求額とする損害賠償請求書を提出するとともに、同額を地位協定18条6項に基づき請求する旨の公務外損害補償請求書も提出した。(甲16、17)カ米国政府は、平成31年4月26日、原告らがした前記オの請求に対し、原告らが、当該請求を完全に満たす最終的解決として同意することを条件に、146万1600円の支払をすることとしたので、その旨を記載した示談書(以下「本件示談書②」という。)に署名等をし、送付するよう通知した。(甲18の1・2)原告らは、令和元年5月17日、本件示談書②に署名及び押印をして、沖縄防衛局を通じて、これを米国政府に送付し、米国から、146万1600円(本件米国見舞金)の支払を受けた。(甲19)⑹ SACO見舞金の支給の申請等ア沖縄防衛局の担当者は、令和元年5月17日、原告ら代理人に対し、本件示談書②の提出を受けた際、SACO見舞金を支給する対象となり得ることから、原告らが、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件確定判決における認容額である本件元金部分及び本件確定遅延損害金部分の合計2642万6814円(以下「本件認容額」という。)から米国から支払われた本件 米国見舞金146万1600円及び本件確定遅延損害金部分905万0148円を差し引いた残額1591万5066円の支給を求める旨が記載されたSACO見舞金支給申請書の文案を提示した。(乙20)しかし、原告ら代理人は、本件確定遅延損害金部分を差し引くことはできないとして、同日、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件認容額2642万6814円と米国から支払われた本件米国見舞金146万160 原告ら代理人は、本件確定遅延損害金部分を差し引くことはできないとして、同日、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金として、本件認容額2642万6814円と米国から支払われた本件米国見舞金146万1600円との差額である2496万5214円を支給することを求める旨が記載されたSACO見舞金支給申請書を提出した。(甲20)イ沖縄防衛局長は、原告らに対し、SACO見舞金として、1591万5066円を支給する旨を回答し、上記のSACO見舞金を受け取ることを受諾し、今後いかなる申立てもしないことを約束する旨が記載されたSACO見舞金受諾書(以下「本件見舞金受諾書」という。)を提出するよう求めたが、原告らは、本件見舞金受諾書の提出を拒否し、現在に至るまで、本件見舞金受諾書を提出していない。(乙17)なお、沖縄防衛局長は、現在に至るまで、原告らに対し、SACO見舞金を支給していない。 ウ原告らは、令和元年8月14日、第1事件に係る訴えを提起した。 4 争点(本案前の争点)⑴ 地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいてSACO見舞金を支給することの処分性(争点1)⑵ 本件義務付けを求める部分の適法性(争点2)(本案の争点)⑶ 地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいて見舞金の額を決定することによって処分をしないことの違法性(争点3)⑷ 被告が原告らに対して本件認容額と本件米国見舞金の額との差額(以下「本件 差額1」という。)と同額のSACO見舞金を支給しないことの違法性(争点4)⑸ 被告が原告らに対して本件元金部分と米国見舞金の額との差額(以下「本件差額2」という。)と同額のSACO見舞金を支給しないことの違法性(争点5)⑹ 損害の発生及びその額(争点6) 5 当事者の主張⑴ 争点1(地方防衛局長が本件 国見舞金の額との差額(以下「本件差額2」という。)と同額のSACO見舞金を支給しないことの違法性(争点5)⑹ 損害の発生及びその額(争点6) 5 当事者の主張⑴ 争点1(地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいてSACO見舞金を支給することの処分性)について(原告らの主張)アSACO見舞金は、本件省令14条及び15条に基づき支給されるものであるところ、内閣は、行政権及び法律に基づき付与された事務を行うために政令を制定する権限を有し(憲法65条、73条)、昭和27年総理府令及び本件省令は、上記内閣の政令制定権に基づき制定されたものであるから、上記総理府令及び本件省令は「法令」に該当する。 そして、昭和27年総理府令及び本件省令は、閣議決定(平成27年閣議決定ないし昭和39年閣議決定)に基づいて制定されたものであるところ、上記各閣議決定は、いずれも見舞金の支給に関する一応の基準を定めている。本件省令は、上記各閣議決定を受けて、その支給手続を定め、SACO見舞金について、被害者に損害賠償請求書及び公務外損害補償請求書(本件省令11条)を提出させ、その提出を受けた地方防衛局長ないし防衛大臣は、所定の手続をしなければならず、損害賠償請求書を提出した被害者について、SACO見舞金を支給する必要があるときは、その金額を決定し、その支払手続を取らなければならない旨規定している(本件省令15条)。 本件省令の定めによれば、①被害者等は、損害賠償請求書を提出しなければ、SACO見舞金の支給を受けることができず(本件省令4条、14条)、②被害者等が、損害賠償請求書を提出した時点においては、当該加害者の行為が公務上の行為か公務外の行為かが判然としないため、損害賠償請求書 を提出した後に公務外の行為であることが明らかになった場 害者等が、損害賠償請求書を提出した時点においては、当該加害者の行為が公務上の行為か公務外の行為かが判然としないため、損害賠償請求書 を提出した後に公務外の行為であることが明らかになった場合には、その時点で、公務外損害補償請求書を再度提出することとされ(本件省令4条、6条2項、11条)、③SACO見舞金支給申請書を提出することではなく、損害賠償請求書を提出することが、被害者等がSACO見舞金の支給を受けるための要件として規定されている(本件省令14条)ことが認められる。 このような本件省令の定めからすれば、被害者による損害賠償請求書ないし公務外損害補償請求書の提出は、「法令に基づく申請」に当たる。 なお、本件省令は、「見舞金を支給する必要があると認めたとき」と定めて、国が、見舞金を支給する必要があるか否かを判断する一定の裁量権を有する旨を明らかにしていると解されるが、局長通知には、SACO見舞金を支給する対象者となるべき基準が明確に定められており、当該基準を満たすにもかかわらず見舞金を支給しないという裁量権を国が有するものではない。このように、省令に基づいて定められた基準がある以上、被害者が損害賠償請求書を提出する行為は、法令に基づく申請に該当するものというべきである。 以上によれば、被害者が損害賠償請求書を提出したことによる申請を前提として、地方防衛局長ないし防衛大臣は、申請の内容について審査する義務があり、審査の結果、SACO見舞金を支給する必要があるときという要件が満たされる場合は、その支給の必要性を認めて支給額を決定しなければならないという義務が生じるから、本件省令の明文上、地方防衛局長には、被害者が提出した損害賠償請求書に基づく申請に対して応答すべきことが予定されているのであり、支給額の決定は、その支給に係る申 ればならないという義務が生じるから、本件省令の明文上、地方防衛局長には、被害者が提出した損害賠償請求書に基づく申請に対して応答すべきことが予定されているのであり、支給額の決定は、その支給に係る申請をした被害者に対し、SACO見舞金の支給請求権を付与するものと解される。 また、SACO見舞金の支給手続は、国が、政治的、社会的な観点から、公共政策の一環として被害者を救済するために創設した手続であるところ、その原資が専ら税金であり、犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害 者等の支援に関する法律(以下「犯罪被害者支援法」という。)に基づく犯罪被害者等給付金の制度と同様、被害者である国民に生じた被害の救済を図る趣旨の制度であるから、公権力の行使に係る行為と解するのが相当である。 したがって、SACO見舞金の支給額を決定することは、公権力の主体である国が行う行為のうちで、その行為により直接国民の権利を形成することが法律上認められているものに該当する。なお、本件省令には、SACO見舞金の支給に関する行政庁の応答に対する不服申立てに関する規定はないが、そのことは、SACO見舞金の支給額を決定することが処分性を有することを左右しない。 イ被告は、見舞金の支給に関する昭和39年閣議決定及び本件省令は、被害者等の法律上の地位に影響を及ぼさず、かつ、国の国民に対する法律上の義務を定めたものでもない旨主張し、昭和39年閣議決定の内容が抽象的であって、具体的な支給の内容や要件を何も規定していないことがこれを裏付けている旨主張する。 しかし、昭和27年閣議決定、昭和35年閣議決定及び昭和39年閣議決定は、いずれも、見舞金の支給の基準を定め、その手続を所管の大臣に委任しているから、その内容が抽象的であるとはいえない。 その上で、本件にお 和27年閣議決定、昭和35年閣議決定及び昭和39年閣議決定は、いずれも、見舞金の支給の基準を定め、その手続を所管の大臣に委任しているから、その内容が抽象的であるとはいえない。 その上で、本件においては、被害者等がSACO見舞金の支給を受ける要件を満たしたときに、国に見舞金を支給する義務が生ずるか否かが問題となるのであり、被害者等が民事上有する法的地位に影響を与えるか否かが問題となるわけではないから、SACO見舞金を支給することが被害者等の法律上の地位に影響を及ぼすか否かは、問題とはならない。また、憲法上、法律の委任がないにもかかわらず政令によって罰則を科すことは許されないが、政令によって国に義務を課すことは可能であり、また、内閣は、憲法によって付与された行政権に基づき、その最高位の決定である閣議決定を 通じて内閣及び各行政部局に義務を課すことができ、事実上、国民の権利及び利益にも影響を与えていると解されるから、被告の主張は、失当である。 被告は、SACO見舞金の支給は、被害者の加害者に対する損害賠償請求権に消長を来さないことをもって、SACO見舞金の支給決定が処分ではないと主張するが、SACO見舞金は、損害補償の性格を有するものであるから、被害者がSACO見舞金の支給を受けた場合、被害者の加害者に対する損害賠償請求権は、SACO見舞金相当額において消失すると解すべきであり、被告の主張は、SACO見舞金の支給額を決定することが処分に該当することを左右しない。 また、被告は、SACO見舞金の支給に関する権利義務は、本件省令15条1項に基づく見舞金の額の決定に加え、被害者等からの見舞金受諾書が提出されることによって発生するものであるから、見舞金の額を決定すること自体は、行政の内部的な行為にすぎず、被害者等に実体法上の見舞 条1項に基づく見舞金の額の決定に加え、被害者等からの見舞金受諾書が提出されることによって発生するものであるから、見舞金の額を決定すること自体は、行政の内部的な行為にすぎず、被害者等に実体法上の見舞金支給請求権を付与するものとは解されないとも主張する。 しかし、本件省令は、見舞金を支給する必要があることが見舞金を支給するための要件である旨を規定しているものの、見舞金受諾書の提出を義務付ける規定はなく、本件省令8条1項が、公務上の不法行為に係る賠償金の請求につき、国が示談をする場合に、同意書の提出を義務付け、見舞金の支給との間で、手続に差異を設けていることからしても、被害者等が見舞金受諾書を提出することは、SACO見舞金の支給を受けるための要件ではなく、見舞金受諾書は、SACO見舞金を受領したことを証する領収書としての性格を有するにすぎない。 また、見舞金の額を決定することが行政の内部的な行為であるとしても、国民に何らかの法的利益を付与する行政的措置をとる場合、様々な理由から法律の制定を待つことなく、行政的な措置のみによって国民に行政上の法的利益を付与することは何ら法治主義に反しないから、行政の内部の手 続が、行政上の申請をした者に対して何らかの法的地位を認める趣旨で定められる場合が十分に存し得るというべきである。 したがって、見舞金受諾書は、SACO見舞金の支給要件ではないから、被告の主張は認められない。 ウ被告は、被害者等に対して見舞金の支給の申請をすることができる旨を定めた規定や、当該申請に対して支給決定又は不支給の決定をするなどして受給権の存否を判断し、応答するという審査権限を定めた規定がない旨主張する。 しかし、本件省令11条は、合衆国軍隊の構成員又は被用者が公務以外の行為により第三者に被害を与えた場合に をするなどして受給権の存否を判断し、応答するという審査権限を定めた規定がない旨主張する。 しかし、本件省令11条は、合衆国軍隊の構成員又は被用者が公務以外の行為により第三者に被害を与えた場合に、地方防衛局長が被害者等に対して公務外損害補償請求書を提出させる旨を、本件省令12条は、地方防衛局長が、上記の公務外損害補償請求書の内容を審査すべき旨をそれぞれ規定し、これを前提として、本件省令14条が、地方防衛局長は、見舞金を支給する必要があると認めたときは、その支給について防衛大臣と協議しなければならない旨を定めているから、本件省令は、被害者等がする見舞金を含む損害賠償に関する申請の手続とそれに対応して国が当該申請を審査すべき義務を定め、SACO見舞金を支給する要件を満たした被害者等に対し、SACO見舞金を支給する行政上の義務を負わせているものと解すべきである。 被告は、本件省令14条にいう「損害賠償請求書を提出したもの」とは、SACO見舞金の支給対象者の範囲を明らかにするものであり、申請権を定めたものではないと主張する。しかし、SACO見舞金は、損害賠償請求書を提出しなければ、支給を受けることができない上、損害賠償請求書提出時には、被害者において当該加害者の行為が公務上の行為か公務外の行為かについて判然とせず、損害賠償請求書を提出し、公務外の行為であることが明らかになった時点で、公務外損害補償請求書を再提出することとされ ており、かつ、SACO見舞金支給申請書の提出が定められていないことからすれば、損害賠償請求書の提出は、SACO見舞金の支給を受けるための要件であり、かつ、これがSACO見舞金の支給に係る「申請」に当たると解すべきである。 エ被告は、本件省令が定める賠償金の支払手続は、私法上の示談に関する手続を定 O見舞金の支給を受けるための要件であり、かつ、これがSACO見舞金の支給に係る「申請」に当たると解すべきである。 エ被告は、本件省令が定める賠償金の支払手続は、私法上の示談に関する手続を定めたものであり、本件省令が定める見舞金の支払手続も、国が裁量によって支給するものであって、見舞金の支給が、公権力の行使としての性質を有することを裏付けるものではない旨主張する。 しかし、2つの手続が、同じ省令の中に定められているからといって、これらの手続の法的性質が同じであると解すべき根拠はない上、本件省令においては、国が示談をする場合に、同意書の提出を義務付けている公務上の不法行為に係る賠償金の支払手続(本件省令8条1項)とは異なり、見舞金の支払手続については、見舞金受諾書を提出することを見舞金を支給するための要件としていないから、被告の主張は、失当である。 被告は、SACO見舞金の支給制度が、被害者と国との間の示談契約を前提とするものであり、SACO見舞金受諾書が当該契約に係る契約書に該当する旨主張するが、SACO見舞金の支給を受ける被害者は、国が安全保障の観点から日米安全保障条約に基づき駐留させている米軍の構成員たる米軍人等により一方的に被害を被ったものであり、当該被害者と国とが対等な立場で行う示談交渉をするという前提を欠いており、被告の主張は当たらない。 (被告の主張)ア抗告訴訟の対象となる処分とは、行政庁の法令に基づく行為の全てを意味するものではなく、公権力の主体たる国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される。 イ次のとおり、地方防衛局長が、SACO見舞金の額を決定することは、抗告訴訟の対象となる処分 権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される。 イ次のとおり、地方防衛局長が、SACO見舞金の額を決定することは、抗告訴訟の対象となる処分に該当しない。 aSACO見舞金は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為による損害について救済を図るため支給されるものであるところ、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為による損害について、地位協定には見舞金に関する定めはなく、昭和39年閣議決定も、SACO見舞金の支給について、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項により救済されない直接の被害につき、国が救済を必要と認めたときに支給することができると定めるにとどまり、見舞金の支給に係る内容や要件について何ら具体的に定めることなく、支給の手続については、防衛大臣が定める旨を定めるのみである。 本件省令も、支給の手続について、本件省令14条が、地方防衛局長は、被害者又はその遺族で、損害賠償請求書を提出したものに対し、見舞金を支給する必要があると認めたときは、その支給について防衛大臣と協議しなければならない旨を、本件省令15条1項が、地方防衛局長は、本件省令14条の協議の結果、見舞金を支給する必要があるときは、見舞金の額を決定し、その支払手続をとらなければならない旨を、それぞれ定めるにとどまり、具体的な支給の内容及び要件について規定を置いておらず、局長通知において初めて、その支給内容及び要件が概括的に定められ、本件実施要領が、具体的な支給手続及び支給額を定めている。 b そもそも、一般に閣議決定は、内閣の意思決定であり、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督するに際しての方針を定めるものにすぎないから、閣議決定それ自体は、外部にその効力を及ぼし、国民の具体的な権利義務 そもそも、一般に閣議決定は、内閣の意思決定であり、内閣総理大臣が行政各部を指揮監督するに際しての方針を定めるものにすぎないから、閣議決定それ自体は、外部にその効力を及ぼし、国民の具体的な権利義務を形成し又はその範囲を確定する効力は有しないところ、昭和39年閣議決定は、上記のとおり、見舞金を支給することができると抽象的に定めるにとどまり、SACO見舞金の支給に係る内容や要件を定めていない から、外部にその効力を及ぼし、国民の具体的な権利義務を形成し又はその範囲を確定する効力はないというべきである。 また、前記aのような本件省令、局長通知及び本件実施要領の各定めによると、本件省令は、見舞金の支給の手続の内容を概括的に定めてはいるものの、支給に係る具体的な要件や手続の細目については、行政庁の内部規則である局長通知や本件実施要領により定められているにすぎないから、見舞金の支給それ自体が法規の規定によって基礎付けられているとはいえない。 合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為により損害を受けた被害者等は、当該公務外の行為をした加害者個人に対して損害賠償請求権を有するが、国及び米国に対しては損害賠償請求権を有しない。もっとも、当該加害者個人との示談による解決が困難である場合には、米国政府が被害者等に対して補償金の額を提示し、被害者等がその請求を完全に満たすものとしてこれを受諾するとの双方の合意が形成されることを前提として補償金(米国見舞金)の支払がされるが(外国人請求法2734条)、これにより、加害者個人に対して損害賠償請求をすることはできなくなる。他方、国は、被害者等が加害者個人を被告として提起した損害賠償請求訴訟に係る確定判決において認容された損害額と上記の米国見舞金との間に差額がある場合等において被害者等の救済 することはできなくなる。他方、国は、被害者等が加害者個人を被告として提起した損害賠償請求訴訟に係る確定判決において認容された損害額と上記の米国見舞金との間に差額がある場合等において被害者等の救済の必要があるときに、当該差額を上限として、当該被害者等に対し、SACO見舞金を支給することとしている。 このように、SACO見舞金の支給は、加害者である合衆国軍隊の構成員又は被用者等が負うべき損害賠償責任を国が代位するというものではなく、被害者に対する救済が、何らかの理由により果たされない場合において、これを放置することは社会通念上適切ではないという観点から、国が、その裁量の範囲内で支給することができるものとして創設された制度であり、国が救済の必要を認めた場合に支給されるものである。そして、見舞金の額の 決定は、上記のとおり、加害者が負うべき賠償責任を日本国が代位するものではないから、被害者等の加害者に対する損害賠償請求権に消長を来すものではなく、見舞金の支給により国が加害者に対する求償権を取得するなどの効果もない。 SACO見舞金の支給に係る権利義務は、本件省令15条1項の見舞金の額の決定とともに、被害者等から見舞金受諾書の取り付けがされることにより発生するものであるから、見舞金額の決定は、被害者等の権利義務を形成し、又はその範囲を画するものではない。また、本件省令には、上記の決定を被害者等に通知するなどしてこれを外部に表示する旨の規定が見当たらないから、上記の決定自体は、行政庁の内部的な行為にすぎない。 本件省令14条は、損害賠償請求書を提出した者に対し、見舞金を支給する必要があると認めたときは、その支給について防衛大臣に協議しなければならない旨定めているが、これは、防衛大臣と協議をすべき対象の範囲を規定したものにすぎ 償請求書を提出した者に対し、見舞金を支給する必要があると認めたときは、その支給について防衛大臣に協議しなければならない旨定めているが、これは、防衛大臣と協議をすべき対象の範囲を規定したものにすぎず、当該対象者に損害賠償請求権があることを前提としたものではなく、見舞金の支給について申請を定めたものでもない。 また、本件実施要領には、見舞金の支給について、SACO見舞金支給申請書を提出する旨の定めがあるが、これは、行政庁が、SACO見舞金を受領する意思があることを確認するために提出させているものにすぎず、上記の申請書に対し、支給ないし不支給の決定をして受給権の存否を判断し、応答しなければならない旨の定めや不服申立てに係る定めがないことからしても、上記の申請書の提出は、「法令に基づく申請」には当たらない。 本件省令が定める賠償金の支払手続は、私法上の示談に関する手続であって、公権力の行使に係る行為ではないところ、SACO見舞金も同じく本件省令によってその支給手続が定められており、国がその裁量に基づいて支給するものであって、契約的な性質を有し、本件省令、局長通知及び本件実施要領の定めを踏まえた国と被害者等との間の合意を前提として支給さ れるものであるから、公権力の行使に係る行為には当たらない。 ウ本件省令15条1項に基づく見舞金の額を決定することが処分に該当する旨の原告らの主張は、次のとおり、いずれも失当である。 原告らは、本件省令には、地方防衛局長が見舞金の額を決定し、その支払の「手続をとらなければならない」旨の定めがあるところ、これは、国に対して見舞金の支給を義務付け、被害者等に見舞金支給請求権を付与するものと解すべきであると主張する。 しかし、本件省令は、昭和39年閣議決定を受けて、見舞金の支給の手続を定めたもの 、これは、国に対して見舞金の支給を義務付け、被害者等に見舞金支給請求権を付与するものと解すべきであると主張する。 しかし、本件省令は、昭和39年閣議決定を受けて、見舞金の支給の手続を定めたものにすぎないから、支給のための手続を定めるにすぎない本件省令の中に、見舞金の額を決定する段階についての定めがあるとしても、当該規定により被害者等に対して実体法上の見舞金支給請求権が付与されるものとは到底解し難い。上記定めは、行政の内部的な義務として、地方防衛局長が、見舞金を支給する必要があると判断した場合に、見舞金の支給に向けての手続等をすべきことを定めるにとどまり、被害者等に実体法上見舞金支給請求権を付与するものと解することはできない。 原告らは、見舞金が損害を補償する性格を有するものであり、見舞金が支給されることにより、被害者等が加害者に対して有する損害賠償請求権がその分消失すると解すべきであり、SACO見舞金の額を決定することが処分に該当することを裏付ける旨主張する。 しかし、前記イのとおり、被害者等は、米国見舞金の支払を受けることにより、加害者に対して損害の賠償を請求することができなくなるため、これを前提に、国がSACO見舞金の支給を検討することになるのであって、見舞金の額を決定することによって直ちに、被害者等が加害者に対して有する損害賠償請求権の消長を来すものとはいえない。また、犯罪被害者等給付金の場合、国が加害者に対する求償権等を取得する旨を定めており、そのような定めのないSACO見舞金を犯罪被害者等給付金と同列に考えて処 分性を肯定することはできない。 原告らは、見舞金受諾書は、領収書の性格を有するにすぎないとして、本件実施要領において見舞金受諾書を提出させることを求めていることは、見舞金の額を決定することが 分性を肯定することはできない。 原告らは、見舞金受諾書は、領収書の性格を有するにすぎないとして、本件実施要領において見舞金受諾書を提出させることを求めていることは、見舞金の額を決定することが処分に該当することを左右しない旨主張する。 しかし、前記イのとおり、SACO見舞金は、合衆国軍隊の構成員又は被用者が公務外の行為により被害者等に損害を与えた場合、米国及び国は、これを賠償する責任を負わないものの、国が、被害者等を救済する観点から、これを支給するものとしているのであり、本来的に、国民の権利義務の消長に影響を及ぼすことが予定されている法律に基づくことなく、昭和39年閣議決定を根拠とするにとどまっているものである。そして、本件省令は、昭和39年閣議決定を受けて、見舞金を支給する手続を定めたものにすぎず、局長通知や本件実施要領も、見舞金を支給するための行政の内部における一定の基準や手続の詳細を定めたものにすぎないから、被害者等に実体法上の見舞金支給請求権を付与するような効果をもたらすことをおよそ想定したものではない。 そうすると、SACO見舞金を含む見舞金の支給は、国と被害者等との間における契約に基づいてされるものに近い性質を有するものといえるから、被害者等に見舞金受諾書を提出させることは、被害者等が見舞金の額を受諾する意向があることを確認するためのものであるといえる。 原告らは、見舞金が被害者救済制度であり、その原資が税金であることをもって、見舞金の支給が公権力の行使に係る行為であり、犯罪被害者等給付金と同趣旨のものであるから、処分性を有する旨主張する。 しかし、見舞金の原資が税金であることをもって直ちに、当該見舞金の額を決定することが公権力の行使に当たると解することはできない。また、犯罪被害者支援法は、犯罪被害者等給付金 性を有する旨主張する。 しかし、見舞金の原資が税金であることをもって直ちに、当該見舞金の額を決定することが公権力の行使に当たると解することはできない。また、犯罪被害者支援法は、犯罪被害者等給付金の支給を受けようとする者は、都道府県公安委員会に申請し(同法10条1項)、これを受けて、公安委員会は、 支給又は不支給の裁定をしなければならない(同法11条1項)旨を定め、当該公安委員会による裁定の取消しを求める訴えが取消訴訟の対象となることを明記している(同法21条)。また、同法は、支給の裁定があったときは、当該申請者が当該額の犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利を取得する旨(同法11条2項)、当該権利は、これを行使することができる時から2年間行使しないときは、時効により消滅する旨(同法16条)、国は、犯罪被害者等給付金を支給したときは、その額の限度において当該犯罪被害者等給付金を受けた者が有する損害賠償請求権を取得する旨(同法8条2項)をそれぞれ定めている。 以上のように、犯罪被害者支援法は、犯罪被害者等給付金について、被害者等による申請に対し、公安委員会が支給ないし不支給の裁定をして受給権の存否を判断し、応答するという審査権限を定め、支給する旨の裁定がされたときには、具体的な権利になることを定めている反面、SACO見舞金を含む昭和39年閣議決定を根拠として支給される見舞金については、法律の規定はなく、本件閣議決定の内容も抽象的であり、本件省令にも上記のような定めはないから、犯罪被害者等給付金と上記の見舞金は、その根拠及び規定の仕方が明らかに異なっている。 そうすると、見舞金の額を決定することは、犯罪被害者等給付金の支給又は不支給の裁定とは異なり、実体法上の根拠がないから、上記の決定が処分性を有しないことが裏付けられている が明らかに異なっている。 そうすると、見舞金の額を決定することは、犯罪被害者等給付金の支給又は不支給の裁定とは異なり、実体法上の根拠がないから、上記の決定が処分性を有しないことが裏付けられているものといえる。 エ原告らは、見舞金の支給について、法令に基づく申請を観念することができる旨主張するが、次のとおり、失当である。 本件省令には、被害者等が見舞金の支給の申請をすることができる旨を定めた規定、地方防衛局長が当該申請に対して支給又は不支給の決定をするなどして受給権の存否を判断して応答するという地方防衛局長の審査権限を定めた規定はなく、本件省令により、被害者等に見舞金の支給に関する 法令上の申請権が付与されていると解することはできない。また、地方防衛局長は、合衆国軍隊の構成員又は被用者が公務外の行為により損害を与えた旨の公務上・外の証明書の送付を受けたときは、請求者にその旨を通知し、被害者等は、公務外損害補償請求書を提出することとされているところ(本件省令11条)、これは、地位協定18条6項の規定に基づき、米国見舞金の支払を請求するためのものであり、見舞金の支給対象とは関係がない(本件省令14条参照)から、見舞金の支給に関する法令に基づく申請には該当しない。 したがって、本件省令が行政事件訴訟法3条5項、6項2号にいう「法令」に該当し、公務外損害補償請求書を提出したことが「法令に基づく申請」に該当するとはいえない。 被害者等が本件省令4条1項に定められた損害賠償請求書を提出したことは、被害者等が有する損害賠償請求権について、損害賠償請求訴訟を提起することなく本件省令に定められた手続を利用する場合に提出されるものであり、当該損害賠償請求書を提出した段階においては、当該損害賠償請求権が満足されなかった場合に初めて問 て、損害賠償請求訴訟を提起することなく本件省令に定められた手続を利用する場合に提出されるものであり、当該損害賠償請求書を提出した段階においては、当該損害賠償請求権が満足されなかった場合に初めて問題となる見舞金の支給等は想定されておらず、実際にも、本件省令には、見舞金の支給に関する請求又は申請について、何らの規定も存在しないから、損害賠償請求書を提出したことは、見舞金の支給に関する請求又は申請を兼ねるものとは解されず、本件省令15条1項に基づく見舞金の額を決定することについての「法令に基づく申請」には該当しない。 前記のとおり、本件省令は、地方防衛局長は、公務上・外の証明書の送付を受けたときは、請求者にその旨を通知する旨を定めている(本件省令11条)ものの、見舞金の額の決定については、被害者等にこれを通知する旨の定めはない(本件省令15条1項参照)から、本件省令15条1項が、請求者に対する通知を当然に予定しているものと解することはできない上、 そもそも、見舞金の額を決定することが処分に該当するとも解されないから、被害者等が、地方防衛局長に対し、SACO見舞金支給申請書を提出したことが、「法令に基づく申請」には該当せず、SACO見舞金支給申請書を提出したことについて、SACO見舞金を支給する、又は支給しない旨の決定をするなどしてその受給権の存否を判断して応答することが予定されているともいえない。なお、仮に、被害者等が、事実上、見舞金の額等を認識することがあったとしても、そのことをもって見舞金の額を決定することが処分に該当することが基礎付けられるとはいえない。 ⑵ 争点2(本件義務付けを求める部分の適法性)について(原告らの主張)前記⑴(原告らの主張)のとおり、地方防衛局長が見舞金の額を決定することが処分に該当 とが基礎付けられるとはいえない。 ⑵ 争点2(本件義務付けを求める部分の適法性)について(原告らの主張)前記⑴(原告らの主張)のとおり、地方防衛局長が見舞金の額を決定することが処分に該当し、かつ、被害者等が本件省令4条1項に定められた損害賠償請求書を地方防衛局長に対して提出することが、行政事件訴訟法3条5項、6項2号にいう「法令に基づく申請」に該当するところ、原告らが、SACO見舞金の支給を受けることができる地位にあることは明らかであり、SACO見舞金の趣旨に照らすと、本件差額1と同額のSACO見舞金の支給を受けることができると解すべきであるから、本件義務付けを求める部分は、適法な訴えである。 (被告の主張)本件義務付けを求める部分は、いわゆる申請型の義務付けの訴えであると解されるが、地方防衛局長が見舞金の額を決定することは処分に該当せず、かつ、被害者等が本件省令4条1項に定められた損害賠償請求書を地方防衛局長に対して提出することは、行政事件訴訟法3条5項、6項2号にいう「法令に基づく申請」に該当しないから、本件義務付けを求める部分は、訴訟要件を欠く訴えであり、不適法である(同法37条の3第1項1号)。 ⑶ 争点3(地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいて見舞金の額を決定することによって処分をしないことの違法性)について (原告らの主張)ア局長通知が定める3つの要件(①平成8年12月3日以降に米国見舞金の支払を受けていること、②加害者である合衆国軍隊の構成員又は被用者を被告とした損害賠償請求訴訟における確定判決を得ていること、③米国見舞金の額が裁判所の確定判決による額に満たないこと)を満たす場合には、本件省令14条にいう「見舞金を支給する必要がある」ことが明らかであるから、地方防衛局長が、被害者等 判決を得ていること、③米国見舞金の額が裁判所の確定判決による額に満たないこと)を満たす場合には、本件省令14条にいう「見舞金を支給する必要がある」ことが明らかであるから、地方防衛局長が、被害者等が見舞金受諾書を提出しないことを理由として、本件省令15条1項に基づいて見舞金の額を決定しないことは、合理的な理由がなく、違法である。 イ地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいて見舞金の額を決定することは、処分であるから、支給要件を満たす限りは、見舞金を支給すべき義務が発生するのであり、見舞金の額を決定する旨の処分をしないことは許されない。原告らが、遅延損害金の支給を求めて本件見舞金受諾書を提出していないとしても、支給要件を満たす部分のSACO見舞金自体を支給しないことは過剰な対応であり、見舞金の額を決定する旨の処分をしないことを正当化する理由とはならない。 (被告の主張)前記⑴(被告の主張)のとおり、SACO見舞金の額を決定することは、処分ではないから、原告らの主張は、その前提を欠く。 また、原告らは、本件見舞金受諾書を提出していないから、SACO見舞金の支給を受けることができないのであり、国が、原告らに対してSACO見舞金を支給していないことが違法となる余地はない。 ⑷ 争点4(被告が原告らに対して本件差額1と同額のSACO見舞金を支給しないことの違法性)について(被告の主張)前記⑴(被告の主張)のとおり、見舞金は、国は、合衆国軍隊の構成員又は被 用者がした公務外の行為により被害を受けた被害者等に生じた損害を賠償する責任を負わないとの立場にあることを前提に、SACO最終報告を受け、当該被害者等を救済するという政策的判断として、その有する裁量に基づき、SACO見舞金を支給しているものであり、遅延損害金につ する責任を負わないとの立場にあることを前提に、SACO最終報告を受け、当該被害者等を救済するという政策的判断として、その有する裁量に基づき、SACO見舞金を支給しているものであり、遅延損害金については、支給の対象としないものとしている。 そして、上記のとおり、SACO見舞金は、政策的判断として、国が有する裁量に基づいて支給されるものにすぎないから、SACO見舞金の対象に遅延損害金を含めないことが違法となる余地はない。 (原告らの主張)ア SACO見舞金は、SACO最終報告において、米国見舞金の額が裁判所の確定判決による額に満たない場合に、日本政府は、必要に応じてその差額を埋めるため、請求者に対し支払を行うよう努力するとされたことを受けて支給されるものであるから、地方防衛局長が決定する見舞金の額とは、裁判所の確定判決において認容された額と米国見舞金の額の差額をいうものと解すべきである。 そうすると、確定判決が、遅延損害金の支払を認容している以上、地方防衛局長は、遅延損害金を含めた額をSACO見舞金の額として定めなければならず、これを除外した地方防衛局長の判断には違法がある。 したがって、沖縄防衛局長が、本件確定判決の認容額から本件確定遅延損害金部分を控除してSACO見舞金の額を決定したことは違法である。 イ被告は、SACO見舞金の支給には見舞金受諾書の提出を要すると主張するが、前記⑴(原告らの主張)のとおり、SACO見舞金の支給は、損害賠償請求書及び公務外の行為であることが判明した段階で公務外損害補償請求書を提出し、かつ、支給の必要性が認められることのみがその要件であるから、見舞金受諾書を提出しないことは、SACO見舞金の支給決定を拒否する理由とはなり得ない。 被告は、見舞金受諾書において、今 、かつ、支給の必要性が認められることのみがその要件であるから、見舞金受諾書を提出しないことは、SACO見舞金の支給決定を拒否する理由とはなり得ない。 被告は、見舞金受諾書において、今後いかなる申立てもしないことを約する旨の文言を記載しているが、これは、見舞金受諾書を提出する被害者が、被告に対し、見舞金の支給を受ける地位があることを示すものであるから、この点からも被告の主張は採用することができない。 被告は、局長通知及び本件実施要領を根拠に、SACO見舞金には遅延損害金が含まれない旨を主張するが、前記⑴(原告らの主張)のとおり、昭和39年閣議決定は「救済されない直接の被害」を救済することを目的として見舞金の支給の制度を定めており、SACO見舞金もこれに含まれるところ、遅延損害金も被害者が直接被る被害であり、弁護料についてはSACO見舞金の対象となっていることとの均衡からすると、遅延損害金も「救済されない直接の被害」として見舞金の支給の対象となるというべきである。 また、SACO見舞金の支給について、被告に一定の裁量があることは否定できないが、被告は、SACO最終報告を受けて、従前見舞金を支給する対象とはなっていなかった米国見舞金を受領した者も、見舞金を支給する対象とし、確定判決を得て、かつ、米国見舞金を受領したが、それが確定判決の額に満たない場合には、一律にSACO見舞金を支給するという取扱いを定めた以上、上記要件を満たす限りにおいては支給義務が生じるというべきである。そして、SACO最終報告及びそれを踏まえて運用を変更した経緯に照らすと、特段の事由がない限り、SACO最終報告の趣旨に従ったSACO見舞金を支給すべき義務がある。そして、SACO見舞金の支給には相当程度の時間を要し、被害者救済が図られない実態がある た経緯に照らすと、特段の事由がない限り、SACO最終報告の趣旨に従ったSACO見舞金を支給すべき義務がある。そして、SACO見舞金の支給には相当程度の時間を要し、被害者救済が図られない実態があることを踏まえると、遅延損害金を支給対象としない被告の取扱いは上記趣旨に反し、違法である。 ⑸ 争点5(被告が原告らに対して本件差額2と同額のSACO見舞金を支給しないことの違法性)について(原告らの主張) ア見舞金は、局長通知が定める3つの要件(①平成8年12月3日以降に米国見舞金の支払を受けていること、②加害者である合衆国軍隊の構成員又は被用者を被告とした損害賠償請求訴訟における確定判決を得ていること、③米国見舞金の額が裁判所の確定判決による額に満たないこと)を満たせば、支給されるものであり、原告らは、本件確定判決を得て、本件米国見舞金の支給を受けたものの、これは本件認容額に満たないものであったから、上記の要件を全て満たしている。また、前記⑴(原告らの主張)のとおり、被害者等が見舞金受諾書を提出することは、SACO見舞金の支給を受けるための要件とはなっていないから、原告らは、少なくとも、本件差額2と同額のSACO見舞金の支給を受ける権利又は法律上保護される利益を有しているということができる。 そして、SACO見舞金を支給することは、国として、被害者である国民の損害を補償する作用であり、純然たる私経済作用ではないから、公権力の行使に当たるところ、本件省令15条1項によれば、地方防衛局長が、見舞金の支払手続をとることとされており、地方防衛局長は、少なくとも、本件認容額と本件米国見舞金の額の差額(本件差額1)のうち、遅延損害金及び訴訟費用を除く部分、すなわち本件元金部分と本件米国見舞金の額との差額(本件差額2)については 、地方防衛局長は、少なくとも、本件認容額と本件米国見舞金の額の差額(本件差額1)のうち、遅延損害金及び訴訟費用を除く部分、すなわち本件元金部分と本件米国見舞金の額との差額(本件差額2)については、見舞金受諾書を提出することはSACO見舞金を支給するための要件となっていないことを認識した上で、遅くとも見舞金受諾書を原告らに提示した翌日である令和元年5月23日には当該部分について支払手続をすべき義務があった。 それにもかかわらず、地方防衛局長は、原告らに対し、SACO見舞金の支払手続をとっていないから、国家賠償法上違法な行為であり、それにより原告らに損害が発生したものである。 イ仮に、SACO見舞金が、原告らと被告との間の合意によって支給されるものであるとしても、被告は、SACO見舞金の支給に関し、支給の必要性の有 無を検討し、支給の必要性があると認めたときに、初めて被害者等にSACO見舞金支給申請書を提出させるという運用をとっており、原告らは、損害賠償請求書及び公務外損害補償請求書を提出し、これを受けて、被告は、見舞金支給の必要性を検討して、本件認容額から本件米国見舞金の額及び本件確定遅延損害金部分を差し引いた残額を見舞金とするSACO見舞金支給申請書を用意し、原告らに提出させているのであるから、被告は、この時点で、原告らに対し、上記金額のSACO見舞金を支給する必要性を認めていたといえる。 そして、SACO見舞金支給申請書は、手続の外形を整えるためのものにすぎず、これに特段の法的意味はないから、見舞金受諾書の提出がないことを理由に、合意の成立がないとして、本件差額2を支給しないという対応を取ることは、契約締結の自由に係る権利を濫用したものであり、国家賠償法上違法である。 (被告の主張)前記⑴(被告の主張)の 由に、合意の成立がないとして、本件差額2を支給しないという対応を取ることは、契約締結の自由に係る権利を濫用したものであり、国家賠償法上違法である。 (被告の主張)前記⑴(被告の主張)のとおり、本件省令及び局長通知は、いずれも見舞金支給に係る手続を定めたものに過ぎず、被害者等に実体法上の見舞金支給請求権を付与するものではなく、また、見舞金の支給に係る権利義務は、見舞金受諾書の提出をもって発生するから、見舞金受諾書が提出されていない以上、原告らには見舞金の支給を受ける法的利益がない。 したがって、沖縄防衛局長が、見舞金の支払手続をしていないとしても、原告らの権利ないし法的利益が侵害されることにはならない。 ⑹ 争点6(損害の発生及びその額)について(原告らの主張)沖縄防衛局長が見舞金の支払手続をしないことにより、原告らは、見舞金を受領することができず、本件元金部分と本件米国見舞金の額との差額(本件差額2)に相当する額の損害(一人当たり795万7533円)を被った。 また、原告らは、本件訴訟の追行を弁護士に委任しており、それぞれ弁護士費 用相当額である79万5753円が、沖縄防衛局長の上記不作為との相当因果関係のある損害である。 (被告の主張)前記⑷及び⑸の各(被告の主張)のとおり、沖縄防衛局長が見舞金の支払手続をしていないことが違法になる余地はなく、被告は国家賠償法上の責任を負わない。また、原告らの権利ないし法的利益が侵害されることにはならないから、原告らに損害は発生していない。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいてSACO見舞金を支給することの処分性)について⑴ 第1事件に係る各訴えは、不作為の違法確認の訴え(行政事件訴訟法3条5項)及 判所の判断 1 争点1(地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいてSACO見舞金を支給することの処分性)について⑴ 第1事件に係る各訴えは、不作為の違法確認の訴え(行政事件訴訟法3条5項)及び申請型の義務付けの訴え(同条6項2号)であると解されるところ、抗告訴訟は、行政庁の公権力の行使に関する不服の訴訟であり(同条1項)、不作為の違法確認の訴えにおいて違法であることの確認を求める対象及び申請型の義務付けの訴えにおいて義務付けを求める対象は、いずれも、同条2項に規定する「処分」であることを要する。 そして、行政事件訴訟法3条2項に規定する「処分」とは、行政庁が、公権力の主体である国又は公共団体が行う行為のうち、その行為によって直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが、法律上認められているものをいうと解するのが相当である(最高裁昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁参照)。 ⑵ ところで、非権力的な給付行政の分野における給付金等の支給関係は、その支給を申請する者の申込みを行政庁が承諾することにより成立する契約関係であるのが原則であるから、その場合の行政庁の行為は、公権力の行使としての行為ではなく、また、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定するものともいえないから、抗告訴訟の対象となる処分には該当しないというべきである。 もっとも、このような非権力的な給付行政の分野においても、法律が、一定の者に給付金等を給付する要件を定めるとともに当該給付に関する申請権を与え、行政庁が当該申請権を有する者の申請に基づき、支給ないし不支給の決定をすることにより、当該申請権を有する者の受給権の存否を判断するという手続を採用している場合には、当該支給ないし不支給を決定する行為は、行政庁が、直 を有する者の申請に基づき、支給ないし不支給の決定をすることにより、当該申請権を有する者の受給権の存否を判断するという手続を採用している場合には、当該支給ないし不支給を決定する行為は、行政庁が、直接当該申請者の権利義務を形成し、又はその範囲を確定する行為としての性質を有するものといえ、抗告訴訟の対象となる処分に該当するものと解するのが相当である。 ⑶ そこで、前記⑵の観点から、SACO見舞金を含む本件見舞金支給制度について検討する。 アまず、SACO見舞金を含む本件見舞金支給制度の根拠は、前提事実⑵のとおり、昭和39年閣議決定であって、法令ではないから、法律が、一定の者に給付金等を給付する要件を定めているものとは認められない。そして、昭和39年閣議決定は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為により損害を受けた者に対する見舞金は、地位協定に規定する合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者が、その非戦闘行為に伴い他人に損害を与えた場合であって、民事特別法及びその他の法令又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害につき、国が救済を必要と認めたときに支給することができる旨を定めるにとどまり、「救済されない直接の被害」又は「救済を必要と認めたとき」の具体的内容については何ら定めておらず、具体的な支給の要件、金額の基準については、局長通知及び本件実施要領に記載があるにとどまっている。 イ SACO見舞金を含む本件見舞金支給制度における見舞金を支給する手続については、昭和39年閣議決定は、これを防衛大臣が定めるものとする旨のみを定めるにとどまっている。また、本件省令も、当該見舞金の支給の対象となり得る者や、当該見舞金を支給する事務に係る手続を概括的 に定めるにとどまり、当該見舞金の支給に関する不服の申立 旨のみを定めるにとどまっている。また、本件省令も、当該見舞金の支給の対象となり得る者や、当該見舞金を支給する事務に係る手続を概括的 に定めるにとどまり、当該見舞金の支給に関する不服の申立てについての定めや、地方防衛局長が被害者等又はその代理人に対して当該見舞金を支給するか否かを通知しなければならない旨の定めは見当たらない。 そして、SACO見舞金を含む本件見舞金支給制度において見舞金の支給を請求する手続の詳細は、本件実施要領に記載があるところ、本件実施要領には、地方防衛局の担当部局が、被害者等又はその代理人から、見舞金の支給を受けたい旨の要請があった場合には、当該被害者等又はその代理人から、SACO見舞金支給申請書並びに米国見舞金に係る支払通知書及び確定判決書の各写しを含む必要書類を提出させ、当該担当部局が、これを基に、防衛省の担当部局と支給額と支給の理由を協議し、その結果を踏まえて、見舞金の支給額を決定し、当該被害者等又はその代理人から、見舞金受諾書を取り付けた上で、見舞金を支給する旨の記載があるが、当該見舞金の支給に関する不服の申立てについての記載や、地方防衛局長が被害者等又はその代理人に対して当該見舞金を支給するか否かを通知しなければならない旨の記載は見当たらない。 ウまた、SACO見舞金を含む本件見舞金支給制度については、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為により損害を受けた被害者等が、見舞金の支給に係る申請権を有する旨、行政庁が上記の申請に対応して当該見舞金を支給する又は支給しない旨の裁定をすべき旨、当該裁定について抗告訴訟を提起することができる旨、当該被害者等が当該裁定により当該見舞金の支給を受ける権利を取得する旨、国が当該被害者等に対して当該見舞金を支給したときはその額の限度において当 該裁定について抗告訴訟を提起することができる旨、当該被害者等が当該裁定により当該見舞金の支給を受ける権利を取得する旨、国が当該被害者等に対して当該見舞金を支給したときはその額の限度において当該被害者が有する損害賠償請求権を取得する旨等を定めた法令の規定は見当たらない。 エ以上によれば、SACO見舞金を含む本件見舞金支給制度は、①法律が、一定の者に給付金等を給付する要件を定めていること、②当該給付に関する申請権を与えていること、③行政庁が当該申請権を有する者の申請に基づき、支 給ないし不支給の決定をすることにより、当該申請権を有する者の受給権の存否を判断するという手続を採用していることのいずれの点についても、これと異なる内容の制度であると認められるから、本件見舞金支給制度に関する行政庁の行為は、公権力の行使としての行為とはいえず、また、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定するものともいえないのであって、抗告訴訟の対象となる処分には該当しないというべきである。 ⑷ 原告らは、これまでに判示したところと異なる主張をするので、原告らの主張について検討する。 ア原告らは、SACO見舞金は、本件省令14条及び15条に基づき支給されるものであるところ、本件省令は、内閣が有する政令を制定する権限(憲法73条6号)に基づいて制定されたものであるから、本件省令は、行政事件訴訟法3条5項及び6項2号にいう「法令」に該当する旨主張する。 しかし、本件省令は、総理府、内閣府又は防衛省という国家行政組織法及びその関連法令に基づいて置かれた個別の国の行政機関が、国家行政組織法12条1項の規定に基づいて制定した省令であり、内閣が制定した政令ではないから、原告らの主張は、その前提を異にするものである。また、行政事件訴訟法3条5項及 れた個別の国の行政機関が、国家行政組織法12条1項の規定に基づいて制定した省令であり、内閣が制定した政令ではないから、原告らの主張は、その前提を異にするものである。また、行政事件訴訟法3条5項及び6項2号にいう「法令」は、行政庁が応答すべき法令上の義務を負う私人が行政庁に対してする行為の根拠となる法令を意味するものであり、ある法令が、上記の「法令」に該当するか否かは、私人が行政庁に対してする行為について当該行政庁がこれに応答すべき義務があるか否かという点と独立して論ずることができないから、法制上有効な省令が存することをもって直ちに、当該省令が上記の「法令」に該当すると解することはできない。 原告らは、内閣は、その最高位の決定である閣議決定を通じて内閣及び各行政部局に義務を課すことができ、事実上、国民の権利及び利益に影響を与えていると解される旨も主張する。 しかし、前記⑶アのとおり、本件見舞金支給制度は、閣議決定にその根拠を置くものであるところ、閣議決定が、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することが法律上認められているものと解すべき法令上の根拠は見当たらないから、本件見舞金支給制度に関する行政庁の行為が、閣議決定に根拠を置くことを理由として、処分に該当すると解することもできないというべきである。また、国又は行政庁に一定の義務を課すことと、直接国民の権利義務を形成し、又はその範囲を確定することとは、その性質上、全く別個の事象であるから、この点も、上記の判断を左右しない。 イ原告らは、本件省令11条は、合衆国軍隊の構成員又は被用者が公務以外の行為により第三者に被害を与えた場合に、地方防衛局長が被害者等に対して公務外損害補償請求書を提出させる旨を、本件省令12条は、地方防衛局長が、上記の公務外損害補償請求 の構成員又は被用者が公務以外の行為により第三者に被害を与えた場合に、地方防衛局長が被害者等に対して公務外損害補償請求書を提出させる旨を、本件省令12条は、地方防衛局長が、上記の公務外損害補償請求書の内容を審査すべき旨をそれぞれ規定し、これを前提として、本件省令14条が、地方防衛局長は、見舞金を支給する必要があると認めたときは、その支給について防衛大臣と協議しなければならない旨を定めているから、本件省令は、被害者等がする見舞金を含む損害賠償に関する申請の手続とそれに対応して国が当該申請を審査すべき義務を定め、SACO見舞金を支給する要件を満たした被害者等に対し、SACO見舞金を支給する行政上の義務を負わせているものと解すべきである旨主張する。 しかし、本件省令に定められた上記の内容は、国が、被害者等に対し、本件見舞金支給制度における見舞金を支給するに当たって適正な事務処理がなされるよう行政組織の内部における事務処理の手続の概要を定めたものとしても何ら矛盾がなく、他に、これを、被害者等がする見舞金を含む損害賠償に関する申請の手続とそれに対応して国が当該申請を審査すべき義務を定め、SACO見舞金を支給する要件を満たした被害者等に対し、SACO見舞金を支給する行政上の義務を負わせているものと解す べき法令上の根拠も見当たらないから、原告らが指摘する本件省令の規定をもって直ちに、前記⑶の認定及び判断を覆すには足りない。 ウ原告らは、本件見舞金支給制度が、税金を原資とし、同じく税金を原資としてされる犯罪被害者支援法に基づく犯罪被害者等給付金と同様、被害者である国民に生じた被害の救済を図る趣旨の制度であるから、犯罪被害者等給付金と同様の性質のものと解すべきである旨主張する。 しかし、犯罪被害者支援法は、犯罪被害者等給付金の支給を受 金と同様、被害者である国民に生じた被害の救済を図る趣旨の制度であるから、犯罪被害者等給付金と同様の性質のものと解すべきである旨主張する。 しかし、犯罪被害者支援法は、犯罪被害者等給付金の支給を受けようとする者は、都道府県公安委員会に申請し(同法10条1項)、これを受けて、公安委員会は、支給又は不支給の裁定をしなければならない(同法11条1項)旨を定め、当該公安委員会による裁定の取消しを求める訴えが取消訴訟の対象となることを明文で明らかにしている(同法21条)。また、同法は、支給の裁定があったときは、当該申請者が当該額の犯罪被害者等給付金の支給を受ける権利を取得する旨(同法11条2項)、当該権利は、これを行使することができる時から2年間行使しないときは、時効により消滅する旨(同法16条)、国は、犯罪被害者等給付金を支給したときは、その額の限度において当該犯罪被害者等給付金を受けた者が有する損害賠償請求権を取得する旨(同法8条2項)をそれぞれ定めている。 そうすると、同法に基づく犯罪被害者等給付金の制度と本件見舞金支給制度とは、その根拠となる法律の有無並びに法律上の規定の内容及び制度の仕組みが全く異なっているから、これらの制度を同様の性質のものであると解することはできない。また、税金を原資とするか否かは、当該行政庁の行為が処分であることを直ちに基礎付ける事情とはならない。 エしたがって、原告らの主張は、いずれも採用することができない。 ⑸ 以上によれば、地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいてSACO見舞金の額を決定すること、又はSACO見舞金を支給する旨の決定をすることが抗告訴訟の対象となる処分に該当するとは解されない。 よって、その余の点(争点3(地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいて見舞金の額を決定するこ O見舞金を支給する旨の決定をすることが抗告訴訟の対象となる処分に該当するとは解されない。 よって、その余の点(争点3(地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいて見舞金の額を決定することによって処分をしないことの違法性))を判断するまでもなく、第1事件に係る訴えのうち別紙2主文関係目録記載1ないし3の各請求に係る部分は、いずれも訴訟要件を欠くものであって、不適法であるから、却下を免れない。 2 争点2(本件義務付けを求める部分の適法性)について原告らは、本件義務付けを求める部分について、行政事件訴訟法3条6項2号及び37条の3所定の申請型の義務付けの訴えとしてこれを提起したものと解されるところ、地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいてSACO見舞金の額を決定すること、又はSACO見舞金を支給する旨の決定をすることが、いずれも抗告訴訟の対象となる処分に該当しないことは、前記1で判示したとおりであり、また、原告らの主張するところ及び一件記録に照らしても、本件において行政事件訴訟法37条の3第1項所定の要件に該当する事由についての証明があったとは、認められない。 したがって、その余の点(争点4(被告が原告らに対して本件差額1と同額のSACO見舞金を支給しないことの違法性))について判断するまでもなく、本件義務付けを求める部分(別紙2主文関係目録記載4及び5)は、同法所定の義務付けの訴えの要件を欠き、不適法であるから、却下を免れない。 3 争点5(被告が原告らに対して本件差額2と同額のSACO見舞金を支給しないことの違法性)について⑴ア前提事実⑵のとおり、国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わない(このことについては、当事者の間に争いはない。)ものの て⑴ア前提事実⑵のとおり、国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わない(このことについては、当事者の間に争いはない。)ものの、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって損害を被った被害者を救済する趣旨から、昭和39年閣議決定により、見舞金を支給するものとしているのであり、被害者等に生じた損害のうちどの部分又はどの程度のものを救済する趣旨で 見舞金を支給するのか、いかなる基準及び手続によって見舞金を支給するものとするのかは、国の広範な裁量に委ねられていると認められる。 そうすると、国があらかじめ定めた上記の見舞金を支給する対象となる損害及び手続の内容については、国が、それらを定めるに当たって基礎とした重要な事実に誤認があること等により当該定めが全く事実の基礎を欠く場合や、事実に対する評価が明白に合理性を欠くこと等により当該定めが社会通念に照らし著しく妥当性を欠くことが明らかである場合に限って、国の有する裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものとして違法になることがあるものと解するのが相当であるから、そのような場合に限って、国の公務員が、局長通知及び本件実施要領に定められているところに従ってSACO見舞金の支給に関する事務を遂行したとしても、国家賠償法上違法な行為をしたことになり得るものと認められる。 イ国は、別紙3の10及び11のとおり、局長通知及び本件実施要領において、地方防衛局の担当部局が、被害者等から、SACO見舞金の支給を受けたい旨の要請を受けた場合には、被害者等から、SACO見舞金支給申請書、米国見舞金に係る支払通知書、確定判決書の各写し等の必要書類を提出させ、当該部局において、これを基に、支給額と支給の理由を協議し、防衛 要請を受けた場合には、被害者等から、SACO見舞金支給申請書、米国見舞金に係る支払通知書、確定判決書の各写し等の必要書類を提出させ、当該部局において、これを基に、支給額と支給の理由を協議し、防衛省の担当部局との協議を経て、地方防衛局長が、SACO見舞金として支給する額を決定するとともに、被害者等から、見舞金受諾書を提出させた後、SACO見舞金を支給する手続をするものとする旨を定めていることが認められる。 上記のような本件見舞金支給制度の内容は、①国は、合衆国軍隊の構成員又は被用者がした公務外の行為によって第三者に生じた損害を賠償する法律上の責任を負わないこと、②見舞金が、被害者を救済する趣旨のものであること、③見舞金を給付することについては、財政上の制約を始めとする種々の制約があること、④公金の支出であることに照らし、手続の 内容が明確なものであることが望ましいこと等に照らすと、国が有する裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものとは認め難いというべきである。 したがって、国の公務員が、局長通知及び本件実施要領に定められた内容及び手続に従い、SACO見舞金の支給に関する事務を遂行する限り、当該事務の遂行が、国家賠償法上違法なものとなるとは認められないというべきである。 ウその上で、これまでに判示したとおり、本件見舞金支給制度は、法令上の根拠を有さないものであること等を踏まえると、国が被害者等に対して本件見舞金支給制度における見舞金を支給することの法的性質は、国が、国と被害者等との間で締結された見舞金を贈与する旨の契約に基づき、国が同契約によって負う債務を履行することであると解するのが相当である。 そうすると、前記イのような本件見舞金支給制度の内容を前提とする限り、地方防衛局長が、SACO見舞金として支給する金額 づき、国が同契約によって負う債務を履行することであると解するのが相当である。 そうすると、前記イのような本件見舞金支給制度の内容を前提とする限り、地方防衛局長が、SACO見舞金として支給する金額を決定してこれを被害者等に提示し、見舞金受諾書の提出を求めることが、SACO見舞金に係る贈与契約の申込みに該当し、当該申込みに対応して被害者等が見舞金受諾書を提出することが、上記の契約の申込みに対する承諾に該当するものと認められ、被害者等が地方防衛局長に対して見舞金受諾書を提出することによって初めて、国と被害者等との間でSACO見舞金に係る贈与契約を締結する旨の合意が成立するものと解するのが相当である。 したがって、国は、被害者等に対してSACO見舞金を支給すべき法律上の義務を負うのは、上記の合意が成立することによるものであると認められるから、当該合意が成立する以前において、被害者等に対し、SACO見舞金を支給することに関する何らかの法律上の義務を負うことはないというべきである。 エ本件においては、前提事実⑹イのとおり、原告らは、沖縄防衛局長に対 し、本件見舞金受諾書を現在に至るまで提出していないから、国と原告らとの間には、SACO見舞金に係る贈与契約を締結する旨の合意が成立していないと認められ、国は、原告らに対し、SACO見舞金を支給すべき法律上の義務を負っていないのであり、沖縄防衛局長が、原告らに対し、本件差額2と同額のSACO見舞金を支給していないとしても、そのことが、国家賠償法上違法な行為であるとの評価は受けないというべきである。 ⑵ア原告らは、本件差額2と同額のSACO見舞金の支給を受ける権利又は法律上保護される利益を有しているとして、沖縄防衛局長が、遅くとも令和元年5月23日には、SACO見舞金の支給に向けた手 る。 ⑵ア原告らは、本件差額2と同額のSACO見舞金の支給を受ける権利又は法律上保護される利益を有しているとして、沖縄防衛局長が、遅くとも令和元年5月23日には、SACO見舞金の支給に向けた手続をすべき義務があった旨主張する。 しかし、前記1に判示したとおり、地方防衛局長が本件省令15条1項に基づいてSACO見舞金の額を決定すること、又はSACO見舞金を支給する旨の決定をすることが抗告訴訟の対象となる処分には該当せず、かつ、前記⑴エのとおり、本件見舞金受諾書を現在に至るまで提出していない原告らが、本件差額2と同額のSACO見舞金の支給を受けることができる権利又は法律上保護される利益を有しているとも認め難いから、原告らの主張は、その前提を異にするものである。 したがって、原告らの主張は、採用することができない。 イ原告らは、沖縄防衛局長に対し、SACO見舞金支給申請書を提出したところ、沖縄防衛局長は、その時点で、原告らに対してSACO見舞金を支給する必要性を認めていたといえるのであり、SACO見舞金支給申請書は、手続の外形を整えるためのものにすぎず、特段の法的意味を有する文書ではないから、原告らが本件見舞金受諾書を提出しないことを理由として、本件差額2と同額のSACO見舞金を支給しないことは、国が有する権利を濫用するものであって、国家賠償法上違法である旨主張する。 しかし、前記⑴イのとおり、局長通知及び本件実施要領の定めが、違法 なものであるとは認められないから、国と原告らとの間においては、原告らが沖縄防衛局長に対して本件見舞金受諾書を提出しない限り、SACO見舞金に係る贈与契約を締結する旨の合意が成立しないのであり、国は、原告らに対し、SACO見舞金を支給すべき法律上の義務を負わないものである。また、本件におい 見舞金受諾書を提出しない限り、SACO見舞金に係る贈与契約を締結する旨の合意が成立しないのであり、国は、原告らに対し、SACO見舞金を支給すべき法律上の義務を負わないものである。また、本件においては、国が、原告らから本件見舞金受諾書の提出を受けない状況下においてもなお、原告らとの間でSACO見舞金に係る贈与契約を成立させるべき法令上の義務を負っていると解すべき法令上の根拠も見当たらない。 そうすると、沖縄防衛局長が原告らに対して本件差額2と同額のSACO見舞金を支給しないことが、国が有する権利を濫用するものであるとは認められず、国家賠償法上違法な行為であるとも認められない。 したがって、原告らの主張は、採用することができない。 ⑶ 以上によれば、沖縄防衛局長が原告らに対して本件差額2と同額のSACO見舞金を支給しないことが、国家賠償法上違法な行為であるとは認められないから、その余の点(争点6(損害の発生及びその額))について判断するまでもなく、第2事件に係る原告らの請求は、いずれも理由がない。 4 結論以上によれば、原告らの訴えのうち、別紙2主文関係目録記載の各請求に係る部分は、いずれも不適法であるから、これらをいずれも却下し、原告らのその余の請求は、いずれも理由がないから、これらをいずれも棄却することとする。 よって、主文のとおり判決する。 那覇地方裁判所民事第2部 裁判長裁判官福渡裕貴 裁判官横山 寛 裁判官立仙早矢は、転補のため、署名押印することができない。 裁判長裁判官福渡裕貴 別紙1当事者目録 沖縄県原告 裁判官立仙早矢は、転補のため、署名押印することができない。 裁判長裁判官福渡裕貴 別紙1当事者目録 沖縄県原告 A沖縄県原告 B東京都千代田区霞が関1丁目1番1号被告国 別紙2主文関係目録 1 Xが平成21年5月11日付けで損害賠償請求をし、令和元年5月17日までに加害者米兵に対する損害賠償を命じる判決が確定し、かつ、アメリカ合衆国から支払われる補償金の額が上記確定判決で認容された金額に満たないことが確定したにもかかわらず、被告が、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることの確認を求める請求に係る部分(第1事件の主位的請求1) 2 原告らが、平成30年7月27日付けで損害賠償請求をし、令和元年5月17日までに加害者米兵に対する損害賠償を命じる判決が確定し、かつ、アメリカ合衆国から支払われる補償金の額が上記確定判決で認容された金額に満たないことが確定したにもかかわらず、被告が、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることの確認を求める請求に係る部分(第1事件の主位的請求1の予備的請求1) 3 原告らが、令和元年5月17日付けでしたSACO見舞金支給申請に対して、被告が、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることの確認を求める請求に係る部分(第1事件の主位的請求1の予備的請求2) 、被告が、合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令15条に基づく処分をしないことが違法であることの確認を求める請求に係る部分(第1事件の主位的請求1の予備的請求2) 4 被告が、原告Aに対し、1248万2607円及びうち868万8333円に対する平成30年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支給する旨の決定をすることの義務付けを求める請求に係る部分(第1事件の原告Aの主位的請求2) 5 被告が、原告Bに対し、1248万2607円及びうち868万8333 円に対する平成30年6月8日から支払済みまで年5分の割合による金員を支給する旨の決定をすることの義務付けを求める請求に係る部分(第1事件の原告Bの主位的請求2)以上 別紙3関連法令等の定め 1 日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定(以下「行政協定」という。)18条3項及び5項(乙6)第18条 3 契約による請求を除く外、公務執行中の合衆国軍隊の構成員(日本国の領域にある間における米国の陸軍、海軍又は空軍に属する人員で現に服役中のもののこと。以下同じ。)若しくは被用者の作為若しくは不作為又は合衆国軍隊(日本国とアメリカ合衆国との間の安全保障条約に基づき日本国内にある米国の陸軍、海軍又は空軍のこと。以下、行政協定において同じ。)が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故で、非戦闘行為に伴って生じ、かつ、日本国において第三者に負傷、死亡又は財産上の損害を与えたものから生ずる請求は、日本国が次の規定に従って処理するものとする。 請求は、請求が生じた日から1年以内に提起するものとし、日本国の被用者の行動から生ずる請求に関する日本国の法令に従って審査し、かつ、解決し、 請求は、日本国が次の規定に従って処理するものとする。 請求は、請求が生じた日から1年以内に提起するものとし、日本国の被用者の行動から生ずる請求に関する日本国の法令に従って審査し、かつ、解決し、又は裁判する。 ⒝ 日本国は、前記のいかなる請求も解決することができるものとし、合意され、又は裁判により決定された額の支払は、日本国が円でする。 ⒞ 前記の支払(解決によってされたものであると日本国の管轄裁判所による事件の裁判によってされたものであるとを問わない。)又は支払を認めない日本国の管轄裁判所による最終の裁判は、拘束力を有する最終的のものとする。 ⒟ 前諸号に従い請求を満足させるために要した費用は、両国政府が合意する条件で分担する。 日本国が3項に従って承認した又は承認しなかった全ての請求の明細及び各事件についての認定並びに日本国が支払った額の明細は、定められるべき 手続に従って、合衆国が支払うべき分担額に対する弁償の要請とともに、合衆国に定期的に送付する。この弁償は、できるだけ速やかに円で行わなければならない。 5 日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行われたものでないものから生ずる合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する請求は、次の方法で処理するものとする。 日本国の当局は、当該事件に関する全ての事情(損害を受けた者の行動を含む。)を考慮して、公平かつ公正に請求を審査し、及び請求人に対する補償金を査定し、かつ、その事件に関する報告書を作成する。 ⒝ 報告書は、合衆国の当局に交付されるものとし、合衆国の当局は、遅滞なく、慰謝料の支払を申し出るかどうかを決定し、かつ、申し出る場合には、その額を決定する。 ⒞ 慰謝料の支払の申出があった場合において、請求人がその請求の完全な弁済としてこれを受諾したとき 、遅滞なく、慰謝料の支払を申し出るかどうかを決定し、かつ、申し出る場合には、その額を決定する。 ⒞ 慰謝料の支払の申出があった場合において、請求人がその請求の完全な弁済としてこれを受諾したときは、合衆国の当局は、自ら支払をし、かつ、その決定及び支払った額を日本国の当局に通知する。 ⒟ 5項のいかなる規定も、請求の完全な弁済として支払が行われたのではない限り、合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する訴えを受理する日本国の裁判所の裁判権に影響を及ぼすものではない。 2 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う民事特別法(以下、題名を摘示するときは、昭和35年法律第102号による題名の改正の前後を問わず、「民事特別法」という。乙3。)1条及び2条(国の賠償責任)第1条日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約(以下「日米安全保障条約」ということがある。)に基づき日本国内にあるアメリカ合衆国の陸 軍、海軍又は空軍(以下「合衆国軍隊」という。)の構成員又は被用者が、その職務を行うについて日本国内において違法に他人に損害を加えたときは、国の公務員又は被用者がその職務を行うについて違法に他人に損害を加えた場合の例により、国がその損害を賠償する責に任ずる。 第2条合衆国軍隊の占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設置又は管理に瑕疵があったために日本国内において他人に損害を生じたときは、国の占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じた場合の例により、国がその損害を賠償する責に任ずる。 3 日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ は管理する土地の工作物その他の物件の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じた場合の例により、国がその損害を賠償する責に任ずる。 3 日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ駐留スルアメリカ合衆国軍隊ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金並ビニ見舞金ノ支給ニ関スル件(昭和27年5月16日閣議決定。以下「昭和27年閣議決定」という。乙7。関係する部分を抜粋したもの) 1 補償金ノ支給ニツイテ行政協定18条3項ノ被害者ニ対シ支給スル補償金ハ通常生ズベキ損失ニ相当スル額トスルモ、一応別表1ノ基準ニヨルコト。 2 見舞金ノ支給ニツイテ⑴ 見舞金ハ行政協定ニ規定スルアメリカ合衆国軍隊又ハソノ構成員若シクハ被用者ガソノ非戦闘行為ニ伴イ他人ニ損害ヲ与エタ場合デアッテ、民事特別法及ビソノ他ノ法令又ハ行政協定18条5項ニヨリ救済サレナイ直接ノ被害ニツキ国ガ救済ヲ必要ト認メタ場合ニコレヲ支給スルコト。 ⑵ 被害者ニ対スル見舞金ノ支給ニ関スル事務ハ調達庁(昭和24年に総理府(当時)の外局として設立された特別調達庁が昭和27年に改称されたもの。なお、昭和37年防衛施設庁(当時)に改組された。以下同じ。)長官(当時。以下同じ。)ガコレニ当タルコト。 ⑶ 見舞金ヲ支給スル場合ニオイテハ、別表2ノ基準ニヨルコト。 4 日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ日本国ニ駐留スルアメリカ合衆国軍隊ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金並ビニ見舞金ノ支給等ニ関スル総理府令(昭和27年総理府令第32号。以下「昭和27年総理府令」という。 乙10。関係する部分を抜粋したもの)(目的)第1条コノ府令ハ、日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ日本国ニ駐留スルアメリカ合衆国軍隊又ハソノ構成員若シクハ被用者(以下、 いう。 乙10。関係する部分を抜粋したもの)(目的)第1条コノ府令ハ、日本国トアメリカ合衆国トノ間ノ安全保障条約ニ基キ日本国ニ駐留スルアメリカ合衆国軍隊又ハソノ構成員若シクハ被用者(以下、昭和27年総理府令において、「駐留軍」という。)ニヨリ損害ヲ受ケタ者ニ対スル補償金並ビニ見舞金ノ支給等ニ関シソノ実施ノ手続ヲ定メルコトヲ目的トスル。 (定義)第2条コノ府令ニオイテ「公務執行中ニ加エタ損害」トハ、駐留軍ガソノ職務ヲ行ウニツイテ違法ニ加エタ損害又ハ合衆国軍隊ノ占有シ、所有シ、又ハ管理スル土地ノ工作物ソノ他ノ物件ノ設置又ハ管理ニ瑕疵ガアッタタメニ生ジタ損害ヲイウ。 2 コノ府令ニオイテ「補償金」トハ、民事特別法ノ規定ニ基キ、国ガ被害者ニ対シ賠償スル金額ヲイウ。 3 コノ府令ニオイテ「見舞金」トハ、駐留軍ニヨリ損害ヲ受ケタ者デ、補償金又ハ行政協定18条5項ノ規定ニヨッテ救済サレナイ者ニ対シ、国ガ救済ヲ必要ト認メテ支給スル金額ヲイウ。 (見舞金ノ支給)第18条国ハ、駐留軍ガ他人ニ損害ヲ加エタ場合デアッテ、第3章ニ定メル補償金又ハ第4章ニ定メル慰謝料ニヨリ救済サレナイ直接ノ被害ニツキ、国ガ救済ヲ必要ト認メタ場合ニハ、被害者ニ対シ見舞金ヲ支給スルコトガデキル。 (見舞金支給ノ要否) 第19条調達局長(調達庁に置かれた地方部局である調達局(当時)の長のこと。 なお、昭和37年に防衛施設局長に改称された。以下同じ。)ハ、前条ノ見舞金ヲ支給スル必要ガアルト認メタトキハ、調達庁長官ニ事案ノ内容ヲ報告シナケレバナラナイ。 2 調達庁長官ハ、前項ノ報告ガアッタトキハ、コレヲ審査シ、必要ガアルト認メタトキハ、現地調査ヲ行イ、見舞金支給ノ要否ヲ決定シ、コレヲ調達局長ニ通知シナケレバナラナイ。 (見舞金額ノ決定及ビ支給) 調達庁長官ハ、前項ノ報告ガアッタトキハ、コレヲ審査シ、必要ガアルト認メタトキハ、現地調査ヲ行イ、見舞金支給ノ要否ヲ決定シ、コレヲ調達局長ニ通知シナケレバナラナイ。 (見舞金額ノ決定及ビ支給)第20条調達局長ハ、前条ノ通知ニ基キ見舞金額ヲ決定シ、9条ニ準ジ、ソノ旨ヲ都道府県知事ニ通知シナケレバナラナイ。 第21条都道府県知事ハ、前条ノ通知ヲ受ケタトキハ、12条ニ準ジ、速ヤカニ見舞金ヲ受ケルベキ者ニコレヲ支払ワナケレバナラナイ。 2 都道府県知事ハ、見舞金ノ支払ヲシタトキハ、ソノ結果ヲ調達局長ニ報告シナケレバナラナイ。 3 調達局長ハ、前項ノ通知ヲ受ケタトキハ、調達庁長官ニ報告シナケレバナラナイ。 第22条補償金ノ支給ニ関シ補償金額ノ決定ニツイテ不服ノアル者ハ、左ニ掲ゲル事項ヲ記載シタ不服申立書ニヨリ都道府県知事及ビ調達局長ヲ通ジ調達庁長官ニ対シ、不服ノ申立ヲスルコトガデキル。 1 被害者ノ氏名、住所、年令及ビ職業 2 補償申請金額及ビ決定金額 3 不服申立ノ理由 4 ソノ他参考トナルベキ事項 5 地位協定18条5項及び6項(乙1)(各種損害等についての請求権の処理方法) 第18条 5 公務執行中の合衆国軍隊の構成員若しくは被用者の作為若しくは不作為又は合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の作為、不作為若しくは事故で、日本国において日本国政府以外の第三者に損害を与えたものから生ずる請求権(契約による請求権及び6項又は7項の規定の適用を受ける請求権を除く。)は、日本国が次の規定に従って処理する。 請求は、日本国の自衛隊の行動から生ずる請求権に関する日本国の法令に従って、提起し、審査し、かつ、解決し、又は裁判する。 ⒝ 日本国は、前記のいかなる請求をも解決することができるものとし、合意され、又 は、日本国の自衛隊の行動から生ずる請求権に関する日本国の法令に従って、提起し、審査し、かつ、解決し、又は裁判する。 ⒝ 日本国は、前記のいかなる請求をも解決することができるものとし、合意され、又は裁判により決定された額の支払を日本円で行う。 ⒞ 前記の支払(合意による解決に従ってされたものであると日本国の権限のある裁判所による裁判に従ってされたものであるとを問わない。)又は支払を認めない旨の日本国の権限のある裁判所による確定した裁判は、両当事国に対し拘束力を有する最終的のものとする。 ⒟ 日本国が支払をした各請求は、その明細並びに(ⅰ)及び(ⅱ)の規定による分担案とともに、合衆国の当局に通知しなければならない。2か月以内に回答がなかったときは、その分担案は受諾されたものとみなす。 ⒠ ⒜からまで及び2の規定に従い請求を満たすために要した費用は、両当事国が次のとおり分担する。 ⅰ 合衆国のみが責任を有する場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、その25パーセントを日本国が、その75パーセントを合衆国が分担する。 ⅱ 日本国及び合衆国が損害について責任を有する場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、両当事国が均等に分担する。 損害が日本国又は合衆国の防衛隊によって生じ、かつ、その損害をこれらの防衛隊のいずれか一方又は双方の責任として特定することができな い場合には、裁定され、合意され、又は裁判により決定された額は、日本国及び合衆国が均等に分担する。 ⅲ 比率に基づく分担案が受諾された各事件について日本国が6か月の期間内に支払った額の明細書は、支払要請書とともに、6か月ごとに合衆国の当局に送付する。その支払は、できる限りすみやかに日本円で行なわなけれ に基づく分担案が受諾された各事件について日本国が6か月の期間内に支払った額の明細書は、支払要請書とともに、6か月ごとに合衆国の当局に送付する。その支払は、できる限りすみやかに日本円で行なわなければならない。 合衆国軍隊の構成員又は被用者(日本の国籍のみを有する被用者を除く。)は、その公務の執行から生ずる事項については、日本国においてその者に対して与えられた判決の執行手続に服さない。 ⒢ この項の規定は、の規定が2項に定める請求権に適用される範囲を除くほか、船舶の航行若しくは運用又は貨物の船積み、運送若しくは陸揚げから生じ、又はそれらに関連して生ずる請求権には適用しない。ただし、4項の規定の適用を受けない死亡又は負傷に対する請求権については、この限りでない。 6 日本国内における不法の作為又は不作為で公務執行中に行なわれたものでないものから生ずる合衆国軍隊の構成員又は被用者(日本国民である被用者又は通常日本国に居住する被用者を除く。)に対する請求権は、次の方法で処理する。 日本国の当局は、当該事件に関する全ての事情(損害を受けた者の行動を含む。)を考慮して、公平かつ公正に請求を審査し、及び請求人に対する補償金を査定し、並びにその事件に関する報告書を作成する。 ⒝ その報告書は、合衆国の当局に交付するものとし、合衆国の当局は、遅滞なく、慰謝料(米国見舞金)の支払を申し出るかどうかを決定し、かつ、申し出る場合には、その額を決定する。 ⒞ 慰謝料(米国見舞金)の支払の申出があった場合において、請求人がその請求を完全に満たすものとしてこれを受諾したときは、合衆国の当局は、みずから支払をしなければならず、かつ、その決定及び支払った額を日本国の当局に通知する。 ⒟ この項の規定は、支払が請求を完全に満たすものとして てこれを受諾したときは、合衆国の当局は、みずから支払をしなければならず、かつ、その決定及び支払った額を日本国の当局に通知する。 ⒟ この項の規定は、支払が請求を完全に満たすものとして行なわれたものでない限り、合衆国軍隊の構成員又は被用者に対する訴えを受理する日本国の裁判所の裁判権に影響を及ぼすものではない。 6 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊等により損害を受けた者に対する補償金及び見舞金の支給について(昭和35年7月1日閣議決定。以下「昭和35年閣議決定」という。乙8。関係する部分を抜粋したもの) 1 補償金の支給について地位協定18条5項の被害者に対し支給する補償金は、通常生ずべき損失に相当する額とするも、一応昭和27年閣議決定の別表1の基準によること。 2 見舞金の支給について⑴ 見舞金は、地位協定に規定する合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為に伴い他人に損害を与えた場合(地位協定18条5項⒢の規定により同項の他の規定の適用を受けない損害を与えた場合を含む。)であって、民事特別法及びその他の法令(外国の法令を含む。)又は地位協定18条6項により救済されない直接の被害につき国が救済を必要と認めた場合にこれを支給すること。 ⑵ 被害者に対する見舞金の支給に関する事務は、調達庁長官がこれに当たること。 ⑶ 見舞金を支給する場合においては、昭和27年閣議決定の別表2の基準によること。 7 合衆国軍隊等により損害を受けた者に対する賠償金及び見舞金の支給について(昭和39年6月23日閣議決定。以下「昭和39年閣議決定」という。乙9。 関係する部分を抜粋したもの) 2 見舞金の支給について⑴ 見舞金は、地位協 る賠償金及び見舞金の支給について(昭和39年6月23日閣議決定。以下「昭和39年閣議決定」という。乙9。 関係する部分を抜粋したもの) 2 見舞金の支給について⑴ 見舞金は、地位協定に規定するアメリカ合衆国軍隊又はその構成員若しくは被用者がその非戦闘行為に伴い他人に損害を与えた場合であって、民事特別法その他の法令(外国の法令を含む。)又は地位協定18条6項の規定により救済されない直接の被害につき国が救済を必要と認めたときに支給することができるものとする。 ⑵ 被害者に対する見舞金の支給に関する事務は、防衛大臣が行うものとする。 3 賠償金及び見舞金の支給手続については、防衛大臣が定めるものとする。 5 昭和27年閣議決定及び昭和35年閣議決定は、昭和39年4月1日から廃止する。 8 合衆国軍隊等の行為等による被害者等に対する賠償金の支給等に関する省令(令和元年防衛省令第2号による改正前の昭和37年総理府令第42号。本件省令。乙2。関係する部分を抜粋したもの)(趣旨)第1条この省令は、合衆国軍隊等の行為等により損害を受けた者(以下、本件省令において「被害者」という。)又はその遺族(以下「被害者等」ということがある。)に対する賠償金及び見舞金の支給等に関し、その実施の手続を定めるものとする。 (定義)第2条この省令において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 一合衆国軍隊等の行為等日米安全保障条約に基づき日本国にあるアメリカ合衆国の軍隊又はその構成員若しくは被用者(日本国民である被用者又は通常日本国に居住する被用者にあっては、公務執行中の者に限る。)の違法の行為及びこれらの占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設 置又は管理の欠陥をいう。ただ る被用者又は通常日本国に居住する被用者にあっては、公務執行中の者に限る。)の違法の行為及びこれらの占有し、所有し、又は管理する土地の工作物その他の物件の設 置又は管理の欠陥をいう。ただし、地位協定18条5項(g)の規定により同項の他の規定の適用を受けない損害の発生原因である行為を除く。 二公務上の行為等合衆国軍隊等の行為等のうち、公務執行中の合衆国軍隊の構成員又は被用者の違法の行為及び合衆国軍隊が法律上責任を有するその他の行為又は事故をいう。 三賠償金民事特別法1条又は2条の規定により国が賠償する損害賠償金をいう。 四見舞金被害者又はその遺族で、民事特別法1条又は2条、地位協定18条6項その他の法令の規定により救済されないものに対し、国が救済を必要と認めて支給する見舞金をいう。 (事故の調査)第3条地方防衛局長及び東海防衛支局長は、管轄区域内における合衆国軍隊等の行為等による事故の発生を知ったときは、直ちに、関係行政機関の協力を得て、当該事故の調査を行わなければならない。 (損害賠償請求書の提出等)第4条被害者又はその遺族で、当該損害の賠償を請求しようとするものは、別記様式第1号による損害賠償請求書を事故発生地を管轄する地方防衛局長(事故発生地が東海防衛支局の管轄区域内にある場合にあっては、東海防衛支局長)に提出して当該損害の賠償を請求するものとする。この場合において、特別の理由があるときは、その者の住所地を管轄する地方防衛局長(当該住所地が東海防衛支局の管轄区域内にある場合にあっては、東海防衛支局長)を経由して損害賠償請求書を提出することができる。 2 前項後段の規定により損害賠償請求書を受理した地方防衛局長又は東海防衛支局長は、これを事故発生地を管轄する地方防衛局長(事故発生地が東海防衛 )を経由して損害賠償請求書を提出することができる。 2 前項後段の規定により損害賠償請求書を受理した地方防衛局長又は東海防衛支局長は、これを事故発生地を管轄する地方防衛局長(事故発生地が東海防衛支局の管轄区域内にある場合にあっては、東海防衛支局長。以下「地方防衛局長」という。)に送付しなければならない。 (損害賠償請求通知等)第5条地方防衛局長は、損害賠償請求書の提出を受けたときは、これを審査し、別記様式第2号による損害賠償請求通知及び事故発生証明書により、現地の合衆国軍隊の賠償担当官に損害の賠償の請求を受けた旨を通知し、事故発生の証明を取り付けるものとする。 2 地方防衛局長は、前項の手続を行なうとともに事故の状況、損害額、過失の割合等を記載した損害状況等報告書を作成し、損害賠償請求書、警察署長等の事故発生証明書その他参考となる書類を添えて、これを防衛大臣に送付しなければならない。 (合衆国の当局との協議)第6条防衛大臣は、前条2項の損害状況等報告書の送付を受けたときは、これを審査し、必要があるときは調査を行ない、別記様式第3号による損害賠償請求受理通知書により合衆国の当局に損害の賠償の請求を受けた旨を通知し、当該損害の発生原因である合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等であるかどうか等について合衆国の当局と協議しなければならない。 2 防衛大臣は、前項の協議が整った場合で、合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等であるときは別記様式第4号による公務上・外の証明書及び別記様式第5号による損害の原因確認書を、合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等でないときは公務上・外の証明書を、合衆国の当局とともに作成し、その一部を地方防衛局長に送付しなければならない。 (賠償金の支払)第8条地方防衛局長は、6条2項の規 等の行為等が公務上の行為等でないときは公務上・外の証明書を、合衆国の当局とともに作成し、その一部を地方防衛局長に送付しなければならない。 (賠償金の支払)第8条地方防衛局長は、6条2項の規定により合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等である旨の公務上・外の証明書の送付を受けたときは、損害の原因確認書等に基づき、賠償金の額を決定し、請求者から別記様式第6号による同意書を取り付けた後、賠償金の支払の手続をとらなければならない。 2 地方防衛局長は、前項の支払が完了したときは、速やかに別記様式第7号によ る支払報告書を作成し、これを防衛大臣に送付しなければならない。 (公務外損害補償請求書の提出)第11条地方防衛局長は、6条2項の規定により合衆国軍隊等の行為等が公務上の行為等でない旨の公務上・外の証明書の送付を受けたときは、請求者にその旨を通知し、別記様式第10号による公務外損害補償請求書を提出させるものとする。 (報告書の作成等)第12条地方防衛局長は、前条の規定により公務外損害補償請求書を提出させたときは、これを審査し、その請求額を査定し、当該事件に関する報告書(和英両文)を作成しなければならない。 2 地方防衛局長は、前項の報告書を作成したときは、公務外損害補償請求書並びに当該報告書及びこれに必要な書類(和英両文)を防衛大臣に送付しなければならない。 3 防衛大臣は、前項の規定により公務外損害補償請求書等の送付を受けたときは、これを合衆国の当局に送付しなければならない。 (慰謝料の支払通知)第13条防衛大臣は、合衆国の当局から慰謝料支払報告書の送付を受けたときは、これを地方防衛局長に送付しなければならない。 (防衛大臣への協議)第14条地方防衛局長は、被害者又はその遺族で、損害賠償請求 衛大臣は、合衆国の当局から慰謝料支払報告書の送付を受けたときは、これを地方防衛局長に送付しなければならない。 (防衛大臣への協議)第14条地方防衛局長は、被害者又はその遺族で、損害賠償請求書を提出したものに対し、見舞金を支給する必要があると認めたときは、その支給について、防衛大臣に協議しなければならない。 (見舞金の支払等)第15条地方防衛局長は、前条の協議の結果、見舞金を支給する必要があるときは、見舞金の額を決定し、その支払手続をとらなければならない。 2 地方防衛局長は、前項の支払が完了したときは、速やかにその旨を防衛大臣に報告しなければならない。 9 裁判所の確定判決額が米国政府による補償額を上回る事例が生じた場合の取扱いについて(施本総第8号(CGC)・平成10年1月13日付け防衛施設庁総務部長通知。甲6。以下「部長通知」という。)SACO最終報告(沖縄に関する特別行動委員会(SACO)が1996年(平成8年)12月2日に取りまとめた最終報告のこと。以下同じ。)に地位協定18条6項の運用改善措置の一つとして、裁判所の確定判決額が米国政府による補償額(米国見舞金の額)を上回る事例が生じた場合には、日本政府が差額を支払う努力をすることが盛り込まれた。 この差額については、見舞金(SACO見舞金)として支給することができることとしたので、下記のとおり通知する。 1 支給の根拠昭和39年閣議決定 2 支給の要件見舞金(SACO見舞金)の支給は、次の各号の全ての条件に該当する者を対象とする。 ⑴ 平成8年12月3日以降に地位協定18条6項の規定による補償金(米国見舞金)の支払を受けていること⑵ 加害者たる合衆国軍隊の軍人等を被告とした損害賠償請求訴訟において確定判決を得 とする。 ⑴ 平成8年12月3日以降に地位協定18条6項の規定による補償金(米国見舞金)の支払を受けていること⑵ 加害者たる合衆国軍隊の軍人等を被告とした損害賠償請求訴訟において確定判決を得ていること⑶ 確定判決額が前記⑴による補償額を上回っていること 3 支給額見舞金の額は、裁判所の確定判決額と地位協定18条6項の規定による補償額(米国見舞金の額)との差額とする。 なお、遅延損害金及び訴訟費用は支給の対象としない。 4 支給手続 支給手続は、本件省令14条及び15条による。 10 地位協定第18条第6項に関する事案で、被害者が損害賠償請求訴訟を提起し、裁判所の確定判決による額が米国政府による補償額を上回る事例が生じた場合の見舞金の支給について(平成20年3月5日付け防衛省地方協力局補償課長事務連絡票)の別添「SACO見舞金支給に係る事務処理について」(以下「本件実施要領」という。乙13) 1 実施要領⑴ 各防衛局業務課及び東海防衛支局施設企画課(以下「各局業務課等」という。)は、被害者又は請求代理人(以下「請求者」という。)からSACO見舞金の支給を受けたい旨の要請があった場合、請求者から別記様式1の「SACO見舞金支給申請書」に、米国政府からの慰謝料支払通知書の写し、確定判決書の写し等、必要書類を添付の上、提出させるものとする。 ⑵ 各局業務課等は、昭和39年閣議決定によるSACO見舞金を支給する必要があると認められる場合には、支給額及びその理由等を明らかにし、書面により本省補償課と仮協議を行う。 ⑶ 各局業務課等は、上記⑵の仮協議が整った後、本件省令14条の規定に基づき、別記様式2によりSACO見舞金の支給について、本省補償課と協議を行う。 ⑷ 本省補償課は、SACO見舞金の支給に関す ⑶ 各局業務課等は、上記⑵の仮協議が整った後、本件省令14条の規定に基づき、別記様式2によりSACO見舞金の支給について、本省補償課と協議を行う。 ⑷ 本省補償課は、SACO見舞金の支給に関する予算措置について所要の調整を了した後、その結果を別記様式3により各局業務課等に回答する。 ⑸ 各局業務課等は、本省補償課との協議結果を受けて、本件省令15条1項の規定に基づき、支給額を決定するとともに、別記様式4のSACO見舞金受諾書(以下「見舞金受諾書」という。)を取り付けの上、支給するものとする。 ⑹ 本省補償課は、本件省令13条に規定する慰謝料支払報告書の送付を受けたときは、各局業務課等に送付する。 ⑺ 各局業務課等は、慰謝料支払報告書を受理した後、SACO見舞金の支払を行 う。 ⑻ 各局業務課等は、見舞金の支払完了後、速やかに別記様式5によるSACO見舞金支給報告書を本省補償課に送付する。 2 留意事項⑴ 加害米兵等を被告とした損害賠償請求訴訟と地位協定18条6項の規定による補償請求との関係は、①まず訴訟を提起して、確定判決による額をもって補償請求がなされる場合、②米国政府による補償額に同意せず、訴訟を提起する場合、③補償請求はなされているが、一方で並行的に訴訟を提起する場合の3通りが考えられる。 これらいずれの場合であっても、確定判決を得た上で、最終的に地位協定18条6項の規定による米国政府からの補償(米国見舞金の支払)を受けた者であれば、SACO見舞金の支給対象に該当することとなる。 ⑵ 確定判決による額とは、裁判所が当該損害に対する直接の賠償額として認容した額であり、遅延損害金及び訴訟費用は含まれない。 ⑶ 各局業務課等は、裁判の動向等の把握に努め、本省補償課に適宜報告するものとする。 11 米 判所が当該損害に対する直接の賠償額として認容した額であり、遅延損害金及び訴訟費用は含まれない。 ⑶ 各局業務課等は、裁判の動向等の把握に努め、本省補償課に適宜報告するものとする。 11 米国政府による支払が裁判所の確定判決等による額に満たない場合の取扱いについて(防地補第10027号・平成30年6月21日付け地方協力局長通知。 以下「局長通知」という。乙14)SACO最終報告に地位協定18条6項に基づく請求に関する運用改善措置の一つとして、米国政府による支払(米国見舞金の支払)が裁判所の確定判決による額に満たない場合には、日本政府は、必要に応じてその差額を埋めるため、支払う努力をすることが盛り込まれた。 この差額については、見舞金(SACO見舞金)として支給することができることとしたので、下記のとおり通知する。 なお、裁判所の確定判決額が米国政府による補償額を上回る事例が生じた場合の取扱いについて(部長通知)は、廃止する。 1 支給根拠昭和39年閣議決定 2 支給要件見舞金(SACO見舞金)を支給するに当たっては、次の各号に掲げる要件のいずれにも該当する者を対象とする。 ⑴ 平成8年12月3日以降に米国政府による補償金又はそれに相当する金銭(米国見舞金。以下、局長通知において「補償金等」という。)の支払を受けていること⑵ 加害者たる合衆国軍隊の軍人等を被告とした損害賠償請求訴訟における確定判決又は損害賠償命令の申立てについての裁判における決定(以下「確定判決等」という。)を得ていること⑶ 1号に規定する米国政府が支払った補償金等(米国見舞金)の額が裁判所の確定判決等による額に満たないこと 3 支給額見舞金の支給額は、米国政府が支払った補償金等(米国見舞金)の額と裁判所の確定判 号に規定する米国政府が支払った補償金等(米国見舞金)の額が裁判所の確定判決等による額に満たないこと 3 支給額見舞金の支給額は、米国政府が支払った補償金等(米国見舞金)の額と裁判所の確定判決等による額との差額を上限とする。 なお、遅延損害金及び訴訟費用は支給の対象としない。 4 支給手続見舞金の支給手続は、本件省令14条及び15条の規定による。 12 外国人請求法(合衆国法典第10編。関係部分を抜粋したもの。乙4の1・2)第2734条外国における陸軍、海軍又は空軍の非戦闘行為に伴う財産の損失、人的傷害又は死亡 外国において生ずる考慮する価値のある補償請求を早期に解決することにより友好関係を増進し、維持するために、当該軍の省の長官又はその任命する将校若しくは文官は、長官の定める規則に基づき、10万ドルを超えない額で、次に掲げる合衆国に対する補償請求を解決し、支払うことができるよう、その管轄下にある軍隊の一人若しくはそれ以上の将校若しくは文官の組合せから成る一又はそれ以上の補償請求委員会を任命することができる。 ⑶ 外国の居住者に対する人的傷害又は死亡ただし、これらの損害、損失、人的傷害又は死亡は、合衆国又は領域、保護領若しくは属領の外において生じ、かつ、当該軍の省の長官の管轄下にある軍隊の非戦闘行為によって生じ、さもなければ、それに伴い又は次第によっては当該軍の省又は沿岸警備隊の構成員若しくは被用者によって生じた場合でなければならない。(以下、略)⒝ 補償請求は、次の場合に限り、項の規定に基づき承認することができる。 ⑴ 請求が、請求権発生後2年以内に提起される場合⑶ 請求が、敵の行為又は直接間接に戦闘中の合衆国軍隊の行為から生じたものではない場合ただし、間接的に戦闘 に基づき承認することができる。 ⑴ 請求が、請求権発生後2年以内に提起される場合⑶ 請求が、敵の行為又は直接間接に戦闘中の合衆国軍隊の行為から生じたものではない場合ただし、間接的に戦闘に係る空輸軍需物資も含め、戦闘任務に向かうため、又は、それから帰還する際に起こる合衆国軍隊の航空機に付随する事故又は故障から発生する補償請求を除くものとする。 ⒟ 当該軍の省の長官は、10万ドルを超える補償請求が、考慮する価値のあるものであり、かつ本条に基づき支払可能なものである場合には、10万ドルを支払い、かつ考慮する価値のある10万ドルを超える額を、第31編1304条に基づき支払うため、財務長官に報告する。 ⒟項に規定するものを除き、提示額が請求者により完全に満足するものとして受諾されない限り、いかなる補償請求に対しても、本条に基づき支払をすることはできない。 以上
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