主文 本件控訴を棄却する。 控訴費用は控訴人の負担とする。 事実 及び理由第1控訴の趣旨 原判決を取り消す。 被控訴人の請求を棄却する。 第2事案の概要 本件は,中部電力(中部電力株式会社)に勤務していた被控訴人の夫であるがうつ病に罹患して自殺をしたことが,業務に起因するものであるとしAて,被控訴人が,控訴人に対して,本件各処分(労災保険法〔労働者災害補償保険法〕に基づき被控訴人が遺族補償年金及び葬祭料の支給請求をしたのに対して控訴人がした不支給処分)の取消を求める事案である。 原審は,のうつ病の発症及び増悪とこれに基づくの死亡に業務起因性AA,,が認められるからこれを否定した本件各処分はいずれも違法であるとして被控訴人の請求を認容した。そこで,控訴人が控訴した。 ,, 事実関係は次のとおり当審における控訴人の補足的主張を付加するほか原判決「事実及び理由」欄の第2の1ないし3に記載のとおりであるから,これを引用する。 (当審における控訴人の補足的主張)(1) 業務上疾病の認定における疾病の増悪の概念について労基法(労働基準法)75条以下の「業務上負傷し,又は疾病にかかった場合」等の規定の解釈から「疾病にかかった」とは疾病を「発症」し,たことを指しており,疾病の増悪は対象とされていない。確かに脳・心臓疾患において,複数の共働原因によって基礎疾患あるいは既存疾病を増悪させて発症に至った場合に「増悪」を問題にすることがあるが,この場合 ,「」も業務起因性の判断の対象となるのは増悪させて脳・心臓疾患を発症させたことであって「増悪」それ自体ではない。業務外の傷病と認定された後に,何らかの環境因子が関与し,その後,症状が悪化したとしてもそ。 ,の悪化した傷病の業務上外の認定は通 て脳・心臓疾患を発症させたことであって「増悪」それ自体ではない。業務外の傷病と認定された後に,何らかの環境因子が関与し,その後,症状が悪化したとしてもそ。 ,の悪化した傷病の業務上外の認定は通常ありえない業務外である疾病は業務以外の主因で発症しているのであるから,その後,仮に何らかの環境因子が加わって症状が悪化したとしても,一般的に労災認定が認められるものではない。したがって,基本的に,疾病発症後の増悪は,本来,労災保険の対象範囲に含めることができない。 (2) うつ病発症後の業務と死亡(自殺)との相当因果関係についてうつ病等の精神障害については,自殺念慮が出現する蓋然性が高いと医学的に認められるため,業務による心理的負荷によってこれらの精神障害が発症したと認められる者が自殺を図った場合は,精神障害によって正常の認識,行為選択能力が著しく阻害され,または自殺行為を思いとどまる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺が行われたものと推定,。 ,,し原則として業務起因性を認めることとされているしたがって本来業務上の原因によってうつ病を発症した後に当該労働者が自殺した場合は,自殺による死亡も業務上のものと認められるのであるから,発症後の業務による心理的負荷を考慮する必要はない。他方,業務外の原因によってうつ病を発症した場合は,既に業務以外の環境因子または個体要因によってうつ病を発症しているのであるから,その基本的症状としての自殺念。 ,慮によって自殺したとしても業務外とされるのは当然であるこのことはうつ病発症後,療養せずに就労していた場合でも変わりはなく,もともと業務外であったうつ病が就労によって業務上になるはずもなく,増悪それ自体は業務起因性判断の対象とならないからである。 本件訴訟では,上記のとおり,業務上外の判断の ていた場合でも変わりはなく,もともと業務外であったうつ病が就労によって業務上になるはずもなく,増悪それ自体は業務起因性判断の対象とならないからである。 本件訴訟では,上記のとおり,業務上外の判断の対象は「増悪」では,ないのであるから,原則として,うつ病の「発症」が業務上であるか否か を判断しさえすれば,の業務と死亡(自殺)との間の因果関係を判断すAることができ,本件処分の適否の結論を導き出すことができる。 第3当裁判所の判断当裁判所も,の死亡は業務に起因するものであり,これを否定した本件各A処分はいずれも違法であるから,その取消を求める被控訴人の請求は理由があると判断する。その理由は,以下のとおりである。 認定事実原判決「事実及び理由」欄第2の1(争いのない事実等)に記載の事実及び後掲各証拠並びに弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。 (1)の家族状況,健康状態,生活状況,性格等Aアは,平成3年10月に被控訴人と結婚して,同人との間に二子を儲Aけた。結婚した当初は社宅に居住していたが,その後民間アパートに転居し,平成10年12月に自宅を新築して転居した。なお,らが社宅Aを出たのは,らの子が近隣の子と不仲であったのを発端として,被控A訴人と他の社宅入居者家族との間でいさかいが生じたことが原因であっ,,,。 たがその後がこのことについて悩んでいた様子は認められないA自宅新築後の債務返済額は月額約6万円であり,それ以前の家賃とほぼ同額であった。被控訴人は,平成9年10月から平成10年12月まで及び平成11年8月以降パートタイマーとして稼働している(甲3,。 5,6,乙41,被控訴人本人)イには,平成6年4月ころ発症した直腸炎症性狭窄症以外に身体又はA精神神経系の格別の既往歴はなく 及び平成11年8月以降パートタイマーとして稼働している(甲3,。 5,6,乙41,被控訴人本人)イには,平成6年4月ころ発症した直腸炎症性狭窄症以外に身体又はA精神神経系の格別の既往歴はなく,親族にも精神障害の既往歴のある者はない。ほぼ毎日,1合から2合程度の日本酒等を飲むほか,1日当たり10本から20本程度たばこを吸っていた。また,平成2年ころから職場でテニスを始め,環境設備課(中部電力火力センター工事第一部環),。(,境設備課に異動後も昼休み等を利用してテニスをしていた甲3 7,20,乙27,41)ウの通常の通勤経路は,自宅を新築した平成10年12月以降,自宅Aから直近の駅まで自転車,その後,電車を乗り継いで勤務先近くの駅まで行き,駅から徒歩で勤務先に向かうというもので,片道1時間30分程度であり,午前6時30分ころ自宅を出ていた。しかし,平成11年10月以降は,自宅から直近の駅まで自家用車を利用するようになり,駐車場所確保の必要上,午前6時15分ころには自宅を出ていた(甲。 3,5,6,被控訴人本人)エ被控訴人は,の性格について,にぎやかというわけではないが,冗A談好きで明るい性格,また,几帳面,真面目で責任感が強く,他人に責任転嫁をしたり,他人の悪口を言ったりしたことがないなどと評している。 の上司・同僚等も,の性格については被控訴人と同様のとらえAA方をしている(甲5,73の1,乙10,15,41,45,46)。 の仕事ぶりについては「自分が納得するまでいろいろ調べたりあA,るいは人に聞いたり・・・真面目に一生懸命仕事をしていた「責()」,任感旺盛でまじめに対応してい」た「気を使う人で,私(が主任に,A就任した後の部下である)が回覧した書類についてのコメントも言葉 聞いたり・・・真面目に一生懸命仕事をしていた「責()」,任感旺盛でまじめに対応してい」た「気を使う人で,私(が主任に,A就任した後の部下である)が回覧した書類についてのコメントも言葉Bを選んでやさしくしてくれました「仕事に対して非常に真面目で,。」,施工者側の意見もよく取り入れてくれる話し易い人だと思いました・。 ・・現場の確認では関連する機械や付近の状況等全て自分の目で確認する,信頼のおける人でした(関連会社中部プラントの社員)とされ。」る一方「自分で物事を抱え込んでしまうタイプ。臨機応変に要領よく,こなす方ではなかった「考える時間が長く,熟慮型「業務にお。」,。」,ける資料作成にやや時間がかかるかなあ」,「仕事には積極的に取り。 組んでいるが少し時間がかかる「経験が浅いことに加えて,性格的。」,に慎重にじっくり構えて仕事をするタイプなため仕事が遅かったのでは ないか「課長から指示された仕事について,少し考えこんでしまう」,ようなところがあった「黙り込んで仕事をするタイプで,よくわか。」,らないところがあった「じっと考え込んでしまう,要するに,ちょ。」,っと人よりも時間がかかる」などと評されている。しかし,が死亡すAるまでの約1年間に担当した業務,作成した報告書のいずれも,ほぼ当初の計画どおり処理されており,が会社に迷惑をかけるとか,責任をA。(,,,,,感じるようなミスはなかった甲2043の2 乙8 11,42,43,46,第9回証人〔以下,複数回にわたって行わC,。〕)れた証人の供述部分については口頭弁論期日の回数により特定する(2)の担当業務等Aアは,工業高校を卒業して中部電力に入社後,一貫して現場の技術職Aとして業務に わたって行わC,。〕)れた証人の供述部分については口頭弁論期日の回数により特定する(2)の担当業務等Aアは,工業高校を卒業して中部電力に入社後,一貫して現場の技術職Aとして業務に従事し,平成5年8月からは知多第二火力発電所保修課で稼働していたところ,平成9年8月1日に環境設備課燃料グループに配属され,初めてデスクワーク中心の業務に従事することとなった。しかし,同グループは,火力発電所あるいは燃料基地などの現場で保修業務を4,5年経験した者が配属されるのが通常であって,の異動も格別A異例な配置ではなかった(乙27,第9回証人)。 Cイ燃料グループは,平成11年7月までは,発電所ごとに担当者を決めて主任以下の構成員の業務分担をしており,は,知多第2火力発電所A及び新清水共同電力発電所の担当であった。これを,同年8月に,業務の円滑化のために主任以下の構成員を燃料別に二つのラインに分け石,(炭関連業務のラインと燃料油・LNG関連業務のライン,ラインでの)担当制を採ることにした。 は,及びと共に,燃料油・LNG関連ABD業務を担当するラインに配属された。しかし,業務の効率化のため,同日以前に担当していた各自の工事件名及び検討件名は,燃料別のラインに関係なく,各自が引き続き担当した(第12回証人)。 C ウ(ア)は,同年8月1日に主任(S1級)に昇格した(乙48)A。 中部電力において,主任は,一般職の最高職級として,担当業務に必要な専門知識を有し,上長の指示に基づき創意工夫をこらしながら業務を遂行する立場に位置づけられている。主任の業務は,部下の行った仕事のチェック,予算編成業務や長期計画の自分のグループのまとめ等のほか,指針や要領の改訂が必要となった場合には,その検討業務が加わる を遂行する立場に位置づけられている。主任の業務は,部下の行った仕事のチェック,予算編成業務や長期計画の自分のグループのまとめ等のほか,指針や要領の改訂が必要となった場合には,その検討業務が加わる。 も,主任に昇格したことにより,燃料油・LNG関A,,,,係業務のまとめ委託業務燃料油・LNG保守管理のまとめ予算長期計画,指針・要領改訂が業務範囲となり,同じラインの担当者である及びの仕事のチェック,助言,統括等を行うこととなった。 BDなお,主任は管理職ではないが,同じラインの担当者に対して上記のとおり助言,統括等を行うことが職務であるから,その範囲で,担当者とは上司・部下の関係となる(甲43の3,80の3,乙8,1。 0,11,13,27,42ないし43,第9回証人)C(イ)は,父に「18年目にしてようやく主任になれるかもしれなAEい」と言ったり,に対して「主任になったのがうれしい」とか,。 。 C業務監査の際「主任になったからこんな大事な仕事に連れて行って,もらえるんですね」などと言っていたが,一方,父に対し「今度の。 課長は厳しい」と言ったり,被控訴人に対しては「今でも忙しいの。 に,今以上に忙しくなることだけは確かだぞ」とか「主任は)仕。 ,(事の内容も複雑になり,また,部下の仕事にも責任を持たなければいけないので大変だ」と不安を洩らしていた(甲3,7,30,73。 の1,乙8,12,40,47,第9回証人)C(ウ)は,主任に昇格後,部下の仕事のチェックや指導をしなければAいけないことは十分自覚していたが,もともと現場が長くデスクワークに慣れていない上,継続案件についてはそれまでの担当は維持され たものの,主任昇格と同時に経験の浅い燃料油・LNG設備関連のラインに配属された は十分自覚していたが,もともと現場が長くデスクワークに慣れていない上,継続案件についてはそれまでの担当は維持され たものの,主任昇格と同時に経験の浅い燃料油・LNG設備関連のラインに配属されたため,自らの仕事に手一杯で,部下の指導まで手が回らなかった(乙13,42,44,47)。 もっとも,は,主任昇格後も,は担当者の仕事のチェックや指CA導を全く行っていなかったかのように述べるが(乙12,は,仕)B事上でのアドバイスはあまりなかったと述べるものの,回覧した書類のコメントは言葉を選んで優しくしてくれたと述べていること(乙42)等からして,不十分ではあるにしても,ある程度の指導はしていたものと認められる。 (エ)この時期のの主任への昇格は,同期に入社した者と比較して,A特段劣るものではなかった(乙15)。 (オ)と同じラインの担当者は,が主任昇格後段々元気がなくなABAったと観察していた(乙42)。 エ中部電力では,上期(4月1日から9月30日まで,下期(10月)1日から翌年の3月31日まで)に分けて,各職級ごとに5段階で人事評定を行っている。 に対する平成11年度上期の評定は,E評価(最A)。 ,「」,低評価であったしかしS1級としての今後の課題が綿密な計画「P(計画,D(行動,C(チェック,A(実行)を意識した業務の)))進め方」とされていることからすると,上記評価は,昇格後2か月間の主任としての評価と解され,主任昇格以前の評価はもっと高かったものと推測される(甲20,150の1・2)。 (3) 燃料グループにおける業務配分等(以下,特段の記載のない日付は平成11年を指す)。 ア燃料グループでは,発電所からの要求に従って,保修等について長期。 ,,計画を作成するこれ )。 (3) 燃料グループにおける業務配分等(以下,特段の記載のない日付は平成11年を指す)。 ア燃料グループでは,発電所からの要求に従って,保修等について長期。 ,,計画を作成するこれが承認された段階で翌年度に行う工事について具体的に内容を検討して,予算編成業務を行い,工事の発注をして,発 電所に引き継ぐ(工事件名。また,当該年度の会社の業務方針に従っ),,,,て問題点や懸案事項を抽出しこれを検討して改善を図りその結果工事の必要があれば予算編成業務を行う(検討件名。発電所から修理)計画書等の資料が提出されるのは例年8月から9月にかけてであり,課長以上の決裁に係る件名(予算が必要な件名)については,例年10月又は11月に開催される課長ヒアリング(次年度に予定される工事の予,)算規模の説明をして課長に当該工事予算についての承認を受けることに間に合わせなければならなかった(部長以上の決裁に係る件名についても,課長ヒアリングまでに,少なくとも概算をする必要があった)。 ことから,環境設備課の主任以下の担当者は,8月ころから10月ころまでが通年で最も繁忙な期間であった。なお,平成12年度当初工事予算編成に係る課長ヒアリングは,11月17日から同月26日までの期間に開催される予定であった(甲62,乙13,第9回証人)。 Cイは,3月ころ,平成11年の燃料グループ内の継続分,新規分合計C約30件の工事件名,13件の検討件名を燃料グループの構成員(工事件名を担当する者は主任以下6名,検討件名を担当する者はを含め7C名)に配分した。 に配分された件名は,工事件名が「No.1パイルA,散水配管取付」ほか6件(このうち「燃料油タンクヤード排水設備設,置」は,後日中止となった,検討件名が「石炭設備の信頼度 名)に配分した。 に配分された件名は,工事件名が「No.1パイルA,散水配管取付」ほか6件(このうち「燃料油タンクヤード排水設備設,置」は,後日中止となった,検討件名が「石炭設備の信頼度確保」。),及び「燃料油小口径配管の管理」の2件であった(甲85の6,7,。 乙50,第9回証人,同)CFウその後,は,8月1日の人事異動に伴い転出した前任の主任であるAから,同人が担当していた工事件名「碧南火力発電所石炭コンベヤG(3)落炭防止板改造」及び「碧南火力発電所石炭コンベヤシュートスカート板修理」並びに検討件名「LNG用ローディングアームの信頼度向上」及び「定期点検単価契約見直し」その他の業務を引き継ぐ内容の 引継書をと連名で作成した。しかし,このうち「石炭コンベヤシューGトスカート板修理」は引継時までに完了しており「落炭防止板改造」,は8月16日にからに再度引継ぎが行われ「定期点検単価契約見AH,直し」は,石炭に関する検討件名であることから石炭のラインとなったが引き継ぎ,検討件名「LNG用ローディングアームの信頼度向上」Iのみをが引き続き担当することになった(甲40,41の1の1,A。 85の6・7・9,乙110の2,111の2,第9回,第10回,第12回証人)Cこれに対し,被控訴人は,の手帳やフロッピーディスク内のファイAルなどから,少なくとも予算資料を作成するまでは,が石炭コンベヤAに関連する工事件名の業務も担当していたと主張する。しかし,上記の引継書の該当件名(石炭コンベヤ(3)落炭防止板改造)の欄外に,のAものと思われる筆跡で「氏担当8/16本書写にて引継」との記,H載があること(乙110の2,したがって,手帳の石炭コンベヤに関)する記載は, コンベヤ(3)落炭防止板改造)の欄外に,のAものと思われる筆跡で「氏担当8/16本書写にて引継」との記,H載があること(乙110の2,したがって,手帳の石炭コンベヤに関)する記載は,から引き継いでからに再度引き継ぐまでの間の業務あGHるいは,その間に記載した予定の業務であるとも考えられること,のAフロッピーディスク内の文書もが作成したものではなく引継文書の一A部とも考えられることから,上記の被控訴人の主張は採用できない。 エまた,は,6月18日から翌年6月までの予定で,中部電力労働組AFJ合の火力センター支部執行委員に選任された。 は,これを受けて,及びに対して,の業務を軽減するよう指示した。そこで,は,8CAC月の人事異動時に,上記のとおり,全体の業務の内7割を占める石炭設備関係の業務を担当するラインの主任をとし,をその余の燃料油・IALNG設備関係の業務を担当するラインの主任としたほか,平成12年度の予算編成業務は1件のみをに配分した(甲43の2,84,乙A。 8,第9回証人,同)CF (4)が担当していた検討件名・工事件名等の内容等Aア石炭設備の信頼度確保(当初配分の検討件名)(ア)運用開始後7年が経過した石炭火力発電所(碧南火力発電所)において,設備の信頼度を向上する(発電に支障となるようなトラブルを起こさないようにする)ための施策を検討していくものである。本件名は,4月当初の計画内容が5月に訂正され,6月初めに再度内容が見直しとなって,最終的に,検討項目としてトラブル減少対策,点検インターバル・点検内容の見直しのほか,設備管理要領の整備が加わった。トラブル減少対策は,年度当初の計画では5月中に調査を終了して6ないし8月に対策検討,9月に予 討項目としてトラブル減少対策,点検インターバル・点検内容の見直しのほか,設備管理要領の整備が加わった。トラブル減少対策は,年度当初の計画では5月中に調査を終了して6ないし8月に対策検討,9月に予算化の予定であったが,計画見直し後は6月中に調査,7,8月に対策検討,9月予算化となった。点検インターバル・点検内容の見直しも当初4,5月に点検内容の評価を行い,6ないし8月に見直し案を検討する予定であったが,6月中に評価,7,8月に見直し案の検討となった。設備管理要領の整備は,以上と並行して,5月から8月までが管理部位の洗い出し,9月から作成内容の検討して翌年3月に決裁の予定であった甲()。(43の2,43の4(添付資料2-1,85の3・7,乙13,2)6,第9回,第10回,第12回証人。 C)(イ)本件名は,下記件名の「知多LNG受入設備の改造「燃料油」,小口径配管の管理「LNGローディングアームの信頼度向上」等」,と共に,中部電力の経営課題に対して,環境設備課として一から検討していく業務であり,関係部署との調整や検討資料の作成などを必要とするため,検討に要する期間は他の業務と比較すると長く,難易度の高い業務であった。また,工事部で検討される業務で,その結果が費用に影響を及ぼすため,予算編成時期までに検討を完了することが必要な件名であった(甲85の16)。 (ウ)は,上記のとおり6月初めまでに基本計画を作成,修正して上A司の承認を受け(甲85の3,から助言を受けて,発電所のメン)Cテナンス業務を行う関連会社テクノ中部から過去5年間の故障等の記録の提供を受けて,故障現象・原因調査等の検討を行った。また,調査結果を踏まえて,更に細かい内容を調整するため,8月中旬ころ,と共に碧南火力発電所を訪れた 連会社テクノ中部から過去5年間の故障等の記録の提供を受けて,故障現象・原因調査等の検討を行った。また,調査結果を踏まえて,更に細かい内容を調整するため,8月中旬ころ,と共に碧南火力発電所を訪れた。その後,は,トラブル減少対策CAについて「石炭設備の信頼度向上(小トラブル対策」と題する平,)成11年10月付けの文書(甲69)を作成してまとめ,また「ベ,ルトクリーナー装置比較」と題する内容の文書データ等(甲110の,)。(,文書番号51 を10月16日に更新した甲41の1の469,85の7,110・文書番号51,52,第9回証人)C(エ)控訴人は,本件名は9月に取止めとなった,同月以降はの業務Aはない,その後に更新されている文書があるとしても,取止め前に作成されていたもの,あるいは,取止め後に,本件について予算化を行う碧南火力発電所の要望に基づいて従前の文書を更新したものと考えられるから,9月以降もが本件名を担当していたということはできAないと主張する。そして,も,碧南火力発電所に赴いた際に,同発C電所及びテクノ中部でも同一の問題に取り組んでいることが判明した,,,ことから燃料グループでの検討予算化は9月ころ取止めとなったが同月以降に作成した上記文書は,発電所から問い合わせがあってA送ったのではなかろうかと述べ(第9回証人,同人作成の平成1C)1年度燃料グループ「残件・懸案管理表(甲85の7)中には,本」件名が「11/9」に取止めとなった旨の記載がある。さらに,中部電力作成の資料には,当初,本件名が取止めとなった日付としてがA死亡した日の翌日である11月9日が記載されていたところ(甲43の2,85の17,乙26,これらについて平成11年9月の誤り) であるとする は,当初,本件名が取止めとなった日付としてがA死亡した日の翌日である11月9日が記載されていたところ(甲43の2,85の17,乙26,これらについて平成11年9月の誤り) であるとする文書がある(乙51。 )しかし,が作成した上記の「石炭設備の信頼度向上(小トラブルA対策」と題する文書(甲69)の内容は,過去のトラブルのうち2)点(シュートライナ及びベルトの修理)のみについて,碧南火力発電所保修課及びテクノ中部が検討中又は検討予定と記載されており,当初が検討していたトラブルの全部について発電所又はテクノ中部がA検討していたものではないこと,更に,上記のとおり,本件名には,他に検討項目として,点検インターバルの見直しや設備管理要領の整備も含まれているところ,これらは運用側(発電所やテクノ中部)に,,「」,行わせる項目とは解されず現に上記の残件・懸案管理表には実施結果欄に「現在石炭設備管理要領作成中」との記載があり,のA死亡後の11月以降の担当者名の記載があること(なお,は,石炭C設備管理要領作成は,本件名とは直接関係がないと述べるが〔第9回証人,上記のとおり本件名の計画が6月に見直しされた後の検討C〕項目にこれが含まれていることからすると,このの供述も信用するCことはできない)に照らすと,本件名の全部が9月に取止めとなっ。 たとの上記のの供述及び中部電力作成の訂正の文書(乙51)は信C用することができない。 そして,中部電力がの業務上外認定に際して当初作成した「本人A()が担当していた業務の進捗状況について」との文書(甲64,乙A26)には,は,本件名について,関係部署と検討を実施し,石炭A設備ベルトコンベアを清掃する設備であるSACの仕様変更について対策を決 当していた業務の進捗状況について」との文書(甲64,乙A26)には,は,本件名について,関係部署と検討を実施し,石炭A設備ベルトコンベアを清掃する設備であるSACの仕様変更について対策を決定し,発電所に対し予算反映するよう指示したとあること,同じく,中部電力が当初作成したの担当業務の工程表(甲85の1A7)の本件名の備考欄には,の死亡後もなお関連する業務(石炭設A備管理要領の作成)が継続し,燃料グループの他の者が担当した旨の 記載があることからすると,取止めとなった業務があるとしても,一部の例えばトラブル減少対策の検討結果に基づく燃料グループでの予算化のみであり,取止めとなった時期もの死亡後と解される。したAがって,は,9月以降も,本件名を担当して前記((ウ))の2文書をA作成し,なお石炭設備管理要領の作成業務を行う必要があったものと認められる。 イ燃料油小口径配管の管理(当初配分の検討件名)(ア)本件名は,コスト削減のために,従前の燃料設備の小口径配管の管理方法(点検内容,点検の間隔,点検範囲等)を簡素化の視点から見直すことが目的とされたものであり,年度当初は,9月末までに管理書類を整備するという計画であった。 は,の助言に基づき,本AC件についてもテクノ中部から燃料配管トラブルの実態に関するデータを取り寄せ,これを分析することとした(甲85の7,乙12,1。 3,第9回証人)C(イ)その後,環境設備課の上位部署に当たる品管(火力センター品質管理グループ)から,トラブル撲滅の観点から小口径配管の管理方法の強化が示され,環境設備課に対しては,管理すべき小口径配管の定義及び管理方法(点検方法,点検の間隔,検査項目,点検範囲等)を検討し,定期点検手引,設備管理要領等に明記するよう指示がなさ の管理方法の強化が示され,環境設備課に対しては,管理すべき小口径配管の定義及び管理方法(点検方法,点検の間隔,検査項目,点検範囲等)を検討し,定期点検手引,設備管理要領等に明記するよう指示がなされた(乙70。なお,検討完了期限は当初6月であったが,各部署の)要請で11月に延期された。品管からの検討指示は,年度当初の検討件名と目的が異なっていたが,燃料グループでは,これを当初の検討件名と併せてに担当させることとして,この検討の中で品管の要望Aに応じるような回答を作ればよいとの考えで,検討期限を品管からの指示に併せて11月とした。そこで,は,6月10日ころ,機械グAループのと共に環境設備課の基本計画を起案して,ら上司の承認KF 。(,,,,,,,を得た甲6381の285の7乙12 第9回証人)C(ウ)は,7月ころ,燃料グループでの取り組みについて文書(甲8A1の6)を作成して品管に提出し,同趣旨を燃料設備関係の運用側に周知する文書(甲81の7)を作成したほか,各発電所で,燃料設備関係のスケルトン図及び管理表が作成されている状況について調査し,保守管理上必要なこれらの表は既に作成済みであるから,新規に作成するための予算措置は不要であることを品管に報告した(甲81)。 ,,,の9そして9月中旬ころ現状は手引きに沿った管理がなされ管理は適正であることを確認したが,なお,点検間隔を8年から5年に変更するとの結果(甲81の3,115)をまとめた。 及びはCJこの検討結果を承認したが,は,環境設備課としての基本姿勢と技F術検討会の約束事項,関連部署の動き(検討範囲,進捗状況等)を報告するよう指示を出して,その承認を留保した(甲43の2,81の3,第1 検討結果を承認したが,は,環境設備課としての基本姿勢と技F術検討会の約束事項,関連部署の動き(検討範囲,進捗状況等)を報告するよう指示を出して,その承認を留保した(甲43の2,81の3,第10回証人。 F)そこで,は,と協議の上,他部署の検討結果の動向を見ながらAC再検討することに決め,同月29日深夜から翌30日にかけて,上記の検討結果に手を入れ(甲115,116,117の2,別に「環)境・燃料設備小口径配管トラブル撲滅の取組方について」との題名の環境設備課全体の文書(甲81の8,116)を作成して,今後の取組方法について30日に回議に付し(しかし,これについてもの承F認印は押されていない,10月12日に口頭でに検討結果を報。)F。(,,,,,,告した甲4041の1の143の2 116,117の1・2)は,同日にも,(イ)工事第一部の他の部署で,小口径配管の定義Fや点検周期の根拠について明確(統一的見解)にして検討すること, (ロ)燃料設備として,独自の管理が必要なものはその理由を明確にしておくこと,(ハ)本件名については,8月ころから工事第一部全体として統制をとりながら検討することとなったため,その計画に準じて検討を進めることを指示した。したがって,環境設備課あるいは燃料グループとして検討結果をどのようにまとめるかについては,同日には,まだ,方針が決まらなかった(甲43の2,第10回証人。 。 )C(エ)は,11月初めころ「燃料油設備定期点検の手引において小A,口径配管の管理漏れはない」との検討結果(甲81の4)をまとめたが,らの指示に基づき「管理表が整備されている。定期点検の手C,引どおりの点検がなされている」とした調査結果(甲81の 小A,口径配管の管理漏れはない」との検討結果(甲81の4)をまとめたが,らの指示に基づき「管理表が整備されている。定期点検の手C,引どおりの点検がなされている」とした調査結果(甲81の5)に。 まとめ直した(甲39。しかし,これも,が死亡した当時,回議)Aに付されるまでに至っていなかった。(甲39,43の2,81の4・5。 は,これは,専ら他部署の検討結果を待っていたり,工事)C第一部内での調整に時間がかかったという事情があったからであり,燃料グループとしての検討は終了していたと述べる。 死亡後に,業A,,務を引き継いだが平成12年5月ころ上記のが作成した文書にJA,,管理すべき小口径配管の定義燃料設備の小口径配管点検管理の意義他部署の取組状況についての調査結果等を加え文書にまとめた甲,。(43の4,85の2,第10回,第12回証人。 C)(オ)被控訴人は,本件名については8月上旬から対策の検討が進捗せず,当初期限から4か月も延期された11月にも中間報告が間に合わず,また,平成12年度の予算スケジュールとの関係で課長ヒアリングの時期が迫っており,にとって過大な負担となっていたと主張すAるが,上記のとおり,検討期限は当初に11月に変更となったものであり,8月以降も対策の検討は進捗しており,先に新たな予算措置は不要であることの報告は行っていたのであるから,被控訴人の主張す るとおりの負担があったとは認められない。しかし,,の承認をJCF得ていたにもかかわらず,いったん9月中にとりまとめた内容が,の指示で取組方法からやり直しとなり,それが繰り返されていたことが認められるから,9月以降,予想外の業務量の増大はあったものと認められる。 なお,本件名及びその他のの業務内容や りまとめた内容が,の指示で取組方法からやり直しとなり,それが繰り返されていたことが認められるから,9月以降,予想外の業務量の増大はあったものと認められる。 なお,本件名及びその他のの業務内容や業務処理に要した日数Aについて,証人は種々述べるが(甲162,証人,同人は中部LL)電力社員であっても,環境設備課にも燃料グループにも所属したことはなく,本件に現れた書証を検討した結果として述べるに過ぎないから,これをもって,直接にの業務について判断することはでAきない。 ウ知多LNG受入設備の改造(追加件名)(ア)知多市甲に東邦ガス緑浜工場が新設されることから,既存の桟橋から知多エル・エヌ・ジーへ供給している配管に新たな管を接続する必要が生じたが,低温(マイナス160度)のLNGを供給する配管の接続工事であり,接続部の不具合が懸念され,8月ころから対策の検討が開始された。本件名の主担当者はであったが,は,と協BAB力の上,関係者と調整,技術検討,工事費の積算等を実施し,平成12年度の予算に反映させる必要があった(甲64,82の2,乙1。 3,26,第9回証人)C(イ)東邦ガスは,当初,分岐部設備対策について3つの案を提示し,3案それぞれについて長所,問題点を説明した上で,このうちの第2AC案を推していた。 は,8月当初からこれらの案について検討し,から最も経費負担が少ない第1案の選択を指示されたことを受け,9月2日の打ち合わせで「安全性,法対応,費用などを勘案し,ガス,」()。 抜き連絡ラインを設置しない1案が最適と説明した甲82の2 その後,燃料課及び運用側(知多火力発電所及び知多エル・エヌ・ジ)。 ,ー株式会社で第1案についての技術的な問題点が検討されたはA9月22日 置しない1案が最適と説明した甲82の2 その後,燃料課及び運用側(知多火力発電所及び知多エル・エヌ・ジ)。 ,ー株式会社で第1案についての技術的な問題点が検討されたはA9月22日に燃料課から検討状況の報告を受けて業務連絡表を起案して上司に報告し(甲82の3,同月30日に燃料課で行われた打ち)合わせに出席した(甲82の1ないし4,110の文書番号55な。 いし60,乙26,第9回,第10回証人)C(ウ)本件名は,燃料グループで予算編成業務まで行わなければならなかったところ,は,本件名についてメーカーから提出された工事仮C見積書が非常に高額であったことから,10月初めころ,に対し,A課長ヒアリングまでに,仮見積書の各項目を中部電力の設計基準と照合し,仮見積書記載の金額について検証するよう指示した。そこで,は,現場調査の上,工事全体の原材料の数量を積算して確認して,Aこれに中部電力の一般配管に関する設計基準をあてはめて工事金額を算出し,更に難易度等の諸要素を考慮するための係数を乗じて,最終的な金額を積算する作業を開始した。しかし,の死亡によりこの作A業は完成しなかった(甲68,110の文書番号61・83ないし。 87,第9回,第10回証人)Cなお,被控訴人は,本件名の予算編成業務は10月29日までに提出することを求められていたと主張するところ,が出席した打Aち合わせを記載した業務連絡票(甲82の2)には,当初予算提出期限10月29日との記載があることが認められる。しかし,これは「既設エルボ部は,温度計がないため,別途当初予算に温度計設,置を予算提案する。下記のとおり期限がないため電気課へ事前連絡する」との文言に続けて記載されていることからすると,温度計を。 計上すべき予算の提出期限で 温度計がないため,別途当初予算に温度計設,置を予算提案する。下記のとおり期限がないため電気課へ事前連絡する」との文言に続けて記載されていることからすると,温度計を。 計上すべき予算の提出期限であり,本件名の予算提出期限であるとは認めることができないから,上記の主張を採用することはできな い。 (エ)控訴人は,本件名の主担当はであること,の助言もあったこBCと,本件名は技術的に困難な件名であるが,当初から専門的知識・技術を擁するメーカーに技術依頼をして,同メーカーとの間で物品請求の形式で契約を締結していたことなどから,の負担となるようなもAのではなかったと主張し,も技術検討をする必要がなかったとの趣C旨を述べる(第9回証人。しかし,中部電力も,愛知労働局からC)の問い合わせに対して,本件名にが関与していたのは,初期段階のBみであることを認めていること(乙67・⑧項,は上記のとおり)A報告書の作成,予算積算も行っていることからすると,実質的な主担当はであったこと(あるいはがほぼ単独で担当したこと)が明らAAかである。また,技術検討は,第1案を選択したのがであって,そCの理由が経済性にあるとしても,が作成したものと認められる第1A案選択の理由を記載した文書(甲110の文書番号55)には,3つの案の技術的な問題点について,簡潔ではあるが比較検討がなされた上で第1案採用の結論となっていること,同じくが作成したものとA認められる第1案の問題点を運用側に検討依頼する文書(同文書番号59)でも検討依頼事項には具体的な指摘のあること,自身も,クCールダウン配管の必要性の検討,必要であれば配管のサイズの検討等をが行い,メーカー(石川島播磨重工)に依頼した技術検討は配管A強度の検討と耐 依頼事項には具体的な指摘のあること,自身も,クCールダウン配管の必要性の検討,必要であれば配管のサイズの検討等をが行い,メーカー(石川島播磨重工)に依頼した技術検討は配管A強度の検討と耐震設計のみであると説明していること(乙13)からすると,も相応の技術検討を行ったものと認められ,したがって,A負担となるものではないとの控訴人の主張は採用することができない。 (オ)控訴人は,本件名の予算編成業務は,メーカーから仮見積書が提出されていたから,一から積算しなければならないものではなく,工 「」「」,事内容も発注方法は請負工事ではなく物品請求であったから詳細な技術検討や予算設計書を必要とせず,負担の少ない業務であった,また,課長ヒアリングまでに正確な金額を算出する必要もなかったと主張し,も同趣旨を述べる(乙13,第9回証人。 CC)しかし,メーカーによる仮見積もりを鵜呑みにせず,これが適正であるか否かを検討して予算編成業務を行うとすれば,上記のとおり,現場調査の上,現に予定されている工事内容に沿って必要な原材料の数量を積算して確認し,これに中部電力の一般配管に関する設計基準をあてはめて請負工事の場合と同様に工事金額を算出する必要があるのであって,工事内容が確定していないことから,算定結果が確定的なものではなく概算として扱わざるを得ないとしても,その作業は自ら予算積算をする場合と比較して何ら軽減されるものではない。本件名についても,メーカーの提出した仮見積書の金額に疑問があったのであるから,上記と同様に逐一積算することが要求されていたものと解される。そして,予算規模が所長の最終決裁を必要とするものであっても,所長ヒアリングのみを受ければ足りるものではなく,は期C限を課長ヒアリングまでとして 逐一積算することが要求されていたものと解される。そして,予算規模が所長の最終決裁を必要とするものであっても,所長ヒアリングのみを受ければ足りるものではなく,は期C限を課長ヒアリングまでとして検討を要求したものと解されることからすると,上記の意味での積算結果は,課長ヒアリングが行われる11月において提出されている必要性があったものと認められる。 また,控訴人は,が死亡後,本件名をが引き継ぎ,11月中ABにとりまとめ(甲70,85の5,その後,無事に予算審議決裁を)得ているとして,特段困難な業務ではなかったと主張するが,はBそれまでに検討された問題点と対策等の結果を,工事行程を除き1枚の紙にまとめたに過ぎず,これと同時にが未了であった予算積A算も終了したというのでもないから,これをもって,本件名が困難な業務ではないということはできない。 エLNG用ローディングアーム定期点検の体制変更(追加件名)(ア)本件名は,費用の削減及び工期の短縮等の見地から,火力発電所に設置されているLNG用ローディングアームの定期点検方法を見直すものであり,4月中旬から検討を開始し,9月までに対策検討,試。(,,行運用体制についてまとめる予定であった甲41の1の1乙926,28,第9回証人)F(イ)本件名は,メーカーから直接に提案されたものであること,1F2月に川越火力発電所の定期点検が控えており,早急に検討しなければならないこと等から,自身が交渉,検討を担当することになり,Fは,の補助的な担当者として本件名に関与した。 は,本件名にAFAついて,9月27日付けの報告書(乙28)及びこの報告内容に沿って今後の定期点検の体制変更を依頼する旨の通知文書を作成した。その後,11月初めまでに,検討内容が 関与した。 は,本件名にAFAついて,9月27日付けの報告書(乙28)及びこの報告内容に沿って今後の定期点検の体制変更を依頼する旨の通知文書を作成した。その後,11月初めまでに,検討内容ができあがった。 は,本件名をA行うことを理由として9月21日から30日までの間に4回残業や泊,(),まり込みを行い9月23日祝日にも出勤して丸一日仕事を行い本件名に係る文書を更新している(甲36の4,83の3,110。 の文書番号125ないし132,乙28,第9回証人)F(ウ)控訴人は,は,本件名について,交渉や検討に直接携わったもAのではなく,が手書きで作成した報告書を清書したり,定型的な社F内向け依頼書を作成したに過ぎないと主張し,,も同趣旨を述べFCる(甲110の文書番号125,第9回証人,同。しかし,上FC)記のうち件名に関する方向性・対応策についてまとめた9月27日付Aけの報告書(甲110の文書番号128)の回議欄の担当者欄にはの印が押され,の部下でありの上司であるの印も押されているFAJことからすると,の指示に基づき作成したものであるとしても,上F記文書の作成が単なる清書に過ぎないものと解することはできない。 したがって,上記の及びの証言は信用することができない。 FCオLNG用ローディングアームの信頼度向上(引継の件名)(ア)LNG用ローディングアームの定期点検の間隔を,設備の劣化度合いにより長期化して経費の節減を図ることなどの検討業務であり,年度当初に計画され,4月中旬から点検・修理実績調査等を開始し,9月までに対策を検討する予定でが担当した。しかし,8月の人事G異動に伴い,が引き継いだ(甲64,85の7,乙26)A。 (イ)が引き継い され,4月中旬から点検・修理実績調査等を開始し,9月までに対策を検討する予定でが担当した。しかし,8月の人事G異動に伴い,が引き継いだ(甲64,85の7,乙26)A。 (イ)が引き継いだ当時,同件名については7月末までに試行運用体A制の検討が終わり,試行運用期間が始まっており,関係者に対する試行運用実施の通知も済んでいた。 は,9月ころ定期点検の体制変更Aについて関係部署と調整を行い(甲110の文書番号125,11)月初めには定期点検の体制変更についての関係部署への通知文書甲,(110の文書番号127)を作成した(甲40,41の1の1,6。 4,83の2・3,85の7,86,110の文書番号125・127,乙26)(ウ)本件名に含まれる業務として,他に,LNG設備保守業務意見交換会の開催及びLNG設備総点検結果に基づく実施状況のフォローがある。前者は,年2回(半期1回)LNG設備に関係する部署が集まって,不具合・トラブル等について情報交換するための会議を開催するものである。 は,関係部署と下期分の日程を調整し,10月22A日にこれを開催して,終了後10月末までに議事録を作成して関係者に送付した。後者は,からに対して,防・消火設備及び冷却水配GA管設備の定期点検,管理並びに未点検設備の再評価について,他部署から資料を取り寄せるなどして,既にが行った部分を参考にして,Gとりまとめをするよう引き継ぎがなされている(甲41の1の1,。 86,160,乙26,50,110の2) (エ)控訴人は,本件名について,が引き継いだ後は実働業務が無かAったと主張するが,上記のとおり,なおは業務を行ったものと認めAられる。 カ新名古屋火力発電所5・6号機長期計画停止に伴う燃料保管対策新名古屋火力 ついて,が引き継いだ後は実働業務が無かAったと主張するが,上記のとおり,なおは業務を行ったものと認めAられる。 カ新名古屋火力発電所5・6号機長期計画停止に伴う燃料保管対策新名古屋火力発電所5・6号機を長期停止させることに伴い,燃料設備等の保管対策について検討するよう突発的に指示のあった業務である。 は,と共に本件名を担当し,9月ころから関係者の打合せ等をAC実施し,同月9日及び13日には現場調査をした上,資料等をまとめた文書を作成し(甲41の1の4№1~3,7,同月21日,本件名に)ついての関係部署との打合せに出席した。打合せの結果,停止に伴う燃料関係保管の方法を燃料課で作成し,環境設備課はその方法毎の工事内容を検討することになり,は,この打合せ結果を業務連絡表(甲41Aの1の4№9,85の4,110の文書番号137)にまとめて回議に付した。これに対して及びはいずれも承認したが,は,環境設備JCF課の分担業務について異議を呈し,環境設備課はあくまでもサポート部署であり,主管部署からの依頼に対する簡易な技術検討を実施すれば良いとした。そこで,同月24日にが発電所保修課と協議の上,工事内J容の検討は運用側(発電所)が行い,内容によっては環境設備課も協力するということで確認をして,も,以後,発電所の依頼に基づき中部Aプラントサービスが算出した仮見積りの内容のチェックのみを行った。 (甲41の1の3,43の2,43の4(添付資料3-1,64,8)5の4・10,乙26,第9回証人)Cキ工事件名の担当工事件名のうち取止めとなったものを除く6件は,前年度まAでに予算編成業務が終了していたため,の業務は,工事の発注,工事Aの引継ぎ及び工期中にトラブルが発生した場合に,その対策について検 担当工事件名のうち取止めとなったものを除く6件は,前年度まAでに予算編成業務が終了していたため,の業務は,工事の発注,工事Aの引継ぎ及び工期中にトラブルが発生した場合に,その対策について検 討するというものであった。工事の発注作業は繁雑であるが「揚炭機,バケットエレベータスプロケット修理」は6月30日までに「No.7,,8燃料油ポンプ設置」は5月25日にそれぞれ工事が完了した「リク。 レーマ固定装置修理(碧南火力発電所貯炭場設備改造」の工事件」「A名に付随する件名のひとつ)は,当初6月30日までの工期予定で,は3月に発電所に工事引継ぎを完了していたが,5月に発電所から他の工事件名と現場が輻輳するとして安全性を確保するために工期変更の依,,。 頼がありが変更決裁手続を行い工期を9月15日までと変更したA上記以外の工事件名については,4月以降10月までの間,順次,実施計画書の作成,実施決裁手続及び発注手続を行い,発電所への工事引継を行っており,7月時点で計画どおり進行していた。うち「碧南火力,発電所散水配管取付工事」については,9月10日に発電所に工事を引き継ぎ「碧南火力揚炭機回転フィーダソリッドタイヤ修理」について,も,10月7日以前に引継ぎを行った。これらの発注や,引継業務について格別問題が発生することはなく,工期中に大きなトラブルが発生したこともなかった(甲39,85の6・8・15,158,第9回証。 人)Cク業務委託監査(ア)燃料設備の保修業務の委託内容について,適正に実施されているかをチェックするため,年2回(半期に1回)の頻度で,対象となる発電所に出向き,意見交換及び業務の監査を実施する業務である。監査権限を有しているのは担当副長以上の管理職であり,監査,監査結果の報告,相手方 ックするため,年2回(半期に1回)の頻度で,対象となる発電所に出向き,意見交換及び業務の監査を実施する業務である。監査権限を有しているのは担当副長以上の管理職であり,監査,監査結果の報告,相手方からの意見・提案の集約等の業務を管理職が実施することとなっていたが,実際の監査には,管理職のほかに,その部下である関連部署の主任が同行し,当該主任が自己の業務として監査を行っていた(乙11,116,第9回証人)。 C (イ)は,主任昇格後,同年9月の監査に同行することとなり,同月A14日午前10時から午後0時まで知多第二火力発電所,同日午後1時から午後3時まで知多火力発電所,同月22日午後3時から午後5時まで武豊火力発電所,同月28日午前10時から午後0時まで新名古屋火力発電所,10月4日午後1時から午後3時まで渥美火力発電所にそれぞれ赴いた。 は,業務委託監査に伴う発電所との日程の調A,,,整通知文書の発送を全て行い当日の監査業務も管理職の下で行い終了後,意見交換会ないし懇談会の内容について議事録を作成した。 (,,)甲110の文書番号118ないし124乙26第12回証人C(ウ)控訴人は,を業務委託監査に同席させたのは,が将来管理職AAとなったときのために監査の概要を知ってもらうためであったに過ぎ,,()。 ず業務ではないと主張しも同趣旨を述べる第12回証人CCしかし,平成10年度3月期の業務委託監査にはの前任の主任であAGAるが同行していること,燃料グループのもう一人の主任であり,より早く主任となっているも平成11年度9月期の他の業務委託監I査に同行していること,将来管理職になったときのためということであれば,管理職になるか否かも明らかではないに同年9月の1か月A より早く主任となっているも平成11年度9月期の他の業務委託監I査に同行していること,将来管理職になったときのためということであれば,管理職になるか否かも明らかではないに同年9月の1か月Aのうちに5回も同行させる必要はないと考えられることからすると,日頃から,監査権限のある管理職が,部下である主任級の職員を同行させて実際の監査業務を行わせることが一般化していたものと解するのが相当であり上記の控訴人の主張は採用することができない甲,。(110の文書番号118,乙111の2,116,証人)Lケその他の業務(ア)防消火・冷却水配管手引反映事項防消火配管の点検が過剰ではないかとの観点から,経費削減の施策の一環として,各発電所に対して,指針手引に沿った点検の実施 状況について調査するという業務であるが,が行ったのは,7月A26日ころ,と分担して,9か所の発電所及び燃料基地に電話をCかけて,点検の実施状況を聴取するというものに過ぎず,その結果のまとめ及び検討はが行った(甲86,第9回証人)CC。 (イ)武豊火力発電所全台停止計画(追加件名)石油火力発電所の稼働率低下に伴い,8月上旬,武豊火力発電所のユニットを全台停止すると仮定した場合の対応策の検討が指示された。環境設備課は工事部署のとりまとめを行う他課から依頼を受けて,技術検討のみを行った。 は,発電機が停止した場合に油がA固まらないために必要な蒸気量を,武豊火力発電所建設当時の建設,。 記録中のデータから探し出して工事費用を算定し文書で回答した(甲64,86,110の文書番号54,乙26,第9回証人)C(ウ)ガス導管サポート四日市火力発電所において,LNGのガス導管のサポートに腐食が発見されたため,燃料グループが管理している知 (甲64,86,110の文書番号54,乙26,第9回証人)C(ウ)ガス導管サポート四日市火力発電所において,LNGのガス導管のサポートに腐食が発見されたため,燃料グループが管理している知多エル・エヌ・ジーのガス導管についても同様の問題がないか調査するというもの。 ,,,であるは9月6日ころと共に現場に赴き調査したところAC知多エル・エヌ・ジーのガス導管のサポートの構造が,四日市火力発電所で腐食が発見されたサポートの構造と全く異なることが判明したため,それ以上の調査・検討を行う必要がなかった(甲41。 の1の1,86,第9回証人)Cコに対する仕事場での支援・協力等の有無Aの上司である副長は,課長であるとの軋轢から軽いうつ病にかAJFかっていたこともあり,課員から,仕事ができず,仕事を部下に任せてAFJしまい殆ど仕事の管理をしていないと評されており,もから時に。(,,を通さずに直接書類を持ってこいと言われることもあった甲4 35,72,乙8,10,14,40)担当副長は,ライン的にはの上司に当たり,机もの隣にあったCAA者であって,8月にが主任に昇格した直後ころにはの仕事の様子をAA見て一部仕事の肩替わりをしてくれたこともあったが,その後はがいAわゆるサービス残業を含む長時間の残業をして仕事をしていることも把握しておらず,9月か10月ころが泊まり込みで仕事をしていたことAを知ったときも「そんなに泊まり込んでするような急いでやらなければいけない仕事はないだろう」と半分ちゃかして言って「眠かったら,。 ,仕事をしても間違えるだけだから気楽にやれよ」と言う程度で何の仕。 事で遅くなったのかも覚えていないという状況であり,には毎日残業Aした ないだろう」と半分ちゃかして言って「眠かったら,。 ,仕事をしても間違えるだけだから気楽にやれよ」と言う程度で何の仕。 事で遅くなったのかも覚えていないという状況であり,には毎日残業Aしたり休日出勤するほどの業務はなく,出勤したとしてもテニスをやっていたかも知れないし,パソコンの練習をしたり,ゲームをやっていたのかも知れないと供述する有様で,実務に精通した担当副長としてある程度指導,援助をしていたことは認められるが,十分なものとは言えないものであった(甲3,73の1,112,乙12,13,第9回,。 第10回証人)C環境設備課の課長であるととの関係は,後記(6)認定のとおりでFAあり,また,は,が休日労働をしていることは全く把握していなかFAった(乙8,第10回)。 Fまた,同じラインの課員は,それぞれ異なる件名の担当者となっており,の業務を補佐する関係にはない。 A以上のように,には,十分な支援・協力をしてくれる上司や同僚がAいなかった。 (5)の労働時間Aア平成11年当時の火力センターにおける所定労働時間,所定休日及び勤怠管理の方法等は,原判決「事実及び理由」欄第2の1(争いのない 事実等)(3)のとおりである。 イ燃料グループでは,が,らの勤怠管理をしていたが,時間外労働JAについての正確な申告はなされていない。そこで,火力センター通用口「」(,,),に設置してある休日・時間外入出管理表甲28 乙27終業後から翌日始業前まで建物内を巡視する警備員が建物内にいる従業員等を記録した「休日・時間外入出管理表(巡視用(甲28,12)」4,乙27,が使用していたパソコンの更新記録(甲83の3)及)Aびが使用していたPHSの発信日時・発信場所等( にいる従業員等を記録した「休日・時間外入出管理表(巡視用(甲28,12)」4,乙27,が使用していたパソコンの更新記録(甲83の3)及)Aびが使用していたPHSの発信日時・発信場所等(その内容は,原判A決別紙6。乙20,21)を総合すると,の6月1日から11月7日Aまでの時間外労働時間数は原判決別紙7「の時間外労働時間(平成1A1年6月1日~同年11月7日」のとおりと推認でき,各月の合計時)間外労働時間数は以下のとおりとなる(甲28,83の3,123,。 124,126,乙20ないし24)a6月51時間17分b7月61時間44分c8月86時間24分d9月93時間57分e10月117時間12分f11月39時間52分ウ被控訴人は,これを上回る時間数を主張するが,証拠(甲51,乙21,22)によれば,その主張する内容は,時間外労働時間数の推定に当たりPHSの発信場所を考慮していない,あるいは,職場に宿泊した場合に,早朝には仮眠室(和室)にいたことが明らかであるのに,職場内に滞在した時間をそのまま労働時間数に加算するなど不正確な部分が認められることから,これを採用することはできない。 (6)との関係等FA アのに対する指導FA(ア)は,現場での経験が豊富だったため業務に精通していたが,日F頃から大声,きつい口調であり,課長席の前や会議コーナーに課員を呼びつけて,他の課員に聞こえる状況で指導することもあったことから部下から反感を持たれることも多かった。そして,自分の思うように動かない課員に対して特に厳しく対応しており主任級の課員に主,「任失格」といった言葉を使って叱責することもあった。これを,のF好き嫌いにより指導時の口調に強弱があると受け取る課員も うように動かない課員に対して特に厳しく対応しており主任級の課員に主,「任失格」といった言葉を使って叱責することもあった。これを,のF好き嫌いにより指導時の口調に強弱があると受け取る課員もいた甲。 (35,乙8,10,44)(イ)は,について,あまり優れていない,同じ主任の地位にあるFAと比較して仕事が遅く,集中力を欠いている,動きが悪い等と評価Iしている上,自分が主任にしてやったとの思いもあってか,に対しAて厳しく指導を行い,時には「君は主任失格だ「おまえなんか,,。」,いてもいなくても同じだ」などという言い方で叱責することもあっ。 た(乙10,46,被控訴人本人。 は上記の文言を否定するが,)F自身,に対して厳しく指導していたのは認めていること,上記のFA「」,とおりから主任失格という文言で叱責された者が他にあることF関連会社社員であるが,9月中・下旬ころ,が,から「君は主MAF。」(),任失格だと言われたと話しているのを聞いているところ乙46が虚偽の供述をする必要は認められず,が社外のにあえて虚言MAMを聞かせることも考えられないことからすると,がを指導する際FAにも上記の文言を用いたことがあったものと認められる。 (ウ)は,に対して時には言い過ぎたと思うこともあり,そのようFAな場合には,やに対し,が指導内容を誤解したり,不満を抱くCJA(,)。 ことがないようフォローを依頼したと述べる乙8第10回証人Fしかし,やがそのような依頼を受けて,に対しての過重な指CJAF 導をフォローした形跡はない。 は,がやを呼んで指導していCFAJ,,る際にの質問に対してやが答えられずの のような依頼を受けて,に対しての過重な指CJAF 導をフォローした形跡はない。 は,がやを呼んで指導していCFAJ,,る際にの質問に対してやが答えられずの口調が強くなるとFAJF自分が出て行って補足的に説明することがあったと述べるが(第9回証人,これは,らの説明不足を補う意味でのフォローをしたとCA)いうに過ぎず,の行き過ぎた指導によりらに心理的負荷がかからFAないようにする意味でのフォローではない。 のに対する指導の様FA子は,他からは,がを嫌っていると見えていた(甲3,乙8,FA。 10,14,42ないし44,46,第9回証人,同)CF(エ)の指導方法は,どの課員に対しても同じであり,特定の課員をF個人攻撃したり,課員の人格を否定するようなものではなかったと評価する課員もある(乙72ないし75。しかし,自身,自分が動)F(,きが悪いと考える課員に対しては厳しく指導することを認めそしてを他の主任と比べ,仕事が遅く,動きが悪い等と評価していたのはA上記認定のとおりである,上記のとおりの好き嫌いで指導方法。)Fに違いがあると見られている上「主任失格,あるいは「おまえな,」んか,いてもいなくても同じだ」との言葉は,指導の範疇をこえた。 感情的な叱責であって,他の課員にも聞こえる場でこのような叱責が行われるのであれば,その指導は人格の否定とも見るべきであり,現に副長のは,から厳しく指導され,口問答の末,他の課への転出JFを希望し,不眠等で軽いうつ病と診断され投薬治療を受けるようになった程であること(乙10,また,自身も愚痴を言ったり,悪口)Aを言うのは嫌いな人間であったが,被控訴人に対し「また課長に怒, を希望し,不眠等で軽いうつ病と診断され投薬治療を受けるようになった程であること(乙10,また,自身も愚痴を言ったり,悪口)Aを言うのは嫌いな人間であったが,被控訴人に対し「また課長に怒,られちゃった。期待してくれているからだと思うけど」などと愚痴。 を洩らすことがあったこと(甲3,7,73の2,乙47,被控訴人本人)からすると,やはり,の指導には,問題があったと言わざるFを得ない。 イ「主任としての心構え」作成指示(ア)は,主任に昇格したに対し,自覚を促すとして,主任としてFAの心構えを記載して提出するよう指示した。 は,従前から注意又AFは指導された点を踏まえた文書(甲55)を作成,提出した。 は,Fこれを読み,自身が感じたの仕事上の問題点,主任として注意すFAべき点等について指摘して,書き直しを命じた。 が書き直した文書A(甲56)には,主任として「自分の油,LNG設備に対する知見,の低さを自覚して」と,経験不足をことさらに記載して,あたかも,主任として知見が十分ではないかのような文章を加えさせる一方自,「分の業務と各担当の業務,どれが欠けても自分の責任であると意識する」と主任級が管理職ではないにもかかわらず過大な責任意識を述。 べる文書が加わっている(甲55,56,第10回証人)。 F(イ)は,他の課員が主任に昇格した際にも,同様の文書の作成,提F出を指示しているが,が独自に実施していたものであり,中部電力Fの一般的な指導方法ではなかった。また,から以外に書き直しをFA命じられた者はいない(甲57の3,乙58,72)。 ウ結婚指輪に関するの発言F(ア)は,が常時左手薬指に結婚指輪をはめていたことから,少なFAくとも平成11年8,9月 しをFA命じられた者はいない(甲57の3,乙58,72)。 ウ結婚指輪に関するの発言F(ア)は,が常時左手薬指に結婚指輪をはめていたことから,少なFAくとも平成11年8,9月ころと,が死亡する前週の2回「目障A,りだから,そんなちゃらちゃらした物は着けるな,指輪は外せ」と。 いうような言葉で,に結婚指輪を外すよう命じた。 は,いずれのAA時にも特段の反論はせず,しかし,結婚指輪を外すこともしなかったが,死亡した日の朝には,結婚指輪を外して家を出た(甲4,7,。 ,,,,,,) 50の4第9回第10回証人証人被控訴人本人CN(イ)控訴人は,がに指輪を外すように話したのは,同年10月末FA,()。 ころの1回のみであると主張しも同趣旨を述べる第9回証人FF しかし,及びのいずれも,がに指輪を外すよう指示してCNFAいるのを近くで聞いたと述べるところ,は,自分が長期計画の資C料を机の上に並べてチェックをしている時に聞いたから8月か9月くらいであると述べ,重ねて10月ではないかと質問されたのに対して,10月であれば長期計画は関係なく,当初予算に入っているので資料チェックはやっていないと述べていること(第9回,10回証人,は,が死亡する前の週の出来事であったので,のCNAA)死亡後に,この出来事との死亡とを関連づけて考え,そのことをAに伝えたと述べ(甲9,証人,いずれも,その時期について明FN)確に記憶していること,も,当初は,いつ話したか覚えていない,Fが主任になったころに心構えのひとつとして述べたかもしれないAと述べ(乙8,その後,いろいろ思い出したり考えたりすると10)月ころと分かったと訂正 ,も,当初は,いつ話したか覚えていない,Fが主任になったころに心構えのひとつとして述べたかもしれないAと述べ(乙8,その後,いろいろ思い出したり考えたりすると10)月ころと分かったと訂正するが(第10回証人,重ねて尋ねられF)ると,が主任になったころに指輪のことについて話したことがなAいとは断言できない,覚えがないと述べていること(同)からすると,が主任に昇格した時期と,死亡する1週間ほど前の少なくとAも2回は同様の指摘があったものと認めることができる。 なお,被控訴人も,からに指輪を外すように言われたと聞いAFた記憶が,8月2日以降少なくとも2回あると述べる(被控訴人本人。そして,被控訴人は,当初,9月に自分が看護師として稼働し)た後のこととして述べており(甲4,その供述内容からしてが死)A亡する前の週のことを指すものとは解されないことからすると,更に9月ころにもがに対して,同様の発言をした可能性もある。 FA(ウ)控訴人は,が指輪について話した趣旨について,現場におけるF異物混入防止対策の観点及び仕事に対する集中力を出す動機付けとして話したに過ぎないと主張する。 これについて,は「私自身の生活信条というか,職場でのものF,の考え方は,特に勤務時間中は,とにかく余分なものは身につけないと,ましては現場へ出る場合は特に注意をしてほしいということを,現場にいるときに常々みなさんにお願いしていた経緯があるもんですから,様には,なるべく,余分なものを身に着けないのが自己防衛Aの1つの手段だよというお話を一部させていただきました。それと同時に,やはり意識を変えるという点では,指輪ばかりじゃございませんけれども,自分の身なりを整える方法とか,あるいは持ち物を少し入れ替えてみて の手段だよというお話を一部させていただきました。それと同時に,やはり意識を変えるという点では,指輪ばかりじゃございませんけれども,自分の身なりを整える方法とか,あるいは持ち物を少し入れ替えてみて,とにかく,やる気を出すと,あるいは仕事に積極的に立ち向かう集中力を出すという動機付けになればなあという淡い期待をもって,さんに,勤務中に指輪を外すのも1つの手段かもしれAないぞということを言った覚えがあります」と述べる(第9回証人。 。また,その場で同席していたは「はに対して)アドバFIFA),(イス的に指輪の話をされました・・・異物混入防止対策の観点から。 。 ,,だというのが一つの理由でしたそれと業務がはかどらないときは業務に集中するための一方策として指輪を外して気分を変えてみるのもいいのではないかという意味のことを話されました」との上記。 Fの供述に沿った内容を述べる(乙72。更に,これを近くで聞いて)いたというは「断片的にしか聞こえませんが,その中で,指輪をC,外せとか,外したほうがいいとか,要するに指輪を外すというような言葉が入ってまいりましたので・・・多分,異物混入防止対策につ,いての話をしているんじゃなかろうかと思いました」と述べる(第。 9回証人。 C)しかし,異物混入防止が問題となるのは,火力発電所内であり,かつ,各種点検や工事作業中の機械開口部分であって(甲96,乙65の2,燃料グループの構成員がこの異物混入防止を注意すべき) 場面はごく限定され,日常の火力センター内での業務を行う際に指輪等の脱落を懸念してこれを取り外す必要はない。すると,特に現場臨場(それも点検工事等が行われる場への臨場)が予定されていない席上で,わざわざがに上記の指示をする必要は認められなF 行う際に指輪等の脱落を懸念してこれを取り外す必要はない。すると,特に現場臨場(それも点検工事等が行われる場への臨場)が予定されていない席上で,わざわざがに上記の指示をする必要は認められなFAいというべきである。また,異物混入防止対策を日頃から考えるのであれば,他に,眼鏡,腕時計なども問題となり得るところ,はFこれらについてあるいは他の課員に指示してはおらず,また,指A輪についても,結婚指輪を身に着けている以外の課員に対してはA同様の指示はしていない(甲96,第9回,10回証人。したがF)って,異物混入防止を目的とした指示であるとのの供述は,にわFかに信じることができない。また,の上記供述(陳述書)は,原I審の及びの証人尋問後に作成されたものであること,そうであFNるのに,の発言があった時期を曖昧にしか述べていないことからFすると,これも同様に信用することができない。更に,の供述は,C同人が聞いたのは,断片的に指輪を外せとか,外した方が良いというような言葉のみであって,これらの言葉のみで,直ちに,異物混入防止対策についての話と判断したというのであるが,現場ではない職場内で,話の前後の状況も不明なままに,そのような言葉のみから異物混入防止対策についての話と判断したとの供述は不自然であり,信用することができない。 は,また「私自身の考え方は,常日ごろから,職場というものF,はなるべく余分なものを身に着けない,特に私的なものを身に着けると集中力が低下するというケースもありますので,自分の体験上から,なるべく余分なものは身に着けずに,とにかく職場に8時間おるうちは,業務に集中してほしいと,そのために,少しでも余分なものは身から外したらどうだろうという意味をもって,そういう ような から,なるべく余分なものは身に着けずに,とにかく職場に8時間おるうちは,業務に集中してほしいと,そのために,少しでも余分なものは身から外したらどうだろうという意味をもって,そういう ような話をさせてもらったと思います」とも述べる(第10回証人。 。しかし,そもそも結婚指輪をしていることが集中力の妨げとなF)るとすること自体合理性を欠く上,自身,控訴人の聴取調査の際Fには,に対して,現場に入るときには注意した方がよいと話したAが,事務所でもはめるなという話ではないと否定し(乙8,再度の)調査に対しては「そのような(指輪は目障りだというような)ニュ,アンスでさんに話したということは有りませんとしか述べず乙A。」(9,上記のような趣旨で話したとの説明はまったくしていないので)あり,むしろ,は,が「たるんでいる「会社の中ではきちNF,。」,っとして家庭の問題を会社に持ち込むな」という言葉の他に「そ。 ,の指輪は目障りだ。おれの前では指輪をはずせ」と述べたのを聞い。 ていること(甲72,も,の声が大きかったことを認めている)CFAANこと,また,の死亡後に,が指輪を外していたことを聞いたが,に「あの時その場で人権侵害だと言えばよかった」と言っF,。 たところ,は「あれはジョークだ「もしそれが原因であり,F,。」,それが明らかになれば,おれも生きちゃおれんな」などと答えたと。 述べており(甲9,72,証人,も,控訴人の調査や証人尋問NF)において「おれも生きちゃおれんな」とに答えたことを積極的,。 Nに否定せず「私の指導や指輪のことが(の死亡の)原因だとすれ,Aば,私も身の振り方を考えなければいけないね」と話したと述べて。 いるところであ ゃおれんな」とに答えたことを積極的,。 Nに否定せず「私の指導や指輪のことが(の死亡の)原因だとすれ,Aば,私も身の振り方を考えなければいけないね」と話したと述べて。 いるところであり(乙8,第10回証人,これらに照らすと,仕F)事に対する集中力の動機付けとして指示したとのの供述も未だ採F用することはできない。 したがって,上記の控訴人の主張はいずれも採用することができない。 (エ)の上記の発言に対しては「はい,はい」と返事をする程度のFA, 反応で,同席していたも特に疑問を感じておらず,被控訴人に話をIした際にも,気にしないと述べていた。しかし,勤務中も結婚指輪を外そうとはしなかった。 (オ)は,とりわけ妻や家族を大切にしており,浜田省吾なる歌手が仕A事ばかりしていないで妻を大切にしている夫であって欲しいという気持ちから作った「星の指輪」という歌を好み,9月ころに会社の友人と飲みに行ったときに珍しくカラオケに挑戦し,上記の歌を練習していた。同期入社のも,の死後,新しく発売された上記の曲が入っOAたCDを仏前に供しに来た(甲4,65,73の2,136,乙1。 5,被控訴人本人)(カ)は,の死亡当日,本人確認等のため自殺現場に赴いたが,そのFA際,死体を見て「くんはいつも指輪をしてたよね」と発言した。 ,。 Aこの指輪は,1か月ほど後,被控訴人のドレッサーの小物入れの中に置いてあることが発見された(甲4,49,73の2,第9回)。 F(7) 自殺に至るまでのの言動等Aアは,従前,手帳に細かく予定や仕事のメモなどを記載していたが,A9月中旬ころからほとんど記載しなくなった。同年9月下旬ころには,被控訴人に対し「4時か5時頃になると仕事をしている夢を見て,目, は,従前,手帳に細かく予定や仕事のメモなどを記載していたが,A9月中旬ころからほとんど記載しなくなった。同年9月下旬ころには,被控訴人に対し「4時か5時頃になると仕事をしている夢を見て,目,が覚める。毎日。汗をびっしょりかいて,動悸がする。1時間くらい眠。」。 ,,,れないなどと訴えていたまたそのころのは被控訴人に対しA「今でも忙しいのに,予算の時期になるともっと忙しくなる。どうなるんだ「時間ばかり経って空まわりしている」などと漏らし,焦っ。」,。 ている様子であった。同月ころ,は「一緒の部屋で寝たい」と言A,。 Aい出し,それまで別室であった寝室を被控訴人と一緒にした。更に,は,被控訴人に対し「手を握ってほしい。目が覚めた時に,手を握る,とまた眠れる」などと訴えたこともあった(甲3,73の1・2,。 。 86,乙47,被控訴人本人)イは,10月以降は,疲労を理由に,通勤時の最寄駅までの交通手段Aを自家用車に変え,また「疲れていると飲む気がしないんだよね」,。 などと言ってそれまでほぼ毎晩していた飲酒をしない日が増えた甲,。(3,6,7)ウ11月5日,は,被控訴人に帰宅する旨の電話をかけた際「土曜A,日(6日)も日曜日(7日)も仕事に行くから」と告げ,帰宅後,被。 控訴人が「どうしてそんなに仕事ばかり行くの」と問いかけたにも,。 かかわらず,ただ不機嫌そうに黙っているばかりであった。同月6日に,,,「,は午後10時ころ被控訴人に電話をかけ仕事がたくさんあって48時間やっても終わらないよ」と述べた。同月7日にも休日出勤を。 したは,午後6時30分ころ帰宅し,翌日の被控訴人の誕生日プレゼAントとして買ってきた花束を被控訴人に渡したその際被控訴人が て48時間やっても終わらないよ」と述べた。同月7日にも休日出勤を。 したは,午後6時30分ころ帰宅し,翌日の被控訴人の誕生日プレゼAントとして買ってきた花束を被控訴人に渡したその際被控訴人が仕。 ,「,。」,,事がたくさんあるって言ってたけど大丈夫なのと尋ねるとはA「割り切ったから」と答え,それ以上仕事について話をすることはな。 かった(甲3,7,50の4,被控訴人本人)。 ,,,エは11月8日午前6時15分ころ自家用車で自宅を出発したがA途中で職場に風邪を引いたため休暇を取る旨連絡して欠勤した(甲2。 9の1,113,乙27,第9回証人。 C)同日午後1時24分ころ,通行人の通報により出動した消防隊が,愛知県知多郡乙町の現場で,の自家用車が炎上し,車外でが死亡してAAいるのを発見した。死因は焼死であり,車内でまいたガソリンが着衣に引火したものと推測される。遺書等はない(甲20,乙5の3,6の。 2) うつ病に関する医学的知見及びのうつ病発症等の業務起因性に関する医A師の意見の要旨は,原判決「事実及び理由」欄第3の2及び3に記載のとお りであるから,これを引用する(ただし,原判決97頁9行目の「乙30」の前に「甲52,53,66,67」を,同99頁7行目の「執着性格」,の後に「下田光造提唱」を,同16行目の「メランコリー親和型」の後,()に「テレンバッハ提唱」を,それぞれ加える。 ()。)これら及び1認定の事実を総合すると,は,平成11年9月下旬ころ,Aうつ病を発症したことが明らかである。 争点についての判断(1) 業務起因性の判断基準についてア労災保険法に基づいて遺族補償年金及び葬祭料を支給するためには,業務と疾病との間に業務起因性が認められなけれ したことが明らかである。 争点についての判断(1) 業務起因性の判断基準についてア労災保険法に基づいて遺族補償年金及び葬祭料を支給するためには,業務と疾病との間に業務起因性が認められなければならないところ,業務と疾病との間に業務起因性があるというためには,単に当該業務と疾病との間に条件関係が存在するのみならず,業務と疾病の間に相当因果関係が認められることを要する(最高裁判所昭和51年11月12日第二小法廷判決・集民119号189頁参照。そして,労働者災害補償)制度が,使用者が労働者を自己の支配下において労務を提供させるという労働関係の特質に鑑み,業務に内在又は随伴する危険が現実化した場合に,使用者に何ら過失はなくても労働者に発生した損失を填補する危険責任の法理に基づく制度であることからすると,当該業務が傷病発生の危険を含むと評価できる場合に相当因果関係があると評価すべきであり,その危険の程度は,一般的,平均的な労働者すなわち,通常の勤務に就くことが期待されている者(この中には,完全な健康体の者のほかに基礎疾病等を有するものであっても勤務の軽減を要せず通常の勤務に。)。 就くことができる者を含むを基準として客観的に判断すべきであるしたがって,疾病が精神疾患である場合にも,業務と精神疾患の発症との間の相当因果関係の存否を判断するに当たっては,何らかの素因を有しながらも,特段の職務の軽減を要せず,当該労働者と同種の業務に 従事し遂行することができる程度の心身の健康状態を有する労働者(相対的に適応能力,ストレス適処能力の低い者も含む)を基準として,。 業務に精神疾患を発症させる危険性が認められるか否かを判断すべきである。 また,本件のように精神疾患に罹患したと認められる労働者が自殺した場合には,精神疾患の発症に業務起因 含む)を基準として,。 業務に精神疾患を発症させる危険性が認められるか否かを判断すべきである。 また,本件のように精神疾患に罹患したと認められる労働者が自殺した場合には,精神疾患の発症に業務起因性が認められるのみでなく,疾患と自殺との間にも相当因果関係が認められることが必要である。 イうつ病発症のメカニズムについては,いまだ十分解明されてはいないが,現在の医学的知見によれば,環境由来のストレス(業務上又は業務以外の心理的負荷)と個体側の反応性,ぜい弱性(個体側の要因)との関係で精神破綻が生じるか否かが決まり,ストレスが非常に強ければ,個体側のぜい弱性が小さくても精神障害が起こるし,反対に個体側のぜい弱性が大きければ,ストレスが小さくても破たんが生ずるとする「ストレス-ぜい弱性」理論が合理的であると認められる。そうすると,結局,業務と精神疾患の発症との相当因果関係は,このような環境由来のストレス(業務上又は業務以外の心理的負荷)と個体側の反応性,ぜい弱性(個体側の要因)を総合考慮し,業務による心理的負荷が,社会通念上客観的に見て,前記アに示した労働者に精神疾患を発症させる程度に過重であるといえるかどうかによって判断すべきである。 ところで,判断指針(心理的負荷による精神的障害等に係る業務上「外の判断指針について)は「ストレス-ぜい弱性」理論を基礎とし」,て心理的負荷(ストレス)による精神障害等と業務との関係を検討し,心理的負荷による精神障害に係る業務上外の認定を図るために策定されたものであり,精神医学,心理学,法律学等の専門家によりまとめられた専門検討会報告書に基づき,医学的知見に沿って作成されたものであるから,精神障害が業務上の心理的負荷に基づくものであるか否かの判 ,,断において一定の合理性があり多数の労災事件を とめられた専門検討会報告書に基づき,医学的知見に沿って作成されたものであるから,精神障害が業務上の心理的負荷に基づくものであるか否かの判 ,,断において一定の合理性があり多数の労災事件を客観的かつ画一的に迅速に処理する上で行政手続上有益なものであると認められる。 もっとも,判断指針は,上級行政庁が下部行政機関に対してその運用基準を示した通達に過ぎず,裁判所を拘束するものでないことは言うまでもないし,その内容についても批判があり(甲46,138,166ないし168,172,174,証人等,現在においては未だ必ずP)しも十全なものとは言い難い。 そこで,業務起因性の判断に当たっては,判断指針を参考にしつつ,なお個別の事案に即して相当因果関係を判断して,業務起因性の有無を検討するのが相当である。 (2)の業務上の心理的負荷の検討Aア主任昇格判断指針は業務上の心理的負荷を与える1つのライフ・イベント出,(来事)として「昇格」を上げている(原判決別紙1の判断指針別表)ところ,前記認定のとおり,は平成11年8月11日に主任に昇格したAものである。昇格は,一定の心理的負荷を生じさせるものであるとしても,自己の業務遂行能力に対する積極的な評価の結果であるから,一般的には心理的負荷の程度はそれほど大きいものとはいえない。 の主任A,,,昇格も主任が一般職の最高職級であるとはいえ管理職ではないことこの時期の昇格が特段に劣るものとはいえないことも併せて考えると,心理的負荷はそれほど強いものとはいえないもののように思われるところである。 しかし,前記認定のとおり,はもともと主任の仕事の質・量からしAて主任になることに不安を抱いていたこと,実際にも主任昇格と同時に仕事のラインが変わったこと等もあり,主任として部下の ろである。 しかし,前記認定のとおり,はもともと主任の仕事の質・量からしAて主任になることに不安を抱いていたこと,実際にも主任昇格と同時に仕事のラインが変わったこと等もあり,主任として部下の仕事のチェックや指導をしなければいけないことは分かっていながら,自己の仕事に ,,,追われて十分な指導はできなかったことその上の上司であるはAFの主任昇格に際して,書き直しまで命じて,が能力において不足すAAることを明記させ,かつ,昇格後の担当者の業務についても全面的に責任を負う内容の文章を作成させ,更に,に対して「主任失格」といA,う文言を使って叱責していたこと,これらを併せて考えると,具体的なの置かれた状況の中では,主任への昇格は,通常の「昇格」よりは,A相当程度心理的負荷が強かったものと理解するのが相当である。 なお,控訴人は,上記文書の作成・提出が,に心理的負荷を与えるAようなものではなかった旨主張するところ,確かに,から同様の文書Fの作成を指導された者は他にもいるところである。しかし,前記のように,これらの者に対しても書き直しまで命じて,上記のような内容の文書を作成させたものとは認められず,上記の指導内容が,一般職の最高職級に過ぎない主任への昇格に相応するものであるとは解されないことからすると,上記の控訴人の主張は採用することができない。 イとの関係F前記認定のとおり,は,に対して「主任失格「おまえなんか,FA」,。」,,いてもいなくても同じだなどの文言を用いて感情的に叱責しかつ結婚指輪を身に着けることが仕事に対する集中力低下の原因となるという独自の見解に基づいて,に対してのみ,8,9月ころと死亡の前週Aの複数回にわたって,結婚指輪を外すよう命じていたと認められ かつ結婚指輪を身に着けることが仕事に対する集中力低下の原因となるという独自の見解に基づいて,に対してのみ,8,9月ころと死亡の前週Aの複数回にわたって,結婚指輪を外すよう命じていたと認められる。これらは,何ら合理的理由のない,単なる厳しい指導の範疇を超えた,いわゆるパワー・ハラスメントとも評価されるものであり,一般的に相当程度心理的負荷の強い出来事と評価すべきである(判断基準も,心理的負荷の強い出来事として「上司とのトラブルがあった」を上げてい,る。なお,控訴人は,指輪に関するの発言を聞いたの反応に照。)FAらし,同人に心理的負荷を与えるような発言であったとは認められない と主張するが,出来事に対する対応の仕方は人により様々であり,がA明白に不快感を表明しなかったからといって,心理的負荷が軽いとは判A断することができないことは言うまでもないし,前記認定のように,が「星の指輪」という歌を好み,カラオケで練習していたこと,の命F令にもかかわらず,死亡の前日まで会社でも家庭でも指輪を外さず,自殺当日これを外して妻のドレッサーの小物入れに入れていったこと等か,。 ,らすると指輪に対する強いこだわりが見て取れるところであるまた一方,も,前記認定のとおり,死体確認の際「いつも指輪をしていF,たよね」と発言し,に対して「私の指導や指輪のことが(の死。 ,NA亡の)原因だとすれば,私も身の振り方を考えなければいけないね」。 と話したことを認めていること等からすると,指輪のことが気に掛かっていたか,あるいは,指輪がにとって大きな問題であることを察してAいたものと認められるのである。これらの事実からして,上記の控訴人の主張は採用することができない。 そして,上記の叱責や指輪を外すよう命じられた いは,指輪がにとって大きな問題であることを察してAいたものと認められるのである。これらの事実からして,上記の控訴人の主張は採用することができない。 そして,上記の叱責や指輪を外すよう命じられたことが,1回的なものではなく,主任昇格後からが死亡する直前まで継続して行われていAるものと認められることからすると,うつ病発症前,また,死亡直前にに対し,大きな心理的負荷を与えたものと認められる(前記認定のよAうに,と同様から嫌われていたと課員らから観察されている副長AFJも,とのあつれきから,軽いとはいえ,うつ病に罹患したこともこれFを裏付けるものである。 。)ウ担当業務(ア)前記認定のとおり,は,平成11年度当初に,実質6件の工事A件名及び2件の検討件名の担当となったが,これは,グループ内の人数に照らすと,他の課員と比較して特段多いものとは認められない。 また,労働組合支部執行委員に選任された後は,同年8月にライン別 の業務担当に変更する際に相応の考慮がなされているものと認められる。 (イ)しかし,は,年度当初に配分された業務に加えて,8月に,前A任のから検討件名を1件引き継いでいたところ,ほぼ同時期に「知G多LNG受入設備の改造」の検討「新名古屋火力発電所5・6号機,長期計画停止に伴う燃料保管対策」の検討が加わった。このうち,当「」「」,初件名の石炭設備の信頼性確保及び燃料油小口径配管の管理追加件名の「知多LNG受入設備の改造」は,いずれも難易度の高い件名であり,かつ「石炭設備の信頼性確保」は,計画の見直しが繰,り返された結果,検討期間が短くなり「燃料油小口径配管の管理」,は,当初の助言に従って進めていたにもかかわらず,9月に提出しCた結果文書は承認が得られず, 信頼性確保」は,計画の見直しが繰,り返された結果,検討期間が短くなり「燃料油小口径配管の管理」,は,当初の助言に従って進めていたにもかかわらず,9月に提出しCた結果文書は承認が得られず,以後何度も検討方法,検討内容の指示を受けて検討し直しており「知多LNG受入設備の改造」は,が,A一部の技術的検討もしなければならなかった。また「新名古屋火力,発電所5・6号機長期計画停止に伴う燃料保管対策」は,当初はらA燃料グループが主体的に取り組んでいたものが,関係部署との打ち合わせ結果を回議に付す9月末ころの段階になって,その取組方についてから異議が出て,結果として担当部署への協力のみとなったものFであり,9月まではが積極的に関与していたものと認められる。しAかも,これらのうち予算が必要な件名については,11月17日から始まる課長ヒアリングまでに工事費を積算しなければいけない(前記1(4)ウ(オ)のとおり,所長決裁である知多LNG受入設備の改造についても課長ヒアリングまでに積算する必要があった)という絶対。 。 ,,,的な期限があったその上9月には下半期の業務委託監査がありはこれに実質的に関与し,その準備,出張,整理等のため相当の日A数を費やした。 ,,これらの仕事を並行して進めていかなければならない状況は8月9月の燃料グループの他の課員の仕事状況に照らしても量的にも内容的にも過大であり(甲83の2のの担当する件名及びその内容は,A前記の認定に照らし,不足することが明らかである,8月ころを。),,()境にの業務は量的内容的に大きな変化が生じていた増大したAものと認められる。しかも,前記認定のように上司等の支援協力態勢も不十分であったのである。この量的・内容的に増加した業務を ,()境にの業務は量的内容的に大きな変化が生じていた増大したAものと認められる。しかも,前記認定のように上司等の支援協力態勢も不十分であったのである。この量的・内容的に増加した業務を並行して遂行するため,は,前記認定のように8月86時間24分,9A月93時間57分,10月117時間12分,11月(7日分)39時間52分という長時間にわたる時間外労働(休日出勤を含む)を。 (,,強いられたものでありもっとも9月下旬以降の増加分については控訴人が指摘するように,うつ病により能力が下がった結果というべき部分も相当程度含まれるものと推測される,これが,うつ病の。)発症及びその進行の大きな原因となったものというべきである(判。 断指針も,心理的負荷の強い出来事として「仕事内容・仕事量の大,きな変化があった」を上げ,心理的負荷のかかる具体的出来事に伴う変化等を検討する視点として「仕事の量(労働時間等)の変化」を上げている)。 エ業務以外の心理的負荷前記認定のとおり,自宅新築に伴う転居,その際の負債の発生,配偶者である被控訴人の稼働開始等の出来事は,いずれも発症の6か月以上前であって,その後,には,発症の前後を通じて,業務以外で特段のA心理的負荷を発生させるような出来事は認められない。 の同僚の中にAは,社宅に住んでいた際の出来事などから,被控訴人ととの関係に何Aらかの心理的負荷を生じさせる出来事があったのではないかと述べる者もあるが,いずれも憶測の域を出るものではない。 オ個体側の要因前記認定のとおり,には,精神障害と関連する疾患についての既往A歴はなく,その家族についても精神障害の既往歴はない。そして,前記認定によれば,の性格はメランコリー親和型であって,うつ病に親和A的なもの おり,には,精神障害と関連する疾患についての既往A歴はなく,その家族についても精神障害の既往歴はない。そして,前記認定によれば,の性格はメランコリー親和型であって,うつ病に親和A的なものであったということはできるが,一般的にこのような几帳面,真面目で責任感が強く,他人の悪口を言ったりしないなどという性格は従業員としてむしろ美徳とされる性格であって,このことが直ちにうつ病を発症させるぜい弱性につながるものではなく,また,検討件名の取り掛かりに苦労するなど,は,環境設備課主任として期待される業務A遂行能力を未だ十分に有していなかったと認められるとしても,これまでは,上司等から適切な助言があれば,その後は予定どおり業務をこなすことができたのであり,がうつ病発生時まで特段の問題もなく社会A生活を送り,ほぼ順調に主任にも昇格していることからすると,上記の性格,能力共に,一般的平均的労働者の範囲内の性格傾向や個体差に過ぎないというべきである。 なお,医師は,の「健康管理カード(乙77)に「多忙になQA」,るとストレスコントロールがへたであるので何とかしたい」と記載さ。 れていることが,の個体側要因としてのぜい弱性が推定されるとすAる(乙82・14頁。しかし,上記の記載は,未だ単身時である平成)元年の健康診断時の記載であり,その後,結婚,数回の転勤を経て10年あまりの間,実際にがストレスのコントロールができない状況Aは特段認められないことからすると,上記のぜい弱性も,一般的平均的労働者の範囲を出るものとまでは認めることができない。 カ小括以上によれば,前記アないしウの業務等による心理的負荷は,一般的平均的労働者に対し,社会通念上,うつ病を発生させるに足りる危険性 を有するものであったと認められるから ことができない。 カ小括以上によれば,前記アないしウの業務等による心理的負荷は,一般的平均的労働者に対し,社会通念上,うつ病を発生させるに足りる危険性 を有するものであったと認められるから,のうつ病の発症は,業務にA内在する危険性が現実化したものということができ,業務とのうつ病Aの発症との間には相当因果関係が認められる。 そして,前記認定のの自殺前の言動に照らし,の自殺と業務とはAA条件関係があることが明らかであり,うつ病の典型的な抑うつエピソードに,自傷あるいは自殺の観念や行為が含まれていることからすると,は,うつ病によって正常の認識,行為選択能力が著しく阻害され,又Aは,自殺行為を思い止まる精神的な抑制力が著しく阻害されている状態で自殺に及んだものと推定でき(乙30,のうつ病発症と自殺との)A間にも相当因果関係を認めることができる。 したがって,の自殺と業務との間にも相当因果関係があり,の死AA亡は,業務起因性があるものと認められる。 なお,控訴人は,のうつ病発症には業務起因性がないし,自殺はうAつ病が「増悪」したことによって行われたのではなく,業務外で発症したうつ病の基本的症状としての自殺念慮により行われたものであるから,自殺と業務との間には相当因果関係がないと主張するが,上記説示のとおりのうつ病発症に業務起因性が認められるのであるから,控訴A人の主張は前提を欠き,失当である。 前記2(原判決「事実及び理由」欄第3の3)の医師の意見のうち,愛知労働局地方労災医員協議会精神障害専門部会の意見書(乙39,)医師の意見書(乙76)及び医師の意見書(乙82)は,前記認定RQ事実に照らすと,いずれも,その前提となる事実の認定に誤りがあるかSら,その結論を採用することはできないし,当審 乙39,)医師の意見書(乙76)及び医師の意見書(乙82)は,前記認定RQ事実に照らすと,いずれも,その前提となる事実の認定に誤りがあるかSら,その結論を採用することはできないし,当審において提出された医師(乙83,医師(乙84,医師(乙100,医師(乙1)))TRQ02)の各意見書も同様にして採用できない。 第4 結論 以上のとおりであるから,本件各処分はいずれも違法であり,その取消を求める被控訴人の請求を認容した原判決は相当であって,本件控訴は理由がないから,これを棄却することとし,主文のとおり判決する。 名古屋高等裁判所民事第2部裁判長裁判官満田明彦裁判官堀内照美裁判官野々垣隆樹
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