- 1 -平成19年9月13日判決言渡同日原本交付裁判所書記官平成18年(ワ)第7458号損害賠償等請求事件口頭弁論終結の日平成19年5月8日判決原告株式会社済度訴訟代理人弁護士岡本成史被告株式会社オンラード訴訟代理人弁護士石井慎也主文 原告の請求をいずれも棄却する。 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1請求 被告は,別紙被告標章目録記載1及び2の各標章その他の「PS-501」ないし「PS501」(以下「PS-501」及び「PS501」の各表示を併せて「本件表示」という。)を付加して表示する標章を付したパパイア発酵食品を製造,販売し,販売のために展示してはならない。 被告は,その占有する第1項記載の各パパイア発酵食品から第1項記載の各標章を抹消せよ。 被告は,宣伝ポスター,宣伝用チラシ及び電気通信回線を通じての情報提供に,第1項記載の各標章を使用してはならない。 被告は,その所有に係る広告,インターネットのホームページその他の物件から第1項記載の各標章を抹消せよ。 被告は,インターネット上の検索エンジンにおける「カリカセラピ」「PS-501」とのキーワードに連動する検索結果表示ページにおける広告スペースに自社の広告を表示してはならない。 - 2 - 被告は,インターネット上の検索エンジンにおける「カリカセラピ」「PS-501」とのキーワードに対する検索結果表示ページにおける広告スペースから自社の広告を抹消せよ。 被告は,原告に対し,700万円及びこれに対する平成18年6月11日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告が,被告の販売するパパイア発酵食品に使用されて 0万円及びこれに対する平成18年6月11日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5パーセントの割合による金員を支払え。 第2事案の概要本件は,原告が,被告の販売するパパイア発酵食品に使用されている標章が原告の販売するパパイア発酵食品の周知な商品等表示である「PS-501」ないし「PS501」と類似するとして,被告に対し,不正競争防止法2条1項1号,3条1項,2項,4条(前記第1の5及び6につき予備的に商標法36条,37条1号)に基づき,被告の標章の使用差止等及び損害賠償金の支払を求めた事案である。 第3前提となる事実(次の事実は,当事者間に争いがないか,末尾記載の証拠等により認められる。) 原告のパパイア発酵食品の販売(1)原告は,平成10年6月ころから,別紙原告標章目録記載1ないし3の各標章(以下,それぞれ「原告標章1」「原告標章2」「原告標章3」といい,これらを併せて「原告標章」という。)のいずれかを用いて「カリカセラピPS-501」ないし「カリカセラピSAIDO-PS501」という商品名でパパイア発酵食品を販売している(以下,原告が販売する上記の各商品名のパパイア発酵食品を併せて「原告商品」という。)。 (2)原告標章1及び2は,「PS-501」という表示を含み,原告標章3は「PS501」という表示を含んでいる。 被告のパパイア発酵食品の販売(1)原告の代理店被告は,平成12年7月に設立された会社である。 - 3 -被告の前身である株式会社ビオネス(以下「ビオネス社」という。)と原告は,平成11年7月9日,原告がビオネス社に「原告の製品であるPS-501」を売ることを内容とする基本的売買契約を締結し,ビオネス社は,原告の代理店として原告商品を販売していた(甲136,143)。 その後,ビオネス社に代わって ビオネス社に「原告の製品であるPS-501」を売ることを内容とする基本的売買契約を締結し,ビオネス社は,原告の代理店として原告商品を販売していた(甲136,143)。 その後,ビオネス社に代わって被告が原告商品を販売することとなり,原告と被告は,平成12年8月1日,原告が被告に「原告の製品であるPS-501」を売ることを内容とする基本的売買契約を締結した(甲137)。被告は,平成13年5月ころまで,原告の代理店として原告商品を販売していた。 (2)「パパインPS-501」被告は,平成13年5月,別紙被告標章目録記載1の標章(以下「被告標章1」という。)を用いて「パパインPS-501」という商品名でパパイア発酵食品を同年6月から販売する予定である旨の案内(甲138)を顧客に配布し,その後,被告標章1を用いてパパイア発酵食品を販売している(実際の販売開始時期及び継続的な販売かどうかについては,後記のとおり,争いがある。)。 (3)「Bio-86PS-501」被告は,平成18年1月ころ,自社ホームページを開設し,同ホームページにおいて,被告標章1及び別紙被告標章目録記載2の標章(以下「被告標章2」という。)を用いて「パパインPS-501」及び「Bio-86PS-501」という商品名でパパイア発酵食品を販売している(以下,被告が販売する上記の各商品名のパパイア発酵食品を「被告商品」という。)。 被告標章1及び2は,いずれも「PS-501」という表示を含んでいる。 (4)被告標章1及び2の広告における使用被告は,被告標章1及び2の標章を表示したパンフレット,宣伝ポスター,宣伝用チラシを使用し,電気通信回線を通じての情報提供の画面を被告のホームページに表示している。 - 4 -(5)検索結果ページの広告被告は,YAHOO!JA 示したパンフレット,宣伝ポスター,宣伝用チラシを使用し,電気通信回線を通じての情報提供の画面を被告のホームページに表示している。 - 4 -(5)検索結果ページの広告被告は,YAHOO!JAPANの検索エンジンに「カリカセラピ」「PS-501」のキーワードを入力した場合に表示される検索結果ページの広告スペース(スポンサーサイト)に原告商品と同じパパイア発酵食品を販売している旨の広告及び自社ホームページを表示している。 原告の商標権原告は,別紙原告商標目録記載の商標(以下「原告商標」という。)の商標権者である。 パパイア発酵食品の研究に関する覚書(1)有限会社プラウト(以下「プラウト社」という。),原告,株式会社バイオ・コーポレーション(以下「バイオ社」という。)は,平成9年4月8日,「スーパーバイオの検査・研究及び学術論文の作成」を目的とする研究及び出資額についての覚書を作成した(甲126,以下「本件覚書1」という。)。 同覚書に基づく研究成果は,「パパイア醗酵標品(スーパーバイオ)のフリーラジカル消去作用について」と題して,平成9年7月25日発行の「月刊基礎と臨床」(31巻8号・通巻424号)において発表された(甲127)。 (2)原告は,平成10年1月12日,プラウト社との間で,「PS-501」の研究に関する覚書を締結した(甲130,乙4,以下「本件覚書2」という。)。同覚書には,「甲(判決注プラウト社)の製品PS-501」とい・う文言がある。 第4 争点 本件表示の原告の商品等表示として出所識別性の有無(争点1) 本件表示の原告商品の表示としての周知性の有無(争点2) 本件表示と被告標章1及び2の類似性の有無(争点3) 本件表示と被告標章1及び2の混同のおそれの有無(争点4) 不正競争行為につい 本件表示の原告商品の表示としての周知性の有無(争点2) 本件表示と被告標章1及び2の類似性の有無(争点3) 本件表示と被告標章1及び2の混同のおそれの有無(争点4) 不正競争行為についての故意又は過失の有無(争点5)- 5 - 営業上の利益侵害の有無及び損害額(争点6) 不正競争防止法19条1項3号の適用除外(先使用)該当性の有無(争点7)第5争点に対する当事者の主張 本件表示の原告の商品等表示としての出所識別性の有無(争点1)(1)原告の主張ア原告商品と本件表示原告商品は,「カリカセラピPS-501」「カリカセラピSAIDO-PS501」という商品名であるが,その一部である「カリカセラピ」「PS-501」という名称で表示されることが多く,本件表示は原告商品の表示となっている。 イ原告による本件表示の考案原告は,平成8年11月6日,プラウト社との間で,プラウト社が「ヴェーダパワー」という名称で製造していたパパイア発酵食品の粉末(以下「プラウト粉末」という。これが単なる粉末状態のものか,原材料かについては争いがある。)についての売買取引基本契約を締結した。また,原告は,平成9年1月11日,バイオ社との間で,「ヴェーダパワー」を継続的に売り渡す契約をした。 原告は,プラウト粉末をもとに自社商品を製造販売する必要があると考えるようになっていたが,研究委託先からは論文に掲載するには,明らかに特定の会社の商品名と分かる名称ではなく,論文の体裁を整えやすい名称にしてもらいたいとの申出を受けた。そこで,原告は,平成9年12月,原告商品の名称として,パパイアの「P]と原告の商号である「済度」の「S」に501という数字を結合した「PS-501」という商品等表示を考え出した。 ウ原告による本件表示の使用許諾(ア 12月,原告商品の名称として,パパイアの「P]と原告の商号である「済度」の「S」に501という数字を結合した「PS-501」という商品等表示を考え出した。 ウ原告による本件表示の使用許諾(ア)「ヴェーダパワーPS-501」- 6 -原告は,プラウト社に対し,「PS-501」の表示の使用を許諾した。 プラウト社が「ヴェーダパワーPS-501」の表示を使用するようになった時期については,乙5の1は,プラスチック製・紙製容器包装識別マークがあることから,平成13年4月1日又は平成15年4月1日以降のものであり,乙5の2は,平成11年10月開催の学会プログラムの表示が掲載されていることから,同月以降のものである。 (イ)「ヒューマンセラピーPS-501」原告は,ヒューマンセラピー株式会社(以下「ヒューマンセラピー社」という。)に対し,「PS-501」という表示を組み込んだ商品名での販売を許諾し,平成10年10月から平成15年7月まで,「ヒューマンセラピーPS-501」という商品名でパパイア発酵食品をOEM供給していたが,ヒューマンセラピー社は本店所在地である熊本県人吉市を中心として,ネットワーク販売の方法により販売しており,その販売数量は年間620ないし874キログラムと極めて小規模である。 (ウ)「パパイアセラピPS-501」原告は,株式会社エクセルジャパン(以下「エクセルジャパン社」という。)に対し,「PS-501」という表示を組み込んだ商品名での販売を許諾し,平成13年8月から「パパイアセラピPS-501」という商品名で,平成14年9月ころから「パパイアセラピSAIDO-PS501」という商品名でパパイア発酵食品をOEM供給しているが,エクセルジャパン社は本店所在地である盛岡市を中心として,ネットワーク販売の方法により販 年9月ころから「パパイアセラピSAIDO-PS501」という商品名でパパイア発酵食品をOEM供給しているが,エクセルジャパン社は本店所在地である盛岡市を中心として,ネットワーク販売の方法により販売しており,その販売数量は年間1200ないし2200キログラムと小規模であり,かつ1000ないし2000名の会員に対してのみ販売している。同社は,積極的に,上記商品が原告の製造する商品であると説明している。 (エ)「XGPS-501」- 7 -原告は,X株式会社(以下「X社」という。)に対し,「PS-501」という表示を組み込んだ商品名での販売を許諾し,平成14年1月から「XGPS-501」という商品名で,平成14年7月から平成18年6月まで「XGSAIDO-PS501」という商品名でパパイア発酵食品をOEM供給していたが,X社は本店所在地である岐阜市を中心として,ネットワーク販売の方法により販売しており,その販売数量は年間1300ないし1700キログラムと小規模であり,かつ1000ないし2000名の会員に対してのみ販売している。 エ原告によるセミナー等の開催原告は,本件表示を付した商品の安全性,品質等には最大限の配慮をしていたことから,上記業者を除き,原則として他社に「PS-501」の表示を使用させることはなかった。また,原告が使用許諾した「PS-501」という表示が付された商品が販売される場合,必ず原告役員等が講師としてセミナー等を開催するので,「PS-501」という名称が付された商品の利用者は,当該商品が原告製造の商品であることを認識していた。 オ本件覚書2について本件覚書2で,「甲(プラウト社)の製品PS-501」との記載があるのは,法律の専門家ではない当事者間で作成された文書であるため,正確な表現がされていないからであり ていた。 オ本件覚書2について本件覚書2で,「甲(プラウト社)の製品PS-501」との記載があるのは,法律の専門家ではない当事者間で作成された文書であるため,正確な表現がされていないからであり,その意味するところは,研究対象となるプラウト粉末はプラウト社が製造しているという程度の意味であって,「PS-501」がプラウト社の商品等表示であることを意味するものではない。 本件覚書1において,バイオ社の商品である「スーパーバイオ」の表示があることとの対比からも,「PS-501」自体は原告の商品等表示であることは明らかである。 カ注文書の記載について注文書(乙1)に「PS-501パウダー」の記載があるのは,プラウト- 8 -社が製造するプラウト粉末の名称が「PS-501」であるという意味ではなく,原告がプラウト社から仕入れるプラウト粉末について,バイオ社に販売する「スーパーバイオ」用と原告商品である「PS-501」用とに区別するためである。 キ販売数量に関する被告の主張について被告は,プラウト社が本件表示を使用してプラウト粉末を販売し,プラウト粉末を購入した業者は,本件表示を含む名称を使用してパパイア発酵食品を販売したと主張するが,平成9年に「PS-501」という表示の商品が製造販売された事実はないので,被告の主張するプラウト社の販売数量は虚偽である。 被告は,甲164記載の数量がすべて原告商品として販売されたものではないと主張するが,「ヒューマンセラピー」については,原告は「ヒューマンセラピー」用として甲164とは別にプラウト社からプラウト粉末を仕入れている。「バイオゴールド」「パパイアシャン」「願飛」は甲164の仕入れに含まれているが,ごく少量である。 (2)被告の主張ア原告商品と本件表示原告商品は本件表示を用いて表示さ ト粉末を仕入れている。「バイオゴールド」「パパイアシャン」「願飛」は甲164の仕入れに含まれているが,ごく少量である。 (2)被告の主張ア原告商品と本件表示原告商品は本件表示を用いて表示されることが多いこと及び本件表示は原告商品の表示となっていることは否認する。 そもそも,消費者にとって,単なるアルファベットと数字の羅列は覚えにくいものであり,「カリカセラピPS-501」という名称の商品であれば,片仮名部分の「カリカセラピ」又は「カリカ」という表示が周知になることはあっても,「PS-501」が単独で商品等表示として周知されることは考えにくく,原告が「カリカセラピ」を商標登録したのも,上記の理由によるものと考えられる。 一般に,商品等表示は,その一部分が呼称となり周知されるようになると,- 9 -その余の部分は略されるようになり,周知されにくくなる。したがって,原告が主張するように,原告商品は「カリカセラピ」という商品等表示で周知されているとすれば,本件表示では周知されていないことになる。 イ原告標章と本件表示原告標章1は,原告がプラウト社からの仕入れをやめた平成13年5月ころ以降は使用していないと考えられ,原告の証拠説明書によれば,試験的に半年間のみ325箱しか使用していないから,原告標章1により,原告商品が「PS-501」として周知されることはない。 原告標章2及び3は,「CARICA」と英文字が大きく書かれている一方,「PS-501」という文字は,全体の地の色が黄色であるところ,黄色を濃くした長方形の中に白抜きで小さく書かれており,目立たなくなっていることからも,原告商品が「PS-501」という商品等表示で周知されることは考えにくい。現に,原告から商品を仕入れている販売業者の広告も,冒頭の商品等表示は「カリカセラピ」で り,目立たなくなっていることからも,原告商品が「PS-501」という商品等表示で周知されることは考えにくい。現に,原告から商品を仕入れている販売業者の広告も,冒頭の商品等表示は「カリカセラピ」であり,「PS-501」という商品等表示は単独では使用されていない。 ウ本件表示の使用許諾の権限原告は,プラウト社からプラウト粉末を仕入れ,これを小分けして原告商品として販売していた。プラウト粉末は,プラウト社,原告,その他の業者が,各々独自の名称を付して販売していたところ,プラウト粉末の効能等を研究機関に委託して研究することになり,その研究成果をすべての販売者が自己の商品でアピールできるようにするため,原告とプラウト社で協議し,全ての販売者が自己の商品名を付加できる普遍的な記号のような名称をプラウト粉末に付けることとなった。 そこで,原告とプラウト社は共同で,プラウト社の「P」と原告の商号の「済度」の「S」をとって,「PS-501」という名称を考え,互いに相手方又は相手方から商品を仕入れた者が,各自の商品に「PS-501」と- 10 -いう名称を付すことを承諾した。 したがって,原告が他社に「PS-501」の表示を使用させる権限はない。 エ原告以外の者による本件表示の使用各販売者は,平成9年ころ以降,原告又はプラウト社から仕入れた各自の商品に「PS-501」を付して販売するようになった。 被告も,平成13年6月ころ以降,プラウト社からプラウト粉末を仕入れ,プラウト社の承諾を得て被告標章1ないし2を用いて販売している。 プラウト社は,当初は「ヴェーダパワー」という商品名で,平成9年ころからは「ヴェーダパワーPS-501」という商品名でプラウト粉末を販売している。 ヒューマンセラピー社は,当初は原告から,平成16年以降はプラウト社からプラウ ダパワー」という商品名で,平成9年ころからは「ヴェーダパワーPS-501」という商品名でプラウト粉末を販売している。 ヒューマンセラピー社は,当初は原告から,平成16年以降はプラウト社からプラウト粉末を仕入れて,「ヒューマンセラピーPS-501」という名称で販売している。 オ本件表示が付された商品における原告商品の割合(平成13年5月まで)本件表示が付された商品は,平成18年11月2日付け被告の準備書面(2)添付別表(別紙1)のとおり,平成13年5月までに約4万1340箱が販売され(同年1月,2月分を除く。),原告の主張によれば,原告商品は同月までに5万6137箱が販売されたのであるから,同月時点で本件表示が付された商品に占める原告商品の割合は約57パーセントである。 甲163(別紙2)によれば,平成13年5月までに原告が販売した原告商品は4802.1キログラム,平成18年11月2日付け原告の準備書面(2)添付別表によれば,平成13年5月までの「ヒューマンセラピPS-501」の販売数量は2376キログラムであり,この2つだけを考えても,同月時点で「PS-501」という表示を含む商品のうち原告商品が占める割合は,66.8パーセントにすぎない。 - 11 -しかも,原告は,プラウト社から仕入れたプラウト粉末を全て「カリカセラピPS-501」という商品名で販売していたのではなく,「ヒューマンセラピPS-501」「バイオゴールドCP-13」「パパイヤシャン」「願飛」といった名称で,自ら販売し又は第三者に卸販売していた(特に,「PS-501」「ヴェーダパワー粉体」という品名で納品されたものは「カリカセラピPS-501」以外の商品名で販売された可能性が高い。)。 これらの商品を含めると上記各割合は更に下がる。 甲164の納品書を品名で区別する ェーダパワー粉体」という品名で納品されたものは「カリカセラピPS-501」以外の商品名で販売された可能性が高い。)。 これらの商品を含めると上記各割合は更に下がる。 甲164の納品書を品名で区別すると,「カリカセラピPS-501」という品名で納品された粉体は,平成10年から平成13年5月までで3200キログラムであり,原告が主張する「カリカセラピPS-501」の仕入数量6300キログラムの約2分の1にすぎない。そのうえ,仕入れた商品もすべてすぐに販売されるとは限らない。 したがって,平成13年5月時点で,本件表示は原告商品の表示とはなっていなかった。 カ本件表示が付された商品における原告商品の割合(平成17年12月まで)本件表示が付された商品は,別紙1のとおり,平成17年12月までに約9万2714箱が販売され(同年1月,2月分を除く。),原告の主張によれば,原告商品は同年12月までに42万7757箱が販売されたのであるから,本件表示が付された商品に占める原告商品の割合は約82パーセントであり,OEMにより原告から仕入れた商品に本件表示を付した商品を含めると上記割合は更に下がる。 原告商品以外に「PS-501」という名称を付した商品が全体の約2割あれば,消費者の多くは「PS-501」が原告商品のみを指すものではないと認識するから,平成17年12月時点でも,本件表示は原告商品の表示とはなっていなかった。 - 12 - 原告の商品等表示としての本件表示の周知性の有無(争点2)(1)原告の主張ア販売数量等原告は,平成10年6月から,原告商品の販売を開始し,全国各地に存在する販売店630店を通じて,平成13年5月末までに4802.1kg(甲163・別紙2)ないし5222.1キログラム(訴状)を販売し,平成17年12月までに3万93 品の販売を開始し,全国各地に存在する販売店630店を通じて,平成13年5月末までに4802.1kg(甲163・別紙2)ないし5222.1キログラム(訴状)を販売し,平成17年12月までに3万9366.6キログラム(甲163・別紙2)ないし3万9791.4キログラム(訴状)を販売した。平成18年5月時点で,原告商品のパパイア発酵食品における市場占有率は80パーセント以上に達すると思われ,インターネット上の検索エンジンで「パパイア発酵食品」を検索すると,検索上位に表示される。平成18年9月までの総販売数量は4万9565キログラムである。 イ宣伝広告等原告商品は,国内外の各種学術論文(甲18ないし31)や国内の有名雑誌等の記事(甲47ないし83。なお,甲47の発売部数は約1万部。),書籍(甲32ないし46)で取り上げられ,国内大手の新聞,雑誌,学会リーフレットの広告欄等(甲24,45,46,84ないし123。なお,甲86の発売ないし頒布部数は平成11年から平成18年までで合計7万1000部。)に掲載されて宣伝されている。 ウ周知の時期以上からすれば,本件表示は,原告の商品等表示として,遅くとも平成13年5月末までには周知となっていた。 (2)被告の主張ア販売数量等前記のとおり,「PS-501」という名称が付されたパパイア発酵食品の中だけで見ても,これに占める原告商品数の割合は,平成13年5月末の- 13 -時点で,57パーセントないし66.8パーセント程度に留まっていたし,平成17年12月の時点でも,82パーセントであった。 イ宣伝広告等原告は,原告商品が,学術論文,雑誌,書籍で取り上げられたと主張するが,これらは周知性の根拠とはならない。 (ア)学術論文原告が周知の根拠として指摘する平成13年6月以前に「PS-50 伝広告等原告は,原告商品が,学術論文,雑誌,書籍で取り上げられたと主張するが,これらは周知性の根拠とはならない。 (ア)学術論文原告が周知の根拠として指摘する平成13年6月以前に「PS-501」に関して出版された論文は,学会発表に係るもので,消費者との関係において原告の商品等表示の周知性と関係ない。 また,平成13年6月以降のものについても,学術論文は学会で発表されたものであり,消費者は通常読まないし,原告が指摘する論文のうち,甲18,22,25ないし27,29ないし31は,外国語で記載されているので,我が国における原告商品の商品等表示の周知性とは関係がない。 その他の論文においても,せいぜい原告が研究発表者に名を連ねているか,パパイア発酵食品に含まれる「PS-501」という成分が原告から提供されたという意味の記載にすぎず,「PS-501」が原告の商品等表示として記載されたわけではない。 国内外の各種学術論文で取り上げられたのは,原告商品ではなく,本件表示が付されたプラウト粉末であるが,原告が研究機関に依頼する際に事実を歪曲して伝えたため,「PS-501」は原告から提供されたものと発表されるようになったにすぎない。 (イ)書籍原告が周知の根拠として指摘する平成13年6月以前に「PS-501」に関して出版された書籍は,甲32のみであり,中国語で書かれているので,国内の大多数の消費者は読んでいない。 (ウ)雑誌- 14 -原告が周知の根拠として指摘する平成13年6月以前に「PS-501」に関して出版された雑誌は,甲47のみであるが,「カリカセラピPS-501」という記載しかないので,原告商品が「PS-501」という商品等表示で周知になることはない。 (エ)広告原告が周知の根拠として指摘する平成13年6月以前に「PS-50 リカセラピPS-501」という記載しかないので,原告商品が「PS-501」という商品等表示で周知になることはない。 (エ)広告原告が周知の根拠として指摘する平成13年6月以前に「PS-501」に関して出版された広告は,甲24,84ないし87である。 甲84ないし86では,「カリカセラピPS-501」又は「SAIDO-PS501」の記載しかないので,原告商品が「PS-501」という商品等表示で周知されることはない。甲84で1か所だけ「PS-501」の記載はあるが,パパイア発酵食品「PS-501」一般の一つが「カリカセラピPS-501」と解釈されるものである。甲24は,学会プログラムであり,学会参加者しか読まない。甲87の雑誌本文には「PS-501」の記載があるが,原告商品と切り離して特集されている。 ウ周知の時期以上からすれば,本件表示は,原告の商品等表示として,少なくとも平成13年5月時点では周知ではなかったし,平成17年12月時点でも周知ではなかった。 本件表示と被告標章1及び2の類似性の有無(争点3)(1)原告の主張被告標章1及び2の要部である「PS-501」は,本件表示と称呼,外観,観念が同一であるから,被告標章1及び2は,本件表示と類似している。 (2)被告の主張被告標章1及び2の要部は,「PS-501」ではなく,それぞれ「パパイン」「Bio-86」であるから,被告標章1及び2はいずれも本件表示と類似しない。 - 15 - 本件表示と被告標章1及び2の混同のおそれの有無(争点4)(1)原告の主張原告商品と被告商品は,いずれも同じパパイア発酵食品で,健康食品としての機能を謳っており,購入対象者も重複している。 被告商品の商品等表示として,原告の周知商品等表示である本件表示と類似した被告標章1及び2を使用し 品は,いずれも同じパパイア発酵食品で,健康食品としての機能を謳っており,購入対象者も重複している。 被告商品の商品等表示として,原告の周知商品等表示である本件表示と類似した被告標章1及び2を使用したり,本件表示そのものを検索キーワードとして表示される検索結果サイトの広告スペースに被告商品の広告を掲載すれば取引業者,需要者をして,原告商品と被告商品及びその営業の間に出所の混同を生じさせるか,両者の間に法律上,経済上何らの関連があるのではないかという混同を生ずるおそれがある。 実際に,原告の顧客が,被告標章1及び2を見て,原告と何らの関連性を有する商品であるとの混同を生じて,原告に問い合わせる事例も生じている。 (2)被告の主張前記のとおり,本件表示と被告標章1及び2は類似せず,被告は,被告のホームページにおいて,被告商品が原告商品とは異なることを明記しているので,取引業者及び需要者に混同が生じるおそれはない。 不正競争行為についての故意又は過失の有無(争点5)(1)原告の主張原告は,被告に対し,平成13年5月8日,被告との代理店契約を解約する際に,原告商品の名称である本件表示を被告の商品に使用しないことを求める書面を送付した。 よって,被告の被告標章1及び2の使用による不正競争行為は,故意又は過失によるものである。 (2)被告の主張本件表示を使用しないことを求める書面の送付があったことは否認し,その余は争う。 - 16 - 営業上の利益侵害の有無及び損害額(争点6)(1)原告の主張ア営業上の利益侵害前記のとおり,原告商品と被告商品との間に混同のおそれが生じていること自体,原告の営業上の利益を侵害するものである。 イ原告の逸失利益(ア)不正競争防止法5条1項による損害額(主位的主張)被告は,平成18年1月から同 被告商品との間に混同のおそれが生じていること自体,原告の営業上の利益を侵害するものである。 イ原告の逸失利益(ア)不正競争防止法5条1項による損害額(主位的主張)被告は,平成18年1月から同年5月まで,被告商品を500個販売した。原告は,被告が上記不正競争行為をしなければ,原告商品を1個1万円で販売し,製造原価及び変動経費1個あたり2000円を差し引いても,少なくとも1個あたり8000円の利益を得ることができた。したがって,原告の損害は,不正競争防止法5条1項により,400万円(8000円×500個)である。 (イ)不正競争防止法5条2項による損害額(予備的主張1)被告は,前記のとおり,被告商品を少なくとも500個以上販売したところ,被告商品1個あたりの販売価格は4980円,製造原価及び販売経費は1個1494円であるから,利益は1個あたり3486円である。したがって,被告は,本件訴訟提起までに174万3000円の利益を得ているのであって,不正競争防止法5条2項により,原告の損害は同額である。 (ウ)不正競争防止法5条3項による損害額(予備的主張2)原告商品の名称を第三者に使用許諾する場合の対価は売上の5パーセントをくだらないので,不正競争防止法5条3項により,被告の売上げの5パーセントである12万4500円が原告の損害である。 ウその他の損害(弁護士費用)原告は,本件訴訟を提起するため,原告訴訟代理人に対し,弁護士費用と- 17 -して300万円以上の支払を約束し,その一部を支払った。 (2)被告の主張被告が平成18年1月から同年5月までに販売した商品数は,被告標章1が付された被告商品が338個,被告標章2が付された被告商品が72個である。 原告は,原告商品を自社で製造しておらず,平成13年4月以降はプラウト社からプ ら同年5月までに販売した商品数は,被告標章1が付された被告商品が338個,被告標章2が付された被告商品が72個である。 原告は,原告商品を自社で製造しておらず,平成13年4月以降はプラウト社からプラウト粉末の供給も受けていないので,原告商品と「PS-501」は別の商品であり,消費者を欺罔しているので,これによる利益は損害とはならない。 不正競争防止法19条1項3号の適用除外(先使用)該当性の有無(争点7)(1)被告の主張被告は,平成13年6月から中断することなく,不正の目的なくして「パパインPS-501」又は「PS-501」という商品等表示を使用してきた。 前記のとおり,平成13年6月当時,原告商品は,「PS-501」という商品等表示で周知されていなかった。 よって,被告が「パパインPS-501」「PS-501」という商品等表示を使用しても,先使用による適用除外に該当する。被告が平成18年から使用している「Bio-86PS-501」についても,共通する「PS-501」の部分につき,先使用の適用除外に該当する。 (2)原告の主張ア不正の目的被告は,原告から仕入れた原告商品を平成13年5月まで販売していた。 そして,原告は,被告の要請を受けて被告主催のセミナーに原告代表者が講師として参加するなど,積極的に被告による原告商品の販売をバックアップしていたので,仮に,「PS-501」が原告商品の商品等表示として平成13年5月までに周知になっていなかったとしても,被告は,原告との取引を通じて,将来「PS-501」が周知となることを十分認識した上で「P- 18 -S-501」を使用したのであり,「不正の目的」で使用したことは明らかである。 イ使用の中断被告の「パパインPS-501」又は「PS-501」の商品等表示の使用開始時期が平 で「P- 18 -S-501」を使用したのであり,「不正の目的」で使用したことは明らかである。 イ使用の中断被告の「パパインPS-501」又は「PS-501」の商品等表示の使用開始時期が平成13年6月であることは否認する。 仮に,被告が上記各商品等表示の使用を同月から開始していたとしても,平成18年5月に使用されていた被告商品のパッケージ(甲6)に容器包装識別マークはなく,平成13年当時に制作されたものを使用していると考えられるところ,平成13年から5年経過後も法律違反のパッケージを使用しなければならないほどパッケージの在庫が大量にあるのは,被告が被告標章1の使用を一時中断していたからである。現に,別紙1によれば,被告は,平成15年はプラウト社から全く商品を仕入れていない。 よって,被告は,平成13年6月から「PS-501」の表示の使用を開始していたとしても,平成14年ころにいったんその使用をやめ,平成16年ころから再度使用を開始したのであり,少なくとも平成16年当時は,「PS-501」は原告商品の商品等表示として周知であったので,被告の先使用は認められない。 第6当裁判所の判断まず,本件表示と被告標章1及び2の類似性の有無(争点3)について判断する。 商品等表示の類似性の判断基準不正競争防止法2条1項1号の「商品等表示」の類似性の判断は,取引の実情のもとに,取引者又は需要者が両表示の外観,称呼又は観念に基づく印象,記憶,連想等から両者を全体的に類似のものとして受け取るおそれがあるか否かを基準として判断するのが相当である(最高裁昭和58年10月7日第二小法廷判決・民集37巻8号1082頁,同昭和59年5月29日第三小法廷判決・民集38- 19 -巻7号72頁)。 そこで,まず,本件表示に関する取引の実情について認定し( 昭和58年10月7日第二小法廷判決・民集37巻8号1082頁,同昭和59年5月29日第三小法廷判決・民集38- 19 -巻7号72頁)。 そこで,まず,本件表示に関する取引の実情について認定し(後記2),これを前提として,本件表示と被告標章1及び2の類似性について判断する(後記3)。 本件表示の取引の実情に関する事実関係(証拠により事実を認定する場合は,各事実の末尾に記載する。)(1)パパイア発酵食品に関する契約,覚書,研究ア原告とプラウト社の売買契約プラウト社と原告は,平成8年11月6日,プラウト社が原告に「ヴェーダ・パワー」を「粉出し」の状態で,1回最低発注単位200キログラム,年間1000キログラム以上を粉体で1グラムあたり32円(ただし,初回は1グラムあたり40円)で供給する旨の売買基本契約を締結した(甲124)。 イ原告とバイオ社の売買契約原告とバイオ社は,平成9年1月11日,原告がバイオ社に「プラウト社の製品であるヴェーダパワー」を1回最低発注量500キログラム以上,年間2万キログラム以上を,1グラムあたり33円で供給する旨の基本的売買契約を締結した(甲125)。 原告は,「スーパーバイオ」の名称でプラウト社からプラウト粉末を仕入れてバイオ社に卸し(甲132,133,135),バイオ社は,「スーパーバイオ」という商品名でパパイア発酵食品を販売していた(甲126,127)。原告は,平成10年11月24日,バイオ社に最後の納品を行い,同年12月25日,上記売買契約を合意解除した。 ウ原告のプラウト社からの仕入れプラウト社は,平成9年1月ころは「ヴェーダ・パワー」という名称で,平成10年ころから「PS501」「ヴェーダ・パワー(PS-501)粉- 20 -体」「カリカセラピPS501」という「PS501」を ウト社は,平成9年1月ころは「ヴェーダ・パワー」という名称で,平成10年ころから「PS501」「ヴェーダ・パワー(PS-501)粉- 20 -体」「カリカセラピPS501」という「PS501」を含んだ名称で,プラウト粉体を原告に納品していた(甲131,134,164の1ないし164の24,乙2)。原告も,プラウト社に対し,「PS-501パウダー」という名称で発注していた(乙1)。また,プラウト社は,原告がバイオ社に販売する分については「スーパーバイオ」という名称で,原告がヒューマンセラピー社に販売する分については「ヒューマンセラピPS501」という名称で,プラウト粉末を原告に納品していた(甲132,133,135,173の1ないし173の12)。 これらの名称で平成9年1月から平成13年5月までに原告がプラウト社から仕入れたプラウト粉末の仕入れの時期,名称,数量は,別紙3のとおりである。(甲131ないし135,164の1ないし164の24,173の1ないし173の12,乙1,2)なお,本件表示の使用を証拠上確認することができる最も早い時期のものは,平成10年4月30日の「PS501」であり(甲134),「PS-501」が最も早い時期に現れる文書・文献は,甲130の平成10年1月12日付けの本件覚書2,甲19の平成10年5月発表の学術論文であることからも,「PS501」を含んだ商品名の使用の開始は,同年1月より前であるとは認められない。 エ本件覚書1及び研究発表バイオ社,プラウト社,原告は,平成9年4月,財団法人山形テクノポリスが同月から「スーパーバイオ」の研究を行うことについて,同財団法人との契約者はバイオ社とし,出資費用は3社が一部ずつ負担することを合意した(甲126)。 研究の結果,同年7月ころ,「パパイア醗酵標品(スーパ ら「スーパーバイオ」の研究を行うことについて,同財団法人との契約者はバイオ社とし,出資費用は3社が一部ずつ負担することを合意した(甲126)。 研究の結果,同年7月ころ,「パパイア醗酵標品(スーパーバイオ)のフリーラジカル消去作用について」と題する論文が発表された。(甲127)オ本件覚書2及び研究発表- 21 -プラウト社と原告は,平成10年1月,本件覚書2を締結し,プラウト社が原告に対し,①「(財)山形テクノポリス財団における甲(判決注・プラウト社を指す)の製品PS-501の研究に関する全てを委託するものとする。」,②1年間の研究開発費として1000万円を支給する,③研究発表,論文などにかかる諸費用についてはプラウト社の負担とする旨の合意をした(甲130,乙4)。 その研究の結果は,平成10年中にも,「パパイヤ発酵標品(PS-501)」,「パパイアを磨砕して醗酵した後,乾燥して得られた食品(PS-501)」,「パパイア発酵食品(PS-501,株式会社済度)」などの表記を用いて論文等として発表された(甲19ないし21)。 カヒューマンセラピー社による販売原告とヒューマンセラピー社は,平成10年10月6日,原告がヒューマンセラピー社に「原告の製品であるPS-501」を売ることを内容とする基本的売買契約を締結した(甲129)。 ヒューマンセラピー社は,「HUMANCELAPIPS-501」ないし「ヒューマンセラピーPS-501」という商品名でパパイア発酵食品を販売している(乙6)。 原告は,平成10年ないし平成11年ころから平成15年ころまで,「ヒューマンセラピPS501」という名称でプラウト社からプラウト粉末を仕入れて,ヒューマンセラピー社に卸していた。ヒューマンセラピー社は,平成16年ころ以降は,直接プラウト社からプラウト ろまで,「ヒューマンセラピPS501」という名称でプラウト社からプラウト粉末を仕入れて,ヒューマンセラピー社に卸していた。ヒューマンセラピー社は,平成16年ころ以降は,直接プラウト社からプラウト粉末を購入している。 キ原告のプラウト社からの仕入れの終了原告は,プラウト社に対し,平成13年4月11日に海外用300kg,国内用100kgの「PS-501パウダー」を発注し,プラウト社は同,発注に係る商品を納品したのを最後に,同月30日以降,原告にプラウト粉末の供給はしていない(甲164の22・23,乙1ないし3)。 - 22 -(2)本件表示の由来「PS-501」の名称は,研究機関に委託して研究が論文として発表されることから,「明らかに特定の商品名と分かる名称ではなく,論文の体裁を整えやすい名称」(原告の主張)又は「研究の成果を,全ての販売者が自己の商品でアピールできるようにするため,…全ての販売者が自己の商品名に付加できる普遍的な記号のような名称」(被告の主張)として考えられた名称である。 「PS-501」の「P」は「パパイヤのP」(原告の主張)又は「プラウト社のP」(被告の主張)から取ったもの,「S」は原告(済度)の頭文字から取ったものである。 (3)原告商品における本件表示の使用実績原告商品を表示する方法の態様としては,①〔本件表示のみ〕で表示,すなわち「PS-501」「PS501」,②〔本件表示+他の名称〕で表示,すなわち「カリカセラピPS-501」「カリカセラピSAIDO-PS501」等,③本件表示を使用しないで〔他の名称のみ〕で表示,すなわち「カリカ」「カリカセラピ」等がある。 ア〔本件表示のみ〕で表示(上記①の場合)原告商品を〔本件表示のみ〕で表示した実績は次のとおりである。 (ア)広告(甲24)甲24(平 み〕で表示,すなわち「カリカ」「カリカセラピ」等がある。 ア〔本件表示のみ〕で表示(上記①の場合)原告商品を〔本件表示のみ〕で表示した実績は次のとおりである。 (ア)広告(甲24)甲24(平成11年3月発行)は,学会プログラムに掲載された1ページの広告で,「PS-501」の説明(論文との関係等)があり,その横に原告標章1,2を使用したパッケージの写真が掲載されている。 もっとも,原告商品と「PS-501」との関係についての説明はなく,その関係は明確ではない。 (イ)冊子(甲33)表紙のタイトルに「なぜPS501は効くんだろう?」とあり,「PS501」のPとSの間に小さな字で「SAIDO」の記載があり,「SA- 23 -IDO/PS501?感動秘話24人の証言」という記載がある。内容の中心である体験談では「PS501」として記載されているが,最後の方のページに論文の説明があり,その下に「※パパイア醗酵食品PS501は(株)済度独自の製品です。」という記載がある。 (ウ)書籍(甲34)甲34の書籍には,「効くサプリメントと効かないサプリメント」「SAIDOPS501TRUESTORY」というタイトルが記載されているが,中の体験談には「PS501」のみが記載されている。 (エ)書籍(甲35)甲35の書籍には,「別会社ができて,名前も『PS-501』になったことを最近知った」「『済度(さいど)』を社名にしたこの会社は,…」という記載がある。 (オ)書籍(甲36)甲36の書籍は,原告代表者その他が著者であり,「パパイア発酵食品PS-501」というタイトルで,「私がPS-501(当時は別名)の存在を知ったのは」という記載がある。(甲36)(カ)書籍(甲39)甲39の書籍は,「私がPS-501(当時は別名)の存在を知った S-501」というタイトルで,「私がPS-501(当時は別名)の存在を知ったのは」という記載がある。(甲36)(カ)書籍(甲39)甲39の書籍は,「私がPS-501(当時は別名)の存在を知ったのは」という記載がある一方で,「なお『カリカPS-501』の製造・販売元は(株)済度です。」という記載もある。 (キ)書籍(甲43,45)甲43,45の書籍には,「カリカPS-501とは,原産国フィリピンのナチュラル・パパイヤの未熟果を,化学的処理を一切施さず自然環境下で1年間,発酵・熟成・乾燥させた白い顆粒状の甘みのある発酵食品です。」という記載がある一方で,「『PS-501』とは,その結果を医学・薬学学会,及び国際学会誌で発表する論文に使用されている『製品- 24 -名』なのです。」という記載もある。 もっとも,後者の記載は,その文脈からすれば,必ずしも商品名と理解されるものではない。 (ク)雑誌(甲49,50)甲49,50の雑誌には,最初に「カリカセラピPS501」という表記で説明があり,その後に記載されている体験談の中で,「突然私にPS-501を勧めてくれたのは」「PS-501のおかげ」という記載がある。 (ケ)雑誌の広告甲68,90,91,94,101,108,113の1の雑誌,学会プログラム,展示会プログラム,セミナープログラムの広告のページの中の広告の文句には,「PS501は,…最強のサプリメントなのです。」という記載がある一方で,「PS501研究チームの研究によって…」という記載もある。これらの記載の下に,原告商品の写真があり,「カリカセラピSAIDO-PS501パパイア醗酵食品」の記載がある。 これらの記載からすれば,「PS501」が商品名として扱われているのか,パパイア発酵食品の種類の一般名詞として使用され あり,「カリカセラピSAIDO-PS501パパイア醗酵食品」の記載がある。 これらの記載からすれば,「PS501」が商品名として扱われているのか,パパイア発酵食品の種類の一般名詞として使用されているのかは明確ではない。 (コ)フリーペーパー(甲84)甲84(平成10年11月発行)は,中高年層向けのフリーペーパーで,1ページを割いて原告の広告ページがあり,原告標章2のパッケージの写真とかぎ括弧を付した「カリカセラピPS-501」の表示による説明が掲載されている。 1か所だけ「パパイヤ発酵食品PS-501」との記載があるが,それは「各学会でパパイヤ発酵食品PS-501の効果について数々の学術発表がなされ,…『カリカセラピPS-501』に医学会でも強い関心が持- 25 -たれています。」というものであって「パパイヤ発酵食品PS-501」と「カリカセラピPS-501」を区別しており,例えば「カリカセラピPS-501」が「パパイヤ発酵食品PS-501」の一種であるかのようにも読めるものとなっている。 別のページには「プレゼント」として「カリカセラピPS-501」の文字がまとまりよく記載されている。甲84の発行部数は不明である。 (サ)雑誌(甲86,87)甲86(平成11年7月発行)及び87(同年12月発行)の雑誌は,単なる「PS-501」という表記があるが,いずれも「CRICA」と題する原告が作成した原告商品の紹介雑誌であり,その発行部数は原告によると平成11年7月が6000部,同年9月が5000部,平成12年1月が1万部である。 (シ)学会プログラムの広告(甲88),ニュースレター(甲121)甲88は,学会プログラムに掲載されている広告であり,「最先端サプリメントパパイア醗酵食品の可能性」と題して,「PS501」の説明が記載 学会プログラムの広告(甲88),ニュースレター(甲121)甲88は,学会プログラムに掲載されている広告であり,「最先端サプリメントパパイア醗酵食品の可能性」と題して,「PS501」の説明が記載されており,中ほどに「※パパイア醗酵食品PS501は(株)済度独自の製品です。」との記載がある一方で,「製品化例」として原告商品の写真が掲載されている。甲121は「CARICANewsLetter」であるが同様の記載がある。 (ス)学会プログラムの広告(甲89)甲89も学会プログラムに掲載されている広告であり,半ページ分のスペースで,「SAIDOCORPORATIONPs501パパイア醗酵食品」という記載がある。 (セ)展示会プログラムの原告の出展ブースの説明(甲94,113の2)甲94,113の2の展示会プログラムの原告の出展ブースの説明では,「パパイア発酵食品カリカセラピPS501」という見出しで,説明部- 26 -分では単に「PS501」と表記されている。 (ソ)チラシ(甲121)甲121のチラシでは,「PS501」と表記され,「株式会社済度の開発したパパイア発酵食品PS501が…」「※パパイア醗酵食品PS501は(株)済度独自の製品です。」という記載がある。 イ〔本件表示+他の名称〕で表示(上記②の場合)原告商品を〔本件表示+他の名称〕で表示した実績は次のとおりである。 (ア)書籍(甲32)甲32の書籍には原告の社長の活動に関して「可力佳PS-501」,の記載のあるが,同書籍は平成13年4月に台湾で刊行された中国語の書籍であり,日本国内における需要者一般に読まれていたものとは認められない。 (イ)雑誌(甲47)甲47(平成11年11月出版)の雑誌では,1ページを割いて原告の会社としての紹介がされており,原 籍であり,日本国内における需要者一般に読まれていたものとは認められない。 (イ)雑誌(甲47)甲47(平成11年11月出版)の雑誌では,1ページを割いて原告の会社としての紹介がされており,原告代表者,原告会長,ゲストとの対談が記載されており,その会話の中でかぎ括弧を付して「カリカセラピPS-501」と表記され,原告標章1,2を用いたパッケージの写真が右下に小さく掲載されている。甲47の出版部数について,原告は1万部と主張している。 (ウ)書籍,雑誌,広告等甲37,38,40ないし42(以上は著者がP1の書籍),甲43,44,45(以上は著者がP2の書籍),甲47,48(以上は雑誌),甲51ないし56(以上は主として雑誌の広告),甲58,60ないし65,72,74,75,77,78(以上は雑誌の記事),甲84(フリーペーパーの広告),甲85(朝日新聞の広告),甲95ないし98,102,104,111,112,114,116(以上はコミュニティ新- 27 -聞の商品紹介),甲96(日刊スポーツの広告),甲100(セミナーのプログラムに掲載された広告),甲105ないし107,110(以上は会員用冊子),甲109(セミナープログラムのタイトル),甲122,123(以上はチラシ)は,いずれも「カリカセラピPS-501」「カリカセラピPS501」「カリカPS501」「SAIDO-PS501」と表記し,本件表示と他の名称の部分が一体として読めるように,その全体にかぎ括弧を付していたり,一体としてまとまりよく表記しているウ本件表示を使用しないで〔他の名称のみ〕で表示(上記③の場合)原告商品を本件表示を使用しないで〔他の名称のみ〕で表示した実績は次のとおりである。 (ア)「カリカ」「カリカセラピ」甲46の書籍は,原告商品を単に「カリ で〔他の名称のみ〕で表示(上記③の場合)原告商品を本件表示を使用しないで〔他の名称のみ〕で表示した実績は次のとおりである。 (ア)「カリカ」「カリカセラピ」甲46の書籍は,原告商品を単に「カリカ」として,甲57,59の雑誌の記事は「カリカ」として,甲83の雑誌,甲118の講演会プログラムは単に「カリカセラピ」と記載している。 甲119のコミュニティ新聞にも,「カリカセラピPS501」と表記したり,単に「カリカ」と表記している。 (イ)「以下カリカ」の略称甲67ないし69,71,73,76,79,80の雑誌は,「『カリカセラピPS-501』(以下カリカ)」と記載されている。 (ウ)「カリカセラピ(PS-501)」甲70の雑誌は「カリカセラピ(PS-501)」と記載されている。 (エ)「パパイア発酵食品カリカセラピ」甲82は雑誌の広告で「カリカセラピSAIDO-PS501」「パパイア発酵食品カリカセラピ」と記載されている。 (オ)体験談の中で「カリカ」甲92は,雑誌の広告であり,「カリカセラピPS501」の表記で説- 28 -明・広告がされているが,同時に掲載されている体験談では「カリカ」と表記されている。 (カ)スタッフの言葉で「カリカ」甲93は,雑誌の商品紹介であり,「カリカセラピPS501」の表記で紹介がされているが,同時に掲載されているスタッフの言葉では「カリカ」と呼ばれている。 (キ)「カリカ30」「カリカ40」「カリカ100」甲99は雑誌の広告であるが,「カリカセラピPS501」という表記のほかに「カリカ40(カリカセラピPS501・40袋入)」「百万人のカリカです。」「カリカの裏技」「カリカセラピは食べるだけではありません。」といった記載がある。 甲117,120は雑誌の広告であるが,「カリカセラピPS50 セラピPS501・40袋入)」「百万人のカリカです。」「カリカの裏技」「カリカセラピは食べるだけではありません。」といった記載がある。 甲117,120は雑誌の広告であるが,「カリカセラピPS501」という表記のほかに「カリカ30」「カリカ40」「カリカ100」という表記もある。 (ク)「パパイア発酵食品カリカ」甲103は雑誌の広告であり,「パパイア醗酵食品カリカセラピPS-501」という記載がある一方で,原告商品の写真を掲載した部分を枠で囲って「パパイア発酵食品カリカ」というタイトルを付している。 (ケ)「以下カリカセラピ」の略称甲111,114のコミュニティ新聞には「『カリカセラピPS501』(以下カリカセラピ)」と記載されている。 甲115の会員向け新聞には「『カリカセラピPS-501』…(以下カリカセラピ)」と記載されている。 (4)本件表示を使用した学術論文と原告商品の関係学術論文では,PSー501と呼ばれるパパイヤ発酵食品と特定の出所(原告)が記載されているものは,甲21,22,24,25,26,27である- 29 -が,うち日本語の文献は甲21のみである。 また,日本語の文献において,パパイア発酵食品でPS-501と呼ばれるものを使用したことが記載されているもの(甲19,20,23,24,28)があるが,それは「パパイヤ発酵標品(PS-501)」,「パパイヤを磨砕して発酵した後,乾燥して得られた食品(PS-501)」,「パパイヤ発酵食品(PS-501)」などの表記であって,「PS-501」と呼ばれるパパイア発酵食品を用いたことは認識されるものの,出所を識別するための商品等表示とは認識され難いものである。 よって,日本語の文献であって,PS-501と呼ばれるパパイヤ発酵食品と特定の出所(原告)が記載されているものは たことは認識されるものの,出所を識別するための商品等表示とは認識され難いものである。 よって,日本語の文献であって,PS-501と呼ばれるパパイヤ発酵食品と特定の出所(原告)が記載されているものは,結局甲21のみである。もっとも,これも,様々な業者から入手できるパパイア発酵食品一般である「PS-501」のうち,今回は原告から入手したものを使用した,という意味と認識される可能性もあり得るように思われる。 (5)原告商品における本件表示に対する需要者の受け止め方ア本件表示と「カリカ」ないし「カリカセラピ」との関係一般に,表示が名称を表す綴りではないアルファベットの羅列と数字の組合せという構成である場合,単独で用いられれば,学術的に付された記号・番号(普通名詞)に,商品名の末尾に付加する形で用いられれば,販売会社が付した品番に見受けられることがある。 本件表示(「PS-501」「PS501」)も,単独で用いられた場合であっても特定の商品名とは認識されにくく,また,他の表示の後に付加される形で使用された場合には,品番のような付記的な記号と認識されやすいものというべきである。このことは,命名の目的(「明らかに特定の商品名と分かる名称ではなく論文の体裁を整えやすい名称」又は「全ての販売者が自己の商品名に付加できる普遍的な記号のような名称」)からも裏付けられる。 - 30 -イインターネットのホームページにおける「カリカセラピ」の略称平成18年ころの「YAHOO!JAPAN」「MNSサーチ」「カフェスタ」の検索サイトで「カリカセラピ」を検索した結果,「freshEYE」の検索サイトで「PS-501」を検索した結果,「カリカセラピ本舗」のホームページによれば,原告商品について「カリカセラピPS-501」のうち「PS-501」の部分を省略し, ,「freshEYE」の検索サイトで「PS-501」を検索した結果,「カリカセラピ本舗」のホームページによれば,原告商品について「カリカセラピPS-501」のうち「PS-501」の部分を省略し,単に「カリカセラピ」と称して表示しているものが多数ある(甲9,10,12,14,15,17,乙11)。 上記事実は,商品名の末尾に本件表示が含まれている場合には,本件表示は付記的部分と認識され,その部分が除かれて略称されやすいことを裏付けるものということができる。前記(3)ウ(イ)(オ)(カ)(ケ)で認定した事実も,同様である。 (6)原告標章の外観等原告商品は,原告標章を付したパッケージの箱に保管されて取引されることから,次のとおりの原告標章の外観等も,取引の一事情である。 ア原告標章1原告標章1は,白と薄い青緑の地に,濃い青緑の字で大きく「PS-501」と中央に記載され,その上に小さく濃い青緑の字で「CARICA」,黒字で「CELAPI」と記載され,上部にも小さい黒い字で「パパイア発酵食品・カリカセラピPS-501」とされている(甲3)。 原告標章1は,上記中央の大きな「PS-501」から,「PS-501」が商品等表示として認識され得るものと認められる。 もっとも,弁論の全趣旨(原告の主張)によれば,原告標章1は,平成11年3月ころ,試験的に半年間のみサンプルも含めて325箱が使用されただけであると認められる。 イ原告標章2- 31 -原告標章2は,両端が濃く中央が薄い黄色の地に,濃い緑の字で大きく「CARICA」と中央に記載され,その右上に濃い緑の字で小さく「カリカセラピ」と記載があり,中央の「CARICA」の下に薄い緑の小さい字で「CELAPI」と記載され,その右横に更に小さく,濃い黄色の長方形の地に白抜きで「PS-501」 上に濃い緑の字で小さく「カリカセラピ」と記載があり,中央の「CARICA」の下に薄い緑の小さい字で「CELAPI」と記載され,その右横に更に小さく,濃い黄色の長方形の地に白抜きで「PS-501」と記載されている(甲4)。 原告標章2からは,上記中央の大きな「CARICA」,カタカナから「カリカセラピ」,全体から「CARICACELAPIPS-501」(「カリカセラピPS-501」と読まれる。)との商品等表示と認識され得るものの,「PS-501」は,その位置及び大きさから付記的な部分と理解されるため,それが単独の商品等表示と認識されたり,単なる「PS-501」と略称されたりするとは,直ちに認めがたい。 弁論の全趣旨によれば,原告標章2は,平成10年6月ないし10月ころに作成され,そのころ以降使用されていると認められる。 ウ原告標章3原告標章3は,原告標章2と同様,両端が濃く中央が薄い黄色の地に,濃い緑の字で大きく「CARICA」と中央に記載され,その右上に濃い緑の字で小さく「カリカセラピ」と記載があり,中央の「CARICA」の下に薄い緑の小さい字で「CELAPI」と記載され,その右横に更に小さく,濃い黄色の長方形の地に白抜きで「SAIDO-PS501」と記載されている(甲5)。原告標章2と異なる点は,原告標章3は「CARICA」の右上に,小さい○で囲んだRが付されていることと,濃い黄色の長方形の地の中の白抜きの文字の内容である。 原告標章3からは,原告標章2と同様,上記中央の大きな「CARICA」,カタカナから「カリカセラピ」,全体から「CARICACELAPISAIDO-PS501」(「カリカセラピサイドPS-501」と読まれる。)との商品等表示と認識され得るものの,「PS501」は,そ- 32 -の位置及び大きさから付 CARICACELAPISAIDO-PS501」(「カリカセラピサイドPS-501」と読まれる。)との商品等表示と認識され得るものの,「PS501」は,そ- 32 -の位置及び大きさから付記的な部分と理解されるため,それが単独の商品等表示と認識されたり,単なる「PS501」と略称されたりするとは,直ちに認めがたい。 弁論の全趣旨によれば,原告標章3は,平成14年10月に作成され,そのころ以降使用されていると認められる。 (7)原告商品の販売数ア販売数原告商品の売上は,別紙2のとおり,平成16年から平成18年までは,いずれの年においても毎年1万キログラムを超えており,平成10年の販売開始から平成18年9月までの累計は約5万キログラム(一箱90グラムとすると55万箱強)となっている(甲163)。 イ平成13年5月までの販売数量の裏付け原告がプラウト社から仕入れたプラウト粉末についての平成9年1月から平成13年5月までの原告の卸先の販売業者,商品名,プラウト社からの納品数量,原告の主張する販売数量は,別紙2及び3のとおりであり,まとめると次のとおりである。 原告の卸先である販売業者名書証で確認可能なプラ原告の主張による販売数販売業者による商品名ウト社からの納品数量量(甲163)カリカセラピPS-501と3200kg4802.1kgして納品した分「PS501」「ヴェーダ・3500kgパワー(PS-501)粉体」として納品した分- 33 -ヒューマンセラピPS-501200kg2376kg1として納品した分スーパーバイオとして納品し4000kgた分バイオゴールド500kgパパイアシャン115.8kg願飛344kg合計11900kg8137.9kg(バイオ社分を除いた合計)(7900kg)こ オとして納品し4000kgた分バイオゴールド500kgパパイアシャン115.8kg願飛344kg合計11900kg8137.9kg(バイオ社分を除いた合計)(7900kg)このように,別紙2記載の原告の主張する原告商品の販売数量(甲163)のうち平成13年5月までの分については,甲131ないし135,164,173(枝番を含む),乙1,2により認められるプラウト社から原告に納品された数量とほぼ一致するので,原告商品の販売数量のうち平成13年5月までの分については,別紙2記載のとおりであると認められる。 ウ平成13年から平成18年までの販売数量の裏付け原告が,原告商品を販売するにあたり,平成13年から平成17年までに原告商品の包装袋を仕入れた数量は,別紙4の各「証拠」欄記載の書証番号の甲号証により,別紙4の各「箱数」欄の記載のとおりであると認められる。 これを各年ごとにまとめると次のとおりとなる。 - 34 -別紙4の箱数により包装可能な原告商品別紙3の原告の主張によの数量(kg数は1包3gとして計算)る販売数量(甲163)平成13年396500包1189.5kg1154.0kg平成14年598000包1794.0kg1819.1kg平成15年2694620包8083.86kg6224.4kg平成16年4073091包12219.27kg11613.3kg平成17年4750800包14252.4kg14364.0kg合計1251301137539.033k351746kg包gこのように,別紙2記載の原告の主張する原告商品の販売数量(甲163)のうち平成13年から平成17年までの分については,甲165ないし172(枝番を含む。)により認められる原告に納品された箱数により包装可能な数量 2記載の原告の主張する原告商品の販売数量(甲163)のうち平成13年から平成17年までの分については,甲165ないし172(枝番を含む。)により認められる原告に納品された箱数により包装可能な数量とほぼ一致するので,原告商品の販売数量のうち平成13年から平成17年までの分については,別紙2記載のとおりであると認められる。 そして,原告商品の販売数量は,平成10年から平成17年までの分については,別紙2の原告の主張(甲163)のとおりであると認められるので,平成18年分についても同様であると認められる。 (8)原告商品における本件表示に関するまとめ- 35 -前記(3)アのように,〔本件表示のみ〕で原告ないし原告商品と結びつけて使用する例は一定程度見受けられる。また,「カリカセラピPS501」のように,〔本件表示+他の名称〕でいったん表示した後に,以降は〔本件表示のみ〕を略称として使用する場合も一定程度ある。 もっとも,甲24は学会発表の要旨集,甲88,89は学会プログラムであって,パパイヤ発酵食品の需要者一般に読まれているものとは認めがたいし,甲33ないし36,39,43,45,49,50,68,70,84,91,94,101,108,113の1・2,121は発行部数が不明である。甲86及び87は,継続的に原告商品を購入している特定の消費者に原告が会員誌のような形で配布したものと認められること及びその発行部数からすれば,パパイヤ発酵食品の需要者一般に与える影響は限定的なものであると評価すべきである。 他方で,前記(3)イのとおり,原告商品について〔本件表示+他の名称〕の方法で表示したり,前記ウのとおり,〔他の名称のみ〕で表示したり,いったん〔本件表示+他の名称〕の方法で表示しても,以下は〔他の名称のみ〕で略称する場合も数多くあること いて〔本件表示+他の名称〕の方法で表示したり,前記ウのとおり,〔他の名称のみ〕で表示したり,いったん〔本件表示+他の名称〕の方法で表示しても,以下は〔他の名称のみ〕で略称する場合も数多くあることが認められる。したがって,「カリカセラピPS-501」から,直ちにその略称等として単なる「PS-501」の表示が需要者に認識されるということはできない。 以上のような状況に,前記認定のとおりの需要者の本件表示の受け止め方,原告標章の外観等,原告商品の販売数量を総合すれば,〔本件表示+他の名称〕すなわち「カリカセラピPS-501」ないし「カリカセラピPS501」は,原告商品の出所を識別する商品等表示として,需要者に広く知られている可能性は高いとはいえるものの,「カリカセラピPS-501」ないし「カリカセラピPS501」の略称は「カリカセラピ」(時には「カリカ」)と呼ばれることが多く,〔本件表示のみ〕すなわち,「PS-501」「PS501」単独での原告商品の出所を識別することのできる商品等- 36 -表示としての認知度はあまり高くなく,限定的なものというべきである。 本件表示と被告標章1及び2の類比の判断にあたって,被告標章1及び2の要部を認定する上で,上記に認定した本件表示の認知度の高低,程度は考慮されるべきである。 (9)被告商品の取引ア証拠(各事実の末尾に記載)及び弁論の全趣旨によれば,次の事実が認められる(前記第3の前提となる事実も含む)。 (ア)被告による被告商品発売の案内被告は,平成13年5月7日ころ,被告標章1を用いて「パパインPS-501」という商品名でパパイア発酵食品を同年6月から販売する予定である旨の案内(甲138)を顧客に配布した。同案内には,「尚,新商品「パパインPS-501」の販売は6月以降の予定となっておりま S-501」という商品名でパパイア発酵食品を同年6月から販売する予定である旨の案内(甲138)を顧客に配布した。同案内には,「尚,新商品「パパインPS-501」の販売は6月以降の予定となっておりますので,販売日が決定次第,あらためてご案内申し上げます。」「新商品のご案内6月予定! ※確定後,改めて発表致します。」「※新商品は6月以降の予定になっております。」という文言が記載されている。 (イ)原告から被告への送付文書原告は,平成13年5月8日,被告に対し,被告との代理店契約を解約する旨の意思表示及び「PS-501」の表示の使用をしないことを求める書面を送付した。(甲139)(ウ)プラウト社から被告への納品プラウト社は,別紙5のとおり,平成13年6月から平成16年11月まで継続的に,被告に対し,合計3200箱以上のプラウト粉末を販売し,同商品は,被告会社に直送された一部を除き,仙台市にあるヤマト物流ないしヤマト運輸株式会社(後にヤマトロジステックス株式会社)の支店ないしセンターに搬入された(乙12の1ないし12の21)。 その商品の品名は,別紙5のとおり,「PS-501」「パパインPS- 37 --501」とするもののほか,「パパイン」とするものもあるけれども,平成17年1月18日から同年12月16日までの間に,プラウト粉末が納品されていたヤマトロジステックス株式会社のセンターから被告の客先に「パパインPS-501」が継続的に出荷されていることからすれば(乙13の1ないし12),上記「パパイン」も「PS-501」も「パパインPS-501」を略した記載と認められる。 なお,被告の主張は,平成13年から平成17年まで,プラウト社が被告に売ったプラウト粉末は合計3620個(平成13年から平成16年までは3070個)であり,上記の認 01」を略した記載と認められる。 なお,被告の主張は,平成13年から平成17年まで,プラウト社が被告に売ったプラウト粉末は合計3620個(平成13年から平成16年までは3070個)であり,上記の認定とさほど大きく乖離していない。 (エ)被告の自社新聞被告は,平成13年6月ないし7月ころ,自社新聞(オンラードニュース)の中で,同年6月にリニューアルオープンしたこと,同年8月に創業1周年を迎えること,同年9月にはホームページを開設すること等を明らかにすると共に,当時発売中であった被告標章1のパッケージを用いた被告商品の説明・広告を掲載していた(乙7)。 (オ)現在の被告による被告商品の販売被告は,本件訴訟が提起された平成18年5月から現在に至るまで,被告標章1及び2を用いて被告商品を販売している。 (カ)被告のホームページ被告のホームページでは,被告標章1及び2を使用したパッケージの写真をそれぞれ掲載し,「これまで販売しておりました『BIO-86』と新しく販売致しました『パパイン』は商品名・包装が違いますが,中身は全く同じ商品となっております。引き続き,BIO-86の販売もしておりますのでどうぞご利用下さい。」との記載がある(甲9)。 イ上記事実からすれば,被告は,平成13年6月から平成17年12月までは「PS-501」の文字を含む被告標章1を用いた被告商品の販売をして- 38 -いたこと,ある時期には「Bio-86PS-501」という商品名及び被告標章2を用いていたが,平成18年5月には再び「パパインPS-501」という商品名及び被告標章1も併用していたことが認められる。 そして,被告商品は,稀にはプラウト社からの送り状に単なる「PS-501」と記載されたこともあったものの,多くの場合は「パパイン」「BIO-86」「パパイ 被告標章1も併用していたことが認められる。 そして,被告商品は,稀にはプラウト社からの送り状に単なる「PS-501」と記載されたこともあったものの,多くの場合は「パパイン」「BIO-86」「パパインPS-501」「Bio-86PS-501」と表記されたり,呼ばれたりしているということができる。 本件表示と被告標章1及び2の類似性の有無(1)本件表示本件表示の外観は,「PS-501」「PS501」である。 本件表示の称呼及び観念は,「ピーエス501」である。 (2)本件表示と被告標章1の類否ア被告標章1の要部被告標章1は,中央に大きく同一書体,同色(黄色に濃い緑の囲み)で「PapainPS-501」(ただし,「Papain」の字の大きさよりも「PS-501」の字の大きさの方が若干小さい。)とあり,その右下に小さく,下線を引いて,濃い緑色で「パパインPS-501」(ただし,「パパイン」の字の大きさよりも「PS-501」の字の大きさの方が若干小さい。)と記載されたものである。 上記表示は,「PapainPS-501」の部分は,同一書体,同色でまとまりよく記載されていること,「パパインPS-501」には全体に下線が引かれていること,前述のとおり,「PS-501」との名称が他の表示の後に使用された場合には付記的な記号と認識されやすいことを考慮すると,被告標章1の「PapainPS-501」に対する「PS-501」の部分,「パパインPS-501」に対する「PS-501」の部分は,それぞれ「Papain」「パパイン」の各部分に対して,その位置- 39 -及び大きさから,付記的な部分であると理解されるものと認められる。 上記事実によれば,被告標章1の要部を「Papain」「パパイン」とすることはできるかもしれないが,前記2の ,その位置- 39 -及び大きさから,付記的な部分であると理解されるものと認められる。 上記事実によれば,被告標章1の要部を「Papain」「パパイン」とすることはできるかもしれないが,前記2の認定に係る取引の実情(一般に表示が名称を表す綴りではないアルファベットの羅列と数字の組合せの構成の場合,商品名の末尾に付加する形で用いられれば品番のような付記的記号と認識されやすいこと,被告商品は多くの場合,「パパイン」「パパインPS-501」と呼ばれたりしていること,原告商品の出所を識別する商品等表示として本件表示のみでは認知度はあまり高くないこと等)を考慮しても,「パパイン」を省略した形で「ピーエス501」のみが要部と認識されるとは認められない。 そして,被告標章1の外観が本件表示と異なることは明らかである。 イ本件表示と被告標章1との外観・称呼・観念の類否そして,被告標章1の外観が本件表示と異なることは明らかである。 上記アによれば,被告標章1からは,全体から「パパインピーエス501」の称呼及び観念が生じるものと認められ,また,「パパイン」の称呼及び観念が生じる余地もあるものの,「ピーエス501」の称呼及び観念が生じると認めることはできない。 ウ本件表示と被告標章1の類否以上の事実に照らし,被告標章1は,全体として,本件表示と類似するということはできない。 (3)本件表示と被告標章2の類否ア被告標章2の要部被告標章2は,中央に大きく紺色で「Bio-86」,下の方にこれより相当小さく紺色の長方形内に白抜き文字で「PS-501」と記載されたものである。 上記の表示(文字の大きさ,位置関係)からすれば,前記2の認定に係る- 40 -取引の実情(一般に表示が名称を表す綴りではないアルファベットの羅列と数字の組合せの構成の場合,商品名 ものである。 上記の表示(文字の大きさ,位置関係)からすれば,前記2の認定に係る- 40 -取引の実情(一般に表示が名称を表す綴りではないアルファベットの羅列と数字の組合せの構成の場合,商品名の末尾に付加する形で用いられれば品番のような付記的記号と認識されやすいこと,被告商品は多くの場合,「BIO-86」「Bio-86PS-501」と呼ばれたりしていること,原告商品の出所を識別する商品等表示として本件表示のみでは認知度はあまり高くないこと等)を考慮しても,被告標章2の要部は,中央の大きな「Bio-86」であって,「PS-501」は付記的表記と認識される。 証拠(甲7)によれば,被告標章2は被告商品の包装箱に使用されているが,その箱には,横に「栄養補助食品Bio-86」,その下に「名称発酵食品PS-501」「原材料名デキストロス(ブドウ糖),パパイヤ,食用酵母」と記載されていることが認められる。そうだとすると,被告標章2の付された被告商品の箱に接した需要者は,同商品の商品名は「Bio-86」であって,その内容物はパパイヤ等を原材料とする「発酵食品PS-501」という普通名詞で呼ばれる物質であると理解するものと認められ,このことは,被告標章2の要部が「Bio-86」であるとの理解を強化するものというべきである。 ちなみに,被告のホームページ(甲9)には,「これまで販売しておりました『BIO-86』」,「『BIO-86』の販売もしております」との記載があることは前示のとおりであるが,このことも,被告標章2の付された被告商品の商品名は「Bio-86」であることを裏付けるものということができる。 イ本件表示と被告標章2の外観・称呼・観念の類否被告標章2の外観が本件表示と異なることは明らかである。 前記アによれば,被告標章2からは, io-86」であることを裏付けるものということができる。 イ本件表示と被告標章2の外観・称呼・観念の類否被告標章2の外観が本件表示と異なることは明らかである。 前記アによれば,被告標章2からは,要部から「バイオ86」ないし「ビオ86」,全体から「バイオ86ピーエス501」ないし「ビオ86ピーエス501」の称呼及び観念が生じるものと認められるものの,前記2で認定- 41 -した取引の実情を考慮しても,「バイオ86」ないし「ビオ86」を省略した形で「ピーエス501」の称呼及び観念が生じると認めることはできない。 ウ本件表示と被告標章2の類否以上の事実に照らせば,被告標章2は,全体として,本件表示と類似するということはできない。 (4)本件表示を付加して表示する標章との類否原告は,被告標章1及び2以外に,その他の「PS-501」ないし「PS501」を付加して表示する標章についても,これらを付したパパイア発酵食品,製造販売等の差止めを求めている。上記差止請求は,「PS-501」ないし「PS501」を付加して表示する標章がすべて本件表示と類似すると主張するものと解される。 しかし,前記2で認定した取引の実情を考慮しても,「PS-501」ないし「PS501」を付加して表示する標章は,標章によっては類似するものがある可能性もあるものの,そのすべてが本件表示と類似であるということはできない。そして,原告は,本件表示を付加して表示する標章のうち,本件表示と類似する表示について,被告標章1及び2を除いて,その具体的な標章を主張しないばかりか,被告が当該標章付加した表示を用いてパパイア発酵食品の製造,販売等をするおそれがある旨の主張立証をしない。 よって,原告の上記主張は理由がない。 原告の商標法に基づく主張について原告は,被告が広告を表示して 章付加した表示を用いてパパイア発酵食品の製造,販売等をするおそれがある旨の主張立証をしない。 よって,原告の上記主張は理由がない。 原告の商標法に基づく主張について原告は,被告が広告を表示しているインターネット検索結果ページの広告スペースは,原告商品の名称及び原告商標をキーワードとして表示されるスペースであり,原告商品の名称及び原告商標と同一である。したがって,原告商品の名称及び原告商標を構成する文字を入力した結果表示されるインターネット上の検索エンジンの検索結果ページ内の広告スペースに被告が自社の広告を掲載することは,商標法37条1号に該当すると主張する。 - 42 -しかしながら,原告商品の名称及び原告商標をキーワードとして検索した検索結果ページに被告が広告を掲載することがなぜ原告商標の使用に該当するのか,原告は明らかにしない。のみならず,上記の被告の行為は,商標法2条3項各号に記載された標章の「使用」のいずれの場合にも該当するとは認め難いから,本件における商標法に基づく原告の主張は失当である。 以上の次第で,原告の請求は,その余の点について判断するまでもなく,いずれも理由がないから棄却することとし,訴訟費用の負担について民事訴訟法61条を適用して,主文のとおり判決する。 大阪地方裁判所第26民事部裁判長裁判官山田知司裁判官西理香裁判官村上誠子
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