令和2年2月20日判決言渡同日原本領収裁判所書記官令和元年(ワ)第14446号発信者情報開示請求事件口頭弁論終結日令和元年11月14日判決 原告株式会社 K. E. G 同訴訟代理人弁護士梶山武彦同訴訟復代理人弁護士河瀬 季同谷川 智 被告ソフトバンク株式会社 同訴訟代理人弁護士五十嵐 敦同大山貴俊 同近藤翔太 主文 1 原告の請求をいずれも棄却する。 2 訴訟費用は原告の負担とする。 事実 及び理由 第1 請求被告は,原告に対し,別紙発信者情報目録記載の各情報を開示せよ。 第2 事案の概要本件は,原告が,氏名不詳者によりインターネット上のウェブサイトに投稿された別紙投稿記事目録記載1ないし5の各内容欄記載の写真(以下,同目録 の番号に合わせて「本件写真1」ないし「本件写真5」といい,本件写真1ないし5を併せて「本件各写真」という。)は,原告が著作権を有する別紙著作物目録記載の各写真(以下,同目録の番号に合わせて「原告写真1-1」ないし「原告写真5-4」といい,原告写真1-1ないし5-4を併せて「原告各写真」という。)をつなぎ合わせて作成されたものであり,同氏名不詳者が本件各 写真を投稿した行為は原告各写真に係る原告の複製権及び公衆送信権を侵害するも 告写真1-1ないし5-4を併せて「原告各写真」という。)をつなぎ合わせて作成されたものであり,同氏名不詳者が本件各 写真を投稿した行為は原告各写真に係る原告の複製権及び公衆送信権を侵害するものであることが明らかであると主張して,経由プロバイダである被告に対し,特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律(以下「法」という。)4条1項に基づき,本件各写真の投稿に用いられたアカウントと同一のアカウントへのログインに用いられた別紙発信者情報 目録記載1の各IPアドレス(以下「本件各IPアドレス」という。)を同目録記載1の発信日時頃に割り当てられていた者に係る同目録記載2の情報(以下,「本件各発信者情報」という。)の開示を求める事案である。 1 前提事実(当事者間に争いがないか,末尾の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実。なお,枝番号の記載を省略したものは,枝番号を含む(以 下同様)。)(1) 氏名不詳者は,別紙投稿記事目録記載1ないし5の各投稿日欄の日付において,本件各写真を含む記事をインターネット上のウェブサイトである「インスタグラム」に投稿した(以下,同目録の番号に合わせて「本件投稿行為1」ないし「本件投稿行為5」といい,本件投稿行為1ないし5を併せて「本 件各投稿行為」という。)。(甲7)本件各写真は,複数の写真をつなぎ合わせる形で構成されているところ,本件写真2には,原告写真2-1ないし2-5が利用されている。(甲7,14)(2) 本件各写真が投稿された上記ウェブサイト(以下「本件サイト」という。) に記事を投稿するためには,予めユーザ名及びパスワード等を登録してアカウントを作成し,登録したユーザ名及びパスワードを用い れた上記ウェブサイト(以下「本件サイト」という。) に記事を投稿するためには,予めユーザ名及びパスワード等を登録してアカウントを作成し,登録したユーザ名及びパスワードを用いてアカウントにログインする必要がある。(甲5)本件各投稿行為は,いずれも「kyabakyaba12」というユーザ名のアカウント(以下「本件アカウント」という。)にログインした状態でな された。(甲6,7)(3) 本件サイトにおいては,あるアカウントに複数の者が同時にログインすることが可能であり,当該アカウントに対し複数のアクセス元からのログインが併存し得る。(弁論の全趣旨)(4) 原告は,本件サイトを運営する訴外フェイスブック・インク「以下「フェ イスブック」という。)から,本件アカウントへログインするための情報が発信された発信日時及び発信元のIPアドレスの開示を受けたところ,その内容は別紙発信者情報目録記載1(1)ないし(13)のとおりであった。(甲4。以下,同目録記載1(1)ないし(13)で特定される各ログインを同目録の番号に合わせて「本件ログイン(1)」ないし「本件ログイン(13)」といい,本件ログイ ン(1)ないし(13)を併せて「本件各ログイン」という。)(5) 被告は,本件各発信者情報を保有している。 2 争点(1) 本件各発信者情報が「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法4条1項柱書)に当たるか否か(争点1) (2) 被告が「開示関係役務提供者」に該当するか(争点2)(3) 権利侵害の明白性(争点3)(4) 本件各発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無(争点4) 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(本件各発信者情報が「当該権 (3) 権利侵害の明白性(争点3)(4) 本件各発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無(争点4) 3 争点に関する当事者の主張(1) 争点1(本件各発信者情報が「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法4条 1項柱書)に当たるか否か)について[原告の主張]次のア,イの各点からすれば,本件発信者情報は「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該当する。 ア 「当該権利の侵害に係る発信者情報」は,問題となっている情報を現実 に発信した際に把握される発信者情報に限定されるべきではなく,不法行為に基づく損害賠償責任等を負う者に関する情報が含まれる。なぜなら,文理上,情報を現実に発信した際に把握される発信者情報にまで限定していないし,また,法4条1項の趣旨は,特定電気通信を用いて行われた加害者不明の権利侵害行為の被害者の当該加害者に対する正当な権利行使 の可能性の確保と,発信者の表現の自由及びプライバシーの確保,これに伴い役務提供者が契約者に対して有する守秘義務等の間の調整を図る点にあるところ,上記の解釈を行わない限り,各投稿時の情報を保存しない本件サイトのようなログイン型SNSにおいては他人の権利を侵害した者を特定することが不可能となり,被害者の当該加害者に対する正当な権 利行使の可能性が断たれる一方,規範的に見て権利を侵害しているとみなされる者,共同不法行為の責任を負うべき者,直接の権利侵害行為を幇助した者に関する情報を含むとしても,第三者の表現の自由,プライバシー及び通信の秘密を不当に制限することにはならないからである。 イ本件各投稿行為をした者と本件アカウントへログインした者は同一人物 である。また,仮に,別人であったとしても,本件アカウント び通信の秘密を不当に制限することにはならないからである。 イ本件各投稿行為をした者と本件アカウントへログインした者は同一人物 である。また,仮に,別人であったとしても,本件アカウントへログインした者は,本件アカウントの管理運営について密接な関連性があり,本件各投稿行為をした際の事情を把握していると考えられる以上,規範的に見て権利を侵害しているとみなされる者,共同不法行為の責任を負うべき者又は直接の権利侵害行為を幇助した者に当たり,本件各投稿行為について 損害賠償責任等を負う者といえ,本件各発信者情報は,そのような者に係る情報である以上,「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該当する。 [被告の主張]次のア,イの各点からすれば,本件発信者情報は「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該当しない。 ア法が,発信者情報の開示請求権を創設した反面,発信者のプライバシーや表現の自由,通信の秘密等に配慮し,その権利行使の要件として権利侵害の明白性等の厳格な要件を定めた趣旨や,法4条1項の文言に照らすと,開示請求の対象は,開示請求者の権利を侵害したとする情報の発信者についての情報に限られると解すべきであり,権利侵害情報でない情報の発信 (以下「非侵害発信」という。)に係る者の情報は,これが開示されることにより,侵害情報の発信者が特定される可能性があるとしても,発信者情報開示請求の対象にならないと解すべきである。 そして,本件アカウントへのログインの際の情報の発信は非侵害発信であり,この発信に係る者の情報は,発信者情報開示請求の対象にならない。 イ本件各投稿行為は,平成31年(2019年)1月8日から同月18日にかけての間になされているところ,本件アカウントにログイン情 信に係る者の情報は,発信者情報開示請求の対象にならない。 イ本件各投稿行為は,平成31年(2019年)1月8日から同月18日にかけての間になされているところ,本件アカウントにログイン情報が送信された日時との間には,それぞれ最短でも36日間,最長では46日間も開きがあることからすると,本件各ログインに基づいて本件各投稿行為がなされたことは明らかではない。とりわけ,本件ログイン(1)ないし(3) は,本件各投稿行為の後になされていることからすると,本件ログイン(1)ないし(3)に基づいて本件各投稿行為がなされていないことは論理的に明白である。 そもそも,本件サイトにおいては,あるアカウントに複数の者が同時にログインすることが可能と考えられること,本件サイトでは,同一のアカ ウントを複数人で管理・運営することも考えられ,パスワードさえ分かれば,アカウントの作成者以外の者でもログインすることができることからすれば,本件各ログインを行った者が本件各投稿行為を行ったことの蓋然性が高いとは到底いえない。 (2) 争点2(被告が「開示関係役務提供者」に該当するか)について [原告の主張]原告は,前記1(4)のとおり,フェイスブックから別紙発信者情報目録記載の各IPアドレスの開示を受け,これにより,被告が違法な記事の投稿に関与していると疑われる者の氏名・住所等の発信者情報を保有していることを特定した。したがって,被告は「開示関係役務提供者」に該当する。 [被告の主張]法4条1項が定める「開示関係役務提供者」とは,他人の権利を侵害したとされる情報を流通させた特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者であるところ,被告は,本件各ログイン日時 項が定める「開示関係役務提供者」とは,他人の権利を侵害したとされる情報を流通させた特定電気通信の用に供される特定電気通信設備を用いる特定電気通信役務提供者であるところ,被告は,本件各ログイン日時に,本件各IPアドレスを用いてなされた,本件アカウントで本件サイトに ログインするという,非侵害発信の用に供された電気通信設備を用いて当該非侵害発信を媒介したにすぎない。そして,本件各投稿行為に使用されたIPアドレス及び同アドレスの割当日時が定かでなく,被告が本件各投稿行為の用に供される特定電気通信設備を用いて本件各投稿行為を媒介したことについて主張立証がない以上,被告が法4条1項にいう「開示関係役務提供 者」に該当するとはいえない。 (3) 争点3(権利侵害の明白性)について[原告の主張]ア原告各写真の著作物性原告各写真は,撮影者である原告の従業員の思想又は感情を創作的に表 現しており,創作性が認められる。すなわち,原告各写真は,機械的・画一的に撮影される証明写真等と異なり,被写体である女性の捕捉について,当該女性ごと,かつ写真ごとに異なる内容であり,撮影者の個性が表現されている。更に,原告各写真は,その背景の選択やライティング及びコントラストにおいても,撮影者の個性が表れている。 イ原告は原告各写真の著作者であるか原告は,キャバクラ店から女性従業員の広告宣伝用の写真撮影として多数の依頼を受け,従業員又は業務委託先である専属カメラマンが原告の業務フローに従い,依頼内容に応じて写真を撮影している。原告各写真もそのように撮影されたものであるから,原告の発意に基づき,原告の業務に 従事する者がその職務上作成した著作物である。また,原告各写真は,原 従い,依頼内容に応じて写真を撮影している。原告各写真もそのように撮影されたものであるから,原告の発意に基づき,原告の業務に 従事する者がその職務上作成した著作物である。また,原告各写真は,原告がその著作の名義の下に公表している。さらに,原告と上記カメラマンとの間には著作者に関する別段の定めはない。したがって,著作権法15条1項に基づき,原告各写真の著作者は原告である。 ウ原告各写真が本件各写真に利用されているか 本件各写真は,原告各写真を含む複数の写真をつなぎ合わせる形で構成されている(具体的には,本件写真1につき原告写真1-1ないし1-4,本件写真2につき原告写真2-1ないし2-5,本件写真3につき原告写真3-1ないし3-5,本件写真4につき原告写真4-1ないし4-4,本件写真5につき原告写真5-1ないし5-4)。 エ引用(著作権法32条1項)の抗弁の成否本件各投稿行為は,投稿者の営業促進目的で行われたものと考えられること,本件各写真の大半を原告各写真が占めており,かかる利用の態様は引用として適切なものとは評価し得ないこと,本件各投稿行為により,原告の営業機会が減少するおそれがある等,原告に与える不利益の程度が大 きいことからすれば,「公正な慣行に合致するものであり,かつ,報道,批評,研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行われるもの」とは認められない。 [被告の主張]ア原告各写真の著作物性 原告各写真は,いずれも人物の顔及び上半身等をありふれた構図で撮影した写真にすぎず,創作性が認められるか否か明らかではない。 イ原告は原告各写真の著作者であるか原告各写真が,原告の従業員等によって撮影されたも び上半身等をありふれた構図で撮影した写真にすぎず,創作性が認められるか否か明らかではない。 イ原告は原告各写真の著作者であるか原告各写真が,原告の従業員等によって撮影されたものか否か明らかではなく,原告が著作者であることが明らかであるとはいえない。 ウ原告各写真が本件各写真に利用されているか原告写真2-1ないし2-5以外の本件各投稿行為に係る写真については,原告各写真が利用されているか否か明らかでない。 エ引用(著作権法32条1項)の抗弁の成否本件各投稿行為による投稿の表記や内容に鑑みれば,本件各投稿行為が 公正な慣行に合致し,引用の目的上正当な範囲内で行われるものに当たらないことが明らかであるとはいえない。 (4) 争点4(本件各発信者情報の開示を受けるべき正当な理由の有無)について[原告の主張] 原告は,本件各投稿行為を行った者に対し,著作権侵害に関する損害賠償請求を行う予定であり,その前提として,被告の保有する本件各発信者情報の開示を受ける必要があるため,これを求めるべき正当な理由がある。 [被告の主張]原告の上記主張は争う。 第3 当裁判所の判断 1 争点1(本件各発信者情報が「当該権利の侵害に係る発信者情報」(法4条1項柱書)に当たるか否か)について(1) この点,被告は,別紙発信者情報目録記載1の各IPアドレス(本件各IPアドレス)及び発信日時は,本件アカウントへのログインの際のものであ って,本件各投稿行為が行われた際のものではないから,原告が開示を求める情報は,権利の侵害に係る発信者情報には当たらない旨を主張する。 しかしながら,原告が開示を求める本件各発信者情報 って,本件各投稿行為が行われた際のものではないから,原告が開示を求める情報は,権利の侵害に係る発信者情報には当たらない旨を主張する。 しかしながら,原告が開示を求める本件各発信者情報が本件アカウントへのログインの際のものであるとしても,当該ログインからログアウトまでの機会に当該ログイン状態を利用して本件各投稿行為が行われたことの証明が なされているといえる場合には,本件アカウントへのログインの際の情報は法4条1項柱書に規定する「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たると解するのが相当である。なぜなら,当該ログイン状態を利用して本件各投稿行為が行われたことの証明があった場合には,当該ログインに係る情報を「当該権利の侵害に係る発信者情報」と解することに文理上の障害はなく,また, かかる解釈は,権利の侵害を受けた者の正当な権利の行使を可能にするという立法趣旨にも合致するからである。 (2) そこで,本件ログイン(1)ないし(13)につき,当該ログイン状態を利用して本件各投稿行為が行われたことの証明がなされているか否かを以下検討する。 アこの点,本件ログイン(1)ないし(3)は,本件各投稿行為より時間的に後 になされたものであり,当該ログイン状態を利用して本件各投稿行為が行われるということはそもそも不可能である。 イ他方,本件ログイン(4)ないし(13)は,本件各投稿行為より時間的に先行してなされているから,当該ログイン状態を利用して本件各投稿行為が行われた可能性は認められる。しかしながら,上記各ログインに関しても, 前記第2の1(3)のとおり,本件サイトにおいては,同一のアカウントに対し,複数の端末からのログイン状態の併存が可能であることからすれば,いずれのロ ログインに関しても, 前記第2の1(3)のとおり,本件サイトにおいては,同一のアカウントに対し,複数の端末からのログイン状態の併存が可能であることからすれば,いずれのログイン状態を利用して本件各投稿行為がなされたのか不明であり,ひいては,当該ログイン状態を利用して本件各投稿行為が行われたと認めるには至らないといわざるをえない。また,本件においては,本件 各投稿行為がなされた日からさかのぼって36日間(本件投稿行為1の場合)ないし46日間(本件投稿行為2の場合)の期間内に,本件ログイン(4)ないし(13)のとおり,複数のIPアドレスによるログインがあるものであって,投稿行為に用いられたアカウントに,投稿日から過去にさかのぼる相応の期間,唯一特定のIPアドレスによるログインしかなかったと いうような場合に当たるものでもない。これらによれば,本件各ログインの発信元のIPアドレス(本件IPアドレス)相互の関係が証拠上不明であることを考慮するまでもなく,本件は,上記(1)で説示した場合には当たらないというほかない。 ウ以上からすれば,本件ログイン(1)ないし(13)につき,当該ログイン状態 を利用して本件各投稿行為が行われたことの証明がなされているとはいえない。 したがって,本件各発信者情報が「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たるとは認められないというべきである。 (3) これに対し,原告は,法4条1項柱書の「当該権利の侵害に係る発信者情 報」は,問題となっている情報を現実に発信した際に把握される発信者情報に限定されるべきではなく,不法行為に基づく損害賠償責任等を負う者に関する情報が含まれるところ,本件各投稿行為をした者は,本件アカウントへログインした者と同一人物 に発信した際に把握される発信者情報に限定されるべきではなく,不法行為に基づく損害賠償責任等を負う者に関する情報が含まれるところ,本件各投稿行為をした者は,本件アカウントへログインした者と同一人物であるか,仮に別人であったとしても,後者は,規範的に見て権利を侵害しているとみなされる者,共同不法行為の責任を負 うべき者又は直接の権利侵害行為を幇助した者に当たり,本件各投稿行為について損害賠償責任等を負う者であるから,本件各発信者情報は,そのような者に係る情報である以上,「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該当する旨主張する。 しかしながら,法4条1項の文言,及び,同条項の規定に基づき開示の対 象となる発信者情報を規定した省令(特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律第四条第一項の発信者情報を定める省令,平成14年総務省令第57号)の文言は,その文理からみて,侵害者自身の情報を対象とすることが明らかであって,原告の主張する上記の解釈を許容するものということはできず,また,本件各投稿行為をした者以 外の者のIPアドレスに係る住所,氏名等の個人情報を開示してしまった場合には,その者の通信の秘密やプライバシーを不当に侵害する結果をもたらすことも考慮すれば,規定文言の文理を超えて,被害者の正当な権利行使の可能性を確保すべき必要性から直ちに上記の解釈を導き出すことには無理があると言わざるを得ない。さらに,本件各投稿行為をした者が本件アカウン トへログインした者と同一人物であると認めるに足りる的確な証拠はなく,また,個々のアカウントの管理の態様は様々であることや,前記(2)イの説示に照らせば,本件各投稿行為をした者と別人である本件アカウントへログインした者が,規範 あると認めるに足りる的確な証拠はなく,また,個々のアカウントの管理の態様は様々であることや,前記(2)イの説示に照らせば,本件各投稿行為をした者と別人である本件アカウントへログインした者が,規範的に見て権利を侵害しているとみなされる者等に当たり,本件各投稿行為について損害賠償責任等を負うことが明らかであるとは認め ることはできず,本件各発信者情報がそのような者に係る情報であることを理由に「当該権利の侵害に係る発信者情報」に該当するとする原告の主張は,その前提を欠くことに帰することとなる。 以上からすれば,原告の上記各主張はいずれも採用し難く,本件各発信者情報が「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たるとは認められないとし た上記の結論を左右しない。 (4) したがって,本件各発信者情報を法4条1項に規定する「当該権利の侵害に係る発信者情報」に当たるということはできない。 2 結論よって,その余の点について判断するまでもなく,原告の請求はいずれも理 由がないから全て棄却することとして,主文のとおり判決する。 東京地方裁判所民事第47部 裁判長裁判官田中孝一 裁判官横山真通 裁判官奥俊彦 (別紙)発信者情報目録 別紙投稿記事目録記載の投稿記事の投稿に用いられたアカウントへのログインに用いられた下記1記載の各IPアドレスを同1 記載の発信日時ころに使用して情報 を送信した者に関する情報であって下記2に掲げるもの。 番号発信日時IPアドレス(1)2019-03-01 05:18:32 UTC(省略) 発信日時ころに使用して情報 を送信した者に関する情報であって下記2に掲げるもの。 番号発信日時IPアドレス(1)2019-03-01 05:18:32 UTC(省略)(2)2019-03-01 05:18:27 UTC(省略)(3)2019-02-17 20:45:21 UTC(省略)(4)2018-12-03 12:49:29 UTC(省略)(5)2018-11-06 18:26:02 UTC(省略)(6)2018-10-22 13:58:50 UTC(省略)(7)2018-10-02 15:14:21 UTC(省略)(8)2018-09-18 08:33:15 UTC(省略)(9)2018-09-15 15:16:25 UTC(省略)(10)2018-09-09 18:31:15 UTC(省略)(11)2018-09-09 16:16:25 UTC(省略)(12)2018-09-07 16:37:54 UTC(省略)(13)2018-09-06 11:06:09 UTC(省略) (1) 氏名又は名称 (2) 住所 (別紙)投稿記事目録 URL(URLは省略)投稿日 2019年1月18日投稿者 kyabakyaba12内容 URL(URLは省略)投稿日 2019年1月15日投稿者 kyabakyaba12内容 URL(URLは省略)投稿日 2019年1月11日投稿者 kyabakyaba12内容 日投稿者 kyabakyaba12内容 URL(URLは省略)投稿日 2019年1月11日 投稿者 kyabakyaba12内容 URL(URLは省略)投稿日 2019年1月9日 投稿者 kyabakyaba12内容 URL(URLは省略)投稿日 2019年1月8日 (別紙)著作物目録 1-1 1-2 1-3 1-4 2-1 2-2 2-3 2-4 2-5 3-1 3-2 3-3 3-4 3-5 4-1 4-2 4-3 4-4 5-1 5-2 5-3 5-4
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