【DRY-RUN】主 文 一 被告は、別紙標章目録(一)記載の標章を付した加工食料品の包装箱を展示又 は頒布してはならない。 二 被告は、別紙標章目録(二)記載の標章を付した加工食料品に関するチラシを 展示し、又は
主文 一被告は、別紙標章目録(一)記載の標章を付した加工食料品の包装箱を展示又は頒布してはならない。 二被告は、別紙標章目録(二)記載の標章を付した加工食料品に関するチラシを展示し、又は頒布してはならない。 三被告は、被告肩書地所在の被告店舗に設置の「東天紅」なる文字を付した別紙図面(1)の文字看板及び「東天紅」なる文字からなる同図面(2)の文字板を撤去し、同図面(3)のひさし型テントの「東天紅本店」の文字を抹消せよ。 四訴訟費用は被告の負担とする。 事実 第一当事者の求める裁判一原告主文同旨二被告 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 第二当事者の主張一原告の請求原因 1 原告の商標権原告は左に記載する商標権(以下、「本件商標権」といい、その登録商標を「本件商標」という。)を有している(別添商標公報参照)。 出願昭和三六年四月一七日出願公告昭和三七年三月二九日登録昭和三七年一〇月二九日登録番号第六〇〇〇〇一号更新登録昭和四八年七月九日、昭和五八年一月二七日登録商標別添商標公報のとおり指定商品三二類食肉、卵、食用水産物、野菜、果実、加工食料品(他の類に属するものを除く) 2 被告標章(一) 被告は、昭和四七年に設立され、肩書地において中華料理の飲食業を営みこれに附帯して、「ぎようざ」「しゆうまい」等の中華食料品(以下「本件商品」という)を右店舗において販売している有限会社である。 (二) 被告は、遅くとも昭和五九年四月から本件商品を、紙製の包装箱に入れ別紙標章目録(一)記載の標章(以下イ一号標章という)を印刷したレツテルを貼付して、販売しており、また、別紙標章目録(二)記載の標章(以下イ二号標章という)を付した本件商品に関する広告用チ 箱に入れ別紙標章目録(一)記載の標章(以下イ一号標章という)を印刷したレツテルを貼付して、販売しており、また、別紙標章目録(二)記載の標章(以下イ二号標章という)を付した本件商品に関する広告用チラシを印刷し、遅くとも昭和五九年四月から、被告店舗等において、顧客に頒布している。 (三) 被告は、昭和四七年ころから、右被告肩書地所在の店舗において本件商品、おせち料理を販売しているが、右店舗の二階部分に宮殿を模した広告塔を設置し、これに「東天紅」なる文字からなる別紙図面(2)の文字板を付したうえ、「東天紅」なる文字を付した同図面(1)の文字看板を掲げ、さらに同店舗の同図面(3)ひさし型テント部分には「東天紅本店」の文字を付している。 (四) 商標を付して広告行為を行うことは商標の使用に該当するところ、右は広告にイ一号標章、イ二号標章を付したもので、イ一号標章、イ二号標章の使用に該当する。 3 本件商標と被告標章の対比(一) イ一号標章は、外観、称呼、観念のいずれにおいても本件商標と同一である。 (二) イ二号標章は、本件商標と同じ「東天紅」なる漢文字を付しているに過ぎないもので、主要部分は、あくまで「東天紅」なる文字部分にあるのであるから本件商標と外観、称呼、観念のいずれにおいても類似している。 (三) 従つて、イ一号標章、イ二号標章はいずれも本件商標と同一または類似である。 4 よつて、原告は被告に対し、本件商標権に基づき、(一)イ一号標章を付した加工食料品の包装箱及び(二)イ二号標章を付した加工食料品に関するチラシの各展示又は頒布の差止並びに被告肩書地所在の被告店舗に設置の別紙図面(1)(2)の看板、文字板の撤去及び同図面(3)のひさし型テントの「東天紅本店」の文字の抹消を求める。 二請求原因に対する被告の認否 1 請求原因1は認める。 肩書地所在の被告店舗に設置の別紙図面(1)(2)の看板、文字板の撤去及び同図面(3)のひさし型テントの「東天紅本店」の文字の抹消を求める。 二請求原因に対する被告の認否 1 請求原因1は認める。 2 同2のうち、(一)ないし(三)は認めるが、(四)は争う。 被告の販売する中国料理は主として店内における飲食に供せられるもので、店外に持ち出される商品は土産として持ち帰られる程度の範囲を出ないのであるから、イ一号標章を商品の包装箱に使用することはもとより、広告用チラシにイ二号標章を使用すること及び被告店舗の看板等にイ一号標章、イ二号標章を付することも商標として使用したことにはならない。これらは被告の商号を使用したにすぎないとみるべきである。 3 同3は認める。 4 同4は争う。 三被告の主張被告は、次のとおり、イ一号標章、イ二号標章について商標法三二条による先使用権を有する。 すなわち、 1 訴外Aは、昭和三四年六月以来名古屋市<以下略>において商号を「東天紅」として、これを商品には商標として使用して、中国料理店を営業し、中国食品加工一般販売業を営業していた。 2 被告代表者は、昭和三五年一二月一日、右訴外人から右営業を譲り受け、以来、右商号及び商標を承継して、これを使用していた。 3 その後、被告代表者は被告肩書地に店舗を移転したが、昭和四七年一〇月に被告が設立されると同時に被告にその営業を譲り渡し、被告は、以来、右商号及び商標を承継して、これを使用している。 従つて、被告は先使用権を有するから原告の本件商標権によりイ一号標章、イ二号標章の使用を差止められる筋合いはない。 四被告の主張に対する原告の認否被告の主張は争う。 第三証拠関係(省略) 理由 一請求原因1(原告の商標権)、同2(被告標章)のうちの(一) 用を差止められる筋合いはない。 四被告の主張に対する原告の認否被告の主張は争う。 第三証拠関係(省略) 理由 一請求原因1(原告の商標権)、同2(被告標章)のうちの(一)ないし(三)及び同3(本件商標と被告標章の対比)は、いずれも当事者は争いがない。 二そこで、請求原因2(二)、(三)記載の各行為が商標の使用に該当するか否かについて判断するに、商標法三七条一号にいう商標の使用とは、商品の同一性を表示するための識別標識(標章)を、商品又は商品の包装に附し、これを譲渡若しくは、引渡し、又は譲渡若しくは引渡しのために展示又は輸入し、商品に関する広告、定価表又は取引書類に右標章を附して展示し又は頒布する行為を指称するものと解され(商標法二条三項)、商人が自己を表示するために用いる商号であつても、右の商品の同一性を表示するための識別標識(標章)として右態様にて用いられる場合は、これを商標の使用というべきである。 そこで、前記2(二)、(三)記載の各行為についてこれをみると、本件商品を紙製の包装箱に入れイ一号標章を印刷したレツテルを貼付して販売する行為及びイ二号標章を附した本件商品に関する広告用チラシを印刷し顧客に頒布する行為(前記2(二)の行為)がイ一号標章、イ二号標章を商標として使用するものであることは明らかであり、また被告肩書地所在の店舗(本件商品、おせち料理を右店舗において販売している。)の二階部分に宮殿を模した広告塔を設置し、これに「東天紅」なる文字からなる別紙図面(2)の文字板を付し、「東天紅」なる文字を付した同図面(1)の文字看板を揚げ、同店舗の同図面(3)のひさし型テント部分に「東天紅本店」の文字を付する行為(前記2(三)の行為)は、右店舗において本件商品を販売している以上、右「東天紅」及び「東天紅本店 面(1)の文字看板を揚げ、同店舗の同図面(3)のひさし型テント部分に「東天紅本店」の文字を付する行為(前記2(三)の行為)は、右店舗において本件商品を販売している以上、右「東天紅」及び「東天紅本店」なる文字が、いずれも本件商品の同一性を表示するための識別標識(標章)としての機能を有するものと認めるのが相当であるから、右は、本件商品に関する広告に標章を付して展示した行為(商標法二条三項三号)に当たり、これも商標の使用に該当するものというべきである。 なお、念のため付言するに、商標法二六条一項一号は、自己の氏名、名称若しくはその著名な略称を普通に用いられる方法で表示する商標には商標権の効力が及ばない旨規定しているが、イ一号標章、イ二号標章が被告の商号そのものを表示したものでないことは明らかであり、また、イ一号標章、イ二号標章が被告の商号の略称であるとしても右略称が著名であることを認めるに足りる証拠は何ら存しないし、更に、イ一号標章は、一般需要者の注意を引くような特別な字体が用いられているから、被告の前記各行為は、被告が自己の商号若しくはその著名な略称を普通に用いられる方法で表示したものとは認め難い。したがつて、被告が「有限会社東天紅」なる商号を有していることは前記判断を左右するものではない。 三次に、被告の先使用の主張について判断するに、商標法三二条一項は、先使用に係る商標が登録商標の登録出願の際現に自己の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていることを先使用権成立の要件としているが、被告は右の点について何ら主張しないし、本件全証拠によつても右事実を認めることはできない。すなわち、被告代表者本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、被告は昭和四七年一〇月に設立された有限会社であるところ、被告の営業は、昭和三四年こ 本件全証拠によつても右事実を認めることはできない。すなわち、被告代表者本人尋問の結果及び弁論の全趣旨によれば、被告は昭和四七年一〇月に設立された有限会社であるところ、被告の営業は、昭和三四年ころから訴外Aが名古屋市<以下略>にて営業していた中国料理店を被告代表者が昭和三五年一二月ごろ譲り受け、以来個人として営業していたものを被告の設立と同時に引き継いだものであること、被告代表者が個人として営業を開始した当初から本件商品を土産品として販売していたが、営業の主体は店舗内における飲食物の提供で、土産品の販売量は微々たるものであつたこと、及び営業規模は右名古屋市<以下略>に約一二坪の店舗を有するのみ(昭和三七年に被告肩書地に店舗を移転した。)で、当初は、被告代表者及びその妻が営業に従事し、他に従業員はいなかつたことの各事実が認められる(右認定に反する証拠はない。)。 右事実によれば、本件商標の登録出願日である昭和三六年四月一七日の時点において、イ一号標章、イ二号標章が訴外A若しくは被告代表者の営業に係る本件商品に付せられた期間は、通算しても三年未満であることは明らかであり、右のとおりその営業規模も小さく、殊に本件商品の販売量が極めて小さいことを勘案すれば、イ一号標章、イ二号標章が本件商標の登録出願時に現に需要者の間に広く認識されているとみることは到底できないし、また、他にこれを認めるに足りる証拠もない。 そうすると、その余の点について判断するまでもなく、被告の先使用の主張は失当である。 四よつて、原告の請求は理由があるからこれを認容することとし、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用して、主文のとおり判断する。 (裁判官加藤義則高橋利文綿引穣)〈12553-001〉〈12553-002〉〈12553-003〉 し、訴訟費用の負担について民訴法八九条を適用して、主文のとおり判断する。 (裁判官加藤義則高橋利文綿引穣)〈12553-001〉〈12553-002〉〈12553-003〉
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