平成21(行コ)11 所得税更正処分等取消請求控訴事件(原審・福岡地方裁判所平成18年(行ウ)第65号ないし第68号)

裁判年月日・裁判所
平成21年7月29日 福岡高等裁判所 租税
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判決文本文8,985 文字)

- 1 -主文 本件控訴を棄却する。 なお,被控訴人A,同B及び同Cの各請求の減縮により,同被控訴人らの各平成14年分の所得税に係る更正処分に関する部分は,それぞれ次のとおり変更されている。 (1)(原判決の主文第2項)西福岡税務署長が平成17年3月4日付けで被控訴人Aに対してした被控訴人Aの平成14年分の所得税に係る更正処分のうち,総所得金額9686万9516円,納付すべき税額272万1100円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分のうち,納付すべき加算税の額9万9000円を超える部分を取り消す。 (2)(同第5項)若松税務署長が平成17年3月4日付けで被控訴人Bに対してした被控訴人Bの平成14年分の所得税に係る更正処分のうち,総所得金額9665万8748円,納付すべき税額267万9300円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分(ただし,いずれも平成17年7月7日付け異議決定により一部取り消された後のもの)のうち,納付すべき加算税の額3万7000円を超える部分を取り消す。 (3)(同第8項)福岡税務署長が平成17年3月4日付けで被控訴人Cに対してした被控訴人Cの平成14年分の所得税に係る更正処分のうち,総所得金額1055万5056円,納付すべき税額54万4700円を超える部分及び過少申告加算税賦課決定処分のうち,納付すべき加算税の額3万9000円を超える部分を取り消す。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由- 2 -第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人らの請求をいずれも棄却する。 第2事案の概要 本件は,被控訴人らの経営する法人が契約者となり,被保険者を被控訴人ら又はその親族とし,満期保険金の受取人を被控訴人らとし(なお死亡保険金の受取人は同法人),被控訴人 却する。 第2事案の概要 本件は,被控訴人らの経営する法人が契約者となり,被保険者を被控訴人ら又はその親族とし,満期保険金の受取人を被控訴人らとし(なお死亡保険金の受取人は同法人),被控訴人らと同法人が保険料を各2分の1ずつ負担した養老保険契約に基づき満期保険金を受領した被控訴人らが,同法人負担分(法人損金処理保険料)も含む保険料全額を,所得税における一時所得の金額の計算上控除し得る「収入を得るために支出した金額」(所得税法34条2項)に当たるものとして,各税務署長に対し,平成13年分ないし平成15年分の所得税に係る確定申告をしたところ,各税務署長から,同法人が負担した(保険料として損金処理した)2分の1の保険料は,「収入を得るために支出した金額」に当たらないとして,更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分を受けたことから,その判断を争い,控訴人に対し,上記各処分の取消しを求めた事案である。 原審は,被控訴人らの請求を全部認容し,上記各処分を取り消したので,これを不服とする控訴人が控訴した。 なお,本件の更正処分及び過少申告加算税賦課決定処分においては,上記のとおり,争点となっている一時所得の金額の計算上控除できる支払保険料の範囲のほか,①被控訴人らが受領した満期保険金等を上記法人に対する貸付金として留保させていたことに伴い,当該貸付金相当額について,被控訴人らが受け取るべき受取利息を認定したうえ,被控訴人らの雑所得として計上したこと,②被控訴人らが,上記養老保険契約に係る支払保険料のうち,自己負担分(2分の1)について,上記法人からの借入金として処理したことに伴い,当該支払利息相当額を満期保険金等に係る一時所得の計算上必要経費に算入し- 3 -たことの2点について併せて是正していた。被控訴人らは,上記①②の処理の適法 からの借入金として処理したことに伴い,当該支払利息相当額を満期保険金等に係る一時所得の計算上必要経費に算入し- 3 -たことの2点について併せて是正していた。被控訴人らは,上記①②の処理の適法性については格別争っておらず,雑所得課税部分及び一時所得の金額の計算上,支払利息の「収入を得るために支出した金額」への算入のみを是正した場合には,被控訴人らの雑所得金額及び一時所得金額は,別表1-1ないし1-4の各「利息の認定課税のみ是正した場合」欄のとおりとなること,並びに,是正後の雑所得及び一時所得に基づき,被控訴人らの税額等を計算すると別表2ないし5の各「利息の認定課税のみ是正」欄のとおりとなることを認め,当審において,原判決による取消後の税額を上回ることになる被控訴人A,同B,及び同Cの各平成14年分について,請求の趣旨を主文第2項(1)ないし(3)に記載のとおりに減縮した。 関係法令等の定め,前提となる事実並びに争点及び当事者の主張については,当審での主張を次に付加するほか,原判決の「事実及び理由」の「第2事案の概要」の2ないし4に記載のとおりであるから,これを引用する。 〔控訴人〕(1)所得税法における所得の本来的意義からすると,所得税法34条2項において,生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算上,「その収入を得るために支出した金額」として控除できる保険料等は,所得者本人が負担した金額に限られる。 ア所得税は,個人が得た所得に対して課税される租税であるところ,所得税法上の「所得」とは,「人の担税力を増加させる経済的利得」であり,個人が稼得した収入金額から,その収入を得るために支出した金額を控除したもの,いわゆる「純所得」である。そして,ある個人に帰属する所得金額を計算するに当たっては,収入金額から必要経費 利得」であり,個人が稼得した収入金額から,その収入を得るために支出した金額を控除したもの,いわゆる「純所得」である。そして,ある個人に帰属する所得金額を計算するに当たっては,収入金額から必要経費等を控除することとなるが,所得税法における所得の本来的意義からすると,そこで控除すべき必要経費等はあくまで当該個人において当該収入を得るために支出した金額をいうものと当然に解すべきである。なぜなら,当- 4 -該個人が支出した金額はその分当該個人の担税力を減少させるものであるから,これを収入金額から控除するのが相当であるのに対し,当該個人以外の者が支出したものは,当該個人の担税力を減少させるものではないため,これを収入金額から控除すると,担税力を増加させる経済的利得である所得を正しく把握することにならないからである。 したがって,一時所得の金額の計算においても,ある個人が得た一時所得となるべき収入につき,当該個人の「一時所得」として課税される額は,当該個人が稼得した収入金額から,その収入を得るために,当該個人自身が支出した金額を控除して算出した金額であるというべきであるから,所得税法34条2項の「その収入を得るために支出した金額」は,収入を得た個人(所得者)本人が負担した金額に限られると解すべきである。 イ所得税法施行令183条2項は,生命保険契約等に基づく一時金が一時所得となる場合の一時所得の金額の計算についての細則であるところ,租税法律主義の下では,施行令は,課税要件等について,法律(所得税法34条)の予定する範囲を超えて定めることはできないのであるから,施行令の規定につき法律の予定する範囲を超えた解釈をすることはできない。 したがって,同施行令同条同項2号の「保険料又は掛金の総額」についても,当然に,所得税法34条2項が「一時所 いのであるから,施行令の規定につき法律の予定する範囲を超えた解釈をすることはできない。 したがって,同施行令同条同項2号の「保険料又は掛金の総額」についても,当然に,所得税法34条2項が「一時所得に係る総収入金額から」控除されるべきものとして予定している「その収入を得るために支出した金額」の範囲内に限られるから,所得者である当該保険金の受取人本人が負担した金額に限られると解すべきである。 原判決は,施行令の183条2項2号の「総額を控除できる」の文言から,「所得者本人負担分に限らず保険料等全額を控除できるとみるのが素直である」と判示するが,形式的な文言にのみとらわれた解釈であ- 5 -り,所得税法34条2項が予定する上記解釈を誤り,かつ同法68条による委任の範囲を超えたものであって,明らかに誤りである。 (2)所得税基本通達34-4は,所得税法34条2項に規定する「収入を得るために支出した金額」について,課税庁の解釈・取扱いを示したものであるから,同通達の定める保険料等は,当然に,所得税法が予定している「収入を得るために支出した金額」の範囲を前提としているところ,同通達の「保険料又は掛金の総額には,その一時金又は満期返戻金等の支払を受ける者以外の者が負担した保険料又は掛金の額も含まれる。」という規定も,あくまで,所得税法34条2項や同法施行令183条2項2号において,一時所得の金額の計算上控除可能な保険料等の金額とは,収入を得た個人自らが支出した(又は実質的に負担した)金額に限られるとの解釈を前提としたものであるから,同通達について,文言どおり,保険料等の「総額」が一時所得からの控除対象となると解することは誤りである。 むしろ,同通達は,支払を受ける者以外の者が支払った保険料等ではあるが,当該保険料等につき一時金等の支払を受けた 言どおり,保険料等の「総額」が一時所得からの控除対象となると解することは誤りである。 むしろ,同通達は,支払を受ける者以外の者が支払った保険料等ではあるが,当該保険料等につき一時金等の支払を受けた者に対し給与課税される等して,支払を受けた者が当該保険料を実質的に負担したものとして,一時所得の金額の計算上控除できるような場合を念頭に置いたものと理解すべきである。 (3)本件満期保険金等に係る一時所得の計算上,法人損金処理保険料を控除できるとすることは,結論においても不合理である。 法人損金処理保険料については,D等が支出した時点で,同法人において,「保険料」として損金処理されているのであるから,原判決が判示するように,これを更に被控訴人らの本件満期保険金等に係る一時所得の金額の計算上,控除するというのであれば,同一の保険料について税法上いわば二重の控除を認めることになり不合理である。 〔被控訴人ら〕- 6 -控訴人の前記主張は争う。 控訴人は,原審までの主張の構成を転換し,「純所得」や「担税力」という用語まで持ち出して「所得」の意義に言及したうえ,所得税法34条2項の解釈論を展開しているが,そうした背景には,所得税法施行令183条2項2号や所得税基本通達34-4の規定の文言があまりに明快で,その条項自体からおよそ他の解釈ができないからであり,そのため,原判決が同文言に沿って自然で穏当な解釈をしたことについても「形式的な文言のみにとらわれた」と批判するしかないのである。 本件は,所得税法34条2項に基づき,他の一時的な所得と比べて所得発生の態様を著しく異にしている生命保険金等について規定する同法施行令183条2項2号につき,その有効性を前提に,法令解釈通達である所得税基本通達34-4を踏まえた解釈が問題になっているところ,これは,租税 様を著しく異にしている生命保険金等について規定する同法施行令183条2項2号につき,その有効性を前提に,法令解釈通達である所得税基本通達34-4を踏まえた解釈が問題になっているところ,これは,租税法律主義(憲法84条)の内容中「課税要件明確主義」との関係が重要である。 すなわち,租税法は侵害規範であるから,法的安定性と予測可能性の要請が強く働き,それゆえ課税要件は一義的で明確でなければならない(課税要件明確主義)ところ,そのコロラリーとして,「疑わしきは納税者の利益に」との観点から,租税法を解釈するに当たり,みだりに拡張・限定解釈や類推解釈を行うことは許されず,当該法令の文言が重視されるべきである。控訴人の上記主張は,所得税法施行令183条2項2号や所得税基本通達34-4に定める明快な文言を離れて,「純所得」や「担税力」といった所得の本来的意義にまで遡って検討を加えたうえで,所得税法34条2項が規定する「その収入を得るために支出した金額」を限定的に解釈したものであるが,これは福岡国税局や原判決すら導き出せなかった解釈を納税者に求めるものであって,もはや課税要件明確主義の要請を放棄したに等しく,それが誤りであることは明らかである。 第3当裁判所の判断- 7 - 当裁判所も,被控訴人らの請求(当審で減縮した部分を除く。)はいずれも理由があるものと判断する。その理由は,原判決22頁12行目の「保険金等も」を「保険料等も」と改め,後記2のとおり付加するほかは,原判決の「事実及び理由」の「第3当裁判所の判断」に記載のとおりであるから,これを引用する。 2(1)控訴人は,所得税法における所得の本来的意義からすれば,所得税法34条2項において,生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算上,「その収入を得るために支出した金額」 用する。 2(1)控訴人は,所得税法における所得の本来的意義からすれば,所得税法34条2項において,生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得の金額の計算上,「その収入を得るために支出した金額」として控除できる保険料等は,所得者本人が負担した金額に限られると主張する。 なるほど,所得税が個人の得た所得に対して課税される租税であることに鑑みれば,その所得の意義をいわゆる純所得,すなわち,個人が稼得した収入金額から当該個人が当該収入を得るために支出した必要経費等を控除した金額とすることは純理論的にはむしろ正しいといえよう。そして,所得税が関係する所得のうち,不動産所得,事業所得及び雑所得(公的年金等に係るものを除く。)のように,その年中の総収入金額とその収入を得るために要した必要経費との関連が直接的でその金額も明確に算出しうる場合などは,その論理を貫徹すればいいといえるが,そうでない所得,たとえば,給与所得の場合には,必要経費が一義的に算出しうるものでないことから,必要経費による控除を諦め,給与所得控除の制度をこれに代替させていて,ある種の擬制に基づいて算定する制度設計がなされている(当然ながら,源泉徴収制度とも無縁ではないであろう。)。しかるところ,一時所得においても,建前としては,個人が稼得した収入金額から当該収入を得るために支出した必要経費等を控除した金額をもって,一時所得の金額としようとしたことは明らかではあるが,一時所得といっても,その所得発生の態様はさまざまであるので,上記のとおり,必要経費に相当する費用にあたるものとして「その収入を得るために支出した金額」としたうえ,さらに,括弧書きで「その- 8 -収入を生じた行為をするため,又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。」との限定を加えたものと思われる。 入を得るために支出した金額」としたうえ,さらに,括弧書きで「その- 8 -収入を生じた行為をするため,又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。」との限定を加えたものと思われる。しかしながら,先に述べたとおり,一時所得については,その発生の態様がさまざまであることからして必要経費が一義的に算出しうるか疑問があるうえ,特に,生命保険契約等に基づき支払を受ける生命保険金,あるいは本件のような養老保険契約に基づき支払を受ける満期保険金の場合には,収入と必要経費との関係が直接的でないことからして,「その収入を得るために支出した金額(その収入を生じた行為をするため,又はその収入を生じた原因の発生に伴い直接要した金額に限る。)の合計額」と定義したところで,その文言(なお,所得者本人が負担した金額に限るとは規定していない。)だけでは,仮に,生命保険契約等に基づく生命保険金等の一時金又は損害保険契約等に基づく損害保険金等の満期返戻金等が,一時所得とされる場合に,その一時所得の金額の計算上控除される保険料等は,その一時金を取得した者自身が負担したものに限られるのか,それとも,その生命保険金等又は損害保険金等の受給者以外の者が負担していたものも含まれるのかについては,法文上必ずしも明らかではないというしかないのである。 したがって,所得税法における所得の本来的意義から,所得税法34条2項にいう「その収入を得るために支出した金額」として控除できるのは,当然,所得者本人が負担した金額に限られるとする,控訴人の主張は採用することができない。 (2)上記のとおり,所得税法34条2項の文言だけからでは,先に述べた問題が解決できないところ,所得税法施行令183条2項2号本文は,生命保険契約に基づく一時金が一時所得となる場合,保険料又は掛金の「総 上記のとおり,所得税法34条2項の文言だけからでは,先に述べた問題が解決できないところ,所得税法施行令183条2項2号本文は,生命保険契約に基づく一時金が一時所得となる場合,保険料又は掛金の「総額」を控除できるものと定めており,同文言を素直に読むと,原判決が判示するとおり,所得者本人負担分に限らず保険料等全額を控除できるとする解釈に軍配を上げざるをえない。さらには,確定申告現場における無用の混乱を避け- 9 -るべく,同文言の意味をより明確にするため,所得税基本通達34-4において,所得税法施行令183条2項2号(生命保険契約等に基づく一時金に係る一時所得金額の計算上控除する保険料等)に規定する保険料又は掛金の総額には,その一時金又は満期返戻金等の支払を受ける者以外の者が負担した保険料又は掛金の額も含まれるとの通達がなされるに至った(乙28)。 このような経緯により発出された所得税基本通達34-4の文言上からは,養老保険契約に基づく満期保険金が一時所得となる場合,所得者以外の者が負担した保険料も控除できることは明白であって,所得税法,同法施行令の各規定及び上記通達を整合的に理解しようとすれば,他の解釈を容れる余地はないといわざるをえない。 控訴人は,所得税法34条2項の「その収入を得るために支出した金額」として控除できる保険料等は,所得者本人が負担した金額に限られるとの解釈を前提にして,上記通達を文言どおり解釈するのは誤りであると主張するが,上記のとおり,所得税法34条2項の文言からは必ずしも明らかではないことが出発点となって,これを明らかにするため,所得者以外の者が負担した金額も含むとの所得税基本通達34-4を自ら出した経緯と矛盾しており,控訴人の主張は採用することができない。控訴人が主張する所得税法施行令183条2項2号の解 かにするため,所得者以外の者が負担した金額も含むとの所得税基本通達34-4を自ら出した経緯と矛盾しており,控訴人の主張は採用することができない。控訴人が主張する所得税法施行令183条2項2号の解釈についても同様である。 この点,控訴人は,所得税基本通達34-4における所得者の一時所得の金額の計算上控除できる「支払を受ける者以外の者が負担した保険料又は掛金」は,当該保険料等につき一時金等の支払を受けた者に対し給与課税される等して,当該保険料の支払を受けた者が実質的に負担したものを指すと主張する。しかし,控訴人の上記解釈は,必ずしも明らかではない所得税法34条2項等の文言を一義的に明らかにするために出した通達について,更に文言として表示されていない要件を解釈と称して付加するものであり,法律又はその委任のもとに政令や省令において課税要件及び租税の賦課・徴収の- 10 -手続に関する定めをなす場合に,その定めはなるべく一義的で明確でなければならないという課税要件明確主義(租税法律主義。乙43)に反する不当な解釈といわなければならない。したがって,控訴人の上記主張は採用できない。 (3)また,控訴人は,本件満期保険金等に係る一時所得の計算上,法人損金処理保険料を控除できるとすることは,結論においても不合理であると主張する。しかし,行政による恣意的課税から国民を保護することを目的とした租税法律主義の趣旨からすれば,国民生活の法的安定性と予測可能性を保障するため,課税要件はできるだけ一義的で明確でなければならないのであり,国民に対する課税は,同要件を規定する法令等の文言にできるだけ忠実に行われなければならない。そして,その結果,仮に結論において控訴人が指摘するような不合理が生じたとしても,それは法令等の不備によるものであるから,その是正は当 規定する法令等の文言にできるだけ忠実に行われなければならない。そして,その結果,仮に結論において控訴人が指摘するような不合理が生じたとしても,それは法令等の不備によるものであるから,その是正は当該法令等を改正することによってなすべきであって,解釈の名の下に規定されていない要件を付加することにより,国民に予測できない課税をすることは許されない。したがって,控訴人の上記主張は採用できない。 以上によれば,被控訴人らの請求(ただし,減縮した部分を除く。)はいずれも理由があるから,これを認容した原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却すべきである。なお,被控訴人A,同B及び同Cの各平成14年度分については,前記のとおり請求の減縮がなされた結果,原判決主文2項,5項及び8項は,本判決主文2項のとおり変更されているから,その旨を明らかにすることとして,主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所第2民事部裁判長裁判官森野俊彦- 11 -裁判官小野寺優子裁判官瀬戸さやか

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