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主文 1 被告らは,原告らに対し,連帯して金1025万0825円及びこれに対する平成11年1月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。2 原告らは,被告株式会社総合流通グループに対し,連帯して金63万5770円及びこれに対する平成9年8月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。3 原告らのその余の請求及び被告株式会社総合流通グループのその余の請求をいずれも棄却する。4 訴訟費用は,両事件を通じてこれを3分し,その1を原告らの負担とし,その余は被告らの負担とする。5 この判決の第1項及び第2項は,仮に執行することができる。事実及び理由 第1 請求 1 原告らの請求被告らは,原告らに対し,連帯して金1496万0164円及びこれに対する平成11年1月25日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。2 被告株式会社総合流通グループ(以下,「被告会社」という。)の請求原告らは,被告会社に対し,連帯して金155万5770円及びこれに対する平成9年8月1日から支払済みまで年6分の割合による金員を支払え。第2 事案の概要 1 本件は,(1) 原告らが,被告に対し,被告会社に請け負わせて建築した建物につき,構造上重大な欠陥があり,合計1496万0164円の損害を被ったと主張して,不法行為,債務不履行(不完全履行)ないし瑕疵担保責任に基づく損害賠償を請求し,(平成10年(ワ)第2828号事件),(2) 一方,被告会社が,原告らに対し,上記建物工事に関連して水道外線工事等を原告らから請け負ったと主張して,それら工事代金合計155万5770円の支払(うち水道外線工事代金55万5770円については予備的に不当利得返還請求権に基づいても請求)を請求し 連して水道外線工事等を原告らから請け負ったと主張して,それら工事代金合計155万5770円の支払(うち水道外線工事代金55万5770円については予備的に不当利得返還請求権に基づいても請求)を請求した(平成11年(ワ)第845号事件)事案である。 と主張して,それら工事代金合計155万5770円の支払(うち水道外線工事代金55万5770円については予備的に不当利得返還請求権に基づいても請求)を請求し 連して水道外線工事等を原告らから請け負ったと主張して,それら工事代金合計155万5770円の支払(うち水道外線工事代金55万5770円については予備的に不当利得返還請求権に基づいても請求)を請求した(平成11年(ワ)第845号事件)事案である。2 争いのない事実(1) 当事者ア被告会社は,高知市に本店を置く,建物の築造,設計監理及び請負並びに宅地の造成,建物の内部造作及び装飾業を主たる目的とする株式会社である。イ被告Aは,一級建築士の資格を持ち,建築設計事務所において建築工事の設計及び監理の業務に従事する者であり,本件建物の設計及び本件建物の建築確認申請の代理を受託した(本件建物の工事監理を受託したかどうかについては争いがある。)ものである。ウ原告らは,被告会社との間で,後記(2)のとおりの建築工事請負契約(以下,「本件請負契約」という。)を締結した者である。(2) 本件請負契約原告らは,平成8年12月3日,被告会社との間で,別紙物件目録記載の建物(以下,「本件建物」という。)の建築につき,原告らを注文者,被告会社を請負人とする本件請負契約を以下の約定のもとに締結した。工期着工平成8年12月20日完成事務所及び倉庫については,平成9年3月末日3階及び4階については,平成9年4月末日引渡完成の日から10日以内請負代金 2170万円支払方法契約成立時 217万円上 棟 時 651万円引 渡 時 1302万円(3) 原告らは,被告会社に対し,本件建物建築工事代金及び追加工事代金として,次のとおりの 上 棟 時 651万円引 渡 時 1302万円(3) 原告らは,被告会社に対し,本件建物建築工事代金及び追加工事代金として,次のとおりの金員を支払った。ア平成8年12月3日(契約日) 217万円イ平成9年3月5日 651万円ウ平成9年7月10日 1449万8344円(残代金及び追加工事代金)(4) 被告会社は,平成9年7月10日,原告らに本件建物を引き渡した。3 原告らの請求についての当事者の主張(原告らの主張)(1) 本件建物の欠陥本件建物には,次のとおり,欠陥が存在する。ア雨漏りがすること(ア) 屋上のFRP防水の施工不良。 の金員を支払った。ア平成8年12月3日(契約日) 217万円イ平成9年3月5日 651万円ウ平成9年7月10日 1449万8344円(残代金及び追加工事代金)(4) 被告会社は,平成9年7月10日,原告らに本件建物を引き渡した。3 原告らの請求についての当事者の主張(原告らの主張)(1) 本件建物の欠陥本件建物には,次のとおり,欠陥が存在する。ア雨漏りがすること(ア) 屋上のFRP防水の施工不良。屋上のFRP防水の施工不良により,表面にひび割れが発生し,表面が膨張してガラスマットの繊維が露出する等しており,そのため,本来の防水機能が発揮されず,これにより雨漏りが発生している。(イ) 外装ALCの塗装の施工不良。外装ALC板の未塗装部分があること,壊れた外壁ALC板を取り付けていること,外壁ALC板に穴が開いていること,腰丈コンクリートとALC板との間の補修が不十分なこと等から雨漏りが発生している。(ウ) 屋上立ち壁部分の笠木の取付不良。イ建具等の取付不良(ア) 3階入口ドアの取付不良。ドア枠が歪んで取り付けられている。(イ) 2階トイレのドアの取付不良。ドア枠が歪んで取り付けられている。(ウ) 3階トイレのドアの取付不良。ドア枠が歪んで取り付けられている。(エ) 3階クローゼットの のドアの取付不良。ドア枠が歪んで取り付けられている。主文 (ウ) 3階トイレのドアの取付不良。ドア枠が歪んで取り付けられている。(エ) 3階クローゼットの扉の取付不良。クローゼット横の窓にカーテンレールを取り付けたため、カーテンレールに扉が当たり、扉が半開きの状態にしかならない。(オ) 1階事務所流し台のコンセントが使用不能。(カ) 4階のアルミサッシ枠の取付不良。(キ) 階段のクロスに染みが発生している。(ク) 階段のすべり止め(ビニール製)が短い。(ケ) 3階フローリングが浮いている。(コ) 4階台所の換気扇の取付不良。(サ) 壁紙の破れ及び染みの発生。(シ) 4階収納庫(クローゼット)の扉の亀裂。ウ排水工事の瑕疵 (ア) 3階トイレの排水パイプが水平に取り付けられているため、排水が詰まりやすくなっている。(イ) 4階ベランダから1階にかけて取り付けられている排水パイプが下水の本管に接続されていない。(ウ) 本件建物1階から4階までの給排水パイプの貫通部分に穴埋めがされていない。 4階台所の換気扇の取付不良。(サ) 壁紙の破れ及び染みの発生。(シ) 4階収納庫(クローゼット)の扉の亀裂。ウ排水工事の瑕疵 (ア) 3階トイレの排水パイプが水平に取り付けられているため、排水が詰まりやすくなっている。(イ) 4階ベランダから1階にかけて取り付けられている排水パイプが下水の本管に接続されていない。(ウ) 本件建物1階から4階までの給排水パイプの貫通部分に穴埋めがされていない。エ外壁及び塗装工事の瑕疵 (ア) 外壁ALC板にピンホールが多数発生している。(イ) 外壁ALC板が変色している。(ウ) 窓のサッシ部分の切断が悪く補修されていない。(エ) 窓のサッシの下側部分に塗られているシールに穴が開いている。オ防水工事及び左官工事の瑕疵 (ア) 散水カランの施工不良。(イ) 腰丈コンクリートの表面に穴が開いている。(ウ) 腰丈コンクリートにひび割れが発生している。(エ) 1階倉庫床の施工不良。(ア) 散水カランの施工不良。(イ) 腰丈コンクリートの表面に穴が開いている。(ウ) 腰丈コンクリートにひび割れが発生している。(エ) 1階倉庫床の施工不良。(オ) 本件建物東側通路の仕上げ不良。(カ) 本件建物西側通路の仕上げ不良。(キ) 1階外部階段の施工不良。(2) 被告会社の責任(選択的主張)ア不法行為責任本件建物の前記欠陥は,被告会社が,故意又は過失により,建築関係者であれば職務上熟知すべき必要な施工方法やメーカーが指導している通常の施工方法を手抜きしたことによって生じたものであり,被告会社は,民放709条の不法行為者として,本件建物の欠陥により原告らが被った後記損害を賠償する責任がある。イ債務不履行責任(不完全履行)本件建物の前記欠陥がいずれも被告会社の重大な過失によって生じたもので本件建物の主要部分に関わるものであることに鑑みれば,被告会社において債務の本旨に従った履行を了したものとは認められず,本件建物は未完成である(不完全履行)。したがって,被告会社は,原告らに対し,本件請負契約の債務不履行(不完全履行)により原告らが被った後記損害を賠償する責任がある。ウ瑕疵担保責任本件建物の前記欠陥は,いずれも本件建物の重大な瑕疵であるから,被告会社は,原告らに対し,民法634条の瑕疵担保責任の規定に基づき,原告らが被った後記損害を賠償する責任がある。 務の本旨に従った履行を了したものとは認められず,本件建物は未完成である(不完全履行)。したがって,被告会社は,原告らに対し,本件請負契約の債務不履行(不完全履行)により原告らが被った後記損害を賠償する責任がある。ウ瑕疵担保責任本件建物の前記欠陥は,いずれも本件建物の重大な瑕疵であるから,被告会社は,原告らに対し,民法634条の瑕疵担保責任の規定に基づき,原告らが被った後記損害を賠償する責任がある。(3) 被告Aの責任(選択的主張)被告Aは,一級建築士であり,設計・監理の任務にあるから,通常の施工方法を取るべきことを被告会社に指摘しなければならない注意義務があるにもかかわらず,これを怠り,上記(1)各欠陥を見逃している。そして,本件 は,一級建築士であり,設計・監理の任務にあるから,通常の施工方法を取るべきことを被告会社に指摘しなければならない注意義務があるにもかかわらず,これを怠り,上記(1)各欠陥を見逃している。そして,本件建物の前記欠陥は,被告Aが工事監理者としてなすべき監理を怠ったために生じたものにほかならない。したがって,被告Aは,原告らに対し,原告らが本件建物の前記欠陥により被った損害につき,被告会社と共同不法行為者として,また工事監理契約の債務不履行に基づき,これを賠償する責任がある。(4) 原告らの損害本件建物の欠陥等により原告らが被った損害は,次のとおりである。ア本件建物補修費用相当損害金 1154万7925円本件建物の前記欠陥の補修に要する費用である。イ慰謝料 50万円本件雨漏り発生後から本件訴訟を提起するまで,自らあらゆる調査をしたり,建築関係者と多数回に渡り打合せを繰り返したりして,心身とも消耗し,精神的に多大の損害を被った。これら,原告らの受けた精神的損害は財産的損害が填補されたとしても容易に回復し得るものではなく,別途金銭をもって慰謝される必要があるところ,その慰謝料は,少なくとも金50万円を下らない。ウ本件欠陥調査費用 50万円本件建物の欠陥調査は,専門家の助力(意見書作成,打ち合わせ立会,調査立会,具体的な構造計算)を得てこれを行うことが不可欠であったため,原告らは,それら費用として少なくとも50万円の支出を余儀なくされた。エ工事完成遅延による違約金 133万8000円本件 を行うことが不可欠であったため,原告らは,それら費用として少なくとも50万円の支出を余儀なくされた。 0万円を下らない。ウ本件欠陥調査費用 50万円本件建物の欠陥調査は,専門家の助力(意見書作成,打ち合わせ立会,調査立会,具体的な構造計算)を得てこれを行うことが不可欠であったため,原告らは,それら費用として少なくとも50万円の支出を余儀なくされた。エ工事完成遅延による違約金 133万8000円本件 を行うことが不可欠であったため,原告らは,それら費用として少なくとも50万円の支出を余儀なくされた。エ工事完成遅延による違約金 133万8000円本件工事は,契約締結時の完成時期を大幅に遅延しており,本件請負契約条項第11条に基づき,請負代金額の1000分の1を1日分,工期の遅れは少なくとも60日間として違約金を計算した。オ雨漏りによる着物のクリーニング代金 7万4239円本件建物の雨漏りによって,当時押し入れに入れてあった着物に染みが付き,これを取るためクリーニングに出し,その費用として金7万4239円の支出を余儀なくされた。カ弁護士費用 100万円本件訴訟は,欠陥住宅訴訟として法的,建築技術的に困難な問題を抱えているため,弁護士に本件訴訟の追行を依頼するしかなく,原告らは,原告ら代理人弁護士に対し,本件訴訟の報酬として,100万円の支払を約した。キ以上合計 1496万0164円(5) よって,原告らは,被告らに対し,連帯して,前記損害金合計1496万0164円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成11年1月25日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の支払を求める。(被告らの主張)(1) 本件建物の欠陥についてア原告らの主張(1)のアについては,否認ないし争う。イ原告らの主張(1)のイのうち,(ア)ないし(ウ)は否認する。(エ)は認めるが,カーテンレールを窓の枠の中につけ替えれば足りる。その費用は5000円である。(オ)は使用不能は認めるが,瑕疵であることは否認する。もともと配線 うち,(ア)ないし(ウ)は否認する。(エ)は認めるが,カーテンレールを窓の枠の中につけ替えれば足りる。その費用は5000円である。(オ)は使用不能は認めるが,瑕疵であることは否認する。もともと配線の予定はなかったものである。すなわち,流し台は,コンセントのない3万円程度のものを据える予定であったのを,原告らの同意を得て,被告会社の好意によりコンセント付きの10万円ほどの流し台を据えたものであり,配線は予定していない。 ウ)は否認する。(エ)は認めるが,カーテンレールを窓の枠の中につけ替えれば足りる。その費用は5000円である。(オ)は使用不能は認めるが,瑕疵であることは否認する。もともと配線の予定はなかったものである。すなわち,流し台は,コンセントのない3万円程度のものを据える予定であったのを,原告らの同意を得て,被告会社の好意によりコンセント付きの10万円ほどの流し台を据えたものであり,配線は予定していない。(カ)は否認する。(キ)は否認する。引渡時点では染みはなかった。染みの発生原因は結露のためと思われる。(ク)は認める。しかし,実害はない。(ケ)は認めるが,瑕疵であることは否認する。フロア材の下地は30センチメートル間隔で4センチメートル角の木材を設けており,通常の施工をしている。原告らの使用方法が乱暴であったためフロア材がひずみを起こしたものである。(コ)は否認する。メーカーによって修理済みである。(サ)は否認する。原告ら主張の場所自体不明である。(シ)は否認する。引渡時点では亀裂はなかった。原告らの使用方法が乱暴であるため亀裂が生じたものである。ウ原告らの主張(1)のウのうち,(ア)は争う。(イ)は認めるが,瑕疵であることは否認する。原告ら主張の排水パイプは2,3階のベランダの雨水及び洗濯排水のみを排出するもので,排出量が少量であること及び本件建物の南面にある下水本管にパイプをつなぐと少なくとも100万円の工事費用を要するため,原告らの承諾を得て途中で切断した。(ウ)は認める。エ原告らの主張(1)のエのうち,(ア)は,ピンホールがあることは認めるが,通常の施工でもピンホールは発生する。ピンホールが存在しても耐久性の上では問題はなく,単に美観上の問題に過ぎない。しかもすぐ近くで見ないとピンホールの存在には気がつか ピンホールがあることは認めるが,通常の施工でもピンホールは発生する。ピンホールが存在しても耐久性の上では問題はなく,単に美観上の問題に過ぎない。しかもすぐ近くで見ないとピンホールの存在には気がつかない。(イ)は認めるが,経年変化であり,瑕疵にはあたらない。(ウ)は認めるが,耐久性の上では問題はなく,ごく近くで見ないと気づかず,美観上も問題はない。(エ)は否認する。多少の窪みはあるが,穴はなく耐久性は問題がない。オ原告らの主張(1)のオのうち,(ア)は否認する。正常の位置に取り付け,蓋も設置して引き渡している。 ,単に美観上の問題に過ぎない。しかもすぐ近くで見ないとピンホールの存在には気がつかない。(イ)は認めるが,経年変化であり,瑕疵にはあたらない。(ウ)は認めるが,耐久性の上では問題はなく,ごく近くで見ないと気づかず,美観上も問題はない。(エ)は否認する。多少の窪みはあるが,穴はなく耐久性は問題がない。オ原告らの主張(1)のオのうち,(ア)は否認する。正常の位置に取り付け,蓋も設置して引き渡している。(イ)は否認する。窪みはあるが,耐久性には問題がなく,美観上も問題とする程のものではない。(ウ)経年変化であり,瑕疵ではない。(エ)は否認する。原告らの使用方法が乱暴なため,床表面が浮いてきたりしたものと思われる。(オ)は否認する。これは,請負工事対象外である。(カ)は否認する。隣地との境界の目印とするため,原告らの了解を得て,土間筋が見えるように工事したものである。(キ)は否認する。美観上,機能上,耐久性,耐力において問題はない。見た目が汚いとしても,それは長期間の使用によるものである。(2) 被告会社の責任について原告らの主張(2)は,いずれも否認ないし争う。(3) 被告Aの責任について原告らの主張(3)は,いずれも否認ないし争う。被告Aは,被告会社から原告ら宅の設計と建築確認申請の代理を依頼され,これを受任したが,工事監理については,被告会社からも原告らからも依頼されていない。本件建物は一級建築士の工事監理者なしには建築できない建物であったことから,建築確認申請に工事監理者名を記載して申請する必要があったため,被告A名を記載したに過ぎない。原告らも,被告Aが監理業務を受任していないことは知悉してい 理者なしには建築できない建物であったことから,建築確認申請に工事監理者名を記載して申請する必要があったため,被告A名を記載したに過ぎない。原告らも,被告Aが監理業務を受任していないことは知悉していた。(4) 原告らの損害についてア原告らの主張(4)のア(本件建物補修費用相当損害金)は否認ないし争う。イ原告らの主張(4)のイ(慰謝料),ウ(本件欠陥調査費用)は争う。ウ原告らの主張(4)のエ(工事完成遅延による違約金)は否認する。本件建物工事が遅延したのは,原告らが,本件建物の設計図が完成後,建築確認申請をなす以前に,建物間口を4.25メートルから4.80メートルに広げること等を要望したため,設計変更が生じ,これにより建築確認申請が遅れたことと,隣地(東隣り)との境界紛争により工事が一時中断したことによるものである。 イ(慰謝料),ウ(本件欠陥調査費用)は争う。ウ原告らの主張(4)のエ(工事完成遅延による違約金)は否認する。本件建物工事が遅延したのは,原告らが,本件建物の設計図が完成後,建築確認申請をなす以前に,建物間口を4.25メートルから4.80メートルに広げること等を要望したため,設計変更が生じ,これにより建築確認申請が遅れたことと,隣地(東隣り)との境界紛争により工事が一時中断したことによるものである。エ原告らの主張(4)のオ(雨漏りによる着物のクリーニング代金)は否認し,同カ(弁護士費用)は争う。(5) 瑕疵担保期間の特約と期間の経過ア被告会社は,平成9年7月10日,原告らに本件建物を引き渡すに際し,「新築建物に関するアフターサービス等特約書」を交付し,その瑕疵担保期間につき合意した。イ原告らが本件建物の瑕疵として主張するうち,原告らの主張(1)のイ(サ)(壁紙の破れ及び染みの発生),同(1)のオ(エ)(1階倉庫床の施工不良)及び同(1)のオ(キ)(1階外部階段の施工不良)については,上記合意による瑕疵担保期間はいずれも2年であるところ,原告らからの瑕疵主張は,前の2つについては平成12年10月31日に,後の1つについては平成12年4月28日になされたものであり,いずれも瑕疵担保責任期間経過後の瑕疵主張であり,既に瑕疵担保責任は2年の経過により消滅している。については平成12年10月31日に,後の1つについては平成12年4月28日になされたものであり,いずれも瑕疵担保責任期間経過後の瑕疵主張であり,既に瑕疵担保責任は2年の経過により消滅している。4 被告会社の請求についての当事者の主張(被告会社の主張)(1) 被告会社は,原告らから既に支払を受けている本件建物工事代金(追加工事代金を含む)に含まれる以外の工事等として,次の工事等を依頼され,いずれも本件建物を原告らに引き渡した平成9年7月10日までにそれら工事等を行った。ア土間コンクリート敷設工事等 12万円被告会社は,平成8年11月28日,原告らから,(ア)本件建物と本件建物の南側に接する道路との間の本件建物敷地部分約15平方メートルにつき土間コンクリートの敷設,(イ)同道路と接する部分の側溝にグレーチング7枚の設置を依頼されて行ったが,その代金は,以下のとおり12万円である。(ア) 土間コンクリート敷設 8万円(イ) グレーチング設置 4万円イ設計変更料 30万円本件建物の当初の設計では,本件建物の東西幅は4.25メートルであったのを,原告らの要望により東西幅4.80メートルとすることになったため,被告会社は,被告Aに設計変更を依頼し,その費用に35万円を要したが,被告会社は,原告らに対し,その費用は30万円程と伝えていた関係もあり,30万円の限度で請求する。 である。(ア) 土間コンクリート敷設 8万円(イ) グレーチング設置 4万円イ設計変更料 30万円本件建物の当初の設計では,本件建物の東西幅は4.25メートルであったのを,原告らの要望により東西幅4.80メートルとすることになったため,被告会社は,被告Aに設計変更を依頼し,その費用に35万円を要したが,被告会社は,原告らに対し,その費用は30万円程と伝えていた関係もあり,30万円の限度で請求する。ウ水道外線工事等 91万5770円被告会社は,平成9年1 に対し,その費用は30万円程と伝えていた関係もあり,30万円の限度で請求する。ウ水道外線工事等 91万5770円被告会社は,平成9年1月末ころ,原告らから,公道にある上水道本管から本件建物まで上水道を引き込む工事一式及び水道私設メーター設備工事を請け負い,平成9年6月ころ完成させ,同年7月10日に本件建物と同時に引き渡したが,その代金は,以下のとおり金91万5770円である。(ア) 水道外線引込工事分 55万5770円(イ) 水道私設メーター設備工事分 8万円(ウ) 人件費 28万円(被告代表者1名,1日あたり3万円×4日=12万円)(交通整理のため旗振り要員1日あたり2名ずつ,4日間であるから延べ8人役×1人役2万円=16万円)エア及びウの工事についての諸経費等 22万円オ以上合計 155万5770円(2) 仮に,上記のうち,水道外線工事につき,被告会社と原告らとの間に合意がないまま被告会社がその工事を行ったものと認められるとしても,その場合には,原告らは,被告会社の上記工事代金相当額を被告会社の損失によりこれを不当に利得するものである。(3) よって,被告会社は,原告らに対し,上記代金合計155万5770円及びこれに対する平成9年8月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。(原告らの主張)(1) 被告の主張(1)はすべて否認する。被告の主張( 及びこれに対する平成9年8月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。(原告らの主張)(1) 被告の主張(1)はすべて否認する。被告の主張(1)ア,イ,エについては,平成9年7月1日の引渡時点までに被告会社から追加工事,立替金等として何ら請求されておらず,被告会社において請求できる根拠があるものではない。 (1) 被告の主張(1)はすべて否認する。被告の主張( 及びこれに対する平成9年8月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める。(原告らの主張)(1) 被告の主張(1)はすべて否認する。被告の主張(1)ア,イ,エについては,平成9年7月1日の引渡時点までに被告会社から追加工事,立替金等として何ら請求されておらず,被告会社において請求できる根拠があるものではない。(2) 被告の主張(2)は争う。第3 当裁判所の判断 1 原告らの請求について(1) 本件建物の欠陥の有無ア雨漏り甲6,16,18の1,19ないし21,30の1・2,32,40ないし47,60ないし62,証人Bの鑑定報告書2及び3,原告C本人尋問の結果,鑑定の結果及び弁論の全趣旨によれば,本件建物は,次の(ア)ないし(ウ)の施工不良が原因で,4階クローゼット内を始めとして雨漏り及び屋内への湿気の浸透現象が生じていることが認められる。乙28,42,43,被告A本人尋問の結果及び被告会社代表者本人尋問の結果中,上記認定と異なる部分はにわかに採用できず,他に上記認定を覆すに足りる確たる証拠はない。(ア) 屋上FRP防水の施工不良屋上FRP防水は,下地処理,脱泡作業,トップコート共に施工不良で,トップコートの上からガラスマットのジョイントが見えたりしている。(イ) 外壁ALC板施工不良本件建物東壁面は,東側の空地が狭く,そのため,各ALC板のジョイント処理及び窓のアルミサッシや基礎との取り合い処理(モルタル詰め及びコーキング)ができていないうえ,外装塗装がなされていない。西,北及び南壁面は,欠け・穴あき等のキズのあるALC板がそのまま使われており,また,基礎の腰丈コンクリートとの取り合いも不十分である。また, できていないうえ,外装塗装がなされていない。西,北及び南壁面は,欠け・穴あき等のキズのあるALC板がそのまま使われており,また,基礎の腰丈コンクリートとの取り合いも不十分である。また,外装塗装はなされているものの,下地処理が不十分なうえ,下地調整材(フィーラー)の塗装がなされておらず,かつ,塗材の量が少なく,塗膜が全体的に薄くなっており,本来の防水性能を備えていない。(ウ) 屋上立ち壁部分の笠木の取付不良屋上笠木は,建築確認申請図面(設計図)ではアルミ笠木と明記があるにかかわらず,鉄板製の板金工による折り曲げ加工された現場取付品が取り付けられており,設計図と相違している。 また,外装塗装はなされているものの,下地処理が不十分なうえ,下地調整材(フィーラー)の塗装がなされておらず,かつ,塗材の量が少なく,塗膜が全体的に薄くなっており,本来の防水性能を備えていない。(ウ) 屋上立ち壁部分の笠木の取付不良屋上笠木は,建築確認申請図面(設計図)ではアルミ笠木と明記があるにかかわらず,鉄板製の板金工による折り曲げ加工された現場取付品が取り付けられており,設計図と相違している。のみならず,現実に取付の笠木は,手で捲り上げることができる程度の余りにも簡易な手法で施工されており,ビルタイプの建物のALC板のための笠木としては,標準的な施工を下回っている。「小ハゼ止め」となっている水平ジョイント部分も豪雨,風向きによっては,水を呼び込む虞があり,せめて「立ちはぜ止め」にすべきである。イ建具等の取付不良の有無以下に認定のとおり,(ア)ないし(エ),(キ)ないし(コ),(シ)については瑕疵のあることが認められるが,(オ),(カ),(サ)については,瑕疵があるとは認められない。(ア) 3階入口ドアの取付不良。甲24,49,証人Bの鑑定報告書2及び3並びに鑑定の結果によれば,ドア枠が歪んで取り付けられていることが認められる。(イ) 2階トイレのドアの取付不良。甲24,49,証人Bの鑑定報告書2及び3並びに鑑定の結果によれば,ドア枠が歪んで取り付けられていることが認められる。(ウ) 3階トイレのドアの取付不良。甲24,49,証人Bの鑑定報告書2及 証人Bの鑑定報告書2及び3並びに鑑定の結果によれば,ドア枠が歪んで取り付けられていることが認められる。(ウ) 3階トイレのドアの取付不良。甲24,49,証人Bの鑑定報告書2及び3並びに鑑定の結果によれば,ドア枠が歪んで取り付けられていることが認められる。(エ) 3階クローゼットの扉の取付不良。クローゼット横の窓にカーテンレールを取り付けたため,カーテンレールに扉が当たり,扉が半開きの状態にしかならないことは,当事者間に争いがない。(オ) 1階事務所流し台のコンセントが使用不能。1階事務所流し台のコンセントの配線がなされておらず,使用不能であることは,当事者間に争いがない。しかし,被告らの主張によれば,もともと配線の予定はなく,コンセントなしの3万円程度の流し台を設置するはずであったのを,被告会社の好意によりコンセント付きの10万円ほどの流し台を設置したものとのことであり,そうとすれば,その使用不能を瑕疵とは認めがたいところ,これを覆すに足りる証拠はなく,コンセントの使用不能をもって,瑕疵と断定するには至らない。 ておらず,使用不能であることは,当事者間に争いがない。しかし,被告らの主張によれば,もともと配線の予定はなく,コンセントなしの3万円程度の流し台を設置するはずであったのを,被告会社の好意によりコンセント付きの10万円ほどの流し台を設置したものとのことであり,そうとすれば,その使用不能を瑕疵とは認めがたいところ,これを覆すに足りる証拠はなく,コンセントの使用不能をもって,瑕疵と断定するには至らない。(カ) 4階のアルミサッシ枠の取付不良。原告らは,甲29の1枚目の写真により,4階アルミサッシ窓に隙間があると主張するが,同号の写真は不鮮明で,瑕疵と断定するには至らない。(キ) 階段のクロスに染みが発生している。甲24のNo.11の写真によれば,階段のクロスに木のニスが出てきたような染みがあることが認められる。(ク) 階段のすべり止め(ビニール製)が短い。階段のすべり止め(ビニール製)が短いことについては,当事者間に争いがない。(ケ) 3階フローリングが浮いている。甲24のNo.14の べり止め(ビニール製)が短い。階段のすべり止め(ビニール製)が短いことについては,当事者間に争いがない。(ケ) 3階フローリングが浮いている。甲24のNo.14の写真及び弁論の全趣旨によれば,3階フローリングが一部浮き上がっていることが認められる。(コ) 4階台所の換気扇の取り付け不良。甲24のNo.16の写真,証人Bの鑑定報告書2及び3並びに鑑定の結果によれば,4階台所換気扇は,屋外のウェザーカバーの形態が不良のため,排気不良の欠陥設備であることが認められる。(サ) 壁紙の破れ及び染みの発生。原告らは,甲24のNo.19,20の写真により,壁紙の破れ及び染みの発生を主張するが,その写真自体不鮮明であるうえ,本件建物のどの部分かも定かでなく,瑕疵と認めることはできない。(シ) 4階収納庫(クローゼット)の扉の亀裂。甲16のオの写真,甲23のNo.3の写真によれば,4階収納庫(クローゼット)の扉の亀裂が生じていることが認められる。被告らは,原告らの使用方法が乱暴であったため生じたものと主張するが,原告らの使用方法が特に乱暴であったことを窺わせるような証拠はなく,瑕疵ではないとする被告らの主張は採用できない。ウ排水工事の瑕疵の有無以下に認定のとおり,(ア)ないし(ウ)の瑕疵のあることが認められる。 )の扉の亀裂。甲16のオの写真,甲23のNo.3の写真によれば,4階収納庫(クローゼット)の扉の亀裂が生じていることが認められる。被告らは,原告らの使用方法が乱暴であったため生じたものと主張するが,原告らの使用方法が特に乱暴であったことを窺わせるような証拠はなく,瑕疵ではないとする被告らの主張は採用できない。ウ排水工事の瑕疵の有無以下に認定のとおり,(ア)ないし(ウ)の瑕疵のあることが認められる。(ア) 3階トイレの排水パイプが水平に取り付けられているため,排水が詰まりやすくなっている。甲25のNo.3の写真及び弁論の全趣旨によれば,上記排水パイプの勾配不良による瑕疵のあることが認められる。(イ) 4階ベランダから1階にかけて取り付けられている排水パイプが下水の本管に接続されていない。び弁論の全趣旨によれば,上記排水パイプの勾配不良による瑕疵のあることが認められる。(イ) 4階ベランダから1階にかけて取り付けられている排水パイプが下水の本管に接続されていない。上記については,当事者間に争いがない。被告らは,下水本管に接続するには100万円もの費用がかかるので,原告らの承諾を得て接続しなかったと主張するが,これを認めるに足りる証拠はなく,瑕疵でないとする被告らの主張は採用できない。(ウ) 本件建物1階から4階までの給排水パイプの貫通部分に穴埋めがされていない。上記については,当事者間に争いがない。エ外壁及び塗装工事の瑕疵の有無以下に認定のとおり,(ア)ないし(エ)の瑕疵があることが認められる。(ア) 外壁ALC板にピンホールが多数発生している。ピンホールのあることは当事者間に争いがない。なお被告らは美観上の問題に過ぎないと主張するが,甲43によれば,ピンホールが多数発生しているのは,下地材(フィーラー)の塗装がなされていないためと認められ,単なる美観上の問題に過ぎないとする被告らの主張は採用できない。(イ) 外壁ALC板が変色している。上記については当事者間に争いがない。もっとも,被告らは経年変化であるとして,これが瑕疵であることを争うが,むしろ,前記アの(イ)で認定した外装塗装の不良によるものと認定するのが相当である。(ウ) 窓のサッシ部分の切断が悪く補修されていない。上記については当事者間に争いがない。もっとも被告らは耐久性においても,美観上も問題ないと主張するが,前記アで認定したとおり,この点が雨漏りの原因の1つと認められ,被告らの主張は採用できない。 ない。もっとも,被告らは経年変化であるとして,これが瑕疵であることを争うが,むしろ,前記アの(イ)で認定した外装塗装の不良によるものと認定するのが相当である。(ウ) 窓のサッシ部分の切断が悪く補修されていない。上記については当事者間に争いがない。もっとも被告らは耐久性においても,美観上も問題ないと主張するが,前記アで認定したとおり,この点が雨漏りの原因の1つと認められ,被告らの主張は採用できない。(エ) 窓のサッシの下側部分に塗られ っとも被告らは耐久性においても,美観上も問題ないと主張するが,前記アで認定したとおり,この点が雨漏りの原因の1つと認められ,被告らの主張は採用できない。(エ) 窓のサッシの下側部分に塗られているシールに穴が開いている。甲20のNo.8の写真,46及び弁論の全趣旨によれば,上記の瑕疵が認められる。オ防水工事及び左官工事の瑕疵以下に認定のとおり,(ア),(イ),(エ),(キ)の瑕疵があることが認められるが,(ウ),(オ),(カ)については瑕疵があるとは認められない。(ア) 散水カランの施工不良。甲19のNo.7の写真によれば,散水カランの位置が右に寄りすぎており,ホースがうまく接続できないこと,蓋も設置されていないことが認められる。(イ) 腰丈コンクリートの表面に穴が開いている。甲19のNo.8の写真によれば,腰丈コンクリートに窪みのあることが認められるが,耐久性に問題があるとまでは窺えず,瑕疵とは認められない。(ウ) 腰丈コンクリートにひび割れが発生している。甲19のNo.10の写真によれば,腰丈コンクリートにひび割れが生じているが,経年変化によるものと認められ,瑕疵とは認められない。(エ) 1階倉庫床の施工不良。甲32の(ア)(イ),42,43,証人Bの鑑定報告書2及び3並びに鑑定の結果によれば,1階倉庫の床は,FRP防水が施工されているところ,屋上と同じく,その施工不良のため,床表面に白いものが飛び出したり,床が膨らんできたりしていることが認められる。(オ) 本件建物東側通路の仕上げ不良。原告らは,甲19のNo.6の写真により,通路の仕上げ不良の瑕疵があると主張するが,同写真からは直ちに瑕疵と たりしていることが認められる。(オ) 本件建物東側通路の仕上げ不良。原告らは,甲19のNo.6の写真により,通路の仕上げ不良の瑕疵があると主張するが,同写真からは直ちに瑕疵というほどの仕上げ不良があるとは認めがたく,他にこの点の瑕疵を認めるに足りる証拠はない。 本件建物東側通路の仕上げ不良。原告らは,甲19のNo.6の写真により,通路の仕上げ不良の瑕疵があると主張するが,同写真からは直ちに瑕疵と たりしていることが認められる。(オ) 本件建物東側通路の仕上げ不良。原告らは,甲19のNo.6の写真により,通路の仕上げ不良の瑕疵があると主張するが,同写真からは直ちに瑕疵というほどの仕上げ不良があるとは認めがたく,他にこの点の瑕疵を認めるに足りる証拠はない。(カ) 本件建物西側通路の仕上げ不良。原告らは,甲29のNo.9の写真により,コンクリート下の鉄筋が見えており,瑕疵であると主張するが,これは,被告らが主張するように,隣地との境界の目印とするため,鉄筋が見えるように工事したものとも解され,これが仕上げ不良の瑕疵とは断定できない。(キ) 1階外部階段の施工不良。甲19のNo.4の写真,証人Bの鑑定報告書2及び3並びに鑑定の結果によれば,階段割寸法及び勾配等の微調整なしにタイルが張られ,そのため,階段割寸法の不良,逆水勾配の階段となっていることが認められる。(2) 被告会社の責任前記争いのない事実のとおり,原告らは,平成9年7月10日,被告会社から本件建物の引渡を受けたものであるが,本件建物については,上記(1)のとおりの欠陥があったものであるから,請負人である被告会社は,原告らに対し,瑕疵担保責任に基づき,原告らが被った損害を賠償する義務があるものと認められる。また,上記欠陥は,被告会社がその請負人として通常の施工方法を遵守していれば,生じなかったものと認められるから,被告会社には,民法709条の不法行為者としての損害賠償責任もあるものと認められる。(3) 被告Aの責任本件建物は一級建築士の工事監理者なしには建築できない建物であったこと,そのため,被告Aが,被告Aを工事監理者と記載して本件建物の建築確認申請を行ったことは被告Aの自認するところである。責任本件建物は一級建築士の工事監理者なしには建築できない建物であったこと,そのため,被告Aが,被告Aを工事監理者と記載して本件建物の建築確認申請を行ったことは被告Aの自認するところである。そして,甲2,3及び弁論の全趣旨によれば,本件請負契約は,設計,施工,監理を一括して被告会社が請け負う契約形態であったことが認められる(甲3の被告会社作成の見積書には,設計・管理〔監理〕費として43万2845円が計上されている。 級建築士の工事監理者なしには建築できない建物であったこと,そのため,被告Aが,被告Aを工事監理者と記載して本件建物の建築確認申請を行ったことは被告Aの自認するところである。そして,甲2,3及び弁論の全趣旨によれば,本件請負契約は,設計,施工,監理を一括して被告会社が請け負う契約形態であったことが認められる(甲3の被告会社作成の見積書には,設計・管理〔監理〕費として43万2845円が計上されている。)。そうとすれば,被告Aは,本件建物の設計のみならず,工事監理についても被告会社から依頼を受け,これに基づき,建築確認申請に自らを工事監理者と記載したものと認めるのが相当であり,これと異なる乙41の記載及び被告A本人の供述はにわかに措信できず,他に前記認定を覆すに足りる確たる証拠はない。したがって,被告Aは,原告らとの間に直接の契約関係はないにしても,本件建物の工事監理者として本件建物が通常の施工方法によってなされるよう監理をなすべき義務があったというべきところ,前記(1)で認定の本件建物の欠陥は,被告Aが工事監理者としてなすべき監理を怠ったために生じたものと認められるから,被告Aは,原告らに対し,不法行為責任に基づき,原告らが被った損害を賠償する義務があると認められる。(4) 原告らの損害ア本件建物補修費用相当損害金 865万0825円(ア) 前記(1)のアの雨漏り及び同(1)のオ(エ)の1階倉庫床の施工不良の補修費用 768万7825円甲63,64,証人Bの鑑定報告書2及び3,鑑定の結果並びに弁論の全趣旨によれば,上記補修のためには,次のとおり,屋上笠木,屋上及び1階倉庫床防水工事のやり直し,外壁ALC面の補修,塗装工事のほか,雨漏り及び屋内への湿気の浸透により, び3,鑑定の結果並びに弁論の全趣旨によれば,上記補修のためには,次のとおり,屋上笠木,屋上及び1階倉庫床防水工事のやり直し,外壁ALC面の補修,塗装工事のほか,雨漏り及び屋内への湿気の浸透により,内部階段廻り,3,4階の内装工事のやり直し等が必要であり,768万7825円の費用を要するものと認められる。なお,被告らは,1階倉庫床の施工不良に関しては,特約による2年の瑕疵担保責任期間の経過を主張するが,平成10年4月8日の第1回弁論準備期日において提出の甲6からも明らかなとおり,原告らは,被告らに対し,本件建物引渡(平成9年7月10日)を受けて後2年が経過する以前から,防水工事の施工不良の一貫として1階倉庫床の施工不良を主張していたことが認められるから,被告らの前記主張は採用できない。 認められる。なお,被告らは,1階倉庫床の施工不良に関しては,特約による2年の瑕疵担保責任期間の経過を主張するが,平成10年4月8日の第1回弁論準備期日において提出の甲6からも明らかなとおり,原告らは,被告らに対し,本件建物引渡(平成9年7月10日)を受けて後2年が経過する以前から,防水工事の施工不良の一貫として1階倉庫床の施工不良を主張していたことが認められるから,被告らの前記主張は採用できない。a 屋上笠木撤去工事 2万1280円(甲63)b 屋上及び1階倉庫床防水撤去工事 21万1104円(甲63)c 屋上アルミ笠木設置,屋上及び1階倉庫床防水工事 127万5500円(甲63)d 外壁ALC面補修,塗装工事 248万5826円(甲63)e 台所窓コーキング修理 2万5000円(甲63)f 内部階段廻り,3,4階内装やり換え工事 279万4520円(甲64)g 共通工事(足場工事等) 87万4595円(甲63)(イ) 前記(1)イの建具等の取付不良の補修費用 9万7000円a 前記(1)のイ(ア)ないし( 87万4595円(甲63)(イ) 前記(1)イの建具等の取付不良の補修費用 9万7000円a 前記(1)のイ(ア)ないし(エ)の3階入口ドア,2階トイレドア,3階トイレドア,3階クローゼットの扉の各取付不良補修費用 4万2000円鑑定の結果によれば,取付調整工事に4万2000円(1万0500円×4)を要することが認められる。b 前記(1)のイ(キ)の階段のクロスに染みが発生していること,(ク)の階段のすべり止めが短いこと及び(ケ)の3階フローリングが浮いていることに関する補修費用は,いずれも雨漏り及び1階倉庫床施工不良の補修費用の中の,内部階段廻り,3,4階内装やり換え工事費用に含まれており,既にその損害は計上済みである。c 前記(1)のイ(コ)の4階台所換気扇の取付不良の補修工事 1万5000円鑑定の結果によれば,ウェザーカバーの取替えに1万5000円を要することが認められる。d 前記(1)のイ(シ)の4階収納庫(クローゼット)の扉の亀裂の補修費用 4万円甲64及び弁論の全趣旨によれば,上記扉取替に4万円要することが認められる。(ウ) 前記(1)のウの排水工事の瑕疵及び前記(1)のオ(ア)の散水カランの施工不良の補修費用 66万6000円甲64及び弁論の全趣旨によれば,上記瑕疵の補修費用として66万6000円を要することが認められる。 5000円を要することが認められる。d 前記(1)のイ(シ)の4階収納庫(クローゼット)の扉の亀裂の補修費用 4万円甲64及び弁論の全趣旨によれば,上記扉取替に4万円要することが認められる。(ウ) 前記(1)のウの排水工事の瑕疵及び前記(1)のオ(ア)の散水カランの施工不良の補修費用 66万6000円甲64及び弁論の全趣旨によれば,上記瑕疵の補修費用として66万6000円を要することが認められる。(エ) 前記(1)のエの外壁及び塗装工事の瑕疵の補修費用上記瑕疵に関する補修費用は,いずれも雨漏り及び1階倉庫床施工不良の補修費用に含まれているもの 00円を要することが認められる。(エ) 前記(1)のエの外壁及び塗装工事の瑕疵の補修費用上記瑕疵に関する補修費用は,いずれも雨漏り及び1階倉庫床施工不良の補修費用に含まれているものであり,既にその損害は計上済みである。(オ) 前記(1)のオ(キ)の1階外部階段の施工不良の補修費用 20万円甲63によれば,上記施工不良の補修には20万円を要することが認められる。なお,原告らは,平成12年4月27日付の準備書面において上記瑕疵の主張をしたものであるが,甲12によれば,上記瑕疵部分の瑕疵補修期間は原告らと被告会社間のアフターサービスに関する特約によって平成9年7月10日から2年と定められていることが認められ,したがって,1階外部階段に関しては,瑕疵担保責任期間経過後の瑕疵主張となるから,原告らの被告会社に対する瑕疵担保責任に基づく請求はこれを認めることはできない。しかし,前記のとおり,被告会社は,不法行為責任も負うものと認められるから,その請求を免れることはできない。イ慰謝料 50万円本件建物には,前記認定のとおり,屋上FRP防水,外壁ALC板,屋上立ち壁笠木の各施工不良を原因とする雨漏り及び室内への湿気の浸透現象といった重大な欠陥が生じているものであり,これに悩まされてきた原告らが被った精神的苦痛は,大きなものがあるといわざるを得ず,その精神的苦痛に対する慰謝料は50万円を認めることが相当である。ウ本件欠陥調査費用 10万円甲17,18の1ないし7,43,49及び弁論の全趣旨によれば,原告らは本件建物の欠陥調査のため,複数の一級建築士に ウ本件欠陥調査費用 10万円甲17,18の1ないし7,43,49及び弁論の全趣旨によれば,原告らは本件建物の欠陥調査のため,複数の一級建築士にその調査を依頼し,そのために相当額の調査費用を要したことが推認できるところ,その出費額は,少なくとも10万円を下回らないものと認めるのが相当である。 ,18の1ないし7,43,49及び弁論の全趣旨によれば,原告らは本件建物の欠陥調査のため,複数の一級建築士に ウ本件欠陥調査費用 10万円甲17,18の1ないし7,43,49及び弁論の全趣旨によれば,原告らは本件建物の欠陥調査のため,複数の一級建築士にその調査を依頼し,そのために相当額の調査費用を要したことが推認できるところ,その出費額は,少なくとも10万円を下回らないものと認めるのが相当である。エ工事完成遅延による違約金 0円甲2の本件工事請負契約書第11条によれば,被告会社が工事の完成を遅延したときは,違約金として1日あたり請負代金額の1000分の1を請求できる旨の規定があることが認められ,原告らは,本件工事の完成が少なくとも60日間遅れたとして,上記規定に基づき違約金の支払を求める。そこで,検討するに,上記違約金の規定は,被告会社の責めに帰すべき事由により工事が遅延した場合の違約金約定と解すべきところ,乙1,5の1ないし7,6ないし8,被告A本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば,本件工事の完成が遅延したのは,原告らが被告Aの設計完了後,建築確認申請前に,本件建物の間口(東西幅)を広げることや,3階及び4階の天井高を高くすることを要望し,そのため,被告Aにおいて,構造計算を含む設計変更を余儀なくされ,それら変更に約50日を要したため,建築確認申請を得るのが遅れたことや,その後,東側隣地の所有者と原告らとの間で境界紛争が発生し,そのため,被告会社において約2週間工事を中止せざるを得なかったためであったことが認められる。そうすると,原告らの本件建物の完成遅延は,むしろ,原告ら側の事情によるものであって,被告会社の責めに帰すべき事由によるものではないことが明らかであるから,原告らの違約金請求は理由がない。オ雨漏りによる着物 らの本件建物の完成遅延は,むしろ,原告ら側の事情によるものであって,被告会社の責めに帰すべき事由によるものではないことが明らかであるから,原告らの違約金請求は理由がない。オ雨漏りによる着物のクリーニング代 0円甲6,15,16,によれば,原告らは,本件建物の雨漏りによって,当時押し入れに入れてあった着物にカビが生じたため,クリーニングに出したことが認められるが,その詳細及びクリーニング代金額を立証する証拠がなく,その損害額を認定できないので,結局,これを認めることができない。 めに帰すべき事由によるものではないことが明らかであるから,原告らの違約金請求は理由がない。オ雨漏りによる着物のクリーニング代 0円甲6,15,16,によれば,原告らは,本件建物の雨漏りによって,当時押し入れに入れてあった着物にカビが生じたため,クリーニングに出したことが認められるが,その詳細及びクリーニング代金額を立証する証拠がなく,その損害額を認定できないので,結局,これを認めることができない。カ弁護士費用 100万円本件事案の内容,認定額等に照らすと,原告らが被告らに対して賠償を求め得る弁護士費用は100万円と認めるのが相当である。キ以上合計 1025万0825円(5) 以上の事実によれば,原告らの被告らに対する請求は,損害金合計1025万825円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である平成11年1月25日から支払済みまで民法所定年5分の割合による遅延損害金の連帯支払いを求める限度で理由があるから,その限度でこれを認容し,その余はこれを棄却すべきである。2 被告会社の請求について(1) 土間コンクリート敷設工事等 0円被告会社は,本件建物工事代金(追加工事代金を含む)に含まれる以外の別途工事等として,平成8年11月28日,(ア)本件建物と本件建物の南側に接する道路との間の本件建物敷地部分約15平方メートルにつき土間コンクリートの敷設工事,(イ)同道路と接する部分の側溝にグレーチング7枚の設置工事を依頼されたと主張して,(ア)の代金として8万円,(イ)の代金として4万円,合計1 部分約15平方メートルにつき土間コンクリートの敷設工事,(イ)同道路と接する部分の側溝にグレーチング7枚の設置工事を依頼されたと主張して,(ア)の代金として8万円,(イ)の代金として4万円,合計12万円を請求し,被告会社代表者本人尋問の結果中にはこれに沿うかのような部分がある。しかし,そうであれば,被告会社としては,平成9年7月10日の本件建物引渡時点までにこれを原告らに請求できたはずである。ところが,甲56(被告会社の平成9年7月1日付け請求書)及び弁論の全趣旨によれば,被告会社は上記代金を原告らに請求していないし,また,その後も本件提訴に至るまでこれを請求していないことが認められるのであって,そうとすれば,原告らと被告会社との間では,上記各工事は,本件工事代金(追加工事代金を含む)外の別途工事に該当するものとはされていなかったものと認めるのがむしろ相当である。 請求できたはずである。ところが,甲56(被告会社の平成9年7月1日付け請求書)及び弁論の全趣旨によれば,被告会社は上記代金を原告らに請求していないし,また,その後も本件提訴に至るまでこれを請求していないことが認められるのであって,そうとすれば,原告らと被告会社との間では,上記各工事は,本件工事代金(追加工事代金を含む)外の別途工事に該当するものとはされていなかったものと認めるのがむしろ相当である。したがって,その代金請求はこれを認めることができない。(2) 設計変更料 0円前記1(4)のエで認定のとおり,原告らの要望により,被告Aは,被告会社に依頼されて構造計算を含む設計変更を行ったことが認められるところ,被告会社は,この設計変更料として30万円を別途請求する。しかし,甲56(被告会社の平成9年7月1日付け請求書)及び弁論の全趣旨によれば,前記(1)の工事代金と同様,被告会社としては,平成9年7月10日の本件建物引渡時点までにその請求ができたにもかかわらず,これを請求しておらず,また,その後も本件提訴に至るまで何ら請求をしていないことが認められることからすると,上記設計変更については,原告らと被告会社との間では,別途設計変更料を要するものとはされていなかったものと認めるのが相当である。したがって,その設計変更料の していないことが認められることからすると,上記設計変更については,原告らと被告会社との間では,別途設計変更料を要するものとはされていなかったものと認めるのが相当である。したがって,その設計変更料の請求はこれを認めることができない。(3) 水道外線工事等 63万5770円甲52,54,55,乙31,38,39,被告会社代表者尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば,被告会社は,平成9年4月末ころ,原告らから,公道にある上水道本管から本件建物まで上水道を引き込む工事一式及び3,4階の水道私設メーター設備工事を請け負い,これを有限会社滝本工業所に下請けさせて平成9年7月末ころその工事を完成させたこと,その代金は,以下のとおり合計63万5770円であることが認められる。(ア) 水道外線引込工事分 55万5770円(イ) 水道私設メーター設備工事分 8万円なお,被告会社は,上記のほかに,水道外線引込工事に関し,交通整理のための旗振り要員等の人件費として28万円を請求し,被告会社代表者本人尋問の結果中にはこれに沿うかのような部分があるが,上記工事は被告会社が有限会社滝本工業所に下請けさせた工事であることからして,別途に被告会社において人件費を要したものとはにわかには認めがたく,他にこれを認めるに足りる証拠はない。 ) 水道私設メーター設備工事分 8万円なお,被告会社は,上記のほかに,水道外線引込工事に関し,交通整理のための旗振り要員等の人件費として28万円を請求し,被告会社代表者本人尋問の結果中にはこれに沿うかのような部分があるが,上記工事は被告会社が有限会社滝本工業所に下請けさせた工事であることからして,別途に被告会社において人件費を要したものとはにわかには認めがたく,他にこれを認めるに足りる証拠はない。(4) 上記各工事についての諸経費等 0円被告会社は,上記(1),(3)の各工事に対する諸経費(被告会社の利益分)として,22万円を請求するが,(1)の工事代金については,請求が認められないことは前記のとおりであるから,その諸経費に主張も認めることはできない。また,(3)の工事に関しては,甲52及び弁 利益分)として,22万円を請求するが,(1)の工事代金については,請求が認められないことは前記のとおりであるから,その諸経費に主張も認めることはできない。また,(3)の工事に関しては,甲52及び弁論の全趣旨によれば,被告会社は,原告らに対し,被告会社の下請業者である有限会社滝本工業所に直接支払うよう求めていたことが認められることからすれば,被告会社がこれを原告らに請求する場合に,諸経費を別途計上すべきものとは認められない。(5) 以上によれば,被告会社の原告らに対する請求は,水道外線工事代金等63万5770円とこれに対する工事後であることが明らかな平成9年8月1日から支払済みまで商事法定利率年6分の割合による遅延損害金の連帯支払いを求める限度で理由があるから,その限度でこれを認容し,その余はこれを棄却すべきである。3 よって,主文のとおり判決する。神戸地方裁判所第4民事部裁判官上田昭典
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