昭和48(行ツ)59 弁護士法六二条に基づく裁決取消請求

裁判年月日・裁判所
昭和51年3月4日 最高裁判所第一小法廷 判決 棄却 東京高等裁判所 昭和47(行ケ)109
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判決文本文1,479 文字)

主文 本件上告を棄却する。上告費用は上告人の負担とする。理由 上告人の上告理由第一について弁護士法五八条により弁護士の懲戒を請求した者が同法六一条により日本弁護士連合会に対してした異議申出を棄却された場合において、右異議申出棄却裁決に不服があるとしても、その取消しを求めて裁判所に出訴することが許されないことは、当裁判所の判例(昭和四九年(行ツ)第五二号同年一一月八日第二小法廷判決・裁判集民事一一三号一五一頁)とするところである。したがつて、これと同旨の見解のもとに、本件訴えを不適法とした原審の判断は正当である。また、憲法三二条は、訴訟の当事者が訴訟の目的たる権利関係につき裁判所の判断を求める法律上の利益を有することを前提として、かかる訴訟につき本案の裁判を受ける権利を保障したものであつて、右利益の有無にかかわらず、常に本案につき裁判を受ける権利を保障したものではない(最高裁昭和三二年(オ)第一九五号同三五年一二月七日大法廷判決・民集一四巻一三号二九六四頁)。それゆえ、原審が前示のような見解のもとに本件訴えを不適法として却下したからといつて、憲法三二条に違反するものではない。論旨は、独自の見解に立つて原判決を非難するものであつて、採用することができない。同第二について論旨は、弁護士法六二条が懲戒を受けた弁護士に出訴を認めながら懲戒請求者に出訴を許さないのは、右両者を不当に差別するものであつて、憲法一四条に違反するというにある。弁護士法五八条所定の懲戒請求権及び同法六一条所定の異議申出権は、懲戒請求- 1 -者の個人的利益の保護のために認められたものではなく、弁護士懲戒制度の運用の適正を図るという公益的見地から特に認められたものであり、したがつて、懲戒請求者が日本弁 異議申出権は、懲戒請求- 1 -者の個人的利益の保護のために認められたものではなく、弁護士懲戒制度の運用の適正を図るという公益的見地から特に認められたものであり、したがつて、懲戒請求者が日本弁護士連合会のした異議申出棄却裁決に不服がある場合、これに出訴を認めるか否かは、立法上の裁量に委ねられた問題である(前掲第二小法廷判決参照)。 的見地から特に認められたものであり、したがつて、懲戒請求者が日本弁 異議申出権は、懲戒請求- 1 -者の個人的利益の保護のために認められたものではなく、弁護士懲戒制度の運用の適正を図るという公益的見地から特に認められたものであり、したがつて、懲戒請求者が日本弁護士連合会のした異議申出棄却裁決に不服がある場合、これに出訴を認めるか否かは、立法上の裁量に委ねられた問題である(前掲第二小法廷判決参照)。しかも、懲戒請求者は、懲戒請求及び異議申出がいずれも却下又は棄却され、懲戒請求が認められなくても、それによつて直接自己の個人的利益を侵害されるわけではないのに対し、懲戒を受けた弁護士は、当該懲戒処分又は懲戒についての審査請求を却下若しくは棄却した裁決により弁護士資格を喪失する等その身分上に重大な影響を直接に受けるのである。右両者間にこのような顕著な差異があることを無視して弁護士法六二条が憲法一四条に定める平等原則に違反するとする所論違憲の主張は、その前提を欠くものである。それゆえ、論旨は、採用することができない。よつて、行政事件訴訟法七条、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決する。最高裁判所第一小法廷裁判長裁判官団藤重光裁判官藤林益三裁判官下田武三裁判官岸盛一裁判官岸上康夫- 2 -

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