令和5(わ)2308 業務上横領

裁判年月日・裁判所
令和6年6月13日 名古屋地方裁判所
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判決文本文1,591 文字)

主文 被告人を懲役2年6月に処する。 未決勾留日数中130日をその刑に算入する。 理由 【罪となるべき事実】被告人は、愛知県弁護士会に所属する弁護士であったものであり、第1 日本司法支援センターが行う代理援助制度を利用してAから同人の元夫に対する債務名義の強制執行等の委任を受け、元夫が有する債権の差押命令申立て、同債権の債務者から支払われた金銭の受領・保管等の業務に従事していたものであるが、平成29年1月20日、B(現C株式会社)から、元夫が契約していた生命保険契約の解約払戻金として、株式会社D銀行E支店に開設された弁護士F名義の普通預金口座に325万2130円の振込入金を受け、これをAのために業務上預かり保管中、同日頃から同年2月17日頃までの間、45回にわたり、いずれも前記振込入金にかかる預金が混和した同口座から、出金し、又は株式会社D銀行E支店に開設された弁護士預り金口F名義の普通預金口座、株式会社G銀行H支店に開設されたI名義の普通預金口座等に振込送金するなどした合計444万7453円について、いずれもその頃、愛知県、三重県又はその周辺において、そのうち合計325万943円を自己の用途に費消する目的で着服し、又は自己の用途に費消し、第2 Jから交通事故に関する損害賠償請求事件を受任し、Jに対する損害賠償保険金の交渉及び代理受領等の業務に従事していたものであるが、令和2年12月23日、K株式会社から、Jに対する損害賠償保険金として、前記弁護士F名義の普通預金口座に236万1172円の振込入金を受け、これをJのために業務上預かり保管中、同日頃から令和3年2月25日頃までの間、46回にわたり、いずれも前記振込入金にかかる預金が混和した同口座から、出金し、又は前記弁護士預 72円の振込入金を受け、これをJのために業務上預かり保管中、同日頃から令和3年2月25日頃までの間、46回にわたり、いずれも前記振込入金にかかる預金が混和した同口座から、出金し、又は前記弁護士預り金口F名義の普通預金口座、株式会社L銀行M支店に開設 されたN株式会社名義の普通預金口座等に振込送金するなどした合計264万4441円について、いずれもその頃、愛知県、三重県又はその周辺において、そのうち合計230万1412円を自己の用途に費消する目的で着服し、又は自己の用途に費消し、もってそれぞれ横領したものである。 【量刑の理由】被告人は、主に扱っていた消費者関連事件の減少や弁護士の増加、県弁護士会の副会長就任等により弁護士収入が減少する一方で、クラブ等での支出がやめられなかったこともあり次第に事務所経営がひっ迫し、自転車操業状態に陥る中で、判示のとおり依頼者2名のために業務上保管していた預り金を私的に流用するなどして着服したものである。依頼者の権利を守るべき立場にある弁護士が、その権限を悪用して依頼者の権利を著しく損なわせ、ひいては弁護士に対する社会的信用をも失墜させており、犯行内容の悪質性は甚だしい。被害総額も550万円余りと多額に上っているが、被告人は全額を費消してしまっており、何らの被害弁償もしていない。これらの犯情等に照らせば、被告人の刑事責任は重く、これまでに前科がないことや、被告人が本件犯行を認め、今後の収入の中から被害弁償を続けていく旨述べるなど反省の態度を示していること、知人の弁護士が今後の更生への協力を約束していること等の情状を酌量しても、主文の実刑は免れないと判断した。 (求刑懲役3年6月)令和6年6月13日 名古屋地方裁判所刑事第4部 裁判官久禮博一 主文 いること等の情状を酌量しても、主文の実刑は免れないと判断した。 (求刑懲役3年6月)令和6年6月13日 名古屋地方裁判所刑事第4部 裁判官久禮博一

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