主文 1 本件控訴をいずれも棄却する。 2 控訴費用は、控訴人らの負担とする。 事実及び理由 第1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す。 2 防衛大臣は、新田原飛行場において、毎日午後5時から翌日午前8時までの間、自衛隊が使用する航空機(以下「自衛隊機」という。)の運航及びエンジンの作動(以下、単に「自衛隊機の運航」という。)をさせてはならず、かつ、自衛隊機の運航により生ずる控訴人ら居住地におけるそれまでの1年間の航空 機騒音が、被控訴人が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値で75以上となる当該自衛隊機の運航をさせてはならない。 第2 事案の概要以下、略称は、本判決で定めるもののほかは、原判決のものによる。 1 本件は、宮崎県に所在し航空自衛隊が使用している新田原飛行場(本件飛行 場)の周辺に居住し又は居住していた控訴人らを含む一審原告らが、本件飛行場で運航される自衛隊機が発する騒音等によって、睡眠妨害等による身体的被害や精神的苦痛を被っていると主張して、被控訴人に対し、行政事件訴訟法37条の4、3条7項に基づく差止請求として、本件飛行場において、①毎日午後5時から翌日午前8時までの間に行われる自衛隊機の運航、②自衛隊機の運 航により生ずる控訴人ら居住地における1年間の航空機騒音が、被控訴人が防衛施設について用いている算定方法によるWECPNLの値で75以上となる当該自衛隊機の運航の各禁止を求める事案である。 原審は、一審原告らのうち、原告番号41、86、88、129及び162番の一審原告らの訴えを却下し、控訴人らを含むその余の一審原告らの請求を いずれも棄却したところ、控訴人らが上記判断を不服として本件控訴を提起し た。 2 前提 88、129及び162番の一審原告らの訴えを却下し、控訴人らを含むその余の一審原告らの請求を いずれも棄却したところ、控訴人らが上記判断を不服として本件控訴を提起し た。 2 前提事実、争点及び当事者の主張は、下記(1)のとおり補正し、当審における控訴人らの補充・追加主張を下記(2)のとおり加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中「第2章前提事実」(以下「原判決第2章」という。)、「第3章当事者の主張」及び「第4章争点」記載のとおりであるから、こ れを引用する。以下、補正して引用する原判決第2章の第1から5までの前提事実を、同章の符号により「前提事実第1の1(1)」などという。 (1) 原判決の補正ア原判決5頁10行目の「認定できる」の次に「(以下、証拠番号は、特に断りのない限り、枝番も含む。)」を加え、同頁13行目の「平成30 年7月31日現在」を削り、同頁14行目の「所在し」を「またがって所在する。平成30年7月31日時点で」と改める。 イ原判決6頁13行目から14行目にかけて及び22行目の各「平成29年12月18日」をいずれも「令和6年2月28日」と改める。 ウ原判決7頁5行目から6行目にかけて及び9行目の各「平成30年7月 31日」をいずれも「令和6年2月28日」と、同頁17行目の「旨」を「と」と、同行の「同法3条」を「3条1項」とそれぞれ改め、同頁18行目及び19行目の各「同法」をいずれも削る。 エ原判決12頁15行目の「W70」、同行の「W75」をそれぞれ「70W」、「75W」と、同頁25行目の「W70」を「70W」とそれぞ れ改める。 オ原判決15頁22行目の「W70」、同行の「W75」をそれぞれ「70W」、「75W」と改める。 カ原判決2 」、「75W」と、同頁25行目の「W70」を「70W」とそれぞ れ改める。 オ原判決15頁22行目の「W70」、同行の「W75」をそれぞれ「70W」、「75W」と改める。 カ原判決24頁26行目の「以前から順次」を「以前に制定され、その後、順次」と改める。 キ原判決25頁9行目の「の上記規定を受けて」を「が定める施工すべき 工法の適用区域に関して」と改める。 ク原判決26頁5行目の「第1」を「第Ⅰ」と改める。 ケ原判決32頁26行目から33頁8行目までを以下のとおり改める。 「 控訴人らは、いずれも少なくとも75Wの本件告示コンター内に現に居住しており、原告番号30、33ないし37、57、107、108、1 10、146、170ないし173の各控訴人ら住所及び居住期間は、本件居住経過一覧表(居住状況に争いがあるもの)の「居住状況(古い順に記載)」欄の「(原告が陳述書等で主張した住所)」部分に記載のとおりであり、その他の控訴人らの住所及び居住期間は、本件居住経過一覧表(居住状況に争いがない者)欄の「居住状況(古い順に記載)」欄に記載 のとおりである。」コ原判決36頁1行目の「B40)」の次に「、令和2年及び令和4年の時点においても顕著な変動がないこと(甲B82)」を加え、同頁6行目の「原告ら」から7行目の「原告ら6名。」までを「控訴人らのうち9名(原告番号3、4、26、27、31、32、58、118、131)。」 と改め、同頁14行目から16行目にかけての「騒音コンター外原告らの陳述書(甲D31、58、118及び131)によれば、」を削る。 サ原判決37頁2行目の「であり、」の次に「同時間帯に」を、同頁3行目の末尾の次に「これについて、九州防衛局が行った騒音測定に誤りはない (甲D31、58、118及び131)によれば、」を削る。 サ原判決37頁2行目の「であり、」の次に「同時間帯に」を、同頁3行目の末尾の次に「これについて、九州防衛局が行った騒音測定に誤りはないし、また、被控訴人から提供を受けた「報告書‐航空機騒音日報分析‐」 (甲B26)によれば、被控訴人が主張する本件飛行場の自主規制が遵守されておらず、控訴人らが主張する騒音の暴露が裏付けられる。」をそれぞれ加え、同頁14行目の「特徴」を「特性」と改める。 シ原判決38頁7行目の「特徴」を「特性」と改める。 ス原判決41頁7行目の末尾の次に「そして、騒音コンター外控訴人ら9 名にも実際に会話が妨害される被害が生じている。」を加える。 セ原判決42頁9行目の「W70」を「70W」と、同頁25行目の「嘉手納基地訴訟第一審判決」を「第3次嘉手納基地訴訟判決」とそれぞれ改め、同頁26行目の「判時2340号3頁」の次に「、福岡高裁那覇支部令和元年9月11日判決、最高裁令和3年3月24日判決」を加える。 ソ原判決45頁6行目から7行目にかけての「一部の者の原告適格は認め られないほか、」を削り、同頁8行目の「とも認められないから」を「とは認められないから」と改め、同頁10行目から16行目までを削り、同頁17行目の「(3)」を「(2)」と改める。 タ原判決48頁7行目から8行目にかけての「30、57、86、88、107ないし110、170ないし173」を「30、33ないし37、 57、107、108、110、146、170ないし173」と、同頁10行目から14行目までを以下のとおりとそれぞれ改める。 「イ原告適格について被控訴人は、第一種区域に居住すると認められる控訴人らについて、原告適格を争わない。」 し173」と、同頁10行目から14行目までを以下のとおりとそれぞれ改める。 「イ原告適格について被控訴人は、第一種区域に居住すると認められる控訴人らについて、原告適格を争わない。」 チ原判決52頁13行目の「6名」を「9名」と、同頁22行目から23行目にかけての「乙41」を「乙B41、47、59」とそれぞれ改める。 ツ原判決53頁20行目の「管制回数の過去6年間の合計は17回にすぎないこと(乙B41、D1)」を「管制回数は、平成26年度から令和3年度(6月まで)までの7年3か月間で合計20回にとどまり、このうち、 平成26年度、平成27年度及び令和3年度はいずれも0回であり、平成26年度から令和2年度までの自衛隊機の年間平均離着陸回数は約2.86回と非常に少なく、自衛隊機から発せられる騒音回数もまたこれに相応する回数になるはずであること(乙B41、47、59、D1)」と改める。 テ原判決57頁15行目から16行目にかけての「平成30年度」から1 8行目の「第4表)。」までを「令和4年度までの累計で約709億6396万円を、また、令和4年度までの累計で、空調機器機能復旧工事に約43億1553万円、防音建具復旧工事に約96億0509万円をそれぞれ支出した(乙E166)。」と改める。 ト原判決59頁16行目、24行目から25行目にかけての各「平成30 年度」をいずれも「令和4年度」と、同頁17行目の「総額約779万円を支出した(乙E89の第3表)。」を「総額約804万円を支出した(乙E166の第3表)。」と、同頁25行目から26行目にかけての「総額約246億8125万円を支出した(乙E89」を「総額約261億4486万円を支出した(乙E166」とそれぞれ改める。 ナ原判決60 3表)。」と、同頁25行目から26行目にかけての「総額約246億8125万円を支出した(乙E89」を「総額約261億4486万円を支出した(乙E166」とそれぞれ改める。 ナ原判決60頁2行目から3行目の末尾にかけての「平成31年3月末までの累計で、総額約23億1475万円を支出した(乙E89の第7表)。」を「令和4年3月末までの累計で、総額約25億3268万円を支出した(乙E166の第7表)。」と、同頁9行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同行から10行目にかけての「約90億6488万 円」を「約95億5522万円」と、同行の「乙E89」を「乙E166」と、同行から11行目にかけての「約151万2502平方メートルの土地に6万1587本の樹木を」を「平成4年度までの累計で、約166万6240平方メートルの土地に6万1587本の樹木を」と、同行の「乙E89」を「乙E166」と、同頁12行目から13行目にかけての「合 計約53万8044平方メートル」を「合計約8万3546.5平方メートル」と、同行の「乙E89」を「乙E166」と、同頁17行目から18行目にかけての「平成30年度までの累計で、総額約2億1137万円に上る(乙E89の第16表)。」を「令和4年度までの累計で、約2億2113万円に上る(乙E166の第16表)。」と、同頁22行目から 23行目にかけての「平成30年度までの累計金額は、約59億1878 万円に上る(乙E89の第9表)。」を「令和4年度までの累計金額は、約66億3364万円に上る(乙E166の第9表)。」と、同頁25行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁26行目から61頁1行目にかけての「約134億7761万円(乙E89の第11表)」を「約163億2539万円( (乙E166の第9表)。」と、同頁25行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁26行目から61頁1行目にかけての「約134億7761万円(乙E89の第11表)」を「約163億2539万円(乙E166の第11表)」とそれぞれ改める。 ニ原判決61頁2行目の「約123億3672万円(乙E89の第12表)」を「約141億1468万円(乙E166の第12表)」と、同頁4行目の「約71億1765万円(乙E89の第13表)」を「約90億8080万円(乙E166の第13表)」と、同頁5行目から6行目にかけての「約84億3026万円(乙E89の第14表)」を「約90億2 419万円(乙E166の第14表)」と、同頁8行目から9行目にかけての「平成30年度までの累計で、約24億2838万円に上る(乙E89の第15表)。」を「令和4年度までの累計で、約25億1760万円に上る(乙E166の第15表)。」とそれぞれ改める。 ヌ原判決63頁22行目から23行目にかけての「管制回数の過去6年間 の合計は17回にすぎない(乙B41、D1)」を「管制回数は、平成26年度から令和3年度(6月まで)までの7年3か月間で合計20回にとどまり、このうち、平成26年度、平成27年度及び令和3年度はいずれも0回であり、平成26年度から令和2年度までの自衛隊機の年間平均離着陸回数は約2.86回と非常に少なく、自衛隊機から発せられる騒音回 数もまたこれに相応する回数になる(乙B41、47、59、D1)」と改める。 (2) 当審における当事者らの補充・追加主張ア控訴人らの補充・追加主張(ア) 防衛大臣は、自衛隊法107条5項により、周辺住民に対する災害防 止義務を負っているところ、周辺住民に対して騒音被害を発生させるこ 充・追加主張ア控訴人らの補充・追加主張(ア) 防衛大臣は、自衛隊法107条5項により、周辺住民に対する災害防 止義務を負っているところ、周辺住民に対して騒音被害を発生させるこ ととなる自衛隊機の運航処分について、広範な裁量まで有するとはいえない。防衛大臣の判断に裁量の逸脱があるか否かにつき、最も重視されるべき事情は、周辺住民の被害であり、行政処分に高度の公共性・公益性が認められるからといって、それにより周辺住民の生命、身体に重大な危険が及んでもよいとする裁量は観念できない。 控訴人らが差止めを求めている①午後5時から翌日午前8時までの自衛隊機の運航等及び②W値75以上となる自衛隊機の運航などにより、控訴人らが被っている健康被害、睡眠妨害、生活被害及び精神的被害等は甚大であって、本件飛行場の公共性・公益性を理由として差止めを認めないことは、差止制度の実効性を欠くことになる。国防等に関する公 共的な利益は国民全体が享受するものであるところ、そのための負担を本件飛行場周辺住民だけが負わなければならない理由はない。 (イ) 騒音被害の受忍限度を画する最低限度の基準線は、本件告示コンター以外にはなく、受忍限度を超える騒音被害に暴露されていることは、本件告示コンターを基準に認定されるべきであり、実際、騒音コンター外 控訴人らにおいても、受忍限度を超える騒音に暴露されている。また、本件飛行場においては、自主規制が遵守されておらず、平成28年度の休日の飛行訓練は34日あり(甲B26)、また、夜間早朝にも相当な回数の飛行訓練が行われている(甲B26、30)。 控訴人らは、共通して突然、激烈な音が不定期に発生する航空機騒音 によって、夜間騒音による睡眠妨害(入眠妨害、中途覚醒等)によって、深刻な被 回数の飛行訓練が行われている(甲B26、30)。 控訴人らは、共通して突然、激烈な音が不定期に発生する航空機騒音 によって、夜間騒音による睡眠妨害(入眠妨害、中途覚醒等)によって、深刻な被害を受けている。 (ウ) 昭和42年に制定された公害対策基本法では、「人の健康を保護し、及び生活環境を保全するうえで維持されることが望ましい基準」を定めるとされ(9条1項)、これを受けて昭和48年12月27日環境庁告 示第154号が、地域の累計Ⅰ(専ら住居の用に供される地域)につい てW値70以下、地域の累計Ⅱ(Ⅰ以外の地域で通常の生活を保全する必要がある地域)についてW値75以下とするとの基準が示されたとおり、国自身が、健康被害のリスクを認める基準(しかも、本来の基準よりも高めの基準)をW値で70ないし75と定めたのであり、これを超える地域で、健康被害のリスクを生じさせることは、被控訴人が定めた 法に反するものである。 また、人体は非常に複雑にできており、一人として同じ個体はなく、疾病発症の原因や、発症経過及び程度も人によって千差万別であって、時間の積み重ねやその他のさまざまな要因が複雑に絡んで結果が生じるため、因果関係を一点の疑義も許されない自然科学的正確さで証明する ことはそもそも困難である。航空機騒音と疾病等の関連性に関する疫学調査・研究のほとんどが、生態学的研究や横断研究によらざるを得ないところ、暴露量の正確な計測に困難があり、他方において、対照とされた非暴露群が交通騒音をはじめとした騒音に暴露することを排除できないため、航空機騒音の暴露による影響が過小評価されてしまったり、長 期間の追跡調査が困難であったりするなどの問題がある。有意な関連性が認められないとする一部の研究結果を取り上げて、統一的な結 いため、航空機騒音の暴露による影響が過小評価されてしまったり、長 期間の追跡調査が困難であったりするなどの問題がある。有意な関連性が認められないとする一部の研究結果を取り上げて、統一的な結論が出ていないとして健康被害のリスクを否定し、あるいは不明とすることは、許されない。 控訴人らが、睡眠妨害・睡眠障害及びストレスに基づく健康被害のリ スクを負っていることは明らかであり、控訴人らが主張する各種健康被害に関しても、WHOや国連環境計画といった世界の科学的研究機関において科学的知見が示されている。国連の主要機関である国連環境計画が、各国の政策立案者や実務家によって科学的評価に基づくタイムリーかつ効果的な行動を取れるようにするため作成したレポートであるフロ ンティア2022(甲総C144。以下「フロンティア報告書」とい う。)は、騒音公害が健康を害する危険のある主要な環境問題であり、直ちに聴力を失う恐れのある140dBを超える銃声、聴力に障害を生じさせ得る1日15分以上の90~100dBの音、永続的な難聴の恐れが生じさせ得る1日8時間以上の85dB超の音が、直接的に聴力の障害を生じさせ得るものであることはもちろん、それらよりも比較的低 いレベルの一般的な騒音であったとしても、長期的に晒されると、肉体的にも精神的にも健康が害されることがあり、実際、軽度で一時的な苦痛から重度で慢性的な身体的苦痛まで、幅広い結果に及び、ヨーロッパでは、650万人が睡眠妨害に苦しんでいる他、2200万人が騒音による慢性の悩みを抱えていると推定されると報告している。これによれ ば、睡眠妨害を伴わない場合でも、1500万人以上の人に騒音による慢性的な身体的ないし精神的問題が生じていると推定され、世界保健機関(WHO)ヨーロ ると推定されると報告している。これによれ ば、睡眠妨害を伴わない場合でも、1500万人以上の人に騒音による慢性的な身体的ないし精神的問題が生じていると推定され、世界保健機関(WHO)ヨーロッパ事務局は、航空機騒音の暴露閾値として、日中・夕方・夜間の閾値は45dB(Lden)、夜間の閾値は40dB(L-night)を示し、これ以上の暴露をしないような政策を求め ている。 (エ) 被控訴人が実施した防音工事は、同一の工事仕方書に基づいて工事が施工されたとしても、それぞれ構造等を異にする個々の住宅に応じた統一的な施工結果が得られるとはいえず、防音工事施工後の時間の経過による防音効果の低減の可能性があること、個々の住宅における防音工事 による防音効果はさまざまな要素が影響するため、防音工事が施工されたことをもって、目標計画防音量を達成していることや、防音工事施工後に一律の防音効果を発揮し続けていることを推定することはできず、実際、控訴人らが、騒音測定の専門業者である日本音響エンジニアリングに依頼し、A15宅及びA69宅における騒音測定を行った結果等 (甲B56)によれば、実際に目標計画防音量を達成していない。また、 防音工事のみによる防音効果は明らかとなっておらず、防音工事による防音効果を享受するためには、閉め切った居室内に居る必要があるが、控訴人らが日常生活を通じて、密閉された居室で過ごす時間は限られているから、享受することのできる防音工事の効果には限界がある。防音工事については、窓を閉め切った生活を余儀なくされること、工事をし た部屋としてない部屋との間も閉め切る必要があり部屋の往来に手間が増えること、サッシの重量化による建物歪み等の不具合、エアコン稼働による電気代増、日常生活音の遮断など、防音 れること、工事をし た部屋としてない部屋との間も閉め切る必要があり部屋の往来に手間が増えること、サッシの重量化による建物歪み等の不具合、エアコン稼働による電気代増、日常生活音の遮断など、防音工事がなければ被ることはなかった弊害があることからすれば、控訴人らが防音工事によって有意な効果を得ているとはいえない。 また、被控訴人が行っている住宅防音工事以外のその他の周辺対策は、被控訴人が自認するように、主に助成の実施や交付金の支出であり、控訴人らの航空機騒音による被害を直接に軽減するものではなく、音源対策等についても、控訴人らに対する航空機騒音による被害を防止できるものではないから、被控訴人が主張する上記周辺対策や音源対策等を、 防衛大臣の権限の逸脱・濫用を検討する際の考慮要素に含めるべきではない。 イ被控訴人の補充・追加主張(ア) 控訴人らの騒音暴露状況を認定するに当たっては、実勢騒音に基づいて判断すべきであるところ、本件告示コンター等は10年以上前に作成 された(平成15年8月29日に告示された。)ものであり、その後、騒音低減のための様々な音源対策が施されるなどしたことにより、騒音が減少傾向にあることもあり、実勢騒音を表すものとはいえない。少なくとも、騒音コンター外控訴人ら及び控訴審係属後本件騒音コンター外の場所に転入している控訴人ら(原告番号133、178、179、1 80及び181。以下「転入控訴人ら」という。)については、年間平 均で75Wに相当する騒音暴露はないというべきである。 (イ) 本件飛行場においては、運用規則(乙E74)に基づき、午後9時から翌日の午前7時までの間は、領空侵犯に対する措置のための緊急発進、災害派遣、特別の訓練などの真にやむを得ない場合を除き、航空機 イ) 本件飛行場においては、運用規則(乙E74)に基づき、午後9時から翌日の午前7時までの間は、領空侵犯に対する措置のための緊急発進、災害派遣、特別の訓練などの真にやむを得ない場合を除き、航空機の離着陸を行っておらず、午後10時から翌日の午前7時までの間は、 地上における整備上の試運転についても、航空機の移動のための地上滑走及びアイドル運転(地上試運転を含む。)を除いて行っていない。管制航空交通量集計結果(乙B41、乙B47、乙B59の1ないし3)は、本件飛行場の管制官により、業務の通常の過程で作成されたものであり、高度の信用性を有するところ、これによれば、睡眠時間帯におけ る騒音発生回数は、平成26年度及び平成27年度0回、平成28年度1回、平成29年度2回、平成30年度5回、令和元年度9回、令和2年度3回、令和3年度9回、令和4年度17回、令和5年度12回(8月末まで)にすぎず、控訴人らを含め、本件飛行場の睡眠時間帯における騒音の発生状況は極めて限定的といえる。また、睡眠は個人差が顕著 であり、航空機騒音による人の精神面に対する影響が個人差の顕著な主観的反応であることからして、これらが控訴人らに共通して発生しているとはいえない。 なお、九州防衛局が本件飛行場に設置した自動騒音測定機による測定結果は、航空機騒音以外の音も航空機騒音として計上しており、令和3 年3月末に自動騒音測定機に実音収録機能を付加した上で測定結果を分析したところ、航空機騒音として計上された音の中に、緊急車両のサイレン音、鳥の鳴き声、雷音等が含まれていることが判明しているから、上記自動騒音測定機による測定結果は実際の航空機騒音の発生状況を示すものではない。 (ウ) フロンティア報告書は、欧州WHO環境騒音ガイドライン(甲総C 含まれていることが判明しているから、上記自動騒音測定機による測定結果は実際の航空機騒音の発生状況を示すものではない。 (ウ) フロンティア報告書は、欧州WHO環境騒音ガイドライン(甲総C第 106号証)において示された勧告値を引用するなどしてこれを敷衍するものにとどまり、上記ガイドラインにおいて勧告値が示されたことは、航空機騒音の暴露による各種疾病の発症リスクの増加を直接的に裏付けるものではないから、フロンティア報告書の内容は、健康被害のリスクが控訴人らに生じているという控訴人らの主張の裏付けとなるもの ではない。 (エ) 防音工事が施工されている住宅では防音効果が確認されており、本件訴訟の控訴審において、令和5年5月23日に実施された進行協議の際の測定結果でも、85W地区に所在し、いずれも外郭防音工事が施工されているA15宅を含めた2件の住宅で騒音測定が実施され、計画防音 量を上回る防音効果があったか、又はおおむね計画防音量に近い防音効果があったことが確認されている。 控訴人らが騒音測定を実施したとする騒音測定結果のうち、A15宅については、平成21年に外郭防音工事が行われて以降、住宅防音工事が実施されていない状況で騒音測定が行われ、A69宅は、昭和59年 に住宅防音工事が実施された以降一度も建具復旧工事が実施されておらず、建具機能が低下している可能性のある状況の居室において測定が行われており、控訴人らによるA15宅及びA69宅における騒音測定の結果は、被控訴人による住宅防音工事が十分な防音効果を生じさせていないことの根拠となるものではない。 (オ) 本件飛行場は、依然として西日本における防空の中心的な役割を果たしている。本件飛行場は、太平洋に面した西日本唯一の防空作戦を担う航空作 させていないことの根拠となるものではない。 (オ) 本件飛行場は、依然として西日本における防空の中心的な役割を果たしている。本件飛行場は、太平洋に面した西日本唯一の防空作戦を担う航空作戦基地と位置付けられており、その戦略的価値は極めて高い。 また、本件飛行場に常駐する部隊により、引き続き、災害派遣活動、民生協力活動が実施され、国民の貴重な生命身体及び財産の保護に寄与し た実績があるほか、社会貢献活動や地域経済の活性化につながる行事等 が実施されている。 また、被控訴人は、本件飛行場の使用により必然的に生じる航空機騒音が、本件飛行場周辺地域の住民に対して、日常生活上の不便や支障を生じさせるものであることに鑑み、本件飛行場において、可能な限り周辺地域の住民に配慮して様々な騒音対策を行い、できる限り周辺地域 の住民に生活上の支障が生じないよう十分に配慮している。それによって直ちに騒音値が低下するものではないが、周辺住民の生活の安定及び福祉の向上を図るものであり、本件飛行場周辺地域に対する全体的、地域的対策及び各個人に対する助成等を含めた総合的な対策も、航空機騒音の影響を解消させるために一定の効果を有するといえる。被控訴人が 周辺住民の生活の安定及び福祉の向上のために諸対策を講じ、そのために努力を尽くしていること自体が、周辺住民の騒音源に対する否定的評価を解消し又は軽減している。本件飛行場の航空機騒音についての控訴人らの受忍限度についての判断には、これらの点が十分に考慮されるべきである。 第3 当裁判所の判断 1 当裁判所も、控訴人らの請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、下記2のとおり補正し、当審における当事者らの補充・追加主張に対する判断を下記3のとおり加えるほかは、原判決の「事 の判断 1 当裁判所も、控訴人らの請求はいずれも理由がないと判断する。その理由は、下記2のとおり補正し、当審における当事者らの補充・追加主張に対する判断を下記3のとおり加えるほかは、原判決の「事実及び理由」中の「第5章当裁判所の判断」の第1から第7までに記載のとおりであるからこれを引用する。 以下、補正して引用する原判決第5章の認定事実を、同章の符号により「認定事実第1の1」などという。 2 原判決の補正(1) 原判決66頁17行目の「上、一部の原告らについては、原告適格も認められない」及び同頁19行目から67頁8行目までをいずれも削る。 (2) 原判決67頁9行目の「3」を「2」と、同頁17行目の「後記第4の2 (3)記載のとおり」を「後記第4の2(3)及び同第5の2のとおり」と、同頁18行目の冒頭から19行目の「年間70W前後の」までを「控訴人らは、年間75W以上の」と、同頁20行目の「夜間」から23行目の末尾までを「午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後7時から午後10時までの時間帯において、 70dB以上の騒音の発生回数が相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと、複数の控訴人が、陳述書等で、スクランブル発進により目を覚ました経験があることなどを訴えていることからすると、控訴人らが日常的ではないもののある程度の回数の航空機騒音に暴露し、一定の睡眠妨害を被っていると認める ことができるから、これらの被害を軽視することはできない。」とそれぞれ改める。 (3) 原判決68頁5行目の「口頭弁論終結日において、原告らの」を「当審口頭弁論終結日(令和6年2月28日)において、第一種 きるから、これらの被害を軽視することはできない。」とそれぞれ改める。 (3) 原判決68頁5行目の「口頭弁論終結日において、原告らの」を「当審口頭弁論終結日(令和6年2月28日)において、第一種区域又はその内側の地区(以下「第一種区域内」という。)に居住している控訴人らの」と、同 頁6行目の「認められる。」を「認められる(なお、被控訴人は、第一種区域に居住すると認められる控訴人らについて、原告適格を争わないところ、後述の第4の1のとおり、控訴人らは、上記同日時点で、全員が第一種区域内に居住していると認められ、控訴人らは原告適格を有すると認められる。)。」とそれぞれ改め、同頁14行目から16行目までを削る。 (4) 原判決69頁24行目の「24、」の次に「27、」を、同頁25行目の「36」の次に「、乙E160から165」をそれぞれ加える。 (5) 原判決70頁12行目から13行目にかけての「平成30年6月」を「令和5年12月」と、同行の「128」を「163」と、同頁14行目の「平成30年10月」を「令和5年12月」と、同行の「148」を「159」 とそれぞれ改める。 (6) 原判決71頁4行目及び8行目の各「30、57、86、88、107ないし110」を「30、33ないし37、57、107、108、110、146」とそれぞれ改め、同頁6行目の「本件居住経過一覧表」の次に「(居住状況に争いがないもの)」を、同頁9行目から10行目にかけての「甲個30C(枝番号も含む。)、」の次に「原告番号33ないし37の控 訴人らにつき甲個33C、」をそれぞれ加え、同頁11行目の「原告番号86」から12行目の「甲個88C(枝番を含む。)」までを削り、同行から13行目にかけての「原告番号107ないし110の各原告」を「 訴人らにつき甲個33C、」をそれぞれ加え、同頁11行目の「原告番号86」から12行目の「甲個88C(枝番を含む。)」までを削り、同行から13行目にかけての「原告番号107ないし110の各原告」を「原告番号107、108、110の各控訴人」と、同頁13行目の「甲108C(枝番号を含む。)」を「甲個107C、108C、109C、110C、原告 番号146の控訴人につき甲個146C」とそれぞれ改め、同頁15行目の「本件居住経過一覧表」の次に「(居住状況に争いがあるもの)」を、同頁22行目の末尾の次に「そうすると、控訴人らは、全員、第一種区域内に居住していると認められる。」をそれぞれ加える。 (7) 原判決73頁15行目の「施設庁方式は、」の次に「航空機の運航状況等 に大きな違いがある」を加え、同頁16行目の「同じW値であれば、同じ住民反応が示されるようにするため、」を「住民反応が同程度であれば、算出されるW値が同等の値となるようにするため、」と改める。 (8) 原判決74頁1行目の「おおむね3W」から3行目の末尾までを「3ないし5W程度高くなること(甲B15)、この幅の範囲内のいずれの数値を採 用しても、不合理な読み替えに当たるものではなく、控訴人らが、補正に当たって、環境庁方式のW値に、上記の中間値である4を加えるのが相当であると主張していることを踏まえると、環境庁方式のW値を補正して施設庁方式の数値の近似値を求める場合、環境庁方式のW値に4を加えることとする。」と、同頁10行目の「6、8」を「6ないし8」と改める。 (9) 原判決75頁11行目の「から現在に至るまで」を「以降」と、同頁20 行目から21行目にかけての「変更されることなく現在も有効とされ」を「、控訴審の口頭弁論終結日(令和6年2月28 (9) 原判決75頁11行目の「から現在に至るまで」を「以降」と、同頁20 行目から21行目にかけての「変更されることなく現在も有効とされ」を「、控訴審の口頭弁論終結日(令和6年2月28日)においても変更されておらず」とそれぞれ改める。 (10) 原判決76頁18行目の「甲B39」を「、44、45、52、65、甲B39、82」と、同頁20行目の「騒音発生回数等は」から23行目の末 尾までを「騒音発生回数等(時間帯別)は、別紙4-2のとおり(ただし、別紙4-2は令和3年9月までの数値を集計したものであり、同年度では4月から9月までの測定結果になっている。)であり、九州防衛局騒音対策課ではその後も騒音測定がされているところ、令和5年11月までの騒音測定結果を反映した各騒音測定地点における年度別平均W値、年度別騒音発生回 数は、別紙4-3(ただし、令和5年度は、同年4月から11月までの分である。)のとおりである(乙B65)。」とそれぞれ改める。 (11) 原判決77頁2行目の「36」の次に「、85」を加え、同頁3行目の「平成31年3月」を「令和5年3月」と、同頁4行目の「24」を「35」と、同頁5行目の「別紙5」を「別紙5-2」と、同頁13行目の「別紙6」 を「別紙6-2」と、同頁15行目の「3W」を「4W」とそれぞれ改める。 (12) 原判決78頁4行目の「証拠上最も新しい平成31年度の年間W値」を「令和4年度の年間平均W値の施設庁方式近似値」と、同頁5行目の「1. 5W減少」を「2.0ポイント減少」と、同行の「0.2W増加」を「3. 9ポイント減少」と、同頁6行目の「5.7W減少」を「5.9ポイント減 少」と、同行の「4.5W減少」を「4.9ポイント減少」と、同頁7行目の「0.2W減少」を「4.1ポイント 増加」を「3. 9ポイント減少」と、同頁6行目の「5.7W減少」を「5.9ポイント減 少」と、同行の「4.5W減少」を「4.9ポイント減少」と、同頁7行目の「0.2W減少」を「4.1ポイント減少」と、同行の「3.0W増加」を「1.7ポイント減少」と、同頁8行目の「また、」を「一方、」と、同頁10行目から11行目にかけての「平成13年度と証拠上最も新しい平成30年度の年間W値は同一であり」を「平成13年度とのW値と令和3年度 の推定W値(Lden+13)は同一であり」と、同頁13行目の「と平成 30年度の年間W値を比較すると0.7W減少」を「の年間W値と令和3年度の推定W値(Lden+13)を比較すると1.7ポイント減少」とそれぞれ改め、同頁14行目から15行目にかけての「証拠上最も新しい」を削り、同行の「0.3W減少」を「0.3ポイント減少」と、同頁17行目から18行目にかけての「平成30年度の年間W値を比較すると3.5W減少」 を「令和3年度の推定W値(Lden+13)を比較すると3.5ポイント減少」と、同頁20行目から21行目にかけての「1年を下回るものが多く、長期的なW値の推移を把握することが困難である。」を「比較的短く、これらの資料から長期的なW値の推移を把握するのは困難であるところ、2年以上にわたってほぼ継続的に測定が行われている2地点(③十文字西、㉙十文 字)では、当初の観測時点(③十文字西は平成26年4月、㉙十文字は令和2年3月)と最終の観測時点(③十文字西は平成28年4月、㉙十文字は令和4年12月)を比較するとW値は増加しており(③十文字西は2.1ポイント、㉙十文字は0.2ポイント)、令和5年3月時点まで1年にわたって継続的に観測されている地点(㉘平伊倉)では、令和4年4月と令和5年3 月)を比較するとW値は増加しており(③十文字西は2.1ポイント、㉙十文字は0.2ポイント)、令和5年3月時点まで1年にわたって継続的に観測されている地点(㉘平伊倉)では、令和4年4月と令和5年3 月のW値を比較すると0.6ポイント増加しているから、長期的にW値が減少傾向にあるというのは困難である。」と、同頁23行目の「全体的に」から79頁1行目の「踏まえても」までを「減少している地点が多くみられるとはいえ、変わらなかったり、増加したりしている地点もあり、一地点(九州防衛局騒音測定結果のNo.3の地点)においては、施設庁方式近似値に 換算したW値は、令和2年度が84.7Wであったのに対し、令和3年度が85.9W、令和4年度が85.6Wと増加し、上記地点に係る告示コンターのW値(85W)を上回っている。このことに加え、上記比較した各地点におけるW値(これに近似する値等を含む)の比較において、減少がみられる地点においても、減少幅の多くが5ポイント未満であり、一地点(九州防 衛局騒音測定結果のNo.3の地点)の観測の過程において、5ポイント以 上の減少がみられた地点があることを踏まえても」とそれぞれ改める。 (13) 原判決79頁13行目の「ないから、」の次に「被控訴人の上記①の主張は」を加え、同頁14行目から23行目までを以下のとおり改める。 「 また、②九州防衛局、新富町及び宮崎県における観測結果によれば、本件飛行場周辺における騒音量は、平成14年騒音調査及び本件各コンター作成 後、減少している地点が多くみられるとはいえ、変わらなかったり、増加したりしている地点もあり、一地点(九州防衛局騒音測定結果のNo.3の地点)においては、施設庁方式に換算したW値は、令和3年度及び令和4年度において、令和2年度よ るとはいえ、変わらなかったり、増加したりしている地点もあり、一地点(九州防衛局騒音測定結果のNo.3の地点)においては、施設庁方式に換算したW値は、令和3年度及び令和4年度において、令和2年度より増加し、上記地点に係る告示コンターのW値(85W)を上回っており、上記比較した各地点におけるW値(これに近似する 値等を含む)の比較において、減少がみられる地点においても、減少幅の多くが5ポイント未満であり、一地点(九州防衛局騒音測定結果のNo.3の地点)の観測の過程において、5ポイント以上の減少がみられたことを踏まえても、本件告示コンター作成当時の騒音量との乖離が顕著であるといえないことは、上記第4の2(1)ア(ウ)dのとおりであるから、被控訴人の上記② の主張も採用することができない。 したがって、被控訴人の上記主張は採用することができない。」(14) 原判決80頁9行目から81頁24行目までを以下のとおり改める。 「 前提事実第4の1(2)エ並びに第5の2(1)及び(2)によれば、本件告示コンターは、自衛隊等の行為又は防衛施設の設置若しくは運用により生ずる障 害の防止等のため防衛施設周辺地域の生活環境等の整備について必要な措置を講ずるとともに、自衛隊の特定の行為により生ずる損失を補償することにより、関係住民の生活の安定及び福祉の向上に寄与するとの目的(環境整備法1条)の下、その一環として、自衛隊等の航空機の離陸、着陸等のひん繁な実施により生ずる音響に起因する障害が著しいと認めて防衛大臣が指定す る防衛施設の周辺の区域に当該指定の際現に所在する住宅について、その所 有者又は当該住宅に関する所有権以外の権利を有する者がその障害を防止し、又は軽減するため必要な工事を行うときは、その工事に関し助成の措置 の区域に当該指定の際現に所在する住宅について、その所 有者又は当該住宅に関する所有権以外の権利を有する者がその障害を防止し、又は軽減するため必要な工事を行うときは、その工事に関し助成の措置を採るものとされたことを受けて(環境整備法4条)、上記指定を適切に実施するために、大規模かつ精密な平成14年騒音調査を元に作成された正確かつ信頼性の高いものである騒音コンターに、特に関係の深い地方自治体との調 和を図るため、関係地方公共団体の意見を聴取した上で、行政区画、集落の状況、道路、河川等に即して最小限の修正を施して定められたと認められる。 そうすると、本件告示コンターは、大規模かつ精密な上記騒音コンターに当該地域の実情に精通した関係地方公共団体の意見を踏まえて必要かつ相当な限度で修正を施したものであって、防衛施設周辺地域の騒音暴露状況に即し た適正な行政を実施する基礎とするのにふさわしいものであるいえ、本件飛行場周辺の騒音状況について強い推認力を有するものであって、本件飛行場周辺の騒音暴露状況を認定するための資料として最も適切なものといえる。 また、一定地域における住宅防音工事は、その性質上相応の期間にわたって実施されることが想定されるから、その助成の基礎となる本件告示コンター 等もまた相応の期間にわたって基準となるものとの想定の下で作成されたと考えられ、被控訴人が、平成14年以降、長期的に騒音暴露の低減状況が続いているとしながら、本件告示コンターの改定を行っていない事実はこれを裏付けるものといえる。これらに照らせば、前記第4の2(1)ア(ウ)a記載のとおり、本件告示コンター等作成時の騒音状況が、その後の事情の変更によ り、実際の騒音状況との乖離が顕著となっていない限りは、本件告示コンター等に基づいて騒音状況を認 2(1)ア(ウ)a記載のとおり、本件告示コンター等作成時の騒音状況が、その後の事情の変更によ り、実際の騒音状況との乖離が顕著となっていない限りは、本件告示コンター等に基づいて騒音状況を認定するのが合理的であって、このことは、上記修正の結果、本件告示コンターと本件騒音コンターが一致しない部分についても変わることはないというべきである。 そして、騒音コンター外控訴人らの居住地及び転入控訴人らの前後の居住 地は、「本件居住経過一覧表」のとおりであるところ、いずれも本件告示コ ンターの区域内に位置すること(弁論の全趣旨)、いずれも陳述書(甲D3、26、31、58、118、131、133、178)により、自身及び同居家族が日々被っている騒音被害につき陳述するほか、A3(原告番号3)、A26(原告番号26)、A32(原告番号32)、A58(原告番号58)及びA118(原告番号118)は、令和5年の時点まで、生活に支障が出 る程度の航空機騒音に継続的に暴露されている旨を陳述し(甲B67ないし71)、本件とは別の訴訟(当庁令和3年(ネ)第112号損害賠償請求控訴事件)における本人尋問において同旨の供述をしていること(甲E8ないし14)、前記第4の2(1)ア(ウ)d及び同eのとおり、本件告示コンター等と実際の騒音状況の乖離が顕著であるとは認められないことからすれば、騒 音コンター外控訴人ら及び転入控訴人らを含め、控訴人らは、いずれも75Wを超える騒音に暴露されていると認めるのが相当である。」(15) 原判決82頁2行目から86頁19行目までを以下のとおり改める。 「 九州防衛局では、自動騒音測定器によって、平成14年から70dB以上の騒音を航空機騒音とみなして測定しているところ、別紙4-2に基づ き、平成 86頁19行目までを以下のとおり改める。 「 九州防衛局では、自動騒音測定器によって、平成14年から70dB以上の騒音を航空機騒音とみなして測定しているところ、別紙4-2に基づ き、平成27年度と令和2年度(なお、令和3年度は、4月から9月までの測定結果である。)における騒音発生回数をみるに、その回数は、①No.1の地点で、1万8122回(平成27年度)、1万0042回(令和2年度)、②No.2の地点で、1万5708回(平成27年度)、1万0907回(令和2年度)、③No.3の地点で、1万6172回(平 成27年度)、1万0479回(令和2年度)、④No.4の地点で、1万1955回(平成27年度)、5801回(令和2年度)、⑤No.5の地点で、2679回(平成27年度)、2360回(令和2年度)、⑥No.6の地点で、5440回(平成27年度)、8081回(令和2年度)であるところ、そのうち、午後7時から翌日午前7時までの時間帯に おける70dB以上の騒音の発生回数をみるに、その回数は、①No.1 の地点で、993回(平成27年度)、941回(令和2年度)、②No. 2の地点で、1038回(平成27年度)、990回(令和2年度)、③No.3の地点で、1354回(平成27年度)、859回(令和2年度)、④No.4の地点で、626回(平成27年度)、458回(令和2年度)、⑤No.5の地点で、70回(平成27年度)、158回(令 和2年度)、⑥No.6の地点で、245回(平成27年度)、730回(令和2年度)にとどまり、更に午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数をみるに、その回数は、①No. 1の地点で、14回(平成27年度)、65回(令和2年度)、②No. 2の地点で、1 まり、更に午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数をみるに、その回数は、①No. 1の地点で、14回(平成27年度)、65回(令和2年度)、②No. 2の地点で、106回(平成27年度)、35回(令和2年度)、③No. 3の地点で、347回(平成27年度)、33回(令和2年度)、④No. 4の地点で、17回(平成27年度)、7回(令和2年度)、⑤No.5の地点で、45回(平成27年度)、17回(令和2年度)、⑥No.6の地点で、15回(平成27年度)、44回(令和2年度)となっており、午後7時から午後10時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生 回数を控除すると、70dB以上の騒音の発生回数は限られている。また、令和3年3月末に実音収録機能を付加し、令和3年4月から同年6月までの間に実音収録機能により収録された音を分析した結果によると、航空機騒音として記録されたものの中に70dB以上の緊急車両のサイレン音、鳥の鳴き声、雷音等、航空機騒音以外の音源によるものも含まれていたこ とが判明したとされ(乙B50。それに反する証拠は存しない。)、令和3年4月から同年9月までの6か月間においては、No.1からNo.6の各地点における騒音の発生回数は、それぞれNo.1で5219回、No.2で4888回、No.3で5530回、N0.4で3076回、No.5で898回、No.6で3790回となっているところ、午後7時 から午後10時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は、 No.1で658回、No.2で581回、No.3で689回、No. 4で383回、No.5で84回、No.6で472回にとどまり、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数 で658回、No.2で581回、No.3で689回、No. 4で383回、No.5で84回、No.6で472回にとどまり、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は、いずれも0回となっている。その後の70dB以上の騒音の発生回数をみても(前述のとおり、別紙4-2は、令和3年9月までの騒音測 定結果を集計したものである。)、令和4年度においては、N0.1からNo.6の各地点における騒音発生回数は、No.1で1万2030回、No.2で1万1366回、No.3で1万0720回、No.4で6624回、No.5で2145回、No.6で7006回であるところ(乙B45の4)、午後7時から午後10時までの時間帯における70dB以 上の騒音の発生回数は、No.1で1111回、No.2で848回、No.3で839回、No.4で551回、No.5で106回、No.6で424回になっており、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は、No.1で7回、No.2で6回、No.3で7回、No.4で2回、NO.5で2回、No.6で6回(乙 B45の4)にとどまる。 一方、本件飛行場における運用規則(乙E74)によれば、午後9時から翌日の午前7時までの間は、領空侵犯に対する措置のための緊急発進、災害派遣、特別の訓練などの真にやむを得ない場合を除き、航空機の離着陸を行わず、午後10時から翌日の午前7時までの間は、地上における整 備上の試運転についても、航空機の移動のための地上滑走及びアイドル運転(地上試運転を含む。)を除いて行わず、夜間飛行訓練は、原則として週2日間とすることとされており、本件飛行場における航空機の運航について管制官による管制が行われ、管制官が管制業務の結 びアイドル運転(地上試運転を含む。)を除いて行わず、夜間飛行訓練は、原則として週2日間とすることとされており、本件飛行場における航空機の運航について管制官による管制が行われ、管制官が管制業務の結果に基づいて作成した日誌を作成しているところ(乙B53)、同日誌に基づいて管制回数 を算定した航空交通量集計結果(乙B41、乙B47、乙B59)によれ ば、本件飛行場における午後10時1分から翌日午前7時までの時間帯において航空機の離発着が行われた発生回数は、平成26年度及び平成27年度0回、平成28年度1回、平成29年度2回、平成30年度5回、令和元年度9回、令和2年度3回、令和3年度9回、令和4年度17回、令和5年度11回(8月末まで)にとどまり、本件飛行場における運用規則 (乙E74)と沿う内容になっている(ただし、航空交通量集計結果は、単に、午後10時1分から翌日午前7時までの時間帯において離発着した航空機の数を集計したものというのであるから(乙B49の2)、1回の離着陸によって同一航空機の騒音が特定の観測地点において、複数回観測されたりすることまで否定されるものではないといえる。)。実際、控訴 人らのうち、A3(原告番号3)、A18(原告番号18番)、A24(原告番号24番)、A26(原告番号26番)及びA58(原告番号58番)は、令和5年7月12日に実施された別訴(当庁令和3年(ネ)第112号、令和4年(ネ)第7号損害賠償請求控訴、同附帯控訴事件)における本人尋問において、本件飛行場において航空機が飛行している時 間につき、概ね、夏場は午後9時頃まで、冬場は午後8時頃までであるとの旨を供述していること(甲E8、11ないし14)がそれぞれ認められる。 控訴人らは、午後5時から翌朝午前8時まで 時 間につき、概ね、夏場は午後9時頃まで、冬場は午後8時頃までであるとの旨を供述していること(甲E8、11ないし14)がそれぞれ認められる。 控訴人らは、午後5時から翌朝午前8時までの航空機騒音を問題とするところ、上記事実によれば、そのうち午後7時から翌日午前7時までの時 間帯において、航空機騒音の発生が認められるものの、午前7時から午後7時までの時間帯の航空機騒音の発生回数と比較すると格段に少ない上、そのうち午後7時から午後10時までの時間帯においては、相応の航空機騒音の発生が認められるものの、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における騒音の発生は限られており、このような状況は、当審口頭弁論 終結日(令和6年2月28日)まで継続していると考えられる(なお、控 訴人らが被控訴人から提供を受けた資料に基づき、平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間、No.1の地点における時間別の70dB以上の航空機騒音の発生回数を集計したとする資料(甲B26)によれば、午後5時台から午後7時台までの時間帯において、午前9時台から午前11時台、午後1時台から午後3時台ほどではないが、70dB以上 の航空機騒音が一定の回数(毎日ではない)あり、午前7時台も僅かだがあることが認められる。)。そして、航空機騒音の特性等に照らすと、地域及び期間によって程度の違いはあるものの、基本的な傾向は控訴人らの居住地全般にあてはまると考えられること、自衛隊の飛行機1機当たりの騒音自体は日中でも夜間でも基本的に異ならないことにも照らせば、控訴 人らは、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、午前7時から午後7時までの時間帯のような頻度ではないものの、航空機騒音に暴露していると認められる。 (3) 控訴人らの らせば、控訴 人らは、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、午前7時から午後7時までの時間帯のような頻度ではないものの、航空機騒音に暴露していると認められる。 (3) 控訴人らの騒音暴露状況のまとめ以上によれば、控訴人らは、騒音コンター外控訴人ら及び転入控訴人ら を含め、全員が、本件飛行場における自衛隊機の運航から生じる年間75W以上の航空機騒音に暴露していると認められる。 また、控訴人らは、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、日中ほどの頻度ではないものの、航空機騒音に暴露していること、そのうち、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒 音の発生回数は限られていることが認められる。」(16) 原判決86頁25行目の「その存在を」から87頁2行目の末尾までを「航空機が飛行する際に通常発生すると考えられるものであって、本件飛行場における航空機の飛行によって一定程度は発生していると思われるが、その発生状況を具体的に把握できる証拠はなく、独立の不法行為を構成するほ どの違法性を有するといえる受忍限度を超えた振動や排気ガスの発生の事実 を認めることはできない。」と改める。 (17) 原判決88頁8行目の「自立神経」を「自律神経」と、同頁23行目の「③睡眠妨害」を「①睡眠妨害」とそれぞれ改める。 (18) 原判決93頁1行目と2行目の間に以下のとおり加え、同行の「エ」を「オ」と改める。 「エフロンティア報告書国連環境計画が令和4年に公表したフロンティア報告書(甲総C144)には、次の記載がある。 「公衆衛生に対する騒音の悪影響は多岐にわたり、世界的な懸念を高めています。」「夜間の騒音は睡眠を妨げ、翌日の健康に影響を与えます。 推定によ 報告書(甲総C144)には、次の記載がある。 「公衆衛生に対する騒音の悪影響は多岐にわたり、世界的な懸念を高めています。」「夜間の騒音は睡眠を妨げ、翌日の健康に影響を与えます。 推定によると、ヨーロッパでは2200万人が慢性的な騒音の不快感に、650万人が睡眠障害に、それぞれ苦しんでいると推定されています。」「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」「交通騒音への暴露が、高血圧や動脈性高血圧症、冠動脈疾患、糖尿病 などの心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であるという証拠が増えてきています。」「長期的に環境騒音に晒されることが、ヨーロッパで毎年、控え目に見積もって4万8000件の虚血性心疾患の新規発症と1万2000件の早死をもたらしていることが示されています。」「異なる大陸の多くの地域を代表する研究から得られた科学的根拠がW HOの調査で用いられ、その科学的根拠は、騒音曝露の閾値の基準の根拠を提供しています。この広範囲の研究は、世界中の騒音規制政策に情報提供すべく、これらの閾値が採用されることを支持しています。」(19) 原判決94頁3行目の「オ」を「カ」と、同頁16行目の「など」を「、フロンティア報告書においても、「夜間の騒音は睡眠を妨げ、翌日の健康に 影響を与えます。推定によると、ヨーロッパでは2200万人が慢性的な騒 音の不快感に、650万人が睡眠障害に、それぞれ苦しんでいると推定されています。」「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」と記載されており、夜間の騒音が睡眠を妨げることや、騒音によって覚醒した場合に生理 ンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」と記載されており、夜間の騒音が睡眠を妨げることや、騒音によって覚醒した場合に生理的及び心理的ストレス反応を引き起こすとされているこ と」と、同頁18行目の「加えて」を「また」とそれぞれ改め、同頁24行目の「航空機騒音は、」の次に「一般的に、」を加え、同頁26行目の「原告らは」から95頁2行目から3行目にかけての「暴露していると認められ」までを「午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後7時から午後10時までの時間帯にお いて、70dB以上の騒音の発生回数が相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと」と改める。 (20) 原判決95頁4行目の「上記時間帯において」を削り、同頁18行目の「現在の最新の」を「専門的科学的」と、同頁19行目の「利害調整」を 「観点からの検討」と、同頁20行目の「その有用性」から21行目の「超えている。」までを「これが法律的評価を行う際の尺度となるものでないとする被控訴人の上記主張は採用することはできない。」と、同頁25行目の「有益な証拠」を「有用な資料」とそれぞれ改める。 (21) 原判決98頁25行目の「85W」を「85Wから90W」と改める。 (22) 原判決106頁1行目の「理解できるところである。」を「理解されるほか、フロンティア報告書が、「騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」としていることからも裏付けられる。」と改める。 (23) 原判決107頁9行目の「特に提出されていない」を「見当たらない」と、 まざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」としていることからも裏付けられる。」と改める。 (23) 原判決107頁9行目の「特に提出されていない」を「見当たらない」と、 同頁11行目の「及ぼし得ると認めることはできない。」を「及ぼし得る程 度のものであることを認めるには足りない。」とそれぞれ改める。 (24) 原判決110頁24行目の「客観的証拠は」から26行目の末尾までを「証拠は見当たらず、上記聴覚障害が航空機騒音ではない疾患等によって生じた可能性も否定できないことも考慮すれば、控訴人らがアンケートにおいて訴える聴覚障害が本件飛行場の航空機騒音によって生じたかは明らかでな く、本件飛行場の航空機騒音が周辺住民らの聴覚障害の発症リスクを増大させるものであるか否かも不明というほかない。」と改める。 (25) 原判決111頁8行目の「異なるのであって、現に、」を「異なること、」と改める。 (26) 原判決122頁1行目の末尾の次に「また、フロンティア報告書には、 「睡眠はホルモンの調節と心血管の機能に必要なため、騒音による覚醒は、さまざまな生理的および心理的ストレス反応を引き起こします。」「交通騒音への暴露が、高血圧や動脈性高血圧症、冠動脈疾患、糖尿病などの心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であるという証拠が増えてきています。」「長期的に環境騒音に晒されることが、ヨーロッパで毎年、控え目に見積も って4万8000件の虚血性心疾患の新規発症と1万2000件の早死をもたらしていることが示されています。」「異なる大陸の多くの地域を代表する研究から得られた科学的根拠がWHOの調査で用いられ、その科学的根拠は、騒音曝露の閾値の基準の根拠を提供しています。この広範囲の研究は、世界中の騒音規制政 ます。」「異なる大陸の多くの地域を代表する研究から得られた科学的根拠がWHOの調査で用いられ、その科学的根拠は、騒音曝露の閾値の基準の根拠を提供しています。この広範囲の研究は、世界中の騒音規制政策に情報提供すべく、これらの閾値が採用されることを 支持しています。」との記載があり(前記第5の2エ)、フロンティア報告書の公表時までに、一定以上の騒音暴露が心血管や代謝の異常を引き起こす危険因子であることや、騒音暴露と上記疾患との相関関係を示唆する一定数の研究結果が発表されたことがうかがわれるが、その発表結果から控訴人らの航空機騒音の暴露によって、控訴人らが主張する各種疾病の発症リスクの 増加が控訴人らの共通損害となるものとして、直接裏付けられているとは認 め難い。」を、同頁19行目の「原告らが」の次に「共通して」をそれぞれ加え、同頁21行目の「いずれにせよ」から23行目の末尾までを「上記WHO環境騒音ガイドラインの指摘する心循環器系への影響が控訴人らの共通損害ということはできない。」と改める。 (27) 原判決126頁5行目の「原告らの」から7行目の末尾までを「上記2な いし4の判断が妨げられることはないというべきである。」と、同頁14行目から15行目にかけての「平成30年度」から16行目の末尾までを「住宅防音工事の助成費として令和4年度までの累計で約709億6396万円、空調機器機能復旧工事の助成費として令和4年度までの累計で約43億1552万9000円、防音建具復旧工事の助成費として令和4年度までの累計 で約96億508万8000円をそれぞれ支出している(乙E166)。」とそれぞれ改め、同頁24行目を削り、同頁25行目の「a」を「(ア)」と、127頁11行目の「b」を「(イ)」と、同頁19行目の「c」を 6億508万8000円をそれぞれ支出している(乙E166)。」とそれぞれ改め、同頁24行目を削り、同頁25行目の「a」を「(ア)」と、127頁11行目の「b」を「(イ)」と、同頁19行目の「c」を「(ウ)」と、同頁26行目の「d」を「(エ)」とそれぞれ改める。 (28) 原判決128頁6行目と7行目との間に以下のとおり加える。 「(オ) 本件訴訟の控訴審における令和5年5月23日に実施された現地進行協議期日における測定結果(甲B77、乙B57)令和5年5月23日、本件訴訟の控訴審における現地進行協議期日において、本件飛行場周辺に位置するいずれも本件85W指定地域に位置し、外郭防音工事が実施された住宅2棟(被控訴人協力者宅と控訴人A 15(原告番号15)の住宅(A15宅)。被控訴人協力者宅は令和4年度に外郭防音工事が実施された住宅であり、A15宅は、昭和53年度に2室、昭和56年度に3室の住宅防音工事、平成21年度に外郭防音工事及び建具復旧工事が実施された住宅である(乙E144)。)の内部の居室及び屋外でそれぞれ騒音測定を実施したところ、被控訴人協 力者宅では、控訴人らの測定では、29.4dBから37.3dBの、 被控訴人の測定では、29.7dBから36.6dBの防音効果が認められ、A15宅では、控訴人らの測定では、17.7dBから26.5dBの、被控訴人の測定では、23.2dBから25.0dBの防音効果が認められた。」(29) 原判決129頁5行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁6行 目の「総額約779万円を支出した(乙E89の第3表)。」を「総額約803万6000円を支出した(乙E166の第3表)。」と、同頁14行目から15行目にかけての「平成30年度」から16行目の末尾までを「令 総額約779万円を支出した(乙E89の第3表)。」を「総額約803万6000円を支出した(乙E166の第3表)。」と、同頁14行目から15行目にかけての「平成30年度」から16行目の末尾までを「令和4年度までの累計で、総額約261億4486万6000円を支出した(乙E166の第6表及び第8表)。」と、同頁18行目から19行目にかけて の「平成31年」から20行目の末尾までを「令和5年3月末までの累計で、約25億3268万2000円を支出した(乙E166の第7表)。」と、同頁23行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁24行目の「約90億6488万円を支出した(乙E89の第10表)。」を「約95億5522万2000円を支出した(乙E166の第10表)。」と、同頁26 行目の「新富町に対し、合計約53万8044平方メートル」を「本件飛行場周辺地区の緑地帯整備の実績は、昭和39年度から令和4年度までの累計で166万6239.72平方メートルに及んでいるほか、新富町長を被許可者として、65万4864.74平方メートル」とそれぞれ改める。 (30) 原判決130頁1行目の「無償使用を許可している(乙E89の第19 表)。」を「使用(うち無償使用分は8万3546.5平方メートル)を許可している(乙166の第17表及び第19表)。」と、同頁5行目から6行目にかけての「平成30年度までの累計で、総額約2億1137万円を支出した(乙E89の第16表)。」を「令和4年度までの累計で、総額2億2112万6000円を支出した(乙E166の第16表)。」と、同頁1 0行目から11行目にかけての「平成30年度までの累計で、約59億18 78万円を支出した(乙E89の第9表)。」を「令和4年度までの累計で、約66億3364 16表)。」と、同頁1 0行目から11行目にかけての「平成30年度までの累計で、約59億18 78万円を支出した(乙E89の第9表)。」を「令和4年度までの累計で、約66億3364万円を支出した(乙E166の第9表)。」と、同頁12行目の「平成30年度」を「令和4年度」と、同頁13行目から14行目にかけての「約134億7761万円を(乙E89の第11表)」を「163億2539万1000円(乙E166の第11表)」と、同頁15行目から 16行目にかけての「約123億3672万円を(乙E89の第12表)」を「141億1467万7000円(乙E166の第12表)」と、同頁17行目から18行目にかけての「約71億1765万円を(乙E89の第13表)」を「90億8080万3000円(乙E166の第13表)」と、同行から19行目にかけての「約84億3026万円を(乙E89の第14 表)」を「90億2418万9000円(乙E166の第14表)」と、同頁21行目から22行目にかけての「平成30年度までの累計で、約24億2838万円を支出した(乙E89の第15表)。」を「令和4年度までの累計で、約25億1759万7000円を支出した(乙E166の第15表)。」とそれぞれ改める。 (31) 原判決132頁18行目「75Wの」から20行目の「年間70W前後の」までを「騒音コンター外控訴人ら及び転入控訴人らを含め、控訴人らは、いずれも年間75W以上の」と、同頁21行目から22行目にかけての「これらの原告らは、」から24行目の末尾までを「午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後 7時から午後10時までの時間帯において、70dB以上の騒音の発生回数が相応に認められ、 でを「午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後 7時から午後10時までの時間帯において、70dB以上の騒音の発生回数が相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと、複数の控訴人が、陳述書等で、スクランブル発進により目を覚ました経験があることなどを訴えていることからすると、控訴人らが日常的ではないもののある程度の回数の航空機騒音に暴 露し、一定の睡眠妨害を被っていると認めることができるから、これらの被 害を軽視することはできない。」とそれぞれ改める。 (32) 原判決133頁6行目の末尾の次に「また、被控訴人の自主規制が実施されている深夜の時間帯を含む上記午後10時から午前7時までの時間帯と比べ、その前後の時間帯である午後5時から午後10時まで及び午前7時から午前8時の時間帯における控訴人らが受け得る睡眠妨害などがより重大なも のであるとまではいえない。」を加える。 3 当審における当事者らの補充・追加主張について(1) 控訴人らの補充・追加主張についてア控訴人らは、防衛大臣において、周辺住民に対して騒音被害を発生させることとなる自衛隊機の運航処分について、広範な裁量まで有するとはい えず、防衛大臣の判断に裁量の逸脱があるか否かにつき、最も重視されるべき事情は、周辺住民の被害であり、行政処分に高度の公共性・公益性が認められるからといって、それにより周辺住民の生命、身体に重大な危険が及んでもよいとする裁量は観念できない旨を主張する。 しかしながら、自衛隊が設置する飛行場における自衛隊機の運航に係る 防衛大臣の権限の行使が、行政事件訴訟法37条の4第5項の差止めの要件である、行 よいとする裁量は観念できない旨を主張する。 しかしながら、自衛隊が設置する飛行場における自衛隊機の運航に係る 防衛大臣の権限の行使が、行政事件訴訟法37条の4第5項の差止めの要件である、行政庁がその処分をすることがその裁量権の範囲を超え又はその濫用となると認められるときに当たるか否かについては、同権限の行使が、上記のような防衛大臣の裁量権の行使としてされることを前提として、それが社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認められるか否かとい う観点から審査を行うのが相当であり、その検討に当たっては、当該飛行場において継続してきた自衛隊機の運航やそれによる騒音被害等に係る事実関係を踏まえた上で、①当該飛行場における自衛隊機の運航の目的等に照らした公共性や公益性の有無及び程度、②上記の自衛隊機の運航に伴う騒音により周辺住民に生ずる被害の性質及び程度、③当該被害を軽減する ための措置の有無や内容等を総合考慮すべきであることは、前記補正して 引用する原判決第5章第2のとおりであり、これに反する控訴人らの上記主張は、採用することができない。 イ控訴人らは、受忍限度を超える騒音被害に暴露されていることは、本件告示コンターを基準に認定されるべきである旨を主張するところ、騒音コンター外控訴人ら及び転入控訴人らと75Wの本件騒音コンター内に居住 する控訴人らを区別する必要がないことは、前記補正して引用する原判決第5章第4の2(1)のとおりである。 また、控訴人らは、本件飛行場においては、自主規制が遵守されておらず、平成28年度の休日の飛行訓練は34日あり(甲B26)、また、夜間早朝にも相当な回数の飛行訓練が行われている旨を主張するところ、被 控訴人が主張する自主規制は、土日及び祝日は通常の飛行訓練を原則として 度の休日の飛行訓練は34日あり(甲B26)、また、夜間早朝にも相当な回数の飛行訓練が行われている旨を主張するところ、被 控訴人が主張する自主規制は、土日及び祝日は通常の飛行訓練を原則として行わず、午後9時から翌日午前7時までの間は緊急発進等のやむを得ない場合を除き本件飛行場からの航空機の離着陸を中止し、夜間飛行訓練は、原則として平日週2回までに限り実施することとしているものであるから、平成28年度の休日の飛行訓練が34日あり、また、夜間早朝にも相当な 回数の飛行訓練が行われているとしても、被控訴人が主張する自主規制が守られていないとはいえない。 ウ控訴人らは、共通の損害として健康被害のリスクに晒されており、このことは、フロンティア報告書からも裏付けられる旨を主張するところ、フロンティア報告書の記載内容を踏まえても、控訴人らが主張する健康被害 のリスクが控訴人らの共通損害として認められないことは、前記補正して引用する原判決第5章第5の6記載のとおりであるから、控訴人らの上記主張は採用することができない。 エ控訴人らは、①被控訴人が実施した防音工事について、目標計画防音量を達成していないことに加え、防音工事のみによる防音効果は明らかとな っておらず、防音工事による防音効果を享受するためには、閉め切った居 室内に居る必要があり、享受することのできる防音工事の効果には限界があるし、窓を閉め切った生活を余儀なくされるなど、防音工事をした場合には多岐にわたる弊害があり、控訴人らが防音工事によって有意な防音効果を得ているとはいえない、②被控訴人が行っている住宅防音工事以外のその他の周辺対策は、被控訴人が自認するように、主に助成の実施や交付 金の支出であり、控訴人らの航空機騒音による被害を直接に軽減するも ているとはいえない、②被控訴人が行っている住宅防音工事以外のその他の周辺対策は、被控訴人が自認するように、主に助成の実施や交付 金の支出であり、控訴人らの航空機騒音による被害を直接に軽減するものではなく、音源対策等についても、控訴人らに対する航空機騒音による被害を防止できているものではないから、被控訴人が主張する上記周辺対策や音源対策等を、防衛大臣の権限の逸脱・濫用を検討する際の考慮要素に含めるべきではない旨を主張する。 しかしながら、①控訴人らが提出する測定結果に係る証拠(甲B56)によれば、日本音響エンジニアリングによる騒音測定は、令和4年1月に実施されているところ、A69宅の防音工事がされている居室は、屋外及び防音工事がされていない居室と比較して概ね最大防音レベルが低い結果が得られており、外郭防音工事がされているA15宅も、室内の方が屋外 よりも同様に概ね最大防音レベルが低いとの結果が得られ(なお、令和元年6月14日にB宅の再度検証結果については、3回のみ測定が実施されたにすぎず、測定回数が少なく、その結果から直ちに同居宅の防音効果を判断することは相当でないというべきである。)、防音工事に一定の効果があることがうかがわれる上、A69宅は、昭和59年に住宅防音工事が 実施されてから住宅防音工事が実施されておらず(乙E145によれば、平成13年に建具復旧工事がされているが、その部屋は、このときの測定箇所と別の部屋と思われる。)、A15宅は平成21年に外郭防音工事が実施されてから住宅防音工事が実施されていない(乙E144)との事情があることが認められる。しかも、令和5年5月23日に実施された本件 訴訟の控訴審における現地進行協議の際のA15宅における騒音測定では、 控訴人らの測定では、17. 144)との事情があることが認められる。しかも、令和5年5月23日に実施された本件 訴訟の控訴審における現地進行協議の際のA15宅における騒音測定では、 控訴人らの測定では、17.7dBから26.5dBの、被控訴人の測定では、23.2dBから25.0dBの防音効果が認められており(前記補正後の認定事実第6の1(1)イ(オ))、計画防音量を超える防音効果が測定されたこともあることからすれば、A15宅に施工された防音工事が目標計画防音量を達成していないとはいえない。そうすると控訴人らの当審 における主張立証の内容をしんしゃくしても、前記補正して引用する原判決第5章第6の1(1)のとおり、被控訴人による住宅防音工事の結果、基本的に目標計画防音量を達成した防音効果が得られると考えられるとの結論が左右されるとはいえないし、控訴人らが主張するように、防音工事による防音効果を享受するためには、閉め切った居室内に居る必要があって、 享受することのできる防音工事の効果には限界があり、窓を閉め切った生活を余儀なくされるなど、防音工事をした場合には多岐にわたる弊害があり、住宅防音工事が控訴人らの被害の根本的な解消を実現するものではないとしても、控訴人らが防音工事によって有意な防音効果を得ていないとはいえない。 また、住宅防音工事のほか、被控訴人が主張する上記周辺対策や音源対策等をもって、控訴人らの騒音被害を根本的に解消するものではないものの、騒音被害を一定程度緩和したり、本件飛行場における自衛隊機の運航等に対する不快感等を間接的に和らげたりする効果をもたらすものであり、さらに、自衛隊機の運航に関する自主規制は、本件飛行場における防空活 動や飛行教育訓練等の諸活動と周辺住民の生活への配慮の調整をできる限り図ったも 的に和らげたりする効果をもたらすものであり、さらに、自衛隊機の運航に関する自主規制は、本件飛行場における防空活 動や飛行教育訓練等の諸活動と周辺住民の生活への配慮の調整をできる限り図ったものとして一定程度評価できることは、前記第6の1(2)及び2のとおりであり、防衛大臣の権限の逸脱・濫用の判断においてこうした事情についても考慮すべきことは、前記補正して引用する原判決第5章第2のとおりである。 したがって、控訴人らの上記主張は採用することができない。 (2) 被控訴人の補充・追加主張についてア被控訴人は、控訴人らの騒音暴露状況を認定するに当たっては、実勢騒音に基づいて判断すべきであるところ、本件告示コンター等は10年以上前に作成されたもので、本件飛行場周辺の騒音が減少傾向にあることもあり、実勢騒音を表すものとはいえない、少なくとも、騒音コンター外控訴 人ら及び転入控訴人らは、年間平均で75Wに相当する騒音暴露はない旨を主張する。 しかしながら、本件告示コンター作成時の騒音状況と本件訴訟の控訴審の口頭弁論終結日(令和6年2月28日)時点の騒音状況との乖離が顕著であるとは認められないことは、前記補正して引用する原判決第5章第4 の2(1)ア(ウ)dのとおりで、本件告示コンターは、大規模かつ精密な上記騒音コンターに当該地域の実情に精通した関係地方公共団体の意見を踏まえて相当な修正をしたものであって、防衛施設周辺地域の騒音暴露状況に即した適正な行政を実施する基礎とするのにふさわしいものであり、本件飛行場周辺の騒音状況について強い推認力を有するものであって、本件告 示コンター等作成時の騒音状況が、その後の事情の変更により、実際の騒音状況との乖離が顕著となっていない限りは、本件告示コンター等に基づ の騒音状況について強い推認力を有するものであって、本件告 示コンター等作成時の騒音状況が、その後の事情の変更により、実際の騒音状況との乖離が顕著となっていない限りは、本件告示コンター等に基づいて騒音状況を認定するのが合理的であって、このことは、上記修正の結果、本件告示コンターが本件騒音コンターと一致しない部分についても変わることはないから、騒音コンター外控訴人ら及び転入控訴人らについて も75Wを超える騒音に暴露されていたと認めるのが相当であることは、前記補正して引用する原判決第5章第4の2(1)イのとおりである。 したがって、被控訴人の上記主張は採用することができない。 イ被控訴人は、①本件飛行場においては、運用規則(乙E74)に基づき、午後9時から翌日の午前7時までの間は、領空侵犯に対する措置のための 緊急発進、災害派遣、特別の訓練などの真にやむを得ない場合を除き、航 空機の離着陸を行っておらず、午後10時から翌日の午前7時までの間は、地上における整備上の試運転についても、航空機の移動のための地上滑走及びアイドル運転(地上試運転を含む。)を除いて行っておらず、控訴人らを含め、本件飛行場の睡眠時間帯における騒音の発生状況は極めて限定的といえる、②睡眠は個人差が顕著であり、航空機騒音による人の精神面 に対する影響が個人差の顕著な主観的反応であることからして、これらが控訴人らに共通して発生しているとはいえない旨を主張する。 よって検討するに、本件飛行場において、被控訴人が主張する自主規制が遵守されており、午後7時から翌日午前7時までの時間帯において、航空機騒音の発生が認められるものの、午前7時から午後7時までの時間帯 の航空機騒音の発生回数と比較すると格段に少ない上、そのうち午後7時から午後1 7時から翌日午前7時までの時間帯において、航空機騒音の発生が認められるものの、午前7時から午後7時までの時間帯 の航空機騒音の発生回数と比較すると格段に少ない上、そのうち午後7時から午後10時までの時間帯においては、相応の航空機騒音の発生が認められるものの、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における航空機騒音の発生は限られており、このような状況は、当審口頭弁論終結日(令和6年2月28日)まで継続していると考えられることは、前記補正して 引用する原判決第5章第4の2(2)のとおりであり、被控訴人の上記主張①は、これと同旨をいう限度で理由がある。 また、欧州WHO環境騒音ガイドライン、フロンティア報告書等の記載内容に照らし、夜間早朝の航空機騒音は、一般的に、周辺住民の睡眠妨害をもたらす原因であるといえ、夜間早朝の70dBを超えるような航空機 騒音への暴露は、睡眠妨害をもたらすものと認められるところ、午後10時から翌日午前7時までの時間帯における70dB以上の騒音の発生回数は限られる一方、午後7時から午後10時までの時間帯において、70dB以上の騒音の発生回数が相応に認められ、睡眠を取る時間が常に午後10時から翌日午前7時までの時間帯と限られるものではないこと、複数の 控訴人らが、陳述書等で、スクランブル発進により目を覚ました経験があ ることなどを訴えていることからすると、控訴人らが日常的ではないもののある程度の回数の航空機騒音に暴露し、一定の睡眠妨害を被っていると認めることができることは、前記補正して引用する原判決第5章第5の2のとおりであり、睡眠妨害について控訴人らの共通損害ということができるから、被控訴人の上記主張②は採用することができない。 ウ被控訴人は、フロンティア報告書は、欧州W る原判決第5章第5の2のとおりであり、睡眠妨害について控訴人らの共通損害ということができるから、被控訴人の上記主張②は採用することができない。 ウ被控訴人は、フロンティア報告書は、欧州WHO環境騒音ガイドラインにおいて示された勧告値を引用するなどしてこれを敷衍するものにとどまり、上記ガイドラインにおいて勧告値が示されたことは、航空機騒音の暴露による各種疾病の発症リスクの増加を直接的に裏付けるものではないから、フロンティア報告書をもって、健康被害のリスクが控訴人らに生じて いるとする控訴人らの主張の裏付けとなるものではない旨を主張するところ、フロンティア報告書の記載内容を踏まえても、控訴人らが主張する健康被害のリスクが控訴人らの共通損害として認められないことは、前記補正して引用する原判決第5章第5の6のとおりである。 エ被控訴人は、防音工事が施工されている住宅では防音効果が確認されて おり、本件訴訟の控訴審において、令和5年5月23日に実施された進行協議の際の測定結果でも、85W地区に所在し、いずれも外郭防音工事が施工されているA15宅を含めた2件の住宅で騒音測定が実施され、計画防音量を上回る防音効果があったか、又はおおむね目標計画防音量に近い防音効果があったことが確認されている旨を主張するところ、当審におけ る控訴人らの主張立証内容をしんしゃくしても、被控訴人による住宅防音工事の結果、基本的に目標計画防音量を達成した防音効果が得られると考えられるとの結論が左右されるとはいえないことは、上記3(1)エのとおりである。 オ被控訴人は、本件飛行場の戦略的価値は極めて高いこと、本件飛行場に 常駐する部隊により、災害救助活動、民生協力活動が実施されているほか、 社会貢献活動や地域経済の活性化に ある。 オ被控訴人は、本件飛行場の戦略的価値は極めて高いこと、本件飛行場に 常駐する部隊により、災害救助活動、民生協力活動が実施されているほか、 社会貢献活動や地域経済の活性化につながる行事等が実施されていること、被控訴人が本件飛行場において、可能な限り周辺地域の住民に配慮して様々な騒音対策を行っていることなどからすると、本件飛行場における自衛隊機の運航の差止の可否を判断するに当たっては、これらの点を十分に考慮されるべきである旨を主張するところ、被控訴人が主張する上記事情 も含め、本件における事情を総合考慮すれば、本件飛行場において、将来にわたり上記の自衛隊機の運航を行うことが、社会通念に照らし著しく妥当性を欠くものと認めることは困難であるといわざるを得ず、そうすると、自衛隊機の運航に係る防衛大臣の権限の行使をもって、行政事件訴訟法37条の4第5項の行政庁がその処分をすることがその裁量権の範囲を超え 又はその濫用となると認められるときに当たるとはいえないことは、前記補正して引用する原判決第5章第7のとおりである。 4 まとめ上記のとおりであって、本件飛行場における防衛大臣の権限の行使をもって、行政事件訴訟法37条の4第5項の行政庁がその処分をすることがその裁量権 の範囲を超え又はその濫用となると認められるときに当たるとはいえないから、控訴人らの本件差止めの訴えにはいずれも理由がない。 第4 結論以上によれば、控訴人らの請求を棄却した原判決は相当であって、本件控訴はいずれも理由がないから棄却することとして、主文のとおり判決する。 福岡高等裁判所宮崎支部 裁判長裁判官西森政一 主文 して、主文のとおり判決する。 理由 福岡高等裁判所宮崎支部 裁判長裁判官西森政一 裁判官㑨木泰治 裁判官石山仁朗は、転補につき、署名押印することができない。 裁判長裁判官西森政一
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