- 1 -主文原判決を取り消す。 本件を横浜地方裁判所に差し戻す。 事実及び理由 第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 神奈川県公安委員会が控訴人に対し平成16年10月5日付けでした運転免許証有効期間更新処分のうち,控訴人を一般運転者とする部分を取り消す。 神奈川県公安委員会は,控訴人に対し,優良運転者である旨を記載した運転免許証を交付せよ。 神奈川県公安委員会が控訴人に対し平成17年3月2日付けでした,控訴人が平成16年11月24日付けでした異議申立てを棄却する旨の決定を取り消す。 第2事案の概要 控訴人は,平成16年10月5日付けで運転免許証(免許証)の有効期間の更新(免許証の更新ないし免許証更新処分)を受けたが,その際に所定の期間内に車両通行帯違反(道路交通法〔以下,特に記載のない限り平成16年法律第73号による改正前のものをいう。以下「法」ともいう〕20条1項ただ。 し書)の事実があるため一般運転者(法92条の2第1項)に当たるとして,有効期間は5年であるが,優良運転者である旨の記載(法93条1項5号)がない免許証を交付された(本件処分。 )本件は,控訴人が,上記違反行為はなかったとして,被控訴人に対し,本件処分のうち控訴人を一般運転者とする部分の取消し及び神奈川県公安委員会が優良運転者である旨の記載のある免許証を交付すべき旨を命ずることを求めるとともに,本件処分に対する異議申立てを棄却した決定(本件決定)の違法を主張して本件決定の取消しを求めた事案である。 - 2 -原審が免許証更新処分における運転者の区分の認定ないし確認行為は行政処分に当たらないし,審査請求の対象にもならないと判断して,いずれの訴えも不適法であるとして訴却下の判決をしたことから,これを不服とする控訴人が,控訴をした。 基礎とな 認定ないし確認行為は行政処分に当たらないし,審査請求の対象にもならないと判断して,いずれの訴えも不適法であるとして訴却下の判決をしたことから,これを不服とする控訴人が,控訴をした。 基礎となる事実,争点及び争点に関する当事者の主張は,当審における主張を付加するほかは,原判決「事実及び理由」欄の第2の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 (控訴人の当審における主張)( )優良運転者については,講習時間の短縮,更新手数料の減額,有効期間の 長期化,優良運転者免許証の交付などのメリットが法令上認められていることからすれば,優良運転者であることは法律上の利益を有するというべきである。 ( )原判決が優良運転者免許証における優良運転者であることの記載は運転免 許証の内容ではないとしたのは誤りである。また,運転免許証更新処分は単に有効期間の延長を行うものにすぎず運転者の区分の認定は運転免許証更新処分の前提となる確認作業にすぎないとしたのも誤りである。たとえ,運転者区分の認定とそれに続く更新手続が行政庁の処分でないとしても,行政不服審査法2条1項の「事実行為」とは公権力の行使に当たる事実上の行為,すなわち,意思表示による行政庁の処分に類似する法的効果を招来する権力的な事実上の行為を指すから,行政不服審査法の対象となることは明らかである。 ( )神奈川県警察本部は,控訴人の照会に対し「まず,一般運転者として処 ,分を受け,その後に優良運転者免許証を求める異議申立てをしろ」という教示をし,その教示どおり,控訴人は異議申立てをしたものであり,公安委員会は訴えの利益があるとして本件異議申立てを事実審理し,本件決定を行ったのである。したがって,被控訴人が,本件処分取消しの訴えを不適法と主張するのは信義則に反する。 ( )運 ものであり,公安委員会は訴えの利益があるとして本件異議申立てを事実審理し,本件決定を行ったのである。したがって,被控訴人が,本件処分取消しの訴えを不適法と主張するのは信義則に反する。 ( )運転免許証更新処分について,優良運転者ではなく一般運転者と認定する - 3 -部分には処分性があるとする高裁判決があり(東京高裁平成17年(行コ)第144号,原判決は,これに反する。 )( )本件処分取消しの訴えが適法である以上,本件義務付けの訴えにおける併 合提起の要件を満たす。 ( )一般運転者と認定する部分に処分性が認められるから,裁決取消しの訴え も適法である。仮に,本件処分が行訴法の審査対象ではないとしても,行政不服審査法の審査対象ではあるから,原審の判断は誤りである。 第3当裁判所の判断 当裁判所は,原判決を取り消して横浜地方裁判所に差し戻すのが相当であると判断する。その理由は,次のとおりである。 争点①(本件処分の一部取消訴訟の適否)について( )「本件処分一部取消訴訟の趣旨」及びこれに関する控訴人及び被控訴人の 主張については,原判決「事実及び理由」欄の第3の1( )及び( )に記載のと おりであるから,これを引用する。 ( )処分性の有無について ア処分性の意義行訴法3条2項は「処分の取消しの訴え」とは,行政庁の処分その他公権「力の行使に当たる行為・・・の取消しを求める訴訟をいう」と規定している。 ところ,ここでいう「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」とは,公権力の主体である国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される(最高裁判所昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号 体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうと解される(最高裁判所昭和39年10月29日第一小法廷判決・民集18巻8号1809頁。 )イ本件処分のうち控訴人を一般運転者とする部分が処分性を有するかどうか。 (ア)免許証の更新に関する法の定めa自動車等を運転しようとする者は,免許を受けなければならず(法84条1- 4 -項,免許は免許証を交付して行うとされている(法92条1項)が,免許証)には有効期間が定められている(法92条の2)ため,免許証を持つ者で自動車等の運転を継続しようとする者は免許証の更新(法101条)を受けなければならない。運転免許を受けた者が免許証の更新を受けなかったときは,運転免許は,その効力を失う(法105条。 )b免許証の更新を受けようとする者は,公安委員会に更新申請書を提出し(法101条1項,101条の2の2第1項,適性検査(法101条4項,10)1条の2第2項,101条の2の2第2項,5項)及び更新時講習(法101条の3,108条の2第1項11号)を受け,公安委員会は,適性検査の結果から判断して当該免許証の更新を受けようとする者が自動車等を運転することに支障がないと認めたときは,その者が更新時講習を受けていないときを除いて(法101条の3第2項,免許証の更新をしなければならない(法101)条5項,101条の2第3項。 )c公安委員会は,免許証の更新をするに当たっては,免許証の有効期間を定め(法92条の2,必要に応じて条件の付与ないし変更を行い(法91条,))必要な記載事項を記載した免許証を交付する(法93条,法施行規則29条8項。 )(イ)運転者区分に関する法の定めa平成5年5月12日法律第43号による 付与ないし変更を行い(法91条,))必要な記載事項を記載した免許証を交付する(法93条,法施行規則29条8項。 )(イ)運転者区分に関する法の定めa平成5年5月12日法律第43号による道路交通法の改正(以下「平成5年改正」という)。 (a)平成5年改正前は,免許証の有効期間は最長で3年とされていた(平成5年改正前の道路交通法92条の2)が,平成5年改正において,一定期間無違反を継続した優良な運転者について,免許証の有効期間を更新時に5年延長するというメリットを与えることにより,その実績を評価,賞揚するとともに,免許保有者を優良な運転を行う方向に誘導し,もって交通事故防止の推進を図ることを目的として,免許証の更新日等までに継続して免許(仮免許を除- 5 -く)を受けている期間が5年以上である者であって,自動車等の運転に関し。 道路交通法等の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するものを「優良運転者」とした上で,優良運転者に係る免許証の有効期間は,その者の更新日等における年齢に応じて,更新前の免許証の有効期間が満了した日等の後のその者の3回目ないし5回目の誕生日が経過するまでの期間とされた(平成13年法律第51号による改正前の道路交通法92条の2第1項。 )(b)また,優良運転者にその自覚を促すとともに,他の運転者が優良運転者となることを目指して安全運転を心掛けるようにするため,免許を受けた者が優良運転者である場合には,その旨が免許証に記載されることとなった(法93条1項5号。 )b平成13年6月20日法律第51号による道路交通法の改正(以下「平成13年改正」という)。 (a)平成13年改正により,免許証の有効期間は,更新制度の交通事故防止機能を損なわない範囲内で更新を受ける国民の負担をできるだけ軽 1号による道路交通法の改正(以下「平成13年改正」という)。 (a)平成13年改正により,免許証の有効期間は,更新制度の交通事故防止機能を損なわない範囲内で更新を受ける国民の負担をできるだけ軽減するという基本的な考え方に立って,初心者や一定以上の違反経歴者を除き原則として5年とされることとなった。すなわち,更新日等までに継続して免許(仮免許を除く)を受けている期間が5年以上である者であって,自動車等の運転に関。 する道路交通法等の遵守の状況が優良な者として政令で定める基準に適合するものを「優良運転者(法92条の2第1項表備考一,2,更新日等までに」)継続して免許(仮免許を除く)を受けている期間が5年以上である者であっ。 て,自動車等の運転に関する道路交通法等の遵守の状況が不良な者として政令で定める基準に該当するもの又は上記期間が5年未満である者を「違反運転者等(道路交通法92条の2第1項表備考一,4,優良運転者又は違反運転」)者等以外の者を「一般運転者(道路交通法92条の2第1項表備考一,3)」とした上で「優良運転者及び一般運転者」に係る免許証の有効期間は,その,者の更新日等における年齢に応じて,更新前の免許証の有効期間が満了した日- 6 -等の後のその者の3回目ないし5回目の誕生日が経過するまでの期間とされた(法92条の2第1項。 )(b)住所地以外の公安委員会を経由して更新の申請を行うことを可能として国民の利便向上を図るとともに,優良運転者に対する優遇策を講じることによって免許保有者を優良な運転を行う方向に誘導することを目的として,免許証の更新を受ける日において優良運転者に該当する者(道路交通法101条3項の規定により当該更新を受ける日において優良運転者に該当することとなる旨を記載した書面の送付を受けた者に とを目的として,免許証の更新を受ける日において優良運転者に該当する者(道路交通法101条3項の規定により当該更新を受ける日において優良運転者に該当することとなる旨を記載した書面の送付を受けた者に限る)であれば,当該免許証の有効期間が。 満了する日の直前のその者の誕生日までに免許証の更新を申請する場合には,同条1項の規定による更新申請書の提出及びその後の手続を,その者の住所地を管轄する公安委員会以外の公安委員会を経由して行うことができる(法101条の2の2,101条の3第1項)こととされた。 また,公安委員会は,免許を現に受けている者に対し,その者が更新を受ける日において優良運転者(一定の者を除く)に該当することとなる場合には。 その旨等を記載した書面を送付するものとされた(法101条3項。 )(c)公安委員会は,免許証の更新を受けようとする者に対し,優良運転者,一般運転者又は違反運転者等の区分に応じた講習を行うこととされ(法108条の2第1項11号,優良運転者に対する講習は,一般運転者及び違反運転者)等に対する講習と比べて,講習事項及び講習方法が簡略化され,講習時間は短縮されることとなった(法施行規則第38条12項1号。また,優良運転者)に対する講習手数料は,一般運転者に比べて低く設定されている(同法施行令43条1項。 )(ウ)検討上記のとおり,優良運転者と一般運転者とでは,更新される免許証の有効期間の点ではいずれも5年であることに変わりがないが,優良運転者については,交付される免許証にその旨が記載されること,更新申請書の提出先について住- 7 -所地以外の公安委員会を経由して行うことができること,講習手数料が一般運転者よりも低くなること,講習時間も短縮されることが法令で定められていることにかんがみれば,優良運転者には ついて住- 7 -所地以外の公安委員会を経由して行うことができること,講習手数料が一般運転者よりも低くなること,講習時間も短縮されることが法令で定められていることにかんがみれば,優良運転者には一般運転者に比べて優遇的措置が存在しその法的地位を異にしているということができ,直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものというべきである。 警察庁交通局運転免許課理事官が平成17年3月22日に警視庁交通部運転免許本部長,各道府県警察本部交通部長及び各方面本部長宛に発出した「事務連絡(乙5)において「道路交通法第92条の2の一般運転者又は違反運転」,者等の区分による更新を受けた者(以下「非優良更新者」という)は,同条。 の優良運転者の区分による更新を受けた者に比べ,免許証の有効期間,更新時講習の区分及び経由申請の可否において法令上不利益に取り扱われることから,当該更新処分の取消し等を求めるにつき法律上の利益を有する者として,当該更新処分につき取消訴訟及び不服申立てを提起することができると解される」と記載されているのも,これと同旨であるということができる。そして,運転免許の更新手続は,申請者のそれまでの運転の違反歴に応じて与えられるべき適正な更新処分を申請するものであると解されるから,違反行為が存在しないと主張して優良運転者免許証の更新処分を求めた申請者が,違反行為の存在を理由に一般運転者免許証の更新処分を受けるにとどまった場合には,一部拒否処分がされたこととなり,処分性を肯認することができる。 これと異なり,被控訴人は,運転者区分の認定は控訴人の権利義務に影響を及ぼさない旨を主張するが,前示の優良運転者と一般運転者との地位の相違に着目すると,被控訴人の上記主張を採用することはできない。 また,被控訴人は, 訴人は,運転者区分の認定は控訴人の権利義務に影響を及ぼさない旨を主張するが,前示の優良運転者と一般運転者との地位の相違に着目すると,被控訴人の上記主張を採用することはできない。 また,被控訴人は,本件において控訴人は一般運転者としての免許証更新を求め,その交付を受けたものであるから,拒否処分は存在しない旨主張するので,その点について判断する。 前記のとおり,神奈川県公安委員会は,平成16年7月18日までに,控訴- 8 -人に対して本件更新連絡書を送付したが,その際,控訴人には車両通行帯違反(本件違反行為)の事実があるとして,控訴人は一般運転者の区分に該当し,一般運転者のための講習を受講し,その手数料を納付するよう連絡した(甲8,弁論の全趣旨。控訴人は,本件違反行為を争っていたが,免許の失効を避け)るため,連絡書に記載された一般運転者としての手数料を納付して,その講習を受講し,平成16年10月5日付けの一般運転者としての免許証の交付を受けた上で,平成16年11月24日付けで,神奈川県公安委員会に対し,一般運転者としての運転免許更新処分を取り消し,優良運転者免許証を交付するよう求めて異議申立てをした(甲5。これに対し,神奈川県公安委員会は,平)成17年3月2日付けで,控訴人には本件違反行為が認められるとして,上記異議申立てを棄却する旨の決定をした(甲7。 )以上の事実によると,控訴人は一般運転者として必要な手数料を納付し,一般運転者用の講習を受講した上で,一般運転者としての免許証の交付を受けているのであるが,一般運転者として区分された更新連絡書を送付されている場合に,優良運転者に該当するとして,優良運転者としての手数料額の印紙を貼付して更新申請をした場合には,手数料額が不足するとして申請書を不受理とされることは容易に予想されるとこ 絡書を送付されている場合に,優良運転者に該当するとして,優良運転者としての手数料額の印紙を貼付して更新申請をした場合には,手数料額が不足するとして申請書を不受理とされることは容易に予想されるところであり,法律的にはこの申請書不受理処分の取消しを求めることは可能であるが,取消しを求める手続中に免許が失効する可能性は非常に高く,免許の失効を避けつつ,優良運転者か一般運転者かの区分について司法判断を仰ぐためには,一旦,一般運転者としての免許証の交付を受けた上で,当該免許更新処分を争い,優良運転者としての免許証の交付を求める以外に実効的な方法は存在しない。そして,控訴人は,本件違反行為を争っているが,免許の失効を避けるため,連絡書に記載された一般運転者としての手数料を納付し,その講習を受けたというのであるから,これをもって,控訴人が優良運転者としての免許更新を断念し,一般運転者としての免許更新を求めたものと解することはできない。前記のとおり,免許の更新申請は,- 9 -申請者のそれまでの運転の違反歴に応じた適正な更新処分を申請するものであって,一般運転者としての講習を受講したからといって優良運転者の資格を喪失するものではないから,違反行為がない場合には,優良運転者としての免許更新をすべきものと解されるのである。そして,神奈川県公安委員会が控訴人の異議申立てを却下することなく,実体について審査し判断したことは(本件違反行為の存否についての判断の当否は別として,同委員会においても,。)控訴人の免許更新の申請が,優良運転者としての更新を求めているものであり,一般運転者としての免許更新が実質的に申請の一部拒否に当たると理解したことを示している。 以上のとおりであるから,拒否処分が存在しないとの被控訴人の主張は採用できない。 争点②(本件 のであり,一般運転者としての免許更新が実質的に申請の一部拒否に当たると理解したことを示している。 以上のとおりであるから,拒否処分が存在しないとの被控訴人の主張は採用できない。 争点②(本件義務付けの訴えの適否)について控訴人が神奈川県公安委員会に対して優良運転者である旨を記載した免許証を控訴人に交付すべき旨を命ずることを求める訴えは,神奈川県公安委員会に対し控訴人を一般運転者ではなく優良運転者として免許証更新処分を行うべき旨を命ずることを求めるものであって,義務付けの訴え(行政事件訴訟法3条6項2号,37条の3)に該当すると解される。そして,義務付けの訴えの対象となる「処分」とは「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」を,いう(行政事件訴訟法3条6項柱書,同条2項)ところ,上記「行政庁の処分その他公権力の行使に当たる行為」とは,公権力の主体である国又は公共団体が行う行為のうち,その行為によって直接国民の権利義務を形成し又はその範囲を確定することが法律上認められているものをいうから,優良運転者としての免許証更新処分はこれに該当するということができる。そうすると,公安委員会が免許証の更新を受ける者を一般運転者ではなく優良運転者として免許証更新処分を行うことは義務付けの訴えの対象となり,併合要件も具備しているから,本件義務付けの訴えは適法である。 - 10 - 争点③(本件決定の取消しを求める法律上の利益の有無)について審査請求は,原処分が違法又は不当であるとしてその取消しを求めるものであり,裁決の取消しを求める訴えの目的も究極的には原処分の取消しを求めることにある。そして,前記のとおり,一般運転者としての更新処分を受けるにとどまった申請者が,優良運転者としての更新処分を求めて審査請求することは適法であり,かつ,法律上 的には原処分の取消しを求めることにある。そして,前記のとおり,一般運転者としての更新処分を受けるにとどまった申請者が,優良運転者としての更新処分を求めて審査請求することは適法であり,かつ,法律上の利益を肯認することができる。そうすると,控訴人の本件決定の取消しを求める訴えも適法であるというべきである。 以上のとおり,控訴人の本件各訴えは適法であるから,本件各訴えを不適法とした原判決は取消しを免れない。そして,本件については,原審で実体的審理が尽くされておらず,更に弁論をする必要があるから,民訴法307条により,本件を原審に差し戻すこととして,主文のとおり判決する。 東京高等裁判所第12民事部裁判長裁判官房村精一裁判官吉田健司裁判官打越康雄は,転補のため署名押印することができない。 裁判長裁判官房村精一
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