令和2(ワ)5211 損害賠償請求事件

裁判年月日・裁判所
令和3年3月17日 東京地方裁判所
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判決文本文18,955 文字)

令和3年3月17日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和2年(ワ)第5211号損害賠償請求事件口頭弁論終結日令和3年1月20日判決原告株式会社タカギ 同訴訟代理人弁護士酒迎明洋被告合同会社グレイスランド(以下「被告グレイスランド」という。)被告株式会社好友印刷(以下「被告好友印刷」という。) 被告 Y(以下「被告Y」という。)上記3名訴訟代理人弁護士綿貫敬典森貴志 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求 1 被告らは,原告に対し,連帯して1080万7500円及びこれに対する令 和2年3月11日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 2 仮執行宣言第2 事案の概要 1 本件は,蛇口一体型浄水器及びその交換用浄水カートリッジを製造及び販売する原告が,原告製浄水器の交換用浄水カートリッジをインターネットショッ ピングモールにおいて販売する被告らに対し,被告らの使用する「タカギ社製」 を横書きして成る標章(以下「被告標章」という。)が,周知である原告の標章と同一又は類似し,需要者に混同を生じさせるものであって,不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号所定の不 を横書きして成る標章(以下「被告標章」という。)が,周知である原告の標章と同一又は類似し,需要者に混同を生じさせるものであって,不正競争防止法(以下「不競法」という。)2条1項1号所定の不正競争行為に該当すると主張し,不競法4条,民法709条,719条前段に基づき,損害賠償金1080万7500円及びこれに対する訴状送達の日の翌日である令和2年3月1 1日から支払済みまで民法(平成29年法律第44号による改正前)所定の年5分の割合による遅延損害金の連帯支払を求める事案である。 2 前提事実(当事者間に争いがない事実並びに後掲証拠及び弁論の全趣旨により認定できる事実。なお,本判決を通じ,証拠を摘示する場合には,特に断らない限り,枝番を含むものとする。) (1) 当事者ア原告は,水栓・浄水製品の製造及び販売,散水・給水製品の製造及び販売等を業とする株式会社である。 イ被告グレイスランドは,浄水器の交換カートリッジの通信販売等を業とする合同会社である。 ウ被告好友印刷は,印刷業等を業とする株式会社である。 エ被告Yは,被告グレイスランドの代表社員であり,かつ,被告好友印刷の代表取締役である。 (2) 原告の商品等表示及びその周知性原告は,「タカギ」との表示を使用し,蛇口一体型浄水器及びその交換用 浄水カートリッジを製造及び販売している。原告の使用する同表示は,平成28年11月頃までに,家庭用浄水器やその関連商品を購入しようとする国内の需要者の間に広く認識され,周知なものとなっていた。 (3) 被告グレイスランドのインターネットでの商品販売被告グレイスランドは,平成28年11月以降,インターネットショッピ ングモールにおいて,原告製浄水器の交換用カートリッジとして,標 (3) 被告グレイスランドのインターネットでの商品販売被告グレイスランドは,平成28年11月以降,インターネットショッピ ングモールにおいて,原告製浄水器の交換用カートリッジとして,標準タイ プ及び高除去タイプの浄水カートリッジ(以下「被告商品」という。)を販売している。 (4) 被告標章を使用した表示ア楽天市場のスマートフォン及びタブレット向けウェブサイト(ア) 被告グレイスランドは,平成28年11月1日から平成31年4月1 日までの間,インターネットショッピングモール「楽天市場」のスマートフォン及びタブレット向けの被告店舗のウェブサイト(以下「本件楽天サイト」という。)において,被告標章を含む「タカギ社製浄水蛇口の交換用カートリッジ取扱い店」との表示(別紙記載1。以下「被告表示1」という。)を掲載していた。 (イ) 本件楽天サイトのトップページ(以下「本件楽天トップページ」という。甲2,乙2)における被告表示1等の具体的な表示態様は,以下のとおりであった。 a 同ページ上部のトップメニューバーのすぐ下には,小さなフォントサイズの黒色文字により被告表示1が1行で表示され,その真下には, 被告表示1よりも数倍大きなフォントサイズの青色文字で「交換用浄水カートリッジ」と表示され,被告表示1及び上記「交換用浄水カートリッジ」との表示の左側には,青色の正方形の中に白抜き文字で「GRACELAND」と表示されていた。 b また,本件楽天トップページにアクセスすると画面の中央部に表示 されるメインビジュアル部分に,被告商品のイメージ画像を背景として,「待望の交換用カートリッジついに発売!!」との記載が,目立つ態様で三段書きにより表示されていた(以下「本件三段書き表示」と されるメインビジュアル部分に,被告商品のイメージ画像を背景として,「待望の交換用カートリッジついに発売!!」との記載が,目立つ態様で三段書きにより表示されていた(以下「本件三段書き表示」という。)。 c さらに,本件三段書き表示から表示画面の半分程度下方に同ページ をスクロールすると,被告商品の価格表示の一覧表が表示され,その 下の「お買い求めの前に」と題する欄には「標準タイプ・高除去タイプともに,純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが,当社製品は,『浄水力にこだわり,じっくり“ろ過”する設計』を採用しておりますので,予めご理解の上お買い求めください。」と記載されていた。 同欄の下には「お買い求めはこちらから」などと表示されたリンクボタンが配置されており,これをタップすると被告商品の購入ページに移動することができた。 イアマゾンのウェブサイト(ア) 被告グレイスランドは,少なくとも平成29年5月1日から平成30 年9月30日までの間,インターネットショッピングモール「アマゾン」の被告店舗のウェブサイト(以下「本件アマゾンサイト」という。)において,被告標章を含む「タカギ社製浄水蛇口の交換用カートリッジをお探しの皆様へ」との表示(別紙記載2。以下「被告表示2」という。)を掲載していた。 (イ) 本件アマゾンサイトにおける被告商品(標準タイプ及び高除去タイプ)の各掲載ページ(以下「本件アマゾン商品掲載ページ」という。甲3,4,乙5,6)における被告表示2等の具体的な表示態様は,以下のとおりであった。 a 本件アマゾン商品掲載ページのメインビジュアル部分の背景画像上 には,目立つ態様で「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カート 下のとおりであった。 a 本件アマゾン商品掲載ページのメインビジュアル部分の背景画像上 には,目立つ態様で「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との記載が表示されていた。 b また,同ページのメインビジュアル部分の背景には,被告商品のイメージ画像が表示されているが,その左側には同画像と切替えること のできる複数の画像が小さく表示され,そのうちの一つ(甲3の2中 段の画像。以下「本件切替え画像」という。)を選択すると,被告商品のイメージ画像の左上部分に被告表示2が三段書きで表示されるとともに,その中央部に被告表示2より大きなフォントサイズで本件三段書き表示(「待望の交換用カートリッジついに発売!!」)が表示されるようになっていた。 c 同ページを下方にスクロールすると,「登録情報」欄があり,そこには被告の会社名を意味する「Graceland」 と記載され,また,更にその下の「商品の説明」欄には「当社製品はタカギ社純正品ではございません。」との表示が存在した。 d アマゾンのサイトにおいては,商品をキーワード等で検索すること が可能であり,関連する商品の検索により,検索結果ページに被告商品が表示された場合,その画像をタップするなどすると,本件アマゾン商品掲載ページを閲覧することができた。 3 争点(1) 原告商品との混同の有無 ア本件楽天サイトにおける被告表示1について(争点1-1)イ本件アマゾンサイトにおける被告表示2について(争点1-2)(2) 被告好友印刷及び被告Yの不法行為責任の有無(争点2)(3) 損害の有無及び額(争点3)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1-1(本件楽天サ 示2について(争点1-2)(2) 被告好友印刷及び被告Yの不法行為責任の有無(争点2)(3) 損害の有無及び額(争点3)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1-1(本件楽天サイトにおける混同の有無)について〔原告の主張〕以下のとおり,本件楽天トップページにおける被告表示1は,需要者の間に被告商品が原告製の純正品であるとの混同を生じさせるものである。 (1) 被告グレイスランドは,本件楽天サイトに被告表示1(「タカギ社製浄 水蛇口の交換用カートリッジ取扱い店」)を掲載して被告標章を使用したが, この記載は,被告商品が原告製の純正品であると需要者に混同させるものである。 実際上,原告は,平成28年11月から平成29年3月にかけて,被告標章に接した複数の顧客から,被告商品を原告製の純正品と勘違いして購入した旨のクレームを受けたことがあった(甲18)。 (2) 被告らは,被告標章を含む被告表示1は極めて小さい文字であるため,需要者がこれに接する可能性は低かったと主張するが,被告標章は,画面上の他の文字と比べると相対的に小さい文字であるものの,スマートフォンやタブレットの画面は近距離で閲覧されるものであり,また,ウェブページの表示は,一般に「ピンチアウト」と呼ばれる指二本で画面をタッチしたまま指 幅を広げるという簡単な操作によって拡大することもできる。加えて,被告標章は,トップページの最上部という需要者の目を引く位置にある。 (3) 被告らは,本件三段書き表示を目にした需要者が被告商品を原告製と誤解することはないと主張するが,本件三段書き表示を構成する各段の文字は,色及び大きさがそれぞれ異なり,最も大きく表示された「交換用カートリッ ジ」との部分が目を惹くものとなってい を原告製と誤解することはないと主張するが,本件三段書き表示を構成する各段の文字は,色及び大きさがそれぞれ異なり,最も大きく表示された「交換用カートリッ ジ」との部分が目を惹くものとなっているため,需要者は本件三段書き表示を一連の文章として認識し難い。仮に,本件三段書き表示を一連の文章として理解できたとしても,本件三段書き表示は,①原告製の交換用浄水カートリッジの新製品の販売が開始されたこと,②原告の代理店等が原告製の純正品の販売を開始したこと,③これまで取扱いのなかった楽天市場において原 告製の純正品の販売が開始されたこと,を意味すると理解することもできる。 (4) 被告らは「…純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが,当社製品は…」との注意書きを読めば混同のおそれは解消されると主張するが,この記載は,被告商品が原告製の純正品であることを直接的に否定するものではなく,また,被告標章とは一画面以上離れた位置に表示されるものであるか ら,被告標章の内容を打ち消す効果を発揮するものではない。 〔被告らの主張〕以下のとおり,需要者が本件楽天トップページにおける被告表示1に接したとしても,その表示内容・態様や打消し表示の存在等に照らすと,被告商品が原告製の純正品であるとの混同は生じ得ない。 (1) 被告表示1は,商品の内容や価格などの重要な情報が表示されることが通 常ない店舗ウェブサイトのトップページの最上部に,特段目立つような加工がされることもなく,同一ページの他の表示と比較して極めて小さなフォントサイズで表示されていたため,需要者が被告表示1を見落とす可能性は相当高かった。 原告は,ピンチアウトの操作により被告表示1を拡大して見ることも可能 であったと主張するが,ピンチアウトにより拡 イズで表示されていたため,需要者が被告表示1を見落とす可能性は相当高かった。 原告は,ピンチアウトの操作により被告表示1を拡大して見ることも可能 であったと主張するが,ピンチアウトにより拡大表示をするのは,需要者が当該表示の存在に気付き,その表示を正確に把握したいと感じる場合に行われるものである。被告表示1は,そもそも需要者がその存在に気付く可能性が低いのであるから,需要者が当該表示を拡大して確認したとは考え難い。 (2) また,本件楽天トップページにアクセスすると,被告商品の画像とともに, 大きなフォントサイズで,本件三段書き表示が画面の真ん中辺りに表示されるため,需要者は,必ず本件三段書き表示を目にすることになる。同ページにアクセスした需要者は,原告製の蛇口一体型浄水器のユーザーであり,もともと純正品の交換用浄水カートリッジが原告により販売されていることを知っているから,本件三段書き表示を読めば,被告商品が原告製の純正品で ないと認識することができた。 (3) さらに,本件楽天トップページの最初に表示される画面をその半分程度下方にスクロールした位置にある「お買い求めの前に」と題する欄には,「標準タイプ・高除去タイプともに,純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが,当社製品は,『浄水力にこだわり,じっくり“ろ過”する設計』を 採用しておりますので,予めご理解の上お買い求めください。」との注意書 きがあった。 この注意書きは,需要者が必ず関心を抱く被告商品の価格表示の直下にあり,また,トップページから被告商品の購入ページに移動するためには,同注意書きの直下に存在する「お買い求めはこちらから」というリンクボタンをタップする必要があった。そのため,トップページにアクセスした需要者 は,被 から被告商品の購入ページに移動するためには,同注意書きの直下に存在する「お買い求めはこちらから」というリンクボタンをタップする必要があった。そのため,トップページにアクセスした需要者 は,被告商品の価格の確認や被告商品の購入ページへの移動の際に,同注意書きに必ず接することになり,被告商品が原告製の純正品でないと認識することができた。 (4) 原告は需要者に実際に混同が生じたことを示す証拠として甲18を挙げるが,同証拠において被告商品を原告商品と勘違いしたとされる顧客は,被告 のパソコン用楽天サイトと本件楽天サイト(スマホ用)のいずれのサイトで被告商品を購入したか不明である。被告表示1はパソコン用サイトには存在しなかったのであるから,原告が連絡を受けた顧客がパソコン用サイトで被告商品を購入したのであれば,甲18は,本件楽天サイトの表示により混同が生じたことの裏付けにはならない。 仮に,上記顧客が本件楽天サイトで被告商品を購入したとしても,クレームの件数が僅か3件であることからすると,通常の判断能力を有する需要者であれば,本件楽天トップページ上の表示から被告商品が原告製の純正品でないと認識し得た。 2 争点1-2(本件アマゾンサイトにおける混同の有無)について 〔原告の主張〕以下のとおり,本件アマゾン商品掲載ページにおける被告表示2は,需要者の間に被告商品が原告製の純正品であるとの混同を生じさせるものである。 (1) 被告グレイスランドは,平成28年11月1日から平成30年12月28日までの間,本件アマゾンサイトに被告表示2(「タカギ社製浄水蛇口の 交換用カートリッジをお探しの皆様へ」)を掲載して被告標章を使用した が,この記載は,被告商品が原告製の純正品であると需 本件アマゾンサイトに被告表示2(「タカギ社製浄水蛇口の 交換用カートリッジをお探しの皆様へ」)を掲載して被告標章を使用した が,この記載は,被告商品が原告製の純正品であると需要者に混同させるものである。 実際上,原告は,平成28年11月から平成29年3月にかけて,被告標章に接した複数の顧客から,被告商品を原告製の純正品と勘違いして購入した旨のクレームを受けたことがあった(甲18)。 (2) 本件アマゾン商品掲載ページにおいて,被告商品の画像が大きく表示される箇所の右横に販売当初から「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表示が存在したかどうかについては判然としないが,「【ノーブランド品】」との表示があったことは認める。しかし,被告らが打消し表示として主張する「ノーブランド」 との語は,商標を掲げずに一般名称のみで販売する場合の商品をいうものであり,需要者が非純正品を意味すると容易に理解できる用語ではない。 また,被告らは,被告商品の販売開始当初から,「当社製品はタカギ社製純正品ではございません。」,「取り付けの互換性がございますので,タカギ社製の蛇口一体型浄水器に取り付けてご使用いただけます。」との表示が あったと主張するが,仮にそうであれば甲3の1及び4の1においてもその一部は確認できるはずである。しかし,同各証拠からそのような表示の存在を確認することはできない。 (3) 被告らは,本件三段書き表示を目にした需要者が被告商品を原告製と誤解することはないと主張するが,前記1〔原告の主張〕(3)のとおり,需要者に 混同が生じたことを否定する理由とはならない。 (4) 被告らが指摘する「登録情報」欄における「製造元リファレンス:Grac はないと主張するが,前記1〔原告の主張〕(3)のとおり,需要者に 混同が生じたことを否定する理由とはならない。 (4) 被告らが指摘する「登録情報」欄における「製造元リファレンス:Graceland」との表示も,それ自体何を意味するのか明らかではなく,被告商品の製造元が原告ではないと需要者が認識することができる表示ではない。 また,「商品の説明」欄における「当社製品はタカギ社製純正品ではござ いません。」との表示は,被告商品が原告製の純正品であることを直接否定 する表示ではあるが,サイトの上部等の需要者が見やすい位置に配置されておらず,被告表示2と同一画面に表示されるものでもないから,打消し表示としての機能を果たしていない。 (5) アマゾンのサイトにおける検索の結果,被告商品が表示される場合には,「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交 換用カートリッジ」との表示がされるとの被告らの主張については不知であるが,仮に検索結果ページにそのような表示がされたとしても,上記のとおり,需要者は「ノーブランド」との語が非純正品を意味するとは容易に理解し得ない。 また,本件アマゾン商品掲載ページへはアマゾンのサイトのトップページ における検索という経路のみならず,他のウェブサイトの広告やインターネット検索サイトの検索結果等から直接アクセスすることもできるので,需要者が上記検索結果ページを必ず経由するわけではない。 〔被告らの主張〕以下のとおり,需要者が本件アマゾン商品掲載ページにおける被告表示2に 接したとしても,その表示内容・態様や打消し表示の存在等に照らすと,被告商品が原告製の純正品であるとの混同は生じ得ない。 (1) 本件アマゾン商品掲載ページのメインビジ における被告表示2に 接したとしても,その表示内容・態様や打消し表示の存在等に照らすと,被告商品が原告製の純正品であるとの混同は生じ得ない。 (1) 本件アマゾン商品掲載ページのメインビジュアル部分の被告商品のイメージ画像のすぐ右横には,被告商品の販売開始当初から,容易に認識できる目立つフォントサイズで「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる, 取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表示があった。 原告も主張するとおり,原告の「タカギ」との表示は全国的に周知であり,本件で想定される需要者は原告製の浄水器の使用者であるので,原告製の純正品を「ノーブランド品」と表示することはあり得ないのであり,需要者は,交換用カートリッジに「ノーブランド品」と表示されていれば,原告製の純 正品ではないと容易に理解したものというべきである。しかも,上記のとお り,「ノーブランド品」の表示に続いて「タカギの浄水器に使用できる…交換用カートリッジ」と記載されているのであるから,これらの記載も併せて読めば「ノーブランド品」が原告製の純正品でないことは明らかである。 また,本件アマゾン商品掲載ページのメインビジュアル部分には,被告商品の販売開始当初から,容易に認識できるフォントサイズで,「当社製品は タカギ社製純正品ではございません。」,「取り付けの互換性がございますので,タカギ社製の蛇口一体型浄水器に取り付けてご使用いただけます。」との表示が存在した(甲3の1,4の1,乙5,6)。 (2) 本件切替え画像には,本件三段書き表示が存在するところ,前記1〔被告らの主張〕(2)のとおり,同画像にアクセスした需要者は,原告製の蛇口一体 型浄水器のユーザーであり,もともと純正品の交換用浄水カートリッジが原告によって き表示が存在するところ,前記1〔被告らの主張〕(2)のとおり,同画像にアクセスした需要者は,原告製の蛇口一体 型浄水器のユーザーであり,もともと純正品の交換用浄水カートリッジが原告によって販売されていることを知っているから,被告商品が原告製の純正品でないと認識することができた。 (3) 本件アマゾン商品掲載ページの「登録情報」欄には「製造元リファレンス」として「Graceland」と表示されており,これに接した需要者は,被告商品の 製造元が被告グレイスランドであることを認識し得た。また,その下の「商品の説明」欄には「当社製品はタカギ社純正品ではございません。」との打消し表示が存在した。 (4) 本件アマゾン商品掲載ページのメインビジュアル部分の切替え画像の一つ(甲3の2,4の2の各3枚目最下段)には「ご購入の前にお読みいただき, ご了承のうえお買い求めください」との表記の下に「当社製品はタカギ社純正品ではございません。標準タイプ・高除去タイプという当社製品グレード名,互換との表現は,タカギ社製品と同一性能を示すものではございません。」との記載が存在し,これに接した需要者は,被告商品が原告製の純正品でないと認識することができた。 (5) アマゾンのサイトのトップページでは,被告商品の販売当初から現在まで, キーワードで商品を検索することが可能であり,例えば,「タカギ浄水器カートリッジ」というキーワードで検索すると被告商品が表示されるが,検索結果ページに表示される被告商品には「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表示がされており(乙7),被告商品をクリックすると本件アマゾン商品掲載ページに 移動するようになっている。このように,アマゾ ギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表示がされており(乙7),被告商品をクリックすると本件アマゾン商品掲載ページに 移動するようになっている。このように,アマゾンのサイトで被告商品を購入するためには,必ず,検索結果ページに表示された被告商品をクリックしなければならず,その際に上記表示を閲覧することになるので,需要者が被告商品を原告製の純正品と混同する余地はない。 (6) 原告が需要者に実際に混同が生じたことを示す証拠として挙げる甲18に は,被告の楽天サイトで被告商品を購入した顧客からのクレームの記載があるのみで,本件アマゾンサイトで被告商品を購入した顧客からのクレームの記載はない。本件アマゾン商品掲載ページの表示は,本件楽天トップページの表示とは異なるのであるから,甲18は,本件アマゾン商品掲載ページに接した需要者に混同が生じたことの根拠となるものではない。 3 争点2(被告好友印刷及び被告Yの不法行為責任の有無)について〔原告の主張〕(1) 被告好友印刷の責任被告グレイスランドは,平成28年9月12日,資本金50万円で,被告Yの住所地を本店所在地として,被告商品の販売のために設立された会社で あるが,被告グレイスランドの唯一の業務執行社員は,被告好友印刷の代表取締役である被告Yであり,当該住所地に被告グレイスランドの実体はない。また,被告グレイスランドの連絡先電話番号の電話の設置場所及び請求書送付先は,被告好友印刷の本店所在地であった(甲20,21)。 そして,被告好友印刷は,被告グレイスランドが被告商品を販売するに当 たり,被告楽天サイト及びアマゾンサイトの制作並びに被告商品の手配,保 管,発送などの作業を分担して行っていた。 以上のとお 印刷は,被告グレイスランドが被告商品を販売するに当 たり,被告楽天サイト及びアマゾンサイトの制作並びに被告商品の手配,保 管,発送などの作業を分担して行っていた。 以上のとおりの被告グレイスランドと被告交友印刷の関係に照らすと,被告好友印刷は,本件楽天サイト及び本件アマゾンサイトでの被告標章の使用につき,被告グレイスランドとともに不法行為責任を負う。 (2) 被告Yの責任 被告グレイスランド及び被告好友印刷は,いずれも小規模な会社であるため,被告商品の販売について被告標章を使用することについて,被告グレイスランドの唯一の業務執行社員であり,かつ,被告好友印刷の唯一の代表取締役である被告Y自らが意思決定をしていた。 したがって,被告Yも,本件楽天サイト及び本件アマゾンサイトでの被告 標章の使用につき,被告グレイスランド及び被告好友印刷とともに共同不法行為責任を負う。 〔被告らの主張〕(1) 被告好友印刷の責任について被告グレイスランドの本店所在地に同社の実体は存在する。また,被告好 友印刷は,被告商品の販売に際し,被告楽天サイトの制作を担当したにとどまるので,同被告は,本件楽天サイト及び本件アマゾンサイトにおける被告標章の使用につき,不法行為責任を負わない。 (2) 被告Yの責任について被告Yの意思決定は,被告グレイスランドの代表者としてのものであるか ら,被告Y個人は,本件楽天サイト及び本件アマゾンサイトにおける被告標章の使用につき,不法行為責任を負わない。 4 争点3(損害の有無及び額)について〔原告の主張〕(1) 本件楽天サイトでの販売による逸失利益 472万円 被告グレイスランドは,平成28年11月1日から平成30年11月30 害の有無及び額)について〔原告の主張〕(1) 本件楽天サイトでの販売による逸失利益 472万円 被告グレイスランドは,平成28年11月1日から平成30年11月30 日までの間に,本件楽天サイトにおいて被告標章を使用して被告商品を販売し,725万4707円の限界利益を得た(甲1の46頁)。 同サイトにおける平成30年12月1日から平成31年4月1日までの1か月当たりの限界利益は,平成30年11月の限界利益54万6833円(甲1の71頁)と同程度と考えられる。そうすると,平成28年11月1日か ら平成31年4月1日までの間に被告グレイスランドが同サイトで得た限界利益は944万円を下らない。 そして,同利益は不競法5条2項により原告の損害額と推定されるところ,その推定が覆滅される割合は多くとも5割であるから,本件楽天サイトでの販売による逸失利益は,472万円を下らない。 (2) 本件アマゾンサイトでの販売による逸失利益 510万5000円被告グレイスランドは,平成28年11月1日から平成30年11月30日までの間に,被告楽天サイト(パソコン用を含む。以下同様。)において被告標章を使用して被告商品を販売し,954万0740円の限界利益を得た(甲1の46頁)。 同サイトにおける平成30年12月1日から同月28日までの限界利益は同年11月の限界利益67万2431円(甲1の61,71頁)と同程度と考えられるところ,被告グレイスランドは,本件アマゾンサイトにおいても,被告楽天サイトと同程度の限界利益を得たものと考えられるから,平成28年11月1日から平成30年12月28日までの間に被告グレイスランドが 本件アマゾンサイトで得た限界利益は1021万円を下らない。 そして,同利益は不競 益を得たものと考えられるから,平成28年11月1日から平成30年12月28日までの間に被告グレイスランドが 本件アマゾンサイトで得た限界利益は1021万円を下らない。 そして,同利益は不競法5条2項により原告の損害額と推定されるところ,その推定が覆滅される割合は多くとも5割であるから,本件アマゾンサイトでの販売による逸失利益は,510万5000円を下らない。 (3) 弁護士費用 98万2500円 原告は,本訴の追行を原告訴訟代理人弁護士に委任した。このうち,被告 らによる不法行為と相当因果関係にある弁護士費用額は少なくとも98万2500円である。 (4) 以上によれば,被告らは,原告に対し,連帯して,1080万7500円の損害賠償義務を負う。 〔被告らの主張〕 (1) 本件楽天サイトでの販売による逸失利益について被告グレイスランドが,平成28年11月1日から平成30年11月30日までの間に,本件楽天サイトにおいて被告標章を使用して被告商品を販売し,725万4707円の限界利益を得たことは認め,その余は否認ないし争う。 原告の主張する平成30年11月の限界利益54万6833円は,被告楽天サイト全体の限界利益であり,スマホ用の本件楽天サイトにおける同月の限界利益は,42万1235円にとどまる。 (2) 本件アマゾンサイトでの販売による逸失利益について被告グレイスランドが,平成28年11月1日から平成30年11月30 日までの間に,上記被告楽天サイトにおいて被告標章を使用して被告商品を販売し,954万0740円の限界利益を得たことは認め,その余は否認ないし争う。 原告は,上記被告楽天サイトにおける平成30年11月の限界利益は67 イトにおいて被告標章を使用して被告商品を販売し,954万0740円の限界利益を得たことは認め,その余は否認ないし争う。 原告は,上記被告楽天サイトにおける平成30年11月の限界利益は67万2431円であると主張するが,上記のとおり,54万6833円である (甲1の71頁)。 また,本件アマゾンサイトにおける被告表示2の掲載期間は,平成29年5月1日から遅くとも平成30年9月30日までである。 (3) 弁護士費用について原告が本訴の追行を原告訴訟代理人弁護士に委任したことは認め,その余 は争う。 第4 当裁判所の判断 1 争点1-1(本件楽天サイトにおける混同の有無)について原告は,被告グレイスランドが,本件楽天サイトに被告表示1を掲載して被告標章を使用し,同サイトを閲覧した需要者をして,被告商品が原告製の純正品であるとの混同を生じさせたと主張する。 (1)アそこで検討するに,被告表示1は,前記のとおり,「タカギ社製浄水蛇口の交換用カートリッジ取扱い店」というものであり,「タカギ社製」と「浄水蛇口の交換用カートリッジ」との間にスペースがあることに照らすと,「タカギ社製のカートリッジ」を意味するものとも理解し得る。 しかし,前記前提事実(4)ア(イ)aのとおり,本件楽天トップページの上 部のトップメニューバーの下には,被告表示1に加えて,「交換用浄水カートリッジ」との表示及びその左横の「GRACELAND」との表示がひとまとまりのものとして配置されていたと認められるところ,被告表示1はごく小さなフォントサイズで目立たない態様で表示され,需要者の注意を引くものではなかったのに対し,「交換用浄水カートリッジ」との青 色文字のフォントサイズは被告 認められるところ,被告表示1はごく小さなフォントサイズで目立たない態様で表示され,需要者の注意を引くものではなかったのに対し,「交換用浄水カートリッジ」との青 色文字のフォントサイズは被告表示1の数倍大きく,また,被告グレイスランドの英語表記である「GRACELAND」との文字は青色の正方形の中に白抜きで表示されていたものであり,いずれも被告表示1よりも目立つ態様で表示されていたものと認められる。 そうすると,上記のひとまとまりの表示に接した需要者は,「GRAC ELAND」及び「交換用浄水カートリッジ」の表示に着目し,「GRACELAND」の「交換用浄水カートリッジ」,すなわち,被告商品の広告と理解すると考えるのが自然である。 イこれに対し,原告は,スマートフォンやタブレットの画面は近距離で閲覧されるものであり,また,ウェブページの表示は,一般に「ピンチアウ ト」と呼ばれる指二本で画面をタッチしたまま指幅を広げるという簡単な 操作によって拡大することもできるので,需要者は被告表示1を認識し得たと主張する。 しかし,需要者が,ピンチアウトにより拡大表示をするのは,商品画像の詳細を確認する場合などであり,上部とはいえ,「交換用浄水カートリッジ」などの表示より格段に小さいフォントサイズで記載された一行の被 告表示1に注目し,これをわざわざ拡大表示して閲読したとは考え難い。 また,一般的にスマートフォンやタブレットの画面が近距離で閲覧されることが多いとしても,本件において,他の表示よりフォントサイズが小さく,目立たぬ態様の被告表示1に需要者が注目し,これを閲読したとは考えられない。 (2)ア前記前提事実(4)ア(イ)bのとおり,本件楽天トップページにアクセスすると画面の中央部に表示され く,目立たぬ態様の被告表示1に需要者が注目し,これを閲読したとは考えられない。 (2)ア前記前提事実(4)ア(イ)bのとおり,本件楽天トップページにアクセスすると画面の中央部に表示されるメインビジュアル部分に,被告商品のイメージ画像を背景として,「待望の交換用カートリッジついに発売!!」との本件三段書き表示が,目立つ態様で表示されていたとの事実が認められる。 本件三段書き表示は,その販売主体が記載されていないため,その表示自体から需要者が販売主体を理解し得るものではないが,上記のとおり,同表示の上には被告グレイスランドを意味する「GRACELAND」との表示が「タカギ社製」との表示よりも大きなフォントサイズで表示されていることに照らすと,本件三段書き表示に接した需要者が,その販売対 象製品が原告製の純正品であると認識したとは考え難い。 また,原告製の浄水器を使用し,既に原告製の交換用カートリッジが販売されていることを知っている需要者が本件三段書き表示に接した場合には,原告以外の事業者が原告製の浄水器に適合する交換用カートリッジを新規に発売したと理解するのが自然であるというべきである。 イこれに対し,原告は,需要者は本件三段書き表示を一連の文章として認 識せず,仮に,本件三段書き表示を一連の文章として理解できたとしても,本件三段書き表示は,①原告製の交換用浄水カートリッジの新製品の販売が開始されたこと,②原告の代理店等が原告製の純正品の販売を開始したこと,③これまで取扱いのなかった楽天市場において原告製の純正品の販売が開始されたこと,を意味すると理解することもできると主張する。 しかし,本件三段書き表示の記載内容及び配置に照らすと,需要者がこれを一連の文章 楽天市場において原告製の純正品の販売が開始されたこと,を意味すると理解することもできると主張する。 しかし,本件三段書き表示の記載内容及び配置に照らすと,需要者がこれを一連の文章と認識することは明らかであり,また,原告製の新製品であること,原告の代理店が販売主体であること,又は楽天市場以外で既に販売されている商品であることをうかがわせる記載は存在しないことに照らすと,本件三段書き表示に接した需要者が上記①ないし③のように理 解するとは考え難い。 (3)ア前記前提事実(4)ア(イ)cのとおり,本件三段書き表示から表示画面の半分程度下方に同ページをスクロールすると,「お買い求めの前に」と題する欄があり,そこには「標準タイプ・高除去タイプともに,純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが,当社製品は…」との記載が存在した との事実が認められる。 上記の「お買い求めの前に」欄は,価格表示の一覧表と商品購入ページに異動するリンクボタンの間に位置し,需要者の目につきやすい位置に配置されていたところ,「標準タイプ・高除去タイプともに,純正カートリッジより浄水の流量が少ないですが,当社製品は…」との記載内容に照ら すと,需要者がここにいう「当社製品」が原告製の「純正カートリッジ」とは異なる商品であると容易に理解し得たことは明らかである。 イこれに対し,原告は,上記記載は,被告商品が原告製の純正品であることを直接的に否定するものではなく,また,被告標章とは一画面以上離れていたので,被告標章の内容を打ち消す効果を発揮するものではないと主 張する。 しかし,上記記載が,被告商品が原告製の純正品であることを直截に否定するものでないとしても,その記載を読めば,被告商品が原告製の純正品とは異 するものではないと主 張する。 しかし,上記記載が,被告商品が原告製の純正品であることを直截に否定するものでないとしても,その記載を読めば,被告商品が原告製の純正品とは異なると需要者が理解し得ることは明らかである。また,「お買い求めの前に」欄は,本件楽天トップページに最初にアクセスした際に画面上に見えるように表示されないものの,表示画面の半分程度下方にスクロ ールすると表示される位置にあり,しかも,価格表示の一覧表と商品購入ページに異動するリンクボタンの間という需要者の目につきやすい位置に配置されていたことは前記判示のとおりである。 (4) 原告は,甲18の報告書に基づき,顧客から被告商品を原告製の純正品であると勘違いした旨のクレームを受けたと主張する。 しかし,証拠(甲1)によれば,被告のパソコン用楽天サイトの表示と本件楽天トップページの表示とは異なるものであったと認められるところ,甲18の報告書に記載されている「顧客」が本件楽天サイトで被告商品を購入した者であるかどうかは不明であり,その数も僅かであることに照らすと,上記報告書に基づき,本件楽天トップページに接した需要者が被告商品を原 告製の純正品と混同したと認めることはできない。 (5) 以上によれば,被告標章を含む被告表示1が需要者をして被告商品を原告製の純正品と混同させるものであるとは認められないので,被告グレイスランドが本件楽天サイトに被告表示1を掲載して被告標章を使用した行為は,不競法2条1項1号の不正競争行為には該当しない。 2 争点1-2(本件アマゾンサイトにおける混同の有無)について原告は,被告グレイスランドが,本件アマゾンサイトに被告表示2を掲載して被告標章を使用し,同サイトを閲覧した需要者をして,被告商品 2 争点1-2(本件アマゾンサイトにおける混同の有無)について原告は,被告グレイスランドが,本件アマゾンサイトに被告表示2を掲載して被告標章を使用し,同サイトを閲覧した需要者をして,被告商品が原告製の純正品であるとの混同を生じさせたと主張する。 (1) そこで検討するに,前記前提事実(4)イ(イ)aのとおり,本件アマゾン商品 掲載ページのメインビジュアル部分の背景画像上には,目立つ態様で「【ノ ーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との記載が表示されていたと認められる。 この点について,原告は被告商品の販売当初から同表示が存在したかどうかは判然としないと主張するが,甲3の1及び甲4の1からも「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用…る交換用カート…」との記載は読み取るこ とができる上,メインビジュアル部分の各切替え画像の左上に「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」と表示されていること(甲3の2,4の2)からしても,上記のとおり認定することができるというべきである。 上記記載の「ノーブランド品」という表示は,一般に商標を掲げずに一般 名称のみで販売する場合の商品を意味すると解されるが,前記前提事実(2)のとおり,原告の「タカギ」との表示が家庭用浄水器やその関連商品を購入しようとする国内の需要者の間に広く認識されていたことを考慮すると,原告製の純正品についてわざわざ「ノーブランド品」と表示することはあり得ない。このため,「ノーブランド品」との表示に接した需要者は,当該商品が 原告製の純正品以外の商品であると理解したと考えるのが相当である。 また,上記の「ノーブランド品」という表示の後には,「タカギの浄水器 ,「ノーブランド品」との表示に接した需要者は,当該商品が 原告製の純正品以外の商品であると理解したと考えるのが相当である。 また,上記の「ノーブランド品」という表示の後には,「タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表示が続いており,これを一体として読めば,需要者は,「ノーブランド品」とは原告製の純正品以外の商品であると容易に認識し得たものというべきである。 (2) 前記前提事実(4)イ(イ)bのとおり,本件アマゾン商品掲載ページのメインビジュアル部分の左側には切替えることのできる複数の画像が小さく表示されており,そのうちの一つである本件切替え画像を選択すると,被告商品のイメージ画像の左上部分に被告表示2が三段書きで表示されるとともに,その中央部に被告表示2より大きなフォントサイズで本件三段書き表示が表示 されるようになっていたと認められる。 被告表示2は「タカギ社製浄水蛇口の交換用カートリッジをお探しの皆様へ」というものであり,その表示自体からは,販売対象商品が「タカギ社製」の「交換用カートリッジ」であるとも,「タカギ社製」の「浄水蛇口」に適合する「交換用カートリッジ」であるとも理解し得るが,前記(1)のとおり,本件アマゾン商品掲載ページにアクセスした需要者は,まずメインビジ ュアル部分の「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との表示に接した上で本件切替え画像を見ることになり,本件切替え画像の左上にも同一の記載があることに照らすと,本件切替え画像上の被告表示2を見た需要者が,販売対象商品が原告製の純正品であると認識することはないというべきである。 また,本件切替え画像にはその中央部に被告表示2より大 ことに照らすと,本件切替え画像上の被告表示2を見た需要者が,販売対象商品が原告製の純正品であると認識することはないというべきである。 また,本件切替え画像にはその中央部に被告表示2より大きなフォントサイズで本件三段書き表示が表示されているところ,原告製の浄水器を使用し,既に原告製の交換用カートリッジが販売されていることを知っている需要者が本件三段書き表示に接した場合には,原告以外の事業者が原告製の浄水器に適合する交換用カートリッジを新規に発売したと理解するのが自然である ことは前記判示のとおりである。 (3) 前記前提事実(4)イ(イ)c のとおり,本件アマゾン商品掲載ページの「登録情報」欄には被告の会社名を意味する「Graceland」 と記載され,また,更にその下の「商品の説明」欄には「当社製品はタカギ社純正品ではございません。」と表示されていたものと認められる。 これらの表示は,その掲載位置等からすると需要者の目を引くものではないが,被告商品が原告製の純正品ではないことを打ち消す表示であり,これらの表示に接した需要者は,上記(1)の「【ノーブランド品】タカギの浄水器に使用できる,取付け互換性のある交換用カートリッジ」との記載ともあいまって,本件アマゾン商品掲載ページに掲載された商品が原告製の純正品で はないと理解するものというべきである。 (4) 原告は,甲18の報告書に基づき,顧客から被告商品を原告製の純正品であると勘違いした旨のクレームを受けたと主張する。 しかし,甲18の報告書に記載されている「顧客」は被告の楽天サイトで被告商品を購入した者であるから,上記報告書に基づき,本件アマゾンサイトに接した需要者が被告商品を原告製の純正品と混同したと認めることはで きない。 載されている「顧客」は被告の楽天サイトで被告商品を購入した者であるから,上記報告書に基づき,本件アマゾンサイトに接した需要者が被告商品を原告製の純正品と混同したと認めることはで きない。 (5) 以上によれば,被告標章を含む被告表示2が需要者をして被告商品を原告製の純正品と混同させるものであるとは認められないので,被告グレイスランドが本件アマゾンサイトに被告表示2を掲載して被告標章を使用した行為は,不競法2条1項1号の不正競争行為には該当しない。 3 結論よって,その余の点につき判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないのでこれを棄却することとし,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 佐藤達文 裁判官 三井大有 裁判官 齊藤敦

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