○ 主文原判決を取消す。被控訴人の請求を棄却する。訴訟費用は、第一、二審とも被控訴人の負担とする。○ 事実一控訴人は主文と同旨の判決を求め、被控訴人は「本件控訴を棄却する。控訴費用は控訴人の負担とする。」との判決を求めた。二当事者双方の事実上の陳述及び証拠の関係は、左記のとおり附加、訂正するほか、原判決の事実摘示と同一であるから、これを引用する(但し、以下、原判決末尾添付の別表(一)、(二)・・・・・・又は同計算書(一)、(二)・・・・・・は、単に別表(一)、(二)・・・・・・又は別紙計算書(一)、(二)・・・・・・という)。(主張) 1 控訴人(一) 原判決六枚目表三行目の「法人税施行令」を「法人税法施行令」と改める。(二) 原判決六枚目裏一一行目の「七、四三〇円」を「七、四二三円(約七、四三〇円)」と改め同一一行目の「思慮される。」の次に左記を加える。「なお、PS部門の製品について種類ごとに製造原価に開差があるかどうかについてみるに、本来、販売価額は製造原価に比準さるべきもの、従つて製造原価は販売価額に比準されるところ、被控訴人の当期におけるPS部門製品の種類別売上状況(別表(四)の一ないし三)によつてみれば、PC矢板の販売重量が五、五二二・一三七トン、販売価額が三、八六三万四、九〇〇円であるから、PS部門全体の販売重量五、六六四・一八七トン、販売価額四、一一六万五、二七〇円に比し、重量で九七一五%、価額で九三・九%とPC矢板がその殆どを占めており、PS桁・PC板がPS部門全体の製造原価を左右するほどの影響があるとは認められない。また、PC矢板とPS桁・PC板の製造原価を区分したとしても、植村組以外の取引先に販売された当期分のPC矢板の製造原価は別紙計算書(四)のとおり、トン当り七、〇三七円となり、七、四二三円と れない。また、PC矢板とPS桁・PC板の製造原価を区分したとしても、植村組以外の取引先に販売された当期分のPC矢板の製造原価は別紙計算書(四)のとおり、トン当り七、〇三七円となり、七、四二三円との開差が僅少なことは明らかである。 PS桁・PC板の製造原価を区分したとしても、植村組以外の取引先に販売された当期分のPC矢板の製造原価は別紙計算書(四)のとおり、トン当り七、〇三七円となり、七、四二三円と れない。また、PC矢板とPS桁・PC板の製造原価を区分したとしても、植村組以外の取引先に販売された当期分のPC矢板の製造原価は別紙計算書(四)のとおり、トン当り七、〇三七円となり、七、四二三円との開差が僅少なことは明らかである。ホ、そこで、製造原価から本件PC矢板の通常の販売価額を算定するに、一般に、販売価額は製造原価に一般管理費及び販売費並びに利潤を加算して算定されるのであるが、被控訴人にはパイル、矢板等の製造販売のほか工事収入もあつて、当該製品販売に係る一般管理費等を的確に算定することは技術的に困難であるので、次により通常の販売価額を算定する。即ち、(1) 被控訴人の第七期営業報告書の損益計算書によると、被控訴人の昭和四〇年九月一日から同四一年八月三一日まで製造部門の売上金額は三億二、六九四万八、七三八円、同じく売上原価は一億九、四二八万九、八六二円で、売上原価に対する売上金額の割合は一六八・二%である。(2) ところで、右の金額には、本件の争点となつているPC矢板の金額が含まれているので、その売上金額三、八六三万四、九〇〇円及び売上原価四、〇九九万〇、八二二円(計算内容は左の(イ)(ロ)のとおり)を除算すれば、売上金額は二億八、八三一万三、八三八円(a)、売上原価は一億五、三二九万九、〇四〇円(b)となる。(イ) PC矢板の売上金額(別表(四)の三)植村組三、三七三万五、三〇〇円五、二一八・六八一トンその他四八九万九、六〇〇円三〇三・四五六トン計三、八六三万四、九〇〇円五、五二二・一三七トン(ロ) PC矢板の売上原価一トン当り製造原価七、四二三円(A)売上総重量五、五二二・一三七トン(B) 三万四、九〇〇円五、五二二・一三七トン(ロ) PC矢板の売上原価一トン当り製造原価七、四二三円(A)売上総重量五、五二二・一三七トン(B)(A)×(B) 四、〇九九万〇、八二二円(3) PC矢板を除く製品の売上原価に対する売上金額の割合は右(a)を(b)で除した一八八%となるが、PC矢板について右割合によることのできない特別の事情もないので、PC矢板についても同割合によることとして一トン当りの通常の販売価額を算定すれば、一万三、九五五円(七、四二三円に一八八%を乗じた金額)となる。 四二三円(A)売上総重量五、五二二・一三七トン(B)(A)×(B) 四、〇九九万〇、八二二円(3) PC矢板を除く製品の売上原価に対する売上金額の割合は右(a)を(b)で除した一八八%となるが、PC矢板について右割合によることのできない特別の事情もないので、PC矢板についても同割合によることとして一トン当りの通常の販売価額を算定すれば、一万三、九五五円(七、四二三円に一八八%を乗じた金額)となる。(なお製造原価を七、〇三七円として計算した場合の通常の販売価額は一万三、〇四六円となる。)」(三) 原判決七枚目表一〇行目と一一行目との間に左記を加える。「ハ、なお、被控訴人の植村組に対するPC矢板のトン当り平均販売価額は昭和四一年三月三一日以前では九、八一二円であつたのに、その後は五、五七六円に大きく値下りしているのであるが、右値下げについては格別の事情もないから、少くとも値下げ前のトン当り平均販売価額九、八一二円を通常の販売価額とみるのが相当である。」(四) 原判決八枚目裏一二行目と四行目との間に左記を加える。「ハ、もつとも、前記定価表によれば、PC矢板のキログラム当り単価は厚さが薄い程高くなつていることが明らかである。そこで、PC矢板の厚さの異るごとに区分し、それを被控訴人が植村組以外の者に対し右定価表からどの程度の値引きをして販売したかを計算し、それをもとに植村組に販売したPC矢板の通常の価額を算定してみると、本判決末尾添付の別表のとおりとなる。即ち、そのトン当り平均単価は一万一、五一三円である。」(五) 原判決八枚目裏五行目の「約七、四三〇円」を「七、〇三七円ないし七、 通常の価額を算定してみると、本判決末尾添付の別表のとおりとなる。即ち、そのトン当り平均単価は一万一、五一三円である。」(五) 原判決八枚目裏五行目の「約七、四三〇円」を「七、〇三七円ないし七、四二三円(約七、四三〇円)」と、同六行目の「一万七、三〇〇円」を「少くとも九、八一二円ないし一万七、三〇〇円」と各改める。(六) 原判決八枚目裏八行目の冒頭から同一二行目の「ものであつて」までを次のとおり改める。「法人税法一二三条一項は同族会社の行為又は計算のうち不当に法人税の負担を減少させるものについて、これを否認したうえ、通常の行為形態に引直して課税標準等を計算するものとされているが、法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるかどうかは、専ら経済的実質的見地において法人の行為、計算が経済人の行為として不合理、不自然なものと認められるかどうかを基準として判断さるべきものであるところ、これを植村組に対する本件PC矢板の販売価額(単価)についてみれば、いずれも、前記通常の販売価額の最低価額である九、八一二円に当該PC矢板の各規格の一本当りのトン数を乗じて得られる通常の取引における販売価額(単価)だけでなく、トン当り製造原価である前記七、四三〇円に各規格の一本当りのトン数を乗じたもの、即ち、別表(一)、(二)中当該各「たな卸計上高」欄記載のたな卸評価額さえも下廻る異常な低価額であるから、」(七) 原判決九枚目表一一行目の「2」を「(2)」と改める。 ずれも、前記通常の販売価額の最低価額である九、八一二円に当該PC矢板の各規格の一本当りのトン数を乗じて得られる通常の取引における販売価額(単価)だけでなく、トン当り製造原価である前記七、四三〇円に各規格の一本当りのトン数を乗じたもの、即ち、別表(一)、(二)中当該各「たな卸計上高」欄記載のたな卸評価額さえも下廻る異常な低価額であるから、」(七) 原判決九枚目表一一行目の「2」を「(2)」と改める。(八) 原判決九枚目裏一二行目と一三行目との間に左記を加える。「なお、本件については、法人税法一三二条一項のほかに、同法二二条及び三七条六項の適用がある。即ち、同法二二条の『有償又は無償による資産の譲渡』はいわゆる低額譲渡をも含むものであるところ、本件PC矢板に関する控訴人主張の時価と低廉 三二条一項のほかに、同法二二条及び三七条六項の適用がある。即ち、同法二二条の『有償又は無償による資産の譲渡』はいわゆる低額譲渡をも含むものであるところ、本件PC矢板に関する控訴人主張の時価と低廉価額との差額である二、〇二九万四、三七〇円は、同条による収益として益金の額に算入されると共に、同法三七条六項により寄付金の額に含まれるから、これによつても同様の結果が生ずる。」 2 被控訴人(一) 原判決二枚目裏六行目と七行目との間に左記を加える。「本件処分における課税所得の計算は別紙計算書(三)の「科目」欄に対応する「更正額」欄記載のとおりであり、被控訴人の主張する課税所得の計算は同「原告の主張」欄記載のとおりである。(二) 原判決一〇枚目表一〇行目の「否認する。」の次に「但し、被控訴人の当期におけるPS部門の製品の売上状況が別表(四)の一ないし三記載のとおりであることは認める。」を加える。(三) 原判決一一枚目裏二行目と三行目との間に左記を加える。「ハ、同ホは争う。それは売上金額を売上原価の割合によつて推定せんとする趣旨のようであるが、被控訴人の当期における法人税の確定申告は青色申告によるものであるところ、かかる推定による課税は法人税法一三一条により認められていない。」(四) 原判決一一枚目裏三行目の「は認める。」を「及び同ハの事実中、被控訴人の植村組に対するPC矢板のトン当り平均販売価額は昭和四一年三月三一日に至るまでは九、八一二円であつたのに、同日以降は五、五七六円に値下りしていることは認めるが、その余は争う。 ようであるが、被控訴人の当期における法人税の確定申告は青色申告によるものであるところ、かかる推定による課税は法人税法一三一条により認められていない。」(四) 原判決一一枚目裏三行目の「は認める。」を「及び同ハの事実中、被控訴人の植村組に対するPC矢板のトン当り平均販売価額は昭和四一年三月三一日に至るまでは九、八一二円であつたのに、同日以降は五、五七六円に値下りしていることは認めるが、その余は争う。」と改め、同三行目と四行目との間に左記を加える。「被控訴人の植村組に対するPC矢板のトン当り平均販売価額が昭和四一年三月三一日を境に値下りしているのは、後記のとおり型わく費用が回収済みとなつたためであり、植村組に対するP の間に左記を加える。「被控訴人の植村組に対するPC矢板のトン当り平均販売価額が昭和四一年三月三一日を境に値下りしているのは、後記のとおり型わく費用が回収済みとなつたためであり、植村組に対するPC矢板の販売価額も製造に関する原価要素を積算し、これに利潤を加えた価額として決定されたものであつて、妥当な価額である。」(五) 原判決一二枚目表七行目の「1、2」を「2、3」と改め、同八行目と九行目との間に左記を加える。「ハ、同ハのうち、PC矢板のキログラム当り単価は厚さが薄い程高くなつていることは認めるが、その余は争う。(5)、同(5)は争う。」(六) 原判決一二枚目表九行目から一〇行目にかけての「被告主張どおり」の次に「トン当り七、四三〇円に各規格の一本当りのトン数を乗じたもの、即ち、別表(一)、(二)中当該「たな卸計上高」欄記載のたな卸価額を下廻るもの」を、同一一行目の「争う。」の次に「但し、別表(二)の(1)ないし(4)のPC矢板の販売日時、販売価額(単価)、製品の同一性に関する控訴人の主張は認める。」を、それぞれ加える。(七) 原判決一七枚目裏六行目の「金額は」の「は」を削除する。(証拠)(省略)○ 理由一原判決の理由第一項(本件処分)及び第二項(翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れ)については、当裁判所もまたこれと同一の判断をするので、ここに右各項の説示を引用する。二そこで、被控訴人の製品の低価譲渡による売上計上洩れについて判断する。1 法人税法一三二条一項は、同族会社の行為、計算に関し「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるとき」には、税務署長の認めるところにより、その法人の法人税の課税標準もしくは欠損金額又は法人税の額を計算することができるというものであるが、右規定は法人の選択した行為、 をするので、ここに右各項の説示を引用する。二そこで、被控訴人の製品の低価譲渡による売上計上洩れについて判断する。1 法人税法一三二条一項は、同族会社の行為、計算に関し「法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるとき」には、税務署長の認めるところにより、その法人の法人税の課税標準もしくは欠損金額又は法人税の額を計算することができるというものであるが、右規定は法人の選択した行為、 となると認められるものがあるとき」には、税務署長の認めるところにより、その法人の法人税の課税標準もしくは欠損金額又は法人税の額を計算することができるというものであるが、右規定は法人の選択した行為、計算が実在し私法上有効であつても、いわゆる実質課税の原則及び租税負担公平の原則の見地から、これを否認し、通常あるべき行為、計算を想定し、これに従い税法を適用しようとするものであることにかんがみれば、「法人税の負担を不当に減少させる結果になる」と認められるか否かは、専ら経済的実質的見地において、法人の行為、計算が経済人の行為として不合理、不自然なものと認められるかどうかを基準として判断すべきものである。これを法人の製品販売の行為、計算についてみれば、その販売価額が通常の販売価額(時価)に比し異常に低価であつて、経済的取引としては不合理、不自然と認められるかどうかがその判断基準とされるべきである。2 原判決事実摘示第二の三の(二)の1の事実は当事者間に争いがなく、被控訴人から植村組に対して、別表(一)中(1)、(2)に各記載力PC矢板が当期に同表中被控訴人公表売上高欄記載の各数量、各販売価額(単価)により販売されたことは前示判断のとおりであり、別表(二)に各記載のPC矢板が当期に同表中被控訴人公表売上高欄記載の各数量、各販売価額(単価)により販売されたことは当事者間に争いがない。そこで、本件PC矢板(別表(一)の(1)、(2)並びに別表(二)中(2)、(4)ないし(12)に各記載の矢板)の右販売価額が通常の販売価額に比し異常に低価であるかどうかについて検討する。(一) 植村組に対する従前の販売価額からの検討本件PC矢板のうち、まず別表(二)の(2)、(4)の各PC矢板についてみるに、右(2)のPC矢板は、これと同一の製品である同表(1)のPC矢 討する。(一) 植村組に対する従前の販売価額からの検討本件PC矢板のうち、まず別表(二)の(2)、(4)の各PC矢板についてみるに、右(2)のPC矢板は、これと同一の製品である同表(1)のPC矢板が昭和四〇年一〇月三一日単価二万八、六〇〇円で販売されていたのに、昭和四一年三月三一日単価一万六、〇〇〇円で販売されたものであること、及び右(4)のPC矢板は、これと同一の製品である同表(3)のPC矢板が昭和四〇年一〇月三一日単価二万四、五〇〇円で販売されていたのに、昭和四一年三月三一日単価一万四、〇〇〇円で販売されたものであることは当事者間に争いがない。 これと同一の製品である同表(1)のPC矢板が昭和四〇年一〇月三一日単価二万八、六〇〇円で販売されていたのに、昭和四一年三月三一日単価一万六、〇〇〇円で販売されたものであること、及び右(4)のPC矢板は、これと同一の製品である同表(3)のPC矢板が昭和四〇年一〇月三一日単価二万四、五〇〇円で販売されていたのに、昭和四一年三月三一日単価一万四、〇〇〇円で販売されたものであることは当事者間に争いがない。そして、当事者間に争いのない別表(四)の三の記載事実中、番号51ないし54のPC矢板のトン当り販売価額に徴すると、別表(二)の(1)、(3)のトン当り販売価額はそれぞれ九、八六二円、九、八〇〇円であるのに対し、同表(2)、(4)のそれはそれぞれ五、五一七円、五、六〇〇円であることが認められる。右によれば、別表(二)の(2)、(4)の各PC矢板の販売価額は、それぞれ従前の販売価額である単価二万八、六〇〇円(トン当り九、八六二円)、二万四、五〇〇円(トン当り九、八〇〇円)の五六%ないし五七%の価額に値下げされていることが明らかである。他方、本件PC矢板のうちその余のPC矢板についてみるに、証拠上植村組に対するこれと同一製品についての従前の取引事例を認めることはできないが、植村組に対するPC矢板のトン当り平均販売価額が昭和四一年三月三一日に至るまでは九、八一二円であつたのに同日以降は五、五七六円に値下りしていることは当事者間に争いがない。右によれば、昭和四一年三月三一日以降の右PC矢板のトン当り平均販売価額は、従前のトン当り平均販売価額九、八一二円の約五七%の価額に値下げされていることが明ら りしていることは当事者間に争いがない。右によれば、昭和四一年三月三一日以降の右PC矢板のトン当り平均販売価額は、従前のトン当り平均販売価額九、八一二円の約五七%の価額に値下げされていることが明らかである。なお、別表(四)の三の記載事実は当事者間に争いがないところ、同表番号55ないし62のPC矢板のトン当り販売価額に徴すると、別表(二)の(5)ないし(12)のPC矢板のトン当り販売価額は五、三三三円ないし五、六四七円であり、別表(一)の(1)、(2)のPC矢板のトン当り販売価額は、その各単価をそれぞれ別表(四)の三の番号56、59のPC矢板の一本当り重量をもつて除算した六、六六六円、六、五八八円である。 、別表(四)の三の記載事実は当事者間に争いがないところ、同表番号55ないし62のPC矢板のトン当り販売価額に徴すると、別表(二)の(5)ないし(12)のPC矢板のトン当り販売価額は五、三三三円ないし五、六四七円であり、別表(一)の(1)、(2)のPC矢板のトン当り販売価額は、その各単価をそれぞれ別表(四)の三の番号56、59のPC矢板の一本当り重量をもつて除算した六、六六六円、六、五八八円である。ところで、製品の販売価額をその従前の取引価額に比し値下げした場合において、それが製造原価の低下その他合理的な経済上の事由によるものと認められない限り、従前の取引価額をもつて通常の販売価額と認めるのが相当である。しかして、これを本件についてみるに、本件PC矢板のうち別表(二)の(2)、(4)の販売価額がそれぞれ従前の単価である二万八、六〇〇円(トン当り九、八六二円)、二万四、五〇〇円(トン当り九、八〇〇円)の五六%ないし五七%に、その余の各PC矢板の販売価額が従前のトン当り平均価額九、八一二円の約五七%に値下げされたことの合理的事由を認めるに足る証拠はないから、それぞれ、右従前の価額をもつて通常の販売価額と認めるのが相当である。もつとも、被控訴人は、本件PC矢板は植村組が川内港の導流堤工事を請負施行するために、発注されたものであるが、昭和四〇年会計年度工事用として製造販売された別表(二)中(1)、(3)各記載のPC矢板は、その後の追加注文の保証がなかつたので、その型枠費用を右各PC矢板の販売代金から回収することとしてその販売価額が決定され 計年度工事用として製造販売された別表(二)中(1)、(3)各記載のPC矢板は、その後の追加注文の保証がなかつたので、その型枠費用を右各PC矢板の販売代金から回収することとしてその販売価額が決定されたところ、その後植村組が継続工事として昭和四一年会計年度工事も請負つたことに伴い追加注文された同表(2)、(4)各記載のPC矢板については、その型枠費がいずれも回収済みであつたので、価額の引下げが行われた旨主張し、原審証人A及び同Bの各証言中には右主張に副うところがあるけれども、右型枠費用がいくらであり、具体的にどのような計算に基づいてその回収が行われた結果、従前の価額に比し五六%ないし五七%もの値下げがなされたのかについての立証がないので、未だ右値下げの合理的事由があると肯認せしめるに足りない。 )、(4)各記載のPC矢板については、その型枠費がいずれも回収済みであつたので、価額の引下げが行われた旨主張し、原審証人A及び同Bの各証言中には右主張に副うところがあるけれども、右型枠費用がいくらであり、具体的にどのような計算に基づいてその回収が行われた結果、従前の価額に比し五六%ないし五七%もの値下げがなされたのかについての立証がないので、未だ右値下げの合理的事由があると肯認せしめるに足りない。かえつて、後記(二)ないし(六)の検討結果からは、本件PC矢板の通常の販売価額は右の従前の販売価額以上になるものである。(二) 植村組以外との各取引における販売価額からの検討原判決事実摘示第二の三の(二)の3の(2)のイ、ロの各事実(別表(四)の一ないし三)は当事者間に争いがない。すなわち、植村組に対する当期のPC矢板のトン当り平均販売価額六、四六四円は、植村組以外に対するそれのトン当り平均販売価額一万六、一四六円の四〇%に当る低価額である。もつとも、被控訴人の、定価表によれば、PC矢板は厚さが薄い程そのトン当り販売価額が高くなつていることは後記のとおりであつて、別表(四)の一ないし三によれば、植村組以外に販売したPC矢板は植村組に販売した本件PC矢板よりも概ね厚さが薄いけれども、右定価表におけるトン当り販売価額の最低額(一万七、五〇〇円)はその最高額(二万五、〇〇〇円)の七〇%であるから、これを考慮すれば、植村組に対する本件PC矢板の通常のトン も概ね厚さが薄いけれども、右定価表におけるトン当り販売価額の最低額(一万七、五〇〇円)はその最高額(二万五、〇〇〇円)の七〇%であるから、これを考慮すれば、植村組に対する本件PC矢板の通常のトン当り販売価額は、植村組以外に対するトン当り平均販売価額一万六、一四六円の七〇%に当る一万一、三〇二円を下らないものと考えられる。(三) 製造原価(原価計算表(8))からの検討(1) 原判決事実摘示第二の三の(二)の3の(1)のイないしハの各事実は当事者間に争いがない。そして右事実によれば、被控訴人のPS部門における当期の製品のトン当り平均製造原価は七、四二三円であるのみならず、反証のない限り、PS部門の製品については種類等を問わず、そのトン当り製造原価は大差がなく、本件PC矢板の製造原価も七、四二三円(約七、四三〇円)程度と推認するのが相当である。 表(8))からの検討(1) 原判決事実摘示第二の三の(二)の3の(1)のイないしハの各事実は当事者間に争いがない。そして右事実によれば、被控訴人のPS部門における当期の製品のトン当り平均製造原価は七、四二三円であるのみならず、反証のない限り、PS部門の製品については種類等を問わず、そのトン当り製造原価は大差がなく、本件PC矢板の製造原価も七、四二三円(約七、四三〇円)程度と推認するのが相当である。なお、別表(四)の三の記載事実によれば、被控訴人の当期におけるPS部門全体の販売重量が五、六六四・一八七トン(販売価額四、一一六万五、二七〇円)であるのに対し、うちPC矢板の販売重量が五、五二二・一三七トン(販売価額三、八六三万四、九〇〇円)であり、PC矢板がPS部門の製品全体に対して占める割合は重量比で九七・五%にもなるから、PS桁・PC板がPS部門全体の製造原価を大きく左右するものとは考え難い。そして、原審証人Aの証言によれば、PS部門の製品は専ら受注生産であることが認められ、一般に販売価額は製造原価に比準すると考えられるから、この見地より、植村組以外に対し当期に販売したPS部門の製品につきPC矢板とPS桁・PC板に区分して、その各販売価額に比準したトン当り製造原価を求めると、別紙計算書(四)の1の(1)、(2)記載のとおりとなる(同計算書中計算要素である注1、3ないし5は当事者間に争いのない S桁・PC板に区分して、その各販売価額に比準したトン当り製造原価を求めると、別紙計算書(四)の1の(1)、(2)記載のとおりとなる(同計算書中計算要素である注1、3ないし5は当事者間に争いのない別表(四)の三の記載事実に基づく)。右によればPC矢板のトン当り製造原価は七、〇三七円、となるが、前記七、四二三円との間に大差はない。被控訴人は、PS部門の製品は受注生産であつてその製造原価は種類等の異るごとに大差があり、本来製品ごとに製造原価を計算しなければ正確なたな卸資産の評価をなし得ないのであるが、PS部門の製品は各種類における型が多数であるため計算手続が技術上複雑で時間がかかるので、やむを得ず右製造原価の差を無視してPS部門のたな卸資産につき一括して製造原価を計算し、たな卸の評価をしたものである旨主張し、原審証人Cの証言中には右主張に副うものがあるが、これのみをもつてしては、いまだ前記推認を覆えすに足りない。 来製品ごとに製造原価を計算しなければ正確なたな卸資産の評価をなし得ないのであるが、PS部門の製品は各種類における型が多数であるため計算手続が技術上複雑で時間がかかるので、やむを得ず右製造原価の差を無視してPS部門のたな卸資産につき一括して製造原価を計算し、たな卸の評価をしたものである旨主張し、原審証人Cの証言中には右主張に副うものがあるが、これのみをもつてしては、いまだ前記推認を覆えすに足りない。もつとも被控訴人は、原価計算表(A)を修正した原価計算表(B)に基づき、PC矢板のトン当り製造原価を四、九四〇円とするのが正当であると主張し、前掲証人も同様に証言するが、原価計算表(B)に基づくPC矢板のトン当り製造原価の算定については、左記事由により合理性かないので失当であり、他に前記推認を覆えすに足る反証はない。即ち、(イ)原判決事実摘示第二の五の(一)の1ないし3の各事実は当事者間に争いがないところ、原価計算表(B)については、右2に指摘の各減額及び減殺原価要素の追加、右3に指摘の材料費の計算方法、及び原価要素のウエイト差の設定に関し、合理性を肯認するに足る証拠がない。そしてまた、(ロ)前記のように、PS部門の製品が受注生産であつて、その各製品の販売価額は製造原価に比準するものと考えられ、この見地に基づいて、植村組以外に対し し、合理性を肯認するに足る証拠がない。そしてまた、(ロ)前記のように、PS部門の製品が受注生産であつて、その各製品の販売価額は製造原価に比準するものと考えられ、この見地に基づいて、植村組以外に対し当期に販売したPS部門の製品につきPC矢板とPS桁・PC板に区分して検討したトン当り製造原価はそれぞれ七、〇三七円、九、四二二円で、その比率は一対一・三四であるのに、原価計算表(9)に基づくPC矢板とPS桁・PC板の製造原価はそれぞれ四、九四〇円、一万一、二六三円であるので、その比率は一対二・二八となり、著しい開差が生ずる。右は原価計算表(9)による製造原価の算定が妥当でないことの証左である。(2) そこで、前記製造原価から本件PC矢板の通常の販売価額を算定する。成立に争いない乙第二号証の四によれば、被控訴人の当期における製造部門の総販売価額は三億二、六九四万八、七三八円で、総製造原価は一億九、四二八万九、八六二円であることが認められる。ところで、当期におけるPC矢板の販売価額が三、八六三万四、九〇〇円で、販売重量が五、五二二・一三七トンであることは前叙のとおりであり、そのPC矢板のトン当り製造原価が前記七、四二三円であるとすれば、当期におけるPC矢板の製造原価は四、〇九九万〇、八二二円となり、製造部門における総販売価額及び総製造原価には、それぞれPC矢板や右販売価額、製造原価が含まれていることは明らかなので、製造部門におけるPC矢板以外の販売価額は前記三億二、六九四万八、七三八円から三、八六三万四、九〇〇円を差引いた二億八、八三一万三、八三八円、またその製造原価は前記一億九、四二八万九、八六二円から四、〇九九万〇、八二二円を差引いた一億五、三二九万九、〇四〇円となり、前者の後者に対する割合は一八八%である。 価額及び総製造原価には、それぞれPC矢板や右販売価額、製造原価が含まれていることは明らかなので、製造部門におけるPC矢板以外の販売価額は前記三億二、六九四万八、七三八円から三、八六三万四、九〇〇円を差引いた二億八、八三一万三、八三八円、またその製造原価は前記一億九、四二八万九、八六二円から四、〇九九万〇、八二二円を差引いた一億五、三二九万九、〇四〇円となり、前者の後者に対する割合は一八八%である。そこで、PC矢板についても右割 またその製造原価は前記一億九、四二八万九、八六二円から四、〇九九万〇、八二二円を差引いた一億五、三二九万九、〇四〇円となり、前者の後者に対する割合は一八八%である。そこで、PC矢板についても右割合により販売価額を求めると、そのトン当り販売価額は前記トン当り製造原価七、四二三円に一八八%を乗じた一万三、九五五円となる(なお、トン当り製造原価を七、〇三七円とした場合は一万三、〇四六円となる)。この点に関し、被控訴人は、販売価額を製造原価の割合によつて推定するのは、被控訴人の当期における法人税の確定申告は青色申告によるものであるから、法人税法一三一条に反し、許されない旨主張するが、前叙のような検討が直ちに同条にいわゆる推計に当るか否か問題であるのみならず、仮にこれが推計に当るとしても、本件は元来、法人税法一三二条一項の適用に関する問題であつて、右法条の適用に関し、本件PC矢板の通常の販売価額を明らかにする必要上、被控訴人の帳簿等により確定される製造原価等の諸要素に基づき、その通常の販売価額を算定せんとするものであるから、右推計は、たとい被控訴人の法人税の確定申告が青色申告による場合であつても、例外として許容され、法人税法一三一条違反にはならないものというべきである。(四) 定価表からの検討原判決事実摘示第二の三の(三)の3の(4)のイの事実及びその定価表によるPC矢板の規格別キログラム当り単価は厚さが薄い程高くなつていることは当事者間に争いがない。ところで、当事者間に争いのない別表(四)の一ないし三の記載事実から、植村組以外に対し販売したPC矢板につき、右定価表のキログラム当り単価の異る厚さごとに区分けしたトン当り単価及びその単価の右定価表の価額に対する割合を求めると、本判決末尾添付の別表の1、2に記載のとおりであるから、植村組以外に 板につき、右定価表のキログラム当り単価の異る厚さごとに区分けしたトン当り単価及びその単価の右定価表の価額に対する割合を求めると、本判決末尾添付の別表の1、2に記載のとおりであるから、植村組以外に対するPC矢板の販売価額は少くとも右定価表の価額の六四・一%以上である。 たトン当り単価及びその単価の右定価表の価額に対する割合を求めると、本判決末尾添付の別表の1、2に記載のとおりであるから、植村組以外に 板につき、右定価表のキログラム当り単価の異る厚さごとに区分けしたトン当り単価及びその単価の右定価表の価額に対する割合を求めると、本判決末尾添付の別表の1、2に記載のとおりであるから、植村組以外に対するPC矢板の販売価額は少くとも右定価表の価額の六四・一%以上である。そこで、被控訴人の植村組に対するPC矢板の通常の販売価額を、右の割合に比準して求めると、別表(四)の一ないし三の記載事実によれば、被控訴人の植村組に対するPC矢板の厚さごとに区分した販売状況は本判決末尾添付の別表の(注)に記載のとおりであるから、右別表の3、4に記載のとおりとなる。即ち、その通常の販売価額はトン当り価格一万一、二一七円ないし一万四、一〇二円であり、その加重平均価額は一万一、五一三円である。被控訴人は、右定価表は少量注文生産を前提として作成されたものであるうえ、実際の受注にあたつては、数量、取引条件等を考慮してその都度製品の価額を決定しており、大量生産の場合は、少量生産の場合より原価が低廉になるので販売価額は割安になる旨主張し、右は結局、被控訴人の定価表から本件PC矢板の通常の販売価額を算定することの不合理性をいわんとするものと解されるが、仮に右主張どおりの事実が認められるとしても、前認定の算定方法は、被控訴人の定価表から直ちに本件PC矢板の販売価額を認めたものではなく、植村組以外に対するPC矢板の販売価額が右定価表からどの程度値引きされているかを計算したうえ、その値引き率に比準して本件PC矢板の通常の販売価格を算定したものであり、また、植村組以外に対するPC矢板の販売について、その各販売先ごとの販売数量にかんがみると、少量生産によるものばかりではないと認められるから、右算定方法は不合理というを得ない。(五) 県導流堤工事の設計額からの検討原判決事実摘示 販売について、その各販売先ごとの販売数量にかんがみると、少量生産によるものばかりではないと認められるから、右算定方法は不合理というを得ない。(五) 県導流堤工事の設計額からの検討原判決事実摘示第二の三の(二)の3の(3)のイの事実及び同ロの事実中各請負工事の各契約別の工事名、工事場所、工事期間、請負金額が別表(五)記載のとおりであることは当事者間に争いがなく、右各請負工事代金の設計額及びその各設計額におけるPC矢板の設計額が同表中単価の計算欄記載のとおりキログラム当り一七・三ないし一七・八円であることの判断は、原判決理由第三の三の(三)の2に記載のとおりであるから、ここにこれを引用する。 二の三の(二)の3の(3)のイの事実及び同ロの事実中各請負工事の各契約別の工事名、工事場所、工事期間、請負金額が別表(五)記載のとおりであることは当事者間に争いがなく、右各請負工事代金の設計額及びその各設計額におけるPC矢板の設計額が同表中単価の計算欄記載のとおりキログラム当り一七・三ないし一七・八円であることの判断は、原判決理由第三の三の(三)の2に記載のとおりであるから、ここにこれを引用する。右によれば、右設計額ではPC矢板のトン当り単価は一万七、三〇〇円ないし一万七、八〇〇円であり、別表(五)記載の各請負工事における請負金額の設計額に対する割合はいずれも約九九%であるから、右各設計額の積算要素たるPC矢板の価額が入札によつて圧縮されるということは殆ど考えられない。そして、原審証人Dの証言によれば、右各請負工事の設計金額は、鹿児島県川内土木事務所において積算されたもので、その積算要素たるPC矢板の設計額については、PC矢板の価額を直接明らかにする資料がなかつたものの、鹿児島県の公共事業の設計資料として用いられている同県土木部作成の資料中、当該PC矢板に近似するPC桁の価格を参考にし且つPC矢板の資材、製法上の特性を勘案するなどして算定されたものであることが認められ、右算定価格が恣意的であることを疑わせる格別の事情も認められないから、右設計額は本件PC矢板の通常の販売価額を算定する参考となるものである。(六) 建設物価誌からの検討原判決事実摘示第二の三の(二)の3の(4)のロの事実中、建設物価誌によれば、長井式コンクリート矢板、圧力養 件PC矢板の通常の販売価額を算定する参考となるものである。(六) 建設物価誌からの検討原判決事実摘示第二の三の(二)の3の(4)のロの事実中、建設物価誌によれば、長井式コンクリート矢板、圧力養生コンクリート矢板の各規格、各地域別の製品トン当り市場価額が別表(六)の2、3に各記載のとおりであることは当事者間に争いがない。これによれば、長井式コンクリート矢板のトン当り単価の最低額のもの(PV-6長さ六m、厚さ一〇cm、巾五〇cm)は大阪・名古屋地域持込み価額で一万五、八三三円であり、圧力養生コンクリート矢板のトン当り単価の最低額のもの(SF、長さ六m、厚さ一二cm、巾一〇cm)は大阪地域工場渡し価額で一万四、八四三円であることが認められる。 場価額が別表(六)の2、3に各記載のとおりであることは当事者間に争いがない。これによれば、長井式コンクリート矢板のトン当り単価の最低額のもの(PV-6長さ六m、厚さ一〇cm、巾五〇cm)は大阪・名古屋地域持込み価額で一万五、八三三円であり、圧力養生コンクリート矢板のトン当り単価の最低額のもの(SF、長さ六m、厚さ一二cm、巾一〇cm)は大阪地域工場渡し価額で一万四、八四三円であることが認められる。そして、弁論の全趣旨によれば、本件PC矢板と右各ユンクリート矢板は用途を同じくする類似の製品と認められるから、本件PC矢板の通常の販売価額が右各コンクリート矢板の販売価額と著しい差があるものとは考え難い。(七) 以上(一)ないし(六)の各事情を総合すれば、本件PC矢板の通常の販売価額は、別表(二)の(2)、(4)の各PC矢板につき、それぞれ少くとも、単価二万八、六〇〇円(トン当り九、八六二円)、二万四、五〇〇円(トン当り九、八〇〇円)であり、その余の各PC矢板につき、いずれも少くともトン当り九、八一二円以上であると認めるのが相当である。しかるに、本件PC矢板の販売価額は右の通常の販売価額の五六ないし五七%であつて、しかも製造原価をも下廻る異常な低価であることは前叙のとおりである。してみれば、他に特段の事情の認められない本件においては、右異常低価販売は経済的取引としてまことに不合理、不自然なものであるというの外ない。3 以上のとおりであるから、控訴人が法人税法一三二条一項により被控訴人の植村組に対 認められない本件においては、右異常低価販売は経済的取引としてまことに不合理、不自然なものであるというの外ない。3 以上のとおりであるから、控訴人が法人税法一三二条一項により被控訴人の植村組に対する本件PC矢板の販売価額をいずれも否認し、本件PC矢板のうち別表(二)の(2)、(4)の各PC矢板については、それぞれ同表の(1)、(3)の各PC矢板と同一の単価二万八、六〇〇円、二万四、五〇〇円の販売価額をもつて計算し、本件PC矢板のうち右(2)、(4)を除くその余の各PC矢板については、いずれもトン当り九、八一二円に各規格の一木当り重量を乗じた単価以下であることが明らかな、トン当り七、四三〇円に各規格の一本当り重量を乗じた単価(たな卸評価額)の一・三倍の販売価額(即ち、一般管理費及び利潤を含んだ価額)で計算したこと、即ち本件各矢板につき別表(一)、(二)の控訴人認定売上高欄記載の販売価額で計算したことは相当であり、従つて、控訴人が、別表(一)、(二)の被控訴人公表売上計上高欄記載の売上金額と控訴人認定売上高欄記載の売上金額との差額合計二、〇二九万四、三七〇円を被控訴人の植村組に対する当期の低価譲渡による売上計上洩れと認定したのは相当である。 三倍の販売価額(即ち、一般管理費及び利潤を含んだ価額)で計算したこと、即ち本件各矢板につき別表(一)、(二)の控訴人認定売上高欄記載の販売価額で計算したことは相当であり、従つて、控訴人が、別表(一)、(二)の被控訴人公表売上計上高欄記載の売上金額と控訴人認定売上高欄記載の売上金額との差額合計二、〇二九万四、三七〇円を被控訴人の植村組に対する当期の低価譲渡による売上計上洩れと認定したのは相当である。そして、右低価譲渡による売上計上洩れが認められる場合において、同金額が植村組に対する寄付金と認定さるべきこと、及びその際における寄付金の損金不算入額が別紙計算書(二)のとおり一、九二四万一、六六〇円となることは当事者間に争いがない。ところで被控訴人は、法人税法一三二条一項について、法人税の負担を不当に減少させるかどうかは、被控訴人と植村組のような系列会社間の行為、計算については、各会社を通じた法人税の合算額によつて判断すべきであるとし、右見解を前提として、前記低価譲渡による売上計上洩れが認められるとし るかどうかは、被控訴人と植村組のような系列会社間の行為、計算については、各会社を通じた法人税の合算額によつて判断すべきであるとし、右見解を前提として、前記低価譲渡による売上計上洩れが認められるとしても、その場合、被控訴人の売上金額が増加すると同時に同金額が植村組の仕入金額の増額となるから、それを計算すると、被控訴人と植村組の合計課税所得金額はかえつて減少し、法人税の負担は別紙計算書(一)記載のとおり一万二、一六〇円が減少する。従つて被控訴人の右低価譲渡による売上計上洩れによつて、法人税の負担を不当に減少させるものではない旨主張するが、法人税法は個々の法人を独立の課税客体としており(同法四条一項参照)、たとえ系列会社であつても法人格が別個である以上は、別個の課税単位として取扱うべきものであるから、被控訴人主張の如く、法人税の負担を不当に減少させるかどうかは系列会社間の行為、計算については各会社を通じた法人税の合算額によつて判断すべきであるとの見解は到底採用することができず、従つて右見解を前提とする被控訴人の主張は失当たるを免れない。三本件処分における控訴人の課税所得の計算は別紙計算書(三)の「科目」欄に対応する「更正額」欄記載のとおりであり、これに対する被控訴人主張の計算はその「原告の主張」欄記載のとおりであるところ、その争点については、前説示の次第により、同計算書の「科目」欄(二)の加算項目として、翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れ及び低価譲渡による売上計上洩れ合計二、七九九万七、三四五円が、同科目欄(三)の減算項目としてたな卸製品過大計上八一〇万七、四八八円、寄付金計上洩れ二、〇二九万四、三七〇円が、同「科目」欄(四)の寄付金の損金不算入額(加算)として一、九二四万一、六六〇円がそれぞれ計上さるべきものであり、そうすると、 示の次第により、同計算書の「科目」欄(二)の加算項目として、翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れ及び低価譲渡による売上計上洩れ合計二、七九九万七、三四五円が、同科目欄(三)の減算項目としてたな卸製品過大計上八一〇万七、四八八円、寄付金計上洩れ二、〇二九万四、三七〇円が、同「科目」欄(四)の寄付金の損金不算入額(加算)として一、九二四万一、六六〇円がそれぞれ計上さるべきものであり、そうすると、 大計上八一〇万七、四八八円、寄付金計上洩れ二、〇二九万四、三七〇円が、同「科目」欄(四)の寄付金の損金不算入額(加算)として一、九二四万一、六六〇円がそれぞれ計上さるべきものであり、そうすると、控訴人の右課税所得の計算は正当であり、本件処分は違法というべきである。四してみると、被控訴人の本訴請求は、爾余の点につき判断をするまでもなく、理由がなく、棄却すべきものであるから、これと反対の趣旨の原判決は不当であり、本件控訴は理由がある。よつて、原判決を取清して被控訴人の請求を棄却し、訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民事訴訟法九六条、八九条を各適用して、主文のとおり判決する。(裁判官古川純一谷口彰竹江禎子)別表(省略)(原裁判等の表示)○ 主文被告が昭和四二年七月一五日付で原告の昭和四〇年九月一日から昭和四一年八月三一日までの事業年度の法人税についてした更正および過少申告加算税賦課決定は課税所得金額六、八七〇万六、二二〇円を基礎として算出される税額をこえる限度において取り消す。訴訟費用は被告の負担とする。○ 事実第一当事者の求めた裁判一原告主文と同旨。二被告(一) 原告の請求を棄却する。(二) 訴訟費用は原告の負担とする。第二当事者の主張一原告の請求原因(一) 本件処分原告のヒユーム管、パイル、橋桁、矢板等の建設資材の製造、販売、およびこれに附加する工事の請負施行を営業目的とする会社であるが、昭和四〇年九月一日から昭和四一年八月三一日までの事業年度(以下「当期」という)分の法人税について、昭和四一年一〇月三一日被告に対し、課税所得六、四九七万八、四七三円、税額二、三四八万六、四三〇円とする確定申告をしたところ、被告が昭和四二年七月一五日課税所得を八、七五四万三、三六七円税額を三、〇四七万 一年一〇月三一日被告に対し、課税所得六、四九七万八、四七三円、税額二、三四八万六、四三〇円とする確定申告をしたところ、被告が昭和四二年七月一五日課税所得を八、七五四万三、三六七円税額を三、〇四七万八、二〇〇円とするとの更正および過少申告加算税三四万九、五〇〇円の賦課決定(以下「本件処分」という)をして、そのころ原告に通知したので、原告は本件処分を不服として昭和四二年八月一二日熊本国税局長に対し審査請求をなしたところ、同局長は昭和四三年六月一四日右審査請求を棄却するとの裁決をして、同月一九日原告に通知した。 ところ、被告が昭和四二年七月一五日課税所得を八、七五四万三、三六七円税額を三、〇四七万八、二〇〇円とするとの更正および過少申告加算税三四万九、五〇〇円の賦課決定(以下「本件処分」という)をして、そのころ原告に通知したので、原告は本件処分を不服として昭和四二年八月一二日熊本国税局長に対し審査請求をなしたところ、同局長は昭和四三年六月一四日右審査請求を棄却するとの裁決をして、同月一九日原告に通知した。(二) 本件処分の違法性 1 事実誤認(1) 本件処分は原告がその系列会社である株式会社植村組(以下「植村組」という)、および植村産業株式会社(以下「植村産業」という)に対する原告川内工場(以下「川内工場」という)における当期のプレストレストコンクリート矢板(以下「PC矢板」という)等の売上の一部について昭和四一年九月一日から昭和四二年八月三一日までの事業年度(以下「翌期」という)の売上に繰延べ処理したものがあるとして、これを当期の売上計上洩れと認定したうえ、右売上計上洩れを含めた植村組に対する当期のPC矢板の売上中に製造原価以下の金額で販売されたものがあるとして、法人税法第一三二条第一項を適用して、その売上額と被告の認定した売上額との差額をも当期の売上計上洩れと認定し、さらに原告から植村組に対する右差額と同額の寄付金計上洩れを認定してなされたものであるが、右各認定はいずれもそれに該当する事実がないのになされたもので違法である。2 法解釈の誤り(1) 税務署長は同族会社等の法人税につき更正または決定をする場合において、その法人の行為または計算でこれを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあると の誤り(1) 税務署長は同族会社等の法人税につき更正または決定をする場合において、その法人の行為または計算でこれを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為または計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準もしくは欠損金額または法人税の額を計算することができる(法人税法第一三二条第一項)のであるが、右法人税の負担を不当に減少させるか否かは、本件のような系列会社間の行為計算については、両当事者を通じた法人税の合算額によつて判定すべきである。(2) そこで、仮に被告の主張する低価譲渡による売上計上洩れが認められたとしても、その場合は原告の売上金額が増加するが、同時に全く同額が植村組の仕入金額の増額となるから、それを計算すると、原告、植村組の合計課税所得金額はかえつて減少し、法人税の負担は別紙計算書(一)(以下「計算書(一)」といい、その余の別紙計算書も同様とする)記載のとおり一万二、一六〇円減少することとなる。 よつて判定すべきである。(2) そこで、仮に被告の主張する低価譲渡による売上計上洩れが認められたとしても、その場合は原告の売上金額が増加するが、同時に全く同額が植村組の仕入金額の増額となるから、それを計算すると、原告、植村組の合計課税所得金額はかえつて減少し、法人税の負担は別紙計算書(一)(以下「計算書(一)」といい、その余の別紙計算書も同様とする)記載のとおり一万二、一六〇円減少することとなる。そうすると、原告の当期の行為計算は法人税の負担を不当に減少させるものでないことは明らかであるから、前記法条を適用してなされた本件処分はその解釈を誤つて適用した違法なものである。3 以上から、原告は本件処分のうち、課税所得金額六、八七〇万六、二二〇円を基礎として算出される税額をこえる限度において取消を求める。二請求原因に対する被告の答弁(一) 請求原因(一)の事実は認める。(二) 1同二の1のうち、事実誤認である旨の原告の主張は否認し、その余の事実は認める。2 同2の(1)は争う。法人税法第四条第一項は「内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を営む場 は認める。2 同2の(1)は争う。法人税法第四条第一項は「内国法人は、この法律により、法人税を納める義務がある。ただし、内国法人である公益法人等又は人格のない社団等については、収益事業を営む場合に限る。」と規定し、個々の法人を独立した課税客体としている以上、たとえ系列会社として、おたがいに完全に支配、被支配の関係にある法人であつても、全く別個の課税単位として取扱つているのである。したがつて、原告の同法第一三二条第一項についての主張は、解釈論として全く根拠のないものと言わなければならない。三被告の主張(処分の適法性について)(一) 翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れ 1 原告は別表(一)記載の各製品を、同表の原告公表売上計上高欄記載の各数量(数量に「内」として記載の分は植村産業に、その余は植村組に各販売したもの)、各販売価額(単価)により植村組および植村産業に対する翌期の売上に計上したが、右各製品はいずれも当期に販売されたもので、原告がこれを翌期の売上に繰延べしたものであるから、右販売額合計七七〇万二、九七五円は当期の売上計上洩れである(以下「翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れ」という)。 同表の原告公表売上計上高欄記載の各数量(数量に「内」として記載の分は植村産業に、その余は植村組に各販売したもの)、各販売価額(単価)により植村組および植村産業に対する翌期の売上に計上したが、右各製品はいずれも当期に販売されたもので、原告がこれを翌期の売上に繰延べしたものであるから、右販売額合計七七〇万二、九七五円は当期の売上計上洩れである(以下「翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れ」という)。2 そして、翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れに対応する売上原価八一〇万七、四八八円は当期末にたな卸高に計上されており、また右たな卸高を基礎とする価格変動準備金四〇万四、四一三円が計上されている。(二) 同族会社の製品低価譲渡による売上計上洩れ 1 原告は法人税法第二条第一〇号所定の同族会社である。2 別表(一)中(1)、(2)、別表(二)中(2)、(4)ないし(12)に各記載のPC矢板(以下「本件PC矢板」という)および別表(二)中(1)、(3)に各記載のPC矢板は、原告が植村組に対して当期に右各表の原告公表売上計上高欄記載 二)中(2)、(4)ないし(12)に各記載のPC矢板(以下「本件PC矢板」という)および別表(二)中(1)、(3)に各記載のPC矢板は、原告が植村組に対して当期に右各表の原告公表売上計上高欄記載の各数量、各単価で販売したものである。3 本件PC矢板の通常の販売価額(1) 本件PC矢板の製造原価イ原告の当期の決算における川内工場の製品についての別表(三)記載の原価計算表(以下「原価計算表(A)」という)によると、PC矢板、スラブ橋用プレストレストコンクリート橋桁(以下「PS桁」という)、プレストレストコンクリート板(以下「PC板」という)の三種の製品を集計するPS部門の製品製造総重量は四、九九五・四三六トンである。また原価要素としての材料費は二、一四二万〇、四二六円、労務費は八二九万八、七〇四円、経費は七三六万二、九一六円であるから原価の合計は三、七〇八万二、〇四六円である。そこで、右金額を当期の右製造総重量で除したPS部門の製品トン当り製造原価は七、四二三円となる。原告は原価計算表(A)の右結果に基づき、PS部門の当期末たな卸資産の評価を製品の種類、品質、型の異なるごとに区別せず、一括して製品トン当り七、四三〇円で計算した。ロところで、原告は昭和三四年一一月一〇日に設立された会社であるが、その設立直後の同年一二月二三日鹿児島税務署長に対して提出した、たな卸資産評価方法の届出書によればセメント製品は原材料先入先出法による総平均法(法人税施行令第二八条第一項第一号二)を採用する旨届出し、以来当期末までこの方法により評価してきた。 評価を製品の種類、品質、型の異なるごとに区別せず、一括して製品トン当り七、四三〇円で計算した。ロところで、原告は昭和三四年一一月一〇日に設立された会社であるが、その設立直後の同年一二月二三日鹿児島税務署長に対して提出した、たな卸資産評価方法の届出書によればセメント製品は原材料先入先出法による総平均法(法人税施行令第二八条第一項第一号二)を採用する旨届出し、以来当期末までこの方法により評価してきた。ハそして、原告は右の方法によるたな卸資産の評価を行なうために、財務会計機構と結びついた常時継続的に記録される原価計算制度をとり、製造部門としてヒユーム管、パイル、PS、ブロツク、プレス側溝、蛇籠その他 して、原告は右の方法によるたな卸資産の評価を行なうために、財務会計機構と結びついた常時継続的に記録される原価計算制度をとり、製造部門としてヒユーム管、パイル、PS、ブロツク、プレス側溝、蛇籠その他の各部門に分類し、まず各部門ごとに製品トン当りの総平均原価を算定している。かくして、原告は右各部門の製品トン当り総平均原価を基礎として、法人税法施行令第二八条第一項第一号二所定の総平均法(たな卸の評価は種類、品質および型の異なるごとに区別して計算すべき旨現定している)により、たな卸資産を評価すべく、ヒユーム管およびパイルの各部門の製品は種類、品質、型の異なるごとに、ブロツク部門の製品は種類等の異なるごとに、または同一グループごとにそれぞれ区別して等級別総合原価計算をなしているにもかかわらず、PS部門の製品については種類、品質、型の異なるごとに区別せず、製品トン当り七、四三〇円で一括して評価したものである。ニ原告がPS部門のたな卸資産を右の方法で評価した理由は、原告が同部門の製品については、どの種類、品質、型のものであつても、そのトン当り製造原価はほぼ同一であると判断したためであると考えられるから、本件PC矢板の製造原価は、製品トン当り七、四三〇円であると思慮される。(2) 植村組およびそれ以外との各取引における販売実績の比較イ PS部門の当期の売上を各取引ごとの販売先、製品の種類、規格、数量、販売価額(単価)、売上額、製品一本当りの重量、製品トン当りの販売価額、総重量と、これを植村組およびそれ以外との各取引に区別して各集計したPC矢板、PS桁、PC板、PS桁・PC板、PS部門全体ごとの各合計売上額、製品トン当り平均販売価額、総重量は別表(四)の一ないし三に記載のとおりである。 びそれ以外との各取引における販売実績の比較イ PS部門の当期の売上を各取引ごとの販売先、製品の種類、規格、数量、販売価額(単価)、売上額、製品一本当りの重量、製品トン当りの販売価額、総重量と、これを植村組およびそれ以外との各取引に区別して各集計したPC矢板、PS桁、PC板、PS桁・PC板、PS部門全体ごとの各合計売上額、製品トン当り平均販売価額、総重量は別表(四)の一ないし三に記載のとおりである。ロ別表(四)の一ないし三によれば、PC矢板の当期の製品トン当 PC板、PS桁・PC板、PS部門全体ごとの各合計売上額、製品トン当り平均販売価額、総重量は別表(四)の一ないし三に記載のとおりである。ロ別表(四)の一ないし三によれば、PC矢板の当期の製品トン当り平均販売価額は、植村組以外との取引分については一万六、一四六円であるのに植村組との取引分については六、四六四円と著しく低額となつている。(3) 県導流堤工事の設計額イ原告が植村組に対し当期に販売したPC矢板は、植村組が鹿児島県から請負つた川内港の導流堤工事に使用されたものである。ロ右請負工事の各契約別の工事名、工事場所、工事期間、請負金額、工事代金の設計額(鹿児島県があらかじめ入札前に作成した各契約ごとの見積)、および右設計額におけるPC矢板の設計額は別表(五)記載のとおりである。ハそして、別表(五)記載の各請負工事の請負金額の各設計額に対する割合はいずれも約九九%であるから、各設計額の積算要素たるPC矢板の価額が競争入札によつて圧縮されるという程の影響はない。ニそして、右各設計額の内訳においては、PC矢板は製品キログラム当り一七・三円ないし一七・八円(トン当り一万七、三〇〇円ないし一万七、八〇〇円)で計算されているのである。(4) 市場価額イ原告作成の昭和四二年四月一日付ブレストレストコンクリート製品定価表(以下「原告発行定価表」という)によるPC矢板の規格別キログラム当りの定価は別表(六)中1欄記載のとおりであり、これによれば、最低価額のものでもキログラム当り一七・五円(トン当り一万七、五〇〇円)である。ロまた、財団法人建設物価調査会発行「建設物価」誌(昭和四一年三月号、以丁単に「建設物価誌」という)によれば、PC矢板とおおむね類似している長井式コンクリート矢板、圧力養生コンクリート矢板の各規格、各地域(東京、大阪、 」という)によるPC矢板の規格別キログラム当りの定価は別表(六)中1欄記載のとおりであり、これによれば、最低価額のものでもキログラム当り一七・五円(トン当り一万七、五〇〇円)である。ロまた、財団法人建設物価調査会発行「建設物価」誌(昭和四一年三月号、以丁単に「建設物価誌」という)によれば、PC矢板とおおむね類似している長井式コンクリート矢板、圧力養生コンクリート矢板の各規格、各地域(東京、大阪、 物価調査会発行「建設物価」誌(昭和四一年三月号、以丁単に「建設物価誌」という)によれば、PC矢板とおおむね類似している長井式コンクリート矢板、圧力養生コンクリート矢板の各規格、各地域(東京、大阪、名古屋)別の製品トン当り市場価額は別表(六)中2、3欄に各記載のとおりであり、これによればその最低価額のものでもトン当り一万五、六〇〇円である。なお、右最低価額は原告発行定価表の前記最低価額を下回るものであるが、原告は南九州一帯における唯一の矢板メーカーの地位にあること、およびPC矢板は超重量物であるため他の地域から南九州地域に搬入するとすれば相当多額の運送費を要すること等の有利な条件を背景として原告発行定価表を作成したものであるから、同表中1欄記載の各定価は妥当な価額である。(5) 以上(1)ないし(4)の各事実を総合すると本件PC矢板のトン当り製造原価は少なくとも約七、四三〇円で、通常の取引におけるトン当り販売価額は一万七、一二〇〇円であると解される。4 低価譲渡しかるに、本件PC矢板の原告公表の前記販売価額(単価)は、いずれも一万七、三〇〇円に各規格の一本当りのトン数を乗じて得られる通常の取引における販売価額(単価)だけでなく、別表(一)、(二)中各たな卸計上高欄記載のたな卸評価額さえも下回る不当に低廉なものであつて、かかる低価額による本件PC矢板の販売は、営利を目的とする会社の通常の取引においては全く考えられない不自然、不合理なものであつて、これは原告が同族会社であることによつて恣意的になされたものと解するほかなく、これを容認すれば原告の当期における法人税の負担を不当に減少させる結果となる。5 原告の行為、計算の否認よつて、本件PC矢板についての原告の行為、計算を否認し、本件PC矢板のうち別表(二)中(2)、(4)に各記載のも 当期における法人税の負担を不当に減少させる結果となる。 おいては全く考えられない不自然、不合理なものであつて、これは原告が同族会社であることによつて恣意的になされたものと解するほかなく、これを容認すれば原告の当期における法人税の負担を不当に減少させる結果となる。5 原告の行為、計算の否認よつて、本件PC矢板についての原告の行為、計算を否認し、本件PC矢板のうち別表(二)中(2)、(4)に各記載のも 当期における法人税の負担を不当に減少させる結果となる。5 原告の行為、計算の否認よつて、本件PC矢板についての原告の行為、計算を否認し、本件PC矢板のうち別表(二)中(2)、(4)に各記載のものを除くその余の各売買については、別表(一)、(二)中各たな卸計上高欄記載の各たな卸評価額にその三〇%に相当する一般管理費および純利益を加算して求められる(一〇円未満四捨五入)、右各表中被告認定売上計上高欄記載の各価額で販売されたものと認定し、また昭和四一年三月三一日に販売された別表(二)中2記載のPC矢板は、これと同一製品である同表中(1)記載のものの販売価額(単価)が二万八、六〇〇円(昭和四〇年一〇月三一日に販売された)であるのに、販売価額(単価)一万六、〇〇〇円で販売され、同様に昭和四一年三月三一日に販売された同表中(4)記載のPC矢板は、これと同一製品である同表中(3)記載のものの販売価額(単価)が二万四、五〇〇円(昭和四〇年一〇月三一日に販売された)であるのに、販売価額(単価)一万四、〇〇〇円で販売され、それぞれ値下げされているが、右各値下げについてこれを相当とする特段の事情がないので、同表中(2)、(4)記載の各PC矢板はそれぞれ従前の単価で販売されたものと認定した。かくして、本件PC矢板の低価譲渡による売上計上洩れは合計二、〇二九万四、三七〇円となるが、右金額については同額の金員が原告から植村組に対して寄付されたものと認定した。そして、これによる法人税法第三七条第一項の寄付金の損金不算入額は計算書(二)記載のとおり、一、九二四万一、六六〇円となる。(三) 以上の事実を基礎に原告の当期分の課税所得を計算すると計算書(三)中更正額欄記載のとおり八、七五四万三、三六七円となるから、本件処分は違法なものではない。四被告の主張に対 六〇円となる。(三) 以上の事実を基礎に原告の当期分の課税所得を計算すると計算書(三)中更正額欄記載のとおり八、七五四万三、三六七円となるから、本件処分は違法なものではない。 )記載のとおり、一、九二四万一、六六〇円となる。(三) 以上の事実を基礎に原告の当期分の課税所得を計算すると計算書(三)中更正額欄記載のとおり八、七五四万三、三六七円となるから、本件処分は違法なものではない。四被告の主張に対 六〇円となる。(三) 以上の事実を基礎に原告の当期分の課税所得を計算すると計算書(三)中更正額欄記載のとおり八、七五四万三、三六七円となるから、本件処分は違法なものではない。四被告の主張に対する原告の答弁(一) 1被告の主張(一)の1のうち、別表(一)記載の各製品が当期の売上であるとの事実は否認し、その余の事実は認める。2 同2の事実は認める。(二) 1同(二)の1の事実は認める。2 同2のうち、別表(一)中(1)、(2)記載の各PC矢板が当期の売上であるとの事実は否認し、その余の事実は認める。3 (1)イ同3の(1)のイないしハの各事実は認める。ロ同二の事実は否認する。PS部門の製品の製造原価は、種類、品質、型の異なるごとに大差があり、それぞれ受注生産であるところから、本来は各受注製品別に製造原価を計算しなければ正確なたな卸資産の評価をなしえないのであるが、PS部門の製品は各種類における型が多数であるため計算手続が技術上複雑で計算に長時間を要するため、やむをえず、右製造原価の差を無視してPS部門のたな卸資産につき、一括して製造原価を計算し、たな卸の評価をしたものである。そこで、PS部門の製品をPC矢板とPS桁・PC板に二分し、プレス側溝および蛇籠その他の各部門を合わせて蛇籠他部門として、原価計算(A)を修正すると別表(七)記載の原価計算表(以下「原価計算表(B)」という)のとおりとなり、これによれば、PC矢板のトン当り製造原価は四、九四〇円である。そして、四、九四〇円に本件PC矢板の各規格の一本当りのトン数を乗じて得られる各製造原価と各販売価額(単価)の関係は別表(八)、(九)に各記載のとおりであり、本件PC矢板には製造原価以下で販売されたものは全くないのである。また、もし被告が主張するようにPS部門の製品すべてに 製造原価と各販売価額(単価)の関係は別表(八)、(九)に各記載のとおりであり、本件PC矢板には製造原価以下で販売されたものは全くないのである。また、もし被告が主張するようにPS部門の製品すべてについて単一に製品トン当り製造原価が七、四三〇円であるとして、当期に原告が販売したPS部門の製品の一部についてその販売価額(単価)と右製造原価に各製品の一本当りのトン数を乗じて得られる各製品一本当りの製造原価、およびこれによる売上利益を計算すると別等(一〇)記載のとおりとなり、これによれば各売上利益の各売上金額に対する各比率(以下「売上総益率」という)は、厚さの薄いPC板については五七ないし七七%、PS桁については五五ないし五七%という異常に高率な売上利益が算出されることになるのである。 製品の一部についてその販売価額(単価)と右製造原価に各製品の一本当りのトン数を乗じて得られる各製品一本当りの製造原価、およびこれによる売上利益を計算すると別等(一〇)記載のとおりとなり、これによれば各売上利益の各売上金額に対する各比率(以下「売上総益率」という)は、厚さの薄いPC板については五七ないし七七%、PS桁については五五ないし五七%という異常に高率な売上利益が算出されることになるのである。このことは、PS部門の各製品の製造原価に大差のあることを示している。また、製品の販売価格の計算は、企業が製品の価格に関する決定をするために随時なされるもので、それは経常的な原価計算だけでは不充分であつて、特殊調査を中心とした、いわゆる差額原価収益分析によつて行なわれる。だから、いわゆる財務会計目的のために財務会計機構と結びついて経常的に計算された原価計算表(A)のみから直ちに製品の販売価格の計算をすることはできない。(2) 同(2)のイ、ロの各事実は認める。(3) イ同(3)のイの事実は認める。ロ同ロのうち、別表(五)中矢板工の設計額欄記載の事実は知らないが、その余の事実は認める。ハ同ハの事実は否認する。ニ同二の事実は知らない。(4) イ同(4)のイの事実は認める。但し、この種の製品は大量に製作されるものではなく、数拾個を越える注文があることは全くまれである。したがつて、原告発行定価表はこの少量生産の特性を考慮して定められたものである。そ 事実は認める。但し、この種の製品は大量に製作されるものではなく、数拾個を越える注文があることは全くまれである。したがつて、原告発行定価表はこの少量生産の特性を考慮して定められたものである。そして、実際の受注にあたつては、数量、取引条件等を考慮して、その都度製品の価額を決定しており少量を生産する場合は型枠等の製作に要する費用が割高となるために価額が割高となるが、大量生産の場合は製造原価は低廉なものとなるので割安の価額で販売されるのが実情である。ロ同ロのうち、建設物価誌によれば、長井式コンクリート矢板、および圧力養生矢板の各規格、各地域(東京、大阪、名古屋)別の製品トン当り市場価額は別表(六)中1、2欄に各記載のとおりであることは認め、その余の事実は否認する。4 同4のうち、本件PC矢板の各販売価額が被告主張どおりであることは認めるが、その余の事実は否認する。 生産の場合は製造原価は低廉なものとなるので割安の価額で販売されるのが実情である。ロ同ロのうち、建設物価誌によれば、長井式コンクリート矢板、および圧力養生矢板の各規格、各地域(東京、大阪、名古屋)別の製品トン当り市場価額は別表(六)中1、2欄に各記載のとおりであることは認め、その余の事実は否認する。4 同4のうち、本件PC矢板の各販売価額が被告主張どおりであることは認めるが、その余の事実は否認する。5 同5の主張は争う。なお本件PC矢板は、植村組が川内港の導流堤工事を請負施行することによつて、発注されたものであるが、昭和四〇年会計年度工事として請負つた工事のため製造納入された別表(二)中(1)、(3)記載の各PC矢板は、その後追加注文があるという保障はなかつたので、法人税法上型枠は三年間に減価償却費として製品に負担させることを予定されているにもかかわらず、右各PC矢板の型枠費用を右各PC矢板の販売代金から回収することとして、右各PC矢板の販売価額は決定されたのである。だから、その後植村組が継続工事として川内港の工事を昭和四一年会計年度も請負うことにともなつて植村組から原告に対して注文のあつた別表(二)中(2)、(4)記載の各PC矢板はいずれもその型枠費用が回収済みであつたため価格の引下げを行なつたものである。なお被告主張の売上計上洩れが認められるなら、寄付金および 対して注文のあつた別表(二)中(2)、(4)記載の各PC矢板はいずれもその型枠費用が回収済みであつたため価格の引下げを行なつたものである。なお被告主張の売上計上洩れが認められるなら、寄付金および寄付金の損金不算額についての被告の主張は認める。また、被告主張どおり本件PC矢板の低価譲渡による売上計上洩れが認められるなら、その結果として当期における売上総益率が異常に低下するはずであるが、別表(二)記載のとおり、当期とPC矢板の販売価額について争いのない、それ以前の三事業年度を比較してもかかる事実は認められないのである。(三) 同(三)のうち、計算書(三)中原告主張欄と一致する更正額欄の各記載は認め、その余の事実は否認する。五原価計算表(B)に対する被告の反論(一) 原価計算表(A)、(B)の比較検討 1 別表(三)記載の原価計算表(A)とこれを修正して作成された別表(七)記載の原価計算表(B)の各内容を、総額、各部門別に比較すると別表(三)の一、二記載のとおりである。 比較してもかかる事実は認められないのである。(三) 同(三)のうち、計算書(三)中原告主張欄と一致する更正額欄の各記載は認め、その余の事実は否認する。五原価計算表(B)に対する被告の反論(一) 原価計算表(A)、(B)の比較検討 1 別表(三)記載の原価計算表(A)とこれを修正して作成された別表(七)記載の原価計算表(B)の各内容を、総額、各部門別に比較すると別表(三)の一、二記載のとおりである。2 別表(三)の一、二によると、原価の総額の計算において、原価計算表(B)は同(A)に対し労務費で二八五万五、五三六円、経費で二七七万七、三六八円減少し、さらに同(B)で追加された減殺原価要素の屑鉄空袋処分五六万〇、六七六円を差引きすると合計六一九万三、五八〇円が減少している。3 (1)原告はPS部門の材料費(セメント、砂、砂利)の計算について、PS部門をPC矢板とPS桁・PS板に二分した原価計算表(B)では、まずPC矢板の各規格の一本当りの各所要量を見積り、これに各規格ごとの当期中の製造本数を乗じて右各材料ごとに合計して消費量を算出し、これに右各材料の平均単価を乗じたものがPC矢板部門の右各材料費であり、PS部門の材料費からPC矢板部門の右材料費を差引いたものが、 の当期中の製造本数を乗じて右各材料ごとに合計して消費量を算出し、これに右各材料の平均単価を乗じたものがPC矢板部門の右各材料費であり、PS部門の材料費からPC矢板部門の右材料費を差引いたものが、PS桁・PC板部門の材料費となるとの方法を採用している。(2) 原価計算表(A)、(B)とも労務費の総額は、各部門のウエイトに各部門の当期中の製造重量を乗じて得た数価の比により各部門に割当てられているが、原価計算表(B)ではPS部門内のウエイトに極端な差異を設け、PC矢板四〇〇、PS桁一、二五〇、PC板一、三〇〇というようにPC矢板とそれ以外とでは三倍以上の格差をつけている。(3) また、経費の総額を配分するにあたつても、原価計算表(A)では地料、減価償却費以外は合理的配賦として一括して各部門のウエイトに各部門の当期中の製造重量を乗じて得た数値の比により各部門に配賦していたが、同(B)では原価要素別に細分して配賦している。そして、同(B)では経費のうち消耗品費のウエイトをPS桁、PC板はいずれも3であるが、PC矢板は2としているため、PC矢板には消耗品費が少なく割当てられているのである。 総額を配分するにあたつても、原価計算表(A)では地料、減価償却費以外は合理的配賦として一括して各部門のウエイトに各部門の当期中の製造重量を乗じて得た数値の比により各部門に配賦していたが、同(B)では原価要素別に細分して配賦している。そして、同(B)では経費のうち消耗品費のウエイトをPS桁、PC板はいずれも3であるが、PC矢板は2としているため、PC矢板には消耗品費が少なく割当てられているのである。4 右2の各減額および減殺原価要素の追加、ならびに右3の(2)、(3)の各ウエイトの設定につき、いずれもこれを首肯しうる合理的理由はなく、右3の(1)の材料費の計算方法は恣意的なもので、客観的妥当性を欠いている。よつて、原価計算表(B)は妥当なものではない。(二) 植村組およびそれ以外との各取引実績による原価計算表(B)の検討 1 原価計算表(A)によるPS部門の製品トン当り製造原価を一〇〇とした場合も同(B)によるPC矢板、PS桁・PC板の各製品トン当り製造原価の各指数は別表(三)中2欄に、別表(四)の一ないし三による植村組およびそれ以外との各取引におけ 品トン当り製造原価を一〇〇とした場合も同(B)によるPC矢板、PS桁・PC板の各製品トン当り製造原価の各指数は別表(三)中2欄に、別表(四)の一ないし三による植村組およびそれ以外との各取引におけるPS部門の各製品トン当り平均販売額をいずれも一〇〇とした場合の、右各取引におけるPC矢板、PS桁・PC板の各トン当り平均販売価額の各指数は別表(一三)中(4)、(6)欄に、同(B)におけるPC矢板、PS桁・PC板の、同(A)におけるPS部門の各トン当り製造原価をいずれも一〇〇とした場合の、右各取引における、これらと対応する各PC矢板、PS桁・PC板、PS部門の各トン当り平均販売価額の各指数は別表(一三)中(イ)、(エ)、(カ)欄に順次記載のとおりである。2 (1)PS部門の製品は、ほとんど受注生産であるから、その販売価額は、おおむね同一の総益率によつて決定されるものとみられる。そうすると、PC矢板とPS桁・PC板のトン当り各平均販売価額の比率は、トン当り各製造原価の比率に近似しているはずである。そこで、原告、被告間で販売価額の相当性に争いのない植村組以外との取引におけるPC矢板とPS桁・PC板のトン当り販売価額の比率は、別表(一三)中(4)欄記載のとおり九五対一二七であるから、トン当り製造原価の比率も右数値に近似しなければならない。 益率によつて決定されるものとみられる。そうすると、PC矢板とPS桁・PC板のトン当り各平均販売価額の比率は、トン当り各製造原価の比率に近似しているはずである。そこで、原告、被告間で販売価額の相当性に争いのない植村組以外との取引におけるPC矢板とPS桁・PC板のトン当り販売価額の比率は、別表(一三)中(4)欄記載のとおり九五対一二七であるから、トン当り製造原価の比率も右数値に近似しなければならない。ところが、原価計算表(B)によるPC矢板とPS桁・PC板のトン当り製造原価の比率は、右数値と異なり別表(一三)中(2)欄記載のとおり六六対一五一なのである。(2) また、原価計算表(B)によるPC矢板のトン当り製造原価を一〇〇とした場合の植村組およびそれ以外の各取引のPC矢板のトン当り各平均販売価額の各指数は、別表(一三)中(イ)欄記載のとおり植村組との取引は一三一であるのに、それ以外との取引は三二九と異常 価を一〇〇とした場合の植村組およびそれ以外の各取引のPC矢板のトン当り各平均販売価額の各指数は、別表(一三)中(イ)欄記載のとおり植村組との取引は一三一であるのに、それ以外との取引は三二九と異常な高率を示している。(三) 工場別PS部門の原価計算の比較検討 1 原告はコンクリート製品の製造工場として川内工場の他に鹿屋工場、熊本工場、都城工場を有しているが、このうち都城工場を除いた各工場にはPS製品の製造部門があり、同部門ではPS桁・PC板のみを製造している。2 そして、川内工場の原価計算表(A)、(B)と鹿屋工場、および熊本工場の各PS桁、PC板の原価計算を比較すると別表(一四)記載のとおりである。同表によれば原価計算表(B)によるPS桁・PC板のトン当り製造原価と鹿屋工場、および熊本工場の各原価計算によるPS桁・PC板のトン当り製造原価を比較すると、鹿屋工場は二、六四六円、熊本工場は一、〇五二円も少いのである。3 原価計算表(B)によれば、大量生産による製造原価の引下げが行なわれると見られる川内工場のPS桁・PC板の製造原価が鹿屋工場および熊本工場に比較して高いということは、同(B)における原価要素の配分計算が合理性を欠き妥当でないからである。(四) 植村組以外との取引におけるPC矢板およびPS桁・PC板の各トン当り製造原価の検討PS部門の製品は、製造原価に一定の割合の一般管理費を加えたものを販売原価とし、これに適正な利益を加算したものをもつて販売価額が決定されるから、植村組以外の取引先に販売された、当期分、昭和三九年九月一日から昭和四〇年八月三一日までの事業年度(以下「前期」という)分、前期、当期を通じた分の各PC矢板と各PS桁・PC板のトン当り製造原価は計算書(四)記載の計算によつて求められる。 各トン当り製造原価の検討PS部門の製品は、製造原価に一定の割合の一般管理費を加えたものを販売原価とし、これに適正な利益を加算したものをもつて販売価額が決定されるから、植村組以外の取引先に販売された、当期分、昭和三九年九月一日から昭和四〇年八月三一日までの事業年度(以下「前期」という)分、前期、当期を通じた分の各PC矢板と各PS桁・PC板のトン当り製造原価は計算書(四)記載の計算によつて求められる。これによると、PC矢板のト 〇年八月三一日までの事業年度(以下「前期」という)分、前期、当期を通じた分の各PC矢板と各PS桁・PC板のトン当り製造原価は計算書(四)記載の計算によつて求められる。これによると、PC矢板のトン当り製造原価は最も少ない場合であつても六、七二九円を下回ることはなく、PS桁・PC板は九、四二二円を上回ることはないのであるから、PC矢板のトン当り製造原価が四、九四〇円、PS桁・PC板のそれが一万一、二六三円であるとする原価計算表(B)は妥当でない。六被告の反論に対する原告の答弁(一) 被告の反論(一)の1ないし3の各事実は認める。(二) 同(二)の各事実は知らない。(三) 1間(三)の1の事実は認める。2 同2のうち、別表(一四)中川内工場欄記載の事実は認めるが、その余の事実は知らない。3 同3は争う。PS部門の製品は各工場それぞれ製品内容が異なるので、各原価要素とも同一の単価となることはない。また、川内工場で大量生産が行なわれたのはPC矢板(当期中の生産高、四、二五四トン)であつて、その余のPS製品は鹿屋工場一、〇九三トン、熊本工場一、二九〇トンに対し、川内工場は七四一トンと最も少ないのである。したがつて、川内工場のPS桁・PC板の製造原価が鹿屋工場および熊本工場に比べて割高となるのは当然のことである。(四) 同(四)のうち、植村組以外に販売された当期分、前期分、前期当期を通じた分の各PC矢板と各PS桁・PC板のトン当り製造原価の計算方法および計算結果が計算書(四)記載のとおりである旨の被告の主張は争う。その余の事実は認める。被告は植村組以外との取引について当期のPC矢板のトン当り製造原価を七、〇三七円とするが、右取引のPC矢板の売上金額四八九万九、六〇〇円に対応する製造原価をトン当り七、〇三七円で計算すると二一三万五、五 は植村組以外との取引について当期のPC矢板のトン当り製造原価を七、〇三七円とするが、右取引のPC矢板の売上金額四八九万九、六〇〇円に対応する製造原価をトン当り七、〇三七円で計算すると二一三万五、五一八円となるから売上利益は二七六万四、〇八二円となり、売上総益率は、約五六%の異常が高率となる。 のPC矢板の売上金額四八九万九、六〇〇円に対応する製造原価をトン当り七、〇三七円で計算すると二一三万五、五 は植村組以外との取引について当期のPC矢板のトン当り製造原価を七、〇三七円とするが、右取引のPC矢板の売上金額四八九万九、六〇〇円に対応する製造原価をトン当り七、〇三七円で計算すると二一三万五、五一八円となるから売上利益は二七六万四、〇八二円となり、売上総益率は、約五六%の異常が高率となる。同様に、PS桁・PC板のトン当り製造原価を九、四二二円とするが、右取引のPS桁の売上金額は一七六万六、八〇〇円に対応する製造原価をトン当り九、四二二円で計算すると一〇五万六、〇二七円となるから売上利益は七一万〇、七七三円となり、売上総益率は約四〇%となる。同様にPC板について計算すれば、売上金額は七六万三、五七〇円、製造原価は二八万二、三六八円、売上利益四八万一、二〇二円となるから、売上総益率は約六三%の異常な高率となる。被告の主張するように、PC矢板、PS桁、PC板の各重量単位当りの製造原価が同一かまたは大差のないものであれば、各売上総益率も大差のないものとなるべきはずである。しかるに、売上総益率が右のとおりPC矢板五六%、PS桁四〇%、PC板六三%と大差を示し、しかもPC矢板とPC板については異常な高率を示している。このことは、PS部門の各製品の原価に大差のあることを示している。第三証拠(省略)○ 理由第一本件処分請求原因(一)および(二)の1のうち、事実誤認により違法である旨の主張を除くその余の各事実は当事者間に争いがない。第二翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れ一被告の主張(一)の1のうち、原告が別表(一)記載の各製品を植村組および植村産業に対する翌期への売上として、同表中原告公表売上計上高欄記載の各数量(内書分は植村産業に、その余は植村組に各販売したもの)、各販売価額(単価)により計上したことは、当事者間に争いがない よび植村産業に対する翌期への売上として、同表中原告公表売上計上高欄記載の各数量(内書分は植村産業に、その余は植村組に各販売したもの)、各販売価額(単価)により計上したことは、当事者間に争いがない。二そこでまず、別表(一)中(1)、(2)に各記載の各PC矢板は、当期の売上に計上すべきものであるか判断する。(一) 右一の争いのない事実に、証人Eの証言により同証人が作成したものと認められる乙第三号証、成立に争いのない同第四ないし第七号証、同第八号証の一ないし四、証人F、同E、同G(後記の措信しない部分を除く)、同羽千田近の各証言、および原告代表者H本大尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すると次の事実を認めることができる。 )中(1)、(2)に各記載の各PC矢板は、当期の売上に計上すべきものであるか判断する。(一) 右一の争いのない事実に、証人Eの証言により同証人が作成したものと認められる乙第三号証、成立に争いのない同第四ないし第七号証、同第八号証の一ないし四、証人F、同E、同G(後記の措信しない部分を除く)、同羽千田近の各証言、および原告代表者H本大尋問の結果に弁論の全趣旨を総合すると次の事実を認めることができる。1 右PC矢板は、植村組(買主)が県から請負つた川内港の導流堤工事に使用するため、当期末以前に原告(売主)と同表中原告公表売上計上高欄記載の各数量、各販売価額(単価)による売買契約を締結したもので、いずれも当期に川内工場において植村組に引渡されて、植村組の費用で川内港の植村組の導流堤工事現場附近に搬入された。2 右PC矢板の右売買については、あらかじめ原告と植村組の間で、植村組において現実に打込の完了したPC矢板の分を、一箇月ごとに、打込の完了したその月末にまとめて売上に計上するとの合意がなされており、原告は右合意に基づいて翌期に打込の完了した右PC矢板を、翌期の打込の完了した月の売上に計上した。右の通り認められる。(二) 右(一)の1の認定事実のうち、右PC矢板の引渡時期、引渡場所についての認定部分を除く、その余の認定部分に反する証拠はなく、右に除外した認定部分に反する証人Gの証言は、右PC矢板が原告川内工場を搬出してから後の、右PC矢板の管理場所、管理方法等に曖昧な点が多く、右に除外した部分の認定にそう前掲記の各 反する証拠はなく、右に除外した認定部分に反する証人Gの証言は、右PC矢板が原告川内工場を搬出してから後の、右PC矢板の管理場所、管理方法等に曖昧な点が多く、右に除外した部分の認定にそう前掲記の各証拠に照らし措信し難く、他に右除外部分の認定を覆すに足る証拠はない。また、右(一)の2の認定に反する証拠はない。(三) 1ところで、資産の売買に関する収益の帰属すべき事業年度については、法人税法およびその関係法令上、直接には規定がないが、法人税法第二二条第四項は損益の計算について一般に公正妥当と認められる会計処理の基準に従うべき旨規定しているところ、企業利益計算上の会計慣行の準則である企業会計原則(経済安定本部企業会計制度調査会昭和二四年七月、中間報告)は、損益の計算については原則としていわゆる発生主義によるべきとしつつも(同一A)、商品等の売上高についてはいわゆる実現主義の原則に従うべき旨規定している(同三B)こと、同条第三項第二号は損金の計算について、いわゆる権利確定主義を採用すべき旨規定していること、および法人税法の要請する課税の公平、明瞭、確実、普遍等の諸原則を勘案すると、原則として売買契約の効力の発生する日の属する事業年度の益金に算入すべきである(いわゆる権利発生主義)が、商品、製品等の販売にあたつては、引渡あるいは検収完了等、所得を生ずべき権利の所得実現の可能性が確実になつたものと客観的に認められるに至つた時期を含む事業年度の益金に算入すべきである(いわゆる権利確定主義)とするのが相当である(法人税法基本通達第二四九号参照)。 、確実、普遍等の諸原則を勘案すると、原則として売買契約の効力の発生する日の属する事業年度の益金に算入すべきである(いわゆる権利発生主義)が、商品、製品等の販売にあたつては、引渡あるいは検収完了等、所得を生ずべき権利の所得実現の可能性が確実になつたものと客観的に認められるに至つた時期を含む事業年度の益金に算入すべきである(いわゆる権利確定主義)とするのが相当である(法人税法基本通達第二四九号参照)。2 そうすると、右PC矢板は当期の売上に計上すべきかの問題は、当期中に右PC矢板の売買代金債権の所得実現の可能性が確実になつたものと客観的にいえるか、というに帰着する。前記(一)の1に認定したとおり、右P すると、右PC矢板は当期の売上に計上すべきかの問題は、当期中に右PC矢板の売買代金債権の所得実現の可能性が確実になつたものと客観的にいえるか、というに帰着する。前記(一)の1に認定したとおり、右PC矢板の原告から植村組に対する引渡時期は当期であるところ、証人Bの証言によれば、PC矢板の打損じを生ずるのは稀であることが認められ、右認定に反する証拠は何もなく、また現に右PC矢板の打込に際し、打損じを生じたと認めうる証拠はないから、前記(一)の2の認定事実にかかわらず、右PC矢板の売買代金債権は、その引渡のなされた当期中に確定したと認めるのが相当である。よつて、右PC矢板の売上は当期の売上に計上すべきであるのに翌期の売上に繰延べ計上されたことになるから、右売上合計六五四万一、〇〇〇円は、当期の売上計上洩れと認めることができる。三次に別表(一)中(3)ないし(5)に各記載の各製品は、当期の売上に計上すべきものであるか判断する。前記一の争いのない事実に、前記乙第三ないし第七号証、同第八号証の一ないし四、証人F、同Eの各証言に弁論の全趣旨を総合すると、右各製品は植村組および植村産業(買主)が原告(売主)と、当期末以前に同表中原告公表売上計上高欄記載の各数量(内書分は植村産業に、その余は植村組に各販売したもの)、各販売価額(単価)による売買契約を締結したもので、いずれも当期中に原告から右各買主に引渡されたことが認められ、右認定に反する証拠はない。そして、右認定事実にかかわらず、右各製品の売上が翌期に計上されるべきものであるとの特段の事由について、何らの主張および証拠もないから、右各製品の売上は、その引渡のなされた当期の売上に計上すべきものと認められる。 内書分は植村産業に、その余は植村組に各販売したもの)、各販売価額(単価)による売買契約を締結したもので、いずれも当期中に原告から右各買主に引渡されたことが認められ、右認定に反する証拠はない。そして、右認定事実にかかわらず、右各製品の売上が翌期に計上されるべきものであるとの特段の事由について、何らの主張および証拠もないから、右各製品の売上は、その引渡のなされた当期の売上に計上すべきものと認められる。よつて、右各製品の売上は、当期の売上に計上すべきであるのに、翌期の売上に繰延べ計上されたも の主張および証拠もないから、右各製品の売上は、その引渡のなされた当期の売上に計上すべきものと認められる。よつて、右各製品の売上は、当期の売上に計上すべきであるのに、翌期の売上に繰延べ計上されたものであるから、右売上合計一一六万一、九七五円は当期の売上計上洩れと認めることができる。四以上から、翌期への売上繰延べによる当期売上計上洩れは、合計七七〇万二、九七五円となる。そして、右売上計上洩れに対応する売上原価八一〇万七、四八八円が当期末のたな卸高に計上されていること、および右たな卸高を基礎とする価格変動準備金は四〇万四、四一三円が計上されていることは当事者間に争いがない。第三同族会社の製品低価譲渡による売上計上洩れ一被告の主張する原告(同族会社)の製品低価譲渡による売上計上洩れについて判断する。そもそも、法人税法第一三二条第一項が同族会社の法人税につき更正または決定をする場合において、その法人の行為または計算でこれを容認した場合には法人税の負担を不当に減少させる結果となると認められるものがあるときは、その行為または計算にかかわらず、税務署長の認めるところにより、その法人に係る法人税の課税標準もしくは欠損金額または法人税の額を計算することができる旨規定しているのは、非同族会社においては会社と社員、あるいは社員相互の利害対立を通じて、当該法人の所得、法人税の負担をことさら減少させるような行為がなされにくいのに対し、同族会社においては、その経営権が一部の社員に独右されているため、いわゆる「隠れた利益処分」等の合理的理由を欠き、当該法人の所得、法人税の負担を減少させる行為がなされやすく、これを放置するにおいては、租税負担の公平の原則に反することになるからであり、同族会社のかかる行為のうち不当に法人税の負担を減少させるものについて右のと 人の所得、法人税の負担をことさら減少させるような行為がなされにくいのに対し、同族会社においては、その経営権が一部の社員に独右されているため、いわゆる「隠れた利益処分」等の合理的理由を欠き、当該法人の所得、法人税の負担を減少させる行為がなされやすく、これを放置するにおいては、租税負担の公平の原則に反することになるからであり、同族会社のかかる行為のうち不当に法人税の負担を減少させるものについて右のと 法人税の負担を減少させる行為がなされやすく、これを放置するにおいては、租税負担の公平の原則に反することになるからであり、同族会社のかかる行為のうち不当に法人税の負担を減少させるものについて右のとおり規定したものである。したがつて、同族会社のなした製品の低価額による譲渡が右法条の適用を受けるには、その販売価額が非同族会社の通常の取引における、同一種類、品質、型の製品の販売価額に比して異常に低いもの(以下「異常低価額」という)であること、およびそのような低価額による製品の販売について合理的理由(販売時期、販売地域、数量、会社の営業方針、取引条件、取引先との関係等)がないことが要件であると考えられる。そして、非同族会社の通常の取引における製品の販売価額は、同一種類、品質、型のものであつても、そこには高低自ら巾があるものと思慮せられるから異常低価額とは、いわゆる時価を下回るだけでなく、非同族会社の通常の取引において考えうる最低の販売価額(当該製品の製造原価、あるいは非同族会社の取引における実際の最低販売価額のいずれか低い方、〔以下「最低販売価額」という〕)をも下回る意味に解するのが相当である。同族会社の異常低価額による製品の販売について、税務署長は、右法条により異常低価額による製品の売買を否認して、最低販売価額による製品の売買を認定することができるのである。そして、税務署長は、同族会社の製品販売価額が最低販売価額を下回つていることを主張、立証しなければならず、またそれでよく、右事実が証明されれば、これを争う側において、当該製品の異常低価額が合理的理由の鳴ることを主張、立証しなければならないとするのが相当である。二被告の主張(二)の1の事実は当事者間に争いがない。そして、本件PC矢板のうち、別表(一)中(1)、(2)に各記載のものは当期 理由の鳴ることを主張、立証しなければならないとするのが相当である。 価額を下回つていることを主張、立証しなければならず、またそれでよく、右事実が証明されれば、これを争う側において、当該製品の異常低価額が合理的理由の鳴ることを主張、立証しなければならないとするのが相当である。二被告の主張(二)の1の事実は当事者間に争いがない。そして、本件PC矢板のうち、別表(一)中(1)、(2)に各記載のものは当期 理由の鳴ることを主張、立証しなければならないとするのが相当である。二被告の主張(二)の1の事実は当事者間に争いがない。そして、本件PC矢板のうち、別表(一)中(1)、(2)に各記載のものは当期に、同表中原告公表売上高欄記載の各数量、各販売価額(単価)により販売されたことは、前記第二の二の(一)の2の認定したとおりであり、別表(二)記載のものは当期に同表中原告公表売上計上高欄記載の各数量、各販売価額(単価)により販売されたことは当事者間に争いがない。三そこで、本件PC矢板の最低販売価額について検討する。(一) 本件PC矢板の製造原価(原価計算表(A)) 1 被告主張(二)の3の(1)のイないしハの各事実は当事者間に争いがない。2 しかし、原告がPS部門の製品につき、種類、品質、型の異なるごとに区別せず、製品トン当り七、四二七円で一括して原価計算をした理由として、原告が同部門の製品については、どの種類、品質、型のものであつても、そのトン当り製造原価はほぼ同一であると判断したものであるとの被告の主張を認めうる証拠は何もない。かえつて、原価計算表(B)の内容の当否はともかく、証人A、同Cの各証言を総合すると、PS部門の製品は、ほとんど受注生産であり、種類、品質、型の異なるごとに製造方法、材料等が異なるので、PS部門のたな卸資産を正確に評価するには、受注ごとの種類、品質、型別の製造原価を計算しなければならないが、これをなすとすればPS部門の製品の種類、型が多数なため、計算が技術上複雑であるほか、川内工場における原価計算事務は、原告経理係長C一人が担当者であつたことにより、計算に長時間を要することになるところ、当期の決算は昭和四一年一〇月中に開かれる原告取締役会までには終了していなければならなかつたので、右寺迫はやむをえず、原価計算表( が担当者であつたことにより、計算に長時間を要することになるところ、当期の決算は昭和四一年一〇月中に開かれる原告取締役会までには終了していなければならなかつたので、右寺迫はやむをえず、原価計算表(A)ではPS部門の製品の製造原価の差を無視して、一括してトン当り七、四二七円と計算したうえ、同製品の当期末たな卸資産の評価を一括して製品トン当り七、四三〇円で計算したことが認められ、右認定に反する証拠はない。 担当者であつたことにより、計算に長時間を要することになるところ、当期の決算は昭和四一年一〇月中に開かれる原告取締役会までには終了していなければならなかつたので、右寺迫はやむをえず、原価計算表(A)ではPS部門の製品の製造原価の差を無視して、一括してトン当り七、四二七円と計算したうえ、同製品の当期末たな卸資産の評価を一括して製品トン当り七、四三〇円で計算したことが認められ、右認定に反する証拠はない。原価計算表(A)が作成された右経緯に鑑みると、その計算結果から、直ちに本件PC矢板の製造原価を認定することができないことは明らかである。(二) 植村組およびその以外との各取引における販売実績被告の主張(二)の3の(2)の各事実は当事者間に争いがないが、植村組およびその以外とに各販売されたPC矢板の規格は、別表(四)の一ないし(三)の各規格欄に記載のとおり著しい差があるところ、PC矢板はどの規格でもトン当り製造原価は、ほぼ同一であることを認めうる証拠は何もないから、右各取引におけるPC矢板の販売価額を比較しても、無意味である。(三) 県導流堤工事設計額 1 被告の主張(二)の3の(3)のイの事実は当事者間に争いがない。2 右請負工事の各災約別の工事名、工事場所、工事期間、請負金額は別表(五)記載のとおりであることは当事者間に争いがない。成立に争いのない乙第二一、第二二号証の各一および三、同第二三、第二四号証の各一、同第二六、第二七号証の各一および三および証人Iの証言により真正に作成されたものと認められる同第二一号証の二および四ないし七、同第二二号証の二および四ないし六、同第二三号証の二、同第二四号証の二ないし八、同第二六、第二七号証の各二および四ないし七によれば、右各請負工事代金の設計額(鹿児島県が入札前に作成した各契約ごとの見積)、お 証の二および四ないし六、同第二三号証の二、同第二四号証の二ないし八、同第二六、第二七号証の各二および四ないし七によれば、右各請負工事代金の設計額(鹿児島県が入札前に作成した各契約ごとの見積)、および各設計額におけるPC矢板の設計額は別表(五)中単価の計算欄記載のとおり製品キログラム当り一七・三ないし一七・八円であることが認められ右認定に反する証拠はない。3 別表(五)記載の各請負工事の請負金額の設計額に対する割合はいずれも約九九%であるから、右各設計額の積算要素たるPC矢板の価額が入札によつて圧縮されるという程の影響はないものと認められる。 鹿児島県が入札前に作成した各契約ごとの見積)、および各設計額におけるPC矢板の設計額は別表(五)中単価の計算欄記載のとおり製品キログラム当り一七・三ないし一七・八円であることが認められ右認定に反する証拠はない。3 別表(五)記載の各請負工事の請負金額の設計額に対する割合はいずれも約九九%であるから、右各設計額の積算要素たるPC矢板の価額が入札によつて圧縮されるという程の影響はないものと認められる。4 ところで、右PC矢板の設計額の計算について、証人Dの証言によれば、鹿児島県川内土木事務所において、右工事代金設計額は積算されたものであるところ、その積算の際、PC矢板の価額を決定するのに、直接参考となる資料がなかつたので、鹿児島県土木部で作成した資料に掲載されていたPS桁の価額を参考にしてPC矢板の価額を算定したことが認められ、右認定に反する証拠はないものの、結局PC矢板の価額算定の具体的方法、根拠を認めうる証拠は何もない。したがつて、PC矢板の右設計額を、本件PC矢板の最低販売価額認定の資料に用いることはできない。(四) 市場価額 1 被告の主張(二)の3の(4)のイの事実は当事者間に争いがない。しかし、原告発行定価表は、原告側で決めたいわゆる「言値」であつて、本件PC矢板の最低販売価額認定の資料に用いることができないのは明らかである。2 被告の主張(二)の3の(4)のロのうち、建設物価誌によれば、長井式コンクリート矢板、圧力養生コンクリート矢板の昭和四一年ころの各規格、各地地域別の製品トン当り市場価額は別表(六)中2、3欄に各記載のとおりであることは当事者間に争いがなく、これによれば、 、長井式コンクリート矢板、圧力養生コンクリート矢板の昭和四一年ころの各規格、各地地域別の製品トン当り市場価額は別表(六)中2、3欄に各記載のとおりであることは当事者間に争いがなく、これによれば、最低価額のものは圧力養生コンクリート矢板(SG-A長さ八メートル、厚さ一二センチメートル、巾一〇センチメートル)の大阪地域の工場渡し価額が一本当り一万六、二九〇円(トン当り一万五、〇八一三円)である。しかし、本件PC矢板と、右長井式コンクリート矢板および圧力養生コンクリート矢板とが、製造方法、材料等において、どの点が同一であり、あるいは異なつているかを具体的に認める証拠は何もないのであるから、右長井式コンクリート矢板、および圧力養生コンクリート矢板の市場価額を本件PC矢板の最低販売価額認定の資料に用いることはできない。 工場渡し価額が一本当り一万六、二九〇円(トン当り一万五、〇八一三円)である。しかし、本件PC矢板と、右長井式コンクリート矢板および圧力養生コンクリート矢板とが、製造方法、材料等において、どの点が同一であり、あるいは異なつているかを具体的に認める証拠は何もないのであるから、右長井式コンクリート矢板、および圧力養生コンクリート矢板の市場価額を本件PC矢板の最低販売価額認定の資料に用いることはできない。(五) 以上によれば、本件PC矢板の最低販売価額を認定することはできず、他にこれを認めうる証拠はない(昭和四一年三月三一日に販売された別表(二)中(2)記載のPC矢板の販売価額(単価)は一万六、〇〇〇円であるのに、これと同一の同表中(1)記載のものが昭和四〇年一〇月三一日には単価二万八、六〇〇円で販売されていたこと、および昭和四一年三月三一日に販売された同表中(4)記載のPC矢板の販売価額(単価)は一万四、〇〇〇円であるのに、これと同一の同表中(3)記載のものが昭和四〇年三月三一日には単価二万四、五〇〇円で販売されていたことは当事者間に争いがないものの、右の値引の事実から直ちに、最低販売価額を認定することができないことは明らかである。)。第三結論以上の事実を基礎に原告の当期の課税所得を計算すると、計算書(三)中認定額欄記載のとおり、六、八〇三万一、七〇七円となる(同計算書中原告主張欄と一致する更正額欄の各記載は当事者間に )。第三結論以上の事実を基礎に原告の当期の課税所得を計算すると、計算書(三)中認定額欄記載のとおり、六、八〇三万一、七〇七円となる(同計算書中原告主張欄と一致する更正額欄の各記載は当事者間に争いがない)ので、本件処分のうち、課税所得金額六、八〇三万一、七〇七円を基礎として算出される税額を越える部分は違法であるから、本件処分のうち、課税所得金額六、八七〇万六、二二〇円を基礎として算出される税額を越える限度において取消を求める原告の請求は理由があるのでこれを認容し、訴訟費用の負担について行政事件訴訟法第七条、民事訴訟法第八九条を適用して主文のとおり判決する。別表(一)~(一四)、計算書(四)(省略)
▼ クリックして全文を表示