【DRY-RUN】主 文 本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理 由 上告代理人弁護士和久井宗次の上告理由は別紙のとおりである。 上告理由第一点に
主文本件上告を棄却する。 上告費用は上告人の負担とする。 理由上告代理人弁護士和久井宗次の上告理由は別紙のとおりである。 上告理由第一点について。 論旨は、商標法には民訴一九四条のような更正決定に関する規定はないから審決の誤記については更正はゆるされず、誤記があるときは判決をもつて取り消さなければならない旨を主張するのであるが、審決を判決より一層厳格に解し更正をゆるさないものと解すべき理由はない。 (1) 論旨は、審決に誤記があり違法であつたことについては被上告人も認めているにかかわらず、原判決が違法でないとしたのは、当事者間に争いのない事項について当事者の主張と異る判断をした違法がある旨を主張するのである。しかし、原判決は誤記そのものが適法であるとしているわけではなく、審決の内容を不明違法ならしめているものではない旨を判示しており、換言すれば、その誤記は更正によつて是正することができる明白な誤謬であり、判決をもつて審決を取り消すべき理由にならない趣旨を判示したものであり、そして、右原判示は正当であつて論旨は理由がない。 (2) 論旨は要するに、かりに審決の更正がゆるされるものとしても、本件誤記は更正できる誤記ではないと主張するに帰する。しかし、本件審決の理由の記載等によつても、本件誤記は明白な誤謬であつて更正をなし得ることが明らかな場合である。 (3) 論旨は大審院の先例をあげて原判決を非難するのであるが、所論の先例は本件原判示と関係がなく適切な先例でない。 - 1 -同第二点について。 (1) 論旨は、被上告人は原審で「炭カル」は品質表示である旨を主張し、上告人は品質表示でない旨を主張したのに対し、原判決はこの点について判断を加えず「炭カル」が普通名称である旨を判 点について。 (1) 論旨は、被上告人は原審で「炭カル」は品質表示である旨を主張し、上告人は品質表示でない旨を主張したのに対し、原判決はこの点について判断を加えず「炭カル」が普通名称である旨を判示したのは民訴一八六条に反するというのである。しかし、被上告人が原審で「炭カル」は「炭酸カルシユーム」の略称である旨を主張し、また、「炭カル」が普通名称化している趣旨を主張していることは記録上明白である。 (2) 論旨は、原判決が炭酸カルシユームは炭カルと略称されていることは顕著な事実であるとしているのは弁論主義の原則に反する旨を主張するのであるが、前記のように、被上告人は原審で「炭カル」は「炭酸カルシユーム」の略称である旨を主張しているのであつて所論のような違法はない。 同第三点について。 (1) 論旨は、原判決が当事者の立証をまたず、炭酸カルシュームが炭カルと省略されて呼ばれていると認定したのは違法であるというのであるが、原審が裁判所に顕著であるが故に立証を要しないものとした趣旨であることは原判文上明らかである。 (2)、(3)論旨は、炭カルが炭酸カルシュームの略称であつても、本件指定商品は炭酸カルシュームそのものではないから炭カルをもつて肥料の普通名称とはいえないというのである。しかし、本件指定商品たる肥料は炭酸カルシユームを主成分とするものであつて、その名をそのままあるいは仮名書にして商標として用いても上告人の商品と同種の他の商品とを区別するについて顕著性がないものというべく、同趣旨の原判決は十分に首肯できる。論旨は理由がない。 同第四点について。 論旨は原判決の判例違反を主張するのであるが、援用の判例が本件と場合を異に- 2 -することは、論旨の引用する先例の判文自体によつても明らかである。論旨は理由がない。 以上説明の 点について。 論旨は原判決の判例違反を主張するのであるが、援用の判例が本件と場合を異に- 2 -することは、論旨の引用する先例の判文自体によつても明らかである。論旨は理由がない。 以上説明のとおり本件上告は理由がないから民訴四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。 最高裁判所第二小法廷裁判長裁判官小谷勝重裁判官藤田八郎裁判官池田克裁判官河村大助裁判官奥野健一- 3 -
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