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昭和30(け)4 勾留更新決定に対する異議申立事件

裁判所

昭和30年8月20日 広島高等裁判所 棄却

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1,621 文字

主文 本件各異議を棄却する。理由 本件異議の理由は末尾添付の異議の理由に記載のとおりであつて、これに対する当裁判所の判断は次のとおりである。異議の理由第一、二点について記録上本件被告事件について当裁判所第一部裁判長判事A、同判事B、同判事Cが昭和三〇年四月一五日並びに同年五月二三日、同部裁判長判事B、同判事D、同判事Cが同年六月二九日被告人に対する各勾留更新決定をしたこと、弁護人原田香留夫が同年三月二五日の本件被告事件の公判期日において裁判長判事A、判事B、判事C全員忌避の申立をし同公判期日において刑事訴訟規則第一一条により訴訟手続が停止せられたこと及び該忌避申立につき未だ決定がなされていないことは、所論指摘のとおりである。しかし、裁判官が事件について当然その職務の執行から除斥される場合は刑事訴訟法第二〇条各号に規定して限定せられるところであつて、裁判官が忌避を申立てられたことが除斥原因とならないことは同条に照らし明<要旨>白である。しかしてまた、裁判官が被告事件について不公平な実体的裁判をする虞があるとして忌避の申立が</要旨>あつた場合刑事訴訟規則第一一条によつて停止せられる訴訟手続はその被告事件の実体的裁判への到達を目的とする本案の訴訟手続であつて、該事件の公判手続における被告人の出頭を保障し、あるいは被告人の罪証隠滅を防止する等刑罰権の存否を確定する実体的な審判手続に対し副次的目的を有するに過ぎない被告人に対する勾留更新手続はこれを含まないものと解すべきところ、記録によると右忌避申立理由は要するに前記三裁判官が本件被告事件について不公平な実体的裁判をする虞があるというにあるから、叙上の訴訟手続の停止は本件被告事件についての被告人に対する勾留更新決定に及ばないものとなすべく 申立理由は要するに前記三裁判官が本件被告事件について不公平な実体的裁判をする虞があるというにあるから、叙上の訴訟手続の停止は本件被告事件についての被告人に対する勾留更新決定に及ばないものとなすべく、未だ右忌避申立が理由あるものとする決定が確定しない現手続段階においては忌避を申立てられた前記裁判官が該忌避申立後の被告人に対する勾留更新決定こ関与するも違法ではない。 留更新決定に及ばないものとなすべく 申立理由は要するに前記三裁判官が本件被告事件について不公平な実体的裁判をする虞があるというにあるから、叙上の訴訟手続の停止は本件被告事件についての被告人に対する勾留更新決定に及ばないものとなすべく、未だ右忌避申立が理由あるものとする決定が確定しない現手続段階においては忌避を申立てられた前記裁判官が該忌避申立後の被告人に対する勾留更新決定こ関与するも違法ではない。なお、論旨は右各勾留更新決定が憲法第三七条第一項第七六条第三項に違反する旨主張するが、記録を精査するも右各勾留更新決定に所論の憲法違反のかどありとは認められない。以上論旨は理由がない。同第三点について記録上昭和二九年三月二九日当裁判所第四部裁判長判事E、同判事F、同判事Cが本件被告事件について広島地方裁判所がした保釈却下決定に対する抗告を棄却する決定をしたこと及び右判事Cが本件被告事件について昭和三〇年一月一二日当裁判所がした被告人に対する勾留更新決定に関与していることは、所論のとおりである。しかし、同一被告事件においても保釈却下決定に対する抗告は勾留更新決定の前審たる関係にないから、右判事Cが前記保釈却下決定に対する抗告事件に関与したことを以て同判事に右勾留更新決定につき刑事訴訟法第二〇条第七号の「裁判官が事件について前審の裁判の基礎となつた取調に関与したとき」に該当する除斥原因ありと主張する所論は、その前提において失当である。論旨は理由がない。よつて刑事訴訟法第四二八条第四二六条に従い主文のとおり決定する。(裁判長判事柴原八一判事尾坂貞治判事池田章)

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