平成22(ワ)43749 特許権侵害差止等請求事件

裁判年月日・裁判所
平成23年12月28日 東京地方裁判所
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平成23年12月28日判決言渡同日原本領収裁判所書記官平成22年(ワ)第43749号特許権侵害差止等請求事件口頭弁論終結日平成23年10月24日判決愛知県豊川市<以下略>原告テクノス株式会社同訴訟代理人弁護士大場正成近藤祐史同補佐人弁理士松永宣行東京都中央区<以下略>被告三伸機材株式会社名古屋市<以下略>被告三伸機材株式会社大阪市<以下略>被告三伸機材株式会社東京都荒川区<以下略>被告三伸機材株式会社上記4名訴訟代理人弁護士中島和雄三縄隆同補佐人弁理士高橋詔男山崎哲男主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由第1 請求 1 被告らは,別紙物件目録(1)記載の製品を製造し,貸与し,貸与のために展示し又は貸与の申出をしてはならない。 2 被告らは,別紙物件目録(2)記載の製品を製造し,販売し又は販売のために展示してはならない。 3 被告らは,第1項及び第2項の製品を廃棄せよ。 4 被告らは,原告に対し,連帯して,1億0342万1101円及びこれに対する平成22年12月27日から支払済みまで年5分の割合 してはならない。 3 被告らは,第1項及び第2項の製品を廃棄せよ。 4 被告らは,原告に対し,連帯して,1億0342万1101円及びこれに対する平成22年12月27日から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。 第2 事案の概要 1 本件は,鉄骨柱の転倒防止方法,ずれ修正方法及び固定ジグに関する後記2(2)の特許の特許権者である原告が,被告らに対し,(1) 被告らが別紙物件目録(1)記載の製品(以下「被告製品1」という。)を製造,貸与する行為は上記特許権の技術的範囲に属し特許権を侵害するとして,被告製品1の製造,貸与等の差止め,被告製品1の廃棄を求め,(2) 被告らが別紙物件目録(2)記載の製品(以下「被告製品2」といい,被告製品1と被告製品2を併せて「被告製品」という。)を製造,販売する行為は上記特許権の間接侵害(特許法101条4号,5号)に該当するとして,被告製品2の製造,販売等の差止め,被告製品2の廃棄を求めるとともに,(3) 特許権侵害の不法行為による損害賠償請求権(民法709条,特許法102条1項)に基づき,損害賠償金1億0342万1101円及びこれに対する訴状送達日の後の日である平成22年12月27日から支払済みまで民法所定の年5分の割合による遅延損害金の支払を求める事案である。 2 前提となる事実(証拠等を掲記した事実を除き,当事者間に争いがない。)(1) 当事者ア原告は,①建築工事の調査,測量,企画,設計,施工,監理及び技術指導並びに請負,②建築用資材,建設用及び運搬用機械,車輛,各種鋼材, 船舶その他これらに付帯又は関連する機械,器具の設計,製作,販売,修理,賃貸,運搬並びに関連工事の請負などを主たる業務とする株式会社である。 イ被告らは,いずれも①建設機械器具及び建設 船舶その他これらに付帯又は関連する機械,器具の設計,製作,販売,修理,賃貸,運搬並びに関連工事の請負などを主たる業務とする株式会社である。 イ被告らは,いずれも①建設機械器具及び建設工事仮設材料の販売並びに賃貸,②建設機械器具の輸出入業,③損害保険代理業等を目的とする株式会社である(以下,各被告を,当事者欄の表記順に「被告1」~「被告4」という。)。 (2) 本件特許権原告は,下記特許の特許権者である(以下,この特許を「本件特許」,特許出願を「本件特許出願」といい,本件特許に係る特許権を「本件特許権」,本件特許に係る特許請求の範囲の【請求項1】記載の発明を「本件特許発明1」,【請求項4】記載の発明を「本件特許発明4」,本件特許発明1及び本件特許発明4を併せて「本件特許発明」という。本件特許に係る明細書及び図面を併せて「本件明細書」といい,その特許公報(甲2)を別紙として添付する。)。 記ア特許番号特許第3375886号イ発明の名称鉄骨柱の転倒防止方法,ずれ修正方法及び固定ジグウ出願日平成10年4月17日エ登録日平成14年11月29日オ特許請求の範囲【請求項1】複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に,前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき,前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱の転倒を防止する方法であって, 前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい環状の固定ジ クションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい環状の固定ジグであって2本のボルトを前記第1のスリットの両側に該第1のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けかつ1本のボルトを前記第1のスリットの下側に該第1のスリットに対して上下方向に進退可能に取り付け,また2本のボルトを前記第2のスリットの片側に該第2のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けた固定ジグを,前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置すること,その後,前記第1のスリットに対して進退可能である前記ボルトのねじ込みにより前記固定ジグと前記既設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結すると共に,前記第2のスリットに対して進退可能である前記ボルトのねじ込みにより前記固定ジグと前記新設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結することを含む,鉄骨柱の転倒防止方法。 【請求項2】,【請求項3】(省略)【請求項4】複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に,前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき,前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱の転倒を防止するのに使用する環状の固定ジグであって,前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとであって前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい第1のスリットと第2 ピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとであって前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい第1のスリットと第2のスリットとを有 し,2本のボルトを前記第1のスリットの両側に該第1のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けかつ1本のボルトを前記第1のスリットの下側に該第1のスリットに対して上下方向に進退可能に取り付け,また2本のボルトを前記第2のスリットの片側に該第2のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けた,固定ジグ。 【請求項5】~【請求項8】(省略)(3) 構成要件の分説本件特許発明の構成要件を分説すると,以下のとおりである(以下,各構成要件を「構成要件A①」~「構成要件J」という。)。 ア本件特許発明1A①複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に,前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき,A②前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱の転倒を防止する方法であって,B①前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい環状の固定ジグであってB②2本のボルトを前記第1のスリットの両側に該第1のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けB③かつ1本のボルトを前記第1のスリットの下側に該第1のスリットに対して上下方向に進退可能に取り付け,B④また2本のボルトを前記第2のスリットの片側に該第2のスリットに対して水平方向に進退可能に取 かつ1本のボルトを前記第1のスリットの下側に該第1のスリットに対して上下方向に進退可能に取り付け,B④また2本のボルトを前記第2のスリットの片側に該第2のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けた固定ジグを,C①前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し 込むと共に,C②前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置すること,D①その後,前記第1のスリットに対して進退可能である前記ボルトのねじ込みにより前記固定ジグと前記既設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結すると共に,D②前記第2のスリットに対して進退可能である前記ボルトのねじ込みにより前記固定ジグと前記新設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結するE ことを含む,鉄骨柱の転倒防止方法。 イ本件特許発明4F 複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に,前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき,前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱の転倒を防止するのに使用する環状の固定ジグであって,G 前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとであって前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい第1のスリットと第2のスリットとを有し,H 2本のボルトを前記第1のスリットの両側に該第1のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けI かつ1本のボルトを前記第1のスリットの下側に該第1のスリットに対して上下方向に進退可能に取り付け,J また2本のボルトを前記第2の に該第1のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けI かつ1本のボルトを前記第1のスリットの下側に該第1のスリットに対して上下方向に進退可能に取り付け,J また2本のボルトを前記第2のスリットの片側に該第2のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けた,固定ジグ。 (4) 被告らの行為被告1が被告製品の製造を外部メーカーに発注し,被告1及び被告2は,平成18年6月頃より,被告製品1を貸与し,被告製品2を販売している(被告3,被告4による被告製品の製造,貸与,販売等については争いがある。)。 (5) 被告製品の構成等被告製品1の構成は,別紙被告製品1構成説明書記載のとおりであり,被告製品2の構成は,別紙被告製品2構成説明書記載のとおりである。 被告製品を使用した鉄骨柱の転倒防止方法として被告製品の取扱説明書(甲5)に記載されている方法は,別紙被告治具を使用する鉄骨柱転倒防止方法(2)記載のとおりである(同別紙記載の下線部分は,被告の主張を原告が否認する箇所である。)。(甲5)(6) 構成要件の充足性被告製品1は,構成要件Fを充足する。 3 争点(1) 被告製品1の構成要件G~J充足性(争点1)(2) 被告製品を使用した鉄骨柱の転倒防止方法の構成要件A①~E充足性(争点2)(3) 被告製品を使用した鉄骨柱の転倒防止方法による本件特許発明1の均等侵害の成否(争点3)(4) 間接侵害(特許法101条4号,5号)の成否(争点4)(5) 損害額(争点5)第3 争点に関する当事者の主張 1 争点1(被告製品1の構成要件G~J充足性)について〔原告の主張〕(1) 以下のように,被告製品1は構成要件G~Jを全て充足する。 被告製品1は,環状のジグの中にそれぞれ比較的幅 主張 1 争点1(被告製品1の構成要件G~J充足性)について〔原告の主張〕(1) 以下のように,被告製品1は構成要件G~Jを全て充足する。 被告製品1は,環状のジグの中にそれぞれ比較的幅の広いスリットと幅の 狭いスリットが設けられており,幅の広いスリットは構成要件Gの「第1のスリット」に,幅の狭いスリットは構成要件Gの「第2のスリット」にそれぞれ該当する。幅の広いスリットには既設の鉄骨柱に溶接して取り付けたエレクションピース(被告製品2)を入れることができ,幅の狭いスリットには新設の鉄骨柱に溶接して取り付けたエレクションピース(被告製品2)を入れることができる。 被告製品1の幅の広いスリットの両側にある2本の目違い修正ボルト(d),(e)は,構成要件Hの「第1のスリットの両側に該第1のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付け」られた「2本のボルト」に該当する。 被告製品1の幅の広いスリットに挿入する1本の頂部固定ボルト(f)は,構成要件Iの「第1のスリットの下側に該第1のスリットに対して上下方向に進退可能に取り付け」られた「1本のボルト」に該当する。 被告製品1の幅の狭いスリットの片側にある2本の治具固定ボルト(b)は,構成要件Jの「第2のスリットの片側に該第2のスリットに対して水平方向に進退可能に取り付けた」「2本のボルト」に該当する。 (2) 被告らは,取扱説明書(甲5)及びカタログ(甲4)などにおいて,被告製品1について,本件特許発明4とは逆に,幅の広いスリット(第1のスリット)には新設の鉄骨柱のエレクションピースを,幅の狭いスリット(第2のスリット)には既設の鉄骨柱のエレクションピースを嵌めるように説明しており,本件特許発明4の構成要件を充足しないと主張する。 しかし,物の 設の鉄骨柱のエレクションピースを,幅の狭いスリット(第2のスリット)には既設の鉄骨柱のエレクションピースを嵌めるように説明しており,本件特許発明4の構成要件を充足しないと主張する。 しかし,物の発明において,ある物件が特許発明の技術的範囲に属するか否かは,当該物件がその構造において当該発明の構成を具備しているか否かにかかり,その用法の態様はこれを問わないものである。被告製品1は,その構造上,本件特許発明4で示されているように,第1のスリットに既設鉄骨柱のエレクションピースを,第2のスリットに新設鉄骨柱のエレクションピースを入れて使用することができ,その構造自体は本件特許発明4の構成 要件を充足し,このように使用したとしても鉄骨柱の転倒を防止するという作用効果が妨げられることはないのであるから,被告らの主張に理由はない。 また,被告製品1には,落下防止ピン(a),押し上げネジ(g)などが取り付けられているが,いずれも本件特許発明の構成要件外の付加的要素であり,本件特許発明の作用効果を妨げるものではなく,侵害の成否とは関係ない。 〔被告らの主張〕以下のように,被告製品1は構成要件G~Jを充足しない。 (1) 被告製品の取扱説明書(甲5)3頁に図示されているように,被告製品1においては,幅の狭いスリットの方が下側すなわち既設の鉄骨柱に取り付けられたエレクションピースに,幅の広いスリットの方が上側すなわち新設の鉄骨柱に取り付けられたエレクションピースにそれぞれ装着されるため,頂部固定ボルト(f)は最上方に位置することになる。 構成要件Gにおいて,「第1のスリット」は既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る」スリットと,「第2のスリット」は「新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る」スリットとそれぞれ明確に定義さ る。 構成要件Gにおいて,「第1のスリット」は既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る」スリットと,「第2のスリット」は「新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る」スリットとそれぞれ明確に定義され,加えて「第1のスリット」の水平方向の幅が「第2のスリット」の水平方向の幅より広いことが必須条件とされているところ,被告製品1においては,幅の広いスリットには新設の鉄骨柱のエレクションピースが,幅の狭いスリットには既設の鉄骨柱のエレクションピースがそれぞれ入るのであるから,それぞれ構成要件Gの「第1のスリット」,「第2のスリット」に該当することはない。 原告は,上記定義における既設,新設の鉄骨柱との対応関係を無視し,およそ水平方向の幅の広い方のスリットを第1のスリットと,狭い方のスリットを第2のスリットと呼び換えて主張しており失当である。 原告は,構造上,被告製品1の幅の広いスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを,幅の狭いスリットには新設の鉄骨柱のエレクションピースを入れることができると主張するが,被告製品1の建設業者への貸与に当た り,被告らは,取扱いの説明において原告が主張するような使用方法については一切言及も示唆もしておらず,幅狭のスリットを既設の鉄骨柱のエレクションピースに,幅広のスリットを新設の鉄骨柱のエレクションピースに挿入する使用方法のみを指導し,現に全ての顧客において指示に従った使用のみがなされており侵害の事実は存在しない。原告の主張は被告製品1の使用実態を無視したものである。 本件特許の請求項4は,使用目的や用法とは切り離された固定ジグそれ自体の構造を端的に規定するだけの請求項ではなく,用法に関して構成要件F,Gのように規定するため,幅広の第1のスリットに既設の鉄骨柱の各エレクションピースを,幅狭 や用法とは切り離された固定ジグそれ自体の構造を端的に規定するだけの請求項ではなく,用法に関して構成要件F,Gのように規定するため,幅広の第1のスリットに既設の鉄骨柱の各エレクションピースを,幅狭の第2のスリットに新設の鉄骨柱の各エレクションピースを入れるという特定態様の用法が請求項4自体の中に規定されていることになる。被告製品1は,用法の態様が上記態様と異なるため,ジグそれ自体の客観的構造が本件特許発明4における物としての固定ジグの構成を具備しているとしても,請求項4の技術的範囲には属さない。 (2) 被告製品1の2本の目違い修正ボルト(d),(e)は,既設の鉄骨柱のエレクションピースが入る第1のスリットではなく,新設の鉄骨柱のエレクションピースが入る「第2のスリット」の両側に取り付けられており,構成要件Hを充足しない。 (3) 被告製品1の頂部固定ボルト(f)は,既設の鉄骨柱のエレクションピースが入る第1のスリットではなく,新設の鉄骨柱のエレクションピースが入る「第2のスリット」の上側に取り付けられており,構成要件Iを充足しない。 (4) 被告製品1における2本の治具固定ボルト(b)は,新設の鉄骨柱のエレクションピースが入る第2のスリットではなく,既設の鉄骨柱のエレクションピースが入る「第1のスリット」の片側に取り付けられており,構成要件Jを充足しない。 2 争点2(被告製品を使用した鉄骨柱の転倒防止方法の構成要件A①~E充足 性)について〔原告の主張〕(1) 既設鉄骨柱の上に新設鉄骨柱を溶接して接合する作業に際し,被告製品を用いて鉄骨柱の転倒を防止する方法としては,被告製品1をその取扱説明書(甲5)の記載と上下を逆転させて使用する,別紙被告治具を使用する鉄骨柱転倒防止方法(1)記載の方法(以下 作業に際し,被告製品を用いて鉄骨柱の転倒を防止する方法としては,被告製品1をその取扱説明書(甲5)の記載と上下を逆転させて使用する,別紙被告治具を使用する鉄骨柱転倒防止方法(1)記載の方法(以下「上下逆転使用方法」という。)と,被告製品1をその取扱説明書(甲5)の記載どおりに使用する,別紙被告治具を使用する鉄骨柱転倒防止方法(2)記載の方法(以下「説明書記載方法」という。)の2種類の方法がある。 (2) 被告製品1自体の構成は,本件特許発明4の固定ジグと同じであるため,広い方のスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを,狭い方のスリットに新設の鉄骨柱のエレクションピースを,それぞれ差し込んで使用することが可能であり,このような態様で被告製品1を使用する鉄骨柱の転倒防止方法である上下逆転使用方法を実施すれば,以下のとおり,構成要件A①~Eを全て充足し,本件特許発明1の方法を実施することとなる。 ア上下逆転使用方法は,複数のエレクションピース(114)を周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱(110)に,エレクションピース(114)に対応する複数のエレクションピース(112)を下方の端部に有する新設の鉄骨柱(116)を接合すべきとき,既設の鉄骨柱(110)の上側に降ろした新設の鉄骨柱(116)の転倒を防止する方法である(構成要件A①,A②)。 イ既設の鉄骨柱の各エレクションピース(114)が入るスリット(120)と,新設の鉄骨柱(116)の各エレクションピース(112)が入るスリット(122)とを有し,スリット(120)の水平方向の幅がスリット(122)の水平方向の幅より大きい環状のジグ(118)であって,2本の目違い修正ボルト(134,134)をスリット(120)の 両側に該スリット( 120)の水平方向の幅がスリット(122)の水平方向の幅より大きい環状のジグ(118)であって,2本の目違い修正ボルト(134,134)をスリット(120)の 両側に該スリット(120)に対して水平方向に進退可能に取り付けかつ1本の頂部固定ボルト(136)をスリット(120)の下側に該スリット(120)に対して上下方向に進退可能に取り付け,また2本の治具固定ボルト(138,138)をスリット(122)の片側に該スリット(122)に対して水平方向に進退可能に取り付けたジグ(118)であり,これを次のように配置する(構成要件B①~B④)。 ウスリット(120)に既設の鉄骨柱(110)のエレクションピース(114)を差し込むと共に,スリット(122)に新設の鉄骨柱(116)のエレクションピース(112)を差し込んで所定位置に配置する(構成要件C①,C②)。 エその後,スリット(120)に対して進退可能である目違い調整ボルト(134,134)及び頂部固定ボルト(136)のねじ込みによりジグ(118)と既設の鉄骨柱(110)のエレクションピース(114)とを連結する。それと共に,スリット(122)に対して進退可能である治具固定ボルト(138,138,236)のねじ込みによりジグ(118)と新設の鉄骨柱(116)のエレクションピース(112)とを連結する(構成要件D①,D②)。 オ上下逆転使用方法は,以上のような手段と作業を含む,鉄骨柱の転倒防止方法である(構成要件E)。 〔被告らの主張〕被告製品1を使用する鉄骨柱の転倒防止方法やズレ修正方法は,取扱説明書(甲5)の記載から明らかなように,本件特許発明1とは逆に,水平方向の幅の広いスリットの方に新設の鉄骨柱のエレクションピースを,幅の狭いスリットの方 鉄骨柱の転倒防止方法やズレ修正方法は,取扱説明書(甲5)の記載から明らかなように,本件特許発明1とは逆に,水平方向の幅の広いスリットの方に新設の鉄骨柱のエレクションピースを,幅の狭いスリットの方に既設の鉄骨柱のエレクションピースを入れるものであるから,被告製品1を使用した鉄骨柱の転倒防止方法は請求項1の文言から明らかに外れている。 被告製品の取扱説明書(甲5)には,各スリットと既設,新設の鉄骨柱との上記組合せを逆転させて使用するような被告製品1の使用方法(上下逆転使用方法)については何ら記載も示唆もされておらず,被告製品の使用者は,全て同説明書の指示に従って被告製品を使用しており,上下逆転使用方法により使用する者はいない。 原告の主張は,全く実施されていない被告製品の使用方法を仮想した上で,これと本件特許発明1の各構成要件とを対比して文言侵害を主張するにすぎず,失当である。 3 争点3(被告製品を使用した鉄骨柱の転倒防止方法による本件特許発明1の均等侵害の成否)について〔原告の主張〕(1) 被告製品をその取扱説明書(甲5)の記載どおりに使用した説明書記載方法において,被告製品1は本件特許発明1の方法とは上下を逆にして使用されている。その結果,本件特許発明1においては,幅の広い第1のスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースが,幅の狭い第2のスリットに新設の鉄骨柱のエレクションピースがそれぞれ差し込まれるのに対し,説明書記載方法においてはこの組合せが逆となり,幅の広い第1のスリットに新設の鉄骨柱のエレクションピースが,幅の狭い第2のスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースがそれぞれ差し込まれることとなり,この点が本件特許発明1の方法と説明書記載方法との相違点となるが,以下の事情からすると,説明書記載 ースが,幅の狭い第2のスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースがそれぞれ差し込まれることとなり,この点が本件特許発明1の方法と説明書記載方法との相違点となるが,以下の事情からすると,説明書記載方法は本件特許発明1の方法と均等な方法であるといえる。 (2) 発明の本質的部分との関係本件特許発明1の本質的部分は,環状の固定ジグに既設,新設の両鉄骨柱に設けた各エレクションピースを入れるスリットを設け,固定ジグと両方のエレクションピースを嵌合することにより両鉄骨柱を連結し,固定ジグに予め取り付けてあるボルトをエレクションピースに当てて締め付けるだけで, 固定ジグと両方のエレクションピース,つまり接合すべき両鉄骨柱を固定することができ,これにより敏速,安全,簡単に現場(高所)の作業ができることである。また,本件特許発明1の方法を採ることで,他の公知技術のように,例えば柱の角部を使うという制限もなく,多様な形状の鉄骨柱の接合に適応できる。 被告製品を説明書記載方法により使用しても,これらの作用効果を同じように奏することができる。すなわち,水平方向に広狭のある2つのスリットのいずれのスリットに既設,新設の鉄骨柱のエレクションピースを入れるかは,上記解決手段による解決原理に関与しないため,固定ジグのどちらのスリットに既設,新設のどちらの鉄骨柱のエレクションピースを入れるかは,本件特許発明1の課題解決手段による作用効果を奏するか否かを決定づけるものではなく,上記(1)の相違に係る部分は,本件特許発明1の本質的部分ではない。 (3) 置換可能性説明書記載方法と本件特許発明1の方法とで異なる部分,すなわち「前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレ ) 置換可能性説明書記載方法と本件特許発明1の方法とで異なる部分,すなわち「前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置する」構成を,説明書記載方法のように,「幅の狭いスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,幅の広いスリットに新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置する」構成に置き換えても,同じ環状の固定ジグのスリットに既設,新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで嵌合するだけで両鉄骨柱を合わせ,あらかじめ固定ジグに備えたボルトを締め付けてエレクションピースに突き当てるだけで両鉄骨柱を固定し,新設鉄骨柱の転倒を防止するということに変わりはなく,上記(2)の本件特許発明1の作用効果を同じように奏するものであるから,置換可能である。 (4) 置換の容易想到性説明書記載方法と本件特許発明1の方法との相違点は,単に,幅の広いスリットが下に来るように固定ジグを使用することに代えて,幅の広いスリットが上に来るように固定ジグを使用することにあるが,上記(3)のように,相違部分を説明書記載方法のように置換することは,本件特許発明1の方法で使用する固定ジグと同じ構成のものを単に上下を逆にして使用するだけで格別の工夫も改変も不要であり,置換することに何の困難もないから,当業者は,使用の時点において,上記のように置換することに容易に想到することができたといえる。 (5) 公知技術からの非容易推考性説明書記載方法は,本件特許出願時における公知技術と同一ではなく,また,当業者がこの公知技術から本件特許出願時に容易に推考できたものではない。すなわち,説明書記載方法は,先行技 からの非容易推考性説明書記載方法は,本件特許出願時における公知技術と同一ではなく,また,当業者がこの公知技術から本件特許出願時に容易に推考できたものではない。すなわち,説明書記載方法は,先行技術として本件明細書に記載されている特開平7-26731号公報記載の公知技術,本件特許の審査段階で引用された特開平8-199819号,特開平8-189201号,特開平8-326211号の各公報記載の公知技術のいずれとも相違し,また,これらの公知技術に基づいて当業者が容易に推考し得るものでもない。 (6) 意識的除外の有無原告は,本件特許の出願手続において,説明書記載方法のような固定ジグの上下逆転使用について明示的に本件特許の特許請求の範囲から除外したことはなく,また,このような方法について権利行使を放棄した事実はない。 本件特許の構成要件B①に係る出願当初の特許請求の範囲は,「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有する環状の固定ジグであって」であったが,原告は,平成12年11月29日付け手続補正書により「環状の」を削除し,特許庁の拒絶理由通知書を受け,平成13年5月 24日付け手続補正書により,「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい固定ジグであって」と補正した。 原告が,「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい」を補正により付加したのは,拒絶理由通知において示された引用例との差異を示すためであり,手続補正上の制約から出願時の明細 記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい」を補正により付加したのは,拒絶理由通知において示された引用例との差異を示すためであり,手続補正上の制約から出願時の明細書と図面に記載されていない事項を追加する補正は許されないため,広い方のスリットを既設鉄骨柱側,狭い方のスリットを新設鉄骨柱側としたのであって,当該補正に引用例との抵触を避ける意図はなかったものであり,説明書記載方法のような固定ジグの上下逆転使用(既設鉄骨柱側のスリットの幅が新設鉄骨柱側のスリットの幅より小さい)を意識的に除外したということはできない。 特許請求の範囲の文言から明確に外れている場合は,原則として特許権の対象範囲外であるが,均等物や均等方法についてはその原則の例外であるから,権利者の意識的除外を明確に示す特段の事情が示されないかぎり,均等による侵害は免れないものであり,本件ではそのような特段の事情は認められない。被告らは二者択一の場合に一方を選択すれば他方を意識的に除外したことになると主張するが,本件で問題となっている固定ジグの使用態様として,どちらのスリットを既設,新設の鉄骨柱と組み合わせて使用するかは,課題解決手段としての発明として別技術となる要素ではなく,それにより特許性を決定づけるものでもないから,権利者による意識的除外という特段の事情に当たるものではない。 〔被告らの主張〕(1) 構成要件B①の「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリッ トとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい環状の固定ジグであって」との記載からすると,原告は,特許請求の範囲の記載時点において,水平方向の トとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい環状の固定ジグであって」との記載からすると,原告は,特許請求の範囲の記載時点において,水平方向の幅の大きさが互いに異なる2つのスリットを有する環状の固定ジグを認識しつつ,いずれのスリットに既設,新設いずれの鉄骨柱のエレクションピースを入れるかの選択に当たり,水平方向の幅の大きい方のスリット(第1のスリット)に既設の鉄骨柱のエレクションピースを入れる方を選択したものであるから,その選択の過程においては,当然ながら,説明書記載方法のように水平方向の幅の小さい方のスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを入れる場合をも選択肢には入れつつ結果的にその場合を除外したものといえる。 したがって,後者の場合をも含める形で本件特許の請求項1に記載することも極めて容易であったといえ,「特許出願の際に将来のあらゆる侵害態様を予想して明細書の特許請求の範囲を記載することは極めて困難」との均等論を認めるべき理由は本件には全く当てはまらないし,「相手方において特許請求の範囲に記載された構成の一部を特許出願後に明らかとなった物質・技術等に置き換える」といった場合でもないから,本件はそもそも均等論の適用を論ずるまでもない事案である。 (2) 発明の本質的部分との関係本件特許発明1が,両鉄骨柱の固定,すなわち新設鉄骨柱の転倒防止だけを目的にするなら,「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい」(構成要件B①)などの限定条件を付す必要はなく,水平方向に進退可能なボルトの取付態様についても,「2本のボルトを前記第1のスリットの両側に」(構成要件B②),「2本のボルトを前記第2のスリットの片側に」(構成要件B④)とわざわざ特別 要はなく,水平方向に進退可能なボルトの取付態様についても,「2本のボルトを前記第1のスリットの両側に」(構成要件B②),「2本のボルトを前記第2のスリットの片側に」(構成要件B④)とわざわざ特別の取付態様に限定する必要もない。上記限定は,既設鉄骨柱のエレクションピースを入れる幅の広いスリットの両側のボルトのいずれかをねじ込んでエレクション ピースに突き当たらせ,その反力により固定ジグとともに新設の鉄骨柱のエレクションピースを上記ボルトのねじ込み方向とは逆の水平方向に移動させるというメカニズムにより新設鉄骨柱のずれ修正を行うための構成を付加したものとみるほかはない。 したがって,本件特許発明1は,末尾の表現こそ「鉄骨柱の転倒防止方法」とされているが,実質は本件特許の請求項5の「鉄骨柱のずれ修正方法を含む転倒防止方法」と理解すべきである。そして,本件特許発明1が上記限定を内容とする補正により特許査定を受けたという経過に照らすと,この補正により加えられた構成がもたらす上記メカニズムによるずれ修正効果こそが本件特許発明1の本質的部分とみるべきである。 説明書記載方法におけるずれ修正の操作及びメカニズムは,新設鉄骨柱のエレクションピースが入る幅広のスリットの両側のボルトのいずれかをねじ込んで新設鉄骨柱のエレクションピースのみを上記ボルトのねじ込み方向に移動させるものであり,本件特許発明1のずれ修正の操作及びメカニズムとは大きく異なっており,より直截的かつ容易にずれ修正を行い得るものである。したがって,説明書記載方法は,本件特許発明1の本質的部分の変更に係る方法であり,均等成立の要件を満たさない。 (3) 置換可能性上記(2)のように,本件特許発明1の既設鉄骨柱のエレクションピースを幅広のスリット(第1のスリット)に 1の本質的部分の変更に係る方法であり,均等成立の要件を満たさない。 (3) 置換可能性上記(2)のように,本件特許発明1の既設鉄骨柱のエレクションピースを幅広のスリット(第1のスリット)に入れ,新設鉄骨柱のエレクションピースを幅狭のスリット(第2のスリット)に入れる構成を,説明書記載方法における新設鉄骨柱のエレクションピースを幅広のスリットに入れ,既設鉄骨柱のエレクションピースを幅狭スリットに入れる構成に置き換えることは,ずれ修正の作用及び効果を異にするから,置換可能性はない。 (4) 置換の容易想到性置換可能性が否定される以上,置換の容易想到性は認められない。 (5) 公知技術からの非容易推考性本件特許の出願当時,既設鉄骨柱と新設鉄骨柱のエレクションピースを固定させる方法としては,2枚の側板をエレクションピースの左右に配置して固定させる方法(乙3等)と,環状のジグ内にエレクションピースを嵌め込んで固定させる方法(乙2,4等)が知られていた。また,上下のエレクションピースを固定させるためのジグを設計する場合,環状のジグを用いるか2枚の板状のジグを用いるかは,当業者が適宜選択し得る事項であった。そして,環状のジグを選択した場合,乙2に記載されているように,スリット内に配置されたエレクションピースを水平方向に移動させるボルトを設けることも周知であり,乙3に記載されているように,既設鉄骨柱のエレクションピースとジグをあらかじめ固定し,その後に新設鉄骨柱のエレクションピースをジグに設けたボルトによって水平方向に移動させることも知られていた。 以上からすれば,環状のジグを選択した上で,そのスリット内においてエレクションピースをボルトによって押圧する技術が記載された乙2に接した当業者であれば,環状の 向に移動させることも知られていた。 以上からすれば,環状のジグを選択した上で,そのスリット内においてエレクションピースをボルトによって押圧する技術が記載された乙2に接した当業者であれば,環状のジグにおいて上記乙3記載の技術を適用することは容易に想到し得たといえる。そうすると,既設鉄骨柱のエレクションピースとジグを固定する際に用いるボルトの本数,配置位置が,いずれも設計事項にすぎないことに鑑みれば,説明書記載方法は,周知の環状のジグを選択した上で,乙3記載の技術を適用することで当業者が容易に想到することができたものである。 したがって,説明書記載方法は,「対象製品等が,特許発明の特許出願時の公知技術と同一又は当業者がこれらから右出願時に容易に推考できたものではなく」との均等成立の要件を充たさない。 (6) 意識的除外の有無本件特許の出願当初明細書(乙1の1)における構成要件B①に対応する 特許請求の範囲は,「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有する環状の固定ジグであって」と記載するだけで,「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい」との限定は付されていなかった。その後,第三者から刊行物提出(乙1の5,6)がなされ,特許庁が拒絶理由を通知した(乙1の7)ことから,原告は,意見書(乙1の8)とともに手続補正書(乙1の9)を提出して,構成要件B①に対応する特許請求の範囲の記載を「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい固 柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい固定ジグであって」と減縮補正したが,拒絶査定(乙1の11)を受けたため,審判請求(乙1の12)するとともに手続補正(乙1の13)をして前置審査により特許査定(乙1の15)されたが,その際の全文補正により,構成要件B①に対応する記載のうち上記の「固定ジグ」の部分が「環状の固定ジグ」と補正され,構成要件B①となったものである。 以上の出願経過に照らせば,「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい」を付加した上記補正は,拒絶理由を克服するための意識的な限定と解するべきであるから,その反面として,被告製品1のように,第2のスリットの水平方向の幅が第1のスリットの水平方向の幅より大きい場合は,特許請求の範囲から意識的に除外したか,又は外形的にそう解される行動をとったといえる特段の事情が認められるから,均等成立の要件を満たさない。 更にいえば,本件特許の出願当初明細書(乙1の1)の請求項3は,鉄骨柱のずれ修正方法にかかる発明であり,ここでは「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが水平方向のすきまをおいて入る第1のスリットと前記新 設の鉄骨柱の各エレクションピースが水平方向のすきまをおいて入る第2のスリットとを有する環状の固定ジグであって」と記載するだけで,各スリットの幅の相対的な大小については言及していないにもかかわらず,請求項4においては,請求項3を受けて,「前記他方のスリットは,前記一方のスリットより水平方向の幅が大きくなるように形成された,請求項3に記載の鉄骨柱のずれ修正方法。」と記載してい にもかかわらず,請求項4においては,請求項3を受けて,「前記他方のスリットは,前記一方のスリットより水平方向の幅が大きくなるように形成された,請求項3に記載の鉄骨柱のずれ修正方法。」と記載している。第1,第2のいずれのスリットかを問わず,いずれかのスリットの方が他方より水平方向の幅を広くすればよいだけであれば,上記のような記載も可能であるのに,原告は,上記の乙1の9の手続補正書に係る補正においてはそのような記載によることなく,ことさら「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい」と限定的な記載をしていることからすると,説明書記載方法のような第2のスリットの方が第1スリットよりも幅広の場合を意識的に除外したと外形的に解される行動をとったものと評されてしかるべきである。 なお,原告は,乙1の9の手続補正書に係る上記補正は,手続補正上の制約から出願時の明細書と図面に記載されていない事項を追加する補正が許されないため,広い方のスリットを既設鉄骨柱側,狭い方のスリットを新設鉄骨柱側とした旨主張するが,手続補正上の上記制約があるとはいえ,原告が上記制約を認識しつつ意識的にその範囲内で上記の補正を行ったのであれば,いずれにせよ特許請求の範囲を意識的に上記補正のように限定したことには変わりなく,その反面として,「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より小さい」場合を意識的に除外したものと認定するほかない。 4 争点4(間接侵害(特許法101条4号,5号)の成否)について〔原告の主張〕(1) 上記2,3のように,被告製品を用いた鉄骨柱の転倒防止方法は本件特許 発明1の構成要件を充足する,又は本件特許発明1の均等方法に該当するものであるが,被告製品2は汎用品とし (1) 上記2,3のように,被告製品を用いた鉄骨柱の転倒防止方法は本件特許 発明1の構成要件を充足する,又は本件特許発明1の均等方法に該当するものであるが,被告製品2は汎用品として一般に市販されるものではなく,本件特許発明1の方法の使用に用いられ,その発明の課題の解決に不可欠なものである。 したがって,被告製品2が上記方法に用いられること及び本件特許発明1が特許発明であることを知りながら,業として,被告製品2を製造,販売する被告らの行為は,特許法101条5号の間接侵害に該当する。 (2) 被告製品2は,建築現場の鉄骨柱接合に用いる以外に他の用途はなく,その場合必ず新設鉄骨柱の転倒防止処理を含み,被告製品2を使用した鉄骨柱の転倒防止方法は本件特許発明1を実施することとなり,本件特許発明1を実施することなく被告製品2を経済的に業として使用できるその他の方法はない。 したがって,被告製品2を業として製造,販売する被告ら行為は,特許法101条4号の間接侵害に該当する。 〔被告らの主張〕(1) 被告製品の取扱説明書(甲5)記載の方法による使用は,上記2,3のように,文言上,本件特許発明1の技術的範囲に属さず,その均等方法にも該当しないから,被告製品2の製造,販売が特許法101条5号の間接侵害に該当することはない。 また,特許法101条5号の間接侵害に該当するには,「その物がその発明の実施に用いられることを知りながら」との主観的要件を満たす必要があるが,被告らは,被告製品2が本件特許発明1の方法の使用に用いられることを知らなかった。均等方法に該当する場合に同号の間接侵害が成立するためには,その物がその発明の均等方法の実施に用いられることを知らなければならないところ,被告らは,説明書記載方法が本件特許発明1の方法の らなかった。均等方法に該当する場合に同号の間接侵害が成立するためには,その物がその発明の均等方法の実施に用いられることを知らなければならないところ,被告らは,説明書記載方法が本件特許発明1の方法の均等方法であるなどと知る由もなかったから,仮に説明書記載方法が本件特許 発明1の方法の均等方法と認められるとしても,被告らが被告製品2を製造,販売する行為が特許法101条5号の間接侵害に該当することはない。 (2) 被告製品2は,別紙物件目録(2)記載の形状が示すように,ごく一般的なエレクションピースであり,複数の使用方法に用いることができるため,本件特許発明1の方法の使用にのみ用いられるものではなく,被告製品2を製造,販売する被告らの行為が特許法101条4号の間接侵害に該当することはない。 5 争点5(損害額)について〔原告の主張〕被告らは,平成18年6月頃より,本件特許権を侵害する被告製品1を製造,貸与し,本件特許権を侵害する方法に用いる被告製品2を製造,販売しているから,原告は,被告らに対して,特許権侵害の不法行為に基づく損害賠償請求権を有する。 原告の受けた損害の額は,被告製品1の貸与数と日数,被告製品2の販売数に,原告の同種製品の貸与,販売による単位数量当たりの利益を乗じて,別紙損害額計算表のとおり算定した合計1億0342万1101円である(特許法102条1項)。 〔被告らの主張〕原告の主張は否認ないし争う。 第4 当裁判所の判断 1 争点1(被告製品1の構成要件G~J充足性)について(1) 本件特許発明4の構成要件Gは,「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとであって」であり,同記載の文言から,「第1 本件特許発明4の構成要件Gは,「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとであって」であり,同記載の文言から,「第1 のスリット」は,既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入るスリットを,「第2のスリット」は,既設の鉄骨柱の上側に降ろした新設の鉄骨柱の各エレクシ ョンピースが入るスリットを意味するものであると認められる。そして,構成要件Gは,「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい」と規定していることから,本件特許発明4の「環状の固定ジグ」(構成要件Fで規定されている。)が構成要件Gを充足するには,「既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットの水平方向の幅が,既設の鉄骨柱の上側に降ろした新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットの水平方向の幅より大きい」構成を有しなければならない。 被告製品のカタログ(甲4)及び取扱説明書(甲5)によると,被告製品1は,幅の狭いスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを入れ,幅の広いスリットに既設の鉄骨柱の上側に降ろした新設の鉄骨柱のエレクションピースを入れて使用されるものであることが認められ,原告が使用可能な態様であると主張する,幅の狭いスリットに新設の鉄骨柱のエレクションピースを入れ,幅の広いスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを入れる態様で被告製品1が使用されることを認めるに足りる証拠はない。 したがって,被告製品1においては,既設の鉄骨柱のエレクションピースが入る「第1のスリット」は幅の狭いスリットであり,新設の鉄骨柱のエレクションピースが入る「第2のスリット」は幅の広いスリットであり,「第1のスリットの水平方 ては,既設の鉄骨柱のエレクションピースが入る「第1のスリット」は幅の狭いスリットであり,新設の鉄骨柱のエレクションピースが入る「第2のスリット」は幅の広いスリットであり,「第1のスリットの水平方向の幅」が「第2のスリットの水平方向の幅」より小さいから,被告製品1は,構成要件Gを充足するということはできず,その余の構成要件の充足性を検討するまでもなく,本件特許発明4の技術的範囲に属しない。 (2) 原告は,本件特許発明4のような物の発明において,ある物件が特許発明の技術的範囲に属するか否かは,当該物件がその構造において当該発明の構成を具備しているか否かにかかり,その用法の態様はこれを問わないものであるとして,被告製品1の幅の広いスリットが構成要件Gの「第1のスリッ ト」に,幅の狭いスリットが構成要件Gの「第2のスリット」にそれぞれ該当すると主張する。 しかし,特許発明の技術的範囲は,願書に添付した特許請求の範囲の記載に基づいて定めなければならず(特許法70条1項),構成要件Gは本件特許発明4に係る特許請求の範囲の記載であるから,本件特許発明4の技術的範囲は,構成要件Gに記載された「前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとであって」という記載に基づいて定めなければならない。 そして,上記(1)で認定したように,被告製品1は,幅の狭いスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを入れ,幅の広いスリットに新設の鉄骨柱のエレクションピースを入れて使用されるものであるから,被告製品1においては,幅の狭いスリットが既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る「第1スリット」であり,幅の広いスリットが新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る「第2のスリッ るものであるから,被告製品1においては,幅の狭いスリットが既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る「第1スリット」であり,幅の広いスリットが新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る「第2のスリット」であると解するほかなく,原告の主張は失当である。 2 争点2(被告製品を使用した鉄骨柱の転倒防止方法の構成要件A①~E充足性)について原告は,幅の広い方のスリットに既設の鉄骨柱のエレクションピースを,幅の狭い方のスリットに新設の鉄骨柱のエレクションピースをそれぞれ差し込んで使用する態様で被告製品1を使用する鉄骨柱の転倒防止方法である上下逆転使用方法を実施すれば,構成要件A①~Eを全て充足し,本件特許発明1の方法を実施することになるとも主張するが,上記1(1)で認定したように,原告主張のような態様で被告製品1が使用されることを認めるに足りる証拠はなく,原告の主張は前提において理由がない。 3 争点3(被告製品を使用した鉄骨柱の転倒防止方法による本件特許発明1の均等侵害の成否)について (1) 本件特許発明1の方法と被告製品の説明書記載方法を対比すると,本件特許発明1においては,既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットの水平方向の幅が,新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットの水平方向の幅より大きいのに対し(構成要件B①),説明書記載方法においてはこの組合せが逆となり,既設の鉄骨柱(110)の各エレクションピース(112)が入るスリット(122)の水平方向の幅が,新設の鉄骨柱(116)の各エレクションピース(114)が入るスリット(120)の水平方向の幅より小さいため,説明書記載方法は構成要件B①を充足せず,本件特許発明1の技術的範囲に属しないといえる。 原告は,本件特許発明1の方 ションピース(114)が入るスリット(120)の水平方向の幅より小さいため,説明書記載方法は構成要件B①を充足せず,本件特許発明1の技術的範囲に属しないといえる。 原告は,本件特許発明1の方法と説明書記載方法との間に上記のような相違点があるとしても,説明書記載方法は,本件特許発明1の方法と均等な方法であると主張する。 (2) 本件特許発明1に係る特許請求の範囲に記載された構成中に説明書記載方法と異なる部分が存する場合であっても,①上記部分が本件特許発明1の本質的部分ではなく,②上記部分を説明書記載方法におけるものと置き換えても,本件特許発明1の目的を達することができ,同一の作用効果を奏するものであって,③上記のように置き換えることに,当該発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が説明書記載方法の使用の時点において容易に想到することができたものであり,④説明書記載方法が,特許発明の特許出願時における公知技術と同一又は当業者がこれから上記出願時に容易に推考できたものではなく,かつ,⑤説明書記載方法が特許発明の特許出願手続において特許請求の範囲から意識的に除外されたものに当たるなどの特段の事情もないときは,説明書記載方法は,特許請求の範囲に記載された構成と均等なものとして,本件特許発明1の技術的範囲に属するものと解するのが相当である(最高裁平成10年2月24日第三小法廷判決・民集52巻1号113頁参照)。 そして,上記⑤の要件については,特許権者の側においていったん特許発明の技術的範囲に属しないことを承認し,又は外形的にそのように解されるような行動をとった場合には,特許出願手続において出願人が特許請求の範囲から当該製品や方法を意識的に除外したものと解すべきである。 術的範囲に属しないことを承認し,又は外形的にそのように解されるような行動をとった場合には,特許出願手続において出願人が特許請求の範囲から当該製品や方法を意識的に除外したものと解すべきである。 (3) 本件特許の出願経緯は,以下のとおりである。 ア本件特許は,出願当初,請求項の数を4とし(出願当初の請求項1,2に係る発明は鉄骨柱の転倒防止方法についての発明であり,同請求項3,4に係る発明は鉄骨柱のずれ修正方法についての発明であった。),出願当初の請求項1には,特許請求の範囲を「複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に,前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき,前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱の転倒を防止する方法であって,/前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットとを有する環状の固定ジグであって少なくとも1本のボルトを前記各スリットに対して進退可能に取り付けた固定ジグを,前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置すること,/その後,前記第1のスリットに係わる前記ボルトをねじ込んで前記固定ジグと前記既設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結すると共に,前記第2のスリットに係わる前記ボルトをねじ込んで前記固定ジグと前記新設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結することを含む,鉄骨柱の転倒防止方法。」(文中の「/」は,原文の改行部分を示す。以下同じ。)とする発明が記載されていた(乙1の1)。出願当初の請求項1に係る上記発 の前記エレクションピースとを連結することを含む,鉄骨柱の転倒防止方法。」(文中の「/」は,原文の改行部分を示す。以下同じ。)とする発明が記載されていた(乙1の1)。出願当初の請求項1に係る上記発明においては,既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1 のスリットと新設の鉄骨柱の 各エレクションピースが入る第2のスリットの水平方向の幅の大小は限定されていなかった。 また,出願当初の請求項3には,特許請求の範囲を「複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に,前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき,前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱の水平方向のずれを修正する方法であって,/前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが水平方向のすきまをおいて入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが水平方向のすきまをおいて入る第2のスリットとを有する環状の固定ジグであって少なくとも1本のボルトを前記各スリットに対して水平方向へ進退可能に取り付けた固定ジグを,前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置すること,/その後,前記第1のスリット及び前記第2のスリットの一方に係わる前記ボルトをねじ込んで前記固定ジグと前記一方のスリットに差し込まれた鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結すること,/その後,前記第1のスリット及び前記第2のスリットの他方に係わる前記ボルトをねじ込んで前記他方のスリットに差し込まれた鉄骨柱の前記エレクションピースに荷重を付加し,前記新設の鉄骨柱を水平方向へ移動するこ ,前記第1のスリット及び前記第2のスリットの他方に係わる前記ボルトをねじ込んで前記他方のスリットに差し込まれた鉄骨柱の前記エレクションピースに荷重を付加し,前記新設の鉄骨柱を水平方向へ移動することを含む,鉄骨柱のずれ修正方法。」とする発明が,出願当初の請求項4には,特許請求の範囲を「前記他方のスリットは,前記一方のスリットより水平方向の幅が大きくなるように形成された,請求項3に記載の鉄骨柱のずれ修正方法。」とする発明が,それぞれ記載されていた(乙1の1)。出願当初の請求項4に係る上記発明においては,既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1 のスリットと新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットの水 平方向の幅については,他方のスリットが一方のスリットより大きくなるように形成されるが,いずれか特定のスリットの水平方向の幅が他方のスリットの水平方向の幅より大きいと限定するものではなかった。 イ出願当初の明細書には,発明の詳細な説明として,以下の記載があった(乙1の1)。 「【0015】/環状の固定ジグに設けた2つのスリットのそれぞれに既設の鉄骨柱のエレクションピースと新設の鉄骨柱のエレクションピースとを差し込み,一方のスリットに係わるボルトによって固定ジグとエレクションピースとを連結し,他方のスリットに係わるボルトによってずれを修正するものであるため,エレクションピースの取付け位置とは関係なくずれ修正方法を実施できる。その結果,鉄骨柱の断面形状が四角形,多角形,円形,楕円形その他の形状であっても,断面形状の影響を受けない。また,エレクションピースは鉄骨柱の隅部にある必要がなく,隅部間の中央付近に取り付けることもできる。これにより,隅部に存在している冷間成形時の機械的特性の影響を排除できる。」 状の影響を受けない。また,エレクションピースは鉄骨柱の隅部にある必要がなく,隅部間の中央付近に取り付けることもできる。これにより,隅部に存在している冷間成形時の機械的特性の影響を排除できる。」「【0016】/ずれ修正方法を実施する場合,前記他方のスリットの水平方向の幅が前記一方のスリットの水平方向の幅より大きくなるようにスリットを形成することが好ましい。」ウ原告は,平成12年8月28日付け手続補正書により,物の発明である固定ジグについての発明を請求項3,6として追加する補正をし(乙1の3),同年11月29日付け手続補正書により,各独立請求項の記載から固定ジグの形状を特定する「環状の」を削除し,従属項として固定ジグの形状を「環状に形成されている」と特定する請求項3,6,9を追加する等の補正をした(乙1の4)。 エ原告が,特許庁長官に対し,平成12年8月28日付けで出願審査請求をしたところ(乙1の2),平成13年1月15日付け刊行物等提出書及 び同月22日付け刊行物等提出書をもって,本件特許に係る発明は特許法29条2項等に該当し特許を受けることができないとして,特開平8-199819号公報(乙2。以下「引用文献1」という。),特開平8-189201号公報(乙3。以下「引用文献2」という。),特開平8-326211号公報(乙4。以下「引用文献3」という。)が刊行物として特許庁長官に提出された(乙1の5,6)。 特許庁審査官は,平成13年2月16日,本件特許出願に係る請求項1~9に係る発明は,その出願前に頒布された引用文献1~3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたとして,原告に対し拒絶理由を通知した。この拒絶理由通知書の備考欄には,「引用文献1には,第1及び第2のスリッ に頒布された引用文献1~3に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明することができたとして,原告に対し拒絶理由を通知した。この拒絶理由通知書の備考欄には,「引用文献1には,第1及び第2のスリットを設けた鉄骨柱固定用ジグである点が記載されている。/引用文献2には,上下に並んだエレクションピースの各々について,水平方向の力を与えるためのボルトを設ける点が記載されている。 /スリット幅を適宜選択することには格別の進歩性は認められない。」,「引用文献3には,ジグを環状に形成する点が記載されている。」と記載されていた(乙1の7)。 オ原告は,特許庁審査官に平成13年5月24日付け意見書(乙1の8)を提出し,同日付け手続補正書により,鉄骨柱の転倒防止方法,固定ジグ,鉄骨柱のずれ修正方法について請求項1等を変更し,請求項を2つ追加する等の補正をして,請求項1を以下のように変更した(乙1の9)。 「【請求項1】複数のエレクションピースを周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱に,前記エレクションピースに対応する複数のエレクションピースを下方の端部に有する新設の鉄骨柱を接合すべきとき,前記既設の鉄骨柱の上側に降ろした前記新設の鉄骨柱の転倒を防止する方法であって,/前記既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと,前記新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリッ トとを有し,前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい固定ジグであって少なくとも1本のボルトを前記各スリットに対して進退可能に取り付けた固定ジグを,前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置 対して進退可能に取り付けた固定ジグを,前記第1のスリットに前記既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込むと共に,前記第2のスリットに前記新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込んで所定位置に配置すること,/その後,前記第1のスリットに対して進退可能である前記ボルトのねじ込みにより前記固定ジグと前記既設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結すると共に,前記第2のスリットに対して進退可能である前記ボルトのねじ込みにより前記固定ジグと前記新設の鉄骨柱の前記エレクションピースとを連結することを含む,鉄骨柱の転倒防止方法。」この補正により,既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットの水平方向の幅の大小につき,第1 のスリットの水平方向の幅が第2のスリットの水平方向の幅より大きいと限定され,特許請求の範囲の減縮がされた。 また,上記意見書には,以下の記載がある(乙1の8)。 (ア) 「本願発明によれば,既設の鉄骨のエレクションピースと,既設の鉄骨上に吊り降ろした新設の鉄骨柱のエレクションピースとがそれぞれ差し込まれる固定ジグのスリットの第1のスリット部と第2のスリット部との水平方向の幅について,第1のスリット部の幅を第2のスリット部の幅より大きいものに設定したことから,…」(イ) 「引例1の特開平8-199819号公報(判決注:引用文献1)に記載の既設の鋼管柱2のエレクションピース5と,新設の鋼管柱3のエレクションピース7とに被せられる接続函体11にあっては,該接続函体の両側面材17,18が規定するエレクションピース5,7をぞれぞれ差し込むための,反力プレート19で上下に仕切られた2つの空間の 水平方向の間隔は同一である。」「これは,引例2の特 両側面材17,18が規定するエレクションピース5,7をぞれぞれ差し込むための,反力プレート19で上下に仕切られた2つの空間の 水平方向の間隔は同一である。」「これは,引例2の特開平8-189201号公報(判決注:引用文献2)に記載された柱接続治具7および引例3の特開平326211号公報(判決注:「特開平8-326211号公報」の誤記。引用文献3)に記載された連結用の治具30においても同様である。」(ウ) 「本願発明は,既設の鉄骨柱の上側に降ろした新設の鉄骨柱の転倒を防止し,また,水平方向のずれを修正する固定ジグのスリットについて,既設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込む第1のスリット部の水平方向の幅を,新設の鉄骨柱のエレクションピースを差し込む第2のスリット部の水平方向の幅よりも大きいものとしたことを特徴とし,水平方向に関して互いにずれた状態である両鉄骨柱のエレクションピースの両スリット部への差し込みの許容と,各スリットに対して水平方向へ進退可能であるボルトのねじ込み作業に要する労力および時間の軽減との双方の実現を可能とする。/しかるに,引例1,2および3(判決注:引用文献1~3)は,本願発明の上記構成上の特徴について開示するところがない。」カこれに対し,特許庁審査官は,平成14年4月18日,上記エの拒絶理由通知書に記載した理由により,本件特許出願について拒絶査定をした(乙1の11)。 原告は,この拒絶査定に対して不服審判を請求し(乙1の12),平成14年6月27日付け手続補正書により,明細書全文を本件明細書のとおり補正したところ(乙1の13),同年10月25日,特許庁審査官は,本件特許出願について特許査定した(乙1の15)。 (4) 上記(3)認定の出願経緯からすると,出願当初の請 を本件明細書のとおり補正したところ(乙1の13),同年10月25日,特許庁審査官は,本件特許出願について特許査定した(乙1の15)。 (4) 上記(3)認定の出願経緯からすると,出願当初の請求項1においては,既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1 のスリットと新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットの水平方向の幅の大小について限 定はしていなかったものである。また,鉄骨柱のずれ修正方法に係る出願当初の請求項4においては,「前記他方のスリットは,前記一方のスリットより水平方向の幅が大きくなるように形成された,請求項3に記載の鉄骨柱のずれ修正方法」と記載され,この「他方のスリット」,「一方のスリット」とは,出願当初の請求項3における「前記第1のスリット及び前記第2のスリットの一方」,「前記第1のスリット及び前記第2のスリットの他方」のことであるから,第1のスリットの水平方向の幅が第2のスリットの水平方向の幅よりも大きい固定ジグだけではなく,第2のスリットの水平方向の幅が第1のスリットの水平方向の幅よりも大きい固定ジグも含めたものとして記載していたといえる。 その後,原告は,拒絶理由の通知を受け,出願当初の請求項4の記載のように,「前記第1のスリット及び前記第2のスリットの一方の水平方向の幅が他方の水平方向の幅より大きい固定ジグ」などと補正することが可能であったにもかかわらず,上記(3)オの補正により,請求項1等につき,「前記第1のスリットの水平方向の幅が前記第2のスリットの水平方向の幅より大きい固定ジグ」と補正したのであるから,第1のスリットと第2のスリットの水平方向の幅の大小につき,第1のスリットの水平方向の幅が第2のスリットの水平方向の幅より大きいものだけに限定したものといえる。こ い固定ジグ」と補正したのであるから,第1のスリットと第2のスリットの水平方向の幅の大小につき,第1のスリットの水平方向の幅が第2のスリットの水平方向の幅より大きいものだけに限定したものといえる。この減縮補正は,拒絶理由通知が指摘した引用文献1~3に記載された2つの空間(スリット部)は水平方向の幅が同一であり,本件特許発明の構成上の特徴を開示していないことを主張してされたものであるから,当該拒絶理由を回避するためにされた補正と認められる。 本件特許に係るこのような出願経緯からすると,既設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第1のスリットと新設の鉄骨柱の各エレクションピースが入る第2のスリットの水平方向の幅の大小については,上記(3)オの補正において,第1のスリットの水平方向の幅が第2のスリットの水平方向の幅よ り大きいものに限定されたことにより,外形的には,これとは逆の第1のスリットの水平方向の幅が第2のスリットの水平方向の幅より小さいものを本件特許発明1に係る特許請求の範囲から意識的に除外したものと解さざるを得ない。 したがって,説明書記載方法は,均等侵害の要件のうち,少なくとも上記(2)の⑤の要件を欠くことが明らかであるから,その余の要件について検討するまでもなく,説明書記載方法が本件特許発明1の方法と均等な方法であるとする原告の主張は理由がない。 (5) 原告は,上記補正に引用例との抵触を避ける意図はなかった,手続補正上の制約から出願時の明細書と図面に記載されていない事項を追加する補正は許されなかったなどと主張する。 しかし,上記(4)で認定したように,上記補正は拒絶理由を回避するためにされたものと認められ,また,上記(3)イで認定したように,本件特許の出願当初の明細書(乙1の1)には,「前記他方のスリット しかし,上記(4)で認定したように,上記補正は拒絶理由を回避するためにされたものと認められ,また,上記(3)イで認定したように,本件特許の出願当初の明細書(乙1の1)には,「前記他方のスリットの水平方向の幅が前記一方のスリットの水平方向の幅より大きくなるようにスリットを形成することが好ましい。」と記載されていることからすると,仮に他方のスリットの水平方向の幅が一方のスリットの水平方向の幅より大きい旨の補正をしたとしても新規事項の追加に当たるということはできず,手続補正上の制約があったとは認められないことから,原告の上記主張は理由がない。 4 結論以上によれば,被告らが被告製品1を製造,貸与する行為が,本件特許権を侵害するということはできず,また,被告らが被告製品2を製造,販売する行為が,本件特許権の間接侵害(特許法101条4号,5号)に該当するということもできない。 よって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理由がないから棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第40部 裁判長裁判官 岡本岳 裁判官 坂本康博 裁判官 寺田利彦 (別紙) 物件目録 (1) 三伸機材株式会社製の柱建入れ治具(商品名『鉄人』) (別紙) 物件目録 (2) 三伸機材株式会社製のエレクションピース(商品名『標準エレクションピース』) (別紙)被告製品1構成説明書 この柱建入れ治具は,既設・新設の鉄骨柱を接合するため,その接合部分を溶接する間,新設鉄骨柱を (商品名『標準エレクションピース』) (別紙)被告製品1構成説明書 この柱建入れ治具は,既設・新設の鉄骨柱を接合するため,その接合部分を溶接する間,新設鉄骨柱を所定の位置に保持するための水平方向ずれ修正及び転倒防止するための治具である。 下図は被告の柱建入れ治具を示しており、図1はその平面図図2はその側面図であり,部品名はそれぞれの図面で示したとおりである。 (別紙)被告製品2構成説明書 被告製のエレクションピースは,鉄骨柱の建て入れのために物件目録1の製品「柱建入れ治具」(被告治具)と合せ用いる鋼材製の板状小片であり,被告治具と嵌合して新設の鉄骨柱を所定位置に保持し,予め鉄骨柱の各端部に間隔をおいて溶接して取り付けておく仮設部材で,既設・新設の鉄骨柱の接合が完了した後,溶断により分離除去される。 エレクションピースは柱脚用と柱頭用で1組となっており,それぞれの寸法は下記のとおりである。 (別紙)被告治具被告治具被告治具被告治具を使用使用使用使用するするするする鉄骨柱転倒防止方法鉄骨柱転倒防止方法鉄骨柱転倒防止方法鉄骨柱転倒防止方法(1) 一図面図面図面図面 二図面図面図面図面の説明説明説明説明(一)図面の簡単な説明図面は、既設の鉄骨柱及び新設の鉄骨柱に配置された4つ被告治具のうちの3つを正面(中央)、右側面及び左側面で示す図である。被告治具の他の1つは正面と反対の側にある。 (二)図中の参照番号の説明118・・・・・・・・・・・・・被告治具 110・・・・・・・・・・・・・既設の鉄骨柱116・・・・・・・・・・・・・新設の鉄骨 側にある。 (二)図中の参照番号の説明118・・・・・・・・・・・・・被告治具 110・・・・・・・・・・・・・既設の鉄骨柱116・・・・・・・・・・・・・新設の鉄骨柱112・・・・・・・・・・・・・柱脚用エレクションピース114・・・・・・・・・・・・・柱頭用エレクションピース119・・・・・・・・・・・・・ねじ穴121・・・・・・・・・・・・・ピン穴120・・・・・・・・・・・・・幅の広いスリット122・・・・・・・・・・・・・幅の狭いスリット124,126,128,226・ねじ穴130・・・・・・・・・・・・・補強板134・・・・・・・・・・・・・目違い修正ボルト136・・・・・・・・・・・・・頂部固定ボルト138,138・・・・・・・・・治具固定ボルト236・・・・・・・・・・・・・治具固定ボルト148・・・・・・・・・・・・・落下防止ピン150・・・・・・・・・・・・・押圧手段(パンタグラフ) 三被告治具被告治具被告治具被告治具を用いるいるいるいる方法方法方法方法1.(目的)1-(1)複数のエレクションピース(114)を周方向に間隔をおいて上方の端部に有する既設の鉄骨柱(110)に,エレクションピース(114)に対応する複数のエレクションピース(112)を下方の端部に有する新設の鉄骨柱(116)を接合すべきとき,1-(2)既設の鉄骨柱(110)の上側に降ろした新設の鉄骨柱(116)の転倒を防 止する方法である。 2.(使用する治具)2-(1)既設の鉄骨柱の各エレクションピース(114)が入るスリット(120)と,新設の鉄骨柱(116)の各エレクションピース(112)が入るスリット(1 。 2.(使用する治具)2-(1)既設の鉄骨柱の各エレクションピース(114)が入るスリット(120)と,新設の鉄骨柱(116)の各エレクションピース(112)が入るスリット(122)とを有し,スリット(120)の水平方向の幅がスリット(122)の水平方向の幅より大きい環状の治具(118)であって2-(2)2本の目違い修正ボルト(134,134)をスリット(120)の両側にスリット(120)に対して水平方向に進退可能に取り付け2-(3)かつ1本の頂部固定ボルト(136)をスリット(120)の下側に該スリット(120)に対して上下方向に進退可能に取り付け,2-(4)また2本の治具固定ボルト(138,138)をスリット(122)の片側にスリット(122)に対して水平方向に進退可能に取り付けた治具(118)であり,これを次に述べるように配置する)。 3.(治具の配置)3-(1)スリット(120)に既設の鉄骨柱(110)のエレクションピース(114)を差し込むと共に,3-(2)スリット(122)に新設の鉄骨柱(116)のエレクションピース(112) を差し込んで所定位置に配置する。 4.(治具とエレクションピースとの連結)4-(1)その後,スリット(120)に対して進退可能である頂部固定ボルト(136)のねじ込みにより治具(118)と既設の鉄骨柱(116)のエレクションピース(112)とを連結する。 それと共に4-(2)スリット(122)に対して進退可能である治具固定ボルト(138,138)のねじ込みにより治具(118)と新設の鉄骨柱(116)のエレクションピース(112)とを連結する。 以上のような手段と作業を含む,鉄骨柱の転倒防止方法。 治具固定ボルト(138,138)のねじ込みにより治具(118)と新設の鉄骨柱(116)のエレクションピース(112)とを連結する。 以上のような手段と作業を含む,鉄骨柱の転倒防止方法。 (別紙)被告治具被告治具被告治具被告治具を使用使用使用使用するするするする鉄骨柱転倒防止方法鉄骨柱転倒防止方法鉄骨柱転倒防止方法鉄骨柱転倒防止方法(2) 一図面図面図面図面 二図面図面図面図面の説明説明説明説明(一)図面の簡単な説明図面は、既設の鉄骨柱及び新設の鉄骨柱に配置された4つ被告治具のうちの3つを正面(中央)、右側面及び左側面で示す図である。被告治具の他の1つは正面と反対の側にある。 (二)図中の参照番号の説明118・・・・・・・・・・・・・被告治具

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